説明

画像処理装置及び画像処理装置におけるユーザ認証方法並びにそのプログラム

【課題】画像処理装置において利用制限が課されている機能を使用する場合の操作パネルに対する操作性を改善する。
【解決手段】画像処理装置1は複数の操作キー13が設けられた操作パネル4を有しており、それら操作キー13のうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報41と、所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報42と、所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報43とを関連づけて記憶する。そして所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、キー情報41に基づいてユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とを読み出し、認証処理活性化情報43に記述された条件に合致すれば、ユーザ認証情報42に基づいてユーザ認証を行い、認証に成功した場合に所定の操作キーに対するキー操作を有効化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を有する画像処理装置に関し、特にユーザごとに利用可能な機能を制限するためのユーザ認証機能を備えた画像処理装置及びその画像処理装置におけるユーザ認証方法並びにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像処理装置は、コピー機能、スキャナ機能、FAX機能、プリンタ機能などの複数の機能を備えている。近年、このような画像処理装置は、カラー原稿を読み取ってカラーコピーを行うことができるようになってきている。ところが、カラーコピーはブラックコピー(モノクロコピー)よりもコスト高であるため、画像処理装置においてカラーコピーを利用できるユーザを制限したいという要望がある。
【0003】
そのため、従来は、画像処理装置を利用するユーザ毎に利用可能な機能を登録しておき、各ユーザが画像処理装置を利用する際には操作パネルを介してユーザ名やパスワードなどを入力させることにより、画像処理装置においてユーザ認証処理を行うようにした技術が公知である(例えば、特許文献1)。この場合、ユーザ認証処理で認証が成功すれば、その認証によって特定したユーザが画像処理装置に対してログインしたログインモードとなり、画像処理装置は当該ユーザが利用可能な機能を有効に稼働させる。したがって、当該ユーザに対してカラーコピーが利用可能であることが予め登録されていればカラーコピーが利用できるようになる。
【0004】
図20は、従来の画像処理装置においてユーザが例えばカラーコピーを利用する場合の操作パネル100に対する操作手順の一例を示す図である。操作パネル100は、表面にタッチパネルセンサが配置された画像表示部110と、その画像表示部110の周囲に配置された操作キー(ハードキー)112とを備えている。画像処理装置に対してユーザがログインしていない状態では、画像表示部110は、図20(a)に示すような初期画面を表示した状態となっている。この初期画面はユーザに対してログインを促す画面となっており、画像処理装置を利用するユーザは「ユーザ名」が表示された操作キー(ソフトキー)124を操作してユーザ名を入力すると共に、「パスワード」が表示された操作キー125を操作してパスワードを入力し、その後、ログイン又はログアウトを行うための操作キー123を操作すると、画像処理装置においてユーザ認証が行われる。
【0005】
そしてユーザ認証に成功すれば、画像表示部110の表示画面は図20(b)に示すようなコピーモード操作画面に遷移する。このコピーモード操作画面では、画像処理装置にログインしたユーザがカラーコピーを利用可能な場合、カラーモードの選択項目として、カラーコピーを設定するための操作キー121と、ブラックコピーを設定するための操作キー122との双方が選択可能な状態で表示され、ブラックコピーの操作キー122が選択された状態がデフォルト状態となっている。そしてログインしたユーザがカラーコピーを行いたい場合には、カラーコピーを設定するための操作キー121を操作することにより、画像表示部110の表示画面は図20(c)に示すようにカラーコピーに対応する操作キー121が選択された状態に更新され、画像処理装置の動作モードとしてカラーコピーが設定される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−344128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の画像処理装置では、ユーザが画像処理装置を使用する前にログイン操作を行うことを前提としているため、例えばユーザが白黒原稿をブラックコピーする場合でも画像処理装置に対してログインするための操作を行う必要があり、操作が煩雑であるという問題がある。
【0008】
そのため、画像処理装置に対して特定のユーザがログインしていない状態では、全てのユーザが利用可能な最低限の機能のみを使用できるようにしたパブリックモードを初期状態とすることが考えられる。この場合、ブラックコピーに対して利用制限が課されていないとすれば、ブラックコピーを使用したいユーザは画像処理装置に対するログイン操作を行う必要がなく、パブリックモードのままで画像処理装置にブラックコピーを実行させることができる。
【0009】
一方、カラーコピーに対して利用制限が課されている場合、カラーコピーを利用したいユーザの操作手順は図21に示す通りである。つまり、図21は、パブリックモードを初期状態とする画像処理装置においてユーザがカラーコピーを利用する場合の操作パネル100に対する操作手順の一例を示す図である。画像処理装置に対して特定のユーザがログインしていない状態では、画像処理装置はパブリックモードで動作しているため、操作パネル100の画像表示部110は、図21(a)に示すような初期画面を表示した状態となっている。この初期画面では、全てのユーザが使用可能な機能のみが操作可能となっている。特にカラーモードの選択項目では、カラーコピーを設定するための操作キー121は「カラー」の文字色が反転表示され、選択不可であることが示されるのに対して、ブラックコピーを設定するための操作キー122は通常の文字色で表示され、選択可能であることが示される。したがって、この初期状態ではユーザはカラーコピーを使用することができないため、画像処理装置に対してログインする必要がある。この場合、ユーザは一旦パブリックモードを抜けるために、ログイン又はログアウトを行うための操作キー123を操作する。
【0010】
すると、画像表示部110の表示画面は図21(b)に示すようなユーザに対してログインを促す画面に遷移する。そしてユーザは「ユーザ名」が表示された操作キー124を操作してユーザ名を入力すると共に、「パスワード」が表示された操作キー125を操作してパスワードを入力し、その後、ログイン又はログアウトを行うための操作キー123を操作すると、画像処理装置においてユーザ認証が行われる。その結果、認証に成功すれば、画像表示部110の表示画面は図21(c)に示すようなコピーモード操作画面に遷移する。このコピーモード操作画面では、画像処理装置にログインしたユーザがカラーコピーを利用可能な場合、カラーモードの選択項目として、カラーコピーを設定するための操作キー121と、ブラックコピーを設定するための操作キー122との双方が選択可能な状態で表示され、ブラックコピーの操作キー122が選択された状態がデフォルト状態となっている。そしてログインしたユーザがカラーコピーを行いたい場合には、カラーコピーを設定するための操作キー121を操作することにより、画像表示部110の表示画面は、上述した図20(c)と同様に、カラーコピーに対応する操作キー121が選択された状態に更新され、画像処理装置の動作モードとしてカラーコピーが設定される。
【0011】
