説明

画像形成装置

【課題】ジャム処理時に、複数のカバーの中から開放すべきカバーを確実に開放して、効率よくジャム処理を行う。
【解決手段】シートを搬送するパスにおいてジャムが発生した場合、ジャム発生箇所に応じて、第1カバー71と第2カバー72とを使い分ける。第1カバー71は、下端に揺動中心71aを有していて、第1把手部71bを矢印a方向に引くことで開放することができる。第2カバー72は、第1カバー71のほぼ下半部に組み込まれていて、下端の揺動中心を有していて、第2把手部72dを矢印b方向に引くことで開放することができる。第1把手部71bのすぐ上方には第1ランプ73が配置され、第2把手部72dのすぐ下方には第2ランプ74が配置されていて、開放すべきカバーの把手部に近い側のランプが点灯されるので、ユーザはこれに従ってカバーを開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体の左側面又は右側面に、ジャム処理時に開閉する2つ以上の開閉部材を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ等の画像形成装置において、シートの搬送パスにおいて紙詰まり(ジャム)が発生した際には、通常、ユーザ自身によってジャム処理(ジャム紙の除去)が行われる。
【0003】
画像形成装置では、例えば、給紙カセットから排紙トレイに至る搬送パスが形成されていて、シートは、搬送パス中を搬送されながら、画像の転写や定着等が行われる。このため、シートは、搬送パス中の種々の箇所でジャムを発生させるおそれがあり、これに対応して、画像形成装置本体の種々の箇所が容易に開閉可能な開閉部材として構成されている。ジャムが発生した場合、ユーザは、ジャム発生箇所を特定し、これに対応する開閉部材を開放して、ジャム処理を行う。
【0004】
ところが、開閉部材が近接して複数配設されている場合には、ジャム発生時にユーザは、どの開閉部材を開放すべきかがわからず、必要のない開閉部材を開放する等、無駄な作業が発生していた。
【0005】
特許文献1には、このような無駄な作業の発生を防止する提案がなされている。このものは、複数の開閉部材にそれぞれLEDランプを配設し、センサによって検出されたジャム発生箇所に対応する開閉部材のLEDランプを点灯させるものである。ユーザは、点灯されたLEDランプが配設されている開閉部材を開放することで、不要な開閉部材を開放することなく、効率よくジャム処理を行うことができる。
【特許文献1】特開2003−295546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、複数のLEDランプは、そのほとんどが、画像形成装置本体の正面側、つまり操作パネルが配設されていて操作パネルの操作時にユーザが位置する側に配設されており、また、右側面に配設されている場合であっても、正面側のユーザから簡単に見つけることができる位置に配設されている。つまり、複数のLEDランプは、いずれもユーザからの視認が容易な位置に配設されている。このため、LEDランプが画像形成装置本体の左側面又は右側面の、正面側からは容易に視認できないような位置に配設されている場合には、これを簡単に見つけることができない。
【0007】
一方、これとは別に、画像形成装置本体でジャムが発生した際に、操作パネル上に、画像形成装置本体の簡単なイラストを表示し、さらにそのイラスト上にジャム発生箇所を表示する技術が知られている。ユーザは、その表示に従ってジャム発生箇所を特定し、これに対応する開閉部材を開放してジャム処理を行う。
【0008】
しかし、この技術では、ジャム発生箇所や開放すべき開閉部材を大まかに把握することしかできない。このため、例えば、開放すべき開閉部材が正面側にある場合には、ユーザは、操作パネル上の表示と見比べながら比較的容易に特定することができるものの、開放すべき開閉部材が左側面又は右側面に配置されていて他の開閉部材が近傍に配設されているような場合には、ユーザは、開放すべき開閉部材を操作パネルのイラストで特定した後、左側面又は右側面に回り込んで、特定する必要があるため、間違えて特定する可能性が高くなり、間違った開閉部材を無駄に開放してしまうおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、ジャム処理時に開放すべき開閉部材が、画像形成装置本体の左側面又は右側面に複数配設されている場合であっても、開放すべき開閉部材を容易に特定することができて、ジャム処理の効率化を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、画像形成装置本体内に、シートを搬送するシート搬送部と、前記シートに画像を形成する画像形成部とが設けられた画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、(1)前記画像形成装置本体の正面側に配置され、ジャム発生箇所を表示可能な操作パネルと、(2)前記画像形成装置本体の左側面と右側面とのうちの一方の側面に近接して配置されてシートが搬送される搬送パスと、(3)開閉時に手動操作される第1把手部を有するとともに前記一方の側面に開閉自在に配設され、閉鎖状態において前記搬送パスの一部を構成し、開放状態において前記搬送パスの一部を開放する第1開閉部材と、(4)開閉時に手動操作される第2把手部を有するとともに前記一方の側面に開閉自在に配設され、閉鎖状態において前記搬送パスの他の一部を構成し、開放状態において前記搬送パスの他の一部を開放する第2開閉部材と、(5)前記第1把手部の近傍に配置されて前記第1把手部を指示する第1点滅部材と、(6)前記第2把手部の近傍に配置されて前記第2把手部を指示する第2点滅部材と、(7)前記搬送パスの一部におけるシートのジャムを検知する第1センサと、(8)前記搬送パスの他の一部におけるシートのジャムを検知する第2センサと、(9)前記第1センサ又は前記第2センサからのジャム検知信号に基づいて、前記操作パネルに前記ジャム発生箇所を表示させるとともに、前記第1センサからのジャム検知信号に基づいて前記第1点滅部材を点灯させ、また、前記第2センサからのジャム検知信号に基づいて前記第2点滅部材を点灯させる表示手段と、を備える、ことを特徴としている。