画像処理装置
【課題】 画像処理装置に蓄えられた画像データを印刷する場合、印刷設定によっては、印刷物の可読性が良くない。また、システム管理者によって画像処理装置の印刷設定が予め設定されている場合、画像データによっては印刷物の可読性が良くない。
【解決手段】 画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、前記画像出力手段が出力する画像データに対して設定を行う出力設定手段と、画像データを出力する際に推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備える。
【解決手段】 画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、前記画像出力手段が出力する画像データに対して設定を行う出力設定手段と、画像データを出力する際に推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像データの印刷を行う機能を有する画像処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来PDLプリント画像、スキャン画像、FAX受信画像等の複数の入力手段による入力された画像データを画像処理装置内のハードディスクなどのメモリに一旦蓄え、そのメモリからユーザの指示に従って任意の画像データを印刷する技術が開発されている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−164150
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の技術では画像処理装置に蓄えられた画像データに対し、ユーザが印刷設定を指定して印刷を行う場合、印刷する画像データとユーザが指定する印刷設定によっては、印刷された印刷物の可読性が優れない可能性がある。
【0004】
また、画像処理装置の設置環境によっては、システム管理者によって画像処理装置の印刷設定が予め設定されていて、その印刷設定と印刷する画像データによっては、やはり印刷物の可読性が優れない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来例の問題に鑑みてなされたものであり、
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、
前記画像出力手段が出力する画像データに対して設定を行う出力設定手段と、
画像データを出力する際に推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、画像処理装置内に蓄えられた画像データを可読性において問題のない適切な印刷設定で印刷することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本実施例を適用するに好適なプリンタを含むプリンティング・システムである。
【0009】
ネットワークを介して、アクセス管理サーバ101、ホスト102(102a、102b、102c)、プリンタ103(103a、103b、104c)が接続される。
【0010】
ホスト102やプリンタ103による印刷指示は、全てアクセス管理サーバ101による制限下で行われる。
【0011】
図2は、本実施例においてプリンタ内に蓄えられた印刷データからユーザが印刷するデータを選択する際、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示す。
【0012】
操作画面201には、プリンタ内に蓄えられた印刷データのサムネイル画像202(202a、202b、202c、202d)が表示され、サムネイル画像の下に詳細情報203(203a、203b、203c、203d)が表示されている。
【0013】
図3は、ユーザが印刷する印刷データを選択した後、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示す。ダイアログ301は、選択した印刷データのサムネイル画像305で、印刷設定表示302は、現在の印刷設定が片面印刷、モノクロ印刷、4in1であることを示す。ユーザがボタン303を押すことで実際の印刷が開始され、ボタン304を押すことで印刷設定を変更することができる。
【0014】
図13は、本実施例におけるプリンタの動作を制御するコントローラソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【0015】
プリンタインターフェイス1301は、外部との入出力のための手段である。プロトコル制御部1302は、ネットワークプロトコルを解析・送信することによって外部との通信を行う手段である。
【0016】
PDL解析部1303は、PDLを解析し、より処理しやすい形式のベクタデータに変換する手段である。PDL解析部1303において生成されたベクタデータはデータ描画部1304に渡されて処理される。RIP部1304は上記ベクタデータをビットマップに展開するものであり、展開されたビットマップデータはページメモリ1305に逐次描画されて行く。
