説明

画像形成装置

【課題】 クリーニングブレードと感光ドラムの当接圧を緩和することによって、クリーニングブレード及び感光ドラムの高耐久を実現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 静電潜像を形成すると共にこの静電潜像をトナーを用いて現像したトナー像を担持する感光体と、トナー付着のない非画像部における該感光体を駆動するモータの電流値を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電方式などを採用した画像形成装置に関し、特に像担持体である感光体ドラムの表面をブレードを用いてクリーニングすることが可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機の感光体ドラムの表面に形成されるトナー像は転写紙に完全には転写されず未転写のトナーが残留する。連続して複写作業を行うためには、この残留トナーを剥離して、清掃する必要がある。従来のクリーニング装置にはクリーニング部材としてのブレードを感光体ドラムに当接し、そのエッジで残留トナーを掻き落とし清掃する構成が多数利用されており、ブレードにはポリウレタンなどの弾性体が用いられている。これは感光体ドラム上に残留したトナーを清掃するためには、ある程度以上の荷重を加えることが必要となるが、これにより、ブレードが徐々に永久的に変形してくる。そのため、従来のクリーニング装置ではブレードをコピー動作中は感光体ドラムには当接し、コピー動作終了後は隔離して以後荷重を完全に解除する制御を行っていた。
【0003】
また、ブレードは、エッジ摩耗及び損耗によるクリーニング不良を防止するために、定期的な交換を必要としていた。このブレード交換は通常保守作業員が行うが、ブレード1枚毎に交換作業を行うと交換サイクルが短くなり過ぎる。そのため、複数のブレードを備えたものも提案され、これらのクリーニング装置では、複数のブレードを固着するブレード支持軸を所定作業時や所定時間毎に回転して他のブレードに交換する構成を採用している。
【0004】
更に、ブレードの圧接力を環境温度の変化に応じて自動的に調整し、感光体の過摩耗やブレードめくれのない安定したクリーニング性能を得るために、感光体に当接するごとくブレードを支持するブレードホルダを熱膨張率の異なる少なくとも2部材で構成し、ブレード端部の温度上昇にともなって、感光体を押圧する方向に移動するごとくブレードホルダの熱膨張率を選定したものも考案されている。
【0005】
更に、像担持体の表面状態を検知する像担持体表面検知手段または像担持体の表面状態の経時変化データを予め記憶している記憶手段を設け、像担持体表面検知手段または記憶手段によって求められる像担持体の表面状態に応じてクリーニング装置による像担持体のクリーニング状態を随時制御するものも考案されている。
【特許文献1】特開平7−181865
【特許文献2】特開平6−148974
【特許文献3】特開平6−214493
【特許文献4】特開平8−115025
【特許文献5】特開2000−172026
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、コピー動作終了後は隔離して以降荷重を完全に解除するものについては、コピー動作終了後、ブレードの感光体ドラムへの当接面、すなわちブレードのエッジの上流部にかなり多くのトナーが溜まっていることがある。この中には、多くの紙紛も混在している。よって、コピー動作終了後に隔離してブレードの完全除去を行うと、次のコピー動作時に感光体ドラムに当接する際に、ブレードに付着した紙紛や感光体ドラム上に残った紙紛をブレードのエッジで挟み込んでしまうことがある。このように紙紛を挟み込んだ部分は、ブレードが感光体ドラムに密着しないため、トナーを清掃することができずに、クリーニング不良となってしまう。
【0007】
また、感光体ドラムに対して、ブレードが当接する位置とブレードが隔離した位置との間に移動可能であり、ブレードが隔離した位置にある時に使用済になったブレードと新規ブレードを交換するものがあるが、ブレードと感光体ドラムの当接点にはかなりの量のトナーが存在し、このトナーの中には転写を行う時に感光体ドラムに付着した紙紛も多く混在している。そのために、使用済のブレードと新規ブレードの交換動作を行う場合には、ブレードが隔離した位置にあるときに、新しいブレードに交換して感光体ドラムに当接する際に、感光体ドラム上に残ったトナー中に混在する紙紛を挟みこんでしまうことがある。このように、紙紛を挟みこんでしまうと、紙紛を挟みこんだ部分は、ブレードが感光体ドラムに密着しないため、トナーを清掃することが出来ず、クリーニング不良となってしまう。
【0008】
また、ブレードの交換を行うブレード交換手段が、ブレード支持軸を回転してブレードの交換を行うものでは、ブレード支持軸が回転方向にガタを有することがあるが、この場合にはブレード支持軸の回転方向と感光体ドラムの回転方向を同一方向とすると、感光体ドラムの回転の開始や停止時にブレード支持軸が動き、ブレードの当接点や当接角が変化してしまう。
