説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び情報記録媒体

【課題】JPEG2000の符号データのような小領域毎に圧縮符号化された符号データに対する処理を小領域単位で制御する。
【解決手段】データ記憶部101には、符号データと、符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録が記憶されている。処理部102は、符号データと小領域符号管理記録を読み込み、小領域符号管理記録に基づいて符号データの処理を小領域単位で制御する。小領域符号管理記録の具体的な内容は、その利用目的に応じて選ぶことができるが、例えば、小領域符号の生成(更新)日時、バージョン情報、生成(更新)に関与した者の氏名、アクセス日時などである。処理部102は、符号データを生成(更新)した時に、その小領域符号管理記録を自動的に生成してデータ記憶部101に保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に係り、特に、画像データを小領域に分割し、小領域毎に圧縮符号化した符号データを扱う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
JPEGアルゴリズムにより圧縮符号化された画像を部分的にインデックス化する技術が特許文献1に記載されている。ここに記載の装置又は方法においては、JPEG符号化データに対し、最小符号化単位(具体的にはDCT変換の8×8画素ブロック)毎に符号のアドレスを記憶するポインタアレイが用いられる。初期状態では、ポインタアレイの各ポインタは編集前の符号のアドレスを指しているが、伸長されて編集された部分領域の符号に対応するポインタは、編集後の符号のアドレスを指すように更新される。
【0003】
【特許文献1】特許第3251084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像データを小領域に分割し、小領域毎に圧縮符号化するアルゴリズムとしてJPEG2000がある。JPEG2000では、タイルと呼ばれ小領域を処理単位として圧縮符号化が行われる。JPEG2000の符号データ(コードストリーム)は、タイル毎に符号を独立して処理することができ、また、編集や合成などを符号状態のままで容易に行うことができるなど多くの利点を有する。
【0005】
本発明の目的は、JPEG2000の符号データのような小領域毎に圧縮符号化された符号データの効率的な転送処理、小領域単位で制御された符号データの加工処理や復号処理などが可能な新規な画像処理装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データを扱う画像処理装置であって、符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を、その符号データの一部として又は関連付けられたデータとして保存する手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明による画像処理装置であって、符号データが生成された時又は加工された時に、生成された又は加工された符号データの小領域符号管理記録を生成する手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
請求項3の発明は、画像データを入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像データを小領域毎に圧縮符号化して符号データを生成する圧縮符号化処理手段と、この圧縮符号処理手段により生成された符号データの小領域毎の符号についての生成に関する記録である小領域符号管理記録を生成する小領域符号管理記録生成手段と、前記圧縮符号処理手段により生成された符号データ及び前記小領域符号管理記録生成手段により生成された小領域符号管理記録を保存する手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
請求項4の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、この入力手段により入力された符号データに対し所定の処理を行う処理手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき前記処理手段による符号データに対する処理を小領域毎に制御する手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
請求項5の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された符号データに対し符号状態で編集処理を行う処理手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段による符号データの編集処理を小領域毎に制御する制御手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を基に、前記処理手段により編集処理が行われた後の符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4の発明による画像処理装置であって、前記制御手段は小領域符号管理記録に基づいて小領域を選択し、前記処理手段は前記制御手段により選択された小領域の符号に対してのみ編集処理を行うことを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
請求項7の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した複数の符号データ、及び、これら各符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、この入力手段により入力された複数の符号データの合成符号データを生成する処理を行う処理手段と、前記入力手段により入力された複数の小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段において合成符号データの生成に複数の符号データのいずれの符号を用いるべきか小領域毎に選択する選択手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を基に、前記処理手段により生成された合成符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを有し、前記処理手段は、前記選択手段により小領域毎に選択された符号データの符号を用いて合成符号データを生成することを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
請求項8の発明は、ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、前記送信先に関する送信履歴を記録している送信履歴記録手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録及び前記送信履歴記録手段に記録されている送信履歴に基づいて、前記入力手段より入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、この選択手段により選択され小領域の符号を前記送信先へ送信する手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0014】