【0017】
ページメモリ1305はレンダラが展開するビットマップを一次的に保持する揮発性のメモリである。
【0018】
アクセス管理制御部は、印刷装置に対するジョブやユーザのアクセスを制御する手段である。
【0019】
パネル入出力制御部は操作パネルからの入出力を制御するものである。
【0020】
ドキュメント記憶部1308は入力文書をジョブ単位にベクタデータを包含するデータファイルを保持する手段であり、ハードディスク等の二次記憶装置によって実現される。入力文書のデータファイルを保持しておけば、ユーザが好きな時間に取り出して繰り返し出力することができる。このように再利用を目的として画像出力装置の二次記憶装置に入力データをファイル形式で保持する機能をボックス機能、ファイルシステムをボックスと呼ぶ。
【0021】
スキャン制御部1309はスキャナから入力した画像データに対して、補正、加工、編集などの各種処理を行う。
【0022】
印刷制御部1310は、ページメモリ1305の内容をビデオ信号に変換処理し、プリンタエンジン部1310へ画像転送を行なう。プリンタエンジン部1311は受け取ったビデオ信号を記録紙に永久可視画像形成するための印刷機構部である。
【0023】
以下、本実施例におけるプリンタの処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0024】
ステップS701において、プリンタはユーザからプリンタ内のHDDに格納されるジョブ(印刷データ)の印刷指示を受ける。
【0025】
ステップS702において、プリンタは該当ジョブを適切に印刷するのに必要な推奨印刷設定を決定する。この推奨印刷設定の決定方法については、図8と図9を用いて後述する。
【0026】
ここではユーザに対する推奨印刷設定の見え方について、図4を参考に説明する。図4は、ユーザが用紙一枚に印刷するページ数を決める際、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例である。
【0027】
ボタン401、402、403、404は、それぞれ用紙一枚につき2ページ、4ページ、6ページ、8ページ印刷すること(以下「2in1」「4in1」「6in1」「8in1」)を示す。しかし、本実施例においてボタン401はアクセス管理サーバによって無効化され使用できないものとする。
【0028】
つまり、ユーザは用紙一枚につき4ページ以上を含めて印刷することしかできない。ボタン403、404上に表示された警告マーク406は、「6in1」あるいは「8in1」の印刷設定が、推奨印刷設定にそぐわない内容であることを示す。つまり、ユーザは印刷設定としてボタン402、403、404を選択可能であるが、プリンタはボタン402の「4in1」の印刷設定を推奨している。
【0029】
ステップS703において、プリンタは現在プリンタに指定されている印刷設定が、ステップS702で決定した推奨印刷設定に則しているかどうかを判断する。則してない場合はステップSS704へ、則している場合はステップS7012へ、プリンタは処理を進める。
【0030】
ステップS704において、プリンタはアクセス管理サーバが指定する印刷制限を確認する。
【0031】
ステップS705において、プリンタはプリンタが決定した推奨印刷設定が、アクセス管理サーバが指定する印刷制限に抵触するかどうか判断する。抵触する場合はステップS706へ、抵触しない場合はステップS7011へ、プリンタは処理を進める。
【0032】
ステップS706において、プリンタはアクセス管理サーバに対して印刷制限の一時解除を要求する。
【0033】
ステップS707において、アクセス管理サーバがプリンタの要求を受け入れた場合はステップS708へ、受け入れない場合はステップS7012へ、プリンタは処理を進める。
【0034】
ステップS708において、プリンタはユーザに対して推奨印刷設定を通知して、印刷設定の変更を促す。
【0035】
図5は、その際にプリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示し、印刷メッセージ501が推奨印刷設定を通知して印刷設定の変更を促す通知である。
【0036】
通知を受けたユーザはボタン503あるいはボタン505を選択することで該当ジョブの印刷設定を変更し、ボタン504を選択することで該当ジョブの印刷を了承する。
【0037】
図6は、ユーザがボタン505を選択し印刷設定を変更する際にプリンタの操作パネルに表示される操作画面の例である。
【0038】
ステップS707でアクセス管理サーバがプリンタの要求(「2in1」の印刷)を受け入れたことで、図4ではアクセス管理サーバの印刷制限で無効だったボタン601(「2in1」)が有効になっている。
【0039】
ステップS709において、ユーザが印刷を了承すれば、プリンタは指定された印刷設定で該当ジョブの印刷を行う。ステップS708の後、ユーザが印刷設定を変更したかどうかは問わない。
【0040】
ステップS710において、プリンタはアクセス管理サーバに対して該当ジョブの印刷終了を通知する。
【0041】
