画像形成システム

【課題】第三者によってパスワードが盗まれることがなく、印刷データが漏洩するのを防止することができるようにする。
【解決手段】データ処理装置と画像形成装置とが外部ネットワークを介して接続される。前記データ処理装置は、印刷データ生成部15、印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部17、パスワード出力部、及び印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部16を備える。前記画像形成装置は、印刷データ受信部23、第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部24、パスワード入力部、パスワードを照合するパスワード照合部26、及び照合結果に基づいて、印刷を行う印刷制御部25を備える。第1のパスワードは、外部ネットワークを介することなく画像形成装置に入力されるので、第三者によってパスワードが盗まれることがない。
【解決手段】データ処理装置と画像形成装置とが外部ネットワークを介して接続される。前記データ処理装置は、印刷データ生成部15、印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部17、パスワード出力部、及び印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部16を備える。前記画像形成装置は、印刷データ受信部23、第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部24、パスワード入力部、パスワードを照合するパスワード照合部26、及び照合結果に基づいて、印刷を行う印刷制御部25を備える。第1のパスワードは、外部ネットワークを介することなく画像形成装置に入力されるので、第三者によってパスワードが盗まれることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタとホストコンピュータとがLANを介して接続された画像形成システムにおいては、認証印刷を行う場合、ホストコンピュータにおいてパスワードが生成され、該パスワード及び印刷データがプリンタの記憶装置に記録され、その後、操作者がプリンタの操作部を操作してパスワードを入力すると、入力されたパスワードと記憶装置に記録されたパスワードとが照合され、両パスワードが一致すると、印刷データに基づいて印刷が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−152981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の画像形成システムにおいては、パスワードがLANを介して送信されるので、第三者によってパスワードが盗まれ、印刷データが漏洩してしまう恐れがある。
【0004】
本発明は、前記従来の画像形成システムの問題点を解決して、第三者によってパスワードが盗まれることがなく、印刷データが漏洩するのを防止することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の画像形成システムにおいては、データ処理装置と、該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有する。
【0006】
そして、前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備える。
【0007】
また、前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及びパスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成システムにおいては、データ処理装置と、該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有する。
【0009】
そして、前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備える。
【0010】
また、前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及びパスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備える。
【0011】
この場合、データ処理装置において、第1のパスワード生成部によって生成され、パスワード出力部に出力された第1のパスワードは、外部ネットワークを介することなく画像形成装置に入力されるので、第三者によってパスワードが盗まれることはない。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【0014】
図において、11は画像形成システムであり、該画像形成システム11は、データ処理装置としての、かつ、上位装置としてのホストコンピュータ12、及び画像形成装置としてのプリンタ21によって構成される。前記ホストコンピュータ12には、プリンタドライバ13がインストール(配設)され、プリンタドライバ13は、印刷データ生成部15、印刷データ送信部16及び第1のパスワード生成部17によって構成される。
【0015】
そして、前記印刷データ生成部15は、アプリケーションソフトウェアで作成された文書データから印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷データ送信部16に送信する。印刷データ送信部16は、受信した印刷データを、外部ネットワークとしてのLAN18を介してプリンタ21に送信する。また、前記第1のパスワード生成部17は、印刷データ生成部15から送信された印刷データをパスワード情報として利用し、第1のパスワードを生成する。なお、該第1のパスワードは、操作者がプリンタ21の操作部としての、かつ、パスワード入力部としてのオペレーションパネル27を操作することによってプリンタ21に入力される。
【0016】
また、14は前記ホストコンピュータ12の表示部としての、かつ、パスワード出力部としてのディスプレイであり、該ディスプレイ14に、第1のパスワード生成部17から送信された第1のパスワードが出力(表示)され、操作者に通知される。
【0017】
次に、前記プリンタ21について説明する。
【0018】
図において、23は印刷データ受信部であり、該印刷データ受信部23は、前記LAN18を介して印刷データを受信すると、該印刷データを、不揮発性の記録部としてのハードディスク22に記録するとともに、第2のパスワード生成部24に送信する。該第2のパスワード生成部24は、受信した印刷データをパスワード情報として利用し、第2のパスワードを生成してハードディスク22に記録する。なお、第2のパスワード生成部24は、前記第1のパスワード生成部17と同一のアルゴリズムで第2のパスワードを生成する。