請求項9の発明は、ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、前記送信先より小領域符号管理記録を受信する受信手段と、この受信手段により受信された小領域符号管理記録及び前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記入力手段により入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、この選択手段により選択された小領域の符号を前記送信先へ送信する送信手段とを有するこことを特徴とする画像処理装置である。
【0015】
請求項10の発明は、ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、前記送信要求に含まれる所定の情報及び前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記入力手段により入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された小領域の符号を前記送信先へ送信する送信手段とを有するこことを特徴とする画像処理装置である。
【0016】
請求項11の発明は、ある送信元の受信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、前記送信元へ前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を送信する手段と、前記送信元より符号データの少なくとも一部の小領域の符号及びそれに関する小領域符号管理記録を受信する受信手段と、この受信手段により受信された少なくとも符号データの少なくとも一部の小領域の符号で前記入力手段により入力された符号データの対応した小領域の符号を置換した符号データを生成する符号合成手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録及び前記受信手段により受信された小領域管理記録を基に前記符号合成手段により生成された符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0017】
請求項12の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、この入力手段により入力された符号データの復号処理を行って画像データを生成する処理手段と、前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段において符号データの各小領域符号が復号処理される順序を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12の発明による画像処理装置であって、前記処理手段により生成される画像データを画像として表示する表示手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0019】
請求項14の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する小領域符号管理記録入力手段と、前記符号データの復号処理により生成された画像データを小領域単位で入力する画像入力手段と、前記小領域符号管理記録入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記画像入力手段による各小領域の画像データの入力順序を制御する手段と、前記画像入力手段により小領域単位で入力された画像データから表示用画像データを生成する表示画像生成手段と、この表示画像生成手段により生成された表示用画像データを画像として表示する表示手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0020】
請求項15の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した複数の符号データ、及び、これら各符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、この入力手段により入力された複数の小領域符号管理記録に基づき、前記入力手段により入力された複数の符号データのうちの1の符号データを小領域毎に選択する選択手段と、前記入力手段により入力された複数の符号データのうちの前記選択手段により選択された符号データの小領域符号の復号処理を行うことにより画像データを生成する処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置である。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1乃至15のいずれか1項の発明による画像処理装置であって、符号データの小領域符号管理記録は小領域毎の符号のバージョン情報もしくは生成日時であることを特徴とする画像処理装置である。
【0022】
請求項17の発明は、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力工程と、この入力工程により入力された符号データに対し所定の処理を行う処理工程と、前記入力工程により入力された小領域符号管理記録に基づき前記処理工程における符号データに対する処理を小領域毎に制御する工程とを有することを特徴とする画像処理方法である。
【0023】
請求項18の発明は、請求項3乃至16のいずれか1項の発明による画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1乃至16のいずれか1項の発明による画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
本発明においては、符号データ関する小領域符号管理記録を保存し、また、生成又は加工された符号データの小領域符号管理記録を自動的に生成する。小領域符号管理記録の具体的な内容は、その利用目的に応じて選ぶことができるが、例を挙げれば、小領域符号の生成(更新)日時、バージョン情報、生成(更新)に関与した者の氏名、アクセス日時などである。
【0026】
本発明は、このような小領域符号管理記録を利用し、符号データの転送処理を効率的に行うことができ、また、符号データの加工処理や復号処理などを小領域単位で制御することができる。
【0027】
