説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体

【課題】ACSでの判定結果を地紋画像の形成に反映させることができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】原稿を読み取って得られた原稿画像データと複写時に顕在化する地紋画像に係る地紋画像データとを合成する場合に、前記原稿画像データに基づいて前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定し(ステップS14)、有彩色を含む原稿である場合に(ステップS14:NO)、有彩色の地紋画像データ及び原稿画像データを合成する(ステップS18)。一方無彩色からなる原稿である場合には(ステップS14:YES)、無彩色の地紋画像データと原稿画像データとを合成する(ステップS16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACS(Auto Color Selection)の判定結果を複写時に顕在化する地紋画像の形成に反映させることができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報を記録した原本に基づいて公的機関から発行される謄本(例えば戸籍謄本及び住民票)は、個人を認証する書類として一般に広く使用されている。個人を認証する書類としての機能を担保させるためには、謄本と謄本の複写物とは明確に区別されることが必要となる。また個人情報が記録されている以上、発行された謄本に対して、プライバシーを保護するための対策が要求される。
【0003】
企業内において原本に基づいて印刷される文書にも、前述した謄本と同様に顧客情報などの個人情報が記録される場合があり、前記文書に対してもプライバシーを保護するための対策が要求される。また企業内において作成された文書に営業上又は技術上の機密情報が記録されている場合には、守秘義務のない第三者に前記文書が漏洩することを防ぐ必要がある。
【0004】
特許文献1には、原本に記録された情報を示すコンテンツデータ(原稿画像データ)と、謄本又は文書には顕在化しないが、複写機にて複写した謄本又は文書の複写物には顕在化する地紋画像(例えば「複写」、「禁複写」及び「社内秘」などの警告用の文字又はマーク)を示す地紋画像データとをコンピュータにて合成し、合成したデータに基づいて謄本又は文書を印刷する印刷制御装置が開示されている。該印刷制御装置によれば、コンピュータにて地紋画像データと原稿画像データとを合成し、地紋画像データ及び原稿画像データに係る画像を通常の用紙に印刷することができるため、前述した地紋画像を予め印刷した複写偽造防止用紙を使用する必要がない。また謄本又は文書に記載された情報に応じた適切な地紋画像をユーザが容易に選択することができる。
【0005】
近年では、原本がデータ化されていない場合を考慮して、紙に印刷された原本を画像読取装置にて読み取って原稿画像データを生成し、生成した原稿画像データと地紋画像データとを合成して謄本又は文書を示す画像を形成する画像形成装置も提案されている。画像形成装置によっては、謄本又は文書を示す画像を有彩色(カラー)で形成することができ、地紋画像に使用する有彩色を予め指定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−88763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
謄本又は文書を示す画像を有彩色で形成する場合、複数色のトナーを使用して画像を形成するため、無彩色(モノトーン)で画像を形成する場合に比べて、印刷費用が嵩む。また有彩色で画像を形成することができる画像形成装置を課金式の複写サービスに使用している場合、一般に有彩色に対する課金は無彩色に対する課金に比べて高い。そのため原本が有彩色及び無彩色で印刷された複数の書面から構成されている場合、ユーザは、有彩色の書面についてのみ、有彩色での画像の形成を所望することが多い。
【0008】
上述した有彩色の書面を読み取った場合にのみ有彩色で画像を形成し、印刷費用及び課金の削減を図るためには、読み取った書面が有彩色であるか否かを判定するACSを前記画像形成装置に適用して、有彩色の書面を読み取った場合に限り、有彩色で画像を形成することが考えられる。
【0009】
しかしながら、前述したように地紋画像に使用する有彩色が予め指定されている場合、読み取った書面(原本)が無彩色であり、且つACSの判定結果も無彩色であったとしても、地紋は指定された有彩色で形成される。この場合、原稿が無彩色(モノトーン、白黒)であるにも関わらず有彩色のトナーやインクが使用されてしまい、一般的には課金としてもカラー出力として扱われてしまう。
ACSの機能は前述の通り、無彩色の原稿については白黒で印刷して、コピーのコストを削減し、有彩色の原稿に対してカラーで印刷することを目的とするものである。ところが、従来の技術では、ACSの機能を有効とし、且つ、有彩色の地紋が指定された場合、実質的にACSの機能が作用しないのと等しい結果となってしまうという問題がある。また、地紋画像は警告を表示するためのものであり、地紋画像を有彩色で表示する必然性はなく、トナーやインク等の色材が不要に消費されるという問題がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ACSでの判定結果を地紋画像の形成に反映させることができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像処理装置は、複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成する生成手段と、該生成手段にて生成された地紋画像データ及び原稿を読み取って得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する合成手段とを備える画像処理装置において、前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定する判定手段を備え、前記合成手段は、前記判定手段にて有彩色を含むと判定された場合に、前記生成手段にて生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成し、前記判定手段にて有彩色を含まないと判定された場合に、前記生成手段にて生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像処理装置は、前記生成手段は、前記判定手段での判定結果に基づいて、生成する地紋画像データの色成分を決定するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理装置は、前記生成手段は、無彩色及び有彩色に係る地紋画像データを生成するようにしてあり、前記生成手段にて生成した地紋画像データを記憶する記憶部と、前記判定手段での判定結果に基づいて、前記記憶部に記憶された無彩色及び有彩色に係る地紋画像データから一の地紋画像データを選択する選択手段とを備え、前記合成手段は、前記原稿画像データ及び前記選択手段にて選択された地紋画像データを合成するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像処理装置は、無彩色又は複数の有彩色から一の色の指定を受け付ける受付手段を備え、前記生成手段は、無彩色及び前記受付手段にて受け付けた有彩色の地紋画像データそれぞれを予め生成するようにしてあり、前記記憶部は、予め生成された地紋画像データを記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像処理装置は、画像を表示する表示部と、原稿画像及び地紋画像を合成した画像の前記表示部への表示の実行を受け付ける画像表示受付手段と、前記生成手段にて生成された地紋画像データに対応し、前記表示部に表示される画像を示す表示画像データを作成する作成手段とを備え、前記画像表示受付手段にて表示の実行を受け付けた場合に、原稿画像データ及び前記作成手段にて作成した表示画像データを前記合成手段にて合成し、合成した画像を前記表示部に表示するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像処理装置は、画像を表示する表示部と、原稿画像及び地紋画像を合成した画像の前記表示部への表示の実行を受け付ける画像表示受付手段とを備え、前記生成手段は、前記表示部の特性に応じて前記地紋画像データを補正することができるようにしてあり、前記画像表示受付手段にて表示の実行を受け付けた場合に、原稿画像データ及び補正された地紋画像データを前記合成手段にて合成し、合成した画像を前記表示部に表示するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、前述したいずれかの画像処理装置と、該画像処理装置によって処理が施された前記原稿画像データ及び地紋画像データに基づいて、シート上に画像を形成する手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像処理方法は、複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成し、生成された地紋画像データ及び原稿を読み取ることによって得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する画像処理方法において、前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定するステップと、有彩色を含むと判定された場合に、生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するステップと、有彩色を含まないと判定された場合に、生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成する生成手段並びに前記生成手段にて生成された地紋画像データ及び原稿を読み取ることによって得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する合成手段として機能させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定する判定手段、前記判定手段にて有彩色を含むと判定された場合に、前記生成手段にて生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成する手段及び前記判定手段にて有彩色を含まないと判定された場合に、前記生成手段にて生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成する手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、前述したコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、原稿を読み取って得られた原稿画像データと複写時に顕在化する地紋画像に係る地紋画像データとを合成する場合に、前記原稿画像データに基づいて前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定し、有彩色を含む原稿である場合に、利用者により指定された色の地紋画像データと原稿画像データとを合成し、無彩色からなる原稿である場合に、無彩色の地紋画像データと原稿画像データとを合成する。
【0022】
本発明においては、前記原稿が有彩色を含む原稿か、あるいは、無彩色からなる原稿であるかに基づいて、地紋画像データを付加する色成分(プレーン)を選択する。
【0023】
本発明においては、前記原稿画像データに基づいて前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かの判定を行うとともに有彩色及び無彩色の地紋画像データそれぞれを生成し、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かの判定結果に基づいて、有彩色又は無彩色の地紋画像データの何れかを選択するように構成しても良い。
【0024】
本発明においては、生成可能な複数の色それぞれ(例えば電子写真方式にて使用されるシアン及びマゼンタ、並びにインクジェット方式にて使用される赤、緑、青及び橙などによって生成可能な全ての色)で地紋画像を予め作成し、いずれかの地紋画像を選択するようにしても良い。一旦、地紋画像の色を指定した後、地紋画像の色を変更する場合に速やかに変更処理を実行する。
【0025】
本発明においては、地紋画像データに代えて表示画像データを作成し、該表示画像データと原稿画像データとを合成して表示部に表示し、原稿画像と地紋画像とを合成した画像を表示部に表示した場合に、モアレが発生することを防止する。
【0026】
本発明においては、表示部の仕様に対応させて地紋画像データを補正し、原稿画像データ及び補正された地紋画像データを合成し、合成された画像を前記表示部に表示して、原稿画像と地紋画像とを合成した画像を表示部に表示した場合に、モアレが発生することを防止する。
【発明の効果】
【0027】
本発明にあっては、原稿を読み取って得られた原稿画像データと複写時に顕在化する地紋画像に係る地紋画像データとを合成する場合に、前記原稿画像データに基づいて前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定し、有彩色を含む原稿であると判定した場合に、地紋画像データと原稿画像データとを合成し、無彩色からなる原稿であると判定した場合に、無彩色の地紋画像データと原稿画像データとを合成する。そのため無彩色からなる原稿を読み取った場合には、無彩色の地紋画像が形成されるので、有彩色の原稿を読み取った場合にのみ有彩色の画像を形成し、トナーやインク等の色材が不要に消費されることを防止し、印刷費用及び課金の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】画像形成装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図2】画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】輝度又は明度の画素数を示すヒストグラムの一例である。
【図4】露光補正用のLUTの一例を示す図である。
【図5】単位面積あたりのドット数と地紋画像のタイプとの関係を説明する説明図である。
【図6】複写時に牽制文字を白抜きにする地紋パターンデータの生成について説明する説明図である。
【図7】制御部による地紋画像と原稿画像との合成処理を説明するフローチャートである。
【図8】画像表示装置に表示される初期画面の一例を示す図である。
【図9】画像表示装置に表示されるカラーモードの選択画面の一例を示す図である。
