説明

熱硬化性樹脂組成物、カラーフィルタの保護膜の製造方法およびカラーフィルタの保護膜

【課題】表面の平坦性が低い基体であっても、当該基体上に平坦性の高い硬化膜を形成することができ、しかも、透明性が高く、配線電極のパターニング特性が良好なカラーフィルタの保護膜を製造するために好適に用いられる熱硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】熱硬化性樹脂組成物は、〔A〕ビシクロオルトエステル構造を有する重合体、および〔B〕感熱性酸発生剤を含有する。熱硬化性樹脂組成物は、さらに〔C〕(c1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、(c2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物およびオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる重合性不飽和化合物の共重合体を含有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、カラーフィルタの保護膜の製造方法およびカラーフィルタの保護膜に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子(LCD)用カラーフィルタおよび電荷結合素子(CCD)用カラーフィルタの保護膜を製造するための材料として好適な組成物、その組成物を使用した保護膜の製造方法、ならびにその組成物から製造された保護膜に関する。
【背景技術】
【0002】
LCDやCCD等の放射線デバイスは、その製造工程中に、溶剤、酸またはアルカリ溶液等による表示素子の浸漬処理が行なわれ、また、スパッタリングにより配線電極層を形成する際には、素子表面が局部的に高温に曝される。従って、このような処理によって素子が劣化あるいは損傷することを防止するために、これらの処理に対して耐性を有する薄膜からなる保護膜を素子の表面に設けることが行なわれている。
このような保護膜は、当該保護膜を形成すべき基体または下層、さらに保護膜上に形成される層に対して密着性が高いものであること、膜自体が平滑で強靭であること、透明性を有するものであること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって着色、黄変、白化等の変質を起こさないものであること、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであること等の性能が要求される。これらの諸特性を満たす保護膜を形成するための材料としては、例えばグリシジル基を有する重合体を含む熱硬化性組成物が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
また、このような保護膜をカラー液晶表示装置や電荷結合素子のカラーフィルタの保護膜として使用する場合には、一般的に下地基板上に形成されたカラーフィルタによる段差を平坦化できることが要求される。
さらに、カラー液晶表示装置、例えばSTN(Super Twisted Nematic)方式あるいはTFT(Thin Film Transister)方式のカラー液晶表示素子では、液晶層のセルギャップを均一に保持するためにビーズ状のスペーサーを保護膜上に散布したうえでパネルを貼り合わせることが行われている。その後にシール材を熱圧着することにより液晶セルを密封することとなるが、その際にかかる熱と圧力で、ビーズが存在する部分の保護膜が凹む現象が見られ、セルギャップが狂うことが問題となっている。
特にSTN方式のカラー液晶表示素子を製造する際には、カラーフィルタと対向基板との張り合わせの精度を極めて厳密に行わなければならず、保護膜には極めて高度な段差の平坦化性能および耐熱耐圧性能が要求されている。
【0004】
また、近年ではスパッタリングによりカラーフィルタの保護膜上に配線電極(インジウムチンオキサイド:ITO、あるいはインジウム亜鉛オキサイド:IZO)を成膜し、酸・アルカリ等でITOまたはIZOをパターニングする方式も採られている。このため、カラーフィルタ保護膜はスパッタリング時に表面が局部的に高温に曝されたり、数々の薬品処理がなされる。したがって、これらの処理の際にITOまたはIZOパターン線幅が必要以上に細くならない等、配線電極のパターニング特性が良好であること、および薬品処理時にITOまたはIZOが保護膜上から剥がれないように配線電極との密着性も要求されている。
【0005】
このような保護膜の形成には、簡易な方法で硬度に優れる保護膜を形成できる利点のある熱硬化性組成物を使用することが便宜であるが、上記したような諸特性を発現させるための保護膜樹脂組成物は、強固な架橋構造を形成させる反応性のよい架橋基あるいは触媒を有しており、そのために組成物自身のシェルフライフが非常に短いという問題があり、ハンドリングが非常にやっかいであった。すなわち、組成物の増粘により塗布性能が経時的に悪化するばかりでなく、塗工機の頻繁なメンテナンス、洗浄等が必要になり作業上も煩雑であった。
透明性などの保護膜としての一般的な要求性能を満たしたうえ上記したような諸性能を満たす保護膜を簡易に形成でき、かつ組成物としての保存安定性に優れた材料は未だ知られていない。
【0006】
ところで、ビシクロオルトエステルは酸触媒存在下で開環重合することが知られている(非特許文献1および非特許文献2参照)。しかしながら、カラーフィルタの保護膜を製造するのに好適な、ビシクロオルトエステルを含む熱硬化性組成物については何ら報告されていない。
【0007】
【特許文献1】特開平5−78453号公報
【特許文献2】特開2001−91732号公報
【非特許文献1】K.Saigo,W.J.Baily,T.Endo,and M.Okawara:J.Polym.Chem.Ed.,21,1435(1983)
【非特許文献2】Macromolecules,15,11(1982)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、表面の平坦性が低い基体であっても、当該基体上に平坦性の高い硬化膜を形成することができ、しかも、透明性が高く、配線電極のパターニング特性が良好なカラーフィルタの保護膜を製造するために好適に用いられる熱硬化性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたカラーフィルタの保護膜の製造方法、および該樹脂組成物より製造されたカラーフィルタの保護膜を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的および利点は、第一に、〔A〕ビシクロオルトエステル構造を有する重合体(以下、「〔A〕重合体」ということがある。)、および〔B〕感熱性酸発生剤を含有することを特徴とする、カラーフィルタの保護膜製造用熱硬化性樹脂組成物によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第二に、前記樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、次いで加熱処理することを特徴とする、カラーフィルタの保護膜の製造方法によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第三に、前記樹脂組成物から形成された、カラーフィルタの保護膜によって達成される。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、表面の平坦性が低い基体であっても、当該基体上に平坦性の高い硬化膜を形成することができ、しかも、透明性が高く、配線電極のパターニング特性が良好なカラーフィルタの保護膜を製造することができる。さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は保存安定性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
