説明

現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】破損することなく新たな機能を追加することができる現像装置を提供する。
【解決手段】シール巻取ケース150内のシール巻取軸151の直前に検知センサー200が配置されている。検知センサー200は、出力部201と入力部202を備えた光学センサーによって構成されている。この場合、封止シール部材160に予め不透明処理を施しておくことで、封止シール部材160がシール巻取軸151に巻き取られる前と巻き取られる後では、検知センサー200の入力値に対して出力値が異なるように構成されているので、現像装置を画像形成装置にセットしたときに、封止シール部材160が巻き取られているか、あるいは巻き取られていないか、つまりセットされた現像装置が新品であるか否かを判断することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、工場出荷時に予め現像剤を現像装置内に封入し、それを画像形成装置に組み込むことが広く行われている。このような現像装置においては、一般に、現像剤を収容した現像ハウジングとそれに装着した現像ローラとの隙間から現像剤が漏出しないように封止する封止部材(封止シール部材)が配置されている。このため、上記画像形成装置を使用するには、使用開始時に現像装置に配置されている封止シール部材を取り外す操作を行う必要がある。
例えば特許文献1には、予め現像剤を封入したケースの下面の開口を塞いだ短冊シール(封止シール部材)の端部をユーザーが引っ張って剥がし、現像剤を搬送部材に落下させる構成が開示されている。また特許文献2には、シールを自動で巻き取る構成が開示されている。また特許文献3、4には、プリセットシール(封止シール部材)を捻ることで封止シール部材の引き剥がし方向と巻き取り方向を変更してトナー攪拌軸に封止シール部材を巻き取る構成が開示されている。また特許文献5には、現像剤の攪拌を補助するための攪拌補助部材が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような現像装置においては、画像形成装置にセットされた現像装置が新品であるか否かを検知する新品検知機能や、現像装置のトナー色を検知するトナー色検知機能等が設けられている。例えばトナー色検知機能であれば、対応しない色の現像装置を画像形成装置にセットできない機構、所謂メカ非互換性を採用しているものがある。
しかしながら、メカ非互換性を採用している現像装置では、ユーザーが異なる場所に現像装置を無理やりセットした場合、現像装置を破損してしまうおそれがあった。
また、従来の現像装置において、封止シール部材の自動巻き取り機能と現像剤の攪拌を補助する攪拌補助部材としての機能を達成しようとした場合は、部品点数が増加してしまい、低コスト、低環境負荷の観点から好ましくないものであった。
また、従来の現像装置において、現像剤攪拌補助部材を追加する場合、現像装置の側面に攪拌補助部材を接着剤等で簡易的に貼り付ける場合は、攪拌補助部材が剥がれてしまい耐久性上の問題点があった。
さらに、従来の現像装置において、攪拌補助部材を貼り付ける場合には、狭い場所に貼り付けを行わなければならず組み付け性が悪いという問題点があった。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、例えば現像装置を破損することなく、新たな機能を追加できる現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、封止シール部材と攪拌補助部材を共通部品にすることで部品点数を減らし低環境負荷とすることができ、さらに攪拌補助部材を現像装置にしっかりと固定することができる現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下の形態により実現することが可能である。
即ち、第1の形態は、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラを回転自在に支持する第1ハウジングと、現像剤を収容する現像剤収容部を備えると共に、該現像剤収容部の開口を前記第1ハウジングにより閉止する第2ハウジングと、前記第2ハウジング内の現像剤を軸方向へ搬送し、且つ前記現像ローラに現像剤を供給する回転式の第1現像剤搬送部材と、前記第1現像剤搬送部材の軸方向の一端側近傍まで搬送された現像剤を受け取り、前記第1現像剤搬送部材の他端部側近傍まで搬送することで第1現像剤搬送部材との協働により現像剤循環搬送経路を前記第2ハウジング内に形成する第2現像剤搬送部材と、前記現像剤収容部の開口を封止する封止シール部材と、前記封止シール部材を除去して前記現像ローラと前記第2現像剤搬送部材との間を連通させるシール除去機構と、前記封止シール部材の表面に形成された被検知部材と、前記被検知部材を検知する検知手段と、を備えていることを特徴とする。
第1の形態によれば、現像剤の漏出を防止するための封止シール部材の表面に被検知部材を形成し、この被検知部材を検知手段により検知するようにしているので、封止シール部材を利用した新たな機能を追加することが可能になる。
【0006】
第2の形態は、前記被検知部材は、前記現像装置に関する情報を識別するための識別部材であることを特徴とする。
第2の形態によれば、検知手段により被検知部材を検知することで現像装置に関する情報を識別することが可能になる。
第3の形態は、前記識別部材が導電性物質により形成され、前記検知手段は、導電性物質であるか否かを電流変化により検知することを特徴とする。
第3の形態によれば、識別部材を導電性物質により形成し、この導電性物質を検知手段により検知することで、封止シール部材を利用した新たな機能を追加することが可能になる。
【0007】
第4の形態は、前記識別部材を識別パターンにより形成し、前記検知手段は前記識別パターンを検知することを特徴とする。
第4の形態によれば、識別部材を識別パターンにより形成することで、より多くの情報を封止シール部材に蓄積することが可能になる。
第5の形態は、前記識別パターンは、当該現像装置に使用されるトナー色を識別する識別情報であることを特徴とする。
