説明

燃焼システム

【課題】燃焼エネルギを増大させるように燃料を改質するにあたり、自着火性低下の問題を解消し、さらには、燃焼熱がシリンダ壁面から逃げていくことによる熱損失を低減できるようにする。
【解決手段】燃焼温度の低下および自着火性の低下を招きつつも単位量当りの燃料から出力される燃焼エネルギが増加するよう、燃料の性状を触媒上で改質する改質器を備え、改質器で改質された改質燃料および改質されていない非改質燃料を、内燃機関の燃焼室で同時に燃焼させる場合において、改質燃料を、内燃機関のシリンダ内周面10aに沿って環状に分布させ(図4(c)中の網点ハッチ参照)、その環状の中央部分に非改質燃料を分布させる(図4(c)中の斜線ハッチ参照)。そして、非改質燃料を圧縮自着火燃焼させ、その自着火燃焼を火種として改質燃料を着火燃焼させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質した燃料を内燃機関の燃焼室で燃焼させる燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料の性状を改質器の触媒上で改質させ、その改質した燃料を吸気管に噴射して燃焼室で燃焼させる技術が知られている(特許文献1)。これによれば、燃焼エネルギを増加させることができ、燃費向上(燃料消費率の低下)を図ることができる。
【0003】
この特許文献1記載の従来発明は、点火式のエンジンを用いることを前提とし、燃焼が不安定となる始動時には燃料をポート噴射して点火燃焼させている。そして、始動時以外の時には、自着火性が向上するように燃料を改質し、その改質燃料を燃焼室へ直接噴射して圧縮自着火させるとともに、改質していない非改質燃料もポート噴射して、改質燃料と非改質燃料を同時に燃焼させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−190586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来発明では、自着火性を向上させるように燃料の性状を改質することを前提としている。これに対し本発明者は、単位量当りの燃料から出力される燃焼エネルギを増大させるように燃料の性状を改質して、燃費向上(燃料消費率の低下)を図ることを検討した。
【0006】
例えば、メタノールやエタノール等のアルコール燃料(CH−OH)を触媒上で水(HO)と反応させることで、水素(H)と一酸化炭素(CO)に変換させ、これらの水素および一酸化炭素を改質燃料として燃焼させることが、上記改質の具体例として挙げられる。
【0007】
しかしながら、この種の改質(燃焼エネルギを増大させる改質)を実施すると、改質前の燃料に比べて自着火性が低下してしまい、改質燃料を圧縮自着火燃焼させることが困難になるとの知見を本発明者は得た。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃焼エネルギを増大させるように燃料を改質するにあたり、自着火性低下の問題を解消し、さらには、燃焼熱がシリンダ壁面から逃げていくことによる熱損失を低減できるようにした燃焼システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0010】
請求項1記載の発明では、燃焼温度の低下および自着火性の低下を招きつつも単位量当りの燃料から出力される燃焼エネルギが増加するよう、燃料の性状を触媒上で改質する改質器を備え、前記改質器で改質された改質燃料および改質されていない非改質燃料を、内燃機関の燃焼室で同時に燃焼させる燃焼システムにおいて、前記改質燃料は前記内燃機関のシリンダ内周面に沿って環状に分布され、その環状の中央部分に前記非改質燃料が分布されるよう構成し、かつ、前記非改質燃料は圧縮自着火燃焼し、前記改質燃料は前記非改質燃料の燃焼を火種として着火燃焼するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、非改質燃料を圧縮自着火燃焼させ、その燃焼を火種として改質燃料を着火燃焼させるので、自着火性が低下した改質燃料を確実に燃焼させることができるので、改質による自着火性低下の問題を解消できる。
【0012】
さらに上記発明では、改質燃料の燃焼温度が非改質燃料よりも低くなることを利用して、燃焼熱がシリンダ壁面から逃げていくことによる熱損失の低減を図っている。すなわち、改質燃料はシリンダ内周面に沿って環状に分布させるので、改質燃料による低温燃焼はシリンダ内周面近傍で生じ(図4(c)中の網点ハッチ参照)、その一方で、非改質燃料による高温燃焼はシリンダ内周面から離れた位置で生じる(図4(c)中の斜線ハッチ参照)ことになる。したがって、シリンダ内周面近傍で高温燃焼させる場合に比べて上記熱損失を低減できる。
【0013】
請求項2記載の発明では、前記内燃機関の吸気行程の時に、前記内燃機関の排気バルブにより開閉される排気口または前記内燃機関の吸気バルブにより開閉される吸気口から、前記改質燃料を前記燃焼室へ流入させるように構成したことを特徴とする。