このようにパブリックモードを初期状態とした場合には、画像処理装置でカラーコピーを使用するユーザは、パブリックモードを抜けるための操作を行ってからログイン操作を行い、その後さらにカラーコピーの操作キー121を操作する必要がある。そのため、パブリックモードを初期状態とした画像処理装置は、パブリックモードで利用可能な機能は使い易くなるものの、パブリックモードでは利用できない制限された機能を利用する場合には、図20を参照して説明した操作回数と比較して操作パネルに対する操作回数が増加し、却って操作性が悪化するという問題がある。
【0012】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、利用制限が課されている機能を使用する場合の操作パネルに対する操作性を改善することができる画像処理装置及び画像処理装置におけるユーザ認証方法並びにそのプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置であって、前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知手段と、前記キー操作検知手段が前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証処理手段と、前記認証処理手段によるユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化処理手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
かかる構成によると、画像処理装置は、所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、キー情報に基づいてユーザ認証情報と認証処理活性化情報とを読み出し、認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行うようになる。そのため、ユーザ認証を行うことが必要な操作キーが操作された場合にのみユーザ認証を行うことができる。特に認証処理活性化情報には、所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件が記述されているので、所定の操作キーが操作された場合でも常にユーザ認証が行われるとは限られず、認証処理活性化情報に記述された種々の条件に基づいてユーザ認証の必要性が判断される。またユーザ認証を行った結果、認証が成功した場合には、所定の操作キーに対するキー操作が有効化されるので、操作パネルに対してあらためてキー操作を行う必要がなくなり、ユーザの操作回数を減少させることができる。
【0015】
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記認証活性化情報には、前記所定の操作キーを除く他の操作キーの操作状態、又は前記所定の操作キーに対応する機能を除く他の機能の動作状態に応じた条件が記述されることを特徴としている。
【0016】
かかる構成によれば、所定の操作キーが操作されたことを検知した場合でも、常にユーザ認証を行うのではなく、所定の操作キーを除く他の操作キーの操作状態、又は所定の操作キーに対応する機能を除く他の機能の動作状態に応じてユーザ認証を行うか否かを決定することができる。
【0017】
また請求項3にかかる発明は、請求項1又は2記載の画像処理装置において、ネットワークを介して情報処理装置とデータ通信の送受信を行う通信手段と、前記情報処理装置の機能を利用するための操作キーを前記操作パネルに登録する操作キー登録手段とをさらに備え、前記操作キー登録手段は、前記情報処理装置の機能を利用するための操作キーを前記操作パネルに登録する際、当該操作キーに対して前記キー情報を割り付けると共に、当該キー情報に対し、前記情報処理装置から入力する前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを関連付けて前記記憶手段に記憶することを特徴としている。
【0018】
かかる構成によれば、ネットワークを介して情報処理装置の機能を利用するための操作キーを画像処理装置の操作パネルに登録することができるようになる。したがって、ユーザは操作パネルを操作することによってネットワークを介して画像処理装置に接続されている情報処理装置の機能を利用することを指定することができるようなる。そしてこの場合においても、ユーザがユーザ認証を行うことが必要なキー操作を行った場合には画像処理装置においてユーザ認証を行うことができるようになる。
【0019】
また請求項4にかかる発明は、複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置において当該画像処理装置を利用するユーザを認証するユーザ認証方法であって、前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて所定の記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知ステップと、前記キー操作検知ステップにおいて前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証ステップと、前記認証ステップにおいてユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化ステップと、を有することを特徴としている。
【0020】
また請求項5にかかる発明は、複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて所定の記憶手段に記憶させる手段、前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知手段、前記キー操作検知手段が前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証処理手段、前記認証処理手段によるユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化処理手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像処理装置においてユーザ認証を必要とするキー操作が行われた場合にはユーザ認証処理を行ってからそのキー操作を有効に反映させることができると共に、ユーザ認証を必要としないキー操作が行われた場合にはユーザ認証処理を行うことなく、そのままそのキー操作を有効に反映させることができる。それ故、操作パネルに対するユーザの操作回数を減少させることができ、特に画像処理装置において利用制限が課されている機能を使用する場合の操作パネルに対する操作性を改善することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、各図面において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本実施形態における画像処理装置1を含む画像処理システムの一構成例を示す図である。図1に示すように本実施形態の画像処理装置1は、一般に複合機やMFPなどと称される装置であり、例えばコピー機能、スキャナ機能、FAX機能、プリンタ機能などの複数の機能を有している。この画像処理装置1は、装置本体1aの上部に、原稿の画像を読み取るスキャナ部2を備え、装置本体1aの下部に、用紙などの印刷媒体に対してプリント出力を行うプリンタ部3を備えている。また装置本体1aの正面には、ユーザが操作可能な操作パネル4が設けられている。
【0024】
この画像処理装置1はLANやWANなどのネットワーク8に接続されている。このネットワーク8には、画像処理装置1の他、サーバコンピュータとして用いられる情報処理装置5,6と、クライアントコンピュータとして用いられるユーザ端末装置7とが接続されている。そのため、画像処理装置1はネットワーク8を介してこれらの情報処理装置5,6およびユーザ端末装置7とデータの送受信が可能なように構成されている。また画像処理装置1は電話回線9にも接続されており、例えばFAXデータなどはこの電話回線9を介して送受信される。
【0025】
情報処理装置5,6は、それぞれの内部にハードディスク装置などの記憶部5a,5bを備えており、これら記憶部5a,5bにはそれぞれの情報処理装置5,6に予めインストールされたアプリケーションプログラムが記憶されている。図例では、情報処理装置5に対してアプリケーション1,2,3の3つのアプリケーションプログラムP1,P2,P3がインストールされており、情報処理装置6に対してアプリケーション1,2,3の3つのアプリケーションプログラムP4,P5,P6がインストールされている場合を例示している。ここでアプリケーションプログラムP1〜P6は例えば画像処理に関するプログラムであるという点では共通するものの、プログラムを実行することによって実現される機能はそれぞれ異なっている。
