説明

現像カートリッジ

【課題】部品点数の低減を図ることができるとともに、現像剤の漏れをより一層防止することができる現像カートリッジを提供すること。
【解決手段】
トナー収容部38と、ローラ支持部(供給ローラ支持部39および現像ローラ支持部40)とを備える第1フレーム32、および、トナー収容部38とローラ支持部とを被覆するように、第1フレーム32に溶着される第2フレーム33を備える現像カートリッジ16において、第1フレーム32と第2フレーム33とに、トナー収容部38に対応する収容部側溶着面(第1収容部側溶着面42および第2収容部側溶着面82)と、ローラ支持部に対応する支持部側溶着面(第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83)とを形成し、第1収容部側溶着面42と第2収容部側溶着面82とを溶着するとともに、第1支持部側溶着面43と第2支持部側溶着面83とを溶着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に備えられる現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、感光ドラムを保持するドラムカートリッジと、現像ローラを保持し、ドラムカートリッジに対して着脱自在に設けられる現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジを、着脱自在に備えるプリンタが知られている。
このようなプリンタに設けられる現像カートリッジとして、たとえば、現像ローラを保持する下フレームと、下フレームに組み合わされる上フレームとが溶着された現像カートリッジが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この現像カートリッジでは、上フレームは、板状に形成される本体部と、本体部の前端縁に設けられる梁状部とを備え、本体部の下面の周囲には、下フレームの左側壁部、右側壁部および後側壁部の上面に溶着される溶着リブが形成されている。
そして、上フレームと下フレームとが組み合わされたときには、上フレームの梁状部の前端縁と、下フレームの左側壁部および右側壁部の前面とが略同一面を形成しており、上フレームの梁状部と、下フレームの左側壁部および右側壁部との間には、その間をシールする第1シール部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−168993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の現像カートリッジでは、上フレームの本体部と、下フレームの左側壁部、右側壁部および後側壁部とは、互いに溶着されているものの、上フレームの梁状部と、下フレームの左側壁部および右側壁部とは、溶着されていない。
そのため、上フレームの梁状部と、下フレームの左側壁部および右側壁部の間とをシールするために、第1シール部材が不可欠であり、部品点数の低減を図ることが困難である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、部品点数の低減を図ることができるとともに、現像剤の漏れをより一層防止することができる現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、本発明は、現像カートリッジであり、現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の一方側に隣接配置され、前記現像剤収容部とは反対側の一端部において現像ローラを支持するローラ支持部とを備える第1フレーム、および、前記第1フレームに重ね合わされて、前記現像剤収容部および前記ローラ支持部を被覆するように、前記第1フレームに溶着される第2フレームを備え、前記第1フレームと前記第2フレームとは、前記現像剤収容部に対応するように、前記現像剤収容部の周辺部に形成される収容部側溶着面と、前記ローラ支持部に対応するように、前記収容部側溶着面に連続して、前記現像剤ローラの軸方向に間隔を隔てて設けられる1対の支持部側溶着面と、を備え、前記収容部側溶着面は、前記第1フレームと前記第2フレームとの重ね合わせ方向と直交する方向に延び、1対の前記支持部側溶着面は、前記現像剤収容部から前記現像ローラに向かうに従って、前記重ね合わせ方向における前記第1フレーム側に傾斜するとともに、前記第1フレームと前記第2フレームとが溶着される溶着領域よりも幅広に形成されており、前記第1フレームまたは前記第2フレームは、1対の前記支持部側溶着面の間に設けられる補強部を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1フレームと第2フレームとは、現像剤収容部に対応して形成される収容部側溶着面と、ローラ支持部に対応して形成される支持部側溶着面とを備えている。
そのため、ローラ支持部において、別途、第1フレームと第2フレームとの間をシールする部材を設けることなく、支持部側溶着面の溶着により、第1フレームと第2フレームとの間をシールすることができる。
【0009】
その結果、部品点数の低減を図ることができるとともに、現像剤の漏れをより一層防止することができる。
また、収容部側溶着面は、第1フレームと第2フレームとの重ね合わせ方向と直交する方向に延び、支持部側溶着面は、収容部側溶着面に連続して、他方から一方に向かうに従って、重ね合わせ方向における第1フレーム側に傾斜するように延びている。
【0010】
そのため、支持部側溶着面の傾斜に応じて、第2フレームの一端部を、重ね合わせ方向における第1フレーム側に、退避させることができる。
その結果、第2フレームの一端部が退避した分、重ね合わせ方向において、現像カートリッジを小型化(薄型化)することができる。
しかし、支持部側溶着面を傾斜面とすると、1対の支持部側溶着面において、傾斜交差を生じる場合があり、その傾斜交差によって、第1フレームと第2フレームとを重ね合わせるときに、第1フレームの支持部側溶着面と、第2フレームの支持部側溶着面とを密着させることが困難になる場合がある。
