説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御方法

【課題】ユニットが本体と結合している場合は、カバーが開けられたときでも付属回路には電源を供給して必要な情報を入手できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体に対して着脱可能で、装着時に本体と連携して所定の動作を行うユニットと、ユニット内に含まれユニットの動作に伴って稼動する付属回路と、本体に装着されたユニットを覆うカバーと、ユニットの着脱状態及びカバーの開閉状態をそれぞれ検出する検出器と、両検知器の検出結果に応答してユニットへの電力供給を制御する制御部とを具備する。制御部は、ユニットが装着されカバーが閉じられた状態では、ユニット全体に動作電圧を供給し、カバーが開放されたときには付属回路に動作電圧を供給し、ユニットが離脱したときにはユニット全体への動作電圧の供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、交換可能なユニットに対する電力供給を適正に行えるようにした画像形成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、MFPや、複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、交換可能なユニットを画像形成装置本体に着脱可能にし、部品の汚れや損傷等が生じた場合にユニットを画像形成装置本体から取り出し、メンテナンスや交換ができるようにしている。
【0003】
上記交換可能なユニットとしては、例えば定着器がある。画像形成装置では用紙にトナー像を形成し、このトナー像を用紙に定着するため定着器を用いている。定着器としては、例えば加熱用のヒートローラと加圧ローラを有し、これら対のローラ間に未定着の用紙を搬送するもの等がある。
【0004】
定着器は、画像形成装置本体に着脱可能なユニットとして構成され、画像形成装置本体から取り出す場合は、本体に設けたカバーを開けて取り出すようにしている。またユニットを取り出す場合は安全性を確保するため、カバーを開けた状態ではユニットへの電源供給を停止させる必要がある。
【0005】
一方、ユニット内には定着ローラを回転させる駆動回路以外に、用紙センサ等の付属回路が内蔵されている場合もある。したがって、カバーが開けられたときにユニットへの電源供給が停止されると、用紙センサ等の付属回路も動作を停止してしまう。このため、カバーが開の状態であっても検出したい信号が存在する場合、検出自体をあきらめるか、ユニットの着脱を電源オフ時に限定する必要があった。
【0006】
しかしながら、ユニット内に用紙センサがあり、定着器内で紙詰まりが発生している場合、カバーを開いたままにしておくと紙詰まり(ジャム)を検出することができず、ローラの熱によって用紙が焦げたりするため安全上問題がある。またユニットの着脱を電源オフ時に限定した場合、定着ユニットのような高温になる部材では手で触れないと温度が分からないため、安全面で問題がある。
【0007】
特許文献1には、画像形成装置においてドア開閉センサとジャム検出センサを設け、ジャム発生の際にドアを開扉したときに定着器ユニットの駆動部材への通電を停止するようにした例が記載されている。また特許文献1では、駆動部材への通電を停止した状態にあってもモータの正回転・停止を行うことができるスイッチを設け、ユーザがスイッチを操作することでジャム処理を行えるようにしている。しかしながら、特許文献1に記載の例では、カバーが開けられたときの用紙センサ等への電源供給については何も触れられていない。
【特許文献1】特開2001−265154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来の画像形成装置では、ユニットの着脱に伴ってカバーが開けられたときに、ユニット内の付属回路の動作が停止してしまい、カバーが開の状態であっても欲しい情報がある場合に検出することができないという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、ユニットが本体と結合している場合は、カバーが開けられたときでも付属回路には電源を供給して必要な情報を入手でき、かつ安全性を確保した画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明の画像形成装置は、画像形成装置の本体に対して着脱可能であって、装着時には前記本体と連携して所定の動作を行うユニットと、前記ユニット内に含まれ、前記ユニットの所定の動作に伴って稼動する