【0009】
更に、このブレードの当接点や当接角が変化することで、紙紛がブレードと感光体ドラムの間に入り込みやすくなってしまい、紙紛を挟みこんだ部分は、ブレードが感光体ドラムに密着しないために、トナーを清掃することができずにクリーニング不良となってしまう。
【0010】
また、ブレード支持軸の回転によって、使用済のブレードと新規のブレードの交換を行うものに対しては、交換のために予め取り付けられている新規ブレードにはトナーが付着していることが考えられ、交換のためにはブレード支持軸を回転すると、新規ブレードに付着しているトナーが飛散することがある。
【0011】
また、ブレードの一端を固定し、他端を感光体に当接するごとくブレードを支持するブレードホルダを熱膨張率の異なる少なくとも2つの部材とで構成し、ブレードの他端が温度上昇にともなって感光体を押圧する方向に移動するごとく2つの部材の熱膨張率を選定したものに関しては、部材が多くなってしまうことや構成が複雑になってしまい、コストアップとなってしまう。
【0012】
更に、トルク変動測定手段をメカ的な機構として取り付けた場合、部品点数が多くなってしまったり、装置自体が大きくなってしまうなどの不具合が考えられる。また、像担持体の表面検知手段または記憶手段によって求められる像担持体の表面状態に応じて、黒帯を形成するものに対しては、黒帯の消耗頻度が大きくなってしまうため、カラー複写機の場合には黒のトナーの補給が他の色よりも多くなってしまうという不具合も発生してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、静電潜像を形成すると共にこの静電潜像をトナーを用いて現像したトナー像を胆持する感光体と、トナー付着のない非画像部における該感光体を駆動するモータの電流値を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項2記載の画像形成装置は、該検出手段が、該感光体を駆動するモータが起動して所定時間後に電流値を検出するように制御されることを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項3記載の画像形成装置は、該検出手段は、感光体を駆動するモータが起動して所定時間後に電流値の検出を開始し、モータが停止するまでの電流の平均値で電流値を検出するように制御されることを特徴とする画像形成装置である。
【0016】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項4記載の画像形成装置は、該検出手段によって検出された電流値の所定値からの増加分に応じて、該トナーの供給量を制御するトナー制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項5記載の画像形成装置は、感光体上に接して残留トナーを除去するクリーニングブレードを備えたクリーニング手段を備え、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、該感光体の表面に圧接して残留トナーを除去するブレードの圧力を解除する方向に制御するブレード圧制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項6記載の画像形成装置は、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、画像形成装置の操作画面上に警告手段を表示することを特徴とする画像形成装置である。
【0019】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項7記載の画像形成装置は、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、画像形成装置の操作画面上に警告手段を表示するとともに、ブレードの圧設定を行うブレード圧設定手段を前記操作画面上に表示するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0020】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項8記載の画像形成装置は、感光体に供給するトナーを黒、シアン、マゼンタ、イエローの少なくとも1つであることを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
また、上記問題点を解決するために、本発明の請求項9記載の画像形成装置は、トナーの残量を検出するトナー残量検出手段によって、トナーの残量が最も多いトナーを該感光体に供給するように制御することを特徴とする画像形成装置ある。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、感光体を駆動するモータの電流値を検出することによって、検出された電流値が所定の値を超えた場合に、非画像部において感光体にトナーを供給するように制御することによって、感光体とクリーニングブレード間の当接圧を緩和することが可能となるため、クリーニングブレードや感光体の高耐久性を実現できる。
