説明

画像形成装置

【課題】感光体帯電により発生するオゾンをオゾン吸引ファンの騒音を抑制して除去できる画像形成装置及びオゾンを騒音を抑制して除去できるとともに感光体周辺温度上昇による感光体クリーニングブレードの劣化を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】オゾン含有空気をフィルタ101へ導き、オゾン除去して排出するファン102を含むオゾン除去装置10と、温湿度を検出する環境検出装置SEと、ファン102の動作を制御する制御部Cont1とを備え、該制御部は、帯電装置2による感光体1の帯電中、ファン102を動作させ、帯電終了後もひき続き残留オゾン除去処理に過不足のない帯電終了後駆動時間Tの間、ファン102を動作させる。該ファンの駆動が完了すると、感光体周辺温度が予め定めた閾値温度以上であると、ファン102を逆動作させて感光体周辺域に外気を供給させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、フアクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、通常、感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる。
【0003】
モノクロ画像形成装置では、感光体は通常一つであり、該感光体に対し帯電装置が設けられている。感光体上に形成されるトナー像は通常直接記録媒体に転写され、定着される。中間転写体を介して記録媒体に転写され、定着されることもある。
一つの感光体に対し、分担色トナーを収容した複数の現像装置を配置した画像形成装置(例えば4サイクル型カラー画像形成装置)では、該感光体に対し帯電装置が設けられている。各現像装置を用いて感光体上に形成されるトナー像は、直接、記録媒体上に順次重ね転写されることもあるが、一旦中間転写体に一次転写され、該中間転写体から記録媒体上に2次転写され、定着されることもある。
【0004】
中間転写体に沿って複数の感光体が配置されるとともに各感光体に対し分担色トナーを保持した現像装置が対応配置された画像形成装置(例えばタンデム型のカラー画像形成装置)では、各感光体に対しそれぞれ帯電装置が設けられており、各感光体上に形成されるトナー像は一旦中間転写体に1次転写され、該中間転写体から記録媒体上に2次転写され、定着される。
【0005】
いずれのタイプの画像形成装置においても、帯電装置で感光体を帯電させるときには、通常、放電に伴いオゾンが発生する。特にコロナ放電方式の帯電装置が採用されているときには、オゾン発生量が多い。
【0006】
このように感光体帯電処理に伴って発生するオゾンを、感光体の帯電部周辺に滞留させておくと、感光体帯電時に感光体表面電位が安定せず画像不良が発生する等の問題が生じる。そのため、感光体帯電中だけでなく、感光体帯電終了後も発生したオゾンを除去する必要がある。
【0007】
この点、特開平2−52370号公報には、オゾンを感光体近傍から除去する空気流発生ファンを作像プロセス中及びその終了後の所定時間にわたって継続して駆動することでオゾンを除去することが記載されており、また、帯電装置の連続稼働時間に応じた所定時間にわたって空気流発生ファンを継続して駆動することでオゾンを除去することが記載されている。
【0008】
ところで、空気流発生ファンを単に作像プロセス中及びその終了後の所定時間にわたって継続して駆動する、というだけの場合には、印字枚数が多くそれだけオゾンが多量に発生する場合を基準に該所定時間を定めておくことになるので、印字枚数が少なくオゾン発生量が少ない場合でも、印字枚数が多くオゾン発生量が多い場合にあわせたファン駆動時間の間フアンが駆動され、かかる必要以上のフアン駆動に伴うファン駆動音が単なる騒音となってしまう。
【0009】
この点、帯電装置の連続稼働時間に応じた所定時間にわたって空気流発生ファンを継続して駆動する場合には、感光体を帯電装置で帯電させる時間を考慮してフアンの継続駆動時間を決定して、印字枚数が少なく、帯電時間が短い場合には、フアンの継続駆動時間を短縮して駆動音を低減することができる利点がある。
【0010】
【特許文献1】特開平2−52370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、感光体が複数ある、例えばタンデム型カラー画像形成装置のような画像形成装置では、たとえ印字枚数が少ない場合でも、感光体ごとに要求される帯電時間が異なっていることがあり、また、例えばタンデム型カラー画像形成装置においてモノクロ印字を行うときのように、複数の感光体のうち一つの感光体しか帯電させさせないこともある。このような場合、感光体ごとに発生オゾン量が異なってくる。
【0012】
また、感光体への帯電で発生するオゾンの量は、帯電時間だけで変化するのではなく、帯電電圧が高い場合にはオゾン発生量が多くなり、低温低湿環境では帯電時の放電が発生しやすくなり、それだけオゾン発生量が多くなる。
【0013】
しかし前記従来の、帯電装置の連続稼働時間に応じた所定時間にわたって空気流発生ファンを継続して駆動することでオゾンを除去するオゾン除去用フアンの駆動制御では、オゾンをより確実に除去するためには、オゾン発生量が最も多い動作状態を想定して、感光体帯電時間に応じてファン駆動時間を設定せざるを得ず、そうすると、オゾン発生量が少ない動作状態では不必要なフアン駆動が行われることになり、それだけ、単なる騒音でしかないファン駆動音が生じる。
【0014】
また、タンデム型カラー画像形成装置のように複数の感光体が設けられている場合、感光体ごとにオゾン発生量が異なる状態でも、複数の感光体のうちオゾン発生量が最も多い感光体の動作状態を想定してファン駆動時間を求め、該駆動時間を各感光体について適用することになるため、モノクロ印字のときのように帯電させていない感光体があったり、帯電電圧が低く、それだけオゾン発生量の少ない感光体がある場合でも、そのような感光体についてまで、オゾン発生量が最も多い感光体の動作状態を想定して定められるファン駆動時間が適用され、それら感光体について不必要なフアン駆動が行われることになり、それだけ、単なる騒音でしかないファン駆動音が生じる。
【0015】
また、別の問題として、印字を行うとき、印字に供される感光体の周辺の温度が上昇するが、該温度上昇をそのまま放置すると、印字に供された感光体上のトナー像が中間転写体や記録媒体に転写されたあと該感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置として感光体に当接するクリーニングブレードを用いるクリーニング装置が採用されている場合、該クリーニングブレードが変形したり、摩耗しやすくなり、該ブレードのクリーニング性能が低下し、ひいては感光体からの残留トナーの十分な除去が困難になり、画像不良を招くという問題がある。
【0016】
前記オゾン除去用のファンを駆動すると、それにより発生する気流により感光体周辺温度は低下するが、それだけでは十分感光体周辺温度が下がらず、前記クリーニングブレードの変形や摩耗を十分抑制できないことがある。
【0017】
そこで本発明は、感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であって、帯電装置による感光体帯電により発生するオゾンを騒音を抑制して除去できる画像形成装置を提供することを第1の課題とする。
【0018】
また本発明は、感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させ、転写後感光体上に残留するトナーを該感光体に当接するクリーニングブレードで除去する画像形成装置であって、帯電装置による感光体帯電により発生するオゾンを騒音を抑制して除去できるとともに、感光体周辺温度上昇による該クリーニングブレードの劣化(変形、加熱下での過度の摩耗等)を抑制できる画像形成装置を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記第1の課題を解決するため本発明は第1及び第2の画像形成装置を提供する。また、前記第2の課題を解決するため第3の画像形成装置を提供する。
【0020】
(1)第1の画像形成装置
感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であり、
前記帯電装置による前記感光体の帯電により発生するオゾンを除去するためのフィルタ及び該オゾンを含む空気を前記フィルタへ導くとともに該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を排出するファンを含むオゾン除去装置と、
画像形成装置の使用環境の温度及び湿度を検出する環境検出装置と、