付属回路と、前記画像形成装置の本体に装着された前記ユニットを覆うカバーと、前記画像形成装置の本体と前記ユニットとの着脱状態を検出する第1の検出器と、前記カバーの開閉状態を検出する第2の検出器と、前記第1,第2の検出器の検出結果に応答して前記ユニットへの電力供給を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが閉じられた状態では、前記ユニット全体に対して動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが開放された状態では、前記付属回路に動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体から離脱したときには前記ユニット全体に対する動作電圧の供給を停止することを特徴とする。
【0011】
また請求項6記載の本発明の画像形成装置の制御方法は、画像形成装置の本体に前記本体と連携して所定の動作を行うユニットを装着し、前記ユニットの動作に伴って前記ユニットに含まれる付属回路を稼動させ、前記本体と前記ユニットとの着脱状態を検出し、前記本体に装着された前記ユニットを覆うカバーの開閉状態を検出し、前記ユニットの着脱状態及び前記カバーの開閉状態に応じて前記ユニットへの電力供給を制御し、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが閉じられた状態では、前記ユニット全体に対して動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが開放された状態では、前記付属回路に動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体から離脱したときには前記ユニット全体に対する動作電圧の供給を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバーが開けられた場合は、ユニット内の駆動回路等に対する電源供給は停止するが、電源供給を維持しておきたいセンサ等の回路には電源が供給されるため必要な情報を入手することができる。またユニットが完全に取り出された場合はユニットへの電源供給は全て停止するため安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳細に説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。尚、以下の説明では、複合機であるMFPを例に説明するが、プリンタ、複写機、及び他の画像形成装置にも適用できる。
【0015】
図1において、10は画像形成装置である。装置の中央部には画像形成部であるプリンタ部20を有しており、画像形成装置10の上部には、操作部11、表示部12、スキャナ部13を有している。スキャナ部13は、自動原稿送り装置(ADF)14、透明な原稿載置台15及び光学系16を含む。また、画像形成装置10の下部には、給紙部40を有している。画像形成部を構成するプリンタ部20は、例えば電子写真方式によるレーザプリンタである。
【0016】
プリンタ部20は、露光器21を備え、露光器21からのレーザビームを感光体ドラム22に照射して感光体ドラム22を走査する。感光体ドラム22の周囲には帯電器23,現像器24、転写器25、クリーナ26、トナー回収部27が配置されている。現像器24にはトナーカートリッジ28からトナーが供給され、トナーカートリッジ28にはトナーを補給するためのスクリュー29が設けられている。尚、カラーレーザプリンタの場合、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの現像ユニットを備えている。
【0017】
感光体ドラム22は、帯電器23によって表面が一様に帯電され、感光体ドラム22に露光器21からのレーザビームが照射されて静電潜像が形成される。静電潜像は現像器24によって現像され、感光体ドラム22にトナー像を形成する。
【0018】
また、給紙部40は、各種のサイズ用紙を収容する複数の給紙カセット41,42を備えており、給紙カセット41,42からの用紙Pが搬送ベルト43によって転写器25に送られる。搬送ベルト43は、ローラ44,45の回転によって循環的に移動して用紙Pを搬送する。さらにローラ44,45を駆動するため搬送モータ46が設けられている。
【0019】
