説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】画像形成装置についての画面を携帯端末で表示する際に、ユーザにとって優先順位の高い項目から表示できるようにする。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置によれば、携帯端末3から通信要求が受信されると、携帯端末3の表示画面の画面サイズが取得されるとともに自装置の装置状況が判別され、装置状況の判別結果に基づいて、携帯端末への表示対象となる画面に含まれる各項目の表示優先順位が決定され、決定された表示優先順位及び携帯端末3の画面サイズに基づいて、Webサーバ機能により表示データが生成され、通信部18を介して携帯端末3に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に対する設定操作を携帯端末等の情報端末装置の画面上から行うことを可能とするため、画像形成装置、情報端末装置及びサーバ装置が連携した表示システムが提案されている。例えば、特許文献1には、情報端末装置のディスプレイサイズをサーバ装置に登録しておき、サーバ装置において、情報端末装置のディスプレイサイズに応じて、情報端末装置でプリンタの設定を行うための設定画面データを決定して情報端末装置に送信するシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2003−11463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1においては、サーバ装置が必要となるため、システム構成が複雑であるという問題があった。
【0004】
また、画像形成装置側の表示部に比べ情報端末装置の表示部は小さいため、画像形成装置で一画面に表示する項目全体を情報端末装置の画面に表示するのは不可能であるが、この点、特許文献1においては、情報端末装置への画面送信時において情報端末装置で設定可能な項目をサーバ装置で決定し、その全部または1項目のみの設定画面データを画一的に送信する構成であるため、情報端末装置において、設定可能な項目のうちユーザにとって重要度の高い項目から順に表示することはできなかった。更に、サーバ装置で情報端末装置に表示するための設定画面データを用意しておかなければならないという問題もあった。
【0005】
本発明の課題は、画像形成装置についての画面を携帯端末で表示する際に、ユーザにとって優先順位の高い項目から表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
外部の携帯端末と接続し、通信を行うための通信部と、
表示部と、
前記表示部に画面を表示するための表示データを記憶する記憶部と、
自装置の状況を判別するとともに前記通信部を介して前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得し、
前記判別した装置状況に基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目を表示する場合の優先順位を決定し、
当該決定された優先順位及び前記取得された表示領域サイズに基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データから前記携帯端末に表示させる表示データを生成し、
当該生成した表示データを前記通信部を介して前記携帯端末に送信し、前記表示対象となる画面の各項目を前記決定された優先順位で表示させる制御部と、
を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記携帯端末の端末識別情報を当該携帯端末の表示領域サイズと対応付けて記憶する情報記憶部を有し、
前記制御部は、前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得するに際し、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて記憶された表示領域サイズを前記情報記憶部から読み出すことにより前記表示領域サイズを取得する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御部は、前記携帯端末の表示領域サイズを取得するに際し、前記通信部を介して前記携帯端末から前記表示領域サイズ情報を取得する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記表示部に表示される画面に含まれる項目の使用履歴をユーザ識別情報と対応付けて記憶する使用履歴記憶部を備え、
前記制御部は、前記携帯端末から操作するユーザのユーザ識別情報を取得し、前記自装置の状況として、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目に対しての前記ユーザの使用頻度を前記使用履歴記憶部に記憶された使用履歴に基づき判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて前記優先順位を決定する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記自装置の状況として、自装置の異常状況を判別し、当該判別された異常状況に基づいて前記優先順位を決定する。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記表示部に画面を表示するための表示データにおける当該画面に含まれる各項目の画像領域の位置情報を記憶する画面情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記画面情報記憶部を参照し、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、前記特定した画像領域のデータを前記優先順位及び前記携帯端末の表示領域サイズに基づいて読み出して縮小又はアスペクト比変更することにより前記携帯端末に表示させる表示データを生成する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、更に、前記通信部を介して前記携帯端末から送信される指示情報に応じて、前記携帯端末の表示画面上に表示させる表示データを切り替える。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、更に、前記携帯端末に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を前記通信部を介して前記携帯端末に送信する。
【0014】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
外部の携帯端末と接続し、通信を行うための通信部と、表示部と、前記表示部に画面を表示するための表示データを記憶する記憶部と、を備えた画像形成装置に用いられるコンピュータを、
自装置の状況を判別するとともに前記通信部を介して前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得し、
前記判別した装置状況に基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目を表示する場合の優先順位を決定し、
当該決定された優先順位及び前記取得された表示領域サイズに基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データから前記携帯端末に表示させる表示データを生成し、
当該生成した表示データを前記通信部を介して前記携帯端末に送信し、前記表示対象となる画面の各項目を前記決定された優先順位で表示させる制御部、
として機能させる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記制御部は、前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得するに際し、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて予め情報記憶部に記憶された表示領域サイズを前記情報記憶部から読み出すことにより前記表示領域サイズを取得する。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記制御部は、前記携帯端末の表示領域サイズを取得するに際し、前記通信部を介して前記携帯端末から前記表示領域サイズ情報を取得する。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記携帯端末から操作するユーザのユーザ識別情報を取得し、前記自装置の状況として、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目に対しての前記ユーザの使用頻度を使用履歴記憶部に記憶された使用履歴に基づき判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて前記優先順位を決定する。