<熱硬化性樹脂組成物>
〔A〕重合体
本発明に使用される〔A〕重合体は、ビシクロオルトエステル構造を有する重合体である。〔A〕重合体としては、その側鎖または主鎖にビシクロオルトエステル構造を有する限り特に限定されないが、好ましくは、その側鎖に下記式(1)
【0012】
【化1】

【0013】
(式(1)において、R〜Rは相互に独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
で表される構造を有する重合体である。
上記式(1)において、R〜Rの炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
〜Rの炭素数1〜4のフルオロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−i−ブチル基、ノナフルオロ−sec−ブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基等を挙げることができる。R〜Rの炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等を挙げることができる。
上記式(1)で表される構造を有する重合体としては、例えば下記式(2)
【0014】
【化2】

【0015】
(式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、R〜Rは、それぞれ式(1)におけるR〜Rと同義である。)
で表される繰り返し単位を有する重合体(以下、「重合体α」ということがある。)を挙げることができる。
重合体αにおける上記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、好ましくは5〜95重量%であり、さらに20〜80重量%であることが好ましく、特に30〜60重量%であることが好ましい。
【0016】
重合体αは、上記式(2)で表される繰り返し単位と共に、これと異なる他の繰り返し単位を有することができる。他の繰り返し単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物(以下、これらをまとめて「他の重合性不飽和化合物」ということがある。)に由来する繰り返し単位を挙げることができる。
【0017】
これらの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロキシエチルグリコサイド、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート等;
(メタ)アクリル酸環状アルキルエステルとして、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等;
(メタ)アクリル酸アリールエステルとして、例えばフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等;
不飽和ジカルボン酸ジエステルとして、例えばマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等;
ビシクロ不飽和化合物として、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等;
マレイミド化合物として、例えばフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等;
不飽和芳香族化合物として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等;
共役ジエン系化合物として、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等;
不飽和モノカルボン酸として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;
不飽和ジカルボン酸として、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等;
不飽和ジカルボン酸無水物として、例えば上記不飽和ジカルボン酸の各無水物;
その他の不飽和化合物として、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げることができる。
重合体αは、これらのうち、得られる保護膜の耐熱性等の点から、スチレン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、N−シクロヘキシルマレイミドに由来する繰り返し単位を有することが好ましい。
重合体αは、他の重合性不飽和化合物のいずれか単独あるいは2種以上に由来する繰り返し単位を有することができる。
【0018】
重合体αは、どのような方法によって製造されたものであってもよいが、例えば下記式(3)
【0019】
【化3】

【0020】
(式(3)において、R〜Rは、それぞれ式(2)におけるR〜Rと同義である。)
で表される化合物(以下、「不飽和オキセタン化合物」ということがある。)を含有してなる重合性不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、ラジカル重合した後、得られた重合体(以下、「重合体β」いうことがある。)をヘテロポリ酸の存在下で環化異性化する方法、上記式(3)で表される化合物をヘテロポリ酸の存在下で環化異性化して下記式(4)
【0021】
【化4】

【0022】
(式(4)において、R〜Rは、それぞれ式(2)におけるR〜Rと同義である。)
で表される化合物とした後、これを含有してなる重合性不飽和化合物を同様にラジカル重合する方法等により製造することができる。
【0023】
重合体βまたは上記式(3)で表される化合物を環化異性化する反応は、第57回ネットワークポリマー講演討論会講演要旨集「側鎖にビシクロオルトエステル類を有するポリマーの合成とその光架橋反応および光架橋前後の屈折率特性」に記載されているように、適当な有機溶媒中、りんタングステン酸等のヘテロポリ酸の存在下で行うことができる。
【0024】