【0026】
そして画像処理装置1はネットワーク8を介して情報処理装置5,6とデータの送受信を行うことにより、情報処理装置5,6が各種アプリケーションプログラムP1〜P6を実行することによって実現される機能を利用する。つまり、画像処理装置1は、情報処理装置5,6の機能を利用することで画像処理の一部又は全部を情報処理装置5,6に分担させることができるようになっている。例えば、画像処理装置1が原稿を読み取って得られる画像データをユーザ端末装置7に対してスキャン送信する際、ユーザが情報処理装置5,6のアプリケーションプログラムP1〜P6の中から少なくとも1つのアプリケーションプログラムを選択した場合には、画像処理装置1は、原稿を読み取った画像データを指定された情報処理装置5又は6に送信し、情報処理装置5又は6において選択されたアプリケーションプログラムを実行させて画像データに対する所定の画像処理を行わせ、その後、処理済みの画像データをユーザ端末装置7に対して送信させる。このように情報処理装置5,6の機能を利用して画像処理の一部又は全部を分担させることにより、画像処理装置1は、画像処理にかかる負荷を低減できるので、他のジョブなどを効率良く実行することができる。
【0027】
図2は、画像処理装置1の操作パネル4を拡大して示す平面図である。図2に示すように操作パネル4は、液晶表示デバイスなどの表示画面の表面にタッチパネルセンサが配置された構成の画像表示部10を有している。この画像表示部10の画面上に配置されたタッチパネルセンサはユーザが操作可能なソフトキー11を構成する。また操作パネル4において画像表示部10の周囲にはユーザが操作可能な複数のハードキー12が配置されている。このハードキー12は、例えば押しボタン式のスイッチなどで構成される。したがって、本実施形態では、操作パネル4に設けられたソフトキー11とハードキー12とにより、ユーザが操作可能な複数の操作キー13が構成されている。ここでソフトキー11は、画像表示部10に表示される操作キーの画像に対応する部分がひとつの操作キー13を構成する。
【0028】
図3は、画像処理装置1の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置1は上述したスキャナ部2とプリンタ部3の他、内部に制御部20を備えている。この制御部20は画像処理装置1におけるジョブの実行を制御するものであり、例えば画像処理装置1において利用制限が課されていない機能(例えばブラックコピーなど)が使用される際には常にそのジョブの実行を許可し、かつそのジョブの実行を制御する。これに対し、画像処理装置1において特定のユーザにのみ利用することが許可された機能(例えばカラーコピーなど)が使用される際には、その機能に対応した操作キー13が操作されたタイミングでユーザ認証処理を実行し、認証に成功した場合にそのキー操作が有効であると判断してそのジョブの実行を許可し、かつそのジョブの実行を制御する。
【0029】
例えば、画像処理装置1においてコピージョブを実行する場合、制御部20はスキャナ部2とプリンタ部3を制御することにより、スキャナ部2から原稿を読み取った画像データを入力し、その画像データをプリンタ部3に出力してプリント出力を行わせる。また画像処理装置1においてスキャンジョブを実行する場合、制御部20はスキャナ部2を制御することにより、スキャナ部2から原稿を読み取った画像データを入力し、その画像データを内部に保存したり、ネットワーク8を介して情報処理装置5,6やユーザ端末装置7に出力する。また画像処理装置1においてFAXジョブを実行する場合、送信時には制御部20はスキャナ部2を制御することにより、スキャナ部2から原稿を読み取った画像データを入力し、その画像データを電話回線9に出力して宛先となる別の装置に送信し、受信時には制御部20は電話回線9を介して画像データを入力し、その画像データをプリンタ部3に出力してこれを制御することにより、プリント出力を行わせる。さらに画像処理装置1においてプリントジョブを実行する場合、制御部20はネットワーク8を介して画像データを入力し、その画像データをプリンタ部3に出力してこれを制御することにより、プリント出力を行わせる。
【0030】
図4は、画像処理装置1の制御部20の詳細な構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU21と、RAM22と、画像メモリ23と、ハードディスク装置24と、入出力インタフェース25と、ROM26と、FAXモデム27と、ネットワークインタフェース28と、操作パネル4と、不揮発性メモリ29とがデータバス30を介して相互に接続された構成となっている。CPU21はROM26に格納されているプログラム31を読み出して実行することにより、画像処理装置1の全体的な動作を制御する。またCPU21は、プログラム31を実行することにより、後述する各種の処理を実行し、種々の処理部として機能する。RAM22は、CPU21がプログラム31に基づく処理を実行する際に各種パラメータなどを一時的に格納するメモリである。画像メモリ23は、スキャナ部2から入出力インタフェース25に入力する画像データ、ネットワーク8からネットワークインタフェース28に入力する画像データ、或いは電話回線9からFAXモデム27に入力する画像データを一時的に格納するメモリである。画像メモリ23に格納された画像データは、必要に応じてCPU21による種々の画像処理が行われた後、ハードディスク装置24に保存されたり、入出力インタフェース25を介してプリンタ部3へと出力されたり、ネットワークインタフェース28を介してネットワーク8に出力されたり、或いは、FAXモデム27を介して電話回線9に出力される。
【0031】
またCPU21は、操作パネル4における画像表示部10の表示画面を制御すると共に、操作パネル4の操作キー13に対する操作状態を逐次監視する。CPU21が操作パネル4の画像表示部10に対して操作キーを表示する際には、その操作キーに対応する機能に対して利用制限が課されているか否かにかかわらず、全てのユーザが操作可能な態様で表示する。
【0032】
図5は、操作パネル4の画像表示部10に表示される初期画面の一例を示す図であり、(a)はコピーモードの初期画面を、(b)はスキャンモードの初期画面を示している。図5(a)に示すようにコピーモードの初期画面では、例えばカラーコピー機能に利用制限が課されている場合であっても、カラーモードにおける「カラー」の操作キー13aはユーザが操作可能な状態で表示される。つまり、図5(a)の初期画面では、カラーモードの選択項目においてカラーコピーを設定するための操作キー13aと、ブラックコピーを設定するための操作キー13bとの双方が選択可能な状態に表示されると共に、ブラックコピーの操作キー13bが選択されたデフォルト状態となっている。
【0033】
また図5(b)に示すようにスキャンモードの初期画面では、例えば解像度を設定するための操作キーが表示されると共に、スキャン送信時に情報処理装置5,6の機能を利用して画像処理を実行することを設定するための操作キー13c,13d,13e,13f,13gが表示される。ここで操作キー13cの「サーバ1」は、情報処理装置5を指定するためのキーであり、操作キー13dの「サーバ2」は情報処理装置6を指定するためのキーである。また操作キー13eの「アプリ1」は情報処理装置5,6それぞれのアプリケーション1を指定するためのキーであり、操作キー13fの「アプリ2」は情報処理装置5,6それぞれのアプリケーション2を指定するためのキーであり、操作キー13gの「アプリ3」は情報処理装置5,6それぞれのアプリケーション3を指定するためのキーである。したがって、スキャン送信時に情報処理装置5,6の機能を利用する場合、操作キー13c,13dのいずれか一方を選択して情報処理装置を指定し、さらに操作キー13e,13f,13gのうちからいずれか一つを選択してアプリケーションを指定する必要がある。そして初期画面においては、これらの操作キー13c,13d,13e,13f,13gは、いずれもユーザが選択操作可能な状態で表示されているが、デフォルト状態ではいずれも非選択の状態となっている。
