説明

現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体

【課題】 輸送時の現像剤の漏れ防止と,画像形成時の画像の濃度むらの低減とを図った現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体を提供すること。
【解決手段】 現像容器15の内部に,移動可能な磁性部材50を設ける。梱包輸送時においては,現像残現像剤搬送路18と現像槽19との間の位置,すなわち現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐような位置に磁性部材50を配置する。画像形成装置100の本体に装着している場合においては,現像残現像剤搬送路出口18aを塞がないような位置であって,現像残現像剤搬送路出口18aの下方の位置に磁性部材50を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体に関する。さらに詳細には,梱包輸送時における現像剤の漏れ防止と,画像形成時の画像の濃度むらの低減とを図った現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には,現像ユニットや感光体ユニットなどを別々に交換できるものがある。そして現像ユニットなどの現像装置は,その内部に現像剤を封入することができるようになっている。また,現像ユニットには,現像ローラ等の現像部材を感光体ドラムに近接して配置するために,現像ローラを露出させるための開口部が形成されていることがある。そのような現像ユニットを梱包して輸送する際には,その開口部から現像剤が漏れるおそれがあった。漏れ出た現像剤が周囲の部材を汚し,ユーザの手や周辺機器をも汚すおそれがあるためである。
【0003】
ところで,画像形成装置には,トナーと磁性キャリアとを用いる磁性二成分の現像剤を用いる現像装置を備えるものがある。開口部から現像剤が漏れることは,磁性二成分の現像剤を用いる現像装置においても同様に問題となっている。
【0004】
このため,開口部等からの現像剤の漏れを防止する対策が講じられるようになった。特許文献1に記載の梱包装置は,梱包用の箱にシール用の磁石を配置することとしている。磁力により磁性の現像剤が拘束され,現像装置の外部へ現像剤が飛散することを防止することとしている。また,特許文献1に記載の梱包装置とは別に,シール用の磁石を現像装置の内部に配置することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−249533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の場合,図1に示す現像装置内部の現像剤40は,現像ローラ11との間に働く磁力や現像ローラ11と現像剤40との間に働く摩擦力や現像装置のハウジング15と現像剤40との間に働く摩擦力により拘束される。このため,図1に示すように現像剤40は現像装置のハウジング15の奥まった位置にあり,梱包時において現像剤40は簡単には漏れにくい。
【0007】
しかし,梱包輸送時に図2に示すように何らかの衝撃が加わったときには,瞬間的に現像剤40が任意の方向に移動しようとする。そして,ハウジング15と現像ローラ11との間の隙間を押し広げようとする。これにより,図3に示すように現像剤40は現像槽から現像装置の開口部に向かってわずかに移動する。さらに,図4に示すように衝撃が反復継続的に繰り返されると,図5に示すように結果的に現像剤が漏れ出ることとなってしまう。
【0008】
特許文献1に記載の梱包装置では,磁力による現像剤の拘束には限界がある。そのため,反復継続的な衝撃による現像剤の漏れを防止するには不充分である。
【0009】
一方,現像装置を画像形成装置本体に装着した状態では別の問題が生ずる。画像形成時においては,現像ローラ上に付着している現像剤は,図6に示すように,大部分は現像槽に再度収容される。そして現像槽の他のトナーとともに攪拌されることにより,周囲の現像剤とほぼ同じ帯電量に帯電される。つまり,再攪拌により現像剤の帯電率が均一化されるのである。現像剤の帯電量が不均一であると,画像に濃度むらが発生することがある。それを防止するために,現像残現像剤を適宜現像槽に戻して再攪拌する必要がある。
【0010】
ところが,画像形成時においては,現像剤は,図6に示すように,鉛直方向に飛翔する現像剤と,ほぼ水平方向に飛翔する現像剤と,現像ローラ11に付着したままの現像剤と,3種類に分かれてしまう。鉛直方向に飛翔する現像剤は,現像槽の現像剤とともに再攪拌される。水平方向に飛翔する現像剤は,直ちに再びキャッチされる。付着したままの現像剤は,現像ローラ11に付着したまま搬送される。このように再捕獲された現像剤と,付着したままの現像剤とは,再攪拌されることがないため,画像の濃度むらの原因となる。
【0011】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,梱包輸送時の現像剤の漏れ防止と,画像形成時の画像の濃度むらの低減とを図った現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の現像装置は,磁性現像剤を担持して像担持体の静電潜像を現像するための現像部材と,磁性現像剤を収容する現像槽を備えるとともに現像部材を露出するための開口部が形成された現像容器とを有し,現像部材と現像容器との間に,現像後の現像残現像剤を現像槽の内部へ戻す現像残現像剤搬送路が形成された現像装置において,現像槽の内部に,外部からの操作により,現像残現像剤搬送路から現像槽への現像残現像剤の出口を塞ぐ位置と,開く位置とに配置される蓋部材を有するものである。かかる現像装置は,現像残現像剤搬送路の出口を蓋部材により塞ぐことができる。このため,梱包輸送時において現像剤が現像容器の外部に漏れ出るおそれが少ない。