【0023】
また、感光体を駆動するモータの電流値を検出することによって、検出された電流値からの増加分に応じて感光体へのトナーの供給量を制御するため、トナーの消費量を最小限に抑えることが可能となる。
【0024】
更には、非画像部において感光体にトナーを供給するように制御した場合でも、検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、クリーニングブレードの圧力を解除する方向へ制御するようにしたので、クリーニングブレードや感光体の高耐久性を実現できる。
【0025】
更には、非画像部において感光体にトナーを供給するように制御した場合でも、検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に操作画面上に警告表示やエラー表示をするようにしたので、早い段階で感光体周りの不具合を検出することができるので、画像不良などが生じる前に不具合箇所を修正することができる。
【0026】
更には、感光体に供給するトナーを黒、シアン、マゼンタ、イエローの少なくとも1色で尚且つ、トナー残量が最も多い色を選択することによって、トナーの消耗のバランスをとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の画像形成装置の断面図である。本カラー画像形成装置は画像読み取り部100Rと画像出力部100Pから構成されている。画像読み取り部100Rは原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部100Pに送るものでその構成は周知であり、また本発明と特に関係がないので詳細な説明は省略する。
【0029】
画像出力部100Pは大別して、4つのステーションa、b、c、dが並設された画像形成部110(各ステーションa〜dの基本構成は同一である)、給紙ユニット120、中間転写ユニット130、定着ユニット140、クリーニングユニット150および制御ユニット170から構成される。
【0030】
個々のユニットについて詳しく説明する。画像形成部110の各ステーションa、b、c、dは、像担持体としての感光ドラム111a、111b、111c、111dを有し、感光ドラム111a〜111dはその中心で軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム111a、111b、111c、111dの外周面に対向して、その回転方向に一次帯電器112a、112b、112c、112d、光学系113a、113b、113c、113d、折り返しミラー116a、116b、116c、116d、現像装置114a、114b、114c、114dが配置されている。
【0031】
感光ドラム111(111a〜111d)には画像形成プロセスによりトナー像が形成される。まず、感光ドラム111の表面に一次帯電器112(112a〜112d)により均一な帯電量の電荷が与えられ、ついで光学系113(113a〜113d)で発生した記録画像信号に応じて変調された例えばレーザービームなどの光線を、折り返しミラー116(116a〜116d)を介して感光ドラム111上に露光して、感光ドラム111の表面に静電潜像が形成される。
【0032】
感光ドラム111上の静電潜像は、現像装置114(114a〜114d)により現像してトナー像として可視化される。現像装置114a、114b、114c、114dは、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色の現像剤(トナー)を収容しており、各感光ドラム111上の潜像は、現像によってブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像に形成される。
【0033】
感光ドラム111a、111b、111c、111dの下部には、中間転写ベルト131が当接して感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルト131に転写する一次転写領域Ta、Tb、Tc、Tdが形成されている。その一次転写領域の中間転写ベルト131の裏面側(内面側)には、一次転写用帯電器135a、135b、135c、135dが配置されている。一次転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの感光ドラム111a、111b、111c、111dの回転方向下流側には、クリーニング装置115a、115b、115c、115dが設置され、中間転写ベルト131に転写されずに各感光ドラム111上に残った転写残りトナーを掻き落として、感光ドラム111表面の清掃を行うようになっている。
