説明

画像形成装置

【課題】 複数の出力単位を異なる排出先に出力する場合に切替時間の合計を短縮する画像形成装置を得る。
【解決手段】 制御部20は、排出先として指定された複数の排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41、又は、第2スタックトレイ42のいずれか)と、メモリ24の合成テーブル25に記憶された排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第1バイパス33、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42、及び、第2バイパス43)間の各切替時間の情報とに基づいて、切替時間の合計が最短となる第1、第2切替部34、44の切替順序を求め、この切替順序に従って第1、第2切替部34、44による切替を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の排出先に記録媒体を排出可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、複数の排出トレイを排出先とする装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、排出トレイにおける切替時移動距離を抑えることで、切替時間を短縮している。
【0003】
この従来の画像形成装置では、複数の出力単位を異なる排出先に出力する場合、印刷命令時に指定された排出先順序によっては、切替時間の合計を十分に短縮できない。
【特許文献1】特開2001−171887公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、複数の出力単位を異なる排出先に出力する場合に切替時間の合計を短縮する画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載する本発明の画像形成装置は、記録媒体の排出先となる3個以上の排出部と、前記排出部の上流側に設けられ、前記記録媒体の排出先を切り替えると共に、前記排出部間の各切替時間が少なくとも一部異なる切替部と、前記排出部間の各切替時間の情報が予め記憶された記憶手段と、排出先として指定された複数の前記排出部と前記記憶手段に記憶された前記排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、前記切替部の切替順序を求め、前記切替時間の合計が短い前記切替順序に従って前記切替部による切替を指示する制御部と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載する本発明の画像形成装置によれば、制御部は、排出先として指定された複数の排出部と記憶手段に記憶された排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、切替部の切替順序を求め、切替時間の合計が短い切替順序に従って切替部による切替を指示する。
【0007】
請求項2に記載する本発明の画像形成装置は、印刷命令時の設定情報が入力される入力部と、記録媒体の排出先となる3個以上の排出部と、前記排出部の上流側に設けられ、前記記録媒体の排出先を切り替えると共に、前記排出部間の各切替時間が少なくとも一部異なる切替部と、前記排出部間の各切替時間の情報が予め記憶された記憶手段と、前記入力部に設定された各出力単位の印刷枚数がいずれも予め設定された枚数以下の場合に、排出先として指定された複数の前記排出部と前記記憶手段に記憶された前記排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、前記切替部の切替順序を求め、前記切替時間の合計が短い前記切替順序に従って前記切替部による切替を指示し、前記入力部に設定された各出力単位の印刷枚数のいずれかが、予め設定された枚数を超える場合に、前記入力部に設定された排出先順序に従って前記切替部による切替を指示する制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載する本発明の画像形成装置によれば、入力部に設定された各出力単位の印刷枚数がいずれも予め設定された枚数以下の場合に、制御部は、排出先として指定された複数の排出部と記憶手段に記憶された排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、切替部の切替順序を求め、切替時間の合計が短い切替順序に従って切替部による切替を指示し、入力部に設定された各出力単位の印刷枚数のいずれかが、予め設定された枚数を超える場合に、入力部に設定された排出先順序に従って切替部による切替を指示する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、複数の出力単位を異なる排出先に出力する場合に切替時間の合計を短縮することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における画像形成装置の実施形態を図面に基づき説明する。
【0011】
図1に示されるように、画像形成装置10は、本体装置12を備えている。本体装置12は、給紙された記録媒体としての記録用紙を搬送するようになっており、搬送された記録用紙に画像を形成する画像形成部13を備える。画像形成部13の用紙搬送下流側には、出口部14が設けられ、画像形成された記録用紙は、ローラ16によって出口部14から送り出されるようになっている。
【0012】
本体装置12は、印刷命令時の設定情報が入力される入力部18を備えており、ユーザが印刷命令の中で指定する出力対象、出力単位毎の排出先、排出枚数等は、この入力部18に設定される。この入力部18は、制御部20(詳細後述)に接続されている。
【0013】
本体装置12には、出口部14と連通する第1後処理装置30が接続されており、さらに、第1後処理装置30を介して第2後処理装置40が接続されている。第1後処理装置30及び第2後処理装置40は、本体装置12から排出された記録用紙をホッチキスで止める等の所定の後処理を実行するようになっている。
【0014】
第1後処理装置30には、記録用紙の排出先となる2個の排出部、すなわち、第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32が上下に設けられており、排出された記録用紙を収容できるようになっている。第1トップトレイ31と第1スタックトレイ32との上下方向の中間には、記録用紙の一時的な排出先となる排出部、すなわち、第1バイパス33が設けられ、第1後処理装置30を通過して第2後処理装置40へ記録用紙を排出させるための用紙通路とされる。
