現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
【課題】現像装置の現像剤循環路における現像剤のトナー濃度を精度よく検知して、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御を実現し、画質を高めることが可能な現像装置、及びこれを搭載したプロセスカートリッジ、画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーとキャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体41,42と、軸441及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板442から成り、軸中心線Lc回りに回転することによって現像剤を攪拌してトナーを分散させる現像剤撹拌部材44と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域Eを移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサ48を備え、現像剤撹拌部材44の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下に設定した。
【解決手段】トナーとキャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体41,42と、軸441及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板442から成り、軸中心線Lc回りに回転することによって現像剤を攪拌してトナーを分散させる現像剤撹拌部材44と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域Eを移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサ48を備え、現像剤撹拌部材44の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下に設定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真プロセスにおける現像装置、及びこれを搭載したプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、画像形成装置においては、例えば感光体より成る潜像担持体に対し、電子写真方式あるいは静電記録方式等によって所定の静電潜像を作像し、この静電潜像をトナー像として可視像化している。この可視像化機能を達成する乾式現像剤を用いた現像装置では、磁性体を含んだ1成分現像剤と、トナーとキャリアを有する2成分系の現像剤を感光体面に供給して静電潜像を可視像化できるようにしたものがある。
【0003】
このような現像装置の内、特に、2成分系の現像剤を用いる現像装置では、トナーが可視像化に利用されることにより、この現像剤中の非磁性トナーのみの濃度が低下する。そこで、現像剤中のトナーの濃度が低下すると、トナーホッパーから、トナーがトナー補給ローラの回転によって現像剤中に補給されるようになっている。ここで現像剤中に供給されたトナーはキャリアに対して摩擦帯電によって吸着されると共に均一に拡散するよう、現像剤循環路を移動中にキャリアと共に攪拌されている。
このように現像装置では、現像剤中のトナーの濃度の低下に応じて現像剤中にトナーを供給し、均一に拡散する必要があり、更に、トナーとキャリアを摩擦帯電によって吸着させるため、現像装置には現在の循環路及びこの循環路内でトナーとキャリアを攪拌する手段が設けられている。
【0004】
例えば、特許文献1の画像形成装置では、感光体ドラム上に形成した画像面積が多い時には撹拌パドルの回転数を上昇させ、少ない時には回転数を下げて現像ローラへ供給する現像剤の量を少なくしている。更に、感光体上に付着するトナー濃度をトナー濃度検知手段(Pセンサ)により検知し、トナー濃度が低くなった場合には、トナー補給ローラを駆動してトナーを現像装置本体へ補給している。
更に、特許文献2の画像形成装置では、現像装置の駆動負荷が、現像剤の供給量に関連すると見做し、現像装置の駆動負荷に応じて現像剤供給部材の回転数を制御することにより、現像部材へ充分な現像剤を供給し、濃度ムラや濃度低下の発生を防止している。
【0005】
更に、特許文献3の現像剤攪拌方法で用いる現像装置には、感光体ドラムにトナーを供給する現像スリーブにループ状の剤循環経路が接続される。この剤循環経路は並列配備された第1、第2の剤撹拌搬送部材を備え、これらの両端部は互いに連通されることで剤循環経路が形成される。この剤循環経路の一部にはトナー補給口と、その下流にトナー濃度を検知する剤濃度検知手段が配備され、これにより、適量の補給トナーを現像剤中へ拡散させている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−175311号公報
【特許文献2】特開平7−181794号公報
【特許文献3】特開2001−343825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の2成分系の現像剤を用いる現像装置では、補給のトナーを現像剤中に供給し、均一に拡散し、トナーとキャリアを摩擦帯電によって吸着させることができる。しかし、引用文献1の画像形成装置では、感光体ドラム上の画像面積に応じて撹拌パドルの回転数を制御し、剤循環経路のトナー濃度に応じてトナー補給ローラの回転を制御するというものであり、装置の複雑化を招く上に、剤濃度検知手段の検知精度が特に向上するというものではない。
更に、特許文献2の画像形成装置では現像装置の駆動負荷が経時的に変動し、あるいは外乱により変動した場合には、現像剤の濃度制御が不安定化し、濃度ムラや濃度低下を招く可能性がある。
【0008】
更に、特許文献3の現像剤攪拌方法で用いる現像装置では、剤濃度検知手段を通過する現像剤の移動速度を低速化するが、上下の適正速度範囲内に規制するものではなく、比較的検知精度の低いものとなる。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、目的とするのは、現像装置の現像剤循環路における現像剤のトナー濃度を精度よく検知して、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御を実現し、現像された画像の画質を高めることが可能な現像装置、及びこれを搭載したプロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記課題を達成するため以下の構成とした。
【0010】
第1の発明である現像装置は、少なくとも、非磁性トナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体と、軸及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板から成り、軸中心線回りに回転することによって現像剤を攪拌して前記トナーを分散させる現像剤撹拌部材と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域を移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサを備えた現像装置において、前記現像剤撹拌部材の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下にしたことを特徴とする。
【0011】
第2の発明である現像装置は、請求項1記載の現像装置において、前記回転傾斜板は楕円板であり、前記現像剤撹拌部材の最大周速が前記楕円板の外周縁の値として算出され、同楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径をD(mm)、前記軸の回転数をA(rpm)とすると、
最大周速(mm/sec)=π*D*A/60
として算出されることを特徴とする。
【0012】
第3の発明である現像装置は、請求項1又は2に記載の現像装置において、前記現像剤撹拌部材を枢支するケースの一部が前記回転傾斜板を囲む攪拌部材対向壁として形成され、同攪拌部材対向壁と前記回転傾斜板の隙間(ギャップ)を1mm以下としたことを特徴とする。
【0013】
第4の発明である現像装置は、請求項1、2又は請求項3に記載の現像装置において、前記磁気センサのセンサ面が前記攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されたことを特徴とする。
【0014】
第5の発明である現像装置は、請求項4に記載の現像装置において、前記磁気センサの現像剤撹拌部材側に突設されたセンサ面の周縁部分より前記攪拌部材対向壁の内壁面に向かって環状の傾斜壁を連続形成したことを特徴とする。
【0015】
第6の発明である現像装置は、請求項5に記載の現像装置において、前記環状の傾斜壁と前記磁気センサのセンサ面との接続部及び前記環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部をそれぞれ滑らかに接続する(連続的に変化させる)ことを特徴とする。
【0016】
第7の発明である現像装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の現像装置において、前記磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることを特徴とする、
第8の発明である現像装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の現像装置において、前記非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いることを特徴とする。
【0017】
第9の発明であるプロセスカートリッジは、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置を搭載したことを特徴とする。
【0018】
第10の発明である画像形成装置は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置、及び請求項9に記載のプロセスカートリッジを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1の効果は、現像剤撹拌部材の最大周速が許容下限値となる415mm/secを下回る場合には、現像剤撹拌部材8の現像剤攪拌能力が低下し、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラが発生し、画像品質の劣化に繋がるが、ここでは、最大周速が許容下限値の415mm/sec以上に設定されるので、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、画像品質の向上を図ることができる。更に、現像剤撹拌部材8の最大周速が許容上限値となる610mm/secを上回る場合には、トナー濃度の変化に対するセンサ16の出力の変化が小さくなり(センサ感度が小さくなる)、トナー補給量、及びトナー濃度の制御が困難になり、画質の劣化に繋がるが、ここでは、最大周速が許容上限値の610mm/sec以下に設定されるので、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0020】
本発明の請求項2の効果は、楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径D(mm)と、軸の回転数A(rpm)とを選択的に設定することで、最大周速を許容下限値と許容上限値の間に比較的容易に設定でき、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正できると共にセンサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の請求項3の効果は、回転傾斜板(楕円板)15とケース17の一部である攪拌部材対向壁との隙間を1mm以下としたので、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の請求項4の効果は、磁気センサ16のセンサ面が攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されるので、センサ面上での現像剤の動きが容易化され、現像剤撹拌部材の回転傾斜板による攪拌を受けやすく、センサ面上に現像剤が滞留しにくくなるため、トナーの消費、補給に対して磁気センサが反応しやすい。その結果、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図ることができる。
【0023】
本発明の請求項5の効果は、現像剤撹拌部材側に突設された磁気センサの部分があると、その突設された部分が障害となって、磁気センサの周辺の現像剤の動きが阻害されるが。ここでは、現像剤は環状の傾斜壁に沿って移動しやすくなり、磁気センサの突設された部分が障害物ではなくなるため、突設部分の周辺で現像剤の滞留が起こりにくくなり、磁気センサ16のセンサ面上には常に循環している現像剤が存在する。つまり、磁気センサ16が、循環している現像剤のトナー濃度を検知できるため、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
