説明

画像形成装置

【課題】 複数の画像形成装置のファームウェアを効率よく更新できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ネットワークに接続して他の複合機と通信が可能な複合機(画像形成装置)において、ファームウェアを記憶するROMと、複数の通信先を登録する更新対象機登録部と、各種情報を表示可能な表示画面部と、を備える。複合機は、前記更新対象機登録部に登録されている複合機のそれぞれと通信して、通信先の複合機のファームウェアの情報を取得し(S104)、取得されたファームウェアの情報の一覧を前記表示画面部に表示する(S105)。その中からファームウェアをアップデートさせるアップデート対象複合機が選択されると、選択された複合機に、自機のファームウェアと同じファームウェアに更新させるためのアップデートデータを送信する(S108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置におけるファームウェアの更新に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の各部のハードウェアの制御を行うためのファームウェアは、機能の追加や不具合の修正等のために、出荷後も新しいファームウェアに随時更新可能に構成されていることが多い。従来から、このファームウェアの更新は、PCを介して行う方法や、小型のフラッシュメモリ型メモリカードを介して行う方法等が用いられてきた。
【0003】
また、画像形成装置にはインターネット回線を利用した通信機能を有するものもあり、そのような装置の中には自己の通信機能を利用し、例えばHTTPプロトコルやLPRプロトコル等を用いて画像形成装置のファームウェアの書換えを行っている場合もある。
【0004】
例えば特許文献1は以下の構成の画像処理装置を開示する。即ち、電源投入後の初期動作を実行させるためのプログラムを格納するフラッシュROMを有し、プログラムを動作させるためのメモリを有し、さらにシステム起動後に動作するプログラムを格納するハードディスク等の外部記憶装置を有し、機体の個別を特定可能とするシリアル番号を格納する不揮発性メモリを有し、ネットワーク接続するネットワークインターフェースを有するシステムにおいて、インターネット先に存在するファームウェアプログラムダウンロードサーバと通信する手段と、前述サーバよりデータを取得する手段と、シリアル番号を読み出す手段とを有する構成とする。特許文献1は、この構成によれば画像処理装置が直接ファームウェアをダウンロードするので、ファームウェアを更新する際にPCの操作を必要とせず、不正のフラッシュROMの複製を阻止することができるとする。
【特許文献1】特開2007−11944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PCを介して画像形成装置等のファームウェアを更新する方法や、メモリカードによって直接本体のファームウェアを書き換える方法は、ファームウェアの更新作業を1台ずつ行う必要があるため、複数の画像形成装置等が設置されている場合等に非常に手間がかかる。また、ファームウェアの更新方法は画像形成装置の一般の使用者にとっては判りにくく、知識を有するサービスマン等でないと更新が不可能あるいは困難であることが多いが、サービスマンが複数の画像形成装置の設置先をすべて巡回してファームウェアの更新作業を行うのは大幅なコストアップになってしまう。
【0006】
また、画像形成装置の中には、画像形成装置の基本機能(コピー機能等)のほか、ネットワーク接続機能や、PCからネットワーク印刷を可能とするプリンタ機能等、各機能ごとにそれぞれファームウェアを有する場合がある。この場合、ある機能のファームウェアは更新の必要がある一方で他の機能のファームウェアは更新不要というような状況も考えられ、複数のファームウェアの新旧を把握しなければならなくなってファームウェアの更新作業が一層複雑なものになっていた。
【0007】
従って、例えば特許文献1のような通信機能を有する画像形成装置等であっても、通信相手ごとにIPアドレス等を指定してファームウェアの更新を行う必要があり、画像形成装置が複数設置されている場合には各画像形成装置、各種ファームウェアごとに更新作業を行わなければならないため煩雑な作業となっていた。従って、ファームウェア更新作業の効率化の観点から改善の余地があった。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、ネットワークを介して他の画像形成装置と通信が可能な画像形成装置の以下の構成が提供される。即ち、ファームウェアを記憶する記憶手段と、1又は複数の通信先を登録する登録手段と、各種情報を表示可能な表示手段と、を備える。そして、前記登録手段に登録されている画像形成装置のそれぞれと通信して、通信先画像形成装置のファームウェアの情報を取得する。次に、取得されたファームウェアの情報の一覧を前記表示手段に表示し、その中からファームウェアをアップデートさせるアップデート対象画像形成装置を選択させる。そして、選択された画像形成装置に、ファームウェア更新用のアップデートデータを送信する。
【0010】
