説明

燃料噴射装置

【課題】燃料噴射弁からシリンダヘッドへの固体伝送音の伝達を著しく減じる。
【解決手段】燃料噴射弁1とシリンダヘッド17における燃料噴射弁用の受容孔9と接続管片6を備えた燃料分配管路4とが設けられ、該接続管片に燃料噴射弁が部分的に重なり合って挿入されている燃料噴射装置において、結合体18が設けられ、この結合体が、該結合体内に燃料噴射弁を保持するように配置され、燃料噴射弁が、シリンダヘッドの受容孔の、燃料噴射弁に対して軸方向に延びていないすべての面に対して接触することなく、シリンダヘッドの受容孔内に挿入され、結合体が、ハウジング肩部20に下から係合する保持カラー21を有し、保持カラーがハウジング肩部に向かって丸く面取りされ、ハウジング肩部が円錐形に延びていて、燃料噴射弁の旋回運動が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の燃料噴射装置、すなわち、内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁と、シリンダヘッドにおける燃料噴射弁用の受容孔と、接続管片を備えた燃料分配管路とが設けられていて、該接続管片に燃料噴射弁が部分的に重なり合って挿入されている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
既にDE10108193A1に基づいて、燃料噴射弁を内燃機関のシリンダヘッドと燃料分配管路とにそれぞれ相互に固定するための固定装置が公知である。この固定装置はスリーブを有しており、このスリーブは、燃料分配管路の肩部と燃料噴射弁の肩部との間において緊締されていて、かつ弾性材料から形成されている。スリーブはその管状の形態に基づいて保持力もしくは抑え力を制限されてしか有効に燃料噴射弁に伝達することができない。燃料噴射弁及び燃料分配管路の肩部によって負荷される、抑え体もしくは保持体として働くスリーブの面は、スリーブのブランクの製造時に製作に基づいて生じる剪断縁である。燃料噴射弁はシリンダヘッドの受容孔に挿入されていて、支持リングに支持されており、この支持リングは、受容孔の半径方向に延びる肩部に接触している。支持リングは燃料噴射弁に向かって丸く面取りされて形成されていて、シリンダヘッドの受容孔における燃料噴射弁の支承箇所として働く。支持リングは例えば弾性材料から成っていて、受容孔における燃料噴射弁のセンタリング及び僅かな補償運動もしくは調整運動のために働く。旋回運動は燃料噴射弁と燃料分配管路との間における半径方向の誤差補償を可能にする。ねじを用いたシリンダヘッドにおける燃料分配管路の付加的な緊締によって、スリーブは緊締される。この場合にばね力が生じ、このばね力は燃料噴射弁に作用して、燃料噴射弁を燃料圧に抗して保持するもしくは抑える。
【0003】
この公知の構成はその結果、抑え力もしくは保持力と、燃料分配管路の内部に存在する燃料高圧とによって、燃料噴射弁は支持リングを介してシリンダヘッド内に押し込まれ、そして燃料噴射弁からシリンダヘッドへの不都合に高い固体伝送音が伝達され、この固体伝送音が耳障りになることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE10108193A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の燃料噴射装置を改良して、燃料噴射弁からシリンダヘッドへの固体伝送音の伝達を著しく減じることができる燃料噴射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭に述べた形式の燃料噴射装置において、結合体が設けられていて、この結合体が、該結合体内に燃料噴射弁を保持するように、配置されており、燃料噴射弁が、シリンダヘッドの受容孔の、燃料噴射弁に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッドの受容孔内に挿入されており、結合体が1つの保持カラー又は複数の保持カラーセグメントを有していて、該保持カラー又は保持カラーセグメントが、燃料噴射弁のハウジング肩部に下から係合しており、結合体の保持カラー又は保持カラーセグメントが、ハウジング肩部に向かって丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁におけるハウジング肩部が円錐形に延びていて、これにより、シリンダヘッドと燃料分配管路との間の半径方向における誤差を補償するために、燃料噴射弁の旋回運動が可能であるようにした。
【発明の効果】
【0007】
このように構成された本発明による燃料噴射装置には、燃料噴射弁からシリンダヘッドへの固体伝送音の伝達が著しく減じられるという利点がある。
【0008】
このことは本発明によれば、燃料噴射弁が燃料分配管路に結合体を介して直接結合されているが、しかしながらシリンダヘッドの受容孔からは十分に遮断されていることによって、達成される。燃料噴射弁はシリンダヘッドの受容孔内に次のように配置されている。すなわちこの場合燃料噴射弁は、シリンダヘッドの受容孔の、燃料噴射弁に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッドの受容孔内に挿入されている。
【0009】
本発明による結合体は、有利な形式で、シリンダヘッドと燃料分配管路との間における半径方向の誤差補償のために、燃料噴射弁の旋回運動を可能にしている。
【0010】
請求項2以下に記載された手段によって、請求項1に記載された燃料噴射装置の有利な実施形態が可能である。
【0011】
結合体を管状、スリーブ状又はポット形に形成し、このような結合体を、素材結合式の結合ではなく、特にプレス嵌め結合、螺合結合、クリップ結合、係止結合又はスナップ結合のような結合によって、燃料分配管路の接続管片と堅固に結合すると、特に有利である。このような構成において、結合部がさらに固定ナット又は固定リングによって固定されていると有利である。このような結合部もしくは結合形態では、シリンダヘッドと燃料分配管路との間における半径方向の誤差補償を目的として、燃料噴射弁の旋回運動を有利に実施することができる。
【0012】
上に述べた非素材結合式の結合の他に、結合体又は、結合体と共働する中間部材を、接続管片に素材結合式に、例えばレーザ溶接、抵抗溶接又はろう接によって固定することも可能である。さらにまた、接続管片における所望の結合のために、形状結合と摩擦力結合と素材結合とを組み合わせて使用することも可能である。
【0013】
シリンダヘッドから燃料噴射弁を遮断するために付加的に、燃料噴射弁とシリンダヘッドとの結合領域に緩衝プレートを設けると、特に有利である。このような緩衝プレートは、シリンダヘッドにおける燃料分配管路のねじ結合領域にそれぞれ、シングル又はダブルで挿入することができ、これによって高圧噴射系とシリンダヘッドとはさらに効果的に遮断されかつ遮音される。
【0014】