【0014】
ここで、吸気行程時に排気バルブを開弁させると、燃焼室内の負圧によって排気口近傍で流速の速い気流が生じる。また、吸気行程時には吸気口近傍で流速の速い気流が生じる。この点を鑑みた上記発明では、流速の速い気流に乗せて改質燃料を燃焼室内に流入させることになるので、改質燃料をシリンダ内周面に沿って環状に行き渡るようにすることの確実性を向上できる。
【0015】
請求項3記載の発明では、前記改質燃料を、前記内燃機関の排気経路に噴射して前記排気口から前記燃焼室へ流入させるように構成したことを特徴とする。
【0016】
上記発明に反して、改質燃料を吸気経路に噴射して吸気口から流入させるように構成すると、改質燃料を吸気管まで導く配管内で改質燃料は冷却され、しかも、改質燃料は吸気管内で新気と混合することでさらに温度低下する。そのため、外気温度が低い場合等、改質器へ供給される燃料が低温であり点火着火性が悪くなっている場合には、前記温度低下により着火性悪化が促進されてしまうとの問題が生じる。
【0017】
この問題に対し、上記発明によれば、改質燃料を排気経路に噴射し、排気口から燃焼室へ流入させるので、改質燃料の排気口までの流通経路が、雰囲気温度の高い排気管の近傍に位置することになる。よって、その流通経路内で改質燃料が冷却されることを抑制できる。しかも、改質燃料は燃焼室へ流入するまでの間に新気と混合することがないので、新気により改質燃料が冷却されることを回避できる。以上により、改質器へ供給される燃料が低温であり点火着火性悪化が懸念される状況の場合において、改質燃料がさらに冷却されてしまうことを抑制でき、点火着火性悪化の懸念を軽減できる。
【0018】
さらに上記発明では、排気口から改質燃料を流入させるので、改質燃料は排気と混合した状態で燃焼する。つまり、排気は新気に比べて酸素濃度が低いため、改質燃料は新気と混合した場合に比べてリーンの状態で燃焼することになる。そのため、新気と燃焼させる場合に比べて改質燃料の燃焼温度低下を促進できる。よって、シリンダ壁面から逃げていく熱損失の低減効果を向上できる。しかも、燃料にアルコールを採用した場合、改質燃料(一酸化炭素および水素)は非改質燃料(アルコール)よりもリーンの状態で燃焼が可能となる。よって、改質燃料をより一層リーン状態で燃焼させることを実現でき、上述した熱損失低減効果の向上を促進できる。
【0019】
請求項4記載の発明では、1つの前記燃焼室に対して前記排気口が複数設けられた内燃機関に適用され、前記改質燃料を前記燃焼室へ流入させる時には、複数の前記排気口のうちの1つを開弁させるように構成したことを特徴とする。
【0020】
上記発明では、吸気行程時に1つの排気口を開弁させるので、複数の排気口を開弁させた場合に比べて排気口近傍での気流の速度を速くできる。よって、改質燃料をシリンダ内周面に沿って環状に行き渡るようにすることの確実性を向上できる。
【0021】
請求項5記載の発明では、前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼び、前記排気口および前記吸気口を形成するシリンダヘッドのうち、前記改質導入口へ前記改質燃料を導く経路を形成するポートを導入ポートと呼ぶ場合において、前記導入ポートのうち前記改質導入口に隣接する部分を、前記シリンダ内周面のうち前記改質導入口に隣接する部分の接線方向に延びる形状に形成したことを特徴とする。
【0022】
上記発明によれば、改質導入口から燃焼室へ改質燃料が流入する時の流入方向(図4(b)中の矢印Y1参照)を、改質導入口近傍におけるシリンダ内周面の接線方向(図4(b)中の一点鎖線L1参照)と同じにできる。そのため、改質導入口から燃焼室へ流入した直後の改質燃料がシリンダ内周面に衝突した後、そのままシリンダ内周面に沿って環状に流れることを促進できる。よって、改質燃料がシリンダ内周面に沿って環状に分布することの確実性を向上できる。
【0023】
請求項6記載の発明では、前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼ぶ場合において、1回の前記吸気行程で、前記改質導入口を複数回開閉させることを特徴とする。
【0024】
上記発明に反し、1回の吸気行程で改質導入口を1回開弁させた場合、燃焼室へ流入した改質燃料をシリンダ内周面に沿って流すことができたとしても、改質燃料の流入量が不足している場合には、図5(a)中の網点ハッチに例示するように、改質燃料の燃焼を環状に分布させることができなくなる。
【0025】
この点を鑑みた上記発明では、1回の吸気行程で改質導入口を複数回開閉させるので、改質燃料の流入量が不足している場合であっても、図5(b)中の網点ハッチに例示するように改質燃料の燃焼を環状に分布させることを促進できる。よって、非改質燃料による高温燃焼をシリンダ内周面から離れた位置で生じさせることの確実性を、向上できる。