この構成により、1台の画像形成装置を基点に他の画像形成装置のファームウェアを一斉に遠隔更新することができるので、画像形成装置のファームウェアの更新を1台ずつ行う手間を省くことができる。従って、ファームウェアの更新作業を把握している人間を複数の地域に配置することやサービスマンの派遣等を行わなくてもよくなり、人的資源にかかる費用を抑えることができる。更に、複数の画像形成装置のファームウェアのバージョンの統一が容易になるので、ファームウェアのバージョン差異により発生する障害を容易に防ぐことができる。
【0011】
前記画像形成装置においては、通信先画像形成装置のファームウェアの情報の取得、及び前記アップデートデータの送信は、ダイレクトSMTP通信で行うことが好ましい。
【0012】
この構成により、各種データがメールサーバを介さずに画像形成装置間で直接行われるので、メールサーバ利用時の伝送遅延やデータ消失等を防ぐことができる。これによって、通信先画像形成装置のファームウェアの更新をリアルタイムで確実に行うことができる。
【0013】
前記画像形成装置においては、通信先画像形成装置のファームウェアの情報の取得、及び前記アップデートデータの送信は、HTTP通信で行うことが好ましい。
【0014】
この構成により、一般的に普及しているHTTP通信を用いることで、ファームウェアの遠隔アップデートを簡単に行うことができる。
【0015】
前記画像形成装置においては、ファームウェア更新用のアップデートデータを送信後、通信先画像形成装置のファームウェアの更新成否情報を受信し、それに基づいてファームウェアの更新結果を出力可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
この構成により、基点となる画像形成装置で、通信先画像形成装置のファームウェアの更新が成功したか否かを簡単に知ることができる。従って、例えば通信障害によってファームウェアの更新が失敗したとき等にその状況をユーザがすぐに把握できるので、更新操作をやり直す等の適切な処置を素早く行うことができる。
【0017】
前記画像形成装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記記憶手段は複数種類のファームウェアを記憶可能に構成する。前記通信先画像形成装置のファームウェアの情報を取得する際は、ファームウェアの種類を指定し、その指定した種類のファームウェアの情報を通信先画像形成装置から取得するように構成する。そして、前記アップデート対象画像形成装置に対しては、更新が必要な種類のファームウェアに関するアップデートデータを送信する。
【0018】
この構成により、画像形成装置が1台あたり複数のファームウェアを有する場合でも、その更新作業を一括で行うことができ、作業を著しく簡素化及び効率化できる。
【0019】
前記画像形成装置においては、前記記憶手段に記憶されるファームウェアには、ネットワークを通じて他装置と通信するためのネットワークコントローラのファームウェアが含まれることが好ましい。
【0020】
この構成により、ネットワークコントローラのファームウェアを簡単に更新することができる。
【0021】
前記画像形成装置においては、前記記憶手段に記憶されるファームウェアには、コンピュータからの印刷指令に応じて画像形成を行うためのプリンタコントローラのファームウェアが含まれることが好ましい。
【0022】
この構成により、プリンタコントローラのファームウェアを簡単に更新することができる。
【0023】
本発明の第2の観点によれば、前記画像形成装置と通信する画像形成装置であって、ファームウェアを書換可能に記憶する記憶手段を備え、前記アップデートデータを受信すると、前記記憶手段に記憶されたファームウェアをそのアップデートデータに基づいて更新する画像形成装置が提供される。
【0024】
この構成の画像形成装置は、アップデートの基点となる前記画像形成装置と組み合わせて使用することで、ファームウェア更新の作業時間やコストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機のブロック図、図2は本実施形態の複合機が接続されるネットワークの構成を示す模式図、図3はファームウェアの更新についてのフローチャート、図4は複合機間の通信の様子を示す模式図である。
【0026】
本実施形態に係る画像形成装置としてのコピーファクシミリ複合機90は、ファクシミリ機能、コピー機能及びスキャナ機能を備える多機能周辺装置(Multi−Function Peripheral、MFP)として構成されている。図1に示すように、この複合機90は、原稿を読み取って画像データを得る画像読取部(スキャナ部)21と、画像データを紙等の記録媒体に記録する画像形成部22と、を備えている。
【0027】
複合機90は図略の操作パネルを備え、この操作パネルに、操作の指示を伝達するためのテンキーや送信ボタン等の各種指定手段を有する操作部24を備えている。ユーザはこの指定手段を操作することで、送信先のファクシミリ回線番号やメールアドレスを指定して送信を行ったり、あるいは原稿の読取やコピー指示等を行うことができる。
【0028】
この操作部24の近傍には、表示手段としての表示画面部23が配置されている。この表示画面部23は例えば液晶ディスプレイとして構成されており、操作部24で入力された操作の内容等の各種情報を表示ないし出力することができる。
【0029】
