説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】トナー帯電量を上げると同時に、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる構成の現像装置を実現する。
【解決手段】本発明は、現像剤担持体41と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤47を収容する現像剤収容部40と、現像剤担持体上の二成分現像剤の量を規制する規制部材44とを備えた現像装置4において、現像剤担持体41上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、電荷付与手段と除去手段が同一部材(例えば同一のイオンフロー装置45,46)であることを特徴とするので、現像剤担持体上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与することでトナー帯電量を上げると同時に、二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置の現像装置に関し、詳しくは潜像担持体上に形成された潜像に、トナーおよび磁性キャリアを含有する二成分現像剤を供給し、帯電したトナーを電界により潜像担持体上の潜像に移動させることで該潜像を可視画像化する現像装置と、その現像装置を備えた、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも1つ以上の機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも1つ以上の機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置において、従来、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を用いた、いわゆる二成分現像方式の現像装置を用いた画像形成装置が知られている。二成分現像方式は、現像装置内で現像剤のトナーと磁性キャリアの摩擦によりトナーを帯電させ、電界による静電力で帯電したトナーを動かし、感光体等の潜像担持体上の潜像を現像する方式である。
【0003】
図7は二成分現像方式の現像装置の一例を示しており、この現像装置104では、トナーと磁性キャリアを含有する二成分現像剤(以下、現像剤と言う)147は、現像剤収容部140で搬送スクリュー142,143により攪拌・搬送されて擦れ合うことでトナーが摩擦帯電する。磁界発生手段を内包し回転可能な非磁性の現像スリーブからなる現像剤担持体141は、搬送されてきた現像剤147を磁界発生手段の磁力により汲み上げて担持し、現像剤担持体141に担持された現像剤147は、磁界発生手段と現像スリーブの回転により、現像剤担持体141と感光体等の潜像担持体100とが対向する現像領域に搬送される。
【0004】
現像領域の現像剤搬送方向上流側には、現像剤の量を制御する規制部材(ドクターブレード等)144が配置され、現像領域に搬送される現像剤147を所望の量に調整するとともに、規制部材144の近傍で現像剤にストレスを与えることでトナーの帯電量を安定化させている。すなわち、現像剤収容部140の搬送スクリュー142,143による攪拌では均一に摩擦帯電させることは難しく、帯電量不足のトナーの割合が多くなっているが、規制部材144の近傍で現像剤にストレスを与えることにより、現像に必要な帯電量を得られるようにしている。
【0005】
現像領域に搬送された現像剤は、現像剤担持体141内部の磁界発生手段の磁界により穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、現像剤担持体141と潜像担持体100間に現像バイアスを印加して電界を形成し、帯電したトナーに静電力を作用させることで潜像にトナーを移動させ、現像している。このときトナーの帯電が不十分だったり、逆の極性に帯電していたりすると、トナー飛散や非画像部にトナーが付着する地汚れが発生しやすくなる。
【0006】
この問題を解決させるために、例えば特許文献1に記載の従来技術では、帯電不足トナー粒子の割合を10%以下にするように帯電に関するパラメータを設定している。帯電不足のトナー粒子の割合として弱帯電トナー率WST[%]を用いている。弱帯電トナー率WST[%]はトナーの電荷量qと粒径dとを計測し、求めたq/dの分布において、マイナス帯電のトナーであれば−0.1[fC/μm]以上の帯電量を持つトナーの割合であり、プラス帯電のトナーであれば0.1[fC/μm]以下の帯電量を持つトナーの割合で定義される。また、特許文献2に記載の従来技術では、帯電不足のトナーの割合に加え、現像剤担持体の線速、現像剤量、開口部の大きさなどの影響も考慮してトナー飛散を抑えられる条件を規定している。
【0007】
しかし、これらの従来技術の方法ではトナー飛散を防止するには不十分で、特にトナー補給量が多い高画像面積の作像時には、トナーの帯電が不十分なまま現像領域まで搬送されてしまう現像剤の割合が多くなってしまう。そこで、飛散したトナーを除去する方法として、特許文献3に記載の従来技術では、現像領域で用いられなかったトナーが下流側で飛散してしまったものを吸引することが提案されている。
【0008】