例えば、外部装置に保存されている符号データを最新バージョンの符号データに更新する場合に、符号データ全体を外部装置へ送信するのではなく、符号データの新しいバージョンの小領域符号のみ送信する処理を行うことができる。自装置に保存している符号データを、外部装置に保存されている最新バージョンの符号データに更新する場合に、外部装置より符号データ全体を受信するのではなく、符号データの新しいバージョンの小領域符号のみ外部装置より受信する処理を行うことができる。符号データの古いバージョンの小領域符号のみ選択的に編集する処理や、小領域符号に対しバージョンに応じた編集処理などを行うことができる。符号データを新しいバージョンの小領域符号から順に復号・表示する処理を行うことができる。符号データから復号した画像データをバージョンの新しい小領域から順に表示する処理を行うことができる。複数の符号データのバージョンの新しい小領域符号を選択的に復号し表示する処理などを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明において扱われる符号データは、画像データを小領域毎に圧縮符号化されたものである。このような圧縮符号化方式の例としてJPEG2000がある。以下、JPEG2000を用いることを想定して説明するが、他の符号化方式も使用し得ることは当然である。
【0029】
JPEG2000においては、例えば図1(a)に示すような画像データを図1(b)に示すような重複しない矩形の小領域T00〜T15に分割する。このような小領域はJPEG2000ではタイルと呼び、符号化及び復号化の単位となる。この例に示すようなタイル分割で符号化処理を行った場合、生成される符号データ(コードストリーム)の全体構造を図2に示す。図2に見られるように、符号データの先頭にはSOCと呼ばれるタグ(不図示)で始まるメインヘッダ1が置かれ、その後にタイル毎のデータが並ぶ。各タイルのデータは、タイルパートヘッダ2と符号(ビットストリーム)3から構成される。最後のタイルのデータの末尾にはEOCと呼ばれるタグ4が置かれる。このような符号データは、タイル単位の復号が可能であり、また、符号状態のままで編集や合成などが可能である。
【0030】
本発明においては、符号データが生成又は加工された時に、その符号データのタイル(小領域)毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録が生成される。小領域符号管理記録の具体的な内容としては、例えば、生成(更新)の日時、バージョン情報、生成(更新)に関与した者の氏名、アクセス日時などである。なお、小領域符号管理記録として、バージョン情報と生成(更新)月日といった2以上の情報を保存してもよい。また、符号データの加工時に生成される小領域符号管理記録は、加工前の符号データに関する小領域符号管理記録を書き換えたものか、加工前の符号データに関する小領域符号管理記録に新たな内容を追加したものである。後者の形の小領域符号管理記録は加工回数が増加するとデータ量も増加する点が難点ではあるが、小領域符号管理記録をより多様な目的に利用可能となる。
【0031】
小領域符号管理記録は、例えば図3に示すような小領域(タイル)番号と対応付けたテーブルの形をとることができる。図3では、小領域符号管理記録としてバージョン番号を用いた例を示している。この例では、タイル0はバージョン番号が最も古く、タイル1はバージョン番号がV1.00からV1.1に更新されており、その符号に何らかの加工が加えられたことが分かる。タイル2はバージョン番号がV1.2で、その符号が最も新しいバージョンであることが分かる。
【0032】
このような小領域符号管理記録は、符号データと関連付けられた別データの形で保存してもよいし、符号データに含めた形で保存してもよい。好ましい保存形態の一つは、符号化データのメインヘッダ中に、全てのタイルに関する小領域符号管理記録を集約して記述する方法である。小領域符号管理記録を各タイルのタイルパートヘッダに分散させて記述するような形態もとり得る。
【0033】
本発明は、このような小領域符号管理記録を、符号データの編集、合成、復号、転送(送信、受信)、復号処理や、画像の表示処理などの制御に利用する。したがって、小領域符号管理記録として保存する内容は、小領域符号管理記録の利用目的に応じて適宜選ぶことになる。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態を説明するための簡略化したブロック図である。ここに示す画像処理装置100は、画像データ、画像データを圧縮符号化した符号データ、符号データの小領域符号管理記録、符号データから伸長した画像データなどを記憶するためのデータ記憶装置101、符号データ又は画像データに関する各種の処理を行う処理部102、画像データを画像として表示する表示部103、インターフェースケーブルやLAN、イントラネット、インターネットなどのネットワークを介して外部装置110との間で符号データなどの転送を行う外部インターフェース部104を備える。処理部102は、様々な処理のための処理手段(後述の200,300,400,500,550,600,700,800,900,1000)を含み、これら各処理手段は、処理に関連して小領域符号管理記録の生成(更新)のための手段や、小領域符号管理記録に基づいた小領域単位での処理の制御などを行うための手段を含んでいる。
【0035】
以下、画像処理装置100における様々な処理と、それに関連した処理部102の構成について詳細に説明する。
【0036】
<画像データ処理(1)>
データ記憶部101に保存されている画像データの符号データを生成する処理と、それに関わる構成を図5により説明する。図5において、200はこの処理のための処理手段200であり、画像入力手段201、圧縮符号化手段202、符号出力手段204及び小領域符号管理記録生成手段205から構成される。
【0037】
データ記憶部101に記憶されている処理対象の画像データ210が画像入力手段201により読み込まれる。この画像データは圧縮符号化手段202によりJPEG2000のアルゴリズムに従って圧縮符号化され、この際に小領域符号管理記録生成手段205により小領域符号管理記録が生成されて圧縮符号化手段202に渡される。圧縮符号化手段202よりJPEG200の符号データが出力されるが、そのメインヘッダには小領域符号管理記録が記録されている。
【0038】
この符号データは符号出力手段204によりデータ記憶部101に書き出される。したがって、データ記憶部101に書き出された符号データ211の小領域符号管理記録212は、符号データ211のメインヘッダ中に記述された形で保存される。ただし、小領域符号管理記録212を符号データ211と別のデータファイルとして保存することも可能であることは前述の通りである。
【0039】
この圧縮処理により生成された符号データ211の小領域符号管理記録は、全ての小領域(タイル)について同じ内容となる。例えば、小領域符号管理記録としてバージョン番号が用いられる場合、全ての小領域(タイル)のバージョン番号は同一である。
【0040】
<符号データ処理(1)>
データ記憶部101に蓄積されている符号データに対する圧縮率変更等の符号編集処理と、それに関わる構成を図6により説明する。図6において、300はこの処理のための処理手段300であり、符号入力手段301、符号加工手段302、符号構成手段303、符号出力手段304、処理制御手段305及び小領域符号管理記録生成手段306から構成される。
【0041】