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項9〜11の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記自装置の状況として、自装置の異常状況を判別し、当該判別された異常状況に基づいて、前記優先順位を決定する。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項9〜13の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記表示部に画面を表示するための表示データにおける当該画面に含まれる各項目の画像領域の位置情報を予め記憶する画面情報記憶部を参照し、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、前記特定した画像領域のデータを前記優先順位及び前記携帯端末の表示領域サイズに基づいて読み出して縮小又はアスペクト比変更することにより前記携帯端末に表示させる表示データを生成する。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項9〜14の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、更に、前記通信部を介して前記携帯端末から送信される指示情報に応じて、前記携帯端末の表示画面上に表示させる表示データを切り替える。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項9〜15の何れか一項に記載の発明において、
前記制御部は、更に、前記携帯端末に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を前記通信部を介して前記携帯端末に送信する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成装置についての画面を携帯端末に表示する際に、装置の状況に応じて、ユーザにとって優先順位の高い項目から表示することが可能となる。
【0023】
また、自装置の状況の判別として、携帯端末への表示対象となる表示部の画面に含まれる各項目に対しての携帯端末の操作ユーザの使用頻度を判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて携帯端末に表示する場合の優先順位を決定する構成とすることで、携帯端末を操作しているユーザの使用頻度に応じた優先順位で携帯端末に表示することができ、携帯端末における操作性、利便性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、自装置の状況の判別として、自装置の異常を判別し、当該判別された結果に基づいて、携帯端末に表示する画面の各項目の優先順位を決定する構成とすることで、発生した異常の状況に応じて最適な順序で携帯端末への表示を行うことが可能となり携帯端末における利便性を向上させることが可能となる。
【0025】
また、表示部に画面を表示するための表示データにおける当該画面に含まれる各項目の画像領域の位置情報を画面情報記憶部に記憶しておき、当該画面情報記憶部参照して携帯端末への表示対象となる表示部の画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、特定した画像領域のデータを優先順位及び携帯端末の表示領域サイズに基づいて読み出して縮小又はアスペクト比変更することにより携帯端末に表示するための表示データを生成する構成とすることで、表示部に表示するための表示データと携帯端末に表示するための表示データを別個に記憶しておく必要がなくなる。
【0026】
また、通信部を介して携帯端末から送信される指示情報に応じて、携帯端末の表示画面上に表示させる表示データを切り替える構成とすることで、携帯端末の操作に応じた画面を表示することが可能となる。
【0027】
また、携帯端末に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を携帯端末に送信する構成とすることで、携帯端末において表示された画面に応じた音声ガイダンスを出力することができ、利便性を更に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
【0029】
図1に、本発明の実施の形態における画像形成システム100の全体構成例を示す。図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置1とPC(Personal Computer)2とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成され、画像形成装置1と携帯端末3とが通信ネットワークNに接続されたアクセスポイントAPを介して無線LAN通信によりデータ送受信可能に構成されている。更に、通信ネットワークNにはルータRが接続されており、通信ネットワークNに接続された各装置はルータRを介してインターネットや移動体通信網等の公衆回線PNに接続可能に構成されている。なお、画像形成装置1、PC2、携帯端末3の台数は、特に限定されない。
【0030】
以下、画像形成装置1、PC2、携帯端末3の構成について説明する。
図2に、画像形成装置1の機能構成例を示す。画像形成装置1としては、複写機、プリンタ、FAX、複合機等を適用可能である。本実施の形態においては、電子写真プロセスを用いた複合機を適用した場合を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
【0031】
画像形成装置1は、図1に示すように、制御部11、操作部12、表示部13、画像読取部14、画像メモリ15、記憶部16、プリント部17、通信部18、FAX制御部19等により構成され、各部はバス20により接続されている。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部11のCPUは、操作部12の操作等に応じて、ROMに格納されているシステムプログラム、各種処理プログラム、アプリケーションプログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置1各部の動作を集中制御する。
【0033】
即ち、制御部11のCPUは、操作部12、通信部18又はFAX制御部19から入力される画像形成動作の指示(コピー指示、プリント指示、FAX送信指示、FAX受信指示等)に応じて、ROMに記憶されているコピー処理プログラム、プリント処理プログラム、FAX送信処理、又はFAX受信処理プログラム等を読み出して、コピー処理、プリント処理、FAX送信処理又はFAX受信処理等を実行する。
【0034】
例えば、コピー処理においては、原稿トレイT0(図9参照)に載置されている原稿の画像を1枚ずつ画像読取部14により読み取らせて画像データを生成し、操作部12や通信部18を介して入力された画像形成条件に関する設定情報に基づいて、生成された画像データに画像処理を施してプリント部17により記録媒体上に画像を形成させる。プリント処理においては、PC2から通信ネットワークNを介して入力された画像形成条件に関する設定情報及び画像データに基づいて、プリント部17により記録媒体上に画像を形成させる。FAX受信処理においては、FAX制御部19を介して受信した画像データに基づいて、プリント部17により記録媒体上に画像を形成させる。FAX送信処理においては、原稿トレイT0に載置されている原稿の画像を1枚ずつ画像読取部14により読み取らせて画像データを生成し、生成された画像データをFAX制御部19により操作部12により指示されたあて先にFAX送信させる。
【0035】
また、制御部11のCPUは、通信部18を介して携帯端末3から通信要求があると、ROMに記憶されているリモート設定処理プログラムを読み出して後述するリモート設定処理を実行する。また、制御部11のCPUは、画像形成装置1内の異常を検知すると、ROMに記憶されている異常通知表示処理プログラムを読み出して後述する異常通知表示処理を実行する。
【0036】
また、制御部11のROMは、Webサーバとしての機能をCPUに実行させるためのWebサーバプログラムを記憶している。制御部11のCPU11は、ROMに記憶されているWebサーバプログラムに従って、携帯端末3の表示部の画面上に表示させるための各種表示データ(以下、Webデータという)を生成し携帯端末3に送信する。
【0037】
また、制御部11のROMは、記憶部として、ユーザが画像形成条件の設定、ユーザ登録、ユーザ認証等の各種操作入力を行うための各種操作画面(画像形成条件設定画面、ユーザ登録画面、ユーザ認証画面等)、ジャム発生等の異常状態検知時に表示する状態表示画面(異常通知画面等)等の各種画面を表示部13に表示するための各種表示データを記憶している。
【0038】
操作部12は、タッチパネル、ハードキーを備えて構成される。
タッチパネルは、表示部13のLCD(Liquid Crystal Display)の上面を覆うように透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルであり、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部11に出力する。なお、タッチパネルは、感圧式に限らず、他の静電式、光式等であってもよい。
