説明

画像処理装置及び方法

【課題】 画像データの広範囲な領域の適切な属性判定をおこなう。
【解決手段】 カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号が原稿読取部から入力された前記第1の輝度信号に対して係数を各輝度信号に対して個別に設定し、これら係数を各輝度信号と乗算して得られた第2の輝度信号に基づいて、注目画素の色属性が画素属性判別部102で判定される。主制御部103において、カラー多値画像における64ラインのバンドを主走査方向に8分割して得られるブロック内の32ラインについて、色属性の配列に従って判定される配列属性を計数し、判定された色属性を計数する。計数された計数値に基づいて、当該ブロックの画像特徴を示すパラメータを算出し、得られた計数値とパラメータに応じて判定したブロックの画像属性に基づいてバンドの画像属性を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録部にインクジェット方式を用いた画像形成装置において、ブラック(Bk)画像形成用のヘッドとして、他のカラー画像形成用ヘッドよりも長尺のものを採用したものが知られている。この画像形成装置においては、原稿をライン単位でモノクロ領域かカラー領域かが判断され、モノクロ領域と判断されたライン群については、この長尺のブラック画像形成用のヘッドにより画像形成され、これにより、カラー画像であっても画像品位を損なうことなく、一度に画像形成することができる範囲を広げることができ、記録速度を向上させることができる(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003-237191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、読取部で読み取られた輝度信号は、そのまま画像処理されていたので、読取部で生じるリニアリティのずれによって、本来、モノクロと判別されなければならないライン群がカラーと判別されて、カラー用のヘッドにより画像形成され、このため、黒が混在するカラー原稿の画像形成に時間がかかっていた。
【0005】
また、本来、白であるはずの領域についても、同様にして、ライン群がカラーと判別された場合には、画像全体に色がかぶってしまい、色味が変化した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号を入力する入力手段と、該入力手段により入力された第1の輝度信号のリニアリティのずれを補正して第2の輝度信号を得る補正手段と、該補正手段による補正により得られた第2の輝度信号に基づいて画素ごとに色属性を判定する色属性判定手段と、該色属性判定手段により判定された色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分記憶する記憶手段と、前記カラー多値画像を、副走査方向に、所定数のラインよりなる第1のライン群に分割し、該第1のライン群をさらに主走査方向に複数個のブロックに分割し、各ブロックに属する第1のライン群から所定数のラインよりなる第2のライン群を抽出し、前記記憶手段内における前記色属性の配列に従って配列属性を判定し、各配列属性の数を計数する第1の計数手段と、前記色属性判定手段により判定された前記色属性を有する画素数を、前記ブロックについて計数する第2の計数手段と、前記第1及び第2の計数手段により係数された計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出手段と、前記第1及び第2の計数手段による計数値と、前記算出手段で算出されたパラメータとに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定手段と、前記ブロック属性判定手段による判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明において、リニアリティ補正手段は、前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することにより、所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算手段を有することができる。
【0008】
請求項1又は2の発明において、ライン属性判定手段による第1のライン群についての判定結果と、所定の第2のライン群についての判定結果とに基づいて、第1のライン群と第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定手段をさらに備えることができる。
【0009】
請求項1ないし3のいずれかの発明において、色属性判定手段は、前記画素が白画素であるか否かを判定する白画素判定手段と、前記画素が黒画素であるか否かを判定する黒画素判定手段と、前記画素がカラー画素であるか否かを判定するカラー画素判定手段とを備えることができる。
【0010】
請求項4の発明において、白画素判定手段は、第2の輝度信号を所定の閾値と比較することによって、前記画素が白画素であるか否かを判定することができる。
【0011】
請求項4の発明において、黒画素判定手段は、第2の輝度信号と所定の閾値との比較結果及び第2の輝度信号の色成分間における差分値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記画素が黒画素であるか否かを判定することができる。
【0012】
請求項4の発明において、カラー画素判定手段は、当該画素について、前記白画素判定手段により白画素でないと判定され、かつ前記黒画素判定手段により黒画素でないと判定された場合に、当該画素をカラー画素であると判定し、前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素が、前記色属性判定手段によってカラー画素であると判定されている場合に、注目画素の色属性を連続カラー画素と判定し、前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素が、前記色属性判定手段によってカラー画素であると判定されていない場合に、該注目画素の色属性を単体カラー画素と判定することができる。
【0013】
請求項7の発明において、記憶手段は、前記カラー多値画像における所定のラインについて、画素ごとの色属性を保持するライン保持手段と、前記ライン保持手段に保持された前記ラインについての画素ごとの色属性と、該ラインの副走査方向の次ラインについての画素ごとの色属性をウインドウ形式で記憶するウインドウ記憶手段とを備えることができる。
【0014】
請求項8の発明において、ウインドウ記憶手段は、主走査方向がM(Mは正整数)画素、副走査方向が2画素によって構成される第1のウインドウ形式で前記画素ごとの色属性を記憶する第1のウインドウ記憶手段と、主走査方向がN(Nは正整数)画素、副走査方向が2画素によって構成される第2のウインドウ形式で前記画素ごとの色属性を記憶する第2のウインドウ記憶手段とを備えることができる。
【0015】
請求項9の発明において、第1の計数手段は、第1のウインドウ記憶手段において、注目画素がカラー画素であって、前記注目画素に対して少なくとも1つの黒画素が隣接する場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第1の配列属性数を得る第1の配列属性計数手段と、第2のウインドウ記憶手段において、両端4画素を除くウインドウ領域でカラー画素が縦方向に連続し、かつ、両端4画素を含めたウインドウ領域内に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第2の配列属性数を得る第2の配列属性計数手段と、第2のウインドウ記憶手段において、主走査方向がI画素、副走査方向が2画素のウインドウ領域内に前記連続カラー画素が存在する場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第3の配列属性数を得る第3の配列属性計数手段と、第1のウインドウ記憶手段において、前記注目画素がカラー画素であって、該カラー画素の周囲に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第4の配列属性数を得る第4の配列属性計数手段とを備えることができる。
【0016】
請求項10の発明において、第2の計数手段は、黒画素判定手段によって黒画素と判定された画素を前記第2のブロックごとに計数して黒画素計数値を得る第5の配列属性計数手段を備えることができる。
【0017】