【0024】
本発明の請求項6の効果は、磁気センサのセンサ面との接続部及び環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部での現像剤が移動しやすくなる。これにより、現像剤の滞留がより起こりにくくなり、磁気センサ16のセンサ面上には循環している現像剤が存在しやすくなり、磁気センサ16が循環している現像剤のトナー濃度を常に検知できる。その結果、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
【0025】
本発明の請求項7の効果は、請求項7を満たすキャリアを用いることで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れる。
【0026】
本発明の請求項8の効果は、請求項8を満たすトナーを用いることで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れる。
【0027】
本発明の請求項9の効果は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの作用効果を持ったプロセスカートリッジを実現できる。
【0028】
本発明の請求項10の効果は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの作用効果を持った画像形成装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を適用した「第1実施形態」としての現像装置を説明する。
ここで、図1は本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図であり、画像形成部の構成例のみを図示してある。なお、画像形成装置が複写機やファクシミリ、あるいは複合機等の場合には、本体上部に原稿画像を読取る原稿読取装置(スキャナ)が付加される。
【0030】
図1において、符号1は像担持体であるドラム状の感光体であり、帯電装置2による帯電と、光書込み装置3による画像情報に応じた光書込みによって感光体1の表面に静電潜像が形成される。現像装置4はトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いる。この現像装置4は現像剤担持体である一対の現像ローラ41、42を備え、これらにより現像剤を担持搬送し、感光体1上に形成された静電潜像をトナーによって現像して可視像を形成する。
【0031】
図1に示す画像形成装置であるプリンター20には、このような帯電装置2、光書込み装置3、現像装置4の他に、感光体1上のトナー像を記録紙等の転写材Pに転写する転写装置5、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6、感光体表面の残留電荷を除去する除電装置7、さらには記録紙等の転写材Pに転写後の画像を定着する定着装置8、定着後の転写材Pを排紙する排紙ローラ15、排紙された転写材Pがストックされる排紙トレイ16等が装備されている。
【0032】
また、プリンター20には、記録紙等の転写材Pを収納した多段の給紙カセット9−1、9−2と、各給紙カセット9−1、9−2から1枚づつ転写材Pを給紙するための給紙ローラ10と分離ローラ対11と、多段の給紙カセット9−1、9−2のうちの一つから選択的に給紙された転写材Pを搬送する搬送ローラ12、13と、画像形成にタイミングを合わせて転写材Pを感光体1と転写装置5の間の転写部に送り出すレジストローラ14が設けられている。
【0033】
図1、2に示すように、現像装置4内には、非磁性トナーと磁性キャリアを有する2成分系の現像剤が収容されていて、この現像剤中のトナーの濃度が低下すると、このトナーの濃度情報に応じて後述の制御装置61によりトナーホッパー49が駆動され、トナーがトナー補給ローラ51の回転量に応じた量だけ、現像剤循環路R(図2中の2点鎖線参照)を移動中の現像剤に補給されるようになっている。
現像装置4の基枠を構成するケーシング40の内部には、ドラム回転方向n(図2参照)に沿って前後に並列配備された現像剤担持体としての一対の現像ローラ41、42が配備され、その近傍に現像ローラ41に向けて現像剤を搬送するための現像剤搬送部材45が設けられる。
【0034】
図2に示すように、一対の現像ローラ41、42はほぼ同様に形成されることより、ここではドラム回転方向nで前側の現像ローラ41を主に説明する。現像ローラ41は、非磁性体を円筒形に形成した現像スリーブ411と、複数の磁極が着磁された磁石体(マグネットローラ)412からなり、現像スリーブ411の内側にマグネットローラ412が固定配置されている。現像剤搬送部材45や現像剤撹拌部材44によって現像剤循環路Rを循環しながら攪拌・混合されている現像剤は、現像ローラ41内のマグネットローラ412の磁力により磁気的に吸着され、現像スリーブ411の図中矢印方向への回転に伴い、現像スリーブ表面に設けられた図示しない凹凸により担持搬送される。現像スリーブ411で担持搬送された現像剤は、ドクターブレード47で現像材量と層厚を規制された後、感光体1と対向する現像領域に搬送され、感光体1上の静電潜像を現像剤中のトナーで現像する。なお、ドクターブレード47で掻き取られた現像剤はセパレータ52の方へと導かれる。
【0035】
このような現像ローラ41に対して、ドラム回転方向nでの下流側に現像ローラ41とほぼ同様に、非磁性体を円筒形に形成した現像スリーブ421とマグネットローラ422を備えた現像ローラ42が並列配備される。この現像ローラ42はドラム回転方向nで上流側の現像ローラ41と同方向に回転し、現像ローラ41からの現像剤を受け取る。この現像ローラ42に担持搬送される現像剤でも、感光体1上に作像された静電潜像がトナー像として可視像化される。
図1、2において、現像ローラ41、42の右側には現像剤搬送部材45が並列配備される。現像剤搬送部材45は図1、2において、反時計方向に回転駆動され、その右側に対向配備された現像剤撹拌部材44は時計方向に回転駆動される。
【0036】
現像剤搬送部材45は現像剤を現像ローラ41に供給するもので、図2、図10に示すように、ケーシング40に枢支された回転軸451を備え、同回転軸451の拡径部の外周面からは長片状の回転羽根452を回転方向に互いに等間隔で複数突き出すように形成される。なお、回転羽根452は、現像ローラ41の軸方向長さと同等の長さを備え、これによって現像ローラ41に対してその軸方向において現像剤を一様に供給できるように形成される。回転軸451の一端は不図示の回転駆動源に連結され、適時に回転して現像剤循環路Rの現像剤を現像ローラ41に搬送するよう駆動する。
【0037】
現像剤搬送部材45により現像剤は反時計方向に回転する現像ローラ41の周面に供給され、磁力により担持されつつ、回転方向に搬送される。現像ローラ41により担持搬送される現像剤中のトナーにより、時計方向に回転する潜像担持体である感光体1上に作像された静電潜像がトナー像として可視像化される。
現像剤搬送部材45の上方のセパレータ52は、図3、図4に示すように、長枠状のセパレータ基枠521を備え、その内部に一定の角度aをもって列設させたフィン522を備える。しかもセパレータ基枠521の一側端には、回転駆動される現像剤搬送スクリュー部材53を備える。図3に示すように、セパレータ基枠521内に達した現像剤は複数のフィン522を通ることで移動方向を規制される。即ち、一方側より他方である図3に示す右側より左側に矢印fのように寄せられつつ搬送され、その上で現像剤撹拌部材44の方向(図2中の符号f1参照)に落とされる。
【0038】
これと同時に、セパレータ52に達する現像剤の内の一部はセパレータ開口523(図3参照)に流入し、同セパレータ開口523を通って現像剤搬送スクリュー部材53の一端側に落下する。落下した現像剤は、現像剤搬送スクリュー部材53によって破線矢印の向きに運ばれながら、他端側である図3において右端側に寄せられ、現像剤撹拌部材44の方に落とされる。これによって、セパレータ52に達する現像剤の現像剤搬送路Rの路幅方向(例えば、図3中での横方向)での攪拌を確実に行うこととなる。
【0039】
図1、2に示すように、セパレータ52とトナー補給ローラ51の下方に現像剤撹拌部材44が配備される。現像剤撹拌部材44は、セパレータ52からの現像剤、あるいは、この現像剤にトナーホッパー49から適量供給されるトナーを受け取り、軸中心線(図5参照)Lc回りに回転することによって、現像剤を横撹拌(回転軸方向Yの往復運動)してトナーをキャリア中に均一に分散させる。
図5(a)、(b)に示すように、現像剤撹拌部材44は1本の軸441を備え、その軸441上に、多数の回転傾斜板としての楕円板442が、一定の間隔Jで一定の角度bをもって固定的に軸装される。
【0040】
このような現像剤撹拌部材44はその軸441の両端がケーシング40に枢支される。しかも、軸441の一端は不図示の回転駆動源側に連結され、適正回転数A(rpm)で回転するように制御装置61によって制御される。ここで、現像剤撹拌部材44の回転時において、楕円板442の回転軌跡、即ち、楕円板442の軸方向の投影軌跡は円であり、その最大の投影円直径をD(図5(b)参照)mmとすると、その投影円直径をD(mm)より所定量大径の回転エリア(例えば、図6に2点鎖線d1で示すエリア)が現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eとなる。即ち、攪拌領域Eは、ここに達した現像剤を回転する各楕円板442の影響により横撹拌(回転軸方向Yの往復運動)され、トナーとキャリアを摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることが可能な領域として設定される。
【0041】
ところで、図2、図6に示すように、現像剤撹拌部材44を枢支するケーシング40の低壁側の一部であって、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eと連続して対向する湾曲壁部401が形成される。湾曲壁部401は、その内壁面が現像剤撹拌部材44の各楕円板442の最大外径部位との隙間(ギャップ)tを1mm以下に設定される。
このように隙間(ギャップ)tを設定したのは、次の理由による。
【0042】
本発明者は、隙間(ギャップ)tの変化に対するベタ画像濃度ムラの大きさの変化特性を検討した。この結果、図11に示すように、隙間(ギャップ)を1mm、1.5mm、2mmと変化させた時、現像ベタ画像濃度ムラの大きさは、隙間tが2mm、1.5mm、1mmと小さくなるにつれて、相対的にベタ画像濃度ムラは小さくなる。よって、現像剤撹拌部材44の回転抵抗や、現像剤の形状特性等を考慮した上で、隙間tは1mm以下が好ましいこととなる。これによって、現像された画像のベタ画像濃度ムラは小さくなり、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0043】
図6に示すように、ケーシング40の湾曲壁部401の一部であって、現像剤撹拌部材44の近傍、即ち、攪拌領域Eと対向する位置に、現像剤中のトナー濃度を検知する磁気センサ48が取付けられている。この磁気センサ48はセンサ面上の磁性キャリアの数(透磁率)に応じた電圧値を出力するよう機能する。つまり、トナー濃度が高くなるとセンサ面上の磁性キャリアの数が減り(透磁率が小さくなる)、センサ48の出力値も小さくなる。この磁気センサ48の検知信号は制御装置61に出力され、制御装置61はトナー濃度信号を利用して、トナー補給量、及び現像剤中のトナー濃度を制御している。
ところで、磁気センサ48のセンサ面Fは、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eと対向配備され、磁気センサ48のセンサ面に対向する現像剤(図7、図8、図9では符号dtとして説明する)の移動状態によって、センサ48の出力値が変化することは明らかである。
【0044】
そこで、磁気センサ48のセンサ面上を移動する現像剤dt(図7参照)の流動状態が常に適正状態を維持するよう、即ち、磁気センサ48のセンサ面Fに常に最新の現像剤dtが流動し、滞留することがないような形状を採ることが有効である。即ち、磁気センサ48のセンサ面Fの周壁部481は、図7(b)に示すように、ケーシング40の湾曲壁部401の内壁面より所定量h1退却状態に取付けられると、そこに生じた凹みに現像剤が滞留し易くなることより、これを避けるため、図7(a)に示すように、センサ面Fの周壁部481は、現像剤撹拌部材44との干渉を避けた上で、湾曲壁部401の内壁面より所定量突き出すように配備されることが望ましい。しかし、図7(a)に示すように、センサ面Fの周壁部481が内壁面より突き出すように配備されると、センサ面Fの周壁部481に現像剤dtが係止されやすくなり、攪拌領域Eを流動する現像剤の流動抵抗が増加し、現像剤撹拌部材44の駆動抵抗が増す。これを避けるため、ここでは、図8(a)、(b)に示すように、磁気センサ48の内壁面より突き出す周壁部481の周りに、環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を一体的に取付ける。