抑え体もしくは保持体を打抜き・曲げ部材として構成し、相応に成形し、そして燃料噴射装置に取り付けると有利であり、この場合保持体の傾斜区分及び接触区分の、曲げ応力によって負荷される面は、相応な金属薄板から保持体用のブランクを切り出す際に生じる剪断縁に対して垂直に延びている。このようになっていると、保持体の保持湾曲部の曲げ負荷される区分は、持続的な負荷可能性を高めることができ、燃料噴射弁に対する最適な保持力を得て、受容孔における燃料噴射弁の確実な固定を達成することができる。
【0015】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】燃料分配管路に結合されかつシリンダヘッドとは固体伝送音を遮断されている燃料噴射弁を備えた燃料噴射装置の第1実施例を示す図である。
【図2】燃料噴射装置の第2実施例を示す図である。
【図3】燃料噴射装置の第3実施例を示す図である。
【図4】燃料噴射装置の第4実施例を示す図である。
【図5】燃料噴射装置の第5実施例を示す図である。
【図6】燃料噴射装置の第6実施例を示す図である。
【図7】燃料噴射装置の第7実施例を示す図である。
【図8】燃料噴射装置の第8実施例を示す図である。
【図9】燃料噴射装置の第9実施例を示す図である。
【図10】燃料噴射装置の第10実施例を示す図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿った燃料噴射装置の断面図である。
【図12】燃料噴射装置の第11実施例を示す図である。
【図13】燃料噴射装置の第12実施例を示す図である。
【図14】燃料噴射装置の第13実施例を示す図である。
【図15】燃料噴射装置の第14実施例を示す図である。
【図16】燃料噴射装置の第15実施例を示す図である。
【図17】燃料噴射装置の参考例を示す図である。
【図18】燃料噴射装置の第16実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、第1実施例として、混合機圧縮型火花点火式の内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁1の形をした弁が、側面図で示されている。燃料噴射弁1は本発明による燃料噴射装置の一部である。内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する直噴式の噴射弁の形で構成されている燃料噴射弁1は、その下流側端部で、一部が略示されたシリンダヘッド17の受容孔9内に組み込まれている。特にテフロンから成るシールリング2が、シリンダヘッド17の受容孔9の壁に対して燃料噴射弁1を最適にシールするために働く。
【0018】
燃料噴射弁1はその供給側端部3に、燃料分配管路4に通じる差込み結合部を有しており、この差込み結合部は、燃料分配管路4の接続管片6(断面して図示)と、燃料噴射弁1の供給管片7との間においてシール部材5によってシールされている。燃料噴射弁1は、この燃料噴射弁1を操作するための電気的な接触接続部用の電気的な接続コネクタ8を有している。
【0019】
燃料噴射弁1と燃料分配管路4とを半径方向力なしに互いに間隔をおいて配置し、かつ燃料噴射弁1をシリンダヘッド17の受容孔9内において確実に押さえ付けておくために、抑え体もしくは保持体10が燃料噴射弁1と接続管片6との間に設けられている。この保持体10は、例えば打抜き曲げ部材であるU字形の部材として構成されている。保持体10は部分リング形のベースエレメント11を有しており、このベースエレメント11は360°ではなく、例えば約250°〜320°にわたって延びており、燃料噴射弁1の肩部12に支持されている。平らなベースエレメント11から屈曲された、軸方向において可撓性の保持湾曲部13で、保持体10は組み込まれた状態において、燃料分配管路4における接続管片6の下流側の端面14に接触している。燃料分配管路4の接続管片6はその下流側端部に、部分的にリング状に延びていて張り出しているカラー15を有しており、このカラー15には、保持体10の保持湾曲部13が接触する端面14が形成されている。電気的な接続コネクタ8の領域において、保持体10は中断されており、保持体10はそれ自体閉鎖された湾曲エレメントを形成している。それというのは、保持湾曲部13はエンドレスにベースエレメント11と結合されているからである。このようにして保持体10は燃料噴射弁1を取り囲むことができ、それにもかかわらず、電気的な接続コネクタ8の貫通を可能にする。保持湾曲部13はそのばね弾性的な湾曲部で接続コネクタ8から離れるように突出している。
【0020】
保持体10は例えば打抜き、侵食又はレーザ切断を用いて、(厚さ約1.5mmの)高級鋼もしくはばね鋼製の金属薄板から切り出され、次いで曲げによって所望の形状にもたらされる。保持体10には次のような利点がある。すなわち保持体10では、この保持体10の、曲げ応力によって負荷された面、特に傾斜区分及び接触区分が、相応な金属薄板からの保持体10のためのブランクの切り出し時に規定される剪断縁に対して垂直に延びている。
【0021】
公知の燃料噴射装置では、シリンダヘッドの受容孔に組み込まれた燃料噴射弁は、受容孔の半径方向に延びる肩部に直接又は支持リングを介して間接的に接触している。このような構造では、シリンダヘッドにおける燃料分配管路のねじ結合又は緊締とばね弾性的な保持体の保持力もしくは抑え力とによって、並びに燃料分配管路の内部に存在する燃料の高圧によって、燃料噴射弁はシリンダヘッドに押し込まれ、これによって不都合に大きな、燃料噴射弁からシリンダヘッドへの固体伝送音が生じ、この不都合に大きな固体伝送音は極めて耳障りである。
【0022】
本発明による処置によって、燃料噴射弁1からシリンダヘッド17への固体伝送音は著しく減じられる。このことは、燃料噴射弁1が燃料分配管路4に結合体18を介して直接結合されているが、しかしながらシリンダヘッド17の受容孔9からは十分に切り離されていることによって、達成される。燃料噴射弁1はシリンダヘッド17の受容孔9に次のように、すなわち燃料噴射弁1が受容孔9の、燃料噴射弁1に対して軸平行に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく挿入されているように、配置されている。燃料噴射弁1はそのために結合体18内に懸吊されている。結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるための切欠き19を有している。ハウジング肩部20において燃料噴射弁1は、結合体18の1つの保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合されており、その結果燃料噴射弁1は、受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する、結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、ハウジング肩部20に向かって例えば丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。
