説明

画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム

【課題】画像形成後の転写紙を作業者に容易にファイリングさせることができる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムを得ること。
【解決手段】転写紙へ画像を形成する画像形成装置において、書き込みCLKやカウンタのカウント結果を用いて転写紙のサイズを検出するサイズ検出部と、サイズ検出部が検出した転写紙のサイズに基づいて、転写紙上の所定の位置を算出する中心位置算出部1と、中心位置算出部1が算出した転写紙上の所定の位置に、転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を印字する印字部2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写紙に所定の印をつける画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成をした後の転写紙(印字後の用紙)にファイリング作業などを行う場合には、フィニッシャー機能を有した画像形成装置を用いることが多い。この画像形成装置では、フィニッシャーを用いることによって転写紙のパンチ処理やステープル処理を自動的に行うことが可能となる。ところが、フィニッシャー機能を有した画像形成装置は、装置の設置面積が大きいので、オフィスに設置することが困難である。また、導入コストも高くなってしまう。このため、従来の画像形成装置ではフィニッシャーを導入しない場合が多く、ファイリング作業は作業者による手作業で行なっていた。例えば、作業者は、画像形成後の転写紙に対し、縦方向または横方向の中心位置に折り目などを付け、この折り目を基準位置として転写紙に穴あけなどを行なっていた。
【0003】
特許文献1に記載のプリント方法では、カラー感熱記録紙の側端縁の主走査方向位置を側端縁検出センサで検出し、この検出結果から、カラー感熱記録紙の主走査方向の中心線を算出している。そして、中心線に対応する発熱素子アレイの発熱素子を特定し、印画する画像の主走査方向の中心が特定した発熱素子によって印画されるよう発熱素子アレイを制御している。
【0004】
また、特許文献2に記載の画像形成装置は、原稿画像に付加画像を追加合成した合成出力画像を出力することができる画像形成装置において、原稿画像を縮小し、縮小によって空いた余白部に付加画像を付加している。
【0005】
【特許文献1】特開2004−9610号公報
【特許文献2】特開2004−172652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記前者の従来技術では、記録紙の中心線を算出して幅方向のズレを防止することはできるが、作業者が記録紙のファイリング作業を容易に行うことはできないという問題があった。また、上記後者の従来技術では、余白部に付加画像を付加することができるが、作業者が記録紙のファイリング作業を容易に行うことはできないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成後の転写紙を作業者に容易にファイリングさせることができる画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、転写紙へ画像を形成する画像形成装置において、前記転写紙のサイズを検出するサイズ検出部と、前記サイズ検出部が検出した転写紙のサイズに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出する位置算出部と、前記位置算出部が算出した前記転写紙上の所定の位置に、前記転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を印字する印字部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記位置算出部は、外部入力される指示に応じた前記転写紙上の位置を、前記転写紙上の所定の位置として算出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記サイズ検出部は、前記転写紙の端部の位置を検出する端部検出センサを有するとともに、前記端部検出センサが検出した位置に基づいて前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出し、前記位置算出部は、前記サイズ検出部が検出した前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、転写紙へ画像を形成する画像形成方法において、前記転写紙のサイズを検出するサイズ検出ステップと、検出した転写紙のサイズに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出する位置算出ステップと、算出した前記転写紙上の所定の位置に、前記転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を印字する印字ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の画像形成方法において、前記位置算出ステップは、外部入力される指示に応じた前記転写紙上の位置を、前記転写紙上の所定の位置として算出することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項4または5に記載の画像形成方法において、前記転写紙の端部の位置を検出する端部検出センサが検出した位置に基づいて前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出し、前記位置算出ステップは、前記サイズ検出ステップで検出した前