ハードキーは、数字ボタン、コピー指示を入力するためのスタートボタン(図示せず)等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部11に出力する。
【0039】
表示部13は、LCD等により構成され、制御部11から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作画面や装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
【0040】
表示部13に表示される操作画面には、例えば、ユーザがコピー処理時等における画像形成条件の設定を行うための画像形成条件設定画面、ユーザがユーザ登録を行うためのユーザ登録画面、ユーザ認証時に表示されるユーザ認証画面等が含まれる。
図3に、表示部13に表示される画像形成条件設定画面の初期画面131の一例を示す。表示部13に表示される画像形成条件設定画面は、図3に示す初期画面131を最上位階層とする階層構造をなしている。初期画面131においては、当該初期画面131に表示する画面(表示対象)の種類を選択するためのタブ131a〜131dが表示されている。タブ131aは、初期画面131に基本設定画面を表示することを選択入力するためのものであり、タブ131aが押下されると、初期画面131に基本設定画面が表示される。タブ131bは、初期画面131に原稿設定画面を表示することを選択入力するためのものであり、タブ131bが押下されると、初期画面131に原稿設定画面が表示される。タブ131cは、初期画面131に画質/濃度設定画面を表示することを選択入力するためのものであり、タブ131cが押下されると、初期画面131に画質/濃度設定画面が表示される。タブ131dは、初期画面131に応用設定画面を表示することを選択入力するためのものであり、タブ131dが押下されると、初期画面131に応用設定画面が表示される。図3においては、初期画面131に基本設定画面が表示された場合を例として示している。初期画面131に表示された各画面においては、その画面で設定可能な画像形成条件の項目が表示されており(例えば、図3に示す基本設定画面においては、「カラー」「用紙」「倍率」「画面/ページ集約」の各項目)、項目が押下されると、初期画面131の下位階層である当該押下された項目を設定するための詳細設定画面が表示される。
【0041】
また、表示部13に表示される状態表示画面には、ジャム発生等の画像形成装置1における異常状態をユーザに通知するための異常通知画面が含まれる。異常通知画面は、装置全体の中でどの箇所に異常があるか(異常位置)を示す「全体表示」、異常個所の詳細を表示する「異常個所詳細表示」、異常を解除するための手順を順次表示する「ガイド表示」、ヘルプ表示を行う「ヘルプ表示」の4つの項目を操作部12の指示に従って表示する画面である。表示部13においては、異常が検知されると、まず、「全体表示」が表示され、次いで、操作部12により入力される切り替え表示指示に応じて、「全体表示」→「異常個所詳細表示」→「ガイド表示」→「ヘルプ表示」の順序で表示される。
【0042】
画像読取部14は、ADF(Auto Document Feeder)、スキャナ、A/D変換器等を備えて構成される。ADFは、原稿トレイT0に載置された原稿をスキャナのプラテンガラス上に1枚ずつ自動給送する。スキャナは、光源、CCD(Charge Coupled Device)等により構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換器によりデジタル画像データに変換して制御部11に出力する。ここで、画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0043】
画像メモリ15は、画像読取部14により読み取られた画像データや通信部18を介してPC2から入力された画像データを一時的に格納する。
【0044】
記憶部16は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部16は、ユーザ認証情報ファイル16a、使用履歴情報ファイル16b、異常状況判別基準ファイル16c、設定画面表示テーブルファイル16d、異常通知画面表示テーブルファイル16eを記憶しており、情報記憶部、使用履歴記憶部、画面情報記憶部として機能している。
図4に、ユーザ認証情報ファイル16aのデータ格納例を示す。ユーザ認証情報ファイル16aは、表示部13に表示されるユーザ登録画面から操作部12により入力されたユーザ認証情報を格納するファイルである。ユーザ登録画面においては、少なくとも登録操作を行っているユーザの識別情報であるユーザIDと、そのユーザが所有し、後述するリモート設定動作において画像形成条件の設定画面や異常通知画面のデータの送信先となる携帯端末3の端末識別情報(MACアドレス、電話番号等)と、そのユーザが所有する携帯端末3の表示画面の表示領域サイズ(縦の画素数×横の画素数。以下、画面サイズという。)が登録される。ユーザ認証情報ファイル16aは、図4に示すように、「ユーザID」フィールド、「端末識別情報」フィールド、「画面サイズ」フィールド等を有し、ユーザ登録画面から登録されたユーザ認証情報(ユーザID、そのユーザが所有する携帯端末3の端末識別情報、画面サイズ情報等)を格納する。
【0045】
図5に、使用履歴情報ファイル16bのデータ格納例を示す。使用履歴情報ファイル16bは、図5に示すように、「使用日時」フィールド、「画面名」フィールド、「項目名」フィールド、「ユーザID」フィールド等を有し、表示部13に表示される画像形成条件設定画面(上述の基本設定画面、原稿設定画面、画質/濃度設定画面、応用設定画面や、これらの画面において項目を選択することにより表示される詳細設定画面)において、操作部12により項目が選択された際、即ち、使用する項目が選択された際に、選択が行われた日時(使用日時)、表示されている画面名、選択された項目名、操作を行ったユーザID等の情報を使用履歴データとして格納するファイルである。
【0046】
図6に、異常状況判別基準ファイル16cの一例を示す。異常状況判別基準ファイル16cは、図6に示すように、「異常種類」フィールド、「解除困難フラグ」フィールドを有し、異常の種類と、その異常の解除が困難であるか否かを示す解除困難フラグ(解除困難である場合にはON、解除容易である場合にはOFF)とを予め対応付けて格納するファイルである。
【0047】
図7に、設定画面表示テーブルファイル16dの一例を示す。設定画面表示テーブルファイル16dは、図7に示すように、「画面名」フィールド、「項目名」フィールド、「座標」フィールド等を有し、表示部13に表示される画像形成条件設定画面(上述の基本設定画面、原稿設定画面、画質/濃度設定画面、応用設定画面や、これらの画面において項目を選択することにより表示される詳細設定画面)の各画面名に対応付けて、その画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を示す座標情報(左上の座標位置:右下の座標位置。例えば、図3に示す基本設定画面の「カラー」項目であれば、(x1、y1;x2、y2))を格納するファイルである。
【0048】
図8に、異常通知画面表示テーブルファイル16eの一例を示す。異常通知画面表示テーブルファイル16eは、上述の異常通知画面の4つの項目である「全体表示」「異常個所詳細表示」「ガイド表示」「ヘルプ表示」を表示する場合の優先順位(表示優先順位)を、解除容易な場合と解除困難な場合とに分けて格納するとともに、各項目を表示する画面の表示データにおける携帯端末3への表示領域の座標(左上の座標位置:右下の座標位置)を格納するファイルである。
【0049】
記憶部16は、その他、異常通知画面を携帯端末3に表示する際に合わせて出力する音声ガイダンスの音声データや、携帯端末3に表示させる初期画面の表示データ(Webデータ)を記憶している。
【0050】
なお、異常状況判別基準ファイル16c、設定画面表示テーブルファイル16d、異常通知画面表示テーブルファイル16e、音声データ等、予め記憶されているファイルやデータは、制御部11のROMに記憶する構成としてもよい。
【0051】
プリント部17は、図9に示す書き込み部17a、帯電部17b、感光体ドラム17c、現像部17d、転写部17e、複数の給紙トレイ部17f(ここでは、給紙トレイT1〜T3)、定着部17g、排紙トレイ17h、記録媒体を搬送するための搬送部17i(搬送路R1、R2、両面経路R3、搬送路切換板171、両面搬送ユニット172、排紙ローラ173を含む各種ローラ等)、クリーニング部17j等を備えて構成され、制御部11からの制御に従って各部を駆動し、電子写真方式により記録媒体上に画像を形成し排紙トレイ17hに出力する。
