説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体

【課題】紙媒体を利用するユーザに省資源意識を喚起することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る画像形成装置は、出力対象情報を入力するデータ入力制御部103と、出力対象情報を紙媒体に出力するレシート紙出力部106と、出力対象情報を通信出力する通信制御部107と、レシート紙出力部106と通信制御部107とのうち少なくとも一方を選択する操作表示制御部104と、ユーザに関する情報を取得するカードR/W制御部105とを有し、通信制御部107を選択した場合に、ユーザに関する情報に関連付けて記憶された情報であってユーザが通信出力部を選択した選択履歴に関する情報の更新命令を送信し、選択履歴に関する情報は、ユーザがサービスを利用するために用いられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体に関し、特に省資源の要請に対応した画像形成装置の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ等の画像形成装置、画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機等として利用可能な複合機として構成されることが多い。上述したように、今日画像形成装置と言えばプリンタや複写機を指すことが一般的であるが、店舗において物品を購入した際にレシートを出力するレジスタ等も、情報を紙媒体に出力するという点では画像形成装置と言うことができる。
【0003】
このような画像処理装置による紙媒体を用いた情報処理には、不要な紙出力による資源消費や、紙に出力された情報の整理が煩雑である等の問題がある。例えば、店舗において物品を購入すると必ずレシートが出力される。しかしながら、その場の確認のみで購入者は物品購入レシートが不要な場合がある。このような場合、出力されたレシートは情報が記録された媒体として利用されずに廃棄されることとなり、無駄な資源消費となってしまう。画像処理装置の省資源に係る技術としては、ユーザ毎に印刷状況情報を蓄積し、印刷要求を司令したユーザの印刷状況情報に基づいて当該ユーザによる印刷設定時の操作項目を制限する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−206786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術を用いる場合、ユーザ毎に所定期間内における用紙使用枚数を制限することは可能であるが、夫々の印刷出力が真に必要であるか否かを判断することは出来ない。従って、無駄な資源消費の解消には至らない。無駄な資源消費を解消するために有効な要素の1つとして、ユーザの省資源意識の喚起がある。画像処理装置やシステム等の構成により無駄な資源消費を完全に解消することは難しいが、ユーザが省資源を意識して紙媒体を利用すれば、大きな効果を得ることができる可能性が高い。
【0005】
また、レシート等の紙媒体ではデータの管理が不便である。レシートにより購入履歴の情報を保存しておく場合、大量のレシートを保存する必要があり、大量の保存スペースが必要となる。また、レシートにより情報が保存されている場合、情報処理装置によって電子情報として保存されている場合に比べて、情報の一覧、検索が不便である。
【0006】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、紙媒体を利用するユーザに省資源意識を喚起することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、出力対象情報を入力する情報入力部と、前記入力された出力対象情報を紙媒体に出力する紙出力部と、前記入力された出力対象情報を通信出力する通信出力部と、前記紙出力部と前記通信出力部とのうち少なくとも一方を選択する出力選択部と、ユーザに関する情報を取得するユーザ情報取得部と、前記ユーザに関する情報に関連付けて記憶されている情報であって前記ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報の更新命令を送信する履歴情報更新部とを有し、前記履歴情報更新部は、前記出力選択部が前記通信出力部を選択した場合に、前記更新命令を送信し、前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザがサービスを利用するために用いられることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記履歴情報更新部は、前記出力選択部が前記紙出力部と前記通信出力部とのうち前記通信出力部のみを選択した場合に、前記更新命令を送信することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザが前記通信出力部を選択した回数に応じた数値情報であり、前記履歴情報更新部は、前記数値情報を増加させる命令を前記更新命令として送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置において、可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部を有し、前記ユーザ情報取得部は、前記可搬型記憶媒体から情報を読み出して前記ユーザに関する情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記ユーザに関する情報は、前記可搬型記憶媒体を識別する情報であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置において、可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部と、前記通信出力部が前記出力対象情報を出力する出力先に関する情報を取得する出力先情報取得部とを有し、前記出力先情報取得部は、前記可搬型記憶媒体から情報を読み出して前記出力先に関する情報を取得することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記通信出力部は、電子メール送信により前記出力対象情報を通信出力し、前記出力先に関する情報は、前記ユーザのメールアドレスであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記通信出力部は、可搬型記憶媒体との間で情報のやりとりを実行する機能を有し、前記可搬型記憶媒体に前記出力対象情