データ記憶部101に記憶されている処理対象の符号データ310(小領域符号管理記録311を含む)が、符号入力手段301により読み込まれる。符号編集手段302により、読み込まれた符号データに対し符号状態での編集処理が行われる。この編集処理は、例えば符号破棄(トランケーション)による圧縮率の変更である。JPEG2000の符号データは、ビットプレーン又はサブビットプレーン単位での符号破棄(ポスト量子化)など、符号状態での多様な加工が可能である。
【0042】
このような編集処理は、小領域を区別することなく行うこともできるが、小領域符号管理記録に基づいて、例えば特定のバージョン番号より古いバージョン番号の小領域符号に対してのみ選択的に編集を行い、あるいは、バージョン番号に応じて編集処理の内容(例えば破棄符号量)を変更する等の制御を行うことができる。このような小領域符号管理情報記録に基づいて小領域毎に編集処理の制御を行うための手段が処理制御手段305である。また、編集処理の際に、小領域符号管理記録生成手段306において、少なくとも編集処理の対象となった小領域に関し内容が更新された小領域符号管理記録が生成されて符号編集手段302に渡される。
【0043】
符号編集手段302より編集後の符号データが出力されるが、そのメインヘッダには生成(更新)された小領域符号管理記録が記述されている。この符号データは符号出力手段304によりデータ記憶部101に書き出される。
【0044】
このようにしてデータ記憶部101に、元の符号データ310(小領域符号管理記録311を含む)と、それに符号編集処理を施した符号データ312(小領域符号管理記録313を含む)が保存される。ただし、符号データ312を元の符号データ310に上書きする形で保存することも可能である。
【0045】
<符号データ処理(2)>
データ記憶部101に蓄積されている2以上の符号データから1つの合成符号データを生成する処理と、それに関わる構成を図7により説明する。図7において、400はこの処理のための処理手段400であり、符号入力手段401、符号合成手段402、符号出力手段404、符号選択手段405及び小領域符号管理記録生成手段406から構成される。
【0046】
データ記憶部101に記憶されている例えば原画像を共通にする2つの符号データ410(小領域符号管理記録411を含む)及び符号データ412(小領域符号管理記録413を含む)が、符号入力手段401により読み込まれる。
【0047】
符号選択手段405は、読み込まれた2つの符号データ410,412の小領域符号管理記録411,413を小領域(タイル)毎に比較し、どの符号データの小領域符号を合成に用いるべきか決定する。例えば、小領域符号管理記録がバージョン番号である場合に、バージョン番号が新しい方の符号データの小領域符号を選択すべきと決定する。バージョン番号が同一のときは、いずれか一方の符号データの小領域符号を選択すべきと決定する。そして、選択すべき符号データを示す選択指示を符号合成手段402及び小領域符号管理記録生成手段406へ伝える。
【0048】
符号合成手段402は、小領域符号管理記録比較手段405からの選択指示に従って、小領域毎に2つの符号データのうちの一方を選択し、選択した符号データの小領域符号からなる合成符号データを作成し出力する。このような符号合成処理の際に、小領域符号管理記録生成手段406は、符号選択手段405からの選択指示に従って、読み込まれた符号データの選択を指示された側の小領域符号管理記録を取り込み、新たに生成される合成符号データに関する小領域符号管理記録を生成して符号合成手段402へ渡す。この小領域符号管理記録は、合成符号データのメインヘッダに記述されている。
【0049】
このようにして符号合成手段402より出力された合成符号データは、符号出力手段404によりデータ記憶部101に書き出される。
【0050】
このようにしてデータ記憶部101に、元の符号データ410(小領域符号管理記録411を含む)及び符号データ412(小領域符号管理記録413を含む)から合成された符号データ414(小領域符号管理記録414を含む)が保存される。合成された符号データ414(小領域符号管理記録415を含む)を、元の符号データに上書きする形で保存することも可能である。
【0051】
なお、2つの符号データの合成処理の例について述べたが、3以上の符号データの合成処理も同様に行うことができることは当然である。
【0052】
また、ここでは原画像を共通にする2つの符号データを合成する例について説明したが、これに限らない。例えば、ある画像データの符号データ(1)と、別途用意されたロゴマークなどの小さな画像の符号データ(2)を符号入力手段401により入力し、符号選択手段405において、符号データ(2)の符号で置換すべき符号データ(1)の小領域符号を選択し、その符号置換を符号合成手段402で行うことにより、符号データ(1)にロゴマークなどの符号データ(2)を合成する処理を行うことも可能である。この場合、ロゴマークなどの符号データ(2)に関する小領域符号管理記録は必ずしも入力しなくともよい。
【0053】
なお、後に図11を参照し、外部装置から受信した符号データとデータ記憶部101に記憶されている符号データに合成する処理を説明するが、この場合に、外部装置よりロゴマークなどの符号データを受信し、同様の合成処理を行うことも可能である。
【0054】
<符号データ処理(3)>
データ記憶部101に記憶されている符号データの外部装置110への転送(ダウンロード)を行う処理と、それに関連した構成を図8により説明する。図8において、500はこの処理のための処理手段であり、送信要求取得手段501、符号入力手段502、符号選択手段503、符号送信手段504及び送信履歴記録手段505から構成される。
【0055】
送信要求取得手段501は、外部インターフェース104を通じて外部装置110(送信先)で発行された符号データの送信要求を取得し、又は、当該画像処理装置100の内部で発行された外部装置110への符号データの送信要求を取得する手段である。
【0056】
送信要求を取得すると、送信要求取得手段501からの指示に従って、符号入力手段502によりデータ記憶部101から送信対象の符号データ510(小領域符号管理記録511を含む)が読み込まれ、符号選択手段503に入力する。
【0057】
送信履歴記録手段505は、データ記憶部101に記憶されている各符号データ毎に、かつ各外部装置毎に、符号データの送信履歴を記録している手段である。ここでは、符号データの小領域符号管理記録としてバージョン番号が用いられているものとし、また、送信履歴記録手段505は各符号データの最後に送信したバージョン番号を記録しているものとする。
【0058】
送信要求を取得時に送信要求取得手段501から出される指示に従って、送信履歴記録手段505は、送信先の外部装置110に関する当該符号データの送信履歴すなわちバージョン番号を符号選択手段503に渡す。符号選択手段503は、入力した符号データの小領域符号管理記録であるバージョン番号(a)と送信履歴としてのバージョン番号(b)とを比較し、バージョン番号(b)より新しいバージョン番号(a)を持つ小領域の符号のみを選択して符号送信手段504へ入力する。これら小領域符号(そのタイルパートヘッダを含み、ここに例えば小領域符号管理記録すなわちバージョン番号が記述される)は符号送信手段504により外部インターフェース104を通じて送信先の外部装置110へ送信される。
【0059】