請求項10の発明において、算出手段は、第1の配列属性数と第2の配列属性数との比率を用いて第1のパラメータを得る第1の演算手段と、第4の配列属性数と黒画素計数値との比率を用いて第2のパラメータを得る第2の演算手段とを備えることができる。
【0018】
請求項1の発明において、ブロック属性判定手段は、第1及び第2の計数手段による計数値及び算出手段で算出された前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータのそれぞれについて所定の閾値と比較することによって、前記第1のブロックの画像属性を判定することができる。
【0019】
請求項3の発明において、ライン属性判定手段は、ブロック属性判定手段によって判定された結果に応じて、前記第1のライン群の画像属性がモノクロか否かを判定することができ、最終判定手段は、前記第1のライン群及び第2のライン群の画像属性がいずれもモノクロと判定された場合、共通して含まれる前記第3のライン群の画像属性をモノクロと判定することができる。
【0020】
請求項3の発明において、前記第1のライン群と前記第2のライン群は、同一のライン数とすることができる。
【0021】
請求項15の発明において、前記第3のライン群は、前記第1のライン群及び前記第2のライン群の半分のライン数とすることができる。
【0022】
請求項3の発明において、最終判定手段によって判定された前記第3のライン群の画像属性に応じた画像処理を該第3のライン群に対して施す画像処理手段をさらに備えることができる。
【0023】
請求項4の発明において、所定ライン単位で前記カラー多値画像の記録を行う画像記録手段をさらに備えることができ、該所定ライン単位は、前記第3のライン群と同一のライン数とすることができる。
【0024】
請求項18の発明において、画像記録手段は、インクジェット方式によるモノクロヘッド及びカラーヘッドを備えることができ、モノクロヘッドは、カラーヘッドよりも長尺とすることができる。
【0025】
請求項20の発明は、カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号のリニアリティのずれを補正して第2の輝度信号を得る補正ステップと、該補正ステップによる補正により得られた第2の輝度信号に基づいて画素ごとに色属性を判定する色属性判定ステップと、該色属性判定ステップにより判定された前記色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分を所定の記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記カラー多値画像を、副走査方向に、所定数のラインよりなる第1のライン群に分割し、該第1のライン群をさらに主走査方向に複数個のブロックに分割し、各ブロックに属する第1のライン群から所定数のラインよりなる第2のライン群を抽出し、前記記憶手段内における前記色属性の配列に従って配列属性を判定し、各配列属性の数を計数する第1の計数ステップと、前記色属性判定ステップにより判定された前記色属性を有する画素数を、前記ブロックについて計数する第2の計数ステップと、前記第1及び第2の計数ステップにより係数された計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出ステップと、前記第1及び第2の計数ステップにより係数された計数値と、前記算出ステップで算出されたパラメータとに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定ステップと、前記ブロック属性判定ステップによる判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定ステップとを有することを特徴とする。
【0026】
請求項20の発明において、リニアリティ補正ステップは、第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することにより、所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算ステップを有することができる。
【0027】
請求項20又は21の発明において、ライン属性判定ステップによる第1のライン群についての判定結果と、所定の第2のライン群についての判定結果とに基づいて、前記第1のライン群と前記第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定ステップをさらに有することができる。
【0028】
請求項20ないし22の発明において、色属性判定ステップは、画素が白画素であるか否かを判定する白画素判定ステップと、前記画素が黒画素であるか否かを判定する黒画素判定ステップと、前記画素がカラー画素であるか否かを判定するカラー画素判定ステップとを有することができる。
【0029】
請求項22又は23の発明において、カラー画素判定ステップは、前記白画素判定ステップ及び前記黒画素判定ステップのいずれにおいても否と判定された場合に前記画素をカラー画素であると判定することができ、該カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素は、前記色属性判定ステップによってカラー画素であると判定されている場合に、注目画素の色属性を連続カラー画素と判定し、前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素は、前記色属性判定ステップによってカラー画素であると判定されていない場合に、該注目画素の色属性を単体カラー画素と判定することができる。
【0030】
請求項25の発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号に基づいて前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することで所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算手順と、前記第2の輝度信号に基づいて前記画素の色属性を判定する色属性判定手順と、該色属性判定手順により判定された前記色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分を所定の記憶装置に記憶する記憶手順と、前記カラー多値画像における所定の第1のライン群を主走査方向に分割して得られる第1のブロック内の所定ライン数の第2のブロックについて、前記記憶装置内における前記色属性の配列に従って判定される配列属性を計数する第1の計数手順と、前記色属性判定手順により判定された前記色属性を、前記第2のブロックについて計数する第2の計数手順と、前記第1及び第2の計数手順による計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出手順と、前記第1及び第2の計数手段による計数値及び前記算出手順で算出されたパラメータに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定手順と、前記ブロック属性判定手順による判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定手順と、前記ライン属性判定手順による前記第1のライン群についての判定結果と所定の第2のライン群についての判定結果に基づいて、前記第1のライン群と前記第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定手順とを実行させる。
【0031】
請求項26の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項25に記載のコンピュータプログラムを記録してある。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡易な構成で、画像データの広範囲な領域の適切な属性判定を可能とし、高画質な画像形成を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す。これは、画像処理装置の例である。図1に示すように、本画像処理装置は、原稿読取部101と、画素属性判別部102と、主制御部(CPU)103と、画像処理部105とが、バスを介して相互に接続されている。
【0034】
原稿読取部101は、CCDやCIS(コンタクトイメージセンサ)により、原稿のカラー画像データ、すなわち赤(以下「R」と称す。)、緑(以下「G」と称す。)、青(以下「B」と称す。)の多値画像データの読み取りを行って画素ごとの輝度信号を得るものである。コンシューマ向けのCCDやCISでは図7のように輝度成分ごとにリニアリティのズレが生じることがあり、リニアリティのズレが生じると、グレー画像を読み取ってもRGBの輝度成分が同じ値で出力されないので、後述する画素属性判別部102において、本来グレー画像であるものがカラー画像と判別されてしまう。
