説明

特定のポリ分枝状アルデヒド、アルコール、界面活性剤及びそれらに基づく消費者製品

洗剤アルコール混合物の調製方法は、1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、1種以上のポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、このポリ分枝状ポリオレフィンを、ヒドロホルミル化して、1種以上のオレフィンを有するポリ分枝状オレフィン含有アルデヒド生成物又はその混合物を生成させる工程と、工程(b)のアルデヒド生成物を、水素及び水素化触媒の存在下で還元し、ポリ分枝状洗剤アルコール混合物を生成させる工程と、このポリ分枝状アルコール混合物を触媒から取り出す工程とを含み、この方法の生成物から、分枝状アルデヒド、アルコール及び界面活性剤を生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の新規なアルデヒド、洗剤アルコール、界面活性剤、及びこの界面活性剤組成物を含有する、洗濯製品、パーソナルケア製品、食器ケア製品、シャンプー製品及び硬質表面洗浄製品等のような消費者製品に関する。これらの新規なアルデヒド、アルコール及び界面活性剤の作製プロセスもまた開示される。
【背景技術】
【0002】
現在でも、洗濯製品及び家庭用洗浄製品において、界面活性剤は、唯一最も重要な洗浄成分である。アニオン性界面活性剤は、1つのクラスとして、世界的規模の消費という点では最大であり、典型的には、洗剤配合の30〜40%という高いレベルで使用される。時には「メインフレーム界面活性剤」とも呼ばれるこのクラスの進化は、この年間数十億ポンドの一次産品業界において、長期的な開発時間及び高い資本投資コストのために、常に緩慢である。低い洗浄温度及び穏やかな洗浄サイクルが要求されることがある新たな布地タイプの開発、又は洗浄時間の短縮が規範となりつつある我々が暮らす速いペースの現代社会といった、消費者ニーズ、又は消費者習慣が変わることによって、変化が推進されることが多い。上記の要因の全てが、新たなアニオン性界面活性剤のこれまでの開発において一役を担ってきた。硬水中のカルシウム及びマグネシウムとの沈殿に対する高い耐性と、低い洗浄温度及び短い洗浄サイクルにおける洗浄の改善とに役立つ特性を有する界面活性剤の必要性の結果として、特定のメチル分枝及びエチル分枝状界面活性剤の導入につながるいくつかの化学的開発が近年現れている。そうした開発の例は、J.Scheibelによる論文、Journal of Surfactants and Detergents,「The Evolution of Anionic Surfactant Technology to Meet the Requirements of the Laundry Detergent Industry」volume 7,number 4,2004年10月(以後は「Scheibel JSD論文」)に記載され、これらの分枝状界面活性剤技術の必要性及び開発を明らかにしている。この技術は、良好な生分解性を有する効果的な界面活性剤を提供するために、分枝を最小限に抑える必要性を示す。
【0003】
高度に分枝した界面活性剤は、テトラプロピレンから誘導されており、アルキルベンゼンスルホネート、又は「ハードABS」と呼ばれた。ハードABSは、1分子当たり3つ又は4つの分枝を有する非常に複雑な分枝構造を有していた。下記の構造は、ハードABS分子の一例を示す。この図には、メチル及びエチルが四基で分枝し、且つジェミナルに分枝した、4つの分枝が示される。
【化1】

【0004】
ハードABSは、直鎖状の代替物よりも有意に生分解性が低いことが判明した。この高度に分枝したテトラプロピレン供給原料から誘導されたアルコールesは、生分解性阻害を含め、ハードABSと類似の問題点を有していた。したがって、ハードABS及び関連アルコールesの、洗濯製品又は他の消費者製品における使用は制限されていた。
【0005】
消費者製品において使用される現在市販の分枝状界面活性剤の一例は、軽度に分枝したアルキルeであり、高度可溶性アルキルeに関しては「HSAS」と呼ばれる。HSASは、Scheibel JSD論文及び他の外部発表論文において説明される。HSASは、石油供給原料から誘導される。この材料の有する軽度の分枝が、高い溶解度、硬度耐性及び良好な性能をもたらす。
【化2】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of Surfactants and Detergents,「The Evolution of Anionic Surfactant Technology to Meet the Requirements of the Laundry Detergent Industry」volume 7,number 4,2004年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、この界面活性剤及び他の界面活性剤は、冷水洗浄に対する今日の消費者ニーズを満たすべく設計されているが、界面活性剤技術に依存し、HSASの特性を有する分枝状材料を望む洗剤業界及び他の業界に関する将来的な持続可能性のための、非石油資源からの代替的な分枝状界面活性剤を提供するという課題が残されている。
【0008】
パーソナルケア製品、洗濯製品及び洗浄製品等の消費者製品の配合に有用な、新規なアルデヒド、アルコール、及び界面活性剤の作製方法が、本明細書に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
洗剤界面活性剤及びその特定の実施形態の調製に有用な原材料であって、16個又は21個の炭素原子を有し、少なくとも3つの分枝及び3つ以下の炭素−炭素二重結合を含む非環式アルデヒドが本明細書に開示される。
【0010】
16個の炭素原子を有し、少なくとも3つの分枝を含み、その分枝がメチル、エチル、又はこれらの混合物である、少なくとも1つの非環式アルコールを含む洗剤アルコール組成物もまた開示される。
【0011】
11個、16個、若しくは21個の炭素原子及び2つ、3つ、4つ、若しくは5つのメチル分枝、若しくはエチル分枝、又はこれらの混合を有する非環式洗剤アルコールの異性体の、1種以上の界面活性剤誘導体を含む界面活性剤組成物もまた記載される。
【0012】
洗剤アルコール混合物の調製方法は、(a)1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、1種以上のポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、(b)このポリ分枝状ポリオレフィンを、修飾又は非修飾の第IX族遷移金属からなる群から選択される触媒、並びに約50℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、約0.25:1〜約4:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含む方法条件を使用して、ヒドロホルミル化して、1種以上のオレフィンを有するポリ分枝状オレフィン含有アルデヒド生成物、又はその混合物を生成させる工程と、(c)工程(b)のアルデヒド生成物を、水素及び水素化触媒の存在下で、約20℃〜約130℃の範囲のプロセス温度及び0.7MPa〜約13.8MPa(100psig〜約2000psig)の範囲の水素圧を含む方法条件を使用して、還元して、ポリ分枝状洗剤アルコール混合物を生成させる工程と、(d)このポリ分枝状アルコール混合物を触媒から取り出す工程とを含む。
【0013】
洗剤アルコール混合物の調製方法であって、この方法は、(a)1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含むポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、(b)このポリ分枝状ポリオレフィンを、特定の修飾された第IX族遷移金属から選択される触媒、並びに約90℃〜約200℃の範囲のプロセス温度、約2:1〜約5:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含む方法条件を使用して、ヒドロホルミル化して、かつ還元する工程と、(c)このアルコール組成物を触媒から取り出す工程とを含む。
【0014】
本発明は、2つ以上の分枝を有する洗剤アルコール及び誘導体が、良好な生分解性、低温の硬水中における高い溶解度の双方を有し得、共界面活性剤、酵素、ビルダー、キレート及び洗浄ポリマーのような他の洗剤成分との組み合わせにおいて高効率であるという予期せぬ発見に基づいている。更に、石油供給原料から作製される他の分枝状界面活性剤の生成に比べて、改善された合成効率を提供する方法が定義される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、
a.1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、1種以上のポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、
b.このポリ分枝状ポリオレフィンを、ヒドロホルミル化して、1種以上のオレフィンを有するポリ分枝状オレフィン含有アルデヒド生成物、又はその混合物を生成させる工程と、
c.工程(b)のアルデヒド生成物を、水素及び水素化触媒の存在下で還元する工程と、
d.結果生じるポリ分枝状アルコール混合物を触媒から取り出す工程とを含む洗剤アルコール混合物の調製方法に関する。
【0016】
本方法の一実施形態は、ヒドロホルミル化の工程及び同時に実施する還元の工程を含む。
【0017】
ポリ分枝状ポリオレフィンの構造
本発明の方法の主要な要素は、供給原料のポリ分枝状ポリオレフィンである。本発明のための好適なポリ分枝状ポリオレフィン供給原料の、予想される複雑性をより良く説明するために、以下の構造(a)〜(j)を示す。これらは、潜在的な供給原料を構成すると考えられる好適な数百の構造のうちのいくつかに過ぎず、本発明を限定するものとして考えるべきではない。
【化3】

