説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体、並びに学習装置

【課題】ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を高精度に生成することできるようにする。
【解決手段】予測演算部は、学習された予測係数と予測タップとの演算により、色成分ごとに注目画素の画素値を求め、色成分ごとの注目画素の画素値から構成される出力画像を出力する。本技術は、例えば、画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体、並びに学習装置に関し、特に、ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を高精度に生成することできるようにした画像処理装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体、並びに学習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型化のため、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を1つだけ備える撮影装置がある。このような撮影装置では、一般的に、撮像素子の各画素に異なるカラーフィルタが施され、画素ごとに、RGB等の複数の色のうちのいずれか1つの色の信号が取得される。これにより、撮像素子で取得される画像は、例えば、図1に示すようなカラー配列の画像となる。以下では、図1のカラー配列をベイヤ配列という。
【0003】
撮像素子により取得されたベイヤ配列の画像は、通常、デモザイク処理と呼ばれる補間処理により、画素ごとにRGB等の複数の色の成分の画素値を有するカラー画像に変換される。
【0004】
また、ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を生成する方法としては、デモザイク処理によりベイヤ配列の画像からカラー画像を生成し、そのカラー画像に対して拡大処理を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図2は、このような方法で拡大されたカラー画像を生成する画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0006】
図2の画像処理装置10は、撮像素子11、デモザイク処理部12、および拡大処理部13により構成される。
【0007】
画像処理装置10の撮像素子11は、各画素に異なるカラーフィルタが施されている。撮像素子11は、被写体からの光のR成分、G成分、およびB成分のうちのいずれか1つの成分のアナログ信号を画素ごとに取得し、A/D変換等を行うことにより、ベイヤ配列の画像を生成する。撮像素子11は、生成されたベイヤ配列の画像をデモザイク処理部12に供給する。
【0008】
デモザイク処理部12は、撮像素子11から供給されるベイヤ配列の画像に対してデモザイク処理を行い、各画素のR成分、G成分、およびB成分の画素値からなるカラー画像(以下、RGB画像という)を生成する。そして、デモザイク処理部12は、生成されたRGB画像を拡大処理部13に供給する。
【0009】
拡大処理部13は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、デモザイク処理部12から供給されるRGB画像に対して拡大処理を行い、拡大処理後のRGB画像を出力画像として出力する。
【0010】
また、RGB画像を任意の倍率に拡大する方法として、クラス分類適応処理を用いる方法がある(例えば、特許文献2参照)。クラス分類適応処理とは、処理後の画像の注目している画素である注目画素を所定のクラスに分類し、そのクラスに対応する学習により求められた予測係数と、注目画素に対応する処理前の画像の画素値との線形結合により注目画素の画素値を予測する処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−54576号公報
【特許文献2】特許4441860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図1の画像処理装置10におけるデモザイク処理および拡大処理として、例えば、クラス分類適応処理が用いられた場合、デモザイク処理によりベイヤ配列の画像に存在する細線部などの情報が失われると、出力画像の精度が劣化する。
【0013】
具体的には、デモザイク処理により細線部などの情報が失われ、RGB画像が平坦部を有する場合、拡大処理部13では、RGB画像の平坦部が、本来存在する平坦部であるか、細線部が失われたことによる平坦部であるかを認識することは困難である。従って、デモザイク処理により細線部などの情報が失われた場合であっても、拡大処理部13は、デモザイク処理部12から供給されるRGB画像を、細線部などの情報が失われていないRGB画像として拡大処理する。これにより、出力画像は、デモザイク処理前のベイヤ配列の画像を平滑化した画像に対応するものとなり、出力画像の精度が劣化する。
【0014】
同様に、デモザイク処理によりベイヤ配列の画像には存在しない色のエッジなどが生成された場合も、出力画像の精度が劣化する。
【0015】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を高精度に生成することできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本技術の第1の側面の画像処理装置は、第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部を備える画像処理装置である。
【0017】
本技術の第1の側面の画像処理方法、プログラム、および記録媒体に記録されているプログラムは、本技術の第1の側面の画像処理装置に対応する。
【0018】
本技術の第1の側面においては、第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値が求められ、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像が出力される。
【0019】
本技術の第2の側面の学習装置は、所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分ごとの前記予測係数を求める学習部を備える学習装置である。
【0020】
本技術の第2の側面の学習方法、プログラム、および記録媒体に記録されているプログラムは、本技術の第2の側面の学習装置に対応する。
【0021】
本技術の第2の側面においては、所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解かれることで、前記色成分ごとの前記予測係数が求められる。
【0022】
本技術の第3の側面の画像処理装置は、第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部を備える画像処理装置である。
【0023】
本技術の第3の側面においては、第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値が求められ、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像が出力される。
【0024】
本技術の第4の側面の学習装置は、所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分ごとの前記予測係数を求める学習部を備える学習装置である。
【0025】
本技術の第4の側面においては、所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式が解かれることで、前記色成分ごとの前記予測係数が求められる。
【発明の効果】
【0026】
本技術の第1および第3の側面によれば、ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を高精度に生成することできる。
【0027】
また、本技術の第2および第4の側面によれば、ベイヤ配列の画像から拡大されたカラー画像を高精度に生成するための予測係数を学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ベイヤ配列の例を示す図である。
【図2】画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本技術を適用した画像処理装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の拡大処理部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の拡大予測処理部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図6】出力画像の各画素の位置を示す第1の図である。
【図7】図5の拡大予測処理部におけるクラスタップのタップ構造の例を示す図である。
【図8】図5の拡大予測処理部における予測タップのタップ構造の例を示す図である。
【図9】図5の補間部により補間されるクラスタップに対応する位置を示す図である。
【図10】拡大処理部の画像処理を説明するフローチャートである。
【図11】図5の拡大予測処理部における予測係数を学習する学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】図11の学習装置の学習処理を説明するフローチャートである。
【図13】出力画像の例を示す図である。
【図14】本技術を適用した画像処理装置の第2実施の形態の拡大予測処理部の構成例を示すブロック図である。
【図15】出力画像の各画素の位置を示す第2の図である。
【図16】図14の拡大予測処理部におけるクラスタップのタップ構造の例を示す図である。
【図17】図14の拡大予測処理部における予測タップのタップ構造の例を示す図である。
【図18】センター画素の位置を説明する図である。
【図19】図14の拡大予測処理部を有する拡大処理部の画像処理を説明するフローチャートである。
【図20】図14の拡大予測処理部における予測係数を学習する学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図21】図20の学習装置の学習処理を説明するフローチャートである。
【図22】コンピュータの一実施の形態の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施の形態>
[画像処理装置の構成例]
図3は、本技術を適用した画像処理装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0030】
図3に示す構成のうち、図2の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0031】
