説明

画像処理装置、方法及びプログラム

【課題】 容易に複数の印刷装置による印刷のためのキャリブレーションを精度よく行わせること。
【解決手段】 測色器415を備える第1の印刷システムにおいて測定した被記録媒体の分光反射率情報を、第2の印刷システムに送信する。これを受信した第2の印刷システムでは、受信した分光反射率情報や自身のセンサ部413で測定した濃度情報などを用いて当該被記録媒体を用いて印刷を行うためのキャリブレーション処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷のためのキャリブレーションを行うための画像処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙等の被記録媒体にインク等の記録剤(色材)を付与して画像を印刷する印刷装置では、印刷環境の変化、印刷装置の経時変化によって印刷結果の色味等が変動することがある。また、複数の印刷装置間において、装置毎に印刷結果の色味等に差異が生じることもある。
【0003】
このように、環境の変化、経時変化による印刷結果の変動、装置毎の印刷結果の差異などを解消するために、印刷結果を読取装置によって読み取り、それを解析することによって印刷処理のためのパラメータを補正するものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、このように印刷結果を読取装置で読み取らせる際、より詳細な情報を取得可能な読取装置を用い、その結果を解析して印刷用のパラメータの補正を行った方がより良い画質の印刷結果を得られるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−116768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように詳細な情報を取得可能な読取装置は高価であり、各印刷装置に搭載させるとコストがかさんでしまう。またこの読取装置を取り外して各印刷装置による印刷結果を読み取らせるようにした場合、作業者の作業負担が増加してしまう。
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、容易に複数の印刷装置による印刷のためのキャリブレーションを精度よく行わせることのできる画像処理装置、方法及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、印刷装置により被記録媒体上に印刷されたキャリブレーション用のパッチ画像を読み取り、該パッチ画像の濃度を測定する測定手段と、前記被記録媒体上に印刷された前記キャリブレーション用のパッチ画像を、所定波長毎の分光反射率を測定可能な測定器を用いて読み取ることにより測定された分光反射率情報を受信する受信手段と、前記測定手段により測定された濃度と前記受信手段により受信した分光反射率情報とに基づき前記印刷装置による前記被記録媒体を用いた印刷のためのキャリブレーションを行う処理手段とを有する。
【0009】
また、印刷装置により被記録媒体上に印刷されたキャリブレーション用のパッチ画像を読み取り、該パッチ画像の濃度を測定する第1の測定手段と、前記被記録媒体上に印刷された前記キャリブレーション用のパッチ画像を、所定波長毎の分光反射率を測定可能な測定器を用いて読み取ることにより測定する第2の測定手段と、前記第1の測定手段により測定された濃度と前記第2の測定手段により測定した分光反射率情報とに基づき前記印刷装置による前記被記録媒体を用いた印刷のためのキャリブレーションを実行する処理手段と、前記第2の測定手段で測定した分光反射率情報を送信する送信手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、測定器を用いて得た分光反射率情報を用いて容易に複数の印刷装置による印刷のためのキャリブレーションを精度良く行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態における印刷の際の処理の流れを示す図である。
【図2】キャリブレーション用のパッチチャートの例を示す図である。
【図3】濃度補正処理のための1D−LUTの概念を示す図である。
【図4】実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図7】センサ部による読み取り処理を説明するための図である。
【図8】センサ補正情報の概念図である。
【図9】センサ補正部の処理を説明するための図である。
【図10】センサ部による測定に基づき実機印刷濃度データを登録する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】測色器による測定に基づき実機印刷濃度データを登録する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】測色器による測定に基づくキャリブレーション情報を送信する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】測色器による測定に基づきキャリブレーション情報を受信する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
【0013】