【0018】
構造(d)により表される分子は、ジ−イソプレンに由来する可能性があり、好適な発明に関して専ら記載される以外の他の供給原料を使用するための本方法の有用性の説明に役立つ。
【0019】
化合物(a)、(b)、(c)及び(e)は、
i.既存の植物及び生物から抽出される、天然由来のファルネセン、
ii.遺伝子改変生物から得られる、ファルネセン、
iii.イソプレンの合成由来のトリマー、
iv.これらの混合物から誘導することができる。
【0020】
図示のポリ分枝状ポリオレフィンの他の例は、方法i、ii、iii、又はivから誘導され得ない他のオレフィンと機能するための、本発明の方法の有用性を実証するために示される。これらの例は、あまり好ましくはない。
【0021】
本発明の大いに好ましいオレフィンは、本発明の好適なアルコール1に変換するために使用できる(k)である。
【0022】
i.既存の植物及び生物から抽出される、天然由来のファルネセン:
説明される天然由来のファルネセン及び潜在的な他の構造は、テルペンと呼ばれる天然材料のクラスから得ることができる。テルペンは炭化水素の大きく多様なクラスであり、主として多種多様な植物、具体的には、針葉樹及び他のマツ類によって生成されるが、アゲハチョウのような一部の昆虫類によっても生成される。植物及び他の天然の生物から単離されるこうした材料の多くは、総体的な混合物として存在することが多いため、本発明の方法において使用する前に、この構成成分を精製することが望ましい場合がある。米国特許第4,605,783号を参照されたい。
【0023】
用語「ファルネセン」は、全てセスキテルペンである密接に関連する6つの化学化合物の1群を指す。α−ファルネセンとβ−ファルネセンは異性体であり、1つの二重結合の位置が異なる。α−ファルネセン(上記の構造(b))は、3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエンであり、β−ファルネセンは(上記の構造(a))、7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエンである。α形態は、3つの内部二重結合のうちの2つの配置に関して異なる4つの立体異性体(第3の内部二重結合の立体異性体は同一)として存在し得る。β異性体は、中央の二重結合の幾何配置に関する2つの立体異性体として存在する。
【0024】
このα−ファルネセン立体異性体のうちの2つは、天然に存在することが報告されている。(E,E)−α−ファルネセンが最も一般的な異性体である。それはリンゴ及び他の果実の被膜中に見出される。(Z,E)−α−ファルネセンは、シソの油から単離されている。
【0025】
β−ファルネセンは、1つの天然産の異性体を有する。このE異性体は、様々な芳香油の構成成分である。ジャガイモ種を含む数種類の植物が、この異性体を合成することが認められている。
【0026】
ii.遺伝子改変生物から得られる、ファルネセン:
最近のいくつかの例は、ファルネセン及び他のイソプレン誘導体が遺伝子改変生物によって供給されることを現在可能にしている。そのような供給源の例は、米国特許第7,399,323(B2)号に見出すことができる。この参照特許は、遺伝子組み換えされたファルネセンにより誘導された燃料としての、ファルネセンの潜在的用途を記載している。遺伝子組み換えされたファルネセン及びイソプレンの別の供給源は、米国特許第6,872,556(B2)号に開示されている。
【0027】
iii.イソプレンの合成由来のトリマー:
合成由来のトリマーは、様々な供給源から得ることができ、そのうちの2つは、日本特許第52031841号及び同第4804070号に示されている。日本特許第48040705号は、上記の化合物(b)の作製方法を教示している。この方法は、二価のNi、ホスフィン誘導体及び有機マグネシウム化合物の存在下における、イソプレンのオリゴマー化を伴い、高収率、即ち75%の化合物(b)を生じさせる。トリマーを誘導する他の合成方法も利用できる。
【0028】
上記開示の非限定的な供給原料のいずれかの混合物及び異性体形態を、本発明の方法において使用することができる。
【0029】
洗剤アルコール混合物の調製方法
本発明の第1の方法実施形態は、
a.1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、1種以上のポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、
b.このポリ分枝状ポリオレフィンを、修飾又は非修飾の第IX族遷移金属から選択される触媒、並びに約50℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、約0.25:1〜約4:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比、及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含む方法条件を使用して、ヒドロホルミル化して、1種以上のオレフィンを有するポリ分枝状オレフィン含有アルデヒド生成物、又はその混合物を生成させる工程と、
c.工程(b)のアルデヒド生成物を、水素及び水素化触媒の存在下で、約20℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、0.7MPa〜約13.8MPa(100psig〜約2000psig)の範囲の水素圧を含む方法条件を使用して還元する工程と、
d.このポリ分枝状アルコール組成物を触媒から取り出す工程とを含む洗剤アルコール混合物の調製方法である。
【0030】
この第1の方法実施形態は、非限定的な例としてαファルネセンを供給原料として使用する、以下の方法スキームIによって説明することができる。
【化4】