第5の形態によれば、現像装置の封止シール部材を利用してトナー色の検知を行うことが可能になる。
第6の形態は、前記識別パターンは、当該現像装置が新品であるか否かを識別する識別情報であることを特徴とする。
第6の形態によれば、現像装置の封止シール部材を利用して新品の検知が可能になる。
【0008】
第7の形態は、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラを回転自在に支持する第1ハウジングと、現像剤を収容する現像剤収容部を備えると共に、該現像剤収容部の開口を前記第1ハウジングにより閉止する第2ハウジングと、前記第2ハウジング内の現像剤を軸方向へ搬送し、且つ前記現像ローラに現像剤を供給する回転式の第1現像剤搬送部材と、前記第1現像剤搬送部材の軸方向の一端側近傍まで搬送された現像剤を受け取り、前記第1現像剤搬送部材の他端部側近傍まで搬送することで第1現像剤搬送部材との協働により現像剤循環搬送経路を前記第2ハウジング内に形成する第2現像剤搬送部材と、前記現像剤収容部の開口を封止する封止シール部材と、前記封止シール部材を巻取り除去して前記現像ローラと前記第2現像剤搬送部材との間を連通させる封止シール除去機構と、前記封止シール除去機構により巻き取られる前記封止シール部材の終端部、或いは該終端部に設けた攪拌補助部材を前記第2の現像剤搬送部材の外周と接触可能な状態で前記現像剤収容部内に突出させつつ固定する固定機構と、を備えたことを特徴とする。
第7の形態によれば、封止シール部材が除去された後も攪拌補助部材は固定機構によって固定されるので、第2現像剤搬送部材の動きに応じて第2現像剤搬送部材近傍の現像剤を攪拌することが可能になる。
第8の形態は、前記攪拌補助部材には、前記固定機構に固定するための固定部材が設けられていることを特徴とする。
第8の形態によれば、封止シール部材が除去された後も攪拌補助部材は固定機構と固定部材によって固定されるので、第2現像剤搬送部材の動きに応じて第2現像剤搬送部材近傍の現像剤を攪拌することが可能になる。
【0009】
第9形態は、前記封止シール固定機構と前記固定部材によって固定された前記攪拌補助部材は、前記固定部材を中心軸として揺動可能であることを特徴とする。
第9の形態によれば、第2現像剤搬送部材の動きに応じて第2現像剤搬送部材近傍の現像剤を攪拌することが可能になる。
第10の形態は、前記シール除去機構を駆動する駆動源と前記第2現像剤搬送部材の駆動源とは、同一駆動源、又は別個の駆動源であることを特徴とする。
第10の形態によれば、同一駆動源であれば、部品点数を減らし、コストダウン及びシール除去機構の必要スペースを小さくできる。また駆動源を別個に構成すれば、駆動源のトルクを小さくできる。
第11の形態は、前記封止シール除去機構を駆動する駆動源と前記第2現像剤搬送部材の駆動源とが同一駆動源である場合に、前記シール除去機構に設けられて前記封止シール部材を巻き取るシール巻取軸の軸端部には、前記駆動部に連結されている駆動軸の軸端部が同一軸心状に連結されており、前記シール巻取軸によって前記封止シールが巻取りを完了した後で、前記駆動軸から前記シール巻取軸に対する駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断機構が設けられている。
第11の形態によれば、封止シール部材の巻き取りが完了してシール巻取軸の回転が停止しても第2現像剤搬送部材は回転可能となる。
【0010】
第12の形態は、駆動力遮断機構は、シール巻取り軸端部と、前記駆動軸端部に夫々設けられた螺子締結部から構成されていることを特徴とする。
第12の形態によれば、封止シール部材の巻き取りが完了してシール巻取軸の回転が停止しても第2現像剤搬送部材は回転可能となる。
第13の形態は、第1乃至12の形態の何れか一項に記載の現像装置と、感光体と、前記感光体を回転可能に保持した感光体ハウジングとを一体に構成したプロセスカートリッジを特徴とする。
第13の形態によれば、上記第1乃至12の形態の現像装置としての効果を有するプロセスカートリッジを実現することができる。
第14の形態は、第1乃至12の形態の何れか一項に記載の現像装置又は第13の形態に記載のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を特徴とする。
第14の形態によれば、上記第1乃至12の形態の現像装置又は第13の形態のプロセスカートリッジとしての効果を有する画像形成装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像剤の漏出を防止するための封止シール部材の表面に被検知部材を形成し、この被検知部材を検知手段により検知するようにしているので、封止シール部材を利用した新たな機能を追加することが可能になる。
また本発明によれば、封止シール部材が除去された後も攪拌補助部材は固定機構によって固定されるので、第2現像剤搬送部材の動きに応じて第2現像剤搬送部材近傍の現像剤を攪拌することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の現像装置を適用可能な画像形成装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明の現像装置を適用可能な像装置の構成を示す断面図である。
【図3】図2に示した作像装置における磁力の分布を示す断面図である。
【図4】本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図5】本実施の形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。
【図6】封止シール部材の巻き取り動作を示した図である。
【図7】攪拌補助部材の構成を示した図である。
【図8】本実施形態の攪拌補助部材の構成を示した図である。
【図9】攪拌補助部材を固定する固定機構の一例を示した図である。
【図10】攪拌補助部材を固定する固定機構の他の例を示した図である。
【図11】シール巻取軸と駆動軸を分離する方法とその動作の説明図である。
