説明

画像形成装置

【課題】画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能なトナーリサイクル式の画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写後の感光体ドラム10の表面に残留したトナーを回収するクリーニングデバイス60と、回収したトナーを収容する回収トナー貯蔵槽71と、回収トナー貯蔵槽71に収容されたトナーを攪拌する攪拌パドル74と、回収トナー貯蔵槽71の下部から現像デバイス40に回収トナーを搬出する回収トナー搬出部73とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、詳しくは、感光体表面の残留トナーを回収して現像器に再供給するトナーリサイクル式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を少なくとも2つ兼ね備えた複合機等に用いられる画像形成装置は、一様に帯電させた感光体ドラムの表面に画像情報に応じて選択的な露光をして潜像を形成し、形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を記録用紙に転写することにより画像形成を行う。そして、この記録用紙は、定着器にてトナー画像が定着された後に、排紙トレイに排紙される。近年、環境意識の高まりにより、感光体ドラムの表面に残留したトナーを回収して現像器に再供給するトナーリサイクル式の画像形成装置が普及している。
【0003】
画像形成時に、記録用紙から発生した紙粉が感光体ドラムの表面に付着することがあるが、この紙粉は残留トナーとともに回収される。そして、回収したトナーを現像器に再供給する際に、トナーとともに紙粉が現像器に供給されてしまう。そのため、画像形成を行うたびに、現像器内の紙粉が増える。紙粉を含むトナーにより現像が行なわた場合、紙粉によってトナーが凝縮しチリが発生するなど画質の劣化が問題となる。
【0004】
そこで、特許文献1には、現像器内の回収トナー貯留域にメッシュ面を有する紙粉捕集用パドルを設け、紙粉を捕集することが開示されている。
【特許文献1】特開2001−175082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような紙粉捕集用パドルを設けても、捕集可能な紙粉の量には限界がある。そのため、画像形成を繰り返しこの限界を超えると、多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ、画質が劣化するという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能なトナーリサイクル式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、転写後の前記感光体表面に残留したトナーを回収する回収部と、前記回収部が回収したトナーを収容する収容部と、前記収容部に収容されたトナーを攪拌する攪拌部と、前記収容部の下部から前記現像部にトナーを搬出する搬出部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記回収部が回収したトナーは、前記収容部の上部から搬入されることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記収容部が装置本体に脱着可能に設けられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像形成装置によれば、回収部は転写後の感光体表面に残留したトナーを回収する。回収部は、トナーを回収する際、トナー画像が転写された記録用紙から生じる紙粉をトナーとともに回収するので、収容部には回収されたトナーに混合して紙粉が収容される。収容部に収容された回収トナーが攪拌部により攪拌されると、回収トナーに含まれる紙粉の比重はトナーより軽いので、紙粉は収容部の主に上層部に集積する。よって、搬出部により収容部の下部から現像部に搬出される回収トナーには、ほとんど紙粉が混合しない。そのため、画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能となる。なお、収容部の下部とは、収容部の底部を含むものである。
