説明

生体サンプル判別装置

【課題】微量な生体サンプルを支持する支持体を回転させながら、この生体サンプルに光を照射して検出をおこなう生体サンプル判別装置において、支持体の回転時に面ぶれが生じた場合でも、高感度に測定可能とする。
【解決手段】半導体レーザ10からの光を光源用集光レンズ11で一旦集光し、その集光位置を照明用集光レンズ12の前側焦点位置に一致させ、光源用アクチュエータ13と、光源集光レンズ用アクチュエータ14とで位置調整を行い、照明光を平行光とするともに、ビームサイズを一定に調整する。これにより、生体サンプルへの照明光量を一定とし、感度低下を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DNAやタンパクその他の生体サンプルへ光を照射し、その照射によって得られる光を検出して生体サンプルを判別する生体サンプル判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNAとタンパクが存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
【0003】
このような遺伝子をターゲットにする医療においては、遺伝子の検査、つまり遺伝子内の特定部位のDNA配列の並びを同定する必要があり、DNAチップとその読み取り装置が開発され、実用化されている。
【0004】
その一つとして、生体サンプルが流れる流路を形成した平板状の支持体を、光学的な読み取りを行う生体サンプル判別装置に取り付け、この流路の両端部に電圧を印加して生体サンプルを電気泳動させて判別を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記従来の生体サンプル判別装置は、支持体の流路を走査して読み取る構成ではなく、支持体は装置に固定的に配置される構成である。このように流路中を流れる生体サンプルを、予め定められた特定の位置で検出する構成では、生体サンプルが特定位置に電気泳動されるまで待たなければならず、判別するのに時間がかかったり、また、支持体に複数の流路を形成した場合には、複数の光学系を用意しなければならなかったりするなどの不都合がある。
【0006】
そこで、本出願人は、生体サンプルを支持する支持体を回転可能に支持して、流路を走査して読み取りを行うことで、流路中を移動する生体サンプルの判別や、あるいは、複数の流路における判別を短時間で行うことのできる生体サンプル判別装置の開発を進めている。
【特許文献1】特表2002−505009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、検査に用いるDNAなどの生体サンプルは、血液などから、細胞を破壊してDNAを抽出し、PCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)などによって目的のDNA配列を含む部分を増幅して準備しなければならない。このため大量に生体サンプルを準備するには手間がかかってしまう。
【0008】
そこで、微量な生体サンプルでも測定可能な生体サンプル判別装置が望まれている。しかしながら、生体サンプルを微量にすると、その分だけ、検出できる光量が微弱になってしまい、精度の高い判別は困難になる。
【0009】
上述した本出願人が開発を進めているような装置においては、支持体を装置にセットする際の位置ずれや、支持体を回転させた際の面振れによって、生体サンプルが流れる流路への照明光のサイズが変わってしまう。このように照明光のサイズが変わると、サンプルに照射されている照明光量が変わるため、検出信号レベルが変わってしまい、精度の高い判別が困難になる。最悪の場合は、十分に信号が得られず、判別できなくなるという課題を有していた。
【0010】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、支持体を回転させた場合などにおいて、面ぶれが生じたときであっても、それに左右されない、精度の高い測定を可能とする生体サンプル判別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、本発明にかかる生体サンプル判別装置は、生体サンプルに光を照射し、該生体サンプルから得られる光を検出して、該生体サンプルの判別を行う生体サンプル判別装置において、該生体サンプルに向けて照射する光を生成する拡散光源と、該拡散光源からの光を一旦集光する光源用集光レンズと、前記生体サンプルへ集光して照射するための照明用集光レンズと、を備え、該光源用集光レンズでの集光位置を、該照明用集光レンズの前側焦点位置に一致させて、該生体サンプルへの照射光を平行光としてなる、ことを特徴とするものである。
【0012】
これにより、生体サンプルを支持する支持体と照明用集光レンズとの距離が変動しても、生体サンプルに照射されている光量の変動がなく、精度の高い測定を可能とできる。
【0013】