本実施形態では、インクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」とも称する)が、シート上に印刷したパッチチャートの画像を読み取る(測定する)ためのR(赤)G(緑)B(青)のLED等の光源とフォトダイオード等の受光素子を含むカラーセンサーを具備している。パッチチャートを読み取るための構成はこれらに限らず種々のものを採用可能である。また、本実施形態のプリンタは、入力された印刷データに基づく種々の文書、画像等を印刷することもできる。また印刷の際に用いる記録剤(色材)としてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)およびCを希釈したLc(ライトシアン)とMを希釈したLm(ライトマゼンタ)の6色のインクを備えている。なお、インクの組合せはこれに限られるものではなく、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)やGy(グレー)等の特色インクを備えていてもよいし、より単純にC、M、YのみやC、M、Y、Kのみとしてもよい。また、色材はインクに限らず、トナーなど種々のものを採用可能である。
【0014】
図1は、本実施形態のプリンタ内部の画像処理部で行われる色変換処理を説明するための図である。画像処理部では、画像データとしてRGB信号を入力してCMYKLcLmに変換する機能と画像データとしてCMYK信号を入力してCMYKLcLmに変換する機能とを有す。また、画像データは各色1画素あたり8ビットに量子化されたものとして処理するものとするが、量子化数は10ビット、12ビット、16ビット等としてもよい。
【0015】
図1において、画像信号I/F101は、後述するホストPC等の外部装置やプリンタ内部で発生させた画像データを入力する。ここではRGB信号、CMYK信号あるいはCMYKLcLm信号で表された画像データが入力される。入力されたRGB信号、CMYK信号は、デバイス非依存の色空間(プリンタ固有ではない)のカラーデータであり、これをデバイス依存の色空間(プリンタ固有)に変換するカラーマッチング処理部102、103において色空間変換を行う。カラーマッチング処理部102に入力されたRGB信号は色空間が変換されR’G’B’信号に変換され、カラーマッチング処理部103に入力されたCMYK信号はC’M’Y’K’信号に変換される。カラーマッチング処理部102、103で処理された画像データは、色分解処理部104、105において印刷時に使用する色材に応じた色材色データCMYKLcLmに変換される。そして、色材色データはプリンタの出力特性に応じて階調を補正する階調補正処理部106で階調の補正が行われる。
【0016】
カラーマッチング処理部102、103、色分解処理部104、105、階調補正処理部106は、それぞれルックアップテーブル(LUT)を用いて入力された画像データを変換することにより変換結果を得る。ここでのLUTは、被記録媒体(用紙の種類)毎、印刷モード(高速印刷、低速(高画質)印刷等)毎に用意されている。カラーマッチング処理部102、103、色分解処理部104、105は多次元LUT(3D−LUT、4D−LUT)を用いて変換処理を行い、階調補正処理部106は1次元LUT(1D−LUT)を用いて変換処理を行う。3D−LUTはRGBの3色を各軸とした、例えば各色17カウント間隔の16格子からなる16×16×16=4096格子に対応したテーブルである。4D−LUTはCMYKの4色に対して6色の色材色データに変換するためのテーブルである。1D−LUTは入力された各色の画像データのそれぞれの階調を変換し、一対一で出力するためのテーブルである。テーブルの形態は公知の種々の色変換用テーブルを採用可能である。
【0017】
階調補正処理部106から出力された、プリンタの特性に応じて処理された各色材色データに対応する画像データ(出力デバイスデータ)は、キャリブレーション処理部107で処理される。キャリブレーション処理部107は、プリンタのプリントエンジン、被記録媒体、色材の個体差や経時変化等により生ずる印刷結果の変動を補正(各色材の濃度の安定化)するためのキャリブレーションを行う。キャリブレーション処理部107は1D−LUTを用いて変換を行う。この1D−LUTは、実機印刷濃度データ(所定の入力画像データに基づき実際にプリンタで印刷した画像の濃度値を測定して得たデータ)とキャリブレーション目標値データ(所定の入力画像データに対する基準濃度値)に基づき補正値を得るためのものである。この1D−LUTによって出力される補正値は、キャリブレーションパラメータ生成部109で生成され、キャリブレーションパラメータ設定部108によってキャリブレーション処理部107に設定される。
【0018】
キャリブレーション処理部107でキャリブレーションを行う際のキャリブレーションパッチチャートの画像データは画像信号I/F101を介してCMYKLcLmの色材色信号として出力される。この色材色信号は、各処理部102〜107を介さずにハーフトーニング処理による2値化処理などが行われた後、プリントエンジンに渡され、被記録媒体上の画像として印刷される。
【0019】
図2は、キャリブレーションパッチチャートの印刷結果を示す図である。このチャートは、上述の実機印刷濃度データを測定する場合や、未知のタイプの被記録媒体(未知メディア)のキャリブレーション情報を登録する場合などに使用される。該パッチは、シアン、淡シアン、マゼンタ、黄、黒の各色材を用いて、例えば10%刻みで各色材の色材色信号の濃度値を変化させて印刷させたものである。