【0013】
上記に記載の現像装置において,蓋部材が磁性体であるとよい。現像槽から漏れ出たわずかな現像剤も磁性体により拘束することができるからである。また,蓋部材を現像装置の外部から動かすことができるためである。さらに,画像形成時には,現像残現像剤を現像スリーブから好適に剥離することができる。
【0014】
上記に記載の現像装置において,蓋部材を保持するカムと,カムを外部からの操作で回転させるレバーとを有し,カムは,レバーの回転位置により,出口を塞ぐ位置または開く位置に蓋部材を配置するものであるとなおよい。レバーの回転位置と,蓋部材の位置とが一対一に対応しているため,蓋部材の位置を高い精度で決めることができるためである。
【0015】
上記に記載の現像装置において,蓋部材に固定されるとともに蓋部材に伴って移動する固定部材と,固定部材が移動する範囲を規制する移動範囲規制部とを有するものであってもよい。蓋部材の配置を決めることができることに変わりないからである。
【0016】
また,本発明は,上記に記載の現像装置と,像担持体とを有する画像形成装置にも及ぶ。かかる画像形成装置は,現像残現像剤搬送路の出口を蓋部材により塞ぐことができる。このため,梱包輸送時において現像剤が現像容器の外部に漏れ出るおそれが少ない。
【0017】
また,本発明は,上記に記載の現像装置と,像担持体とを有する画像形成装置において,蓋部材を,出口を開く位置に吸引する磁石を有するとなおよい。かかる現像装置は,現像残現像剤搬送路の出口を蓋部材により塞ぐことができる。このため,梱包輸送時にお
いて現像剤が現像容器の外部に漏れ出るおそれが少ない。
【0018】
また,本発明の現像装置の梱包体は,磁性現像剤を担持して像担持体の静電潜像を現像するための現像部材と,磁性現像剤を収容する現像槽を備えるとともに現像部材を露出するための開口部が形成された現像容器とを有し,現像部材と現像容器との間に,現像後の現像残現像剤を現像槽の内部へ戻す現像残現像剤搬送路が形成された現像装置を梱包容器に梱包した現像装置の梱包体において,現像装置は,現像槽の内部に,現像残現像剤搬送路から現像槽への現像残現像剤の出口を塞いだ位置と,開いた位置とに配置される磁性部材を有し,梱包容器の内部であって,現像槽の外部の位置に,磁性部材を,出口を塞ぐ位置に吸引する磁石が配置されているものである。かかる現像装置の梱包体は,現像容器から現像剤が漏れ出るおそれが少ない。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,梱包輸送時の現像剤の漏れ防止と,画像形成時の画像の濃度むらの低減とを図った現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】現像装置に衝撃が反復継続的に加わった場合における現像剤の振舞いを説明するための概略図(その1)である。
【図2】現像装置に衝撃が反復継続的に加わった場合における現像剤の振舞いを説明するための概略図(その2)である。
【図3】現像装置に衝撃が反復継続的に加わった場合における現像剤の振舞いを説明するための概略図(その3)である。
【図4】現像装置に衝撃が反復継続的に加わった場合における現像剤の振舞いを説明するための概略図(その4)である。
【図5】現像装置に衝撃が反復継続的に加わった場合における現像剤の振舞いを説明するための概略図(その5)である。
【図6】従来の画像形成装置における現像残現像剤の回収の様子を説明するための概略図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置を説明するための概略構成図である。
【図8】本発明に係る画像形成部を説明するための概略構成図である。
【図9】第1の実施形態の現像装置を説明するための概略構成図である。
【図10】第1の実施形態の現像装置における梱包輸送時を説明するための概念図である。
【図11】第1の実施形態の現像装置における画像形成時を説明するための概念図である。
【図12】第1の実施形態の現像装置における現像剤の搬送を説明するための概念図である。
【図13】第1の実施形態における別の画像形成装置を説明するための概略構成図である。
【図14】第2の実施形態における磁性部材を説明するための概念図(その1)である。
【図15】第2の実施形態における磁性部材を説明するための概念図(その2)である。
【図16】第2の実施形態における磁性部材の移動方法を説明するための正面図である。
【図17】第2の実施形態における磁性部材の移動方法を説明するための側面図である。
【図18】第3の実施形態における磁性部材を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,現像装置および画像形成装置および現像装置の梱包体について,本発明を具体化したものである。
【0022】
(第1の実施形態)
1.画像形成装置
本形態の画像形成装置100は,図7にその概略構成を示すように,中間転写ベルト101を有する,いわゆるタンデム方式のカラーコピー機である。中間転写ベルト101は,無端状ベルト部材であり,その図中両端部がローラ102,103によって支持され,図中矢印Aの向きに回転するようになっている。中間転写ベルト101の図中下部に沿って,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kが配置されている。