【0019】
そして、前記オペレーションパネル27は、ハードディスク22に記録された印刷データについて印刷を行うために、操作者による第1のパスワードの入力を受け付ける操作者インタフェースであり、操作者がオペレーションパネル27を操作して第1のパスワードを入力すると、オペレーションパネル27は第1のパスワードをパスワード照合部26に送信する。
【0020】
該パスワード照合部26は、受信した第1のパスワードと、ハードディスク22に記録された第2のパスワードとを順次照合し、照合結果に基づいて、本実施の形態においては、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、第1、第2のパスワードに対応する印刷データを印刷制御部25に送信する。該印刷制御部25は、受信した印刷データに基づいて印刷画像を形成し、媒体としての用紙に対して印刷を行う。
【0021】
次に、前記構成の画像形成システム11の動作について説明する。
【0022】
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【0023】
まず、ホストコンピュータ12は印刷データ生成・送信処理を行い、印刷データ及び第1のパスワードを生成し、印刷データをプリンタ21に送信する。次に、プリンタ21は、印刷データ記録処理を行い、前記印刷データを受信し、印刷データから第2のパスワードを生成し、印刷データ及び第2のパスワードをハードディスク22に記録する。そして、プリンタ21は、印刷処理を行い、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、印刷を実行する。
【0024】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷データ生成・送信処理を行う。
ステップS2 印刷データ記録処理を行う。
ステップS3 印刷処理を行い、処理を終了する。
【0025】
次に、印刷データ生成・送信処理について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態における印刷データ生成・送信処理のサブルーチンを示す図である。
【0027】
まず、操作者が、アプリケーションソフトウェアを使用して文書データを作成し、次に、前記プリンタドライバ13で、認証印刷を設定し、印刷を開始すると、前記印刷データ生成部15は、印刷データを生成する。
【0028】
そして、印刷データが生成されると、前記第1のパスワード生成部17は、印刷データを読み込み、該印刷データをパスワード情報として利用し、第1のパスワードを生成する。この場合、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第1のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0029】
前記第1のパスワードは、操作者がプリンタ21による印刷を実行する際に、オペレーションパネル27を操作して入力するためのものである。この場合、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余をハッシュ値にした理由は、第1のパスワード及び後述される第2のパスワードを10進数の4桁までの数値で表すことができ、ハッシュ値を値域内で可能な限り均等に分けるためである。
【0030】
このようにして、第1のパスワードが生成されると、第1のパスワード生成部17は、前記ディスプレイ14に第1のパスワードを出力し、操作者に通知する。
【0031】
続いて、印刷データ送信部16は、印刷データを前記LAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0032】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第1のパスワードは生成されない。
【0033】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 印刷データを生成する。
ステップS1−2 印刷データから第1のパスワードを生成する。
ステップS1−3 第1のパスワードを操作者に通知する。
ステップS1−4 印刷データをプリンタ21に送信し、リターンする。
【0034】
次に、印刷データ記録処理について説明する。
【0035】
図4は本発明の第1の実施の形態における印刷データ記録処理のサブルーチンを示す図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクの印刷データの記録状態を示す図である。
【0036】
プリンタ21において、前記印刷データ受信部23がホストコンピュータ12からLAN18を介して送信された印刷データを受信すると、第2のパスワード生成部24は、受信された印刷データに基づいて、第2のパスワードを生成する。この場合、第1のパスワード生成部17と同様に、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第2のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0037】
続いて、第2のパスワード生成部24は、印刷データ受信部23によって受信された印刷データと、第2のパスワード生成部24によって生成された印刷データとを対応させて、前記ハードディスク22に記録する。ハードディスク22においては、図5に示されるように、受信した印刷データdti(i=1、2、…、m)と第2のパスワードpwi(i=1、2、…、m)とが対応させて記録領域に順次記録される。この場合、mは9973である。
【0038】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第2のパスワードは生成されず、印刷データはハードディスク22に記録されない。
【0039】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 印刷データを受信する。
ステップS2−2 印刷データからパスワードを生成する。
ステップS2−3 印刷データ及びパスワードをハードディスク22に記録し、リターンする。
【0040】
次に、前記印刷データについての印刷処理について説明する。
【0041】
図6は本発明の第1の実施の形態における印刷処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるパスワード照合処理のサブルーチンを示す図である。
【0042】
まず、操作者が、オペレーションパネル27を操作して、LAN18を介することなくディスプレイ14によって通知された第1のパスワードを入力すると、パスワード照合部26はパスワード照合処理を行う。
【0043】