【0034】
そしてユーザがいずれかの操作キーを操作すると、操作パネル4はその操作された操作キーに対応する操作信号をCPU21に対して出力する。例えば、画像表示部10の画面上に配置されたソフトキー11が操作されると、操作パネル4は表示画面において操作された位置を座標で示した操作信号をCPU21に出力する。またハードキー12が操作されると、操作パネル4はそのハードキー12に対応した操作信号をCPU21に出力する。
【0035】
そしてCPU21は、操作パネル4から入力する操作信号に基づいてユーザが操作した操作キー13を特定する。CPU21は、操作パネル4に配置された全ての操作キー13を個別に割り付けたキー情報41で管理しており、操作パネル4から操作信号を入力すると、その操作信号と、画像表示部10に表示中の画面情報などから操作された操作キー13に対応するキー情報41を特定する。このキー情報41は、図4に示すように不揮発性メモリ29に格納されており、例えば画像表示部10に表示する操作キーとして新規な操作キー13が登録されると、それに伴ってキー情報41が新規に登録される。
【0036】
またCPU21は、操作パネル4の各操作キー13に対応する機能について特定のユーザしか使用することができない利用制限が課されている場合、その操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報42と、その操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報43とを関連づけて不揮発性メモリ29に記憶させている。図6は、不揮発性メモリ29に格納されるキー情報41の一例を示す図である。本実施形態では、キー情報41として操作キー13に対して個別に割り付けられたキー番号が付与されている。図6の例では、キー番号が「1,2,5,N」のキー情報41に対してユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられている。そのため、CPU21は、それらのキー番号に対応する操作キー13が操作されたことを検知すると、そのキー情報41に関連づけられたユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とを不揮発性メモリ29から読み出し、操作パネル4の操作状態或いは画像処理装置1の動作状態が認証処理活性化情報43に予め定められた条件に合致すれば、ユーザ認証情報42に基づいてユーザ認証処理を行う。そしてユーザ認証に成功した場合には、当該操作キー13に対するキー操作を有効なものと判断し、キー操作に基づく処理を実行する。これに対し、ユーザ認証に失敗した場合には、当該操作キー13に対応する機能を使用することが許可されたユーザではないと判断し、キー操作に基づく処理は行わない。このように本実施形態では、ユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが対応付けられた操作キー13がユーザによって操作されると、その操作されたタイミングでユーザ認証を行うようになっている。
【0037】
ユーザ認証情報42は、画像処理装置1を使用するユーザを特定することができる情報であり、本実施形態の場合にはユーザ名とパスワードとで構成される。したがって、ある操作キー13に対応する機能を使用することが許可されたユーザが複数存在する場合には、ユーザ認証情報42にそれら複数のユーザのユーザ名とパスワードとが格納されている。尚、ユーザ認証情報42は必ずしもユーザ名とパスワードである必要はなく、例えばユーザ個人を特定する情報であるPINコードなどを使用しても良い。また認証カードによる認証処理を行う場合には、認証カードに記録された個人情報を用いてユーザ認証情報としても良い。さらに指紋認証や静脈認証などのように生体認証による認証処理を行う場合には、生体情報読取装置によって検出された生体情報をユーザ認証情報としても良い。
【0038】
認証処理活性化情報43は、上述したようにキー情報41に対応する所定の操作キー13が操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した情報である。この情報には、例えば所定の操作キー13以外の他の操作キー13の操作状態や、所定の操作キー13に対応する機能を除く他の機能の動作状態に応じた条件などが記述される。図7は、認証処理活性化情報43におけるユーザ認証を行う条件の記述例を示す図である。図7(a)は、画像処理装置1においてパブリックモードがオン状態になっているときに、操作キー13が操作されると、ユーザ認証処理を行う条件である。したがって、図7(a)に示す認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、CPU21はパブリックモードがオン状態であればユーザ認証処理を行い、オフ状態であればユーザ認証処理を行わない。また図7(b)は、キー番号「108」が割り付けられた他の操作キー13がオン状態になっているときに、当該操作キー13が操作されると、ユーザ認証処理を行う条件である。したがって、図7(b)に示す認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、CPU21は、キー番号「108」の操作キー13の状態を確認し、オン状態であればユーザ認証処理を行い、オフ状態であればユーザ認証処理を行わない。また図7(c)は、画像処理装置1においてパブリックモードがオン状態であり、かつ、キー番号「108」が割り付けられた他の操作キー13がオン状態になっているときに、当該操作キー13が操作されると、ユーザ認証処理を行う条件である。したがって、図7(c)に示す認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、CPU21は、パブリックモードがオン状態であり、かつ、キー番号「108」の操作キー13がオン状態であればユーザ認証処理を行い、そうでない場合にはユーザ認証処理を行わない。また図7(d)は、認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、常にユーザ認証処理を行う条件である。したがって、図7(d)に示す認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、CPU21はそれに応答して必ずユーザ認証処理を行うようになる。さらに図7(e)は、認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、ユーザ認証処理を行わないという条件である。したがって、図7(e)に示す認証処理活性化情報43が関連づけられたキー情報41に対応する操作キー13が操作された場合、CPU21はユーザ認証処理を行わない。それ故、認証処理活性化情報43に対して図7(e)に示す条件が記述されると、それに関連づけられたキー情報13に対応する操作キー13には利用制限が課されないことになる。
【0039】
ここでユーザ認証情報42および認証処理活性化情報43は、例えば画像処理装置1の管理者が操作パネル4の操作キー13ごとに予め設定し登録しておくことができる。そのため、不揮発性メモリ29には、管理者の権限の有無を判別するためのアクセス制御情報49が格納されており、CPU21は、このアクセス制御情報49に基づいて管理者を認証し、認証が成功した場合に、その管理者によって登録されるユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とを各操作キー13のキー情報41に関連づけて不揮発性メモリ29に記憶する。
【0040】