【0045】
この際、図9に示すように、環状壁部材482の突部側であるセンサ面Fの周壁部481との連結部は湾曲突面sc1に形成され、底部側である湾曲壁部401の内壁面との連結部は湾曲凹面sc2に形成される。これによって、周壁部481に現像剤dtが係止されることによる現像剤dtの流動抵抗の増加を防止し、現像剤撹拌部材44の駆動抵抗増を抑制できる。なお、環状壁部材482は樹脂製あるいは金属性でよく、湾曲壁部401の内壁面及びセンサ面Fの周壁部481に確実に接着され、場合により、磁気センサ48の周壁部481と一体形成されても良い。
【0046】
更に、制御装置61は、現像剤中のトナー濃度を制御するに安定した、信頼性のあるセンサ48の出力値を得るため、ここでは磁気センサ48のセンサ面Fに対向する現像剤の移動速度を適正値に制御する。
ここで、現像剤撹拌部材44の楕円板442は、その軸方向Yの投影軌跡が円であり、その最大の投影円直径をD(図5(b)参照)mm、軸441の回転数をArpmとすると、現像剤撹拌部材44の最大周速Vn(mm/sec)は下記(1)式で算出される。
【0047】
最大周速:Vn(mm/sec)=π*D*A/60・・・・・(1)
ここでは、現像剤撹拌部材44の最大周速Vn(mm/sec)が、415mm/sec以上、610mm/sec以下になるよう、投影円直径D(mm)と、軸441の回転数A(rpm)とが設定される。
【0048】
このような最大周速Vn(mm/sec)を設定する理由を下記する。
即ち、現像剤撹拌部材の最大周速Vnが許容下限値となる415mm/secを下回る場合には、現像剤撹拌部材8の現像剤攪拌能力が低下し、現像剤攪拌不良による摩擦帯電不良によるトナー濃度ムラが発生し、画像品質の劣化に繋がる。そこで、最大周速Vnが許容下限値VnLの415mm/sec以上に設定されることで、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、画像品質の向上を図ることができる。
【0049】
更に、現像剤撹拌部材8の最大周速Vnが許容上限値VnHとなる610mm/secを上回る場合には、トナー濃度の変化に対するセンサ16の出力の変化が小さくなり(センサ感度が小さくなる)、トナー補給量、及びトナー濃度の制御が困難になり、画質の劣化に繋がる。そこで、最大周速が許容上限値VnHの610mm/sec以下に設定されることで、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0050】
次に、プリンター20の動作を説明する。
図示しない操作パネルのキー操作等により画像形成信号が送信されると制御装置61により、帯電装置2、光書込み装置3、現像装置4の他、像担持体1上のトナー像を記録紙等の転写材Pに転写する転写装置5、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6、感光体表面の残留電荷を除去する除電装置7、さらには転写材Pに転写後の画像を定着する定着装置8、定着後の転写材Pを排紙する排紙ローラ15が、それぞれの適正タイミングで駆動される。これによって、転写材P上にトナー像が形成される。
【0051】
この際、原稿に応じて選択された転写材Pが給紙コロ11により取り出され、レジストローラ対14に送られた後、レジストローラ対14により転写材Pの先端が像担持体1上のトナー像にタイミングを合わせて転写装置5の転写域に送られる。トナー像が形成された転写材Pは定着装置8を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着され、排紙トレイ16に排出される。一方、クリーニング装置6は転写材Pに転写し切れずに像担持体1表面に残った残留トナーを除去、回収する。
【0052】
このようなプリンター20の1駆動サイクルが成される毎に、現像装置4では、現像剤撹拌部材44が最大周速が許容下限値(415mm/sec)以上、許容上限値(610mm/sec)以下に設定されて駆動する。このため、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0053】
特に、現像剤撹拌部材44が楕円板442を用いた場合、その軸方向の投影軌跡円での投影円直径D(mm)と、軸441の回転数A(rpm)とを、最大周速が許容下限値(415mm/sec)以上、許容上限値(610mm/sec)以下の間となるように、比較的容易に設定できる。この場合にも現像装置4では、トナー濃度ムラを是正できると共にセンサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
なお、回転傾斜板は楕円板441として説明したが、場合により、楕円板441に代えて、例えば、繭形の回転傾斜板とした場合にも、ほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
更に、現像剤撹拌部材44の回転傾斜板(楕円板)441とケーシング40の一部である湾曲壁部401との隙間(ギャップ)tを1mm以下としたので、現像剤の摩擦帯電処理が適確に成され、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
更に、ケーシング40の攪拌部材対向壁(湾曲壁部)401に磁気センサ16のセンサ面Fが突設されるのでセンサ面F上に現像剤が滞留しにくくなるため、磁気センサが反応しやすく、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図ることができる。特に、磁気センサ16の周辺に環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を設けたので、突設部分の周辺で現像剤の滞留が起こりにくく、現像剤の流動抵抗を低減でき、磁気センサ16が循環している現像剤のトナー濃度を確実に検知できるため、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
このように、図1の「第1実施形態」として、上述のような作用効果を持った現像装置4を備えた画像形成装置であるプリンター20を容易に実現できる。
【0055】
次に本発明の「第2実施形態」について説明する。
この「第2実施形態」である現像装置を備えた画像形成装置の概略的な全体構成を図12に示す。
同図に示した画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色毎に感光体、現像器およびクリーニング装置を持ち、各色のトナー像を転写紙に順次転写することにより、フルカラー画像を形成するタンデム方式のフルカラープリンター70である。
【0056】
図12、図13において、符号71は画像形成装置本体、72はドラム状の感光体として構成された4つの感光体、73は転写材搬送装置、74、75、76、77は支持ローラ、78は無端ベルトより成る転写ベルト、79は転写装置、80はシート給送装置、81はカセット、82はカセット内に配置された底板、83は給送ローラ、84はレジストローラ対、85は定着ローラ、86は加圧ローラ、87は排紙トレイ、88はプロセスカートリッジ、89はユニットケース、90は帯電ローラ、91はレーザ書込みユニット、92は現像装置、93は現像ケース、94,95は現像ローラ、96はドクターブレード、97はクリーニング装置、98はクリーニングケース、99はクリーニングブラシ、100はクリーニングブレードをそれぞれ示す。なお、各符号に付記されたY、M、C、BKは現像に用いるトナーの色別記号、Lは書込光束としてのレーザビーム、Pは転写材を示す。
【0057】
なお、ここでの現像装置92は実質的に、図2の現像装置4と同様に形成され、トナーの色の違い以外は同等の構成を成すことより、ここではトナーの色の違いに応じた各現像装置92の符号の後に色別記号を付し、重複説明を略す。
画像形成装置本体71内には、4つの感光体72Y、72M、72C、72BKが、後述する転写材の搬送方向A1に沿って配列されている。図示した例では転写材の搬送方向A1の最上流側の感光体72Yの表面にはイエロートナー像が形成され、次の感光体72Mの表面にはマゼンタトナー像が、さらに次の感光体72Cの表面にはシアントナー像が、さらにその次の感光体72BKの表面にはブラックトナー像がそれぞれ形成されるように構成され、これらの感光体はそれぞれ矢印B1方向に回転駆動される。
【0058】
各感光体72Y、72M、72C、72BKに対向して転写材搬送装置73が配置され、この転写材搬送装置73は、支持ローラ74、75、76、77と、それら支持ローラに巻き掛けられた無端ベルトより成る転写ベルト78とを有し、転写ベルト78は転写材の搬送方向A1に回転駆動される。かかる転写ベルト78の表面に各感光体72Y、72M、72C、72BKが当接し、しかも転写ベルト78を挟んで、各感光体に対向した位置には、転写装置79Y、79M、79C、79BKがそれぞれ配置されている。
【0059】
一方、画像形成装置本体71内の下部には、シート給送装置80のカセット81が配置され、そのカセット81内の底板82上に、例えば転写紙より成る転写材Sが積載されている。最上位の転写材Sの上面に当接した給送ローラ83が反時計方向に回転駆動されることにより、その最上位の転写材Sが矢印C方向に給送され、その給送された転写材Sはレジストローラ対84の回転によって所定のタイミングで各感光体72Y、72M、72C、72BKと転写ベルト78との間の転写部に向けて給送される。
【0060】
ここで、前述のようにイエロー用の感光体72Yの表面にはイエロートナー像が形成されており、かかる感光体72Yと転写ベルト78の間の転写部を転写材Pが通過するとき転写装置79Yの作用により、感光体72Yの表面に形成されたイエロートナー像が転写材Pの表面に転写される。この転写材Pは引き続きマゼンタ用の感光体72M、シアン用の感光体72C、及びブラック用の感光体72BKと転写ベルト78との間の各転写部を順次通過し、各転写装置79M、79C、79BKの作用により、各感光体72M、72C、72BK上の各色のトナー像が、既に転写材P上に転写されたイエロートナー像上に重ね合せて順次転写される。
【0061】
上述のようにして表面に4色の重ね合せトナー像が転写された転写材Pは、定着ローラ85と加圧ローラ86の間を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着される。次いで、この転写材Sは矢印Qで示すように排紙トレイ87上にスタックされる。
各感光体72Y、72M、72C、72BKと、その表面にトナー像を形成する各要素は、それぞれ一体的なプロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKとして構成され、これらが4色の各画像形成部を成している。なお、図13にはイエロートナーでの可視像を形成する画像形成部としてのプロセスカートリッジ88Yを示した。
【0062】
このように、4色の各画像形成部がそれぞれプロセスカートリッジ形態を取ることで、画像形成装置に対して容易に着脱作業ができることで、ユーザ負荷低減に繋がる。
4色の各画像形成部を成す各プロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKの構成は実質的に同一であるため、そのうちの1つのイエロー用の感光体72Yを有するプロセスカートリッジ88Yの構成と作用だけを図12,13を参照して説明する。
【0063】
図13に示すように、イエロー用の画像形成部を成すこのプロセスカートリッジ88Yの感光体72Yは、ユニットケース89に回転自在に組み付けられて矢印B1方向に回転駆動される。感光体2Yの表面には、ユニットケース89に回転自在に支持された帯電ローラ90が回転しながら当接し、その帯電ローラ90により感光体72Yの表面が所定の極性に帯電される。
【0064】
一方、図12に示すように、画像形成装置本体71内にはプロセスカートリッジ88Yとは別にレーザ書込みユニット91が配置され、このユニット91から出射する光変調されたレーザビームLによって、帯電後の感光体72Yの表面が露光され、これによって感光体72Yの表面にイエロー画像用の静電潜像が形成される。
【0065】
静電潜像は現像装置92Yによってイエロートナー像として可視像化される。
この現像装置92Yは、第1実施形態で説明した現像装置4と現像剤が相違する点を除くと同様の構成を採り、重複説明を簡素化する。
現像装置92はユニットケース89の一部により構成された現像ケース93と、この現像ケース93に回転自在に支持されて反時計方向に回転駆動される一対の現像ローラ94、95とを有する。現像ケース93にはイエロー色のトナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤DYが収容されている。
【0066】
現像剤DYは、現像ローラ94上に担持されて搬送され、ドクターブレード96により量を規制されて一対の現像ローラ94、95と感光体72Yとの間の現像領域に運ばれる。その現像剤中のトナーが感光体表面に形成された静電潜像に静電的に移行して静電潜像がイエロートナー像として可視像化される。