また、本発明にかかる生体サンプル判定装置は、前記生体サンプル判別装置において、前記拡散光源を光軸方向に移動させる光源移動機構と、前記光源用集光レンズを光軸方向に移動させる光源用集光レンズ移動機構と、を備え、前記光源移動機構を用いて、前記光源用集光レンズに対する該拡散光源の距離を変えることで、該光源用集光レンズから出射する光の集光角度を可変であり、前記光源用集光レンズ移動機構を用いて、前記照明用集光レンズに対する該光源用集光レンズの距離を変えて、前記光源用集光レンズでの集光位置を、前記照明用集光レンズの前側焦点位置に一致させることで、前記生体サンプルへの照射光のビーム径を可変である、ことを特徴とするものである。
【0014】
これにより、光源用集光レンズからの出射光の集光角度を一定にでき、また、生体サンプルへの照射光のビームサイズを一定とでき、生体サンプルに照射されている光量のばらつきをなくすことができる。
【0015】
また、本発明にかかる生体サンプル判定装置は、前記生体サンプル判別装置において、おのおの一部に透過領域を有する複数の遮光部材と、照明光を受光して照明光量を検出する受光素子と、を備え、前記照明光用集光レンズを透過した照明光の光路中に、前記遮光部材を2箇所以上の異なる位置に配置し、前記遮光部材の各透過領域を透過してきた照明光の光路上に、前記受光素子を配置し、該受光素子の出力が最大となるように前記光源移動機構と、前記光源用集光レンズ移動機構とを用いて、前記拡散光源と、前記光源用集光レンズとの位置合わせを実施可能である、ことを特徴とするものである。
【0016】
これにより、光源からの光を無駄なく生体サンプルに照射でき、微量な生体サンプルに対しても高感度な測定を可能とできる。
【0017】
また、本発明にかかる生体サンプル判定装置は、前記生体サンプル判別装置において、おのおのの一部に透過領域を有する遮光部材と、該遮光部材を透過した光を集光する平行度検出用集光レンズと、該平行度検出用集光レンズで集光した光のサイズを制限するピンホールと、該ピンホールの透過光を受光して光量を検出する受光素子と、を備え、前記照明光用集光レンズを透過した照明光の光路中に、前記遮光部材を配置し、該遮光部材の透過領域を透過してきた照明光の光路中に、前記平行度検出用集光レンズを配置し、該平行度検出用集光レンズの焦点位置に、前記ピンホールを配置し、前記ピンホールの透過光の光路上に、前記受光素子を配置し、該受光素子の出力が最大となるように、前記光源移動機構と、前記光源用集光レンズ移動機構とを用いて、前記拡散光源と前記光源用集光レンズとの位置合わせを実施可能である、ことを特徴とする。
【0018】
これにより、光源からの光を無駄なく生体サンプルに照射でき、微量な生体サンプルに対しても高感度な測定を可能とできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の生体サンプル判別装置は、生体サンプルを支持する支持体を回転させた場合に面ぶれが生じ、支持体と、照明用集光レンズとの距離が変動しても、照明光が平行光なので、生体サンプルに照射されている光量の変動をなくすことができる。
【0020】
また、拡散光源の広がり角がばらついた場合にでも、光源用集光レンズからの出射光の集光角度を一定に調整し、生体サンプルへの照射光のビームサイズを一定とすることで、生体サンプルに照射されている光量のばらつきをなくすことができる。
【0021】
さらに、照明光のビームサイズを可変する機構として機能させることで、ビームサイズを生体サンプルが封入されている領域のサイズに合わせることもできるため、ビームを有効に、かつ、集中することなくサンプルに照射することができ、検出信号を、より多く取得し、かつ、褪色の影響を低減することができる。
【0022】
よって、生体サンプルへの照明光を一定に保つことができ、検出感度の低下を防止できるので、微量な生体サンプル量でも、高感度に測定可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明による生体サンプル判別装置の実施の形態を、図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による生体サンプル判別装置1000のブロック図を示す。
【0024】
図1において、1は生体サンプルを支持するプレートであり、生体サンプルを流すための流路2を有する上基板1aと、下基板1bとを貼り合わせてなる円盤状のものである。
【0025】
上基板1a、下基板1bは、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの透明系の材料を用いることができる。
【0026】
10は半導体レーザであり、生体サンプルへ照射するための光源である。11は光源用集光レンズであり、半導体レーザ10からの光を集光する。12は照明用集光レンズであり、光源用集光レンズ11で集光された光を集光し、流路2に照射する。
【0027】
13は光源用アクチュエータであり、半導体レーザ10を光軸に沿って移動させて位置決めを行う。
【0028】
14は光源集光レンズ用アクチュエータであり、光源用集光レンズ11を光軸に沿って移動させて位置決めを行う。
【0029】
光源用アクチュエータ13は、螺旋溝を切った送りねじと受けねじとを有し、受けねじと半導体レーザ10とを締結させ、送りねじの同軸上にステッピングモータを連結させて該ステッピングモータを回転させることで、半導体レーザ10を光軸上で直線的に移動させるようになっている。