図3の画像処理装置30の構成は、主に、デモザイク処理部12と拡大処理部13の代わりに拡大処理部31が設けられている点が図2の構成と異なる。画像処理装置30は、クラス分類適応処理を用いて、ベイヤ配列の画像から拡大されたRGB画像を直接生成する。
【0032】
具体的には、画像処理装置30の拡大処理部31は、図示せぬユーザなどにより外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、撮像素子11により生成されるベイヤ配列の画像を拡大する。
【0033】
なお、水平方向および垂直方向の拡大率は、同一であっても異なっていてもよい。また、水平方向および垂直方向の拡大率は、整数であっても分数であってもよい。
【0034】
また、拡大処理部31は、拡大後のベイヤ配列の画像に対してクラス分類適応処理を行い、RGB画像を生成する。拡大処理部31は、生成されたRGB画像を出力画像として出力する。
【0035】
[拡大処理部の構成例]
図4は、図3の拡大処理部31の詳細構成例を示すブロック図である。
【0036】
図4の拡大処理部31は、画素欠陥補正部51、クランプ処理部52、ホワイトバランス部53、および拡大予測処理部54により構成される。
【0037】
拡大処理部31の画素欠陥補正部51、クランプ処理部52、およびホワイトバランス部53は、出力画像の画質を高めるために、ベイヤ配列の画像に対して前処理を行う。
【0038】
具体的には、拡大処理部31の画素欠陥補正部51は、図3の撮像素子11から供給されるベイヤ配列の画像のうち、撮像素子11の欠陥のある画素の画素値を検出する。ここで、撮像素子11の欠陥のある画素とは、何らかの理由で入射光に反応しない素子や常に電荷を蓄えている素子である。画素欠陥補正部51は、検出された撮像素子11の欠陥のある画素の画素値を、周囲の欠陥のない画素の画素値などを用いて補正し、補正後のベイヤ配列の画像をクランプ処理部52に供給する。
【0039】
クランプ処理部52は、画素欠陥補正部51から供給される補正後のベイヤ配列の画像をクランプする。具体的には、撮像素子11は、負の値が削除されることを防止するため、アナログ信号の信号値を正の方向にシフトした後、A/D変換を行う。従って、クランプ処理部52は、そのA/D変換時のシフト分を打ち消すように、補正後のベイヤ配列の画像をクランプする。クランプ処理部52は、クランプ後のベイヤ配列の画像をホワイトバランス部53に供給する。
【0040】
ホワイトバランス部53は、クランプ処理部52から供給されるベイヤ配列の画像の各色成分のゲインを補正することにより、ホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス部53は、ホワイトバランスが調整されたベイヤ配列の画像を拡大予測処理部54に供給する。
【0041】
拡大予測処理部54は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像を拡大する。そして、拡大予測処理部54は、拡大後のベイヤ配列の画像に対してクラス分類適応処理を行い、RGB画像を生成する。拡大予測処理部54は、生成されたRGB画像を出力画像として出力する。
【0042】
[拡大予測処理部の詳細構成例]
図5は、図4の拡大予測処理部54の詳細構成例を示すブロック図である。
【0043】
図5の拡大予測処理部54は、補間部71、予測タップ取得部72、クラスタップ取得部73、クラス番号発生部74、係数発生部75、および予測演算部76により構成される。
【0044】
拡大予測処理部54の補間部71は、拡大処理部として機能し、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、予測する出力画像の各画素の、図4のホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像内の位置を決定する。補間部71は、出力画像の各画素を順に注目画素とする。補間部71は、ベイヤ配列の画像内の、注目画素の画素値を予測するために用いる1以上の画素値(以下、予測タップという)に対応する位置を決定する。具体的には、補間部71は、出力画像内の注目画素の位置と同一のベイヤ配列の画像内の位置に対して、空間的に所定の位置関係にある位置を、予測タップに対応する位置に決定する。
【0045】
補間部71は、ベイヤ配列の画像に対して所定の補間処理を行い、予測タップに対応する位置の各色成分の画素値を補間する。補間部71は、補間の結果得られる各色成分の予測タップを予測タップ取得部72に供給する。
【0046】
また、補間部71は、ベイヤ配列の画像内の、注目画素を1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うために用いる1以上の画素値(以下、クラスタップという)に対応する位置を決定する。具体的には、補間部71は、出力画像内の注目画素の位置と同一のベイヤ配列の画像内の位置に対して、空間的に所定の位置関係にある位置を、クラスタップに対応する位置に決定する。
【0047】
補間部71は、ベイヤ配列の画像に対して所定の補間処理を行い、クラスタップに対応する位置の各色成分の画素値を補間する。補間部71は、補間の結果得られる各色成分のクラスタップをクラスタップ取得部73に供給する。
【0048】
なお、補間部71における補間処理としては、例えば、バイキュービク法による補間処理、線形補間処理などを用いることができる。また、予測タップとクラスタップは、同一のタップ構造を有するものとすることも、異なるタップ構造を有するものとすることも可能である。但し、予測タップとクラスタップのタップ構造は、拡大率によらず一定である。
【0049】
予測タップ取得部72は、補間部71から供給される各色成分の予測タップを取得し、予測演算部76に供給する。
【0050】
クラスタップ取得部73は、補間部71から供給される各色成分のクラスタップを取得し、クラス番号発生部74に供給する。
【0051】
クラス番号発生部74は、クラス分類部として機能し、クラスタップ取得部73から供給される各色成分のクラスタップに基づいて、色成分ごとに注目画素をクラス分類する。クラス番号発生部74は、その結果得られるクラスに対応するクラス番号を発生して、係数発生部75に供給する。
【0052】
クラス分類を行う方法としては、例えば、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)を用いる方法を採用することができる。
【0053】
クラス分類を行う方法としてADRCを用いる方法が採用された場合、クラスタップを構成する画素値がADRC処理され、その結果得られる再量子化コードにしたがって、注目画素のクラス番号が決定される。
【0054】
具体的には、ADRC処理として、以下の式(1)により、クラスタップの最大値MAXと最小値MINの間を指定されたビット数pで均等に分割して再量子化する処理が行われる。
【0055】
qi=[(ki-MIN+0.5)*2^p/DR]
・・・(1)
【0056】
なお、式(1)において、[]は、[]内の値の小数点以下を切り捨てることを意味する。また、kiは、クラスタップのi番目の画素値を表し、qiは、クラスタップのi番目の画素値の再量子化コードを表す。また、DRは、ダイナミックレンジであり、MAX-MIN+1である。
【0057】
そして、このようにして求められた再量子化コードqiを用いて、以下の式(2)により、注目画素のクラス番号classが算出される。
【0058】
【数1】

【0059】
なお、式(2)において、nは、クラスタップを構成する画素値の数である。
【0060】
クラス分類を行う方法としては、ADRCを用いる方法の他に、DCT(Discrete Cosine Transform),VQ(Vector Quantization),DPCM(differential pulse code modulation)などのデータ圧縮方式を応用し、データ圧縮した結果のデータ量をクラス番号とする方法などを用いることもできる。
【0061】
係数発生部75は、図11および図12を参照して後述する学習によって求められた色成分およびクラスごとの予測係数を記憶する。係数発生部75は、記憶している予測係数のうちの、クラス番号発生部74から供給される各色成分のクラス番号に対応するクラスの予測係数を読み出し、予測演算部76に供給する。
【0062】
予測演算部76は、予測タップ取得部72から供給される各色成分の予測タップと、係数発生部75から供給される各色成分の予測係数とを用いて、色成分ごとに、注目画素の画素値の真値の予測値を求める所定の予測演算を行う。これにより、予測演算部76は、注目画素の各色成分の画素値の予測値を、出力画像の注目画素の各色成分の画素値として生成し、出力する。
【0063】
[出力画像の各画素の位置の例]
図6は、水平方向および垂直方向の拡大率が2倍である場合の出力画像の各画素の位置を示す図である。
【0064】
なお、図6において、白丸は、補間部71に入力されるベイヤ配列の画像の画素の位置を表し、黒丸は出力画像の画素の位置を表す。
【0065】
図6に示すように、水平方向および垂直方向の拡大率が2倍である場合、出力画像の各画素の水平方向の位置の間隔は、補間部71に入力されるベイヤ配列の画像の各画素の水平方向の位置の間隔の1/2である。また、出力画像の各画素の垂直方向の位置の間隔は、補間部71に入力されるベイヤ配列の画像の各画素の垂直方向の位置の間隔の1/2である。
【0066】
[クラスタップのタップ構造の例]
図7は、クラスタップのタップ構造の例を示す図である。なお、クラスタップのタップ構造は、図7の構造以外の構造とすることが可能である。
【0067】
図7において、バツ印は、出力画像内の注目画素の位置と同一のベイヤ配列の画像内の位置(以下、注目画素対応位置という)を表している。また、図7において、丸印は、注目画素のクラスタップに対応するベイヤ配列の画像内の位置を表している。
【0068】
図7の例では、注目画素対応位置を中心として、水平方向および垂直方向に、それぞれ、ベイヤ配列の画像の画素単位の間隔で5個ずつ並ぶ合計9個の位置に対応する画素値がクラスタップとされる。
【0069】
この場合、クラスタップに対応する位置は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像のいずれかの画素の位置と同一である。即ち、クラスタップは、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像のうちの9個の画素値からなる。また、注目画素対応位置と、クラスタップに対応する位置との関係は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率によらず一定となる。
【0070】
[予測タップのタップ構造の例]
図8は、予測タップのタップ構造の例を示す図である。なお、予測タップのタップ構造は、図8の構造以外の構造とすることが可能である。
【0071】
図8において、バツ印は、注目画素対応位置を表している。また、図8において、丸印は、注目画素の予測タップに対応するベイヤ配列の画像内の位置を表している。