【図12】本実施の形態に係る現像装置に備えられる検知センサーを示した図である。
【図13】本実施の形態に係る画像形成装置が実行する初期剤設定動作処理の一例を示した図である。
【図14】本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
【図15】本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
【図16】本実施の形態の現像装置による新品検知機能を示した図である。
【図17】本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
【図18】本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
【図19】本実施の形態の現像装置による検知機能の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の現像装置が適用可能な画像形成装置の概略構成を示した図である。
この画像形成装置100は、プロセスカートリッジとしての4色分の作像装置10Y(イエロー)、10C(シアン)、10M(マゼンダ)、10K(黒)が、装置本体1側に形成された対応する図示しない画像形成ステーションに着脱自在になっており、レーザー光を照射可能な露光手段としての光学ユニット20、中間転写体ユニット30、給紙ユニット40、及び定着ユニット50等を備えている。
作像装置10Y、10C、10M、10Kの構造は同一であり、それぞれ潜像担持体としての感光体ドラム12Y、12C、12M、12K、これに作用するプロセス手段として、各感光体ドラムを帯電する帯電装置13Y、13C、13M、13K、感光体ドラムに残留した現像剤等を除去するクリーニング装置15Y、15C、15M、15Kが一体的にそれぞれ構成されており、これに各感光体ドラムに形成された潜像を現像する現像装置14Y、14C、14M、14Kが連結する構成になっている。
【0014】
中間転写体ユニット30は、中間転写体としての転写ベルト31、該転写ベルト31を回転可能に支持する複数(ここでは3つ)ローラ32、33、34、各感光体ドラム12に形成されたトナー像を転写ベルト31にそれぞれ転写する一次転写ローラ35、及び転写ベルト31上に転写されたトナー像を更に記録紙Pに転写する二次転写ローラ36を備えている。
給紙ユニット40は、給紙カセット41或いは手差し給紙トレイ42から記録紙Pを二次転写領域に搬送する給紙ローラ43、レジストローラ44等を備えている。定着ユニット50は、定着ローラ51及び加圧ローラ52を備え、記録紙P上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う周知の構成が採られている。
【0015】
このような構成において、まず1色目、イエローの作像装置10Yにおいて、感光体ドラム12Yが帯電装置13Yによって一様に帯電された後、光学ユニット20から照射されたレーザー光によって潜像が現像装置14によって現像されてトナー像が形成される。 感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ35の作用によって転写ベルト31上に転写される。一次転写が終了した感光体ドラム12Yはクリーニング装置15Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。クリーニング装置15Yによって回収された残留トナーは、作像装置10Yの取出方向(感光体ドラムの回転軸方向)に設置された廃トナー回収ボトル16に貯蔵される。廃トナー回収ボトル16は、貯蔵量が満杯になると交換できるように画像形成装置本体1に対して着脱自在とされている。同様の画像形成工程がC、M、K用の各作像装置10C、10M、10Kにおいても行われて各色のトナー像が形成され、先に形成されたトナー像に順次重ねて転写される。
【0016】
一方、給紙カセット41、又は手差し給紙トレイ42から二次転写領域に搬送された記録紙Pには、二次転写ローラ36の作用によって転写ベルト31上に形成されたトナー像が転写される。トナー像を転写された記録紙Pは定着ユニット50に搬送され、この定着ユニット50の定着ローラ51と加圧ローラ52のニップ部にてトナー像が定着され、排紙ローラ55によって装置上部の排紙トレイ56に排紙される。
画像形成装置100の装置本体1上部には、後述するトナー補給口145への補給トナーがそれぞれ収納されたトナーボルトY1、C1、M1、K1が各作像装置と個別に装置本体1から着脱可能に装着されている。
【0017】
次に作像装置と現像装置の構成について説明する。各装置構成は、供給される現像剤としてのトナーの色が異なる以外は、同一構成であるので、以下、作像装置10Yを例に説明する。
図2は作像装置の構成を示す断面図、図3は図2に示した作像装置における磁力の分布を示す断面図である。作像装置10Yに設けられた帯電装置13Yは、帯電ローラ131と帯電ローラ131の表面を清掃するクリーニングローラ132とを備えている。クリーニング装置15Yは、感光体ドラム表面に接触するクリーニングブラシ151とクリーニングブレード152及び、クリーニングブラシ151とクリーニングブレード152で掻き取られたトナーを廃トナー回収ボトル16へ向かって搬送するトナー回収コイル153とを備えている。
【0018】
現像装置14Yは、二成分現像剤のトナーを担持して感光体ドラム12Yと対向する現像領域に図2において反時計回りに回転移動することで搬送する現像ローラ141と、現像ローラ141と対向配置され、現像ローラ141の表面に担持されたトナーの層厚を規制する現像剤規制部としてのドクタギャップSを現像ローラ141の表面との間に形成するドクタブレード146、現像装置14Y内に収納されている現像剤とトナー補給口145から供給される補給トナーとを攪拌しながら感光体ドラム12Yの軸線方向に往復搬送させつつ現像ローラ141に案内する第2現像剤搬送部材である第2搬送スクリュー142及び第1現像剤搬送部材である第1搬送スクリュー143と、これら各部材を収納支持する現像ケーシング144とを備えている。ドクタブレード146は現像ケーシング144に挟まれるように支持されている。本例では、現像ケーシング144は、前記現像ローラ141を保持する第1ハウジング144Aと、搬送スクリュー142、143を保持する第2ハウジング144Bとに分割して構成されている。図3中に第1ハウジング144Aと第2ハウジング144Bの分割個所をA−A線で示した。
