説明

画像処理装置及びその制御方法

【課題】画像処理パターンごとに、容易且つ確実に階調補正制御を行う技術を提供する。
【解決手段】複数のスクリーンパターンを選択的に用いて画像処理を行う画像処理手段と、ユーザの操作に応じて前記複数のスクリーンパターンから1つのスクリーンパターンを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていないと判定された場合に、階調補正制御の実行を指示するためのボタンを表示する表示手段と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像処理パターンを選択的に用いて画像処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多階調画像の画質向上のため画像の階調補正制御を行う画像処理装置が従来から知られている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、複数の濃度の階調パターン画像(パッチ画像)を出力して、かかるパッチ画像を出力経路上で読み取り、画像処理部に変更を加えることによって、画像形成条件の最適化を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−203866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の画像処理パターンをユーザが選択可能な画像処理装置では、画像処理パターン毎に階調補正制御を行う必要がある。このような画像処理装置では、画像処理パターンが多い場合、全ての画像処理パターンに対して階調補正制御を行うと長時間を要してしまうため、使用する画像処理パターンのみに対して階調補正制御を行っていた。
【0005】
ところが、一度も使用したことがない画像処理パターンをユーザが選択すると、その画像処理パターンに対する階調補正制御が行われたかどうか判断できない場合(例えば、ユーザが忘れたり、ユーザが変わったりした場合)がある。階調補正制御が行われていない画像処理パターンは、例えば、工場出荷時のままの設定になっており、低画質の画像を印刷してしまうという問題を生じる。
【0006】
そこで、本発明は、画像処理パターンごとに、容易且つ確実に階調補正制御を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての画像処理装置は、複数のスクリーンパターンを選択的に用いて画像処理を行う画像処理手段と、ユーザの操作に応じて前記複数のスクリーンパターンから1つのスクリーンパターンを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていないと判定された場合に、階調補正制御の実行を指示するためのボタンを表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像処理パターンごとに、容易且つ確実に階調補正制御を行う技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る画像処理装置を備えた画像処理システムの構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す画像処理システムに含まれる画像処理装置の操作部を示す図である。
【図3A】図1に示す画像処理システムに含まれる画像処理装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
【図3B】図3Aに示す判定部の記憶部に格納されたデータベースの一例を示す図である。
【図3C】図3Aに示す判定部の記憶部に格納されたデータベースの一例を示す図である。
【図4】図1に示す画像処理システムに含まれる画像処理装置の再給紙経路に配置されたカラーセンサを示す概略斜視図である。
【図5】図4に示す記録紙に形成されるパッチ画像の詳細な構成を示す図である。
【図6A】画像処理モードを決めるためのユーザモード画面を示す図である。
【図6B】図6Aに示すユーザモード設定画面においてコピー機能設定ボタンが選択されたときのコピー機能設定画面を示す図である。
【図7A】図6Bに示すコピー機能設定画面において画像処理モード設定ボタンが選択されたときの画像処理モード設定画面を示す図である。
【図7B】図7Aに示す画像処理モード設定画面において文字写真地図モードが選択されると共に、イエローの選択ボタンが選択された場合の画像処理モード設定画面を示す図である。
【図8】図7Bに示す画像処理モード設定画面において階調補正制御が行われていないスクリーンパターンが選択された場合に表示される警告画面を示す図である。
【図9】図1に示す画像処理装置の動作(スクリーンパターン変更処理)を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の構成については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明に係る画像処理装置を備えた画像処理システム1の構成を示す概略断面図である。
【0012】
画像処理システム1は、図1に示すように、画像処理装置100と、原稿載置台としてのプラテンガラス101と、スキャナ102とを有する。スキャナ102は、原稿照明ランプ103、走査ミラー104〜106、レンズ107、イメージセンサ部108等で構成され、図示しないモータによって所定方向に往復走査する。かかる往復走査中に、原稿からの反射光が走査ミラー104〜106を介してレンズ107を透過し、イメージセンサ部108のCCDセンサに結像して原稿上の画像から画像データが生成される。
【0013】