【0026】
請求項7記載の発明では、前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼び、前記排気口および前記吸気口を形成するシリンダヘッドのうち、前記吸気口へ新気を導く経路を形成するポートを吸気ポートと呼ぶ場合において、前記吸気ポートのうち前記吸気口に隣接する部分を、前記改質導入口から外れた向きに延びる形状に形成したことを特徴とする。
【0027】
ここで、上記発明に反して吸気ポートのうち吸気口に隣接する部分を、改質導入口に向けて延びる形状に形成すると、吸気口から燃焼室に流入した新気の流れが、改質導入口から流入した改質燃料の流れに衝突する。すると、改質燃料が燃焼室内で拡散してしまい、シリンダ内周面に沿って改質燃料を環状に分布させることの妨げとなる。
【0028】
この点を鑑みた上記発明では、吸気ポートのうち吸気口に隣接する部分を、改質導入口から外れた向きに延びる形状に形成するので、改質燃料の流れに新気が衝突して拡散させることを抑制できる。よって、シリンダ内周面に沿って改質燃料を環状に分布させることを促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる燃焼システムを示す図。
【図2】図1に示す改質器のハード構成を詳細に説明する図。
【図3】図1に示す供給バルブの開閉弁タイミング、および排気バルブの開閉弁タイミングを説明する図。
【図4】図3の如くバルブを開閉させた場合における燃焼室内の状態を表す図であって、(a)は排気の流れを表す図、(b)は吸気および改質燃料の流れを表す図、(c)は改質燃料および非改質燃料の燃焼分布を表す図。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる燃焼分布を説明する図。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる燃焼システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0031】
(第1実施形態)
以下に説明する燃焼システムは、定置式の内燃機関に適用されることを想定したものであり、例えば、発電機を駆動させる駆動源として設置された定置式内燃機関が具体例として挙げられる。
【0032】
図1に示す内燃機関は複数の気筒を有した多気筒エンジンであり、これらの気筒は、シリンダブロック10にシリンダヘッド20を組み付けて構成されている。シリンダブロック10はピストン11を収容して燃焼室12を形成する。また、シリンダブロック10およびシリンダヘッド20にはウォータジャケット10w,20wが形成されており、ウォータポンプ30から吐出される冷却水が、これらのウォータジャケット10w,20wを循環して、シリンダブロック10およびシリンダヘッド20を冷却している。なお、ウォータポンプ30は内燃機関の駆動力により回転駆動させる機械式であってもよいし、電動モータにより回転駆動させる電気式であってもよい。
【0033】
シリンダヘッド20には吸気ポート21および排気ポート22が形成されており、吸気ポート21の吸気口21aは吸気バルブ31により開閉され、排気ポート22の排気口22aは排気バルブ32により開閉される。吸気ポート21には、新気を各気筒に分配するインテークマニホールド33が接続されている。
【0034】
排気ポート22には、エキゾーストマニホールド34(排気管)が接続されている。但し、シリンダヘッド20の排気ポート22とエキゾーストマニホールド34との間には、断熱材34aを介在させている。また、エキゾーストマニホールド34の下流側には、各気筒からの排ガスを集合して排出させる集合排気管35(排気管)が接続されており、この集合排気管35には、排ガス中のNOx、HC、CO等を浄化する浄化装置36が取り付けられている。
【0035】
また、シリンダヘッド20には燃料噴射弁37が取り付けられている。そして、燃料タンク38に貯蔵された液体燃料が燃料ポンプ39により燃料噴射弁37へ圧送され、燃料噴射弁37を開弁作動させると液体燃料が燃焼室12へ直接噴射される。なお、上記液体燃料にはアルコール(例えばメタノールCH3−OH)が用いられている。さらに、燃料ポンプ39から圧送される燃料の一部は、後に詳述する改質器40により改質され、排気ポート22内に噴射された後、排気口22aから燃焼室12へ流入されるよう構成されている。
【0036】
以上により、燃料噴射弁37から噴射された非改質燃料(改質器40で改質されていないアルコール燃料)と、吸気口21aから流入する新気との混合気が、燃焼室12にて断熱圧縮されて自着火燃焼する。一方、排気口22aから流入する改質燃料と吸気口21aから流入する新気との混合気は、非改質燃料の自着火燃焼を火種として着火し、燃焼する。要するに、非改質燃料は、改質燃料に比べて自着火温度が低いため自着火しやすい。その一方で、点火による着火に必要な最小エネルギは、改質燃料の方が非改質燃料よりも小さい。そこで本実施形態では、先ず非改質燃料を自着火させ、その燃焼を火種として改質燃料を燃焼させている。