報を出力することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8いずれか1項に記載の画像形成装置において、可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部を有し、前記履歴情報更新部は、前記可搬型記憶媒体から読み出した情報に基づいて前記更新命令を送信することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、請求項3乃至9いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記可搬型記憶媒体制御部は、非接触通信を介して前記可搬型記憶媒体から情報を読み出すことを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、物品の購入清算を実行するレジスタであり、前記情報入力部は、前記物品の価格に関する情報を入力し、前記紙出力部は、前記物品の購入結果を印字する印字部であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至10いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、原稿を光学的に操作して複写可能な複写機であり、前記情報入力部は、前記原稿の画像情報を入力し、前記紙出力部は、前記入力された情報に基づいて前記原稿を複製することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記選択履歴に関する情報に基づいてサービスを提供するサービス提供部を更に有することを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13いずれか1項に記載の画像形成装置において、前記ユーザに関する情報と当該ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報とを関連付けて記憶している履歴情報記憶部を更に有し、前記情報更新部は、前記更新命令として前記履歴情報記憶部に記憶されている情報を更新する命令を送信することを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に記載の発明は、出力対象情報を入力する情報入力部と、前記入力された出力対象情報を紙媒体に出力する紙出力部と、前記入力された出力対象情報を通信出力する通信出力部とを有する画像形成装置の制御方法であって、前記紙出力部と前記通信出力部とのうち少なくとも一方を選択し、ユーザに関する情報を取得し、前記通信出力部が選択された場合に、前記ユーザに関する情報に関連付けて記憶されている情報であって前記ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報の更新命令を送信し、前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザがサービスを利用するために用いられることを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に記載の発明は、制御プログラムであって、請求項15に記載の制御方法を画像処理装置に実行させることを特徴とする。
【0023】
また、請求項17に記載の発明は、記録媒体であって、請求項16に記載の制御プログラムを画像処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、紙媒体を利用するユーザに省資源意識を喚起することができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
本実施の形態においては、POS(Point Of Sale)レジスタを例とし、物品購入時のレシートの出力を制限する場合を説明する。
図1は、本実施形態に係るPOSレジスタ1を含む情報処理システムの運用形態を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るPOSレジスタ1は、ネットワーク2を介してポイント情報記憶サーバ3と通信可能に接続されている。また、本実施形態に係るPOSレジスタ1は、ICカード4に記憶されている情報を読み出して利用することが可能である。
【0026】
図2は、本実施形態に係るPOSレジスタ1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係るPOSレジスタ1は、コントローラ100、操作部110、レシート紙出力部120、ネットワークI/F130、カードI/F140、バーコードI/F150及び記憶媒体160を有する。POSレジスタ1は、店舗等に設置され、物品等の購入情報を入力することにより、購入記録をレシートとして紙出力する。
【0027】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリ並びにHDD(Hard Disk Drive)や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU(Central Processing Unit)の制御に従って構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、POSレジスタ1全体を制御する制御部として機能する。
【0028】
操作表示部110は、ユーザがPOSレジスタ1を操作するための操作用インタフェースであると共に、POSレジスタ1の状態を表示する視覚的インタフェースでもある。操作表示部110に表示される情報は、例えば、POSレジスタ1の操作手順や購入した物品の合計金額等である。レシート紙出力部120は、入力された購入情報の記録を紙出力する。レシート紙出力部120は、出力用紙として用いられるロール紙、ロール紙上に印字する印字機構及びロール紙を切断する切断機構等を含む。
【0029】
ネットワークI/F130は、POSレジスタ1が他の装置と通信するためのインタフェースである。POSレジスタ1は、ネットワークI/F130を介してネットワーク2に接続されており、ポイント情報記憶サーバ3との通信を行う。カードI/F140は、ICカード4に記憶されている情報を読み取る。また、カードI/F140は、コントローラ100の制御に従い、ICカード4に情報を記録する。本実施形態において、ICカード4とカードI/F140との情報のやり取りは非接触方式を採用している。従って、カードI/F140は、非接触通信によりICカード4に記憶されている情報を読み出し、または情報を記録する機能を有する。