また、画像処理システム1は、自動原稿給送装置(AutoDocumentFeeder、以下「ADF」とする)170を有する。ADF170は、スキャナ102で原稿を読み取ることができる位置まで、自動的に原稿を給送する。ADF170は、図1に示すように、原稿載置台171と、原稿給紙ローラ172と、原稿両面反転ローラ173と、原稿搬送ベルト174と、原稿排出口175とを有する。原稿載置台171は、例えば、最大100枚の原稿を載置することができる。原稿給紙ローラ172は、ADFの原稿を給紙するためのローラである。原稿両面反転ローラ173は、原稿給紙ローラ172から給紙される原稿の両面を読み取るためのローラである。原稿搬送ベルト174は、原稿給紙ローラ172又は原稿両面反転ローラ173から搬送されてくる原稿をプラテンガラス101上に搬送する。原稿搬送ベルト174は、原稿を読み取り位置で停止させたり、原稿の裏面を読み取る際には原稿両面反転ローラ173に原稿を戻すように搬送したり、原稿排出口175に原稿を排出したりするように制御される。原稿排出口175は、例えば、原稿載置台171と同様に、最大100枚の原稿を載置することができる。
【0014】
また、画像処理システム1は、レーザやポリゴンスキャナ等で構成される露光制御部109を有する。露光制御部109は、イメージセンサ部108で電気信号に変換され、かつ、所定の画像処理を施された画像信号に基づいて変調されたレーザ光119を画像形成領域110に臨む感光体ドラム111に照射する。
【0015】
感光体ドラム111の周囲には、前露光ランプ121、1次帯電器112、現像ロータリ117、1次転写ローラ120、クリーニング装置122が配置されている。前露光ランプ121は、感光体ドラム111上の電位を消去する。1次帯電器112は、感光体ドラム111に電位を負荷するためのワイヤーに高圧をかけることによってコロナ放電させる。現像ロータリ117は、レーザ光119によって感光体ドラム111上に静電潜像された画像を現像するためのトナーを収納する現像器113〜116を収容し、現像器113〜116を順次感光体ドラム111に接するように移動させる。1次転写ローラ120は、感光体ドラム111上に現像された画像を中間転写体118に転写する。
【0016】
感光体ドラム111は、不図示のモータによって回転しており、1次帯電器112により所望の電位に帯電された後、露光制御部109からレーザ光119が照射される。これにより、感光体ドラム111上に静電潜像が形成される。感光体ドラム111上の静電潜像に対して1色目の現像器113が接するように現像ロータリ117を回転させ、現像器113に収納されたトナーを静電的に付着させる。これにより、感光体ドラム111上に現像されたトナー像が形成される。
【0017】
現像ロータリ117に収容された4色の現像器内のトナーによってフルカラーの画像を形成する場合には、感光体ドラム111上に現像された1色目のトナー像が、1次転写ローラ120によって、中間転写体118に一時的に転写される。1色目のトナー像が中間転写体118に転写されると、現像ロータリ117によって、2色目の現像器114が感光体ドラム111に接する。このとき、中間転写体118上に一次転写されている1色目のトナー像(現像画像)の先端と感光体ドラム111上に現像される2色目のトナー像(現像画像)の先端が1次転写ローラ120の位置で完全に一致するように、静電潜像画像を形成する。そして、中間転写体118上に一次転写されている1色目のトナー像の上に2色目のトナー像を重ね合わせる。
【0018】
このようなトナー像の重ね合わせを3色目、4色目と繰り返すことによって、中間転写体118上に4色フルカラーの画像を転写する。
【0019】
一方、記録紙は、第1の給紙カセット133、第2の給紙カセット134、第3の給紙カセット135又は第4の給紙カセット136からピックアップローラ125、126、127又は128を介して供給される。第1の給紙カセット133、第2の給紙カセット134、第3の給紙カセット135又は第4の給紙カセット136から供給された記録紙は、給紙ローラ129、130、131又は132によってレジストローラ143に向けて搬送される。レジストローラ143の近傍まで搬送された記録紙には、中間転写体118上のトナー像(未定着トナー画像)が転写される。具体的には、2次転写ローラ123に転写バイアスがかけられると共に、転写される画像の先端と記録紙の先端が一致するようにレジストローラ143が駆動され、記録紙上に画像が転写される。画像が転写された記録紙は、搬送ベルト144に給送される。
【0020】
なお、中間転写体118には、2次転写ローラ123によって記録紙に転写されなかった残留トナーが残っているため、中間転写体クリーナ124によって、残留トナーのクリーニングが開始される。中間転写体クリーナ124は、着脱自在に構成される。中間転写体クリーナ124は、残留トナーの先端が到達する直前に中間転写体118に接し、次に転写する画像の1色目のトナー像の先端が到達する直前に中間転写体118から離れるように制御される。
【0021】
また、感光体ドラム111には、1次転写ローラ120によって中間転写体118に転写されなかった残留トナーが残っているため、クリーニング装置122によって、残留トナーのクリーニングが開始される。残留トナーのクリーニングが終了すると、前露光ランプ121によって感光体ドラム111の残留電荷が消去される。
【0022】
中間転写体118上のトナー像(画像)が転写された記録紙は、搬送ベルト144によって定着器145に搬送される。定着器145は、記録紙を加熱するヒートローラとトナー像を圧着する定着ベルトで構成される。記録紙に転写されたトナー像は、定着器145によって、加圧されると共に加熱されて定着する。トナー像を定着した記録紙(即ち、画像が形成された記録紙)は、内排紙ローラ147及び外排紙ローラ148を介して画像処理装置100の外部に排出される。
【0023】
また、画像処理システム1は、図1に示すように、排紙フラッパ146と、再給紙ローラ142と、カラーセンサ152と、反転ローラ149とを有する。
【0024】
排紙フラッパ146は、記録紙の進路を搬送経路138及び反転経路139のいずれか一方に切り替える。記録紙の両面に画像を形成する両面記録(両面複写)の際には、排紙フラッパ146を上方に上げることによって、内排紙ローラ147から搬送される記録紙の進路を搬送経路138から反転経路139に切り替える。反転経路139に搬送された記録紙は、両面反転部140において、進行方向が逆転される。これにより、記録紙は裏返された状態で再給紙経路141に導かれる。再給紙ローラ142は、再給紙経路141に搬送された記録紙を画像形成領域110に再給紙するローラである。
【0025】