【図10】画像表示装置において、原稿画像と地紋画像とを合成した画像をプレビュー表示した画面の一例を示す図である。
【図11】画像表示装置において、形成される画像の再設定を実行する画面の一例を示す図である。
【図12】プレビュー表示における画像処理装置の処理を説明するブロック図である。
【図13】原稿画像と間引き処理を行わない地紋画像との合成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下本発明を実施の形態に係る画像形成装置を示す図面に基づいて詳述する。図1は画像形成装置の内部構成を説明するブロック図、図2は画像処理装置5の構成を説明するブロック図である。
画像形成装置は、制御部1、画像入力装置3、画像処理装置5、及び画像出力装置7及び操作部9を備えている。制御部1はマイクロコンピュータであり、前記ハードウェア各部を制御するための制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)1b、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1a、制御プログラムの実行中に生成される各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)1cなどを備える。なおROM1bを書込み可能な構成とし、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体20に制御プログラムを記録して、ROM1bにダウンロードする構成であっても良い。
【0030】
画像入力装置3は、原稿の画像を光学的に読取る手段であり、読取用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を備えている。画像入力装置3では、所定の読取位置にセットされた原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R : Red, G : Green, B : Blue)のアナログ電気信号を出力する。画像入力装置3が出力したアナログ電気信号は画像処理装置5へ入力される。
【0031】
画像処理装置5は、画像入力装置3から出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換した後、原稿種別に応じた画像処理を行って出力用の画像信号を生成する。生成した画像信号は画像出力装置7に出力される。画像出力装置7は、シアン、マゼンタ、黄色及び黒の各記録剤7a〜7dを収容した現像器を備えている。画像処理装置5は、出力用の画像信号としてCMYK信号(C:Cyan, M:Magenta, Y:Yellow, K:Black)を生成するようにしている。なお、画像処理装置5の内部構成、動作等については後に詳述する。
【0032】
画像出力装置7は、画像処理装置5が出力する画像信号に基づいて用紙、OHPフィルム等のシート70上に画像形成を行う手段である。そのため、画像出力装置7は、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、画像処理装置から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像に記録剤7a〜7dとしてのトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
【0033】
操作部9は、利用者による指示、選択操作などを受付けるために各種スイッチ、ボタンを備える。
【0034】
画像処理装置5は、AD変換部51、シェーディング補正部52、入力処理部53、ACS処理部54、下地判定処理部55、露光調整部56、領域分離処理部57、色補正部58、黒生成下色除去部59、空間フィルタ処理部60、変倍部61、中間調生成部62、地紋合成処理部63、地紋画像生成部80及び地紋画像切替部40を備える。
【0035】
AD変換部51は、画像入力装置3から入力されたRGBのアナログ信号をデジタル信号に変換する。シェーディング補正部52は、AD変換部51から出力されたデジタル形式のRGB信号に対して、画像入力装置3の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。また、シェーディング補正部52ではカラーバランスの調整を行う。入力処理部53は、ガンマ補正及びコントラストなどの画質調整処理を行う。
【0036】
ACS処理部54は、入力処理部53から出力されたRGB信号を用いて、読み取られた原稿が有彩色(カラー)であるか、無彩色(モノクロ)であるかの判定を行う。例えば、画素毎に有彩色画素であるか無彩色画素であるかを判別し、与えられる画素順で所定数以上の連続する有彩色画素群が検知された場合に、該有彩色画素群を有彩色ブロックとして認識し、1ライン中に所定数以上の有彩色ブロックが存在していれば、そのラインを有彩色ラインとして計数する。原稿中の有彩色ラインが所定数以上存在している場合に、有彩色画像であると判定し、所定数未満である場合に、無彩色画像であると判定する。なお有彩色ブロックと認識する基準となる画素数、有彩色ラインとして認識する基準となる有彩色ブロック数及び有彩色画像であると判定する基準となる有彩色ライン数は、適切に設定すれば良い。
【0037】
有彩色画素であるか又は無彩色画素であるかを画素毎に行う方法としては以下のような方法が挙げられる。
(1)下記式に示すように、RGB信号の最大値と最小値との差分を閾値THaと比較する。なお下記式において、max(R,G,B)はRGB信号の最大値を示し、min(R,G,B)はRGB信号の最小値を示す。
max(R,G,B)−min(R,G,B)>THa(例えば20)
RGB信号の最大値と最小値との差分がTHaを超過した場合に、有彩色画素であると判定する。
(2)RGB信号の各色成分の差分の絶対値を求めて閾値とを比較する。
ACS処理部54における判定方法として、次のようにしても良い。先ず、RGB信号の最大値と最小値との差分を閾値THa(例えば20)と比較し、画素が有彩色であるか否かを判定する。そして有彩色として判定された画素を原稿全体で計数し、例えば有彩色画素数が7000以上である場合に、カラー原稿(有彩色)であると判定し、有彩色画素数が7000未満の場合は、モノクロ原稿(無彩色)であると判定する。
なお閾値THaを原稿全体の画素数に対する有彩色画素数の割合でなく、絶対数とするのは、通常のサイズ(例えばA4サイズ)よりも大きなサイズ(例えばA3サイズ)の原稿において、一部着色された原稿(例えば捺印された原稿)を有彩色の原稿と判定するためである。
【0038】
有彩色又は無彩色の判定方法としては、RGB信号の各色成分の差分の絶対値を求めて閾値と比較する方法、その他の公知の判定方法を用いても良い。すなわち、有彩色又は無彩色の判定方法は、上述の例示した方法に限定されず、有彩色又は無彩色を精度良く判定することができる方法であれば良い。また、読み取られた原稿が有彩色(カラー)であるか、無彩色(モノクロ)であるかの判定方法も上記に限定されるものではなく、特許公報に開示されている公知の技術を用いて行うようにしても良い。
【0039】
画像形成装置は、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリなどを有する記憶部10を備えている。ACS処理部54から出力されたデータ(判定結果)は、記憶部10に記憶される。
【0040】