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項4〜6に記載された画像形成方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1にかかる発明によれば、転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を転写紙上に印字するので、転写紙上に印字された印を作業者に認識させることができ、画像形成後の転写紙を作業者に容易にファイリングさせることが可能になるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2にかかる発明によれば、外部入力される指示に応じた転写紙上の位置を、転写紙上の所定の位置として算出するので、外部入力される指示に応じた転写紙上の位置に印を印字することができるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3にかかる発明によれば、端部検出センサが検出した位置に基づいて転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出するので、正確な転写紙の位置を検出でき、転写紙をファイリングする際に用いる印を転写紙上の正確な位置に印字することが可能になるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項4にかかる発明によれば、転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を転写紙上に印字するので、転写紙上に印字された印を作業者に認識させることができ、画像形成後の転写紙を作業者に容易にファイリングさせることが可能になるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項5にかかる発明によれば、外部入力される指示に応じた転写紙上の位置を、転写紙上の所定の位置として算出するので、外部入力される指示に応じた転写紙上の位置に印を印字することができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項6にかかる発明によれば、端部検出センサが検出した位置に基づいて転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出するので、正確な転写紙の位置を検出でき、転写紙をファイリングする際に用いる印を転写紙上の正確な位置に印字することが可能になるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項7にかかる発明によれば、コンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項4〜6に記載された画像形成方法をコンピュータの利用で実現することができ、この画像形成方法と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
(第1の実施の形態)
以下に、この発明の第1の実施の形態の画像形成装置について説明する。本実施の形態では、画像形成装置を、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を備える画像処理装置に適用した場合について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置101は、静電潜像を形成して現像し、現像した画像の転写と定着を転写紙(用紙)40に行う装置である。本実施の形態では、画像形成装置101は、紙サイズ情報などから主走査方向の中心位置を算出し、算出した主走査方向の中心位置に細線などの印を書き込む。画像形成装置101は、静電潜像出力ユニット10、感光体(感光体ドラム)21、現像ユニット22、給紙トレイ34、レジスト部33、転写ユニット32、定着ユニット31を有している。
【0024】
静電潜像出力ユニット10は、感光体21へ静電潜像を形成する手段であり、LD(Laser Diode)制御基板11、LD12、ポリゴンモータ13、fθレンズ14を備えている。
【0025】
LD制御基板11は、転写紙40に形成する画像の画像データに基づいて、LD12を制御する。LD12は、LD制御基板11からの指示に基づいて、ポリゴンモータ13側へレーザ光を出射する。
【0026】
ポリゴンモータ13は、複数の鏡面を有したポリゴンミラー(後述のポリゴンミラー15)に接続しており、ポリゴンミラーを高速で回転させる。ポリゴンミラー15は、LD12からのレーザ光を反射させ、fθレンズ14などを介して感光体21に照射する。LD12からのレーザ光は、紙面に垂直な主走査方向に走査しながら感光体21の表面に照射される。
【0027】
感光体21は、一定回転するドラム状をなしており、図示しない帯電装置(帯電チャージャ)によって一様に帯電されている。感光体21は、LD12からのレーザ光によって所定の位置が露光されて静電潜像を生成する。現像ユニット22は、感光体21上に生成された静電潜像を現像し、顕像化したトナー像を生成する。
【0028】
給紙トレイ34は、画像の記録媒体である転写紙40を格納するとともに、画像の形成に用いる転写紙40をレジスト部33側へ送出する。転写紙40は、給紙トレイ34から送出されると、搬送ローラなどによってレジスト部33側へ搬送され、レジス部33のレジスローラに突き当たって一旦停止する。
【0029】
レジスト部33は、待機させておいた転写紙40を、感光体21の駆動と同期を取って転写ユニット32に搬送する。転写ユニット32は、感光体21上のトナー像を転写紙40に静電転写して定着ユニット31に搬送する。定着ユニット31は、転写ユニット32で転写された転写紙40上のトナー像を、転写紙40に加熱定着して転写紙40を排紙する。
【0030】