図8および図9は操作パネル4を介して操作キー13に対応するキー情報41にユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43を登録する手順の一例を示す図である。例えば、画像処理装置1の操作パネル4が図8(a)に示すような状態であるとき、管理者は操作パネル4に設けられた「管理」の操作キー13hを操作する。すると、画像表示部10の表示画面は図8(b)に示すように管理者のログインを促す画面に切り替わる。ここで管理者は「管理者名」と表示された操作キー13iを操作して管理者名を入力すると共に、「パスワード」と表示された操作キー13jを操作して管理者のパスワードを入力する。このとき必要に応じて、「キーボード表示」と表示された操作キー13kを操作することにより、画像表示部10にキーボードの画像が表示されるので、そのキーボードの各キーを操作すれば任意の文字列を入力することができる。そして管理者名とパスワードの入力が完了すれば、次に「ログイン/ログアウト」と表示された操作キー13mを操作することにより、画像処理装置1において管理者の認証処理が実行される。そしてその認証処理に成功すると、画像表示部10の表示画面は図8(c)に示すように管理者が設定可能な項目を表示した画面に切り替わる。ここで管理者は「キー認証設定」と表示された操作キー13nを操作することにより、画面が切り替わり、操作パネル4の各操作キー13に対するユーザ認証設定を行うことができる。
【0041】
例えばコピーモードの操作キー13に対してユーザ認証設定を行う場合、画像表示部10の表示画面は図9(a)に示すようにコピーモードの操作画面に切り替わる。ここで例えばカラーコピーを使用することができるユーザを制限したい場合、管理者は「カラー」と表示された操作キー13aを操作する。このときCPU21は、ユーザ認証設定の対象となる操作キーを特定する。そして画像表示部10の表示画面は図9(b)に示すようにカラーコピーを利用可能なユーザ名とパスワードとを登録する画面に切り替わる。つまり、図9(b)の表示画面は、ユーザ認証情報42を登録する画面である。ここで管理者は「ユーザ名」と表示された操作キー13pを操作してカラーコピーの使用を許可するユーザ名を入力すると共に、「パスワード」と表示された操作キー13qを操作してそのユーザに対するパスワードを入力する。このとき必要に応じて、「キーボード表示」と表示された操作キー13kを操作することにより、画像表示部10にキーボードの画像が表示されるので、そのキーボードの各キーを操作すれば任意の文字列を入力することができる。そしてユーザ名とパスワードの入力が完了すれば、「登録」と表示された操作キー13rを操作することにより、入力されたユーザ名とパスワードとがユーザ認証情報42に書き込まれ、次のユーザ名とパスワードとを入力することができるようになる。そしてカラーコピーの使用を許可する全てのユーザの登録が完了すれば、「次へ」と表示された操作キー13sを操作することにより、画像表示部10の表示画面は図9(c)に示すようにユーザ認証を行う条件を入力する画面に切り替わる。つまり、図9(c)の表示画面は、認証処理活性化情報43を登録する画面である。ここで管理者は、入力欄10aに対し、ユーザ認証を行う条件を入力する。このとき「キーボード表示」と表示された操作キー13kを操作することにより、画像表示部10にキーボードの画像が表示されるので、そのキーボードの各キーを操作すれば任意の文字列を入力することができる。そしてユーザ認証を行う条件の入力が完了すれば、「完了」と表示された操作キー13tを操作することにより、入力された条件が認証処理活性化情報43に書き込まれる。そして上記のようにして登録されたユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが「カラー」の操作キー13aに対応するキー情報41に関連づけられて不揮発性メモリ29に格納される。
【0042】
次に、ユーザが画像処理装置1を使用する場合の操作手順について説明する。図10は、コピーモードでカラーコピーを使用する場合の操作パネル4に対する操作手順の一例を示す図である。図10(a)に示すようなコピーモードの初期画面が表示されている状態で、カラーコピーを使用したいユーザは「カラー」と表示された操作キー13aを操作する。この「カラー」の操作キー13aに対応するキー情報41には管理者によって登録されたユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられている。そして認証処理活性化情報43には例えば常にユーザ認証を行うことが条件として記述されている。そのため、「カラー」の操作キー13aが操作されたことに伴い、画像処理装置1においてユーザ認証処理が開始され、画像表示部10の表示画面は図10(b)に示すようなユーザ名とパスワードを入力する画面に切り替わる。つまり、図10(b)の表示画面は、カラーコピーを使用するユーザがユーザ認証を行うための画面である。ここでユーザは「ユーザ名」と表示された操作キー13pを操作して自身のユーザ名を入力すると共に、「パスワード」と表示された操作キー13qを操作して自身のパスワードを入力する。このとき必要に応じて、「キーボード表示」と表示された操作キー13kを操作することにより、画像表示部10にキーボードの画像が表示されるので、そのキーボードの各キーを操作すれば任意の文字列を入力することができる。そしてユーザ名とパスワードの入力が完了すれば、次に「ログイン/ログアウト」と表示された操作キー13mを操作することにより、画像処理装置1においてキー情報41に関連づけられたユーザ認証情報42と、ユーザが入力した情報とを照合するユーザ認証処理が行われる。そしてユーザ認証処理に成功すると、操作キー13aに対するキー操作が有効となり、画像表示部10の表示画面は、図10(c)に示すようにコピーモードの操作画面で「カラー」が選択された状態に切り替わる。したがって、ユーザはスキャナ部2に原稿をセットして操作パネル4のスタートキーを操作すれば、原稿のカラーコピーを行うことができる。
【0043】
そして図10(c)に示すように「カラー」が選択された状態で、ユーザが「ブラック」の操作キー13b或いは「ログイン/ログアウト」の操作キー13mを操作すると、画像表示部10の表示画面は図10(a)の状態に戻る。このとき、「カラー」の操作キー13aに対するキー操作は無効になる。つまり、本実施形態では、キー操作に基づいてユーザ認証を行った結果、画像処理装置1における特定の機能を有効にした場合、その後、その有効にした機能に背反する機能を選択する操作が行われたときに、その有効にした機能を無効にする。例えば、「カラー」の操作キー13aに対するキー操作が有効になったときに、これを無効にする無効化キーとして「ブラック」の操作キー13bと「ログイン/ログアウト」の操作キー13mとを登録しておくことにより、これらの操作キー13b,13mが操作されれば操作キー13aに対応するカラーコピーの機能を無効にすることができる。
【0044】
一方、図10(a)に示すようなコピーモードの初期画面が表示されている状態で、ユーザがブラックコピー(モノクロコピー)を使用したい場合には、スキャナ部2に原稿をセットしてそのまま操作パネル4のスタートキーを操作すれば、原稿のブラックコピーを行うことができる。
【0045】
したがって、本実施形態の画像処理装置1は、ユーザが白黒原稿のブラックコピーを行う場合には画像処理装置1に対してログイン操作を行う必要がなくなり、またカラーコピーを行う場合にはパブリックモードを抜けるための操作を行う必要がなくなるので、操作パネル4に対するユーザの操作回数が減少し、操作性を向上させることが可能である。
【0046】
次に図11は、スキャンモードでスキャン送信を行う場合の操作パネル4に対する操作手順の一例を示す図である。ここで本実施形態では、一例として、情報処理装置5が情報処理装置6よりも高機能であり、情報処理装置5のアプリケーション1,2,3のそれぞれの機能を利用するユーザに利用制限が課されているものとする。この場合、「アプリ1」、「アプリ2」および「アプリ3」の操作キー13e,13f,13gのそれぞれに対応するキー情報41に対してユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられており、それぞれの認証処理活性化情報43には「サーバ1」の操作キー13cが操作されていることが条件として記述されている。
【0047】