【0030】
バーコードI/F150は、物品に付されているバーコードを読み取り、読み取ったバーコードが付されている物品の価格情報をコントローラ100に入力する。尚、バーコードI/F150がコントローラ100に価格情報を入力する場合の他、バーコードI/F150はバーコードを読み取ることにより符号化された識別情報をコントローラ100に入力し、コントローラ100が識別情報に基づいて価格情報を取得しても良い。記憶媒体160は、情報を記憶しており、半導体メモリやHDD等の不揮発性記憶媒体によって実現される。記憶媒体160には、コントローラ100がバーコードI/F150から取得した価格情報が蓄積される。
【0031】
次に、本実施形態に係るコントローラ100の構成について説明する。図3は、本実施形態に係るコントローラ100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係るコントローラ100は、主制御部101、データカウント部102、データ入力制御部103、操作表示制御部104、カードR/W制御部105、レシート紙出力制御部106、通信制御部107及び記憶媒体制御部108を有する。
【0032】
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。例えば、主制御部101は、データ入力制御部103及び記憶媒体制御部108を制御し、バーコードI/F150から入力された価格情報を記憶媒体160に格納する。また、主制御部101は、記憶媒体制御部108及びレシート紙出力制御部106を制御し、記憶媒体160に格納された価格情報をレシート紙出力部120に入力する。また、主制御部101は、カードR/W制御部105及び通信制御部107を制御し、カードI/F140がICカード4から読み出した情報をネットワークI/F130に転送する。
【0033】
データ入力制御部103は、バーコードI/F150を制御し、バーコードI/F150が読み取ってコントローラ100に入力する価格情報を主制御部101及びデータカウント部102に入力する。データカウント部102は、データ入力制御部103から入力された価格情報を積算し、操作表示制御部104及びカードR/W制御部105に入力する。操作表示制御部104は、操作表示部110への情報表示を制御する。また、操作表示制御部104は、操作表示部110に入力された操作情報を主制御部101に転送する。
【0034】
カードR/W制御部105は、カードI/F140を制御し、ICカード4からの情報の読み出し及びICカード4への情報の書き込みを制御する。即ち、カードR/W制御部105は、可搬型記憶媒体であるICカード4を制御する可搬型記憶媒体制御部として機能する。レシート紙出力制御部106は、レシート紙出力部120を制御し、レシート紙出力部120によるレシートの印字出力を制御する。即ち、レシート紙出力制御部106及びレシート紙出力部120が紙出力部として機能する。通信制御部107は、ネットワークI/F130を制御し、POSレジスタ1とポイント情報記憶サーバ3との通信を行う。記憶媒体制御部108は、記憶媒体160からの情報の読み出し及び情報の書き込みを制御する。
【0035】
このようなPOSレジスタ1において、本実施形態は、物品購入清算時のレシートの出力有無を選択可能とすることがその要旨となる。以下、図4を参照して本実施形態に係るPOSレジスタ1による物品購入清算時の動作について説明する。図4は、本実施形態に係るPOSレジスタ1による物品購入清算動作を示すフローチャートである。ユーザが操作表示部110を操作して積算開始指示を入力することにより、操作表示制御部104を介して主制御部101が積算開始指示を受信し(S401)、物品購入清算の動作がスタートする。S401における操作表示部110の表示状態を図5に示す。図5に示す“積算開始”キーをタッチすることにより、積算開始指示が主制御部101に入力される。積算開始指示を受信した主制御部101は、データ入力制御部103はバーコードI/F150を起動し、バーコードの読み取りが可能な状態となる。また、主制御部101は、データカウント部102へ積算カウント開始命令を出力する。
【0036】
物品購入清算動作においては、ユーザはバーコードI/F150にバーコードを読み取らせることにより、物品の価格情報をPOSレジスタ1に入力する。POSレジスタ1においては、バーコードI/F150が読み取ったバーコード情報に基づき、データ入力制御部103が価格情報を受信する(S402)。データ入力制御部103は、受信した価格情報を主制御部101及びデータカウント部102に入力する。即ち、バーコードI/F150及びデータ入力制御部103が、最終的にレシートに出力する対象である出力対象情報としての価格情報を入力する。従って、バーコードI/F150及びデータ入力制御部103が、情報入力部として機能する。データカウント部102は、データ入力制御部103から受信した価格情報を積算し(S403)、積算の結果を操作表示制御部104に送信する。また、主制御部101は、記憶媒体制御部108を制御し、データ入力制御部103から受信した価格情報を記憶媒体160に格納する。
【0037】
操作表示制御部104は、主制御部101の制御に基づき、データカウント部102から積算結果が入力される度に合計金額を操作表示部110に表示する(S404)。図6に、S404における操作表示部110の表示状態を示す。主制御部101は、S402〜S404の動作を、積算結果の出力媒体が選択されるまで繰り返す(S405/NO)。積算結果の出力媒体は、レシート出力及びメール送信の少なくともいずれか一方を、図6に示す操作表示部110を操作することにより選択する(S405)。積算結果の出力媒体が選択されると(S405/YES)、主制御部101は、選択された出力媒体に積算結果を出力し(S406)、処理を終了する。
【0038】
次に、図7を参照し、図4のS405処理を詳細に説明する。図7に示すように、図6に示す操作表示部110の画面において積算結果の出力媒体が選択されると(S701)、“レシート出力”が選択された場合(S702/YES)、その選択結果は主制御部101に伝えられる。具体的には、ユーザによる操作表示部110のタッチ部位に応じて操作表示制御部104が操作情報を認識し、操作情報を主制御部101に入力する。即ち、操作表示部110及び操作表示制御部104が出力選択部として機能する。この場合、図7の処理は終了し、図4のS406において、主制御部101は、レシート紙出力制御部106を制御し、レシート紙出力部120を駆動してレシート出力を実行する。レシート出力の実行に際して、主制御部101は、記憶媒体160に記憶されている価格情報をレシート紙出力制御部106に転送し、レシート紙出力制御部106を制御してレシート紙出力部120にレシート出力を実行させる。