【0011】
そこで、本発明によれば、支持部側溶着面を、第1フレームと第2フレームとが溶着される溶着領域よりも幅広に形成している。
これにより、第1フレームと第2フレームとを全幅において溶着した場合に比べて、第1フレームと第2フレームとを溶着した後においても、支持部側溶着面の可撓性を確保することができる。
【0012】
また、本発明によれば、補強部が、1対の支持部側溶着面の間に設けられている。
これにより、第1フレームと第2フレームとを溶着した後、補強部において、第1フレームまたは第2フレームの剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示す現像カートリッジの右上側から見た斜視図である。
【図3】図1に示す現像カートリッジの側断面図である。
【図4】図2に示すフレームの右上側から見た分解斜視図である。
【図5】図2に示すフレームの右下側から見た分解斜視図である。
【図6】図2に示すフレームのA−A断面図である。
【図7】第1フレームと第2フレームとの溶着を説明するための説明図であって、(a)は、第1フレームと第2フレームとを組み合わせて、受け部においてジグに載置した状態を示す側面図であり、(b)は、(a)の側断面図である。
【図8】フレームに供給ローラを設けた状態を示す、右上から見た斜視図である。
【図9】フレームに供給ローラおよびシール材を設けた状態を示す、右上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、本体ケーシング2内において、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスカートリッジ13を着脱させるためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
【0015】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面右側)を前側とし、その反対側(図1における紙面左側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。なお、左右方向は、現像ローラ22(後述)の軸方向と同方向である。
(2)給紙部
給紙部3は、本体ケーシング2の下部に設けられている。給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6と、給紙トレイ6の前端部の上方に設けられるピックアップローラ7と、ピックアップローラ7の前側において互いに対向配置される分離ローラ8および分離パッド9とを備えている。また、給紙部3は、分離パッド9の上方において、互いに対向配置される前後1対の給紙ローラ10と、両給紙ローラ10の対向部分から略後上側に延びる給紙パス11と、給紙パス11の後方に配置される本体側レジストローラ20とを備えている。
【0016】
給紙トレイ6内には、用紙Pがスタックされており、その最上位にある用紙Pは、ピックアップローラ7の回転によって分離ローラ8と分離パッド9との対向部分へ供給され、それらによって1枚ごとに捌かれる。その後、用紙Pは、両給紙ローラ10の搬送により、給紙パス11を通過し、本体側レジストローラ20とプロセス側レジストローラ21(後述)との間へ搬送され、所定のタイミングで、感光ドラム17(後述)と転写ローラ19(後述)との間に向けて搬送される。
【0017】
なお、上記した給紙部3とは別に、用紙Pを排紙パス27(後述)から、本体側レジストローラ20とプロセス側レジストローラ21(後述)との間へ戻す(図1中の一点鎖線参照)用紙反転機構が設けられており、両面印刷が可能となっている。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット12と、プロセスカートリッジ13と、定着ユニット14とを備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット12は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット12は、実線で示すように、感光ドラム17(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームを出射し、感光ドラム17(後述)を露光する。
(3−2)プロセスカートリッジ
(3−2−1)プロセスカートリッジの構成
プロセスカートリッジ13は、本体ケーシング2内において、スキャナユニット12の下方、かつ給紙部3の上方に着脱自在に収容され、ドラムカートリッジ15と、ドラムカートリッジ15に着脱可能に装着される現像カートリッジ16とを備えている。
【0018】
ドラムカートリッジ15は、感光ドラム17、スコロトロン型帯電器18および転写ローラ19を備えている。
感光ドラム17は、ドラムカートリッジ15の後端部において、左右方向に沿うように設けられている。
スコロトロン型帯電器18は、感光ドラム17の後上側において、感光ドラム17と間隔を隔てて対向配置されている。
【0019】
転写ローラ19は、感光ドラム17の下側に対向配置され、感光ドラム17に下側から圧接されている。
また、ドラムカートリッジ15は、プロセス側レジストローラ21を備えている。
プロセス側レジストローラ21は、ドラムカートリッジ15の前後方向略中央の下端部において、本体側レジストローラ20に上側から接触されるように、設けられている。
【0020】
現像カートリッジ16は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ22を備えている。
現像ローラ22は、現像カートリッジ16の後端部において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム17に対して前側から圧接されている。
なお、現像カートリッジ16は、現像ローラ22にトナーを供給する供給ローラ23、現像ローラ22に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制部材の一例としての層厚規制ブレード24を備え、それらの前方の空間には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2−3)プロセスカートリッジにおける現像動作
