説明

燃料タンク保護構造

【課題】車体が衝撃荷重を受けたときに、燃料タンクの迫り上りを抑制する。
【解決手段】リアフロアパネル1に下方に突出する凸部25を設ける一方、燃料タンク3の上面には凸部25が挿入される凹部27を設ける。燃料タンク3内に配置した燃料ポンプ5の上端には燃料配管接続部13を設け、燃料配管接続部13に対応してリアフロアパネル1には、開閉蓋23によって閉塞されている開口部21を設ける。車体が図3中で左側から衝撃荷重を受けると、凸部25の燃料ポンプ側フロア傾斜面25bが、凹部27の燃料ポンプ側タンク傾斜面27bに当接し燃料タンク3が斜め下方に移動する。この際、燃料タンク3をリアフロアパネル1に吊り下げて固定するためのタンク固定バンド49,51の一方49を、上記の当接部位である凸部25及び凹部27下方の燃料タンク3の下面に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクを車体フロアの下方に配置した燃料タンク保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フロアの下方に配置した燃料タンクの保護構造としては、例えば下記特許文献1に記載されているように、クロスメンバに下向きの傾斜面を設ける一方、該傾斜面に対向する上向きの傾斜面を燃料タンクに設け、車体に衝撃荷重が作用して燃料タンクが移動したときに、該タンクの上向きの傾斜面をクロスメンバの下向きの傾斜面に当接させ、燃料タンクの迫り上りを阻止して車体フロアへの押圧あるいは当接を回避しているものが知られている。
【特許文献1】特開2004−345389号公報(段落0040,0041)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、車体が衝撃荷重を受けたときの燃料タンクの挙動は不安定であり、傾斜面同士が必ずしも当接するとは限らず、したがって上記したような従来の燃料タンク保護構造では、燃料タンクの迫り上りを阻止できない恐れがある。
【0004】
そこで、本発明は、車体が衝撃荷重を受けたときに、燃料タンクの迫り上りをより確実に抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車体フロアに鉛直方向に対して傾斜するフロア傾斜面を設け、燃料タンクの上面には、フロア傾斜面に対し水平方向に隙間を隔てて対向するタンク傾斜面を設け、燃料タンクを車体フロアの下面に吊り下げ支持するバンド部材を、フロア傾斜面及びタンク傾斜面に対応する燃料タンクの下面に位置させたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バンド部材がフロア傾斜面及びタンク傾斜面を設けた部位の燃料タンクの下面を支持することで、車体が衝撃荷重を受けたときに、タンク傾斜面とフロア傾斜面とがより確実に当接して燃料タンクの迫り上りを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係わる燃料タンク保護構造を示すもので、燃料タンクの車幅方向中央部分を断面として示す斜視図であり、図中で矢印FR方向が車体前方、同UP方向が車体上方、同LH方向が車体左方向をそれぞれ示す。図1において、車体フロアとしてのリアフロアパネル1の下方に燃料タンク3を配置してあり、図2は、図1におけるリアフロアパネル1を省略した燃料タンク3周辺の斜視図である。
【0009】
図1に示す燃料タンク3は、その内部のほぼ中央に燃料ポンプ5を収納配置してあり、この図1では、燃料ポンプ5を断面構造として示している。燃料ポンプ5は、燃料タンク3の底面7に下端を設置固定し、上端には燃料配管接続部13を備えている。この燃料配管接続部13は、燃料タンク3の上面9に設けた凹形状部11の内側にて外部に露出させた状態で設けてあり、燃料配管接続部13の上面には配管接続口15を、上方に向けて突出させて設けている。
【0010】
上記した凹形状部11は、図2のIII−III断面に相当する車体前方から見た断面図である図3に示すように、環状の溝状に形成し、その溝内の立ち上がり内壁17の上端内側に貫通孔19を設け、この貫通孔19に燃料配管接続部13を固定している。
【0011】
また、この燃料配管接続部13に対応してリアフロアパネル1には、開口部21を形成し、開口部21に着脱可能な開閉蓋23を装着している。この開閉蓋23を取り外すことで、燃料配管接続部13に対する保守点検作業を実施する。
【0012】
リアフロアパネル1は、上記した開口部21の車幅方向右側(図3中で左側)に、燃料タンク3に向けて下方に突出する先細の凸部25を備え、該凸部25に対応する凹部27を、燃料タンク3の上面9に設け、凸部25を凹部27に挿入した状態としている。