【0023】
各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kはいずれも同様の構成である。それぞれ,感光体ユニット20と,露光装置30と,現像ユニット10とを有している。感光体ユニット20は,静電潜像を担持する感光体ドラム21を有している。露光装置30は,感光体ドラム21に静電潜像を描きこむためのものである。現像ユニット10は,感光体ドラム21の静電潜像にトナーを付与して現像するためのものである。また,中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム21に対向する位置に,1次転写装置111が配置されている。図7中では画像形成部1Yによって代表してこれらの各装置の符号を示している。
【0024】
図7中で下方に配置されているのは,用紙Pを収容する給紙装置112である。給紙装置112の上部には,用紙Pを送り出す給紙ローラ113が設けられている。用紙Pは,給紙装置112から用紙搬送経路114に沿って上方へ送られる。用紙搬送経路114を挟んで,ローラ103と対面する位置に,2次転写装置115が配置されている。さらにその下流側(図中上方)には,定着装置130が配置されている。定着装置130は,加圧ローラ131,加熱ローラ132のローラ対を有している。
【0025】
定着装置130より用紙搬送経路114のさらに下流側には,排紙ローラ116および排紙トレイ117が配置されている。排紙ローラ116のさらに上方には,折り返し用ローラ119および折り返し用トレイ120が配置されている。そして,折り返し用ローラ119は,用紙搬送経路114の他に用紙搬送経路118ともつながっている。用紙搬送経路118は,両面印刷を行う場合に用いられる搬送経路である。
【0026】
次に,本形態の画像形成装置100の基本的な動作を簡単に説明する。この画像形成装置100は,画像形成の指示を受けると,その画像信号から各色の画像データを生成する。生成された各色の画像データは,対応する画像形成部1Y,1M,1C,1Kにそれぞれ送出される。各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kは,画像データに基づいて,静電潜像を形成する。さらに,形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0027】
形成されたトナー像は,順次,1次転写装置111によって中間転写ベルト101に転写され,重ね合わせられる。中間転写ベルト101に重ね合わせられたトナー像は,2次転写装置115によって用紙Pに転写される。トナー像を担持した用紙Pは,さらに搬送されて定着装置130に至り,定着装置130によって加熱されるとともに加圧される。これによりトナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着された用紙Pは,排紙ローラ116によって排紙トレイ117に排出される。以上が,画像形成装置100の基本的な動作である。
【0028】
2.画像形成部
画像形成部1Y,1M,1C,1Kはいずれも同様の構成である。よって以下,特に必要がない限り色による区別をせずに画像形成部1として説明する。本形態の画像形成部1は,図8に示すように,感光体ユニット20と,露光装置30と,現像ユニット10とを有している。露光装置30は,前述したように感光体ドラム21の表面に静電潜像を描きこむためのものである。感光体ユニット20と,現像ユニット10とは,それぞれ別々に交換可能なものである。
【0029】
感光体ユニット20は,感光体ドラム21と,帯電装置22と,クリーナ23とを有している。感光体ドラム21は,トナー像を担持するための像担持体である。帯電装置22は,感光体ドラム21を一様に帯電させるためのものである。クリーナ23は,感光体ドラム21から現像残現像剤を回収するためのものである。
【0030】
現像ユニット10は,現像ローラ11と,搬送ローラ12,13と,規制ブレード14と,現像容器15とを有する現像装置である。現像ローラ11は,トナーを感光体ドラム21の静電潜像に付与するための現像部材である。現像ローラ11は,その中心に位置する固定磁石11aと,固定磁石11aの外周に位置する現像スリーブ11bとを有している。搬送ローラ12,13は,現像装置内のトナーを攪拌し,現像スリーブ11bにトナーを供給するためのものである。規制ブレード14は,現像スリーブ11bの表面上のトナー層の厚さを規制するための規制部材である。現像容器15は,現像剤を収容するための容器である。
【0031】
ここで,画像形成部1の基本的動作について簡単に説明する。感光体ドラム21は,図8中の矢印Bの向きに回転する。そしてその回転に伴って,以下に示す処理を施される。まず,帯電装置22が,感光体ドラム21の表面を一様に帯電させる。その下流では,露光装置30が,感光体ドラム21の表面に静電潜像を描きこむ。さらにその下流では,図8中の矢印Cの向きに回転する現像スリーブ11bが,感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像にトナーを付与する。これにより,感光体ドラム21の表面にトナー像が形成される。このトナー像は,前述したように,図7の1次転写装置111によって転写ベルト101に転写されることとなる。
【0032】
3.現像装置