【0023】
受容孔9に対しては燃料噴射弁1の軸方向の延びにおいてシールリング2のリング状の材料接触部を除いて、それ以外のシリンダヘッド17との燃料噴射弁1の直接的な部材接触部もしくは、結合体18を介してのシリンダヘッド17との燃料噴射弁1の間接的な部材接触部は、存在しない。シールリング2はそれ自体、固体伝送音を良好に緩衝するために働く。切欠き19に対向している側に結合体18は、例えばスリット状の別の開口23を有しており、この開口23には接続管片6のカラー15が、切欠き19に対すると同様に、燃料分配管路4における燃料噴射弁1もしくは結合体18の確実な固定のために係合している。
【0024】
燃料分配管路4は、結合手段25、図示の実施例ではねじを用いて、シリンダヘッド17に固定されている。特に有利な構成では、燃料噴射弁1とシリンダヘッド17とを遮断するもしくは切り離すために、付加的に、燃料噴射弁1とシリンダヘッド17との結合領域に複数の緩衝プレート26が設けられている。これらの緩衝プレート26は、ねじ頭の下の領域に燃料分配管路4に直接接触して、及び/又はシリンダヘッド17と直接接触して配置されており、その結果、燃料分配管路4と複数の燃料噴射弁1とから成る高圧噴射系は、シリンダヘッド17に対してさらに効果的に切り離され、かつ良好に遮音される。公知の解決策に比べて、結合手段25を介して加えられる力は減じることができる。それというのは、高圧下にある燃料の、燃料噴射弁1に対して作用する力は、本発明による結合体18によって燃料噴射弁1と燃料分配管路4との結合箇所において形状結合式に受け止められ、かつ結合手段25を介して伝達されないからである。
【0025】
図2には、本発明による燃料噴射装置の第2実施例が示されており、この第2実施例における図面及びその他のすべての図面において、図示は燃料分配管路4の接続管片6、燃料噴射弁1及び結合体18に制限されている。図2に示された実施例では、結合体18としてスリーブが設けられており、このスリーブは接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間の間隔を決定している。結合体18は例えば270°だけにわたって延びていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8のための切欠き19を有している。スリーブ状の結合体18は端面14及び肩部12において、燃料分配管路4及び燃料噴射弁1に堅く結合されている。この堅固な結合部は例えば溶接、特にレーザ溶接によって形成され、この場合溶接シーム又は溶接点27が設けられている。
【0026】
図3には、本発明による燃料噴射装置の第3実施例が示されている。この実施例ではリング状の結合体18が設けられており、この結合体18は、燃料噴射弁に設けられたフランジ28に下から係合している。このフランジ28との直接的な作用結合部には例えば2つの軸方向ねじ29が設けられており、これらの軸方向ねじ29は、一方では、例えば燃料分配管路4の側部の段部に設けられた燃料分配管路4の受容孔30に支持されており、かつ他方では結合体18に係合している。このようにして、燃料噴射弁1は接続管片6内に引き込まれることができる。結合体18は例えばリング状に構成されていて、2つの軸方向ねじ29の領域に、燃料噴射弁1に向かって内方に張り出した例えば2つの係合区域31を備えており、これらの係合区域31は、フランジ28に直接下から係合する。保持体10はこの図面及びその他のすべての図面において、単に象徴的にばねとして示されており、保持体10は理想的には図1に示されているようにかつ対応の記載から分かるように、湾曲エレメントとして構成されている。保持体10は、図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1のフランジ28との間において緊締もしくは緊縮されている。
【0027】
図4には、本発明による燃料噴射装置の第4実施例が示されている。この燃料噴射装置は次のような特徴的な構成を備えている。すなわちこの燃料噴射装置では、結合体18は、一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では素材結合式の結合部ではない、例えばクリップ結合部を介して接続管片6と結合されている。結合体18は管状に構成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。この切欠き19を除けば、結合体18は360°にわたって延びるように構成されていることができる。ハウジング肩部20において燃料噴射弁1は、結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合されており、その結果燃料噴射弁1は、受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、燃料噴射弁1の軸線に対して直角に張り出して終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1のハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。結合体18は、接続管片6に向けられた端部に、例えば外側に向かって膨出した湾曲部の形をした第1の係止手段32を有しており、これに対して接続管片6の外周部には、例えば外側に向かって膨らんだ湾曲部の形をした第2の係止手段33が設けられており、両方の係止手段32,33は係止結合もしくはクリップ結合のために互いに対応して共働する。接続管片6における湾曲部33は、例えば中心点が弁長手方向軸線上においてシールリング5の中心に位置する半径Rをもって、構成されている。二重矢印34は、本発明による結合体18がシリンダヘッド17と燃料分配管路4との間の半径方向における誤差を補償するために、燃料噴射弁1の旋回運動を有利に実施できることを、示している。
【0028】