また、重合体αの製造に使用される上記不飽和オキセタン化合物の具体例としては、例えば、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−メチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−メチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−エチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2−フェニルオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2,2−ジフルオロオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン等を挙げることができる。これら不飽和オキセタン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
また、重合体αの製造におけるラジカル重合に使用できる溶剤としては、例えば、
メタノール、エタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルモノエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート;
トルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸n−プロピル、ヒドロキシ酢酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸n−プロピル、メトキシ酢酸n−ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸n−プロピル、エトキシ酢酸n−ブチル、n−プロポキシ酢酸メチル、n−プロポキシ酢酸エチル、n−プロポキシ酢酸n−プロピル、n−プロポキシ酢酸n−ブチル、n−ブトキシ酢酸メチル、n−ブトキシ酢酸エチル、n−ブトキシ酢酸n−プロピル、n−ブトキシ酢酸n−ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸n−プロピル、2−メトキシプロピオン酸n−ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸n−プロピル、2−エトキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−プロポキシプロピオン酸メチル、2−n−プロポキシプロピオン酸エチル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、2−n−ブトキシプロピオン酸メチル、2−n−ブトキシプロピオン酸エチル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、2−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸n−プロピル、3−メトキシプロピオン酸n−ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸n−プロピル、3−エトキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−プロポキシプロピオン酸メチル、3−n−プロポキシプロピオン酸エチル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−プロポキシプロピオン酸n−ブチル、3−n−ブトキシプロピオン酸メチル、3−n−ブトキシプロピオン酸エチル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−プロピル、3−n−ブトキシプロピオン酸n−ブチル等のエステル
等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
また、重合体αの製造におけるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;
クメンヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;
過酸化水素等を挙げることができる。
重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、還元剤を併用してレドックス型開始剤としてもよい。
【0027】
重合体αの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値として、好ましくは500〜150,000であり、より好ましくは1,000〜100,000である。重合体αの分子量分布、すなわち上記重量平均分子量(Mw)とゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0であり、より好ましくは1.0〜3.0である。
このような重合体αを使用することにより、平坦性および耐熱性の良好な保護膜を製造することができ、得られる樹脂組成物の保存安定性も優れたものとなる。
【0028】
〔B〕感熱性酸発生剤
感熱性酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等の公知のオニウム塩を挙げることができる。
スルホニウム塩の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのアルキルスルホニウム塩;
ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートなどのベンジルスルホニウム塩;
ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートなどのジベンジルスルホニウム塩;
p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどの置換ベンジルスルホニウム塩;
トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナートなどのトリアリールスルホニウム塩等を挙げることができる。
これらのうち、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートが好ましく用いられる。
【0029】
上記ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩等を挙げることができる。
これらのうち、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートが好ましく用いられる。
上記ホスホニウム塩の具体例としては、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスホネートなどのジアリールホスホニウム塩等を挙げることができる。
【0030】
上記ジアリールヨードニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等を挙げることができる。
これらのうち、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートが好ましく用いられる。
【0031】