【0035】
このリニアリティのズレを低減させるため、原稿読取部101によって読み取られたRGBそれぞれの輝度信号データは、係数演算部106に送られる。係数演算部106では、あらかじめ設定されている係数を輝度成分ごとに所定の輝度信号レベルになるように乗算して、得られた輝度信号を画素属性判別部102に送る。
【0036】
具体的には、プレスキャン時において原稿の下地を読み込む際に、入力される輝度データが、256階調で、RGBそれぞれ、R=228、G=241、B=252の輝度値が得られるCCDやCISであれば、乗算する係数値をそれぞれ、Kr=1.12、Kg=1.06、Kb=1.01と設定しておき、得られた輝度値に係数値を乗算すると、R=255、G=254、B=255の値が得られる。
【0037】
こうした処理を輝度信号に施すことでR、G、Bの輝度データをフラットにして白レベルのバランスを調整することで、本来白であるエリアを多くすることができる。
【0038】
次に、画素属性判別部102は、原稿読取部101によって読み取られたカラー画像データを所定の閾値と比較することにより、画素ごとに属性を判定し、属性ごとに計数する。
【0039】
主制御部103は、システムバスを介して本画像処理装置全体を制御し、画素属性判別部102によって計数された属性別計数値を用いて属性の判定を行う。また、主制御部103は、記憶部104に接続されている。記憶部104は、主制御部103が所定ライン分の判定を行う際に使用される。画像処理部105は、主制御部103において判定された判定結果を受け、高画質処理を行う。
【0040】
図2は、図1の画素属性判別部102の詳細な構成を示すブロック図である。図2において、レジスタ201〜209は、画素属性判別部102において、原稿読取部101により読み取られたカラー画像データの属性を、画素ごとに判定するために必要なパラメータ等を格納したDフリップフロップ(DFF)等により構成され、主制御部103により所定の閾値が設定される。
【0041】
また、WTHRと、WTHGと、WTHBは、原稿読取部101により入力される各画素データが、白画素であるか否かの判定を行うための閾値設定レジスタである。そして、WTHRには、原稿読取部101により入力される画素データのR信号レベルの白画素判定に関する判定レベルが記憶されている。同様に、WTHGには、G信号レベルの白画素判定に関する判定レベルが、WTHBには、B信号レベルの白画素判定に関する判定レベルが記憶されている。
【0042】
さらに、BTHR、BTHG、BTHB、DRG、DGB、及びDRBは、原稿読取部101により入力される各画素データが黒画素であるか否かの判定を行うための閾値設定レジスタである。そして、BTHRには、原稿読取部101により入力される画素データのR信号レベルの黒画素判定に関する判定レベルが記憶されている。同様に、BTHGには、G信号レベルの黒画素判定に関する判定レベルが、BTHBには、B信号レベルの黒画素判定に関する判定レベルが記憶されている。
【0043】
一方、DRGは、原稿読取部101により入力される画素データが黒画素であるか否かの判定を行うための閾値設定レジスタであり、R信号レベルとG信号レベルの差分の絶対値に関する閾値が設定されている。同様に、DGBには、G信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値に関する閾値が設定され、DRBには、R信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値に関する閾値が設定されている。
【0044】
原稿読取部101により読み取られたカラー画像データは、各画素の信号成分ごとに上記閾値設定レジスタに記憶されている閾値との比較が行われる。すなわち、白画素判定に関しては、比較器213により入力画素データのR信号レベルがWTHRで設定された閾値と比較される。そして、比較器213は、入力画素のR信号レベルがWTHRで設定された所定の閾値よりも大きい場合、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。
【0045】
同様に、入力画素データのG信号レベルは、比較器214によりWTHGで設定された閾値と比較され、入力画素データのB信号レベルは、比較器215により、WTHBで設定された閾値と比較される。それぞれがWTHG、WTHBで設定された所定の閾値よりも大きい場合、比較器214及び比較器215は、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。これによって、入力画素データが白画素であるか否かを判定することができる。
【0046】
一方、黒画素判定に関しては、まず、比較器216により、入力画素データのR信号レベルがBTHRで設定された閾値と比較される。そして、比較器216は、入力画素のR信号レベルがBTHRで設定された所定の閾値よりも小さい場合、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。同様に、入力画素データのG信号レベルは、比較器217によりBTHGで設定された閾値と比較され、入力画素データのB信号レベルは、比較器218によりBTHBで設定された閾値と比較される。それぞれがBTHG、BTHBで設定された閾値よりも小さい場合、比較器217及び比較器218は、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。
【0047】
さらに、黒画素判定に関しては、比較器219、比較器220及び比較器221により、入力画素データのR信号レベル、G信号レベル及びB信号レベルそれぞれの差分の絶対値を用いた判定が行われる。すなわち、減算器210により入力画素データのR信号レベルとG信号レベルの差分の絶対値を算出する。そして、DRGで設定された黒画素判定に関するR信号レベルとG信号レベルの差分の絶対値に関する閾値と比較される。比較器219は、減算器210による演算結果がDRGで設定された閾値よりも小さい場合、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。
【0048】
同様にして、比較器220は、減算器211による入力画素データのG信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値の算出結果と、DGBで設定された黒画素判定に関するG信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値に関する閾値と比較を行う。そして、減算器211による演算結果がDGBで設定された閾値よりも小さい場合、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。また、比較器221は、減算器212による入力画素データのR信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値の算出結果と、DRBで設定された黒画素判定に関するR信号レベルとB信号レベルの差分の絶対値に関する閾値と比較を行う。そして、減算器212による演算結果がDRBで設定された閾値よりも小さい場合、条件を満たす信号(「Hiレベル」)を出力する。このように、各色成分間の差分の絶対値が所定の閾値よりも小さい場合に条件を満たすようにすることで、グレー等の無彩色等も黒画素と判定することが可能となる。
【0049】
次に、入力画素データの白、黒、カラー画素判定に関して説明する。
白画素判定部222は、比較器213〜215の出力信号を基に入力画素の白画素判定を行う。具体的には、接続される比較器213〜215の全ての出力が条件を満たす信号(「Hiレベル」の信号)である場合に入力画素を白画素であると判定し、判定信号を出力する。
【0050】
黒画素判定部223は、比較器216〜221の出力信号を基に入力画素の黒画素判定を行う。具体的には、接続される比較器216〜221の全ての出力が条件を満たす信号(「Hiレベル」の信号)である場合に入力画素を黒画素であると判定し、判定信号を出力する。黒画素計数部231は、黒画素判定部223の出力信号を受け、黒画素数を計数する。
【0051】