即ち、プリント部17は、制御部11からの制御に従って、制御部11から指示されたサイズと向きの記録媒体を給紙トレイT1〜T3の何れかの給紙トレイから給紙し搬送部17iにより搬送するとともに、書き込み部17aにおいて、入力された画像データに基づきPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、生成したPWM信号に基づいて、帯電部17bにより帯電された感光体ドラム17c表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。更に、プリント部17は、感光体ドラム17c表面の静電潜像を含む領域に現像部17dによりトナーを付着させ、給紙トレイから搬送された記録媒体に転写部17eによりトナーを転写して画像を形成し、定着部17gで定着させた後、排紙ローラ173により排紙トレイ17hに出力する。感光体ドラム17c上の転写されなかったトナーは、クリーニング部17jにより除去する。
【0052】
両面印刷をする場合には、片面に画像形成された記録媒体を搬送路切換板171により両面経路R3に送り込み、両面搬送ユニット172により記録媒体の面を反転し、画像形成されていない面(裏面)を感光体ドラム17c側に向けて転写部17eに搬送する。両面印刷され、トナーの定着が行われた記録媒体は、排紙ローラ173により、排紙トレイ17hに出力する。
【0053】
プリント部17の記録媒体の搬送経路上には、図示しないが複数のセンサが配設されている。これらの各センサは、制御部11に接続されており、記録媒体の通過を検知すると検知信号(記録媒体検知信号)を発生し、制御部11に出力する。制御部11は、これらのセンサから出力される記録媒体検知信号に基づいて、プリント部17内の搬送状況の管理や、ジャム発生等の異常の検知等を行う。
【0054】
例えば、或るセンサ付近を記録媒体の先端が通過し記録媒体検知信号が出力されたにも拘わらず、所定タイミングまでに次に記録媒体が通過するはずの搬送経路上のセンサから記録媒体検知信号が出力されない場合に、制御部11は、2つのセンサ間でジャムが発生したことを検知する。また、所定時間以上一つのセンサから記録媒体検知信号が出力された状態である場合に、制御部11は、そのセンサ付近でジャムが発生したことを検知する。
【0055】
また、プリント部17の前面には、画像形成装置1の前面を覆う各ドア(図示せず)の開閉を検知する図示しない開閉検知センサが設けられている。開閉検知センサは、制御部11に接続されており、ドアが開放された際に検知信号(ドア開放検知信号)を発生し、制御部11に出力する。制御部11は、開閉検知センサからのドア開放検知信号の有無に基づいて、ドア開放時の異常を検知する。
【0056】
また、プリント部17の各給紙トレイT1〜T3には、図示しないが、それぞれ紙なし状態を検知する紙なし検知センサが設けられている。紙なし検知センサは、制御部11に接続されており、給紙トレイ内に記録媒体がなくなった場合に検知信号(紙なし検知信号)を発生し、制御部11に出力する。制御部11は、紙なし検知センサからの紙なし検知信号の有無に基づいて、紙なし状態を検知する。
【0057】
通信部18は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介して通信ネットワークNに接続されたPC2等の外部の装置との間で各種データの送受信を行う。また、通信部18は、通信ネットワークNを介して無線LANのアクセスポイントAPに接続されており、アクセスポイントAPを介して無線LAN機能を備えた携帯端末3と接続し表示データを始めとする各種データの送受信を行う。
【0058】
FAX制御部19は、FAXモデム等により構成され、電話回線に接続されたファクシミリ装置(図示せず)との間でFAXの画像データの送受信を行う。
【0059】
PC2は、CPU、プログラムが記憶されたROM、RAMにより構成された制御部、キーボード、マウス等により構成される入力部、LCD等により構成される表示部、PC2を通信ネットワークNに接続するための通信部、画像データが記憶された記憶部等を備えている。PC2は、入力部を介して画像や画像形成条件設定等が入力されると、設定条件を設定情報として画像データに付加し、プリント指示とともに通信部を介して画像形成装置1に送信する。
【0060】
携帯端末3は、CPU、Webブラウザプログラムを始めとする各種プログラムが記憶されたROM、及びRAMにより構成される制御部、十字キー、テンキー、PWRキー等により構成される入力部、LCD等により構成される表示部、無線LANによる無線通信を行うための通信部、音声データをアナログ音声信号に変換したのち出力する音声出力部、通信の相手先となる装置や端末の装置識別情報(例えば、画像形成装置1のMACアドレス等)を始めとする各種データを記憶する記憶部等を備えた情報端末装置である。即ち、携帯端末3は、無線LAN機能及びWebブラウザ機能を備えた情報端末装置である。携帯端末3としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、モバイルPC(Personal Computer)等を適用可能である。
【0061】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
まず、携帯端末3の要求に応じて、画像形成装置1により通信部18を介して携帯端末3の表示部に対し画像形成条件の設定画面を表示し、携帯端末3の操作に応じて画像形成条件を設定する動作(リモート設定動作)について説明する。
【0062】
(リモート設定動作)
図10に、画像形成装置1の制御部11により実行されるリモート設定処理を示す。当該処理は、通信部18を介して携帯端末3からの通信要求が受信された際に実行される処理である。なお、携帯端末3においては、入力部の所定の操作により遠隔操作による画像形成装置1の画像形成条件の設定が指示されると、携帯端末3の制御部により、画像形成装置1の装置識別情報が読み出され、無線LANを介して画像形成装置1に通信要求が行われる。
【0063】
通信部18を介して携帯端末3からの通信要求が受信されると、通信要求の送信元の携帯端末3の端末識別情報が取得され、送信元の携帯端末3の端末識別情報に基づきユーザ認証処理が実行される(ステップS1)。ユーザ認証処理においては、記憶部16のユーザ認証情報ファイル16aが参照され、送信元の携帯端末3の端末識別情報と合致する情報が記憶されている場合は、ユーザ認証が成功したと判断され、合致する情報が記憶されていない場合には、ユーザ認証が失敗したと判断される。ユーザ認証が失敗したと判断されると(ステップS2:NO)、本処理は終了する。
【0064】
ユーザ認証が成功したと判断されると(ステップS2:YES)、認証されたユーザのユーザID及び携帯端末3の端末識別情報がRAMに記憶される(ステップS3)。次いで、ユーザ認証情報ファイル16aが参照され、認証された端末識別情報に対応付けて記憶されている画面サイズ、即ち、送信元の携帯端末3の画面サイズ情報が読み出され、取得される(ステップS4)。なお、本実施の形態においては、ユーザ認証情報ファイル16aに、各携帯端末3の画面サイズ情報を予め登録しておくこととしているが、ステップS4において、通信部18を介して送信元の携帯端末3に画面サイズ情報の問い合わせを行って直接携帯端末3から画面サイズ情報を取得する構成としてもよい。
【0065】
次いで、記憶部16から携帯端末3に初期画面を表示するためWebデータが読み出されて取得された画面サイズに応じて拡大/縮小又はアスペクト比変更され、通信部18を介して認証された端末識別情報を送信先として携帯端末3に当該Webデータが送信される(ステップS5)。ここで送信される初期画面のWebデータは、図3に示す初期画面131に対応しており、携帯端末3に表示する画面(表示対象画面)の種類を選択するための画面である。携帯端末3に表示する初期画面においては、ここでは、「基本設定画面、原稿設定画面、画質/濃度画面、応用設定画面」の中から何れか一つを選択することができるものとする。この初期画面のWebデータは、携帯端末3において受信されると、当該携帯端末3の表示部に初期画面が表示され、受信された初期画面上で何れか一つの画面種類が選択操作(例えば、上下キーによるカーソルの移動及び確定キーの押下による選択操作)されると、選択された表示対象画面の種類の情報が画像形成装置1に返信されるようになっている。
【0066】
携帯端末3から表示対象画面の種類の情報が受信されると(ステップS6:YES)、画像形成装置1の状況判別が行われる(ステップS7)。画像形成装置1の状況判別とは、ここでは、画像形成装置1の選択された表示対象画面における各項目の使用状況の判別であり、例えば、下記の(1)〜(2)の処理により行うことができる。
(1)全ユーザの使用頻度の判別
使用履歴情報ファイル16bにおいて、携帯端末3により表示対象画面として選択された種類の画面における各項目毎の使用履歴データが抽出され、抽出された各項目の使用履歴データ件数がそれぞれ前記画面についての使用履歴データ件数(各項目の使用履歴データ件数を加算した結果)で除算されて前記画面における各項目毎の使用頻度(%)が算出され、前記画面に表示される項目別の使用頻度(全ユーザの使用頻度)が判別される。