【0039】
S701において“レシート出力”以外が選択された場合(S702/NO)であって、“メール送信”が選択された場合(S703/YES)、主制御部101は、ポイント加算フラグをアサートする(S704)。このポイント加算フラグは、主制御部101内に記憶される。その後、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、ユーザに対してICカード4のセットを促す画面を操作表示部110に表示させる(S705)。尚、S701において“レシート出力&メール送信”が選択された場合(S702/NO、S703/NO)、ポイント加算フラグをアサートすることなく、このS705に進む。S705において表示される画面を図8(a)に示す。
【0040】
ユーザは図8(a)に示す表示に応じてICカード4をカードI/F140に読み込ませる。カードI/F140によってICカード4が検出されると、カードR/W制御部105は、カードI/F140を制御し、検出されたICカード4から情報を読み出す(S706)。ここで、図9に、ICカード4に記憶されている情報の例を示す。図9に示すように、ICカード4には、夫々のICカード4を識別する識別情報、夫々のICカード所持者であるユーザのメールアドレス情報及びポイント情報記憶サーバ3のネットワークアドレス情報が記憶されている。図9に示すカード識別情報は、ユーザに関する情報として、メールアドレス情報は、出力対象情報の出力先に関する情報として用いられる。これらの情報は、S706においてカードI/F140を介してカードR/W制御部105により読み出され、主制御部101が取得する。即ち、カードI/F140及びカードR/W制御部105が、ユーザ情報取得部及び出力先情報取得部として機能する。
【0041】
主制御部101は、S707においてICカード4に記憶されている情報を取得すると、操作表示制御部104を制御し、ユーザのメールアドレスを操作表示部110に表示する(S707)。S707における操作表示部110の表示状態を図8(b)に示す。このような表示により、ユーザは積算結果を送信する送信先を確認することができる。
【0042】
また、主制御部101は、S707において取得した情報のうち、ICカード4の識別番号を用いて、ポイント情報記憶サーバ3にアクセスし、このICカードのユーザが獲得しているポイントの情報を取得する(S708)。ポイント情報記憶サーバ3へのアクセスにおいては、ICカード4から取得したサーバアドレス情報に基づいてネットワーク2を介してアクセスする。図10に、ポイント情報記憶サーバ3に記憶されている情報の例を示す。図10に示すように、ポイント情報記憶サーバ3には、夫々のICカードを識別するカード識別情報と、そのICカードの所持者であるユーザが既に獲得しているポイント数とが関連付けて記憶されている。このポイント数とは、夫々のユーザがレシート出力をキャンセルすることにより付与されるポイントである。即ち、ポイント数は、レシート出力と紙出力との選択履歴に関する情報である。
【0043】
主制御部101は、S708において、通信制御部107を制御し、ネットワークI/F130を介してポイント情報記憶サーバ3にポイント送信要求を送信する。このポイント送信要求にはICカード4から取得したカード識別情報が含まれる。ポイント送信要求を受信したポイント情報記憶サーバ3は、受信したポイント送信要求に含まれるカード識別情報に関連付けられているポイント数を返信する。これにより、主制御部101がポイント情報を取得する。
【0044】
ICカード4に記憶されているメールアドレス情報を操作表示部110に表示し、ポイント情報記憶サーバ3からポイント情報を取得すると、主制御部101は、ポイント加算フラグがアサートされているか否か確認する(S709)。ポイント加算フラグがアサートされている場合(S709/YES)、主制御部101は、通信制御部107を制御し、ポイント情報記憶サーバ3に対してポイント加算命令を送信する(S710)。ここで送信されるポイント加算命令には、カード識別情報が含まれる。即ち、通信制御部107及びネットワークI/F130が履歴情報更新部として機能する。
【0045】
ポイント加算命令を受信したポイント情報記憶サーバ3は、受信したポイント加算命令に含まれるカード識別情報を読み出し、そのカード識別情報に関連付けられているポイント数を増加させる。そして、ポイント情報記憶サーバ3は、ポイント加算結果をPOSレジスタ1に送信する。POSレジスタ1に送信されたポイント加算結果は、ネットワークI/F130を介して通信制御部107が受信し、主制御部101が取得する(S711)。
【0046】
主制御部101は、ポイント加算結果を取得すると、操作表示制御部104を制御し、操作表示部110にポイント加算結果を表示し(S712)、図7における処理を終了して図4のS406に進む。S712における操作表示部110の表示状態を図8(c)に示す。この場合、図4のS406においては、主制御部101は、通信制御部107を制御し、ICカード4から取得したメールアドレス宛に積算結果の情報をメール送信する。即ち、通信制御部107が出力対象である価格情報の積算結果を通信によって出力する通信出力部として機能する。
【0047】
他方、ポイント加算フラグがアサートされていない場合(S709/NO)、主制御部101は、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、S708において取得したポイント情報を操作表示部110に表示し(S713)、図7における処理を終了して図4のS406に進む。S713における操作表示部110の表示状態を図8(d)に示す。これにより、ユーザは現在のポイント数を確認することができる。この場合、図4のS406においては、主制御部101は、通信制御部107を制御し、ICカード4から取得したメールアドレス宛に積算結果の情報をメール送信すると共に、レシート紙出力制御部106を制御し、レシート紙出力部120を駆動してレシート出力を実行する。
【0048】
このように、本実施形態に係るPOSレジスタ1においては、物品購入の清算に際して、購入結果のレシート出力を行わずメール送信とした場合に、ポイント情報記憶サーバ3に記憶されているポイントを加算する。このポイントは紙出力しないことによるエコポイントである。このポイントは、そのポイント数に応じて、POSレジスタ1における清算代金の割引や景品との交換等のサービスに用いることが可能である。POSレジスタ1における清算代金の割引として用いる場合は、POSレジスタ1がサービスを提供するサービス提供部としても機能することとなる。この他、ネットワークを介して景品交換等のサービスを提供するサービス提供サーバを設けても良い。このように、レシート出力をキャンセルすることによって蓄積されるポイントに応じてサービスが提供されることにより、ユーザの省資源化に対する意識を喚起することができる。