第1ハウジング144Aには、現像ローラ141、ドクタブレード146、トナー補給口145を支持、又は構成する。また、第1ハウジング144Aと、第2ハウジング144Bとは、後述する封止シール部材160を引き抜ける程度の軽圧接状態で両ハウジングの間に前記封止シール部材160の糊代部を挟むように固定される。本例では、この状態で、封止シール部材160を引き抜いて剥がすときのガイド作用をなす。
【0019】
ここで、第1搬送スクリュー143は、前記第2搬送スクリュー142がその軸方向の一端側近傍まで搬送した現像剤を受け取り、前記第1搬送スクリュー143の他端部側近傍まで搬送することで第1搬送スクリュー143との協働により現像剤循環搬送経路を前記第2ハウジング144B内に形成する。
現像ローラ141の内部には、複数の図示しない磁石が配設されている。これら磁石による法線方向の磁力の分布を図3中に符号P1からP5で示す。本実施の形態では、ドクタブレード146の対向極としてP5があり、P1:105mT、P2:95mT、P3:45mT、P4:45mT、P5:84mTとなっている。
ドクタブレード146よりも現像ローラ141の移動方向上流側には、現像ケーシング144に支持された受け部材147が設けられている。現像ローラ141、ドクタブレード146及び受け部材147は、感光体ドラムの軸線方向に延設されている。受け部材147はその形状が略直角三角形をしていて、現像ケーシング144の内部となる第1搬送スクリュー143によってトナーが汲み上げられて滞留する空間部148に向かって、このケーシングから突出している。具体的には、直角三角形の頂部が現像ローラ141の表面に向かって位置するように突出して、ドクタブレード146に隣接されている。受け部材147には、空間部148からドクタブレード146に向かって移動するトナーの受け面147aが設けられている。受け部材147の頂部は、ドクタブレード146の先端とほぼ同一か、幾分低い位置とされている。
【0020】
このような構成の現像装置14Yによると、トナーが滞留してドクタブレード146に向かって流れる空間部148の、ドクタブレード146の層厚規制部周辺に受け部材147を設けているので、ドクタギャップS以外は、受け部材147で隠蔽されることになる。この結果、ドクタギャップSにかかるトナーの剤圧が減少し、ドクタギャップSの変位を抑制されるため、感光体ドラム12Yへ供給するトナーのばらつきが極めて少なくなる。
ドクタブレード146の背面側に受け部材147を設けているが、ドクタブレード146の背面側と受け部材147との間に隙間ができてしまうと、両者の間にトナーが貯まることがあり、ドクタギャップSを狭めかねない。このため、ドクタブレード146の背面側と受け部材147との間に隙間S1を予め設け、この隙間S1に封止シール部材となる板状の弾性部材150を挿み込むことにより介装させことで、この隙間に対するトナーの貯まりや剤の落ちを防止することができる。
【0021】
また、本実施の形態においては、各トナーボトルが各作像装置と個別に装置本体1から着脱可能とされているので、各トナーボトルと各作像装置の交換とを個別に行えるので、不要な交換をしなくて済み、部品交換時のユーザーの出費を低減することができる。また、装置の他の部分の開閉や出し入れの回数が減るため、トナー飛散も防止できるようになり、メンテナンス性の向上を図れる。
本実施の形態でも用いるトナーに、球形度が0.93以上のものを使用することができる。すなわち、画像の画質を向上させるには、トナー粒径を小さくすることが知られているが、小粒径化を行う場合、従来の粉砕型のトナーでは粒径分布がブロードになってしまい扱いにくいという特性がある。そのため重合法等によってトナーの円形度を上げ、粒径分布もシャープなものとして高画質化を実現することができる。しかし、トナーの円形度を上げると球形に近づくために、クリーニング装置15Yでのクリーニングが非常に難しくなるが、本実施の形態では、受け部材147を設けているので、ドクタギャップSの変位による感光体ドラム12Yへのトナー供給量のばらつきが無くなるので、重合法等による球形トナーを使用してもクリーニング性能を維持することができる。
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る現像装置について説明する。
図4は、本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す分解斜視図、図5は本実施の形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。
図4、図5に示すように上ケースである第1ハウジング144A内には、現像ローラ141が回転自在に保持されている。下ケースである第2ハウジング144B内には現像剤を収容する現像剤収容部を備えると共に第1搬送スクリュー143及び第2搬送スクリュー142が保持されており、現像剤を攪拌可能な構成となっている。第1ハウジング144Aと第2ハウジング144Bとは、取り外し可能な構成となっている。通常、第1ハウジング144Aと第2ハウジング144Bとはネジ止めにより固定されており、第2ハウジング144Bの現像剤収容部の開口は、第1ハウジング144Aにより閉止されている。
また、第1ハウジング144Aにはトナー補給口145が空けられており、図示しない補給機構よりトナーを補給することができる。
第2ハウジング144Bの現像剤収容部には現像剤が充填されており、輸送時などに現像剤が漏れ出さないように現像剤収容部の開口が封入シール等の封止シール部材160により封止されている。
【0023】