【0020】
図3は、キャリブレーション処理部107で用いる1D−LUTを説明するための図であり、所定の種類の被記録媒体の所定の色の色材に対応するものである。即ち、被記録媒体の種類毎、そして色材の色毎にこのようなテーブルが存在する。図3において、横軸は図2のパッチを印刷させる際の色材色信号の入力データ値であり、縦軸は印刷されたパッチ画像の印刷濃度値である。破線301で示す曲線は、前述のキャリブレーション目標値データ(基準値)を示す。既知のタイプの被記録媒体(既知メディア)のキャリブレーション目標データについては予めプリンタ内のメモリに複数の入力データ値に対応付けられた濃度値として登録されているものとする。実線302で示す曲線は、実機印刷濃度データを示す。実機印刷濃度データは図2のパッチをプリンタで実際に印刷させ、それを読取装置によって読み取らせてその濃度を測定することで得られる。実機印刷濃度データP1〜P11が、パッチの各色材の0%〜100%の部分の濃度を測定する(場合によっては演算処理も行う)ことによって得られる。図3の例では、実機印刷濃度データは、基準値に対して吐出量が多いなどの理由で濃度が全体的に高く、また中間濃度部でより濃く印刷されている例を示している。キャリブレーション処理部107では実機印刷濃度データが基準値の印刷濃度となるように色材色別のコントーン(連続階調)色材信号を変換補正するための補正パラメータを算出し、パッチ以外の通常の画像の印刷の際、補正パラメータによって印刷データを補正してから印刷を行う。なお、印刷データの補正に代えて、あるいはそれに加えてインクの吐出量等を制御することによって補正を行うようにしてもよい。
【0021】
次に以上説明したプリンタを含むシステム構成について説明する。図4は上記プリンタを含む2セットの印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
図4において、第1の印刷システムは、ホストPC401、プリンタ407、測色器415を有する一方、第1の印刷システムと通信可能に接続された第2の印刷システムはホストPC、プリンタ407を有するが測色器415は有さない。なお、ここでは説明の簡単のため2セットの印刷システムのみを示したが、ネットワーク等を介して第1の印刷システム、第2の印刷システムを複数設けるようにしてもよい。ネットワークとしてはLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネットなど種々の形態での接続が可能である。
【0023】
ホストPC401は、汎用的なパーソナルコンピュータによって実現可能であり、ソフトウェアのインストールにより後述する種々の処理を実行可能である。ホストPC401は、プリンタ407、測色器415とネットワークあるいはローカルインタフェースを介して互いに通信可能に接続される。ホストPC401は、UI(ユーザインタフェース)402、CPU403、RAM404、記憶装置405、データ入出力部406を有する。
【0024】
UI402は、ユーザからの操作入力を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス等の入力装置やユーザに提供すべき情報の表示を行うディスプレイを含む。CPU403は、ホストPC401の動作やプリンタ407、測色器415の動作の制御を行う。RAM404は、CPU403のワークエリアとして使用されたり、印刷システムにおける処理のための設定値等を記憶したりする。記憶装置405は大容量の不揮発性メモリであり、CPU403が実行する制御プログラム、プリンタ407で印刷させるための印刷データ、自印刷システムにおける処理に必要な各種データを記憶する。各種データには、例えば、各種画像処理パラメータ、プリントエンジンの制御パラメータ、調整パラメータ、センサ部制御データ、測色器制御データなどが含まれる。後述する処理は記憶装置405に記憶されたプログラムをCPU403がRAM404にロードし、それを実行することによってなされる。記憶装置405はホストPC401に内蔵されたものとしても外付けにしたものでもよい。データ入出力部406は自印刷システム外部(他の印刷システム等)との間のデータの入出力を制御する。データ入出力部406は、例えば第1の印刷システムと第2の印刷システムの間でキャリブレーション用のデータの交換を行うことが可能である。これにより例えば未知メディアのキャリブレーション用のデータを他の印刷システムから取得してキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0025】
プリンタ407は、図1〜3を用いて説明したプリンタに対応する。プリンタ407は、データ転送部408、プリンタ制御部409、画像処理部410、印刷部411、センサ補正部412、センサ部413、センサ補正情報記憶部414を有する。
【0026】
データ転送部408は、ホストPC401から印刷データを受け取り、印刷データから画像データと画像処理パラメータを取り出す。そしてこの画像データと画像処理パラメータを画像処理部410に送る。またホストPC401から送られてくるプリンタの調整データ、プリンタ制御データ、センサ部制御データをプリンタ制御部409に送る。また、データ転送部408はプリンタ407の種々の情報をホストPC401に送る。
【0027】