また、特許文献4に記載の従来技術では、現像ハウジング内にトナーの帯電極性と同極性の電位に保持された逆帯電捕集ローラを設けることで逆帯電トナーを除去する方法が提案されている。また、バイアスローラにより除去した帯電不良トナーをスクレーパなどで掻き取り、現像剤に戻して再利用する方法として、特許文献5、特許文献6に記載の従来技術があるが、この方法では、掻き取りなどでトナーにストレスを与えるため、トナーが劣化してしまうという問題がある。
【0009】
トナーの帯電不足を補う手段としては、特許文献7に記載の従来技術のように、規制手段にバイアスを印加することでトナーに電荷を注入する方法が提案されている。また、スリーブ上の現像剤に近接して電極を設け、交流バイアスを印加することでトナーとキャリアに振動を与え帯電を補う方法として、特許文献8、特許文献9に記載の従来技術などが提案されている。
【0010】
しかしながら、バイアス印加部材を用いた方法では、バイアスを印加する電極にトナーが付着してしまい、常に一定の状態でトナーの除去、帯電の補助の動作を維持することは難しい。このため以上の従来技術の方法では、トナーの帯電不足の補助、逆帯電・弱帯電トナーの除去、除去したトナーの回収、再利用のすべてを、同時に効率よく、安定して動作させることはできなかった。
【0011】
【特許文献1】特開2004−240223号公報
【特許文献2】特開2004−334173号公報
【特許文献3】特開2005−257739号公報
【特許文献4】特開2001−125381号公報
【特許文献5】特開平11−327289号公報
【特許文献6】特開2000−098714号公報
【特許文献7】特開平9−90745号公報
【特許文献8】特開2000−010386号公報
【特許文献9】特開2000−293022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記の従来技術の問題を鑑みてなされたものであり、トナー帯電量を上げると同時に、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる構成の現像装置を提供することを目的とし、さらには、その現像装置を備え、トナー飛散や地汚れを防止した画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤担持体上の二成分現像剤の量を規制する規制部材とを備えた現像装置において、前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の手段は、磁界発生手段を内包し回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、潜像を担持する潜像担持体との対向部の現像剤搬送方向上流側に配置され現像剤の量を規制する規制部材とを備え、前記磁界発生手段により前記現像剤収容部から前記二成分現像剤を汲み上げて前記現像剤担持体の表面に担持させ、前記規制部材により前記二成分現像剤の量を規制した後に前記潜像担持体との対向部に搬送し、前記磁界発生手段により前記潜像担持体との対向部において前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して前記磁気ブラシより前記潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置において、前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の手段は、磁界発生手段を内包し回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、潜像を担持する潜像担持体との対向部の現像剤搬送方向上流側に配置され現像剤の量を規制する規制部材とを備え、前記磁界発生手段により前記現像剤収容部から前記二成分現像剤を汲み上げて前記現像剤担持体の表面に担持させ、前記規制部材により前記二成分現像剤の量を規制した後に前記潜像担持体との対向部に搬送し、前記磁界発生手段により前記潜像担持体との対向部において前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して前記磁気ブラシより前記潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置において、前記規制部材通過後から前記潜像担持体との対向部に至るまでの位置で、前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の現像装置において、前記電荷付与手段として、イオナイザーでイオン化されたエアの気流(以下、イオンフローと言う)を前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤に吹き付けるイオンフロー装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段の現像装置において、前記イオンフロー装置でトナー極性と同極性のイオンフローを前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤に吹き付けることで、該二成分現像剤に電荷を付与すると同時に逆帯電および弱帯電トナーを前記二成分現像剤から除去することを特徴とする。