封止シール部材160は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)に代表される高分子フィルムからなり、ヒートシール材などを用いて、図4に示すコの字型ののりしろ部161により第2ハウジング144Bの上縁部に貼り付けられている。これにより、第2ハウジング144B内の第1搬送スクリュー143の搬送経路と第1ハウジング144Aに保持される現像ローラ141との間を遮断している。封止シール部材160には、攪拌補助部材163が取り付けられている。なお、攪拌補助部材163については後述する。
封止シール部材160の余剰部(端部)は、第2ハウジング144Bの側面にある不図示のスリットを経て、第2ハウジング144Bの側面に取り付けられたシール巻取ケース150内のシール巻取軸151に巻き付けられており、図示しない駆動源が駆動したときにシール巻取ケース150によって巻き取られる機構となっている。
【0024】
図6は、封止シール部材の巻き取り動作を示した図であり、(a)は封止シール部材が巻き取られる前の状態を示した図、(b)は封止シール部材が巻き取られた後の状態を示した図である。
図6(a)に示す封止シール部材160がシール巻取ケース150によって巻き取られる前段階では、上記したように第2ハウジング144B内の現像剤が漏れ出さないように、第1搬送スクリュー143と現像ローラ141との間に封止シール部材160が貼り付けられている。
また封止シール部材160の終端部(シール巻取軸151に取り付けられている端部とは逆側の端部)には現像剤の攪拌を補助するための攪拌補助部材163となっている。なお、封止シール部材160の終端部は、端縁だけでなくその近傍も含むものとする。
このため、図4、図5に示すように第2ハウジング144Bと接着されるシート部材160ののりしろ部161より先が折り返されて第2ハウジング144B内に収納されている。
【0025】
シール巻取ケース150の駆動源が作動すると、シール巻取ケース150のシール巻取軸151が回転し、貼り付けられていた封止シール部材160は第2ハウジング144Bから剥がされて、シール巻取軸151に巻き取られ、最終的には攪拌補助部材163が後述する固定部材及び固定機構によって第2ハウジング144Bとシール巻取ケース150との隔壁に固定される。この結果、攪拌補助部材163は、第2搬送スクリュー142の外周に軽く接触可能な状態第2ハウジング144Bの現像剤収容部内に突出させつつ設置されることになる。第2搬送スクリュー142の外周は、図7(a)に示すように、第2搬送スクリュー142の中心軸の外周である内径142a及びスクリューの外周である外径142bを指す。
この結果、攪拌補助部材163は、第2搬送スクリュー142の動きに合わせてハウジング(第2ハウジング144Bとシール巻取ケース150との隔壁)との固定点を中心とした円軌道上をパタパタと揺動動作することにより、第2搬送スクリュー142の上面に付着して攪拌されない現像剤や、現像剤を上滑りするトナーを攪拌箇所へと移動させたりする攪拌補助として機能する。
【0026】
攪拌補助部材163は、マイラーに代表されるプラスチック材からなり、第2搬送スクリュー142の内径・外径共に接触し易くするために、図7(b)(c)に示すように先端が凹凸形状になっている。なお、本実施形態では攪拌補助部材163の先端部形状が、図7(b)では凸部が短冊状、図7(c)では凸部がテーパー形状となっているが、第2搬送スクリュー142の形状、攪拌機能や部材の加工性を考慮し、凸部の形状及び材質を自由に選択すればよい。
【0027】
〈第1の実施例〉
次に、本実施の形態に係る現像装置の攪拌補助部材の固定方法について説明する。
図8は本実施形態の攪拌補助部材の構成を示した図、図9は攪拌補助部材を固定する固定機構の一例を示した図である。
図8(a)に示すように、攪拌補助部材163の長手方向両端部には、円筒状の固定部材164が取り付けられている。固定部材164は現像剤に接するため、現像剤が磁性体を含む場合は非磁性体である必要性がある。シール巻取ケース150の第2ハウジング144B側の側面には、図9に示すように、固定部材164の幅と略同一とされる固定機構165が備えられている。図9に示す固定機構165は、固定部材164を収容可能なアルファベットのC型形状の部材により構成されている。
この場合、シール巻取軸151が回転してシール巻き取りが開始されると、シール巻取ケース150にシート部材160が巻き取られていき、図9に示すように、最終的に固定部材164が固定機構165内に収納されると、固定部材164が現像装置内へ戻らないように位置決めされ、固定部材164を支軸として攪拌補助部材163は回転可能となる。
【0028】
図10は、攪拌補助部材を固定する固定機構の他の例を示した図である。なお、図9と同一部位には同一符号を付して説明は省略する。
図10に示す固定機構165には逆止弁166が設けられており、固定部材164が固定機構165内に収納されると逆止弁166が閉じて、固定部材164が現像装置内に戻らないような構成となっている。なお、図9に示すような固定機構165であれば、図8(b)に示すように、固定部材164が攪拌補助部材163の長手方向に沿って取り付けられた円筒状の部材でも良い。
【0029】
次に、図11を用いて、シール巻取軸と駆動軸を分離する方法とその動作について説明する。
本実施形態ではシール巻取ケース150内のシール巻取軸151には専用の駆動源がなく、第2ハウジング144B内の第1搬送スクリュー143及び第2搬送スクリュー142と共通の駆動源を持つ場合を例に挙げて説明する。
シール巻取ケース150内のシール巻取軸151の駆動源を第1搬送スクリュー143及び第2搬送スクリュー142と共通にした場合は、部品点数が少なくなりコストダウンを図ることができる。また必要なスペースを小さくて済むという利点がある。
また、シール巻取ケース150内のシール巻取軸151の駆動源と第1搬送スクリュー143及び第2搬送スクリュー142の駆動源を別々に構成することも勿論可能であり、その場合は、駆動源のトルクを小さくできるという利点がある。
【0030】