カラーセンサ152は、再給紙経路141に配置され、両面反転部140で記録面が反転された記録紙に形成されたパッチ画像を読み取る。
【0026】
外排紙ローラ148は、排紙フラッパ146の近傍に配置され、排紙フラッパ146が記録紙の進路を搬送経路138に切り替えた場合に、記録紙を画像処理装置100の外部に排出するローラである。画像処理装置100から記録紙を反転して排出する場合には、排紙フラッパ146を上方に上げ、反転ローラ149によって記録紙の後端が反転フラッパを通過する位置まで記録紙を反転経路139に搬送する。反転経路139に搬送された記録紙は、反転ローラ149を逆転させることによって裏返され、反転外排紙経路151を介して、外排紙ローラ148側に搬送される。
【0027】
図2は、図1に示す画像処理システム1に含まれる画像処理装置100の操作部200を示す図である。操作部200は、表示部201と、テンキー202と、スタートキー203と、ストップキー204と、ソフト電源キー205と、節電モードキー206と、リセットキー207と、ガイドキー208と、ユーザモードキー209とを有する。
【0028】
表示部201は、画像処理装置100のモード設定や状態表示などを行うタッチパネル式のLCDである。テンキー202は、0から9までの数字の入力キーと、設定をデフォルト値に戻すためのクリアキーとを含む。スタートキー203は、コピー機能やスキャン機能などを実行するときに選択するキーである。ストップキー204は、コピー機能やプリント機能、スキャン機能などのジョブを中止したいときに選択するキーである。ソフト電源キー205は、画像処理装置100のモータなどの負荷電力は落としたいが、CPUやネットワークなどは起動しておきたいときに使用するキーである。節電モードキー206は、定着器145の温調制御等を設定するためにユーザが選択するキーである。リセットキー207は、表示部201やテンキー202などで設定された機能をデフォルト値にリセットするためのキーである。ガイドキー208は、表示部201において設定される各コピー機能やプリント機能、スキャン機能、ユーザモードキー209で表示されると共に設定/実行される各ユーザモードの説明を表示するためのキーである。ユーザモードキー209は、画像処理装置100の各機能のデフォルト値の設定やユーザが任意に行うことが可能な階調補正などの調整項目を実行する調整モードの設定を行うためのキーである。更に、ユーザモードキー209は、IP(InternetProtocol)アドレスなど各種ネットワークの設定などを行うためのキーである。
【0029】
ユーザは、操作部200を介して、画像処理装置100を使用することが可能となる。また、操作部200は、ユーザの操作に応じて画像処理に用いる画像処理パターンとしてのスクリーンパターンを複数のスクリーンパターンから選択する選択手段として機能する。
【0030】
図3Aは、画像処理装置100の制御構成を示す概略ブロック図である。操作部200は、画像処理装置100を制御するためのプログラムが書き込まれたROM、プログラムが展開されるRAM、かかるプログラムを実行するCPUなどを含む。操作部200はジョブ制御部301と接続し、操作部200で指示される内容がジョブ制御部301に通知される。ジョブ制御部301は、操作部200から通知された指示に応じてコピージョブやスキャンジョブなどのジョブを生成する。ジョブ制御部301は、原稿の画像を読み取るスキャナ102を制御する不図示のCPUとの通信I/F(Interface)であるスキャナ制御通信I/F306と接続する。また、ジョブ制御部301は、パソコンなどから送られてくるPDL画像データをビットマップ画像に展開する不図示のPDL画像制御部のCPUとの通信I/FであるPDL制御通信I/F307と接続する。更に、ジョブ制御部301は、PDL画像やスキャナ画像を図1に示す画像処理装置100の現像ユニットに送出する画像データを生成するまでの画像データを制御する画像制御部302と接続する。更に、ジョブ制御部301は、露光ユニットや現像ユニットの駆動を制御して画像を形成するプリント制御部311と接続する。このように、ジョブ制御部301は、画像処理装置100の全体を制御する。
【0031】
画像制御部302は、ジョブ制御部301で生成されたジョブに従って各画像関連の設定を行う。本実施形態において、画像制御部302は、画像セレクタ310を設定し、また、画像メモリ303に対して画像セレクタ310からの画像データを記憶する領域を設定する。画像セレクタ310は、揮発性のメモリからなる画像メモリ303に対して、PDL画像I/F308から送られるPDL画像データ及びスキャナ画像I/F309から送られるスキャナ画像のどちらの画像データを有効にするかを決める。また、画像制御部302は、HDDに代表されるような不揮発性のメモリで構成される画像蓄積部305の設定や画像メモリ303からのビットマップ画像データを圧縮して画像蓄積部305へ送り込む設定を行う。更に、画像制御部302は、画像蓄積部305からの圧縮画像データを伸長して画像メモリ303に戻す画像圧縮伸長部304の設定も行う。また、画像制御部302は、実際に画像データを現像して印字するために画像メモリ303からカラー画像データを読み出し、画像処理部314に送出する。画像処理部314は、画像メモリ303からの画像データに対して所望の画像処理を行う。画像処理部314は、複数の画像処理パターンとしてのスクリーンパターンを選択的に用いて画像処理を行う画像処理手段として機能する。
【0032】
プリント制御部311は、画像制御部302による各設定に従って、最終的に色分解部から送出される各色の画像データを受け取り、かかる画像データに基づいて各色のレーザ316を制御するための指示をプリント画像制御部313に送出する。また、プリント画像制御部313は、プリント制御部311からの指示に従って、画像データに対する感光体ドラム111の感度特性が反映されているLUT(LookUpTable)315の設定を行う。LUT315は、感光体ドラム111の感度特性の変化、レーザ露光量や1次帯電器112からの帯電量の変化によって所望の濃度が得られない場合に、入力される画像データに対して濃度を変化させ、所望の濃度が得られるように変換する機能を有する。なお、画像処理装置100は、各色ごとにLUT315を有する。LUT315を経由した画像データはレーザ316に出力され、現像器113〜116によって感光体ドラム111に潜像が形成される。