ステップS711において、プリンタはユーザに対して推奨印刷設定を通知して、印刷設定の変更を促す。(ステップS708と同様の処理)
ステップS712において、ユーザが印刷を了承すれば、プリンタは指定された印刷設定で該当ジョブの印刷を行う。ステップS711の後、ユーザが印刷設定を変更したかどうかは問わない。
【0042】
次にステップS702の処理の詳細について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップS801において、予めプリンタは印刷指示のあったジョブ(印刷データ)に含まれる文字の分布状況に従って推奨印刷設定を決定する図9に示すようなテーブルを持つ。
【0044】
図9のテーブルでは、例えばジョブ中にフォーマットがビットマップかつサイズが5ポイント未満の文字が含まれる場合、プリンタはテーブル901の「2in1」以内の印刷設定を推奨することを示す。(つまり「1in1」か「2in1」が推奨印刷設定)
ステップS802において、プリンタは印刷指示のあったジョブに含まれる文字のサイズとフォーマットを分析する。
【0045】
ステップS803において、プリンタはステップS802の分析結果と前述のテーブルを参照し、該当ジョブを適切に印刷するのに必要と思われる推奨印刷設定を決定する。
【0046】
図10と図11は、ジョブに含まれる文字によって、プリンタの操作パネルに表示される推奨印刷設定が変わることを示す例である。
【0047】
図10の場合、サムネイル1005に表示されたジョブは、5ポイント未満かつビットマップ文字で構成されていて、プリンタは図9のテーブルに従った結果「2in1」以内の設定による印刷を推奨している。
【0048】
図11の場合、サムネイル1105に表示されたジョブは、5ポイント以上かつパス文字で構成されていて、プリンタは図9のテーブルに従った結果「6in1」以内の設定よる印刷を推奨している。
【0049】
次に本実施例のプリンタが、ステップS706において要求を依頼したアクセス管理サーバの処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
ステップS1201において、アクセス管理サーバはシステム管理者の設定に従い各プリンタの印刷制限を行う。
【0051】
ステップS1202において、アクセス管理サーバはプリンタから印刷制限の一時解除の要求があるか判断する。要求がある場合はステップS1203へ、要求がない場合はステップ1201へ、アクセス管理サーバは処理を進める。
【0052】
ステップS1203において、アクセス管理サーバはシステム管理者がプリンタからの要求である印刷制限の一時解除を許可しているかどうか判断する。許可している場合はステップS1204へ、許可してない場合はステップS1208へ、アクセス管理サーバは処理を進める。
【0053】
ステップS1204において、アクセス管理サーバは該当プリンタの要求を受け入れ、該当プリンタの印刷制限を要求に従って変更する。
【0054】
ステップS1205において、アクセス管理サーバは該当プリンタから印刷終了の通知を受けたかどうか判断する。アクセス管理サーバは、印刷終了通知を受けた場合はステップS1206へ処理を進め、受けない場合はその他の処理を続けながらステップS1205の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS1206において、アクセス管理サーバは該当プリンタの印刷制限を元の設定に戻す。
【0056】
ステップS1207において、アクセス管理サーバは該当プリンタの印刷制限を変更した記録をシステム管理者に通知する。
【0057】
以上、これまで説明した処理によって、ユーザは印刷データに適した印刷設定を指定することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性が向上する。
【0058】
(実施例2)
本実施例では、実施例1のステップS702で示した処理とは別の処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
ステップS1401において、予めプリンタは印刷指示のあったジョブ(印刷データ)に含まれるグラフィックの分布状況に従って推奨印刷設定を決定する図15に示すようなテーブルを持つ。
【0060】
図15のテーブルは、例えばジョブ中に線幅が2ポイント未満のグラフィックが含まれる場合、プリンタはテーブル1501の「2in1」以内の印刷設定を推奨することを示す。(つまり「1in1」か「2in1」が推奨印刷設定)
ステップS1402において、プリンタは印刷指示のあったジョブに含まれるグラフィックの線幅を分析する。
【0061】
ステップS1403において、プリンタはステップS1402の分析結果と前述のテーブルを参照し、該当ジョブを適切に印刷するのに必要と思われる推奨印刷設定を決定する。
【0062】
実施例1と同様、以上の処理によってユーザは印刷データに適した印刷設定を指定することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】プリンタを含むプリンティング・システムを示す図である。