【0037】
改質器40は、エキゾーストマニホールド34の内部に配置されており、以下、改質器40の構造について、図2を用いて説明する。
【0038】
改質器40は、排気通路41aを形成する壁体41と、燃料通路42aを形成する配管42を備えている。配管42の内面には触媒が担持されている。壁体41には、金属製に比べて保温性能の高い材質(例えばセラミック)が採用されている。点線矢印に示す如く排気通路41aを流通する排ガスは、触媒を加熱して活性化温度以上にするとともに、実線矢印に示す如く燃料通路42aを流通する燃料を加熱する。
【0039】
さらに改質器40は、複数本の燃料通路42aへ燃料を分配するヘッダパイプ43と、複数本の燃料通路42aを流通した燃料を集合させるフッダパイプ44とを備えている。なお、改質器40は気筒毎に設けられており、気筒毎に設けられた改質器40のヘッダパイプ43へ分配配管60から燃料が分配供給される。
【0040】
ヘッダパイプ43には、排ガスを流入させる流入口43aが形成されており、この流入口43aにはリードバルブ43b(逆止弁)が取り付けられている。これにより、ヘッダパイプ43内の燃料に排ガスが混合される。そして、配管42内面の触媒上で、ヘッダパイプ43から供給される液体燃料(メタノールCH−OH)は、排ガス中に含まれる水と反応し、水素(H)と一酸化炭素(CO)に変換(改質)される。つまり、これらの水素および一酸化炭素が改質燃料であり、排気口22aから燃焼室12へ流入して燃焼することとなる。
【0041】
フッダパイプ44には、改質燃料を排気口22aの近傍まで流通させる改質燃料配管45が接続されている。改質燃料配管45の一部は、シリンダヘッド20に挿入配置され、改質燃料配管45の下流開口部45aは、排気ポート22のうち排気口22aの近傍部分に位置している。したがって、改質器40で改質された燃料は、改質燃料配管45を流通して、排気口22aの近傍部分へ噴射されることとなる。
【0042】
図1に示すように、燃料ポンプ39から圧送された燃料は、分岐管61を流通し、分配配管60に取り付けられた供給バルブ62に供給される。したがって、供給バルブ62を開弁作動させると、燃料ポンプ39から圧送された燃料は、分岐管61→供給バルブ62→分配配管60→ヘッダパイプ43→配管42→フッダパイプ44→改質燃料配管45を順に流通して下流開口部45aから排気ポート22内に噴射される。
【0043】
また、改質燃料配管45および分岐管61には熱交換器46(図1参照)が取り付けられており、熱交換器46により、改質前の燃料と改質燃料とが熱交換する。つまり、改質器40内部で排ガスにより温度上昇した改質燃料は、改質前の燃料により冷却される。換言すれば、改質前の燃料は改質燃料により加熱される。
【0044】
さらに改質燃料配管45の一部は、排気ポート22のウォータジャケット20w内に配置されている。これにより改質燃料と冷却水とが熱交換する。つまり、改質器40内部で排ガスにより温度上昇した改質燃料は、ウォータジャケット20wを循環する冷却水により冷却される。
【0045】
供給バルブ62および燃料噴射弁37の開弁作動は、電子制御装置(ECU70)により制御される。以下、ECU70による供給バルブ62の開弁時期制御について、図3を用いて説明する。
【0046】
図3の最上段は、任意の気筒におけるピストン11の上死点および下死点のタイミングを、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程と区別して示す。また、(a)は吸気バルブ31の開閉弁タイミングを示し、(b)は排気バルブ32の開閉弁タイミングを示す。なお、これらの吸気バルブ31および排気バルブ32は、内燃機関のクランク軸により回転駆動するカム軸により開閉されるものであり、カム軸に取り付けられたカムのプロフィールにより開閉弁タイミングは特定される。
【0047】
排気バルブ32は、排気行程の終了に伴いt1時点で一旦閉弁される。その後、その排気行程の直後における吸気行程の期間中において、t2時点で再度開弁し、その後のt3時点で再度閉弁する。つまり、1燃焼サイクル中の排気行程と吸気行程で1回ずつ計2回、排気バルブ32を開弁させている。そして、排気バルブ32を吸気行程で開弁させる直前の閉弁期間t1〜t2に、改質器40へ燃料を供給する供給バルブ62を開弁させる。
【0048】
図4は、図3の如く各バルブ31,32,62を開閉作動させた場合における、燃焼室12内の状態を表す図である。なお、図4では、1つの燃焼室12に対して2つの吸気口21a,21bおよび2つの排気口22a,22bがシリンダヘッド20に設けられていることを想定しており、符号22bに示す排気口を形成する排気ポート22には、改質燃料配管45からの改質燃料は噴射されない。そのため、排気口22aを開閉する排気バルブ32は、図3(b)に示すように吸気行程時のt2時点で再度開弁させるのに対し、排気口22bを開閉する排気バルブ32は、吸気行程時に再度開弁させることのないよう、カムのプロフィールを設定している。