【0030】
光源集光レンズ用アクチュエータ14は、同様に螺旋溝を切った送りねじと受けねじを有し、受けねじと光源用集光レンズ11とを締結させ、送りねじの同軸上にステッピングモータを連結させて該ステッピングモータを回転させることで、光源用集光レンズ11を光軸上で直線的に移動させるようになっている。
【0031】
光源用集光レンズ11に対する半導体レーザ10の位置と、照明用集光レンズ12に対する光源用集光レンズ11および半導体レーザ10の位置を、それぞれ適切に配置することによって生体サンプルを流すための流路2への照明を平行光としている。
【0032】
ここで、流路2に照射される照明光の強度によって検出感度が変わってしまうという問題を回避するため、この照明光は一定のパワーとするとともに、一定のビーム径にする必要がある。
【0033】
次に、本実施の形態1の生体サンプル判別装置1000の動作のうちの、一定のビーム径の平行光で照明を行うための、半導体レーザ10と光源用集光レンズ11との位置決めにつき、図2を用いて説明する。
【0034】
60は、光源用集光レンズ11からの収束光の収束位置であり、61はプレート1への照明光である。この収束光の収束位置60を照明用集光レンズ12の焦点に一致させることで、照明光を平行光とすることが出来る。ここで、半導体レーザ10の出射光はある広がり角を持つ拡散光であり、その広がり角は個々にばらつきを持っている。照明光のビーム径を一定にするためにはこの収束光の収束角を一定にする必要がある。つまり、光源用集光レンズ11からの収束光の収束位置60を、照明用集光レンズ12の焦点に一致させるとともに、その収束角を一定にするように半導体レーザ10と光源用集光レンズ11との位置決めを行う。
【0035】
図2(a)は、半導体レーザ10の広がり角が狭い場合の調整後の状態を示しており、図2(b)は、半導体レーザ10の広がり角が広い場合の調整後の状態を示している。図2(b)では、図2(a)に比べて半導体レーザ10の広がり角が広いため、光源用集光レンズ11への入射光の口径が大きくなる。このため、光源用集光レンズ11をより遠くへ配置させて照明光61のビーム径を一定に調整する。
【0036】
広がり角に応じた半導体レーザ10と、光源用集光レンズ11の位置との関係は、次のようにして求まる。拡散光源10と光源用集光レンズ11の主点との距離をz1、光源用集光レンズ11の主点と、照明用集光レンズ12の前側焦点位置との距離をz’1、光源用集光レンズ11の焦点距離をf1、半導体レーザ10の広がり角(半値半幅)をθx、照明用集光レンズ12の焦点距離をf2、照明光61のビーム半径をx2すると、前記位置決め条件より、式(10)の関係が成り立つ。
【0037】
【数3】

【0038】
式(10)を変形して、
【0039】
【数4】

【0040】
一方、レンズの結像の公式より、式(12)も成り立つ。
【0041】
【数5】

【0042】
式(12)に、式(11)を代入して整理していくと、
【0043】
【数6】

【0044】
式(13)を、式(11)に代入して解くと
【0045】
【数7】

【0046】
つまり、式(13)と式(14)を満たすように、半導体レーザ10と、光源用集光レンズ11の位置決めを行えばよい。
【0047】
次に、図1に戻り、本実施の形態1の生態サンプル判別装置1000の動作の全体について説明する。
【0048】
プレート1を透過した光は検出側集光レンズ20へ到達し平行光にされる。25は蛍光フィルタ、21は受光用集光レンズ、22は信号用開口、23は信号検出用受光素子であり、検出側集光レンズ20にて平行となった光のうち、サンプルによる蛍光信号成分以外を蛍光フィルタ25でカットし、受光用集光レンズ21で集光され、信号用開口22を通過した光のみが信号検出用受光素子23に入射し、電気信号に変換される。ここで、信号用開口22は、検出側集光レンズ20の焦点と共役な位置に配置され、検出側集光レンズ20の焦点付近の光のみを通過させて不要な光を遮断し、検出信号のS/N比を向上させる働きをする。ここで、検出側集光レンズ20の口径を、プレートの面振れ量や偏芯量に対して2桁以上大きく設定して、プレートの面振れや偏芯による検出信号の低下を防いでいる。
【0049】
30は、コントローラであり、半導体レーザ10をオン/オフしたり、信号検出用受光素子23からの信号を、A/D変換して信号処理を行ったり、光源や、レンズの位置決めを行ったり、流路をスキャンする際に回転モータ31をオン/オフしたりして、装置全体を制御する。
【0050】
図3(a)は、プレート1の上面図である。同心円上に電気泳動が行われる流路2が4組あり、その両端には電極を挿入する電極穴50と、電極穴51とがある。電気泳動の流路2aと交差して、生体サンプル導入用の流路2bがあり、その両端には電極を挿入する電極穴52と、電極穴53とがある。
【0051】
あらかじめ、流路2の全体にDNAサンプルを分離する分離用DNAコンジュゲートを詰めておく。電極穴52にDNAサンプルを入れ、電極穴52にマイナス、電極穴53にプラスの400〜1000V程度の電圧を印加すると、DNAサンプルはマイナスの電荷を持っているため、プラスの電極側へ連続的に引っ張られていき、時間の経過とともに生体サンプル導入用流路2bの全体に満たされるようになる。