該パスワード照合処理において、パスワード照合部26はパスワード、すなわち、入力された第1のパスワードと、ハードディスク22に記録された第2のパスワードとを順次比較し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致するかどうかを判断する。
【0044】
第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、パスワード照合部26はパスワード照合処理を終了し、第2のパスワードと対応する印刷データをハードディスク22から読み出し、印刷制御部25に送信する。該印刷制御部25は、印刷データを受信すると、印刷画像を形成し、印刷を実行する。なお、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致しない場合、印刷処理は終了される。
【0045】
このように、本実施の形態においては、第1のパスワードがLAN18を介して送信されることはないので、第三者によってパスワードが盗まれることがなくなる。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【0046】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 操作者が第1のパスワードを入力する。
ステップS3−2 パスワード照合処理を行う。
ステップS3−3 第1のパスワードと第2のパスワードとが一致したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとが一致した場合はステップS3−4に進み、一致しない場合はリターンする。
ステップS3−4 印刷を実行し、リターンする。
【0047】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS3−2−1 第1のパスワードと第2のパスワードとを順次比較する。
ステップS3−2−2 第1のパスワードと第2のパスワードとが一致したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとが一致した場合はリターンし、一致しない場合はステップS3−2−3に進む。
ステップS3−2−3 第1のパスワードと第2のパスワードとの比較が終了したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとの比較が終了した場合はリターン
し、比較が終了していない場合はステップS3−2−1に戻る。
【0048】
本実施の形態においては、第1のパスワードがディスプレイ14に出力され、操作者に通知されるようになっているが、USBメモリ、ICカード等のような携帯可能な記録媒体に第1のパスワードを記録することができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、不揮発性の記録部としてのハードディスク22が使用されるようになっているが、ハードディスク22に代えて、一定の記憶容量を有するフラッシュメモリを使用することもできる。
【0050】
そして、本実施の形態においては、第1のパスワードを入力するための入力部としてオペレーションパネル27が使用されるようになっているが、入力部として、第1のパスワードが記録されたUSBメモリから第1のパスワードを読み出すためのUSBポートを使用したり、第1のパスワードが記録されたICカードから第1のパスワードを読み出すためのICカード読取装置等を使用したりすることもできる。
【0051】
さらに、本実施の形態において、印刷データは、プリンタ21から送信された順にハードディスク22に記録されるようになっているが、ハードディスク22にハッシュテーブルを設定し、算出されたハッシュ値ごとに該当する記憶領域に記録することができる。その場合、第1のパスワードのハッシュ値と同じハッシュ値の記憶領域から第2のパスワードを読み出すことによって、第1のパスワードと第2のパスワードとを比較することができるので、照合処理を高速で行うことができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、第1のパスワードと第2のパスワードとが完全に一致した場合に印刷が行われるようになっているが、第1のパスワードと第2のパスワードとが一部一致した場合に印刷を行うようにすることもできる。具体的には、第1、第2のパスワードに、例えば、チェックサム、CRC(巡回冗長検査)等のような付加情報が付加される。その場合、付加情報が付加された第2のパスワードがハードディスク22に記録され、付加情報が付加された第1のパスワードが入力されると、パスワード照合処理において、第1のパスワードと第2のパスワードとが、付加情報を除いた部分で比較される。
【0053】
さらに、第1、第2のパスワードがあらかじめ設定された所定の関係にあるときに印刷が行われるようにすることができる。
【0054】
ところで、複写機においては、一般に、画像を読み取るスキャナと画像を形成するプリンタとが一体に形成されるが、スキャナ及び該スキャナから離れた箇所に独立させて配設されたプリンタから成る画像形成システムに適用した本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0055】
図8は本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。なお、この場合、主として画像読取装置としてのスキャナ32について説明し、それ以外の部分については第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
図において、画像形成システム31は、スキャナ32及び画像形成装置としてのプリンタ21によって構成され、前記スキャナ32は、印刷データ送信部16、第1のパスワード生成部17、画像読取部33、画像データ変換部34、及びパスワード出力部としてのディスプレイ14によって構成される。なお、前記スキャナ32によってデータ処理装置が構成される。
【0057】
前記画像読取部33が原稿の画像を読み取り、画像データを生成すると、画像データ変換部34は、前記画像データを印刷データに変換する。そして、印刷データ送信部16は、前記印刷データを外部ネットワークとしてのLAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0058】
また、前記第1のパスワード生成部17は、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成し、該第1のパスワードをディスプレイ14に出力し、操作者に通知する。
【0059】
次に、前記構成の画像形成システム31の動作について説明する。
【0060】
図9は本発明の第2の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【0061】