【0049】
また、購入結果をメール送信とした場合、PC(Personal Computer)等のユーザの端末に電子情報として記憶されることとなる。これにより、レシートなどの紙媒体で蓄積されるよりも、情報の整理、検索性の向上を図ることが可能となる。また、ポイント情報のユーザ毎の識別について、上述したようにカードの識別情報を用いることにより、既存の電子マネーカードを用いて上記の態様を容易に実現することが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係るPOSレジスタ1により、紙媒体を利用するユーザに省資源意識を喚起することができる画像形成装置を提供することが可能となる。尚、上記の説明においては、物品購入の積算結果をレシート出力する、メール送信する、若しくはその両方を行うのいずれかを選択する例を説明した。この他、積算結果をICカード4に記憶する選択肢があっても良い。この場合、出力対象情報である価格情報の積算結果は、主制御部101がカードR/W制御部105を制御し、カードI/F140を介してICカード4に記憶する。即ち、主制御部101がカードR/W制御部105及びカードI/F140を介してICカード4と通信することにより、情報を出力する。即ち、カードR/W制御部105及びカードI/F140が通信出力部として機能する。この場合、ネットワークを介した処理が不要となるためネットワーク負荷の軽減を図ることができる。また、メールアドレスはユーザの個人情報であるため、セキュリティの面からも好ましい。
【0051】
また、上記の説明においては、ICカード4を用いることを前提とし、ICカード4に記憶されているメールアドレス情報を取得して積算結果をメール送信する場合を例として説明した。この他、メールアドレスを手動で入力しても良い。同様に、上記の説明においては、ICカード4に記憶されているカード識別情報に基づいてユーザを識別し、ポイント情報記憶サーバ3からポイント情報を取得する例を説明した。この他、ユーザID等の識別情報をユーザが手動で入力し、その識別情報に関連付けられたポイント情報を取得するようにしても良い。
【0052】
実施の形態2.
実施の形態1においては、POSレジスタ1を画像形成装置の例として説明した。本実施の形態においては、MFP(Multifunction Peripheral)を画像形成装置の例として説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
【0053】
図11は、本実施形態に係るMFP5を含む情報処理システムの運用形態を模式的に示す図である。図11に示すように、本実施形態に係るMFP5は、ネットワーク2を介してポイント情報記憶サーバ3と通信可能に接続されている。また、本実施形態に係るMFP5は、ICカード4に記憶されている情報を読み出して利用することが可能である。
【0054】
図12は、本実施形態に係るMFP5の構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施形態に係るMFP5は、図2において説明した実施の形態1に係るPOSレジスタ1と概ね同等の構成を有する。本実施形態に係るMFP5は、POSレジスタ1との違いとして、レシート出力部120に替えてプロッタ部190を有する。また、バーコードI/F150に替えてスキャナ170を有する。更に、課金I/F180を有する。プロッタ部190は、印刷用紙に対して画像形成を実行する画像形成部である。スキャナ170は、原稿を光学的に走査し、画像情報を生成する画像読取部である。課金I/F180は、ユーザがMFPを利用するために貨幣や紙幣を投入する投入口である。MFP5は、店舗等に設置され、ユーザが有料で利用する複写機等として運用される。
【0055】
次に、本実施形態に係るコントローラ100の構成について説明する。図13は、本実施形態に係るコントローラ100の構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態に係るコントローラ100は、図2において説明した実施の形態1に係るコントローラ100と概ね同等の構成を有する。本実施形態に係るコントローラ100は、実施の形態1との違いとして、レシート紙出力制御部106に替えてプロッタ制御部111を有する。また、データ入力制御部103に替えてスキャナ制御部113を有する。更に、課金制御部112を有する。
【0056】
プロッタ制御部111は、主制御部101の制御に従い、プロッタ部190を制御して画像形成を実行させる。スキャナ制御部113は、主制御部101の制御に従い、スキャナ170を制御して画像読取を実行させる。課金制御部112は、主制御部101の制御に従い、課金I/F180を制御して課金を実行する。
【0057】
このようなPMFP5において、本実施形態は、複写動作とスキャン動作とを選択可能とすることがその要旨となる。以下、図14を参照して本実施形態に係るMFP5の動作について説明する。図14は、本実施形態に係るMFP5の動作を示すフローチャートである。主制御部101は、スキャナ制御部113を介してスキャナ170に原稿がセットされたことを検出すると(S1401)、操作表示制御部104を制御して、操作表示部110に原稿出力態様選択画面を表示する(S1402)。図15に、S1402において表示される原稿出力態様選択画面を示す。
【0058】
原稿出力態様を選択した後、ユーザは操作表示部110を操作してスキャンの開始を指示する。操作表示部110は、ユーザの操作に応じて操作表示制御部104に開始信号を入力する。主制御部101は、操作表示制御部104を介して開始信号の入力を確認すると(S1403/YES)、スキャナ制御部113を制御してスキャナ170を駆動し、セットされた原稿を読み取る(S1404)。スキャナ170が原稿を読み取って生成された画像情報は、スキャナ制御部113を介して主制御部101が取得する。主制御部101は、記憶媒体制御部108を制御し、取得した画像情報を記憶媒体160に格納する。
【0059】