【0052】
次に、電極穴50にマイナス、電極穴51にプラスの400〜1000V程度の電圧を印加すると、電気泳動用流路2aと、サンプル導入用流路2bとがクロスした領域にあるDNAサンプルだけが切り取られるようにして、電極穴51の方向に引き寄せられる。つまり、一定量のDNAサンプルを、電気泳動させることができる。
【0053】
例えば、DNAサンプルの異常DNAのDNA配列がATCCGTを含み、正常DNAがATCCGTを含む場合、下線で示した部分で異常DNAと正常DNAの塩基が異なっている。このとき、分離用DNAコンジュゲートのDNA部分の配列をTAGGCAとすると、正常DNAは下線部においてDNAコンジュゲートと相補的ではなくなる。これにより、全体の結合力は異常DNAの方が正常DNAより1塩基分大きくなり、電気泳動時に異常DNAの方が正常DNAより遅延して泳動される。
【0054】
正常DNAと、異常DNAとを両方含むDNAサンプルを用いて電気泳動を行い、一定時間経過すると、正常DNAが電極穴51により近い所にまで到達し、異常DNAは遅れるため、より遠い位置にしか到達できない。この状態で、プレート1を回転させて電気泳動用流路2aをスキャンさせると、DNAの分布に応じて信号を得ることができる。
【0055】
図4は、電極穴51から電極穴50方向にスキャンした際の信号の様子を示しており、縦軸は検出信号を、横軸は時間を示している。図の左側の山Aは正常型DNAの分布であり、右側の山Bは異常型DNAの分布である。正常型DNA、異常型DNAのいずれか一方のみしかDNAサンプルに含まれていない場合は、いずれか一方の山しか現れない。
【0056】
プレート1は樹脂でできており、μmレベルで平面度が出ているわけではなく、プレート1を回転させると面振れや偏芯がある。流路2に着目すると、流路2をスキャンする際、該流路2はプレート1の回転により照明用集光レンズ12から遠ざかる方向と近づく方向に、および内周方向と外周方向に変動する。しかし、照明用集光レンズ12からの照明光は平行光であり十分大きいビーム径があるため、流路位置の変動にかかわらず流路上にほぼ一定の照明光を照射することができる。
【0057】
プレート1の面振れ量や偏芯量は、プレート1の流路2の成型精度と、回転モータ31の軸、及びプレートの取り付け精度に依存する。プレート1の面振れ量や偏芯量は、複数の要因で発生し、一般的なメカ精度は±50μm程度であることより、かなり精度良く作ったとしてもコストとの兼ね合いも考慮して、実用的には少なくとも±100μm程度の面振れ偏芯を見込む必要がある。一方、流路のサイズは、断面積が小さいほど電気泳動時の分解能を高くでき、より幅を狭く深さを浅くする必要があるが、ここでは、流路のサイズは幅を200μm、深さを50μmとした。このとき、照明光のビームの半径(半値半幅)を偏芯量の10倍の1mmとし、その直径は2mmとした。照射光は平行光としているので、面振れ方向の変動では照射光量の低下は発生しない。照射光のビーム径に対して流路幅は十分小さいので、仮に±1mmの偏芯時なら流路2に照射される光量は50%となり、前記±100μmの偏芯量では、光量の低下は−5%未満に抑えられ、よって感度の低下は−5%未満を実現できた。
【0058】
本実施の形態1においては、上記のように半導体レーザ10からの光を光源用集光レンズ11で一旦集光し、その集光位置を照明用集光レンズ12の前側焦点位置に一致させて該生体サンプルへの照射光を平行光とするようにし、半導体レーザ10の広がり角のばらつきに応じて光源用アクチュエータ13と光源集光レンズ用アクチュエータ14とで位置調整を行い、光源用集光レンズ11での収束角を一定にすることで照明光のビームサイズを一定としているものであり、これにより、サンプルに照射される照明光量を、プレート1の面振れや偏芯に大きく影響されること無く、ほぼ一定にすることが出来ているものである。
【0059】
このように、本実施の形態1の生体サンプル判別装置によれば、光源からの出射光をプレート1までの光路途中で捨てることなく最大限利用してプレート1に照射できるので、より小さな出力の半導体レーザを採用することができ、かつ偏芯や面振れによる得られる信号の大幅な低下を防ぎ、S/N比の良い信号を検出して、微量な生体サンプル量でも高感度にばらつきなく測定を行うことができ、精度の高い生体サンプルの判別、測定ができる。
【0060】
なお、本実施の形態1では、サンプルに蛍光標識を付けて蛍光する光の量を測定する蛍光測定をもって説明したが、本発明は、蛍光フィルタ25を削除して生体サンプルからの信号を吸光度信号として検出する吸光測定にも適用できるものである。
【0061】
また、本実施の形態1においては、電気泳動の流路をスキャンする構成について説明したが、DNAチップをスキャンする構成としてもよく、同様に実施可能である。
【0062】
また、本実施の形態1では、生体サンプルとしてはDNAを用いたが、これは、タンパク質等の他の生体サンプルを用いてもよく、同様に適用可能である。