感光体ドラム22に形成されたトナー像は、転写器25によって用紙Pに転写され、さらに用紙Pは搬送ベルト43によって定着器30に搬送される。定着器30は、ユニット31内に加熱用のヒートローラ32と加圧ローラ33を含み、ヒートローラ32と加圧ローラ33によって、用紙Pにはトナーが定着される。そして定着器30を通過した用紙Pは、排紙部47を介して排出される。後段にフィニッシャがある場合は、フィニッシャによってステイプルやパンチの処理が施されて排出される。
【0020】
図2は、定着器30の一例を概略的に示したものである。定着器30は、ユニット31と、ユニット内に設けられた加熱用のヒートローラ32と加圧ローラ33で構成され、ヒートローラ32と加圧ローラ33は円筒状を成し、ヒートローラ32に加圧ローラ33を接触させて用紙Pを挟んで搬送する。ヒートローラ32は、内部に熱源としてのハロゲンランプ34,35を有している。
【0021】
ハロゲンランプ34は、ヒートローラ32の両サイド(軸方向の両端部)を加熱するヒータを備え、ハロゲンランプ35は、ヒートローラ32の中央部を加熱するヒータを備えており、これらヒータに通電することでハロゲンランプ34,35が加熱されるようになっている。
【0022】
またユニット31内には、定着器30の動作に伴って稼動する用紙センサ36と、ヒートローラ32の温度を検知する温度センサ37が配置されている。尚、ヒートローラ32と加圧ローラ33を駆動するため駆動部が設けられているが図示は省略している。そして、駆動部及び前記用紙センサ36や温度センサ37に電源電圧を供給するため、電源回路が設けられている。
【0023】
図3は本実施形態における着脱可能なユニットと画像形成装置本体10(以下本体10と称す)との関係を概略的に示したものである。尚、以下の説明では着脱可能なユニットとして、定着器のユニットを代表例として説明するが、本発明では、他のユニット構成品にも適用することができる。
【0024】
図3において、定着器30はユニット31ごと交換可能になっており、カバー38を開けて本体10内に着脱可能であり、装着時には本体10と連携してトナー像の定着動作を行う。カバー38の開閉はスイッチ39によって検出される。またユニット31を本体10に装填したとき、定着器30と本体10はコネクタ50,51によって電気的に結合され、本体10から定着器30に対して各種の電源電圧が供給され、定着器30からの各種の検出結果が本体10に伝送される。
【0025】
また、コネクタ50の両端にはループハーネス52が設けられ、コネクタ50,51同士が接続されたとき、電源からの電圧Vがループハーネス52を介して端子53に得られるようになっている。コネクタ50と51が半挿し等で接続が不完全であると、ループハーネス52から端子53に至る経路が遮断され、端子53には電圧が得られない。このため、端子53の電圧を計測することによりユニット31の着脱状態を監視することができる。
【0026】
図4は、ユニット31に対する電源回路を示すブロック図である。ユニット31内には、主負荷回路54が設けられている。主負荷回路54は、ヒートローラ32と加圧ローラ33を回転駆動する駆動回路や、ハロゲンランプ34,35のヒータ駆動回路等からなる。またユニット31内には、付属回路55が設けられている。付属回路55は、用紙センサ36や温度センサ37、あるいはメモリ等で成る。さらに主負荷回路54への電力供給を制御する第1の制御回路56と、付属回路55への電力供給を制御する第2の制御回路57が設けられている。
【0027】
第1の制御回路56は前記スイッチ39(図3)を介してAC電源(AC)に接続され、AC電源(AC)はスイッチ39を介して直流化回路58に接続されている。直流化回路58はAC電圧をDC電圧に変換するものである。また、AC電源(AC)は直流化回路59に接続され、直流化回路59も同様にAC電圧をDC電圧に変換し、電源電圧Vを生成する。
【0028】
直流化回路58の出力電圧は、抵抗R11,R12によって分圧され、分圧した電圧と基準電圧Vrefとを比較器A1で比較し、比較器A1の出力端にはスイッチ39のオンオフに応じて変化する電圧V12が得られる。したがって、この電圧V12の変化によってカバー38の開閉を検出することができる。例えばスイッチ39がオンのときは電圧V12はローレベルとなる。
【0029】
一方、ユニット31の着脱状態の検出は、ループハーネス52を用いて行い、端子53の電圧V11の変化によってユニット31の着脱状態を検出することができる。なお、ループハーネス52以外にマイクロスイッチ等の手段を用いることもできる。
【0030】
第1の制御回路56は、スイッチ39がオンしている場合に主負荷回路54のヒータにAC電流を供給する駆動回路であり、前記カバー38の開閉によって主負荷回路54への電力供給を制御する。また第2の制御回路57はコネクタ50,51の結合状態及びスイッチ39のオンオフによって付属回路55への電力供給を制御する。