ここでの現像装置92Yは第1実施形態で説明した現像装置4と同様に、現像ケース(ケーシング)93の内壁面が現像剤撹拌部材144の最大外径部位との隙間(ギャップ)tを1mm以下に設定される。これにより、トナーとキャリアを確実に摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることができる。
【0067】
更に、現像ケース(ケーシング)93の内壁面で現像剤撹拌部材144の攪拌領域Eとの対向部に磁気センサ148が取付けられている。この磁気センサ148の検知信号は制御手段161に出力され、制御手段161はトナー濃度信号を利用して、トナー補給量、及び現像剤中のトナー濃度を制御している。なお、ここでの磁気センサ148も、図8(a)、(b)に示すような環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を一体的に取付け、攪拌領域Eを流動する現像剤の流動抵抗増を防止するように形成されている。
【0068】
更に、現像剤撹拌部材144は第1実施形態で説明した現像剤撹拌部材44と同様に、最大周速Vn(mm/sec)が、415mm/sec以上610mm/sec以下になるよう、投影円直径D(mm)と、回転数A(rpm)とが設定される。これによって、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、センサ148の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
なお、現像装置92Yの現像ローラ94、95、現像剤搬送部材145、現像剤撹拌部材144は制御装置161に制御される不図示の駆動源により回転駆動される。
【0069】
イエロートナー像は前述のようにして転写材Pの表面に転写され、その転写後に感光体表面に付着している転写残トナーは、クリーニング装置97により除去される。このクリーニング装置97は、ユニットケース89の一部により構成されたクリーニングケース98と、そのクリーニングケース98に回転自在に支持されて矢印方向に回転駆動されるクリーニングブラシ99と、基端部がクリーニングケース98に固定されたクリーニングブレード100とを有し、そのクリーニングブラシ99とクリーニングブレード100が感光体72Yの表面に当接してその表面の転写残トナーを掻き取り、不図示の収容タンク側に連通する開口101側に除去される。なお、クリーニング装置97のクリーニングブラシ99は制御装置61に制御される不図示の駆動源に駆動される。
【0070】
このようなフルカラープリンター70の作動を説明する。
図示しない操作パネルのキー操作等によりフルカラー画像形成の信号が送信されると、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各画像形成部を成す各プロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKが所定のタイミングでそれぞれ作動して、各感光体72Y、72M、72C、72BK上に各色のトナー像が形成される。
【0071】
一方、給紙カセット81にセットされた転写材Pは、給紙コロ83により取り出され、転写材搬送路に沿ってレジストローラ対84に送られた後、レジストローラ対84により転写材Pの先端が感光体72Y上に形成された一色目のイエロー(Y)のトナー像にタイミングを合わせて感光体72Yの転写部の転写領域に送られる。
【0072】
一色目のイエロー(Y)のトナー像転写位置において、転写装置79Yにより形成される電界の作用で、イエロー(Y)のトナー像が転写材Pに転写され、その転写が行なわれると同時に、転写材Pは搬送転写ベルト78に静電吸着されて搬送される。このようにしてイエロー(Y)のトナー像が転写された転写材Pは、各色毎に順に設けられた転写装置79M、79C、79Bkと各感光体72M、72C、72Bkとの間の転写位置に順次搬送され、各感光体ドラム上に形成されたシアン(C)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、ブラック(Bk)のトナー像が転写材P上に順次転写される。こうして全ての色のトナー像が転写材P上に転写されることでフルカラーのトナー像が転写材P上に形成される。
【0073】
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着ローラ85と加圧ローラ86の間を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着され、フルカラー画像が完成し、排紙トレイ87上に排出される。
一方、クリーニング装置97Yは、転写材Pに転写し切れずに感光体72M表面に残った残留トナーを除去、回収する。
【0074】
この「第2実施形態」である現像装置を備えた画像形成装置であるフルカラープリンター70の場合も、第1実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の場合と同様の作用、効果が得られる。更に、上述のような作用効果を持ったフルカラープリンター70を容易に実現できる。特に、フルカラープリンター70は4色の各画像形成部を、それぞれ一体的なプロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKとして形成した。このため、フルカラープリンター70に対して容易に着脱作業ができることで、ユーザ負荷低減に寄与できる。
【実施例】
【0075】
次に、「第1実施形態」として図1で説明したプリンター20に用いる現像装置4の実施例を説明する。
ここでの現像装置4が用いた現像剤撹拌部材44は、その楕円板442の軸441の方向への投影円の直径が32mmに形成された。更に、現像剤撹拌部材44の軸441の回転数A(rpm)が300rpmに設定された。
【0076】
このような駆動条件で制御装置61が現像剤撹拌部材44を回転駆動した。この際、各楕円板442の最大周速Vnは、約503mm/secとなった。この最大周速Vnは許容下限値VnLとなる415mm/secと許容上限値VnHとなる610mm/secの間に保持された。
このため、現像装置4は現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正できる。しかも、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができた。
【0077】
更に、ここで用いた現像装置のケーシング40は、その底部側の湾曲壁部401の内壁面と各楕円板442の最大外径部位との隙間(ギャップ)tが1mmに設定された。これにより、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eにおける回転駆動にあたり、その回転抵抗を過度に高めることなく、現像剤を横撹拌(回転軸方向の往復運動)することができ、トナーとキャリアを確実に摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることができた。
【0078】
しかも、隙間(ギャップ)tが1mmに設定されたことによって、この隙間tの区間における現像剤循環路(2点鎖線R参照)でのトナーとキャリアの摩擦帯電や、均一攪拌の特性が高まり、結果として、現像された画像のベタ画像濃度ムラは小さくなり、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができた。
特に、ここで現像装置のケーシング40内に供給された現像剤は、磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いた。
【0079】
更に、非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いた。
このように、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることで、攪拌流動が適正になされ、過度の攪拌抵抗を発生することもない。しかも、現像剤撹拌部材44及び現像剤搬送部材45による現像剤の現像ローラ41側への供給を正確にでき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れた。
【0080】
更に、重量平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のものが60〜80個数%含まれたトナーを用いたことで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れた。
なお、上述の各実施形態では画像形成装置としては単色のプリンター20及びフルカラープリンター70を説明したが、これに代えて、その他のデジタル複写機、ファクシミリ等に同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明を適用した現像装置を備えたプリンターの概略構成図である。
【図2】図1のプリンターで用いる現像装置の概略拡大断面図である。
【図3】図2の現像装置で用いるセパレータの機能説明図である。
【図4】図3のセパレータの斜視図である。
【図5】図2の現像装置で用いる現像剤撹拌部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図6】図2の現像装置で用いる現像剤撹拌部材と湾曲壁部の隙間(ギャップ)の説明図である。
【図7】図2の現像装置で用いるケーシングに取付けられる磁気センサに対する現像剤の流動特性を説明する図で、(a)は流動特性が高い取付け状態説明図、(b)は流動特性が低い取付け状態説明図である。
【図8】図2の現像装置で用いる磁気センサを示し、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【図9】図8の磁気センサに取付けられる環状壁部材の要部の形状説明図である。
【図10】図2の現像装置で用いる現像剤搬送部材の拡大斜視図である。
【図11】図1のプリンターで用いる現像装置の現像剤撹拌部材と湾曲壁部の隙間の変化に対するベタ画像濃度ムラの大きさの変化特性線図である。
【図12】本発明の他の実施形態で用いる現像装置を備えたフルカラープリンターの概略構成図である。
【図13】図12のフルカラープリンターで用いる現像装置の概略拡大断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 感光体(像担持体)
2 帯電装置
4 現像装置
20 プリンター(画像形成装置)
40 ケーシング
401 湾曲壁部
41,42 現像ローラ(現像剤担持体)
44 現像剤撹拌部材
441 現像剤撹拌部材の軸
442 楕円板(回転傾斜板)
48 磁気センサ
70 フルカラープリンター(画像形成装置)
sc 傾斜面
t 隙間(ギャップ)
A 軸の回転数(rpm)
D 回転傾斜板の投影円直径(mm)、
E 攪拌領域
F センサ面
Lc 軸中心線
R 現像剤循環路
Y 軸中心線方向
Vn 最大周速(mm/sec)
VnL 最大周速の許容下限値
VnH 最大周速の許容上限値
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真プロセスにおける現像装置、及びこれを搭載したプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、画像形成装置においては、例えば感光体より成る潜像担持体に対し、電子写真方式あるいは静電記録方式等によって所定の静電潜像を作像し、この静電潜像をトナー像として可視像化している。この可視像化機能を達成する乾式現像剤を用いた現像装置では、磁性体を含んだ1成分現像剤と、トナーとキャリアを有する2成分系の現像剤を感光体面に供給して静電潜像を可視像化できるようにしたものがある。
【0003】
このような現像装置の内、特に、2成分系の現像剤を用いる現像装置では、トナーが可視像化に利用されることにより、この現像剤中の非磁性トナーのみの濃度が低下する。そこで、現像剤中のトナーの濃度が低下すると、トナーホッパーから、トナーがトナー補給ローラの回転によって現像剤中に補給されるようになっている。ここで現像剤中に供給されたトナーはキャリアに対して摩擦帯電によって吸着されると共に均一に拡散するよう、現像剤循環路を移動中にキャリアと共に攪拌されている。
このように現像装置では、現像剤中のトナーの濃度の低下に応じて現像剤中にトナーを供給し、均一に拡散する必要があり、更に、トナーとキャリアを摩擦帯電によって吸着させるため、現像装置には現在の循環路及びこの循環路内でトナーとキャリアを攪拌する手段が設けられている。
【0004】
例えば、特許文献1の画像形成装置では、感光体ドラム上に形成した画像面積が多い時には撹拌パドルの回転数を上昇させ、少ない時には回転数を下げて現像ローラへ供給する現像剤の量を少なくしている。更に、感光体上に付着するトナー濃度をトナー濃度検知手段(Pセンサ)により検知し、トナー濃度が低くなった場合には、トナー補給ローラを駆動してトナーを現像装置本体へ補給している。