さらに本発明の第6の手段は、第5の手段の現像装置において、前記イオンフロー装置でイオンフローを吹き付ける位置が、前記磁界発生手段の形成する磁場形状のスリーブ法線方向磁束密度のピーク近傍であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第7の手段は、第5または第6の手段の現像装置において、前記イオンフローにより除去したトナーを該イオンフローの気流により搬送し、前記現像剤収容部に戻すことを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第4乃至第7のいずれか1つの手段の現像装置において、トナー補給時から所定の時間範囲以外は前記イオンフロー装置のイオナイザーをオフにすることを特徴とする。
さらに本発明の第9の手段は、第4乃至第7のいずれか1つの手段の現像装置において、前記イオンフローの吹き付け動作を、トナー補給時から所定の時間範囲のみ動作させることを特徴とする。
【0018】
本発明の第10の手段は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段を有し、前記潜像担持体上で現像された画像を、記録材に直接または中間転写体を介して転写し、画像を形成する画像形成装置において、前記現像手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の現像装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第11の手段は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段を有する画像形成ユニットを複数備え、該複数の画像形成ユニットで前記潜像担持体上に色の異なる画像を形成して、記録材に直接または中間転写体を介して重ね合わせて転写し、多色またはカラー画像を形成する画像形成装置において、前記複数の画像形成ユニットの現像手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の現像装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の手段の現像装置では、現像剤担持体上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、電荷付与手段と除去手段が同一部材であることを特徴とするので、電荷付与手段により現像剤担持体上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与することでトナー帯電量を上げると同時に、二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができ、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
【0021】
本発明の第2の手段の現像装置では、現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、電荷付与手段と除去手段が同一部材であることを特徴とするので、電荷付与手段により現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与することでトナー帯電量を上げると同時に、二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができ、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
【0022】
本発明の第3の手段の現像装置では、規制部材通過後から潜像担持体との対向部に至るまでの位置で、現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、電荷付与手段と除去手段が同一部材であることを特徴とするので、規制部材通過後から潜像担持体との対向部に至るまでの位置で、電荷付与手段により現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与することでトナー帯電量を上げると同時に、二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができ、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
【0023】
本発明の第4の手段の現像装置では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成に加え、前記電荷付与手段として、イオナイザーでイオン化されたエアの気流(イオンフロー)を現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤に吹き付けるイオンフロー装置を備えたことを特徴とするので、イオンフロー装置からのイオンフローにより現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与することができる。
また、本発明の第5の手段の現像装置では、第4の手段の構成に加え、前記イオンフロー装置でトナー極性と同極性のイオンフローを現像剤担持体のスリーブ上の二成分現像剤に吹き付けることで、該二成分現像剤に電荷を付与すると同時に逆帯電および弱帯電トナーを前記二成分現像剤から除去することを特徴とするので、トナー帯電量を上げると同時に、イオンフローにより二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができ、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