まず、スキャナ32は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成し、更に画像データを印刷データに変換する。続いて、スキャナ32は、印刷データから第1のパスワードを生成し、操作者に通知するとともに、印刷データをプリンタ21に送信する。次に、プリンタ21は、印刷データ記録処理を行い、スキャナ32から送信された印刷データを受信し、印刷データから第2のパスワードを生成し、印刷データ及び第2のパスワードを不揮発性の記録部としてのハードディスク22に記録する。そして、プリンタ21は、印刷処理を行い、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、印刷を実行する。
【0062】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 画像データ変換処理を行う。
ステップS12 パスワード通知処理を行う。
ステップS13 印刷データ記録処理を行う。
ステップS14 印刷処理を行い、処理を終了する。
【0063】
次に、画像データ変換処理について説明する。
【0064】
図10は本発明の第2の実施の形態における画像データ変換処理のサブルーチンを示す図である。
【0065】
まず、操作者がスキャナ32に原稿をセットすると、画像読取部33は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成し、画像データ変換部34に送信する。該画像データ変換部34は、画像データを受信すると、画像データを印刷データに変換する。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11−1 原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。
ステップS11−2 画像データを印刷データに変換し、リターンする。
【0067】
次に、パスワード通知処理について説明する。
【0068】
図11は本発明の第2の実施の形態におけるパスワード通知処理のサブルーチンを示す図である。
【0069】
画像データが印刷データに変換されると、第1のパスワード生成部17は、印刷データを読み込み、印刷データの情報に基づいて第1のパスワードを生成する。この場合、第1の実施の形態と同様に、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第1のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0070】
前記第1のパスワードは、操作者がプリンタ21による印刷を実行する際に、パスワード入力部としてのオペレーションパネル27を操作して入力するためのものである。
【0071】
このようにして、第1のパスワードが生成されると、第1のパスワード生成部17は、ディスプレイ14に第1のパスワードを出力し、操作者に通知する。
【0072】
続いて、印刷データ送信部16は、印刷データをLAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0073】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第1のパスワードは生成されない。
【0074】
本実施の形態においては、画像読取部33によって生成された第1のパスワードがLAN18を介して送信されることはないので、第三者によってパスワードが盗まれることがなくなる。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【0075】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS12−1 印刷データから第1のパスワードを生成する。
ステップS12−2 第1のパスワードを操作者に通知する。
ステップS12−3 印刷データをプリンタ21に送信し、リターンする。
【0076】
なお、ステップS13の印刷データ記録処理及びステップS14の印刷処理は、第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0077】
本実施の形態において、第1のパスワード生成部17は、第1のパスワードをディスプレイ14に表示するようになっているが、操作者の使用する上位装置としてのホストコンピュータにEメール等によって通知することもできる。この場合、ホストコンピュータによってパスワード出力部が構成される。
【0078】
そして、前記各実施の形態においては、プリンタ21において認証印刷を行う場合について説明しているが、本発明をファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0079】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷データ生成・送信処理のサブルーチンを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における印刷データ記録処理のサブルーチンを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクの印刷データの記録状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における印刷処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるパスワード照合処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像データ変換処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるパスワード通知処理のサブルーチンを示す図である。
【符号の説明】
【0081】
11、31 画像形成システム
12 ホストコンピュータ
15 印刷データ生成部
16 印刷データ送信部
17 第1のパスワード生成部
18 LAN
21 プリンタ
23 印刷データ受信部
24 第2のパスワード生成部
25 印刷制御部
27 オペレーションパネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタとホストコンピュータとがLANを介して接続された画像形成システムにおいては、認証印刷を行う場合、ホストコンピュータにおいてパスワードが生成され、該パスワード及び印刷データがプリンタの記憶装置に記録され、その後、操作者がプリンタの操作部を操作してパスワードを入力すると、入力されたパスワードと記憶装置に記録されたパスワードとが照合され、両パスワードが一致すると、印刷データに基づいて印刷が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−152981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の画像形成システムにおいては、パスワードがLANを介して送信されるので、第三者によってパスワードが盗まれ、印刷データが漏洩してしまう恐れがある。