現像カートリッジ16内のトナーは、供給ローラ23に供給され、さらに、現像ローラ22に供給され、供給ローラ23と現像ローラ22との間で正極性に摩擦帯電される。
【0021】
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード24によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ22の表面に担持される。
一方、感光ドラム17の表面は、感光ドラム17の回転に伴って、スコロトロン型帯電器18により一様に正帯電された後、スキャナユニット12からのレーザービーム(図1実線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム17の表面に形成される。
【0022】
感光ドラム17がさらに回転すると、現像ローラ22の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム17の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム17の静電潜像は可視像化され、感光ドラム17の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
そして、感光ドラム17と転写ローラ19との間に搬送された用紙Pが、感光ドラム17と転写ローラ19との間を通過するときに、感光ドラム17に担持されているトナー像が、用紙Pに転写される。
(3−3)定着ユニット
定着ユニット14は、プロセスカートリッジ13の後方に配置され、加熱ローラ25、および加熱ローラ25に対向する加圧ローラ26を備えている。プロセスカートリッジ13において、用紙Pに転写されたトナー像は、用紙Pが加熱ローラ25と加圧ローラ26との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙部
トナー像が定着した用紙Pは、排紙パス27を通過して、排紙ローラ28に向けて搬送され、排紙ローラ28によって、スキャナユニット12の上方に設けられる排紙トレイ29上に排紙される。
2.現像カートリッジの詳細
(1)フレーム
現像カートリッジ16は、図2および図3に示すように、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、フレーム31を備えている。
【0023】
フレーム31は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、第1フレーム32と、第2フレーム33とを備えている。
(1−1)第1フレーム
(1−1−1)第1フレームの構成
第1フレーム32は、図4に示すように、フレーム31の下側を構成し、上方および後方に向かって開放された有底枠形状に形成されている。また、第1フレーム32は、左右1対の側壁34と、前壁35と、下壁36とを一体的に備えている。
【0024】
両側壁34は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成され、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。また、右側の側壁34には、トナー収容部38(後述)に対応する位置において、側壁34を左右方向に貫通する側面視略円形状のトナー充填口119が形成されている。
前壁35は、左右方向に延びる正面視略矩形状に形成され、両側壁34の前端部間に架設されている。また、前壁35は、その上端部から前方に向かって延びる操作部37を備えている。操作部37は、ユーザが現像カートリッジ16を操作(ドラムカートリッジ15に対する着脱操作など)するときに把持される。
【0025】
下壁36は、両側壁34の下端部間において、前壁35の下端部に連続して、前壁35の下端部から後方に延びている。また、下壁36は、トナー収容部38(後述)を構成する第1部分36a、供給ローラ支持部39(後述)を構成する第2部分36b、現像ローラ支持部40(後述)を構成する第3部分36cを一体的に備えている。
第1部分36aは、第1フレーム32の前後方向略中央に設けられており、側断面視において、上方が開放された緩やかな円弧形状に形成されている。詳しくは、第1部分36aは、前壁35の下端部に連続して、下方に向かうに従って後方に湾曲され、その後、後方に向かうに従ってわずかに上方に傾斜するように、形成されている。
【0026】
第2部分36bは、第1部分36aの後端部から連続して、供給ローラ23の外周面に沿って湾曲するように、上方が開放された側断面視略U字形状に形成されている。
第3部分36cは、第2部分36bの後端部から連続して、後方に向かって延びる側断面視略直線状(リップ形状)に形成されている。
そして、両側壁34、前壁35および第1部分36aで囲まれる部分が、トナーが収容されるトナー収容部38として区画される。トナー収容部38では、前壁35の上端面は、両側壁34の上端面と略面一に形成されている。また、トナー収容部38は、フランジ部56および第2フレーム位置決めボス53を備えている。
【0027】
フランジ部56は、トナー収容部38における側壁34の上端縁から左右方向外側へ向かって突出するように、前後方向に延びる平板形状に形成されている。
第2フレーム位置決めボス53は、トナー収容部38の後端部において、側壁34およびフランジ部56の上端面から上方に向かって突出する略円筒形状に形成されている。
また、両側壁34および第2部分36bで囲まれる部分が、供給ローラ支持部39として区画される。供給ローラ支持部39には、段部45および供給ローラ支持溝44が形成されている。
【0028】
段部45は、供給ローラ支持部39における側壁34の前後方向略中央において、後側半分部分が前側半分部分に対して左右方向外側に向かって凹むように形成されている。また、段部45の下端部は、現像ローラ22の外周面に沿うように、下方に向かうに従って後方に湾曲している。また、段部45の上端部には、固定部の一例としてのブレード固定部46が設けられている。