【図2】プリンタの操作パネルに表示される操作画面1である。
【図3】プリンタの操作パネルに表示される操作画面2である。
【図4】プリンタの操作パネルに表示される操作画面3である。
【図5】プリンタの操作パネルに表示される操作画面4である。
【図6】プリンタの操作パネルに表示される操作画面5である。
【図7】本実施例のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【図8】文字から推奨印刷設定を決定する処理を示すフローチャート図である。
【図9】文字のサイズとフォーマットから推奨印刷設定を決定するテーブルである。
【図10】ビットマップ文字で構成されるジョブの推奨印刷設定を示す図である。
【図11】パス文字で構成されるジョブの推奨印刷設定を示す図である。
【図12】本実施例のアクセス管理サーバの処理を示すフローチャート図である。
【図13】プリンタのコントローラソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【図14】第2の実施例のフローチャート図である。
【図15】第2の実施例のテーブルを島鈴である。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像データの印刷を行う機能を有する画像処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来PDLプリント画像、スキャン画像、FAX受信画像等の複数の入力手段による入力された画像データを画像処理装置内のハードディスクなどのメモリに一旦蓄え、そのメモリからユーザの指示に従って任意の画像データを印刷する技術が開発されている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−164150
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の技術では画像処理装置に蓄えられた画像データに対し、ユーザが印刷設定を指定して印刷を行う場合、印刷する画像データとユーザが指定する印刷設定によっては、印刷された印刷物の可読性が優れない可能性がある。
【0004】
また、画像処理装置の設置環境によっては、システム管理者によって画像処理装置の印刷設定が予め設定されていて、その印刷設定と印刷する画像データによっては、やはり印刷物の可読性が優れない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来例の問題に鑑みてなされたものであり、
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、
前記画像出力手段が出力する画像データに対して設定を行う出力設定手段と、
画像データを出力する際に推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、画像処理装置内に蓄えられた画像データを可読性において問題のない適切な印刷設定で印刷することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本実施例を適用するに好適なプリンタを含むプリンティング・システムである。
【0009】
ネットワークを介して、アクセス管理サーバ101、ホスト102(102a、102b、102c)、プリンタ103(103a、103b、104c)が接続される。
【0010】
ホスト102やプリンタ103による印刷指示は、全てアクセス管理サーバ101による制限下で行われる。
【0011】
図2は、本実施例においてプリンタ内に蓄えられた印刷データからユーザが印刷するデータを選択する際、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示す。
【0012】
操作画面201には、プリンタ内に蓄えられた印刷データのサムネイル画像202(202a、202b、202c、202d)が表示され、サムネイル画像の下に詳細情報203(203a、203b、203c、203d)が表示されている。
【0013】
図3は、ユーザが印刷する印刷データを選択した後、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示す。ダイアログ301は、選択した印刷データのサムネイル画像305で、印刷設定表示302は、現在の印刷設定が片面印刷、モノクロ印刷、4in1であることを示す。ユーザがボタン303を押すことで実際の印刷が開始され、ボタン304を押すことで印刷設定を変更することができる。
【0014】
図13は、本実施例におけるプリンタの動作を制御するコントローラソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【0015】
プリンタインターフェイス1301は、外部との入出力のための手段である。プロトコル制御部1302は、ネットワークプロトコルを解析・送信することによって外部との通信を行う手段である。
【0016】