更に、特許文献2の画像形成装置では、現像装置の駆動負荷が、現像剤の供給量に関連すると見做し、現像装置の駆動負荷に応じて現像剤供給部材の回転数を制御することにより、現像部材へ充分な現像剤を供給し、濃度ムラや濃度低下の発生を防止している。
【0005】
更に、特許文献3の現像剤攪拌方法で用いる現像装置には、感光体ドラムにトナーを供給する現像スリーブにループ状の剤循環経路が接続される。この剤循環経路は並列配備された第1、第2の剤撹拌搬送部材を備え、これらの両端部は互いに連通されることで剤循環経路が形成される。この剤循環経路の一部にはトナー補給口と、その下流にトナー濃度を検知する剤濃度検知手段が配備され、これにより、適量の補給トナーを現像剤中へ拡散させている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−175311号公報
【特許文献2】特開平7−181794号公報
【特許文献3】特開2001−343825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の2成分系の現像剤を用いる現像装置では、補給のトナーを現像剤中に供給し、均一に拡散し、トナーとキャリアを摩擦帯電によって吸着させることができる。しかし、引用文献1の画像形成装置では、感光体ドラム上の画像面積に応じて撹拌パドルの回転数を制御し、剤循環経路のトナー濃度に応じてトナー補給ローラの回転を制御するというものであり、装置の複雑化を招く上に、剤濃度検知手段の検知精度が特に向上するというものではない。
更に、特許文献2の画像形成装置では現像装置の駆動負荷が経時的に変動し、あるいは外乱により変動した場合には、現像剤の濃度制御が不安定化し、濃度ムラや濃度低下を招く可能性がある。
【0008】
更に、特許文献3の現像剤攪拌方法で用いる現像装置では、剤濃度検知手段を通過する現像剤の移動速度を低速化するが、上下の適正速度範囲内に規制するものではなく、比較的検知精度の低いものとなる。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、目的とするのは、現像装置の現像剤循環路における現像剤のトナー濃度を精度よく検知して、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御を実現し、現像された画像の画質を高めることが可能な現像装置、及びこれを搭載したプロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記課題を達成するため以下の構成とした。
【0010】
第1の発明である現像装置は、少なくとも、非磁性トナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体と、軸及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板から成り、軸中心線回りに回転することによって現像剤を攪拌して前記トナーを分散させる現像剤撹拌部材と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域を移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサを備えた現像装置において、前記現像剤撹拌部材の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下にしたことを特徴とする。
【0011】
第2の発明である現像装置は、請求項1記載の現像装置において、前記回転傾斜板は楕円板であり、前記現像剤撹拌部材の最大周速が前記楕円板の外周縁の値として算出され、同楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径をD(mm)、前記軸の回転数をA(rpm)とすると、
最大周速(mm/sec)=π*D*A/60
として算出されることを特徴とする。
【0012】
第3の発明である現像装置は、請求項1又は2に記載の現像装置において、前記現像剤撹拌部材を枢支するケースの一部が前記回転傾斜板を囲む攪拌部材対向壁として形成され、同攪拌部材対向壁と前記回転傾斜板の隙間(ギャップ)を1mm以下としたことを特徴とする。
【0013】
第4の発明である現像装置は、請求項1、2又は請求項3に記載の現像装置において、前記磁気センサのセンサ面が前記攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されたことを特徴とする。
【0014】
第5の発明である現像装置は、請求項4に記載の現像装置において、前記磁気センサの現像剤撹拌部材側に突設されたセンサ面の周縁部分より前記攪拌部材対向壁の内壁面に向かって環状の傾斜壁を連続形成したことを特徴とする。
【0015】
第6の発明である現像装置は、請求項5に記載の現像装置において、前記環状の傾斜壁と前記磁気センサのセンサ面との接続部及び前記環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部をそれぞれ滑らかに接続する(連続的に変化させる)ことを特徴とする。
【0016】
第7の発明である現像装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の現像装置において、前記磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることを特徴とする、
第8の発明である現像装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の現像装置において、前記非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いることを特徴とする。
【0017】
第9の発明であるプロセスカートリッジは、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置を搭載したことを特徴とする。
【0018】
第10の発明である画像形成装置は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置、及び請求項9に記載のプロセスカートリッジを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1の効果は、現像剤撹拌部材の最大周速が許容下限値となる415mm/secを下回る場合には、現像剤撹拌部材8の現像剤攪拌能力が低下し、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラが発生し、画像品質の劣化に繋がるが、ここでは、最大周速が許容下限値の415mm/sec以上に設定されるので、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、画像品質の向上を図ることができる。更に、現像剤撹拌部材8の最大周速が許容上限値となる610mm/secを上回る場合には、トナー濃度の変化に対するセンサ16の出力の変化が小さくなり(センサ感度が小さくなる)、トナー補給量、及びトナー濃度の制御が困難になり、画質の劣化に繋がるが、ここでは、最大周速が許容上限値の610mm/sec以下に設定されるので、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0020】
本発明の請求項2の効果は、楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径D(mm)と、軸の回転数A(rpm)とを選択的に設定することで、最大周速を許容下限値と許容上限値の間に比較的容易に設定でき、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正できると共にセンサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の請求項3の効果は、回転傾斜板(楕円板)15とケース17の一部である攪拌部材対向壁との隙間を1mm以下としたので、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の請求項4の効果は、磁気センサ16のセンサ面が攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されるので、センサ面上での現像剤の動きが容易化され、現像剤撹拌部材の回転傾斜板による攪拌を受けやすく、センサ面上に現像剤が滞留しにくくなるため、トナーの消費、補給に対して磁気センサが反応しやすい。その結果、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図ることができる。
【0023】
本発明の請求項5の効果は、現像剤撹拌部材側に突設された磁気センサの部分があると、その突設された部分が障害となって、磁気センサの周辺の現像剤の動きが阻害されるが。ここでは、現像剤は環状の傾斜壁に沿って移動しやすくなり、磁気センサの突設された部分が障害物ではなくなるため、突設部分の周辺で現像剤の滞留が起こりにくくなり、磁気センサ16のセンサ面上には常に循環している現像剤が存在する。つまり、磁気センサ16が、循環している現像剤のトナー濃度を検知できるため、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
【0024】
本発明の請求項6の効果は、磁気センサのセンサ面との接続部及び環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部での現像剤が移動しやすくなる。これにより、現像剤の滞留がより起こりにくくなり、磁気センサ16のセンサ面上には循環している現像剤が存在しやすくなり、磁気センサ16が循環している現像剤のトナー濃度を常に検知できる。その結果、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
【0025】
本発明の請求項7の効果は、請求項7を満たすキャリアを用いることで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れる。
【0026】
本発明の請求項8の効果は、請求項8を満たすトナーを用いることで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れる。
【0027】
本発明の請求項9の効果は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの作用効果を持ったプロセスカートリッジを実現できる。
【0028】
本発明の請求項10の効果は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの作用効果を持った画像形成装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を適用した「第1実施形態」としての現像装置を説明する。
ここで、図1は本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図であり、画像形成部の構成例のみを図示してある。なお、画像形成装置が複写機やファクシミリ、あるいは複合機等の場合には、本体上部に原稿画像を読取る原稿読取装置(スキャナ)が付加される。
【0030】
図1において、符号1は像担持体であるドラム状の感光体であり、帯電装置2による帯電と、光書込み装置3による画像情報に応じた光書込みによって感光体1の表面に静電潜像が形成される。現像装置4はトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いる。この現像装置4は現像剤担持体である一対の現像ローラ41、42を備え、これらにより現像剤を担持搬送し、感光体1上に形成された静電潜像をトナーによって現像して可視像を形成する。
【0031】
図1に示す画像形成装置であるプリンター20には、このような帯電装置2、光書込み装置3、現像装置4の他に、感光体1上のトナー像を記録紙等の転写材Pに転写する転写装置5、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6、感光体表面の残留電荷を除去する除電装置7、さらには記録紙等の転写材Pに転写後の画像を定着する定着装置8、定着後の転写材Pを排紙する排紙ローラ15、排紙された転写材Pがストックされる排紙トレイ16等が装備されている。
【0032】
また、プリンター20には、記録紙等の転写材Pを収納した多段の給紙カセット9−1、9−2と、各給紙カセット9−1、9−2から1枚づつ転写材Pを給紙するための給紙ローラ10と分離ローラ対11と、多段の給紙カセット9−1、9−2のうちの一つから選択的に給紙された転写材Pを搬送する搬送ローラ12、13と、画像形成にタイミングを合わせて転写材Pを感光体1と転写装置5の間の転写部に送り出すレジストローラ14が設けられている。
【0033】
図1、2に示すように、現像装置4内には、非磁性トナーと磁性キャリアを有する2成分系の現像剤が収容されていて、この現像剤中のトナーの濃度が低下すると、このトナーの濃度情報に応じて後述の制御装置61によりトナーホッパー49が駆動され、トナーがトナー補給ローラ51の回転量に応じた量だけ、現像剤循環路R(図2中の2点鎖線参照)を移動中の現像剤に補給されるようになっている。