次に、複合機の電気的構成について説明する。複合機90は本体制御部11を備え、この本体制御部11は、装置全体の制御を行うCPU等から構成される。また複合機90は、装置の各部のハードウェアを制御するためのファームウェア等が記憶される本体ROM(記憶手段)12と、プログラムがロードされ実行されるためのRAM13と、各種プログラムやデータ等を記憶するためのHDD14と、を備える。なお、前記本体ROM12は不揮発性のフラッシュメモリ等からなり、ファームウェアを書換可能に記憶することができる。
【0030】
また複合機90は、画像読取部21で取得した画像データを保存したり一時記憶したりするための画像記憶部25と、当該画像データを管理する画像管理部26と、を備えている。
【0031】
更に、複合機90は更新対象機登録部(登録手段)15を備えている。この更新対象機登録部15には、ネットワークに接続されている他の複合機を特定するためのIPアドレス等を、1又は複数記憶させることができる。なお更新対象機登録部15は、このIPアドレスに対応付けて、例えば「本社複合機#1」や「A支社複合機」等、複合機を簡単に特定できるようにするための名称を記憶させることもできる。この更新対象機登録部15に登録されているIPアドレスは、当該複合機90が、他の複合機のファームウェアを遠隔更新する際の通信に使用される。
【0032】
複合機90は、公衆交換電話網(PSTN)31へ接続するためのネットワークコントロールユニット(NCU)32と、音声信号とデータ列とを相互変換する変復調装置としてのFAXモデム33と、前記NCU32やFAXモデム33を制御するファクシミリ制御部34と、画像データを圧縮/展開するためのコーデック部35と、を備える。これらにより、電話回線を通じたファクシミリ機能が実現されている。なお、上記コーデック部35においては、MH、MR、MMR等の公知の圧縮形式で画像データを圧縮し、あるいは展開するように構成されている。
【0033】
次にネットワークコントローラ40について説明する。このネットワークコントローラ40は、複合機90に装着することで当該複合機90にネットワーク機能を追加できるオプション装置として構成されている。
【0034】
ネットワークコントローラ40は、LAN等のネットワークに接続するためのインタフェースであるネットワークインタフェースカード(NIC)45と、このNIC45等のハードウェアを制御するためのCPU等からなるネットワーク制御部41と、を備える。また、ネットワークコントローラ40は、ネットワークコントローラのファームウェアを記憶するための記憶手段としてのネットワークROM42を備えるとともに、更にRAM43、HDD44等の適宜の記憶部を備える。前記ネットワークROM42には、前記本体ROM12と同様に、不揮発性メモリであり書換可能なフラッシュメモリ等が用いられる。
【0035】
上記ハードウェアと、ネットワーク制御部41で実行される各種ソフトウェアとによってTCP−IP部が構成され、TCP/IPプロトコルに従って他の機器との通信を行うことができるようになっている。また、ネットワークコントローラ40においては、電子メール送信のための簡易電子メール転送プロトコル(SMTP)を実現するSMTP部、電子メール受信のためのPOP3プロトコルを実現するPOP部等が構成されている。
【0036】
前記ネットワークコントローラ40は、前記SMTP部及びPOP部等によりインターネットファクシミリ機能を実現している。即ち、ネットワークコントローラ40が装着された複合機90は、画像読取部21で読み取られてMH、MR、MMR等の圧縮形式で圧縮された画像データを適宜の画像フォーマット(例えば、公知のTIFF形式)で添付した電子メールを作成するとともに、ネットワークに設置される図略のSMTPサーバにSMTPクライアントとして接続し、当該電子メールを送信することができる。なお電子メールの作成は、例えば、公知のMIME規格及びBASE64規格に従って行えば良い。また複合機90はPOP3クライアントとして動作し、一定時間毎にPOP部で図略のPOPサーバに接続するように構成されている。そして、複合機90宛ての電子メールを受信したときは、当該電子メールから画像データを取り出して展開し、画像形成部22で印刷できるようになっている。
【0037】
また、ネットワークコントローラ40は、前記SMTP部によってダイレクトSMTP通信によるファクシミリを行うこともできるようになっている。このダイレクトSMTP方式は、ファクシミリ送信先の複合機に対しメールサーバを介さずに直接SMTP接続し、前記と同様に画像データを電子メール形式で送信する方式である。これにより、メールサーバを介する必要がなくなるので、データ伝送が遅延してリアルタイム性を損なうことなくファクシミリ送受信を行うことができる。
【0038】
更にネットワークコントローラ40においては、上記ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによってHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)サーバが構成されている。これにより、Webベースのインタフェースによって、例えば後述の図2に示すパーソナルコンピュータ70から複合機90の各種設定の変更等を行うことができるように構成されている。