【0029】
ブレード固定部46は、側壁34の左右方向外側半分部分において、段部45の後端面から後方に向かって少し突出する正面視略矩形状に形成されている。また、ブレード固定部46は、上下方向に沿って延びる支持面47と、支持面47から後方に向かって突出するブレード位置決めボス48とを備えている。ブレード位置決めボス48は、ねじ101(後述)が螺合可能な略円筒形状に形成されている。
【0030】
供給ローラ支持溝44は、段部45の下端部において、後端面から前下側に向かって、後上側に開放される側面視略U字形状に切り欠かれている。供給ローラ支持溝49の溝幅(前上側および後下側へ向かう方向の長さ)は、供給ローラ23の供給ローラ軸51の直径よりも広く形成されている。
また、両側壁34および第3部分36cで囲まれる部分が、現像ローラ支持部40として区画される。現像ローラ支持部40は、供給ローラ支持部39とともに、担持体支持部の一例としてのローラ支持部として区画される。すなわち、ローラ支持部は、トナー収容部38の後方に隣接配置されている。また、現像ローラ支持部40の両側壁34は、供給ローラ支持部39の両側壁34の後側半分部分に連続して、供給ローラ支持部39の両側壁34の後側半分部分と同じ厚み(左右方向長さ)に形成されている。現像ローラ支持部40の両側壁34には、現像ローラ支持溝49が形成されている。
【0031】
現像ローラ支持溝49は、側壁34の後端部から前側に向かって、後側に開放される側面視略U字形状に切り欠かれている。現像ローラ支持溝49の溝幅(上下方向長さ)は、現像ローラ22の現像ローラ軸50の直径よりも広く形成されている。
(1−1−2)第1フレームにおける溶着に関する構成
また、第1フレーム32は、第1溶着面41を備えている。
【0032】
第1溶着面41は、両側壁34の上端面、および、前壁35の上端面を含んでおり、第1収容部側溶着面42と、左右1対の第1支持部側溶着面43とを備えている。
第1収容部側溶着面42は、前壁35の上端面と、トナー収容部38に対応する両側壁34の上端面からなる。すなわち、第1収容部側溶着面42は、トナー収容部38に対応するように、トナー収容部38の周辺部において、平面視において後側が開放される略U字形状に区画されている。
【0033】
第1支持部側溶着面43は、第1収容部側溶着面42の後端部に連続して、両側壁34の上端面の左右方向内側半分部分(すなわち、ブレード固定部46に対して左右方向内側)としてそれぞれ区画されている。また、第1支持部側溶着面43は、後方に向かうに従って下方に傾斜するように、供給ローラ支持部39の前後方向略中央まで延びている。すなわち、各第1支持部側溶着面43は、ローラ支持部の供給ローラ支持部39に対応するように、供給ローラ支持部39の周辺部に形成されている。また、第1支持部側溶着面43の後端部は、上下方向において、ブレード固定部46と供給ローラ支持溝44との間に配置されている。
【0034】
また、第1フレーム32は、図5および図6に示すように、受け部52を備えている。
受け部52は、供給ローラ支持部39の両側壁34の下端部に1つずつ設けられている。また、受け部52は、第1支持部側溶着面43の後端部の下方に配置され、その下端面は、前後方向に沿って平坦状に延びている。
また、右側の受け部52は、前後方向に長手の底面視略矩形状、かつ、後側下端部に直角を有する側面視直角三角形状に形成されている。また、右側の受け部52は、3つの規制部の一例としてのジグ嵌合穴54を備えている。
【0035】
各ジグ嵌合穴54は、その下端面から上方に向かって底面視略矩形状に切り欠かれており、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
また、左側の受け部52は、底面視略正方形状に形成され、前端縁において、上下方向に延びる規制部の一例としてのジグ当接面55を有している
(1−2)第2フレーム
(1−2−1)第2フレームの構成
第2フレーム33は、図4および図5に示すように、フレーム31の上側を構成し、平面視略矩形の平板形状に形成されている。
【0036】
また、第2フレーム33は、第1フレーム32のトナー収容部38を上方から被覆するトナー収容部被覆部61と、供給ローラ23を上方から被覆する供給ローラ被覆部62とを一体的に備えている。
トナー収容部被覆部61は、第1フレーム32のトナー収容部38を完全に被覆可能な大きさの平面視略矩形平板形状に形成されている。また、トナー収容部被覆部61は、膨出部63と第1当接部64とを備えている。
【0037】
膨出部63は、トナー収容部被覆部61の中央部分において、上側に膨出するように形成されている。
第1当接部64は、膨出部63を囲むように、膨出部63の左右両側および後側に設けられており、前後左右に延び、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42に対応するように、平面視において後側に向かって開放される略V字形状の平板形状に形成されている。第1当接部64は、第2フレーム33が第1フレーム32に組み合わされたときに、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42に当接される。また、第1当接部64には、左右1対の位置決め穴65が形成されている。
【0038】
両位置決め穴65は、第1当接部64の右側後端部および左側後端部に1つずつ貫通形成されており、第1フレーム32のフレーム位置決めボス53を受け入れ可能な平面視略円形状に形成されている。
供給ローラ被覆部62は、トナー収容部被覆部61の後端部から後方に延びる平面視略矩形平板形状に形成されている。また、供給ローラ被覆部62は、左右1対の第2当接部66、補強部67およびシール貼着部68を備えている。
【0039】
両第2当接部66は、供給ローラ被覆部62の左右両端部に互いに間隔を隔てて1つずつ設けられている。また、第2当接部66は、第1当接部64の後端部から連続して、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43に対応するように、後方に向かうに従って下方に傾斜する平板形状に形成されている。