本形態の現像ユニット10の現像ローラ11は,トナーと磁性キャリアとからなる磁性二成分の現像剤を担持し,感光体ドラム21の静電潜像を現像するためのものである。図9はその構成を示す概略構成図である。現像ユニット10の現像ローラ11は,前述したように,固定磁石11aと現像スリーブ11bとを有している。固定磁石11aは回転しないように固定された磁石であり,その表面にはN極が3個とS極が2個配置されている。現像スリーブ11bはその中心軸を中心として回転可能な中空ローラである。そして,現像スリーブ11bは,図8中の矢印Cの向きに回転することにより,現像剤を搬送するためのものである。
【0033】
現像容器15には,図9に示すように,開口部16が形成されている。開口部16は,現像ローラ11を露出させるためのものである。また,現像ローラ11と現像容器15との間の隙間の箇所として現像前現像剤搬送路17と現像残現像剤搬送路18とがある。現像前現像剤搬送路17は,感光体ドラム21の静電潜像を現像するために現像前の現像剤を搬送する搬送路である。現像残現像剤搬送路18は,現像後の現像残現像剤を搬送し,現像剤を再度現像槽19に戻すための搬送路である。現像槽19は,現像容器15の内部に位置し,現像剤を収容する槽である。
【0034】
現像ユニット10は,前述したものの他に磁性部材50を有している。磁性部材50は,現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐための蓋部材である。磁性部材50は円柱形状
の部材である。また,磁性部材50は,磁性ステンレス鋼などの磁性体である。磁性部材50は,現像槽19の内部に配置されている。そして,外部からの操作によりその配置される位置を変更されるものである。そして磁性部材50は,後述する2箇所の位置のうちいずれかに配置されることとなる。
【0035】
磁性部材50が配置される2箇所のうちの一方の位置は,図10に示すように,現像残現像剤搬送路18と現像槽19との間である。つまり,図10の磁性部材50は現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ位置に配置されている。この位置に磁性部材50が配置されるのは後述するように梱包時である。
【0036】
梱包時には,現像ユニット10は梱包容器201に収容されている。梱包容器201とは,現像ユニット10を輸送あるいは保管する際に梱包する容器のことである。梱包容器201には,図10に示すように外部磁石150が配置されている。梱包時に外部磁石150が配置される位置は,現像容器15の外側であって現像残現像剤搬送路出口18aと対面する箇所である。そのため,磁性部材50は外部磁石150に引っ張られて,図10に示す現像残現像剤搬送路出口18aの箇所に配置されることとなるのである。なお,外部磁石150の磁力の強さは,磁性部材50を移動させるのに十分なものである。
【0037】
他方の位置は,図11に示すように,現像槽19の内部であって現像残現像剤搬送路出口18aの真下の位置である。磁性部材50がこの位置にあるとき,磁性部材50は現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐことがない。つまり図11の磁性部材50は,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態にする位置に配置されている。この位置に磁性部材50が配置されるのは後述するように画像形成装置100の本体に装着されているときである。
【0038】
磁性部材50の保持および移動を行うために,現像容器15には溝54が形成されており,その溝54の範囲をスライドする軸51が設けられている。溝54は,軸51が移動する範囲を規制するための移動範囲規制部として機能する。軸51は,磁性部材50に固定された固定部材である。また,軸51は,磁性部材50に伴って移動するものである。そしてその移動範囲は,溝54が形成されている範囲内である。磁性部材50は,軸51における現像容器15の溝54に挟まっている支点51aのスライドにより,溝54に沿って平行移動できるようになっている。溝54により,磁性部材50の動きうる範囲が限定されている。
【0039】
支点51aの移動可能な範囲は,溝54の上端52から下端53までの間である。そして,図10に示すように,磁性部材50が現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ箇所に配置されている場合には,支点51aは上端52の位置にある。
【0040】
そして,外部磁石150がないときは,磁性部材50は溝54の下端53の位置に配置されることとなる。重力を受けているためである。このため,外部磁石150が図10の位置にない場合には,磁性部材50が現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐことはない。
【0041】
つまり,磁性部材50の役割は,梱包時に現像残現像剤搬送路出口18aに蓋をするとともに,装着時に現像残現像剤搬送路出口18aを塞がないことである。また,装着時には,後述するように現像残現像剤の現像スリーブ11bからの剥離を補助する役割を担う。そしてその2つの配置場所を切り替えるスイッチの役割を,外部磁石150が担っているのである。
【0042】
4.装着時
現像ユニット10を画像形成装置100本体に装着した場合について説明する。画像形成装置100本体の内部には,図11に示した梱包容器の付属物である外部磁石150はない。このため,磁性部材50は外部磁石150からの磁力を受けることがない。したがって,磁性部材50は,図11に示すように,現像槽19の内部であって,現像残現像剤搬送路出口18aの真下の位置に配置されることとなる。
【0043】