例えば、表示対象画面として「基本設定画面」が選択された場合、使用履歴情報ファイル16bにおいて、「カラー」項目、「用紙」項目、「倍率」項目、「画面/ページ集約」項目のそれぞれについて使用履歴データが抽出され、抽出された各項目の使用履歴データ件数がそれぞれ(「カラー」項目の件数+「用紙」項目の件数+「倍率」項目の件数+「画面/ページ集約」項目の件数)で除算され、基本設定画面における「カラー」項目、「用紙」項目、「倍率」項目、「画面/ページ集約」項目のそれぞれの使用頻度(%)が算出される。
(2)操作ユーザ(認証ユーザ)の使用頻度の判別
使用履歴情報ファイル16bにおいて、携帯端末3により選択された種類の画面における各項目の、ステップS1で認証されたユーザIDが対応付けられた使用履歴データが抽出され、抽出された各項目の使用履歴データ件数がそれぞれ当該ユーザIDが対応付けられた前記画面についての使用履歴データ件数(各項目の当該ユーザIDが対応付けられた使用履歴データ件数を加算した結果)で除算されて前記画面における各項目毎の使用頻度(%)が算出され、前記画面に表示される項目別に認証ユーザの使用頻度が判別される。
【0067】
次いで、ステップS7における判別結果に基づいて、認証ユーザの携帯端末3、即ち、送信元の携帯端末3への表示対象となる画面に含まれる各項目を表示する場合の優先順位(表示優先順位)が決定される(ステップS8)。表示対象となる画面の各項目の表示優先順位は、例えば、下記の(3)〜(5)により決定される。
(3)全ユーザの使用頻度に基づく各項目の優先順位を決定
上記(1)の使用頻度の高い項目から昇順に優先順位が付与され、全ユーザの使用頻度に基づく各項目の優先順位が決定される。
(4)認証ユーザの使用頻度に基づく各項目の優先順位を決定
上記(2)の使用頻度の高い項目から昇順に優先順位が付与され、認証ユーザの使用頻度に基づく各項目の優先順位が決定される。
(5)上記(1)〜(4)の結果に基づき、今回携帯端末3に表示する画面における各項目の表示優先順位を決定
各項目を上記(4)で決定された優先順位の逆順に(優先順位の下位のものから順に)並べたときの順番を示す数値と(2)で取得された各項目の使用頻度(%)の数値とを項目別に乗算したものと、各項目を上記(3)で決定された優先順位の逆順に(優先順位の下位のものから順に)並べたときの順番を示す数値と(1)で取得された各項目の使用頻度(%)の数値とを項目別に乗算したものと、が項目別に加算され、算出された加算結果の大きい順に、最終的に前記画面に表示される各項目の表示優先順位が決定される。
【0068】
次いで、ROMに記憶されている、表示部13に表示対象画面を表示するための表示データがRAMに読み出され、ステップS4において取得された携帯端末3の画面サイズ情報、画像形成装置1の状況判別に基づいて決定された各項目の表示優先順位に基づいて、Webサーバ機能により、表示部13に表示対象画面を表示するための表示データから携帯端末3に表示対象画面を表示するための表示データ(Webデータ)が生成される(ステップS9)。
【0069】
例えば、携帯端末3の画面サイズ情報により特定される携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1(縦の画素数)×n1(横の画素数))未満である場合、1つの項目のみが携帯端末3に表示される項目として決定される。次いで、設定画面表示テーブルファイル16dが参照され、表示対象画面における表示優先順位1の項目の画像領域(座標)の位置が特定され、ROMから読み出された表示対象画面の表示データにおける表示優先順位1の項目の画像領域のデータが取り出され携帯端末3の画面サイズ情報に基づいて縮小又はアスペクト比変更されて携帯端末3に表示するためのWebデータが生成される。
また、携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1×n1)以上〜(m2×n2)未満である場合、2つの項目が携帯端末3に表示される項目として決定され、上記と同様の処理により表示優先順位1、2の項目を携帯端末3に表示するためのWebデータが生成される。
携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m2×n2)以上〜(m3×n3)未満である場合、3つの項目が携帯端末3に表示される項目として決定され、上記と同様の処理により表示優先順位1〜3の項目を携帯端末3に表示するためのWebデータが生成される。
携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m3×n3)以上である場合、4つの項目が携帯端末3に表示される項目として決定され、上記と同様の処理により表示優先順位1〜4の項目を携帯端末3に表示するためのWebデータが生成される(m1<m2<m3、n1<n2<n3)。
【0070】
上記送信元の携帯端末3に表示するためのWebデータが生成されると、通信部18により当該携帯端末3の端末識別情報を送信先として生成されたWebデータが送信される(ステップS10)。
【0071】
通信部18により携帯端末3からの画面切り替え指示又は確定指示が受信されると(ステップS11:YES)、受信された指示に応じてWebデータが生成され通信部18を介して携帯端末3に送信されるか、又は、指示に応じて画像形成条件が設定される(ステップS12)。通信部18を介して通信終了指示が受信されると(ステップS13:YES)、本処理は終了する。
【0072】
図11は、携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1×n1)以下の場合に、携帯端末3の入力部の操作に応じて表示される基本設定画面及び下位階層の詳細設定画面の画面遷移の一例を示す図である。図11においては、表示優先順位が「1:用紙」「2:倍率」「3:画面/ページ集約」「4:カラー」と決定された場合を示している。また、下位階層の詳細設定画面は、一例として「用紙」項目の詳細設定画面を示している。図11に示すように、携帯端末3においては、表示部13において一画面に表示される項目が表示優先順位に従って複数ページにわたって表示されることとなる。
【0073】
携帯端末3の表示部にWebデータに基づく画面が表示された状態において、携帯端末3の右矢印キーが押下されると、画像形成装置1に次の表示優先順位の項目への画面切り替え指示が送信されるようになっている。携帯端末3の左矢印キーが押下されると、画像形成装置1に1つ前に表示した項目への表示切り替え指示が送信されるようになっている。携帯端末3の確定キー(十字キーの中心に位置するキーやリターンキー)が押下されると、画像形成装置1に、表示された項目について詳細設定を行うための一つ下位階層の画面(詳細設定画面)への表示切り替え指示が送信されるようになっている。下位階層の画面が表示された状態において携帯端末3の上矢印キーが押下されると、画像形成装置1に上位階層への表示切り替え指示が送信されるようになっている。下位階層の画面が表示された状態において携帯端末3の確定キーが押下されると、画像形成装置1に現在表示されている項目による設定の確定と、上位階層への表示切り替え指示が送信されるようになっている。
【0074】
画像形成装置1においては、通信部18により携帯端末3からの画面切り替え指示又は確定指示が受信されると、制御部11により指示に応じた処理が実行される。
例えば、図11に示すように、携帯端末3の画面サイズが基準サイズ(m1×n1)以下の場合には、表示優先順位が1の「用紙」項目が表示された画面で携帯端末3において右矢印キーが押下されて、通信部18により次の表示優先順位の項目のへの表示切り替え指示が受信されると、設定画面表示テーブルファイル16dが参照され、表示対象画面における表示優先順位2の項目の画像領域の位置(座標)が特定され、読み出された表示対象画面の表示データにおける表示優先順位2の項目の画像領域のデータが携帯端末3の画面サイズ(縦×横)に基づいて縮小又はアスペクト比変更されてWebデータが生成され、通信部18を介して携帯端末3に送信される。携帯端末3においては、画像形成装置1からWebデータが受信されると、図11に示すように、表示部に次の表示優先順位の項目「倍率」が表示される。
また、例えば、表示優先順位が1の「用紙」項目が表示された画面で携帯端末3において確定キーが押下されて、通信部18により確定指示が受信されると、確定された項目についての一つ下位階層の画面である詳細設定画面について、上述のステップS7〜S10の処理が実行され、確定された項目の下位階層の項目のうち、表示優先順位の最も高い項目、例えば、「A4」が表示される。
また、例えば、「用紙」項目の詳細設定画面における表示優先順位が1の「A4」項目が表示された画面で携帯端末3において確定キーが押下されて、通信部18により確定指示が受信されると、制御部11において画像形成条件として「用紙:A4」が設定される(RAMのユーザIDに対応付けて記憶される)。また、一つ上位階層の画面である基本設定画面の「用紙」項目が携帯端末3の表示部に表示される。
【0075】
図12は、携帯端末3の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1×n1)以上〜(m2×n2)未満の場合に、携帯端末3の入力部の操作に応じて表示される基本設定画面及び下位階層の詳細設定画面の画面遷移の一例を示す図である。図12においても、図11と同様、表示優先順位が「1:用紙」「2:倍率」「3:画面/ページ集約」「4:カラー」と決定された場合を示している。また、下位階層の詳細設定画面は、一例として「用紙」項目の詳細設定画面を示している。