前記オゾン除去装置のファンの動作を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、前記帯電装置による前記感光体の帯電中前記フィルタによるオゾン除去処理のために前記ファンを動作させ、該帯電装置による該感光体の帯電終了後もひき続き前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために帯電終了後駆動時間Tの間前記ファンを動作させ、
該帯電終了後駆動時間Tについては、該帯電装置による該感光体の帯電が終了したとき、該帯電装置による帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて決定する画像形成装置。
【0021】
第1の画像形成装置としては、例えば、感光体、帯電装置及び現像装置がそれぞれ一つであるモノクロ画像形成装置や、感光体及び帯電装置はそれぞれ一つであるが、一つの感光体に対し分担色トナーを収容した複数の現像装置を配置したカラー画像形成装置(例えば既述の4サイクル型カラー画像形成装置)を挙げることができる。
【0022】
本発明に係る第1の画像形成装置によると、オゾン除去装置のファンは、制御部の指示のもとに、帯電装置による感光体帯電中、前記フィルタによるオゾン除去処理のために動作し、該感光体の帯電終了後もひき続き、帯電終了後駆動時間Tの間、前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために動作する。
【0023】
そして、該帯電終了後駆動時間Tは、該制御部において、帯電装置による感光体の帯電が終了したとき、帯電装置による感光体帯電に伴うオゾン発生の量を左右する該帯電装置による帯電時間(帯電装置が感光体を帯電させていた時間)と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて、残留オゾン除去処理を行うに過不足のないように決定される。かくして、感光体帯電中に発生するオゾン及び感光体帯電後に残留するオゾンをいずれも除去処理できるとともに不必要なファン駆動による駆動騒音を抑制することができる。
【0024】
前記制御部は、前記帯電終了後駆動時間Tを帯電装置による感光体帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて決定するにあたり、例えば、感光体帯電時間に応じて予め定められた基礎時間に感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数及び環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定することができる。
【0025】
(2)第2の画像形成装置
複数の感光体及び該各感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該複数の感光体のうち少なくとも一つの感光体を該感光体に対応する帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であり、
前記帯電装置による前記感光体の帯電により発生するオゾンを除去するためのフィルタ及び該オゾンを含む空気を前記フィルタへ導くとともに該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を排出するファンを含むオゾン除去装置と、
画像形成装置の使用環境の温度及び湿度を検出する環境検出装置と、
前記オゾン除去装置のファンの動作を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、前記複数の感光体のうちいずれかの感光体を対応する帯電装置で帯電させている間前記フィルタによるオゾン除去処理のために前記ファンを動作させ、帯電させるべき全ての感光体についての帯電終了後もひき続き前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために帯電終了後駆動時間Tの間前記ファンを動作させ、
前記帯電終了後駆動時間Tについては、帯電させる感光体ごとに、帯電装置による該感光体の帯電が終了したとき、該帯電装置による帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて該感光体に対応する帯電終了後駆動時間tを決定し、該感光体対応帯電終了後駆動時間tの合計時間を求め、該合計時間をもって前記帯電終了後駆動時間Tとする画像形成装置。
【0026】
第2の画像形成装置としては、例えば、中間転写体に沿って複数の感光体が配置されるとともに各感光体に対し帯電装置及び分担色トナーを保持した現像装置が対応配置されたカラー画像形成装置(例えばタンデム型のカラー画像形成装置)を挙げることができる。
【0027】
本発明に係る第2の画像形成装置によると、オゾン除去装置のファンは、制御部の指示のもとに、複数の感光体のうちいずれかの感光体がそれに対応する帯電装置で帯電されている間、前記フィルタによるオゾン除去処理のために動作し、帯電させるべき全ての感光体についての帯電終了後もひき続き、帯電終了後駆動時間Tの間、前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために動作する。
【0028】
そして、該帯電終了後駆動時間Tは制御部において次のように決定される。
帯電させる感光体ごとに、帯電装置による該感光体の帯電が終了したとき、感光体帯電に伴うオゾン発生の量を左右する該帯電装置による帯電時間(帯電装置が感光体を帯電させていた時間)と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて該感光体に対応する帯電終了後駆動時間tを決定し、該感光体対応帯電終了後駆動時間tの合計時間を求め、該合計時間をもって前記帯電終了後駆動時間Tとする。
【0029】
このように決定される帯電終了後駆動時間Tは、複数の感光体が設けられていて、該複数の感光体それぞれについて、それを帯電させるときのオゾン発生量が異なるような場合や、複数の感光体の全部ではなく一部を使用して画像形成するような場合においても、画像形成装置全体として、感光体帯電に伴って発生するオゾンについての残留オゾン除去処理を行うに過不足のない時間である。
かくして、感光体帯電中に発生するオゾン及び感光体帯電後に残留するオゾンをいずれも除去処理できるとともに不必要なファン駆動による駆動騒音を抑制することができる。
【0030】
前記制御部は、前記感光体対応帯電終了後駆動時間tを帯電装置による感光体帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて決定するにあたり、例えば、感光体帯電時間に応じて予め定められた基礎時間に感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数及び環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定することができる。
【0031】
(3)第3の画像形成装置
前記第1又は第2の画像形成装置において、前記感光体に転写残トナーを除去するクリーニングブレードが接触配置されており、前記制御部は、前記環境検出装置により検出される温度に感光体周辺オフセット温度を加算して感光体周辺温度を求め、前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン駆動が完了したときの該感光体周辺温度が、前記クリーニングブレードの熱劣化抑制のために予め定めた閾値温度以上であると、前記ファンを逆動作させて感光体周辺域に外気を供給して該感光体周辺域を強制冷却し、前記感光体周辺オフセット温度については、(a) 感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度、(b) 感光体停止中の感光体周辺の降下温度、(c) 前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン動作による感光体周辺の降下温度及び(d) 前記ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度をそれぞれ算出し、それらを加算して前記感光体周辺オフセット温度とする画像形成装置。
【0032】
ここで、(a) の「感光体駆動中」とは感光体を回転させて帯電装置で帯電中であることを指し、(b) の「感光体停止中」とは感光体の駆動を停止し、帯電装置も停止させ、ファンによるオゾン除去処理及び強制冷却も行っていない状態を指す。