【0031】
方法工程aにおけるオレフィンの選択は、既に上記で説明している。任意の混合物又は単一材料を、構造のリストから、又は分子鎖上の末端位置で分枝していない1つのオレフィンを有し、ポリ分枝状且つポリオレフィン系の要素を有する他の物から使用することができる。
【0032】
工程1−ヒドロホルミル化−1種以上のポリ分枝状ポリオレフィン(本明細書に示すαファルネセン)を、水素、一酸化炭素及びロジウム/トリフェニルホスフィン触媒の存在下で反応させ、所望のポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドを生じさせることができる。コバルトのような他の第IX族金属もまた、この方法工程で使用することができる。コバルト及びロジウムが好ましいが、イリジウムもまた、この方法に関して許容可能である。カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)は、Aldrich Chemical及び他の供給源より購入可能な金属錯体であり、トリフェニルホスフィンと共に使用される。一部のヒドロホルミル化触媒は自然発火性であるため、標準的な調製方法及び操作手順を用い、酸素濃度を40ppm未満、平均1ppm未満に保つことが推奨される。
【0033】
PTFE被覆された電磁攪拌棒を、300mLの反応器のガラスライナー内に置いて使用することにより、攪拌を得る。また、この反応器を、攪拌棒と磁気的に結合する電磁攪拌プレート上に置く。磁気結合を損なうことなく、最大200rpmの攪拌速度が可能である。
【0034】
非修飾のRhもまた使用してもよいが、低い選択性のために、より高温及び高圧での使用が必要となる場合がある。HRh(CO)(PPh3)2は、特に工程1にて、25℃、0.6〜1.4MPa(90〜200psig)で、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物と共に使用する場合に、良好な選択性を提供する触媒である。HRh(CO)(PPh3)2のような他の触媒はまた、0.6〜0.7MPa(80〜100psig)及び90℃のような反応条件で、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物及びロジウムに対して約800:1という高比率の過剰なトリフェニルホスフィンと共に実施する場合にも、良好な選択性を提供し得る。ロジウムを過剰なホスフィン配位子と共に使用することによって、0.6〜0.7MPa(80〜100psig)及び90℃において、活性で選択性の安定した触媒システムが作り出される。
【0035】
温度、圧力及び一酸化炭素と水素との比率は、本発明方法の工程b(方法スキーム1、工程2)におけるモノアルデヒドを提供する反応を制御するために必要である。2.1〜4.1MPa(約300〜600psig)の圧力で、60〜90℃の範囲の温度及び2:1の一酸化炭素と水素との比率を用いることができる。上述のように、修飾されたロジウムが好ましいが、方法工程bに関して非修飾の触媒の使用が望まれる場合は、より高い反応及びオレフィンを異性化してより多くの所望の末端付加生成物を生じさせる能力を有するコバルトを代わりに使用するべきである。また、本発明の範囲外である、あまり望ましくない生成物を生成する内部のヒドロホルミル化を避けるために、より高い比率の水素もコバルトと共に使用するべきである。
【0036】
ポリアルデヒドの生成は、この方法を90℃超の温度で実行することによって促進させることができる。また水素に対し、一酸化炭素をより高い比率で使用して、ジアルデヒド及び他のポリアルデヒドを極限まで増大させることもできる。
【0037】
工程2−還元−工程2では、生成したポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドを、ニッケル等の還元触媒の存在下で水素と反応させ、実質的にトリメチル置換された飽和アルコールを提供する。珪藻土上ニッケルは、還元触媒システムの非限定的な一例である。シリカ上ロジウム、珪藻土上パラジウムは、ポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドの還元に使用可能な触媒の他の例である。
【0038】
方法工程cは、珪藻土上ニッケルから、シリカ上ロジウム、珪藻土上パラジウム及びポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドの還元に使用可能な触媒の他の例までを範囲とする、様々な触媒を使用して実施される。反応条件は、20℃〜約130℃、水素の0.7MPa〜約13.8MPa(100psig〜約2000psig)の範囲の水素圧、と様々であり、触媒負荷は、ポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドに対し、典型的には基材上1〜5%の範囲であり得る。このようにして、界面活性剤の調製に使用するための、特定の界面活性剤アルコール及びアルコール混合物を提供する、高効率の方法が定義される。反応時間は、触媒の比率、選択される温度及び水素圧に従って変化する。典型的な条件は、バッチ式で、150度、6.9MPa(1000psig)にて、16時間である。この方法は、バッチ式方法に限定されない。また連続反応も、本発明に適用することができる。この方法の進行中に、パラフィンの生成が認められる場合があるが、必要な場合、方法工程cの後、ポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドから、蒸留によって容易に除去されるか、又は方法工程dの実施後に、ポリ分枝状アルコールから除去することもできる。このようにして、界面活性剤の調製に使用するための、特定の界面活性剤アルコール及びアルコール混合物を提供する、高効率の方法が定義される。ポリ分枝状アルコール組成物は、数多くの従来の手法によって、合成実施例において例示される、洗剤アルコールエトキシレート、洗剤アルコールe及び洗剤アルコールエトキシル化eのような界面活性剤組成物に変換することができる。
【0039】
合成実施例I:方法スキームI使用:
ファルネセン誘導ポリ分枝状ポリオレフィン含有アルデヒド及びその混合物の合成
カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[17185−29−4]1.6グラム、トリフェニルホスフィン[603−35−0]3.0グラム及びα−ファルネセンの異性体の混合物[502−61−4]336グラムを、600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物によって、2.1MPa(300psig)の初期圧力に充填する。電磁攪拌棒を500rpmで使用して攪拌しながら、反応器を85℃まで加熱し、一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物によって圧力を4.1MPa(600psig)に調整する。一酸化炭素及び水素は、反応によって消費されるため、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して圧力を維持する。反応器の内容物を経時的に資料採取し、ガスクロマトグラフィー(「GC」)によって分析して、反応の進行を観察する。出発α−ファルネセンが完全に消費されていることがGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素、水素の混合物を排気する。α−ファルネセンの純度に応じて、方法時間は、数時間〜70時間もの長さに及び得る。次の反応工程に進む前に、減圧及び窒素のサイクルを使用して、残留する一酸化炭素を除去する。アルデヒド混合物は、実施例IIにおけるアルコールへの変換の前に反応器から取り出すことはないが、所望の場合、又は他の反応に使用する場合は、アルデヒドは精製することも可能である。
【0040】
合成実施例II:方法スキームI工程c、d使用:
ファルネセン誘導ポリ分枝状アルコール及びその混合物の合成
珪藻土上ニッケル(60〜重量%の負荷)20グラム及びテトラヒドロフラン200mLを、600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力に充填する。500rpmで攪拌しながら、この混合物を約150℃まで加熱する。水素を約6.9MPa(1000psig)の最終圧力まで充填し、この圧力を16時間維持する。次いで、反応器の内容物を室温まで冷却し、圧力を約0.3MPa(50psig)に低減する。
【0041】
次に、大気中からの空気の導入を排除しながら、合成実施例Iで得た混合物を反応器に充填しつつ、反応器内容物を連続的に攪拌する。合成実施例1からのヒドロホルミル化触媒は、アルデヒド混合物と共に残存してもよく、又は使用前にアルデヒド混合物から除去してもよい。次に反応器を、水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力に加圧し、電磁攪拌棒を使用して約500rpmで攪拌しながら、約125℃まで加熱する。次いで水素圧を6.9MPa(1000psig)まで上昇させ、この圧力を維持する。追加生成物がもはや生成しなくなるまで、反応の進行をGCによって観察する。反応時間は、反応条件に従って変化する。
【0042】
この粗アルコール混合物の精製は、蒸留等の標準的な公知の手順、又は当該技術分野において既知の他の精製法によって達成することができる。
【0043】
合成実施例III:方法スキームI使用:
主に4,8,12−トリメチル−トリデカン−1−オル(アルコール1)及び3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オル(アルコール2)からなるファルネセン誘導混合物、並びにその混合物の合成
電磁攪拌棒で攪拌される600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器を、反応器#1として使用し、減圧を用いて空気を避けながら材料を吸引する。カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[17185−29−4]1.80グラム及びキサントホス[161265−03−8]5.84グラムを、ペンタン77グラム中でスラリー化し、反応器#1に充填した。ペンタンを減圧を用いて加熱せずに除去し、次いでトルエン50mLを加える。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を1.0MPa(10atm)で充填して、60℃で2時間加熱し、次いで30℃まで冷却する。
【0044】
反応器を真空下に置き、次いでトルエン50mLを加えたトランス−β−ファルネセン[18794−84−8]100.86グラムを、空気を排除しながら反応器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物を約4.5MPa(44atm)で充填する。反応器を最初に45℃まで加熱し、その温度を19時間保つ。一酸化炭素及び水素は、反応によって消費されるため、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して圧力を維持する。
【0045】
反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。19時間後に反応温度を85℃まで上昇させ、圧力を維持しながら、更に54時間反応を持続させる。次の反応工程に進む前に、熱及び減圧を使用して、残留する一酸化炭素を除去する。同時に、トルエンを、GC分析により判定される15%未満まで蒸発させる。
【0046】
600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器を、反応器#2として使用する。ペンタン50mL中でスラリー化したシリカ上ニッケル(還元及び安定化した64%シリカ上ニッケル10グラム)を反応器#2に充填し、続いて追加のペンタン50mLでラインをすすぐ。このペンタンを、熱及び減圧を使用して蒸発除去する。反応器を270〜275℃まで真空下で加熱し、次いで底部ドレンポートを通し、水素によって1.0〜1.7MPa(150〜250psig)H2まで充填し、その領域から触媒を除いてドレンポートの閉塞を防ぐ。反応器を15分間放置する。水素を排気し、次いで水流吸引器を使用して、反応器を真空下に置く。反応器に水素を再度充填して、15分間放置し、次いで排気して、その後減圧を適用する。これを更に2回繰り返す。次に反応器を、水素によって約1.7MPa(250psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、温度(270〜275℃)及び圧力(約1.7MPa(250psig)H2)にて、反応器を一夜放置する。次に反応器を排気し、15分間の減圧を適用し、次いで水素(1.0〜1.7MPa(150〜250psig))によって、15分間再充填する。これを更に2回繰り返す。反応器を、水素によって約1.7MPa(250psig)まで充填し、次いで40℃未満まで冷却した。
【0047】
反応器#1のドレンラインを反応器#2に連結する。水素を用いて反応器#1を加圧し、反応器の攪拌を約200RPMに維持しつつ、反応器#1から反応器#2内へと液体を押し動かすことによって、空気を排除しながら反応器#1の内容物を反応器#2に充填する。追加の水素を、底部ドレンポートを通して反応器に充填し、その領域から触媒を除く。次に反応器を、水素によって1.0MPa(150psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、反応器を約500RPMで攪拌した。水素の消費が止まり、反応器から流れ出る試料が反応の完了を示すまで、反応を持続させる。水素圧を3.1〜3.4MPa(450〜500psig)H2に保ちながら、反応器を125℃で24時間加熱する。生成物の混合を反応器から流し出す。濾過によって触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用して揮発性材料を除去する。ガスクロマトグラフィーによる最終混合物の分析は、この混合物が約39%の4,8,12−トリメチル−トリデカン−1−オル、34%の3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オル、合計10%のパラフィン及び混合オレフィン、並びに合計10%の混合脱酸素化材量を含有することを示した。
【0048】
合成実施例IV:方法スキームI工程a、b使用:
β−ミルセン(C11)誘導ポリ分枝状ポリオレフィン含有アルデヒド及びその混合物の合成
カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[17185−29−4]1.6グラム、トリフェニルホスフィン[603−35−0]3.0グラム及びβ−ミルセン[84776−26−1]異性体の混合物336グラムを、600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物によって、2.1MPa(300psig)の初期圧力に充填する。攪拌棒を500rpmの攪拌で使用して、反応器を85℃まで加熱し、一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物を使用して、圧力を4.1MPa(600psig)に調整する。一酸化炭素及び水素は、反応によって消費されるため、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して圧力を維持する。反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。出発β−ミルセンが完全に消費されていることがGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素、水素の混合物を排気する。β−ミルセンの純度に応じて、方法時間は変化する。次の反応工程に進む前に、減圧及び窒素のサイクルを使用して、残留する一酸化炭素を除去する。アルデヒド混合物は、実施例Vにおけるアルコールへの変換の前に反応器から取り出すことはないが、所望の場合、又は他の反応に使用する場合は、精製することも可能である。
【0049】
合成実施例V:方法スキームI工程c、d使用:
β−ミルセン誘導ポリ分枝状アルコール及びその混合物の合成
テトラヒドロフラン(200mL)を加えた、珪藻土上ニッケル(60〜重量%の負荷、20グラム)を、600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力に充填する。500rpmで攪拌しながら、この混合物を約150℃まで加熱する。水素を約6.9MPa(1000psig)の最終圧力まで充填し、この圧力を16時間維持する。次いで、反応器の内容物を室温まで冷却し、圧力を約0.3MPa(50psig)まで低減する。
【0050】
次に、大気中からの空気の導入を排除しながら、合成実施例IVで得たアルデヒド混合物を反応器に充填しつつ、反応器内容物を連続的に攪拌する。ヒドロホルミル化触媒は、アルデヒド混合物と共に残存する。所望の場合、触媒は、使用前にアルデヒド混合物から除去してもよい。次に、混合物を水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力で加圧し、約500rpmで攪拌しながら、約125℃まで加熱する。次いで水素圧を6.9MPa(1000psig)まで上昇させ、この圧力を維持しながら、GCによる分析のために反応器内容物を定期的に試料採取する。追加生成物がもはや生成しなくなるまで、反応の進行をGCによって観察する。反応時間は、反応条件に従って変化する。この粗アルコール混合物の精製は、蒸留等の標準的な公知の手順、又は当該技術分野において既知の他の精製法によって達成することができる。
【0051】
合成実施例VI:方法スキームI使用:
主に4,8−ジメチル−ノナ−1−オル及び3−エチル−7−メチル−オクタ−1−オルからなるβ−ミルセン誘導混合物、並びにその混合物の合成
ペンタン77グラム中でスラリー化した、カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[17185−29−4]1.80グラム及びキサントホス[161265−03−8]5.84グラムを、減圧を用いて空気を避けながら材料を吸引して、反応器#1、即ち全体にわたって使用する300〜500rpmの攪拌棒による攪拌を伴った600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。ペンタンを、減圧を用いて加熱せずに除去する。トルエン50mLを加える。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を1.0MPa(10atm)で充填する。これを60℃で2時間加熱し、次いで30℃まで冷却する。反応器を真空下に置く。トルエン50mLを加えたβ−ミルセン[18794−84−8]100.86グラムを、空気を排除しながら反応器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物を約4.5MPa(44atm)で充填する。反応器を最初に45℃まで加熱し、その温度を19時間保つ。一酸化炭素及び水素は、反応によって消費されるため、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して圧力を維持する。
【0052】
反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。19時間後に反応温度を85℃まで上昇させ、圧力を維持しながら、更に54時間反応を持続させる。
【0053】
次の反応工程に進む前に、熱及び減圧を使用して、残留する一酸化炭素を除去する。同時に、トルエンを、GC分析による15%未満まで蒸発させる。
【0054】
ペンタン50mL中でスラリー化したシリカ上ニッケル(還元及び安定化した64%シリカ上ニッケル10グラム)を600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填し、続いて追加のペンタン50mLでラインをすすぐ。このペンタンを、熱及び減圧を使用して蒸発除去する。反応器を270〜275℃まで真空下で加熱し、次いで底部ドレンポートを通し、水素によって1.0〜1.7MPa(150〜250psig)水素まで充填し、その領域から触媒を除いてドレンポートの閉塞を防ぐ。反応器を15分間放置する。水素を排気し、次いで水流吸引器を使用して、反応器を真空下に置く。反応器に水素を充填して、15分間放置し、次いで排気して、その後減圧を適用した。これを更に2回繰り返す。次に反応器を、水素によって約1.7MPa(250psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、温度(270〜275℃)及び圧力(約1.7MPa(250psig)H2)にて、反応器を一夜放置する。
【0055】
反応器を排気し、減圧を15分間適用する。次に反応器を、水素(1.0〜1.7MPa(150〜250psig))によって、15分間再充填する。これを更に2回繰り返す。反応器を、水素によって1.7MPa(250psig)まで充填し、次いで<40℃まで冷却する。
【0056】
反応器#1のドレンラインを反応器#2に連結する。水素を用いて反応器#1を加圧し、反応器の攪拌を約200rpmに維持しつつ、反応器#1から反応器#2内へと液体を押し動かすことによって、空気を排除しながら反応器#1の内容物を反応器#2に充填する。追加の水素を、底部ドレンポートを通して反応器に充填し、その領域から触媒を除く。次に反応器を、水素によって1.0MPa(150psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、反応器を約500rpmで攪拌する。水素の消費が止まり、反応器から流れ出る試料が反応の完了を示すまで、反応を持続させる。生成物の混合を反応器から流し出し、濾過によって触媒を除去して、ロータリーエバポレーターを使用して揮発性材料を除去する。
【0057】
方法スキームIIとして表される第2の方法実施形態は、ポリ分枝状ポリオレフィンを、ヒドロホルミル化の前に、選択的に水素化する工程を含む。
【化5】

