説明

画像処理装置、その制御方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 画像処理装置における省エネルギーモードの動作状況をユーザに提供できるようにする。
【解決手段】 電源オン時、画像処理装置が一定時間動作していない場合、装置は省エネルギーモードを開始し、その開始時刻をNVRAM4又は記憶装置10に記録する。その後、省エネルギーモードが行われ電力を節約する。この間、省エネルギーモード解除要因(操作パネル6の操作、データ受信など、装置が動作すべき条件になった場合)が発生したか否かを常に監視する。省エネルギーモード解除要因が発生したら、装置は手動または自動で省エネルギーモードを解除して通常モードに復帰し、解除時刻をNVRAM4又は記憶装置10に記録する。記録された動作状況は、手動又は自動で出力される。自動で出力する場合は、動作状況の記録時から一定期間経過後または記憶領域が一杯になったとき自動的に出力を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置及、その制御方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用頻度に応じて省エネルギーモードを機能させることで、省エネルギーモードによる省エネルギー効果を高めるようにした画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2001−350371号公報
【特許文献2】特開2002−77478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の画像処理装置には次のような欠点があった。
ユーザは省エネルギーモードがいつどのように動作しているかを知ることが不可能であり、自ら設定した省エネルギーモードの効果を確認し、設定を見直すためのデータを取得する手段がなかった。
本発明は、省エネルギーモードの動作状況をユーザに提供できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明による画像処理装置は、電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置であって、前記省エネルギーモードの動作状況を記録する記録手段と、前記記録した省エネルギーモードの動作状況を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明による画像処理装置は、請求項1において、前記出力手段による前記記録した動作状況の出力を、手動または自動で行うことを特徴とするものである。
請求項3の発明による画像処理装置は、請求項1又は2において、前記出力手段は、前記記録手段への動作状況の記録時から一定期間経過後または記憶領域が一杯になったとき自動的に前記出力を行うことを特徴とするものである。
請求項4の発明による画像処理装置は、請求項1,2又は3において、前記記録手段は、省エネルギーモードの動作状況として省エネルギーモードの開始時刻と解除時刻を記録することを特徴とするものである。
【0005】
請求項5の発明による画像処理装置の制御方法は、電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置の制御方法であって、前記省エネルギーモードの動作状況を記録し、記録した省エネルギーモードの動作状況を出力できるようにしたことを特徴とするものである。
請求項6の発明による画像処理装置の制御方法は、請求項5において、前記記録した前記動作状況の出力を、手動または自動で行えることを特徴とするものである。
請求項7の発明による画像処理装置の制御方法は、請求項5又は6において、動作状況の記録時から一定期間経過後または記憶領域一杯になったとき前記記録した前記動作状況の出力を行うことを特徴とするものである。
請求項8の発明による画像処理装置の制御方法は、請求項5,6又は7において、前記省エネルギーモードの動作状況の記録は、省エネルギーモードの開始時刻と解除時刻を記録することを特徴とするものである。
【0006】
請求項9の発明によるプログラムは、電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置で用いられるプログラムであって、前記省エネルギーモードの動作状況を記録する記録処理と、前記記録した省エネルギーモードの動作状況を、その記録時から一定期間経過後または記憶領域が一杯になったとき自動的に出力する出力処理とをコンピュータに実行させるものである。
請求項10の発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項9記載のプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1,5の発明によれば、ユーザに省エネルギーモードがいつどのように動作しているかを知らせることができ、ユーザは自ら設定した省エネルギーモードの効果を確認し、そのデータによって設定の見直しを計ることができる。
請求項2,6の発明によれば、ユーザに自動的に省エネルギーモード動作状況のデータを取得させることができ、ユーザはタイミングを見計らって手動でデータを取得する、というような煩わしい作業をしなくて良い。
請求項3,5,9,10の発明によれば、ユーザに一定期間毎、または記憶領域が一杯になった時に自動的に省エネルギーモード動作状況のデータを取得させることができ、ユーザはいつも同じ条件でデータを取得することができる。また、記憶領域一杯でデータが途切れてしまったりすることが無い。
請求項4,8の発明によれば、省エネルギーモード動作状況として省エネルギーモードの開始時刻及び解除時刻を記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本発明の実施の形態による画像処理装置のハードウェア構成をに示す構成図である。
図1において、CPU1は装置全体の制御を司るものであり、その制御下にROM2、RAM3、NVRAM4、パネル制御部5と操作パネル6、エンジン制御部7とスキャン/プリントエンジン8、ディスクドライバ9と記憶装置10、モデム11、外部I/F12、通信制御部13がデータバス14を介して接続されている。
【0009】
ROM2は、プログラムコード、フォント、及びその他の静的なデータが格納されている。RAM3は、一時的な記憶場所として利用される。NVRAM4は、不揮発性のデータを格納しておく。パネル制御部5と操作パネル6は、ユーザとのインターフェースを司る。エンジン制御部7とスキャン/プリントエンジン8は、イメージデータの入出力ユニットとして、紙原稿の読み取りと転写紙への印刷を実行する。ディスクドライバ9と記憶装置10は、大量のイメージデータなどを蓄積したり、データベースの記憶場所として利用される。通信制御部13は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク15に接続され、外部の機器との通信を可能とする。モデム11は、公衆回線と接続され、外部の機器との通信を可能とする。外部I/F12は、セントロニクスやRS−232C等のインターフェースを用いてホスト外部の機器との通信を可能とする。データバス14は、各種デバイス間及びCPU1とデバイス間の通信を可能とする。
【0010】
上記構成による画像処理装置の基本動作について説明する。