図11では、不図示のモーター(駆動源)により、第1搬送スクリュー143のギア61が駆動され、第2搬送スクリュー142のギア62を経てからシール巻取軸151のギア63まで駆動が伝達される。各ギア61、62、63は、図11中の矢印方向に回転する。シール巻取軸151は、ギア63と直接連結する駆動軸151aとシート部材160を巻き取るシール巻取軸151bに分離可能であり、駆動軸151aとシール巻取軸151bは、図11に示すようにネジ結合部151cで結合されている。固定部材164が固定機構165内に収納され、シール巻取軸151の回転が停止した状態でシール巻取軸151bのみが矢印の方向に回転を続け、ネジ結合部151cの緩みが開始される。なお、ネジ結合部151cのネジは、シール巻取軸151の回転が停止した状態でネジが緩むようにネジ切りがされている。つまり、シール巻取ケース150に設けられて封止シール部材160を巻き取るシール巻取軸151の軸端部には、駆動部に連結されている駆動軸の軸端部が同一軸心状に連結されており、シール巻取軸151によって封止シールが巻取りを完了した後で、駆動軸からシール巻取軸151に対する駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断機構としてネジ結合部(螺子締結部)151cが設けられている。
この際、シート部材160を巻き取るときにシール巻取軸151にかかるトルクは、ネジ結合部151cが緩まないようなトルクにする必要性がある。シール巻取軸151bの回転が固定部材164及び固定機構165によって停止し、シール巻取軸151bが駆動軸151aから完全に分離されるまでは、第1搬送スクリュー143、第2搬送スクリュー142のトルクは一時的に上昇するが、分離された後は、ルク負荷がギア63のみを回転させる分のみとなる。
【0031】
このように構成すれば、現像剤を封入する封止シール部材160と攪拌補助部材163を共通部品にすることで、コストダウン及び部品点数を減らし低環境負荷とすることができる。
さらに攪拌補助部材163を現像装置にしっかりと固定することができるので耐久性が向上する。また製造工程で攪拌補助部材163を現像装置に接着する必要性がないため、組み付け性向上を図ることができる。
また、シール巻き取り機構専用の駆動源をなくすようにすれば、上記したようにさらなるコストダウン及び部品点数を減すことができる。
【0032】
〈第2の実施例〉
次に、本実施の形態の現像装置の第2の実施例について説明する。
図12は、本実施の形態に係る現像装置に備えられる検知センサーを示した図である。
図12に示すように、本実施の形態に係る現像装置においては、シール巻取ケース150内のシール巻取軸151の直前に検知センサー200が配置されている。検知センサー200は、出力部201と入力部202を備えた例えば光学センサーや電流を検知する電流センサーによって構成されている。検知センサー200は、封止シール部材160がシール巻取軸151に巻き取られる前と巻き取られる後では、検知センサー200の入力値に対して出力値が異なるように構成されている。例えば、検知センサー200が光学式センサーであれば、封止シール部材160に予め不透明処理を施しておき、これを被検知部材とすることで封止シール部材160がシール巻取軸151に巻き取られる前と後で検知センサー200の入力値に対して出力値が異なるように構成することができる。
【0033】
このように構成すると現像装置を画像形成装置にセットしたときに、封止シール部材160が巻き取られているか、あるいは巻き取られていないか、つまりセットされた現像装置の封止シール部材160の表面に形成した被検知部材を検知センサー200により検知することで、検知センサー200の検知結果からセットされた現像装置が新品の現像装置であるか、或いは使用済の現像装置であるかを判断することが可能になる。
これにより、例えば画像形成装置に新品の現像装置がセットされた場合、画像形成装置が自動で初期剤設定動作を開始することが可能となる。
【0034】
図13は、画像形成装置が実行する初期剤設定動作処理の一例を示した図である。
この場合、画像形成装置の制御部は、ステップS1において、現像装置がセットされ、且つ、当該画像形成装置のフロントカバーが閉じられたか否かの判別を行う。ステップS1において、現像装置がセットされ且つ画像形成装置のフロントカバーが閉じられたと判別した場合は、続くステップS2において、検知センサー200により封止シール部材160が巻き取られているか否かの判別を行う。ステップS2において、封止シール部材160が巻き取られていると判別した場合は、初期剤を設定する初期剤設定動作を行うことなく処理を終了する。一方、ステップS2において、封止シール部材160が巻き取られていないと判別した場合、即ちセットされた現像装置が新品であると判別された場合はステップS3に進み、初期剤を設定する初期剤設定動作を開始する。この後、初期剤設定動作処理を終了する。
なお、本実施の形態では、検知センサー200が現像装置に取り付けられている場合を例に挙げて説明したが、検知センサー200は検知位置に合わせて画像形成装置側に設置することも可能である。検知センサー200を画像形成装置側に設置した場合は、交換する機会のある現像装置単体のコストを抑えることができる。
但し、検知センサー200を画像形成装置側に設置する場合は、現像装置の上ケースである第2ハウジング144Bの検知位置を透明性ガラスなどにより構成する必要がある。
【0035】
〈第3の実施例〉
次に、本実施の形態の現像装置の第3の実施例について説明する。
第2の実施例では、輸送時などに現像装置の現像剤が漏れ出さないように貼り付けられている封止シール部材160に不透明処理を施していたのに対して、第3の実施例では、封止シール部材160に金属などの導電性物質による薄膜をコーティングし、その薄膜を回路の一部とすることで電流の有無を検知センサー200で読み取らせるように構成したものである。
【0036】
図14、図15は、本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