【0024】
本発明の第6の手段の現像装置では、第5の手段の構成に加え、前記イオンフロー装置でイオンフローを吹き付ける位置が、磁界発生手段の形成する磁場形状のスリーブ法線方向磁束密度のピーク近傍であることを特徴とするので、現像剤の磁気ブラシが立っている位置で現像剤に対してムラなくイオンフローを吹き付けることができ、トナー帯電量を確実に上げることができると同時に、イオンフローにより二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去することができ、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
【0025】
本発明の第7の手段の現像装置では、第5または第6の手段の構成に加え、前記イオンフローにより除去したトナーを該イオンフローの気流により搬送し、現像剤収容部に戻すことを特徴とするので、除去したトナーを現像剤収容部に戻して現像剤に混合することで、除去トナーを再利用することができる。
また、本発明の第8の手段の現像装置では、第4乃至第7のいずれか1つの手段の構成に加え、トナー補給時から所定の時間範囲以外はイオンフロー装置のイオナイザーをオフにすることを特徴とするので、トナー補給時以外はエアフローだけで弱帯電、逆帯電トナーの除去動作のみを行うことができる。
さらに本発明の第9の手段の現像装置では、第4乃至第7のいずれか1つの手段の構成に加え、イオンフローの吹き付け動作を、トナー補給時から所定の時間範囲のみ動作させることを特徴とするので、トナー補給時の弱帯電、逆帯電トナーが多くなるときにのみ動作させることができ、無駄な動作を抑えることができる。
【0026】
本発明の第10の手段の画像形成装置では、現像手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の現像装置を備えたことを特徴とするので、トナー帯電量を上げると同時に、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができ、トナー飛散や地汚れを防止した画像形成装置を実現することができる。
また、本発明の第11の手段の画像形成装置では、複数の画像形成ユニットの現像手段として、第1乃至第9のいずれか1つの手段の現像装置を備えたことを特徴とするので、トナー帯電量を上げると同時に、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができ、トナー飛散や地汚れを防止した多色またはカラー画像形成装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0028】
まず、本発明に係る電子写真方式の画像形成装置の構成、動作の概要を図1により説明する。
図1において、潜像担持体としてのドラム状の感光体1の周囲には、帯電装置2、露光装置(書き込み装置)3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6が順に配設されている。また、給紙トレイ8より転写紙等の記録材Pを感光体1と転写装置5との対向部に向けて給紙するための給紙コロ9a、分離ローラ対9b、搬送ローラ対9c、レジストローラ対9d等からなる給紙搬送装置と、トナー像を転写された記録材Pが感光体1から分離した後、トナーを記録材Pに定着する定着装置7とを備えている。
【0029】
上記感光体1は、アルミ等の素管の表面に感光性(光導電性)を発揮する有機感光層(OPC)が形成されたもので、図示しない駆動手段によって図中矢印方向に回転駆動される。このように回転駆動される感光体1の表面は、帯電装置2で所定の帯電電位に一様に帯電された後、露光装置(書き込み装置)3より画像情報に基づいて変調されたレーザー光線が感光体1の軸方向(主走査方向と言う)にスキャンされて照射される。これにより、感光体上に静電潜像が形成される。感光体上に形成された静電潜像は、現像装置4と対向する現像領域において、現像装置4により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
【0030】
一方、記録材Pは給紙搬送装置の給紙コロ9aと分離ローラ対9bで1枚づつ給紙され、搬送ローラ対9cでレジストローラ対9dに向けて搬送され、レジストローラ対9dで所定のタイミングで感光体1と転写装置5とが対向する転写ニップ部に送出・搬送される。そして、転写装置5により、記録材Pに感光体上のトナー像とは逆極性の電荷を付与することで、感光体上に形成されたトナー像が記録材Pに転写される。次いで、記録材Pは、感光体1から分離されて定着装置7に送られ、定着装置7のローラ対で加熱・加圧されてトナー像が記録材に溶融定着され、定着後の記録材Pは図示しない排紙トレイ等に出力される。
【0031】
転写装置5でトナー像が転写された後の感光体1の表面は、クリーニング装置6でクリーニングされ、感光体上に残ったトナーが除去される。クリーニング装置6を通過した感光体の表面は、その後、帯電装置2により再び一様に帯電され、次の画像形成工程が繰り返される。
【0032】
以上が本発明に係る画像形成装置の構成、動作の概要であるが、次に、本発明に係る画像形成装置に用いられる現像装置4の特徴的な構成の実施例について説明する。
【0033】