本発明において〔B〕感熱性酸発生剤の使用量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲の使用量とすることにより、十分な硬度を有する保護膜を得ることができる。
【0032】
〔C〕成分
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、得られる保護膜の硬度や耐熱性をさらに向上させるため、〔C〕(c1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、「化合物(c1)」ということがある。)と、(c2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物およびオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、「化合物(c2)」ということがある。)を含有してなる重合性不飽和化合物の共重合体(以下、「共重合体〔C〕」ということがある。)を含有することができる。
【0033】
化合物(c1)としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;前記ジカルボン酸の酸無水物等を挙げることができる。
これらの化合物(c1)のうち、共重合反応性および入手が容易である点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
共重合体〔C〕において、化合物(c1)、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお、化合物(c1)がカルボキシル基を有するものである場合には、カルボキシル基を保護したうえで重合に供し、次いで脱保護することによりカルボキシル基を再生してもよい。ここで、カルボキシル基を保護する保護基としては、特に限定されずカルボキシル基の保護基として公知のものが使用できる。その具体例としては、トリアルキルシリル基、1−アルコキシアルキル基、環状1−アルコキシアルキル基などがあげられる。さらに具体的には、例えばトリメチルシリル基、ジメチルブチルシリル基、1−エトキシエチル基、1−プロポキシエチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、トリフェニルメチル基などを挙げることができる。
【0034】
また、化合物(c2)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等の(メタ)アクリル酸エポキシ(シクロ)アルキルエステル;
α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等の他のα−アルキルアクリル酸エポキシ(シクロ)アルキルエステル;
o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;
【0035】
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のオキセタニル基を有するメタクリル酸エステル;
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のオキセタニル基を有するアクリル酸エステルを挙げることができる。
【0036】
これらの化合物(c2)のうち、共重合反応性の点から、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンが好ましい。
共重合体〔C〕において、化合物(c2)、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0037】
本発明において、共重合体〔C〕は、化合物(c1)、化合物(c2)およびこれらと異なる他の重合性不飽和化合物(以下、「化合物(c3)」ということがある。)の共重合体であることが好ましい。化合物(c3)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ヒドロキシペンチルエステル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸7−ヒドロキシヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルエステル、(メタ)アクリル酸9−ヒドロキシノニルエステル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシルエステル、(メタ)アクリル酸11−ヒドロキシウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシドデシルエステルの如き(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、(メタ)アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等の(メタ)アクリル酸脂環式エステル;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸のアリールエステルあるいはアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環あるいは含酸素複素6員環を有する(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物のほか、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
等を挙げることができる。
【0038】
これらのうち、共重合反応性の点からから、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1,3−ブタジエン等が好ましい。
共重合体〔C〕において、化合物(c3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0039】
共重合体〔C〕において、化合物(c1)の共重合割合は、化合物(c1)、化合物(c2)および化合物(c3)の合計に基づいて、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。化合物(c1)の共重合割合が5重量%未満では、得られる保護膜の硬度が低下する傾向があり、一方40重量%を超えると、該共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがある。
共重合体〔C〕において、化合物(c2)の共重合割合は、化合物(c1)、化合物(c2)および化合物(c3)の合計に基づいて、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。化合物(c2)の繰り返し単位の含有率が10重量%未満では、保護膜の耐熱性や硬度が低下する傾向があり、一方70重量%を超えると、該共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがある。
【0040】