【0072】
図8の例では、注目画素対応位置を中心として水平方向および垂直方向に、それぞれ、ベイヤ配列の画像の画素単位の間隔で5個ずつ並ぶ合計9個の位置と、その位置のうちの、注目画素対応位置と左右に隣り合う2個の位置それぞれから上下方向にベイヤ配列の画像の画素単位の間隔で1個ずつ並ぶ合計4個の位置とからなる合計13個の位置に対応する画素値が予測タップとされる。即ち、予測タップを構成する画素値に対応する位置は、いわばひし形状に並んでいる。
【0073】
この場合、予測タップに対応する位置は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像のいずれかの画素の位置と同一である。即ち、予測タップは、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像のうちの13個の画素値からなる。また、注目画素対応位置と、予測タップに対応する位置との関係は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率によらず一定となる。
【0074】
[補間部による補間の説明]
図9は、図5の補間部71により補間されるクラスタップに対応する位置を示す図である。
【0075】
なお、図9において、バツ印は、注目画素対応位置を表している。また、図9において、白丸は、補間部71に入力されるベイヤ配列の画像の画素の位置を表し、黒丸は出力画像の画素の位置を表す。また、図9の例では、水平方向および垂直方向の拡大率が2倍であり、クラスタップの構造は図7の構造である。
【0076】
図9に示すように、補間部71は、例えば、注目画素対応位置を中心として、水平方向および垂直方向に、それぞれ、ベイヤ配列の画像の1画素分の間隔ずつ離れて5個ずつ並ぶ合計9個の位置に対応する画素値がクラスタップとして補間される。即ち、図9において、点線の丸で囲われた黒丸で表される位置の画素値がクラスタップとして補間される。
【0077】
なお、クラスタップの補間は、色成分ごとに、その色成分のベイヤ配列の画像の画素値のうちの、クラスタップを構成する各画素値に対応する位置の周辺位置の画素値を用いて行われる。例えば、図9の注目画素対応位置の注目画素のR成分の画素値を生成する際に用いられるR成分のクラスタップは、ベイヤ配列の画像のうちの、図9中点線の丸で囲われた黒丸で表される9個の位置それぞれの周辺位置のR成分の画素値を用いて補間される。
【0078】
[予測演算の説明]
次に、図5の予測演算部76における予測演算と、その予測演算に用いられる予測係数の学習について説明する。
【0079】
いま、所定の予測演算として、例えば、線形1次予測演算を採用することとすると、出力画像の各画素の各色成分の画素値yは、次の線形1次式によって求められることになる。
【0080】
【数2】

【0081】
なお、式(3)において、xiは、画素値yについての予測タップを構成する画素値のうちのi番目の画素値を表し、Wiは、そのi番目の画素値と乗算されるi番目の予測係数を表す。また、nは、予測タップを構成する画素値の数を表している。
【0082】
また、第kサンプルの出力画像の画素の各色成分の画素値の予測値をyk’と表すと、予測値yk’は以下の式(4)で表される。
【0083】
yk’=W1×xk1+W2×xk2+・・・+Wn×xkn
・・・(4)
【0084】
なお、式(4)において、xkiは、予測値yk’の真値についての予測タップを構成する画素値のうちのi番目の画素値を表し、Wiは、そのi番目の画素値と乗算されるi番目の予測係数を表す。また、nは、予測タップを構成する画素値の数を表している。
【0085】
また、予測値yk’の真値をykと表すと、予測誤差ekは、以下の式(5)で表される。
【0086】
ek=yk-{W1×xk1+W2×xk2+・・・+Wn×xkn
・・・(5)
【0087】
なお、式(5)において、xkiは、予測値yk’の真値についての予測タップを構成する画素値のうちのi番目の画素値を表し、Wiは、そのi番目の画素値と乗算されるi番目の予測係数を表す。また、nは、予測タップを構成する画素値の数を表している。
【0088】
式(5)の予測誤差ekを0とする予測係数Wiが、真値ykを予測するのに最適なものとなるが、学習用のサンプルの数がnより小さい場合は、予測係数Wiは一意に定まらない。
【0089】
そこで、予測係数Wiが最適なものであることを表す規範として、例えば、最小自乗法を採用することとすると、最適な予測係数Wiは、以下の式(6)で表される自乗誤差の総和Eを最小にすることで求めることができる。
【0090】
【数3】

【0091】
式(6)の自乗誤差の総和Eの最小値(極小値)は、以下の式(7)に示すように、総和Eを予測係数Wiで偏微分したものを0とするWiによって与えられる。
【0092】
【数4】

【0093】
以下の式(8)および式(9)に示すようにXjiとYiを定義すると、式(7)は、以下の式(10)のように行列式の形で表すことができる。
【0094】
【数5】

【0095】
【数6】

【0096】
【数7】

【0097】
なお、式(8)乃至(10)において、xkiは、予測値yk’の真値についての予測タップを構成する画素値のうちのi番目の画素値を表し、Wiは、そのi番目の画素値と乗算されるi番目の予測係数を表す。また、nは、予測タップを構成する画素値の数を表し、mは、学習用のサンプルの数を表している。
【0098】
式(10)の正規方程式は、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などの一般的な行列解法を用いることにより、予測係数Wiについて解くことができる。
【0099】
以上により、クラスおよび色成分ごとの最適な予測係数Wiの学習は、式(10)の正規方程式をクラスおよび色成分ごとにたてて解くことにより行うことができる。
【0100】
なお、画素値yは、式(3)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求められるようにすることも可能である。
【0101】
[画像処理装置の処理の説明]
図10は、図4の拡大処理部31の画像処理を説明するフローチャートである。この画像処理は、例えば、撮像素子11からベイヤ配列の画像が供給されたとき、開始される。
【0102】
図10のステップS11において、拡大処理部31の画素欠陥補正部51は、図3の撮像素子11から供給されるベイヤ配列の画像のうち、撮像素子11の欠陥のある画素の画素値を検出する。
【0103】
ステップS12において、画素欠陥補正部51は、ステップS11で検出された撮像素子11の欠陥のある画素の画素値を、周囲の欠陥のない画素の画素値などを用いて補正し、補正後のベイヤ配列の画像をクランプ処理部52に供給する。
【0104】
ステップS13において、クランプ処理部52は、画素欠陥補正部51から供給される補正後のベイヤ配列の画像をクランプする。クランプ処理部52は、クランプ後のベイヤ配列の画像をホワイトバランス部53に供給する。
【0105】
ステップS14において、ホワイトバランス部53は、クランプ処理部52から供給されるクランプ後のベイヤ配列の画像の各色成分のゲインを補正することにより、ホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス部53は、ホワイトバランスが調整されたベイヤ配列の画像を拡大予測処理部54に供給する。
【0106】
ステップS15において、拡大予測処理部54の補間部71(図5)は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、予測する出力画像の画素数を決定し、出力画像の画素のうちの、まだ注目画素とされていない画素を注目画素に決定する。
【0107】
ステップS16において、補間部71は、図4のホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像内の、注目画素の予測タップに対応する位置を決定する。
【0108】
ステップS17において、補間部71は、ベイヤ配列の画像に対して所定の補間処理を行い、予測タップに対応する位置の各色成分の画素値を予測タップとして補間する。補間部71は、各色成分の予測タップを、予測タップ取得部72を介して予測演算部76に供給する。
【0109】
ステップS18において、補間部71は、ベイヤ配列の画像内の、注目画素のクラスタップに対応する位置を決定する。
【0110】
ステップS19において、補間部71は、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像に対して所定の補間処理を行い、クラスタップに対応する位置の各色成分の画素値をクラスタップとして補間する。補間部71は、各色成分のクラスタップを、クラスタップ取得部73を介してクラス番号発生部74に供給する。
【0111】
ステップS20において、クラス番号発生部74は、クラスタップ取得部73から供給される各色成分のクラスタップに基づいて、色成分ごとに注目画素をクラス分類し、その結果得られるクラスに対応するクラス番号を発生して、係数発生部75に供給する。
【0112】
ステップS21において、係数発生部75は、記憶しているクラスおよび色成分ごとの予測係数のうちの、クラス番号発生部74から供給される各色成分のクラス番号に対応するクラスの予測係数を読み出し、予測演算部76に供給する。
【0113】
ステップS22において、予測演算部76は、予測タップ取得部72が供給する各色成分の予測タップと、係数発生部75から供給される各色成分の予測係数とを用いて、色成分ごとに、上述した式(3)の演算を所定の予測演算として行う。これにより、予測演算部76は、注目画素の各色成分の画素値の予測値を、出力画像の注目画素の各色成分の画素値として生成し、出力する。
【0114】
ステップS23において、補間部71は、出力画像の全ての画素を注目画素としたかどうかを判定する。ステップS23でまだ出力画像の全ての画素を注目画素としていないと判定された場合、処理はステップS15に戻り、出力画像の全ての画素を注目画素とするまで、ステップS15乃至S23の処理を繰り返す。
【0115】
一方、ステップS23で出力画像の全ての画素を注目画素としたと判定された場合、処理は終了する。
【0116】
以上のように、画像処理装置30は、外部から入力される拡大率に基づいてベイヤ配列の画像を拡大することにより注目画素の各色成分の予測タップを生成し、色成分ごとに、予測タップと予測係数を用いて所定の予測演算を行い、注目画素の各色成分の画素値を求める。即ち、画像処理装置30は、ベイヤ配列の画像から出力画像を直接生成する。従って、2回の処理に分けて出力画像を生成する従来の画像処理装置10に比べて、細線部や色のエッジなどが変化した可能性のある1回目の処理結果を用いて出力画像が生成されないので、出力画像を高精度に生成することができる。
【0117】
また、従来の画像処理装置10に比べて、1回目の処理結果を一時的に記憶する必要がないため、出力画像の精度の劣化を防止することができる。
【0118】