補強部67は、両第2当接部66間において、トナー収容部被覆部61の後側下端部から後方に延びている。補強部67は、水平リブ69と垂直リブ70とを備えている。
【0040】
水平リブ69は、補強部67の上下方向略中央において、前後左右に延びる平板形状に形成されている。また、水平リブ69は、左右方向に投影したときに、第2当接部66の前後方向略中央と交差するように延びている(図3参照)。
垂直リブ70は、水平リブ69と直交するように上下方向に延びており、第1リブ71と、複数の第2リブ72とを備えている。
【0041】
第1リブ71は、補強部67の前後方向略中央において、左右に延びる杆状に形成されており、補強部67の左右方向すべてにわたって設けられている。
各第2リブ72は、前後に延びる杆状に形成されており、左右方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各第2リブ72は、補強部67の左右方向すべてにわたって設けられている。
【0042】
シール貼着部68は、補強部67の後端部において、上下左右に延びる平板形状に形成されている。シール貼着部68は、その上下方向略中央において、水平リブ69に接続され、その左右両端部の下端部において、両第2当接部66に接続されている。すなわち、シール貼着部68は、第2当接部66の後端部から上側に延びている。
(1−2−2)第2フレームにおける溶着に関する構成
また、第2フレーム33は、第2溶着面81を備えている。
【0043】
第2溶着面81は、第1当接部64および第2当接部66の下面を含んでおり、第1溶着面41に対応するように形成されている。また、第2溶着面81は、収容部側溶着面の一例としての第2収容部側溶着面82と、支持部側溶着面の一例としての第2支持部側溶着面83とを備えている。
第2収容部側溶着面82は、第1当接部64の下面からなり、第1収容部側溶着面42に対応して、底面視において後側が開放される略U字形状に区画されている。
【0044】
第2支持部側溶着面83は、第2当接部66の下面からなり、第1支持部側溶着面43に対応して、後方に向かうに従って下方に向かうように延びている。
また、第2フレーム33は、溶着リブ84を備えている。
溶着リブ84は、第2収容部側溶着面82および第2支持部側溶着面83のすべてにわたって、膨出部63および補強部67を囲むように設けられている。溶着リブ84は、第2収容部側溶着面82の下面に設けられる収容部側溶着リブ85と、第2支持部側溶着面83の下面に設けられる支持部側溶着リブ86とを備えている。
【0045】
収容部側溶着リブ85は、第2収容部側溶着面82の前端部において、左右方向に沿って延び、第2フレーム33の左右方向両端部において、後方に向かって屈曲し、その後、後方に向かって延びている。
支持部側溶着リブ86は、収容部側溶着リブ85の後端部に連続して、第2支持部側溶着面83の左右方向外側端部に沿って、前後方向に延びている。
(2)層厚規制ブレード
また、現像カートリッジ16は、上述し、図2および図3に示すように、層厚規制ブレード24を備えている。
【0046】
層厚規制ブレード24は、現像ローラ22に接触されるブレード部材91と、ブレード部材91を支持する支持部材92と、ブレード部材91を補強する補強部材93とを備えている。
ブレード部材91は、弾性を有する薄い金属板などから、左右方向に延びる正面視略矩形の平板形状に形成されている。また、ブレード部材91の上端部の左右方向両端部には、ブレード部材91をその厚み方向(前後方向)に貫通する貫通穴94が形成されている。
【0047】
支持部材92は、ブレード部材91よりも厚い金属板などから、側断面視略L字形状に形成されている。詳しくは、支持部材92は、前後方向に延びる水平部分と、水平部分の前端部から下方に延びる垂直部分とを備えている。支持部材92の水平部分には、支持部材側ねじ穴97(図3参照)が形成されており、また、支持部材92は、垂直部分において、凸部95および取付部96を備えている。
【0048】
支持部材側ねじ穴97は、支持部材92の水平部分を厚み方向(上下方向)に貫通するように、左右方向に互いに間隔を隔てて4つ形成されている。
凸部95は、その左右方向両端部において、支持部材92の前端面から前方に突出する略円柱形状に形成されている。
取付部96は、その左右方向両端部において、支持部材92の前側上端縁から上方に突出する正面視略矩形の平板形状に形成されている。また、取付部96には、取付部96をその厚み方向(前後方向)に貫通する取付穴(図示せず)が形成されている。
【0049】
補強部材93は、支持部材92と同様に、ブレード部材91よりも厚い金属板などから、側断面視略L字形状に形成されており、前後方向に延びる水平部分と、水平部分の前端部から下方に延びる垂直部分とを備えている。補強部材93の水平部分には、補強部材側ねじ穴99(図3参照)が形成されている。
補強部材側ねじ穴99は、支持部材側ねじ穴97に対応するように配置され、補強部材93の水平部分を厚み方向(上下方向)に貫通するように、左右方向に互いに間隔を隔てて4つ形成されている。
【0050】
そして、ブレード部材91の貫通穴94に、支持部材92の凸部95が後方から挿通されるように、ブレード部材91が、支持部材92の垂直部分の前面に取り付けられている。
また、支持部材92に上方から被さるように、補強部材93が支持部材に92に対して組み合わされている。詳しくは、支持部材92と補強部材93とは、その水平部分同士が上下方向に対向するとともに、その垂直部分同士が前後方向に対向するように、組み合わされている。これにより、支持部材92の垂直部分と、補強部材93の垂直部分との間にブレード部材91の上端部が挟持されている。
【0051】
また、ねじ100が、支持部材側ねじ穴97および補強部材側ねじ穴99に螺合されている。これにより、支持部材92と補強部材93とが、ブレード部材91を挟持した状態で、互いに固定され、層厚規制ブレード24が構成されている。