つぎに、転写紙40の主走査画像有効領域(主走査方向で画像形成に有効な領域)と副走査画像有効領域(副走査方向で画像形成に有効な領域)について説明する。図2は、転写紙に対する主走査画像有効領域と副走査画像有効領域を説明するための図である。主走査方向は、ドラム状をなす感光体21の軸方向であり、副走査方向は転写紙40の搬送方向である。したがって、主走査方向は転写紙40の搬送方向に対して垂直方向である。
【0031】
主走査画像有効領域46X内かつ副走査画像有効領域46Y内へ転写する画像45のデータ信号は、LD制御基板11またはこれに準ずる制御基板にて生成される。主走査画像有効領域は一般にLGATE(ラインゲート)と呼ばれ、副走査画像有効領域はFGATE(フレームゲート)と呼ばれている。例えば画像形成装置101が複写機の場合、FGATEは、等倍複写であれば原稿サイズの検知(給紙トレイ34による紙サイズの認識)によって決定され、ユーザからの拡大指示や縮小指示によってFGATEの長さが変化する。したがって、本実施の形態では、給紙トレイ(サイズ検出部)34が録媒体のサイズを検出する。
【0032】
ここで、LGATEについて説明する。図3は、LGATEを説明するための図である。ポリゴンミラー15によって反射されたLD12からのレーザ光は、fθレンズ14を介して感光体21面に照射される。画像形成装置101では、レーザ光の照射タイミングを決定(感光体21の駆動と同期)するために、感光体21の片側もしくは図3に示すように両端にレーザ光の入射を検知する同期センサ(先端同期センサ16a、後端同期センサ16b)を設けている。そして、画像形成装置101は、先端同期センサ16aと後端同期センサ16bへのレーザ光の入射を検知し、先端同期センサ16aと後端同期センサ16bの物理的な配置と、感光体21の位置に基づいて感光体21へ潜像可能な領域を算出し、算出した潜像可能な領域を有効画像領域48としている。
【0033】
画像形成装置101は、LGATE、LD制御基板11内で用いる書き込みCLK(画像の書き込み処理を行う際に基準となるクロック)、この書き込みCLKをカウントするカウンタ(係数手段)の係数結果、画像が転写される転写紙40のサイズ、転写紙40の給紙トレイ34へのセット方向、ユーザからの指示によって、必要とされる画像の有効画像領域48への潜像化を行う。
【0034】
また、画像形成装置101は、中心位置算出部1と印字部2を備えている。中心位置算出部1は、LGATE、書き込みCLK、書き込みCLKのカウント数に基づいて例えば主走査方向の中心位置(以下、主走査方向中心位置という)を算出する。具体的には、中心位置算出部1は、LGATEに基づいて主走査画像有効領域(有効画像有効領域)46Xを設定し、主走査画像有効領域46Xを走査する際の書き込みCLKをカウントする。そして、この書き込みCLKのカウント数の中心の値に対応する位置を主走査方向中心位置とする。中心位置算出部1は、作業者からLGATEに関する変更指示(拡大指示や縮小指示)が外部入力された場合、この変更指示に基づいて主走査方向中心位置を算出する。
【0035】
印字部2は、中心位置算出部1が算出した主走査方向中心位置を転写紙40の主走査方向中心位置に設定する。そして、設定した転写紙40(画像)の主走査方向中心位置のうち、所定の位置(例えば先端中心部)に細線などの印を書き込む。この細線などの印は、例えば転写紙40をファイリングする際に用いる印(パンチ穴を空ける際に用いる中心位置など)である。印字部2は、外部入力されるユーザからの指示に基づいて、転写紙40へ付ける印の位置、形状、長さ、数などを変更できる構成とする。
【0036】
一般的なファイリングツールとして普及している穴あけパンチは、穴あけパンチの目印(書類の中心位置)に合わせて手動で書類に穴を空けるものである。この穴あけパンチを用いて書類に穴あけを行う場合には、書類を折り曲げるなどして書類の中心位置に印を付けておく必要がある。ところが、書類を折り曲げるなどして書類の中心位置に印を付けると、ファイリング作業が煩雑となるばかりか、書類へダメージを与えることとなる。
【0037】
また、画像形成装置には後処理装置としてパンチ機能を有したフィニッシャーがオプションとして準備されている場合があるが、フィニッシャーの付加によって装置の設置面積が増大するとともに導入コストも高くなる。本実施の形態では、画像形成装置101が印字部2によって主走査方向中心位置に印を付けるので、画像形成装置の導入コストを上げることなく所望の位置へ印をつけることが可能となり、後処理(ファイリング作業など)を容易に行なうことが可能となる。
【0038】
このように、第1の実施の形態によれば、中心位置算出部1が算出した主走査方向中心位置に基づいて、印字部2が転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を書き込むので、転写紙40を折り曲げて中心を知る必要が無い。このため、転写紙40にダメージを与えることなく、転写紙40の帳合やファイリング処理を行うことが可能となる。また、転写紙40に付ける細線は、本来の画像に影響を与えない範囲での僅かな印で構わないので、形成する画像の内容に影響を与えることはない。また、画像形成装置へのフィニッシャの導入も不要であり、安価に利便性を提供すること可能となる。また、転写紙40へ付ける印の位置、長さ、数などを容易に変更することが可能となる。
【0039】
(第2の実施の形態)
つぎに、図4を参照してこの発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では印字部2としてLED(Light Emitting Diode)(後述のLEDユニット51)を用いる。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。図4の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像形成装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0041】