【0033】
また、プリント制御部311は、カラーセンサ152及びプリント画像制御部313を介して、画像処理部314が画像処理で用いる画像処理パターンとしてのスクリーンパターンに対して階調補正制御を行う。更に、プリント制御部311は、スクリーンパターンに対して階調補正制御を行った場合、どのスクリーンパターンに対していつ階調補正制御を行ったかを示す情報を判定部317に送る。
【0034】
プリント制御部311は、用紙搬送制御部312とプリント画像制御部313とを同期させ、給紙カセット133〜136から供給される記録紙に中間転写体118上のトナー画像を転写し、定着器145を介して、画像を形成するように制御する。
【0035】
また、プリント制御部311は、図1に示す再給紙経路141に配置されたカラーセンサ152から出力される記録紙のパッチ画像の濃度データを読み取る。
【0036】
判定部317は、操作部200及びプリント制御部311と接続し、操作部200によって選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する。具体的には、判定部317は、図3Bに示すようなデータベース317aを格納する記憶部を有し、データベース317aの情報を参照することによって判定を行う。判定部317は、プリント制御部311からの階調補正制御に関する情報に基づいて、データベース317aを作成する。データベース317aは、複数のスクリーンパターン毎に階調補正制御が実施されているか否か(階調補正制御)、階調補正制御がいつ実施されたか(実施日)、階調補正制御が実施されてからどれくらい経過しかか(経過時間)を示す情報を有する。図3Bに示すデータベース317aを参照するに、例えば、スクリーン1については階調補正制御が200×年×月△日に実施され、○○日経過していることがわかる。また、スクリーンパターン2については階調補正制御が実施されていないため、実施日及び経過時間の情報は書かれていない。データベース317aは、画像処理モード毎及び現像色毎に作成され、スクリーンパターンに対して階調補正制御が行われる度に書き換えられる。従って、判定部317は、データベース317aを参照することによって、選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われているか否かを判定することができる。また、判定部317は、データベース317bを参照することによって、選択されたスクリーンパターンに対して行われた前回の階調補正制御からの経過時間に応じて階調補正制御が必要か否かを判定することもできる。前回の階調補正制御から長時間が経過している場合、スクリーンパターンに対して行われた前回の階調補正制御の効果が劣化しており、画像の低下を招くことがある。従って、判定部317が前回の階調補正制御からの経過時間に応じて階調補正制御が必要か否かを判定するとよい。これにより、前回の階調補正制御からの経過時間が長くなることによって生じる画質の低下を防止することができる。なお、図3Bに示すデータベース317aが有する情報は一例であり、例えば、判定部317が階調補正制御の実施日から経過時間を算出する場合には、データベース317aは経過時間の情報を有していなくてもよい。また、データベース317aは、他の情報を更に有してもよい。ここで、図3Bは、判定部317の記憶部に格納されたデータベース317aの一例を示す図である。
【0037】
また、判定部317は、階調補正制御が行われているか否かの判定や階調補正制御が必要か否かの判定に基づいて、図3Cに示すようなデータベース317bを作成し、記憶部に格納する。データベース317bは、判定部317によって階調補正制御を実行すべきであると判定されたスクリーンパターンの情報を有する。データベース317bは、少なくとも現像色毎に階調補正制御を実行すべきスクリーンパターンの情報を有する。データベース317bは、画像処理モード毎に作成され、スクリーンパターンに対して階調補正制御が行われる度に書き換えられる(即ち、階調補正制御が行われたスクリーンパターンを消去する)。図3Cに示すデータベース317bを参照するに、例えば、イエローについては階調補正制御を実行すべきスクリーンパターンとしてスクリーン2が存在することがわかる。また、マゼンタについては階調補正制御を実行すべきスクリーンパターンが存在しないことがわかる。このように、データベース317bが階調補正制御を実行すべき複数のスクリーンパターンのリストを一時的に記憶することによって、複数のスクリーンパターンについて階調補正制御をまとめて実行することが可能となる。ここで、図3Cは、判定部317の記憶部に格納されたデータベース317bの一例を示す図である。
【0038】
図4は、画像処理システム1に含まれる画像処理装置100の再給紙経路141に配置されたカラーセンサ152を示す概略斜視図である。図4を参照して、記録紙400に形成されたパッチ画像410及び420の検知方法について説明する。カラーセンサ152は、図4に示すように、パッチ画像410を読み取るためのカラーセンサ152aと、パッチ画像420を読み取るためのカラーセンサ152bとで構成される。パッチ画像410及び420は、カラーセンサ152a及び152bによって読み取られるように記録紙400上の所定の位置に形成される。本実施形態では、図4に示す矢印の方向に記録紙400を搬送し、カラーセンサ152a及びカラーセンサ152bでパッチ画像410及び420を読み取る。
【0039】
図5は、記録紙400に形成されるパッチ画像410及び420の詳細な構成を示す図である。なお、図5(a)は、現像色のイエローのパッチ画像410Yとマゼンタのパッチ画像420Mが形成された記録紙400を示す。図5(b)は、現像色のシアンのパッチ画像410Cとブラックのパッチ画像420Bが形成された記録紙400を示す。パッチ画像410Y、420M、410C及び420Bは、カラーセンサ152による読み取りの基準となる黒のパッチ画像412Y、422M、412C及び422Bを有する。また、パッチ画像410Yは、イエローの各濃度を振った階調パッチ414Yを有し、パッチ画像420Mは、マゼンタの各濃度を振った階調パッチ424Mを有する。同様に、パッチ画像410Cは、シアンの各濃度を振った階調パッチ414Cを有し、パッチ画像420Bは、ブラックの各濃度を振った階調パッチ424Bを有する。