【0011】
さらに、本発明に係る画像形成装置によれば、回収トナーは、収容部の上部から搬入されるので、攪拌部により攪拌され、直接的に収容部の下部から搬出部により現像部に搬送されることがない。よって、搬出部により現像部に搬出されるトナーに紙粉が混合することをより低減することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る画像形成装置によれば、収容部が装置本体に脱着可能に設けられるので、画像形成が繰り返され紙粉が多量に蓄積された収容部を装置本体から離脱させて交換または清掃等を行うことができる。そのため、より長期に渡って画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について図面に基づき説明する。該画像形成装置を装備するトナーリサイクル式のコピー・ファクシミリ複合機100は、図1にその内部構成の概略断面図を示すように、前記画像形成装置からなる画像形成部111等を内蔵した機台本体110と、記録用紙を順次供給する給紙カセット120とを具備している。機台本体110の底部に給紙カセット120が、該給紙カセット120の上方に画像形成部111がそれぞれ配設され、さらにその上方に排紙トレイ112が配設されている。給紙カセット120から排紙トレイ112へ記録用紙を搬送するための搬送路113は、給紙カセット120の一端側から上方へ向かって延設されて画像形成部111に至り、さらに上方へ延設された後、水平方向へ湾曲して排紙トレイ112へ通じるように形成されている。なお、図示しないが、コピー・ファクシミリ複合機100は、機台本体110の上方に、原稿の画像を読取るフラットベッドスキャナとして機能する読取載置台、及び画像読取りや記録の開始等を入力するための操作パネルを具備している。
【0014】
給紙カセット120は、各種サイズの記録用紙を貯蔵可能な箱状のものであり、装置底部に引出し可能に設けられて、必要に応じて記録用紙を装填できるようになっている。該給紙カセット120の内部には所定サイズの記録用紙を給紙位置に保持するガイド121が配設されている。給紙位置には、ピックアップローラ122及び分離パッド123が設けられており、ガイド121により給紙位置に位置せしめられた最上紙はピックアップローラ122に圧接する。ピックアップローラ122は、最上紙と圧接しながら回転することにより記録用紙を、給紙ローラ124とリバースローラ125とのニップに送り込む。リバースローラ125により多数枚送りが防止され、記録用紙が1枚ずつ搬送路113に繰り込まれる。
【0015】
画像形成部111は、図2にその主要部の拡大概略断面図を示すように、感光体ドラム(感光体)10と、該感光体ドラム10の周囲に配設された各種デバイス20、30、40、50、60と、機台前面側に配設されたトナーリサイクルデバイス70と、搬送路113に配設された定着デバイス80とから構成されている。感光体ドラム10の周囲には、具体的には、帯電デバイス20、LEDヘッド30、現像デバイス40、転写ローラ50、及びクリーニングデバイス60が配設されている。そして、感光体ドラム10、帯電デバイス20、及びクリーニングデバイス60は、プロセスユニットとしてカートリッジに収容されて一体となって、機台本体110に脱着可能に設けられている。
【0016】
感光体ドラム10は、不図示のモータにより所定速度で回転するものであり、帯電デバイス20により一定電圧に帯電される。帯電デバイス20は、スコロトロン帯電器と呼ばれる非接触のコロナ帯電方式のものである。帯電デバイス20は、図には詳細に示していないが、半空間を形成するケーシング電極の略中心に放電ワイヤが配設されるとともに、感光体ドラム10側にグリッド電極が配設されてなり、該放電ワイヤに所定の電圧が印加されることによりコロナ放電が生じ、該コロナ放電によるイオン量をグリッド電極で制御する。なお、帯電デバイス20には、非接触のコロナ帯電方式に代えて、接触型のローラ帯電方式等、他の帯電デバイスを採用してもよい。
【0017】