具体的には、従来の画像処理装置10では、2回の処理に分けて出力画像が生成されるので、1回目の処理結果であるRGB画像を、少なくとも2回目の処理で出力画像の1つの画素を生成するために用いられる画素分だけ図示せぬメモリに蓄えておく必要がある。このメモリの記憶容量は、現実的には有限であるため、1回目の処理結果であるRGB画像の各画素の画素値のビット数を削減する必要がある場合があり、この場合、出力画像の精度が劣化する。これに対して、画像処理装置30は、ベイヤ配列の画像から出力画像を直接生成するので、処理の途中結果を記憶させておく必要がなく、出力画像の精度の劣化を防止することができる。
【0119】
さらに、画像処理装置30は、クラス分類適応処理を行うブロックを1つだけ備えるので、デモザイク処理用および拡大処理用にクラス分類適応処理を行うブロックをそれぞれ備える従来の画像処理装置10に比べて、回路規模を縮小することができる。
【0120】
[学習装置の構成例]
図11は、図5の係数発生部75に記憶される予測係数Wiを学習する学習装置100の構成例を示すブロック図である。
【0121】
図11の学習装置100は、教師画像記憶部101、縮小処理部102、間引き処理部103、補間部104、予測タップ取得部105、クラスタップ取得部106、クラス番号発生部107、足し込み部108、および予測係数算出部109により構成される。
【0122】
学習装置100には、予測係数Wiの学習に用いられる学習用の画像として教師画像が入力される。ここでは、教師画像として、図5の拡大予測処理部54で生成される理想的な出力画像、即ち、出力画像と同一の解像度の高精度のRGB画像が用いられる。
【0123】
教師画像記憶部101は、教師画像を記憶する。教師画像記憶部101は、記憶している教師画像を複数の画素からなるブロックに分割し、各ブロックを順次注目ブロックとする。教師画像記憶部101は、注目ブロックの各色成分の画素値を足し込み部108に供給する。
【0124】
縮小処理部102は、水平方向および垂直方向の所定の縮小率で、教師画像を水平方向および垂直方向に縮小し、縮小後の教師画像を間引き処理部103に供給する。
【0125】
間引き処理部103は、ベイヤ配列にしたがって、縮小処理部102から供給される縮小後の教師画像の各色成分の画素値のうちの所定の色成分の画素値を間引き、ベイヤ配列の画像を生成する。また、間引き処理部103は、生成されたベイヤ配列の画像に対して、撮像素子11が有する図示せぬ光学ローパスフィルタの処理に対応するフィルタ処理を行う。これにより、撮像素子11で生成されるベイヤ配列の画像により近似したベイヤ配列の画像を生成することができる。間引き処理部103は、フィルタ処理後のベイヤ配列の画像を、教師画像に対応する生徒画像として補間部104に供給する。
【0126】
補間部104は、拡大処理部として機能し、縮小処理部102における水平方向および垂直方向の所定の縮小率に対応する拡大率に基づいて、注目ブロックの各画素の、間引き処理部103から供給される生徒画像内の位置を求める。そして、補間部104は、注目ブロックの各画素を注目画素とし、図5の補間部71と同様に、注目画素の予測タップに対応する位置およびクラスタップに対応する位置を決定する。補間部104は、生徒画像に対して補間部71と同様の補間処理を行い、注目ブロックの各色成分の予測タップおよびクラスタップを補間する。そして、補間部104は、注目ブロックの各画素の各色成分の予測タップを予測タップ取得部105に供給し、クラスタップをクラスタップ取得部106に供給する。
【0127】
予測タップ取得部105は、補間部104から供給される注目ブロックの各画素の各色成分の予測タップを取得し、足し込み部108に供給する。
【0128】
クラスタップ取得部106は、補間部104から供給される注目ブロックの各画素の各色成分のクラスタップを取得し、クラス番号発生部107に供給する。
【0129】
クラス番号発生部107は、クラスタップ取得部106から供給される注目ブロックの各画素の各色成分のクラスタップに基づいて、図5のクラス番号発生部74と同様に、色成分ごとに注目ブロックの各画素をクラス分類する。クラス番号発生部107は、その結果得られる注目ブロックの各画素のクラスに対応するクラス番号を発生して、足し込み部108に供給する。
【0130】
足し込み部108は、教師画像記憶部101からの注目ブロックの各色成分の画素値と、予測タップ取得部105からの注目ブロックの各色成分の予測タップとを対象とした足し込みを、クラス番号発生部107からの注目ブロックのクラス番号のクラスおよび色成分ごとに行う。
【0131】
具体的には、足し込み部108は、注目ブロックの各画素の予測タップの各画素の画素値をxkiおよびxkj(i,j=1,2,・・・,n)として、クラスおよび色成分ごとに、式(10)の左辺の行列におけるXijを演算する。
【0132】
また、足し込み部108は、注目ブロックの各画素の各色成分の画素値をykとして、画素値xkiを用いて、クラスおよび色成分ごとに、式(10)の右辺の行列におけるYiを演算する。
【0133】
そして、足し込み部108は、全ての教師画像の全てのブロックを注目ブロックとして足し込みを行うことにより生成された、クラスおよび色成分ごとの式(10)の正規方程式を、予測係数算出部109に供給する。
【0134】
予測係数算出部109は、学習部として機能し、足し込み部108から供給されるクラスおよび色成分ごとの正規方程式を解くことにより、クラスおよび色成分ごとに、最適な予測係数Wiを求めて出力する。このクラスおよび色成分ごとの予測係数Wiは、図5の係数発生部75に記憶される。
【0135】
[学習装置の処理の説明]
図12は、図11の学習装置100の学習処理を説明するフローチャートである。この学習処理は、例えば、教師画像の入力が開始されたとき、開始される。
【0136】
図12のステップS41において、学習装置100の縮小処理部102は、水平方向および垂直方向の所定の縮小率で、教師画像を水平方向および垂直方向に縮小し、縮小後の教師画像を間引き処理部103に供給する。
【0137】
ステップS42において、間引き処理部103は、ベイヤ配列にしたがって、縮小処理部102から供給される縮小後の教師画像の各色成分の画素値のうちの所定の色成分の画素値を間引き、ベイヤ配列の画像を生成する。また、間引き処理部103は、生成されたベイヤ配列の画像に対して、撮像素子11が有する図示せぬ光学ローパスフィルタの処理に対応するフィルタ処理を行う。間引き処理部103は、フィルタ処理後のベイヤ配列の画像を、教師画像に対応する生徒画像として補間部104に供給する。
【0138】
ステップS43において、教師画像記憶部101は、入力された教師画像を記憶し、記憶している教師画像を複数の画素からなるブロックに分割し、そのブロックのうちの、まだ注目ブロックとされていないブロックを注目ブロックに決定する。
【0139】
ステップS44において、教師画像記憶部101は、記憶している注目ブロックの各色成分の画素値を読み出し、足し込み部108に供給する。
【0140】
ステップS45において、補間部104は、間引き処理部103から供給される生徒画像内の、注目ブロックの各画素の予測タップに対応する位置を決定する。
【0141】
ステップS46において、補間部104は、生徒画像に対して補間部71と同様の補間処理を行い、注目ブロックの各色成分の予測タップを補間する。そして、補間部104は、注目ブロックの各画素の各色成分の予測タップを、予測タップ取得部105を介して、足し込み部108に供給する。
【0142】
ステップS47において、補間部104は、生徒画像内の注目ブロックの各画素のクラスタップに対応する位置を決定する。
【0143】
ステップS48において、補間部104は、生徒画像に対して補間部71と同様の補間処理を行い、注目ブロックの各色成分のクラスタップを補間する。そして、補間部104は、注目ブロックの各画素の各色成分のクラスタップを、クラスタップ取得部106を介してクラス番号発生部107に供給する。
【0144】
ステップS49において、クラス番号発生部107は、クラスタップ取得部106から供給される注目ブロックの各画素の各色成分のクラスタップに基づいて、図5のクラス番号発生部74と同様に、色成分ごとに注目ブロックの各画素をクラス分類する。クラス番号発生部107は、その結果得られる注目ブロックの各画素のクラスに対応するクラス番号を、足し込み部108に供給する。
【0145】
ステップS50において、足し込み部108は、教師画像記憶部101からの注目ブロックの各色成分の画素値と、予測タップ取得部105からの注目ブロックの各色成分の予測タップとを対象とした足し込みを、クラス番号発生部107からの注目ブロックのクラス番号のクラスおよび色成分ごとに行う。
【0146】
ステップS51において、足し込み部108は、教師画像の全てのブロックを注目ブロックとしたかどうかを判定する。ステップS51でまだ教師画像の全てのブロックを注目ブロックとしていないと判定された場合、処理はステップS43に戻り、全てのブロックを注目ブロックとするまで、ステップS43乃至S51の処理が繰り返される。
【0147】
一方、ステップS51で教師画像の全てのブロックを注目ブロックとしたと判定された場合、処理はステップS52に進む。ステップS52において、足し込み部108は、教師画像の入力が終了したかどうか、即ち学習装置100に新たな教師画像が入力されていないかどうかを判定する。
【0148】
ステップS52で教師画像の入力が終了していないと判定された場合、即ち学習装置100に新たな教師画像が入力されている場合、処理はステップS41に戻り、新たな教師画像が入力されなくなるまで、ステップS41乃至S52の処理が繰り返される。
【0149】
一方、ステップS52で教師画像の入力が終了したと判定された場合、即ち学習装置100に新たな教師画像が入力されなくなった場合、足し込み部108は、ステップS50で足し込みを行うことにより生成された、クラスおよび色成分ごとの式(10)の正規方程式を、予測係数算出部109に供給する。
【0150】
そして、ステップS53において、予測係数算出部109は、足し込み部108から供給されるクラスおよび色成分ごとの式(10)の正規方程式のうち、所定のクラスの各色成分の式(10)の正規方程式を解く。これにより、予測係数算出部109は、所定のクラスの各色成分の最適な予測係数Wiを求めて出力する。
【0151】
ステップS54において、予測係数算出部109は、全てのクラスの各色成分の式(10)の正規方程式を解いたかどうかを判定する。ステップS54で全てのクラスの各色成分の式(10)の正規方程式を解いていないと判定された場合、処理はステップS53に戻り、予測係数算出部109は、まだ解かれていないクラスの各色成分の式(10)の正規方程式を解き、ステップS54の処理を行う。
【0152】
一方、ステップS54で全てのクラスの各色成分の式(10)の正規方程式を解いたと判定された場合、処理は終了する。
【0153】