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記表示手段は、前記第1点滅部材又は前記第2点滅部材の点灯によって指示された前記第1開閉部材又は前記第2開閉部材が手動操作で開放されてジャム処理が終了した後に閉鎖された際に、前記第1点滅部材又は前記第2点滅部材を消灯するキャンセル手段を有する、ことを特徴としている。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記第1点滅部材及び前記第2点滅部材は、前記画像形成装置本体の正面側に向けて傾斜された発光面を有する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に係る画像形成装置において、前記搬送パスの他の一部は、前記第1開閉部材に形成され、前記第2開閉部材は、前記第1開閉部材の一部として構成されるとともに、前記第1開閉部材によって開閉自在に支持されている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ユーザは、ジャム発生時に、まず、画像形成装置本体の正面側の操作パネルにより、ジャム処理のために開放すべき開閉部材の一を大まかに知ることができ、例えば、一方の側面(左側面又は右側面)にあることを確認することができる。これに従って、ユーザが正面側から一方の側面に回り込むと、複数ある開閉部材のうち、開放すべき開閉部材の把手部が点滅部材の点灯によって指示される。このため、ユーザは、間違うことなく、その把持部を操作して開閉部材を開放することができるので、ジャム処理を効率よく行うことができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、ジャム処理後に第1開閉部材又は第2開閉部材を閉鎖すると、第1点滅部材又は第2点滅部材が消灯するので、ジャム紙が除去されたことを確認することができる。また、ジャム紙が残っている場合には、第1開閉部材又は第2開閉部材を閉鎖した場合でも、第1点滅部材又は第2点滅部材が消灯されないので、ジャム処理を即、再開することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、第1点滅部材及び第2点滅部材は、発光面が正面側に向かって傾斜されているので、ユーザは操作パネルのある正面側からでもこれら第1点滅部材及び第2点滅部材を視認しやすくなる。
【0017】
請求項4の発明によれば、第1開閉部材とは別体に第2開閉部材が設けられている場合と比較して、第2開閉部材を配設するためのスペースを節約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0019】
<実施形態1>
図1〜図10を参照して、本発明に係る画像形成装置2について詳述する。このうち、図1は、本発明に係る画像形成装置2を正面10a側(画像形成装置2の使用時にユーザ等が位置する側)の右斜め上方から見た斜視図である。図2は、画像形成装置2の内部の構成を、正面10a側から見て模式的に示す図である。ただし、上部に位置する画像読取部5は図示を省略している。図3は、図2の画像形成装置2の左側面(一方の側面)10bの近傍を拡大して詳細に示す図であり、第1カバー(第1開閉部材)71が閉鎖位置A1で、かつ第2カバー(第2開閉部材)72が閉鎖位置A2に配置されて、メイン搬送パスである第1パス(シート搬送部)P1及び両面搬送パスである第2パス(シート搬送部)P2が構成された状態を示す図である。図4は、第1カバー71が閉鎖位置A1で、かつ第2カバー72が開放位置B2に配置された状態を説明する図である。図5は、第1カバー71が開放位置B1で、かつ第2カバー72が閉鎖位置A2に配置された状態を説明する図である。図6は、閉鎖状態の第1カバー71の第1把手部71bと第1ランプ73の位置関係、及び第2カバー72の第2把手部72dと第2ランプ74の位置関係を説明する斜視図である。図7は、ジャム処理の動作の流れを説明するフローチャートである。図8は、第1ランプ(第1点滅部材)77及び第2ランプ(第2点滅部材)78の他の例を説明する斜視図である。図9(a),(b)は、第1カバー71のロック部材71hを説明する図である。図10は、操作パネル7の表示部7aに表示されるイラスト7cを示す図である。
【0020】
図1,図2を参照して、画像形成装置2の概略を説明する。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置2は、画像形成装置本体10を備えている。画像形成装置本体10の正面側には、前側に引き出し可能な給紙カセット20、前側に開閉自在な扉4が配設されており、右側面には、開閉自在な手差しトレイ21が配設されている。また、画像形成装置本体10の上側には、排紙トレイ57が設けてあり、その上方には、空間を介して、画像読取部5が配設されている。画像読取部5の上面には、画像が読み取られる原稿(不図示)が載置されるコンタクトガラス6が配設されていて、コンタクトガラス6の前側には、操作パネル7が配設されている。なお、同図では、コンタクトガラス6を上方から覆う、開閉自在な原稿押圧板は図示が省略されている。操作パネル7は、画像形成装置本体10の正面10a側に配置されていることになり、液晶パネルで構成された表示部7aとスタートボタンやテンキー等からなる複数の操作ボタン7bとを有している。表示部7aには、画像形成装置本体10内でジャムが発生した際に、画像形成装置本体10を模式的に示すイラスト7c(図10参照)と、ジャム発生箇所と、ジャム紙(ジャムを起こしたシートP)を除去するために開放すべき開閉部材(例えば、後述の第1カバー71,第2カバー72)を表示するようになっている。