プリンタ制御部409は、CPU、メモリ、プリンタ制御用ハードウェア(ASIC等)等を含み、メモリに記憶されている制御プログラムに従ってCPUによりプリンタ407の動作の制御を行ったり、ハードウェアを用いたプリンタ407の動作の制御を行う。プリンタ制御部409はデータ転送部408を介して受け取ったプリンタ制御データに従ってプリンタ407による印刷の制御を行い、センサ部制御データに従ってセンサ部413、センサ補正部412による測色の制御を行う。
【0028】
画像処理部410は、図1を用いて説明した画像処理部に対応し、印刷部411は前述のプリントエンジンに対応する。印刷部411は、インク吐出機構、被記録媒体(シート)の収納部、シート供給機構、シート搬送機構などを含む。印刷部411は、画像信号I/F101を介して出力された色材色信号またはキャリブレーション処理部107を介して出力された画像データに基づきインクの吐出、シートの搬送を制御してシート上の画像をプリントする。このときの色材色信号、画像データは画像処理部410または印刷部411において2値化処理が行われた後、印刷処理が行われる。ただし、印刷部411が1画素につき3値以上とした画像データに従った印刷を行うことができる場合、それに応じた変換がなされるものとしてもよい。また、印刷部411はプリンタ制御部409からの制御により、調整データに従った調整やプリンタ制御データに従った処理も行う。調整データに従った調整には、シート搬送ピッチの調整や記録ヘッドの高さの調整などが含まれる。プリンタ制御データに従った処理にはインク吐出量の制御などが含まれる。
【0029】
センサ部413は、印刷部411により印刷された画像を読み取り、画像の濃度を測定するための読取センサである。センサ補正部412は、センサ部413による読み取り結果に基づきキャリブレーション処理部107によって補正を行わせるための補正値の算出を行う。センサ補正情報記憶部414は、プリンタ407のメモリの所定のエリアに、センサ補正部412が補正値を算出する際に用いる情報を記憶する。
【0030】
次に、センサ部413、センサ補正部412、センサ補正情報記憶部414の補正情報を用いた補正処理について説明する。図7はこれを説明するための図である。
【0031】
図7(a)は、センサ部413を用いてシート上のパッチ画像を読み取る際の外観の概略図である。シート701に図2に示したキャリブレーションパッチの画像(パッチ画像)702が印刷されたものをプリンタ407にセットし、測色の指示がなされると測色処理が開始される。パッチ画像702が印刷されたシート701は所定間隔で順次搬送される。また図7(a)に示されているようにキャリッジ703にセンサ部413に対応するセンサ部材704が取り付けられている。キャリッジ703はシートの搬送方向とは直交する方向に走査され、このときセンサ部材704によってパッチ画像702を順次読み取る。従ってプリンタ制御部409はセンサ部制御データに従ってセンサ部材704を制御する際、キャリッジ703やシート搬送機構の制御も行う。
【0032】
図7(b)はセンサ部413(センサ部材704)による読取(測色)処理を説明するための図である。センサ部材704は、光源として赤色LED705、緑色LED706、青色LED707を有し、また各光源からシート701に向けて照射された光の反射光を受光するフォトダイオードなどの受光素子708を有する。LEDの発光色は、測定する色材の色によって濃度識別レンジの広い補色の色あるいは補色に近い色の光源を選択する。即ち、測定する色材がシアン、淡シアンの場合は、光源として赤色LED705を選択し、同様にマゼンタ、淡マゼンタ、黒の場合は、緑色LED706を、黄の場合は、青色LED707をそれぞれ選択して測定を行う。センサ部材704の受光特性は、各光源(LED)705〜707の発光分光特性と受光素子708の受光感度特性に依存することになる。しかし、本実施形態では受光素子708として安定した受光感度特性を有するフォトダイオードを用いるものとし、LEDの発光分光特性がセンサ部材704の個体差に依存するものとする。従って、本実施形態におけるセンサ補正情報に含まれるセンサ受光特性情報はLEDの発光分光特性で代用することとする。
【0033】
図7(c)は各LEDの発光分光特性としての分光強度分布を示す。図7(c)において破線で示す曲線は各LEDの基準となる分光強度を示しており、予めプリンタ407のメモリに記憶されている情報に基づくものである。実線で示す曲線は各LED705〜707を1つずつ発光させ、その光を分光放射輝度計を用いて測定し、ピークの放射輝度で正規化した分光強度の例を示している。図中、709は赤色LEDの基準となる分光強度を示し、710は緑色LEDの基準となる分光強度を示し、711は青色LEDの基準となる分光強度を示す。また、712は赤色LED705を発光させた際の反射光を受光素子708で実測した分光強度、同様に713は緑色LED706について実測した分光強度、714は青色LED707について実測した分光強度をそれぞれ示す。このように実測した分光強度は基準値に対して個体差が含まれることがあり、この個体差を補正しつつキャリブレーション補正を行う。ここでは発光分光特性として一定間隔の波長単位での光強度を発光分光特性の情報としてプリンタ407のメモリに記憶するものとするが、これに代えてピーク波長と所定の光強度における波長幅を示す情報を用いるようにしてもよい。即ち、基準LEDの特性値をP1からP3の値とし、所定光強度での波長幅をW1からW3の値を発光分光特性の情報としてもよい。またこれに限らず各LEDの発光分光特性を特定できるものであれば種々の形態の情報としてもよい。