【0039】
次にプリンタコントローラ50について説明する。このプリンタコントローラ50は、前記ネットワークコントローラ40が装着された状態の複合機90に更に装着することで、当該複合機90にネットワークプリンタ機能を追加できるオプション装置として構成されている。
【0040】
プリンタコントローラ50はプリンタ制御部51を備え、このプリンタ制御部51は、ネットワークを介して受信した印刷データを適宜変換して本体制御部11側へ受け渡す制御を行うためのCPU等から構成されている。また、プリンタコントローラ50は、プリンタコントローラのファームウェアが記憶される記憶手段としてのプリンタROM52を備えるとともに、更にRAM53等の適宜の記憶部を有する。なお、前記プリンタROM52には、前記本体ROM12やネットワークROM42と同様に、不揮発性メモリであり書換可能なフラッシュメモリ等が用いられる。
【0041】
プリンタコントローラ50のプリンタ制御部51は、LAN等に接続されているパーソナルコンピュータ70(図2)等から文書等の印刷指示をネットワークを介して受信すると、その印刷データを適宜変換した上で本体制御部11に送信する。これにより本体制御部11に画像形成部22を制御させ、文書を印刷することができる。
【0042】
次に、複数の複合機が設置される様子を図2の模式図で説明する。図2は、ある会社組織の本社、A支社、B支社及びC支社におけるネットワーク構成を図示している。本社及び各支社では、それぞれ本社LAN60、A支社LAN61、B支社LAN62、C支社LAN63が構築されており、各LANはイントラネット73を介して相互に接続されている。
【0043】
本社LAN60には、2台の複合機90,91が設置されている。また、A支社LAN61には複合機92が、B支社LAN62には複合機93が、C支社LAN63には複合機94がそれぞれ備えられている。いずれの複合機90〜94においても、その本体には前記ネットワークコントローラ40がオプション装置として装着されている。一方、プリンタコントローラ50は、本社及びA支社の複合機90〜92においては装着されているものの、他の支社の複合機93,94においては装着されていない。
【0044】
イントラネット73はIP−VPN(インターネットプロトコルを使用した仮想プライベートネットワーク)によって構築されており、外部から仮想的に閉ざされた私設網となっている。これによってIPアドレスを各拠点の複合機90〜94に割り当てることができるので、それぞれの複合機90〜94はこのIPアドレスを利用して、ダイレクトSMTP通信によりファクシミリを相互に送受信できるようになっている。
【0045】
そして、本実施形態の複合機90は、他の複合機とダイレクトSMTPによって通信し、通信相手の複合機のファームウェアを更新できるように構成されている。図2では、本社の複合機90を基点にして他の複合機91〜94のファームウェアが一斉に遠隔アップデートされる様子を、鎖線の矢印で示している。
【0046】
以下、図3のフローチャートを用いて複数の複合機90〜94のファームウェアの更新手順を説明する。
【0047】
まず、基点となる複合機90のファームウェアが、最新のバージョンのファームウェアに更新される。このファームウェアの更新は、例えば以下のように行えば良い。即ち、複合機90内で実行されているHTTPサーバに例えば図2のパーソナルコンピュータ70を用いて接続し、Webベースの画面をブラウザで表示させた上で、最新のファームウェアをインストールするためのバイナリデータをパーソナルコンピュータ70から複合機90にアップロードする。
【0048】
なお、このバイナリデータは、本体のファームウェアと、ネットワークコントローラ40のファームウェアと、プリンタコントローラ50のファームウェアと、の3つのバイナリデータをアップロードするものとする。この結果、各ファームウェアのバイナリデータが複合機90のHDD44に記憶される(図3のS101)。
【0049】
その後、ブラウザ上で適宜の操作を行うと、複合機90のファームウェアアップデートプログラムが実行される。これにより、各バイナリデータに基づき、複合機90の本体ROM12に記憶されている本体のファームウェアと、ネットワークROM42に記憶されているネットワークコントローラ40のファームウェアと、プリンタROM52に記憶されているプリンタコントローラ50のファームウェアと、が最新のバージョンのものに書き換えられることになる(図3のS102)。
【0050】
以上により複合機90のファームウェアアップデートは終了し、複合機90は図4の左側に示すように、本体のファームウェアバージョンは1.02、ネットワークコントローラのファームウェアバージョンは1.03、プリンタコントローラのファームウェアバージョンは1.05になったとする。
【0051】
次に、他の複合機91〜94のファームウェアの遠隔アップデートを行う。ユーザは複合機90の操作パネルにおいて、操作部24の前記指定手段を操作し、表示画面部23で表示されるメニューから遠隔アップデートのメニューを選択する。
【0052】
すると複合機90は、バージョン情報を要求するファームウェアの種類を列挙したデータ(バージョン情報要求データ)をファイル添付した電子メールデータを作成するとともに、他の複合機91〜94に順次SMTP接続し、この電子メールデータをダイレクトSMTPで送信する(図3のS103)。このダイレクトSMTP通信には、前記更新対象機登録部15に予め登録されている、複合機91〜94のIPアドレスが用いられる。