入力画素データのカラー画素の判定は、白画素判定部222の出力信号及び黒画素判定部223の出力信号を参照して行われる。すなわち、白画素判定部222及び黒画素判定部223による出力がいずれも条件を満たす信号(「Hiレベル」)でない場合、入力画素データをカラー画素と判定し、判定信号を出力する。上述したように、入力された画素データは、白、黒又はカラー画素のいずれかに判定することができる。
【0052】
すなわち、本実施の形態に係る画像処理装置における画素属性判別部102は、注目画素が白画素であるか否かを判定する白画素判定部222と、当該画素が黒画素であるか否かを判定する黒画素判定部223と、当該画素がカラー画素であるか否かを判定するカラー画素判定部224とを備えたことを特徴とする。
【0053】
また、本実施の形態に係る画像処理装置は、白画素判定部222が、入力された輝度信号を所定の閾値と比較することによって、注目画素が白画素であるか否かを判定することを特徴とする。さらに、黒画素判定部223が、入力された輝度信号と所定の閾値との比較結果及び輝度信号の色成分間における差分値と所定の閾値との比較結果に基づいて、注目画素が黒画素であるか否かを判定することを特徴とする。
【0054】
次に、注目画素の画素属性分類方法について説明する。白画素判定部222、黒画素判定部223、及びカラー画素判定部224による判定結果は、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226に入力される。さらに、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226にはメモリ232が接続されている。なお、メモリ232は、入力1画素当たり2ビット分であって主走査方向画素数分の記憶容量を有する。
【0055】
図3は、小ウインドウ処理部225における処理用のウインドウ構成を示す図である。また、図4は、大ウインドウ処理部226における処理用のウインドウ構成を示す図である。図3及び図4に示すように、本実施形態では、小ウインドウ処理部225において主走査方向3画素、副走査方向2画素のウインドウサイズを適用して処理を行う。また、大ウインドウ処理部226において主走査方向32画素、副走査方向2画素のウインドウサイズを適用する。
【0056】
図3において、符号301〜306は、それぞれ入力画素に対応する判定結果を保持するレジスタを示しており、画素データが入力されるタイミングで各ラインごと後段のレジスタに記憶データがシフトするシフトレジスタにより構成される。すなわち、画素データが入力されるタイミングで、レジスタ301の記憶データはレジスタ302に記憶され、レジスタ304の記憶データはレジスタ305に記憶される。
【0057】
図4においても図3と同様に、符号401〜464は、それぞれ入力画素に対応する判定結果を保持するレジスタを示しており、画素データが入力されるタイミングで各ラインごと後段のレジスタに記憶データがシフトするシフトレジスタにより構成される。すなわち、画素データが入力されるタイミングで、レジスタ401の記憶データはレジスタ402に記憶され、レジスタ433の記憶データはレジスタ434に記憶される。
【0058】
また、レジスタ301及びレジスタ401には、メモリ232から得られる前ラインの画素の判定結果が記憶され、レジスタ304及びレジスタ433には、入力画素の判定結果が記憶される。
【0059】
すなわち、本実施の形態に係る画像処理装置内で、カラー多値画像における所定のラインについて、画素ごとの色属性を保持し、保持されたラインについての画素ごとの色属性と、当該ラインの副走査方向の次ラインについての画素ごとの色属性をウインドウ形式で記憶することを特徴とする。
【0060】
また、本実施の形態に係る画像処理装置では、メモリ232内に、主走査方向がM画素、副走査方向が2画素によって構成される第1のウインドウ形式で画素ごとの色属性を記憶するとともに、主走査方向がN画素、副走査方向が2画素によって構成される第2のウインドウ形式で画素ごとの色属性を記憶することを特徴とする。なお、本実施形態では、Mが3、Nが32の場合について示している。
【0061】
小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226における注目画素の画素属性判定はそれぞれ、図3及び図4に示すように、前ラインの各画素の判定結果と現読み取りラインの画素判定結果に基づいて行われる。
【0062】
メモリ232より読み取られた判定結果データは、レジスタ301及びレジスタ401に記憶されてしまうとその後は不要になるため、その判定結果データの記憶されていたメモリ232のアドレスには、入力画素の判定結果が新しく記憶される。従って、前ラインの判定結果を保持するメモリ232としては、入力原稿画像データの1ライン分の主走査方向画素数分の容量が最低限備わっていればよい。
【0063】
また、レジスタ301〜306、レジスタ401〜464及びメモリ232の記憶データは、処理原稿単位或いは処理ライン単位で白画素判定結果に初期化される。また、図3において黒で示したレジスタ305が、判定の対象となる注目画素の判定データに相当する。
【0064】
図3及び図4に示す各レジスタに記憶されるデータは、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226に入力される画素が白画素である場合、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226は、入力画素が白画素であることを示す2ビットデータをレジスタに記憶する。ここで本実施形態においては、入力画素が白画素であることを示すデータを「11」とする。
【0065】
また、入力画素が黒画素である場合、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226は、入力画素が黒画素であることを示す2ビットデータをレジスタに記憶する。ここで本実施形態においては、入力画素が黒画素であることを示すデータを「00」とする。
【0066】
さらに、入力画素がカラー画素である場合、小ウインドウ処理部225及び大ウインドウ処理部226は、入力画素がカラー画素であることを示す2ビットデータをレジスタに記憶する。ここで本実施形態においては、入力画素がカラー画素であることを示すデータを「10」又は「01」とする。すなわち、入力画素の前ラインの画素判定結果がカラー画素である場合は連続カラー画素判定を示す「01」、入力画素の前ラインの画素判定結果が白画素もしくは黒画素の場合は単体カラー画素判定を示す「10」がレジスタに記憶される。このように、本実施の形態では、入力画像データが単にカラー画素であるか否かを判定するだけでなく、当該カラー画素が連続カラー画素又は単体カラー画素のいずれであるかを判定することが可能である。
【0067】
すなわち、本実施の形態に係る画像処理装置では、カラー画素判定部224が、白画素判定部222及び黒画素判定部223のいずれにおいても否と判定された場合に注目画素をカラー画素であると判定し、当該カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素がカラー画素であると判定されている場合に、注目画素の色属性を連続カラー画素と判定し、当該カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素がカラー画素であると判定されていない場合に、注目画素の色属性を単体カラー画素と判定することを特徴とする。
【0068】
次に、エッジカラー計数部228における処理について説明する。エッジカラー計数部228は、小ウインドウ処理部225によって黒文字に付随するカラー画素を検出して計数する。具体的には、小ウインドウ処理部225に画素データが入力されたタイミングにおいて、注目画素についてのレジスタ305には、カラー画素判定結果を示す「10」又は「01」のいずれかが記憶されている。そして、注目画素の周囲、すなわち、レジスタ301〜304及びレジスタ306のいずれかに黒画素判定を示す「00」が記憶されていた場合、小ウインドウ処理部225はエッジカラー計数部228に信号を出力する。エッジカラー計数部228はその出力信号を受け、エッジカラー数を計数する。
【0069】
次に、孤立カラー計数部227における処理について説明する。孤立カラー計数部227は、小ウインドウ処理部225によって黒文字に付随しないカラー画素を検出して計数する。具体的には、小ウインドウ処理部225に画素データが入力されたタイミングにおいて、注目画素についてのレジスタ305にはカラー画素判定結果を示す「10」又は「01」が記憶されている。そして、注目画素の周囲、すなわち、レジスタ301〜304及びレジスタ306のいずれにも黒画素判定を示す「00」が記憶されていない場合、小ウインドウ処理部225は孤立カラー計数部227に信号を出力する。孤立カラー計数部227はその出力信号を受け、カラー画素数を計数する。