画像形成装置102は、中心位置を印字する手段としてLEDユニット51を備えている。LEDユニット51は、要求される解像度を満足すべくLEDを主走査方向に複数具備したLEDアレイユニットでもよい。
【0042】
LEDユニット51は、第1の実施の形態で説明した印字部2と同様に主走査方向中心位置に細線などの印を書き込む機能を有している。LEDユニット51は、感光体21のうち、転写紙40の主走査方向中心位置に対応する位置を露光する。これにより、転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を静電潜像として形成し、主走査方向中心位置に細線などの印を書き込む。
【0043】
なお、LEDユニット51を本来の画像形成を行う書き込み手段(現像ユニット22など)と別の構成としてもよい。また、本実施の形態では、LEDユニット51を画像形成装置102から着脱可能(着脱自在)な構成としてもよい。これにより、従来の画像形成装置に中心位置算出部1とLEDユニット51を付加することによって、転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を容易に書き込むことが可能となる。したがって、配置自由度の高い構成で転写紙40に印をつけることが可能となる。
【0044】
このように、第2の実施の形態によれば、画像形成装置102は、第1の実施の形態で説明した画像形成装置101と同様に、転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を容易かつ安価に書き込むことが可能となる。
【0045】
(第3の実施の形態)
つぎに、図5を参照してこの発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では印字部2としてスタンプを用いる。図5は、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。図5の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像形成装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0046】
画像形成装置103は、中心位置を印字する手段であるスタンプ55と、ソレノイド53とを備えている。スタンプ55とソレノイド53は、例えば定着ユニット31の後方(定着ユニット31から転写紙40を送出する側)に配設されている。ソレノイド53は、電磁石などを含んで構成されており、電磁石によってスタンプ55を引き込んだり、押し出したりする。ソレノイド53は、スタンプ55を転写紙40側へ押し出すことによって、転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を付ける。
【0047】
スタンプ55は、例えばFAXの送信済みスタンプとして用いられているような小型のスタンプである。このため、スタンプ55は、画像形成装置103への設置の自由度がある。また、設置の自由度があるので、スタンプ55を定着ユニット31の後方などへオプションとして容易に設置することができる。また、スタンプ55を画像形成装置102から着脱可能な構成としてもよい。これにより、配置自由度の高い構成で転写紙40に印をつけることが可能となる。
【0048】
なお、本実施の形態では、スタンプ55とソレノイド53を定着ユニット31の後方に配設する場合について説明したが、スタンプ55とソレノイド53は転写紙40の搬送経路近傍であれば何れの位置に配設してもよい。
【0049】
このように、第3の実施の形態によれば、画像形成装置103は、第1の実施の形態で説明した画像形成装置101と同様に、転写紙40の主走査方向中心位置に細線などの印を容易かつ安価に書き込むことが可能となる。
【0050】
(第4の実施の形態)
つぎに、図6を参照してこの発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では中心位置算出部1による転写紙40の位置検出に、転写紙40の端部の位置を検出する位置検出センサ(端部検出センサ)を用いる。図6は、本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。図6の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像形成装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0051】
画像形成装置104は、転写紙40の端部の位置や転写紙40の位置ずれを検出する位置検出センサ57a〜57dを有している。画像形成動作中の転写紙40の位置のずれはレジスト部33の前後がほとんどであるので、図6に示すようにレジスト部33の近傍に位置検出センサ57a〜57dを配置する。図6では、レジスト部33の後方(レジスト部33から転写紙40送出する側)に位置検出センサ57a,57bを配設し、レジスト部33の前方(レジスト部33に転写紙40を送入する側)に位置検出センサ57c,57dを配設した場合を示している。位置検出センサ57aは、転写紙40の主走査方向の左端を検出し、位置検出センサ57bは転写紙40の主走査方向の右端を検出する。また、位置検出センサ57cは、転写紙40の主走査方向の左端を検出し、位置検出センサ57dは転写紙40の主走査方向の右端を検出する。これにより、画像形成装置104は、転写紙40の正確な端部を検出することが可能となる。
【0052】