【0076】
携帯端末3の表示部にWebデータに基づき図12に示す画面が表示された状態において、携帯端末3の各キーが押下されたときの携帯端末3及び画像形成装置1の動作は、基本的に図11で説明したのと同様であるが、図12においては、携帯端末3の画面上に上位階層においては2つの項目が表示可能であるため、左側の項目が網掛け表示(選択対象となっていることを示す)されている状態で1回右矢印キーが押下されると、網掛け表示、即ち、選択対象項目が右に一つ移動される。右側の項目が網掛け表示されている状態で1回右矢印キーが押下されると、画像形成装置1に表示切り替えの指示が送信される。また、右側の項目が網掛け表示されている状態で1回左矢印キーが押下されると、網掛け表示、即ち、選択対象項目が左に一つ移動される。なお、画面サイズが大きく、更に表示可能な項目数が増えた場合には、一回右矢印キーを押下するごとに網掛け表示が移動し、最も右側の項目が網掛け表示された状態で更に右矢印キーが押下された場合に、画像形成装置1に表示切り替え指示が送信される。左矢印キーについても同様である。下位階層においては、3つの項目が画面サイズに収まるように画像形成装置1においてWebデータを生成した例を示している。
【0077】
なお、表示対象画面(即ち、上位階層の画面)の最も表示優先順位の高い項目が携帯端末3に表示された状態において上矢印キーが押下された場合、初期画面への切り替え指示が入力される。画像形成装置1においては、上述の初期画面に表示された画面の種類及び通信終了を選択項目とした初期画面のWebデータが読み出され、携帯端末3に送信される。携帯端末3の入力部の操作により別の画面の表示が選択され、別の画面の表示指示が通信部18において受信されると、別の表示対象画面について上述のステップS7以降の処理が実行される。携帯端末3において「通信終了」が選択され、通信部18を介して通信終了指示が受信されると、本処理は終了する。
【0078】
上述のように、画像形成装置1においては、画像形成条件の設定画面を使用した際に、使用された画面とその画面において使用された項目が履歴として記憶されるようになっており、携帯端末3から要求された表示対象画面に対して、要求された画面のユーザの使用履歴に基づいて表示優先順位を決定するので、異なる2以上の画面に重複して表示される項目があった場合に、画面毎によく使用されている項目から優先的に携帯端末3に表示することができる。例えば、基本設定画面には、「カラー(カラーバランス調整)、用紙、倍率、両面/ページ集約」の項目が表示され、応用設定画面には、上記「カラー(カラーバランス調整)、用紙、倍率、両面/ページ集約」+αの項目が表示される。基本設定画面において、「倍率」項目の使用頻度は比較的高いが、応用設定画面においてはほとんど使用されない。このような場合、表示対象画面毎に項目の表示優先順位が決定されるので、基本設定画面においては、「倍率」項目が優先的に表示され、応用画面においては「倍率」項目は他の項目を表示した後で表示される。このように、ユーザによる表示対象画面の使用状況に応じた、使い勝手のよい画面を携帯端末3に表示することが可能となる。
【0079】
なお、操作部12の所定の操作により、表示部13に、携帯端末3から設定した画像形成条件による画像形成の実行を指示する画面を読み出すことができる。当該画面には、携帯端末3の装置識別情報を入力する入力欄が設けられており、当該画面から操作部12により端末識別情報が入力され、原稿トレイに原稿が載置されてスタートボタンが押下されると、制御部11においてRAMに当該入力された端末識別情報に対応付けて記憶されていた設定情報に基づいて、コピー処理が実行される。入力された端末識別情報及び設定情報は、画像形成動作が終了するまでRAMに保持され、一連の画像形成動作の終了後、RAMから削除され画像形成条件がデフォルトの設定に戻る。
【0080】
(異常通知表示動作)
次に、上述のリモート設定処理により携帯端末3により設定された画像形成条件に基づく画像形成動作中にプリント部17に異常が発生し、画像形成動作が中断した場合に、携帯端末3に異常通知画面を表示する動作について説明する。
【0081】
図13に、画像形成装置1の制御部11により実行される異常通知表示処理を示す。当該処理は、上述のリモート設定処理により表示された設定された画像形成条件に基づく画像形成動作中に制御部11によりプリント部17から異常が検知された際に実行される処理である。
【0082】
まず、異常の通知先となる携帯端末3の端末識別情報が特定される(ステップS21)。即ち、RAMが参照され、画像形成動作の実行時に入力された端末識別情報が異常の通知先となる端末識別情報として特定される。
【0083】
次いで、ユーザ認証情報ファイル16aが参照され、異常の通知先の端末識別情報に対応付けて記憶されている画面サイズ情報が取得される(ステップS22)。なお、本実施の形態においては、ユーザ認証情報ファイル16aに、画像形成装置1へのアクセスを許可された各携帯端末3の画面サイズを予め登録しておくこととしているが、ステップS22において、通信部18を介して異常の通知先となる携帯端末3に画面サイズ情報の問い合わせを行って画面サイズ情報を取得する構成としてもよい。
【0084】
次いで、画像形成装置1の状況判別が行われる(ステップS23)。画像形成装置1の状況判別とは、ここでは、画像形成装置1の異常状況の判別である。例えば、異常状況判別基準ファイル16cが参照され、プリント部17の各センサの出力から特定される異常の種類に応じて、発生した異常の解除が容易な状況であるか困難な状況であるかが判別される。例えば、給紙トレイに記録媒体がないという紙なし異常は、ユーザが給紙トレイを引き出して記録媒体をセットしなおすだけで簡単に異常が解除されるので、異常状況判別基準ファイル16cにおいて解除容易に分類されている。また、例えば、定着部のジャムは、定着ユニットを開放して定着ローラを回転させるなどの複雑なジャム処理作業が必要であり、異常状況判別基準ファイル16cにおいて解除困難に分類されている。
【0085】
次いで、ステップS23における判別結果、即ち、異常が解除容易な状況であるか解除困難な状況であるかに基づいて、携帯端末3への表示対象となる各項目の表示優先順位が決定される(ステップS24)。具体的には、異常通知画面表示テーブルファイル16eが参照され、判別された状況が解除容易か否かに応じて異常通知画面における各項目の表示優先順位が決定される。異常の解除が容易な状況の場合、どこに異常が位置するかがわかればユーザが容易に異常を解除することができるので、装置の全体における異常個所を表示する「全体表示」項目の表示優先順位が高く設定されている。しかし、異常の解除が困難な場合、全体において異常を示しても、ユーザはどのように対処したらよいかわからないため、異常個所の詳細を表示する「異常個所詳細表示」項目の表示優先順位が高く設定されている。
【0086】
次いで、ROMに記憶されている、発生した異常に対応する異常通知画面の表示データがRAMに読み出され、ステップS22において取得された携帯端末3の画面サイズ情報、画像形成装置1の状況判別に基づいて決定された項目の表示優先順位に基づいて、Webサーバ機能により、ROMから読み出された、即ち、表示部13に異常通知画面を表示するための表示データから携帯端末3に異常通知画面を表示するための表示データ(Webデータ)が生成される(ステップS25)。表示部13における異常通知画面は、上述のように、例えば、「全体表示」、「異常個所詳細表示」、「ガイド表示」、「ヘルプ表示」の4つの項目からなり、操作部12により入力される切り替え表示指示に応じて各項目の内容が切り替え表示される。ステップS25においては、例えば、携帯端末3の画面サイズ情報により特定される携帯端末3の画面サイズに基づいて、表示優先順位1の項目に対応する異常通知画面の表示データが縮小され、携帯端末3に表示するためのWebデータが生成される。また、携帯端末3に表示する項目に対応する音声ガイダンスの音声データが記憶部16から読み出される(ステップS26)。
【0087】
上記送信元の携帯端末3に表示するためのWebデータが生成されると、通信部18を介して当該携帯端末3の端末識別情報を送信先として、生成されたWebデータ及び読み出された音声データが送信される(ステップS27)。
【0088】
通信部18を介して携帯端末3からの画面切り替え指示が受信されると(ステップS28:YES)、受信された指示に応じてWebデータが生成され通信部18を介して携帯端末3に送信される(ステップS29)。通信部18により通信終了指示が受信されると(ステップS30:YES)、本処理は終了する。
【0089】