共重合体〔C〕は、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下で重合することにより製造することができる。共重合体〔C〕のラジカル重合に用いられる溶媒および重合開始剤は、重合体αの製造において挙げた化合物と同様のものを挙げることができる。
共重合体〔C〕のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。Mwが2,000未満であると、得られる保護膜の耐熱性等が損なわれたりするおそれがあり、一方100,000を超えると、熱硬化性樹脂組成物溶液の保存安定性が低下するおそれがある。
【0041】
本発明において共重合体〔C〕の使用量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜40重量部であり、特に好ましくは3〜30重量部である。共重合体〔C〕の使用量が0.5重量部未満では、保護膜の硬度や耐熱性向上に対する効果が小さく、一方50重量部を超えると、該共重合体を含む熱硬化性樹脂組成物の保存安定性を低下させるおそれがある。
【0042】
〔D〕多官能性単量体
本発明に使用される〔D〕多官能性単量体としては、分子内に2個以上のオキシラニル基またはオキセタニル基を有する化合物(ただし前述の〔A〕重合体及び共重合体〔C〕を除く。)および/または多官能(メタ)アクリル化合物が用いられる。
上記分子内に2個以上のオキシラニル基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の分子内に2個以上の3,4−エポキシシクロヘキシル基を有する化合物等、公知の化合物を挙げることができる。
これらのうち、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびポリフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0043】
一方、多官能性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアクリロイロキシペンタエリスリトールコハク酸{別名:3−アクリロイルオキシ−2,2−ビスアクリロイルオキシメチル-プロピル)エステル}、ジアクリロイロキシペンタエリスリトールコハク酸{別名:3−アクリロイルオキシ−2−アクリロイルオキシメチル-プロピル)エステル}、ペンタアクリオイロキシジペンタエリスリトールコハク酸{別名:[3−(3−アクリロイロキシ−2,2−ビス-アクリロイロキシメチル-プロピル)−2,2−ビス-アクリロイロキシメチル-プロピル]エステル}、テトラアクリオイロキシジペンタエリスリトールコハク酸{別名:[3−(3−アクリロイロキシ−2,2−ビス-アクリロイロキシメチル-プロピル)−2−アクリロイロキシメチル-プロピル]エステル}等の公知の化合物を挙げることができる。
〔D〕多官能性単量体は単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】
〔E〕接着助剤
本発明の樹脂組成物は、形成される保護膜と基板との密着性を向上させるために〔E〕接着助剤を含有することができる。
このような〔E〕接着助剤としては、例えば、反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤を使用することができる。上記反応性置換基としては、例えば、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等を挙げることができる。
〔E〕接着助剤の具体例としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
このような〔E〕接着助剤の使用量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下である。〔E〕接着助剤の量が30重量部を超えると、得られる保護膜の耐熱性が不十分となる場合がある。
【0045】
〔F〕界面活性剤
本発明の樹脂組成物は、塗布性能を向上させるために、さらに[F]界面活性剤を含有することができる。
このような界面活性剤としては例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、その他の界面活性剤を挙げることができる。
上記フッ素系界面活性剤としては、例えば、BM CHEMIE社製 商品名:BM−1000、BM−1100、大日本インキ化学工業(株)製 商品名:メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、住友スリーエム(株)製 商品名:フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、旭硝子(株)製 商品名:サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106等の市販品を挙げることができる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、信越化学工業(株)製 商品名:KP341、新秋田化成(株)製 商品名:エフトップEF301、同EF303、同EF352等の市販品を挙げることができる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエステルなどが挙げられる。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアリールエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられ、ポリオキシエチレンジアルキルエステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。
上記その他の界面活性剤として、共栄社化学(株)製 商品名:(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90等を挙げることができる。
このような〔F〕界面活性剤の使用量は、〔A〕重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の量が5重量部を越える場合は、塗布工程において塗膜の膜荒れが生じやすくなる場合がある。
【0046】
本発明の樹脂組成物は、上記の各成分を、適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。使用される溶媒としては、組成物の各成分を溶解または分散し、各成分と反応しないものが好ましく用いられる。
このような溶媒としては、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステル等を挙げることができる。
これらの具体例としては、アルコールとして、メタノール、エタノール、ベンジルアルコールなど;
エーテルとして、テトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとして、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど;