画像形成装置104は、位置検出センサ57a〜57dによって転写紙40の各端部を検出し、この検出結果に基づいて転写紙40のサイズや転写紙40の位置ずれを算出する。画像形成装置104は、この算出結果に基づいて、転写紙40の主走査方向中心位置を算出し、算出した主走査方向の中心位置に細線などの印を書き込む。このように、位置検出センサ57a〜57dによって転写紙40の各端部を検出しているので、精度の高い転写紙40の検知が可能となり、所望の印を精度よく形成することが可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態では、4つの位置検出センサ57a〜57dによって転写紙40の各端部を検出する場合について説明したが、転写紙40の端部を検出する位置検出センサは、1つ〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、レジスト部33の近傍に位置検出センサ57a〜57dを配置する場合について説明したが、レジスト部33から離れた位置に位置検出センサ57a〜57dを配置してもよい。
【0055】
第1〜第3の実施の形態では、主走査方向の転写紙の長さ(FGATE)として、給紙トレイ34の情報などを用いていたが、本実施の形態では、給紙トレイ34の情報の有無に関わらず、画像形成動作の際の転写紙40の位置ずれを検知する。これにより、主走査方向の転写紙40の長さを、第1〜第3の実施の形態の場合よりも正確に検知することが可能となる。
【0056】
このように、第4の実施の形態によれば、画像形成装置104は、転写紙40の位置ずれを検知しているので、画像形成装置101〜103よりも正確な転写紙40の位置を算出することが可能となる。これにより、画像形成装置104は、画像形成装置101〜103よりも正確な主走査方向中心位置に印を付けることが可能となる。また、レジスト部33の近傍に位置検出センサ57a〜57dを配置しているので、転写紙40の位置ずれを正確に検知することが可能となる。
【0057】
(第5の実施の形態)
つぎに、図7および図8を参照してこの発明の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、画像形成に用いる複数色のうちの1色を用いて、転写紙40の主走査方向中心位置に印を付ける。
【0058】
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。図7の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像形成装置101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0059】
画像形成装置105は、トナー像形成ユニットとして4色分の潜像形成ユニット23(感光体と現像ユニット)が設けられたカラー画像形成装置であり、これらの4色の画像を重ね合わせることによってカラー画像を形成させる。本実施の形態の潜像形成ユニット23は、LD11によって露光してもよいし、LEDユニット51によって露光してもよい。
【0060】
画像形成装置105は、無端ベルト状の移動部材である環状の中間転写ベルト61を有している。中間転写ベルト61は、複数の回転ローラ(駆動ローラや従動ローラ)62によって内側から張架されており、回転ローラ62の回転方向と同じ回転方向に回動する。
【0061】
中間転写ベルト61の上方には、中間転写ベルト61の移動方向に沿って、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)からなる4つのドラム状の感光体21Y,21C,21M,21K(以下、色を特定しない場合には単に感光体21と呼ぶ)が所定の間隔を置いて配設されている。また、中間転写ベルト61の内側には、各感光体21に対向する位置に4個の1次転写ローラ63が設けられており、各感光体21と各1次転写ローラ63とで中間転写ベルト61を挟んでいる。
【0062】
4色分の潜像形成ユニット23の上方には、各色で共用の露光装置64を設けている。各感光体21上に形成された各画像は、中間転写ベルト61上で直接重ね合わせられて順次転写されていき、転写紙40上にフルカラーの合成カラー画像が形成される。
【0063】
本実施の形態では、潜像形成ユニット23のうちの1色分の感光体21と、この感光体21に対応する現像ユニット(図示せず)を用いて、転写紙40の主走査方向中心位置に印を付ける。転写紙40に印を付ける際の色は、何れの色であってもよく、ユーザ所望の色を任意に設定可能な構成とする。イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック以外の色を指定する場合には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを組み合わせてユーザ所望の色を設定する。
【0064】
このように、第5の実施の形態によれば、画像形成装置105は、潜像形成ユニット23を用いて転写紙40に印を付けるので、容易に転写紙40の主走査方向中心位置に印を付けることが可能となる。
【0065】
なお、第1〜第5の実施の形態では、転写紙40の主走査方向に印を付ける場合について説明したが、転写紙40の副走査方向に印を付けてもよい。この場合も、主走査方向への印の付加と同様に、容易に印の位置、形状、長さ、数を変えることができる。また、主走査方向や副走査方向に複数の印をつけてもよい。このとき、印字位置算出部1は、外部入力される指示(印字位置や印字形状等を指定する指示)に応じた位置を算出し、印字部2は印字位置算出部1が算出した位置に印を印字する。
【0066】
例えば、転写紙40を容易に紙折りできるよう、印字部2によって紙折りの目安位置を転写紙40に付けてもよい。図8は、転写紙40の紙折りの一例を説明するための図である。図8では、一般的なファイリング作業を実施する際に用いる紙折りの例として、A2サイズの転写紙40の紙折り例を示している。
【0067】