【0070】
次に、Vカラー計数部230における処理について説明する。Vカラー計数部230は、大ウインドウ処理部226によってカラーの縦罫線を検出して計数する。具体的には、大ウインドウ処理部226に画素データが入力されたタイミングで、両端のレジスタ(レジスタ401、432、433、464)を除くレジスタにおいて、カラー画素判定結果を示す「10」又は「01」が記憶されているレジスタが縦に連続しており(例えば、レジスタ416と448)、かつ、両端のレジスタを含む全レジスタにおいて、黒画素判定結果を示す「00」が記憶されているレジスタが1つもない場合、大ウインドウ処理部226はVカラー計数部230に信号を出力する。Vカラー計数部230はその出力信号を受け、Vカラー数を計数する。
【0071】
また、ブロックカラー計数部229は、大ウインドウ処理部226によって広い領域に亘るカラー画素を検出して計数する。具体的には、Vカラー計数部230と同様のタイミングにおいて、全レジスタにおいて、連続カラー画素判定結果を示す「01」が16×2画素以上の領域で記憶されている場合(例えば、レジスタ410〜425及びレジスタ442〜457に「01」が記憶されている場合)、大ウインドウ処理部226はブロックカラー計数部229に信号を出力する。ブロックカラー計数部229はその出力信号を受け、ブロックカラー数を計数する。なお、本実施形態では、一例として上記領域を16×2画素としたが、これ以外の大きさの領域であっても同様に本発明を適用することが可能である。
【0072】
すなわち、本実施の形態に係る画像処理装置内の画素属性判別部102には、小ウインドウ処理部225において注目画素がカラー画素であって、注目画素に対して少なくとも1つの黒画素が隣接する場合のウインドウ数を第2のブロックごとに計数して第1の配列属性数を得るエッジカラー計数部228と、大ウインドウ処理部226において、両端4画素を除くウインドウ領域でカラー画素が縦方向に連続し、かつ、両端4画素を含めたウインドウ領域内に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を第2のブロックごとに計数して第2の配列属性数を得るVカラー計数部230と、大ウインドウ処理部226において、主走査方向がI画素、副走査方向が2画素のウインドウ領域内に連続カラー画素が存在する場合のウインドウ数を第2のブロックごとに計数して第3の配列属性数を得るブロックカラー計数部229と、小ウインドウ処理部225において、注目画素がカラー画素であって、当該カラー画素の周囲に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を第2のブロックごとに計数して第4の配列属性数を得る孤立カラー計数部227とを備えたことを特徴とする。
【0073】
主制御部103は、画素属性判別部102内の上述したそれぞれの計数部において計数された計数結果を用いて、所定の領域がモノクロ画像であるかカラー画像であるかを判定する。ここで本実施形態では、副走査方向64ライン分の領域を「1バンド」とし、かつ、主走査方向を8分割し、分割した領域を「1ブロック」として、そのブロックごとに判定を行うものとする。なお、本発明の適用は、判定バンド単位を副走査方向64ラインに限らず、64ラインよりも広い領域又は狭い領域であっても同様に可能である。また、主走査方向の分割数も8分割に限られず、8分割よりも多い分割数又は少ない分割数により判定を行ってもよい。
【0074】
図5は、主制御部103における1バンド単位の判定処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、画素属性判別部102内の各計数部においてバンドを構成する全64ラインの1/2、すなわち32ライン分が計数されたタイミングで、主制御部103は、ブロックごとにそれらの計数値を読み取り、各計数部の値をリセットする(ステップS101)。すなわち、本実施形態では32ライン分が計数されたタイミングで各計数部が初期化される。ここで、記憶部104には、現在計数された32ラインの前32ライン分の計数値が記憶されている。なお、本実施の形態における各計数値の読み取りタイミングは、バンド構成の半分のライン数ごとに限定されるものではなく、それ以上又はそれ以下のライン数であってもよい。
【0075】
次に、ブロックごとに記憶部104に記憶されている前32ライン分の計数値と、各計数部から読み取った現32ライン分の計数値とを加算することにより、64ライン分の黒、白及びカラー画素計数値を算出する(ステップS102)。なお、この加算演算の終了後、記憶部104はブロックごとに現32ライン分の計数値を記憶する。
【0076】
次に、Vカラー計数値とエッジカラー計数値に基づいて、
(Vカラー率) = (Vカラー数)/(エッジカラー数) …(1)
の演算を行って、Vカラー率を求める(ステップS103)。このVカラー率が1に近いブロックは、文字領域であると考えられる。
【0077】
また、ステップS104においては、孤立カラーの計数値と黒画素の計数値に基づいて、
(カラー率) = (孤立カラー数)/(黒画素数) …(2)
の演算を行って、カラー率を求める(ステップS104)。このカラー率の大きいバンドには、広い領域のカラー画像が存在すると考えられる。
【0078】
すなわち、本実施の形態は、主制御部103が、黒画素判定部223によって黒画素と判定された画素を第2のブロックごとに計数して黒画素計数値を得ることを特徴とする。また、本実施の形態に係る画像処理装置は、主制御部103が、エッジカラー数とVカラー数との比率を用いて第1のパラメータを得、孤立カラー数と黒画素数との比率を用いて第2のパラメータを得ることを特徴とする。
【0079】
主制御部103は、上述したように32ラインごとに各計数部のブロックごとの計数値に基づいて式(1)及び式(2)の演算を行うことによって、64ラインに対する判定要素を得る。そして、当該判定要素を用いて、以下のように、それぞれのブロックの属性判定を行う。
【0080】
まず、カラーブロック数が所定値CBHTHよりも大きいか否かが判定される(ステップS105)。その結果、カラーブロック数がCBHTHよりも大きい場合には、該当ブロックはカラー画像の領域であると判定する(ステップS110)。これは、該当ブロック内に広い領域に亘るベタのカラー画像があると考えられるためである。
【0081】
他方、カラーブロック数がCBHTHよりも大きくないと判定された場合には、孤立カラー数が所定値KOTHよりも大きいか否かを判定される(ステップS106)。そして、孤立カラー数が所定値KOTHよりも大きいと判定された場合も、カラー画像の領域であると判定する(ステップS110)。これは、当該ブロックが、黒点の少ない網点画像であると考えられるため、該当ブロックはカラー画像の領域であると判定する。
【0082】
他方、ステップS106で、孤立カラー数が所定値KOTHよりも大きくないと判定された場合は、カラーブロック数がCBLTHよりも大きいか否かが判定される。そして、カラーブロック数がCBLTHよりも大きいと判定された場合(ステップS107)において、Vカラー率が所定値VRTHよりも小さいと判定され(ステップS108)、かつカラー率が所定値CRTHよりも大きいと判定された場合には(ステップS109)、網点画像を検出したと考えられるため、該当ブロックはカラー画像の領域であると判定する(ステップS110)。
【0083】
なお、本実施の形態では、CBLTH<CBHTHとするが、これに限定されるものではない。
【0084】
他方、ステップS107で、カラーブロック数がCBLTHよりも大きくないと判定されるか、ステップS108で、Vカラー率が所定値VRTHよりも小さくないと判定されるか、又はS109で、カラー率が所定値CRTHよりも大きくないと判定された場合であって、Vカラー数がVTHよりも大きいと判定された場合には(ステップS112)、該当ブロックはカラー画像の領域であると判定する(ステップS110)。
【0085】
また、ステップS112で、Vカラー数がVTHよりも大きくないと判定された場合には、該当ブロックはモノクロ画像の領域であると判定する(S113)。すなわち、これまでのステップで属性が未判定であるブロックについては、カラーの罫線が検出されない場合、モノクロ画像の領域であると判定する。すなわち、本実施の形態は、主制御部103が、計数された計数値及び算出された第1のパラメータ(Vカラー率)及び第2のパラメータ(カラー率)のそれぞれについて所定の閾値と比較することによって、ブロックの画像属性を判定することを特徴とする。