スキャンが完了すると、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、操作表示制御部104に課金選択画面を表示させて課金方法を選択させると共に、課金を実行する(S1405)。図16に、S1405において表示される課金選択画面を示す。課金方法が選択され、課金が完了すると、主制御部101は、S1402において選択された原稿出力態様に従い、原稿出力を実行して(S1406)、処理を終了する。
【0060】
次に、図17を参照して図14のS1402における原稿出力態様の選択処理について説明する。図17は、本実施形態に係るMFP5における原稿出力態様選択動作を示すフローチャートである。ユーザが図15に示す画面をタッチして出力態様を選択すると、その選択結果が操作表示制御部104を介して主制御部101に入力される(S1701)。S1701における選択結果が“紙出力”であった場合(S1702/YES)、主制御部101は、紙出力フラグをアサートし(S1703)、図17における処理を終了する。この紙出力フラグは、主制御部101内に記憶される。
【0061】
他方、S1701における選択結果が“メール送信”であった場合(S1702/NO、S1704/YES)、主制御部101は、ポイント加算フラグをアサートする(S1705)。また、S1701における選択結果が“紙出力&メール送信”であった場合(S1702/NO、S1704/NO)、主制御部101は、紙出力フラグをアサートする(S1706)。S1705若しくはS1706いずれかの処理が完了すると、主制御部101は、データ出力フラグをアサートする(S1707)。
【0062】
その後、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、ユーザに対してICカード4のセットを促す画面を操作表示部110に表示させる(S1708)。S1708において表示される画面は、実施の形態1の図8(a)に示した画面と同様である。ユーザは図8(a)に示す表示に応じてICカード4をカードI/F140に読み込ませる。カードI/F140によってICカード4が検出されると、カードR/W制御部105は、カードI/F140を制御し、検出されたICカード4から情報を読み出す(S1709)。ICカード4には、実施の形態1の図9において説明した情報と同様の情報が記憶されている。それらの情報のうち、S1709においては、メールアドレス情報を読み出す。
【0063】
主制御部101は、S1709においてICカード4に記憶されているメールアドレス情報を取得すると、操作表示制御部104を制御し、ユーザのメールアドレスを操作表示部110に表示し(S1710)、図17における処理を終了する。S1710における操作表示部110の表示状態は、実施の形態1の図8(b)に示した画面と同様である。このような表示により、ユーザは積算結果を送信する送信先を確認することができる。このような処理により、ユーザによる出力態様の選択結果に応じて、紙出力フラグ、ポイント加算フラグ及びデータ出力フラグがアサートされる。これらのフラグの状態に応じて、図14のS1405における課金選択処理及びS1406の原稿出力処理が実行される。
【0064】
次に、図18を参照して図14のS1405における課金選択処理について説明する。図18は、本実施形態に係るMFP5における課金選択動作を示すフローチャートである。ユーザが図16に示す画面をタッチして課金方法を選択すると、その選択結果が操作表示制御部104を介して主制御部101に入力される(S1801)。S1801における選択結果が“ICカード課金”であった場合(S1802/YES)、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、ユーザに対してICカード4のセットを促す画面を操作表示部110に表示させる(S1803)。
【0065】
S1803において表示される画面は、実施の形態1の図8(a)に示した画面と同様である。ユーザは図8(a)に示す表示に応じてICカード4をカードI/F140に読み込ませる。カードI/F140によってICカード4が検出されると、カードR/W制御部105は、カードI/F140を制御し、検出されたICカード4から情報を読み出す(S1804)。S1804においては、図9に示す情報のうち、メールアドレス情報及びカード識別情報を読み出す。
【0066】
主制御部101は、S1804において取得したICカード4の識別番号を用いて、ポイント情報記憶サーバ3にアクセスし、このICカードのユーザが獲得しているポイントの情報を取得する(S1805)。図19に、本実施形態に係るポイント情報記憶サーバ3に記憶されている情報の例を示す。図19に示すように、ポイント情報記憶サーバ3には、夫々のICカードを識別するカード識別情報と、そのICカードの所持者であるユーザが既に獲得しているポイント数及びそのICカードにおいて事前に支払われている金額、即ちプリペイド金額とが関連付けて記憶されている。
【0067】
主制御部101は、S1805において、通信制御部107を制御し、ネットワークI/F130を介してポイント情報記憶サーバ3にポイント送信要求を送信する。このポイント送信要求にはICカード4から取得したカード識別情報が含まれる。ポイント送信要求を受信したポイント情報記憶サーバ3は、受信したポイント送信要求に含まれるカード識別情報に関連付けられているポイント数を返信する。これにより、主制御部101がポイント情報を取得する。
【0068】
ポイント情報を取得すると、主制御部101は、ポイント加算フラグがアサートされているか否か確認する(S1806)。ポイント加算フラグがアサートされている場合(S1806/YES)、主制御部101は、通信制御部107を制御し、ポイント情報記憶サーバ3に対してポイント加算命令を送信する(S1807)。ここで送信されるポイント加算命令には、カード識別情報が含まれる。
【0069】
ポイント加算命令を受信したポイント情報記憶サーバ3は、受信したポイント加算命令に含まれるカード識別情報を読み出し、そのカード識別情報に関連付けられているポイント数を増加させる。そして、ポイント情報記憶サーバ3は、ポイント加算結果をMFP5に送信する。MFP5に送信されたポイント加算結果は、ネットワークI/F130を介して通信制御部107が受信し、主制御部101が取得する(S1808)。主制御部101は、ポイント加算結果を取得すると、操作表示制御部104を制御し、操作表示部110にポイント加算結果を表示する(S1809)。S1809における操作表示部110の表示状態を図8(e)に示す。ポイント加算結果が操作表示部110に表示された後、主制御部101は、ICカード4による課金処理を実行する(S1810)。
【0070】