以上のように、学習装置100は、水平方向および垂直方向の所定の拡大率に基づいて図5の拡大予測処理部54に入力されるベイヤ配列の画像に対応する生徒画像を拡大することにより、出力画像に対応する教師画像の注目ブロックの各画素の各色成分の予測タップを生成する。そして、学習装置100は、注目ブロックの各画素の画素値と予測タップとを用いて、色成分ごとに正規方程式を解くことで、予測係数を求める。これにより、学習装置100は、図5の拡大予測処理部54において出力画像を高精度に生成するための予測係数を学習することができる。
【0154】
なお、縮小処理部102における水平方向および垂直方向の縮小率としては、任意の値を用いることができる。
【0155】
また、上述した説明では、拡大処理部31は、図13Aに示すようにベイヤ配列の画像全体から出力画像を生成したが、図13Bに示すように、ベイヤ配列の画像のうちの所定の範囲(図13B中点線で囲われた範囲)から出力画像を生成するようにしてもよい。即ち、拡大処理部31は、ベイヤ配列の画像に対して拡大ではなく、ズームを行うようにしてもよい。この場合、出力画像は、撮像素子11により生成されたベイヤ配列の画像の所定の範囲が出力画像全体のサイズに拡大されたベイヤ配列の画像に対応するRGB画像となる。なお、所定の範囲は、例えば外部からユーザなどにより入力されるようにすることができる。
【0156】
さらに、上述した説明では、色成分ごとにクラスタップと予測タップが補間されたが、全ての色成分に共通のクラスタップと予測タップが補間されるようにしてもよい。但し、予測係数は、色成分ごとに求められる。
【0157】
また、第1実施の形態では、クラスタップが、補間部71により補間されたベイヤ配列の画像または補間部104により補間された生徒画像の画素値から構成されたが、補間前のベイヤ配列の画像または生徒画像の画素値から構成されるようにしてもよい。
【0158】
さらに、第1実施の形態では、図5の補間部71が、注目画素ごとに所定の補間処理を行い、各色成分の予測タップおよびクラスタップを生成したが、ベイヤ配列の画像全体を色成分ごとに補間処理により拡大し、拡大後の各色成分のベイヤ配列の画像から各色成分の予測タップおよびクラスタップを抽出するようにしてもよい。また、補間部71は、ベイヤ配列の画像全体を補間処理により拡大し、拡大後のベイヤ配列の画像から全ての色成分に共通の予測タップおよびクラスタップを抽出するようにしてもよい。これらの場合、図11の補間部104においても、図5の補間部71と同様の処理が行われる。
【0159】
<第2実施の形態>
[画像処理装置の構成例]
本技術を適用した画像処理装置の第2実施の形態の構成は、拡大予測処理部54の構成を除いて、図3の画像処理装置30の構成と同様であるので、拡大予測処理部54の構成についてのみ説明する。
【0160】
図14は、本技術を適用した画像処理装置の第2実施の形態の拡大予測処理部54の構成例を示すブロック図である。
【0161】
図14に示す構成のうち、図5の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0162】
図14の拡大予測処理部54の構成は、主に、注目画素位置決定部131が新たに設けられる点、および、予測タップ取得部72、クラスタップ取得部73、係数発生部75の代わりに、予測タップ取得部132、クラスタップ取得部133、係数発生部134が設けられている点が図5の構成と異なる。図14の拡大予測処理部54は、ベイヤ配列の画像に対して所定の補間処理を行わずに、出力画像を生成する。
【0163】
具体的には、拡大予測処理部54の注目画素位置決定部131は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、予測する出力画像の各画素の、図4のホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像上の位置を決定する。注目画素位置決定部131は、出力画像の各画素を順に注目画素とする。注目画素位置決定部131は、注目画素のベイヤ配列の画像上の位置を、注目画素位置として、予測タップ取得部132とクラスタップ取得部133に供給する。
【0164】
予測タップ取得部132は、注目画素位置決定部131から供給される注目画素位置に基づいて、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像から予測タップを取得する。具体的には、予測タップ取得部132は、注目画素位置に最も近いベイヤ配列の画像の画素をセンター画素とし、そのセンター画素に対して、空間的に所定の位置関係にあるベイヤ配列の画像の画素の画素値を予測タップとして取得する。予測タップ取得部132は、予測タップを予測演算部76に供給する。
【0165】
クラスタップ取得部133は、注目画素位置決定部131から供給される注目画素位置に基づいて、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像からクラスタップを取得する。具体的には、クラスタップ取得部133は、注目画素位置に最も近いベイヤ配列の画像の画素をセンター画素(注目直近画素)とし、そのセンター画素に対して、空間的に所定の位置関係にあるベイヤ配列の画像の画素の画素値をクラスタップとして取得する。クラスタップ取得部133は、クラスタップをクラス番号発生部74に供給する。
【0166】
係数発生部134は、図20および図21を参照して後述する学習によって求められた注目画素の色成分、クラス、センター画素の色成分、注目画素とセンター画素の距離ごとの予測係数を記憶する。このとき、係数発生部134は、予測係数をそのまま記憶するのではなく、DCT、VQ、DPCMなどのデータ圧縮方式を応用したり、多項式近似を用いたりすることによって情報量を削減して記憶する。従って、係数発生部134は、予測係数を読み出す際、元の予測係数を復元する。
【0167】
係数発生部134は、記憶している予測係数のうちの、クラス番号発生部74から供給されるクラス番号のクラス、センター画素の色成分、および注目画素とセンター画素の距離に対応する注目画素の色成分ごとの予測係数を読み出す。そして、係数発生部134は、読み出された注目画素の色成分ごとの予測係数を予測演算部76に供給する。
【0168】
[出力画像の各画素の位置の例]
図15は、水平方向および垂直方向の拡大率が3倍である場合の出力画像の各画素の位置を示す図である。
【0169】
なお、図15において、白丸は、ベイヤ配列の画像の画素の位置を表し、黒丸は出力画像の画素の位置を表す。
【0170】
図15に示すように、水平方向および垂直方向の拡大率が3倍である場合、出力画像の各画素の水平方向の位置の間隔は、図14の拡大予測処理部54に入力されるベイヤ配列の画像の各画素の水平方向の位置の間隔の1/3である。また、出力画像の各画素の垂直方向の位置の間隔は、拡大予測処理部54に入力されるベイヤ配列の画像の各画素の垂直方向の位置の間隔の1/3である。
【0171】
[クラスタップのタップ構造の例]
図16は、図14のクラスタップ取得部133が取得するクラスタップのタップ構造の例を示す図である。なお、クラスタップのタップ構造は、図16の構造以外の構造とすることが可能である。
【0172】
図16において、点線の丸は、センター画素を表している。また、図16において、実線の丸は、注目画素のクラスタップに対応するベイヤ配列の画像の画素を表している。
【0173】
図16の例では、センター画素を中心として、水平方向および垂直方向に、それぞれ、5個ずつ並ぶ合計9個のベイヤ配列の画像の画素の画素値がクラスタップとされる。
【0174】
[予測タップのタップ構造の例]
図17は、図14の予測タップ取得部132が取得する予測タップのタップ構造の例を示す図である。なお、予測タップのタップ構造は、図17の構造以外の構造とすることが可能である。
【0175】
図17において、点線の丸は、センター画素を表している。また、図17において、実線の丸は、注目画素の予測タップに対応するベイヤ配列の画像の画素を表している。
【0176】
図17の例では、センター画素を中心として、水平方向および垂直方向に、それぞれ、5個ずつ並ぶ合計9個のベイヤ配列の画像の画素と、その画素のうちの、センター画素と左右に隣り合う2個の画素それぞれの上下方向に1個ずつ並ぶ合計4個のベイヤ配列の画像の画素とからなる合計13個の画素の画素値が予測タップとされる。即ち、予測タップを構成する画素値に対応する画素は、いわばひし形状に並んでいる。
【0177】
[センター画素の位置の説明]
図18は、センター画素の位置を説明する図である。
【0178】
なお、図18において、点線の丸印は、センター画素の位置を表し、バツ印は、注目画素のベイヤ配列の画像上の位置を表している。また、図18において、白丸は、ベイヤ配列の画像の画素の位置を表し、黒丸は出力画像の画素の位置を表している。さらに、図18の例では、水平方向および垂直方向の拡大率が3倍である。
【0179】
図18に示すように、センター画素の位置は、注目画素のベイヤ配列の画像上の位置から最も近いベイヤ配列の画像の画素の位置である。従って、センター画素と注目画素の水平方向の距離の絶対値の最大値は、ベイヤ配列の画像の画素の水平方向の間隔の1/2である。同様に、センター画素と注目画素の垂直方向の距離の絶対値の最大値は、ベイヤ配列の画像の画素の垂直方向の間隔の1/2である。
【0180】
[画像処理装置の処理の説明]
図19は、画像処理装置30の第2の実施の形態の拡大処理部31の画像処理を説明するフローチャートである。この画像処理は、例えば、撮像素子11からベイヤ配列の画像が供給されたとき、開始される。
【0181】
図19のステップS71乃至S74の処理は、図10のステップS11乃至S14の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0182】
ステップS75において、拡大予測処理部54の注目画素位置決定部131(図14)は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて、予測する出力画像の画素数を決定し、出力画像の画素のうちの、まだ注目画素とされていない画素を注目画素に決定する。
【0183】
ステップS76において、注目画素位置決定部131は、外部から入力される水平方向および垂直方向の拡大率に基づいて注目画素位置を決定し、予測タップ取得部132とクラスタップ取得部133に供給する。
【0184】
ステップS77において、予測タップ取得部132は、注目画素位置決定部131から供給される注目画素位置に基づいて、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像から予測タップを取得する。そして、予測タップ取得部132は、予測タップを予測演算部76に供給する。
【0185】
ステップS78において、クラスタップ取得部133は、注目画素位置決定部131から供給される注目画素位置に基づいて、ホワイトバランス部53から供給されるベイヤ配列の画像からクラスタップを取得する。そして、クラスタップ取得部133は、クラスタップをクラス番号発生部74に供給する。
【0186】