[実施例1]
図2は本発明の第1の実施例を示す図であって、現像装置4の概略構成を示す断面図である。この現像装置4は感光体1との対向部に開口部を有し、この開口部から一部が露出し、感光体1に対向する現像剤担持体として非磁性の回転可能な現像スリーブ41を備えている。現像スリーブ41の内部には、固定された磁界発生手段としての磁石(各磁極毎に設けた複数の磁石、あるいは複数の磁極が着磁されたローラ状の磁石(マグネットローラ))を配設している。また、トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する現像剤収容部(現像ハウジングあるいは現像ケーシング)40と、現像剤収容部40内の現像剤47を攪拌・搬送する搬送スクリュー42,43と、現像スリーブ上の現像剤量を規制する規制部材であるドクターブレード44とを備えている。また、図示していないが、現像剤収容部40の搬送スクリュー43の側にトナーを補給するトナー補給装置が設けられている。
【0034】
現像装置4のドクターブレード44と現像領域の間には、電荷付与手段と、逆帯電及び弱帯電トナーを除去する除去手段とを兼ねたイオンフロー装置が設けられており、このイオンフロー装置は、イオナイザー45と、イオナイザー45によりイオン化されたエアを気流(イオンフローと言う)にして送るファンなどの図示しない送風器と、そのイオンフローをスリーブ上の現像剤に吹き付ける位置にセットされたノズル46などで構成されている。
【0035】
現像装置4の現像剤収容部40に収容されるトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤47は、搬送スクリュー42,43が回転駆動されることで、所定の極性に摩擦帯電されながら、現像スリーブ41の近傍まで搬送される。この現像剤47は現像スリーブ内の磁石の磁力によって現像スリーブ41の表面に汲み上げられ、現像スリーブ41の回転に伴い同方向へ搬送される。現像剤47は現像スリーブ表面に所定の間隙を介して対向するドクターブレード44によってその層厚を規制され、一定量の現像剤47が現像スリーブ41に担持された状態で現像領域の開口部に搬送され、感光体1と対向する位置で磁気ブラシを形成する。同時に、ドクターブレード44に通過を規制され、現像剤47にストレスを与えることで現像剤中のトナーの摩擦帯電が促進される。トナーの帯電量としては、−10〜−25[μC/g]の範囲が好適である。
【0036】
本実施例の現像装置4では、摩擦帯電で帯電量が不十分な現像剤47に対して、ドクターブレード44通過後の薄層化された現像剤に、イオンフロー装置のイオナイザー45でトナー帯電極性と同極性にイオン化されたエアの気流(イオンフロー)を吹き付けて電荷を付与することでトナーの帯電不足を補っている。また、それと同時に、ここでなお逆帯電・弱帯電のトナーについては、磁性キャリアとの付着力が弱いためイオンフローの気流の力(風圧)でキャリアからトナーを分離し除去することができる。イオンフローによって除去されたトナーは、イオンフローの気流で搬送され、流路を通って現像剤収容部40の現像剤47に戻される。現像剤47に戻されたトナーは、再度搬送スクリュー42,43で攪拌・搬送されて現像剤に混合され、再利用される。イオンフロー装置のノズル46によってイオンフローを吹き付ける位置は、磁界発生手段で形成する磁場形状の、スリーブ法線方向磁束密度のピーク位置またはその近傍であり、現像剤の磁気ブラシが立っている部分なので、現像剤に均一にイオンフローを吹き付けることができる。
【0037】
イオンフロー装置は、電荷を生成する電極部が気流の上流にあるので、電極がトナーなどで汚れることがなく、安定した電荷付与が可能である。また、逆帯電及び弱帯電のトナーの除去、除去トナーの現像剤収容部40への搬送と、一連の動作がすべてイオンフローの気流によって行われているので、トナーに過剰なストレスを与えることがない。このため常に安定して動作させることができる。
【0038】
感光体1と対向する現像領域では、磁界発生手段である磁石の磁力によって現像スリーブ41上に磁気ブラシが形成され、感光体1の移動方向と同方向で且つ感光体1よりも高速に移動させて、その磁気ブラシの先端を感光体1に摺擦させながら通過させる。このとき、現像スリーブ41には図示しない電源により現像バイアスが印加されており、感光体1に摺擦する磁気ブラシの先端のトナーには現像ポテンシャルが作用して、磁性キャリアの表面から感光体1の潜像部にトナーが静電的に転移してトナー像を形成する。現像スリーブ41の回転に伴って上記現像領域を通過した後の磁気ブラシは、現像剤収容部内に戻されて剤切される。
【0039】
現像剤を構成するトナーは、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加することで流動性を高めている。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど、従来から公知のものを使用することができる。なお、現像剤中の磁性キャリアとトナーとの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部程度が好ましい。
【0040】