図14は、携帯端末3の入力部の操作に応じて表示される異常通知画面の画面遷移の一例を示す図である。図14においては、異常の種類がジャムであり、表示優先順位が「1:全体表示」「2:ガイド表示」「3:異常個所詳細表示」「4:ヘルプ表示」と決定された場合を示している。図14に示すように、携帯端末3において、異常通知画面を表示した状態で右矢印キーが押下されると、画像形成装置1に次の表示優先順位の項目への画面切り替え指示が送信されるようになっている。携帯端末3の左矢印キーが押下されると、画像形成装置1に1つ前に表示した項目への表示切り替え指示が送信されるようになっている。携帯端末3のPWRキー(又はEscキー)が押下されると、通信の終了指示が送信されるようになっている。なお、「4:ヘルプ表示」においては、上矢印キー、下矢印キーの押下により網掛け表示を移動させることができ、一番下のメニュー項目が網掛け表示されている状態から更に下矢印キーが押下されると、画像形成装置1に次の画面への画面切り替え表示が送信され、表示されていないメニュー項目を見ることができるようになっている。また、ヘルプ表示において、確定キーが押下されると、画像形成装置1にそのときに網掛け表示されていたメニューについてのヘルプ画面への切り替え指示が送信される。なお、ガイド表示は、異常解除手順を動画で示すものである。
【0090】
携帯端末3において、Webデータに基づく異常通知画面が表示される際には、Webデータと併せて送信された音声データに基づき音声ガイダンスが出力される。例えば、「1:全体表示」においては、「紙詰まりです。ガイドに従って紙を取り除いてください」等の音声ガイダンスが出力される。「2:ガイド表示」においては、表示される異常解除手順に応じた音声ガイダンスが出力される。「3:異常個所詳細表示」においては、「本体右ドア(3)を開いて、つまった紙を取り除いてください」等の音声ガイダンスが出力される。「4:ヘルプ表示」においては、「ヘルプメインメニューです。該当するモードを選択してください」等の音声ガイダンスが出力される。
【0091】
以上説明したように、画像形成装置1によれば、携帯端末3から通信要求が受信されると、携帯端末3の表示画面の画面サイズが取得されるとともに自装置の装置状況が判別され、装置状況の判別結果に基づいて、携帯端末への表示対象となる画面に含まれる各項目の表示優先順位が決定され、決定された表示優先順位及び携帯端末3の画面サイズに基づいて、Webサーバ機能により、表示対象画面を表示部13に表示するための表示データから携帯端末3に表示するための表示データが生成され、通信部18を介して携帯端末3に送信される。
【0092】
従って、画像形成装置1についての画像形成条件設定画面を携帯端末3に表示する際に、装置の状況に応じて、ユーザにとって優先順位の高い項目から表示することが可能となる。また、携帯端末3に画像形成条件設定画面を表示させるのにサーバ装置を備える必要がなく、簡単な構成で実現することが可能となる。
【0093】
記憶部16のユーザ認証情報ファイル16aには、予め登録された携帯端末3の端末識別情報が当該携帯端末の画面サイズと対応付けて記憶されているため、携帯端末3の画面サイズは、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて記憶された画面サイズをユーザ認証情報ファイル16aから読み出すことにより取得することができる。また、携帯端末3の画面サイズは、予め登録しておくのではなく、前記通信部18を介して携帯端末3に画面サイズの問い合わせを行って取得するようにしてもよい。
【0094】
また、画像形成装置1においては、リモート設定時において、自装置の状況として、携帯端末3への表示対象となる表示部13の画面に含まれる各項目に対しての操作ユーザの使用頻度を判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて携帯端末3に表示する場合の各項目の表示優先順位を決定する。従って、携帯端末3を操作しているユーザの使用頻度に応じた表示優先順位で表示対象画面の各項目を携帯端末3に表示することができ、携帯端末3における操作性、利便性を向上させることが可能となる。
【0095】
また、画像形成装置1においては、異常発生時に、自装置の状況として、自装置の異常状況を判別し、当該判別された結果に基づいて、携帯端末3に表示する異常通知画面の各項目の表示優先順位を決定する。従って、異常状況に応じて最適な表示順序で異常通知画面の各項目を携帯端末3に表示することができ、携帯端末3における利便性を向上させることが可能となる。
【0096】
また、携帯端末3に表示させる表示データを生成する際には、表示対象の画面に応じて設定画面表示テーブルファイル16d又は異常通知画面表示テーブルファイル16eを参照し、表示部13に表示対象となる画面を表示するための表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、特定した画像領域のデータを表示優先順位及び携帯端末3の画面サイズに基づいて縮小又はアスペクト比変更することにより生成するので、画像形成装置1の記憶部16やROMに携帯端末3に表示するための表示データを記憶しておく必要がなくなる。
【0097】
また、通信部18を介して携帯端末3から送信される指示情報に応じて、携帯端末3の表示画面上に表示させる表示データを切り替えるので、携帯端末3の操作に応じた画面を表示することが可能となる。
【0098】
また、携帯端末3に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を携帯端末3に送信するので、携帯端末3において表示された画面に応じた音声ガイダンスを出力することができ、利便性を更に向上させることが可能となる。
【0099】
なお、上記実施の形態における記述内容は、画像形成装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施の形態においては、画像形成装置1と携帯端末3との表示データ等の送受信を無線LANを介して行う場合を例にとり説明したが、これに限定されず、例えば、携帯端末3が携帯電話であれば、携帯電話番号を端末識別情報として携帯電話の移動体通信網及びインターネットを介して画像形成装置1と接続し、表示データ等の送受信を行う構成としてもよい。また、携帯端末3及び画像形成装置1が赤外線通信機能を備える構成とし、赤外線通信により表示データ等の送受信を行うようにしてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態においては、異常通知画面を携帯端末3に送信する際に併せて音声ガイダンスの音声データを送信することとしたが、リモート設定においても、音声ガイダンスの音声データを送信することとしてもよい。例えば、下位階層画面の項目の表示データを送信する際(例えば、A4、B4、A3等の項目の表示データを送信する際)に、上位階層で選択された項目を音声ガイダンスする音声データ(例えば、「用紙サイズを選択してください」等を音声ガイダンスする音声データ)を携帯端末3に送信するようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態においては、記憶部16にユーザ認証情報ファイル16a、使用履歴情報ファイル16b、異常状況判別基準ファイル16c、設定画面表示テーブルファイル16d、異常通知画面表示テーブルファイル16eを記憶しておくことしているが、これらのファイルは物理的に一つの記憶装置に記憶されていてもよいし、それぞれが別個の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態においては、携帯端末3の左右上下の矢印キーや確定キー等の押下に応じて画面の切り替えや画像形成条件の設定を行う場合を例にとり説明したが、数字キーやテンキーの予め定められた数字の押下に応じて画面の切り替えや画像形成条件の設定を行うこととしてもよい。
【0104】
また、他の携帯として表示部13に表示可能な各画面に含まれる項目の表示優先順位を操作部12を介してユーザが予め設定入力しておく構成としてもよい。入力された各画面に含まれる項目の表示優先順位の情報は、画面毎に記憶部16に記憶しておき、制御部11において携帯端末3へ表示する表示データを生成する際には、記憶部16に記憶された表示優先順位に基づいて表示データを生成し、送信するようにしてもよい。
【0105】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の表示部に表示される画像形成条件設定画面の初期画面の一例を示す図である。
【図4】図2のユーザ認証情報ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図5】図2の使用履歴情報ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図6】図2の異常状況判別基準ファイルのデータ格納例を示す図である。
【図7】図2の設定画面表示テーブルファイルのデータ格納例を示す図である。
【図8】図2の異常通知画面表示テーブルファイルのデータ格納例を示す図である。
【図9】図1の画像形成装置の内部構成を模式的に示す図である。
【図10】図1の制御部により実行されるリモート設定処理を示すフローチャートである。
【図11】図1の携帯端末の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1×n1)以下の場合に、携帯端末の入力部の操作に応じて表示される基本設定画面及び下位階層の詳細設定画面の画面遷移の一例を示す図である。