【0034】
給紙ユニット120は、記録材Pを収納したカセッ121a、121bおよび手差しトレイ127、カセット121a、121b内もしくは手差しトレイ127より記録材Pを一枚ずつ送り出すピックアップローラ122a、122bおよび126、各ピックアップローラから送り出された記録材Pをレジストローラ125a、125bまで搬送する給紙ローラ対123および給紙ガイド124、そして画像形成部の画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写領域Teへ送り出す上記のレジストローラ125a、125bからなる。
【0035】
中間転写ユニット130は、上記の中間転写ベルト131を複数本のローラ、すなわちベルト131に駆動を伝達する駆動ローラ132、バネ(図示せず)による付勢でベルト131に適度な張力を与えるテンションローラ133、およびベルト131を挟んで二次転写領域Teに対向した二次転写対向ローラ134に卷回してなっており、駆動ローラ132とテンションローラ133の間に一次転写平面Aが形成されている。中間転写ベルト131は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)などの材料から形成されている。
【0036】
駆動ローラ132は、金属ローラの表面に、ベルト131とのスリップ部防止用に数mm厚さのゴム(ウレタンゴムまたはクロロプレンゴム)をコーティングしてなっており、駆動ローラ132はパルスモータ(図示せず)によって回転駆動される。
【0037】
二次転写対向ローラ134のところには中間転写ベルト131を挟んで二次転写ローラ136が対向配置され、この二次転写ローラ136が中間転写ベルト131に対し適度な圧力で加圧当接され、当接ニップ部によって前記の二次転写領域Teが形成されている。また中間転写ベルト131の二次転写領域Teの下流には、中間転写ベルト131の表面(画像形成面)をクリーニングするクリーニングユニット150が設置され、このユニット150は、ベルト131の表面に当接するブレード151、およびブレード151によりベルト131の表面から除去されたトナーを収容する廃トナーボックス152を備えている。
【0038】
定着ユニット140は、内部にハロゲンヒーターなどの熱源を備えた定着ローラ141、その定着ローラ141に加圧される加圧ローラ142(加圧ローラ142にも熱源を備える場合がある)、ローラ対141、142の当接ニップ部へ記録材Pを導くガイド143、ユニット140内の熱を閉じ込める定着断熱カバー146、147、およびローラ141、142対から排出されてきた記録材Pをさらにユニット140の外部に導き出す内外の排紙ローラ144、145などからなり、その延長上の画像形成装置本体外にはユニット140から出た記録材Pを積載する排紙トレイ148が設置されている。
【0039】
つぎに、本画像形成装置の画像形成動作を説明する。制御ユニット170のCPU501より画像形成動作開始信号が発せられると、選択された用紙サイズ等に対応したカセットから記録材を給紙する。たとえば上段のカセット121aから給紙される場合を説明すると、ピックアップローラ122aにより、カセット121aから記録材Pが一枚ずつ送り出され、給紙ローラ対123によって給紙ガイド124の間を案内されて、記録材Pがレジストローラ125(125a、125b)まで搬送される。そのときレジストローラ125は停止されており、記録材Pの先端はレジストローラ125のニップ部に突き当たり、その後、画像形成部での画像形成開始に対し所定のタイミングでレジストローラ125が回転を始める。このレジストローラ125の回転のタイミングは、各感光ドラム111上に各色のトナー像が形成され、各色のトナー像が中間転写ベルト131上に重ね合わせて一次転写されて、その中間転写ベルト131上のトナー像が二次転写領域Teに至るときに、レジストローラ125に送り出された記録材Pが二次転写領域Teに到達するように設定されている。
【0040】
画像形成部では、画像形成動作開始信号が発せられると、前述した画像形成プロセスにより中間転写ベル131の回転方向上、一番上流にあるステーションdの感光ドラム111d上にトナー像が形成され、そのトナー像が一次転写領域Tdで中間転写ベルト131に、高電圧が印加された一次転写用帯電器135dの作用によって一次転写される。一次転写されたトナー像は中間転写ベルト131の移動にともないつぎのステーションcの一次転写領域Tcまで搬送される。ステーションcでは、ステーションd、c間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前のトナー像上に位置(レジスト)を合わせてつぎのトナー像が転写される。以下、ステーションb、aでも同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー像が中間転写ベルト131上に重ね合わせて転写される。