【0063】
また、本実施の形態1では、光源用アクチュエータ13と、光源集光レンズ用アクチュエータ14を、コントローラ30でコントロールしているが、これは半固定的に工場出荷時にのみ、該光源用アクチュエータ13と光源集光レンズ用アクチュエータ14とよりなるメカ機構を調整し、ユーザによっては調整できない構成とすることもできる。
【0064】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2による生体サンプル判別装置2000のブロック図を示す。
【0065】
図5において、15はダイクロイックミラーであり、40は光学ユニットであり、41は光学ユニット用アクチュエータであり、42は第1の遮光用マスクであり、43は第2の遮光用マスクであり、44は調整用受光素子である。
【0066】
本実施の形態2が、前記実施の形態1と異なるところは、ダイクロイックミラー15を用いることで、プレート1に対して、同一の方向より、照明と、検出を行う構成とした点と、照明光の光路に、第1、第2の遮光用マスク42、43と、調整用受光素子44とを配して、照明光のビーム径の調整を可能とした点である。
【0067】
前記ダイクロイックミラー15は、照明光の波長成分を反射し、サンプルの蛍光波長成分を透過する。半導体レーザ10からプレート1までの照明光学系については、ダイクロイックミラー15による反射によって、光路が90°折り曲げられている点以外は、前記実施の形態1におけると同様の構成である。
【0068】
次に、本実施の形態2の生体サンプル判別装置2000の動作について説明する。
図5の本実施の形態2の装置2000の構成において、前記流路2中の生体サンプルで発生した蛍光信号は、照明用集光レンズ12を介して集光され、ダイクロイックミラー15を透過し、蛍光フィルタ25を透過し、受光用集光レンズ24で集光され、信号用開口22を通過した光のみが信号検出用受光素子23に入射し、電気信号に変換される。ここで、信号用開口22は、照明用集光レンズ12の焦点と共役な位置に配置され、照明用集光レンズ12の焦点付近の光のみを通過させ、不要な光を遮断し、検出信号のS/N比を向上させる働きをする。
【0069】
本実施の形態2で特徴的なことは、第1、第2の遮光用マスク42、43と、調整用受光素子44とを配して、照明光のビーム調整を可能とした点であり、図6(a)(b)(c)を用いて、その調整方法について説明する。
【0070】
図6(a)は、調整時の初期状態を示しており、光源用集光レンズ11と、半導体レーザ10は、照明用集光レンズ12に比較的近い位置に配置されている。この状態では、光源用集光レンズ11からの収束光の位置が、照明用集光レンズ12の焦点位置よりも照明用集光レンズ12寄りとなっているため、プレート1への照明光61aは平行光ではなく、拡散光となっている。そこで、図6(b)のように、半導体レーザ10の位置を光源用集光レンズ11から遠ざかる方向に移動させて、照明光61bが平行光になるように調整する。
【0071】
しかし、この状態では、光源用集光レンズ11からの収束光、つまり、照明用集光レンズ12への入射光の集散角が大きすぎるため、照明光61bのビーム径が大きくなっている。そこで、光源用集光レンズ11についてもその位置を、照明用集光レンズ12から遠ざかる位置に移動させ、合わせて半導体レーザ10の位置を、光源用集光レンズ11から遠ざかる方向に移動させて、最終的には、その照明光61cのサイズが、図6(c)のように第1、第2の遮光用マスク42、43と同じサイズになるように調整を行う。
【0072】
即ち、この図6(c)における、上記プレート1の通過後の照明光61cが調整用受光素子44により検出される光量は、プレート1通過前の照明光61cが、第1、第2の遮光用マスク42、43によっても全く遮蔽されておらず、上記照明光61cの光量と同じであるため、図6(a)(b)の場合に比し、最も信号レベルが高くなっている。したがって、このことより、上記光源用集光レンズ11、および照明用集光レンズ12の位置は、プレート1を通過した後に調整用受光素子44により検出される照明光61により得られる信号レベルが、最も高くなるように調整を行えばよいことがわかる。
【0073】
ここで、第1、第2の遮光用マスク42、43は、プレート1正面から見ると、図3(b)のようにプレート1上に配置している。ここでは、流路2の幅と、第1の、第2の遮蔽用マスク42、43の開口の幅とを等しくしており、照明光61のビーム径を流路幅に合わせて調整することが可能である。
【0074】
さらに、図5に示すように、調整用受光素子44は領域が2分割されており、それぞれの領域からの信号が等しくなるように、光学ユニット用アクチュエータ41を動かして、光学ユニット40をプレート1の内外周方向へ移動させる位置調整を行うこともできる。
【0075】
本実施の形態2においては、上記のように半導体レーザ10からの光を光源用集光レンズ11で一旦集光し、その集光位置を照明用集光レンズ12の前側焦点位置に一致させて該生体サンプルへの照射光を平行光とするようにし、半導体レーザ10の広がり角のばらつきに応じて光源用アクチュエータ13と光源集光レンズ用アクチュエータ14とで位置調整を行い、光源用集光レンズ11での集光角を一定にすることで照明光のビームサイズを一定としているものであり、これにより、サンプルに照射される照明光量をプレート1の面振れや偏芯に大きく影響されること無くほぼ一定にすることが出来るものである。