例えばユーザが情報処理装置5のアプリケーション1を利用してスキャン送信を行う場合、「サーバ1」の操作キー13cを操作すると、画像表示部10の表示画面は図11(a)のようになり、「サーバ1」の操作キー13cが選択された状態となる。そしてユーザはアプリケーション1を指定するために「アプリ1」の操作キー13eを操作する。この「アプリ1」の操作キー13eに対応するキー情報41には管理者によって登録されたユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられている。そして認証処理活性化情報43には「サーバ1」の操作キー13cが操作されていることが条件として記述されている。そのため、「サーバ1」の操作キー13cを選択した状態で「アプリ1」の操作キー13eが操作されたことに伴って、画像処理装置1においてユーザ認証処理が開始される。そして画像表示部10の表示画面は図11(b)に示すようなユーザ名とパスワードを入力する画面に切り替わる。つまり、図11(b)の表示画面は、情報処理装置5のアプリケーション1の機能を利用してスキャン送信を行うユーザがユーザ認証を行うための画面である。ここでユーザは「ユーザ名」と表示された操作キー13pを操作して自身のユーザ名を入力すると共に、「パスワード」と表示された操作キー13qを操作して自身のパスワードを入力する。このとき必要に応じて、「キーボード表示」と表示された操作キー13kを操作することにより、画像表示部10にキーボードの画像が表示されるので、そのキーボードの各キーを操作すれば任意の文字列を入力することができる。そしてユーザ名とパスワードの入力が完了すれば、次に「ログイン/ログアウト」と表示された操作キー13mを操作することにより、画像処理装置1において操作キー13eに対応するキー情報41に関連づけられたユーザ認証情報42と、ユーザが入力した情報とを照合するユーザ認証処理が行われる。そしてユーザ認証処理に成功すると、操作キー13eに対するキー操作が有効となり、画像表示部10の表示画面は、図11(c)に示すようにスキャン送信の操作画面で「サーバ1」と「アプリ1」とが選択された状態に切り替わる。したがって、ユーザはスキャナ部2に原稿をセットして操作パネル4のスタートキーを操作すれば、スキャン送信のジョブが実行され、画像データが情報処理装置5に送信される。そして情報処理装置5では、アプリケーション1に対応するプリケーションプログラムP1が実行され、画像処理装置1から入力した画像データに対する画像処理が行われる。そして情報処理装置5で画像処理が行われた画像データは、例えばユーザ端末装置7に送信される。
【0048】
これに対し、例えばユーザが情報処理装置6の各アプリケーションを利用してスキャン送信を行う場合、利用制限は課されていないので、「サーバ2」の操作キー13dを操作して「サーバ2」を選択した状態とし、「アプリ1」、「アプリ2」および「アプリ3」のいずれかの操作キー13e,13f,13gを操作すれば、ユーザ認証を行うことなく、スキャン送信のジョブの実行を指示することができる。
【0049】
このように本実施形態では、認証活性化情報43に、他の操作キーの操作状態や他の機能の動作状態を、ユーザ認証を行うための条件として記述しておくことができるので、同じ操作キーが操作された場合でも、他の操作キーの操作状態や画像処理装置1の動作状態などに応じてユーザ認証を行ったり、又は行わなかったりすることを自由に設定することができる。それ故、操作パネル4に配置される複数の操作キー4のそれぞれに対してユーザ認証を必要とする操作であるか否かをきめ細かに設定することが可能であり、操作パネル4に対するユーザの操作回数を最小限に抑えつつも、画像処理装置1の各機能を利用することができるユーザを制限することができる。
【0050】
次に画像処理装置1の動作について説明する。図12〜図19は、画像処理装置1のCPU21がプログラム31を実行することによって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図12は、CPU21が行う処理手順のメインルーチンを示すフローチャートである。画像処理装置1に電源が投入されると、CPU21はROM26からプログラム31を読み出して実行することにより、操作パネル処理(ステップS1)と、画像入力処理(ステップS2)と、画像出力処理(ステップS3)と、FAX通信処理(ステップS4)と、ネットワーク処理(ステップS5)とを繰り返し行う。
【0051】
操作パネル処理(ステップS1)は、操作パネル4の各操作キー13に対して行われる操作に基づいた処理を行う処理である。尚、この操作パネル処理(ステップS1)の詳細については後述する。画像入力処理(ステップS2)は、スキャナ部2を制御することにより、スキャナ部2から画像データを入力して画像メモリ23に格納するための処理である。画像出力処理(ステップS3)は、画像メモリ23に格納されている画像データをプリンタ部3に出力してプリンタ部3を制御することにより画像のプリント出力を行うための処理である。FAX通信処理(ステップS4)は、電話回線9を介してFAXデータの送受信を行うための処理である。ネットワーク処理(ステップS5)は、ネットワーク8を介して情報処理装置5,6およびユーザ端末装置7とのデータ通信を行ってそれに伴う処理を実行するための処理である。尚、このネットワーク処理(ステップS5)の詳細については後述する。
【0052】
図13は、操作パネル処理(ステップS1)の詳細を示すフローチャートである。この操作パネル処理では、まずキー操作検出処理(ステップS11)が行われる。このときCPU21は、キー操作検出手段として機能する。図14はこのキー操作検出処理の詳細を示すフローチャートである。CPU21は、操作パネル4からの操作信号の有無により、操作パネル4の操作キー13が操作されたか否かを判断する(ステップS21)。ここで操作が検出されなければ、キー操作検出処理を終了する。一方、操作が検出された場合、CPU21は操作パネル4から入力した操作信号に基づいてキー情報41を特定する。これにより、ユーザが操作した操作キー13に対応するキー情報41が特定される。そしてキー操作検出処理を終了し、図13のフローチャートに戻る。
【0053】
キー操作検出処理(ステップS11)が終了すると、次にキー無効化処理(ステップS12)が行われる。このときCPU21は、キー操作無効化処理手段として機能する。図15はこのキー無効化処理の詳細を示すフローチャートである。CPU21は、まずキー操作検出処理(ステップS11)においてキー情報41が特定されているか否かを判断する(ステップS31)。ここでキー情報41が特定されていなければ、操作パネル4に対する操作が行われていないことになるため、このキー無効化処理は終了する。一方、キー情報41が特定されている場合、そのキー情報41に対応する操作キーが無効化キーとして登録されているかを検索し(ステップS32)、登録されているか否かを判断する(ステップS33)。ここで無効化キーとして登録されていなければ、特に何も行う必要はないので、キー無効化処理を終了する。これに対し、キー情報41に対応する操作キーが無効化キーとして登録されていれば、画像処理装置1において現在有効化されているキー操作を無効化する(ステップS34)。したがって、例えば、カラーコピーを利用可能な状態で、ユーザが「ブラック」の操作キー13b或いは「ログイン/ログアウト」の操作キー13mを操作すると、このキー無効化処理によってカラーコピーの機能は利用できなくなる。そして図13のフローチャートに戻る。
【0054】