【0041】
その後、記録材Pが二次転写領域Teに進入して中間転写ベルト131に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ136に高電圧が印加される。そして前述したプロセスにより中間転写ベルト131上に形成された4色のトナー像が、記録材Pの表面に一括して二次転写される。トナー像が二次転写された記録材Pは、搬送ガイド149によって定着ユニット140のローラニップ部まで正確に案内され、定着ローラ141、加圧ローラ142による熱および圧力によってトナー像が記録材Pの表面に定着され、4色フルカラーの永久画像に形成される。その後、記録材Pは内外の排紙ローラ144、145により装置外に搬送され、排紙トレイ148に積載される。
【0042】
画像形成装置は、パターン検出手段としてのフォトセンサ200、201と、制御ユニット170とを含むレジスト補正装置を備えている。フォトセンサ200、201は、最終色の画像形成ステーションaの下流側の位置で、中間転写ベルト131の移動方向と直角の幅方向両端部のベルト上方に近接配置され、フォトセンサ200、201により、中間転写ベルト131の幅方向両端部の2箇所にベルト移動方向に沿って形成された各色のレジストパターン(レジストレーション補正用パターン)を検出して読み取り、制御ユニット170の補正手段によりレジスト補正制御を行っている。
【0043】
ここで、感光ドラム111の電流検出方法を述べる。感光ドラム111は、図示しないDCモータによって回転駆動するように制御される。図2のように、感光ドラム111の回転方向下流側には、クリーニング装置115が配置され、中間転写ベルト131に転写されずに各感光ドラム111上に残った転写残りトナーを掻き落として、感光ドラム111表面の清掃を行うようになっている。クリーニング装置115はクリーニングブレード117とブレードホルダ118を有している。感光ドラム111表面の清掃が行われた状態で感光ドラム111の駆動電流を検出する。
【0044】
感光ドラム111の駆動電流検出回路としては図4に示すような回路が一般的に用いられている。まず、駆動電流Io(A)を電圧変換し、その電圧をオペアンプIC106によって増幅し、サンプルホールド回路を介して、基準電圧Vref(V)と比較することで感光ドラム111の負荷状態を決定することが出来る。ただし、モータの起動電流が負荷重状態設定値Iref(A)よりも大きい場合は、モータの起動電流に対してリミッタを設けるか、図3のようにモータ起動時は電流検出を行わないように、つまりモータ起動後、T(ms)後に電流検出を開始するようにする必要がある。正常な場合は図3に示すように、検出電流値が基準値よりも低い値となっているが、負荷重状態の場合は、検出電流値が基準値よりも高い値となる。検出電流値Io(A)に関しては、起動後T(ms)からモータ動作停止、またはモータ回転所定時間後までの平均値として表されるようになっている。
【0045】
図3に示すように、検出電流値Io(A)が負荷重状態設定値Iref(A)よりも大きい場合、何らかの負荷重状態が発生していると考えられる。よって、検出電流値Io(A)を電流電圧変換後増幅して、サンプルホールド回路を介した電圧Vo(V)と負荷重状態設定値Iref(A)を電流電圧変換したVref(V)の差分(ΔV=Vo−Vref)に比例した値TNR
TNR=αΔV=α(Vo−Vref)
だけ、感光ドラム111上にトナー帯を打つように制御される。供給するトナー帯に関しては、カラー複写機の場合は、図示しない残量検出手段によって検出されたトナー残量によって、残量の最も多いトナー色のトナーを少なくとも1色供給するように制御される。
【0046】
また、TNR分だけ感光ドラム111上にトナー帯を打った場合でも、検出電流値Io(A)が負荷重状態設定値Iref(A)よりも大きい場合は、図2のようにブレードホルダ118を感光ドラム111から離間するように制御する。ブレードホルダ118の移動は図示しないモータなどの駆動手段によって行われる。移動量に関しては、所定パルス数または所定時間動作するように制御される。
【0047】
また、TNR分だけ感光ドラム111上にトナー帯を打ち、尚且つブレードホルダ118を感光ドラム111から離間するように制御した場合でも、検出電流値Io(A)が負荷重状態設定値Iref(A)よりも大きい場合は、クリーニングブレード117と感光ドラム111の当接圧以外の問題も考えられることから、画像形成装置本体の図示しない操作部上に警告を表示するように制御される。
【0048】