図5には本発明による燃料噴射装置の第5実施例が示されている。この燃料噴射装置は図4に示された構成に対して幾分異なっており、この燃料噴射装置では、同様に形成された結合体18が、一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では、素材結合式の結合部ではない、ここではねじ固定部を備えた係止結合部を介して、接続管片6と結合されている。結合体18は段部を備えた管状に構成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。この切欠き19を除けば、結合体18は360°にわたって延びるように構成されていることができる。ハウジング肩部20において燃料噴射弁1は、結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合されており、その結果燃料噴射弁1は、受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、燃料噴射弁1の軸線に対して直角に張り出して終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1のハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、リングカラー35を有しており、このリングカラー35は円錐形の支持面36を有している。この支持面36で結合体18のリングカラー35は、固定リング37に支持されており、この固定リング37は、例えばリングカラー35に向けられた湾曲した面を有していて、接続管片6の下流側のカラー15に載置されている。固定リング37ひいては接続管片6からの結合体18の滑落を防止するために、結合部は、雌ねじ山を有する固定ナット38によって固定されており、この固定ナット38は、接続管片6の外周部における雄ねじ山39と螺合する。
【0029】
図6には本発明による燃料噴射装置の第6実施例が示されている。図6に示された実施例では、結合体18として、ポット形のスリーブが設けられており、この結合体18は接続管片6の下流側端部に確実かつ不動に配置されている。結合体18は周壁区分41と底区分42とを有しており、この場合周壁区分41は例えば形状結合部及び/又は摩擦力結合部を用いて例えば圧着部43によって接続管片6の外周部に固定されている。この場合、摩擦力結合式の結合部では、接続管片6内への燃料噴射弁1の係合深さは結合体18の軸方向ポジションを介して調節可能である。底区分42には中央の開口44が設けられており、この開口44は、燃料噴射弁1の先細になったもしくは減径された領域45によって貫通されている。燃料噴射弁1を開口44に導入できるようにするために、結合体18の底区分42には、開口44を起点として、スリット状の拡大部又は、大径の孔としての拡大部が形成されている。保持体10は結合体18の底区分42と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊締もしくは緊縮されている。
【0030】
図7には、本発明による燃料噴射装置の第7実施例が示されている。燃料噴射弁1は供給管片7の領域に、半径方向外側に向かって張り出したフランジ46を有している。結合体18は固定ナット38の形で形成されている。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、雌ねじ山を有する区分を備えており、この区分にはリングカラー47が接続しており、このリングカラー47は円錐形の支持面48を有している。結合体18のリングカラー47はこの支持面48で、フランジ46に支持されており、このフランジ46は例えばリングカラー47に向けられた湾曲した面を有している。固定ナット38は接続管片6の外周部における雄ねじ山39と共働、つまり螺合する。燃料噴射弁1のフランジ46に係合する固定ナット38によって、接続管片6における燃料噴射弁1の係合深さを調節することができる。保持体10は固定ナット38のリングカラー47と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊締もしくは緊縮されている。
【0031】
図8には本発明による燃料噴射装置の第8実施例が示されている。この燃料噴射装置は特に、極めて単純な構造によって傑出している。燃料噴射弁1はその供給管片7で直接、燃料分配管路4の接続管片6に固定されている。堅固な結合部49は例えば摩擦力結合、形状結合及び/又は素材結合によって得られる。特に、溶接又はろう接による結合や、金属同士のプレス嵌めを形成するための接続管片6における供給管片7の押込みもしくは圧入を行うことができる。接続管片6への燃料噴射弁1の進入深さは調節可能である。二重矢印34で示された誤差調整はこの実施例ではもっぱら、適宜な形式で得ることのできる燃料噴射弁1のフレキシビリティによって可能である。
【0032】
図9には本発明による燃料噴射装置の第9実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18は一方では保持カラー21で、燃料噴射弁1にそのハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では素材結合式ではない結合により、例えば係止結合によって接続管片6と結合されている。結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。この切欠き19を除いて結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。ハウジング肩部20において燃料噴射弁1は結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合され、その結果燃料噴射弁は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、例えば直角にもしくはL字形に終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は、例えば円錐形に延びている。ハウジング肩部20と保持カラー21との間にはさらに支持リング50が挿入されており、この支持リング50はハウジング肩部20に向けられた側に湾曲した接触面を有している。このように構成されていると、燃料噴射弁1は結合体18に対して支持リング50に添って滑ることができ、かつ誤差を補償することができる。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、例えば単数又は複数の係止突起の形の係止手段52を有しており、この又はこれらの係止手段52は接続管片6の下流側端部においてカラー15に上から係合し、ひいては共働して係止結合部を形成する。二重矢印34は、本発明による結合体18が有利な形式で燃料噴射弁1の旋回運動を可能にし、これによりシリンダヘッド17と燃料分配管路4との間における半径方向の誤差補償が可能であることを、示している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0033】