ステップS79において、クラス番号発生部74は、クラスタップ取得部133から供給されるクラスタップに基づいて、注目画素をクラス分類し、その結果得られるクラスに対応するクラス番号を発生して、係数発生部134に供給する。
【0187】
ステップS80において、係数発生部134は、記憶している予測係数のうちの、クラス番号発生部74から供給されるクラス番号のクラス、センター画素の色成分、および注目画素とセンター画素の距離に対応する注目画素の色成分ごとの予測係数を読み出す。そして、係数発生部134は、読み出された注目画素の色成分ごとの予測係数を予測演算部76に供給する。
【0188】
ステップS81において、予測演算部76は、予測タップ取得部132から供給される予測タップと、係数発生部134から供給される注目画素の色成分ごとの予測係数とを用いて、注目画素の色成分ごとに上述した(3)の演算を所定の予測演算として行う。これにより、予測演算部76は、注目画素の各色成分の画素値の予測値を、出力画像の注目画素の各色成分の画素値として生成し、出力する。
【0189】
ステップS82において、注目画素位置決定部131は、出力画像の全ての画素を注目画素としたかどうかを判定する。ステップS82でまだ出力画像の全ての画素を注目画素としていないと判定された場合、処理はステップS75に戻り、出力画像の全ての画素を注目画素とするまで、ステップS75乃至S82の処理を繰り返す。
【0190】
一方、ステップS82で出力画像の全ての画素を注目画素としたと判定された場合、処理は終了する。
【0191】
以上のように、図14の拡大予測処理部54を有する画像処理装置30は、ベイヤ配列のセンター画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、注目画素とセンター画素の距離に対応する注目画素の色成分ごとの予測係数を用いて所定の予測演算を行い、注目画素の各色成分の画素値を求める。即ち、図14の拡大予測処理部54を有する画像処理装置30は、ベイヤ配列の画像から出力画像を直接生成する。従って、2回の処理に分けて出力画像を生成する従来の画像処理装置10に比べて、細線部や色のエッジなどが変化した可能性のある1回目の処理結果を用いて出力画像が生成されないので、出力画像を高精度に生成することができる。
【0192】
また、従来の画像処理装置10に比べて、1回目の処理結果を一時的に記憶する必要がないため、出力画像の精度の劣化を防止することができる。さらに、図14の拡大予測処理部54を有する画像処理装置30は、クラス分類適応処理を行うブロックを1つだけ備えるので、デモザイク処理用および拡大処理用にクラス分類適応処理を行うブロックをそれぞれ備える従来の画像処理装置10に比べて、回路規模を縮小することができる。
【0193】
さらに、図14の拡大予測処理部54は、拡大率ごとではなく、注目画素とセンター画素の距離ごとの予測係数を記憶するため、拡大率ごとの予測係数を記憶する場合に比べて、予測係数を記憶するために必要な記憶容量が少なくて済む。例えば、拡大率が2倍や4倍である場合の注目画素とセンター画素の距離の種類は、拡大率が8倍である場合の注目画素とセンター画素の距離の種類に含まれるため、図14の拡大予測処理部54は、拡大率が8倍である場合の予測係数を記憶すれば、拡大率が2倍や4倍である場合の予測係数を記憶する必要がない。
【0194】
また、図14の拡大予測処理部54は、補間処理を行わなくて済むため、図5の拡大予測処理部54に比べて処理量を削減することができる。
【0195】
[学習装置の構成例]
図20は、図14の係数発生部134に記憶される予測係数Wiを学習する学習装置150の構成例を示すブロック図である。
【0196】
図20に示す構成のうち、図11の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0197】
図20の学習装置150の構成は、主に、注目画素位置決定部151が新たに設けられる点、および、予測タップ取得部105、クラスタップ取得部106、足し込み部108の代わりに予測タップ取得部152、クラスタップ取得部153、足し込み部154が設けられている点が図11の構成と異なる。学習装置150は、注目画素の色成分、センター画素の色成分、センター画素と注目画素との距離、および注目画素のクラスごとの予測係数を学習する。
【0198】
具体的には、注目画素位置決定部151は、注目ブロックの各画素を注目画素とし、その注目画素の生徒画像上の位置を注目画素位置として決定し、予測タップ取得部152とクラスタップ取得部153に供給する。
【0199】
予測タップ取得部152は、注目画素位置決定部151から供給される注目ブロックの各注目画素位置に基づいて、間引き処理部103により生成された生徒画像から注目ブロックの予測タップを取得する。具体的には、予測タップ取得部152は、注目画素位置ごとに、その注目画素位置に最も近い生徒画像の画素をセンター画素とし、そのセンター画素に対して、空間的に所定の位置関係にある生徒画像の画素の画素値を予測タップとして取得する。予測タップ取得部152は、注目ブロックの予測タップを足し込み部154に供給する。
【0200】
クラスタップ取得部153は、注目画素位置決定部151から供給される注目ブロックの各注目画素位置に基づいて、間引き処理部103により生成された生徒画像から注目ブロックのクラスタップを取得する。具体的には、クラスタップ取得部153は、注目画素位置ごとに、その注目画素位置に最も近い生徒画像の画素をセンター画素とし、そのセンター画素に対して、空間的に所定の位置関係にある生徒画像の画素の画素値をクラスタップとして取得する。クラスタップ取得部153は、注目ブロックのクラスタップをクラス番号発生部107に供給する。
【0201】
足し込み部154は、教師画像記憶部101からの注目ブロックの各色成分の画素値と、予測タップ取得部152からの注目ブロックの予測タップとを対象とした足し込みを、クラス番号発生部107からの注目ブロックの各画素のクラス番号のクラス、その画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとに行う。
【0202】
そして、足し込み部154は、全ての教師画像の全てのブロックを注目ブロックとして足し込みを行うことにより生成された、教師画像の画素のクラス、その画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素の距離ごとの式(10)の正規方程式を、予測係数算出部109に供給する。
【0203】
[学習装置の処理の説明]
図21は、図20の学習装置150の学習処理を説明するフローチャートである。この学習処理は、例えば、教師画像の入力が開始されたとき、開始される。
【0204】
図21のステップS101乃至S104の処理は、図12のステップS41乃至S44の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0205】
ステップS105において、注目画素位置決定部151は、注目ブロックの各画素を注目画素とし、その注目画素の生徒画像上の位置を注目画素位置として決定し、予測タップ取得部152とクラスタップ取得部153に供給する。
【0206】
ステップS106において、予測タップ取得部152は、注目画素位置決定部151から供給される注目ブロックの各注目画素位置に基づいて、間引き処理部103により生成された生徒画像から注目ブロックの予測タップを取得する。そして、予測タップ取得部152は、注目ブロックの予測タップを足し込み部154に供給する。
【0207】
ステップS107において、クラスタップ取得部153は、注目画素位置決定部151から供給される注目ブロックの各注目画素位置に基づいて、間引き処理部103により生成された生徒画像から注目ブロックのクラスタップを取得する。そして、クラスタップ取得部153は、注目ブロックのクラスタップをクラス番号発生部107に供給する。
【0208】
ステップS108において、クラス番号発生部107は、クラスタップ取得部153から供給される注目ブロックのクラスタップに基づいて、図14のクラス番号発生部74と同様に、注目ブロックの各画素をクラス分類する。クラス番号発生部107は、その結果得られる注目ブロックの各画素のクラスに対応するクラス番号を発生し、足し込み部154に供給する。
【0209】
ステップS109において、足し込み部154は、教師画像記憶部101からの注目ブロックの各色成分の画素値と、予測タップ取得部152からの注目ブロックの予測タップとを対象とした足し込みを、クラス番号発生部107からの注目ブロックの各画素のクラス番号のクラス、その画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとに行う。
【0210】
ステップS110およびS111の処理は、図12のステップS51とS52の処理と同様である。ステップS111で教師画像の入力が終了したと判定された場合、足し込み部154は、ステップS109で足しこみを行うことにより生成された、教師画像の画素のクラス、その画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を予測係数算出部109に供給する。
【0211】
そして、ステップS112において、予測係数算出部109は、足し込み部154から供給される式(10)の正規方程式のうち、所定のクラスの、教師画像の画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を解く。これにより、予測係数算出部109は、所定のクラスの、注目画素の色成分、センター画素の色成分、および注目画素とセンター画素の距離ごとの最適な予測係数Wiを求めて出力する。
【0212】
ステップS113において、予測係数算出部109は、全てのクラスの、教師画像の画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を解いたかどうかを判定する。
【0213】
ステップS113で、全てのクラスの、教師画像の画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を解いていないと判定された場合、処理はステップS112に戻る。そして、予測係数算出部109は、まだ解かれていないクラスの、教師画像の画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を解き、ステップS113の処理を行う。
【0214】
一方、ステップS113で、全てのクラスの、教師画像の画素の色成分、その画素に対応するセンター画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとの式(10)の正規方程式を解いたと判定された場合、処理は終了する。
【0215】
以上のように、学習装置150は、出力画像に対応する教師画像の各画素の画素値と、図14の拡大予測処理部54に入力されるベイヤ配列の画像に対応する生徒画像の画素値からなる予測タップとを用いて、教師画像の画素の色成分、および、その画素とセンター画素との距離ごとに正規方程式を解くことで、予測係数を求める。これにより、学習装置150は、図14の拡大予測処理部54において出力画像を高精度に生成するための予測係数を学習することができる。