次に、本発明を表す制御フローに関して、図5を用いて説明する。非画像部において、感光ドラム111駆動モータ(DCモータ)を回転させる(S501)。感光ドラム111駆動モータの検出電流値Io(A)と予め設定してある基準電流値Iref(A)を比較する(S502)。感光ドラム111駆動モータの検出電流値Ioが基準電流値Irefよりも小さい場合は正常終了する(S509)。感光ドラム111駆動モータの検出電流値Ioが基準電流値Irefよりも大きい場合は、感光ドラム111にα(Io−Iref)だけトナーを均等に乗せるように制御される(S503)。また、1ドラム方式のカラー複写機においては、各色のトナー残量検出手段によって、検出された残トナー量によって、最も多い残量をトナーを少なくとも1色ドラムに供給するように制御される。感光ドラム111にトナーを乗せた状態で再び、IoとIrefを比較し(S504)、Io>Irefであれば、画像形成装置の操作画面上に警告表示をするように制御される(S505)。S504でIo<Irefであれば、正常終了する(S509)。S504でIo>Irefであれば、S506でブレードホルダ118を移動するようにした場合、再びIoとIrefを比較して(S507)、Io<Irefであれば、正常終了する(S509)。S507でブレードホルダ118を感光ドラム111から離間したにも関わらずIo>Iref場合には、画像形成装置の操作画面上にエラー表示をすることで終了する(S509)。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を実施した画像形成装置を示す断面図である。
【図2】感光ドラムとクリーニング装置の概略図である。
【図3】感光ドラム駆動モータ検出電流において、正常時と異常時の比較波形を示す図である。
【図4】感光ドラムモータ駆動電流検出回路を示す図である。
【図5】本発明を表すフォローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を形成すると共にこの静電潜像をトナーを用いて現像したトナー像を胆持する感光体と
トナー付着のない非画像部における該感光体を駆動するモータの電流値を検出する検出手段と
該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御する制御手段
とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において
該検出手段は、該感光体を駆動するモータが起動して所定時間後に電流値を検出するように制御されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において
該検出手段は、該感光体を駆動するモータが起動して所定時間後に電流値を検出開始し、モータが停止または所定時間動作するまでの平均値で電流値を検出するように制御されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において
該検出手段によって検出された電流値の所定値からの増加分に応じて、該トナーの供給量を制御するトナー制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
感光体上に接して残留トナーを除去するクリーニングブレードを備えたクリーニング手段を備えた請求項1記載の画像形成装置において
非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、該感光体の表面に圧接して残留トナーを除去するブレードの圧力を解除する方向に制御するブレード圧制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において
非画像部において該感光体に該トナーを供給するように制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、画像形成装置の操作画面上に警告表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4記載の画像形成装置において
該感光体の表面に圧接して残留トナーを除去するブレードの圧力を解除する方向に制御した場合でも、該検出手段によって検出された電流値が所定の値を超えた場合に、画像形成装置の操作画面上にエラー表示をすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置において
該感光体に供給するトナーは黒、シアン、マゼンタ、イエローの少なくとも1つであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において
トナーの残量を検出するトナー残量検出手段によって、トナーの残量が最も多いトナーを該感光体に供給するように制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−328175(P2007−328175A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159831(P2006−159831)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】