【0049】
したがって、排気行程時においては図4(a)中の矢印に示すように2つの排気口22a,22bから排ガスが排出されるのに対し、吸気行程のうち排気口22aを開弁させているt2〜t3期間においては、図4(b)中の矢印Y1に示すように、排気口22aから改質燃料が燃焼室12へ流入する。
【0050】
ここで、排気口22aから流入した改質燃料は、図4(b)中の矢印Y2に示すようにシリンダ内周面10aに沿って環状に流れるように構成されている(この構成の詳細は後述する)。これに対し、燃料噴射弁37から噴射される非改質燃料は、環状に流れる改質燃料の中央に向けて噴射されるように構成されている。具体的には、非改質燃料を噴射する燃料噴射弁37は、燃焼室12の上方視中央部分に配置され、燃焼室12の中央に向けて非改質燃料を噴射するように構成されている。
【0051】
そのため、燃焼行程時には、改質燃料による燃焼はシリンダ内周面10aの近傍(図4(c)中の網点ハッチ部分)で生じ、非改質燃料による燃焼はシリンダ内周面10aから離れた燃焼室12の中央位置(図4(c)中の斜線ハッチ部分)で生じることになる。
【0052】
次に、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に流すための具体的な構成について、詳細に説明する。
【0053】
以下の説明では、2つの排気口22a,22bのうち改質燃料を流入させる口を改質導入口22aと呼ぶ。シリンダヘッド20に形成された排気ポート22のうち、改質導入口22aへ改質燃料を導く経路を形成するポートを導入ポートと呼ぶ。図4(b)中の一点鎖線L1は、シリンダ内周面10aのうち改質導入口22aに隣接する部分の接線を示す。
【0054】
そして、導入ポート22のうち改質導入口22aに隣接する部分(図4(b)中の符号22Pに示す部分)を、上述した接線L1の方向に延びる形状に形成する。これによれば、改質導入口22aから燃焼室12へ改質燃料が流入する時の流入方向(図4(b)中の矢印Y1参照)を、改質導入口22aに最も近い部分におけるシリンダ内周面10aの接線方向(図4中の一点鎖線L1参照)と同じにできる。そのため、改質導入口22aから燃焼室12へ流入した直後の改質燃料がシリンダ内周面10aに衝突した後、そのままシリンダ内周面に沿って環状に流れることを促進できる。よって、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に分布することの確実性を向上できる。
【0055】
また、一方の排気口22a(改質導入口)を開弁させて改質燃料を燃焼室12へ流入させる時には、他方の排気口22bを閉弁させる。そのため、両方の排気口22a,22bを開弁させた場合に比べて、改質導入口22a近傍での気流の速度を速くできる。よって、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に行き渡るようにすることの確実性を向上できる。
【0056】
さらに、吸気ポート21のうち吸気口21aに隣接する部分(図4(b)中の符号21Pに示す部分)を、排気口22a(改質導入口)から外れた向きに延びる形状に形成する。つまり、吸気ポート21の前記部分21Pの中心線L3上に改質導入口22aが位置しないように形成する。そのため、吸気口21aから燃焼室12に流入した新気の流れ(図4(b)中の矢印Y3参照)が、改質導入口22aから流入した改質燃料の流れ(図4(b)中の矢印Y1参照)に衝突することを回避できるので、シリンダ内周面10aに沿って改質燃料を環状に分布させることを促進できる。
【0057】
さらに、導入ポート22のうち改質導入口22aに隣接する部分(図4(b)中の符号22Pに示す部分)が、上方視においてシリンダ内周面10aに隣接することとなるように、導入ポート22を配置する。そのため、改質導入口22aから燃焼室12へ流入した改質燃料が、シリンダ内周面10aに衝突することにより流速低下することを抑制できる。よって、改質燃料がシリンダ内周面10aに沿って環状に行き渡るようにすることの確実性を向上できる。
【0058】
さらに、2つの排気口22a,22bのうち一方の排気口である改質導入口22aの開口面積を、他方の排気口22bの開口面積よりも小さく設定する。そのため、改質導入口22a近傍での気流の速度が速くなるので、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に行き渡るようにすることの確実性を向上できる。
【0059】