【0013】
凸部25は、先端のフロア平坦面25aと、フロア傾斜面としての燃料ポンプ側フロア傾斜面25bと、燃料ポンプ側フロア傾斜面25bと反対側の反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cとを有し、これに対応して凹部27も、底部のタンク平坦面27aと、タンク傾斜面としての燃料ポンプ側タンク傾斜面27bと、燃料ポンプ側タンク傾斜面27bと反対側の反燃料ポンプ側タンク傾斜面27cとを有している。
【0014】
そして、水平方向に互いに対向する関係にある燃料ポンプ側フロア傾斜面25bと燃料ポンプ側タンク傾斜面27bとの間には、隙間29を設け、同様にして互いに対向する関係にある反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cと反燃料ポンプ側タンク傾斜面27cとの間には、隙間31を設けている。
【0015】
ここで、図3の要部を拡大した図4に示すように、燃料ポンプ側フロア傾斜面25bは、燃料ポンプ側タンク傾斜面27bよりも、やや傾斜を急勾配としており、この燃料ポンプ側フロア傾斜面25bの下端部と燃料ポンプ側タンク傾斜面27bの下端部との水平方向の間隔Aは、開口部21における凸部25の燃料ポンプ側フロア傾斜面25b側の縁部21aと燃料配管接続部13における最も凸部25側に位置する配管接続口15との水平方向の間隔Bより狭く形成している(A<B)。
【0016】
また、凸部25の先端面である平坦面25aと燃料タンク3の上面9との鉛直方向の間隔Cを、上記した縁部21aの下面と配管接続口15の上端との鉛直方向の間隔Dより広く形成している(C>D)。
【0017】
さらに、凹形状部11の外周縁の燃料タンク上面と、凸部25の開口部21と反対側の端部との水平方向の間隔Eを、上記した縁部21aと燃料配管接続部13における最も凸部25bに位置する配管接続口15との水平方向の間隔Bより広く形成している(E>B)。
【0018】
前記図1に示すように、リアフロアパネル1の下面には、車幅方向に延びる一対の車体骨格部材を構成する前方クロスメンバ33及び後方クロスメンバ35を、車体前後方向に互いに間隔をおいて下方に向けて突出して設け、これら前方及び後方クロスメンバ33及び35相互間に燃料タンク3を配置している。
【0019】
すなわち、上記した前方クロスメンバ33は、リアフロアパネル1の前端下部に上部フランジ33aが接合されて下方に延びる縦壁部33bと、縦壁部33bの下端から前方に向けて屈曲する底壁部33cとを有し、この前方クロスメンバ33の前方を覆うようにリアフロア前部部材35を設けている。
【0020】
リアフロア前部部材35は、後端部35aをリアフロアパネル1の前端上部に接合固定して前方に延びる上壁部35bと、上壁部35bの前端から下方に延びる前壁部35cとを有し、この前壁部35cの後面に前記した前方クロスメンバ33の底壁部33c先端の下部フランジ33dを接合固定する。
【0021】
したがって、上記した前方クロスメンバ33とリアフロア前部部材35とで閉断面を構成している。
【0022】
そして、前方クロスメンバ33の縦壁部33bと燃料タンク3の前面37とは、ほぼ接触している状態としているが、これら相互間に僅かな隙間を形成していてもよい。
【0023】
なお、上記構成では、前方クロスメンバ33及びリアフロア前部部材35を、リアフロアパネル1に対してそれぞれ別部材としているが、リアフロア前部部材35をリアフロアパネル1に一体化して前方クロスメンバ33のみリアフロアパネル1に対して別部材とするか、あるいは、前方クロスメンバ33をリアフロアパネル1に一体化してリアフロア前部部材35のみリアフロアパネル1に対して別部材としてもよい。
【0024】
一方、後方クロスメンバ39は、上部が開口した断面ハット型を呈しており、その両端フランジ39a,39bをリアフロアパネル1の下面に接合固定することで取り付けている。そして、この後方クロスメンバ39の前方側の側壁39cを燃料タンク3の後面43の上部に対向させている。
【0025】
また、後方クロスメンバ39の下方には、車幅方向に延びるサスペンションビーム45を配置している。このサスペンションビーム45は下部が開放した山型に形成され、その前方の傾斜壁45aを燃料タンク3の後面43の下部にほぼ接触させた状態としている。このようなサスペンションビーム45の車幅方向両端には、図2に示すようにトレーリングアーム式のサスペンション部材47を連結している。
【0026】
図5は、上記した燃料タンク3を配置してある車体フロアを下方から見た底面図で、燃料タンク3が、前方クロスメンバ33とサスペンションビーム45との間に配置してあることが分かる。
【0027】