【0031】
即ち、第2の制御回路57は、ユニット31の着脱状態を検出する信号と、カバー38の開閉状態を検出する信号とを利用して、ユニット31が装着されている場合は、カバー38の開閉に拘わらず付属回路55に電源電圧を供給し、ユニット31の装着が半挿し等により不完全で、かつカバー38が開状態であることを検出した場合には付属回路55ヘの電源電圧の供給を停止するものである。
【0032】
図5は、第2の制御回路57の具体例を示す回路図である。尚、図5では付属回路55の一例として用紙センサ36を例に説明する。
【0033】
図5において、52は定着器30の着脱状態を検出するハーネスであり、ユニット31が装着されている状態にあっては、電源電圧V(例えば+5V)が抵抗R1及びループハーネス52を介して端子53に供給される。端子53は抵抗R2を介してアース(基準電位点)に接続されている。
【0034】
端子53は抵抗R3を介してNOR回路60の一方の入力端に接続されている。また図4の比較器A1の出力端がインバータ61を介してNOR回路60の他方の入力端に接続されている。NOR回路60の出力端はトランジスタ62のベースに接続され、トランジスタ62のエミッタには電源電圧Vが供給されている。
【0035】
トランジスタ62のコレクタは、付属回路55である用紙センサ36に接続される。用紙センサ36は、トランジスタ62のコレクタに接続されたフォトダイオード63と、フォトダイオード63から発光した光がベースに供給されるフォトトランジスタ64を有し、フォトダイオード63とフォトトランジスタ64の間を用紙Pが通過するようにしている。フォトダイオード63のカソードは抵抗R5を介してアースに接続されている。フォトトランジスタ64のコレクタには抵抗R6を介して電源電圧Vが供給され、フォトトランジスタ64のコレクタはアンプ65を介して出力端66に接続され、エミッタはアースに接続されている。
【0036】
フォトダイオード63とフォトトランジスタ64の間に用紙がない場合は、フォトダイオード63から発光した光がフォトトランジスタ64に伝えられ、用紙が間にある場合は光がフォトトランジスタ64に伝達されないようにしている。したがって出力端66には用紙Pの存在の有無を検知する信号が得られる。この出力端66に得られる信号は、ユニット31内の状態を表す情報であり、この情報を利用して表示部12に各種のメッセージを表示することができる。
【0037】
次に図5の動作について説明する。
【0038】
定着器のユニット31が正常に装着されている場合には、抵抗R2の両端間に電圧V11が発生し、端子53はハイレベル「H」になり、NOR回路60の一方の入力は「H」になる。なお、抵抗R1,R2による分圧比は、端子53がハイレベル「H」になったとき、NOR回路60の出力が「H」になるような比に設定する。
【0039】
また、カバー38が閉じられている場合、スイッチ39はオンしており、比較器A1の出力電圧V12はローレベル「L」となり、インバータ61の入力もローレベル「L」となって、インバータ61の出力は「H」になる。このためNOR回路60の他方の入力は「H」となり、NOR回路60の出力端は「L」となる。
【0040】
これにより、トランジスタ62はオンとなり、エミッタ・コレクタ路(主導電流路)を介して電流が流れ、用紙センサ36は能動状態になる。フォトダイオード63から発光した光はフォトトランジスタ64のベースに供給され、フォトトランジスタ64は用紙Pの有無によってオンオフし、出力端66には用紙の有無を示す検知信号が得られる。
【0041】
また、カバー38が開けられると、スイッチ39はオフとなり、比較器A1の出力及びインバータ61の入力は「H」となり、インバータ61の出力は「L」になる。このためNOR回路60の他方の入力は「L」となるが、一方の入力は「H」のままであるため、NOR回路60の出力は「L」となる。これにより、トランジスタ62はオンとなり、用紙センサ36は能動状態を維持する。
【0042】
このとき、図4で示すように第1の制御回路56を介しての主負荷回路54への通電は絶たれるため、定着器30のローラの駆動部やヒータの駆動回路は動作を停止する。しかし、用紙センサ36は動作状態にあるため、もし定着器30内で紙詰まりが発生している場合には、表示部12にその旨のメッセージを表示することができる。
【0043】
さらに、カバー38が開けられている状態においてユニット31の装着が不完全であった場合は、ループハーネス52からの電流供給がなくなるため、端子53には電圧が得られなくなり、NOR回路60の一方の入力は「L」となる。これによりNOR回路60の両入力が「L」になるため、出力は「H」となる。