画像形成時の現像剤の搬送について図11及び図12により説明する。現像容器15の内部に収容された現像剤は,図12に示すように,現像ローラ11の固定磁石11aのキャッチ極60によりキャッチされる。これにより,現像剤は現像ローラ11の現像スリーブ11bに付着する。そして現像スリーブ11bに付着した現像剤は,現像スリーブ11bの回転に伴って搬送される。
【0044】
次に,現像剤は規制ブレード14の箇所を通過する。規制ブレード14により,現像スリーブ11b上の現像剤の厚みが制限される。次に,一定の厚みの現像剤の層は,感光体ドラム21と対面する箇所を通過する。現像スリーブ11bに付着した現像剤の一部は,現像電界を受けて感光体ドラム21の表面に付着する。そして,現像に供されず現像スリーブ11bの上に残った現像剤は,現像残現像剤搬送路18を通過する。なお,磁性部材50が現像残現像剤の搬送の妨げとなることはない。このとき磁性部材50は,現像残現像剤搬送路出口18aを塞がない位置に配置されているからである(図11参照)。
【0045】
現像残現像剤搬送路18を通過した現像剤は,図11に示すように,現像槽19に向かってほぼ垂直に落下する。現像剤が,重力や,現像スリーブ11bの回転による遠心力に加えて,磁性部材50による磁力を受けているためである。このため本形態では,現像残現像剤は再度現像槽19に回収される。よって,次に説明するように,磁性部材50がなかったとした場合に比較して画像むらを生じにくいものとなっている。
【0046】
5.従来との比較
磁性部材50がなかったとした場合について図6により説明する。この場合には,現像残現像剤搬送路出口18aを抜け出た現像残現像剤は,次に示すように3種類のうちのいずれかの振舞いを示すこととなる。
(A1)鉛直方向への落下
(A2)水平方向への飛翔
(A3)現像スリーブに付着したままの状態
【0047】
これらのうち,(A1)の鉛直方向への落下が,最も好ましい。前述したように,現像残現像剤が現像槽19の内部の現像剤とともに攪拌されることにより,トナーが好適な帯電量となるためである。また,(A2)の水平方向に飛翔した現像残現像剤の一部は,現像槽19に戻ることなく現像スリーブ11bに再びキャッチされることとなる。このように,再度捕捉された現像残現像剤や,(A3)の現像残現像剤は,その後においても現像スリーブ11bに付着したままになりやすい。そして,現像スリーブ11b上で溶融してフィルミングの原因となるおそれがある。
【0048】
現像スリーブ11bに向かう向きに現像剤を引っ張る力は,ファンデルワールス力を主成分とする機械的付着力および現像スリーブ11bと現像槽19との電位差により形成される電界から受ける力である。その反対の向きに現像剤を引っ張る力は,重力,現像スリーブ11bの回転による遠心力である。また,現像剤は,固定磁石11aにより形成される磁界から,その位置により異なる方向に力を受ける。現像残現像剤が現像スリーブ11bから離れた後にも受ける力は,重力及び電界から受ける力及び磁界から受ける力である。これらの現像残現像剤に働く力により,その飛翔する方向が定まることとなるのである。
【0049】
トナーの帯電量は一般にばらついているため,現像残現像剤の個々の粒子に働く力はまちまちである。このため,現像残現像剤の振舞いは,(A1)〜(A3)の3種類に分かれることとなるのである。
【0050】
現像スリーブ11bに向かう向きに現像剤を引っ張る力が,その反対の向きに現像剤を引っ張る力に比べて小さい場合に,(A1)鉛直方向への落下や(A2)水平方向への飛翔が生じる。逆に,現像スリーブ11bに向かう向きに現像剤を引っ張る力が,その反対の向きに現像剤を引っ張る力に比べて大きい場合に,現像剤は(A3)現像スリーブ11bに付着したままの状態となる。
【0051】
そして,現像スリーブ11bに向かう向きに現像剤を引っ張る力が,その反対の向きに現像剤を引っ張る力に比べてより小さい場合に,現像剤は(A1)鉛直方向へ落下する。また,現像スリーブ11bから離脱した後に,磁界から下向きに強い力を受けているような場合にも,現像剤は(A1)鉛直方向へ落下する。
【0052】
一方,現像スリーブ11bに向かう向きに現像剤を引っ張る力が,その反対の向きに現像剤を引っ張る力に比べてわずかに小さい場合に,現像剤は(A2)水平方向に飛翔する。
【0053】
本形態では,従来に比べて(A1)鉛直方向へ落下する現像残現像剤の割合が増えることとなる。磁性部材50が現像スリーブ11bの下方に配置されていることにより,現像残現像剤の磁性キャリアが下方の方向に力を受けるためである。
【0054】
6.現像装置の梱包体
本形態の現像装置の梱包体200について説明する。本形態の現像装置の梱包体200は,図10に示すように,梱包容器201に現像ユニット10を梱包したものである。現像装置の梱包体200は,前述のように現像ユニット10と,外部磁石150とを有するものである。そして現像ユニット10及び外部磁石150は,それらを梱包する梱包容器201により梱包されている。
【0055】
梱包輸送時における磁性部材50の働きについて図10により説明する。梱包輸送時において磁性部材50は,前述したように図10の位置に配置されている。つまり,現像残現像剤搬送路18の現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ位置である。このため,磁性部材50は,現像残現像剤搬送路18と現像槽19との間に位置することとなる。よって,現像槽19の内部に収容された現像剤は現像残現像剤搬送路18にほとんど進入しない。
【0056】