【0053】
前記バージョン情報要求データは、ファームウェアの種類をコンマで区切って記述したCSVファイルとされている。今回の説明では、複合機90にはネットワークコントローラ40とプリンタコントローラ50が装着されているので、本体(MFP)のファームウェアと、ネットワークコントローラ40のファームウェアと、プリンタコントローラ50のファームウェアのそれぞれのバージョン情報を他の複合機91〜94に要求するものとする。
【0054】
従って、図4に示すように、複合機90が他の複合機91〜94に送信するバージョン情報要求データのCSVファイルの内容は、例えば「MFP,Network,Printer」のようになる。なお、図4には、複合機90と、他の複合機91〜94のうち1つの複合機92との通信の様子が代表して示されている。
【0055】
各複合機91〜94は、複合機90から送信されてきた電子メールデータからCSVファイルを取り出して解析し、要求された種類のファームウェアのバージョン情報を調べる。そして、ファームウェアのバージョンを記録したバージョン情報データファイルを添付した電子メールデータを作成して、複合機90にダイレクトSMTP通信で返信し、複合機90はそれを受信する(図3のS104)。
【0056】
このバージョン情報データファイルは、ファームウェアの種類と、そのバージョンと、をコンマ区切りで記述したCSV形式で記録される。例えば図4の複合機92(A支社の複合機)の場合、各種ファームウェアのバージョン情報が、MFPがバージョン1.01、ネットワークコントローラがバージョン1.03、プリンタコントローラがバージョン1.04であったとする。この場合、返信するCSVファイルの内容は、図4に示すように「MFP,1.01(改行)Network,1.03(改行)Printer,1.04」のようになる。
【0057】
なお、複合機91,92においてはネットワークコントローラ40とプリンタコントローラ50の両方が装着されるので、上記の3つのファームウェアのバージョンをバージョン情報データファイルとして返信することになるが、他の複合機93,94は上述のとおりネットワークコントローラ40しか装着されていないので、バージョン情報を返信するのは本体とネットワークコントローラ40のファームウェアについてだけである。
【0058】
各複合機91〜94からCSVファイルを受信した複合機90は、それぞれのCSVファイルを基に、複合機91〜94それぞれについての各種ファームウェアの種類とバージョン情報の一覧を、複合機90が備える表示画面部23に表示する(S105)。ユーザは操作部24の指定手段等を操作し、表示画面部23に表示されている一覧から、ファームウェアをアップデートする複合機を任意に選択するとともに、本体、ネットワークコントローラ、プリンタコントローラのうちどのファームウェアをアップデートするかを任意に選択する(S106)。今回の説明では、ユーザは複合機91〜94の全てを選択するとともに、全ての種類のファームウェアをアップデートすることを選択したものとする。なお、全部を選択せずに、更新が必要な複合機だけ(ファームウェアだけ)を選択することも当然可能である。
【0059】
すると複合機90は、選択された複合機91〜94について、複合機ごとのアップデート実行情報95を作成する(S107)。このアップデート実行情報は、複合機90と対象の複合機91〜94のそれぞれとで各ファームウェアのバージョン情報を比較し、複合機90のファームウェアの方が新しい場合に、そのファームウェアの種類とバージョン情報を記述したものとする。
【0060】
例えば、図4に示す例において複合機90と複合機92とで各ファームウェアのバージョンを比較すると、本体とプリンタコントローラ50のファームウェアについては複合機90の方が新しいバージョンであるが、ネットワークコントローラ40のファームウェアは複合機90と複合機92とで同じバージョンである。従って、複合機92用のアップデート実行情報95は、図4に示すように、本体のファームウェアをバージョン1.02にアップデートすることと、プリンタコントローラ50のファームウェアをバージョン1.05にアップデートすることが記載されることになる。
【0061】
次に複合機90は、上記アップデート実行情報95に従って、本体、ネットワークコントローラ40、プリンタコントローラ50のファームウェアバージョンアップのためのバイナリデータを選択し、添付した電子メールデータを作成する。そして、選択された複合機91〜94に順次接続し、ダイレクトSMTP通信によって前記電子メールデータを送信する(S108)。例えば複合機92に対しては、更新が必要なファームウェア(本体のファームウェアとプリンタコントローラ50のファームウェア)について、アップデートのためのバイナリデータが送信されることになる。
【0062】
電子メールデータを受信したそれぞれの複合機91〜94は、当該電子メールデータからバイナリデータを取り出すとともに、ファームウェアアップデートプログラムを自動実行し、前記バイナリデータに基づいて各種ファームウェアを書き換える。これによりバージョンアップが行われ、例えば図4の複合機92の場合であれば、本体のファームウェアが1.01から1.02へ、プリンタコントローラ50のファームウェアが1.04から1.05へとそれぞれバージョンアップすることになる。