【0040】
これらのパッチ画像は、階調補正制御において、各濃度で形成される。階調補正制御は、一般に、複数のスクリーンパターンに対して行われ、各階調において異なる濃度のパッチ画像を形成する。本実施形態の画像処理装置100は、複数のスクリーンパターンを有するため、図5(a)に示すイエローのパッチ画像とマゼンタのパッチ画像、図5(b)に示すシアンのパッチ画像とブラックのパッチ画像を1つのスクリーンパターンに適用する。同様に、画像処理装置100が有する複数のスクリーンパターンの各々についてパッチ画像を形成し、かかるパッチ画像をカラーセンサ152で読み取ることで、複数のスクリーンパターンに対する階調補正制御を行うことができる。これらのパッチ画像は、図3に示す画像蓄積部305に格納されており、画像制御部302の指示によって、画像蓄積部305から出力されるパッチ画像が制御される。
【0041】
スクリーンパターンは、画像処理装置100が有する画像処理モードによって、その組み合わせが決まる。かかる組み合わせについて、図6A、図6B、図7A、図7B及び図8を参照して説明する。なお、図6A、図6B、図7A、図7B及び図8に示す各画面は、全て操作部200の表示部201に表示される。
【0042】
図6Aは、画像処理モードを決めるためのユーザモード設定画面600を示す図である。ユーザモード設定画面600は、共通モード設定ボタン601と、コピー機能設定ボタン602と、ボックス機能設定ボタン603と、プリント機能設定ボタン604とを含む。更に、ユーザモード設定画面600は、各種調整ボタン605と、ネットワーク設定ボタン606と、システム管理設定ボタン607と、閉じるボタン608とを含む。
【0043】
共通モード設定ボタン601は、画像処理装置100に共通するモードを設定するときに選択するボタンである。画像処理装置100に共通するモードの設定は、例えば、給紙カセット133〜136に載置されている記録紙のタイプ登録などを含む。コピー機能設定ボタン602は、コピーに関する機能を設定するときに選択するボタンである。コピーに関する機能の設定は、例えば、コピーした際の画像の向き(手前が上側になるのか、奥が上側になるのか)を決める画像向き優先設定や画像処理モードに対してスクリーンパターンを指定する画像処理モード設定などを含む。ボックス機能設定ボタン603は、画像を画像蓄積部305に格納しておくためのボックスを作成し、かかるボックスの容量などを決めたりするときに選択するボタンである。プリント機能設定ボタン604は、画像処理装置100がホストコンピュータからプリントアウトをする際、何も指定がされていない場合の動作を決めるときに選択するボタンである。各種調整ボタン605は、画像処理装置100の各種調整を行うときに選択するボタンである。画像処理装置100の各種調整は、例えば、1次帯電器112を清掃するためのモードを動作させるモードの調整などを含む。ネットワーク設定ボタン606は、画像処理装置100のネットワーク設定を行うときに選択するボタンである。ネットワーク設定は、例えば、IP(インターネットプロトコル)アドレスの設定などを行う。システム管理設定ボタン607は、画像処理装置100のネットワーク上の名称や管理者用パスワードなどを設定するときに選択するボタンである。閉じるボタン608は、ユーザモード設定画面600を抜けるときに選択するボタンである。
【0044】
図6Bは、ユーザモード設定画面600においてコピー機能設定ボタン602が選択されたときのコピー機能設定画面610を示す図である。コピー機能設定画面610は、画像処理モード設定ボタン611と、自動ソート設定ボタン612と、画像向き優先設定ボタン613と、スクロールボタン614と、閉じるボタン615とを含む。
【0045】
画像処理モード設定ボタン611は、画像処理モードにおけるスクリーンパターンの指定を行うときに選択するボタンである。自動ソート設定ボタン612は、ADF(AutoDocumentFeeder)170に原稿を載置した際にソートモードを自動的にONするか否かを決めるときに選択するボタンである。画像向き優先設定ボタン613は、原稿画像をコピーした際の画像の向き(手前が上側になるのか、奥が上側になるのか)を決めるときに選択するボタンである。スクロールボタン614は、画像処理モード設定ボタン611から画像向き優先設定ボタン613以外のコピー機能に関する設定を行うためのボタンを指定するときに選択するボタンである。閉じるボタン615は、コピー機能設定画面610を抜けて、ユーザモード設定画面600に戻るときに選択するボタンである。
【0046】
図7A及び図7Bを参照して、コピー機能設定画面610において画像処理モード設定ボタン611が選択されたときの画像処理モード設定画面及び各画像処理モードにおけるスクリーンパターンの設定について説明する。
【0047】
図7Aは、コピー機能設定画面610において画像処理モード設定ボタン611が選択されたときの画像処理モード設定画面700を示す図である。画像処理モード設定画面700は、複数の画像処理モードから1つの画像処理モードを選択するための画像処理モード選択タブを含む。かかる画像処理モード選択タブは、本実施形態では、文字写真地図モードタブ701、写真モードタブ702、印刷写真モードタブ703、文字モードタブ704を含む。即ち、画像処理装置100は、文字写真地図モード、写真モード、印刷写真モード及び文字モードの4つの画像処理モードを有し、画像処理の対象となる画像の属性に応じた画像処理モードで画像処理を行うことができる。また、選択手段としての操作部200はユーザの操作に応じて、画像処理モード毎に、現像色に応じた複数のスクリーンパターンのいずれかを選択する。図7Aにおいては、文字写真地図モードタブ701が選択されており、各現像色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に応じたスクリーンパターンが選択されている。図7Aでは、イエローのスクリーンパターンとして、選択ボックス705に示すようにスクリーン1が、マゼンタのスクリーンパターンとして、選択ボックス706に示すようにスクリーン2が選択されている。同様に、シアンのスクリーンパターンとしては、選択ボックス707に示すようにスクリーン4が、ブラックのスクリーンパターンとして、選択ボックス708にスクリーン6が選択されている。このように、選択ボックス705〜708は、各現像色において選択されているスクリーンパターンを示す。