下地判定処理部55は、下地濃度が所定の閾値を超過しているか否かを判定する。具体的には、入力されたRGB信号を、下記式に適用して輝度信号に変換する。
j =0.30Rj +0.59Gj +0.11Bj
なおYjは各画素の輝度信号を示し、Rj、Gj及びBjは、各画素の色成分信号を示す。
輝度信号に代えて、明度信号を求めても良い。例えば国際照明委員会(CIE:Commission International de l’Eclairage)で定めたL* * * 信号、換言すれば均等色空間に変換し、明度信号を求めても良い。
【0041】
図3は、輝度又は明度の画素数を示すヒストグラムの一例である。図3に示すように、下地判定処理部55は、前述した輝度信号又は明度信号に基づいて、画像全体についてヒストグラムを作成する。下地判定処理部55は、作成したヒストグラムにおいて、最も画素数(頻度、度数)が多く、画素数が閾値th1(下地と判断される画素数の最小値。例えば、原稿サイズと下地と判定される画素数の最小値とを対応付けてメモリに格納しておき、原稿サイズの検知結果に応じて、閾値が設定されるようにすれば良い。)以上の輝度又は明度を、下地部分の輝度又は明度とみなし、この輝度又は明度Yf と予め設定した閾値th2とを比較する。
【0042】
f>th2の場合、下地の輝度が閾値よりも大きい(下地が存在する)と判定する。Yf>th2以外の場合には、下地の輝度が閾値以下である(下地が存在しない)と判定する。なお閾値th1、th2には、原稿に応じた下地を適切に判定することができる値を設定する。
【0043】
画像処理装置5は、画像表示装置8の駆動を制御する表示制御部64を備えている。該表示制御部64は、CPU、ROM及びRAMなどを備える。画像処理装置5は、原稿画像に地紋画像を付加する設定がなされており、且つ下地判定処理部55にて閾値を超過すると判定された場合に、表示制御部64を介して、画像表示装置8に、ユーザに露光の調整を促す警告を表示する。
【0044】
図4は、露光補正用のLUT(Look Up Table)の一例を示す図である。操作部9から露光の調整を行うことを示す指令が入力された場合に、露光調整部56は、記憶部10に予め設定された複数のLUT(図4参照)を切り替えて入力画像のRGB値を補正し、下地を除去する処理を行う。そして領域分離処理部57及び色補正部58にデータを出力する。なお操作部9から露光の調整を行うことを示す指令が入力されなかった場合には、露光調整部56は、下地を除去する処理を実行せず、領域分離処理部57及び色補正部58にデータを出力する。
【0045】
領域分離処理部57は、RGB信号より、入力画像中の各画素を黒文字領域、色文字領域、網点領域、写真領域などの何れかの領域に分離する処理を行う。領域分離処理部57は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を後段の黒生成下色除去部59、空間フィルタ処理部60、及び中間調生成部62へ出力する。
【0046】
色補正部58は、RGB信号の補色であるCMY信号(C:Cyan, M:Magenta, Y:Yellow)を生成すると共に、色再現の忠実化再現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。
【0047】
黒生成下色除去部59は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いた新たなCMY信号を生成する処理を行う。この処理によってCMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0048】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC、M、Y、出力されるデータをC’、M’、Y’、K’、UCR率(UCR : Under Color Removal)をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式で表される。
【0049】
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’
【0050】
空間フィルタ処理部60は、黒生成下色除去部59より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒子状劣化を防ぐように処理を行う。
【0051】
例えば、領域分離処理部57にて黒文字又は色文字に分離された領域は、黒文字又は色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部60による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、中間調生成部62においては、高周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの多値化処理が実行される。なお中間調生成部62において二値化処理が実行される構成であっても良い。
【0052】
変倍部61は、空間フィルタ処理部60から入力されたデータに対し、操作部9を介して入力される変倍コマンド(印刷画像の倍率を示す情報)に基づいて、画像の拡大又は縮小処理が実行される。中間調生成部62は、変倍部61から入力されたデータに対し、画像を出力するための階調再現処理を実行する。
【0053】
地紋合成処理部63は、地紋画像生成部80から入力される地紋パターンデータと中間調生成部62から入力される中間調データとを合成する。地紋パターンデータと中間調データとの合成は、予め指定されたC、M又はKのいずれかの色成分データ(プレーン)に対して行う。なお合成手法については後に詳述する。地紋画像生成部80は、牽制文字生成部81、文字画像生成部82及び地紋パターン生成部83を備える。牽制文字生成部81は、操作部9からの指令に基づいて、「複写」、「禁複写」及び「社内秘」などの警告用の牽制文字データを生成する。文字画像生成部82は、牽制文字データをビットマップ画像データに変換する。地紋パターン生成部83は、ビットマップ画像データに基づいて、各プレーンに応じた細かいドットを示す情報及び粗いドットを示す情報を有する地紋パターンデータ(地紋画像データ)を生成する。地紋パターン生成部83にて生成された地紋パターンデータは、記憶部10に記憶される。
【0054】
図5は、単位面積あたりのドット数と地紋画像のタイプとの関係を説明する説明図である。図5Aには、単位面積あたりのドット数が少ない粗いドット部分が左右に配置され、その間に、単位面積あたりのドット数が多い密なドットが配置された画像が描写されている。単位面積あたりの全ドットが占める面積は、密なドットで描写された部分及び粗なドットで描写された部分のいずれも略同じに設定してあるので、いずれの部分も略同じ濃度で認識され、利用者は地紋を視認し難い。一方図5Bには、地紋画像を複写機または複合機にて複写した画像が描写されている。複写機や複合機に備えられるスキャナ(画像入力装置)は粗いドットで描写された部分を認識することはできるが、密なドットで描写された部分は、一ドットの面積が小さいために、認識することができない。そのため、図5Bに示すように、複写された画像においては、密なドットで描写された部分は複写されずに、白く抜けたように視認される。その結果、利用者は地紋を容易に視認することができる。
【0055】