画像形成装置101〜105は、A2サイズの転写紙40に、A2サイズをA4サイズへ折りたたむ際に基準となる目安位置を付ける。この目安位置を付けておくことによって、ユーザーはA2サイズの転写紙40(折りたたみ前の紙71)を容易にA4サイズの転写紙40(折りたたみ後の紙72)に折りたたむことが可能となる。したがって、ユーザーは容易にファイリング作業のための紙降折り(大きなサイズの転写紙40をファイリングするための紙折り)を行なうことが可能となる。
【0068】
また、画像形成装置101〜105を、自動で両面印刷する機能を有している構成としてもよい。この場合、画像形成装置101〜105が転写紙40の裏面に印を付けてもよい。転写紙40の裏面に印を付けることによって、転写紙40の表面に形成する本来の画像に印が与える影響を最小限に抑えて所望の位置への印の形成が可能となる。
【0069】
なお、第1〜第5の実施の形態では、画像形成を画像形成装置101〜105によって行う場合について説明したが、FAX等の画像形成複合装置(複合機)によって画像形成を行なってもよい。
【0070】
図9は、かかる複合機201のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機201は、コントローラ210とエンジン部(Engine)260とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ210は、複合機201全体の制御と描画、通信、操作部(入力部)220からの入力を制御するコントローラである。エンジン部260は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部260には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0071】
コントローラ210は、CPU211と、ノースブリッジ(NB)213と、システムメモリ(MEM−P)212と、サウスブリッジ(SB)214と、ローカルメモリ(MEM−C)217と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)216と、ハードディスクドライブ(HDD)218とを有し、ノースブリッジ(NB)213とASIC216との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス215で接続した構成となる。また、MEM−P212は、ROM(Read Only Memory)212aと、RAM(Random Access Memory)212bとをさらに有する。
【0072】
CPU211は、複合機201の全体制御をおこなうものであり、NB213、MEM−P212およびSB214からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0073】
NB213は、CPU211とMEM−P212、SB214、AGP215とを接続するためのブリッジであり、MEM−P212に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0074】
MEM−P212は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM212aとRAM212bとからなる。ROM212aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM212bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0075】
SB214は、NB213とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB214は、PCIバスを介してNB213と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0076】
ASIC216は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP215、PCIバス、HDD218およびMEM−C217をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC216は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC216の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C217を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部260との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC216には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)230、USB(Universal Serial Bus)240、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース250が接続される。
【0077】
MEM−C217は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)218は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0078】
AGP215は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P212に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0079】