PDL解析部1303は、PDLを解析し、より処理しやすい形式のベクタデータに変換する手段である。PDL解析部1303において生成されたベクタデータはデータ描画部1304に渡されて処理される。RIP部1304は上記ベクタデータをビットマップに展開するものであり、展開されたビットマップデータはページメモリ1305に逐次描画されて行く。
【0017】
ページメモリ1305はレンダラが展開するビットマップを一次的に保持する揮発性のメモリである。
【0018】
アクセス管理制御部は、印刷装置に対するジョブやユーザのアクセスを制御する手段である。
【0019】
パネル入出力制御部は操作パネルからの入出力を制御するものである。
【0020】
ドキュメント記憶部1308は入力文書をジョブ単位にベクタデータを包含するデータファイルを保持する手段であり、ハードディスク等の二次記憶装置によって実現される。入力文書のデータファイルを保持しておけば、ユーザが好きな時間に取り出して繰り返し出力することができる。このように再利用を目的として画像出力装置の二次記憶装置に入力データをファイル形式で保持する機能をボックス機能、ファイルシステムをボックスと呼ぶ。
【0021】
スキャン制御部1309はスキャナから入力した画像データに対して、補正、加工、編集などの各種処理を行う。
【0022】
印刷制御部1310は、ページメモリ1305の内容をビデオ信号に変換処理し、プリンタエンジン部1310へ画像転送を行なう。プリンタエンジン部1311は受け取ったビデオ信号を記録紙に永久可視画像形成するための印刷機構部である。
【0023】
以下、本実施例におけるプリンタの処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0024】
ステップS701において、プリンタはユーザからプリンタ内のHDDに格納されるジョブ(印刷データ)の印刷指示を受ける。
【0025】
ステップS702において、プリンタは該当ジョブを適切に印刷するのに必要な推奨印刷設定を決定する。この推奨印刷設定の決定方法については、図8と図9を用いて後述する。
【0026】
ここではユーザに対する推奨印刷設定の見え方について、図4を参考に説明する。図4は、ユーザが用紙一枚に印刷するページ数を決める際、プリンタの操作パネルに表示される操作画面の例である。
【0027】
ボタン401、402、403、404は、それぞれ用紙一枚につき2ページ、4ページ、6ページ、8ページ印刷すること(以下「2in1」「4in1」「6in1」「8in1」)を示す。しかし、本実施例においてボタン401はアクセス管理サーバによって無効化され使用できないものとする。
【0028】
つまり、ユーザは用紙一枚につき4ページ以上を含めて印刷することしかできない。ボタン403、404上に表示された警告マーク406は、「6in1」あるいは「8in1」の印刷設定が、推奨印刷設定にそぐわない内容であることを示す。つまり、ユーザは印刷設定としてボタン402、403、404を選択可能であるが、プリンタはボタン402の「4in1」の印刷設定を推奨している。
【0029】
ステップS703において、プリンタは現在プリンタに指定されている印刷設定が、ステップS702で決定した推奨印刷設定に則しているかどうかを判断する。則してない場合はステップSS704へ、則している場合はステップS7012へ、プリンタは処理を進める。
【0030】
ステップS704において、プリンタはアクセス管理サーバが指定する印刷制限を確認する。
【0031】
ステップS705において、プリンタはプリンタが決定した推奨印刷設定が、アクセス管理サーバが指定する印刷制限に抵触するかどうか判断する。抵触する場合はステップS706へ、抵触しない場合はステップS7011へ、プリンタは処理を進める。
【0032】
ステップS706において、プリンタはアクセス管理サーバに対して印刷制限の一時解除を要求する。
【0033】
ステップS707において、アクセス管理サーバがプリンタの要求を受け入れた場合はステップS708へ、受け入れない場合はステップS7012へ、プリンタは処理を進める。
【0034】
ステップS708において、プリンタはユーザに対して推奨印刷設定を通知して、印刷設定の変更を促す。
【0035】
図5は、その際にプリンタの操作パネルに表示される操作画面の例を示し、印刷メッセージ501が推奨印刷設定を通知して印刷設定の変更を促す通知である。
【0036】
通知を受けたユーザはボタン503あるいはボタン505を選択することで該当ジョブの印刷設定を変更し、ボタン504を選択することで該当ジョブの印刷を了承する。
【0037】
図6は、ユーザがボタン505を選択し印刷設定を変更する際にプリンタの操作パネルに表示される操作画面の例である。
【0038】
ステップS707でアクセス管理サーバがプリンタの要求(「2in1」の印刷)を受け入れたことで、図4ではアクセス管理サーバの印刷制限で無効だったボタン601(「2in1」)が有効になっている。
【0039】
ステップS709において、ユーザが印刷を了承すれば、プリンタは指定された印刷設定で該当ジョブの印刷を行う。ステップS708の後、ユーザが印刷設定を変更したかどうかは問わない。
【0040】
ステップS710において、プリンタはアクセス管理サーバに対して該当ジョブの印刷終了を通知する。