図10及び図11には本発明による燃料噴射装置の第10実施例が示されている。この燃料噴射装置では結合体18は一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にそのハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では素材結合式ではない結合によって、例えばスナップ結合によって、接続管片6と結合されている。この結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。そしてこの切欠き19を除いて、結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。ハウジング肩部20において燃料噴射弁1は、結合体18の1つの保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合されており、その結果燃料噴射弁1は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、例えばハウジング肩部20に向かって湾曲されて形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、周方向で見て互いに向かい合っている2つのスリット53を有しており、この両スリット53は例えば約90°の延びを有している。両スリット53は、湾曲したU字形のスナップリング54によって貫通係合されている。スナップリング54はさらに、燃料分配管路4に結合体18を確実に固定するために、結合体18におけるスリット53の周方向領域において、接続管片6の外周部におけるスリット状の2つの溝55に係合している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0034】
図12には本発明による燃料噴射装置の第11実施例が示されている。この実施例では供給管片7の領域に燃料噴射弁1は、溝に挿入されたワイヤリング56を有している。結合体18は固定ナット38の形で形成されている。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、雌ねじ山を有する区分を備えており、この区分にはリングカラー47が接続しており、このリングカラー47は、ボールパンもしくはボールソケットの形をした湾曲した支持面57を有している。この支持面57で結合体18,38のリングカラー47はワイヤリング56に支持されており、このワイヤリング56はその湾曲部でリングカラー47に受容される。固定ナット38のリングカラー47における支持面57は例えば半径Rをもって形成されており、この半径Rの中心点は、弁長手方向軸線上においてシールリング5の中心に位置している。固定ナット38は接続管片6の外周部における雄ねじ山39と共働する。燃料噴射弁1のワイヤリング56に係合する固定ナット38によって、接続管片6における燃料噴射弁1の進入深さを調節することができる。保持体10は固定ナット38のリングカラー47と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。二重矢印34は、シリンダヘッド17と燃料分配管路4との間における半径方向の誤差補償のために、本発明による結合体18が有利な形式で燃料噴射弁1の旋回運動を可能にすることを、示している。
【0035】
図13には本発明による燃料噴射装置の第12実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18は一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では摩擦力結合式及び/又は素材結合式の結合によって接続管片6と結合されている。結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。切欠き19を除いて、結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。燃料噴射弁1はハウジング肩部20において結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合され、その結果燃料噴射弁1は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は保持カラーセグメントは、例えば直角に又はL字形に終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。ハウジング肩部20と保持カラー21との間にはさらに支持リング50が挿入されており、この支持リング50はハウジング肩部20に向けられた側に湾曲した接触面を有している。このようにして燃料噴射弁1は結合体18に対して支持リング50に添って滑り、かつ誤差を補償することができる。接続管片6に向けられた端部において結合体18は、燃料分配管路4の接続管片6の外周部に直接固定されている。この堅固な結合部49は例えば摩擦力結合、形状結合及び/又は素材結合によって得られる。特に、溶接又はろう接による結合、並びに、金属同士のプレス嵌め部を形成するための、接続管片6への結合体18の被せ嵌めが可能である。この際に接続管片6内への燃料噴射弁1の進入深さの調節が可能である。二重矢印34は、シリンダヘッド17と燃料分配管路4との間における半径方向の誤差補償のために、本発明による結合体18が有利な形式で燃料噴射弁1の旋回運動を可能にすることを、示している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0036】
図14には本発明による燃料噴射装置の第13実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18は一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では素材結合式の結合によって接続管片6と結合されている。結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。切欠き19を除いて、結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。燃料噴射弁1はハウジング肩部20において結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合され、その結果燃料噴射弁1は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、例えば直角に又はL字形に終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。ハウジング肩部20と保持カラー21との間にはさらに支持リング50が挿入されており、この支持リング50はハウジング肩部20に向けられた側に湾曲した接触面を有している。このようにして燃料噴射弁1は結合体18に対して支持リング50に添って滑り、かつ誤差を補償することができる。接続管片6に向けられた端部において結合体18は、燃料分配管路4の接続管片6の半径方向外側に向かって張り出したカラー15の下流側の端面14に直接固定されている。この堅固な結合部49は例えば抵抗溶接を用いて得ることができる。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0037】