【0022】
図2に示すように、画像形成装置2には、画像形成装置本体10の内側に、シート給送部11と、画像形成部12と、定着部13と、シート排出部14と、シート再給送部15とが設けられている。
【0023】
シート給送部11は、給紙カセット20からの給紙、手差しトレイ21からの給紙、画像形成装置本体10の下部に配設された大容量デッキ(不図示)からの給紙ができるようになっている。給紙カセット20からの給紙の場合、給紙カセット20内に積層状態で収納されたシートPは、給紙ローラ22によって給紙され、給送ローラ23及びリタードローラ24によって1枚だけ分離され、搬送ローラ対25によってレジストローラ対26に搬送される。また、手差しトレイ21からの給紙の場合、開放状態(図2に示す状態)の手差しトレイ21上にセットされたシートPは、手差し給送ユニット27によって給送され、さらに手差し搬送ユニット28によってレジストローラ対26に搬送される。また、大容量デッキからの給紙の場合、大容量デッキから給紙されたシートPは、画像形成装置本体10の左側面10bの近傍において上方に延びる第1パス(メイン搬送パス)P1に沿って搬送ローラ対30により、レジストローラ対26に搬送される。これら給紙カセット20、手差しトレイ21、大容量デッキから給紙されたシートPは、レジストローラ対26で一旦停止されて斜行が矯正された後、次に説明する画像形成部12の中間転写ベルト41によって搬送されるトナー像にタイミングを合わせるようにして、画像形成部12に供給される。
【0024】
画像形成部12には、4個の画像形成ステーション、すなわちブラック(BK),シアン(C),イエロー(Y),マゼンタ(M)の画像形成ステーション31,32,33,34と、露光装置35と、中間転写ベルトユニット3とが配設されている。なお、各画像形成ステーション31〜34の構成は同様であるので、シアンの画像形成ステーション32について、符号を付して説明し、他の画像形成ステーション31,33,34についての説明は省略するものとする。各画像形成ステーション31〜34には、感光ドラム(像担持体)36が配設されていて、これら感光ドラム36には、帯電装置37、露光装置35によって静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置38によってトナー像として現像される。感光ドラム36上に形成されたトナー像は、1次転写部T1において、1次転写ローラ40により、中間転写ベルトユニット3の中間転写ベルト41上に1次転写される。トナー像の1次転写後の感光ドラム36は、表面に残った転写残トナーがクリーニング装置42によって除去される。
【0025】
画像形成部12には、中間転写ベルトユニット3が配設されている。中間転写ベルトユニット3は、フレーム43と、このフレーム43によって支持された駆動ローラ44、従動ローラ45、テンションローラ46、1次転写ローラ40等の各ローラと、これらローラに張架された無端状の中間転写ベルト41とを備えている。中間転写ベルト41は、駆動ローラ44の回転によって矢印R41方向に回転する。上述の感光ドラム36上に形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ40によって1次転写部T1において中間転写ベルト41上に順次に転写され、中間転写ベルト41上で重ね合わされる。こうして中間転写ベルト41上で重ね合わされた4色のトナー像は、上述のシート給送部11から供給されたシートPに、2次転写部T2において2次転写ローラ47によって一括で2次転写される。一方、トナー像の2次転写後の中間転写ベルト41は、表面に残った転写残トナーがベルトクリーナ48によって除去される。
【0026】
定着部13には、定着ローラ50と、加熱ローラ51と、これらのローラに張架された定着ベルト52と、加圧ローラ53とが配設されている。定着ベルト52と加圧ローラ53との間には、定着ニップ部Nが形成されていて、上述の画像形成部12において表面にトナー像が転写されたシートPは、この定着ニップ部Nを通過する際に加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0027】
シート排出部14は、トナー像定着後のシートPを搬送ローラ対54により排紙パス55に沿って搬送し、排出ローラ対56によって排紙トレイ57上に排出するものである。
【0028】
シート再給送部15は、表面にトナー像が定着されたシートPを、上述の排紙パス55に搬送し、シート後端がフラッパ58を抜けた直後に、フラッパ58を切り換えるとともに、排紙ローラ対56を逆転することで、シートPを表裏反転して再搬送ローラ対60により第2パス(再搬送パス)P2に導く。その後、シートを再搬送ローラ対62,63によって搬送し、再度、画像形成部12に供給するものである。画像形成部12に供給されたシートPは、裏面にトナー像が転写され、定着部13で定着された後、排出パス55を通って、排紙トレイ57上に排出されるようになっている。
【0029】