本発明の一実施例である図2に示す構成の現像装置4と、従来の図7に示す構成の現像装置104の2種類を用いてトナー帯電量分布の測定を行った。測定結果を図3に示す。本発明の例では、従来品と比べ弱帯電トナーの割合が少なくなっているのがわかる。特にトナー補給時には差が大きく、従来品は弱帯電トナーの割合が通常時よりかなり大きくなっているのに対し、本発明では通常時とトナー補給時の差が小さくなっている。また、従来品はトナー補給時に逆帯電領域にもう一つの分布のピークを持ち、通常時においても若干のピークが残っているのが分かる。本発明では電荷を付与することで帯電量全体を上げると同時に、弱帯電トナーを除去しているので、通常時、トナー補給時ともに逆帯電領域のピークをなくすことができている。また、画像をプリントして比較したところ、従来品より地汚れを低減でき、装置内に蓄積するトナー飛散量も少なくなっていた。
【0041】
従来品においても通常時は比較的弱帯電トナーが少ないので、現像剤の帯電特性によってはイオンフロー装置の動作はトナー補給時から所定の時間のみでもトナー飛散を防止することができる。本実施例ではトナー補給により弱帯電トナー量が多くなるが、その後30秒から1分程度で通常の帯電量分布に戻っていた。従って、トナー補給時から所定の時間範囲以外はイオンフロー装置のイオナイザー45をオフにし、エアフローのみで弱帯電トナー除去を行い、トナー補給から所定時間の範囲内では、イオンフローで電荷付与動作を加えてトナー帯電量を上げるようにするとよい。
【0042】
なお、トナーの電荷量分布および粒径dの測定には、ホソカワミクロン社製の分析装置(商品名:「E−SPARTアナライザー」)を使用した。この分析装置は、二重ビーム周波数偏移型レーザードップラー速度計と、静電界中で粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用し、現像スリーブ上のトナーにエアを吹き付けて飛ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と帯電量のデータを得られるものである。
【0043】
[実施例2]
次に、図4は本発明の別の実施例を示す図であって、現像装置4の概略構成を示す断面図である。この実施例では、現像装置4の基本的な構成は図2と同様であるが、イオンフロー装置のイオンフローの吹き出し位置をドクターブレード44の壁面として、ドクターブレード44通過前の現像剤に対してイオンフローを吹き付ける構成としたものである。ドクターブレード44通過後の薄層化された現像剤と違い、ドクターブレード44通過前の位置では現像剤の量が多いので、イオンフロー装置の流量を大きくする必要があるが、ドクターブレード44の裏側に滞留してしまう現像剤47の流動性を上げ、現像剤47が循環しやすくする効果が得られる。
【0044】
また、図5は本発明のさらに別の実施例を示す図であって、現像装置4の概略構成を示す断面図である。図5に示す実施例では、ドクターブレード44通過前の位置で、現像スリーブ41上を搬送される現像剤に対してイオンフローが吹き付けられる位置に、ドクターブレード44とは別にノズル46を配置したものである。
【0045】
なお、上記の実施例1,2においては、電荷付与手段で、かつ弱帯電・逆帯電トナーの除去手段として、イオンフロー装置についてのみの説明をしているが、実施例1や実施例2で、イオンフローが吹き出しているノズル46の付近に、イオンフロー装置の替わりにバイアスを印加する電極やローラなど部材を現像剤に接触または近接して配置することでも、電荷付与手段と、逆帯電・弱帯電トナーの除去を同一部材で実現することが可能である。ただし、この場合には、部材へのトナーの付着などにより、安定性はイオンフロー装置よりも若干劣るものとなる。
【0046】
[実施例3]
次に、本発明に係る画像形成装置の別の実施例として、タンデム型のカラー画像形成装置の構成、動作を図6により説明する。このカラー画像形成装置は、装置本体中央部に位置する画像形成部と、該画像形成部の右方に位置する給紙部を備えており、カラープリンタやカラープロッタ等の機能を有している。また、画像形成部の上方に図示しない画像読取部を設けることにより、カラー複写機やカラーファクシミリの機能を持たせることができ、複合機として構成することができる。
【0047】
画像形成部には、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト20が配置されており、該中間転写ベルト20の上面には、画像を形成するための画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが並設して設けられている。すなわち、画像を形成する4種のトナー(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K))による像をそれぞれ担持可能な潜像担持体としての4個の感光体1が中間転写ベルト20の転写面に沿って並置されており、各感光体1の周囲には図1と同様に、帯電装置2、現像装置4、一次転写装置5、クリーニング装置6が配設され、各色の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを構成している。なお、露光装置(書き込み装置)3は、各画像形成ユニット毎に設けても良いが、図示の例では、4つのレーザ光源からのレーザ光を1つの光偏向器で振り分けて走査し、4系統の走査結像光学系を介して各感光体に照射して潜像を書き込む構成である。
【0048】