また、ファンを逆動作させて感光体周辺域に外気を供給させるか否かを判断する基準となる「前記クリーニングブレードの熱劣化抑制のために予め定めた閾値温度」とは、感光体周辺域の温度をクリーニングブレードの熱劣化(熱変形、加熱に伴う過度の摩耗等)を抑制できる温度に設定するための基準温度である。かかる閾値温度は、予め実験等により求め、定めておくことができ、前記制御部に記憶させておけばよい。
【0033】
本発明に係る第3の画像形成装置によると、制御部は、前記環境検出装置により検出される温度に感光体周辺オフセット温度を加算して感光体周辺温度を求め、フィルタによる残留オゾン除去処理のためのファン駆動が終了したときの感光体周辺温度が予め定めたクリーニングブレードの熱劣化抑制のための閾値温度以上であると、前記ファンを逆動作させて感光体周辺域に外気を供給させ、それにより感光体周辺域の温度をクリーニングブレードの熱劣化(熱変形、加熱に伴う過度の摩耗等)を抑制できる温度へ向け低下させる(感光体周辺域を強制冷却する)。
【0034】
かくして、本発明に係る第3の画像形成装置によると、感光体に接触配置されたクリーニングブレードの熱劣化(熱変形、加熱に伴う過度の摩耗等)を抑制し、ひいては感光体上の残留トナー等のクリーニングブレードによる拭き残し等の好ましくない状態の発生を抑制して、それだけ良好な画像を形成できる。
【0035】
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度を算出するとき、前記(a) 、(b) 、(c) 及び(d) の温度算出を行うのであるが、例えば、前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン駆動が完了したときにおいて、それ以前にはファンを逆動作させて強制冷却処理したことが未だないという状態であれば、該ファン駆動が完了したときの感光体周辺オフセット温度の計算において、前記(d) 項の温度は「0℃」となり、既にファンを逆動作させて強制冷却処理したことがあるのであれば、以前に算出した前記(d) 項の温度も考慮されることになる。
【0036】
いずれにしても、前記制御部は、算出される感光体周辺オフセット温度が0℃以下となるときは、感光体周辺オフセット温度を0℃に設定することができる。
【0037】
前記制御部は、強制冷却中も前記感光体周辺温度を算出する。該制御部はその算出感光体周辺温度が前記閾値温度より低下すると、前記ファンを停止させればよいが、強制冷却中に次の画像形成指示があり、該次の画像形成のために感光体が駆動されるとともに帯電装置が感光体を帯電し始めると、ファンをオゾン除去処理するように動作させてもよく、或いは、次の画像形成指示があっても、感光体周辺温度が前記閾値温度より低下するまでは感光体及び帯電装置等の駆動を禁止してもよい。
【0038】
いずれにしても、前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度を、例えば、少なくとも、感光体駆動時間、予め求めた感光体駆動に伴う温度上昇のレート、フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モード及び片面印字か両面印字かの印字モードに基づいて算出することができる。
【0039】
具体例として、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度を、例えば、〔(感光体駆動時間)×(予め求めた感光体駆動に伴う温度上昇のレート)×(フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モードに応じて予め定めたられたカラー・モノクロ係数)×(片面印字か両面印字かの印字モードに応じて予め定められた印字係数)×(記録媒体種に応じて予め定められた記録媒体係数)〕により算出する場合を挙げることができる。
【0040】
また、前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体停止中の感光体周辺の降下温度を、例えば、〔(該感光体停止時間)×(予め求めた感光体停止中の温度降下レート)〕により算出することができる。
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン動作による感光体周辺の降下温度を、例えば、〔(該残留オゾン除去処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン動作による温度降下レート)〕により算出することができる。
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度を、例えば、〔(該ファン逆動作による強制冷却処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン逆動作による温度降下レート)〕により算出することができる。
【0041】
いずれにしても、上記「温度上昇レート」や「温度降下レート」は、予め実験等により求めておくことができ、制御部に記憶させておけばよい。
また、「カラー・モノクロ係数」、「印字係数」、「記録媒体係数」についても、予め実験等により求めておくことができ、制御部に記憶させておけばよい。
【発明の効果】
【0042】
以上説明したように本発明によると、感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であって、帯電装置による感光体帯電により発生するオゾンを騒音を抑制して除去できる画像形成装置を提供することができる
【0043】
また本発明によると、感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させ、転写後感光体上に残留するトナーを該感光体に当接するクリーニングブレードで除去する画像形成装置であって、帯電装置による感光体帯電により発生するオゾンを騒音を抑制して除去できるとともに、感光体周辺温度上昇による該クリーニングブレードの劣化(変形、加熱下での過度の摩耗等)を抑制できる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〔1〕第1実施形態(図1〜図3参照)
図1は本発明に係る画像形成装置の1例Aを示している。図1の画像形成装置Aはカラー画像を形成できる、所謂4サイクル型のカラー画像形成装置である。
画像形成装置Aは、回転駆動されるドラム型の負帯電性の感光体1を備えており、感光体1表面を図示省略の帯電用電源装置から帯電電圧が印加されるコロナ放電方式の帯電装置2で一様に所定電位に帯電させ、その帯電域に画像露光装置3から画像露光を施して静電潜像を形成し、該潜像を現像装置4で負帯電性のトナーを用いて反転現像して可視トナー像を形成できる。
【0045】
現像装置4は回転駆動されるラック4Hにイエロー現像装置4Y、マゼンタ現像装置4M、シアン現像装置4C及びブラック現像装置4Kを搭載したものである。4Y、4M、4C、4Kの各現像装置はラック4Hに着脱可能のカートリッジに構成されている。感光体1には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色ごとの画像データに基づいて各色に対応する静電潜像が順次形成され、一つの色に対応する潜像が形成されるごとに該潜像が四つの現像装置4Y、4M、4C、4Kのうち該色に対応する現像装置で現像される。
【0046】
このようにして感光体1上に順次形成される各色のトナー像は、一つのトナー像が形成されるごとに中間転写ベルト(中間転写体の1例)5に1次転写され、且つ、先に転写されたトナー像の上に重ねて転写される。このようにして中間転写ベルト5上に形成された多重トナー像は、記録媒体供給部6から供給ローラ61により1枚ずつ供給され、タイミングローラ対62により該多重トナー像と同期をとって送られてくる転写紙等の記録媒体Sに2次転写され、定着装置7で該記録媒体に加熱加圧下に定着されてフルカラー画像となる。このようにしてトナー像が定着された記録媒体は排出ローラ対81にて排出トレイ8上に排出される。感光体1上の転写残トナーはクリーニングブレード91にて除去清掃される。
【0047】
なお、画像形成装置Aは、4Y、4M、4C、4Kのうちいずれか一つの現像装置を用いてモノクロ画像を形成することもできるし、4Y、4M、4C、4Kのうちいずれか二つ或いは三つの現像装置を用いてカラー画像を形成することもできる。
【0048】
中間転写ベルト5等についてもう少し説明すると、中間転写ベルト5は回転駆動される駆動ローラ51、感光体1に対向配置された1次転写ローラ52、ローラ52と共同してベルト5を感光体1に当接させるローラ53及び従動ローラ(駆動ローラに対向するローラ)54からなるローラ群に巻き掛けられている。