上述構成の画像形成装置においては、シート給送部11から供給されたシートPに対し、画像形成部12で形成した4色のトナー像を一括で転写し、これらトナー像を定着部13で定着した後、シート排出部14の排紙トレイ57上に排出する。なお、必要に応じて、トナー像定着後のシートPは、シート再給送部15に送られて、裏面にもトナー像が転写され、定着された後、排紙トレイ57上に排出される。
【0030】
図3は、図2に示す画像形成装置2の左側面10b近傍の拡大図である。同図中の太い実線、すなわち下方から上方に向かって右に蛇行し、さらに左右に蛇行しながら上方に延び、上端において右方に延びる太い実線は、シートPの第1パスP1を示している。第1パスP1は、下方の大容量パス(不図示)から、レジストローラ対26、2次転写部T2、定着ニップ部N等を通って、排出ローラ対56に至るパスであり、片面に画像が形成されるシートPのメイン搬送パスとなる。これに対し、同図中で太い破線で示す第2パスP2は、第1パスP1の上端近傍から左方に分岐し、さらに下方に延び、下端近傍で右方に延びてレジストローラ対26の下側(シート搬送方向に沿っての上流側)で第1パスP1に合流している。この第2パスP2には、上述の再搬送ローラ対60,62,63等が配設されている。
【0031】
本実施形態においては、ジャムを検知するためのセンサとして、第1パスP1に配設されたセンサS1,S2、第2パスP2に配設されたセンサS3,S4を使用している。このうち、センサS1〜S3が特許請求の範囲における第1センサに相当し、センサS4が第2センサに相当する。
【0032】
図3に示すように、センサS1は、第1パスP1中を搬送されるシートPの搬送方向に沿っての、レジストローラ対26bの上流側(同図中では下方)に配設されており、センサS2は、定着ニップ部Nの下流側に配置されている。また、センサS3は、第2パスP2を搬送されるシートPの搬送方向に沿っての、再搬送ローラ対60の上流側に配設され、センサS4は、再搬送ローラ63の上流側に配設されている。なお、センサS1は、センサフラグの先端が、第2パスP2における、レジストローラ対26の上流側にも突出するように配置されている。センサS1〜S4のうち、第1センサに相当するセンサS1〜S3は、いずれも、第1パスP1及び第2パスP2のうち、後述の第1カバー71を開放することによって開放される部分に配設されている。一方、第2センサに相当するセンサS4は、第2パスP2のうち、後述の第2カバー72を開放することによって開放される部分に配設されている。
【0033】
これらのセンサS1〜S4は、いずれも揺動自在なセンサフラグ70とセンサフラグ70の基端側に配設されたフォトインタラプタ(不図示)とによって構成されている。センサS1〜S4は、シートPがない場合には、センサフラグ70の先端がパス中に突き出されていて、センサフラグ70の基端側がフォトインタラプタの光路を遮断している。そして、センサS1〜S4は、シートPによってセンサフラグ70の先端がパスから退避されると、センサフラグ70の基端側が移動し、遮断していた光路が開通されて、ON状態となる。このON状態が所定時間以上継続された場合に、ジャム検知信号を発生し、シートPがジャムしたことを検知するようになっている。ここで所定時間とは、搬送方向長さが最大のシートP(例えば、A3サイズ)がセンサフラグ70を通過する時間に余裕時間を加えた時間とする。
【0034】
後述する表示手段75aは、ジャム検知信号がセンサS1〜S4のうちのどのセンサから発生されたかによって、第1ランプ(第1点滅部材)73又は第2ランプ(第2点滅部材)74を選択的に点灯させるようになっている。なお、この点については、後に図7のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
なお、上述のセンサS1は、搬送されてくるシートPの先端を検知することにより、シートPに画像を形成する際の、画像形成動作のタイミングを決定するタイミングセンサとしても使用される。
【0036】
図2,図3に示すように、画像形成装置本体10の左側面(一方の側面)10bには、第1カバー(第1開閉部材)71及び第2カバー(第2開閉部材)72が開閉自在に配設されている。
【0037】
第1カバー71は、図3,図4中における下端側に揺動中心71aを有していて、この揺動中心71aを基準として、図3,図4に示すほぼ直立姿勢の閉鎖位置A1と、図5に示す傾斜姿勢の開放位置B1との間を揺動可能である。閉鎖状態(閉鎖位置A1に配置された状態)の第1カバー71は、図9に示すロック部材71hの当たり面71iを画像形成装置本体10側の係止部(不図示)に係合させることで、閉鎖状態を維持している。ロック部材71hは、図6中に示す第1カバー71の、後述の第1把手部71bを手前側(図6中の矢印a方向。なお、以下では、「手前側」とは、ユーザが左側面10bに対面した状態における手前側をいうものとする。したがって、正面10aに対面した状態では左側に相当する。)に引くことで後述する連結部材71jを介して解除することができるようになっている。一方、図5に示すように、開放状態(開放位置B1に配置された状態)の第1カバー71は、下端に突設されているストッパ71cを下方から画像形成装置本体10側の係止部10dに当接させることで、開放状態を維持している。図6に示すように、第1カバー71の下端側の揺動中心71aには、捩りばね71dが装着されている。第1カバー71は、この捩りばね71dにより、閉鎖方向に付勢されていて、手動での開閉動作を小さい力で行うことができるようになっている。
【0038】