ジエチレングリコールジアルキルエーテルとして、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとして、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素として、トルエン、キシレンなど;
ケトンとして、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンなど;
エステルとして、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどが、それぞれ挙げられる。
これらのうち、アルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールアルキルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテルが好ましく、特に、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
溶媒の使用量としては、本発明の組成物中の全固形分(溶媒を含む組成物の総量から溶媒の量を除いた量)の含有量が好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%となるような範囲である。
前記の溶媒とともに高沸点溶媒を併用することができる。ここで併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
高沸点溶媒を併用する際の使用量としては、全溶媒量に対して好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下である。
上記のようにして調製された組成物は、孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
【0047】
<カラーフィルタの保護膜の製造方法>
次に、本発明の樹脂組成物を用いてカラーフィルタの保護膜を製造する方法について説明する。
本発明の樹脂組成物溶液を基板表面に塗布し、プレベークして溶媒を除去することにより塗膜を形成したのち、加熱処理をすることにより目的とするカラーフィルタの保護膜を製造することができる。
上記基板として使用できるものとしては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等の基板が使用することができる。樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ならびに環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物の如き樹脂を挙げることができる。
塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法などの適宜の方法を採用することができ、特にスピンコーター、スピンレスコーター、スリットダイコーターを用いた塗布が好適に使用できる。
上記プレベークの条件としては、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、通常70〜90℃で1〜15分間程度の条件を採用できる。塗膜の厚さとしては好ましくは0.15〜8.5μm、より好ましくは0.15〜6.5μm、さらに好ましくは0.15〜4.5μmとすることができる。なお、ここでいう塗膜の厚さは、溶媒除去後の厚さとして理解されるべきである。
塗膜形成後の加熱処理は、ホットプレートやクリーンオーブンなどの適宜の加熱装置により実施することができる。処理温度としては、150〜250℃程度が好ましく、加熱時間は、ホットプレート使用の場合は5〜30分間、オーブン使用の場合は、30〜90分間の処理時間を採用することができる。
また、樹脂組成物に感放射線性酸発生剤を用いた場合には、当該樹脂組成物を基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、放射線照射処理(露光処理)を施すことにより目的とする保護膜を製造することができる。必要に応じて、露光処理後にさらに加熱処理を行っても良い。
上記放射線の照射処理において使用できる放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を挙げることができるが、190〜450nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
露光量としては、好ましくは100〜20,000J/m、より好ましくは150〜10,000J/mである。
【0048】
<カラーフィルタの保護膜>
このように製造された保護膜は、その膜厚が好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.1〜4μmである。なお、本発明の保護膜がカラーフィルタの段差を有する基板上に形成される場合には、上記の膜厚は、カラーフィルタの最上部からの厚さとして理解されるべきである。
本発明の保護膜は、下記する実施例から明らかなように、透明性、ITOエッチング耐性等に優れると共に、また、下地基板上に形成されたカラーフィルタの段差を平坦化する性能に優れた保護膜として好適である。
【実施例】
【0049】
以下に合成例、実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔A〕重合体の合成
合成例1
すりつき試験管に、3−アセチルオキシメチル−3−エチルオキセタン2.0重量部、脱水処理した12−りんタングステン酸0.20重量部およびクロロベンゼン18.0重量部を仕込み、窒素雰囲気下80℃で80時間反応させた。反応終了後、固形分をフィルターでろ別した後、得られた溶液を減圧にて溶剤を留去した。次いで、得られたやや粘性のある液状生成物をさらに再結晶することにより、下記式(5)
【0050】
【化5】

【0051】
で表される化合物(以下、「不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)」という。)を得た。
【0052】
合成例2
アンプル管に、重合開始剤としてのクメンヒドロペルオキシド0.025重量部ならびに上記合成例1で得た不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)0.48重量部およびメタクリル酸メチル0.065重量部を入れて、凍結脱気を3回行った後に封管し、120℃で20時間反応させた。次いで、反応生成物をテトラヒドロフラン5重量部に溶解させ、過剰のn−ヘキサンに滴下した。デカンテーションにより溶剤を含む共重合体を分別した。さらにこの溶剤を含む共重合体を減圧にて溶剤を除去することにより、重合体(A−1)を得た。得られた重合体(A−1)の重量平均分子量は3,500であり、H−NMRスペクトルにより調べた共重合比は、不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)/メタクリル酸メチル=30/70(モル比)であった。
【0053】
合成例3