このように配置してある燃料タンク3は、例えば金属製の2本のタンク固定バンド49,51(図2,図5参照)によって、リアフロアパネル1の下面に吊り下げ支持した状態で固定している。2本のタンク固定バンド49,51は、前方側の端部49a,51aを前方クロスメンバ33の底壁部33cにボルト50により締結固定し、後方側の端部49b,51bを後方クロスメンバ39の底壁部39dに図示しないボルトにより締結固定する。
【0028】
この際、前方側の端部49a,51a相互の間隔を後方側の端部49b,51b相互の間隔より狭くして2本のタンク固定バンド49,51を、車体前後方向に対し互いに逆方向に傾斜するよう配置し、このとき一方の図5中で下方に位置してバンド部材となるタンク固定バンド49の燃料タンク3の下面52に対応する部位49cを、前記した凸部25及び凹部27を設定した位置の下方に対応させている。
【0029】
なお、燃料タンク3の下面52の各固定バンド49,51に対応する位置にはバンド収容凹部52a,52bをそれぞれ設け、固定バンド49,51の位置ずれを抑制している。
【0030】
また、前記図3に示すように、車幅方向両側のリアフロアパネル1の下面には、車体前後方向に延びるサイドメンバ53,55を接合固定し、このうち車幅方向左側(図3中で右側)のサイドメンバ53は燃料タンク3に近接している。
【0031】
このとき、サイドメンバ53の燃料タンク3側の内側壁53aと燃料タンク3との間隔Gを、リアフロアパネル1に設けてある開口部21のサイドメンバ53側の縁部21bと燃料配管接続部13における最もサイドメンバ53側に位置する配管接続口15との水平方向の間隔Fより狭く形成している(G<F)。
【0032】
一方、燃料タンク3の上記したサイドメンバ53と反対側に近接する位置、言い換えれば燃料タンク3の前記した別のサイドメンバ55側に近接する位置には、エキゾーストパイプ57を配置している。
【0033】
エキゾーストパイプ57は、燃料タンク3の周辺部分において、下部が開放した遮熱板59により上部及び左右両側方を覆っている。
【0034】
なお、図2中で、符号61は、車体外部から燃料タンク3に燃料を供給するための燃料供給用の配管である。
【0035】
次に、上記した燃料タンク保護構造を備える車体が衝撃荷重を受けたときの動作について説明する。
【0036】
前記した図3の状態で、車体が車体右側(図3中で左側)から車体左側(図3中で右側)に向けて衝撃荷重を受けると、リアフロアパネル1の燃料ポンプ側フロア傾斜面25bが、燃料タンク3の燃料ポンプ側タンク傾斜面27bに当接し、図6に示すように、燃料タンク3の移動に伴い配管接続口15がリアフロアパネル1から離れるように燃料ポンプ側フロア傾斜面25bに沿って斜め下方に移動する。
【0037】
これにより、配管接続口15が、リアフロアパネル1に設けた開口部21の燃料ポンプ側フロア傾斜面25b側の縁部21aに接触するのを回避でき、配管接続口15を保護することができて燃料タンク3の保護が可能となる。
【0038】
このとき、図4に示したようにA<Bの寸法関係としているので、配管接続口15が、開口部21の縁部21aに達するより以前に、燃料ポンプ側フロア傾斜面25bの下端部が燃料ポンプ側タンク傾斜面27bの下端部に当接し、その後燃料タンク3が斜め下方に移動するので、上記した縁部21aへの配管接続口15の当接をより確実に回避することができる。
【0039】
図6の状態からさらに、燃料タンク3がリアフロアパネル1に対して図6中で左方向に移動すると、リアフロアパネル1の凸部25が、燃料タンク3の凹部27から完全に飛び出し、凹部27と凹形状部11との間の燃料タンク3の上面9に乗り上げた図7の状態となる。
【0040】
このとき、図4に示したようにC>Dの寸法関係としているので、上記図7のように凸部25が上面9に乗り上げた状態で、かつ配管接続口15が開口部21の縁部21aに水平方向(車幅方向)に関して重なる位置にあっても、配管接続口15は、リアフロアパネル1より下方に位置することになり、縁部21aへの接触をより確実に回避することができる。
【0041】
図7の状態から車体がさらに上記と同方向に衝撃荷重を受け、燃料タンク3がリアフロアパネル1に対して図6中で左方向に移動しても、図4に示したようにE>Bの寸法関係としているので、凸部25が、凹部27と凹形状部11との間の燃料タンク3の上面9に乗り上げた状態のまま、図4中で最も左側の配管接続口15が、縁部21aに接触することなく、縁部21aよりも図7中で左側に移動した状態となり、配管接続口15の縁部21aへの接触を回避することができる。
【0042】
なお、凸部25が、凹部27と凹形状部11との間の燃料タンク3の上面9に乗り上げた状態のまま、図4中で最も右側の配管接続口15が、縁部21aに接触することなく、縁部21aよりも図4中で左側に移動した状態とするには、E>B1とすればよい。