ここで、本実施形態にかかる改質器40でアルコール燃料を改質させると、当該改質による改質燃料(CO,H)の燃焼温度は、非改質燃料(CH−OH)の燃焼温度よりも低くなる。そして、本実施形態によれば、上述したように、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に分布させ、その環状の中央部分に非改質燃料を分布させるので、燃焼室12内のうち中央位置では非改質燃料が圧縮自着火燃焼し、その自着火燃焼を火種としてシリンダ内周面10aの近傍では改質燃料が着火して燃焼(点火燃焼)する。つまり、シリンダ内周面10aから離れた中央位置にて高温の自着火燃焼が為され、シリンダ内周面10aの近傍位置にて低温の点火燃焼が為される。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、シリンダ内周面10aの近傍で高温の自着火燃焼が為される場合に比べて、燃焼熱がシリンダブロック10へ逃げていくことによる熱損失を低減できる。
【0061】
しかも、排気口22aから改質燃料を流入させるので、改質燃料は酸素濃度の低い排気と混合した状態(リーン状態)で燃焼する。そのため、改質燃料の燃焼温度低下を促進できるので、燃焼熱がシリンダブロック10へ逃げていくことによる熱損失の低減を促進できる。なお、本実施形態では、改質燃料はストイキよりもリーンの状態で燃焼させ、非改質燃料はストイキまたはリーンの状態で燃焼させており、改質燃料は非改質燃料よりもリーンの状態になるように設定している。
【0062】
さらに、以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果も得られるようになる。すなわち、改質燃料を排気ポート22内に噴射し、排気口22aから燃焼室12へ流入させるので、改質燃料の流通経路(改質燃料配管45)が、雰囲気温度の高い排気管(エキゾーストマニホールド34)の近傍に位置することになる。よって、その流通経路内で改質燃料が冷却されることを抑制できる。しかも、改質燃料は燃焼室12へ流入するまでの間に新気と混合することがないので、新気により改質燃料が冷却されることを回避できる。以上により、改質器40へ供給される燃料が低温であり着火性悪化が懸念される状況の場合において、改質燃料がさらに冷却されてしまうことを抑制でき、着火性悪化の懸念を軽減できる。
【0063】
ここで、直噴燃料の自着火燃焼を火種として改質燃料を着火させることを想定しているが、改質燃料が排ガスにより過剰に高温になると、想定に反して自着火することが懸念されるようになる。これに対し本実施形態では、改質燃料配管45内の改質燃料を、改質前の燃料および冷却水により冷却させるので、点火燃焼させることを想定した改質燃料が自着火燃焼してしまうことを回避できる。さらに、熱交換器46により改質前の燃料が改質燃料により加熱されるので、触媒上での改質効率を向上できる。
【0064】
改質器40を排気管(エキゾーストマニホールド34)の内部に配置するので、改質器40が有する触媒の温度を活性化温度以上にすることを、排ガス温度を利用して実現できるので、電気ヒータ等の加熱手段を用いることなく触媒温度を容易に昇温できる。さらに、改質器内での燃料温度を上昇させて改質効率を向上させることを容易に実現できる。
【0065】
シリンダヘッド20と排気管(エキゾーストマニホールド34)との間に断熱材34aを介在させるので、改質器40の温度上昇を促進でき、改質効率の向上を図ることができる。なお、排ガス温度は改質器40と熱交換することで低下するので、浄化装置36へ流入する排ガス温度は低下する。よって、断熱材34aを介在させても、浄化装置36が上限値を超えて高温になり損傷することは回避できる。
【0066】
改質器40のうち排気通路41aを形成する壁体41に蓄熱材(例えばセラミック)を採用しているので、改質器40を高温状態に維持させて改質効率を向上させることを促進できる。
【0067】
吸気行程以外の時期には供給バルブ62の開弁を禁止させているので、排気経路(排気ポート22)へ噴射された改質燃料が、排気口22aから流入することなく排ガスとともにエキゾーストマニホールド34へ排出されることを回避できる。
【0068】
排気バルブ32を吸気行程で開弁させる直前の閉弁期間t1〜t2に、改質器40へ燃料を供給する供給バルブ62を開弁させる。そのため、改質器40へ供給した燃料が改質器40の燃料通路42aで滞留する時間を長くでき、改質効率を向上できる。また、供給バルブ62から供給された液体燃料が、排気口22aから流入されるまでの滞留時間を長くできるので、液体燃料を十分に気化させることができる。
【0069】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、吸気行程中に改質導入口22aを1回だけ開弁させている(図3(b)参照)。すると、供給バルブ62から改質器40への燃料供給量が不足することに起因して、燃焼室12へ流入する改質燃料が不足している場合には、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って流すことができたとしても、図5(a)中の網点ハッチWに例示するように、改質燃料の燃焼を環状に分布させることができなくなる。