【0015】
第1トップトレイ31、第1バイパス33、及び、第1スタックトレイ32の用紙搬送上流側には、記録用紙の排出先を切り替える第1切替部34が設けられている。第1切替部34は、第1切替ゲート35と、第1切替ゲート35に駆動力を付与する第1切替駆動部36とを備える。第1切替駆動部36は、図示しないソレノイド等の駆動手段によって第1切替ゲート35を移動させ、これにより、第1切替ゲート35が第1トップトレイ31、第1バイパス33、又は、第1スタックトレイ32のいずれかに記録用紙を導くようになっている。
【0016】
なお、本実施形態では、第1後処理装置30の電源ON時には、第1切替ゲート35が第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置に配置されるようになっている。
【0017】
第1切替部34による第1トップトレイ31、第1バイパス33、及び、第1スタックトレイ32の相互間の各切替時間は、すべてが同一であるわけではなく、一部異なる(詳細後述)。第1切替部34の第1切替駆動部36は、本体装置12の制御部20に接続されている。
【0018】
第1後処理装置30は、メモリ38を備え、このメモリ38には、第1切替部34による第1トップトレイ31、第1バイパス33、及び、第1スタックトレイ32の相互間の各切替時間の情報が第1テーブル39に予め記憶されている。第1テーブル39に記憶された内容は、表1の通りである。
【0019】
【表1】

【0020】
表1に示される通り、第1トップトレイ31から第1バイパス33へは5秒、第1トップトレイ31から第1スタックトレイ32へは10秒、第1バイパス33から第1トップトレイ31へは5秒、第1バイパス33から第1スタックトレイ32へは5秒、第1スタックトレイ32から第1トップトレイ31へは10秒、第1スタックトレイ32から第1バイパス33へは5秒である。
【0021】
図1に示されるように、第2後処理装置40には、記録用紙の排出先となる2個の排出部、すなわち、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42が上下に設けられており、排出された記録用紙を収容できるようになっている。第2トップトレイ41と第2スタックトレイ42との上下方向の中間には、記録用紙の一時的な排出先となる排出部、すなわち、第2バイパス43が設けられる。
【0022】
以上により、本実施形態では、第1後処理装置30及び第2後処理装置40で合計6個の排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第1バイパス33、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42、及び、第2バイパス43)が設けられていることになる。
【0023】
なお、第2バイパス43は、第2後処理装置40にさらに第3後処理装置(図示省略)を接続する場合に、第2後処理装置40を通過して第3後処理装置(図示省略)へ記録用紙を排出させるための用紙通路とされるが、本実施形態では、第3後処理装置(図示省略)を接続しないので、使用されないことになる。
【0024】
第2トップトレイ41、第2バイパス43、及び、第2スタックトレイ42の用紙搬送上流側には、記録用紙の排出先を切り替える第2切替部44が設けられている。第2切替部44は、第2切替ゲート45と、第2切替ゲート45に駆動力を付与する第2切替駆動部46とを備える。第2切替駆動部46は、図示しないソレノイド等の駆動手段によって第2切替ゲート45を移動させ、これにより、第2切替ゲート45が第2トップトレイ41、第2バイパス43、又は、第2スタックトレイ42のいずれかに記録用紙を導くようになっている。
【0025】
なお、本実施形態では、第2後処理装置40の電源ON時には、第2切替ゲート45が第2トップトレイ41へ記録用紙を排出できる位置に配置されるようになっている。
【0026】
第2切替部44による第2トップトレイ41、第2バイパス43、及び、第2スタックトレイ42の相互間の各切替時間は、すべてが同一であるわけではなく、一部異なる(詳細後述)。第2切替部44の第2切替駆動部46は、本体装置12の制御部20に接続されている。
【0027】
第2後処理装置40は、メモリ48を備え、このメモリ48には、第2切替部44による第2トップトレイ41、第2バイパス43、及び、第2スタックトレイ42の相互間の各切替時間の情報が第2テーブル49に予め記憶されている。第2テーブル49に記憶された内容は、表2の通りである。
【0028】
【表2】

【0029】
表2に示される通り、第2トップトレイ41から第2バイパス43へは5秒、第2トップトレイ41から第2スタックトレイ42へは10秒、第2バイパス43から第2トップトレイ41へは5秒、第2バイパス43から第2スタックトレイ42へは5秒、第2スタックトレイ42から第2トップトレイ41へは10秒、第2スタックトレイ42から第2バイパス43へは5秒である。
【0030】
図1に示されるように、第1後処理装置30のメモリ38と第2後処理装置40のメモリ48とは、本体装置12の合成部22に接続されており、合成部22は、本体装置12内の記憶手段としてのメモリ24に接続されている。また、メモリ24は、制御部20に接続されている。
【0031】
メモリ24には、第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、及び、第1バイパス33の相互間の各切替時間の情報と、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42、及び、第2バイパス43の相互間の各切替時間の情報が合成テーブル25に予め記憶されている。合成テーブル25は、第1テーブル39と第2テーブル49とが合成部22によって合成されて出力されたものである。
【0032】
制御部20は、入力部18に排出先として指定された複数の排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41、又は、第2スタックトレイ42のいずれか)と、メモリ24の合成テーブル25に記憶された排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第1バイパス33、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42、及び、第2バイパス43)間の各切替時間の情報とに基づいて、切替時間の合計が最短となる第1、第2切替部34、44の切替順序を求め、この切替順序に従って第1、第2切替部34、44による切替を指示するようになっている。