【0048】
また、画像処理モード設定画面700は、確定ボタン709と、キャンセルボタン710とを含む。確定ボタン709は、画像処理モード設定画面700での設定を確定するときに選択するボタンである。キャンセルボタン710は、画像処理モード設定画面700での設定をキャンセルするときに選択するボタンである。なお、キャンセルボタン710が選択されると、コピー機能設定画面610に戻る。
【0049】
図7Bは、図7Aに示す画像処理モード設定画面700において文字写真地図モードが選択されると共に、イエローの選択ボックス705が選択された場合の画像処理モード設定画面720を示す図である。イエローに対して選択できるスクリーンパターンは、リスト表示部721に示すように、スクリーン1からスクリーン9まであり、スクリーン1乃至9のうちいずれか1つをボタン形式で選択可能となっている。即ち、リスト表示部721は、選択可能な複数のスクリーンパターンをリスト表示する。なお、リスト表示部721は、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンを、階調補正制御が行われたスクリーンパターンと識別可能に表示することもできる。例えば、リスト表示部721は、階調補正制御が行われたスクリーンパターンを白抜きで、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンを網掛けで表示する。画像処理モード設定画面720(リスト表示部721)において選択されたスクリーンパターンがイエローのスクリーンパターンとして設定される。1つの現像色に対してスクリーンパターン1乃至9のうちいずれか1つを選択すると、1つの現像色に対して1つのスクリーンパターンを示す画像処理モード設定画面700の表示に切り替わる。上述したように、確定ボタン709を選択することによって、その画像処理モードに対するスクリーンパターンを確定する。
【0050】
図8は、図7Bに示す画像処理モード設定画面720において階調補正制御が行われていないスクリーンパターンが選択された場合に表示される警告画面800を示す図である。操作部200の表示部201は、選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていないと判定部317によって判定された場合に、その旨(警告画面800)を通知する通知手段として機能する。スクリーンパターンが変更された場合、新しいスクリーンパターンの組み合わせとなることから、図5に示すパッチ画像の組み合わせが新規になる。従って、ユーザの操作によってスクリーンパターンが変更された場合、判定部317によって階調補正制御が行われたか否かを判定し、行われていない場合には操作部200の表示部201に警告画面800を表示する。また、前回の階調補正制御からの経過時間が長く、判定部317によって階調補正制御が必要であると判定された場合に、警告画面800と同様に、その旨を表示してもよい。
【0051】
警告画面800は、選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていない旨を示すメッセージ画面であり、階調補正制御実行ボタン803と、終了ボタン804とを有する。階調補正制御実行ボタン803及び終了ボタン804は、選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御を実施するのか否かを選択させるためのボタンである。階調補正制御を実行する場合には、階調補正制御実行ボタン803を選択することによって、選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が実行される。このように、階調補正制御実行ボタン803は、階調補正制御の指示を受け付ける表示手段として機能する。また、画像処理装置100は、ユーザが階調補正制御の指示を入力した場合に、選択したスクリーンパターンに対する階調補正制御を実行する実行手段を有する。選択したスクリーンパターンに対する階調補正制御を実行しない場合には、終了ボタン804を選択する。これにより、警告画面800が消去され、画像処理モード設定画面700に戻る。この場合、画像処理モード設定画面700における確定ボタン709は、例えば、網掛けとなり選択することができなくなる。なお、リスト表示部721において、網掛けで表示されたスクリーンパターン(即ち、階調補正制御が行われていないスクリーンパターン)を選択できないようにしてもよい。
【0052】
このように、本実施形態の画像処理装置100は、ユーザが選択したスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定し、階調補正制御が行われていない場合には、その旨を通知する。また、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンに対して階調補正制御を実行するように促す。これにより、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンを用いて画像処理を行うことを防止することができる。従って、画像処理装置100は、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンを用いて画像処理を行うことによる画質の低下を防止することができる。
【0053】
以下、図9を参照して、画像処理装置100の動作について説明する。ここでは、コピー機能設定画面610において、ユーザが画像処理モード設定ボタン611を選択した場合の画像処理装置100の動作(スクリーンパターンの変更処理)を説明する。