【0058】
したがって、この実施形態は、
a.ポリ分枝状ポリオレフィンを反応器に供給する工程と、
b.ポリ分枝状ポリオレフィン混合物の、1つを除く全てのオレフィンを選択的に水素化し、ポリ分枝状モノオレフィン混合物を生成させる工程と、
c.工程(b)のポリ分枝状モノオレフィン混合生成物を、選択的ヒドロホルミル化触媒の存在下及び約50℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、約0.25:1〜約5:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比、及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含むプロセス条件でヒドロホルミル化して、ポリ分枝状アルデヒド混合物を生成させる工程と、
d.工程(c)のポリ分枝状アルデヒド生成物を、水素及び金属触媒の存在下で還元する工程と、
e.ポリ分枝状アルコール組成物を触媒から取り出す工程とを含む。
【0059】
場合によっては、この実施形態の工程dは、最小限に抑えられるか、又は更には排除されるが、これは一部のヒドロホルミル化触媒が、モノオレフィンを少量のアルデヒド中間体のみで直接アルコールに変換し得るためである。こうした同等の方法があっても、少量のアルデヒドをアルコールに変換するための洗練方法として、工程dは依然として必要とされるが、それはこのアルデヒドが、界面活性剤への変換を伴う反応に対して有害である恐れがあるためである。そのような触媒の例は、米国特許第3,420,898号に記載されている。
【0060】
他の生物学的手段、又は合成手段からのポリ分枝状モノオレフィンの場合は、反応工程a及び反応工程bを省略し、反応工程c及び反応工程dを直接実施する。
【0061】
モノオレフィンへの選択的水素化を生じさせるための、方法スキームIIの方法工程bに関して使用し得る、選択的水素化−触媒及びシステムは、Xuらによる米国特許第6,627,778(B2)号に記載されている。ジオレフィンをモノオレフィンに変換するための、特定の触媒及び反応条件が記載されている。この方法は、この方法実施形態におけるポリ分枝状ポリオレフィンの反応過程に適用することができる。他の好適な触媒及びシステムは、米国特許第4,695,560号、同第4,523,048号、同第4,520,214号、同第4,761,509号及び中国特許第1032157号に記載されている。この方法における触媒の一部の実施形態は、1.0〜25重量%のニッケル、0.05〜1.5重量%のイオウを含有し、担体が、油適法により作製した小さなAlの球体であって、この球体が1.44〜3.0cm/gの気孔体積、150m/g超の表面積を有し、貴金属を有さず、ハロゲン、アルカリ土類金属及びアルカリ金属を実質的に有さない(<0.1重量%)という点で特徴付けることができる。この方法で使用する触媒の主な活性元素はニッケルであるため、選択的水素化は、特定の活性を実現するために、200℃超の温度で行なう必要がある。加えて、モノオレフィンに対して、ジオレフィンの選択性を増加させるために、触媒を頻繁に硫化してその活性を抑えることが必要である。
【0062】
この方法実施形態の工程bからの中間体モノオレフィンを提供する別のアプローチが所望される場合、それは水素化を制御せずに、標準的な触媒を使用して、モノオレフィンとパラフィンとの混合物の生成を可能にすることである。この反応混合物に、次いで水素化c及び還元dの方法過程を遂行し、工程dの後に、標準的な蒸留によってパラフィンを最終分枝状アルコールから除去することができる。
【0063】
この方法実施形態の工程c、ヒドロホルミル化に関する、温度、圧力及び水素と一酸化炭素との比率は、反応を制御し、この場合のパラフィンの生成を最小限に抑えるために必要である。好ましい温度は、2.1〜4.1MPa(300〜600psig)の圧力で60〜90℃の範囲であり、2:1以上のより高い一酸化炭素混合物の比率が好ましく、又は温度を下げて、オレフィンのパラフィンへの水素化を最小限に抑える。上述のように、修飾されたコバルトが、高い反応性及びオレフィンを異性化してより多くの所望の末端付加生成物を生じさせる能力を備えており、好ましい。非修飾のコバルトが所望される場合、本発明の範囲外であるあまり望ましくない生成物を生み出す内部ヒドロホルミル化を避けるために、より低い水素の比率も使用するべきである。
【0064】
方法工程dは、珪藻土上ニッケルから、シリカ上ロジウム、珪藻土上パラジウム及びポリ分枝状アルデヒドの還元に使用可能な触媒の他の例までを範囲とする、様々な触媒を使用して実施される。反応条件は、20℃〜約130℃、水素の0.7MPa〜約13.8MPa(100psig〜約2000psig)の範囲の水素圧、と様々であり、触媒負荷は、ポリ分枝状ポリオレフィン系アルデヒドに対して、典型的には基材上1〜5%の範囲であり得る。このようにして、界面活性剤の調製に使用するための、特定の界面活性剤アルコール及びアルコール混合物を提供する、高効率の方法が定義される。反応時間は、触媒の比率、選択される温度及び水素圧に従って変化する。典型的な条件は、バッチ式で、150度、6.9MPa(1000psig)にて、16時間である。この方法はバッチ式反応に限定されず、連続反応も本発明に適用することができる。この方法の進行中に、パラフィンの生成が認められる場合があるが、必要な場合、方法工程dの後、ポリ分枝状ポリオレフィン系アルコールから、蒸留によって容易に除去されるか、又は方法工程eの実施後に、ポリ分枝状アルコールから除去することもできる。
【0065】
合成実施例VII:(方法スキームII):
ファルネセン誘導ポリ分枝状モノオレフィン及びその混合物の合成
シリカ上ニッケル触媒(還元及び安定化した64%シリカ上ニッケル5グラム)をペンタン50mL中でスラリー化して600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填し、続いて追加のペンタン50mLでラインをすすぐ。このペンタンを、熱及び減圧を使用して蒸発除去する。反応器を270〜275℃まで真空下で加熱し、次いで底部ドレンポートを通し、水素によって1.0〜1.7MPa(150〜250psig)水素まで充填し、その領域から触媒を除いてドレンポートの閉塞を防ぐ。反応器を15分間放置する。水素を排気し、次いで水流吸引器を使用して、反応器を真空下に置く。反応器に水素を充填して、15分間放置し、次いで排気して、減圧を適用する。これを更に2回繰り返す。次に反応器を、水素によって約1.7MPa(250psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、温度(270〜275℃)及び圧力(約1.7MPa(250psig)H2)にて、反応器を一夜放置する。次に反応器を排気して、減圧を反応器に15分間適用し、水素(1.0〜1.7MPa(150〜250psig))によって、15分間再充填する。これを更に2回繰り返す。反応器を、水素によって1.7MPa(250psig)まで充填し、次いで<40℃まで冷却する。
【0066】
トランス−β−ファルネセン[18794−84−8](100グラム)を300mLの試料シリンダーに充填し、続いてペンタン50mLをラインに追加する。この試料シリンダーを、管及びバルブを使用して600mLの反応器に連結する。試料シリンダーから、減圧−水素のサイクルを使用して大気をパージする。低濃度の空気の除去を補助するために、試料シリンダーの底部を通して及び液体混合物を通して水素を導入し、液体へのスパージを助ける。合計4回の減圧−水素のサイクルを完了させる。次に、水素を用いて試料シリンダーを加圧し、約200rpmで反応器を攪拌しつつ、反応器内へと液体を押し動かすことによって、空気を排除しながらトランス−β−ファルネセン混合物を600mLの反応器に充填する。追加の水素を、底部ドレンポートを通して反応器に充填し、その領域から触媒を除く。次に反応器を、水素によって1.0MPa(150psig)まで充填し(常に底部ドレンポートを通して)、反応器を約500rpmで攪拌する。水素の消費が止まり、反応器から流れ出る試料が反応の完了を示すまで、反応を持続させる。生成物−ペンタンの混合を反応器から流し出す。濾過によって触媒を除去し、ロータリーエバポレーターを使用してペンタンを除去する。
【0067】
合成実施例VIII:実施例VIIの生成物を使用する方法スキームII:
ファルネセン誘導ポリ分枝状アルコール及びその混合物の合成
ガラスライナー及びPTFE被覆攪拌棒を有する、300mLのステンレス鋼の圧力容器内で、ジコバルトオクタカルボニル1.17ミリモル並びにイコシルフォバン(Eicosyl Phobane)(異性体[13887−00−8]及び[13886−99−2]の混合物)4.7ミリモルを、乾燥、脱気された2−プロピルアルコール48mL中に混合する。合成実施例VIIで得たファルネセン誘導パラフィン/モノオレフィン混合物47.7ミリモルを、事前に
【数1】