そして、層厚規制ブレード24は、支持部材92の取付部96において、第1フレーム32のブレード固定部46に取り付けられている。詳しくは、取付部96の取付穴(図示せず)に、ブレード固定部46のブレード位置決めボス48が前方から挿通され、ブレード位置決めボス48にねじ101が螺合されることにより、層厚規制ブレード24が、第1フレーム32のブレード固定部46に固定されている。
(3)その他の構成
また、現像カートリッジ16は、図2および図3に示すように、フレーム31の左側において、本体ケーシング2の駆動源(図示せず)からの駆動力が入力される駆動部111、および、フレーム31の右側において、本体ケーシング2の電源(図示せず)からの電力が入力される電極部112を備えている。
【0052】
駆動部111は、駆動源(図示せず)から入力された駆動力を、図示しない歯車伝達機構により、現像ローラ22および供給ローラ23に伝達する。
電極部112は、入力された電力を、図示しない配線により、現像ローラ22および供給ローラ23に伝達する。
また、現像カートリッジ16は、現像ローラ支持部36の左右方向外側において、トナー受け部材114を備えている。
【0053】
トナー受け部材114は、現像ローラ22の左右方向両端部を下方から被覆するカバー部115と、現像ローラ軸50の左右方向両端部を回転可能に支持するカラー部116とを一体的に備えている。
カバー部115は、上方および前方が開放され、左右方向に延びる略角筒形状に形成されている。カバー部115は、現像ローラ22の左右方向両端部から下方に落下するトナーを受ける。
【0054】
カラー部116は、カバー部115の左右方向外側端部の上方に設けられており、左右方向に延び、現像ローラ軸50を受け入れ可能な内径を有する略円筒形状に形成されている。
また、現像カートリッジ16は、シール材117(図9参照)と、左右1対のサイドシール118(図8参照)とを備えている。
【0055】
シール材117は、樹脂製のスポンジなどから、左右方向に延びる略角柱形状に形成されている。シール材117の左右方向長さは、第2フレーム33のシール貼着部68の左右方向長さとほぼ同じである。シール材117は、第2フレーム33のシール貼着部68の後端面に貼着されており、シール貼着部68と層厚規制ブレード24との間をシールしている。すなわち、シール貼着部68の後端面は、シール面として区画されている。
【0056】
両サイドシール118は、樹脂製のスポンジなどから、上下方向に延びる略角柱形状に形成されており、第1フレーム32の段部45の下端部に貼着されている。
また、現像カートリッジ16は、トナー充填口119を密閉するためのキャップ120を備えている。キャップ120は、樹脂などの弾性材料から、左端部が閉鎖された略円筒形状に形成されており、トナー充填口119の内径よりもわずかに大きな外径を有している。キャップ120は、トナー充填口119に右側から圧入されている。
3.現像カートリッジの組み立て
(1)フレームの組み立て
現像カートリッジ16を組み立てるには、まず、フレーム31を組み立てる。
【0057】
フレーム31を組み立てるには、第2フレーム33を、第1フレーム32の上端部に対して、上方から蓋をするように重ね合わせ、溶着する。
詳しくは、まず、上記した第1フレーム32および第2フレーム33を準備する。
次いで、第1フレーム32に第2フレーム33を組み合わせる。
第1フレーム32に第2フレーム33を組み合わせるには、第2フレーム33の位置決め穴65に、第1フレーム32のフレーム位置決めボス53が挿通されるとともに、第2フレーム33の補強部67が、第1フレーム32の両ブレード固定部46間に配置されるように、第2フレーム33を、第1フレーム32の上方において位置決めし、第2フレーム33を第1フレーム32に対して上方から重ね合わせる。
【0058】
すると、第2フレーム33の位置決め穴65に、第1フレーム32のフレーム位置決めボス53が下方から挿通され、第2フレーム33の補強部67が、第1フレーム32の両ブレード固定部46間に配置される。
また、第2フレーム33の第2収容部側溶着面82が、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42に当接され、第2フレーム33の第2支持部側溶着面83が、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43に当接される。
【0059】
次いで、組み合わされた第1フレーム32と第2フレーム33とを互いに溶着する。
第1フレーム32と第2フレーム33とを溶着するには、第2フレーム33の第2収容部側溶着面82と、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42とを溶着するとともに、第2フレーム33の第2支持部側溶着面83と、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43とを溶着する。
【0060】
第2フレーム33の第2収容部側溶着面82と、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42とを溶着する場合には、第1フレーム32のフランジ部56と、第2フレーム33の第1当接部64とを上下方向に挟持し、押圧しながら超音波溶着する。
すると、第2フレーム33の第2収容部側溶着面82に設けられている溶着リブ84が溶融し、第2フレーム33の第2収容部側溶着面82と、第1フレーム32の第1収容部側溶着面42とが溶着される。
【0061】
このとき、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43と、第2フレーム33の第2支持部側溶着面83とも溶着するが、その場合には、まず、図7(a)に示すように、組み合わされた第1フレーム32と第2フレーム33とを、受け部52において、ジグJに載置する。
このとき、図7(b)に示すように、右側の第1支持部側溶着面43と第2支持部側溶着面83とを溶着する場合には、ジグJの上面に形成される突起J1が、右側の受け部52のジグ嵌合穴54に嵌合されるように、重ね合わされた第1フレーム32と第2フレーム33とが、ジグJに載置される。