【0070】
この問題に対し本実施形態では、1回の吸気行程中に改質導入口22aを複数回開閉させるよう、排気バルブ32のカムのプロフィールを設定している。そのため、改質燃料が断続的に燃焼室12へ流入することとなるので、改質燃料の流入量が不足している場合であっても、図5(b)中の網点ハッチWに例示するように改質燃料の燃焼を環状に分布させることができる。したがって、非改質燃料による高温燃焼をシリンダ内周面10aから離れた位置で生じさせることの確実性を、向上できる。
【0071】
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、排気口22a,22bが複数設けられた内燃機関を対象としているが、本実施形態では、排気口220a(改質導入口)が1つの内燃機関を対象としている。そして、本実施形態では、導入ポート220のうち改質導入口220aに隣接する部分(図6中の符号220Pに示す部分)を、燃焼室12の中心から外れた向きに延びる形状に形成する。換言すれば、導入ポート220の前記部分220Pの中心線L20が、燃焼室12の中心から外れるように形成する。
【0072】
これによれば、改質導入口220aから燃焼室12へ流入した改質燃料が、シリンダ内周面10aに正面衝突しないようにできる。よって、改質導入口220aから燃焼室12へ流入した直後の改質燃料(矢印Y1参照)がシリンダ内周面10aに衝突した後、そのままシリンダ内周面10aに沿って環状に流れる(矢印Y2参照)ことを促進できる。よって、排気口220aが1つの内燃機関であっても、改質燃料をシリンダ内周面10aに沿って環状に分布することを実現できる。
【0073】
また、下流開口部45aを、前記中心線L20よりもシリンダ内周面10aに近い側に偏心して配置する。これによれば、下流開口部45aから導入ポート220内に噴射された改質燃料が、シリンダ内周面10aに沿って環状に流れることを促進できる。
【0074】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0075】
・上記各実施形態では、改質器40へ供給する燃料に排ガスを混合させることで、改質に必要な水成分を燃料に混合させているが、燃料タンク38に貯蔵させておく燃料に、予め水を混入させておき、上述した排ガスの混合を廃止するようにしてもよい。要するに、燃料タンク38にアルコールを貯蔵することに替え、アルコール水を貯蔵させるようにしてもよい。これによれば、リードバルブ43bを廃止できるが、その一方で、燃料タンク38の大型化を招く。
【0076】
・上記各実施形態では、排気経路中の排気ポート22の部分に改質後燃料を噴射しているが、本発明は排気ポート22への噴射に限定されるものではなく、例えば、エキゾーストマニホールド34や集合排気管35に噴射してもよい。但し、改質器40よりも排気口22aに近い部分に噴射することが望ましい。また、排気口22aに近い部分であるほど、下流開口部45aから噴射された改質後燃料が排気口22aから流入されずに残留するおそれを低減できる点で望ましい。
【0077】
・上記各実施形態では、改質燃料配管45を排気ポート22に接続し、排気口22a,220aから改質燃料を流入させているが、改質燃料配管45を吸気ポート21に接続し、吸気口21aから改質燃料を流入させるようにしてもよい。この場合、改質燃料がリーンの状態で燃焼することとなるよう、改質燃料の噴射量を調整することが望ましい。
【0078】
・上記各実施形態では、改質燃料配管45を排気ポート22に接続し、排気口22a,220aから改質燃料を流入させているが、改質燃料配管45を燃焼室12に接続し、改質燃料を燃焼室12へ直接流入させるようにしてもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、改質器40を、エキゾーストマニホールド34(排気管)の内部に配置しているが、集合排気管35(排気管)の内部に配置してもよい。この場合、1つの改質器40から複数の気筒に改質後燃料を分配する配管が必要となるが、気筒毎に改質器40を設けることを廃止して、1つの改質器40を共用できるようになる。また、改質器40を排気管34,35の外部に配置してもよい。
【0080】
・上記各実施形態では、本発明にかかる燃焼システムを定置式の内燃機関に適用させているが、車両に搭載された内燃機関に適用させることも可能である。この場合、内燃機関の冷間始動時においては、改質後配管45内の改質後燃料を冷却水で冷却する度合いを減らして、排気口22aから流入させることによる着火性悪化抑制の効果が妨げられないようにすることが望ましい。例えば、電動式のウォータポンプ30を採用し、冷間始動期間中はウォータポンプ30を停止させたり、ウォータポンプ30からの吐出量を低減させたりすることが望ましい。
【0081】