送信先の外部装置110においては、受信した小領域符号によって、既に受信済みの当該符号データの対応した小領域符号を置き換えることにより、最新バージョンの符号データを合成することができる。
【0060】
このように、符号データの必要な小領域符号のみ送信するため、符号データ全体を送信する場合に比べ転送データ量が大幅に削減し、効率的な符号データ送信が可能である。
【0061】
なお、送信履歴を利用せずに、同様の符号データ送信処理を行うことも可能である。かかる態様について図9により説明する。図9において、550はこの処理のための処理手段であり、送信要求取得手段551、符号入力手段552、符号選択手段553及び符号送信手段554より構成される。
【0062】
送信要求取得手段551は、外部インターフェース104を通じて外部装置110で発行された符号データの送信要求を取得する手段である。外部装置110で発行された送信要求には、外部装置110で既に受信した当該符号データに関するバージョン番号(b)が含まれている。
【0063】
送信要求が取得されると、送信要求取得手段551からの指示に従って、符号入力手段512によりデータ記憶部101より送信対象の符号データ560(小領域符号管理記録561を含む)が読み込まれ、符号選択手段553に入力する。
【0064】
符号選択手段553は、入力した符号データの小領域符号管理記録であるバージョン番号(a)と、送信要求取得手段551より渡されたバージョン番号(b)とを比較し、バージョン番号(b)より新しいバージョン番号(a)を持つ小領域符号のみ選択して符号送信手段554へ入力する。これら小領域符号(そのヘッダ情報(タイルパートヘッダ情報)を含む)は、符号送信手段554により外部インターフェース104を通じて送信先外部装置110へ送信される。
【0065】
<符号データ処理(4)>
符号データの外部装置への転送(ダウンロード)を行う処理と、それに関連した構成について図10により説明する。図10において、600はこの処理のための処理手段であり、送信要求取得手段601、小領域符号管理記録受信手段602、符号入力手段603、符号選択手段604及び符号送信手段605から構成される。
【0066】
送信要求取得手段601は、外部インターフェース104を通じて外部装置110(送信先)で発行された送信要求を取得し、又は、当該画像処理装置100の内部で発行された外部装置110への符号データの送信要求を取得する手段である。
【0067】
送信要求を取得すると、送信要求取得手段601からの指示に従って小領域符号管理記録受信手段602は、外部インターフェース104を介し、送信先外部装置に対し当該符号データの小領域符号管理記録の送信を要求し、それを受信する。受信した小領域符号管理記録(b)は符号選択手段604に渡される。
【0068】
また、符号入力手段603は、送信要求取得手段601からの指示に従って、データ記憶部101より送信対象の符号データ610(小領域符号管理記録611を含む)を読み込み、符号選択手段604へ入力する。
【0069】
符号選択手段553は、入力した符号データの小領域符号管理記録(a)と、小領域符号管理記録受信手段602より渡された小領域符号管理記録(b)を比較し、それが相違する小領域符号(タイルパートヘッダを含み、これには当該小領域符号の管理記録(a)が記述される)を選択して符号送信手段605へ入力する。符号送信手段605は、入力された小領域符号を外部インターフェース104を介し送信先の外部装置へ送信する。
【0070】
外部装置側では、受信した小領域符号によって、以前受信していた当該符号データの対応した小領域符号と置き換え、また、小領域符号管理記録を更新する。
【0071】
なお、小領域符号管理記録の受信要求を取得し、外部装置より小領域符号管理記録を受信する処理を行い、その後に符号データの送信要求を取得した時に、予め外部装置より受信した小領域符号管理記録に基づいて符号データの必要な小領域符号を選択して送信する処理を行うことも可能である。かかる態様も本発明に包含される。
【0072】
<符号データ処理(5)>
外部装置からの符号データの転送(アップロード)を行う処理と、それに関連した構成について図11により説明する。図11において、700はこの処理のための処理手段であり、受信要求取得手段701、小領域符号管理記録送信手段702、符号入力手段703、符号受信手段704、符号合成手段705及び符号出力手段707から構成される。
【0073】
受信要求取得手段701は、外部インターフェース104を通じて外部装置110(送信元)で発行された符号データの受信要求を取得し、又は、当該画像処理装置100の内部で発行された外部装置110の受信要求を取得する手段である。
【0074】
受信要求を取得すると、受信要求取得手段701からの指示に従って、符号入力手段703は、データ記憶部101より対応した符号データ710(小領域符号管理記録711を含む)を読み込む。
【0075】
また、小領域符号管理記録送信手段702は、受信要求取得手段701からの指示に従って、符号入力手段703により入力された符号データの小領域符号管理記録(a)を、外部インターフェース104を介し送信元の外部装置へ送信する。
【0076】
外部装置において、装置内部に保存している当該符号データの小領域符号管理記録(b)と受信した小領域符号管理記録(a)とを比較し、それが相違する当該符号データの小領域符号を選択し、選択した小領域符号(タイルパートヘッダを含み、ここには当該小領域符号の管理記録が記述されている)を送信し、これは符号受信手段704により受信される。
【0077】
符号合成手段705は、符号受信手段704により受信された小領域符号で、符号入力手段703により入力された符号データの対応した小領域符号を置換した符号データを出力する。この際、小領域符号管理記録生成手段706において、符号入力手段703により入力された符号データの小領域符号管理記録を、符号受信手段704により受信された小領域符号のタイルパートヘッダに記述されている小領域符号管理記録により書き換えることにより小領域符号管理記録を作成し、これを符号合成手段705へ渡す。この小領域符号管理記録は、符号合成手段705より出力される符号データのメインヘッダに記述される。
【0078】
符号合成手段705より出力された符号データは符号出力手段707によりデータ記憶部101に、元の符号データ710(小領域符号管理記録711を含む)に上書きする形で書き出される。かくして、データ記憶部101内に、外部装置に保存されている符号データ(小領域符号管理記録)と同じ内容の符号データ712(小領域符号管理記録713を含む)が蓄積されることになる。
【0079】
このように、符号データの必要な小領域符号のみ受信して符号データを最新バージョンに更新するため、符号データ全体を受信する場合に比べ符号データ更新のための符号データ転送処理を効率的に行うことができる。
【0080】
なお、符号データの受信要求とは独立に小領域符号管理記録の送信要求を取得し、小領域符号管理記録を外部装置へ送信する処理を行い、その後に符号データの受信要求を取得した時に、同様の小領域符号の受信、符号データの合成の処理を行うことも可能であり、かかる態様も本発明に含まれる。
【0081】
<符号データ処理(6)>