【0004】
本発明は、前記従来の画像形成システムの問題点を解決して、第三者によってパスワードが盗まれることがなく、印刷データが漏洩するのを防止することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明の画像形成システムにおいては、データ処理装置と、該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有する。
【0006】
そして、前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備える。
【0007】
また、前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及びパスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成システムにおいては、データ処理装置と、該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有する。
【0009】
そして、前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備える。
【0010】
また、前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及びパスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備える。
【0011】
この場合、データ処理装置において、第1のパスワード生成部によって生成され、パスワード出力部に出力された第1のパスワードは、外部ネットワークを介することなく画像形成装置に入力されるので、第三者によってパスワードが盗まれることはない。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【0014】
図において、11は画像形成システムであり、該画像形成システム11は、データ処理装置としての、かつ、上位装置としてのホストコンピュータ12、及び画像形成装置としてのプリンタ21によって構成される。前記ホストコンピュータ12には、プリンタドライバ13がインストール(配設)され、プリンタドライバ13は、印刷データ生成部15、印刷データ送信部16及び第1のパスワード生成部17によって構成される。
【0015】
そして、前記印刷データ生成部15は、アプリケーションソフトウェアで作成された文書データから印刷データを生成し、該印刷データを前記印刷データ送信部16に送信する。印刷データ送信部16は、受信した印刷データを、外部ネットワークとしてのLAN18を介してプリンタ21に送信する。また、前記第1のパスワード生成部17は、印刷データ生成部15から送信された印刷データをパスワード情報として利用し、第1のパスワードを生成する。なお、該第1のパスワードは、操作者がプリンタ21の操作部としての、かつ、パスワード入力部としてのオペレーションパネル27を操作することによってプリンタ21に入力される。
【0016】
また、14は前記ホストコンピュータ12の表示部としての、かつ、パスワード出力部としてのディスプレイであり、該ディスプレイ14に、第1のパスワード生成部17から送信された第1のパスワードが出力(表示)され、操作者に通知される。
【0017】
次に、前記プリンタ21について説明する。
【0018】
図において、23は印刷データ受信部であり、該印刷データ受信部23は、前記LAN18を介して印刷データを受信すると、該印刷データを、不揮発性の記録部としてのハードディスク22に記録するとともに、第2のパスワード生成部24に送信する。該第2のパスワード生成部24は、受信した印刷データをパスワード情報として利用し、第2のパスワードを生成してハードディスク22に記録する。なお、第2のパスワード生成部24は、前記第1のパスワード生成部17と同一のアルゴリズムで第2のパスワードを生成する。
【0019】
そして、前記オペレーションパネル27は、ハードディスク22に記録された印刷データについて印刷を行うために、操作者による第1のパスワードの入力を受け付ける操作者インタフェースであり、操作者がオペレーションパネル27を操作して第1のパスワードを入力すると、オペレーションパネル27は第1のパスワードをパスワード照合部26に送信する。
【0020】
該パスワード照合部26は、受信した第1のパスワードと、ハードディスク22に記録された第2のパスワードとを順次照合し、照合結果に基づいて、本実施の形態においては、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、第1、第2のパスワードに対応する印刷データを印刷制御部25に送信する。該印刷制御部25は、受信した印刷データに基づいて印刷画像を形成し、媒体としての用紙に対して印刷を行う。
【0021】
次に、前記構成の画像形成システム11の動作について説明する。
【0022】
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【0023】
まず、ホストコンピュータ12は印刷データ生成・送信処理を行い、印刷データ及び第1のパスワードを生成し、印刷データをプリンタ21に送信する。次に、プリンタ21は、印刷データ記録処理を行い、前記印刷データを受信し、印刷データから第2のパスワードを生成し、印刷データ及び第2のパスワードをハードディスク22に記録する。そして、プリンタ21は、印刷処理を行い、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、印刷を実行する。
【0024】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷データ生成・送信処理を行う。
ステップS2 印刷データ記録処理を行う。
ステップS3 印刷処理を行い、処理を終了する。
【0025】
次に、印刷データ生成・送信処理について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態における印刷データ生成・送信処理のサブルーチンを示す図である。
【0027】
まず、操作者が、アプリケーションソフトウェアを使用して文書データを作成し、次に、前記プリンタドライバ13で、認証印刷を設定し、印刷を開始すると、前記印刷データ生成部15は、印刷データを生成する。
【0028】