現像装置4の基枠を構成するケーシング40の内部には、ドラム回転方向n(図2参照)に沿って前後に並列配備された現像剤担持体としての一対の現像ローラ41、42が配備され、その近傍に現像ローラ41に向けて現像剤を搬送するための現像剤搬送部材45が設けられる。
【0034】
図2に示すように、一対の現像ローラ41、42はほぼ同様に形成されることより、ここではドラム回転方向nで前側の現像ローラ41を主に説明する。現像ローラ41は、非磁性体を円筒形に形成した現像スリーブ411と、複数の磁極が着磁された磁石体(マグネットローラ)412からなり、現像スリーブ411の内側にマグネットローラ412が固定配置されている。現像剤搬送部材45や現像剤撹拌部材44によって現像剤循環路Rを循環しながら攪拌・混合されている現像剤は、現像ローラ41内のマグネットローラ412の磁力により磁気的に吸着され、現像スリーブ411の図中矢印方向への回転に伴い、現像スリーブ表面に設けられた図示しない凹凸により担持搬送される。現像スリーブ411で担持搬送された現像剤は、ドクターブレード47で現像材量と層厚を規制された後、感光体1と対向する現像領域に搬送され、感光体1上の静電潜像を現像剤中のトナーで現像する。なお、ドクターブレード47で掻き取られた現像剤はセパレータ52の方へと導かれる。
【0035】
このような現像ローラ41に対して、ドラム回転方向nでの下流側に現像ローラ41とほぼ同様に、非磁性体を円筒形に形成した現像スリーブ421とマグネットローラ422を備えた現像ローラ42が並列配備される。この現像ローラ42はドラム回転方向nで上流側の現像ローラ41と同方向に回転し、現像ローラ41からの現像剤を受け取る。この現像ローラ42に担持搬送される現像剤でも、感光体1上に作像された静電潜像がトナー像として可視像化される。
図1、2において、現像ローラ41、42の右側には現像剤搬送部材45が並列配備される。現像剤搬送部材45は図1、2において、反時計方向に回転駆動され、その右側に対向配備された現像剤撹拌部材44は時計方向に回転駆動される。
【0036】
現像剤搬送部材45は現像剤を現像ローラ41に供給するもので、図2、図10に示すように、ケーシング40に枢支された回転軸451を備え、同回転軸451の拡径部の外周面からは長片状の回転羽根452を回転方向に互いに等間隔で複数突き出すように形成される。なお、回転羽根452は、現像ローラ41の軸方向長さと同等の長さを備え、これによって現像ローラ41に対してその軸方向において現像剤を一様に供給できるように形成される。回転軸451の一端は不図示の回転駆動源に連結され、適時に回転して現像剤循環路Rの現像剤を現像ローラ41に搬送するよう駆動する。
【0037】
現像剤搬送部材45により現像剤は反時計方向に回転する現像ローラ41の周面に供給され、磁力により担持されつつ、回転方向に搬送される。現像ローラ41により担持搬送される現像剤中のトナーにより、時計方向に回転する潜像担持体である感光体1上に作像された静電潜像がトナー像として可視像化される。
現像剤搬送部材45の上方のセパレータ52は、図3、図4に示すように、長枠状のセパレータ基枠521を備え、その内部に一定の角度aをもって列設させたフィン522を備える。しかもセパレータ基枠521の一側端には、回転駆動される現像剤搬送スクリュー部材53を備える。図3に示すように、セパレータ基枠521内に達した現像剤は複数のフィン522を通ることで移動方向を規制される。即ち、一方側より他方である図3に示す右側より左側に矢印fのように寄せられつつ搬送され、その上で現像剤撹拌部材44の方向(図2中の符号f1参照)に落とされる。
【0038】
これと同時に、セパレータ52に達する現像剤の内の一部はセパレータ開口523(図3参照)に流入し、同セパレータ開口523を通って現像剤搬送スクリュー部材53の一端側に落下する。落下した現像剤は、現像剤搬送スクリュー部材53によって破線矢印の向きに運ばれながら、他端側である図3において右端側に寄せられ、現像剤撹拌部材44の方に落とされる。これによって、セパレータ52に達する現像剤の現像剤搬送路Rの路幅方向(例えば、図3中での横方向)での攪拌を確実に行うこととなる。
【0039】
図1、2に示すように、セパレータ52とトナー補給ローラ51の下方に現像剤撹拌部材44が配備される。現像剤撹拌部材44は、セパレータ52からの現像剤、あるいは、この現像剤にトナーホッパー49から適量供給されるトナーを受け取り、軸中心線(図5参照)Lc回りに回転することによって、現像剤を横撹拌(回転軸方向Yの往復運動)してトナーをキャリア中に均一に分散させる。
図5(a)、(b)に示すように、現像剤撹拌部材44は1本の軸441を備え、その軸441上に、多数の回転傾斜板としての楕円板442が、一定の間隔Jで一定の角度bをもって固定的に軸装される。
【0040】
このような現像剤撹拌部材44はその軸441の両端がケーシング40に枢支される。しかも、軸441の一端は不図示の回転駆動源側に連結され、適正回転数A(rpm)で回転するように制御装置61によって制御される。ここで、現像剤撹拌部材44の回転時において、楕円板442の回転軌跡、即ち、楕円板442の軸方向の投影軌跡は円であり、その最大の投影円直径をD(図5(b)参照)mmとすると、その投影円直径をD(mm)より所定量大径の回転エリア(例えば、図6に2点鎖線d1で示すエリア)が現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eとなる。即ち、攪拌領域Eは、ここに達した現像剤を回転する各楕円板442の影響により横撹拌(回転軸方向Yの往復運動)され、トナーとキャリアを摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることが可能な領域として設定される。
【0041】
ところで、図2、図6に示すように、現像剤撹拌部材44を枢支するケーシング40の低壁側の一部であって、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eと連続して対向する湾曲壁部401が形成される。湾曲壁部401は、その内壁面が現像剤撹拌部材44の各楕円板442の最大外径部位との隙間(ギャップ)tを1mm以下に設定される。
このように隙間(ギャップ)tを設定したのは、次の理由による。
【0042】
本発明者は、隙間(ギャップ)tの変化に対するベタ画像濃度ムラの大きさの変化特性を検討した。この結果、図11に示すように、隙間(ギャップ)を1mm、1.5mm、2mmと変化させた時、現像ベタ画像濃度ムラの大きさは、隙間tが2mm、1.5mm、1mmと小さくなるにつれて、相対的にベタ画像濃度ムラは小さくなる。よって、現像剤撹拌部材44の回転抵抗や、現像剤の形状特性等を考慮した上で、隙間tは1mm以下が好ましいこととなる。これによって、現像された画像のベタ画像濃度ムラは小さくなり、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0043】
図6に示すように、ケーシング40の湾曲壁部401の一部であって、現像剤撹拌部材44の近傍、即ち、攪拌領域Eと対向する位置に、現像剤中のトナー濃度を検知する磁気センサ48が取付けられている。この磁気センサ48はセンサ面上の磁性キャリアの数(透磁率)に応じた電圧値を出力するよう機能する。つまり、トナー濃度が高くなるとセンサ面上の磁性キャリアの数が減り(透磁率が小さくなる)、センサ48の出力値も小さくなる。この磁気センサ48の検知信号は制御装置61に出力され、制御装置61はトナー濃度信号を利用して、トナー補給量、及び現像剤中のトナー濃度を制御している。
ところで、磁気センサ48のセンサ面Fは、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eと対向配備され、磁気センサ48のセンサ面に対向する現像剤(図7、図8、図9では符号dtとして説明する)の移動状態によって、センサ48の出力値が変化することは明らかである。
【0044】
そこで、磁気センサ48のセンサ面上を移動する現像剤dt(図7参照)の流動状態が常に適正状態を維持するよう、即ち、磁気センサ48のセンサ面Fに常に最新の現像剤dtが流動し、滞留することがないような形状を採ることが有効である。即ち、磁気センサ48のセンサ面Fの周壁部481は、図7(b)に示すように、ケーシング40の湾曲壁部401の内壁面より所定量h1退却状態に取付けられると、そこに生じた凹みに現像剤が滞留し易くなることより、これを避けるため、図7(a)に示すように、センサ面Fの周壁部481は、現像剤撹拌部材44との干渉を避けた上で、湾曲壁部401の内壁面より所定量突き出すように配備されることが望ましい。しかし、図7(a)に示すように、センサ面Fの周壁部481が内壁面より突き出すように配備されると、センサ面Fの周壁部481に現像剤dtが係止されやすくなり、攪拌領域Eを流動する現像剤の流動抵抗が増加し、現像剤撹拌部材44の駆動抵抗が増す。これを避けるため、ここでは、図8(a)、(b)に示すように、磁気センサ48の内壁面より突き出す周壁部481の周りに、環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を一体的に取付ける。
【0045】
この際、図9に示すように、環状壁部材482の突部側であるセンサ面Fの周壁部481との連結部は湾曲突面sc1に形成され、底部側である湾曲壁部401の内壁面との連結部は湾曲凹面sc2に形成される。これによって、周壁部481に現像剤dtが係止されることによる現像剤dtの流動抵抗の増加を防止し、現像剤撹拌部材44の駆動抵抗増を抑制できる。なお、環状壁部材482は樹脂製あるいは金属性でよく、湾曲壁部401の内壁面及びセンサ面Fの周壁部481に確実に接着され、場合により、磁気センサ48の周壁部481と一体形成されても良い。
【0046】
更に、制御装置61は、現像剤中のトナー濃度を制御するに安定した、信頼性のあるセンサ48の出力値を得るため、ここでは磁気センサ48のセンサ面Fに対向する現像剤の移動速度を適正値に制御する。
ここで、現像剤撹拌部材44の楕円板442は、その軸方向Yの投影軌跡が円であり、その最大の投影円直径をD(図5(b)参照)mm、軸441の回転数をArpmとすると、現像剤撹拌部材44の最大周速Vn(mm/sec)は下記(1)式で算出される。
【0047】
最大周速:Vn(mm/sec)=π*D*A/60・・・・・(1)
ここでは、現像剤撹拌部材44の最大周速Vn(mm/sec)が、415mm/sec以上、610mm/sec以下になるよう、投影円直径D(mm)と、軸441の回転数A(rpm)とが設定される。
【0048】
このような最大周速Vn(mm/sec)を設定する理由を下記する。
即ち、現像剤撹拌部材の最大周速Vnが許容下限値となる415mm/secを下回る場合には、現像剤撹拌部材8の現像剤攪拌能力が低下し、現像剤攪拌不良による摩擦帯電不良によるトナー濃度ムラが発生し、画像品質の劣化に繋がる。そこで、最大周速Vnが許容下限値VnLの415mm/sec以上に設定されることで、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、画像品質の向上を図ることができる。
【0049】
更に、現像剤撹拌部材8の最大周速Vnが許容上限値VnHとなる610mm/secを上回る場合には、トナー濃度の変化に対するセンサ16の出力の変化が小さくなり(センサ感度が小さくなる)、トナー補給量、及びトナー濃度の制御が困難になり、画質の劣化に繋がる。そこで、最大周速が許容上限値VnHの610mm/sec以下に設定されることで、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0050】
次に、プリンター20の動作を説明する。
図示しない操作パネルのキー操作等により画像形成信号が送信されると制御装置61により、帯電装置2、光書込み装置3、現像装置4の他、像担持体1上のトナー像を記録紙等の転写材Pに転写する転写装置5、転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6、感光体表面の残留電荷を除去する除電装置7、さらには転写材Pに転写後の画像を定着する定着装置8、定着後の転写材Pを排紙する排紙ローラ15が、それぞれの適正タイミングで駆動される。これによって、転写材P上にトナー像が形成される。
【0051】
この際、原稿に応じて選択された転写材Pが給紙コロ11により取り出され、レジストローラ対14に送られた後、レジストローラ対14により転写材Pの先端が像担持体1上のトナー像にタイミングを合わせて転写装置5の転写域に送られる。トナー像が形成された転写材Pは定着装置8を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着され、排紙トレイ16に排出される。一方、クリーニング装置6は転写材Pに転写し切れずに像担持体1表面に残った残留トナーを除去、回収する。
【0052】
このようなプリンター20の1駆動サイクルが成される毎に、現像装置4では、現像剤撹拌部材44が最大周速が許容下限値(415mm/sec)以上、許容上限値(610mm/sec)以下に設定されて駆動する。このため、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