キー無効化処理(ステップS12)が終了すると、次にキー有効化処理(ステップS13)が行われる。図16はこのキー有効化処理の詳細を示すフローチャートである。CPU21は、まずキー操作検出処理(ステップS11)においてキー情報41が特定されているか否かを判断する(ステップS41)。ここでキー情報41が特定されていなければ、操作パネル4に対する操作が行われていないことになるため、このキー有効化処理は終了する。一方、キー情報41が特定されている場合、そのキー情報41に関連づけられたユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とを検索し(ステップS42)、そのキー情報41に対してユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられているかを判断する(ステップS43)。ここでキー情報41に対して関連づけられた情報が存在しない場合(ステップS43でNO)、ユーザ認証を行う必要はないため、ユーザによる操作キー13に対するキー操作を有効化する(ステップS49)。このステップS49では、CPU21がキー操作有効化手段として機能する。一方、キー情報43に対して関連づけられた情報が存在する場合(ステップS43でYES)、CPU21は、そのキー情報41に関連づけられた認証処理活性化情報43を読み出し(ステップS44)、その認証処理活性化情報43に設定されたユーザ認証を行う条件に合致するか否かの判断を行う(ステップS45)。ここでユーザ認証を行う条件に合致しない場合には、ユーザ認証を行う必要はないため、ユーザによる操作キー13に対するキー操作を有効化する(ステップS49)。これに対し、ユーザ認証を行う条件に合致する場合、CPU21はキー情報41に関連づけられたユーザ認証情報42を読み出し(ステップS46)、ユーザ認証処理を行う(ステップS47)。このときCPU21は、認証処理手段として機能する。ユーザ認証処理(ステップS47)では、操作パネル4の画像表示部10に対してユーザ名とパスワードを入力する画面(例えば図10(b)参照)が表示され、ユーザが操作パネル4を操作して入力するユーザ名とパスワードが、ユーザ認証情報42に登録された情報と一致するか否かを判断する処理が行われる。そしてCPU21は認証が成功したか否かを判断し(ステップS48)、認証が成功していれば、ユーザによる操作キー13に対するキー操作を有効化する(ステップS49)。これに対し、認証が失敗していれば、ユーザによる操作キー13に対するキー操作を有効化することなく、処理を終了し、図13のフローチャートに戻る。
【0055】
キー有効化処理(ステップS13)が終了すると、次に表示更新処理(ステップS14)が行われる。この表示更新処理では、CPU21は、画像表示部10の表示画面を更新する。例えば、上述したキー有効化処理(ステップS13)においてキー操作が有効化されていれば、その有効化されたキー操作が反映された表示画面に更新する。これに対し、キー操作が有効化されていなければ、ユーザが行ったキー操作は反映されず、前回の画面と同じ画面を表示する。したがって、例えば図10(a)に示すようなコピーモードの初期画面が表示されている状態で、ユーザが「カラー」と表示された操作キー13aを操作した場合、そのキー操作が有効化されていれば、画像表示部10の表示画面は図10(c)に示す状態に切り替わるが、そのキー操作が有効化されていなければ、画像表示部10の表示画面は図10(a)に示す状態に戻る。
【0056】
そして表示更新処理(ステップS14)が終了すると、次にキー認証登録処理(ステップS15)が行われる。図17はこのキー認証登録処理の詳細を示すフローチャートである。CPU21は、まずキー操作検出処理(ステップS11)においてキー情報41が特定されているか否かを判断する(ステップS51)。ここでキー情報41が特定されていなければ、操作パネル4に対する操作が行われていないことになるため、このキー認証登録処理は終了する。一方、キー情報41が特定されている場合、そのキー情報41に基づいて操作パネル4の「管理」の操作キー13h(図8(a)参照)が操作されたか否かを判断する(ステップS52)。ここで「管理」の操作キー13hではない場合は、処理を進める必要がないため、キー認証登録処理を終了する。一方、「管理」の操作キー13hである場合、CPU21はアクセス制御情報49を読み出し(ステップS53)、管理者認証処理を行って(ステップS54)、管理者の認証に成功したか否かを判断する(ステップS55)。ここで管理者の認証に失敗した場合には、処理を進めることができないため、キー認証登録処理を終了する。一方、管理者の認証に成功した場合、CPU21は、操作パネル4の画像表示部10に設定項目選択画面(図8(c)参照)を表示し(ステップS56)、その画面で「キー認証設定」に対応する操作キー13nが操作されたか否かを判断する(ステップS57)。ここで操作キー13n以外の操作キー13が操作された場合には、ステップS59に進み、その他の設定処理を行ってキー認証登録処理を終了する。これに対し、操作キー13nが操作された場合には、ステップS58に進み、操作キー認証設定処理を実行する。
【0057】
図18は操作キー認証設定処理(ステップS58)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、CPU21は、画像表示部10に対し、認証設定対象の操作キー選択画面(図9(a)参照)を表示し(ステップS61)、管理者によって設定対象の操作キー13が選択されるまで待機する(ステップS62)。操作キー13が選択されると、CPU21はその選択された操作キー13に対応するキー情報41を特定し(ステップS63)、画像表示部10に対してユーザ認証情報入力画面(図9(b)参照)を表示する(ステップS64)。そして管理者によるユーザ認証情報の入力操作が完了すると(ステップS65)、CPU21は入力されたユーザ認証情報42をキー情報41に関連づけて不揮発性メモリ29に記憶する(ステップS66)。続いてCPU21は、画像表示部10に対して認証処理活性化情報入力画面(図9(c)参照)を表示する(ステップS67)。そして管理者による認証処理活性化情報43の入力操作が完了すると(ステップS68)、CPU21は入力された認証処理活性化情報43をキー情報41に関連づけて不揮発性メモリ29に記憶する(ステップS69)。以上で図13の操作パネル処理が終了する。
【0058】
次に図12のネットワーク処理(ステップS5)について説明する。図19はこのネットワーク処理の詳細を示すフローチャートである。このネットワーク処理では、ネットワーク8に対して情報処理装置5,6が設置された場合、それら情報処理装置5,6にインストールされているアプリケーションプログラムP1〜P6による機能を画像処理装置1において利用できるようにするために、情報処理装置5,6から受信するコマンドやデータに基づいて操作パネル4に新規な操作キー13を登録する処理が行われる。つまり、この処理においてCPU21は操作キー登録手段として機能する。CPU21は、まず、ネットワーク8を介してデータを受信したか否かを判断し(ステップS71)、データを受信していなければ、ステップS76に進み、その他のネットワーク処理を行って処理を終了する。一方、ネットワーク8を介してデータを受信していれば、その受信データに操作キー登録コマンドが含まれているか否かを判断する(ステップS72)。ここで操作キー登録コマンドが含まれていなければ、ステップS76に進み、その他のネットワーク処理を行って処理を終了する。一方、操作キー登録コマンドが含まれていれば、CPU21はそのコマンドに基づいて新規な操作キー13を登録する(ステップS73)。このときCPU21は新規な操作キー13に対して新規なキー情報41を割り付け、不揮発性メモリ29に記憶する。そしてCPU21は、受信データに認証設定コマンドが含まれているか否かを判断する(ステップS74)。ここで認証設定コマンドが含まれていなければ、ステップS76に進み、その他のネットワーク処理を行って処理を終了する。これに対し、認証設定コマンドが含まれていれば、同時に受信しているユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とをステップS73で記憶したキー情報41に関連づけて不揮発性メモリ29に記憶する(ステップS75)。その後、その他のネットワーク処理(ステップS76)を行って処理を終了する。
【0059】