アンプル管に、重合開始剤としてのクメンヒドロペルオキシド0.025重量部ならびに上記合成例1で不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)0.40重量部およびメタクリル酸メチル0.11重量部を入れて、凍結脱気を3回行った後に封管し、120℃で20時間反応させた。次いで、反応生成物をテトラヒドロフラン5重量部に溶解させ、過剰のn−ヘキサンに滴下した。デカンテーションにより溶剤を含む共重合体を分別した。さらにこの溶剤を含む共重合体を減圧にて溶剤を除去することにより、重合体(A−2)を得た。得られた重合体(A−2)の重量平均分子量は4,800であり、H−NMRスペクトルにより調べた共重合比は、不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)/メタクリル酸メチル=20/80(モル比)であった。
【0054】
合成例4
アンプル管に、重合開始剤としての2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.027重量部ならびに3−アセチルオキシメチル−3−エチルオキセタン0.54重量部およびメタクリル酸メチル0.033重量部を仕込み、さらにクロロベンゼン1.20重量部を加えて溶解し、凍結脱気を3回行った後に封管し、60℃で3時間反応させた後、得られた反応液を室温まで冷却した。次いで、反応生成物をテトラヒドロフラン5重量部に溶解させ、過剰のn−ヘキサンに滴下した。デカンテーションにより溶剤を含む共重合体を分別した。さらにこの溶剤を含む共重合体を減圧にて溶剤を除去することにより、中間重合体を得た。得られた中間重合体の重量平均分子量は36,000であった。
次に、すりつき試験管に、上記中間重合体0.11重量部、脱水処理した12−りんタングステン酸0.006重量部およびニトロベンゼン0.54重量部を仕込み、窒素雰囲気下30℃で30時間反応させた。次いで、反応生成物をテトラヒドロフラン3重量部に溶解させ、過剰のn−ヘキサンに滴下した。デカンテーションにより溶剤を含む共重合体を分別した。さらにこの溶剤を含む共重合体を減圧にて溶剤を除去することにより、重合体(A−3)を得た。H−NMRスペクトルにより上記式(2)で表される構造の存在割合を調べたところ、共重合比に換算して不飽和ビシクロオルトエステル化合物(5)/メタクリル酸メチル=10/90(モル比)に相当する値であった。
【0055】
共重合体〔C〕の合成
合成例5
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部とジエチレングリコールメチルエチルエーテル250部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル32部、スチレン10部およびメタクリル酸グリシジル40部を仕込んで、窒素置換したのち、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、固形分濃度31.0%の共重合体〔C−1〕溶液を得た。得られた共重合体〔C−1〕について、MwをGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) GPC−101(商品名、昭和電工(株)製)を用いて測定したところ、11,000であった。
【0056】
合成例6
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸16重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル18重量部、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体〔C−2〕を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.0%であり、MwをGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) GPC−101(商品名、昭和電工(株)製)を用いて測定したところ、24,000であった。
【0057】
樹脂組成物の調製および保護膜の形成
実施例1
上記共重合体(A−1)100重量部(固形分換算)、〔B〕成分としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート5重量部、〔D〕成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 商品名:エピコート828)30重量部、〔E〕成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10重量部、〔F〕成分としてシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH−28PA)0.1重量部を加え、さらに固形分濃度が22重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して樹脂組成物を調製した。
スピンナーを用いて上記組成物を、SiOディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で250℃にて60分間加熱処理して膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
【0058】
保護膜の評価
(1)透明性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基盤について、分光光度計(150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製))を用いて400〜800nm能登か率を測定した。400〜800nmの透過率の最小値を表1に示した。この値が95%以上のとき、保護膜の透明性は良好といえる。
【0059】
(2)ITOパターニング特性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、High・rate・Spu
ttering装置SH−550−C12(日本真空技術社製)にて、ITOターゲット(ITO充填率95%以上、In/SnO=90/20重量比)を用いて、60℃でITOをスパッタした。このときの雰囲気は減圧度1.0×10−5Pa、Arガス流量3.12×10−3/h、Oガス流量1.2×10−5/hであった。スパッタ後の基板をクリーンオーブン中240℃で1時間加熱した。
次いで、得られた基板上に、スピンナーを用いてJSR(株)製ポジレジストPFR3650を塗布した後、ホットプレート上で90℃、2分間プレベークして塗膜を形成した。そのご、10μm/10μmのラインアンドスペースパターンを有するフォトマスクを介して、露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、265nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で照度23mW/m、25mJ/mの露光量で照射し、室温か、2.4%TMAH水溶液を用いて60秒間浸漬現像し、超純水にて60秒間リンスした後、風乾した。その後、さらにクリーンオーブン中150℃で1時間加熱処理して、ITO上にレジストパターンが形成された基板を作成した。