【0053】
特に、現像剤撹拌部材44が楕円板442を用いた場合、その軸方向の投影軌跡円での投影円直径D(mm)と、軸441の回転数A(rpm)とを、最大周速が許容下限値(415mm/sec)以上、許容上限値(610mm/sec)以下の間となるように、比較的容易に設定できる。この場合にも現像装置4では、トナー濃度ムラを是正できると共にセンサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
なお、回転傾斜板は楕円板441として説明したが、場合により、楕円板441に代えて、例えば、繭形の回転傾斜板とした場合にも、ほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
更に、現像剤撹拌部材44の回転傾斜板(楕円板)441とケーシング40の一部である湾曲壁部401との隙間(ギャップ)tを1mm以下としたので、現像剤の摩擦帯電処理が適確に成され、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
更に、ケーシング40の攪拌部材対向壁(湾曲壁部)401に磁気センサ16のセンサ面Fが突設されるのでセンサ面F上に現像剤が滞留しにくくなるため、磁気センサが反応しやすく、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図ることができる。特に、磁気センサ16の周辺に環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を設けたので、突設部分の周辺で現像剤の滞留が起こりにくく、現像剤の流動抵抗を低減でき、磁気センサ16が循環している現像剤のトナー濃度を確実に検知できるため、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像品質の向上を図れる。
このように、図1の「第1実施形態」として、上述のような作用効果を持った現像装置4を備えた画像形成装置であるプリンター20を容易に実現できる。
【0055】
次に本発明の「第2実施形態」について説明する。
この「第2実施形態」である現像装置を備えた画像形成装置の概略的な全体構成を図12に示す。
同図に示した画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色毎に感光体、現像器およびクリーニング装置を持ち、各色のトナー像を転写紙に順次転写することにより、フルカラー画像を形成するタンデム方式のフルカラープリンター70である。
【0056】
図12、図13において、符号71は画像形成装置本体、72はドラム状の感光体として構成された4つの感光体、73は転写材搬送装置、74、75、76、77は支持ローラ、78は無端ベルトより成る転写ベルト、79は転写装置、80はシート給送装置、81はカセット、82はカセット内に配置された底板、83は給送ローラ、84はレジストローラ対、85は定着ローラ、86は加圧ローラ、87は排紙トレイ、88はプロセスカートリッジ、89はユニットケース、90は帯電ローラ、91はレーザ書込みユニット、92は現像装置、93は現像ケース、94,95は現像ローラ、96はドクターブレード、97はクリーニング装置、98はクリーニングケース、99はクリーニングブラシ、100はクリーニングブレードをそれぞれ示す。なお、各符号に付記されたY、M、C、BKは現像に用いるトナーの色別記号、Lは書込光束としてのレーザビーム、Pは転写材を示す。
【0057】
なお、ここでの現像装置92は実質的に、図2の現像装置4と同様に形成され、トナーの色の違い以外は同等の構成を成すことより、ここではトナーの色の違いに応じた各現像装置92の符号の後に色別記号を付し、重複説明を略す。
画像形成装置本体71内には、4つの感光体72Y、72M、72C、72BKが、後述する転写材の搬送方向A1に沿って配列されている。図示した例では転写材の搬送方向A1の最上流側の感光体72Yの表面にはイエロートナー像が形成され、次の感光体72Mの表面にはマゼンタトナー像が、さらに次の感光体72Cの表面にはシアントナー像が、さらにその次の感光体72BKの表面にはブラックトナー像がそれぞれ形成されるように構成され、これらの感光体はそれぞれ矢印B1方向に回転駆動される。
【0058】
各感光体72Y、72M、72C、72BKに対向して転写材搬送装置73が配置され、この転写材搬送装置73は、支持ローラ74、75、76、77と、それら支持ローラに巻き掛けられた無端ベルトより成る転写ベルト78とを有し、転写ベルト78は転写材の搬送方向A1に回転駆動される。かかる転写ベルト78の表面に各感光体72Y、72M、72C、72BKが当接し、しかも転写ベルト78を挟んで、各感光体に対向した位置には、転写装置79Y、79M、79C、79BKがそれぞれ配置されている。
【0059】
一方、画像形成装置本体71内の下部には、シート給送装置80のカセット81が配置され、そのカセット81内の底板82上に、例えば転写紙より成る転写材Sが積載されている。最上位の転写材Sの上面に当接した給送ローラ83が反時計方向に回転駆動されることにより、その最上位の転写材Sが矢印C方向に給送され、その給送された転写材Sはレジストローラ対84の回転によって所定のタイミングで各感光体72Y、72M、72C、72BKと転写ベルト78との間の転写部に向けて給送される。
【0060】
ここで、前述のようにイエロー用の感光体72Yの表面にはイエロートナー像が形成されており、かかる感光体72Yと転写ベルト78の間の転写部を転写材Pが通過するとき転写装置79Yの作用により、感光体72Yの表面に形成されたイエロートナー像が転写材Pの表面に転写される。この転写材Pは引き続きマゼンタ用の感光体72M、シアン用の感光体72C、及びブラック用の感光体72BKと転写ベルト78との間の各転写部を順次通過し、各転写装置79M、79C、79BKの作用により、各感光体72M、72C、72BK上の各色のトナー像が、既に転写材P上に転写されたイエロートナー像上に重ね合せて順次転写される。
【0061】
上述のようにして表面に4色の重ね合せトナー像が転写された転写材Pは、定着ローラ85と加圧ローラ86の間を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着される。次いで、この転写材Sは矢印Qで示すように排紙トレイ87上にスタックされる。
各感光体72Y、72M、72C、72BKと、その表面にトナー像を形成する各要素は、それぞれ一体的なプロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKとして構成され、これらが4色の各画像形成部を成している。なお、図13にはイエロートナーでの可視像を形成する画像形成部としてのプロセスカートリッジ88Yを示した。
【0062】
このように、4色の各画像形成部がそれぞれプロセスカートリッジ形態を取ることで、画像形成装置に対して容易に着脱作業ができることで、ユーザ負荷低減に繋がる。
4色の各画像形成部を成す各プロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKの構成は実質的に同一であるため、そのうちの1つのイエロー用の感光体72Yを有するプロセスカートリッジ88Yの構成と作用だけを図12,13を参照して説明する。
【0063】
図13に示すように、イエロー用の画像形成部を成すこのプロセスカートリッジ88Yの感光体72Yは、ユニットケース89に回転自在に組み付けられて矢印B1方向に回転駆動される。感光体2Yの表面には、ユニットケース89に回転自在に支持された帯電ローラ90が回転しながら当接し、その帯電ローラ90により感光体72Yの表面が所定の極性に帯電される。
【0064】
一方、図12に示すように、画像形成装置本体71内にはプロセスカートリッジ88Yとは別にレーザ書込みユニット91が配置され、このユニット91から出射する光変調されたレーザビームLによって、帯電後の感光体72Yの表面が露光され、これによって感光体72Yの表面にイエロー画像用の静電潜像が形成される。
【0065】
静電潜像は現像装置92Yによってイエロートナー像として可視像化される。
この現像装置92Yは、第1実施形態で説明した現像装置4と現像剤が相違する点を除くと同様の構成を採り、重複説明を簡素化する。
現像装置92はユニットケース89の一部により構成された現像ケース93と、この現像ケース93に回転自在に支持されて反時計方向に回転駆動される一対の現像ローラ94、95とを有する。現像ケース93にはイエロー色のトナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤DYが収容されている。
【0066】
現像剤DYは、現像ローラ94上に担持されて搬送され、ドクターブレード96により量を規制されて一対の現像ローラ94、95と感光体72Yとの間の現像領域に運ばれる。その現像剤中のトナーが感光体表面に形成された静電潜像に静電的に移行して静電潜像がイエロートナー像として可視像化される。
ここでの現像装置92Yは第1実施形態で説明した現像装置4と同様に、現像ケース(ケーシング)93の内壁面が現像剤撹拌部材144の最大外径部位との隙間(ギャップ)tを1mm以下に設定される。これにより、トナーとキャリアを確実に摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることができる。
【0067】
更に、現像ケース(ケーシング)93の内壁面で現像剤撹拌部材144の攪拌領域Eとの対向部に磁気センサ148が取付けられている。この磁気センサ148の検知信号は制御手段161に出力され、制御手段161はトナー濃度信号を利用して、トナー補給量、及び現像剤中のトナー濃度を制御している。なお、ここでの磁気センサ148も、図8(a)、(b)に示すような環状の傾斜面scを成す環状壁部材482を一体的に取付け、攪拌領域Eを流動する現像剤の流動抵抗増を防止するように形成されている。
【0068】
更に、現像剤撹拌部材144は第1実施形態で説明した現像剤撹拌部材44と同様に、最大周速Vn(mm/sec)が、415mm/sec以上610mm/sec以下になるよう、投影円直径D(mm)と、回転数A(rpm)とが設定される。これによって、現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正でき、センサ148の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができる。
なお、現像装置92Yの現像ローラ94、95、現像剤搬送部材145、現像剤撹拌部材144は制御装置161に制御される不図示の駆動源により回転駆動される。
【0069】
イエロートナー像は前述のようにして転写材Pの表面に転写され、その転写後に感光体表面に付着している転写残トナーは、クリーニング装置97により除去される。このクリーニング装置97は、ユニットケース89の一部により構成されたクリーニングケース98と、そのクリーニングケース98に回転自在に支持されて矢印方向に回転駆動されるクリーニングブラシ99と、基端部がクリーニングケース98に固定されたクリーニングブレード100とを有し、そのクリーニングブラシ99とクリーニングブレード100が感光体72Yの表面に当接してその表面の転写残トナーを掻き取り、不図示の収容タンク側に連通する開口101側に除去される。なお、クリーニング装置97のクリーニングブラシ99は制御装置61に制御される不図示の駆動源に駆動される。
【0070】
このようなフルカラープリンター70の作動を説明する。
図示しない操作パネルのキー操作等によりフルカラー画像形成の信号が送信されると、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各画像形成部を成す各プロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKが所定のタイミングでそれぞれ作動して、各感光体72Y、72M、72C、72BK上に各色のトナー像が形成される。
【0071】
一方、給紙カセット81にセットされた転写材Pは、給紙コロ83により取り出され、転写材搬送路に沿ってレジストローラ対84に送られた後、レジストローラ対84により転写材Pの先端が感光体72Y上に形成された一色目のイエロー(Y)のトナー像にタイミングを合わせて感光体72Yの転写部の転写領域に送られる。
【0072】
一色目のイエロー(Y)のトナー像転写位置において、転写装置79Yにより形成される電界の作用で、イエロー(Y)のトナー像が転写材Pに転写され、その転写が行なわれると同時に、転写材Pは搬送転写ベルト78に静電吸着されて搬送される。このようにしてイエロー(Y)のトナー像が転写された転写材Pは、各色毎に順に設けられた転写装置79M、79C、79Bkと各感光体72M、72C、72Bkとの間の転写位置に順次搬送され、各感光体ドラム上に形成されたシアン(C)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、ブラック(Bk)のトナー像が転写材P上に順次転写される。こうして全ての色のトナー像が転写材P上に転写されることでフルカラーのトナー像が転写材P上に形成される。