【0086】
以上のように、ブロック単位にカラー又はモノクロの属性判定を行い、その結果を用いてバンド単位(64ライン)でカラー又はモノクロの属性判定が行われる。
【0087】
次に、ブロック単位での属性判定結果を用いたバンド単位での属性判定方法について説明する。ステップS110で該当ブロックがカラー画像の領域であると判定された場合、現バンド内に未判定のブロックが存在していても、現バンドはカラーであると判定される(ステップS111)。つまり、現バンド内にカラーと判定されたブロックが1つでもある場合には、現バンドをカラーであると判定する。
【0088】
なお、本実施形態ではカラーと判定されたブロックが1つでもあれば現バンドをカラーであると判定するが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。すなわち、現バンド内のすべてのブロックに対してカラー又はモノクロの属性判定を行い、そのブロックごとの属性判定結果の組み合わせを用いて現バンドのカラー又はモノクロの属性判定を行うようにしてもよい。例えば、カラーと判定されたブロックが3つ以上存在する場合に、現バンドをカラー画像の領域であると判定してもよい。また、カラーと判定されたブロックが2つ連続した場合に、現バンドをカラーであると判定するようにしてもよい。
【0089】
他方、ステップS113で該当ブロックがモノクロ画像であると判定され、かつ、ステップS114で現バンド内にカラー又はモノクロの属性が未判定であるブロックが存在すると判定された場合には、ステップS105に進み、未判定のブロックについて同様の属性判定がされる。
【0090】
また、ステップS114で現バンド内のすべてのブロックについて、カラー又はモノクロの属性判定が終了したと判定された場合には、すべてのブロックがモノクロ判定である場合に、現バンドをモノクロと判定する(ステップS115)。
【0091】
以上のように、本実施形態ではバンド(64ライン)単位でカラー又はモノクロの属性判定が行われる。すなわち、本実施の形態は、主制御部103が、ブロックについて判定された結果に応じて、第1のライン群の画像属性がモノクロか否かを判定し、最終判定手段として、第1のライン群及び第2のライン群の画像属性がいずれもモノクロと判定された場合、共通して含まれる第3のライン群の画像属性をモノクロと判定することを特徴とする。
【0092】
さらに、このバンド単位の判定結果を用いた最終判定処理を行うようにしてもよい。そこで、以下にこの最終判定処理について説明する。図6は、本実施形態における1/2バンド(32ライン)単位の最終属性判定処理の一例を説明するための図である。
【0093】
本実施形態においては上述したように、主制御部103により32ラインごとに読み取られた各計数部の計数値と、式(1)と式(2)により生成された各演算結果とに基づいて、1バンド(64ライン分)の判定要素が算出され、算出された判定要素が、図5に示すブロックごとの判定処理に用いられることによって、1バンドごとにカラー又はモノクロの属性判定が行われる。
【0094】
図6(a)は、原稿画像中において、各々32ラインで構成されるデータ領域B1〜B4を用いて64ラインのバンドを構成した例を示す。図6(a)において、領域B1と領域B2によって構成した64ラインデータ(バンドA)については、それぞれの領域について図5に示す判定処理によってカラー判定が行われている。同様に、領域B2と領域B3による64ラインデータ(バンドB)にはモノクロ判定が、領域B3と領域B4による64ラインデータ(バンドC)にもモノクロ判定が行われている場合について示す。
【0095】
以下、図6(a)に示すデータについて最終判定を行う例について説明する。本実施形態では、上述した64ラインごとの判定のみによって最終判定を行うものではなく、64ラインで構成される2つのバンドの判定結果を用いて、判定結果が重なる32ライン分の領域判定を行う。すなわち、バンドAの判定結果とバンドBの判定結果とに基づき、32ライン領域であるB2に対する最終判定がなされる。同様に、バンドBの判定結果とバンドCの判定結果に基づき、32ライン領域B3に対する最終判定がなされる。具体的には、最終判定を行う32ライン分のデータを含む前後64ライン構成の判定がいずれもモノクロ判定である場合にのみ、最終判定結果をモノクロとするようにする。
【0096】
図6(a)の例に対する最終判定結果を図6(b)に示す。この例においては、バンドAの判定結果がカラーであり、バンドBの判定結果がモノクロであるため、領域B2はカラーとして最終判定される。また、領域B3については、バンドB、バンドC共に判定結果がモノクロであるため、モノクロとして最終判定される。すなわち、本実施の形態は、第1のライン群と第2のライン群が、同一のライン数であることを特徴とする。また、本実施の形態は、第3のライン群が、第1のライン群及び第2のライン群の半分のライン数であることを特徴とする。
【0097】
なお、主制御部103より出力される判定結果信号としては、モノクロ画像であるかカラー画像であるかを示す信号であれば良いため、1ビットデータを出力させるものとする。具体的には、モノクロ画像である場合に「Hiレベル」を出力し、カラー画像である場合に「Lowレベル」を出力するように構成する。主制御部103より出力された判定結果信号は、画像処理部105により高画質処理に使用される。例えば、黒画素であると判定された画素についてはすなわち黒文字領域と判定し、文字領域に好適な画像処理が施される。一方、黒画素でないと判定された画素については、例えば写真領域に好適な画像処理が施される。すなわち、本実施の形態は、主制御部103により判定された第3のライン群の画像属性に応じた画像処理を当該第3のライン群に対して施す画像処理部105をさらに備えたことを特徴とする。
【0098】
なお、本実施の形態では、バンドごとの属性判定が主制御部103におけるソフトウェア動作として行われる例について説明したが、該バンド判定をハードウェアによって実現するように構成してもよい。
【0099】
また、本実施形態において属性判定に用いられる各閾値は固定でもよいが、例えば装置の処理動作モードに応じて任意に変更可能であるようにすることもできる。
【0100】
以上説明したように本実施形態によれば、簡易な構成で、CCDおよびCISのリニアリティの補正を行うことができ、画素属性判別部の判定精度を向上させることができる。判定精度が向上することで、カラー画像と判定されていたライン群がモノクロ画像であると判定されるため、カラーヘッドよりも長尺なモノクロヘッドで印字することができるため、印字スピードを向上させることができる。
【0101】
更にはプリスキャン時において、原稿の下地をあらかじめ取り込み、取り込んだ輝度データR、G、Bの白側のデータのバランスを取り(ホワイトバランス)、ホワイトバランスをとった輝度データを白と判定することで、本来、白であるべきエリアについての色かぶりを防止することができる。これによって白レベルを確実に判定することができることから、白の領域を多くすることができる。よって印字の際に印刷されていた印字エリアのデータが、白となることから、印刷時において白スキップできることから、記録ヘッドのスキャン数を削減できることから印字スピードを大幅に向上させることができる。
【0102】
また、モノクロ画像と判定された領域についてはカラーデータとして扱わないことと、白データが多くなることから、後段の画像処理部等に送るデータ量を少なくすることができ、記録速度を向上させることができる。
【0103】
上述したように、本発明に係る画像処理装置は、カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号を入力する原稿読取部101と、前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することで所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算手段106と、前記第2の輝度信号に基づいて、注目画素の色属性を判定する画素属性判別部102と、判定された色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分記憶し、主制御部103において、カラー多値画像における所定の64ラインからなるバンド(第1のライン群)を主走査方向に8分割して得られる第1のブロック内の32ライン分について、記憶された色属性の配列に従って判定される配列属性を計数し、判定された色属性を、32ライン分について計数し、計数された計数値に基づいて、当該ブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出し、計数された計数値及び算出されたパラメータに応じて、ブロックの画像属性を判定し、判定結果に基づいて、前記バンドの画像属性を判定することを特徴とする。