図14に示す例では、封止シール部材160に金属などの導電性物質による薄膜を識別部材210として各トナー色別に位置を変えてコーティングし、各識別部材(Y、M、C、B)210を検知センサー200(Y、M、C、B)によって検知することで現像装置のトナー色を判別するように構成したものである。なお、図14に示す例では、トナー色がイエローの封止シール部材160が示されている。但し、図14に示す例では、封止シール部材160が巻き取られる過程でトナー色検知機能が動作するのではなく、現像装置を画像形成装置にセットした時にトナー色検知機能が作動する仕組みである。
図15に示す例では、図15(a)に示すように各トナー色に対応して識別部材210(Y、M、C、B)の長さを変化させるように構成することで、図15(b)(c)に示すように、封止シール部材160(Y、M、C、B)を巻き取る際の電流が流れる時間の長さに応じて検知センサー200(Y、M、C、B)でトナー色を判別するように構成したものである。
このように構成すると、ユーザーが特定のトナー色の現像装置をセットした時に、別のトナー色の現像装置を誤ってセットしてもトナー色検知機能によって判別することができので、現像装置へのトナーの混色を防止することができる。
【0037】
〈第4の実施例〉
次に、本実施の形態の現像装置の第4の実施例について説明する。
図16は、本実施の形態の現像装置による新品検知機能を示した図である。
図16に示す現像装置では、封止シール部材160に帯状の導電性物質膜からなる識別パターン220Aをコーティングすると共に、封止シール部材160が巻き取られていないときは、封止シール部材160上の識別パターン220Aが現像装置側に形成されている識別パターン220Bと接触するように構成したものである。このように構成した場合は、現像装置が新品であれば、図16(a)に示すように封止シール部材160が巻き取られていない状態であるため、接触状態にある識別パターン220Aと220Bを通して検知センサー200に電流が流れる。一方、図16(b)に示すように封止シール部材160が一部巻き取られている場合、或いは既に使用済の現像装置をセットされた場合は検知センサー200に電流が流れないことになる。従って、このように構成した場合は、封止シール部材160が巻き取られずに検知センサー200に電流が流れる状態の時に、検知センサー200が新品であると検知することが可能になり、上記したような初期剤設定動作開始のトリガーとして機能させることができる。
【0038】
〈第5の実施例〉
次に、本実施の形態の現像装置の第5の実施例について説明する。
図17、図18は、本実施の形態の現像装置によるトナー色検知機能を示した図である。
図17、図18に示す現像装置のトナー色検知機能が、上記図14、図15に示した現像装置のトナー色検知機能と異なる点は、封止シール部材160に、識別パターン220(Y、M、C、B)を書き込み、検知センサー200によって、その識別パターンを読み取るように構成していることである。
図17に示す例では、図17(a)に示すようにトナー色と対応させて4つの検知センサー200(Y、M、C、B)の位置と識別パターン220(Y、M、C、B)の書き込み位置を変えることで、図17(b)(c)に示すように、トナー色の種類を識別パターンの位置の違いによって、検知センサー200(Y、M、C、B)でトナー色の種類を判別するようにしている。
また、図18に示す例では、図18(a)に示すように1つの検知センサー200を設置し、トナー色に対応して識別パターン220(Y、M、C、B)の長さを変化させることで、図18(b)(c)に示すように、この識別パターンの長さの違いによってトナー色種類を判別するようにしている。
【0039】
〈第6の実施例〉
図19は、本実施の形態の現像装置の第6の実施例を示した図である。
図19では、現像装置の封止シール部材160に、例えばバーコード状の識別パターン230を書き込み、検知センサー200によって、その識別パターン230を読み取るように構成したものである。
このように構成すると、封止シール部材160のスペースを広げることなく、封止シール部材160により多くの情報を蓄積することが可能になる。
またこの場合は、検知センサー200によって、より細かい情報まで検知することが可能となるので、例えば現像装置の寿命を検知し、その現像装置の寿命(印刷枚数)に応じて、「現像装置の交換を行ってください」などの現像装置の寿命を自動でユーザーへ通知することが可能となる。
また、識別パターンに、例えば現像装置寿命(印刷枚数)の他に、トナー色・製造情報(製造場所・年月日・ロット番号)等の情報を記憶させることも可能になる。
また、現像装置の製造情報を画像形成装置に蓄積させるようにしておけば、不具合・故障が生じた時に、即座に情報確認がモニタリングできるという利点もある。
【0040】
このように本実施形態の現像装置においては封止シール部材160を利用して、シール機能である封入機能の他にトナー色検知機能を実現しているので、ユーザーが間違えて異なるトナー色の現像装置をセットしてしまっても、現像装置を破損することなくトナー色検知を行うことができる。
つまり、従来のメカ非互換性を採用した現像装置のように、ユーザーが異なる個所へ無理やり現像装置をセットして現像装置を破損して、例えばトナー色検知機能が機能しなくなってしまうという不具合が発生するおそれが無いという利点がある。
また、メカ非互換以外のトナー色検知機能としてIDチップを使用したものがある。IDチップを搭載した現像装置では、新品の現像装置を画像形成装置にセットした後、電源をONにすることで、トナー色検知動作が開始することになる。このようなIDチップを搭載した現像装置では、交換する機会のある現像装置単体のコストがIDチップ分だけ高くなる。これに対して、本実施形態の現像装置は、現像装置の封止シール部材160に情報を記録することができ、しかも検知センサー200を現像装置ではなく画像形成装置側に設けることができるため、現像装置単体のコストを低減することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
141…現像ローラ、142…第2搬送スクリュー、142a…スクリュー軸、143…第1搬送スクリュー、150…シール巻取ケース、151…シール巻取軸、160…封止シール部材、163…攪拌補助部材、164…固定部材、165…固定機構、200…検知センサー、220 230…識別パターン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2001−075346公報