次いで、ウェットエッチによるITOのパターニングを、硝酸/塩酸を1/3の重量比で混合したエッチャントを用いて行った。得られた基板をエッチャントに浸漬し、10秒ごとに基板を取り出して、形成されたITOラインパターンの線幅を光学顕微鏡で計測することにより、ITOラインパターンの線幅が10μmとなるエッチング時間を測定した。このエッチング時間の1.2倍に相当する時間、エッチャントに浸漬した時のITOラインパターンの線幅を光学顕微鏡で計測し、結果を表1に示した。形成されたITOラインパターンの線幅が10μmに近いほど、ITOパターニング特性が優れているといえる。
【0060】
(3)平坦化性の評価
SiOディップガラス基板上に、顔料系カラーレジスト(商品名「JSR RED 689」、「JSR GREEN 706」、「CR 8200B」、以上、JSR(株)製)をスピンナーにより塗布し、ホットプレート上で90℃、150秒間プレベークして塗膜を形成した。その後、所定のパターンマスクを介して、露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、265nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/mの露光量で照射し、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、超純水にて60秒間リンスした後、さらにオーブン中で230℃にて30分間加熱処理して、赤、緑、および青の3色のストライプ状カラーフィルタ(ストライプ幅100μm)を形成した。
このカラーフィルタが形成された基板表面の凹凸を、表面粗さ計「α−ステップ」(商品名:テンコール社製)で測定したところ、1.0μmであった。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。
得られたストライプ状カラーフィルタの上に、上記保護膜形成用組成物をスピンナーにで塗布した後、ホットプレート上で90℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理し、カラーフィルタの上面からの膜厚が2.0μmの保護膜を形成した。ただし、ここで言う膜厚は、基板上に形成されたカラーフィルタの最上面からの厚さを意味する。
上記のようにして形成した、カラーフィルタ上に保護膜を有する基板について、接触式膜厚測定装置α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)にて保護膜の表面の凹凸を測定した。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。各測定ごとの最高部と最低部の高低差(nm)の10回の平均値を表1に示した。この値が300nm以下のとき、平坦化性は旅行といえる。
【0061】
(4)保存安定性の評価
実施例1で調製した樹脂組成物の25℃における年度を、東京計器(株)製 ELD型粘度計を用いて測定した。その後、害組成物を25℃にて静置しつつ、25℃における粘度を毎日測定した。調製直後の粘度を基準に5%増粘するのに要した日数を求め、この日
数を表1に示した。この日数が20日以上のとき、保存安定性は良好といえる。
【0062】
実施例2〜8および比較例1,2
組成物の各成分の種類および量を表1に記載の通りとし、表1に記載の溶媒を使用して表1記載の固形分濃度に合わせた他は、実施例1と同様にして趣旨組成物を調製した。
上記のように調製した保護膜形成用の趣旨組成物を使用し、実施例1と同様に保護膜を形成し、表かしら。結果を表1に示した。
【0063】
なお、表1において、〔B〕〜〔F〕成分および溶媒(S)の略称は、それぞれ以下のものを表す。
B−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
B−2:ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート
D−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 商品名:エピコート828)
D−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD DPHA)
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
F−1:シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH−28PA)
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
【0064】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
〔A〕ビシクロオルトエステル構造を有する重合体、および
〔B〕感熱性酸発生剤
を含有することを特徴とする、カラーフィルタの保護膜製造用熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
〔A〕重合体におけるビシクロオルトエステル構造が下記式(1)で表される構造である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【化1】

(式(1)において、R〜Rは、相互に独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
【請求項3】
〔A〕重合体が下記式(2)で表される繰り返し単位を有する、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【化2】

(式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、R〜Rは、それぞれ式(1)におけるR〜Rと同義である。)
【請求項4】
さらに、〔C〕(c1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、(c2)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物およびオキセタニル基を有する重合性不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる重合性不飽和化合物の共重合体を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
基板上に、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、次いで加熱処理することを特徴とする、カラーフィルタの保護膜の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物から製造されたカラーフィルタの保護膜。

【公開番号】特開2009−221270(P2009−221270A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64991(P2008−64991)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】