そして、印刷データが生成されると、前記第1のパスワード生成部17は、印刷データを読み込み、該印刷データをパスワード情報として利用し、第1のパスワードを生成する。この場合、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第1のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0029】
前記第1のパスワードは、操作者がプリンタ21による印刷を実行する際に、オペレーションパネル27を操作して入力するためのものである。この場合、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余をハッシュ値にした理由は、第1のパスワード及び後述される第2のパスワードを10進数の4桁までの数値で表すことができ、ハッシュ値を値域内で可能な限り均等に分けるためである。
【0030】
このようにして、第1のパスワードが生成されると、第1のパスワード生成部17は、前記ディスプレイ14に第1のパスワードを出力し、操作者に通知する。
【0031】
続いて、印刷データ送信部16は、印刷データを前記LAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0032】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第1のパスワードは生成されない。
【0033】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 印刷データを生成する。
ステップS1−2 印刷データから第1のパスワードを生成する。
ステップS1−3 第1のパスワードを操作者に通知する。
ステップS1−4 印刷データをプリンタ21に送信し、リターンする。
【0034】
次に、印刷データ記録処理について説明する。
【0035】
図4は本発明の第1の実施の形態における印刷データ記録処理のサブルーチンを示す図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクの印刷データの記録状態を示す図である。
【0036】
プリンタ21において、前記印刷データ受信部23がホストコンピュータ12からLAN18を介して送信された印刷データを受信すると、第2のパスワード生成部24は、受信された印刷データに基づいて、第2のパスワードを生成する。この場合、第1のパスワード生成部17と同様に、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第2のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0037】
続いて、第2のパスワード生成部24は、印刷データ受信部23によって受信された印刷データと、第2のパスワード生成部24によって生成された印刷データとを対応させて、前記ハードディスク22に記録する。ハードディスク22においては、図5に示されるように、受信した印刷データdti(i=1、2、…、m)と第2のパスワードpwi(i=1、2、…、m)とが対応させて記録領域に順次記録される。この場合、mは9973である。
【0038】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第2のパスワードは生成されず、印刷データはハードディスク22に記録されない。
【0039】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 印刷データを受信する。
ステップS2−2 印刷データからパスワードを生成する。
ステップS2−3 印刷データ及びパスワードをハードディスク22に記録し、リターンする。
【0040】
次に、前記印刷データについての印刷処理について説明する。
【0041】
図6は本発明の第1の実施の形態における印刷処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるパスワード照合処理のサブルーチンを示す図である。
【0042】
まず、操作者が、オペレーションパネル27を操作して、LAN18を介することなくディスプレイ14によって通知された第1のパスワードを入力すると、パスワード照合部26はパスワード照合処理を行う。
【0043】
該パスワード照合処理において、パスワード照合部26はパスワード、すなわち、入力された第1のパスワードと、ハードディスク22に記録された第2のパスワードとを順次比較し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致するかどうかを判断する。
【0044】
第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、パスワード照合部26はパスワード照合処理を終了し、第2のパスワードと対応する印刷データをハードディスク22から読み出し、印刷制御部25に送信する。該印刷制御部25は、印刷データを受信すると、印刷画像を形成し、印刷を実行する。なお、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致しない場合、印刷処理は終了される。
【0045】
このように、本実施の形態においては、第1のパスワードがLAN18を介して送信されることはないので、第三者によってパスワードが盗まれることがなくなる。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【0046】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS3−1 操作者が第1のパスワードを入力する。
ステップS3−2 パスワード照合処理を行う。
ステップS3−3 第1のパスワードと第2のパスワードとが一致したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとが一致した場合はステップS3−4に進み、一致しない場合はリターンする。
ステップS3−4 印刷を実行し、リターンする。
【0047】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS3−2−1 第1のパスワードと第2のパスワードとを順次比較する。
ステップS3−2−2 第1のパスワードと第2のパスワードとが一致したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとが一致した場合はリターンし、一致しない場合はステップS3−2−3に進む。
ステップS3−2−3 第1のパスワードと第2のパスワードとの比較が終了したかどうかを判断する。第1のパスワードと第2のパスワードとの比較が終了した場合はリターン
し、比較が終了していない場合はステップS3−2−1に戻る。
【0048】