図6は、複写時に牽制文字を白抜きにする地紋パターンデータの生成について説明する説明図である。図6Aに示すように、地紋パターン生成部83は、細かいドットを示す情報と、牽制文字データと、粗いドットを示す情報とを比較し、牽制文字データにおける牽制文字部分と細かいドットを示す情報とを対応付けて、牽制文字データにおける非牽制文字部分と粗いドット示す情報とを対応付ける。そして図6Bに示すように、細かいドットで牽制文字を生成し、背景を粗いドットで生成する。なお牽制文字を、あたかも浮き上がっているように視認させる場合は、牽制文字部分と粗いドットを示す情報とを対応付けて、非牽制文字部分と細かいドット示す情報とを対応付ける。
【0056】
地紋画像切替部40は、ACS処理部54での判定結果に応じて、使用する地紋パターンデータ、換言すれば地紋画像データを選択する。ACS処理部54での判定結果が無彩色であった場合には、記憶部10に記憶された無彩色の地紋画像データを地紋合成処理部63に出力する。一方ACS処理部54での判定結果が有彩色であった場合には、記憶部10に記憶され、利用者に指定された色の地紋画像データを地紋合成処理部63に出力する。
【0057】
なお地紋画像の色として無彩色が指定されている場合又はACS機能が無効であって地紋画像の色として有彩色が指定されている場合には、地紋画像切替部40を介さずに、地紋合成処理部63に地紋画像データを出力するように構成してもよい。
【0058】
また以下のような構成であっても良い。操作部9からの入力によって、地紋画像の色が指定されると、指定色以外に地紋画像として指定可能な全ての色(例えば電子写真方式にて使用されるシアン及びマゼンタ、並びにインクジェット方式にて使用される赤、緑、青及び橙などによって生成可能な全ての色)それぞれに係る地紋画像データを記憶部10に記憶する。地紋画像切替部40は、ACS処理部54での判定結果が無彩色であった場合に、記憶部10に記憶された無彩色の地紋画像データを地紋合成処理部63に出力し、ACS処理部54での判定結果が有彩色であった場合には、記憶部10に記憶された各色に係る地紋画像データから、指定された色に係る地紋画像データを選択し、地紋合成処理部63に出力する。
【0059】
図7は制御部1による地紋画像と原稿画像との合成処理を説明するフローチャートである。なお制御部1は複数の原稿画像データが入力された場合に、入力された原稿画像データの全頁数を予め、記憶部10に記憶しているものとする。また地紋画像と原稿画像との合成処理は頁単位で実行されているものとする。
制御部1は、操作部9から地紋画像を付加することを示す指令が入力されるまで待機する(ステップS1:NO)。操作部9から地紋画像を付加することを示す指令が入力された場合(ステップS1:YES)、制御部1は、付加する地紋画像の色として有彩色が指定されているか否かを判定する(ステップS2)。付加する地紋画像の色として有彩色が指定されていない場合(ステップS2:NO)、すなわち、付加する地紋画像の色として無彩色が指定されている場合、制御部1は、地紋パターン生成部83にて無彩色(黒:K)のプレーンを選択し(ステップS3)、無彩色の地紋パターンデータ、換言すれば無彩色の地紋画像データを生成する(ステップS4)。このとき地紋パターン生成部83は、視認される濃度が牽制文字部分と非牽制文字部分とで略同じになるように、牽制文字部分及び非牽制文字部分の各部分について無彩色で地紋パターンデータを生成する。そのため、地紋画像を背景として認識させて、原稿の可読性を向上させることができる。そして後述するステップS16に処理を進める。
【0060】
付加する地紋画像の色として有彩色が指定されている場合(ステップS2:YES)、例えばCが指定されている場合、制御部1は、ACS機能が有効であるか否かを判定する(ステップS5)。なお操作部9の操作によって、ACS機能の有効又は無効が決定される。ACS機能が有効でない場合(ステップS5:NO)、すなわちACS機能が無効である場合、制御部1は、地紋パターン生成部83にて有彩色(例えばC)のプレーンを選択し(ステップS6)、有彩色の地紋パターンデータ、換言すれば有彩色の地紋画像データを生成する(ステップS7)。このとき地紋パターン生成部83は、視認される濃度が牽制文字部分と非牽制文字部分とで略同じになるように、牽制文字部分及び非牽制文字部分の各部分について有彩色で地紋パターンデータを生成する。そのため、地紋画像を背景として認識させて、原稿の可読性を向上させることができる。そして後述するステップS18に処理を進める。
【0061】
ACS機能が有効である場合(ステップS5:YES)、制御部1は、地紋パターン生成部83にて無彩色(黒:K)のプレーンを選択し(ステップS8)、無彩色の地紋パターンデータ、換言すれば無彩色の地紋画像データを生成する(ステップS9)。このとき地紋パターン生成部83は、視認される濃度が牽制文字部分と非牽制文字部分とで略同じになるように、牽制文字部分及び非牽制文字部分の各部分について無彩色で地紋パターンデータを生成する。そのため、地紋画像を背景として認識させて、原稿の可読性を向上させることができる。そして制御部1は、生成した無彩色の地紋画像データを記憶部10に記憶する(ステップS10)。
【0062】
次に制御部1は、地紋パターン生成部83において、ステップS2にて指定された有彩色(例えばC)のプレーンを選択し(ステップS11)、有彩色の地紋パターンデータ、換言すれば有彩色の地紋画像データを生成する(ステップS12)。このとき地紋パターン生成部83は、視認される濃度が牽制文字部分と非牽制文字部分とで略同じになるように、牽制文字部分及び非牽制文字部分の各部分について有彩色で地紋パターンデータを生成する。そのため、地紋画像を背景として認識させて、原稿の可読性を向上させることができる。そして制御部1は、生成した有彩色の地紋画像データを記憶部10に記憶する(ステップS13)。
【0063】
次に制御部1は、ACS処理部54にて、入力された原稿画像データが無彩色であるか否かを判定する(ステップS14)。入力された原稿画像データが無彩色である場合(ステップS14:YES)、制御部1は、地紋画像切替部40にて無彩色の地紋画像データを選択し(ステップS15)、記憶部10に記憶された無彩色の地紋画像データを地紋合成処理部63に出力する。そして制御部1は、地紋合成処理部63にて原稿画像データと無彩色の地紋画像データとを合成する(ステップS16)。換言すれば、原稿画像データと無彩色の地紋画像データとに基づいて、原稿画像及び無彩色の地紋画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する。制御部1は、付加する地紋画像の色として有彩色が指定されている場合であっても、ステップS14におけるACS判定において、原稿画像が無彩色であると判定されたときには、無彩色の地紋画像データと原稿画像データとを合成する。合成されたデータは、画像出力装置7に出力される。
以上では、無彩色及び有彩色の地紋画像データを生成し、記憶部10に記憶した後、ACS処理部54に入力された原稿画像データが無彩色であるか否かを判定しているが、ACS処理部54での判定処理と、地紋パターン生成部83での生成処理とを並列に実行しても良い。
【0064】
そして制御部1は、1頁を計数し、累計の頁数が記憶部10に記憶した全頁数以上であるか否かを判定する、すなわち全頁について地紋画像データと原稿画像データとの合成が終了したか否かを判定する(ステップS19)。累計の頁数が記憶部10に記憶した全頁数以上でない場合、すなわち全頁について地紋画像データと原稿画像データとの合成が終了していない場合(ステップS19:NO)、ステップS2に処理を戻す。累計の頁数が記憶部10に記憶した全頁数以上である場合、すなわち全頁について地紋画像データと原稿画像データとの合成が終了した場合(ステップS19:YES)、合成処理を終了する。