図15には本発明による燃料噴射装置の第14実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18は一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では螺合によって接続管片6と結合されている。結合体18は管状に形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。切欠き19を除いて、結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。燃料噴射弁1はハウジング肩部20において結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合され、その結果燃料噴射弁1は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、例えば直角に又はL字形に終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。ハウジング肩部20と保持カラー21との間にはさらに支持リング50が挿入されており、この支持リング50はハウジング肩部20に向けられた側に湾曲した接触面を有している。このようにして燃料噴射弁1は結合体18に対して支持リング50に添って滑り、かつ誤差を補償することができる。結合体18は接続管片6に向けられた端部において、固定ナット38によって下から係合されている。接続管片6に向けられた端部に固定ナット38は、雌ねじ山を有する区分を備えており、この区分にはリングカラー47が接続している。このリングカラー47は結合体18の半径方向外側に張り出しているカラー58に下から係合している。固定ナット38は接続管片6の外周部における雄ねじ山39と共働する。結合体18のカラー58に作用する固定ナット38を用いて、接続管片6における燃料噴射弁1の進入深さを調節することができる。二重矢印34は、本発明による結合体18が有利な形式で燃料噴射弁1の旋回運動を可能にし、これによりシリンダヘッド17と燃料分配管路4との間における半径方向の誤差補償が可能であることを、示している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0038】
図16には本発明による燃料噴射装置の第15実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18はスリットを備えたただ1つのスナップリング59である。このスナップリング59は燃料噴射弁1の供給管片7の先細もしくは減径された区分に係合している。接続管片6には溝60が設けられており、この溝60にはスナップリング59が確実かつ不動に係止されている。燃料噴射弁1に下から係合するために、スナップリング59は円錐形の、又は湾曲した球面状の接触面62を有している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0039】
図17には本発明による燃料噴射装置の参考例が示されている。この図17に示された参考例では、結合体18としてポット形のスリーブが設けられており、このポット形のスリーブとして形成された結合体18は、接続管片6の下流側の端部に確実かつ固定的に配置されている。結合体18は2部分から形成されており、つまり結合体18は半リング形状の2つのリングエレメント63から成っている。各リングエレメント63は周壁区分41と底区分42とを有しており、周壁区分41は底区分42とは反対の側においてそれぞれフック状の係止区分64に移行している。結合体18の係止区分64は、接続管片6の外周部における2つの溝65に確実に係合している。底区分42には真ん中に開口44が設けられており、この開口44は燃料噴射弁1の先細区分又は減径区分によって貫通され、供給管片7におけるこの減径領域45は円錐形に延びる周面として接触面66を有している。底区分42における前記開口44は湾曲した球面状の制限縁を有しており、この制限縁は、減径領域45の接触面66と共働し、この接触面66に添って幾分滑ることができる。接続管片6の外周部において両リングエレメント63を緊締するために、閉鎖されたクランプリング67が両方のリングエレメント63に被せられている。保持体10は結合体18の底区分42と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。
【0040】
図18には本発明による燃料噴射装置の第16実施例が示されている。この燃料噴射装置では、結合体18は一方では保持カラー21で燃料噴射弁1にハウジング肩部20の領域において下から係合し、かつ他方では、素材結合式ではない結合により、ここではスナップ結合もしくは係止結合により、接続管片6と結合されている。結合体18は管状に、流れ方向とは逆方向に拡大する開口を備えて形成されていて、燃料噴射弁1の接続コネクタ8を貫通させるために切欠き19を有している。切欠き19を除いて、結合体18は360°にわたって環状に形成されていることができる。燃料噴射弁1はハウジング肩部20において結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントによって下から係合され、その結果燃料噴射弁1は受容孔9の半径方向に延びる肩部22に対して間隔をおいて自由に懸吊されている。燃料噴射弁1に下から係合する結合体18の保持カラー21又は複数の保持カラーセグメントは、例えば直角に又はL字形に終わるように形成されており、これに対して燃料噴射弁1におけるハウジング肩部20は例えば円錐形に延びている。結合体18は接続管片6に向けられた端部に、リング状の係合区分69を有しており、この係合区分69は円錐形の2つの制限面70a,70bを有している。結合体18を介して燃料分配管路4に燃料噴射弁1を確実に固定するために、接続管片6の外周部には溝55が設けられており、この溝55には開放したばねリング71が挿入されている。上流18に向かって結合体18を組み付ける間に、係合区分69が滑りながらばねリング71を越えるまで、第1の制限面70aはまず初めにばねリング71を溝55内に進入させる。結合体18の組み付けられた状態において、結合体18の係合区分69の第2の制限面70bはばねリング71に支持されており、この場合ばねリング71はそのばね応力に基づいて、溝55から半径方向外側に向かって僅かに滑り出していて、結合体18を接続管片6に緊締している。保持体10は図1に示された第1実施例におけると同様に、接続管片6の端面14と燃料噴射弁1における肩部12との間において緊縮もしくは緊締されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁(1)と、シリンダヘッド(17)における燃料噴射弁(1)用の受容孔(9)と、接続管片(6)を備えた燃料分配管路(4)とが設けられていて、該接続管片(6)に燃料噴射弁(1)が部分的に重なり合って挿入されている形式のものにおいて、