【0049】
1次転写ローラ52は1次転写電圧が印加されることで感光体1上のトナー像を中間転写ベルト5に転写する。1次転写後感光体1上に残留するトナーは、感光体1に接触配置された、クリーナ9のクリーニングブレード91により除去清掃される。
【0050】
駆動ローラ51には2次転写ローラ50が対向配置されており、2次転写ローラ50は2次転写電圧が印加されることで、ローラ51に巻き掛けられたベルト5と転写ローラ50間に通される記録媒体Sにベルト5上のトナー像を2次転写する。
【0051】
転写ベルト5上のトナー像が記録媒体Sに2次転写されたあと、次のトナー像の1次転写に備えて中間転写ベルト5が、クリーナ90のクリーニングブレード901によりクリーニングされる。クリーナ90は転写ベルト5を巻き掛けた従動ローラ54に対向するように設けられている。
【0052】
2次転写ローラ50は、ベルト5に1次転写されたトナー像を記録媒体Sに2次転写するタイミングでベルト5へ向け押圧され、それまではベルト5から離隔される。クリーニングブレード901は、2次転写後ベルト5上に残留するトナーを除去するタイミングでベルト5に圧接され、それまではベルト5から離隔される。
【0053】
以上のほか、画像形成装置Aには、帯電装置2による感光体1の帯電に伴って発生するオゾン及び放置しておけば感光体帯電終了後も感光体周辺に残存するオゾンを除去するためのオゾン除去装置10も設けられている。さらに、本例では、画像形成装置Aの使用環境温度及び湿度を検出する環境検出センサSEが、画像形成装置内温度上昇の影響を受けがたい、記録媒体供給カセット6の下方に設けられている。
【0054】
オゾン除去装置10は、図2に示すように、オゾンを含む空気を通過させることでオゾンを除去するオゾン除去フィルタ101、オゾン吸引ファン102及び該ファンの運転によりオゾン含有空気を帯電装置2及び感光体1の周辺からオゾン除去フィルタ101へ導き、該フィルタによるオゾン除去後の空気を画像形成装置A外へ排出するように導くダクト103を含んでいる。
【0055】
オゾン吸引ファン102は制御部Cont1(図3参照)の指示のもとに動作する。
図3に示すように、前記環境検出センサSEで検出される温度及び湿度の情報は制御部Cont1に入力される。
制御部Cont1は、帯電装置2による感光体1の帯電中、オゾン吸引ファン102を、該帯電に伴って発生するオゾンを含む空気をフィルタ101へ吸引して導き、該フィルタを通過させ、該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を画像形成装置A外へ排出するように回転動作させる。
【0056】
制御部Cont1は、さらに、帯電装置2による感光体1の帯電終了後もひき続き、感光体1の周辺域に残留するオゾンを除去するために、帯電終了後駆動時間Tの間、ファン102を同じ方向に回転動作させる。
【0057】
このとき、制御部Cont1は、次のようにして帯電終了後駆動時間Tを決定する。
帯電装置2による感光体1の帯電が終了したとき、帯電装置2による感光体帯電時間(帯電装置2が感光体1を帯電していた時間)と、帯電装置2による感光体帯電電圧と、環境検出装置SEで検出された温度及び湿度とに基づいて帯電終了後駆動時間Tを決定する。
【0058】
さらに具体的には、制御部Cont1は、帯電終了後駆動時間Tを、前記感光体帯電時間に応じて予め実験等により定められた基礎時間(オゾン吸引基礎時間)に前記感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数及び環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定する。すなわち、帯電終了後駆動時間T=基礎時間×帯電電圧係数×環境係数となる。
【0059】
基礎時間、帯電電圧係数及び環境係数は、それぞれ制御部Cont1に下記テーブルのように記憶させてある。

オゾン吸引基礎時間テーブル
感光体帯電時間 オゾン吸引基礎時間
1秒未満 0秒
1秒以上60秒未満 15秒
60秒以上110秒未満 25秒
110秒以上195秒未満 45秒
195秒以上300秒未満 70秒
300秒以上 90秒
【0060】
帯電電圧係数テーブル
感光体帯電電圧 帯電電圧係数
400V未満 0.8
400V以上450V未満 0.9
450V以上500V未満 1.0
500V以上 1.1
【0061】
環境係数テーブル
環境 環境係数
低温低湿環境
(温度20℃未満且つ湿度20%RH未満) 0.8
低温低湿、高温高湿以外の環境 1.0
高温高湿環境
(温度30℃以上且つ湿度30%RH以上) 1.2
【0062】
かくして、画像形成装置Aにおいては、オゾン除去装置10のオゾン吸引ファン102は、制御部Cont1の指示のもとに、帯電装置2による感光体1の帯電中、フィルタ101によるオゾン除去処理のために回転動作し、感光体1の帯電終了後もひき続き、帯電終了後駆動時間Tの間、フィルタ101による残留オゾン除去処理のために回転動作する。
【0063】
帯電終了後駆動時間Tは、制御部Cont1において、帯電装置2による感光体1の帯電が終了したとき、帯電装置2による感光体帯電に伴うオゾン発生の量を左右する該帯電装置2による感光体帯電時間と、帯電装置2による感光体帯電電圧と、環境検出装置SEで検出される温度及び湿度とに基づいて、残留オゾン除去処理を行うに過不足のないように決定される。
従って、感光体帯電中に発生するオゾン及び感光体帯電後に残留するオゾンをいずれも除去処理できるとともに不必要なファン駆動による駆動騒音を抑制することができる。
以上、4サイクル型画像形成装置について説明したが、本発明は4サイクル型画像形成装置の場合と同様の考え方で、モノクロ画像形成装置にも適用できる。
【0064】
〔2〕第2実施形態(図4及び図5参照)
図4は本発明に係る画像形成装置の他の例Bを示している。図4の画像形成装置はカラー画像を形成できる、所謂タンデム型のカラー画像形成装置である。
画像形成装置Bは、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられた無端中間転写ベルト40を有している。転写ベルト40は、図示省略のベルト駆動部により駆動される駆動ローラ31により図中反時計方向(図中矢印方向)に回転させることができる。
【0065】
駆動ローラ31上の転写ベルト部分には、2次転写ローラ500が臨んでいるとともに、ベルト移動方向においてローラ500より下流側で、転写ベルト40上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナ400が臨んでいる。クリーナ400はベルト5に接触配置されたクリーニングブレード401にて2次転写残トナーを除去する。
【0066】
2次転写ローラ500の表層部は弾性材料で形成されており、図示省略の押圧手段にて中間転写ベルト40に押圧され、中間転写ベルト40との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト40の回転に従動して、或いは、後述するように該ニップ部に送り込まれる記録紙等の記録媒体Sの移動に従動して回転する。2次転写ローラ500には、図示省略の2次転写バイアス電源装置から2次転写バイアスを印加することができる。
【0067】
2次転写ローラ500の下方には、タイミングローラ対602が配置されており、さらにその下方に、記録媒体Sを収容した記録媒体収容カセット60が配置されている。
転写ローラ500の上方には定着装置80が配置されている。
【0068】
カセット60に収容された記録媒体Sは、媒体供給ローラ601にて1枚ずつ引き出してタイミングローラ対602へ供給することができる。
【0069】
中間転写ベルト40を巻き掛けたローラ31、32の間には、転写ベルト40に沿って、ローラ32から31に向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
【0070】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、ドラム型の感光体11を備えており、該感光体の周囲にコロナ放電方式の帯電装置12、画像露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ20、感光体上の1次転写残トナーを除去清掃するクリーナ15、残留電荷を消去するイレーサ16がこの順序で配置されている。クリーナ15は感光体11に接触配置されたクリーニングブレード151で感光体上の1次転写残トナーを除去できる。
【0071】