【0065】
ステップS14において、入力された原稿画像データが無彩色でない場合(ステップS14:NO)、すなわち入力された原稿画像データが有彩色である場合、制御部1は、地紋画像切替部40にて有彩色の地紋画像データを選択し(ステップS17)、記憶部10に記憶された有彩色の地紋画像データを地紋合成処理部63に出力する。そして制御部1は、地紋合成処理部63にて原稿画像データと有彩色の地紋画像データとを合成する(ステップS18)。換言すれば、原稿画像データと有彩色の地紋画像データとに基づいて、原稿画像及び有彩色の地紋画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する。合成されたデータは、画像出力装置7に出力される。そして制御部1は、ステップS19に処理を進める。
【0066】
なお上記合成処理は一頁単位で実行しているが、実行単位は一頁に限定されず、画素数、ライン数又は複数頁など他の単位を実行単位としても良い。また、以上では、無彩色及び有彩色の地紋画像データを生成して記憶部10に格納し(ステップS9、ステップS10、ステップS12、ステップS13)、ACS判定処理部54での判定結果に基づいて地紋画像データを選択しているが(ステップS15、ステップS17)、無彩色及び有彩色の地紋画像データを記憶部10に格納するのではなく、ACS判定部54の判定結果に基づいて、地紋画像データを生成するプレーンを選択するようにしても良い。すなわち、地紋パターン生成部83は、入力された原稿画像データが無彩色である場合、無彩色のプレーンを選択して地紋画像データを生成し、入力された原稿画像データが有彩色である場合、利用者により指定された色(有彩色又は無彩色)のプレーンを選択して地紋画像データを生成するようにしても良い。この場合、制御部1によって地紋画像のプレーンの選択が行われ、地紋画像切替部40での処理は不要となり、処理速度を向上させることができる。
【0067】
付加する地紋画像の色として有彩色が指定されていない場合(ステップS2:NO)において、ステップS4にて生成される無彩色の地紋画像データと、ACS機能が有効でない場合(ステップS5:NO)において、ステップS7にて生成される有彩色の地紋画像データとは、記憶部10に記憶されず、地紋画像生成部80から地紋合成処理部63に直接出力されるが、生成された無彩色及び有彩色の地紋画像データを記憶部10に記憶し、記憶部10から地紋合成処理部63に出力する構成であっても良い。
【0068】
またステップS10において無彩色の地紋画像データを記憶部10に記憶し、ステップS13において有彩色の地紋画像データを記憶部10に記憶しているが、地紋画像として指定可能な全ての色(例えば電子写真方式にて使用されるシアン及びマゼンタ、並びにインクジェット方式にて使用される赤、緑、青及び橙などによって生成可能な全ての色)それぞれに係る地紋画像データを記憶部10に記憶するように構成しても良い。この場合、地紋画像の色の指定を変更する場合に、地紋画像切替部40は速やかに対処することができる。
【0069】
次に原稿画像と地紋画像とを合成した画像のプレビュー表示について説明する。
図8は、画像表示装置8に表示される初期画面の一例を示す図、図9は、画像表示装置8に表示されるカラーモードの選択画面の一例を示す図、図10は、画像表示装置8において、原稿画像と地紋画像とを合成した画像をプレビュー表示した画面の一例を示す図、図11は、画像表示装置8において、形成される画像の再設定を実行する画面の一例を示す図である。
【0070】
画像表示装置8は、タッチパネル式の表示部を備えており、該表示部に表示される画面のインタフェースを操作することによって、原稿画像と地紋画像とを合成した画像のプレビュー表示を実行することができ、また形成される画像の再設定を実行することができる。
【0071】
形成される画像の各種設定は、初期画面の操作によって実行される。図8に示すように、初期画面の上部には、複写の設定を行うためのコピーボタン、ファクシミリ送信の設定を行うためのイメージ送信ボタン及び文書を電子化する場合の設定を行うためのドキュメントファイリングボタンが左右に並設されている。図8においては、コピーボタンが押下された場合の画面、すなわち複写の設定を行うための画面が表示されている。
【0072】
複写の設定を行うための画面には、「コピー読み込みできます。」との表記がコピーボタンの下部に示され、その下側に、形成される画像の色を設定するためのカラーモードボタン、形成される画像の濃度を設定するためのコピー濃度ボタン、形成される画像の原稿に対する倍率を設定するための倍率ボタン、原稿のサイズを設定するための原稿サイズボタン、画像を形成する用紙の寸法を設定するための用紙ボタン、形成される画像をプレビュー表示するためのプレビュー確認ボタン、画像データを一時保存するための自動一時保存ボタン、画像データを電子化して保存するためのファイリングボタン、画像の微調整を行うための仕上げボタン、用紙の両面に画像を形成するための両面コピーボタン及び地紋画像の付加その他の各種機能の設定を行うための特別機能ボタンが配してある。
【0073】
カラーモードボタンが押下された場合、図9に示すように、1色の有彩色で画像を形成するためのシングルカラーボタン、2色の有彩色で画像を形成するための2色カラーボタン、3色以上の有彩色で画像を形成するためのフルカラーボタン、原稿がカラーであるのかそれともモノクロであるのかを自動的に判定して画像を形成するための自動ボタン及び無彩色で画像を形成するための白黒ボタンを配した画面が、表示部に表示される。上記何れかのボタンが押下された場合に、押下されたボタンに対応した色で画像が形成される。
【0074】
特別機能ボタンが押下された場合、地紋画像を付加するための設定を行うことができ、(1)地紋の種類(牽制文字が浮き上がるように表示される地紋又は牽制文字が白抜きに表示される地紋)、(2)地紋の色(例えば、シアン、マゼンタ又はブラック)、(3)付加する牽制文字(後述する図13の牽制文字参照)、(4)地紋の濃度及び(5)カムフラージュパターンなどの各種設定を行う。
【0075】
初期画面におけるプレビュー確認ボタン(図8参照)が押下された場合、図10に示すように、形成される画像が画面の中央部にプレビュー表示される。該画面の右上には、形成される画像の濃度及び色などの条件を再設定するための再設定ボタンが配してある。該再設定ボタンが押下された場合、図11に示すように、原稿画像の濃度を設定するための濃度ボタン、文字又は写真などの原稿種別を設定するための原稿種別処理モードボタン、原稿画像の色を設定するためのカラーモードボタン及び地紋画像の種類、色、文字及び濃度などのその他の条件を変更するための特別機能ボタンが上下に並設された画面が表示される。該画面の右上には、再プレビューボタンが配してある。
ユーザは、原稿画像及び地紋画像が所望の設定となるように濃度ボタン、原稿種別処理モードボタン、カラーモードボタン及び特別機能ボタンを操作し、設定を変更する。また再プレビューボタンを押下することによって、設定を変更した画像をプレビュー表示させることができる。
【0076】
操作部9は、スタートボタンを供えている。上述した画面に表示されたボタンの操作によって、各種設定が行われ、スタートボタンが押下されることによって、各種設定を反映した画像がシート70に形成される。