【0043】
ここで、本実施形態では、図5に示す2本のタンク固定バンド49,51のうち、一方のタンク固定バンド49の燃料タンク3の底面52に対応する部位49cを、リアフロアパネル1の凸部25及び燃料タンク3の凹部27を設定した位置の下方に対応させている。
【0044】
このため上記したように車体が衝撃荷重を受け、燃料タンク3がリアフロアパネル1に対して図3中で左方向に移動して、凹部27の燃料ポンプ側タンク傾斜面27bが、凸部25の燃料ポンプ側フロア傾斜面25bに当接しようとするときに、タンク固定バンド49が上記の当接部位付近を燃料タンク3の下方から押さえ付けることになるので、燃料タンク3が落下することなく、燃料ポンプ側タンク傾斜面27bと燃料ポンプ側フロア傾斜面25bとの当接をより確実に行わせることが可能となる。
【0045】
また、上記のように燃料タンク3がリアフロアパネル1に対して図3中で左方向に移動するときには、燃料タンク3を一対の車体骨格部材である前方クロスメンバ33と後方クロスメンバ39との間に配置しているので、燃料タンク3がこれら各クロスメンバ33,39相互間にてガイドされて車幅方向へ相対移動することになり、前記した燃料ポンプ側タンク傾斜面27bと燃料ポンプ側フロア傾斜面25bとの当接をさらに確実に行わせることが可能となる。
【0046】
このとき燃料タンク3の後方下部にはさらにサスペンションビーム45を配置しているので、燃料タンク3のリアフロアパネル1に対する上記した車幅方向への相対移動が、サスペンションビーム45がガイド部材となってより確実となる。
【0047】
また、図3に示すように、燃料タンク3は、エキゾーストパイプ57とサイドメンバ53との間に配置しているので、上記のように車体が衝撃荷重を受けたときに、図6,図7に示すように、エキゾーストパイプ57を覆う遮熱板59が燃料タンク3の側面に当接して変形し、衝撃を吸収するとともに、図7のように遮熱板59が変形した後は、それ以上の移動を阻止することができ、配管接続口15の保護に有効となる。
【0048】
一方、上記とは逆に、車体が車体左側(図3中で右側)から車体右側(図3中で左側)に向けて衝撃荷重を受けたときには、燃料タンク3がリアフロアパネル1に対して図3中で右側に移動するが、この際図3に示したようにG<Fの寸法関係としているので、図8に示すように、図8中で最も右側に位置する配管接続口15が、リアフロアパネル1に設けた開口部21のサイドメンバ53側の縁部21bに達するより以前に、サイドメンバ53が燃料タンク3の側面に当接するので、上記した縁部21bへの配管接続口15の当接を回避することができる。
【0049】
また、燃料タンク3がサイドメンバ53に当接して変形し、さらに、配管接続口15がサイドメンバ53側に移動しても、リアフロアパネル1の反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cが、燃料タンク3の反燃料ポンプ側タンク傾斜面27cに当接し、図8の状態から、配管接続口15がリアフロアパネル1から離れるように反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cに沿って斜め下方に移動する。
【0050】
これにより、配管接続口15が、リアフロアパネル1に設けた開口部21のサイドメンバ53側の縁部21bに接触するのをさらに回避でき、配管接続口15を保護することができて燃料タンク3の保護が可能となる。
【0051】
また、図3に示したようにG<Fの寸法関係としていない場合は、先に、リアフロアパネル1の反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cが、燃料タンク3の反燃料ポンプ側タンク傾斜面27cに当接し、配管接続口15がリアフロアパネル1から離れるように反燃料ポンプ側フロア傾斜面25cに沿って斜め下方に移動させ、配管接続口15を保護することができて燃料タンク3の保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係わる燃料タンク保護構造を適用した燃料タンク周辺を断面にて示す斜視図である。
【図2】リアフロアパネルを省略した燃料タンク周辺の斜視図である。
【図3】図2のIII−III断面に相当する車体前方から見た断面図である。
【図4】図3の要部を拡大した断面図である。
【図5】燃料タンクを配置してある車体フロアを下方から見た底面図である。
【図6】図3の状態に対し車体が右側(図中では左側)から衝撃荷重を受けたときの動作説明図である。
【図7】図6の状態に対しさらに車体が衝撃荷重を受けたときの動作説明図である。