LEDヘッド30は、LEDアレイを記録画素数だけ並設し、該LEDアレイが発した光をセルフォックレンズアレイで感光体ドラム10の表面に結像する所謂自己発光型のプリンタヘッドである。LEDヘッド30は、前記感光体ドラム10に対して画像情報に基づいて感光体ドラム10の表面を選択的に露光して、該表面に静電潜像を形成する。帯電デバイス20により帯電された感光体ドラム10の表面は、LEDヘッド30により露光されることにより表面電位が減衰し、露光されていない部分との電位差により静電潜像が形成される。また、画像情報は、例えばフラットベッドスキャナとして機能する前記読取載置台で読み取った原稿の画像が電気信号としてLEDヘッド30に送信されるようになっている。なお、露光デバイスとして、LEDヘッド30の他に半導体レーザを用いた走査光学系のものを採用してもよい。
【0018】
現像デバイス40は、感光体ドラム10の表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部であり、機台本体110に脱着可能に設けられている。現像デバイス40は、トナー受入容器41と、2本のスクリュー(搬送オーガ)42、43及びパドル44と、現像スリーブ45と、規制ブレード46とを具備している。トナー受入容器41に収容されたトナーがスクリュー42、43及びパドル44により攪拌移送されて現像スリーブ45に供給される。規制ブレード46により現像スリーブ45の表面に一定の層厚に担持されたトナーが感光体ドラム10の表面に供給される。該感光体ドラム10の表面上の静電潜像をトナーにて現像することにより、トナー画像を感光体ドラム10の表面に形成している。
【0019】
2本のスクリュー42、43及びパドル44は、現像スリーブ45の軸線に平行で互いに並列した位置で回転可能なようにトナー受入容器41にそれぞれ軸支されている。スクリュー42はスクリュー43より機台前面端側が延長されて長くなっており、当該延長部がトナーリサイクルデバイス70から回収トナーの供給を受け入れる回収トナー受入部となっている。スクリュー42は、螺旋状の薄い羽根を備えており、矢印方向(反時計回り)に軸回転し、回収トナー受入部に供給された回収トナーを新トナーとともに攪拌しながら混合し、軸方向(長手方向)に機台奥面側に移送する。スクリュー42によって機台奥面側まで移送されたトナーは、不図示の連通口を介してスクリュー43側に供給される。スクリュー43は、螺旋状の薄い羽根及び放射状の薄い羽根を備えており、矢印方向(時計回り)に軸回転し、トナーを攪拌しながら軸方向(長手方向)に機台前面側に移送するとともに、一部のトナーをパドル44側へ供給する。パドル44は、放射状の薄い羽根を備えており、矢印方向(反時計回り)に軸回転し、トナーを攪拌しながら現像スリーブ45側へ供給する。
【0020】
パドル44側に供給されたトナーは、パドル44によって攪拌されるとともに、すくい上げられ掛けられることにより現像スリーブ45に供給される。攪拌によって帯電されたトナーは、現像スリーブ45上に穂立ちされたキャリア穂に保持される。
【0021】
現像スリーブ45は、感光体ドラム10に近接した位置で回転可能なようにトナー受入容器41に軸支されており、バイアス電圧が印加されることにより、その表面は帯電している。攪拌によって帯電されたトナーが供給されることにより、現像スリーブ45の表面にトナーが担持される。感光体ドラム10の軸回転に同調して現像スリーブ45が軸回転し、感光体ドラム10の静電潜像との電位差により現像スリーブ45の表面に担持されたトナーが感光体ドラム10に供給され、該感光体ドラム10の表面上の静電潜像が可視像化されトナー画像が形成される。
【0022】
規制ブレード46は、現像スリーブ45の表面に近接させてトナー受入容器41に配設されており、現像スリーブ45の表面に担持された余分なトナーを掻き落し、トナーの層厚を一定に規制する。
【0023】
転写ローラ50は、EPDM発泡体又はウレタンスポンジからなるローラであり、搬送路113の対向位置において感光体ドラム10に圧接されてなり、不図示の電気回路からバイアス電圧が印加されるようになっている。給紙カセット120から搬送路113を経て供給された記録用紙を感光体ドラム10及び転写ローラ50がニップしてバイアス電圧が印加されることにより、該感光体ドラム10の表面に形成されたトナー画像が記録用紙へ転写される。
【0024】