【0104】
また、本実施の形態に係る画像処理装置の主制御部103は、第1のライン群についての判定結果と所定の1/2バンド(第2のライン群)についての判定結果に基づいて、第1のライン群と第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定することを特徴とする。
【0105】
なお、本実施の形態は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0106】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0107】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードや、コンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画素属性判別部102の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】小ウインドウ処理部225における処理用のウインドウ構成を示す図である。
【図4】大ウインドウ処理部226における処理用のウインドウ構成を示す図である。
【図5】主制御部103における1バンド単位の判定処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】同実施形態における1/2バンド単位の最終属性判定処理の一例を説明するための図である。
【図7】リニアリティのズレを示す図である。
【符号の説明】
【0109】
101 原稿読取部
102 画素属性判別部
103 主制御部
104 記憶部
105 画像処理部
106 係数乗算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号を入力する入力手段と、
該入力手段により入力された第1の輝度信号のリニアリティのずれを補正して第2の輝度信号を得る補正手段と、
該補正手段による補正により得られた第2の輝度信号に基づいて画素ごとに色属性を判定する色属性判定手段と、
該色属性判定手段により判定された色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分記憶する記憶手段と、
前記カラー多値画像を、副走査方向に、所定数のラインよりなる第1のライン群に分割し、該第1のライン群をさらに主走査方向に複数個のブロックに分割し、各ブロックに属する第1のライン群から所定数のラインよりなる第2のライン群を抽出し、前記記憶手段内における前記色属性の配列に従って配列属性を判定し、各配列属性の数を計数する第1の計数手段と、
前記色属性判定手段により判定された前記色属性を有する画素数を、前記ブロックについて計数する第2の計数手段と、
前記第1及び第2の計数手段により係数された計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出手段と、
前記第1及び第2の計数手段による計数値と、前記算出手段で算出されたパラメータとに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定手段と、
前記ブロック属性判定手段による判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、前記リニアリティ補正手段は、前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することにより、所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記ライン属性判定手段による前記第1のライン群についての判定結果と、所定の第2のライン群についての判定結果とに基づいて、前記第1のライン群と前記第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定手段をさらに備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記色属性判定手段は、
前記画素が白画素であるか否かを判定する白画素判定手段と、
前記画素が黒画素であるか否かを判定する黒画素判定手段と、
前記画素がカラー画素であるか否かを判定するカラー画素判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4において、前記白画素判定手段は、前記第2の輝度信号を所定の閾値と比較することによって、前記画素が白画素であるか否かを判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4において、前記黒画素判定手段は、前記第2の輝度信号と所定の閾値との比較結果及び前記第2の輝度信号の色成分間における差分値と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記画素が黒画素であるか否かを判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4において、前記カラー画素判定手段は、
当該画素について、前記白画素判定手段により白画素でないと判定され、かつ前記黒画素判定手段により黒画素でないと判定された場合に、当該画素をカラー画素であると判定し、
前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素が、前記色属性判定手段によってカラー画素であると判定されている場合に、注目画素の色属性を連続カラー画素と判定し、前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素が、前記色属性判定手段によってカラー画素であると判定されていない場合に、該注目画素の色属性を単体カラー画素と判定する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7において、前記記憶手段は、
前記カラー多値画像における所定のラインについて、画素ごとの色属性を保持するライン保持手段と、
前記ライン保持手段に保持された前記ラインについての画素ごとの色属性と、該ラインの副走査方向の次ラインについての画素ごとの色属性をウインドウ形式で記憶するウインドウ記憶手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項8において、前記ウインドウ記憶手段は、
主走査方向がM(Mは正整数)画素、副走査方向が2画素によって構成される第1のウインドウ形式で前記画素ごとの色属性を記憶する第1のウインドウ記憶手段と、
主走査方向がN(Nは正整数)画素、副走査方向が2画素によって構成される第2のウインドウ形式で前記画素ごとの色属性を記憶する第2のウインドウ記憶手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項9において、前記第1の計数手段は、
前記第1のウインドウ記憶手段において、注目画素がカラー画素であって、前記注目画素に対して少なくとも1つの黒画素が隣接する場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第1の配列属性数を得る第1の配列属性計数手段と、
前記第2のウインドウ記憶手段において、両端4画素を除くウインドウ領域でカラー画素が縦方向に連続し、かつ、両端4画素を含めたウインドウ領域内に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第2の配列属性数を得る第2の配列属性計数手段と、
前記第2のウインドウ記憶手段において、主走査方向がI画素、副走査方向が2画素のウインドウ領域内に前記連続カラー画素が存在する場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第3の配列属性数を得る第3の配列属性計数手段と、
前記第1のウインドウ記憶手段において、前記注目画素がカラー画素であって、該カラー画素の周囲に黒画素が存在しない場合のウインドウ数を前記第2のブロックごとに計数して第4の配列属性数を得る第4の配列属性計数手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項10において、前記第2の計数手段は、前記黒画素判定手段によって黒画素と判定された画素を前記第2のブロックごとに計数して黒画素計数値を得る第5の配列属性計数手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