1次転写ローラ20は転写ベルト40を間にして感光体11に対向しており、ベルトの走行に従動回転する。1次転写ローラ20には、感光体11上に形成されるトナー像をベルト40へ1次転写するための1次転写バイアスが図示省略の1次転写バイアス電源装置から印加される。
露光装置13は、図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施せるものである。
【0072】
各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて図中時計方向回りに回転駆動できる。
各画像形成部における帯電装置12には、図示省略の帯電用電源装置から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
【0073】
各画像形成部における現像装置14は、本例では、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス印加電源装置から現像バイアス電圧が印加される現像ローラ141で反転現像することができる。
【0074】
画像形成装置Bによると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
この画像形成装置では中間転写ベルト40及び各感光体11は同時的に回転開始し、同時的に停止するようになっており、各帯電装置12は、感光体回転とともに対応する感光体11の帯電を開始し、感光体停止とともに帯電を停止する。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト40に1次転写する。
【0075】
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が図中時計方向に回転駆動され、帯電装置12にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の該帯電域に画像露光装置13からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像装置14の現像バイアスが印加された現像ローラ141にて現像されて可視イエロートナー像となり、該トナー像が1次転写ローラ20にて転写ベルト40上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ20には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
【0076】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト40に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト40に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト40に転写される。
【0077】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト40上に重ねて転写されるタイミングで形成される。転写ベルト40上に形成された多重トナー像は転写ベルト40の回動により2次転写ローラ500へ向け移動する。
【0078】
一方、記録媒体Sがカセット60から媒体供給ローラ601にて引き出され、タイミングローラ対602へ供給され、待機している。
【0079】
タイミングローラ対602のところで待機する記録媒体Sは、中間転写ベルト40にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト40と2次転写ローラ500とのニップ部に供給され、2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ500にて該多重トナー像が記録媒体S上に2次転写される。
【0080】
その後記録媒体Sは定着装置80に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録媒体Sに定着される。記録媒体Sはひき続き、排出ローラ対Rにて排出トレイTRに排出される。
各感光体11上の1次転写残トナーはクリーニングブレード151にて除去清掃され、中間転写ベルト40上の2次転写残トナーはクリーニングブレード401にて除去清掃される。
【0081】
以上のほか、画像形成装置Bには、画像形成部Y、M、C、Kにおいて帯電装置2による感光体11の帯電に伴って発生するオゾン及び放置しておけば感光体帯電終了後も感光体周辺に残存するオゾンを除去するためのオゾン除去装置100も設けられている。さらに、本例では、画像形成装置Bの使用環境温度及び湿度を検出する環境検出センサSEが、画像形成装置内温度上昇の影響を受けがたい、記録媒体供給カセット60の下方に設けられている。
【0082】
オゾン除去装置100は、図4に示すように、オゾンを除去するオゾン除去フィルタ104、オゾン吸引ファン105及び該ファンの運転によりオゾンを含む空気を各画像形成部の帯電装置12及び感光体11の周辺からオゾン除去フィルタ104へ導き、該フィルタによるオゾン除去後の空気を画像形成装置B外へ排出するように導くダクトを含んでいる。
【0083】
該ダクトは、画像形成部Y、M、C、Kに接続されたダクト106Y、106M、106C、106K及びこれらダクトに接続された共通ダクト106からなっており、フィルタ104及びファン105は共通ダクトに設けられている。すなわち、フィルタ104及びファン105は本例では画像形成部Y、M、C、Kのそれぞれにおける感光体11及びそれを帯電させる帯電装置12に共通に設けられている。
【0084】
しかし、例えばオゾン除去フィルタについては、例えばダクト106Y、106M、106C、106Kのそれぞれに設ける等して、画像形成部Y、M、C、Kのそれぞれに対して設けてもよい。
【0085】
共通のファン105は制御部Cont2(図5参照)の指示のもとに動作する。
図5に示すように、前記環境検出センサSEで検出される温度及び湿度の情報は制御部Cont2に入力される。
【0086】
制御部Cont2は、四つの感光体11のうちいずれかの感光体がそれに対応する帯電装置12で帯電されている間、オゾン吸引ファン105を、該帯電に伴って発生するオゾンを含む空気をフィルタ104へ吸引して導き、該フィルタを通過させ、該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を画像形成装置B外へ排出するように回転動作させる。
【0087】
制御部Cont2は、さらに、帯電させるべき全ての感光体11についての帯電終了後もひき続き、帯電させた感光体11の周辺域に残留するオゾンを除去するために、帯電終了後駆動時間Tの間、ファン105を同じ方向に回転動作させる。
【0088】
このとき、制御部Cont2は、帯電させる感光体11ごとに、帯電装置12による該感光体11の帯電が終了したとき、該帯電装置12による感光体帯電時間(該帯電装置が該感光体を帯電させていた時間)と、該帯電装置12による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置SEで検出される温度及び湿度とに基づいて、該感光体11に対応する帯電終了後駆動時間tを決定し、該感光体対応帯電終了後駆動時間tの合計時間を求め、該合計時間をもって前記帯電終了後駆動時間Tとする。
【0089】
そして、感光体対応帯電終了後駆動時間tは、より具体的には、前記感光体帯電時間に応じて予め実験等により定められた基礎時間(オゾン吸引基礎時間)に前記感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数及び環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定する。
感光体対応帯電終了後駆動時間t=基礎時間×帯電電圧係数×環境係数となる。
【0090】
この場合の基礎時間、帯電電圧係数及び環境係数は、画像形成装置Aについて採用した既述のオゾン吸引基礎時間テーブル、帯電電圧係数テーブル及び環境係数テーブルと同じテーブルが採用され、各テーブルを制御部Cont2に記憶させてある。
【0091】
かくして、画像形成装置Bにおいては、オゾン除去装置100のオゾン吸引ファン105は、制御部Cont2の指示のもとに、いずれかの感光体11がそれに対応する帯電装置12で帯電されている間、フィルタ104によるオゾン除去処理のために回転動作し、帯電させるべき全ての感光体11についての帯電終了後もひき続き、帯電終了後駆動時間Tの間、フィルタ104による残留オゾン除去処理のために回転動作する。
【0092】