【0073】
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着ローラ85と加圧ローラ86の間を通り、このとき熱と圧力の作用によって、そのトナー像が転写材Sの表面に定着され、フルカラー画像が完成し、排紙トレイ87上に排出される。
一方、クリーニング装置97Yは、転写材Pに転写し切れずに感光体72M表面に残った残留トナーを除去、回収する。
【0074】
この「第2実施形態」である現像装置を備えた画像形成装置であるフルカラープリンター70の場合も、第1実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の場合と同様の作用、効果が得られる。更に、上述のような作用効果を持ったフルカラープリンター70を容易に実現できる。特に、フルカラープリンター70は4色の各画像形成部を、それぞれ一体的なプロセスカートリッジ88Y、88M、88C、88BKとして形成した。このため、フルカラープリンター70に対して容易に着脱作業ができることで、ユーザ負荷低減に寄与できる。
【実施例】
【0075】
次に、「第1実施形態」として図1で説明したプリンター20に用いる現像装置4の実施例を説明する。
ここでの現像装置4が用いた現像剤撹拌部材44は、その楕円板442の軸441の方向への投影円の直径が32mmに形成された。更に、現像剤撹拌部材44の軸441の回転数A(rpm)が300rpmに設定された。
【0076】
このような駆動条件で制御装置61が現像剤撹拌部材44を回転駆動した。この際、各楕円板442の最大周速Vnは、約503mm/secとなった。この最大周速Vnは許容下限値VnLとなる415mm/secと許容上限値VnHとなる610mm/secの間に保持された。
このため、現像装置4は現像剤攪拌不良によるトナー濃度ムラを是正できる。しかも、センサ16の感度低下を防止でき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができた。
【0077】
更に、ここで用いた現像装置のケーシング40は、その底部側の湾曲壁部401の内壁面と各楕円板442の最大外径部位との隙間(ギャップ)tが1mmに設定された。これにより、現像剤撹拌部材44の攪拌領域Eにおける回転駆動にあたり、その回転抵抗を過度に高めることなく、現像剤を横撹拌(回転軸方向の往復運動)することができ、トナーとキャリアを確実に摩擦帯電させると共に、トナーを均一に分散させることができた。
【0078】
しかも、隙間(ギャップ)tが1mmに設定されたことによって、この隙間tの区間における現像剤循環路(2点鎖線R参照)でのトナーとキャリアの摩擦帯電や、均一攪拌の特性が高まり、結果として、現像された画像のベタ画像濃度ムラは小さくなり、画像濃度ムラが是正され、画像品質の向上を図ることができた。
特に、ここで現像装置のケーシング40内に供給された現像剤は、磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いた。
【0079】
更に、非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いた。
このように、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることで、攪拌流動が適正になされ、過度の攪拌抵抗を発生することもない。しかも、現像剤撹拌部材44及び現像剤搬送部材45による現像剤の現像ローラ41側への供給を正確にでき、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れた。
【0080】
更に、重量平均粒径が5〜10μmで、5μm以下のものが60〜80個数%含まれたトナーを用いたことで、攪拌流動が適正になされ、正確なトナー補給量、及びトナー濃度の制御が実現でき、微細な画像(ドット)を現像することが可能になり、高画質化を図れた。
なお、上述の各実施形態では画像形成装置としては単色のプリンター20及びフルカラープリンター70を説明したが、これに代えて、その他のデジタル複写機、ファクシミリ等に同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明を適用した現像装置を備えたプリンターの概略構成図である。
【図2】図1のプリンターで用いる現像装置の概略拡大断面図である。
【図3】図2の現像装置で用いるセパレータの機能説明図である。
【図4】図3のセパレータの斜視図である。
【図5】図2の現像装置で用いる現像剤撹拌部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図6】図2の現像装置で用いる現像剤撹拌部材と湾曲壁部の隙間(ギャップ)の説明図である。
【図7】図2の現像装置で用いるケーシングに取付けられる磁気センサに対する現像剤の流動特性を説明する図で、(a)は流動特性が高い取付け状態説明図、(b)は流動特性が低い取付け状態説明図である。
【図8】図2の現像装置で用いる磁気センサを示し、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【図9】図8の磁気センサに取付けられる環状壁部材の要部の形状説明図である。
【図10】図2の現像装置で用いる現像剤搬送部材の拡大斜視図である。
【図11】図1のプリンターで用いる現像装置の現像剤撹拌部材と湾曲壁部の隙間の変化に対するベタ画像濃度ムラの大きさの変化特性線図である。
【図12】本発明の他の実施形態で用いる現像装置を備えたフルカラープリンターの概略構成図である。
【図13】図12のフルカラープリンターで用いる現像装置の概略拡大断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 感光体(像担持体)
2 帯電装置
4 現像装置
20 プリンター(画像形成装置)
40 ケーシング
401 湾曲壁部
41,42 現像ローラ(現像剤担持体)
44 現像剤撹拌部材
441 現像剤撹拌部材の軸
442 楕円板(回転傾斜板)
48 磁気センサ
70 フルカラープリンター(画像形成装置)
sc 傾斜面
t 隙間(ギャップ)
A 軸の回転数(rpm)
D 回転傾斜板の投影円直径(mm)、
E 攪拌領域
F センサ面
Lc 軸中心線
R 現像剤循環路
Y 軸中心線方向
Vn 最大周速(mm/sec)
VnL 最大周速の許容下限値
VnH 最大周速の許容上限値
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、非磁性トナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体と、軸及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板から成り、軸中心線回りに回転することによって現像剤を攪拌して前記トナーを分散させる現像剤撹拌部材と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域を移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサを備えた現像装置において、前記現像剤撹拌部材の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下にしたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記回転傾斜板は楕円板であり、前記現像剤撹拌部材の最大周速が前記楕円板の外周縁の値として算出され、同楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径をD(mm)、前記軸の回転数をA(rpm)とすると、
最大周速(mm/sec)=π*D*A/60
として算出されることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤撹拌部材を枢支するケースの一部が前記回転傾斜板を囲む攪拌部材対向壁として形成され、同攪拌部材対向壁と前記回転傾斜板の隙間(ギャップ)を1mm以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記磁気センサのセンサ面が前記攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されたことを特徴とする、請求項1、2又は請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記磁気センサの現像剤撹拌部材側に突設されたセンサ面の周縁部分より前記攪拌部材対向壁の内壁面に向かって環状の傾斜壁を連続形成したことを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記環状の傾斜壁と前記磁気センサのセンサ面との接続部及び前記環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部をそれぞれ滑らかに接続する(連続的に変化させる)ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項8】
前記非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置を搭載したことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置、及び請求項9に記載のプロセスカートリッジを搭載したことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項1】
少なくとも、非磁性トナーと磁性キャリアから成る2成分の現像剤と、同現像剤を吸着する現像剤担持体と、軸及び同軸に互いに離れてそれぞれ一体形成された複数の回転傾斜板から成り、軸中心線回りに回転することによって現像剤を攪拌して前記トナーを分散させる現像剤撹拌部材と、同現像剤撹拌部材の攪拌領域を移動する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサを備えた現像装置において、前記現像剤撹拌部材の最大周速を415mm/sec以上610mm/sec以下にしたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記回転傾斜板は楕円板であり、前記現像剤撹拌部材の最大周速が前記楕円板の外周縁の値として算出され、同楕円板の軸方向の投影軌跡円での投影円直径をD(mm)、前記軸の回転数をA(rpm)とすると、
最大周速(mm/sec)=π*D*A/60
として算出されることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤撹拌部材を枢支するケースの一部が前記回転傾斜板を囲む攪拌部材対向壁として形成され、同攪拌部材対向壁と前記回転傾斜板の隙間(ギャップ)を1mm以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記磁気センサのセンサ面が前記攪拌部材対向壁の内壁面よりも現像剤撹拌部材側に突設されたことを特徴とする、請求項1、2又は請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記磁気センサの現像剤撹拌部材側に突設されたセンサ面の周縁部分より前記攪拌部材対向壁の内壁面に向かって環状の傾斜壁を連続形成したことを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記環状の傾斜壁と前記磁気センサのセンサ面との接続部及び前記環状の傾斜壁と前記攪拌部材対向壁の内壁面との接続部をそれぞれ滑らかに接続する(連続的に変化させる)ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記磁性キャリアとして、重量平均粒径が65μm以下の磁性キャリアを用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項8】
前記非磁性トナーとして、重量平均粒径が5〜10μmであり、5μm以下のものが60〜80個数%含まれているトナーを用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置を搭載したことを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の現像装置、及び請求項9に記載のプロセスカートリッジを搭載したことを特徴とする、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−299273(P2008−299273A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148290(P2007−148290)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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