以上のように本実施形態における画像処理装置1は、複数の操作キー13が設けられた操作パネル4を有しており、各操作キー13に割り付けられたキー情報41と、所定の操作キー14に対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報42と、所定の操作キー13が操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報42とを関連づけて不揮発性メモリ29に記憶している。そして、ユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とが関連づけられたキー情報41に対応する操作キーが操作されたことを検知した場合、キー情報41に基づいてユーザ認証情報42と認証処理活性化情報43とを読み出し、認証処理活性化情報43に記述された条件に合致すれば、ユーザ認証情報42に基づいてユーザ認証を行い、そのユーザ認証に成功した場合に、ユーザが行ったキー操作を有効化するように構成されている。そのため、この画像処理装置1はユーザ認証を必要とするキー操作の場合にのみユーザ認証処理を行い、ユーザ認証を必要としないキー操作の場合にはそのまま画像処理装置1の各機能を使用することができるようになっている。またユーザ認証処理を行う場合でも、ユーザ認証に成功すればユーザ認証処理を行う前に行われたキー操作が有効になって画像処理装置1に反映されるため、操作パネル4に対するユーザの操作回数を減少させることができ、利用制限が課されている機能を使用する場合の操作パネルに対する操作性を改善することが可能である。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではない。つまり、本発明には種々の変形例が適用可能である。例えば、上述した実施形態では、画像処理装置1がコピー機能、スキャナ機能、FAX機能、プリンタ機能などの複数の機能を有する装置である場合を例示したが、本発明の画像処理装置はそれらのうちの少なくとも1つの機能を有する装置であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】画像処理装置を含む画像処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像処理装置の操作パネルを拡大して示す平面図である。
【図3】画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置の制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】操作パネルの画像表示部に表示される初期画面の一例を示す図であり、(a)はコピーモードの初期画面を、(b)はスキャンモードの初期画面を示す図である。
【図6】不揮発性メモリに格納されるキー情報の一例を示す図である。
【図7】認証処理活性化情報におけるユーザ認証を行う条件の記述例を示す図である。
【図8】操作パネルを介して操作キーに対応するキー情報にユーザ認証情報と認証処理活性化情報を登録する手順の一例を示す図である。
【図9】操作パネルを介して操作キーに対応するキー情報にユーザ認証情報と認証処理活性化情報を登録する手順の一例を示す図である。
【図10】コピーモードでカラーコピーを使用する場合の操作パネルに対する操作手順の一例を示す図である。
【図11】スキャンモードでスキャン送信を行う場合の操作パネルに対する操作手順の一例を示す図である。
【図12】画像処理装置のCPUがプログラムを実行することによって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】操作パネル処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】キー操作検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】キー無効化処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】キー有効化処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】キー認証登録処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】操作キー認証設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】ネットワーク処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】従来の画像処理装置においてユーザが例えばカラーコピーを利用する場合の操作パネルに対する操作手順の一例を示す図である。
【図21】パブリックモードを初期状態とする画像処理装置においてユーザがカラーコピーを利用する場合の操作パネルに対する操作手順の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 画像処理装置
5,6 情報処理装置
8 ネットワーク
4 操作パネル
11 ソフトキー(操作キー)
12 ハードキー(操作キー)
13 操作キー
21 CPU
28 ネットワークインタフェース(通信手段)
29 不揮発性メモリ(記憶手段)
31 プログラム
41 キー情報
42 ユーザ認証情報
43 認証処理活性化情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置であって、
前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知手段と、
前記キー操作検知手段が前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証処理手段と、
前記認証処理手段によるユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記認証活性化情報には、前記所定の操作キーを除く他の操作キーの操作状態、又は前記所定の操作キーに対応する機能を除く他の機能の動作状態に応じた条件が記述されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
ネットワークを介して情報処理装置とデータ通信の送受信を行う通信手段と、
前記情報処理装置の機能を利用するための操作キーを前記操作パネルに登録する操作キー登録手段と、
をさらに備え、
前記操作キー登録手段は、前記情報処理装置の機能を利用するための操作キーを前記操作パネルに登録する際、当該操作キーに対して前記キー情報を割り付けると共に、当該キー情報に対し、前記情報処理装置から入力する前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを関連付けて前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置において当該画像処理装置を利用するユーザを認証するユーザ認証方法であって、
前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて所定の記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知ステップと、
前記キー操作検知ステップにおいて前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいてユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化ステップと、
を有することを特徴とする画像処理装置におけるユーザ認証方法。
【請求項5】
複数の操作キーが設けられた操作パネルを有する画像処理装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、
前記複数の操作キーのうちの所定の操作キーに割り付けられたキー情報と、前記所定の操作キーに対応する機能を利用可能なユーザを認証するためのユーザ認証情報と、前記所定の操作キーが操作された場合にユーザ認証を行う条件を記述した認証処理活性化情報とを関連づけて所定の記憶手段に記憶させる手段、
前記複数の操作キーのいずれかが操作されたことを検知するキー操作検知手段、
前記キー操作検知手段が前記所定の操作キーが操作されたことを検知した場合、前記キー情報に基づいて前記ユーザ認証情報と前記認証処理活性化情報とを読み出し、前記認証処理活性化情報に記述された条件に合致すれば、前記ユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証処理手段、
前記認証処理手段によるユーザ認証が成功した場合に、前記所定の操作キーに対するキー操作を有効化するキー操作有効化処理手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−134549(P2010−134549A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307772(P2008−307772)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】