【0076】
このように、本実施の形態2の生体サンプル判別装置によれば、前記実施の形態1の構成において、プレート1に対して同一の方向より照明と検出を行う構成とし、かつ照明光61の光路に第1、第2の遮光用マスク42、43と調整用受光素子44とを配して照明光のビーム径の調整を可能としていることにより、得られる信号の大幅な信号低下を防止できて、S/N比の良い信号を検出して微量な生体サンプル量に対して高感度の測定を行うことができる効果が得られる。
【0077】
また、本実施の形態2では、照明光のビームサイズ、即ち遮光部材の遮光領域の幅を、を、流路2の幅、即ち生体サンプルの封止部分のサイズに調整可能であるので、照明光を無駄なく流路2に照射することができ、より高感度化を実現できる効果も得られる。
【0078】
また、照明光は平行光になるものであって、局所的に集中するものでもないので、高光密度下でのサンプルの褪色の問題を回避できる効果も得られる。
【0079】
また、プレート毎に流路幅が異なる場合においても、照射光のビームサイズを最適に調整できる効果も得られる。
【0080】
なお、本実施の形態2においては、図3(b)に示すように、遮光用マスク42を流路2の両サイド部分に配置するばかりでなく、流路と流路の間の領域にも配置している(42b)が、これはそのいずれか一方のみに配置してもよく、また、プレート1全周にわたって配置してもよく、さらに溝のような開口ではなく、円形開口であってもよい。
【0081】
また、本実施の形態2においては、電気泳動の流路をスキャンする構成について説明したが、DNAチップをスキャンする構成としてもよく、同様に実施可能である。
【0082】
また、本実施の形態2では、生体サンプルとしてDNAを用いているが、これはタンパク質等の他の生体サンプルを用いてもよく、同様に適用可能である。
【0083】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における生体サンプル判別装置3000のブロック図を示す。
【0084】
図7において、45は調整用集光レンズであり、46は調整用開口であり、前記実施の形態2と異なるところは、照明用ビームの平行度と、径の検出方法である。
【0085】
半導体レーザ10からプレート1までの照明光学系と、プレート1から信号検出用受光素子23までの蛍光信号検出光学系については、前記実施の形態2におけると同様の構成である。
【0086】
次に、本実施の形態3に生体サンプル判別装置3000の動作について説明する。
本実施の形態3において特徴的なことは、遮光用マスク42と、調整用集光レンズ45と、調整用開口46と、調整用受光素子44を配して、照明光12のビーム調整を可能とした点であり、図8(a)(b)(c)を用いて、その調整方法について説明する。
【0087】
図8(a)は、調整時の初期状態を示しており、光源用集光レンズ11と、半導体レーザ10は、照明用集光レンズ12に比較的近い位置に配置されている。この状態では、光源用集光レンズ11からの収束光の位置が、照明用集光レンズ12の焦点位置よりも照明用集光レンズ12寄りとなっているため、プレート1への照明光61aは平行光ではなく、拡散光となっている。
【0088】
そこで、図8(b)のように半導体レーザ10の位置を光源用集光レンズ11から遠ざかる方向に移動させて、照明光61bが平行光になるように調整する。しかしこの状態では、光源用集光レンズ11からの収束光、つまり照明用集光レンズ12への入射光の集散角が大きすぎるため、照明光12aのビーム径が大きくなっている。
【0089】
そこで、光源用集光レンズ11についてもその位置を照明用集光レンズ12から遠ざかる位置に移動させ、合わせて半導体レーザ10の位置を光源用集光レンズ11から遠ざかる方向に移動させて、最終的には、図8(c)のように照明用集光レンズ12からの照明光61cのサイズが遮光用マスク42の光透過領域のサイズと同じサイズになるように、調整を行う。
【0090】
そして、この調整時に調整用受光素子44の信号を用いることが可能である。ここで、調整用開口46は調整用集光レンズ45のちょうど焦点位置に配置してあるため、調整用集光レンズ45への入射光が平行光の時、調整用開口46を通り抜ける光量が最大となり、照明光61の平行度を、感度良く検出することが可能である。
【0091】
即ち、図8(a)(b)(c)で、調整用受光素子44への光量を比較すると、最終的に調整された図8(c)の状態での照明光61caは、遮光用マスク42と調整用開口46との両方で遮蔽されておらず、最も信号レベルが高くなっている。したがって、このことより、上記光源用集光レンズ11、および照明用集光レンズ12の位置は、照明光61により得られる信号レベルが高くなるように、調整を行えばよいことがわかる。
【0092】