S1810の処理において、主制御部101は、通信制御部107を制御し、ポイント情報記憶サーバ3に対して課金情報を送信する。この課金情報には、S1805において取得したカード識別情報及び課金額に関する情報が含まれる。課金情報を受信したポイント情報記憶サーバ3は、受信した課金情報に含まれるカード識別情報及び課金額に関する情報を参照し、そのカード識別情報に関連付けられているプリペイド金額を課金額に応じて更新する。そして、ポイント情報記憶サーバ3は、課金結果をMFP5に送信する。MFP5に送信された課金結果は、ネットワークI/F130を介して通信制御部107が受信し、主制御部101が取得する。このような処理により、主制御部101は課金の完了を確認し、図18における処理を終了する。
【0071】
他方、ポイント加算フラグがアサートされていなかった場合(S1806/NO)、主制御部101は、操作表示制御部104を制御し、S1805において取得したポイント情報を操作表示部110に表示する(S1811)。S1809における操作表示部110の表示状態を図8(f)に示す。ポイント情報が操作表示部110に表示された後、主制御部101は、ICカード4による課金処理を実行する(S1810)。また、S1801において、選択結果が“コイン課金”であった場合(S1802/NO)、主制御部101は、課金制御部112を制御し、コインマネーによる課金を実行して(S1812)、図18における処理を終了する。このような処理により、課金方法が選択され、課金が実行されると共に、選択された出力媒体に応じてポイントの加算が行なわれる。
【0072】
次に、図20を参照して図14のS1406における課金選択処理について説明する。図20は、本実施形態に係るMFP5における原稿出力動作を示すフローチャートである。課金方法の選択及び課金処理が完了すると、主制御部101は、紙出力フラグがアサートされているか否か確認する(S2001)。紙出力フラグがアサートされている場合(S2001/YES)、主制御部101は、プロッタ制御部111を制御し、プロッタ部190から原稿の紙出力を実行する(S2002)。
【0073】
紙出力が完了した後、若しくは紙出力フラグがアサートされていない場合(S2001/NO)、主制御部101は、データ出力フラグがアサートされているか否か確認する(S2003)。データ出力フラグがアサートされている場合(S2003/YES)、主制御部101は、通信制御部107を制御し、図17のS1709においてICカード4から取得したメールアドレス宛に、図14のS1404において生成された原稿の画像情報をメール送信して(S2004)、処理を終了する。他方、データ出力フラグがアサートされていない場合(S2003/NO)、そのまま処理を終了する。このような処理により、図17において説明した出力態様の選択結果に応じて、スキャンした原稿が紙及びメール送信の少なくともいずれか一方によって出力される。
【0074】
従来、店舗等に設置されて有料で運用される複写機等の装置が、原稿の複写を前提としたものであり、必ず紙による原稿出力が行われていた。本実施形態に係るMFP5によれば、紙による出力がメール送信によるデータ出力可を選択することが可能であり、メール送信のみによる出力を選択した場合はポイントが付与されるため、紙出力のキャンセルを促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPOSレジスタの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るPOSレジスタに含まれるコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るPOSレジスタの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るPOSレジスタに含まれる操作表示部の表示態様を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るPOSレジスタに含まれる操作表示部の表示態様を示す図である。
【図7】本発明に実施形態に係るPOSレジスタによる積算結果出力動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係るPOSレジスタに含まれる操作表示部の表示態様を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るICカードに記憶されている情報の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るポイント情報記憶サーバに記憶されている情報の例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る情報処理システムの運用形態を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るMFPの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るMFPに含まれるコントローラの構成を示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るMFPの動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の他の実施形態に係るMFPに含まれる操作表示部の表示態様を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るMFPに含まれる操作表示部の表示態様を示す図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るMFPの出力態様選択動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の他の実施形態に係るMFPの課金方法選択及び課金動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態に係るポイント情報記憶サーバに記憶されている情報の例を示す図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係るMFPの原稿出力動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 POSレジスタ
2 ネットワーク
3 ポイント情報記憶サーバ
4 ICカード
5 MFP
100 コントローラ
101 主制御部
102 データカウント部
103 データ入力制御部
104 操作表示制御部
105 カードR/W制御部
106 レシート紙出力制御部
107 通信制御部
108 記憶媒体制御部
110 操作表示部
111 プロッタ制御部