上で乾燥させて濾過し、反応器の供給管に加える。反応器のラインから、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージする。この300mLの反応器を、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物でパージする。
【0068】
ジコバルトオクタカルボニル、イコシルフォバン及び2−プロピルアルコールの混合物を収容する反応器を、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物によって、約1.0MPa(150psig)の初期圧力に充填する。一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して、圧力を1.0〜1.4MPa(150〜200psig)に保ち、攪拌棒を150〜200rpmの攪拌で使用して、反応器を60〜65℃まで加熱する。1〜2時間後、反応器を40℃未満まで冷却する。
【0069】
反応器を排気し、ファルネセン誘導パラフィン/モノオレフィン混合物を反応器に充填する。次に反応器を一酸化炭素と水素との比率1:2の混合物で充填する。次に反応器を、CO:H2の比率1:2のガス混合物を使用して、圧力を3.4〜4.8MPa(500〜700psig)に保ちながら、160〜165℃まで加熱する。反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。反応の完了がGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素−水素の混合物を排気する。
【0070】
この触媒によって、アルコール生成物を直接生成させることができ、安定した生成物アルコールを提供するために、水素化の洗練工程のみが必要とされる。
【0071】
合成実施例IX:購入したファルネセンの末端モノオレフィンによる、方法スキームII工程c使用:
4,8,12−トリメチル−トリデカナール及びその混合物の合成
ヘキサン53グラム中でスラリー化した、カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[17185−29−4]1.22グラム及びキサントホス[161265−03−8]3.11グラムを、減圧を用いて空気を避けながら材料を吸引して、攪拌棒により約300〜500rpmで攪拌される600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を1.0MPa(10atm)で充填して、60℃で2時間加熱し、次いで30℃まで冷却する。反応器を真空下に置く。トルエン85グラムを加えた3,7,11−トリメチル−1−ドデセン[1189−36−2]27.4グラムを、空気を排除しながら反応器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで一酸化炭素と水素との比率2:1の混合物を1.0〜1.5MPa(10〜15atm)で充填する。反応器を45℃まで加熱する。一酸化炭素及び水素は、反応によって消費されるため、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して圧力を維持した。反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。反応の完了がGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素、水素の混合物を排気する。
【0072】
3,7,11−トリメチル−1−ドデセンの純度に応じて、方法時間は、数時間〜120時間の長さに及び得る。次の反応工程に進む前に、減圧及び窒素のサイクルを使用して、残留する一酸化炭素を除去する。アルデヒド混合物は、実施例IXにおけるアルコールへの変換の前に反応器から取り出す必要はないが、所望の場合、又は他の反応に使用する場合は、精製することも可能である。
【0073】
合成実施例X:方法スキームII工程d使用
4,8,12−トリメチル−トリデカン−1−オル及びその混合物の合成
テトラヒドロフラン(200mL)を加えた、珪藻土上ニッケル(60〜重量%の負荷、20グラム)を、600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。この反応器から、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージし、次いで水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力に充填する。約500rpmで攪拌しながら、この混合物を約150℃まで加熱する。水素を約6.2MPa(900psig)の最終圧力まで充填し、この圧力を16時間維持する。次いで、反応器の内容物を室温まで冷却し、圧力を約0.3MPa(50psig)まで低減する。
【0074】
次に、大気中からの空気の導入を排除しながら、合成実施例VIで得たアルデヒド混合物を反応器に充填しつつ、反応器内容物を連続的に攪拌する。ヒドロホルミル化触媒は、アルデヒド混合物と共に残存してもよい。所望の場合、触媒は、使用前にアルデヒド混合物から除去してもよい。次に、混合物を水素によって約4.1MPa(600psig)の初期圧力で加圧し、約500rpmで攪拌しながら、約125℃まで加熱する。次いで水素圧を約6.2MPa(900psig)まで上昇させ、この圧力を維持しながら、GCによる分析のために反応器内容物を定期的に試料採取する。追加生成物がもはや生成されなくなるまで、反応の進行をGCによって観察する。反応時間は、反応条件に従って変化する。
【0075】
この粗アルコール混合物の精製は、蒸留等の標準的な公知の手順、又は当該技術分野において既知の他の精製法によって達成することができる。
【0076】
本発明の方法の別の実施形態は、方法スキームIIIによって説明される:
【化6】

【0077】
この実施形態は、第1の実施形態に従う方法であるが、ヒドロホルミル化工程及び還元工程を、単一工程内で同時に実施する。従ってこの方法は、
a.1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、ポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、
b.このポリ分枝状ポリオレフィンを、修飾された特定の第IX族遷移金属から選択される触媒及び約90℃〜約200℃の範囲のプロセス温度、約2:1〜約5:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比、及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含むプロセス条件を使用して、ヒドロホルミル化、並びに還元する工程と、
c.このアルコールを触媒から取り出す工程とを含む。
【0078】
上記の第3の方法実施形態の過程において、aのための供給原料の選択は、他の実施形態と同一である。反応工程bの場合では、特殊なヒドロホルミル化触媒及びアルデヒドを分離せずにアルコールの最大の生成をもたらすためのプロセス条件が要求される。更に、この方法の重要な結果は、ポリ分枝状ポリオレフィン供給原料における未反応のオレフィンを同時に水素化することでもある。これは最も効率的な方法である。しかしながら、多量のパラフィンの生成を避けることが難関となる。米国特許第3,420,898号で例示されるタイプの触媒は、この第3の実施形態に関して好適な触媒である。工程bに関するプロセス条件には、約50℃〜約130℃の範囲の温度、約2:1〜約5:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧が要求される。
【0079】
この方法のために好ましい触媒は、コバルト系で、トリフェニルホスフィンによって修飾されたものである。少量のPhPCHCHCHCHPPhを添加することでこの反応を補助することができる。
【0080】
最終的に、工程cを実施し、蒸留によって、又は業界で一般に使用される他の手段によって、触媒から分枝状アルコール組成物を取り出す。この方法では、パラフィンは更に容易に生成され、したがってアルコールを精製するために蒸留が必要である。
【0081】
合成実施例XI:方法スキームIII:
ファルネセン誘導ポリ分枝状アルコール及びその混合物の合成
加圧された装置を操作するための施設内で、ジコバルトオクタカルボニル1.17ミリモル並びにイコシルフォバン(異性体[13887−00−8]及び[13886−99−2]の混合物)4.7ミリモルを、ガラスライナー及びPTFE被覆攪拌棒を有する、300mLのステンレス鋼の圧力容器内で、乾燥、脱気された2−プロピルアルコール48mL中に混合する。トランス−β−ファルネセン47.7ミリモル(事前に
【数2】

上で乾燥及び濾過)を、反応器に装着した供給管に加える。反応器のラインから、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージする。この300mLの反応器を、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物でパージする。
【0082】
ジコバルトオクタカルボニル、イコシルフォバン及び2−プロピルアルコールの混合物を収容する300mLの反応器を、1:1の比率の一酸化炭素−水素の混合物によって、約1.0MPa(150psig)の初期圧力に充填した。反応器を150〜200rpmで攪拌しながら約60〜65℃まで加熱し、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して、圧力を1.0〜1.4MPa(150〜200psig)に保つ。1〜2時間後、反応器を40℃未満まで冷却する。
【0083】
反応器を排気し、トランス−β−ファルネセンを反応器に充填する。供給管を反応器から分離し、次いで一酸化炭素と水素との比率1:2の混合物で反応器を充填する。次に300mLの反応器を、160〜165℃まで加熱しながら、一酸化炭素と水素との比率1:2の混合物を使用して、圧力を3.4〜4.8MPa(500〜700psig)に保つ。反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。反応の完了がGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素、水素の混合物を排気する。結果生じる粗生成物は、アルコール1及びアルコール2を含有する。
【0084】
ポリ分枝状非環式アルデヒド
本発明の別の実施形態は、16個又は21個の炭素原子を有し、少なくとも3つの分枝及び3つ以下の炭素−炭素二重結合を含む新たな非環式アルデヒドの生成である。この新規なアルデヒドは、香味料及び芳香剤における用途を有し得る。この非環式アルデヒドの例としては、限定されるものではないが、3−エチル−7,11−ジメチルドデカナール、2,3,7,11−テトラメチル−ドデカナール、7,11,−ジメチル−3−ビニルドデカ−6,10−ジエナール、8,12−ジメチルトリデカ−4,7,11−トリエナールが挙げられる。他の実施形態は、1つ、2つ、又は3つの、炭素−炭素二重結合を有し、その分枝がメチル、エチル、又はその双方である非環式アルデヒドである。他の実施形態では、非環式アルデヒドは飽和しており、分枝はメチル、エチル、又はその双方である。この非環式アルデヒドを他の材料とブレンドして、有用な組成物を得ることができる。
【0085】
本発明の、新規なポリ分枝状ポリオレフィン含有アルデヒドの構造の非限定的な例を以下に示す。
【0086】
以下に示す4つのアルデヒド(a1〜a4)は、方法実施形態1に従ったβファルネセンの反応によって生成される構造である。
【化7】

【0087】
以下もまた、生成を最大化するべく反応条件を調整することにより、βファルネセンから生成させることができると予想される、ポリ分枝状ポリアルデヒドである。
【化8】

【0088】
ポリアルデヒドはポリアルコールへと変換され、引き続きポリ官能性界面活性剤へと変換される。ポリ分枝状ポリ置換(例えば、ジ−アニオン性)界面活性剤は、結晶化傾向を伴わない良好な汚れ懸濁化能力を有し、また直鎖ジ−アニオン性界面活性剤が示す傾向がある乏しい溶解度特性を有すると考えられる。
【0089】
4,8,12−トリメチルトリデカナール(a9)は、第2の方法実施形態による方法スキームIIからの可能なアルデヒドである。(a10)もまた、本発明の結果生じる別のアルデヒドであり、この2つの混合物も同様である。
【化9】

【0090】
以下(b1〜b2)は、αファルネセンから作製し得るポリ分枝状ポリオレフィン含有アルデヒドである。(b3)は、ジアルデヒドの生成が望ましい場合に、特定のプロセス条件の下で生成し得るジアルデヒドである。
【化10】

【0091】
以下(C11アルデヒド1〜4)もまた、方法スキームIによる本方法発明のアルデヒド、並びにC11及びC21の鎖長中の詳細な方法要素の例である。これらは、オシメン(1〜2)及びミルセン(3〜4)を、(Z)−3−エチル−7−メチルオクタ−1,3,6−トリエン由来の(アルデヒド5)と共に使用して、方法1による反応から生成させることができる。(C11ポリ分枝状ポリオレフィン)
【化11】

【0092】
以下は、オレフィン(i)等のC20テルペンから誘導し得る、C21ポリ分枝状ポリオレフィンアルデヒドの例である。
【化12】

【0093】
ポリ分枝状洗剤アルコール
本発明の別の実施形態は、本方法によって形成される、11個、16個、又は21個の炭素原子を含有するポリ分枝状洗剤アルコールである。
【0094】
本発明のポリ分枝状洗剤アルコールの特定の実施形態としては、2つ、3つ、4つ、若しくは5つのメチル分枝若しくはエチル分枝、又はその混合物を含むC11及びC21洗剤アルコールが挙げられる。これらは、ジイソプレン及びテトライソプレンの構造体、又は他のポリ分枝状ポリオレフィン供給原料によりもたらされ得る。これらは一旦対応する界面活性剤組成物に変換されると、シャンプー、食器洗い及び/又は硬質表面洗浄剤に使用することができる。これらのアルコールの例を以下に示す。有用な実施形態は、高レベルのメチル分枝を有し、70%を超える、2つ、3つ、若しくは4つのメチル基、又はそれらの混合を含むことになる。
【化13】