ここで、遮光用マスク42は、プレート1正面から見ると、図3(b)のようにプレート1上に配置している。ここでは、流路2の幅と、遮蔽用マスク42の開口の幅とを等しくしており、照明光61のビーム径を流路幅に合わせて調整することが可能である。
【0093】
さらに、図7に示すように、調整用受光素子44は領域が2分割されており、それぞれの領域からの信号が等しくなるように光学ユニット用アクチュエータ41を動かして、光学ユニット40をプレート1を内外周方向へ移動させる位置調整を行うこともできる。
【0094】
本実施の形態3においては、上記のように半導体レーザ10からの光を光源用集光レンズ11で一旦集光し、その集光位置を照明用集光レンズ12の前側焦点位置に一致させて該生体サンプルへの照射光を平行光とするようにし、半導体レーザ10の広がり角のばらつきに応じて光源用アクチュエータ13と光源集光レンズ用アクチュエータ14とで位置調整を行い、光源用集光レンズ11での集光角を一定にすることで照明光のビームサイズを一定としているものであり、これにより、サンプルに照射される照明光量をプレート1の面振れや偏芯に大きく影響されること無くほぼ一定にすることが出来るものである。
【0095】
このように、本実施の形態3の生体サンプル判別装置によれば、前記実施の形態2の構成と同様、プレート1に対して同一の方向より照明と検出を行う構成とし、かつ照明光61の光路に遮光用マスク42と調整用集光レンズ45と調整用開口46と調整用受光素子44を配して照明光61のビーム調整を可能としたことにより、得られる信号の大幅な低下を防止できて、S/N比の良い信号を検出して微量な生体サンプル量に対しても高感度での測定を行うことができる効果が得られる。
【0096】
また、本実施の形態3では、照明光のビームサイズ、即ち遮光部材の遮光領域の幅を、流路2の幅、即ち生体サンプルの封止部分のサイズに調整可能であるので、照明光を無駄なく流路2に照射することができ、より高感度化を実現できる効果も得られる。
【0097】
また、照明光は平行光になるものであって、局所的に集中するものでもないので、高光密度下でのサンプルの褪色の問題を回避できる効果も得られる。
【0098】
また、プレート毎に流路幅が異なる場合においても、照射光のビームサイズを最適に調整できる効果も得られる。
【0099】
なお、本実施の形態3においては、図3(b)に示すように、遮光用マスク42を流路2の両サイド部分に配置するばかりでなく、流路と流路の間の領域にも配置している(42b)が、これはそのいずれか一方のみに配置してもよく、またプレート1全周にわたって配置しても良く、さらに溝のような開口ではなく、円形開口であってもよい。
【0100】
また、本実施の形態3においては、電気泳動の流路をスキャンする構成について説明したが、DNAチップをスキャンする構成としてもよく、同様に実施可能である。
【0101】
また、本実施の形態3では、生体サンプルとしてDNAを用いているが、これは、タンパク質等の他の生体サンプルを用いてもよく、同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明にかかる生体サンプル判別装置は、チップを用いて、微量な生体サンプルで高感度に測定できる特徴を有し、DNAサンプル等の生体サンプルの判別を、安価で、且つ簡便に行えるようにするものとして、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施の形態1における生体サンプル判別装置1000のブロック図
【図2】前記実施の形態1の生体サンプル判別装置1000における照明光ビーム径の調整を説明する図
【図3】前記実施の形態1の生体サンプル判別装置1000において用いるプレートの上面図
【図4】前記実施の形態1の生体サンプル判別装置1000における信号検出結果を説明する図
【図5】本発明の実施の形態2における生体サンプル判別装置2000のブロック図
【図6】前記実施の形態2の生体サンプル判別装置2000における照明光ビーム径の調整を説明する図
【図7】本発明の実施の形態3における生体サンプル判別装置3000のブロック図
【図8】前記実施の形態3の生体サンプル判別装置3000における照明光ビーム径の調整を説明する図
【符号の説明】
【0104】
1000 生体サンプル判別装置
2000 生体サンプル判別装置
3000 生体サンプル判別装置
1 プレート
2 流路
10 半導体レーザ
11 光源用集光レンズ
12 照明用集光レンズ
13 光源用アクチュエータ
14 光源集光レンズ用アクチュエータ
15 ダイクロイックミラー
16 蛍光フィルタ
20 検出側集光レンズ
21 受光用集光レンズ
22 信号用開口
23 信号検出用受光素子
24 受光用集光レンズ
25 蛍光フィルタ
30 コントローラ
31 回転モータ
40 光学ユニット
41 光学ユニット用アクチュエータ
42 第1の遮光用マスク
43 第2の遮光用マスク
44 調整用受光素子
45 調整用集光レンズ
46 調整用開口(ピンホール)
50、51、52、53 電極穴
60 照明用集光レンズの前側焦点
61 照射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体サンプルに光を照射し、該生体サンプルから得られる光を検出して、該生体サンプルの判別を行う生体サンプル判別装置において、