【0034】
センサ補正情報記憶部414には、メディア関連情報としてプリンタ407にセット(装着)されている被記録媒体(メディア)について実測したキャリブレーション用の実機印刷濃度データと各種メディアに対するキャリブレーション目標値データが記憶される。これらのデータはキャリブレーション処理部107で使用される。また、メディア関連情報には、メディアの種類毎にパッチ画像702を測色器415によって実測した結果を示す色材毎の分光反射率特性情報も含まれる。測色器415による分光反射率特性の測定については後述する。またセンサ補正情報記憶部414には、センサ部関連情報として上記した各LEDの基準センサ受光特性を示す基準センサ受光特性情報、実測した各LEDの受光特性である実機センサ受光特性情報が記憶される。これらの情報のうち、既知メディアに対応するキャリブレーション目標値データ、基準センサ受光特性情報は、予めプリンタ407のメモリに記憶されており、その他の情報は実測した結果をメモリに記憶する。例えば未知メディアに対応する各種情報は、自システム(装置)で実測して新たにメモリに記憶したり、他システム(装置)からデータ転送部408を介して受信してメモリに記憶したりする。また、自システム(装置)で実測して取得した未知メディアに対応する各種情報を、データ転送部408を介して送信して、他システム(装置)に登録することも可能である。これによって新たな未知メディアに対するキャリブレーションが可能となる。
【0035】
図8は、センサ補正情報記憶部414に記憶される各種情報の概念図を示す。図8では各種情報をそれぞれの情報に対応する関数のグラフの形態で概念的に示しているが、センサ補正情報記憶部414には、所定の間隔で離散された実数として記憶される。
【0036】
図8において既知メディアをメディアA〜メディアG、未知メディアをメディアXと表している。各メディアはメディアの材質や加工形態等の種類毎に区別され、メディアの種類として普通紙、光沢紙などがある。
【0037】
また、色材の分光反射率特性情報は全てのメディアの種類について取得しておく必要はなく、適宜必要なメディアの情報のみ記憶させておくようにしてもよい。また、いくつかの種類のメディアについて分光反射率特性を取得し、他の種類のメディアについては取得済みのメディアの分光反射率特性に基づき補間処理によって算出してもよい。またパッチ画像702の読み取りに際しても全ての濃度について読み取るのではなく、いくつかを読み取って補間処理によって算出してもよい。
【0038】
次にセンサ補正部412による補正方法について説明する。図9はこれを説明するための図である。図9(a)はセンサ補正部412の構成の詳細を示すブロック図である。センサ部413から出力された輝度データ(輝度値P(X))が濃度値変換部901に入力される。濃度値変換部901は紙白部のセンサ読み取り輝度値P(0)とP(X)によって(式1)により濃度値D(X)を求める。紙白部のセンサ読み取り輝度値はシート701の色材の載っていない箇所(紙白部)や基準白板などを読み取った場合の輝度値である。濃度値変換部901によって輝度値から変換された濃度値D(X)は差分1D−LUT処理部902に入力される。なお、図9(a)においてセンサ部413から取得した輝度値に対して、先に差分1D−LUT処理902による処理を行い、その後濃度値変換部901により輝度値から濃度値へ変換するようにしてもよい。即ち、濃度値変換部901と差分1D−LUT処理部902の処理順を逆としてもよい。
D(X)=−log(P(X)/P(0)) ――――― (式1)
【0039】
差分1D−LUT処理部902は、以下で説明する手順により差分1D−LUT生成部904で生成される1D−LUTデータを、差分1D−LUT設定部903によって設定されたLUTを用いて処理する。差分1D−LUT生成部904では、図8に示した対象とする基準センサ受光特性情報と実機センサ受光特性情報と対象とするメディアの色材の分光反射率特性情報に基づいて生成される。以下の説明では、色材としてシアンの場合を例に説明するが他の色材についても同様に行う。色材の分光反射率特性情報は、紙白(0%)から10%刻みのパッチ画像の実機のセンサ出力としての輝度値に対する分光反射率特性情報である。この情報に従いセンサ受光特性情報と分光反射率特性から求めた濃度値が図9(b)の横軸となる。センサ部413のセンサ受光特性に対応するLEDの分光発光特性を用いて、実機センサ(センサ部413)の特性αx(λ)、基準センサの特性をα0(λ)(但し、λ=380nmから700nm)とし、N%(但し、N=0から100)の分光反射率特性をR(N,λ)とする。実機センサの濃度値Dx(N)は、(式2)によって求められ、基準センサの濃度値D0(N)は、(式3)によって求められる。
Dx(N)=−log(Σ(αx(λ)×R(N,λ))/(Σ(αx(λ)×R(0,λ)))) ――― (式2)
D0(N)=−log(Σ(α0(λ)×R(N,λ))/(Σ(α0(λ)×R(0,λ)))) ――― (式3)
【0040】