結合体(18)が設けられていて、この結合体(18)が、該結合体(18)内に燃料噴射弁(1)を保持するように、配置されており、燃料噴射弁(1)が、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)の、燃料噴射弁(1)に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)内に挿入されており、結合体(18)が1つの保持カラー(21)又は複数の保持カラーセグメントを有していて、該保持カラー(21)又は保持カラーセグメントが、燃料噴射弁(1)のハウジング肩部(20)に下から係合しており、結合体(18)の保持カラー(21)又は保持カラーセグメントが、ハウジング肩部(20)に向かって丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁(1)におけるハウジング肩部(20)が円錐形に延びていて、これにより、シリンダヘッド(17)と燃料分配管路(4)との間の半径方向における誤差を補償するために、燃料噴射弁(1)の旋回運動が可能であることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項2】
結合体(18)が燃料分配管路(4)の接続管片(6)に直接取り付けられている、請求項1記載の燃料噴射装置。
【請求項3】
結合体(18)の保持カラー(21)又は保持カラーセグメントとハウジング肩部(20)との間に、支持リング(50)が挿入されている、請求項1記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
支持リング(50)がハウジング肩部(20)に向かって丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁(1)におけるハウジング肩部(20)が円錐形に延びている、請求項3記載の燃料噴射装置。
【請求項5】
接続管片(6)が下流側端部に、部分的にリング状に延びていて張り出したカラー(15)を有しており、該カラー(15)が結合体(18)において開口(23)に係合している、請求項1から4までのいずれか1記載の燃料噴射装置。
【請求項6】
接続管片(6)における結合体(18)の結合が摩擦力結合式、形状結合式及び/又は素材結合式である、請求項1記載の燃料噴射装置。
【請求項7】
燃料分配管路(4)が結合手段(25)を用いてシリンダヘッド(17)に固定されている、請求項1記載の燃料噴射装置。
【請求項8】
結合手段(25)の領域にそれぞれ少なくとも1つの緩衝プレート(26)が設けられている、請求項7記載の燃料噴射装置。
【請求項9】
緩衝プレート(26)が接触部で燃料分配管路(4)に直接接触して配置され、かつ/又は接触部でシリンダヘッド(17)に直接接触して配置されている、請求項8記載の燃料噴射装置。
【請求項10】
保持体(10)が燃料噴射弁(1)の肩部(12)と接続管片(6)の端面(14)との間において緊締もしくは緊縮されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃料噴射装置。
【請求項11】
保持体(10)が部分リング形状のベースエレメント(11)を有していて、該ベースエレメント(11)から屈曲されて、軸方向可撓性の保持湾曲部(13)が延びている、請求項10記載の燃料噴射装置。
【請求項12】
保持湾曲部(13)が接続管片(6)の端面(14)に接触している、請求項11記載の燃料噴射装置。
【請求項13】
保持体(10)が打抜き曲げ部材として形成されている、請求項10から12までのいずれか1記載の燃料噴射装置。
【請求項14】
保持体(10)が周方向で見て開放した領域を有しており、該領域が、結合体(18)の切欠き(19)と同様に、燃料噴射弁(1)の接続コネクタ(8)によって貫通されている、請求項10から13までのいずれか1記載の燃料噴射装置。
【請求項15】
内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁(1)と、シリンダヘッド(17)における燃料噴射弁(1)用の受容孔(9)と、接続管片(6)を備えた燃料分配管路(4)とが設けられていて、該接続管片(6)に燃料噴射弁(1)が部分的に重なり合って挿入されている形式のものにおいて、
結合体(18)が設けられていて、この結合体(18)が、該結合体(18)内に燃料噴射弁(1)を保持するように、配置されており、燃料噴射弁(1)が、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)の、燃料噴射弁(1)に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)内に挿入されており、結合体(18)が管状に形成されており、接続管片(6)が下流側端部に、部分的にリング状に延びていて張り出したカラー(15)を有しており、該カラー(15)が結合体(18)を固定するように該結合体(18)に対応していて、管状の結合体(18)が燃料噴射弁(1)のハウジング肩部(20)に下から係合していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項16】
結合体(18)が燃料分配管路(4)の接続管片(6)に直接取り付けられている、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項17】
結合体(18)が1つの保持カラー又は複数の保持カラーセグメントを有していて、該保持カラー又は保持カラーセグメントで燃料噴射弁(1)に下から係合している、請求項15又は16記載の燃料噴射装置。
【請求項18】
結合体(18)の保持カラー(21)又は保持カラーセグメントが、燃料噴射弁(1)のハウジング肩部(20)に係合している、請求項17記載の燃料噴射装置。
【請求項19】
結合体(18)の保持カラー(21)又は保持カラーセグメントが、ハウジング肩部(20)に向かって丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁(1)におけるハウジング肩部(20)が円錐形に延びている、請求項18記載の燃料噴射装置。
【請求項20】
結合体(18)の保持カラー(21)又は保持カラーセグメントとハウジング肩部(20)との間に、支持リング(50)が挿入されている、請求項18記載の燃料噴射装置。
【請求項21】
支持リング(50)がハウジング肩部(20)に向かって丸く面取りされて形成されており、これに対して燃料噴射弁(1)におけるハウジング肩部(20)が円錐形に延びている、請求項20記載の燃料噴射装置。
【請求項22】
カラー(15)が結合体(18)において開口(23)に係合している、請求項15から21までのいずれか1項記載の燃料噴射装置。
【請求項23】
結合体(18)が管状に形成されていて、素材結合式ではない結合によって、特にクリップ結合、係止結合又はスナップ結合によって、接続管片(6)と堅固に結合されている、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項24】