【0041】
ステップS711において、プリンタはユーザに対して推奨印刷設定を通知して、印刷設定の変更を促す。(ステップS708と同様の処理)
ステップS712において、ユーザが印刷を了承すれば、プリンタは指定された印刷設定で該当ジョブの印刷を行う。ステップS711の後、ユーザが印刷設定を変更したかどうかは問わない。
【0042】
次にステップS702の処理の詳細について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップS801において、予めプリンタは印刷指示のあったジョブ(印刷データ)に含まれる文字の分布状況に従って推奨印刷設定を決定する図9に示すようなテーブルを持つ。
【0044】
図9のテーブルでは、例えばジョブ中にフォーマットがビットマップかつサイズが5ポイント未満の文字が含まれる場合、プリンタはテーブル901の「2in1」以内の印刷設定を推奨することを示す。(つまり「1in1」か「2in1」が推奨印刷設定)
ステップS802において、プリンタは印刷指示のあったジョブに含まれる文字のサイズとフォーマットを分析する。
【0045】
ステップS803において、プリンタはステップS802の分析結果と前述のテーブルを参照し、該当ジョブを適切に印刷するのに必要と思われる推奨印刷設定を決定する。
【0046】
図10と図11は、ジョブに含まれる文字によって、プリンタの操作パネルに表示される推奨印刷設定が変わることを示す例である。
【0047】
図10の場合、サムネイル1005に表示されたジョブは、5ポイント未満かつビットマップ文字で構成されていて、プリンタは図9のテーブルに従った結果「2in1」以内の設定による印刷を推奨している。
【0048】
図11の場合、サムネイル1105に表示されたジョブは、5ポイント以上かつパス文字で構成されていて、プリンタは図9のテーブルに従った結果「6in1」以内の設定よる印刷を推奨している。
【0049】
次に本実施例のプリンタが、ステップS706において要求を依頼したアクセス管理サーバの処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
ステップS1201において、アクセス管理サーバはシステム管理者の設定に従い各プリンタの印刷制限を行う。
【0051】
ステップS1202において、アクセス管理サーバはプリンタから印刷制限の一時解除の要求があるか判断する。要求がある場合はステップS1203へ、要求がない場合はステップ1201へ、アクセス管理サーバは処理を進める。
【0052】
ステップS1203において、アクセス管理サーバはシステム管理者がプリンタからの要求である印刷制限の一時解除を許可しているかどうか判断する。許可している場合はステップS1204へ、許可してない場合はステップS1208へ、アクセス管理サーバは処理を進める。
【0053】
ステップS1204において、アクセス管理サーバは該当プリンタの要求を受け入れ、該当プリンタの印刷制限を要求に従って変更する。
【0054】
ステップS1205において、アクセス管理サーバは該当プリンタから印刷終了の通知を受けたかどうか判断する。アクセス管理サーバは、印刷終了通知を受けた場合はステップS1206へ処理を進め、受けない場合はその他の処理を続けながらステップS1205の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS1206において、アクセス管理サーバは該当プリンタの印刷制限を元の設定に戻す。
【0056】
ステップS1207において、アクセス管理サーバは該当プリンタの印刷制限を変更した記録をシステム管理者に通知する。
【0057】
以上、これまで説明した処理によって、ユーザは印刷データに適した印刷設定を指定することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性が向上する。
【0058】
(実施例2)
本実施例では、実施例1のステップS702で示した処理とは別の処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
ステップS1401において、予めプリンタは印刷指示のあったジョブ(印刷データ)に含まれるグラフィックの分布状況に従って推奨印刷設定を決定する図15に示すようなテーブルを持つ。
【0060】
図15のテーブルは、例えばジョブ中に線幅が2ポイント未満のグラフィックが含まれる場合、プリンタはテーブル1501の「2in1」以内の印刷設定を推奨することを示す。(つまり「1in1」か「2in1」が推奨印刷設定)
ステップS1402において、プリンタは印刷指示のあったジョブに含まれるグラフィックの線幅を分析する。
【0061】
ステップS1403において、プリンタはステップS1402の分析結果と前述のテーブルを参照し、該当ジョブを適切に印刷するのに必要と思われる推奨印刷設定を決定する。
【0062】
実施例1と同様、以上の処理によってユーザは印刷データに適した印刷設定を指定することが可能になり、ユーザに対するプリンタの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】プリンタを含むプリンティング・システムを示す図である。