図9(b)の縦軸はセンサ輝度出力値から求めた(式1)によって求められる濃度値である。上記の実機センサでのパッチ画像の測定結果のデータをA0からA10としその間を補間した実線の曲線で表したものが実機センサの濃度特性905である。また、(式3)によって求められる基準センサの濃度値から同様に求めたセンサ出力値からの濃度値をB0からB10として示す。この曲線情報をもとに(式3)の結果を用いて得た基準センサでの濃度特性が906である。基準センサの情報で求めたセンサ受光特性とメディアの分光反射率特性から算出したD0(1)での実機センサでの濃度特性905での濃度値がDx(1)上の値で出力されるC1が基準センサでの出力となる。同様にA2からA10、B2からB10についても同様に算出することにより、基準センサでの濃度特性906が求められる。この実機センサの濃度特性905が基準センサの濃度特性906になるように補正するためのデータが差分1D−LUT生成部で生成される。
【0041】
測色器415は、基準白板等を用いて校正を行い、パッチ画像の分光反射率を読み取り(全波長を含む白色光を発光し、単波長域の反射を所定波長毎に測定する)、その結果を分光反射率特性情報として出力する。即ち、センサ部413が所定波長毎の分光反射率を測定できないのに対し、測色器415はそれを測定可能である。測色器415でパッチ画像702を測定して得たメディア毎の色材の分光反射率特性情報がセンサ補正情報記憶部414に記憶される。
【0042】
測色器415による測色により得た色材の分光反射率特性情報は、他のシステム(装置)に送信することが可能である。これにより測色器415を有さないシステム(装置)あるいは測色器415による測色が行えないシステム(装置)においても精度の高いキャリブレーション処理を実施することが可能である。ただし、本実施形態における印刷システム(装置)は測色器415により得られる情報を用いずセンサ部413によって測定できる情報を用いたキャリブレーションも(補正精度は落ちるが)可能である。
【0043】
なお、図4で示した第1の印刷システムは、ホストPC401、プリンタ407、測色器415で構成されるものとしたが、このような形態以外の構成でも同様の結果は得ることができる。即ち、図5に示すように測色器407をプリンタ407に内蔵(または装着)させてもよい。この場合、プリンタ制御部409が測色器415の動作を制御することになる。また、ホストPC401が行う処理をプリンタ407において行うようにしてもよい。即ち、図6に示すように、ホストPC401の402〜406に相当する構成を、422〜426としたコントローラユニット421を設けた第1の印刷装置420として構成することもできる。この場合、プリンタ制御部409に代わり、CPU423が第1の印刷装置420(測色器415も含む)の動作を制御することになる。そして、測色器415を含まない第2の印刷装置などの他の装置とは、直接ネットワークを介して、あるいはホストPC427を介して情報の送受信を行うことになる。各印刷装置とホストPC427とはローカルインタフェースを介してまたはネットワークを介して接続される。また、ホストPC401を含む形態では、ホストPC401によってプリンタ407の動作も含めた制御を行ってもよいし、プリンタ制御部409によってデータ転送以外の動作の制御を行ってもよいし、ホストPC401とプリンタ制御部409と適宜処理を分担してもよい。また図6の例のように1台の印刷装置(プリンタ)がデータ転送も含めた全ての動作の制御を行うようにしてもよい。また、以上の例において、測色器415を備える装置においてセンサ部413も備えるものとしたが、測色器415によってセンサ部413で測定すべき情報の測定が行える場合、センサ部413を備えないようにしてもよい。つまり図4〜6に示したシステムあるいは装置の構成は一例であり、他の形態のものとしてもよい。
【0044】
次に以上説明した印刷システムあるいは印刷装置におけるキャリブレーション処理について説明する。以下のフローチャートは、当該処理を実行するシステム(装置)の記憶装置(メモリ)に記憶されている制御プログラムをCPUが実行することによりなされる処理を示す。記憶装置としては記憶装置405、プリンタ制御部409内のメモリ、記憶装置425が対応する。CPUとしてはCPU403、プリンタ制御部409内のCPU、CPU423が対応する。ただし、全ての処理をソフトウェアにより実行する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
【0045】
図10は上述した実機印刷濃度データをセンサ補正情報記憶部414に登録する際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの実行にあたり、UI402または422からキャリブレーション処理の実行指示や当該処理の実行に必要なパラメータ等の入力が行われる。
【0046】
S1001では、キャリブレーション処理を行うためのメディア(被記録媒体)の設定を行う。ここではUI402または422を用いて既知メディアの情報を読み出し、メディアの種類の設定を行う。これによりメディアの種類に応じた各種パラメータが記憶装置422、プリンタ制御部409のメモリまたは記憶装置425から読み出される。
【0047】
次にS1002では、S1002で設定されたメディアの種類に応じたパラメータを用いて図2に示したキャリブレーション用のパッチチャートの画像(パッチ画像702)をS1001で設定されたメディア上に印刷部411により印刷する。このパッチチャートも記憶装置422、プリンタ制御部409のメモリまたは記憶装置425から読み出され図1に示したように画像信号I/F101から出力された後、102〜107の処理を経ずに、ハーフトーニング処理などが施され印刷される。