なお、実施の形態の画像形成装置101〜105や複合機201で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。実施の形態の画像形成装置101〜105や複合機201で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0080】
さらに、実施の形態の画像形成装置101〜105や複合機201で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施の形態の画像形成装置101〜105や複合機201で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0081】
実施の形態の画像形成装置101〜105や複合機201で実行される画像形成プログラムは、上述した中心位置算出部1や印字部2の各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、エンジン制御部100の各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】転写紙に対する主走査画像有効領域と副走査画像有効領域を説明するための図である。
【図3】LGATEを説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図8】転写紙の紙折りの一例を説明するための図である。
【図9】複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0083】
1 中心位置算出部
2 印字部
10 静電潜像出力ユニット
11 LD制御基板
13 ポリゴンモータ
14 fθレンズ
15 ポリゴンミラー
16a 先端同期センサ
16b 後端同期センサ
21,21Y,21C,21M,21K 感光体
22 現像ユニット
23 潜像形成ユニット
31 定着ユニット
32 転写ユニット
33 レジスト部
34 給紙トレイ
40 転写紙
45 画像
46X 主走査画像有効領域
46Y 副走査画像有効領域
48 有効画像領域
51 LEDユニット
53 ソレノイド
55 スタンプ
57a,57b,57c,57d 位置検出センサ
61 中間転写ベルト
62 回転ローラ
63 1次転写ローラ
64 露光装置
71 折りたたみ前の紙
72 折りたたみ後の紙紙
101〜105 画像形成装置
201 複合機
210 コントローラ
211 CPU
212 MEM−P
213 NB
214 SB
215 AGPバス
216 ASIC
217 MEM−C
218 HDD
220 操作部
230 FCU
240 USB
250 IEEE1394インターフェース
260 エンジン部
G1〜G192 ANDゲート
H1〜H192 ヒータ
T1〜T192 パワートランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写紙へ画像を形成する画像形成装置において、
前記転写紙のサイズを検出するサイズ検出部と、
前記サイズ検出部が検出した転写紙のサイズに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出する位置算出部と、
前記位置算出部が算出した前記転写紙上の所定の位置に、前記転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を印字する印字部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置算出部は、外部入力される指示に応じた前記転写紙上の位置を、前記転写紙上の所定の位置として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記サイズ検出部は、前記転写紙の端部の位置を検出する端部検出センサを有するとともに、前記端部検出センサが検出した位置に基づいて前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出し、
前記位置算出部は、前記サイズ検出部が検出した前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
転写紙へ画像を形成する画像形成方法において、
前記転写紙のサイズを検出するサイズ検出ステップと、
検出した転写紙のサイズに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出する位置算出ステップと、
算出した前記転写紙上の所定の位置に、前記転写紙をファイリングする際に用いる所定の印を印字する印字ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
前記位置算出ステップは、外部入力される指示に応じた前記転写紙上の位置を、前記転写紙上の所定の位置として算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記サイズ検出ステップは、前記転写紙の端部の位置を検出する端部検出センサが検出した位置に基づいて前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれを検出し、
前記位置算出ステップは、前記サイズ検出ステップで検出した前記転写紙のサイズおよび前記転写紙の主走査方向の位置ずれに基づいて、前記転写紙上の所定の位置を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記請求項4〜6に記載の方法をコンピュータで実行させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−45902(P2009−45902A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216175(P2007−216175)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】