【0033】
なお、オプション機能として、入力部18には、出力単位の印刷枚数についての閾値(例えば、100(枚))を予め設定することができるようになっており、このオプション機能を適用した場合には、制御部20は、入力部18に設定された各出力単位(各セット単位)の印刷枚数がいずれも予め設定された閾値の枚数(例えば、100枚)以下の場合にのみ、入力部18に排出先として指定された複数の排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41、又は、第2スタックトレイ42のいずれか)と、メモリ24の合成テーブル25に記憶された排出部(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第1バイパス33、第2トップトレイ41、第2スタックトレイ42、及び、第2バイパス43)間の各切替時間の情報とに基づいて、切替時間の合計が最短となる第1、第2切替部34、44の切替順序を求めて、この切替順序に従って第1、第2切替部34、44による切替を指示し、入力部18に設定された各出力単位の印刷枚数のいずれかが、予め設定された閾値の枚数(例えば、100枚)を超える場合には、入力部18に設定された排出先順序(例えば、入力された順序に対応する排出先の順序)に従って第1、第2切替部34、44による切替を指示するようになっている。本実施形態では、出力単位の印刷枚数についての閾値を100(枚)とし、この閾値を入力部18に予め設定している。
【0034】
次に、上記の実施形態の作用を説明する。
【0035】
まず、ユーザは、本体装置12、第1後処理装置30、及び、第2後処理装置40の電源を入れる。このとき、第1後処理装置30は、第1切替ゲート35は、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置に配置され、第2後処理装置40は、第2切替ゲート45が第2トップトレイ41へ記録用紙を排出できる位置に配置される。
【0036】
印刷命令時には、ユーザが入力部18に設定情報を入力する。ここでは、文書1について、排出先を第1トップトレイ31、印刷枚数を5枚として設定し、文書2について、排出先を第1スタックトレイ32、印刷枚数を5枚として設定し、文書3について、排出先を第2トップトレイ41、印刷枚数を5枚として設定したとする。
【0037】
このとき、制御部20は、まず、入力部18に設定された各出力単位(各セット単位)の印刷枚数(ここでは、いずれも5枚)と、予め設定された閾値の枚数(100枚)とを比較する。
【0038】
ここでは、入力部18に設定された各出力単位の印刷枚数(ここでは、いずれも5枚)がいずれも予め設定された閾値の枚数(100枚)以下であるので、制御部20は、切替時間の合計が最短となる第1、第2切替部34、44の切替順序を求めることになる。
【0039】
第1、第2切替部34、44の切替順序を求めるにあたって、制御部20は、まず、第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、及び、第2トップトレイ41の3個の排出部を排出先として、排出先の切り替えパターン、及び、排出先の切り替えパターンに対応する第1、第2切替部34、44の切替順序を求める。本実施形態では、表3に示されるように、排出先の切り替えパターンは、6パターンである。
【0040】
【表3】

【0041】
次に、制御部20は、合成テーブル25に基づいて、各排出先の切り替えパターンについての第1、第2切替部34、44の切替時間の合計を求める。
【0042】
ここで、表3に示される第1番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第1トップトレイ31、第2トップトレイ41、第1スタックトレイ32の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(5秒)ことになり、切替時間の合計は、10秒である。
【0043】
第2番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(10秒)、その後、第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(10秒)ことになり、切替時間の合計は、15秒である。
【0044】
第3番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第1スタックトレイ32、第1トップトレイ31、第2トップトレイ41の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(10秒)、その後、第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置から第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(10秒)、その後、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(5秒)ことになり、切替時間の合計は、25秒である。
【0045】
第4番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41、第1トップトレイ31の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(10秒)、その後、第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置から第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(5秒)ことになり、切替時間の合計は、20秒である。
【0046】
第5番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第2トップトレイ41、第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置から第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(10秒)ことになり、切替時間の合計は、20秒である。
【0047】