【0048】
次にS1003では、センサ部413を用いてS1002で印刷したパッチチャートの画像の読み取りを行う。即ち、各色のLED705〜707を用いて図2のパッチチャートの各色材の各濃度の画像を読み取る。
【0049】
次にS1004では、基準センサの受光特性情報、実機センサの受光特性情報、対象のメディアの分光反射率情報を用いて実機センサの受光特性が基準センサの受光特性となるよう図3を用いて述べたように変換する。
【0050】
次にS1005では、前述のように10%間隔で濃度を変化させたパッチ画像に対応するS1004で求めた基準センサの濃度出力値に対する補間処理を行い、実機印刷濃度データを生成する。
【0051】
次にS1006では、S1005で生成した実機印刷濃度データをセンサ補正情報記憶部414に記憶する。
【0052】
次に未知メディアのキャリブレーション情報の追加処理について説明する。図11はこの処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
S1101では追加するメディアの設定を行う。ここでは未知メディアなので、UI402または422を用いて追加するメディアの種類の入力を行うことになる。そしてキャリブレーション処理に必要なパラメータを読み出すことになるが、メディアの特性に非依存である基準センサの分光受光特性情報、実機センサの分光受光特性情報はよいが、メディアの特性に依存するキャリブレーション目標濃度値、メディアの分光反射率情報を新規に取得する必要がある。そこで未知メディアのキャリブレーション情報の追加では、この処理における印刷状態が基準となる。即ち、図8のメディア関連情報として、実機印刷濃度データとキャリブレーション目標値が同じものとして登録することなる。そして、S1105の実機センサでの測定前に、測色器415によって色材の分光反射率特性情報を取得し(S1103)、S1101で設定したメディアを特定する情報(メディア名)と対応付けて登録しておく。それ以外は図10で示した処理と同様であるが、S1106の基準濃度値「基準センサ値への変換」は、S1103で測定し、S1104で登録した未知メディアの分光反射率を用いる。
【0054】
次に測色器415を有するシステム(装置)において作成した未知メディアについてのキャリブレーション情報を他のシステム(装置)に送信する処理について説明する。図12は測色器415を備えるシステム(装置)における処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
S1201〜1208は図11の処理と同様に行われる。S1209では、UI402または422を用いて送信先となる測色器415を備えない、測色器415による測色を行えない、あるいは測色器415による測色結果を有さない印刷システムあるいは印刷装置を指定する。そして、測色器415による測色結果に基づく未知メディア(追加メディアX)のキャリブレーション目標値データ、色材の分光反射率特性情報をキャリブレーション情報として指定された印刷システム(装置)に対して送信する。
【0056】
S1209で送信先として指定された印刷システム(装置)は、図13に示すフローチャートに従って追加メディアXのキャリブレーション情報をセンサ補正情報記憶部414に登録する。即ち、S1301において分光反射率情報、キャリブレーション目標値データを受信し、S1302において受信した情報をセンサ補正情報記憶部414に登録する。S1303〜1308は、図11に示した処理と同様に今回登録した情報を用いてキャリブレーションを行う。
【0057】
なお、以上の説明において測色器を備えるシステム(装置)から分光反射率情報とキャリブレーション目標値データ(目標濃度情報)とを送信し、測色器を備えないシステム(装置)が受信したこれらの情報と自身で測定した濃度情報とによってキャリブレーションを行うものとした。しかしながら、測色器を備えるシステム(装置)から目標濃度情報を送信せずに、測色器を備えないシステム(装置)が受信した分光反射率情報に従って目標濃度情報を算出するようにしてもよい。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、1つの印刷システム(装置)が備えている測色器によってパッチ画像を測色することによって得たキャリブレーション用の情報を他の1または複数の印刷システム(装置)に転送し、それを利用することが可能となる。従って多数の印刷システム(装置)において測色器を備えることなく、精度の高いキャリブレーション処理を行うことができる。また、所定波長にピークを持った光源と受光素子とで構成される安価なセンサ部(カラーセンサ)を有し、複数バンドのカラーフィルタまたは回折格子を備えた測色器を有さない印刷システム(装置)においても測色器を用いたキャリブレーションが行えるので、複数の印刷システム(装置)を安価なコストで導入可能となる。このときセンサ部の個体差も実測した各光源の発光強度に応じた補正を行うので精度の高いキャリブレーションが行える。また、キャリブレーション情報の送受信に際しては測色器による測定に基づき得た情報を送受信させ、センサ部による測定に基づき得た情報を送受信させないことにより、送受信されるキャリブレーション情報の量を減らすことができ通信トラフィックの増大を抑えることができる。