【図8】図3の状態に対し車体が左側(図中では右側)に衝撃荷重を受けたときの動作説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 リアフロアパネル(車体フロア)
3 燃料タンク
9 燃料タンクの上面
13 燃料配管接続部
21 リアフロアパネルの開口部
21a 開口部のフロア傾斜面側の縁部
23 燃料タンクに設けた凹形状部
25 リアフロアパネルの凸部
25a 凸部のフロア平坦面(凸部の先端面)
25b 凸部の燃料ポンプ側フロア傾斜面(フロア傾斜面)
27 燃料タンクの凹部
27b 凹部の燃料ポンプ側タンク傾斜面(タンク傾斜面)
33 前方クロスメンバ(車体骨格部材)
39 後方クロスメンバ(車体骨格部材)
45 サスペンションビーム
49 タンク固定バンド(バンド部材)
53 サイドメンバ
57 エキゾーストパイプ
A フロア傾斜面とタンク傾斜面との水平方向の間隔
B 開口部のフロア傾斜面側の縁部と燃料配管接続部との水平方向の間隔
C 凸部の先端面と燃料タンクの上面との鉛直方向の間隔
D 開口部のフロア傾斜面側の縁部と燃料配管接続部との鉛直方向の間隔
E 凹形状部の外周縁の燃料タンク上面と、凸部の開口部と反対側の端部との水平方向の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクを下方に配置した車体フロアに、鉛直方向に対して傾斜するフロア傾斜面を設け、前記燃料タンクの上面には、前記フロア傾斜面に対し水平方向に隙間を隔てて対向するタンク傾斜面を設け、前記燃料タンクを前記車体フロアの下面に吊り下げ支持するバンド部材を、前記フロア傾斜面及び前記タンク傾斜面に対応する前記燃料タンクの下面に位置させたことを特徴とする燃料タンク保護構造。
【請求項2】
前記フロア傾斜面を、前記燃料タンクに向けて突出する凸部に設けるとともに、前記燃料タンクの上面には前記凸部が挿入される凹部を設け、前記タンク傾斜面を、該凹部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項3】
前記フロア傾斜面と前記タンク傾斜面とを車幅方向に向けて互いに対向させ、車幅方向に延びる一対の車体骨格部材を、前記車体フロアの下面に突設し、この一対の車体骨格部材相互間に、前記燃料タンクを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項4】
前記フロア傾斜面と前記タンク傾斜面とを車幅方向に向けて互いに対向させ、前記燃料タンクを、車幅方向に延びるサスペンションビームの前方に近接配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項5】
前記フロア傾斜面と前記タンク傾斜面とを車幅方向に向けて互いに対向させ、前記燃料タンクを、該燃料タンクの車幅方向一方側にて車体前後方向に延びるエキゾーストパイプと、同他方側にて車体前後方向に延びるサイドメンバとの間に配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項6】
前記車体フロアに、前記燃料タンクの燃料配管接続部が露出する開口部を設け、この開口部の側方に対向する側に前記フロア傾斜面を設け、前記フロア傾斜面と前記タンク傾斜面との水平方向の間隔を、前記開口部の前記フロア傾斜面側の縁部と前記燃料配管接続部との水平方向の間隔より狭くしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項7】
前記車体フロアに、前記燃料タンクの燃料配管接続部が露出する開口部を設け、この開口部の側方に対向する側に前記フロア傾斜面を設け、前記凸部の先端面と前記燃料タンクの上面との鉛直方向の間隔を、前記開口部の前記フロア傾斜面側の縁部と前記燃料配管接続部との鉛直方向の間隔より広くしたことを特徴とする請求項6に記載の燃料タンク保護構造。
【請求項8】
前記開口部を前記燃料タンクに設けた凹形状部に対応する位置に設け、この凹形状部の外周縁の燃料タンク上面と、前記凸部の前記開口部と反対側の端部との水平方向の間隔を、前記開口部の前記フロア傾斜面側の縁部と前記燃料配管接続部との水平方向の間隔より広くしたことを特徴とする請求項6または7に記載の燃料タンク保護構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−154658(P2009−154658A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334091(P2007−334091)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】