小領域符号管理記録に基づいて小領域毎に処理順を制御しながら符号データを復号する処理と、それに関連した構成について図12により説明する。図12において、800はこの処理のための処理手段であり、符号入力手段801、復号化手段802、処理順序制御手段803、画像構成手段804及び画像出力手段805から構成される。
【0082】
符号入力手段801は、データ記憶部101より符号データ810(小領域符号管理記録811を含む)を読み込み、その符号データを復号手段802に入力し、その小領域符号管理記録を処理順序制御手段803に入力する。
【0083】
処理順序制御手段803は、小領域符号管理記録に基づいて、符号データの小領域符号の復号処理の順序を決定して復号手段802に指定する。例えば、小領域符号管理記録がバージョン番号である場合に、バージョン番号の新しい小領域を優先的に処理するように処理順序を決定することができる。このような処理順序によれば、最近更新された小領域ほど早い段階で復号されることになる。
【0084】
復号化手段802は、小領域毎に、処理順制御手段803より指定された順序に従って、符号データの復号処理を行う。画像構成手段804は、復号化手段802より出力される小領域の画像データを画像上の対応位置に展開して全体の画像データを構成する手段である。画像構成手段805により画像全体の画像データが構成された段階で、画像出力手段101はその画像データ812をデータ記憶部101に書き出す。
【0085】
また、画像出力手段805は、画像構成手段804によって画像全体の画像データが構成される以前から、画像構成手段804により構成された画像データを逐次、表示部103へ出力し表示させることができる。したがって、例えば、バージョン番号の新しい小領域符号から先に復号処理を行った場合には、最近更新された小領域の画像から順に表示されることになる。このような順序制御によれば、符号データの更新内容の確認などが容易になる等の利点がある。
【0086】
<画像データ処理(2)>
符号データから復号された画像データを、その符号データの小領域符号管理記録に基づいて小領域毎に表示順序を制御しつつ表示する処理と、それに関連した構成について図13により説明する。図13において、900はこの処理のための処理手段であり、小領域符号管理記録入力手段901、処理順序制御手段902、画像入力手段903及び表示画像生成手段904から構成される。
【0087】
データ記憶部101には、符号データ910(小領域符号管理記録911を含む)と、同符号データの復号処理により生成された画像データ912が記憶されている。この画像データが処理の対象である。
【0088】
小領域符号管理記録入力手段901は、データ記憶部101より符号データ910の小領域符号管理記録911を読み込む。処理順序制御手段902は、読み込まれた小領域符号管理記録に基づき小領域の処理順序を決定する。例えば、バージョン番号の新しい小領域を優先するように処理順序を決定する。
【0089】
画像データの入力に関しては2つの態様をとり得る。1つの態様においては、画像入力手段903によって、画像データ912が、小領域単位で、処理順序制御手段802により決定された処理順序に従って読み込まれ、表示画像生成手段904に入力される。表示画像生成手段904は、入力された小領域画像データから表示部103に表示させる表示画像データを生成する。
【0090】
もう1つの態様においては、画像入力手段903によって画像データ912の全体(全領域)が読み込まれて表示画像生成手段904に入力される。表示画像生成手段904は、入力した全体画像データから、処理順序制御手段902により決定された処理順序に従って選択した小領域の画像データを用いて表示画像データを生成する。
【0091】
いずれの態様をとるにしても、例えば、バージョン番号の新しい小領域から順に画像が表示部103に表示されることになる。
【0092】
<符号データ処理(7)>
2以上の符号データから、小領域符号管理記録に基づいて小領域単位で符号を選択し、それを復号する処理と、それに関連する構成について図14により説明する。図14において、1000はこの処理のための処理手段であり、符号入力手段1001、符号選択手段1002、復号化手段1003、画像構成手段1004及び画像出力手段1005から構成される。
【0093】
データ記憶部101には、符号データ1011(小領域符号管理記録1012を含む)と符号データ1013(小領域符号管理記録1014を含む)が記憶されている。これら符号データ1011,1013はいずれも画像データ1010を原画像データとするものであり、例えば、それぞれが画像データより別々に圧縮符号化処理により生成されたものである場合や、一方の符号データは画像データ1010の圧縮符号化処理により生成され、この符号データの編集処理などによって他方の符号データが生成された場合などが想定される。言うまでもなく、それぞれの符号データは、その生成後に編集処理などを加えられている場合も考えられる。
【0094】
符号入力手段1001により、データ部101内の符号データ1011,1013(小領域符号管理記録1012,1014を含む)が読み込まれる。符号選択手段1002において、それら小領域符号管理記録1012,1014の比較が行われ、小領域毎に、いずれの符号データの符号を選択すべきかが決定され、その結果が復号化手段1003に通知される。この選択の一例を挙げれば、小領域符号管理記録がバージョン番号の場合に、バージョン番号が新しい符号を選択する。
【0095】
復号化手段1003においては、符号選択手段1002から通知された符号選択情報に従って、入力された2つの符号データより、小領域単位で符号を選択し、選択した符号の復号処理を行い、各小領域の画像データを出力し、画像構成手段1004はその小領域画像データから全体の画像データを構成する。画像構成手段1004により構成された画像データは画像出力手段1005によりデータ記憶部101に書き出され、あるいは、表示部103へ出力され画像表示される。
【0096】
以上の処理によって、実質的に、2つの符号データを小領域単位で合成した符号データの画像データの生成及び表示が行われる。ここまでは2つの符号データを処理する例を説明したが、3以上の符号データに対し同様の処理を行うことも可能であることは明らかである。
【0097】
以上に説明した画像処理装置100は、例えば図15に示すようなCPU1101、メモリ1102,ディスプレイ装置1103、通信インターフェース1104、キーボード等のユーザ入力装置1106、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などの各種情報記録(記憶)媒体の読み書きのための媒体読み書き装置1107、ハードディスク装置1108などからなる一般的なコンピュータを利用しプログラムにより実現することも可能である。このようなコンピュータを、画像処理装置100の構成手段として機能させるための1以上のプログラム(アプリケーションプログラム、デバイスドライバなど)は、例えば、媒体読み書き装置1107又は通信インターフェース1104を通じ取り込まれてハードディスク装置1108に蓄積され、必要に応じてハードディスク装置1108よりメモリ1102にロードされCPU1101により実行されることになる。このような1以上のプログラム、及び、同プログラムが記録された各種の情報記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