図2は第1の実施の形態による省エネルギーモード動作状況記録に関するフローチャートである。
まず、電源オン時、装置の操作パネル6や、外部からのデータ受信等を行うためのモデム11、外部I/F12、通信制御部13が一定時間動作していない場合、装置は省エネルギーモードを開始するため、不揮発性の記憶領域であるNVRAM4あるいは記憶装置10に、省エネルギーモード開始時刻を記録する。その後、装置は実際に省エネルギーモードを開始し、電力を節約する。この間、省エネルギーモード解除要因(操作パネル6の操作、データ受信など、装置が動作すべき条件になった場合)が発生したか否かを常に監視しておく。省エネルギーモード解除要因が発生したら、装置は手動または自動で省エネルギーモードを解除して通常モードに復帰し、解除時刻をNVRAM4あるいは記憶装置10に記録する。
【0011】
第1の実施の形態によれば、省エネルギーモードがいつどのように動作しているかの動作状況を記録することが可能であり、この記録に基づいてユーザは自ら設定した省エネルギーモードの効果を確認し、そのデータによって設定の見直しを計ることができる。
【0012】
図3は図2で記録された省エネルギーモードの動作状況をレポート形式で手動出力する時の第2の実施の形態によるフローチャートである。
ユーザが操作パネル6を使用して省エネルギーモード動作状況レポート出力を指示すると、装置は前記の記憶領域より既に記憶済みの省エネモード動作状況に関するデータを読み出し、レポート形式に整形し、出力する。ここでのレポート形式は文字形式、グラフ形式等、人が理解できるものであれば、特に規定しない。また、出力手段としても、記録紙に印字する、メールで送信する等、依頼者であるユーザの目に触れる手段であれば、特に規定はしない。
【0013】
前記第1の実施の形態では、記録された省エネルギーモードの動作状況を見る場合、通常の手動出力に加え、自動出力も兼ね備えていないと、ある決まった条件を満たした時に自動的にデータを取得しておきたい、というユーザに対応できない。第2の実施の形態によれば、ユーザに自動的に省エネルギーモード動作状況のデータを取得させることができ、ユーザはタイミングを見計らって手動でデータを取得する、というような煩わしい作業をしなくてよいという効果がある。
【0014】
図4は図2で記録された省エネルギーモードの動作状況をレポート形式で自動出力する時の第3の実施の形態によるフローチャートである。
ユーザが事前に希望した省エネルギーモード動作状況レポート出力条件(ある一定期間が経過したり、NVRAM4あるいは記憶装置10の記憶領域が一杯になった時など)を満たしたとCPU1が判断した場合、装置は省エネルギーモード動作状況レポートを出力するため、前記の記憶領域より、既に記憶済みの省エネモード動作状況に関するデータを読み出し、レポート形式に整形し、出力する。ここでもレポートの形式や、出力手段については手動出力の時と同様である。
【0015】
前記第2の実施の形態では、自動出力の条件が定められていないので、ユーザの利便性を損なうことになるが、第3の実施の形態によれば、ユーザに一定期間毎、または記憶領域が一杯になった時に自動的に省エネルギーモード動作状況のデータを取得させることができるので、ユーザはいつも同じ条件でデータを取得することができる。また、記憶領域一杯でデータが途切れてしまったりすることを無くすことができる。
【0016】
尚、図2、図3、図4のフローチャートに示す処理を、CPU1が実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。また、このプログラムを記録するROM2等の記録媒体は、本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。この記録媒体としては、半導体記憶装置や光学的及び/又は磁気的な記憶装置等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した実施の形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態による画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態による動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施の形態による動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0018】
1 CPU
2 ROM
4 NVRAM
5 パネル制御部
6 操作パネル
7 エンジン制御部
8 スキャン/プリントエンジン
10 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置であって、
前記省エネルギーモードの動作状況を記録する記録手段と、
前記記録した省エネルギーモードの動作状況を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力手段による前記記録した動作状況の出力を、手動または自動で行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記記録手段への動作状況の記録時から一定期間経過後または記憶領域が一杯になったとき自動的に前記出力を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記録手段は、省エネルギーモードの動作状況として省エネルギーモードの開始時刻と解除時刻を記録することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置の制御方法であって、
前記省エネルギーモードの動作状況を記録し、記録した省エネルギーモードの動作状況を出力できるようにしたことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記記録した前記動作状況の出力を、手動または自動で行えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
動作状況の記録時から一定期間経過後または記憶領域一杯になったとき前記記録した前記動作状況の出力を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記省エネルギーモードの動作状況の記録は、省エネルギーモードの開始時刻と解除時刻を記録することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
電源オン状態で所定の時間が経過すると省エネルギーモードが動作する画像処理装置で用いられるプログラムであって、
前記省エネルギーモードの動作状況を記録する記録処理と、
前記記録した省エネルギーモードの動作状況を、その記録時から一定期間経過後または記憶領域が一杯になったとき自動的に出力する出力処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−142727(P2006−142727A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338137(P2004−338137)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】