【0063】
そして、複合機91〜94のそれぞれはバージョンアップの成否を記録した更新成否情報を、複合機90にダイレクトSMTP通信を用いて送信し、複合機90はこれを受信する(図3のS109)。更新成否情報としては、例えば図4に示すように、どのバージョンにバージョンアップを試みたか、そしてその成否を、バージョンアップを試みたファームウェアの種類ごとにCSV形式で記録したファイルとして構成することができる。
【0064】
そして複合機90は、前記アップデート実行情報95と、送信されてきた更新成否情報とを照らし合わせ、ファームウェアアップデート結果情報を作成して操作パネルの表示画面部23に表示する(図3のS110)。ファームウェアアップデート結果情報には、アップデートを試みた複合機とそのファームウェアの種類、アップデートの成否等が含まれる。例えば複合機92についていえば、「A支社複合機・・・本体のファームウェア更新に成功しました。新ファームウェアバージョンは1.02です。プリンタコントローラのファームウェア更新に成功しました。新ファームウェアバージョンは1.05です。」等と表示することが考えられる。ユーザは表示された情報を印刷するか否かを操作部24の操作により選択でき、印刷する旨を選択するとファームウェアアップデート結果情報が画像形成部22からプリントアウトされる。
【0065】
以上に示すように、本実施形態の画像形成装置としてのコピーファクシミリ複合機90は、LAN60及びイントラネット73を介して他の複合機91〜94と通信が可能に構成されている。そして、複合機90は、ファームウェアを記憶する本体ROM12、ネットワークROM42及びプリンタROM52と、複数の通信先を登録する更新対象機登録部15と、各種情報を表示可能な表示画面部23と、を備える。そして複合機90は、更新対象機登録部15に登録されている複合機91〜94のそれぞれと通信して、複合機91〜94のファームウェアの情報を取得し(S104)、取得されたファームウェアの情報の一覧を表示画面部23に表示するように構成している(S105)。そして、その中からファームウェアをアップデートさせるアップデート対象複合機が選択されると(S106)、複合機90は、選択された複合機91〜94に対し、自機のファームウェアと同じファームウェアに更新させるためのアップデートデータを送信する構成になっている(S108)。
【0066】
この構成により、複合機90を基点に他の複合機91〜94のファームウェアを一斉に遠隔更新することができるので、複合機90〜94のファームウェアの更新を1台ずつ行う手間を省くことができる。従って、ファームウェアの更新作業を把握している人間を複数の地域に配置することやサービスマンの派遣等を行わなくてもよくなり、人的資源にかかる費用を抑えることができる。更に、複数の複合機90〜94のファームウェアのバージョンの統一が容易になるので、複合機90〜94の間でファームウェアのバージョンが異なることにより発生しがちな通信時の不具合等を容易に防ぐことができる。
【0067】
また本実施形態では、通信先の複合機91〜94のファームウェアの情報の取得、及び前記アップデートデータの送信は、ダイレクトSMTP通信で行うように構成されている。
【0068】
この構成により、各種データがメールサーバを介さずに複合機間で直接行われるので、メールサーバ利用時の伝送遅延やデータ消失等を防ぐことができる。これによって、通信先の複合機91〜94のファームウェアの更新をリアルタイムで確実に行うことができる。
【0069】
また本実施形態では、ファームウェア更新用のアップデートデータを複合機91〜94へ送信した後、通信先の複合機91〜94のファームウェアの更新成否情報を受信し、それに基づいてファームウェアの更新結果を出力可能に構成されている(S110)。
【0070】
この構成により、基点となる複合機90で、通信先の複合機91〜94のファームウェアの更新が成功したか否かを簡単に知ることができる。従って、例えば通信障害によってファームウェアの更新が失敗したとき等にその状況をユーザがすぐに把握できるので、更新操作をやり直す等の適切な処置を素早く行うことができる。
【0071】
また本実施形態では、複合機90は複数のROM(本体ROM12、ネットワークROM42、プリンタROM52)を備え、複数種類のファームウェアを記憶可能に構成されている。そして、前記通信先の複合機91〜94のファームウェアの情報を取得する際は、ファームウェアの種類をバージョン情報要求データで指定し(S103)、その指定した種類のファームウェアの情報を通信先の複合機91〜94から取得するように構成している(S104)。そして、前記アップデート対象複合機(複合機91〜94)に対しては、更新が必要な種類のファームウェアに関するアップデートデータを送信するように構成されている(S108)。
【0072】
この構成により、複合機90〜94が1台あたり複数のファームウェアを有する場合でも、その更新作業を一括で行うことができ、作業を著しく簡素化及び効率化できる。
【0073】