ここでの帯電終了後駆動時間Tは、既述のように求められるものであるため、画像形成装置Bにおいて複数の感光体11が設けられていて、該複数の感光体11それぞれについて、それを帯電させるときのオゾン発生量が異なるような場合においても、また、四つの画像形成部のうち使用する画像形成部の数が三つ以下となるような場合でも、画像形成装置B全体として、感光体帯電に伴って発生するオゾンについての残留オゾン除去処理を行うに過不足のない時間である。
【0093】
例えば画像形成部Kのみを用いてモノクロ画像を形成する場合、画像形成部Y、M、Cの感光体11は帯電させないため、それら感光体についての感光体対応帯電終了後駆動時間tはそれぞれ0秒となり、画像形成装置全体の帯電終了後駆動時間Tは画像形成部Kの感光体11についての感光体対応駆動時間tだけとなる。
かくして、感光体帯電中に発生するオゾン及び感光体帯電後に残留するオゾンをいずれも除去処理できるとともに不必要なファン駆動による駆動騒音を抑制することができる。
【0094】
ここで、制御部Cont2における、感光体対応帯電終了後駆動時間t及び帯電終了後駆動時間Tの算出決定について、Y、M、C、Kの画像形成部を用いてフルカラー画像を形成する場合及び画像形成部Kのみ用いてモノクロ画像を形成する場合を例にとって説明する。
【0095】
(a)フルカラー画像形成の場合(環境温度25℃、湿度28%RHとして)
画像形成部Yの感光体11 帯電電圧390V、帯電時間50秒
画像形成部Mの感光体11 帯電電圧410V、帯電時間50秒
画像形成部Cの感光体11 帯電電圧410V、帯電時間50秒
画像形成部Kの感光体11 帯電電圧390V、帯電時間50秒
【0096】
オゾン吸引基礎時間は、前記テーブルより、いずれの感光体についても15秒、
帯電電圧係数は、前記テーブルより、画像形成部Y及びKの感光体については0.8、画像形成部M及びCの感光体については0.9、
環境係数は、前記テーブルより、いずれの感光体についても1.0である。
【0097】
ここで、前記の感光体対応帯電終了後駆動時間t=オゾン吸引基礎時間×帯電電圧係数×環境係数を用いて、各画像形成部の感光体に対応する駆動時間tを求めると、
画像形成部Yの感光体11の駆動時間t=15×0.8×1.0=12秒
画像形成部Mの感光体11の駆動時間t=15×0.9×1.0=13.5秒
画像形成部Cの感光体11の駆動時間t=15×0.9×1.0=13.5秒
画像形成部Kの感光体11の駆動時間t=15×0.8×1.0=12秒
となり、これらの合計時間である帯電終了後駆動時間Tは51秒となる。
【0098】
ここで従来の方法により各駆動時間tを求めるとすれば、感光体帯電時間に応じてオゾン吸引基礎時間を切りえる制御を行うものの、帯電電圧、環境温湿度については最もオゾン発生量が多くなる状態を想定することになる。すなわち、前記テーブルを採用すれば、オゾン吸引基礎時間は、いずれの感光体も帯電時間50秒からして15秒となるが、帯電電圧係数は最大値1.1となり、環境係数は最大値1.2となる。従って、いずれの感光体についても駆動時間t=15×1.1×1.2=19.8秒となり、これらの合計時間である帯電終了後駆動時間T=19.8×4=79.2秒となる。
【0099】
従って、画像形成装置Bでは、残留オゾン除去処理のためにファン105を回転動作させる帯電終了後駆動時間Tを従来より、(79.2−51)=28.2秒短くでき、残留オゾン除去処理に支障を来すことなく、しかも不必要なファン駆動による騒音を、従来よりファン駆動時間を28.2秒短縮して低減することができる。
【0100】
(b)画像形成部Kによるモノクロ画像形成の場合(環境温度25℃、湿度28%RHとして)
画像形成部Yの感光体11 帯電電圧0V、帯電時間0秒
画像形成部Mの感光体11 帯電電圧0V、帯電時間0秒
画像形成部Cの感光体11 帯電電圧0V、帯電時間0秒
画像形成部Kの感光体11 帯電電圧390V、帯電時間50秒
【0101】
オゾン吸引基礎時間は、前記テーブルより、画像形成部Kの感光体11については15秒、他の感光体についてはいずれも0秒、
帯電電圧係数は、前記テーブルにおいて、画像形成部Kの感光体については0.8であり、他の感光体については該当するものがないので、計算に影響のないように便宜上1.0とする。
環境係数は、前記テーブルより、いずれの画像形成部についても1.0である。
【0102】
ここで、前記の感光体対応帯電終了後駆動時間t=オゾン吸引基礎時間×帯電電圧係数×環境係数を用いて、各画像形成部の感光体に対応する駆動時間tを求めると、
画像形成部Yの感光体11の駆動時間t=0×1.0×1.0=0秒
画像形成部Mの感光体11の駆動時間t=0×1.0×1.0=0秒
画像形成部Cの感光体11の駆動時間t=0×1.0×1.0=0秒
画像形成部Kの感光体11の駆動時間t=15×0.8×1.0=12秒
となり、これらの合計時間である帯電終了後駆動時間Tは12秒となる。
【0103】
ここで従来の方法により駆動時間tを求めるとすれば、感光体帯電時間に応じてオゾン吸引基礎時間を切りえる制御を行うものの、使用しない感光体についても使用する感光体と同様に感光体帯電時間を当て、さらに、帯電電圧、環境温湿度については最もオゾン発生量が多くなる状態を想定する。
【0104】
従って、Y、M、C、Kの各画像形成部についての感光体11に関する駆動時間tがいずれも、時間t=15×1.1×1.2=19.8秒と算出され、帯電終了後駆動時間T=19.8×4=79.2秒と決定される。
【0105】
従って、画像形成装置Bでは、モノクロ画像形成においては、残留オゾン除去処理のためにファン105を回転動作させる帯電終了後駆動時間Tを従来より、(79.2−12)=67.2秒短縮でき、残留オゾン除去処理に支障を来すことなく、しかも不必要なファン駆動による騒音を、従来よりファン駆動時間を67.2秒短縮して低減することができることになる。
【0106】
〔3〕第3実施形態
既述の画像形成装置A(B)においては、残留オゾン除去処理のためのファン102(105)の回転駆動が完了したのち、ファン102(105)を逆転動作させ、それにより外気を感光体1(11)の周辺域に供給し、該周辺域を強制冷却し、それにより、感光体に接触配置されたクリーニングブレード91(151)の熱劣化(変形、摩耗量の増大等)を抑制して感光体1(11)上の転写残トナーの除去清掃を長期にわたり良好に行えるようにし、それだけ良好な画像を形成できるようにしてもよい。
【0107】
そのため、画像形成装置A(B)において、制御部Cont1(Cont2)を次のように構成してもよい。
すなわち、フィルタ101(104)による残留オゾン除去処理のためのファン102(105)の回転駆動が完了したときの感光体周辺温度が、クリーニングブレード91(151)の熱劣化抑制のために予め定めた閾値温度以上であると、ファン102(105)を逆動作させて感光体周辺域に外気を供給させる(強制冷却する)ように構成するのである。
本例では、「閾値温度」を例えば35℃に設定して制御部Cont1(Cont2)に記憶させておけばよい。
【0108】
本例では、制御部Cont1(Cont2)に、該感光体周辺温度を画像形成装置の電源投入時から100msecごとに次式により算出させる。
感光体周辺温度Tc(℃)=環境検出装置SEによる検出環境温度(℃)
+感光体周辺オフセット温度Tf(℃)
【0109】
感光体周辺オフセット温度Tf(℃)は、
(a) 感光体1(11)駆動中の感光体周辺の上昇温度、
(b) 感光体1(11)停止中の感光体周辺の降下温度、
(c) フィルタ101(104)による残留オゾン除去処理のためのファン102(105)動作による感光体周辺の降下温度及び
(d) 該ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度
をそれぞれ制御部Cont1(Cont2)において算出させるとともに、それらを加算させて算出させる。
【0110】
ここで(a) の「感光体1(11)駆動中」とは感光体1(11)を駆動し、帯電装置2(12)で感光体を帯電させている状態を指し、(b) の「感光体1(11)停止中」とは感光体駆動を停止し、ファン102(105)によるオゾン除去処理及び強制冷却も行っていない状態を指す。
【0111】
感光体周辺温度を求めるにあたり、環境検出装置SEによる検出環境温度(℃)の外にこのような感光体周辺オフセット温度Tf(℃)も考慮する理由は次の通りである。
感光体1(11)を駆動回転させて帯電装置2(12)で帯電中(感光体駆動中)は感光体周辺温度が上昇する一方、感光体1(11)の駆動を停止し、帯電装置2(12)も停止させ、ファン102(105)によるオゾン除去処理及び強制冷却も行っていない状態(感光体停止中)では一定の温度下降レートで感光体周辺温度が降下する。また、残留オゾン除去のためにファン102(105)が動作していたり、強制冷却のために該ファンが逆動作しているときは、それぞれ、感光体の駆動を停止し、帯電装置も停止させ、ファンによるオゾン除去処理及び強制冷却も行っていないとき(感光体停止中)より感光体周辺温度降下が速い。