【0062】
また、図示しないが、左側の第1支持部側溶着面43と第2支持部側溶着面83とを溶着する場合には、突起J1が、左側の受け部52のジグ当接面55に前方から当接されるように、重ね合わされた第1フレーム32と第2フレーム33とが、ジグJに載置される。
そして、第2フレーム33の第2当接部66を上方から押圧しながら超音波溶着する。
【0063】
このとき、受け部52は、第2フレーム33の第2当接部66を上方から押圧する押圧力を受けている。
また、第1フレーム32および第2フレーム33は、突起J1がジグ嵌合穴54に嵌合されているため(または、突起J1がジグ当接面55に当接されているため)、前方への移動が規制されている。
【0064】
そして、超音波が印加されると、第2フレーム33の第2支持部側溶着面83に設けられている溶着リブ84が熱されて溶融し、第2フレーム33の第2支持部側溶着面83と、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43とが溶着される。
このようにして、第1フレーム32と第2フレーム33との溶着が完了し、フレーム31の組み立てが完了する。
(2)フレームへの他の部材の組み付け
次いで、図8に示すように、フレーム31に供給ローラ23を組み付ける。
【0065】
供給ローラ23は、供給ローラ軸51の左右方向両端部が供給ローラ支持溝44に回転自在に支持されるように、供給ローラ支持部39に組み付けられる。
その後、サイドシール118および駆動部111を、フレーム31の所定の位置に組み付ける。
次いで、図9に示すように、シール材117をシール貼着部68の前端面に貼着し、その後、図2に示すように、層厚規制ブレード24をフレーム31に組み付ける。
【0066】
層厚規制ブレード24をフレーム31に組み付けるには、層厚規制ブレード24の取付穴(図示せず)に第1フレーム32のブレード位置決めボス48が嵌合されるように、層厚規制ブレード24をフレーム31に対して位置決めし、層厚規制ブレード24を後方からフレーム31に組み付ける。
すると、層厚規制ブレード24の取付穴(図示せず)に第1フレーム32のブレード位置決めボス48が嵌合され、層厚規制ブレード24がフレーム31に組み付けられる。
【0067】
そして、ねじ101をブレード位置決めボス48に螺合させると、層厚規制ブレード24がフレーム31に固定される。
このとき、支持部材92の垂直部分によって、シール材117が前側から後側に向かって圧縮される。これにより、支持部材92の垂直部分と、第1フレーム32のシール貼着部68との間が、シール材117によりシールされる。
【0068】
また、このとき、支持部材92および補強部材93の水平部分は、第1フレーム32の補強部67および第2当接部66を、上方から被覆している。すなわち、層厚規制ブレード24は、上側から第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83を被覆している。
次いで、現像ローラ軸50の左右方向両端部を、それぞれ、現像ローラ支持溝49に左右方向内側から挿通し、現像ローラ22を現像ローラ支持部40に配置する。
【0069】
すると、現像ローラ22の外周面が、ブレード部材91の下端部に対して前側から接触される。また、現像ローラ22の左右方向両端部は、サイドシール118に前側から接触される。なお、このとき、現像ローラ軸50の左右方向両端部は、フレーム31の両側壁34よりも左右方向外側に突出している。
そして、トナー受け部材114をフレーム31の前端部に、カラー部116が現像ローラ軸50の左右方向両端部に外嵌されるように、それぞれ左右両側から組み付ける。
【0070】
すると、カラー部116において現像ローラ軸50の左右方向両端部が回転自在に支持される。
これにより、現像ローラ22が層厚規制ブレード24のブレード部材91に圧接される。また、現像ローラ22がサイドシール118に圧接され、現像ローラ22の左右方向両端部とフレーム31との間がシールされる。
【0071】
そして、フレーム31の右端部に電極部112を組み付けると、現像カートリッジ16の組み立てが完了する。
そして、トナー充填口119を介してトナー収容部38にトナーを充填してから、トナー充填口119にキャップ120を圧入して、トナー収容部38にトナーを封入する。
4.作用効果
(1)この現像カートリッジ16によれば、図4および図5に示すように、第1フレーム32は、トナー収容部38に対応して形成される第1収容部側溶着面42と、ローラ支持部(供給ローラ支持部39および現像ローラ支持部40)に対応して形成される第1支持部側溶着面43とを備えている。
【0072】
一方、第2フレーム33も、トナー収容部38に対応して形成される第2収容部側溶着面82と、ローラ支持部(供給ローラ支持部39および現像ローラ支持部40)に対応して形成される第2支持部側溶着面83とを備えている。
そのため、ローラ支持部において、別途、第1フレーム32と第2フレーム33との間をシールする部材を設けることなく、第1支持部側溶着面43と第2支持部側溶着面83との溶着により、第1フレーム32と第2フレーム33との間をシールすることができる。
【0073】
その結果、部品点数の低減を図ることができるとともに、トナーの漏れをより一層防止することができる。
また、第1フレーム32において、第1収容部側溶着面42は、第1フレーム32と第2フレーム33との重ね合わせ方向(上下方向)と直交する方向(前後方向および左右方向)に延び、第1支持部側溶着面43は、第1収容部側溶着面42に連続して、前方から後方に向かうに従って、下方に傾斜するように延びている。
【0074】
同様に、第2フレーム33においても、第2収容部側溶着面82は、前後方向および左右方向に延び、第2支持部側溶着面83は、第2収容部側溶着面82に連続して、前方から後方に向かうに従って、下方に傾斜するように延びている。