【図2】プリンタの操作パネルに表示される操作画面1である。
【図3】プリンタの操作パネルに表示される操作画面2である。
【図4】プリンタの操作パネルに表示される操作画面3である。
【図5】プリンタの操作パネルに表示される操作画面4である。
【図6】プリンタの操作パネルに表示される操作画面5である。
【図7】本実施例のプリンタの処理を示すフローチャート図である。
【図8】文字から推奨印刷設定を決定する処理を示すフローチャート図である。
【図9】文字のサイズとフォーマットから推奨印刷設定を決定するテーブルである。
【図10】ビットマップ文字で構成されるジョブの推奨印刷設定を示す図である。
【図11】パス文字で構成されるジョブの推奨印刷設定を示す図である。
【図12】本実施例のアクセス管理サーバの処理を示すフローチャート図である。
【図13】プリンタのコントローラソフトウェアの構成を示すブロック図である。
【図14】第2の実施例のフローチャート図である。
【図15】第2の実施例のテーブルを島鈴である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、
画像データの出力に際して出力設定を行う出力設定手段と、
画像データを出力に際して推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備え、
画像データ解析手段による解析結果によって、前記推奨設定通知手段が推奨する出力設定を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力設定手段とは別に、出力設定を管理する出力設定管理手段を備え、
出力設定管理手段が管理する出力設定に従い、前記画像出力手段が画像データを出力することを特徴とする請求項1の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像データ解析手段による解析結果と前記推奨設定通知手段が推奨する出力設定によって、前記出力設定管理手段に対して出力設定の変更を要求することを特徴とする請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
前記推奨設定通知手段は、前記画像データ解析手段の解析で得られる画像データに含まれる文字のサイズとフォーマットから、推奨する出力設定を決定することを特徴とする請求項1、2、3の画像処理装置。
【請求項5】
前記推奨設定通知手段は、前記画像データ解析手段の解析で得られる画像データに含まれるグラフィックの線の幅から、推奨する出力設定を決定することを特徴とする請求項1、2、3の画像処理装置。
【請求項1】
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された画像データを記憶する画像記憶手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを出力する画像出力手段と、
画像データの出力に際して出力設定を行う出力設定手段と、
画像データを出力に際して推奨する出力設定を通知する推奨設定通知手段と、
画像記憶手段に記憶された画像データを解析する画像データ解析手段を備え、
画像データ解析手段による解析結果によって、前記推奨設定通知手段が推奨する出力設定を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力設定手段とは別に、出力設定を管理する出力設定管理手段を備え、
出力設定管理手段が管理する出力設定に従い、前記画像出力手段が画像データを出力することを特徴とする請求項1の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像データ解析手段による解析結果と前記推奨設定通知手段が推奨する出力設定によって、前記出力設定管理手段に対して出力設定の変更を要求することを特徴とする請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
前記推奨設定通知手段は、前記画像データ解析手段の解析で得られる画像データに含まれる文字のサイズとフォーマットから、推奨する出力設定を決定することを特徴とする請求項1、2、3の画像処理装置。
【請求項5】
前記推奨設定通知手段は、前記画像データ解析手段の解析で得られる画像データに含まれるグラフィックの線の幅から、推奨する出力設定を決定することを特徴とする請求項1、2、3の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−143124(P2009−143124A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323394(P2007−323394)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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