【0095】
他の有用な実施形態としては、非環式で、16の炭素原子鎖長を有するポリ分枝状洗剤アルコール組成物が挙げられる。この実施形態は、10%を超えるトリメチル分枝、又は30%を超えるトリメチル分枝、又は更に70%以上のトリメチル分枝を有し得る。
【0096】
既存の植物及び生物から抽出される、天然由来のファルネセン、遺伝子改変生物から得られる、ファルネセン、イソプレンの合成由来のトリマー、これらの混合物から誘導される、ポリ分枝状洗剤アルコールの実施形態は、洗浄組成物において有用であることが認められている。ポリ分枝状洗剤アルコール及びその混合物は、ファルネセン異性体の混合物から誘導することができる。
【0097】
しかしながら、誘導体が、上述のいずれかの手段によって、非環式イソプレン様材料から得たオリゴマーに由来するものであるならば、本発明の方法を用い、任意の鎖長の任意のイソプレン系オレフィンを使用して、洗剤アルコール混合物を調製し得ることを理解されたい。C16ポリ分枝状洗剤アルコールの例を以下に示す。
【化14】

【0098】
本発明のポリ分枝状洗剤アルコールには、1つ以上のアルコール基を有するアルコールが含まれる。本発明の方法は、モノアルコールに対してポリアルコール(ジ、トリ及びテトラアルコール)の生成を最小化、又は最大化するように最適化することができる。
【0099】
合成実施例XII−:方法スキームI使用:
ファルネセン誘導ポリ分枝状ポリアルコールの合成
ジコバルトオクタカルボニル1.17ミリモル並びにイコシルフォバン(異性体[13887−00−8]及び[13886−99−2]の混合物)4.7ミリモルを、ガラスライナー及びPTFE被覆攪拌棒を有する、300mLのステンレス鋼の圧力容器内で、乾燥、脱気された2−プロピルアルコール48mL中に混合する。トランス−β−ファルネセン47.7ミリモル(事前に分子篩上で乾燥及び濾過)を、反応器に装着した供給管に加える。反応器のラインから、減圧及び窒素のサイクルを使用して空気をパージする。この反応器を、次いで一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物でパージする。ジコバルトオクタカルボニル、イコシルフォバン及び2−プロピルアルコールの混合物を収容する反応器を、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物によって、約1.0MPa(150psig)の初期圧力に充填する。反応器を150〜200rpmで攪拌しながら60〜65℃の温度に加熱し、一酸化炭素と水素との比率1:1の混合物を使用して、圧力を1.0〜1.4MPa(150〜200psig)に保つ。1〜2時間後、反応器を40℃未満まで冷却する。
【0100】
反応器を排気し、2つの容器を隔てるバルブを開放することによって、供給管の内容物(トランス−β−ファルネセン)を反応器に充填する。次に、1:2の比率の一酸化炭素と水素との混合物からなる、新たな一酸化炭素−水素の混合物で、反応器を充填する。次に、反応器を160〜165℃まで加熱しながら、一酸化炭素と水素との比率1:2の混合物を使用して、圧力を3.4〜4.8MPa(500〜700psig)に保つ。
【0101】
反応器の内容物を経時的に資料採取し、GCによって分析して、反応の進行を観察する。反応の完了がGC試料分析により示されたとき、反応混合物を室温まで冷却し、一酸化炭素、水素の混合物を排気する。触媒を除去して、結果生じる混合物は、30%を越えるジオール及びより高度なポリオールを含有する。ジオール及びより高度なポリオールを、定常の蒸留手順によって、パラフィン及びモノアルコールから分離する。
【0102】
ポリ分枝状界面活性剤
本発明の他の実施形態としては、ポリ分枝状洗剤アルコールから誘導される界面活性剤組成物が挙げられる。これらは、C11、C16、又はC21の鎖長の物であり、分枝がメチル、エチル、又はそれらの混合物である、ポリ分枝状とすることができる。この界面活性剤は、アルコールから界面活性剤への、業界で周知の任意の誘導体化方法によって生成させることができる。これらは、アルコールエトキシレート、アルコールes、若しくはアルコールエトキシル化es、又はこれらの混合を含み得る。
【0103】
C11及びC21ポリ分枝状界面活性剤の例は以下である。
【化15】

【0104】
他の界面活性剤組成物は、非環式C16ポリ分枝状洗剤アルコールから誘導することができ、C16洗剤アルコールエトキシレート、es、又はエトキシル化esを含み得る。好適なC16ポリ分枝状アルコール界面活性剤の構造の非限定的な例を以下に示す。
【化16】