図4に示すように、閉鎖状態における第1カバー71の左側の表面部71eは、ほぼ平面状に形成されていて、画像形成装置本体10の左側面10bとほぼ同一平面を構成している。また、第1カバー71の右側の面は、ほぼ上半部が右方に向かって凹状に形成されていて、第2パスP2の一部P2aを構成しており、ほぼ下半部が右方に向いて凸状に膨出されていて、第1パスP1の一部P1aを構成している。また、第1カバー71の下半部における表面部71eと第1パスP1の一部P1aとの間の膨出部には、上述の第2パスP2の一部P2aに連続するようにして、第2パスP2の一部P2bが下方に延び、さらに右方に延びて、レジストローラ対26の下方で、第1パスP1に合流するように形成されている。
【0039】
図6に示すように、第1カバー71の表面部71eにおける上下方向及び前後方向のほぼ中央には、第1把手部71bが配設されている。第1把手部71bは、ほぼ左右方向に長い長方形状に形成されていて、図4に示すように、上部の軸71fを基準として、下端部71gがほぼ手前側に揺動することができるようになっている。第1把手部材71bを手前側に引くと、図4に示す軸71fが図4中の時計回りに回転し、図9(b)に示す軸71fの端部のDカット部71kに係合されている連結部材71jの先端側が時計回りに回転する。この回転により、ロック部材71hの左端側が同方向に引っ張られ、ロック部材71は、軸71mを中心に反時計回りに回転する。これにより、当たり面71iが上昇して、画像形成装置本体10側の係止部から外れて、ロックが解除される。さらに、第1把手部71bを手前側に引くことで、第1カバー71を開放位置B1に配置することができる。
【0040】
第2カバー72は、図4,図6に示すように、ほぼ直方体状に形成されていて、第1カバー71の表面部71eの下半部に開閉自在に取り付けられている。第2カバー72は、図3に示すように、閉鎖位置A1に配置された第1カバー71に対して、ほぼ直立姿勢の閉鎖位置A2に配置されたときの下端側に揺動中心72aを有している。第2カバー72は、この揺動中心72aを基準として、第1カバー71によって揺動自在に支持されており、第1カバー71に対してほぼ直立姿勢の閉鎖位置A2と、図4に示すように、第1カバー71に対して傾斜姿勢の開放位置B2とをとる。つまり、第2カバー72は、第1カバー71が画像形成装置本体10に対して閉鎖位置A1及び開放位置B2をとるのに対して、第1カバー71に対して、閉鎖位置A2と開放位置B2とをとるように構成されている。第2カバー72は、図3に示す閉鎖状態において、左側に位置する表面部72bがほぼ平面状に形成されていて、第1カバー71の表面部71eとほぼ同一平面を構成している。また、第2カバー72は、表面部72bの裏面から右方に向けて上下方向に長いリブ72cが、前後方向に複数配設されている。これらリブ72cの先端は、図4に示すように、第2パスP2の一部P2cを構成している。
【0041】
図3,図6に示すように、第2カバー72の前後方向のほぼ中央の上端側には、第2把手部72dが形成されている。第2把手部72dの上方には、左右方向に長い凹部72eが形成されていて、その底部72fは、図3に示すように、図3中における左側が下方に位置するように傾斜されている。これにより、第2把手部72dは、その上端72gが上方に突出するようになっている。ユーザは、閉鎖状態の第2カバー72を開放する際には、この上端72gに手を掛けて手前側に引く。これにより、第2カバー72は、揺動中心72aを基準として、上端側が左方に揺動して図4に示す画像形成装置本体10側のストッパ10eに当接して開放位置B2に配置される。なお、閉鎖状態の第2カバー72は、スナップフィットによって画像形成装置本体10に係合されて閉鎖状態を維持している。このため、第2カバー72は、ユーザの積極的な開閉動作により、開閉することができる。
【0042】
図4,図6に示すように、第1カバー71における、第1把手部71bのすぐ上方には、第1ランプ(第1点滅部材)73が配設され、第2把手部72dのすぐ下方には、第2ランプ(第2点滅部材)74が配設されている。第1ランプ73は、ほぼ長方形状のカバー73aとその裏面側に配設されたLEDランプ73b及び基板73cとを有している。カバー73aは、例えば、緑色で半透明のプラスチック製(合成樹脂製)の部材であって、第1把手部71bを指し示す下向きの矢印がデザインされている。カバー73aの表面は、発光面73dとなり、本実施形態では、この発光面73dは、第1カバー71の表面部71eに対して平行で、かつ表面部71eから少し出っ張るように配置されている。LEDランプ73bは、基板73cに接続された状態で、カバー73aのすぐ裏面側に配置されている。
【0043】
第2ランプ74も、上述の第1ランプ73とほぼ同様に構成されている。すなわち、第2ランプ74は、ほぼ長方形状で、緑色の半透明のカバー74aと、その裏面側に配設されたLEDランプ74b及び基板74cとを有していて、カバー74aには、第2把手部72dを指し示す上向きの矢印がデザインされている。カバー74aの表面は、発光面74dとなり、本実施形態では、この発光面74dは、第1カバー71の表面部72bに対して平行で、かつ表面部72bから少し出っ張るように配置されている。LEDランプ74bは、基板74cに接続された状態で、カバー74aのすぐ裏面側に配置されている。
【0044】
上述の第1ランプ73及び第2ランプ74は、制御手段75のROMにプログラムとして格納されている表示手段75aに接続されていて、この表示手段75aによって、ON/OFFの選択及びON/OFFのタイミングが制御されている。表示手段75aは、上述のセンサS1〜S4のうちの、センサ4からジャム検知信号を受け取ったときに第2ランプ74を点灯させる。これに対して、センサS1〜S3のいずれかからジャム検知信号を受け取ったときには、第1ランプ73を点灯させる。表示手段75aは、これと並行して、操作パネル7の表示部7aに、画像形成装置2のイラスト7cと大まかなジャム発生箇所とを表示するとともに、ジャム処理のためのアプローチの方向、例えば、表面側からか、左側面側からか、右側面側からか等を表示する。