感光体周辺温度はこのような要因にも左右されるからである。
【0112】
感光体周辺オフセット温度Tfは、具体的には、例えば、次の式により制御部において算出させればよい。
感光体周辺オフセット温度Tf=
感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度〔(感光体駆動時間)×(予め求めた感光体駆動による温度上昇レート)×(フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モードに応じて予め定めたられたカラー・モノクロ係数)×(片面印字か両面印字かの印字モードに応じて予め定められた印字係数)×(記録媒体種に応じて予め定められた記録媒体係数)〕+
感光体停止中の感光体周辺の降下温度〔(該感光体停止時間)×(予め求めた感光体停止中の温度降下レート)〕+
フィルタによる残留オゾン除去処理のためのファン動作による感光体周辺の降下温度〔(該残留オゾン除去処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン動作による温度降下レート)〕+
ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度〔(該ファン逆動作による強制冷却処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン逆動作による温度降下レート)〕
【0113】
感光体周辺オフセット温度Tfは、画像形成装置の電源投入時は0℃として、前記感光体周辺温度Tcの計算と同じタイミングで、感光体駆動中、感光体停止中、オゾン除去処理中、強制冷却中のそれぞれで算出させる。本例では100msecごとに感光体周辺温度Tcを算出するため、感光体周辺オフセット温度Tfは100msecごとに更新される電源投入時からの温度変化量となる。
【0114】
本例では、 感光体駆動中の感光体周辺温度上昇レート=0.3℃/秒
感光体停止中の感光体周辺温度下降レート=−0.05℃/秒
オゾン除去処理ファン動作による感光体周辺温度下降レート=−0.1℃/秒
ファン逆動作による感光体周辺温度下降レート=−0.5℃/秒
であり、これらレートは制御部Cont1(Cont2)に記憶させておけばよい。
【0115】
感光体駆動中の上昇温度算出にあたり、フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モードを考慮するのは、それらのうちいずれのモードによる画像形成であるかによって画像形成速度(従って感光体回転速度)が異なってくる場合に、感光体駆動時の温度上昇レートを補正するためである。この場合、補正係数としてカラー・モノクロ係数テーブルを予め実験等により求めておいて、制御部Cont1(Cont2)に記憶させておけばよい。本例では、以下のとおり定めてある。
カラー・モノクロ係数テーブル
画像形成モード カラー・モノクロ係数
カラー画像形成モード 1.1
モノクロ画像形成モード 1.0
【0116】
片面印字か両面印字かの印字モードを考慮するのは、両面印字モードの場合は、片面に画像形成されて温度上昇した記録媒体が再び画像形成装置内に戻り、感光体周辺温度が上昇するので、感光体駆動時の温度上昇レートを補正するためである。この場合、補正係数として印字係数テーブルを予め実験等により求めておいて、制御部Cont1(Cont2)に記憶させておけばよい。本例では、以下のとおり定めてある。
印字係数テーブル
印字モード 印字係数
片面印字モード 1.0
両面印字モード 1.2
【0117】
記録媒体種を考慮するのは、記録媒体種に応じて画像形成速度(従って感光体回転速度)が異なってくる場合に、感光体駆動時の温度上昇レートを補正するためである。この場合、補正係数として記録媒体係数テーブルを予め実験等により求めておいて、制御部Cont1(Cont2)に記憶させておけばよい。本例では、以下のとおり定めてある。
記録媒体係数テーブル
記録媒体 記録媒体係数
普通紙 1.0
厚 紙 1.2
封 筒 1.4
【0118】
制御部Cont1(Cont2)の計算によると、感光体駆動中は前記環境検出センサSEで検出される環境温度に対しプラスの値になり、感光体停止中、残留オゾン除去処理のためのファン動作中及び強制冷却のためのファン逆動作中は、感光体周辺温度が下降し、センサSEで検出される環境温度に対しマイナスとなることがあり得るが、感光体周辺温度がセンサSEで検出される温度より下降することはないので、計算により感光体周辺オフセット温度が0℃以下になった場合は、感光体周辺オフセット温度を0℃に設定すればよい。
【0119】
第3実施形態の画像形成装置によると、制御部Cont1(Cont2)は、環境検出センサSEにより検出される温度に感光体周辺オフセット温度Tfを加算して感光体周辺温度Tcを求め、フィルタ101(104)による残留オゾン除去処理のためのファン駆動が終了したときの感光体周辺温度が予め定めたクリーニングブレード91(151)の熱劣化抑制のための閾値温度35℃以上であると、ファン102(105)を逆動作させて感光体周辺域に外気を供給させ、それにより感光体周辺域の温度を該クリーニングブレードの熱劣化(熱変形、加熱に伴う過度の摩耗等)を抑制できる温度へ向け低下させる(感光体周辺域を強制冷却する)。
【0120】
かくして、クリーニングブレード91(151)の熱劣化(熱変形、加熱に伴う過度の摩耗等)を抑制し、ひいては感光体1(11)上の残留トナー等のクリーニングブレードによる拭き残し等の好ましくない状態の発生を抑制して、それだけ良好な画像を形成できる。
【0121】
制御部は、感光体周辺オフセット温度Tfを算出するとき、既述のとおり、
(a) 感光体1(11)駆動中の感光体周辺の上昇温度、
(b) 感光体1(11)停止中の感光体周辺の降下温度、
(c) フィルタ101(104)による残留オゾン除去処理のためのファン102(105)動作による感光体周辺の降下温度及び
(d) 該ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度
を求めるのであるが、例えば、フィルタ101(104)による残留オゾン除去処理のためのファン102(105)の駆動が完了したときにおいて、それ以前にはファンを逆動作させて強制冷却処理したことが未だないという状態であれば、ファン駆動が完了したときの感光体周辺オフセット温度の計算において、(d) 項のファン逆動作による感光体周辺の降下温度は計算上「0℃」となるが、既にファンを逆動作させて強制冷却処理したことがあるのであれば、以前に算出した該温度も考慮されることになる。
【0122】
制御部Cont1(Cont2)は、強制冷却中も感光体周辺温度Tcを算出し、その感光体周辺温度が閾値温度35℃より低下すると、該ファンを停止させるが、強制冷却中に次の画像形成指示があり、該次の画像形成のために感光体1(11)が駆動されるとともに帯電装置2(12)が感光体を帯電し始めると、ファン102(105)をオゾン除去処理用に動作させる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、感光体帯電により発生するオゾンを、オゾン吸引ファンの駆動騒音を抑制して除去でき、また、感光体周辺温度上昇によるクリーニングブレードの劣化を抑制できる画像形成装置を提供することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の概略構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置におけるオゾン除去装置を示す図である。
【図3】図2に示すオゾン除去装置におけるファン動作の制御回路の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図5】図4の画像形成装置におけるオゾン除去装置のファン動作の制御回路の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0125】
A 画像形成装置
1 感光体
2 帯電装置
3 画像露光装置
4 現像装置
4H ラック
4Y イエロー現像装置
4M マゼンタ現像装置
4C シアン現像装置
4K ブラック現像装置
5 中間転写ベルト
51 駆動ローラ
52 1次転写ローラ
53 ローラ
54 従動ローラ
6 記録媒体供給部
61 記録媒体供給ローラ
62 タイミングローラ対
S 記録媒体
7 定着装置
81 排出ローラ対
8 排出トレイ