112 課金制御部
113 スキャナ制御部
120 レシート紙出力部
130 ネットワークI/F
140 カードI/F
150 バーコードI/F
160 記憶媒体
170 スキャナ
180 課金I/F
190 プロッタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象情報を入力する情報入力部と、
前記入力された出力対象情報を紙媒体に出力する紙出力部と、
前記入力された出力対象情報を通信出力する通信出力部と、
前記紙出力部と前記通信出力部とのうち少なくとも一方を選択する出力選択部と、
ユーザに関する情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザに関する情報に関連付けて記憶されている情報であって前記ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報の更新命令を送信する履歴情報更新部とを有し、
前記履歴情報更新部は、前記出力選択部が前記通信出力部を選択した場合に、前記更新命令を送信し、
前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザがサービスを利用するために用いられることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記履歴情報更新部は、前記出力選択部が前記紙出力部と前記通信出力部とのうち前記通信出力部のみを選択した場合に、前記更新命令を送信することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザが前記通信出力部を選択した回数に応じた数値情報であり、
前記履歴情報更新部は、前記数値情報を増加させる命令を前記更新命令として送信することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部を有し、
前記ユーザ情報取得部は、前記可搬型記憶媒体から情報を読み出して前記ユーザに関する情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザに関する情報は、前記可搬型記憶媒体を識別する情報であることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部と、
前記通信出力部が前記出力対象情報を出力する出力先に関する情報を取得する出力先情報取得部とを有し、
前記出力先情報取得部は、前記可搬型記憶媒体から情報を読み出して前記出力先に関する情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通信出力部は、電子メール送信により前記出力対象情報を通信出力し、
前記出力先に関する情報は、前記ユーザのメールアドレスであることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記通信出力部は、可搬型記憶媒体との間で情報のやりとりを実行する機能を有し、前記可搬型記憶媒体に前記出力対象情報を出力することを特徴とする、請求項1乃至7いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
可搬型記憶媒体から情報を読み出す可搬型記憶媒体制御部を有し、
前記履歴情報更新部は、前記可搬型記憶媒体から読み出した情報に基づいて前記更新命令を送信することを特徴とする、請求項1乃至8いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記可搬型記憶媒体制御部は、非接触通信を介して前記可搬型記憶媒体から情報を読み出すことを特徴とする、請求項3乃至9いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、物品の購入清算を実行するレジスタであり、
前記情報入力部は、前記物品の価格に関する情報を入力し、
前記紙出力部は、前記物品の購入結果を印字する印字部であることを特徴とする、請求項1乃至10いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置は、原稿を光学的に操作して複写可能な複写機であり、
前記情報入力部は、前記原稿の画像情報を入力し、
前記紙出力部は、前記入力された情報に基づいて前記原稿を複製することを特徴とする、請求項1乃至10いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記選択履歴に関する情報に基づいてサービスを提供するサービス提供部を更に有することを特徴とする、請求項1乃至12いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ユーザに関する情報と当該ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報とを関連付けて記憶している履歴情報記憶部を更に有し、
前記情報更新部は、前記更新命令として前記履歴情報記憶部に記憶されている情報を更新する命令を送信することを特徴とする、請求項1乃至13いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
出力対象情報を入力する情報入力部と、
前記入力された出力対象情報を紙媒体に出力する紙出力部と、
前記入力された出力対象情報を通信出力する通信出力部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記紙出力部と前記通信出力部とのうち少なくとも一方を選択し、
ユーザに関する情報を取得し、
前記通信出力部が選択された場合に、前記ユーザに関する情報に関連付けて記憶されている情報であって前記ユーザが前記通信出力部を選択した選択履歴に関する情報の更新命令を送信し、
前記選択履歴に関する情報は、前記ユーザがサービスを利用するために用いられることを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載の制御方法を画像処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の制御プログラムを画像処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−182668(P2009−182668A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19791(P2008−19791)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】