結合体(18)と接続管片(6)との間における結合部が、固定ナット(38)を介して固定されている、請求項23記載の燃料噴射装置。
【請求項25】
結合体(18)が、接続管片(6)に挿入されたばねリング(71)と共働する、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項26】
接続管片(6)における結合体(18)の結合が摩擦力結合式、形状結合式及び/又は素材結合式である、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項27】
燃料分配管路(4)が結合手段(25)を用いてシリンダヘッド(17)に固定されている、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項28】
結合手段(25)の領域にそれぞれ少なくとも1つの緩衝プレート(26)が設けられている、請求項27記載の燃料噴射装置。
【請求項29】
緩衝プレート(26)が接触部で燃料分配管路(4)に直接接触して配置され、かつ/又は接触部でシリンダヘッド(17)に直接接触して配置されている、請求項28記載の燃料噴射装置。
【請求項30】
保持体(10)が燃料噴射弁(1)の肩部(12)と接続管片(6)の端面(14)との間において緊締もしくは緊縮されている、請求項15記載の燃料噴射装置。
【請求項31】
保持体(10)が部分リング形状のベースエレメント(11)を有していて、該ベースエレメント(11)から屈曲されて、軸方向可撓性の保持湾曲部(13)が延びている、請求項30記載の燃料噴射装置。
【請求項32】
保持湾曲部(13)が接続管片(6)の端面(14)に接触している、請求項31記載の燃料噴射装置。
【請求項33】
保持体(10)が打抜き曲げ部材として形成されている、請求項30から32までのいずれか1記載の燃料噴射装置。
【請求項34】
保持体(10)が周方向で見て開放した領域を有しており、該領域が、結合体(18)の切欠き(19)と同様に、燃料噴射弁(1)の接続コネクタ(8)によって貫通されている、請求項30から33までのいずれか1記載の燃料噴射装置。
【請求項35】
内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁(1)と、シリンダヘッド(17)における燃料噴射弁(1)用の受容孔(9)と、接続管片(6)を備えた燃料分配管路(4)とが設けられていて、該接続管片(6)に燃料噴射弁(1)が部分的に重なり合って挿入されている形式のものにおいて、
結合体(18)が設けられていて、この結合体(18)が、該結合体(18)内に燃料噴射弁(1)を保持するように、配置されており、燃料噴射弁(1)が、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)の、燃料噴射弁(1)に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)内に挿入されており、結合体(18)がリング状に形成されていて、軸方向ねじ(29)を介して燃料分配管路(4)と結合されており、結合体(18)は、該結合体(18)が燃料分配管路(4)から間隔をおいて位置するように、燃料噴射弁(1)に取り付けられていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項36】
内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁(1)と、シリンダヘッド(17)における燃料噴射弁(1)用の受容孔(9)と、接続管片(6)を備えた燃料分配管路(4)とが設けられていて、該接続管片(6)に燃料噴射弁(1)が部分的に重なり合って挿入されている形式のものにおいて、
結合体(18)が設けられていて、この結合体(18)が、該結合体(18)内に燃料噴射弁(1)を保持するように、配置されており、燃料噴射弁(1)が、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)の、燃料噴射弁(1)に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)内に挿入されており、結合体(18)がスリットを備えたスナップリング(59)であり、該スナップリング(59)が接続管片(6)内に進入していて、燃料噴射弁(1)を取り囲んでおり、スナップリング(59)が、接続管片(6)に設けられた溝(60)に不動に係止されていることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項37】
保持体(10)が燃料噴射弁(1)の肩部(12)と接続管片(6)の端面(14)との間において緊締もしくは緊縮されている、請求項36記載の燃料噴射装置。
【請求項38】
内燃機関の燃料噴射設備用の燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁(1)と、シリンダヘッド(17)における燃料噴射弁(1)用の受容孔(9)と、接続管片(6)を備えた燃料分配管路(4)とが設けられていて、該接続管片(6)に燃料噴射弁(1)が部分的に重なり合って挿入されている形式のものにおいて、
結合体(18)が設けられていて、この結合体(18)が、該結合体(18)内に燃料噴射弁(1)を保持するように、配置されており、燃料噴射弁(1)が、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)の、燃料噴射弁(1)に対して軸方向に延びていないすべての面もしくは壁に対して接触することなく、シリンダヘッド(17)の受容孔(9)内に挿入されており、燃料噴射弁(1)が、該燃料噴射弁(1)に設けられた溝に挿入されたワイヤリング(56)を有しており、結合体(18)が固定ナット(38)の形で形成されていて、ワイヤリング(56)に係合していることを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項39】
接続管片(6)に雄ねじ山(39)が設けられていて、該雄ねじ山(39)に固定ナット(38)又は結合体(18)自体が螺合可能である、請求項38記載の燃料噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−220342(P2011−220342A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118402(P2011−118402)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【分割の表示】特願2007−557510(P2007−557510)の分割
【原出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】