【0044】
したがって、トランジスタ62はオフとなり、用紙センサ36は動作を停止する。また、ユニット31が本体10から取り出された場合も用紙センサ36は動作を停止する。
【0045】
以上述べたように本実施形態の画像形成装置によれば、ユニット31が本体10に装着され、カバー38が閉じられている場合は、定着器30は定常状態を維持し用紙センサ36も正常に動作する。またカバー38が開けられた場合は、定着器30の動作は停止するが、ユニット31内の付属回路55には電源電圧が供給されるため、用紙センサ36の動作は維持される。したがって、用紙が残っている場合はそれを検知することができ、表示部12にその旨を表示することができる。また、ユニット31を交換する際のガイドを表示することもできる。さらにユニット31が完全に取り出されたときは、ユニット31への電源供給はすべて停止する。
【0046】
尚、以上の説明では、付属回路55として用紙センサ36を例に述べたが、付属回路55は、ユニット31内の温度を検知する温度センサ37(図2)や、画像形成装置の動作途中に入手した情報を書き込んでおくためのメモリ(図示せず)でも良い。
【0047】
また交換可能ユニットとして定着器30を例に述べたが、これに限らず他のユニットについても適用可能である。例えば、図1の感光体ドラム22、帯電器23,現像器24、クリーナ26、トナー回収部27、トナーカートリッジ28を1つのプロセスユニット200として構成し、プロセスユニット200を本体10に対して着脱可能にしても良い。
【0048】
この場合、プロセスユニット200には用紙センサ201が設けられ、用紙Pの搬送状態やジャムの発生を検出できるようにしている。用紙センサ201は、例えば発光ダイオードとフォトトランジスタで構成し、発光ダイオードからの光を用紙Pに向けて照射し、用紙Pからの反射光をフォトトランジスタで受光して用紙Pの有無を検知するようにしたものである。
【0049】
したがって、プロセスユニット200の感光体ドラム22を回転駆動する駆動部は、主負荷回路54に設け、用紙センサ201の駆動部は、付属回路55に設ければ良い。
【0050】
また、現像器24を交換可能ユニットとして構成してもよい。この場合は、現像器24内の現像ローラを駆動するための駆動部(図示せず)と、現像器24のトナー残量を検知するトナー残量検知部202を設け、現像ローラを駆動する駆動部を主負荷回路54に設け、トナー残量検知部202を付属回路55に設ければ良い。
【0051】
さらに、図1のプリンタ部20に代えて、中間転写ベルトを用いた画像形成装置にも応用することができる。中間転写ベルトを用いた画像形成装置は、駆動ローラ及び従動ローラ間に張架されて循環的に回転する中間転写ベルトと、この中間転写ベルトの回転方向に沿って並列に配置したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部を有している。
【0052】
各色の画像形成部は、それぞれ感光体ドラムを有し、感光体ドラムの周囲に帯電器、現像器、クリーナ等が配置されている。また、中間転写ベルト内の感光体ドラムに対向する位置に転写器としての1次転写ローラを配置し、感光体ドラムのトナー像を中間転写ベルトに1次転写するようにしている。また、中間転写ベルトに対向して2次転写ローラ配置され、中間転写ベルト上のトナー像を用紙に2次転写するようにしている。
【0053】
このように中間転写ベルトを有する画像形成装置では、中間転写ベルトと1次転写ローラを含む機構を転写ユニットとして構成し、この転写ユニットを本体に対して着脱可能にしている。また転写ユニットには2次転写した後の用紙が中間転写ベルトに貼りついていないかを検知するセンサが設けられている。
【0054】
したがって、中間転写ベルトの駆動部を、主負荷回路54に設け、用紙の貼りつきを検出するセンサを、付属回路55に設ければ良い。
【0055】
以上述べたように本実施形態の画像形成装置によれば、カバーが開けられた場合は、ユニット内の駆動回路等に対する電源供給は停止するが、電源供給を維持しておきたいセンサ等の回路には電源が供給されるため必要な情報を入手することができる。またユニットが完全に取り出された場合はユニットへの電源供給は全て停止するため安全性を確保することができる。
【0056】
尚、以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態の全体構造を説明する構成図。
【図2】同実施形態の画像形成装置に使用する定着器の一例の構成を概略的に説明する構成図。
【図3】同実施形態の画像形成装置における本体と定着器ユニットとの関係を示す概略構成図。