本実施の形態においては、第1のパスワードがディスプレイ14に出力され、操作者に通知されるようになっているが、USBメモリ、ICカード等のような携帯可能な記録媒体に第1のパスワードを記録することができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、不揮発性の記録部としてのハードディスク22が使用されるようになっているが、ハードディスク22に代えて、一定の記憶容量を有するフラッシュメモリを使用することもできる。
【0050】
そして、本実施の形態においては、第1のパスワードを入力するための入力部としてオペレーションパネル27が使用されるようになっているが、入力部として、第1のパスワードが記録されたUSBメモリから第1のパスワードを読み出すためのUSBポートを使用したり、第1のパスワードが記録されたICカードから第1のパスワードを読み出すためのICカード読取装置等を使用したりすることもできる。
【0051】
さらに、本実施の形態において、印刷データは、プリンタ21から送信された順にハードディスク22に記録されるようになっているが、ハードディスク22にハッシュテーブルを設定し、算出されたハッシュ値ごとに該当する記憶領域に記録することができる。その場合、第1のパスワードのハッシュ値と同じハッシュ値の記憶領域から第2のパスワードを読み出すことによって、第1のパスワードと第2のパスワードとを比較することができるので、照合処理を高速で行うことができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、第1のパスワードと第2のパスワードとが完全に一致した場合に印刷が行われるようになっているが、第1のパスワードと第2のパスワードとが一部一致した場合に印刷を行うようにすることもできる。具体的には、第1、第2のパスワードに、例えば、チェックサム、CRC(巡回冗長検査)等のような付加情報が付加される。その場合、付加情報が付加された第2のパスワードがハードディスク22に記録され、付加情報が付加された第1のパスワードが入力されると、パスワード照合処理において、第1のパスワードと第2のパスワードとが、付加情報を除いた部分で比較される。
【0053】
さらに、第1、第2のパスワードがあらかじめ設定された所定の関係にあるときに印刷が行われるようにすることができる。
【0054】
ところで、複写機においては、一般に、画像を読み取るスキャナと画像を形成するプリンタとが一体に形成されるが、スキャナ及び該スキャナから離れた箇所に独立させて配設されたプリンタから成る画像形成システムに適用した本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0055】
図8は本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。なお、この場合、主として画像読取装置としてのスキャナ32について説明し、それ以外の部分については第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
図において、画像形成システム31は、スキャナ32及び画像形成装置としてのプリンタ21によって構成され、前記スキャナ32は、印刷データ送信部16、第1のパスワード生成部17、画像読取部33、画像データ変換部34、及びパスワード出力部としてのディスプレイ14によって構成される。なお、前記スキャナ32によってデータ処理装置が構成される。
【0057】
前記画像読取部33が原稿の画像を読み取り、画像データを生成すると、画像データ変換部34は、前記画像データを印刷データに変換する。そして、印刷データ送信部16は、前記印刷データを外部ネットワークとしてのLAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0058】
また、前記第1のパスワード生成部17は、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成し、該第1のパスワードをディスプレイ14に出力し、操作者に通知する。
【0059】
次に、前記構成の画像形成システム31の動作について説明する。
【0060】
図9は本発明の第2の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【0061】
まず、スキャナ32は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成し、更に画像データを印刷データに変換する。続いて、スキャナ32は、印刷データから第1のパスワードを生成し、操作者に通知するとともに、印刷データをプリンタ21に送信する。次に、プリンタ21は、印刷データ記録処理を行い、スキャナ32から送信された印刷データを受信し、印刷データから第2のパスワードを生成し、印刷データ及び第2のパスワードを不揮発性の記録部としてのハードディスク22に記録する。そして、プリンタ21は、印刷処理を行い、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合し、第1のパスワードと第2のパスワードとが一致すると、印刷を実行する。
【0062】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 画像データ変換処理を行う。
ステップS12 パスワード通知処理を行う。
ステップS13 印刷データ記録処理を行う。
ステップS14 印刷処理を行い、処理を終了する。
【0063】
次に、画像データ変換処理について説明する。
【0064】
図10は本発明の第2の実施の形態における画像データ変換処理のサブルーチンを示す図である。
【0065】
まず、操作者がスキャナ32に原稿をセットすると、画像読取部33は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成し、画像データ変換部34に送信する。該画像データ変換部34は、画像データを受信すると、画像データを印刷データに変換する。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11−1 原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。
ステップS11−2 画像データを印刷データに変換し、リターンする。
【0067】
次に、パスワード通知処理について説明する。
【0068】
図11は本発明の第2の実施の形態におけるパスワード通知処理のサブルーチンを示す図である。
【0069】
画像データが印刷データに変換されると、第1のパスワード生成部17は、印刷データを読み込み、印刷データの情報に基づいて第1のパスワードを生成する。この場合、第1の実施の形態と同様に、印刷データのバイト数の総和を入力パラメータnとするハッシュ関数f(n)
f(n)=n mod 9973
を使用して算出されたハッシュ値が第1のパスワードとされる。すなわち、印刷データのバイト数の総和を素数9973で除算したときの剰余がハッシュ値にされる。