【0098】
このようにコンピュータを利用して本発明に係る画像処理装置を実現する形態においては、コンピュータ上で動作するプロセス間又はアプリケーションプログラム間で、図8乃至図11に関連して説明したような符号データなどの送受信を行い、同様の処理を行うことも可能であり、かかる態様も本発明に包含される。
【0099】
また、図5乃至図14に関連した処理の説明は、本発明に係る画像処理方法における処理手順の説明でもあることは明らかである。よって、画像処理方法としての説明は繰り返さない。
【0100】
また、圧縮符号化方式としてJPEG2000を用いる場合について説明したが、画像を小領域毎に圧縮符号化し、また、小領域毎に符号の復号や編集などが可能な他の圧縮符号化方式を用いる場合にも本発明を適用し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】JPEG2000のタイル分割の説明図である。
【図2】JPEG2000の符号データのフォーマットの説明図である。
【図3】小領域符号管理記録の説明図である。
【図4】本発明に係る画像処理装置の全体構成を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明に係る画像処理装置における圧縮符号化処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図6】本発明に係る画像処理装置における符号編集処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置における符号合成処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図8】本発明に係る画像処理装置における符号送信処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図9】本発明に係る画像処理装置における符号送信処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明に係る画像処理装置における符号送信処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図11】本発明に係る画像処理装置における符号受信処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図12】本発明に係る画像処理装置における復号化処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図13】本発明に係る画像処理装置における画像表示処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図14】本発明に係る画像処理装置における復号化処理及びそれに関わる構成を説明するためのブロック図である。
【図15】本発明に係る画像処理装置をソフトウェアにより実現するためのコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0102】
100 画像処理装置
101 データ記憶部
102 処理部
103 表示部
104 外部インターフェース
201 画像入力手段
202 圧縮符号化手段
203 符号出力手段
205 小領域符号管理記録生成手段
301 符号入力手段
302 符号編集手段
304 符号出力手段
305 処理制御手段
306 小領域符号管理記録生成手段
401 符号入力手段
402 符号合成手段
404 符号出力手段
405 符号選択手段
406 小領域符号管理記録生成手段
501 送信要求取得手段
502 符号入力手段
503 符号選択手段
504 符号送信手段
505 送信履歴記録手段
551 送信要求取得手段
552 符号入力手段
553 符号選択手段
554 符号送信手段
601 送信要求取得手段
602 小領域符号管理記録受信手段
603 符号入力手段
604 符号選択手段
605 符号送信手段
701 受信要求取得手段
702 小領域符号管理記録送信手段
703 符号入力手段
704 符号受信手段
705 符号合成手段
706 小領域符号管理記録生成手段
707 符号出力手段
801 符号入力手段
802 復号化手段
803 処理順序制御手段
804 画像構成手段
805 画像出力手段
901 小領域符号管理記録入力手段
902 処理順序制御手段
903 画像入力手段
904 表示画像生成手段
1001 符号入力手段
1002 符号選択手段
1003 復号化手段
1004 画像構成手段
1005 画像出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データを扱う画像処理装置であって、
符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を、その符号データの一部として又は関連付けられたデータとして保存する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
符号データが生成された時又は加工された時に、生成された又は加工された符号データの小領域符号管理記録を生成する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された画像データを小領域毎に圧縮符号化して符号データを生成する圧縮符号化処理手段と、
前記圧縮符号処理手段により生成された符号データの小領域毎の符号についての生成に関する記録である小領域符号管理記録を生成する小領域符号管理記録生成手段と、
前記圧縮符号処理手段により生成された符号データ及び前記小領域符号管理記録生成手段により生成された小領域符号管理記録を保存する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された符号データに対し所定の処理を行う処理手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき前記処理手段による符号データに対する処理を小領域毎に制御する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された符号データに対し符号状態で編集処理を行う処理手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段による符号データの編集処理を小領域毎に制御する制御手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を基に、前記処理手段により編集処理が行われた後の符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は小領域符号管理記録に基づいて小領域を選択し、前記処理手段は前記制御手段により選択された小領域の符号に対してのみ編集処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した複数の符号データ、及び、これら各符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された複数の符号データの合成符号データを生成する処理を行う処理手段と、