また本実施形態では、複合機90のネットワークROM42には、LAN60等のネットワークを通じて他装置と通信するためのネットワークコントローラ40のファームウェアが記憶されている。
【0074】
この構成により、ネットワークコントローラ40のファームウェアを簡単に更新することができる。
【0075】
また本実施形態では、複合機90のプリンタROM52には、パーソナルコンピュータ等からの印刷指令に応じて画像形成を行うためのプリンタコントローラ50のファームウェアが記憶されている。
【0076】
この構成により、プリンタコントローラ50のファームウェアを簡単に更新することができる。
【0077】
また、本実施形態において、前記複合機90と通信する複合機(例えば複合機92)は、ファームウェアを書換可能に記憶する本体ROM12、ネットワークROM42、及びプリンタROM52を備える。そして、複合機90から前記アップデートデータを受信すると、前記本体ROM12、ネットワークROM42、及びプリンタROM52に記憶されたファームウェアをそのアップデートデータに基づいて更新するように構成されている。
【0078】
この構成の複合機92は、アップデートの基点となる複合機90と組み合わせて使用することで、ファームウェア更新の時間的、経済的な作業効率を向上させることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、ファームウェアの更新に関するデータの送受信をダイレクトSMTP通信によって行っているが、この構成に代えて、通信先の複合機91〜94のファームウェアの情報の取得、及び複合機91〜94への前記アップデートデータの送信を、HTTP通信で行うように構成することもできる。例えば、複合機90内で動作しているHTTPクライアントプログラムが、通信先の複合機91〜94で動作しているHTTPサーバに自動的に接続して、前記バージョン情報要求データをPOSTメソッドにより送信したり、対象ファームウェアとそのバージョン情報を記録したCSVファイルをダウンロードしたり、ファームウェア更新用バイナリデータをアップロードしたりするように構成することができる。
【0080】
この構成により、一般的に普及しているHTTP通信を用いることで、ファームウェアの遠隔アップデートを簡単に行うことができる。
【0081】
以上に本発明の好適な実施形態とその変形例を示したが、以上の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0082】
上記実施形態では、複合機90〜94の相互の通信はダイレクトSMTP通信によって行われているが、SMTPサーバ及びPOPサーバを介してSMTP通信するように変更することができる。また、IP−VPNによるイントラネットを使用することに代えて、例えばダイナミックDNSを用いてダイレクトSMTP通信をする等、その通信方法を事情に応じて変更することができる。
【0083】
前記バージョン情報要求データ、バージョン情報、更新成否情報等は、CSVファイル形式とすることに代えて、例えばXML形式で記録するように変更することができる。
【0084】
また、図3のS103、S104、S108等で説明した通信は、複合機90〜94間でインターネットファクシミリを送受信する機会を利用して行うように変更することができる。この場合、電子メールデータに、ファクシミリ原稿の画像データファイルとともに、バージョン情報要求データやバージョン情報、ファームウェア更新用データ等を添付するようにすれば良い。
【0085】
更新対象機登録部15は、複合機90の本体側に備えることに代えて、ネットワークコントローラ40の記憶部(例えば、HDD44)に構成することもできる。
【0086】
図3のS105の一覧表示において、更新が可能な古いバージョンのファームウェアや、そのファームウェアが動作している複合機については、表示画面部23において強調表示するように構成することができる。
【0087】
また、通信先の複合機91〜94において、更新が不要な新しいバージョンのファームウェアが既に適用されていた場合、図3のS105の処理において、そのファームウェアや複合機は表示画面部23の一覧表示から除外するように構成することができる。あるいは一覧表示させるにしても、S106の処理において、そのような新しいファームウェアや複合機はアップデート対象として選択できないように構成することができる。
【0088】
図3のS105の一覧表示は、複合機90本体の表示画面部23に表示させることに代えて、複合機90にHTTP接続するパーソナルコンピュータ70のブラウザ画面上に表示させるように変更することができる。このときは、S106の選択も、パーソナルコンピュータ70においてブラウザを適宜操作して行うことになる。この場合、複合機90内に構築されているHTTP部(HTTPサーバ)が、表示手段に相当することになる。このほか、S110のアップデート結果も、パーソナルコンピュータ70のブラウザ画面に表示させるようにすることができる。
【0089】
基点となる複合機90のファームウェア更新については、パーソナルコンピュータ70を用いて行うことに代えて、例えば、ファームウェア更新用データが保存されたフラッシュメモリを複合機90のスロットに接続して行うように変更することができる。
【0090】