【0054】
図9を参照するに、画像処理モード設定ボタン611が選択された場合、ステップS901において、操作部200の表示部201は、対象となる画像処理モードのスクリーンパターンを表示する。具体的には、操作部200の表示部201は、図7Aに示すような画像処理モード設定画面700を表示する。次に、ステップS902において、操作部200は、画像処理モード選択タブが選択されたかどうかを判断する(ステップS902)。具体的には、操作部200は、文字写真地図モードタブ701、写真モードタブ702、印刷写真モードタブ703、文字モードタブ704のいずれかが選択されたかどうかを監視する。
【0055】
ステップS902において、画像処理モード選択タブが選択されたと判断した場合には、ステップS903で画像処理モードをステップS902で選択された画像処理モード選択タブに対応する画像処理モードに変更し、ステップS904に進む。一方、画像処理モード選択タブが選択されていないと判断した場合にはステップS904に進む。
【0056】
ステップS904では、操作部200は、スクリーンパターンを選択するための選択ボックス705〜708が選択されたかどうかを判断する。ステップS904において、選択ボックス705〜708が選択されたと判断した場合、ステップS905に進み、表示部201はリスト表示部721に選択可能なスクリーンパターンをリスト表示する。具体的には、表示部201は、図7Bに示すような画像処理モード設定画面720を表示する。次に、操作部200は、ステップS906において、スクリーンパターンが変更されたかどうかを判断する。具体的には、操作部200は、ステップS905でリスト表示部721に表示された複数のスクリーンパターンからスクリーンパターンが選択されたかどうかを監視する。
【0057】
ステップS906でスクリーンパターンが変更されたと判断した場合には、ステップS907に進み、ステップS906で選択されたスクリーンパターンに変更する。一方、ステップS906でスクリーンパターンが変更されていないと判断した場合には、スクリーンパターンが変更されたかどうかの判断を繰り返す。
【0058】
次に、ステップS908では、判定部317はステップS907で変更されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が実行済であるかどうかを判断する。具体的には、判定部317は、図3Bに示すようなデータベース317aを参照し、ステップS907で変更されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する。
【0059】
ステップS908において、ステップS907で変更されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が実行済であると判断した場合には、ステップS901に戻る。一方、ステップS907で変更されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が実行されていないと判断した場合には、ステップS909に進み、操作部200の表示部201が図8に示すような警告画面800を表示する。
【0060】
次に、ステップS909では、操作部200は、スクリーンパターンに対して階調補正制御を実行するか、又は、階調補正制御を実行せずに終了するかを判断する。具体的には、操作部200は、警告画面800において階調補正制御を実行する階調補正制御実行ボタン803が選択されたか、階調補正制御を実行せずに終了する終了ボタン804が選択されたかを監視する。
【0061】
ステップS910において、スクリーンパターンに対して階調補正制御を実行すると判断した場合には、ステップS911に進み、判定部317は階調補正制御を実行するスクリーンパターンを記憶する。具体的には、判定部317は、階調補正制御を実行するスクリーンパターンを図3Cに示すデータベース317bに書き込む。一方、スクリーンパターンに対して階調補正制御を実行しないで終了すると判断した場合には、ステップS901に戻る。なお、ステップS901乃至S911が繰り返されることによって、データベース317bには階調補正制御を実行すべき複数のスクリーンパターンが書き込まれる。
【0062】
ステップS904に戻って、選択ボックス705〜708が選択されていないと判断した場合、ステップS912に進み、操作部200は、画像処理モード設定画面700における確定ボタン709が選択されたかどうかを判断する。換言すれば、操作部200は、画像処理モードに対するスクリーンパターンが確定したかどうかを判断する。
【0063】
ステップS912において、確定ボタン709が選択されていないと判断した場合には、ステップS902に戻る。一方、確定ボタン709が選択されたと判断した場合には、ステップS913に進み、プリント制御部311が階調補正制御を実行するスクリーンパターンを読み出す。具体的には、プリント制御部311は、判定部317が作成したデータベース317bを読み出す。
【0064】
次いで、ステップS914では、プリント制御部311が、図5に示すようなパッチ画像を形成する。そして、ステップS915において、カラーセンサ152がステップS914で形成したパッチ画像を読み取り、かかる読取結果に基づいてプリント制御部311は階調を補正する。
【0065】
次いで、ステップS916では、プリント制御部311が、データベース317bに書き込まれた全てのスクリーンパターンに対して階調補正制御を実行したかどうかを判断する。全てのスクリーンパターンに対して階調補正制御を実行したと判断した場合には、スクリーンパターンの変更処理を終了し、全てのスクリーンパターンに対して階調補正制御を実行していないと判断した場合には、ステップS913に戻る。
【0066】
このように、本実施形態の画像処理装置100によるスクリーンパターン変更処理によれば、階調補正制御が行われていない旨の通知はスクリーンパターン毎に行い、階調補正制御は複数のスクリーンパターンについてまとめて実行することができる。
【0067】