【0077】
図12は、プレビュー表示における画像処理装置の処理を説明するブロック図である。
【0078】
図12に示したA/D変換部51〜領域分離処理部57の処理は、前述した画像形成に係る処理と同様であり、その詳細な説明は省略する。色補正部58は、画像入力装置3(例えばスキャナ)の色空間に適合したRGBデータ(原稿画像データ)を画像表示装置8の色空間に適合するR′G′B′の画像データ(例えば、sRGB(standard RGB)信号)へ変換する。
黒生成下色除去部59は処理を実行せず、色補正部58から入力されたデータを空間フィルタ処理部60に出力する。
【0079】
空間フィルタ処理部60は、領域分離処理部57から入力される領域分離信号に基づいて、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理(例えば強調処理及び平滑化処理)を実行し、変倍部61にデータを出力する。
変倍部61は、画像入力装置3によって読み込まれた画像データの解像度(例えば600dpi又は1200dpi)を画像表示装置8の画面の解像度(例えば72dpi)に整合させるために、画像入力装置3によって読み込まれた画像データの一部を省略する間引き処理を実行する。一般に画像入力装置3の解像度に比べて、画像表示装置8の解像度は低いため、間引き処理を実行する。
中間調生成部62は処理を実行せず、変倍部61から入力されたデータを地紋合成処理部63へ出力する。
【0080】
地紋合成処理部63は、間引き処理されたR′G′B′の画像データ(原稿画像データ)と地紋パターン生成部83から入力された地紋パターンデータ(地紋画像データ)とを合成し、表示制御部64に出力する。表示制御部64は、画像表示装置8の表示特性に基づいて、ガンマ補正処理を実行し、画像表示装置8にデータを出力する。画像表示装置8にはプレビュー画像が表示される。
【0081】
上述した処理においては、領域分離処理部57にて領域分離処理を実行し、空間フィルタ処理部60にて空間フィルタ処理を実行しているが、プレビュー画像の解像度が低い場合、領域分離処理及び空間フィルタ処理を実行しないようにしても良い。
【0082】
次にプレビュー表示における地紋合成処理部63の処理について詳述する。
プレビュー画像は、RGB信号であるので、地紋合成処理部63では、地紋パターンデータ(地紋画像データ)に係るCMYK信号をRGB信号に変換し、地紋画像データと原稿画像データとの合成が実行される。地紋画像データに係るCMYK信号からRGB信号への変換は、予め記憶部10に記憶してあるLUTを参照して行われる。
【0083】
地紋画像データと原稿画像データとの合成を行う場合、地紋画像データには、地紋画像の色成分データ(プレーン)に応じて所定の色で塗りつぶしたダミーの画像データ(ダミーデータ)又は間引き処理を行わない地紋画像データを使用する。なおダミーデータは、地紋画像データに対応し、表示部に表示される画像を示す表示画像データに相当する。
【0084】
ダミーデータを使用する場合には、地紋画像生成部80にてダミーデータを予め生成して記憶部10に格納し、プレビュー表示を行うときに、地紋画像切替部40によって、プレーンに対応するダミーデータが選択される。地紋画像のプレーンとダミーデータとの関係を示す表を表1に示す。なお表1においてCプレーン、Mプレーン及びKプレーンは、それぞれシアンプレーン、マゼンタプレーン及びブラックプレーンを示す。
【0085】
【表1】

【0086】
例えばCプレーンに対応するダミーデータとして、RGB値(235、255、255)が使用される。地紋合成処理部63は、ダミーデータを使用することによって、原稿画像データにダミーデータを合成した場合に原稿の色味を画像表示装置8にて擬似的に表現することができる。地紋画像データは上述したように、周期的パターンにより構成されているため、間引き処理を行う周期と地紋画像データの周期パターンとが干渉し、画像表示装置8においてモアレが発生する場合があるが、原稿画像データにダミーデータを合成することによって、画像表示装置8におけるモアレの発生を防止することができる。
【0087】
図13は、原稿画像と間引き処理を行わない地紋画像との合成を説明する説明図である。間引き処理を行わない地紋画像データを使用する場合には、図13に示すように、原稿画像データ及び地紋画像データに係る牽制文字のデータに対しては、画像表示装置8の解像度に対応するように変倍処理を実行し、地紋画像データに係る粗いドットを示す情報及び細かいドットを示す情報に対しては、変倍処理を行わない。なお地紋画像データに係る牽制文字のデータに対する変倍処理は、地紋画像生成部80にて実行される。
【0088】
地紋画像生成部80において、変倍処理された牽制文字のデータと変倍処理されない粗いドットを示す情報及び細かいドットを示す情報とに基づいて、地紋画像データが生成され、地紋合成処理部63において、生成された地紋画像データと間引き処理されたR′G′B′の画像データ(原稿画像データ)とを合成する。なお原稿画像における文字及び図形などのコンテンツと比較して、画像表示装置8に表示される地紋画像に係るドットは、シート70に形成される画像よりも大きい。
【0089】
この場合、地紋画像データに係る粗いドットを示す情報及び細かいドットを示す情報に対しては、変倍処理を行わないので、地紋画像の画素の周期と間引き処理の周期との干渉を抑制することができ、画像表示装置8におけるモアレの発生を防止することができる。また牽制文字と原稿との位置関係をプレビューで確認することができる。
【0090】
ユーザはプレビュー表示後に、前記再設定ボタンを押下して、原稿画像又は地紋画像の設定を変更することができる。設定変更後に、再プレビューボタンを操作することによって、設定を変更した画像をプレビュー表示させることができる。プレビュー表示後に前記操作部9のスタートボタンを押下することによって、画像表示装置8にプレビュー表示された画像をシート70に形成することができる。
【0091】
上述した地紋画像を原稿画像に合成する処理は、コンピュータに実行させるためのプログラムとしてROM1bに格納されているが、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体20に記録することもできる。この結果、上記処理を行うプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録した記録媒体20を持ち運び自在に提供することができる。
【0092】
なお地紋画像を原稿画像に合成する処理に係るプログラムは、マイクロコンピュータでの処理を行うためのメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアに記録されていても良いし、また図示しない記録媒体読取装置を設けて、該記録媒体読取装置に挿入するプログラムメディアに記録されていても良い。いずれの場合においても、記録媒体に格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良く、またいずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出したプログラムコードを、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードして、実行する構成であってもよい。なお、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0093】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD(Compact Disk)−ROM/MO(Magneto-Optical disk)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