中間転写ベルト20は、駆動ローラ21と支持ローラ22及び2次転写対向ローラ23に掛け回されて各感光体1との対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。駆動ローラ21と対向する位置には、中間転写ベルト20の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置24が設けられている。
【0049】
上記4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えた画像形成部は、単一色若しくは複数色の画像形成モード(単色、多色またはフルカラー画像形成モード)に応じて各画像形成ユニットが選択使用されるようになっており、選択された画像形成モードに対応した画像形成ユニットが前述の図1の実施例と同様の帯電、露光、現像の作像行程を実施して各感光体1上に各色のトナー像を形成するようになっている。各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体周りの構成、動作は図1の実施例とほぼ同様であるが、感光体上に形成された各色のトナー像は、転写紙等の記録材にではなく、転写装置(例えば1次転写ローラ)5で中間転写ベルト20上に1次転写され、上記の選択された画像形成モードに応じて、中間転写ベルト上に単色、多色またはフルカラー画像が形成される。
【0050】
給紙部は、記録媒体としての転写紙等の記録材Pを積載収容する給紙トレイ30と、該給紙トレイ内の記録材Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ31と、給紙された記録材Pを搬送する搬送ローラ対32と、記録材Pの搬送をガイドする搬送ガイド33と、記録材Pが一旦停止され斜めずれを修正された後、中間転写ベルト20上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで二次転写ニップ部に向けて送り出すレジストローラ対34を有している。
【0051】
各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体1から中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像Tは、図示しないバイアス印加手段により2次転写ローラ35に印加されるバイアスにより、二次転写ニップ部を搬送される記録材Pに対して静電的に2次転写される。
【0052】
画像を転写された記録材Pは、搬送ガイド36を通り、定着ニップを形成するローラ対(ヒータ7cを内蔵した定着ローラ7aと、加圧ローラ7b)で構成され、設定温度に制御された定着装置7に搬送され、記録材上のトナー像はローラ対の定着ニップで加熱、加圧され、トナーが溶融して記録材Pに定着する。定着後の記録材は、図示しない排紙トレイ等に排出される。
【0053】
以上の実施例のカラー画像形成装置においては、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの現像装置4に、実施例1または実施例2で説明した現像装置を備えている。このため、トナー帯電量を上げると同時に、弱帯電、逆帯電トナーを安定して効率よく減らすことでトナー飛散や地汚れを抑えることができる。
実際に図6に示す構成のカラー画像形成装置で、多色画像やカラー画像を連続プリントしたところ、地汚れのない画像を得ることができた。また、装置内のトナー飛散量も従来品の現像装置を使った時と比べて低減できていることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す現像装置の概略断面図である。
【図3】本発明の現像装置と従来の現像装置のトナー帯電量分布の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す現像装置の概略断面図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す現像装置の概略断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示すカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図7】従来技術の一例を示す現像装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1:感光体(潜像担持体)
2:帯電装置
3:露光装置(書き込み装置)
4:現像装置
5:転写装置
6:クリーニング装置
7:定着装置
8:給紙トレイ
9a:給紙コロ
9b:分離ローラ対
9c:搬送ローラ対
9d:レジストローラ対
10Y,10M,10C,10K:画像形成ユニット
20:中間転写ベルト(中間転写体)
21:駆動ローラ
22:支持ローラ
23:2次転写対向ローラ
24:ベルトクリーニング装置
30:給紙トレイ
31:給紙コロ
32:搬送ローラ対
33:搬送ガイド
34:レジストローラ対
35:2次転写ローラ
36:搬送ガイド
40:現像剤収容部(現像ハウジング)
41:現像スリーブ(現像剤担持体)
42,43:搬送スクリュー
44:ドクターブレード(規制部材)
45:イオンフロー装置のイオナイザー
46:イオンフロー装置のノズル
47:二成分現像剤
P:記録材(転写紙等)
T:トナー像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤担持体上の二成分現像剤の量を規制する規制部材とを備えた現像装置において、