【図12】図1の携帯端末の画面サイズが予め定められた基準サイズ(m1×n1)〜(m2×n2)の場合に、携帯端末の入力部の操作に応じて表示される基本設定画面及び下位階層の詳細設定画面の画面遷移の一例を示す図である。
【図13】図1の制御部により実行される異常通知表示処理を示すフローチャートである。
【図14】図1の携帯端末の入力部の操作に応じて表示される異常通知画面の画面遷移の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
100 画像形成システム
1 画像形成装置
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 画像読取部
15 画像メモリ
16 記憶部
16a ユーザ認証情報ファイル
16b 使用履歴情報ファイル
16c 異常状況判別基準ファイル
16d 設定画面表示テーブルファイル
16e 異常通知画面表示テーブルファイル
17 プリント部
18 通信部
19 FAX制御部
20 バス
2 PC
3 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の携帯端末と接続し、通信を行うための通信部と、
表示部と、
前記表示部に画面を表示するための表示データを記憶する記憶部と、
自装置の状況を判別するとともに前記通信部を介して前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得し、
前記判別した装置状況に基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目を表示する場合の優先順位を決定し、
当該決定された優先順位及び前記取得された表示領域サイズに基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データから前記携帯端末に表示させる表示データを生成し、
当該生成した表示データを前記通信部を介して前記携帯端末に送信し、前記表示対象となる画面の各項目を前記決定された優先順位で表示させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記携帯端末の端末識別情報を当該携帯端末の表示領域サイズと対応付けて記憶する情報記憶部を有し、
前記制御部は、前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得するに際し、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて記憶された表示領域サイズを前記情報記憶部から読み出すことにより前記表示領域サイズを取得する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記携帯端末の表示領域サイズを取得するに際し、前記通信部を介して前記携帯端末から前記表示領域サイズ情報を取得する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示部に表示される画面に含まれる項目の使用履歴をユーザ識別情報と対応付けて記憶する使用履歴記憶部を備え、
前記制御部は、前記携帯端末から操作するユーザのユーザ識別情報を取得し、前記自装置の状況として、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目に対しての前記ユーザの使用頻度を前記使用履歴記憶部に記憶された使用履歴に基づき判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて前記優先順位を決定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記自装置の状況として、自装置の異常状況を判別し、当該判別された異常状況に基づいて前記優先順位を決定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示部に画面を表示するための表示データにおける当該画面に含まれる各項目の画像領域の位置情報を記憶する画面情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記画面情報記憶部を参照し、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、前記特定した画像領域のデータを前記優先順位及び前記携帯端末の表示領域サイズに基づいて読み出して縮小又はアスペクト比変更することにより前記携帯端末に表示させる表示データを生成する、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、更に、前記通信部を介して前記携帯端末から送信される指示情報に応じて、前記携帯端末の表示画面上に表示させる表示データを切り替える、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、更に、前記携帯端末に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
外部の携帯端末と接続し、通信を行うための通信部と、表示部と、前記表示部に画面を表示するための表示データを記憶する記憶部と、を備えた画像形成装置に用いられるコンピュータを、
自装置の状況を判別するとともに前記通信部を介して前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得し、
前記判別した装置状況に基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目を表示する場合の優先順位を決定し、
当該決定された優先順位及び前記取得された表示領域サイズに基づいて、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データから前記携帯端末に表示させる表示データを生成し、
当該生成した表示データを前記通信部を介して前記携帯端末に送信し、前記表示対象となる画面の各項目を前記決定された優先順位で表示させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
前記制御部は、前記携帯端末の表示画面の表示領域サイズを取得するに際し、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて予め情報記憶部に記憶された表示領域サイズを前記情報記憶部から読み出すことにより前記表示領域サイズを取得する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記制御部は、前記携帯端末の表示領域サイズを取得するに際し、前記通信部を介して前記携帯端末から前記表示領域サイズ情報を取得する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記制御部は、前記携帯端末から操作するユーザのユーザ識別情報を取得し、前記自装置の状況として、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面に含まれる各項目に対しての前記ユーザの使用頻度を使用履歴記憶部に記憶された使用履歴に基づき判別し、当該判別された各項目の使用頻度に基づいて前記優先順位を決定する、請求項9〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記制御部は、前記自装置の状況として、自装置の異常状況を判別し、当該判別された異常状況に基づいて、前記優先順位を決定する、請求項9〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記制御部は、前記表示部に画面を表示するための表示データにおける当該画面に含まれる各項目の画像領域の位置情報を予め記憶する画面情報記憶部を参照し、前記携帯端末への表示対象となる前記表示部の画面の表示データにおける各項目の画像領域の位置を特定し、前記特定した画像領域のデータを前記優先順位及び前記携帯端末の表示領域サイズに基づいて読み出して縮小又はアスペクト比変更することにより前記携帯端末に表示させる表示データを生成する、請求項9〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記制御部は、更に、前記通信部を介して前記携帯端末から送信される指示情報に応じて、前記携帯端末の表示画面上に表示させる表示データを切り替える、請求項9〜14の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記制御部は、更に、前記携帯端末に表示させる表示データに応じた音声ガイダンス情報を前記通信部を介して前記携帯端末に送信する、請求項9〜15の何れか一項に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−276693(P2008−276693A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122521(P2007−122521)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】