前記入力手段により入力された複数の小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段において合成符号データの生成に複数の符号データのいずれの符号を用いるべきか小領域毎に選択する選択手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を基に、前記処理手段により生成された合成符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを有し、
前記処理手段は、前記選択手段により小領域毎に選択された符号データの符号を用いて合成符号データを生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記送信先に関する送信履歴を記録している送信履歴記録手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録及び前記送信履歴記録手段に記録されている送信履歴に基づいて、前記入力手段より入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択され小領域の符号を前記送信先へ送信する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記送信先より小領域符号管理記録を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された小領域符号管理記録及び前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記入力手段により入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された小領域の符号を前記送信先へ送信する送信手段とを有するこことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
ある送信先の送信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記送信要求に含まれる所定の情報及び前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記入力手段により入力された符号データの小領域の符号を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された小領域の符号を前記送信先へ送信する送信手段とを有するこことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
ある送信元の受信要求が発生した時に、画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記送信元へ前記入力手段により入力された小領域符号管理記録を送信する手段と、
前記送信元より符号データの少なくとも一部の小領域の符号及びそれに関する小領域符号管理記録を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された少なくとも符号データの少なくとも一部の小領域の符号で前記入力手段により入力された符号データの対応した小領域の符号を置換した符号データを生成する符号合成手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録及び前記受信手段により受信された小領域管理記録を基に前記符号合成手段により生成された符号データに関する小領域符号管理記録を生成する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された符号データの復号処理を行って画像データを生成する処理手段と、
前記入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づき、前記処理手段において符号データの各小領域符号が復号処理される順序を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
前記処理手段により生成される画像データを画像として表示する表示手段を有することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する小領域符号管理記録入力手段と、 前記符号データの復号処理により生成された画像データを小領域単位で入力する画像入力手段と、
前記小領域符号管理記録入力手段により入力された小領域符号管理記録に基づいて、前記画像入力手段による各小領域の画像データの入力順序を制御する手段と、
前記画像入力手段により小領域単位で入力された画像データから表示用画像データを生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示用画像データを画像として表示する表示手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した複数の符号データ、及び、これら各符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された複数の小領域符号管理記録に基づき、前記入力手段により入力された複数の符号データのうちの1の符号データを小領域毎に選択する選択手段と、
前記入力手段により入力された複数の符号データのうちの前記選択手段により選択された符号データの小領域符号の復号処理を行うことにより画像データを生成する処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
符号データの小領域符号管理記録は小領域毎の符号のバージョン情報もしくは生成日時であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項17】
画像データを小領域毎に圧縮符号化した符号データ、及び、この符号データの小領域毎の符号についての所定の事象に関する記録である小領域符号管理記録を入力する入力工程と、
前記入力工程により入力された符号データに対し所定の処理を行う処理工程と、
前記入力工程により入力された小領域符号管理記録に基づき前記処理工程における符号データに対する処理を小領域毎に制御する工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項18】
請求項3乃至16のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項19】
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−33189(P2006−33189A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206407(P2004−206407)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】