磁性部材50を図10の位置に配置するために,梱包輸送時においては,外部磁石150が現像容器15の外部に配置されている。この外部磁石150は,梱包容器等に設けられているものである。このとき外部磁石150が現像容器15の外側であって現像残現像剤搬送路出口18aに隣接する箇所に配置されている。この外部磁石150により,現像剤は捕捉された状態となる。つまり,外部磁石150は,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態とするように,磁性部材50を吸引するためのものである。そして,現像ユニット10を開梱したときには,外部磁石150は図10の位置には存在しない。
【0057】
仮に一部の現像剤が,衝撃等により磁性部材50と,現像容器15との隙間をぬって現像残現像剤搬送路18に進入したとする。しかし,磁性部材50が現像残現像剤搬送路出口18aを塞いでいることに変わりないので,現像槽19から漏れ出る現像剤の量はごく少量である。そして現像槽19から現像残現像剤搬送路18へわずかに漏れ出た現像剤は,磁性部材50の磁力により磁性部材50に張り付く。このため,現像ユニット10の開口部16から外へ現像剤が漏れ出ることはほとんどない。なお,現像前現像剤搬送路
17には規制ブレード14があるため,現像剤が漏れることはほとんどない。
【0058】
7.変形例
図13に本形態の画像形成装置の変形例を示す。図13の画像形成装置には,現像容器15の外部であって溝54の下端53と対面する箇所に,外部磁石160が配置されている。外部磁石160は,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態とするように,磁性部材50を吸引するためのものである。外部磁石160により,画像形成装置100の本体に装着されているときの磁性部材50の位置が安定する。現像容器が斜めであるために磁性部材50が重力で落下しにくい画像形成装置や,固定磁石11aが磁性部材50を引っ張ることにより磁性部材50が落下しにくい画像形成装置に対して,適用すると有効である。なお,外部磁石160は,露光装置30による感光体ドラム21の露光の妨げとならないような位置に配置されている。また,磁性部材50は電磁石であってもよい。
【0059】
8.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る現像ユニット10は,移動可能な磁性部材50を有するものである。磁性部材50は,梱包輸送時には現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ位置に配置され,画像形成装置100の本体に装着されているときには,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態にする位置に配置されるものである。これにより,梱包輸送時における現像剤の漏れを防止し,画像形成時における現像ローラ11からの現像剤の剥離を促進することのできる現像装置および画像形成装置が実現されている。
【0060】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,現像部材は現像ローラに限らない。また,現像剤は二成分に限らない。磁性一成分のものであってもよい。磁性現像剤を用いるものであればよい。また,画像形成装置100は,カラーコピー機に限らない。すなわち,カラーに限らない。またコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。
【0061】
また,本形態では,現像ユニット10と感光体ユニット20とが独立に交換可能なものとして説明した。しかし,現像ユニット10と感光体ユニット20とが一体となったプロセスカートリッジを用いる画像形成装置にも適用可能である。
【0062】
(第2の実施形態)
以下,第2の実施形態について説明する。本形態の画像形成装置及び画像形成部の構成は,第1の実施形態とほぼ同様である。本形態は,磁性部材の形状および磁性部材の移動機構が異なるものである。
【0063】
本形態の現像ユニット210を図14に示す。現像ユニット210は,磁性部材250を有するものである。そしてその形状は直方体である。図14は,磁性部材250の配置と,移動方向を示している。図14中の破線は,梱包時の磁性部材250の位置を示している。図14中の実線は,画像形成装置100への装着時における磁性部材250の位置を示している。
【0064】
梱包されているときには,磁性部材250は現像残現像剤搬送路18を塞ぐような位置に配置されている。画像形成装置本体に装着されているときには,磁性部材250は現像残現像剤搬送路18を塞ぐことのない位置に配置されている。つまり,梱包時に現像剤の漏れを防止し,画像形成装置本体装着時に現像残現像剤の再攪拌を促進することは第1の形態と同様である。
【0065】
磁性部材250の移動機構を図16及び図17により説明する。図16に示すように,現像ユニット10は,磁性部材250と,カム251と,レバー部252と,軸253とを有している。カム251は,その回転により,磁性部材250の位置を変位させるための部材である。レバー部252は,カム251を回転させるためのものである。レバー部252と,カム251とが一体的に動くことにより,磁性部材250の位置が移動することとなる。
【0066】