前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
磁界発生手段を内包し回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、潜像を担持する潜像担持体との対向部の現像剤搬送方向上流側に配置され現像剤の量を規制する規制部材とを備え、前記磁界発生手段により前記現像剤収容部から前記二成分現像剤を汲み上げて前記現像剤担持体の表面に担持させ、前記規制部材により前記二成分現像剤の量を規制した後に前記潜像担持体との対向部に搬送し、前記磁界発生手段により前記潜像担持体との対向部において前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して前記磁気ブラシより前記潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置において、
前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
磁界発生手段を内包し回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体と、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、潜像を担持する潜像担持体との対向部の現像剤搬送方向上流側に配置され現像剤の量を規制する規制部材とを備え、前記磁界発生手段により前記現像剤収容部から前記二成分現像剤を汲み上げて前記現像剤担持体の表面に担持させ、前記規制部材により前記二成分現像剤の量を規制した後に前記潜像担持体との対向部に搬送し、前記磁界発生手段により前記潜像担持体との対向部において前記現像剤担持体上の前記二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して前記磁気ブラシより前記潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置において、
前記規制部材通過後から前記潜像担持体との対向部に至るまでの位置で、前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤にトナー帯電極性と同極性の電荷を付与する電荷付与手段を有し、かつ前記二成分現像剤から逆帯電および弱帯電トナーを除去する除去手段を有し、前記電荷付与手段と前記除去手段が同一部材であることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記電荷付与手段として、イオナイザーでイオン化されたエアの気流(以下、イオンフローと言う)を前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤に吹き付けるイオンフロー装置を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置において、
前記イオンフロー装置でトナー極性と同極性のイオンフローを前記現像剤担持体のスリーブ上の前記二成分現像剤に吹き付けることで、該二成分現像剤に電荷を付与すると同時に逆帯電および弱帯電トナーを前記二成分現像剤から除去することを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の現像装置において、
前記イオンフロー装置でイオンフローを吹き付ける位置が、前記磁界発生手段の形成する磁場形状のスリーブ法線方向磁束密度のピーク近傍であることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の現像装置において、
前記イオンフローにより除去したトナーを該イオンフローの気流により搬送し、前記現像剤収容部に戻すことを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、
トナー補給時から所定の時間範囲以外は前記イオンフロー装置のイオナイザーをオフにすることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記イオンフローの吹き付け動作を、トナー補給時から所定の時間範囲のみ動作させることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段を有し、前記潜像担持体上で現像された画像を、記録材に直接または中間転写体を介して転写し、画像を形成する画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段を有する画像形成ユニットを複数備え、該複数の画像形成ユニットで前記潜像担持体上に色の異なる画像を形成して、記録材に直接または中間転写体を介して重ね合わせて転写し、多色またはカラー画像を形成する画像形成装置において、
前記複数の画像形成ユニットの現像手段として、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−139782(P2008−139782A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328393(P2006−328393)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】