第6番目の切り替えパターンのように、排出先の切り替えを、第2トップトレイ41、第1スタックトレイ32、第1トップトレイ31の順にした場合、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替え(5秒)、その後、第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置から第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置へ切り替える(10秒)ことになり、切替時間の合計は、20秒である。
【0048】
以上の結果を比較し、切替時間の合計が最短となる第1、第2切替部34、44の切替順序を求める。本実施形態では、第1切替部34の第1切替ゲート35を、第1トップトレイ31へ記録用紙を排出できる位置から第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置へ切り替えた後、第1バイパス33へ記録用紙を排出できる位置から第1スタックトレイ32へ記録用紙を排出できる位置へ切り替えると、切替時間の合計(10秒)が最短となる。
【0049】
制御部20は、この切替順序に従って第1、第2切替部34、44による切替を指示する(上記の場合は、第1切替部34に対してのみ指示することになる。)。
【0050】
このように、第1、第2切替部34、44による切替順序をスケジューリングして実行することによって、切替時間の合計を短縮することができるので、生産性を向上させることができる。
【0051】
なお、印刷命令時に、ユーザが入力部18に設定情報を入力して、例えば、文書4について、排出先を第1トップトレイ31、印刷枚数を10枚として設定し、文書5について、排出先を第1スタックトレイ32、印刷枚数を10枚として設定し、文書6について、排出先を第2トップトレイ41、印刷枚数を150枚として設定した場合には、入力部18に設定された各出力単位の印刷枚数のいずれか(この場合は、文書6についての150枚)が、予め設定された閾値の枚数(100枚)を超えるので、入力部18に設定された排出先順序(第1トップトレイ31、第1スタックトレイ32、第2トップトレイ41の順)に従って制御部20が第1、第2切替部34、44による切替を指示する。
【0052】
このような場合に、出力単位の印刷順序の入れ替えを行うと、前記のロジックに従えば、枚数の多い文書6と枚数の少ない文書5との印刷順序が入れ替わってしまい、ユーザは、枚数の少ない文書5を入手するのに時間がかかってしまうことになるので、このような事態を回避するために、入力部18に設定された排出先順序に従って排出させる。
【0053】
なお、上記実施形態では、「切替時間の合計が短い切替順序」として、切替時間の合計が最短の切替順序の場合を例に挙げて具体的に説明したが、「切替時間の合計が短い切替順序」は、例えば、複数の切替順序パータンのうちで、切替時間の合計が短い部類(例えば、短いほうから数えて上位1/3の範囲)に属する切替順序の中から、他の印刷条件(例えば、印刷枚数等)を判断要素に加えて決定した切替順序等のような他の「切替時間の合計が短い切替順序」であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、切替部の切替順序を決定するロジックが予め組み込まれた画像形成装置について説明したが、画像形成装置は、切替部の切替順序を決定するロジックが選択可能とされた画像形成装置であってもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態における画像形成装置10は、本体装置12に第1後処理装置30、第2後処理装置40が接続されている形態であるが、画像形成装置内に後処理装置の機能が予め組み込まれているような他の画像形成装置であってもよい。
【0056】
さらにまた、上記実施形態では、予め設定された閾値を100(枚)と一定にしているが、出力単位数に応じて閾値を段階的に変えられるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
10 画像形成装置
18 入力部
20 制御部
24 メモリ(記憶手段)
31 第1トップトレイ(排出部)
32 第1スタックトレイ(排出部)
33 第1バイパス(排出部)
34 第1切替部(切替部)
41 第2トップトレイ(排出部)
42 第2スタックトレイ(排出部)
43 第2バイパス(排出部)
44 第2切替部(切替部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の排出先となる3個以上の排出部と、
前記排出部の上流側に設けられ、前記記録媒体の排出先を切り替えると共に、前記排出部間の各切替時間が少なくとも一部異なる切替部と、
前記排出部間の各切替時間の情報が予め記憶された記憶手段と、
排出先として指定された複数の前記排出部と前記記憶手段に記憶された前記排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、前記切替部の切替順序を求め、前記切替時間の合計が短い前記切替順序に従って前記切替部による切替を指示する制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
印刷命令時の設定情報が入力される入力部と、
記録媒体の排出先となる3個以上の排出部と、
前記排出部の上流側に設けられ、前記記録媒体の排出先を切り替えると共に、前記排出部間の各切替時間が少なくとも一部異なる切替部と、
前記排出部間の各切替時間の情報が予め記憶された記憶手段と、
前記入力部に設定された各出力単位の印刷枚数がいずれも予め設定された枚数以下の場合に、排出先として指定された複数の前記排出部と前記記憶手段に記憶された前記排出部間の各切替時間の情報とに基づいて、前記切替部の切替順序を求め、前記切替時間の合計が短い前記切替順序に従って前記切替部による切替を指示し、前記入力部に設定された各出力単位の印刷枚数のいずれかが、予め設定された枚数を超える場合に、前記入力部に設定された排出先順序に従って前記切替部による切替を指示する制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−84198(P2007−84198A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272914(P2005−272914)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】