9、90 クリーナ
91、901 クリーニングブレード
10 オゾン除去装置
101 オゾン除去フィルタ
102 オゾン吸引ファン
103 ダクト
SE 環境検出センサ
Cont1 制御部

B 画像形成装置
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
11 感光体
12 帯電装置
13 画像露光装置
14 現像装置
141 現像ローラ
15 クリーナ
151 クリーニングブレード
20 1次転写ローラ
31 駆動ローラ
32 対向ローラ
40 中間転写ベルト
400 クリーナ
401 クリーニングブレード
500 2次転写ローラ
60 記録媒体供給カセット
601 記録媒体供給ローラ
602 タイミングローラ対
80 定着装置
R 排出ローラ対
TR 排出トレイ
100 オゾン除去装置
104 オゾン除去フィルタ
105 オゾン吸引ファン
106Y、106M、106C、106K、106 ダクト
Cont2 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体及び該感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該感光体を該帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であり、
前記帯電装置による前記感光体の帯電により発生するオゾンを除去するためのフィルタ及び該オゾンを含む空気を前記フィルタへ導くとともに該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を排出するファンを含むオゾン除去装置と、
画像形成装置の使用環境の温度及び湿度を検出する環境検出装置と、
前記オゾン除去装置のファンの動作を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、前記帯電装置による前記感光体の帯電中前記フィルタによるオゾン除去処理のために前記ファンを動作させ、該帯電装置による該感光体の帯電終了後もひき続き前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために帯電終了後駆動時間Tの間前記ファンを動作させ、
該帯電終了後駆動時間Tについては、該帯電装置による該感光体の帯電が終了したとき、該帯電装置による帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記帯電終了後駆動時間Tを、感光体帯電時間に応じて予め定められた基礎時間に感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数並びに環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の感光体及び該各感光体に対して設けられた帯電装置を有し、該複数の感光体のうち少なくとも一つの感光体を該感光体に対応する帯電装置で帯電させ、該感光体の帯電域に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を最終的に記録媒体に転写定着させる画像形成装置であり、
前記帯電装置による前記感光体の帯電により発生するオゾンを除去するためのフィルタ及び該オゾンを含む空気を前記フィルタへ導くとともに該フィルタによるオゾン除去処理後の空気を排出するファンを含むオゾン除去装置と、
画像形成装置の使用環境の温度及び湿度を検出する環境検出装置と、
前記オゾン除去装置のファンの動作を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、前記複数の感光体のうちいずれかの感光体を対応する帯電装置で帯電させている間前記フィルタによるオゾン除去処理のために前記ファンを動作させ、帯電させるべき全ての感光体についての帯電終了後もひき続き前記フィルタによる残留オゾン除去処理のために帯電終了後駆動時間Tの間前記ファンを動作させ、
前記帯電終了後駆動時間Tについては、帯電させる感光体ごとに、帯電装置による該感光体の帯電が終了したとき、該帯電装置による帯電時間と、該帯電装置による感光体帯電電圧と、前記環境検出装置で検出された温度及び湿度とに基づいて該感光体に対応する帯電終了後駆動時間tを決定し、該感光体対応帯電終了後駆動時間tの合計時間を求め、該合計時間をもって前記帯電終了後駆動時間Tとすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記感光体対応帯電終了後駆動時間tを、感光体帯電時間に応じて予め定められた基礎時間に感光体帯電電圧に応じて予め定められた帯電電圧係数並びに環境温湿度に応じて予め定められた環境係数を乗じて決定する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体に転写残トナーを除去するクリーニングブレードが接触配置されており、前記制御部は、前記環境検出装置により検出される温度に感光体周辺オフセット温度を加算して感光体周辺温度を求め、前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン駆動が完了したときの該感光体周辺温度が、前記クリーニングブレードの熱劣化抑制のために予め定めた閾値温度以上であると、前記ファンを逆動作させて感光体周辺域に外気を供給して該感光体周辺域を強制冷却し、前記感光体周辺オフセット温度については、(a) 感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度、(b) 感光体停止中の感光体周辺の降下温度、(c) 前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン動作による感光体周辺の降下温度及び(d) 前記ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度をそれぞれ算出し、それらを加算して前記感光体周辺オフセット温度とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度を、少なくとも、感光体駆動時間、予め求めた感光体駆動に伴う温度上昇のレート、フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モード及び片面印字か両面印字かの印字モードに基づいて算出する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体駆動中の感光体周辺の上昇温度を〔(感光体駆動時間)×(予め求めた感光体駆動に伴う温度上昇のレート)×(フルカラー画像形成モードかモノクロ画像形成モードかの印字色モードに応じて予め定められたカラー・モノクロ係数)×(片面印字か両面印字かの印字モードに応じて予め定められた印字係数)×(記録媒体種に応じて予め定められた記録媒体係数)〕により算出する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記感光体停止中の感光体周辺の降下温度を〔(該感光体停止時間)×(予め求めた感光体停止中の温度降下レート)〕により算出する請求項5、6又は7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記フィルタによる残留オゾン除去処理のための前記ファン動作による感光体周辺の降下温度を〔(該残留オゾン除去処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン動作による温度降下レート)〕により算出する請求項5から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記感光体周辺オフセット温度算出にあたっての前記ファンの逆動作による感光体周辺の降下温度を〔(該ファン逆動作による強制冷却処理中の感光体停止時間)×(予め求めた該ファン逆動作による温度降下レート)〕により算出する請求項5から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記算出した感光体周辺オフセット温度が0℃以下のときは、感光体周辺オフセット温度を0℃に設定する請求項5から10のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−3350(P2008−3350A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173501(P2006−173501)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】