【0045】
制御手段75には、そのROMにプログラムとしてキャンセル手段75bが格納されている。画像形成装置本体10には、第1カバー71の開閉を検知する第1スイッチ(不図示)が配設されており、また第1カバー71には、第2カバー72の開閉を検知する第2スイッチ(不図示)が配設されている。第1スイッチ及び第2スイッチは、それぞれ第1カバー71、第2カバー72が開放されることでONとなり、閉鎖されることでOFFとなる。ここで、シートPのジャムが発生して、センサS4からジャム検知信号が発生されて、第2ランプ74が点灯されたとする。ユーザが、第2ランプ74の点灯に従って第2カバー72を開放すると第2スイッチがONされる。その後、ユーザがジャム紙を除去すると、センサS4がOFFとなり、第2カバー72を閉鎖すると、第2スイッチがOFFとなる。これにより、キャンセル手段75bは、第2ランプ74を消灯させる。つまり、キャンセル手段75bは、センサS4からジャム検知信号が発生された後、第2スイッチがON、センサS4がOFF、第2スイッチがOFFとなったことを条件に、第2ランプ74を消灯するようになっている。一方、シートPのジャムが発生したが、センサS4からはジャム検知信号が発生されず、かつセンサS1〜S3のいずれかからジャム検知信号が発生されて、第1ランプ73が点灯されたとする。ユーザが、第1ランプ73の点灯に従って第1カバー71を開放すると第1スイッチがONされる。その後、ユーザがジャム紙を除去すると、センサS1〜S3がOFFとなり、第1カバー71を閉鎖すると、第1スイッチがOFFとなる。これにより、キャンセル手段75bは、第1ランプ73を消灯させる。つまり、キャンセル手段75bは、センサS1〜S3のいずれかからジャム検知信号が発生された後、第1スイッチがON、センサS1〜S3がOFF、第1スイッチがOFFとなったことを条件に、第1ランプ73を消灯するようになっている。
【0046】
図7を参照して、上述構成の画像形成装置2における、ジャム処理時の動作の流れについて説明する。なお、ここでは、シートPの両面に画像を形成するものとする。すなわち、画像形成に際しては、第1パスP1と第2パスP2との双方が使用されることになる。
【0047】
画像形成がスタートした後、センサS4がONになったか否かを見る(ステップS1。以下単に「S1」のように略記する。)。センサS4がONとなった場合でも(S1の「YES」)、そのONの状態が所定時間経過しない場合には(S2の「NO」)、シートPがセンサS4を正常に通過しているものとして、引き続き、センサS4を監視する。センサS4は、ONされて(S1の「YES」)、所定時間が経過した場合には(S2の「YES」)、ジャム検知信号を発生する(S3)。表示手段75a(図4参照)は、センサS4からジャム検知信号を受けとると、操作パネル7の表示部7a(図1参照)に画像形成装置2のイラスト7c(図10参照)を表示するとともに、そのイラスト7c上にジャム発生箇所(第2パスP2)を表示し(S4)、さらに、ユーザがジャム処理を行うには、左側面10bからアプローチすればよいことを表示する。表示手段75aは、これと並行して、左側面10bにある第2カバー72の第2把手部72dを指し示す第2ランプ74を点灯させる(S5)。上述のように、第2把手部72dは、第1カバー71の第1把手部71bの近傍に配置されてはいるものの、第1把手部71bを指し示す第1ランプ73は点灯されずに、第2把手部72dのみが点灯される。したがって、表示部7aの指示に従って、左側面10bに回り込んだユーザは、たとえ表示部7aの内容を忘れたとしても、点灯された第2ランプ74を簡単に見つけることができ、この第2ランプ74が指示している第2把手部72dを操作すればよいことを容易に理解できる。
【0048】
ユーザが第2把手部72dに手を掛けてこれを手前側に引くと、第2カバー72が開放されて、第2スイッチがONされる。ここで、第2スイッチがONされない場合とは(S6の「NO」)、表示部7aにジャム発生箇所等が表示され(S4)、かつ第2ランプ72が点灯されているにもかかわらず、ユーザが第2カバー72を開放しない場合である。第2カバー72が開放されて第2スイッチがONされた状態(S6の「YES」)で、ユーザがジャム紙を除去すると、センサS4がOFFとなり(S7の「YES」)、さらに、ユーザが第2カバー72を閉鎖すると、第2スイッチがOFFとなる(S8の「YES」)。キャンセル手段75bは、センサS4がOFFになり、かつ第2スイッチがOFFになったことを条件に、第2ランプ74を消灯する(S9)。ここで、ユーザがジャム紙を除去したつもりで、第2カバー72を閉鎖した場合、第2スイッチはOFFとなるが、ジャム紙が残っていてセンサS4はOFFにならないので、上述の条件は満たされないために、第2ランプ74は、消灯されない。ユーザは、これを見て、ジャム紙が残っていることを知り、即、ジャム処理にかかることができる。つまり、ユーザは、画像形成装置本体10の正面10a側の表示部7aを確認することなく、左側面10bに位置したままで、第2カバー72を閉鎖することで、ジャム紙の除去が正常に行われたか否かを判断することができる。
【0049】