そして、キャリブレーション情報を受け取った側では、自身のセンサ部による測定結果と受信したキャリブレーション情報とに基づきキャリブレーションを行うので、自身の印刷状態に応じた精度の高いキャリブレーションを行うことができる。また、新たな種類の被記録媒体を使用する際も、測色器を有したシステム(装置)によって容易に新たなキャリブレーション情報を作成し、他のシステム(装置)にも反映させることができる。なお、キャリブレーション情報を送信する際、例えば送信先の印刷システム(装置)がセンサ部も有していない、あるいはセンサ部による測定が行えない場合などに、測色器による測定結果に基づく情報とともに自身のセンサ部による測定結果に基づく情報を送信するようにしてもよい。そしてこれを受信した側ではこれらの情報に基づいてキャリブレーション情報を登録し、キャリブレーションの際に使用する。これにより、受信側での負荷等を軽減させることもできる。
【0059】
なお、以上の実施形態において、印刷システム、ホストPC、プリンタのそれぞれをキャリブレーション情報の生成、取得を行う画像処理装置として機能させることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置により被記録媒体上に印刷されたキャリブレーション用のパッチ画像を読み取り、該パッチ画像の濃度を測定する測定手段と、
前記被記録媒体上に印刷された前記キャリブレーション用のパッチ画像を、所定波長毎の分光反射率を測定可能な測定器を用いて読み取ることにより測定された分光反射率情報を受信する受信手段と、
前記測定手段により測定された濃度と前記受信手段により受信した分光反射率情報とに基づき前記印刷装置による前記被記録媒体を用いた印刷のためのキャリブレーションを行う処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記測定器は、他の印刷装置により備えられ、該他の印刷装置により前記被記録媒体と同種の被記録媒体を用いて印刷した前記キャリブレーション用のパッチ画像を測定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記測定手段は、所定波長にピークを有する光源と当該光源を前記被記録媒体に照射した際の反射光を受光する受光手段とを用いて濃度値を求め、前記測定器は、所定波長毎のバンドパスフィルタまたは回折格子を用いて分光反射率を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、さらに目標濃度情報を受信し、前記処理手段は、前記測定手段により測定された濃度、前記受信手段により受信した分光反射率情報及び目標濃度情報に基づきキャリブレーションを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷装置により被記録媒体上に印刷されたキャリブレーション用のパッチ画像を読み取り、該パッチ画像の濃度を測定する第1の測定手段と、
前記被記録媒体上に印刷された前記キャリブレーション用のパッチ画像を、所定波長毎の分光反射率を測定可能な測定器を用いて読み取ることにより測定する第2の測定手段と、
前記第1の測定手段により測定された濃度を示す濃度情報と前記第2の測定手段により測定した分光反射率を示す分光反射率情報とに基づき前記印刷装置による前記被記録媒体を用いた印刷のためのキャリブレーションを実行する処理手段と、
前記第2の測定手段で測定した分光反射率情報を送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の測定手段は、所定波長にピークを有する光源と当該光源を前記被記録媒体に照射した際の反射光を受光する受光手段とを用いて濃度値を求め、前記第2の測定手段は、所定波長毎のバンドパスフィルタまたは回折格子を用いて分光反射率を求めることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1の測定手段は、前記第2の測定手段で用いる被記録媒体と同種の被記録媒体上に印刷された前記パッチ画像の濃度を測定した結果である濃度情報を目標濃度情報として測定し、前記送信手段は、前記第1の測定手段によって測定した目標濃度値と前記第2の測定手段で測定した分光反射率情報とを送信することを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
第1の印刷装置により被記録媒体上に印刷されたキャリブレーション用のパッチ画像を読み取り、該パッチ画像の濃度を測定し、
第2の印刷装置により前記被記録媒体上に印刷された前記キャリブレーション用のパッチ画像を、所定波長毎の分光反射率を測定可能な測定器を用いて読み取ることにより分光反射率を測定し、
前記測定された濃度と分光反射率とを用いて前記第1の印刷装置による前記被記録媒体を用いた印刷のためのキャリブレーションを実行することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
請求項1〜7に記載の各手段をコンピュータにより実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−111775(P2013−111775A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257431(P2011−257431)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】