また、上記実施形態に加えて、通信先の複合機91〜94においても、ファームウェアの更新が行われたときにその更新結果を表示画面部23に表示したり画像形成部22から印刷したりする構成とすることもできる。また、発音装置(ブザー等)や点灯装置(ランプ等)を報知手段として備え、ファームウェアの更新がなされた場合は、この報知手段によって使用者に知らせる構成とすることもできる。
【0091】
また、上記実施形態の複合機90では、複数のROM、即ち本体ROM12、ネットワークROM42及びプリンタROM52が備えられ、それぞれのROMに各機能のファームウェアを記憶可能な構成としているが、単独のROM(例えば本体ROM12)に複数のファームウェアを記憶する構成とすることもできる。
【0092】
上記の実施形態では、ネットワークコントローラ40やプリンタコントローラ50は複合機90に後付け可能なオプション品として構成されているが、これらを複合機90の標準装備品とするように変更することができる。また、複合機90は、本体、ネットワークコントローラ40、プリンタコントローラ50の各ファームウェアに代えて、又はこれらに加えて、別の機能を実現するためのファームウェアをROMに記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機の構成を示すブロック図。
【図2】複合機が接続されるネットワーク構成を示す模式図。
【図3】ファームウェア更新の手順を示すフローチャート。
【図4】複合機間の通信及びファームウェアアップデートの様子を示す説明図。
【符号の説明】
【0094】
12 ROM(記憶手段)
15 更新対象機登録部(登録手段)
23 表示画面部(表示手段)
24 操作部
40 ネットワークコントローラ
42 ROM(記憶手段)
50 プリンタコントローラ
52 ROM(記憶手段)
60〜63 LAN
73 イントラネット
90〜94 コピーファクシミリ複合機(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の画像形成装置と通信が可能な画像形成装置において、
ファームウェアを記憶する記憶手段と、
1又は複数の通信先を登録可能な登録手段と、
各種情報を表示可能な表示手段と、
を備え、
前記登録手段に登録されている画像形成装置のそれぞれと通信して、通信先画像形成装置のファームウェアの情報を取得し、
取得されたファームウェアの情報の一覧を前記表示手段に表示し、その中からファームウェアをアップデートさせるアップデート対象画像形成装置を選択させ、
選択された画像形成装置に、ファームウェア更新用のアップデートデータを送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
通信先画像形成装置のファームウェアの情報の取得、及び前記アップデートデータの送信は、ダイレクトSMTP通信で行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
通信先画像形成装置のファームウェアの情報の取得、及び前記アップデートデータの送信は、HTTP通信で行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の画像形成装置であって、
ファームウェア更新用のアップデートデータを送信後、通信先画像形成装置のファームウェアの更新成否情報を受信し、それに基づいてファームウェアの更新結果を出力可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の画像形成装置であって、
前記記憶手段は複数種類のファームウェアを記憶可能であり、
前記通信先画像形成装置のファームウェアの情報を取得する際は、ファームウェアの種類を指定し、その指定した種類のファームウェアの情報を通信先画像形成装置から取得するように構成し、
前記アップデート対象画像形成装置に対しては、更新が必要な種類のファームウェアに関するアップデートデータを送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記記憶手段に記憶されるファームウェアには、ネットワークを通じて他装置と通信するためのネットワークコントローラのファームウェアが含まれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画像形成装置であって、
前記記憶手段に記憶されるファームウェアには、コンピュータからの印刷指令に応じて画像形成を行うためのプリンタコントローラのファームウェアが含まれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の画像形成装置と通信する画像形成装置であって、
ファームウェアを書換可能に記憶する記憶手段を備え、
前記アップデートデータを受信すると、前記記憶手段に記憶されたファームウェアをそのアップデートデータに基づいて更新することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−279714(P2008−279714A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127844(P2007−127844)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】