【図4】同実施形態の画像形成装置における電源回路を示すブロック図。
【図5】同実施形態の画像形成装置における電源制御回路を示す回路図。
【符号の説明】
【0058】
10…画像形成装置
20…プリンタ部
24…現像器
30…定着器
31…ユニット
32…ヒートローラ
33…加圧ローラ
34,35…ハロゲンランプ
36…用紙センサ
37…温度センサ
38…カバー
39…スイッチ(カバー開閉検出器)
50,51…コネクタ
52…ループハーネス(着脱検出器)
53…ハーネス出力端
54…主負荷回路
55…付属回路
56…第1の制御回路
57…第2の制御回路
60…NOR回路(論理回路)
62…トランジスタ
63…フォトダイオード
64…フォトトランジスタ
200…プロセスユニット
201…用紙センサ
202…トナー残量検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体に対して着脱可能であって、装着時には前記本体と連携して所定の動作を行うユニットと、
前記ユニット内に含まれ、前記ユニットの所定の動作に伴って稼動する付属回路と、
前記画像形成装置の本体に装着された前記ユニットを覆うカバーと、
前記画像形成装置の本体と前記ユニットとの着脱状態を検出する第1の検出器と、
前記カバーの開閉状態を検出する第2の検出器と、
前記第1,第2の検出器の検出結果に応答して前記ユニットへの電力供給を制御する制御部と、を具備し、
前記制御部は、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが閉じられた状態では、前記ユニット全体に対して動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが開放された状態では、前記付属回路に動作電圧を供給し、前記ユニットが前記本体から離脱したときには前記ユニット全体に対する動作電圧の供給を停止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記付属回路は、メモリ、または前記ユニット内の状態を検知するセンサを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の本体には、用紙にトナー像を形成する画像形成部を有し、
前記ユニットは、前記用紙に前記トナー像を定着させる定着器ユニットで成り、
前記付属回路は、前記定着器ユニット内の用紙の有無、又は前記定着器ユニット内の温度を検知するセンサを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置の本体には、用紙にトナー像を形成する画像形成部を有し、
前記ユニットは、感光体ドラム及び現像器を含むプロセスユニットで成り、
前記付属回路は、前記プロセスユニット内の前記用紙の有無、又は前記プロセスユニット内のトナー残量を検知するセンサを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置の本体には、用紙にトナー像を形成する画像形成部を有し、
前記ユニットは、転写ベルト及び転写器を含む転写ユニットで成り、
前記付属回路は、前記転写ベルトへの前記用紙の貼りつきを検知するセンサを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置の本体に、前記本体と連携して所定の動作を行うユニットを装着し、
前記ユニットの動作に伴って前記ユニットに含まれる付属回路を稼動させ、
前記本体と前記ユニットとの着脱状態を検出し、
前記本体に装着された前記ユニットを覆うカバーの開閉状態を検出し、
前記ユニットの着脱状態及び前記カバーの開閉状態に応じて前記ユニットへの電力供給を制御し、
前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが閉じられた状態では、前記ユニット全体に対して動作電圧を供給し、
前記ユニットが前記本体に装着され前記カバーが開放された状態では、前記付属回路に動作電圧を供給し、
前記ユニットが前記本体から離脱したときには前記ユニット全体に対する動作電圧の供給を停止することを特徴とする画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−310362(P2007−310362A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79205(P2007−79205)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】