なお、機械式のウォータポンプ30を採用した場合であっても、冷間始動時にはエンジン回転速度が低くなっているため、ウォータポンプ30の回転速度も低くなる。そのため、冷間始動時には冷却水の循環流量も少なくなり、改質後燃料が冷却される度合いも小さくなるので、着火性悪化抑制の効果が妨げられる懸念は低減される。
【0082】
・上記各実施形態では、各気筒に設けられた複数の改質器40に対して供給バルブ62を1つ設けているが、複数の改質器40の各々に対して供給バルブ62を設けるようにしてもよい。これによれば、排気バルブ32を吸気行程で開弁させる直前の閉弁期間t1〜t2に供給バルブ62を開弁させることによる先述した効果(改質効率向上および液体燃料の気化促進)が、より顕著に発揮されるようになる。
【0083】
・排気バルブの開弁に関し、上記実施形態では、排気行程時の開弁リフト量と吸気行程時の開弁リフト量とが同じになるよう、カム軸に取り付けられたカムのプロフィールを設定している。これに対し、吸気行程時の開弁リフト量が、排気行程時の開弁リフト量よりも小さくなるように設定してもよい。これによれば、改質後燃料が排気口22aから流入するときの流入速度を速くできるので、排気ポート22内に噴射された改質後燃料が排気口22aから流入されずに排気ポート22内に残留するおそれを低減できる。
【符号の説明】
【0084】
10a…シリンダ内周面、21a…吸気口、22…排気ポート(排気経路、導入ポート)、22a,220a…排気口(改質導入口)、31…吸気バルブ、32…排気バルブ、40…改質器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼温度の低下および自着火性の低下を招きつつも単位量当りの燃料から出力される燃焼エネルギが増加するよう、燃料の性状を触媒上で改質する改質器を備え、
前記改質器で改質された改質燃料および改質されていない非改質燃料を、内燃機関の燃焼室で同時に燃焼させる燃焼システムにおいて、
前記改質燃料は前記内燃機関のシリンダ内周面に沿って環状に分布され、その環状の中央部分に前記非改質燃料が分布されるよう構成し、
かつ、前記非改質燃料は圧縮自着火燃焼し、前記改質燃料は前記非改質燃料の燃焼を火種として着火燃焼するよう構成したことを特徴とする燃焼システム。
【請求項2】
前記内燃機関の吸気行程の時に、前記内燃機関の排気バルブにより開閉される排気口または前記内燃機関の吸気バルブにより開閉される吸気口から、前記改質燃料を前記燃焼室へ流入させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記改質燃料を、前記内燃機関の排気経路に噴射して前記排気口から前記燃焼室へ流入させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の燃焼システム。
【請求項4】
1つの前記燃焼室に対して前記排気口が複数設けられた内燃機関に適用され、
前記改質燃料を前記燃焼室へ流入させる時には、複数の前記排気口のうちの1つを開弁させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼び、前記排気口および前記吸気口を形成するシリンダヘッドのうち、前記改質導入口へ前記改質燃料を導く経路を形成するポートを導入ポートと呼ぶ場合において、
前記導入ポートのうち前記改質導入口に隣接する部分を、前記シリンダ内周面のうち前記改質導入口に隣接する部分の接線方向に延びる形状に形成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の燃焼システム。
【請求項6】
前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼ぶ場合において、
1回の前記吸気行程で、前記改質導入口を複数回開閉させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の燃焼システム。
【請求項7】
前記排気口および前記吸気口のうち前記改質燃料を流入させる口を改質導入口と呼び、前記排気口および前記吸気口を形成するシリンダヘッドのうち、前記吸気口へ新気を導く経路を形成するポートを吸気ポートと呼ぶ場合において、
前記吸気ポートのうち前記吸気口に隣接する部分を、前記改質導入口から外れた向きに延びる形状に形成したことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の燃焼システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104364(P2013−104364A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249240(P2011−249240)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】