【0070】
前記第1のパスワードは、操作者がプリンタ21による印刷を実行する際に、パスワード入力部としてのオペレーションパネル27を操作して入力するためのものである。
【0071】
このようにして、第1のパスワードが生成されると、第1のパスワード生成部17は、ディスプレイ14に第1のパスワードを出力し、操作者に通知する。
【0072】
続いて、印刷データ送信部16は、印刷データをLAN18を介してプリンタ21に送信する。
【0073】
なお、前記認証印刷が設定されなかった場合、第1のパスワードは生成されない。
【0074】
本実施の形態においては、画像読取部33によって生成された第1のパスワードがLAN18を介して送信されることはないので、第三者によってパスワードが盗まれることがなくなる。したがって、印刷データが漏洩するのを防止することができる。
【0075】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS12−1 印刷データから第1のパスワードを生成する。
ステップS12−2 第1のパスワードを操作者に通知する。
ステップS12−3 印刷データをプリンタ21に送信し、リターンする。
【0076】
なお、ステップS13の印刷データ記録処理及びステップS14の印刷処理は、第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0077】
本実施の形態において、第1のパスワード生成部17は、第1のパスワードをディスプレイ14に表示するようになっているが、操作者の使用する上位装置としてのホストコンピュータにEメール等によって通知することもできる。この場合、ホストコンピュータによってパスワード出力部が構成される。
【0078】
そして、前記各実施の形態においては、プリンタ21において認証印刷を行う場合について説明しているが、本発明をファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0079】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における印刷データ生成・送信処理のサブルーチンを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における印刷データ記録処理のサブルーチンを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクの印刷データの記録状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における印刷処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるパスワード照合処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における画像形成システムの動作を示すメインフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像データ変換処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるパスワード通知処理のサブルーチンを示す図である。
【符号の説明】
【0081】
11、31 画像形成システム
12 ホストコンピュータ
15 印刷データ生成部
16 印刷データ送信部
17 第1のパスワード生成部
18 LAN
21 プリンタ
23 印刷データ受信部
24 第2のパスワード生成部
25 印刷制御部
27 オペレーションパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)データ処理装置と、
(b)該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有するとともに、
(c)前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備え、
(d)前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及び該パスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第1、第2のパスワード生成部は、ハッシュ関数を使用して第1、第2のパスワードを生成する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記印刷制御部は、第1のパスワードと第2のパスワードとが完全に一致した場合、又は第1のパスワードと第2のパスワードとが一部一致した場合に、前記印刷データについて印刷を行う請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項1】
(a)データ処理装置と、
(b)該データ処理装置と外部ネットワークを介して接続された画像形成装置とを有するとともに、
(c)前記データ処理装置は、印刷データを生成する印刷データ生成部、前記印刷データに基づいて第1のパスワードを生成する第1のパスワード生成部、前記第1のパスワードを出力するパスワード出力部、及び前記印刷データ生成部によって生成された印刷データを前記画像形成装置に送信する印刷データ送信部を備え、
(d)前記画像形成装置は、前記データ処理装置から印刷データを受信する印刷データ受信部、前記印刷データに基づいて第2のパスワードを生成する第2のパスワード生成部、前記第1のパスワードを入力するためのパスワード入力部、第1のパスワードと第2のパスワードとを照合するパスワード照合部、及び該パスワード照合部による照合結果に基づいて、第2のパスワードに対応する印刷データについて印刷を行う印刷制御部を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第1、第2のパスワード生成部は、ハッシュ関数を使用して第1、第2のパスワードを生成する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記印刷制御部は、第1のパスワードと第2のパスワードとが完全に一致した場合、又は第1のパスワードと第2のパスワードとが一部一致した場合に、前記印刷データについて印刷を行う請求項1に記載の画像形成システム。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【公開番号】特開2010−67155(P2010−67155A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234830(P2008−234830)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
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