【0216】
なお、学習装置100(150)では、注目ブロックごとに足し込みが行われたが、教師画像の各画素を注目画素として、注目画素ごとに足し込みが行われるようにしてもよい。
【0217】
また、図5や図14の拡大予測処理部54は、出力画像として、拡大されたRGB画像ではなく、拡大されたベイヤ配列の画像を生成するようにしてもよい。この場合、ベイヤ配列にしたがって、注目画素の色成分が決定され、その色成分の画素値のみが予測される。また、出力画像の各色成分の配列は、撮像素子11から入力されるベイヤ配列の画像と同一のベイヤ配列であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、出力画像の各色成分の配列は、外部からユーザにより指定されるようにしてもよい。
【0218】
さらに、上述した説明では、撮像素子11によりベイヤ配列の画像が生成されるものとしたが、撮像素子11により生成される画像の各色成分の配列は、ベイヤ配列以外であってもよい。
【0219】
また、上述した説明では、出力画像は、RGB画像であるものとしたが、出力画像は、RGB画像以外のカラー画像であってもよい。即ち、出力画像の色成分は、R成分、G成分、およびB成分に限定されない。
【0220】
[本技術を適用したコンピュータの説明]
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0221】
そこで、図22は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0222】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としての記憶部208やROM(Read Only Memory)202に予め記録しておくことができる。
【0223】
あるいはまた、プログラムは、リムーバブルメディア211に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。ここで、リムーバブルメディア211としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
【0224】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブルメディア211からドライブ210を介してコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵する記憶部208にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することができる。
【0225】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)201を内蔵しており、CPU201には、バス204を介して、入出力インタフェース205が接続されている。
【0226】
CPU201は、入出力インタフェース205を介して、ユーザによって、入力部206が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM202に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU201は、記憶部208に格納されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)203にロードして実行する。
【0227】
これにより、CPU201は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU201は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース205を介して、出力部207から出力、あるいは、通信部209から送信、さらには、記憶部208に記録等させる。
【0228】
なお、入力部206は、キーボードや、マウス、マイク等で構成される。また、出力部207は、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される。
【0229】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0230】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0231】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0232】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
【0233】
(1)
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部
を備える画像処理装置。
(2)
前記第2の拡大率に基づいて、前記所定のベイヤ配列の画像を拡大する拡大処理部
をさらに備え、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記拡大処理部は、前記第2の拡大率に基づいて、前記注目画素ごとに、前記所定のベイヤ配列の画像の一部を拡大して前記予測タップを生成する
前記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記拡大処理部は、前記第2の拡大率に基づいて、前記色成分ごとに、その色成分の前記所定のベイヤ配列の画像の画素値を補間することにより拡大し、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる前記予測タップとの前記色成分ごとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(2)または(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記予測タップとして取得する予測タップ取得部
をさらに備え、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記予測タップ取得部により取得された前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記注目画素を複数のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うために用いるクラスタップとして取得するクラスタップ取得部と、
前記クラスタップ取得部により取得された前記クラスタップに基づいて、前記注目画素をクラス分類するクラス分類部と
をさらに備え、
前記予測係数は、前記クラスおよび前記教師画像の各画素の色成分ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素のクラスに対応する前記色成分ごとの前記予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(1)に記載の画像処理装置。
(7)
前記第2の拡大率に基づいて、前記注目画素ごとに、前記所定のベイヤ配列の画像の一部を拡大して前記予測タップと前記クラスタップを生成する拡大処理部と、
前記拡大処理部により生成された前記予測タップを取得する予測タップ取得部と
をさらに備え、
前記クラスタップ取得部は、前記拡大処理部により生成された前記クラスタップを取得する
前記(6)に記載の画像処理装置。
(8)
前記第2の拡大率に基づいて、前記色成分ごとに、その色成分の前記所定のベイヤ配列の画像の画素値を補間することにより拡大する拡大処理部と、
前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、その色成分の前記予測タップとして取得する予測タップ取得部と
をさらに備え、
前記クラスタップ取得部は、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、その色成分の前記クラスタップとして取得し、
前記クラス分類部は、前記クラスタップ取得部により取得された前記色成分ごとの前記クラスタップに基づいて、前記色成分ごとに前記注目画素をクラス分類し、
前記予測演算部は、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素の前記色成分ごとのクラスに対応する前記予測係数と、前記予測タップ取得部により取得された前記色成分ごとの前記予測タップとの前記色成分ごとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(6)に記載の画像処理装置。
(9)
画像処理装置が、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む画像処理方法。
(10)
コンピュータに、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む処理を実行させるためのプログラム。
(11)
前記(10)に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
(12)
所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分ごとの前記予測係数を求める学習部
を備える学習装置。
(13)
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部
を備える画像処理装置。
(14)
前記予測係数は、前記教師画像の各画素の色成分、前記画素間距離、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置に最も近い前記生徒画像の画素の色成分ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記予測係数のうちの、前記注目画素間距離および前記注目直近画素の色成分に対応する予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(13)に記載の画像処理装置。
(15)
前記注目直近画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記注目画素を複数のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うために用いるクラスタップとして取得するクラスタップ取得部と、
前記クラスタップ取得部により取得された前記クラスタップに基づいて、前記注目画素をクラス分類するクラス分類部と
をさらに備え、
前記予測係数は、前記クラス、前記教師画像の各画素の色成分、および前記画素間距離ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記予測係数のうちの、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素のクラスおよび前記注目画素間距離に対応する予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