請求項10において、前記算出手段は、
前記第1の配列属性数と前記第2の配列属性数との比率を用いて第1のパラメータを得る第1の演算手段と、
前記第4の配列属性数と前記黒画素計数値との比率を用いて第2のパラメータを得る第2の演算手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
請求項1において、前記ブロック属性判定手段は、前記第1及び第2の計数手段による計数値及び前記算出手段で算出された前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータのそれぞれについて所定の閾値と比較することによって、前記第1のブロックの画像属性を判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
請求項3において、前記ライン属性判定手段は、前記ブロック属性判定手段によって判定された結果に応じて、前記第1のライン群の画像属性がモノクロか否かを判定し、
前記最終判定手段は、前記第1のライン群及び第2のライン群の画像属性がいずれもモノクロと判定された場合、共通して含まれる前記第3のライン群の画像属性をモノクロと判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
請求項3において、前記第1のライン群と前記第2のライン群は、同一のライン数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項16】
請求項15において、前記第3のライン群は、前記第1のライン群及び前記第2のライン群の半分のライン数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
請求項3において、前記最終判定手段によって判定された前記第3のライン群の画像属性に応じた画像処理を該第3のライン群に対して施す画像処理手段をさらに備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項18】
請求項4において、所定ライン単位で前記カラー多値画像の記録を行う画像記録手段をさらに備え、該所定ライン単位は、前記第3のライン群と同一のライン数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項19】
請求項18において、前記画像記録手段は、インクジェット方式によるモノクロヘッド及びカラーヘッドを備えており、前記モノクロヘッドは、前記カラーヘッドよりも長尺であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項20】
カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号のリニアリティのずれを補正して第2の輝度信号を得る補正ステップと、
該補正ステップによる補正により得られた第2の輝度信号に基づいて画素ごとに色属性を判定する色属性判定ステップと、
該色属性判定ステップにより判定された前記色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分を所定の記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記カラー多値画像を、副走査方向に、所定数のラインよりなる第1のライン群に分割し、該第1のライン群をさらに主走査方向に複数個のブロックに分割し、各ブロックに属する第1のライン群から所定数のラインよりなる第2のライン群を抽出し、前記記憶手段内における前記色属性の配列に従って配列属性を判定し、各配列属性の数を計数する第1の計数ステップと、
前記色属性判定ステップにより判定された前記色属性を有する画素数を、前記ブロックについて計数する第2の計数ステップと、
前記第1及び第2の計数ステップにより係数された計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出ステップと、
前記第1及び第2の計数ステップにより係数された計数値と、前記算出ステップで算出されたパラメータとに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定ステップと、
前記ブロック属性判定ステップによる判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項21】
請求項20において、前記リニアリティ補正ステップは、前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することにより、所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項22】
請求項20又は21において、前記ライン属性判定ステップによる前記第1のライン群についての判定結果と、所定の第2のライン群についての判定結果とに基づいて、前記第1のライン群と前記第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定ステップをさらに有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項23】
請求項20ないし22において、前記色属性判定ステップは、
前記画素が白画素であるか否かを判定する白画素判定ステップと、
前記画素が黒画素であるか否かを判定する黒画素判定ステップと、
前記画素がカラー画素であるか否かを判定するカラー画素判定ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項24】
請求項22又は23において、前記カラー画素判定ステップは、
前記白画素判定ステップ及び前記黒画素判定ステップのいずれにおいても否と判定された場合に前記画素をカラー画素であると判定し、
該カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素は、前記色属性判定ステップによってカラー画素であると判定されている場合に、注目画素の色属性を連続カラー画素と判定し、前記カラー画素を含むラインの副走査方向の前ラインにおける対応画素は、前記色属性判定ステップによってカラー画素であると判定されていない場合に、該注目画素の色属性を単体カラー画素と判定する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項25】
コンピュータに、
カラー多値画像の画素ごとの第1の輝度信号に基づいて前記第1の輝度信号に対して係数をそれぞれの輝度信号に対して個別に設定し、個々に設定された係数をそれぞれの輝度信号に対して乗算することで所定の輝度レベル値となる第2の輝度信号を得る係数乗算手順と、
前記第2の輝度信号に基づいて前記画素の色属性を判定する色属性判定手順と、
該色属性判定手順により判定された前記色属性を、注目画素を含む所定領域内の画素分を所定の記憶装置に記憶する記憶手順と、
前記カラー多値画像における所定の第1のライン群を主走査方向に分割して得られる第1のブロック内の所定ライン数の第2のブロックについて、前記記憶装置内における前記色属性の配列に従って判定される配列属性を計数する第1の計数手順と、
前記色属性判定手順により判定された前記色属性を、前記第2のブロックについて計数する第2の計数手順と、
前記第1及び第2の計数手順による計数値に基づいて、前記第1のブロックについて、その画像特徴を示すパラメータを算出する算出手順と、
前記第1及び第2の計数手段による計数値及び前記算出手順で算出されたパラメータに応じて、前記第1のブロックの画像属性を判定するブロック属性判定手順と、
前記ブロック属性判定手順による判定結果に基づいて、前記第1のライン群の画像属性を判定するライン属性判定手順と、
前記ライン属性判定手順による前記第1のライン群についての判定結果と所定の第2のライン群についての判定結果に基づいて、前記第1のライン群と前記第2のライン群とに共通して含まれる第3のライン群の画像属性を判定する最終判定手順と
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−100997(P2006−100997A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282290(P2004−282290)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】