以上、説明してきたように、本発明に係る画像形成装置は、判定部によって、操作部を介して選択されたスクリーンパターンに対して諧調補正制御が行われたか否かを判定する。判定部によって諧調補正制御が行われていないと判定した場合には、その旨を通知する警告画面を操作部の表示部に表示する。従って、諧調補正制御が行われていないスクリーンパターンであることを知らずに画像処理に用いてしまうことによって生じる画質の低下を防止することができる。また、諧調補正制御を実行する諧調補正実行ボタンを含む警告画面を表示することによって、諧調補正制御が行われていないスクリーンパターンに対して諧調補正制御を実行することを促すことができる。更に、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンと、階調補正制御が行われたスクリーンパターンとを識別可能にリスト表示部に表示することによって、階調補正制御が行われていないスクリーンパターンが選択されることを防止することが可能となる。
【0068】
また、本発明に係る画像形成装置は、判定部によって、操作部を介して選択されたスクリーンパターンに対して行われた前回の階調補正制御からの経過時間に応じて階調補正制御が必要か否かを判定する。判定部が階調補正制御が必要であると判定した場合には、その旨を通知する警告画面を操作部の表示部に表示する。従って、前回の諧調補正制御から長時間が経過し、階調補正制御の効果が劣化したスクリーンパターンを画像処理に用いてしまうことによって生じる画質の低下を防止することができる。
【0069】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0070】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0072】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDDVD−ROM,DVD−Rなどがある。
【0073】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、もしくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範囲に含まれる。
【0074】
また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0075】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0076】
更に、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、スクリーンパターンが選択された場合に、かかるスクリーンパターンに対する階調補正制御が行われたか否かを判定すると共に、前回の階調補正制御が行われてからの経過時間に応じて階調補正制御を行う必要があるか否かを判定してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスクリーンパターンを選択的に用いて画像処理を行う画像処理手段と、
ユーザの操作に応じて前記複数のスクリーンパターンから1つのスクリーンパターンを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていないと判定された場合に、階調補正制御の実行を指示するためのボタンを表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記選択手段によって選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていない旨を示すメッセージ画像を表示することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、画像処理の対象となる画像の属性に応じた複数の画像処理モードで画像処理を行い、
前記選択手段は、前記画像処理モード毎に、前記複数のスクリーンパターンのいずれかを選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記選択手段によって選択されたスクリーンパターンに対して行われた前回の階調補正制御からの経過時間を算出して、前記経過時間に応じて階調補正制御が必要か否かを判定し、
前記表示手段は、前記判定手段によって階調補正制御が必要であると判定された場合に、その旨を通知することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記複数のスクリーンパターンをリスト表示するとともに、
前記判定手段によって階調補正制御が行われていないと判定されたスクリーンパターンを、階調補正制御が行われたスクリーンパターンと識別可能に表示することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数のスクリーンパターンを選択的に用いて画像処理を行う画像処理装置の制御方法であって、
選択手段が、ユーザの操作に応じて前記複数のスクリーンパターンから1つのスクリーンパターンを選択する選択ステップと、
判定手段が、前記選択ステップで選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われたか否かを判定する判定ステップと、
表示手段が、前記判定ステップで前記選択されたスクリーンパターンに対して階調補正制御が行われていないと判定された場合に、階調補正制御の実行を指示するためのボタンを表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載の制御方法の各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−10359(P2012−10359A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164763(P2011−164763)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【分割の表示】特願2006−350493(P2006−350493)の分割
【原出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】