【0094】
また画像形成装置をインターネットを含む通信ネットワークに接続可能な構成とし、上記プログラムメディアを、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体としても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置又はコンピュータシステムに備えられるプログラム読取装置によって読み取られ、上述した画像処理方法が実行される。
【0095】
以上説明した実施の形態は本発明の例示であり、本発明は特許請求の範囲に記載された事項及び特許請求の範囲の記載に基づいて定められる範囲内において種々変更した形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 制御部
3 画像入力装置
5 画像処理装置
7 画像出力装置
8 画像表示装置(表示部、画像表示受付手段)
9 操作部(受付手段)
10 記憶部
40 地紋画像切替部(選択手段)
54 ACS処理部(判定手段)
63 地紋合成処理部(合成手段)
70 シート
80 地紋画像生成部(生成手段、作成手段)
81 牽制文字生成部
82 文字画像生成部
83 地紋パターン生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成する生成手段と、該生成手段にて生成された地紋画像データ及び原稿を読み取って得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する合成手段とを備える画像処理装置において、
前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記合成手段は、前記判定手段にて有彩色を含むと判定された場合に、前記生成手段にて生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成し、前記判定手段にて有彩色を含まないと判定された場合に、前記生成手段にて生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するようにしてあること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記判定手段での判定結果に基づいて、生成する地紋画像データの色成分を決定するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、無彩色及び有彩色に係る地紋画像データを生成するようにしてあり、
前記生成手段にて生成した地紋画像データを記憶する記憶部と、
前記判定手段での判定結果に基づいて、前記記憶部に記憶された無彩色及び有彩色に係る地紋画像データから一の地紋画像データを選択する選択手段とを備え、
前記合成手段は、前記原稿画像データ及び前記選択手段にて選択された地紋画像データを合成するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
無彩色又は複数の有彩色から一の色の指定を受け付ける受付手段を備え、
前記生成手段は、無彩色及び前記受付手段にて受け付けた有彩色の地紋画像データそれぞれを予め生成するようにしてあり、
前記記憶部は、予め生成された地紋画像データを記憶するようにしてあること
を特徴とする請求項3に係る画像処理装置。
【請求項5】
画像を表示する表示部と、
原稿画像及び地紋画像を合成した画像の前記表示部への表示の実行を受け付ける画像表示受付手段と、
前記生成手段にて生成された地紋画像データに対応し、前記表示部に表示される画像を示す表示画像データを作成する作成手段とを備え、
前記画像表示受付手段にて表示の実行を受け付けた場合に、原稿画像データ及び前記作成手段にて作成した表示画像データを前記合成手段にて合成し、合成した画像を前記表示部に表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像を表示する表示部と、
原稿画像及び地紋画像を合成した画像の前記表示部への表示の実行を受け付ける画像表示受付手段とを備え、
前記生成手段は、前記表示部の特性に応じて前記地紋画像データを補正することができるようにしてあり、
前記画像表示受付手段にて表示の実行を受け付けた場合に、原稿画像データ及び補正された地紋画像データを前記合成手段にて合成し、合成した画像を前記表示部に表示するようにしてあることを特徴とする請求項1から4のいずれ一つに記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の画像処理装置と、該画像処理装置によって処理が施された前記原稿画像データ及び地紋画像データに基づいて、シート上に画像を形成する手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成し、生成された地紋画像データ及び原稿を読み取ることによって得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する画像処理方法において、
前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定するステップと、
有彩色を含むと判定された場合に、生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するステップと、
有彩色を含まないと判定された場合に、生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成するステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、複写時に顕在化する有彩色又は無彩色の地紋画像に係る地紋画像データを生成する生成手段並びに前記生成手段にて生成された地紋画像データ及び原稿を読み取ることによって得られた原稿画像データに基づいて、地紋画像及び原稿画像を合成した画像に係る合成画像データを生成する合成手段として機能させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記原稿画像データに基づいて、前記原稿が有彩色を含む原稿であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段にて有彩色を含むと判定された場合に、前記生成手段にて生成された地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成する手段及び
前記判定手段にて有彩色を含まないと判定された場合に、前記生成手段にて生成された無彩色の地紋画像データと前記原稿画像データとに基づいて、合成画像データを生成する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−80419(P2012−80419A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225145(P2010−225145)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】