【0105】
界面活性剤の混合物もまた望ましい。
【0106】
本発明のアルコールは、標準的な商業技術及び実験技術を用いて及び/又は任意の便利な薬剤、例えば、クロロスルホン酸、SO/空気、若しくは油剤を使用してアルコキシル化し、最終アルコール誘導界面活性剤組成物を生じさせることができる。
【0107】
以下の実施例は、ポリ分枝状界面活性剤組成物の合成である、本発明の第6の実施形態を詳細に定義する。
【0108】
合成実施例XIII
ファルネセン誘導ポリ分枝状アルコールe及びその混合物の合成
攪拌及び空気を排除するための窒素パージを有する反応容器を使用して、合成実施例II、合成実施例V、又は合成実施例Xのいずれかで得たポリ分枝状アルコール材料96グラムと、ジエチルエーテル149グラムを混合する。この混合物を−5℃に冷却し、次いで混合物の温度を10℃未満に保ちながら、クロロスルホン酸[7790−94−5]50グラムを滴下して加える。減圧を適用して、発生するHCLガスを除去しながら、混合物を〜30℃に温めた。ジエチルエーテルを蒸発させつつ2回置換しながら、連続的に2時間混合する。次いでこのエーテルを、次の工程の前に、減圧によって除去する。
【0109】
結果生じる混合物を、氷浴中で冷却した、メタノール中の9%ナトリウムメトキシド287グラムを収容するステンレス鋼のビーカーに、混合しながら徐々に加える。混合物を1時間攪拌し、次いでステンレス鋼のトレーに注ぎ込む。次に溶媒を蒸発させ、真空オーブンを使用して、試料を更に乾燥させる。
【0110】
合成実施例XIV
ファルネセン誘導7−モルポリ分枝状アルコールエトキシレート(AE7)及びその混合物の合成
ファルネセン誘導アルコール200グラム(及び、任意の手段又は合成実施例IIによって調製される、同量の他のアルコール)に、このアルコールのエチレンオキシドとの反応を促進させるに十分な触媒を適切な期間内に制御可能な方法で加えたものを、冷却コイルを備える600mLのステンレス鋼の攪拌圧力容器に充填する。好適な触媒は、水酸化カリウムの50%水溶液からなる1.1グラムの溶液である。方法の要求に基づき、他の種類及び他の量の触媒を使用してもよい。
【0111】
触媒と共に導入される場合がある、水のような、副生成物を結果生じさせる恐れのある材料を除去するために、減圧を適用する一方で、真空供給源として水流吸引器を使用する場合、通常は40℃〜90℃であるが好ましくは約60℃〜約80℃の、ファルネセンアルコールを損失させない温度で、反応器を加熱する。水の除去は、通常は約50rpmの低速の攪拌を用いながら、底部ドレンバルブ、又はステンレス鋼ガス分散フリット、任意の不活性浸漬管、若しくは焼結金属フリット材料のいずれかを通した、低レベル(細流)の不活性ガス流を用いた混合物のスパージによって、あるいは混合物の上方領域を不活性ガスで掃引することによって促進させる。試料を反応器から採取し、Karl−Fischer滴定法等の適切な分析方法を使用して、含水量に関して分析してもよい。
【0112】
この水除去工程の完了後、エチレンオキシドを反応器に加える。エチレンオキシドは、反応器システムが、制御不能な反応速度を防止するように適切に設計されている場合、一度に全て加えてもよい。しかしながら、最良の反応制御は、最初に静的減圧下で(又は所望により窒素等の不活性ガスで加圧して)、アルコール−触媒混合物のエチレンオキシドとの反応が、副生成物及び色の発生を最小限に抑えながら行なわれるのに適切な、通常は85℃〜150℃であるが好ましくは約110℃〜130℃の温度に反応器を加熱することによって得られる。
【0113】
反応器が一旦所望の温度に達したとき、254グラムのエチレンオキシドを、冷却システムによって制御可能な速度で、通常は30〜60分の期間にわたって加える。エチレンオキシドの添加が完了した後、エチレンオキシドが反応によって消費されるまで、攪拌及び加熱を継続する。
【0114】
合成実施例XV
ファルネセン誘導10−モルポリ分枝状アルコールエトキシレート(AE10)及びその混合物の合成
実施例XIIIからの装置及び手順を使用するが、ファルネセン誘導10−モルポリ分枝状アルコールエトキシレートの生成のために、使用するエチレンオキシドの量は363グラムとする。
【0115】
合成実施例XVI
ファルネセン誘導3−モルポリ分枝状アルコールエトキシレート(AE3)及びその混合物の合成
実施例XIIIからの装置及び手順を使用するが、ファルネセン誘導3−モルポリ分枝状アルコールエトキシレートの生成のために、使用するエチレンオキシドの量は109グラムとする。
【0116】
合成実施例XVII
ファルネセン誘導ポリ分枝状アルコールエトキシレートe(AE3S)及びその混合物の合成
攪拌及び空気を排除するための窒素パージを有する反応容器を使用しながら、実施例XVで得た材料62グラムと、ジエチルエーテル149グラムを混合する。この混合物を−5℃に冷却し、次いで混合物の温度を10℃未満に保ちながら、クロロスルホン酸[7790−94−5]50グラムを滴下して加える。減圧を適用して、発生するHClガスを除去しながら、混合物を〜30℃に温める。ジエチルエーテルを蒸発させつつ2回置換しながら、連続的に2時間混合する。次いでこのエーテルを、次の工程の前に、減圧によって除去する。
【0117】
上記からの混合物を、氷浴中で冷却した、メタノール中の9%ナトリウムメトキシド287グラムを収容するステンレス鋼のビーカーに、混合しながら徐々に加える。混合物を1時間攪拌し、次いでステンレス鋼のトレーに注ぎ込む。次に溶媒を蒸発させ、真空オーブンを使用して、試料を更に乾燥させる。
【0118】
合成実施例XVIII
3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカナール及びその混合物の合成
実施例Iからの装置及び手順を使用するが、使用する出発ファルネセンは、トランス−β−ファルネセン[18794−84−8]336グラムとする。この生成物は、実施例XIXにおいて直接使用することができる。
【0119】
実施例XIX
3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オル及びその混合物の合成
合成実施例IIからの装置及び手順を使用する。しかしながら、反応への供給は、トランス−β−ファルネセンを使用する上記の合成実施例XVIIIの方法から得る。最終反応混合物を0.5マイクロメートルのフィルターを通して濾過し、触媒を除去する。結果生じる混合物を、最大250℃の温度で短路蒸留カラムを使用し、0.13kPa(1トール)の低さの真空供給源を使用して、触媒残留物を含むあらゆる不揮発性汚染物質から蒸発させて分離する。次に粗溜出物を、Oldershawカラム(WILMAD−LABGLASS Part#:G−2008−015J)を使用して分別蒸留しながら、最大350℃で、0.7kPa(5トール)の低さの真空供給源を使用し、それぞれ30〜45グラムの小容積の蒸留留分を収集する。これらの留分を、Restek RTX−5毛管GCカラム(Cat#:10244)を使用し、GCによって分析する。
【0120】
合成実施例XX
3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オルアルコールe及びその混合物の合成
合成実施例IIIからの装置及び手順を使用する。しかしながら、使用するアルコールは、上記の実施例XIXで得た3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オルとする。生成物をNMR及び質量分光測定によって分析し、結果得られる分析は、予測された生成物3−エチル−7,11−ジメチル−ドデカン−1−オルアルコールeと一致する。
【0121】
界面活性剤組成物、並びにポリ分枝状洗剤アルコール及び界面活性剤組成物を使用する製品
本発明による、サルフェート、アルコキシル化サルフェート、又はこれらの混合物から選択される洗剤アルコールの、1種以上の誘導体を含むポリ分枝状界面活性剤組成物は、洗濯洗剤及び洗浄組成物のための、汚れ分解促進添加剤として、極めて適している。これらは、特にグリース性汚れの場合に、高い分解力を呈する。これらが低い洗浄温度でも汚れ分解力を示すことは、特に有利である。
【0122】
本発明による、サルフェート、アルコキシル化サルフェート、又はこれらの混合物から選択される新規なポリ分枝状洗剤アルコールの、1種以上の誘導体を含む界面活性剤組成物は、洗濯洗剤及び洗浄組成物のための、汚れ分解促進添加剤として、極めて適している。これらは、特にグリース性汚れの場合に、高い分解力を呈する。これらが低い洗浄温度であっても汚れ分解力を示すことは、特に有利である。
【0123】
本発明によるポリ分枝状界面活性剤組成物は、特定の組成物全体を基準として、一般に0.05〜70重量%、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.25〜10重量%の量で洗濯洗剤及び洗浄組成物に加えることができる。
【0124】
更に、洗濯洗剤及び洗浄組成物は、一般に、界面活性剤、並びに適切な場合、洗浄物質、ビルダー及び更に常習的な成分(例えば、コビルダー、錯化剤、漂白剤、標準化剤、灰色化阻害剤、移染阻害剤、酵素及び香料)としての他のポリマーを含む。
【0125】
本発明の新規な界面活性剤組成物は、C10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)と、非イオン性、カチオン性、アニオン性、若しくはこれらの混合から選択される1つ以上の共界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む洗濯洗剤又は洗浄組成物中で利用することができる。共界面活性剤の選択は、所望の利益により決められてよい。一実施形態において、共界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましくはC12〜C18アルキルエトキシレートとして選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシes(AES)(xは1〜30)として選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%の範囲の濃度で用いられる。
【0126】
界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性共界面活性剤、カチオン性共界面活性剤、アニオン性共界面活性剤及びこれらの任意の混合物から選択される共界面活性剤を含んでもよい。
【0127】
非イオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、Shell製NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤のような、C12〜C18アルキルエトキシレート;C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製PLURONIC(登録商標)のような、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有する、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で論じられるような、C14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE(xは1〜30);Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられるようなアルキル多糖類;具体的には、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号で論じられるようなポリヒドロキシ洗剤酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際特許公開第01/42408号で論じられるようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0128】
半極性非イオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、約10個〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1個〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド、約10個〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1個〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに、約10個〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1個〜約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開特許第01/32816号、米国特許第4,681,704号及び同第4,133,779号を参照のこと。
【0129】
カチオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、米国特許第6,136,769号で論じられるようなアルコキシラート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号で論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開特許第00/47708号で論じられるようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む26個までの炭素原子を有し得る第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0130】
本明細書で有用なアニオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、C10〜C20第一級分枝鎖及びランダムアルキルes(AS);C10〜C18第二級(2、3)アルキルes;C10〜C18アルキルアルコキシes(AES)(xは1〜30);1個〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で論じられるような中鎖分枝状アルキルes;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号で論じられるような中鎖分枝状アルキルアルコキシes;国際公開特許第99/05243号、同第99/05242号及び同第99/05244号で論じられるような修飾されたアルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0131】
本発明はまた、第6の実施形態及び第7の実施形態の本発明の界面活性剤組成物である、C〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤及び共界面活性剤を含む界面活性剤組成物、を含む組成物に関する。この組成物は、任意の形態、即ち液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体;エマルション;二区画容器を有する形式;飛沫又は泡洗剤;予め湿らせた拭取り布(即ち、Mackeyらの米国特許第6,121,165号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物);消費者により水で活性化される乾燥拭取り布(即ち、Fowlerらの米国特許第5,980,931号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品の形態であってもよい。
【0132】
第7の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体の洗濯洗剤組成物である。別の第7の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であり、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物は不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の、様々な表面を洗浄するカーケア組成物で使用されてもよい。また、この洗浄組成物は、界面活性剤が遊離硬度に接触する、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体の石鹸及び他の洗浄組成物等の、パーソナルケア組成物とペットケア組成物、並びに石油掘削組成物等の、硬度耐性界面活性剤系を必要とする全ての組成物に使用されるように設計することが可能である。
【0133】
別の第7の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い用組成物及び自動食器洗い用組成物のタブ形態/単位用量形態のような食器洗浄組成物である。
【0134】
非常に典型的には、本明細書の洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質表面洗浄剤、合成及び石鹸ベースの洗濯固形物、布地柔軟仕上げ剤、並びに布地処理用の液体、固体及び布地処理用の全ての種類の物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適切な洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、国際公開特許第99/05242号に見出すことができる。
【0135】
通常の洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられ、上に既に定義された物質を除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)等、各種の活性成分若しくは特殊な材料、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えば、BASF Corp.製、又はRohm & Haas製)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに、液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤及び使用量の好適な例は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
【0136】
使用方法
本発明は、対象とする表面を洗浄する方法を含む。本明細書で使用する時、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品及びその他料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚等のそのような表面が挙げられてよい。本明細書で使用する時、「硬質表面」としては、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。この方法は、修飾されたポリオール化合物を含む組成物が、適切な形態で、又は洗浄溶液で希釈されて、少なくとも対象とする表面の一部分と接触し、次いで所望により、対象とする表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0137】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途における使用に理想的に適している。
【0138】
組成物溶液のpHは、洗浄される対象とする表面に対して最も相補的になるように、pH約5〜約11の広い範囲にわたって選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、そのような組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃の範囲である。
【0139】
洗濯洗浄組成物で使用される場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10000ppmの濃度で用いられる。水温は好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。水:布地の比率は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0140】
この方法は、本発明の組成物の実施形態に含浸させた不織布基材と接触させる工程を含む。本明細書で使用する時、「不織布基材」は、適切な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収力及び強度特性を有する全ての従来通りに作られた不織布シート又はウェブを含み得る。好適な市販の不織布基材の例としては、DuPontより商標名SONTARA(登録商標)として販売されるもの及びJames River Corp.より商標名POLYWEB(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0141】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、液体食器洗浄組成物おける使用に理想的に適している。本発明の液体食器組成物の使用方法は、汚れた食器を、水中に希釈した、有効量の、通常は約0.5mL〜約20mL(処理される食器25個あたり)の本発明の液体食器洗浄組成物と接触させる工程を含む。
【0142】
実施例XXI−顆粒状洗濯洗剤
【表1】

【0143】
実施例XXII−顆粒状洗濯洗剤
【表2】

【0144】
噴霧−乾燥粉末の調製
上述のような組成物を有し、25.89%の湿分含量を有する水性スラリーを調製する。水性スラリーを、72℃まで加熱し、高圧(5.5×10Nm−2〜6.0×10Nm−2)下で、空気入口温度270℃〜300℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込む。この水性スラリーを霧化し、霧化したスラリーを乾燥して固体混合物を生成させ、次に冷却して過大な材料(>1.8mm)を篩にかけて取り除き、自由流動性の噴霧−乾燥粉末を形成する。微細材料(<0.15mm)を、噴霧−乾燥塔内の排気で水簸して、塔後(post tower)の収容システム内に収集する。噴霧−乾燥した粉末は、1.0重量%の湿分含量、427g/Lの嵩密度及び95.2重量%のこの噴霧-乾燥粉末が、150〜710マイクロメートルの粒径を有するような粒径分布を有する。この噴霧−乾燥粉末の組成を以下に示す。
【表3】