前記(13)または(14)に記載の画像処理装置。
(16)
画像処理装置が、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む画像処理方法。
(17)
コンピュータに、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む処理を実行させるためのプログラム。
(18)
前記(17)に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
(19)
所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像のうちの、第2の拡大率で拡大された前記生徒画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分および前記画素間距離ごとの前記予測係数を求める学習部
を備える学習装置。
【符号の説明】
【0234】
54 拡大予測処理部, 71 補間部, 72 予測タップ取得部, 73 クラスタップ取得部, 74 クラス番号発生部, 76 予測演算部, 100 学習装置, 102 縮小処理部, 103 間引き処理部, 104 補間部, 105 予測タップ取得部, 106 クラスタップ取得部, 107 クラス番号発生部, 108 足し込み部, 109 予測係数算出部, 133 クラスタップ取得部, 150 学習装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の拡大率に基づいて、前記所定のベイヤ配列の画像を拡大する拡大処理部
をさらに備え、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記拡大処理部は、前記第2の拡大率に基づいて、前記注目画素ごとに、前記所定のベイヤ配列の画像の一部を拡大して前記予測タップを生成する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記拡大処理部は、前記第2の拡大率に基づいて、前記色成分ごとに、その色成分の前記所定のベイヤ配列の画像の画素値を補間することにより拡大し、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる前記予測タップとの前記色成分ごとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記予測タップとして取得する予測タップ取得部
をさらに備え、
前記予測演算部は、前記色成分ごとの前記予測係数と、前記予測タップ取得部により取得された前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記注目画素を複数のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うために用いるクラスタップとして取得するクラスタップ取得部と、
前記クラスタップ取得部により取得された前記クラスタップに基づいて、前記注目画素をクラス分類するクラス分類部と
をさらに備え、
前記予測係数は、前記クラスおよび前記教師画像の各画素の色成分ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素のクラスに対応する前記色成分ごとの前記予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の拡大率に基づいて、前記注目画素ごとに、前記所定のベイヤ配列の画像の一部を拡大して前記予測タップと前記クラスタップを生成する拡大処理部と、
前記拡大処理部により生成された前記予測タップを取得する予測タップ取得部と
をさらに備え、
前記クラスタップ取得部は、前記拡大処理部により生成された前記クラスタップを取得する
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第2の拡大率に基づいて、前記色成分ごとに、その色成分の前記所定のベイヤ配列の画像の画素値を補間することにより拡大する拡大処理部と、
前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、その色成分の前記予測タップとして取得する予測タップ取得部と
をさらに備え、
前記クラスタップ取得部は、前記注目画素に対応する、前記拡大処理部により前記色成分ごとに拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、その色成分の前記クラスタップとして取得し、
前記クラス分類部は、前記クラスタップ取得部により取得された前記色成分ごとの前記クラスタップに基づいて、前記色成分ごとに前記注目画素をクラス分類し、
前記予測演算部は、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素の前記色成分ごとのクラスに対応する前記予測係数と、前記予測タップ取得部により取得された前記色成分ごとの前記予測タップとの前記色成分ごとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置が、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記第1の拡大率で拡大された前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数と、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する、前記第2の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む処理を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項12】
所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像が第2の拡大率に基づいて拡大された結果得られる画像のうちの、その画像に対応するカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分ごとの前記予測係数を求める学習部
を備える学習装置。
【請求項13】
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算部
を備える画像処理装置。
【請求項14】
前記予測係数は、前記教師画像の各画素の色成分、前記画素間距離、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置に最も近い前記生徒画像の画素の色成分ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記予測係数のうちの、前記注目画素間距離および前記注目直近画素の色成分に対応する予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記注目直近画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値を、前記注目画素を複数のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うために用いるクラスタップとして取得するクラスタップ取得部と、
前記クラスタップ取得部により取得された前記クラスタップに基づいて、前記注目画素をクラス分類するクラス分類部と
をさらに備え、
前記予測係数は、前記クラス、前記教師画像の各画素の色成分、および前記画素間距離ごとに学習され、
前記予測演算部は、前記予測係数のうちの、前記クラス分類部によるクラス分類の結果得られる前記注目画素のクラスおよび前記注目画素間距離に対応する予測係数と、前記予測タップとの前記演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求める
請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項16】
画像処理装置が、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む画像処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、
第1の拡大率で拡大されたベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像に対応する教師画像と、前記ベイヤ配列の画像に対応する生徒画像とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素に対応する前記生徒画像の画素の画素値、および予測係数の関係を示す式を解くことにより学習された前記予測係数のうちの、第2の拡大率で拡大された所定のベイヤ配列の画像に対応する所定のカラー画像のうちの注目している画素である注目画素の前記所定のベイヤ配列の画像上の位置と、その位置に最も近い前記所定のベイヤ配列の画像の画素である注目直近画素の位置との距離である注目画素間距離に対応する予測係数と、前記注目画素に対応する前記所定のベイヤ配列の画像の画素の画素値からなる予測タップとの演算により、前記色成分ごとに前記注目画素の画素値を求め、前記色成分ごとの前記注目画素の画素値から構成される前記所定のカラー画像を出力する予測演算ステップ
を含む処理を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項19】
所定のベイヤ配列の画像を、第1の拡大率で拡大された前記所定のベイヤ配列の画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成される所定のカラー画像に変換するときに用いられる予測係数の学習に用いる、前記所定のベイヤ配列の画像に対応する生徒画像のうちの、第2の拡大率で拡大された前記生徒画像の各画素の所定の複数の色成分の画素値から構成されるカラー画像である教師画像のうちの注目している画素である注目画素に対応する画素の画素値からなる予測タップと、前記注目画素の画素値とを用いて、前記教師画像の各画素の色成分、および、前記教師画像の各画素の前記生徒画像上の位置と、その位置に最も近い前記生徒画像の画素の位置との距離である画素間距離ごとに、前記教師画像の各画素の画素値、その画素の前記予測タップ、および前記予測係数の関係を示す式を解くことで、前記色成分および前記画素間距離ごとの前記予測係数を求める学習部
を備える学習装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−9293(P2013−9293A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253531(P2011−253531)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】