上述のステップS1において、センサS4がOFFの場合(S1の「NO」)、センサS1〜S3がONかを判断する(S10)。センサS1〜S4がOFFの場合(S10の「NO」)、ステップS1の前に戻る。一方、センサS1〜S3のいずれかがONの場合(S10の「YES」)、そのONの状態が所定時間経過しない場合には(S11の「NO」)、シートPがセンサS1〜S3を正常に通過しているものとして、引き続き、センサS1〜S3を監視する。センサS1〜S3は、ONされて(S10の「YES」)、所定時間が経過した場合には(S11の「YES」)、ジャム検知信号を発生する(S12)。表示手段75a(図4参照)は、センサS1〜S3からジャム検知信号を受けとると、操作パネル7の表示部7a(図1参照)に画像形成装置2のイラスト7cを表示するとともに、そのイラスト7c上にジャム発生箇所(第1パスP1又は第2パスP2)を表示し(S13)、さらに、ユーザがジャム処理を行うには、左側面10bからアプローチすればよいことを表示する。表示手段75aは、これと並行して、左側面10bにある第1カバー71の第1把手部71bを指し示す第1ランプ73を点灯させる(S14)。上述のように、第1把手部71bは、第2カバー72の第2把手部72dの近傍に配置されてはいるものの、第2把手部72dを指し示す第2ランプ74は点灯されずに、第1把手部71bのみが点灯される。したがって、表示部7aの指示に従って、左側面10bに回り込んだユーザは、たとえ表示部7aの内容を忘れたとしても、点灯された第1ランプ73を簡単に見つけることができ、この第1ランプ73が指示している第1把手部71dを操作すればよいことを容易に理解できる。
【0050】
ユーザが第2把手部71bに手を掛けてこれを手前側に引くと、第1カバー71は、上述のようにロックが解除されて開放され、第1スイッチがONされる。ここで、第1スイッチがONされない場合とは(S15の「NO」)、表示部7aにジャム発生箇所等が表示され(S13)、かつ第1ランプ71が点灯されているにもかかわらず、ユーザが第1カバー71を開放しない場合である。第1カバー71が開放されて第1スイッチがONされた状態(S15の「YES」)で、ユーザがジャム紙を除去すると、センサS1〜S3がOFFとなり(S16の「YES」)、さらに、ユーザが第1カバー71を閉鎖すると、第1スイッチがOFFとなる(S17の「YES」)。キャンセル手段75bは、センサS1〜S3がOFFになり、かつ第1スイッチがOFFになったことを条件に、第1ランプ73を消灯する(S18)。ここで、ユーザがジャム紙を除去したつもりで、第1カバー71を閉鎖した場合、第1スイッチはOFFとなるが、ジャム紙が残っていてセンサS1〜S3はOFFにならないので、上述の条件は満たされないために、第1ランプ73は、消灯されない。ユーザは、これを見て、ジャム紙が残っていることを知り、即、ジャム処理にかかることができる。つまり、ユーザは、画像形成装置本体10の正面10a側の表示部7aを確認することなく、左側面10bに位置したままで、第1カバー71を閉鎖することで、ジャム紙の除去が正常に行われたか否かを判断することができる。
【0051】
ジャム紙が正常に除去されて、第2ランプ74又は第1ランプ73が消灯されることで(S9又はS18)、ジャム処理が終了する。
【0052】
以上説明した画像形成装置によると、第1パスP1又は第2パスでジャムが発生した場合、ユーザは、まず、操作パネル7の表示部7aの表示により、ジャム処理のために一方の側面(上述では左側面10b)からアプローチすればよいことを確認することができる。つづいて、ユーザは、表示部7aの指示に従って、左側面に回り込むと、第1ランプ73と第2ランプ74の一方が点灯され、他方が消灯されているので、点灯されている方のランプが指し示す把手部(第1把手部71b又は第2把手部72d)を手前側に引くことで、その把手部に対応するカバーを開放して、ジャム紙を速やかに除去することができる。つまり、画像形成装置本体10の一方の側面に、ジャム処理時に開閉すべきカバー(開閉部材)が複数配置されているような場合であっても、ジャム処理に好適なカバーを確実に開閉させることができるので、効率よくジャム処理を行うことができる。
【0053】
また、第2カバー72が、第1カバー71に組み込まれているので、第2カバー72を第1カバー71とは別個の配設する際に必要となるスペースを節約することができる。
【0054】
また、第2カバー72は、第1カバー71の一部として考えることも可能であり、第2カバー72は、第1カバー71と比較して、小型で軽量であるため、その開閉動作が容易である。このため、図7のステップS1とステップS10とを比較すると明らかなように、センサS1〜S4のうちの、第2カバー72に対応するセンサS4(第2センサ)がONの場合は、他のセンサS1〜S3(第2センサ)のON/OFFにかかわらず、第2ランプ74をONとして、第1ランプ73をOFFとして、まず、ユーザに第2カバー74を開放することを促す。つまり開閉動作が容易な第2カバー74の開放によってジャム処理が可能である場合には、優先的にこれを行う。そして、第2カバー74の開放ではジャム処理が行えない可能性がある場合に限り、第1カバー73の開放を促すようにしている。これにより、ジャム処理にかかるユーザの負担を低減させることができる。
【0055】
図8は、第1ランプ(第1点滅部材)77及び第2ランプ(第2点滅部材)78の他の例を説明する斜視図である。なお、第1ランプ77及び第2ランプ78以外の構成は、上述と同様である。図8に示す例では、第1ランプ77及び第2ランプ78のカバー77a,78aの発光面77d,78dに、正面側に向けて傾斜角θを持たせている。すなわち、発光面77d,78dは、前端側に位置する部分よりも後端側に位置する部分の方が外側に出っ張るように、第1カバー71や第2カバー72の表面部71e,72bに対して、傾斜角θを持って配置されている。このように傾斜角θを付けることにより、正面側から矢印C方向に見たときに、第1ランプ71及び第2ランプ72の発光面77d,78dを見ることが可能となる。発光面77d,78dを、この状態からさらに、上端側に位置する部分よりも後端側に位置する部分の方が外側に出っ張るように上方に向けて傾斜させることにより、さらに発光面77d,78dを見やすくすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