図17に示すように,現像容器15には貫通孔15aが形成されている。その貫通孔15aに軸253が挿入されている。レバー部252はその一部が画像形成装置100の外部に露出している。カム251と,レバー部252とは,磁性部材250を移動させるための磁性部材配置変更部である。つまり,磁性部材250を配置する位置を外部から操作するためのものである。第1の実施形態では,磁性部材配置変更部として軸51及び溝54を用いて外部磁石150の磁力により磁性部材50の配置を変更した。しかし,本形態のように,磁性部材配置変更部として機械的な機構のみをもったものを用いるようにしてもよい。
【0067】
図16の破線は,磁性部材250が最も高い位置に配置されているときの様子を示すものである。その状態からレバー部252を回転させると,それに伴ってカム251が回転する。これにより,最も高い位置(破線)から最も低い位置(実線)へと磁性部材250が移動する。
【0068】
図17は,図16の矢印Dの向きからみた側面図である。図17は,図16に示したものと同様に,磁性部材250が最も低い位置にあるときを示す図である。ユーザがレバー部252を回転させることにより,磁性部材250を最も高い位置から最も低い位置の範囲内で移動する。なお,レバー部252の回転角度と,磁性部材250を配置する高さとは対応する関係にある。つまり,ユーザは,レバー部252の回転位置を決めることにより,磁性部材250の配置を決定することができる。
【0069】
なお,レバー部252を回転させて停止させる位置を変更することにより,磁性部材250の高さを微調整することもできる。これにより,磁性部材250が現像スリーブ11b上に付着している現像残現像剤が受ける磁界を微調整することができる。
【0070】
図15は,本形態の別の例を示したものである。図15に示すように,磁性部材250を回転させるようにしてもよい。そのために磁性部材250を回転可能に支持するとよい。つまり,図15の支点250aを支点として磁性部材250を回転させるのである。なお,磁性部材250を回転させる角度は,任意である。現像残現像剤搬送路18を塞ぐような位置と,現像残現像剤搬送路18を開いた状態とする位置とに配置することができればよいからである。
【0071】
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る現像ユニット210は,移動可能な磁性部材250を有するものである。磁性部材250は,梱包輸送時には現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ位置に配置され,画像形成装置100の本体に装着されているときには,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態にする位置に配置されるものである。これにより,梱包輸送時における現像剤の漏れを防止し,画像形成時における現像ローラ11からの現像剤の剥離を促進することのできる現像装置および画像形成装置が実現されている。
【0072】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,現像部材は現像ローラに限らない。また,現像剤は二成分に限らない。磁性一成分のものであってもよい。磁性現像剤を用いるものであればよい。また,画像形成装置100は,カラーコピー機に限らない。すなわち,カラーに限らない。またコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。
【0073】
また,本形態では,現像ユニット210と感光体ユニット20とが独立に交換可能なものとして説明した。しかし,現像ユニット210と感光体ユニット20とが一体となったプロセスカートリッジを用いる画像形成装置にも適用可能である。
【0074】
また,本形態では蓋部材として磁性部材250を用いた。しかし,蓋部材として磁性体ではないものを用いることもできる。ただしこの場合には,蓋部材は現像残現像剤を現像スリーブ11bから剥離する働きを担うことはない。
【0075】
(第3の実施形態)
以下,第3の実施形態について説明する。本形態の画像形成装置及び画像形成部の構成は,第1の実施形態とほぼ同様である。本形態は,磁性部材の形状等が異なっているものである。
【0076】
図18に,本形態の現像ユニット310を示す。現像ユニット310は磁性部材350を有するものである。本形態の磁性部材350は,円柱形状の磁性部材に,スクリュー351がついたものである。磁性部材350は,その中心軸の周りに回転可能なものである。スクリュー351は,現像剤の漏れを防止するとともに,現像スリーブ11bの表面上の現像剤の一部を剥離するための部材である。
【0077】
梱包搬送時には,磁性部材350は現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐように配置されている。このときスクリュー351は,現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐような向きで停止している。このように磁性部材350の向きを固定するために,第1の実施形態で説明した外部磁石150により拘束され,その位置を保持している。外部磁石150からの磁力により,スクリュー351は,現像残現像剤搬送路出口18aをちょうど塞ぐような位置で停止している。
【0078】
現像ユニット10が画像形成装置本体に装着されているときには,外部磁石150は図18の位置に存在しない。つまり,スクリュー351は拘束されず,回転可能な状態にある。このため,現像スリーブ11bに付着している現像残現像剤を現像槽19に再度収容する障害とはならない。また,この磁性部材350を動力により駆動をかけて積極的に回転させるようにしてもよい。この場合,現像スリーブ11b上に付着している現像残現像剤の一部を剥離していく。この磁性部材350の回転は,現像スリーブ11bの表面を傷つけないように,現像スリーブ11bの回転に倣うように,順方向であるとよい。ただし,この回転は逆方向でも構わない。