前記生体サンプルに向けて照射する光を生成する拡散光源と、
前記拡散光源からの光を一旦集光する光源用集光レンズと、
前記生体サンプルへ集光して照射するための照明用集光レンズと、を備え、
前記光源用集光レンズによる集光位置を、前記照明用集光レンズの前側焦点位置に一致させて、前記生体サンプルへの照射光を、平行光としてなる、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体サンプル判別装置において、
前記拡散光源を光軸方向に移動させる光源移動機構と、
前記光源用集光レンズを光軸方向に移動させる光源用集光レンズ移動機構と、を備え、
前記光源移動機構を用いて、前記光源用集光レンズに対する該拡散光源の距離を変えることで、前記光源用集光レンズから出射する光の集光角度を可変であり、
前記光源用集光レンズ移動機構を用いて、前記照明用集光レンズに対する該光源用集光レンズの距離を変え、前記光源用集光レンズでの集光位置を、前記照明用集光レンズの前側焦点位置に一致させることで、前記生体サンプルへの照射光のビーム径を可変である、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項3】
請求項2記載の生体サンプル判別装置において、
前記拡散光源と、前記光源用集光レンズの主点との距離をz1、前記光源用集光レンズの主点と、前記照明用集光レンズの前側焦点位置との距離をz’1とし、
前記光源移動機構と、前記光源用集光レンズ移動機構とを用いて、下記の式(1)、(2)とすることが可能である、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【数1】

【数2】

ただし、

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の生体サンプル判別装置において、
前記拡散光源は、半導体レーザである、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の生体サンプル判別装置において、
おのおの一部に透過領域を有する複数の遮光部材と、
照明光を受光して照明光量を検出する受光素子と、を備え、
前記照明光用集光レンズを透過した照明光の光路中に、前記遮光部材を2箇所以上の異なる位置に配置し、
前記遮光部材の各透過領域を透過してきた照明光の光路上に、前記受光素子を配置し、
該受光素子の出力が最大となるように前記光源移動機構と、前記光源用集光レンズ移動機構とを用いて、前記拡散光源と、前記光源用集光レンズとの位置合わせを実施可能である、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生体サンプル判別装置において、
前記生体サンプルを封止するプレート上に、前記遮光部材を配置する、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生体サンプル判別装置において、
前記遮光部材の透過部分のサイズを、前記生体サンプルの封止部のサイズに概略一致させてなる、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれかに記載の生体サンプル判別装置において、
おのおのの一部に透過領域を有する遮光部材と、
該遮光部材を透過した光を集光する平行度検出用集光レンズと、
該平行度検出用集光レンズで集光した光のサイズを制限するピンホールと、
該ピンホールの透過光を受光して光量を検出する受光素子と、を備え、
前記照明光用集光レンズを透過した照明光の光路中に、前記遮光部材を配置し、
該遮光部材の透過領域を透過してきた照明光の光路中に、前記平行度検出用集光レンズを配置し、
該平行度検出用集光レンズの焦点位置に、前記ピンホールを配置し、
前記ピンホールの透過光の光路上に、前記受光素子を配置し、
該受光素子の出力が最大となるように、前記光源移動機構と、前記光源用集光レンズ移動機構とを用いて、前記拡散光源と前記光源用集光レンズとの位置合わせを実施可能である、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生体サンプル判別装置において、
前記生体サンプルを封止するプレート上に、前記遮光部材を配置する、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。
【請求項10】
請求項9に記載の生体サンプル判別装置において、
前記遮光部材の透過部分のサイズを、前記生体サンプルの封止部分のサイズに、概略一致させるようにした、
ことを特徴とする生体サンプル判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−209264(P2008−209264A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46730(P2007−46730)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】