【特許文献2】特開2000−235301公報
【特許文献3】特開2001−188415公報
【特許文献4】特開2005−10286公報
【特許文献5】特開2006−106282公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラを回転自在に支持する第1ハウジングと、
現像剤を収容する現像剤収容部を備えると共に、該現像剤収容部の開口を前記第1ハウジングにより閉止する第2ハウジングと、
前記第2ハウジング内の現像剤を軸方向へ搬送し、且つ前記現像ローラに現像剤を供給する回転式の第1現像剤搬送部材と、
前記第1現像剤搬送部材の軸方向の一端側近傍まで搬送された現像剤を受け取り、前記第1現像剤搬送部材の他端部側近傍まで搬送することで第1現像剤搬送部材との協働により現像剤循環搬送経路を前記第2ハウジング内に形成する第2現像剤搬送部材と、
前記現像剤収容部の開口を封止する封止シール部材と、
前記封止シール部材を除去して前記現像ローラと前記第2現像剤搬送部材との間を連通させるシール除去機構と、
前記封止シール部材の表面に形成された被検知部材と、
前記被検知部材を検知する検知手段と、を備えていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、前記被検知部材は、前記現像装置に関する情報を識別するための識別部材であることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の現像装置において、前記識別部材が導電性物質により形成され、
前記検知手段は、導電性物質であるか否かを電流変化により検知することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の現像装置において、
前記識別部材を識別パターンにより形成し、
前記検知手段は前記識別パターンを検知することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置において、
前記識別パターンは、当該現像装置に使用されるトナー色を識別する識別情報であることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項4に記載の現像装置において、
前記識別パターンは、当該現像装置が新品であるか否かを識別する識別情報であることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラを回転自在に支持する第1ハウジングと、
現像剤を収容する現像剤収容部を備えると共に、該現像剤収容部の開口を前記第1ハウジングにより閉止する第2ハウジングと、
前記第2ハウジング内の現像剤を軸方向へ搬送し、且つ前記現像ローラに現像剤を供給する回転式の第1現像剤搬送部材と、
前記第1現像剤搬送部材の軸方向の一端側近傍まで搬送された現像剤を受け取り、前記第1現像剤搬送部材の他端部側近傍まで搬送することで第1現像剤搬送部材との協働により現像剤循環搬送経路を前記第2ハウジング内に形成する第2現像剤搬送部材と、
前記現像剤収容部の開口を封止する封止シール部材と、
前記封止シール部材を巻取り除去して前記現像ローラと前記第2現像剤搬送部材との間を連通させる封止シール除去機構と、
前記封止シール除去機構により巻き取られる前記封止シール部材の終端部、或いは該終端部に設けた攪拌補助部材を前記第2の現像剤搬送部材の外周と接触可能な状態で前記現像剤収容部内に突出させつつ固定する固定機構と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像装置において、
前記攪拌補助部材には、前記固定機構に固定するための固定部材が設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の現像装置において、前記固定機構と前記固定部材によって固定された前記攪拌補助部材は、前記固定部材を中心軸として揺動可能であることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか一項に記載の現像装置において、前記シール除去機構を駆動する駆動源と前記第2現像剤搬送部材の駆動源とは、同一駆動源、又は別個の駆動源であることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の現像装置において、前記封止シール除去機構を駆動する駆動源と前記第2現像剤搬送部材の駆動源とが同一駆動源である場合に、
前記シール除去機構に設けられて前記封止シール部材を巻き取るシール巻取軸の軸端部には、前記駆動部に連結されている駆動軸の軸端部が同一軸心状に連結されており、前記シール巻取軸によって前記封止シールが巻取りを完了した後で、前記駆動軸から前記シール巻取軸に対する駆動力の伝達を遮断する駆動力遮断機構が設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項12】
請求項11に記載の現像装置において、駆動力遮断機構は、シール巻取り軸端部と、前記駆動軸端部に夫々設けられた螺子締結部から構成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の現像装置と、感光体と、前記感光体を回転可能に保持した感光体ハウジングとを一体に構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の現像装置又は請求項13に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−159602(P2012−159602A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18091(P2011−18091)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】