そのため、第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83の傾斜に応じて、第2フレーム33の後端部を、下方に退避させることができる。
【0075】
その結果、第2フレーム33の後端部が退避した分、上下方向において、現像カートリッジ16を小型化(薄型化)することができる。
しかし、第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83を傾斜面とすると、1対の第1支持部側溶着面43、または、1対の第2支持部側溶着面83において、傾斜交差を生じる場合があり、その傾斜交差によって、第1フレーム32と第2フレーム33とを重ね合わせるときに、第1フレーム32の第1支持部側溶着面43と、第2フレーム33の第1支持部側溶着面83とを密着させることが困難になる場合がある。
【0076】
そこで、この現像カートリッジ16によれば、第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83を、第1フレーム32と第2フレーム33とが溶着される溶着領域よりも幅広に形成している。
これにより、第1フレーム32と第2フレーム33とを全幅において溶着した場合に比べて、第1フレーム32と第2フレーム33とを溶着した後においても、第1支持部側溶着面43および第2支持部側溶着面83の可撓性を確保することができる。
【0077】
また、この現像カートリッジ16によれば、補強部67が、1対の第2支持部側溶着面83の間に設けられている。
これにより、第1フレーム32と第2フレーム33とを溶着した後、補強部67において、第1フレーム32または第2フレーム33の剛性を確保することができる。
(2)また、この現像カートリッジ16によれば、図8に示すように、補強部67は、左右方向に延びる第1リブ71を備えている。
【0078】
そのため、左右方向において、第1フレーム32または第2フレーム33の剛性を確保することができる。
(3)また、この現像カートリッジ16によれば、図8に示すように、補強部67は、左右方向と直交する方向に延びる第2リブ72を備えている。
そのため、左右方向と直交する方向において、第1フレーム32または第2フレーム33の剛性を確保することができる。
(4)また、この現像カートリッジ16によれば、図8に示すように、第1リブ71および第2リブ72は、補強部67の左右方向全てにわたって設けられている。
【0079】
そのため、左右方向全てにわたって、第1フレーム32または第2フレーム33の剛性を確保することができる。
(5)また、この現像カートリッジ16によれば、図3に示すように、補強部67は、左右方向に投影したときに、前方から後方に延びる第2支持部側溶着面83の途中と交差している。
【0080】
そのため、第2支持部側溶着面83の前端部または後端部は、補強部67により補強されることなく、その可撓性が確保される。
その結果、第2支持部側溶着面83の前端部または後端部の可撓性を低下させることなく、第1フレーム32または第2フレーム33の剛性を確保することができる。
【符号の説明】
【0081】
16 現像カートリッジ
22 現像ローラ
24 層厚規制ブレード
32 第1フレーム
33 第2フレーム
38 トナー収容部
39 供給ローラ支持部
40 現像ローラ支持部
41 第1溶着面
42 第1収容部側溶着面
43 第1支持部側溶着面
46 ブレード固定部
52 受け部
54 ジグ嵌合穴
55 ジグ当接面
67 補強部
71 第1リブ
72 第2リブ
81 第2溶着面
82 第2収容部側溶着面
83 第2支持部側溶着面
117 シール材
J ジグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の一方側に隣接配置され、前記現像剤収容部とは反対側の一端部において現像ローラを支持する現像ローラ支持部とを備える第1フレーム、および、
前記第1フレームに重ね合わされて、前記現像剤収容部および前記現像ローラ支持部を被覆するように、前記第1フレームに溶着される第2フレーム
を備え、
前記第1フレームと前記第2フレームとは、
前記現像剤収容部に対応するように、前記現像剤収容部の周辺部に形成される収容部側溶着面と、
前記現像ローラ支持部に対応するように、前記収容部側溶着面に連続して、前記現像剤ローラの軸方向に間隔を隔てて設けられる1対の支持部側溶着面と、
を備え、
前記収容部側溶着面は、前記第1フレームと前記第2フレームとの重ね合わせ方向と直交する方向に延び、
1対の前記支持部側溶着面は、前記現像剤収容部から前記現像ローラに向かうに従って、前記重ね合わせ方向における前記第1フレーム側に傾斜するとともに、前記第1フレームと前記第2フレームとが溶着される溶着領域よりも幅広に形成されており、
前記第1フレームまたは前記第2フレームは、1対の前記支持部側溶着面の間に設けられる補強部を備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
前記補強部は、前記現像ローラの軸方向に延びる第1リブを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記補強部は、前記現像ローラの軸方向と直交する方向に延びる第2リブを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記第1リブおよび前記第2リブは、前記補強部の前記現像ローラの軸方向全てにわたって設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記補強部は、前記現像ローラの軸方向に投影したときに、他方から一方に延びる前記支持部側溶着面の途中と交差するように延びることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−133758(P2011−133758A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294586(P2009−294586)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】