【0145】
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1を、傾斜ピン(Tilt-A-Pin)ミキサー、次に傾斜プラウ(Tilt-A-Plow)ミキサー(いずれもProcessall製)を用いて520gバッチを基準にして作製する。供給された硫酸ナトリウム108gを、炭酸ナトリウム244gと共に傾斜ピンミキサーに加える。70%活性C25Sペースト(C12/15アルコール及びエチレンオキシドをベースとするエトキシ硫酸ナトリウム)168gを傾斜ピンミキサーに加える。次いで構成成分を1200rpmで10秒間混合する。結果生じる粉末を、次に、傾斜プラウミキサーに移して、200rpmで2分間混合し粒子を形成する。次に、粒子の平衡相対湿度が15%未満になるまで、2500L/分の速度で120℃において流動床乾燥機内でこの粒子を乾燥させる。次に、乾燥した粒子を篩にかけ、1180μmを通過し、250μm上に残る画分を保持する。アニオン性界面活性剤粒子1の組成は以下の通りである。
25Sエトキシ硫酸ナトリウム25.0重量%
硫酸ナトリウム、18.0重量%
炭酸ナトリウム57.0重量%
【0146】
カチオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
カチオン性界面活性剤粒子1を、Morton FM−50 Loedigeミキサーで14.6kgバッチを基準にして作製する。微粉化硫酸ナトリウム4.5kg及び微粉化炭酸ナトリウム4.5kgをMorton FM−50 Loedigeミキサー内で予備混合する。活性モノC12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロリド(カチオン性界面活性剤)の40%水溶液4.6kgをMorton FM−50 Loedigeミキサーに加えながら、主要駆動部とチョッパーの双方を作動させる。約2分間の混合後、微粉化硫酸ナトリウムと微粉化炭酸ナトリウムとの重量比1:1の混合物1.0kgをミキサーに追加する。結果生じる粒塊を収集し、100〜140℃で2500L/分の空気を基準にして、30分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。結果生じる粉末を篩にかけ、1400μmを通過した画分をカチオン性界面活性剤粒子1として収集する。カチオン性界面活性剤粒子1の組成は、次の通りである:
モノC12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロリド15重量%
炭酸ナトリウム40.76重量%
硫酸ナトリウム40.76重量%
湿分及びその他3.48重量%
【0147】
顆粒状洗濯洗剤組成物の調製
10.84kgの実施例6の噴霧−乾燥した粉末、4.76kgのアニオン性洗浄界面活性剤粒子1、1.57kgのカチオン性洗浄界面活性剤粒子1及びその他の個別に与えられる乾燥−追加材料7.83kg(総量)を、24rpmで作動している直径1mのコンクリートバッチミキサーに加える。これらの材料全てをミキサー内に加えた後、この混合物を5分間混合し、顆粒状洗濯洗剤組成物を形成する。顆粒状洗濯洗剤組成物の処方を以下に記す:
【表4】

【0148】
実施例XXII−液体洗濯洗剤
【表5】

ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸、ナトリウム塩
エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
Acusol OP 301
【表6】

【表7】

PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は約40:60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
Alco 725(スチレン/アクリレート)
【0149】
実施例XXIII−液体食器手洗い用洗剤
【表8】

非イオン性とは、9個のエトキシル基を含有するC11アルキルエトキシル化界面活性剤であってもよい。
1,3 BACは1,3ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0150】
実施例11−自動食器洗い用洗剤
【表9】

実施例1、2、3若しくは4のいずれかによる、両親媒性アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー又はポリマーの任意の混合物。
Rohm & Haasから入手可能なAcusol(登録商標)445N、又はAlco製のAlcosperse(登録商標)等
【0151】
試験方法
本発明の界面活性剤組成物における分枝を特徴付けるための以下の2つの分析方法が有用である。
【0152】
洗剤アルコール中の構成成分の分離及び同定(分析目的のために、アルコールeのアルコキシル化の前、又は加水分解の後に実施する)。前駆体洗剤アルコール材料中に認められる分枝の位置及び長さを、GC/MS技術によって判定する[D.J.Harvey,Biomed Environ.Mass Spectrom(1989).18(9),719〜23;D.J.Harvey,J.M.Tiffany,J.Chromatogr.(1984),301(1),173〜87;K.A.Karlsson,B.E.Samuelsson,G.O.Steen,Chem.Phys.Lipids(1973),11(1),17〜38を参照]。
【0153】
分離した洗剤アルコールアルコキシe構成成分の、MS/MSによる同定。分枝の位置及び長さはまた、あらかじめ単離した洗剤アルコールe構成成分について、イオンスプレー−MS/MS技術、又はFAB−MS/MS技術によっても判定可能である。
【0154】
本明細書の分枝状第一級アルキル界面活性剤の平均全炭素原子は、「Bailey’s Industrial Oil and Fat Products」,Volume 2,Fourth Edition,Daniel Swern編,pp.440〜441に概説されるような一般的手順に従って、前駆体洗剤アルコール混合物のヒドロキシル価から、又はアルコールe混合物の加水分解後の抽出によって回収したアルコールのヒドロキシル価から算定することができる。
【0155】
特に記載がない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0156】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0157】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0158】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0159】
「発明を実施するための形態」において引用される全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0160】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような変更及び修正の全てを、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
16個又は21個の炭素原子を有し、少なくとも3つの分枝及び3つ以下の炭素−炭素二重結合を含む、非環式アルデヒド。
【請求項2】
3−エチル−7,11−ジメチルドデカナール、2,3,7,11−テトラメチル−ドデカナール、7,11,−ジメチル−3−ビニルドデカ−6,10−ジエナール、8,12−ジメチルトリデカ−4,7,11−トリエナールからなる群から選択される、請求項1に記載の非環式アルデヒド。
【請求項3】
16個の炭素原子、少なくとも3つの分枝、及び3つ以下の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1つの非環式アルデヒドを含む、組成物。
【請求項4】
前記非環式アルデヒドが、1つ、2つ、又は3つの、炭素−炭素二重結合を含み、前記分枝が、メチル、若しくはエチル、又はその混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記非環式アルデヒドが飽和され、前記分枝が、メチル、エチル、又はその混合物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
11個、16個、又は21個の炭素原子を有し、また少なくとも3つの分枝も含み、前記分枝が、メチル、エチル、又はその混合物である少なくとも1つの非環式アルコールを含む、洗剤アルコール組成物。
【請求項7】
前記非環式アルコールが16個の炭素原子を有する、請求項6に記載の洗剤アルコール組成物。
【請求項8】
前記分枝状アルコールの約10%超が、トリメチル分枝状アルコールである、請求項6に記載の洗剤アルコール組成物。
【請求項9】
前記分枝状アルコールの約30%超が、トリメチル分枝状アルコールである、請求項6に記載の洗剤アルコール組成物。
【請求項10】
前記分枝状アルコールの約70%超が、トリメチル分枝状アルコールである、請求項6に記載の洗剤アルコール組成物。
【請求項11】
前記アルコールが、
a.既存の植物及び生物から抽出される天然由来のファルネセンと、
b.遺伝子改変生物から得られるファルネセンと、
c.イソプレンの合成由来のトリマーと、
d.これらの混合物と、
からなる群から選択される出発ポリ分枝状ポリオレフィンから誘導される、請求項6に記載の洗剤アルコール組成物。
【請求項12】
11個、16個、若しくは21個の炭素原子、及び2つ、3つ、4つ、若しくは5つのメチル分枝、若しくはエチル分枝、又はその混合物を有する非環式洗剤アルコールの異性体の1種以上の界面活性剤誘導体を含む、界面活性剤組成物。
【請求項13】
前記非環式界面活性剤誘導体の70%超が、2つ、3つ、又は4つのメチル基を含む、請求項12に記載の界面活性剤組成物。
【請求項14】
前記非環式洗剤アルコールの異性体の前記界面活性剤誘導体が、ed誘導体、エトキシル化誘導体、エトキシル化及びed誘導体、又はこれらの混合物である、請求項12に記載の界面活性剤組成物。
【請求項15】
前記請求項12に記載の界面活性剤組成物を含む、洗浄組成物。
【請求項16】
前記請求項13に記載の界面活性剤組成物を含む、洗浄組成物。
【請求項17】
洗剤アルコール混合物の調製方法であって、前記方法が、
a.1種以上のポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程であって、前記ポリ分枝状ポリオレフィンが、1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含まなければならない、工程と、
b.前記ポリ分枝状ポリオレフィンを、修飾又は非修飾の第IX族遷移金属からなる群から選択される触媒、並びに約50℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、約0.25:1〜約4:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比、及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含むプロセス条件を使用して、ヒドロホルミル化して、1種以上のオレフィンを有するポリ分枝状オレフィン含有アルデヒド生成物、又はその混合物を生成させる工程と、
c.前記工程(b)のアルデヒド生成物を、水素及び水素化触媒の存在下で、約20℃〜約130℃の範囲のプロセス温度、及び0.7MPa〜約13.8MPa(100psig〜約2000psig)の範囲の水素圧を含むプロセス条件を使用して、還元して、ポリ分枝状洗剤アルコール混合物を生成させる工程と、
d.前記ポリ分枝状アルコール混合物を前記触媒から取り出す工程と、
を含む、方法。
【請求項18】
前記ポリ分枝状ポリオレフィンが、
a.天然の植物及び生物から抽出される、天然由来のファルネセン及びファルネセン混合物と、
b.遺伝子改変生物から得られる、ファルネセン及びファルネセン混合物と、
c.イソプレンの合成由来のトリマーと、
d.これらの混合物と、
からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記ヒドロホルミル化工程bの前に、前記ポリ分枝状ポリオレフィン混合物の、1つを除く全てのオレフィンを選択的に水素化し、ポリ分枝状モノオレフィン混合物を生成させる工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリ分枝状ポリオレフィンが、
a.天然の植物及び生物から抽出される、天然由来のファルネセン及びファルネセン混合物と、
b.遺伝子改変生物から得られる、ファルネセン及びファルネセン混合物と、
c.イソプレンの合成由来のトリマーと、
d.これらの混合物と、
からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
洗剤アルコール混合物の調製方法であって、前記方法が、
a.1つの非分枝状末端オレフィン及び1つ以上の追加的な分枝状オレフィンを分子内に含む、ポリ分枝状ポリオレフィンを提供する工程と、
b.前記ポリ分枝状ポリオレフィンを、特定の修飾された第IX族遷移金属から選択される触媒、並びに約90℃〜約200℃の範囲のプロセス温度、約2:1〜約5:1の範囲の水素と一酸化炭素とのモル比、及び約2.1MPa〜約13.8MPa(約300psig〜約2000psig)の範囲の全圧を含むプロセス条件を使用して、ヒドロホルミル化し、かつ還元する工程と、
c.前記アルコール組成物を前記触媒から取り出す工程と、
を含む、方法。
【請求項22】
前記方法が、前記ヒドロホルミル化工程bの前に、前記ポリ分枝状ポリオレフィン混合物の、1つを除く全てのオレフィンを選択的に水素化し、ポリ分枝状モノオレフィン混合物を生成させる工程を更に含む、請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2012−502922(P2012−502922A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527077(P2011−527077)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/057811
【国際公開番号】WO2010/033976
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】