上述では、本発明を、ジャム処理時に搬送パスを開放するための複数のカバーに適用する場合を例に説明したが、本発明にはこれに限定されず、ユーザによって操作される複数の部材が近接して配置されている場合に、操作すべき部材を的確に指示するような一般的な場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る画像形成装置を正面側(画像形成装置の使用時にユーザ等が位置する側)の右斜め上方から見た斜視図である。
【図2】画像形成装置の内部の構成を、正面側から見て模式的に示す図である。
【図3】図2の画像形成装置の左側面(一方の側面)の近傍を拡大して詳細に示す図であり、第1カバーが閉鎖位置A1で、かつ第2カバーが閉鎖位置A2に配置されて、第1パス及び第2パスが構成された状態を示す図である。
【図4】第1カバーが閉鎖位置A1で、かつ第2カバーが開放位置B2に配置された状態を説明する図である。
【図5】第1カバーが開放位置B1で、かつ第2カバーが閉鎖位置A2に配置された状態を説明する図である。
【図6】閉鎖状態の第1カバーの第1把手部と第1ランプの位置関係、及び第2カバーの第2把手部と第2ランプの位置関係を説明する斜視図である。
【図7】ジャム処理の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図8】第1ランプ及び第2ランプの他の例を説明する斜視図である。
【図9】(a),(b)は、第1カバーのロック部材を説明する図である。
【図10】操作パネルの表示部に表示されるイラストを示す図である。
【符号の説明】
【0058】
2……画像形成装置、7……操作パネル、7a……表示部、10……画像形成装置本体、10a……正面、10b……左側面(一方の側面)、10c……右側面、12……画像形成部、71……第1カバー(第1開閉部材)、71b……第1把手部、72……第2カバー(第2開閉部材)、72d……第2把手部、73,77……1ランプ(第1点滅部材)、73d,77d……発光面、74,78……第2ランプ(第2点滅部材)、74d,78d……発光面、75……制御手段、75a……表示手段、75b……キャンセル手段
P……シート、P1……第1パス(搬送パス、シート搬送部)、P2……第2パス(搬送パス、シート搬送部)、S1,S2,S3……センサ(第1センサ)、S4……センサ(第2センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体内に、シートを搬送するシート搬送部と、前記シートに画像を形成する画像形成部とが設けられた画像形成装置において、
前記画像形成装置本体の正面側に配置され、ジャム発生箇所を表示可能な操作パネルと、
前記画像形成装置本体の左側面と右側面とのうちの一方の側面に近接して配置されてシートが搬送される搬送パスと、
開閉時に手動操作される第1把手部を有するとともに前記一方の側面に開閉自在に配設され、閉鎖状態において前記搬送パスの一部を構成し、開放状態において前記搬送パスの一部を開放する第1開閉部材と、
開閉時に手動操作される第2把手部を有するとともに前記一方の側面に開閉自在に配設され、閉鎖状態において前記搬送パスの他の一部を構成し、開放状態において前記搬送パスの他の一部を開放する第2開閉部材と、
前記第1把手部の近傍に配置されて前記第1把手部を指示する第1点滅部材と、
前記第2把手部の近傍に配置されて前記第2把手部を指示する第2点滅部材と、
前記搬送パスの一部におけるシートのジャムを検知する第1センサと、
前記搬送パスの他の一部におけるシートのジャムを検知する第2センサと、
前記第1センサ又は前記第2センサからのジャム検知信号に基づいて、前記操作パネルに前記ジャム発生箇所を表示させるとともに、前記第1センサからのジャム検知信号に基づいて前記第1点滅部材を点灯させ、また、前記第2センサからのジャム検知信号に基づいて前記第2点滅部材を点灯させる表示手段と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記第1点滅部材又は前記第2点滅部材の点灯によって指示された前記第1開閉部材又は前記第2開閉部材が手動操作で開放されてジャム処理が終了した後に閉鎖された際に、前記第1点滅部材又は前記第2点滅部材を消灯するキャンセル手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1点滅部材及び前記第2点滅部材は、前記画像形成装置本体の正面側に向けて傾斜された発光面を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送パスの他の一部は、前記第1開閉部材に形成され、
前記第2開閉部材は、前記第1開閉部材の一部として構成されるとともに、前記第1開閉部材によって開閉自在に支持されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−179441(P2009−179441A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20084(P2008−20084)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】