【0079】
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る現像ユニット310は,移動可能な磁性部材350を有するものである。磁性部材350は,梱包輸送時には現像残現像剤搬送路出口18aを塞ぐ位置に配置され,画像形成装置100の本体に装着されているときには,現像残現像剤搬送路出口18aを開いた状態にする位置に配置されるものである。これにより,梱包輸送時における現像剤の漏れを防止し,画像形成時における現像ローラ11からの現像剤の剥離を促進することのできる現像装置および画像形成装置が実現されている。
【0080】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,現像部材は現像ローラに限らない。また,現像剤は二成分に限らない。磁性一成分のものであってもよい。磁性現像剤を用いるものであればよい。また,画像形成装置100は,カラーコピー機に限らない。すなわち,カラーに限らない。またコピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。
【0081】
また,本形態では,現像ユニット310と感光体ユニット20とが独立に交換可能なものとして説明した。しかし,現像ユニット310と感光体ユニット20とが一体となったプロセスカートリッジを用いる画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…画像形成部
10,210,310…現像ユニット
11…現像ローラ
11a…固定磁石
11b…現像スリーブ
15…現像容器
16…開口部
17…現像前現像剤搬送路
18…現像残現像剤搬送路
18a…現像残現像剤搬送路出口
19…現像槽
20…感光体ユニット
21…感光体ドラム
22…帯電装置
30…露光装置
40…現像剤
50,250,350…磁性部材
51…軸
52…上端
53…下端
54…溝
100…画像形成装置
150,160…外部磁石
200…梱包体
201…梱包容器
251…カム
252…レバー部
253…軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性現像剤を担持して像担持体の静電潜像を現像するための現像部材と,
磁性現像剤を収容する現像槽を備えるとともに前記現像部材を露出するための開口部が形成された現像容器とを有し,
前記現像部材と前記現像容器との間に,現像後の現像残現像剤を前記現像槽の内部へ戻す現像残現像剤搬送路が形成された現像装置において,
前記現像槽の内部に,外部からの操作により,前記現像残現像剤搬送路から前記現像槽への現像残現像剤の出口を塞ぐ位置と,開く位置とに配置される蓋部材を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において,
前記蓋部材が磁性体であることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像装置において,
前記蓋部材を保持するカムと,
前記カムを外部からの操作で回転させるレバーとを有し,
前記カムは,前記レバーの回転位置により,前記出口を塞ぐ位置または開く位置に前記蓋部材を配置するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の現像装置において,
前記蓋部材に固定されるとともに前記蓋部材に伴って移動する固定部材と,
前記固定部材が移動する範囲を規制する移動範囲規制部とを有するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
像担持体と,
前記像担持体の静電潜像を現像するための現像装置とを有する画像形成装置において,
前記現像装置は,
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
像担持体と,
前記像担持体の静電潜像を現像するための現像装置とを有する画像形成装置において,
前記現像装置は,請求項2または請求項4に記載の現像装置であり,
前記蓋部材を,前記出口を開く位置に吸引する磁石を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
磁性現像剤を担持して像担持体の静電潜像を現像するための現像部材と,
磁性現像剤を収容する現像槽を備えるとともに前記現像部材を露出するための開口部が形成された現像容器とを有し,
前記現像部材と前記現像容器との間に,現像後の現像残現像剤を前記現像槽の内部へ戻す現像残現像剤搬送路が形成された現像装置を梱包容器に梱包した現像装置の梱包体において,
前記現像装置は,
前記現像槽の内部に,前記現像残現像剤搬送路から前記現像槽への現像残現像剤の出口を塞いだ位置と,開いた位置とに配置される磁性部材を有し,
前記梱包容器の内部であって,前記現像槽の外部の位置に,
前記磁性部材を,前記出口を塞ぐ位置に吸引する磁石が配置されていることを特徴とする現像装置の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−250181(P2010−250181A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101269(P2009−101269)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】