クリーニングデバイス60は、転写後の感光体ドラム10の表面に残留したトナーを回収する回収部である。クリーニングデバイス60は、クリーニングブレード61と、搬送スクリュー62、スクリュー63とを具備している。クリーニングブレード61が転写後の感光体ドラム10の表面に圧接されバイアス電圧が印加されることにより、感光体ドラム10の表面に残留したトナー及び紙粉を除去するとともに静電潜像を消去する。クリーニングブレード61が除去した残留トナーは、紙粉を含む回収トナーとして搬送スクリュー62とスクリュー63によって装置前面側に搬送される。なお、クリーニングデバイス60には、クリーニングローラ等による他の接触型方式、及び非接触方式を採用してもよい。
【0025】
トナーリサイクルデバイス70は、回収トナーを現像デバイス40に再供給するものであり、機台本体110に脱着可能に設けられている。トナーリサイクルデバイス70は、回収トナー貯蔵槽71と、回収トナー搬入部72と、回収トナー搬出部73とを具備しており、回収トナー貯蔵槽71には貯蔵した回収トナーを攪拌する攪拌パドル74が備わっている。
【0026】
回収トナー貯蔵槽71は、クリーニングデバイス60が回収した回収トナーを収容して貯蔵する収容部であり、機台の前面側に設けられている。回収トナー貯蔵槽71に軸支された攪拌パドル74は、図3に示すように、回収トナー貯蔵槽71に軸支される両端の回転軸74aと、格子平板状に形成されたパドル面74bとから構成されており、不図示のモータにより軸回りに回転運動する。攪拌パドル74の回転運動により、回収トナー貯蔵槽71に収容された回収トナーが攪拌され、トナーより比重が軽い紙粉が回収トナー貯蔵槽71の主に上層部に集積する。なお、攪拌パドル74の形状や構成は、図3に示したものに限定されるものではなく、種々の形状や構成であってもよい。ただし、攪拌パドル74のパドル面に貫通穴等を設けることによって、紙粉が上層部に集積されやすくなることが好ましい。
【0027】
回収トナー搬入部72は、クリーニングデバイス60の装置前面側から回収トナー貯蔵槽71の上部に連通する回収トナー搬入経路72aと、この回収トナー搬入経路72aに配置された搬入スクリュー72bとを有している。回収トナー搬入部72は、クリーニングデバイス60が回収した回収トナーを搬送して回収トナー貯蔵槽71に搬入する。クリーニングデバイス60の搬送スクリュー62とスクリュー63によって装置前面側に搬送された紙粉を含む回収トナーは、搬入スクリュー72bにより回収トナー搬入経路72a内を搬送されて、回収トナー貯蔵槽71の上部に設けられた開口から回収トナー貯蔵槽71内に搬入される。紙粉を含む回収トナーは、上部から回収トナー貯蔵槽71内に搬入され攪拌パドル74により攪拌されるので、紙粉が確実に回収トナー貯蔵槽71の主に上層部に集積する。
【0028】
回収トナー搬出部73は、回収トナー貯蔵槽71の下部から現像デバイス40の前記回収トナー受入口に連通する回収トナー搬出経路73aと、この回収トナー搬出経路73aに配置された搬出スクリュー73bとを有している。回収トナー搬出部73は、回収トナー貯蔵槽71の下部から回収トナーを搬送して現像デバイス40に搬出する。回収トナー貯蔵槽71内に貯蔵された回収トナーは、回収トナー貯蔵槽71の下部に設けられた開口を介して、搬出スクリュー73bにより回収トナー搬出経路73a内を搬送されて、前記回収トナー受入口から現像デバイス40内に搬入される。回収トナー貯蔵槽71内の紙粉は主に上層部に集積しているので、回収トナー搬出部73により搬出される回収トナーには、ほとんど紙粉が混合しない。なお、回収トナー貯蔵槽71の底部に開口を設け、この開口を介して、回収トナー搬出部73が回収トナーを排出するものであってもよい。
【0029】
なお、回収トナー貯蔵槽71は、紙粉が搬出されないように所定量以上のトナーを貯蔵することが好ましい。例えば、当初から新トナーを所定量貯蔵しておき、搬入される回収トナーと同量程度の貯蔵トナーを搬出するように、搬入スクリュー72bと搬出スクリュー73bを制御すればよい。また、回収トナー貯蔵槽71に貯蔵された回収トナーの量を監視するセンサを設け、貯蔵される回収トナーが所定量となるように、搬出スクリュー73bを制御してもよい。
【0030】
また、攪拌パドル74は、搬出スクリュー73bとは独立して回転駆動することが好ましい。回収トナー貯蔵槽71の上層部に蓄積された紙粉は、攪拌パドル74が回転駆動することなく長時間経過すると、下方へ移動することがある。そのため、搬出スクリュー73bが回収トナーの搬出を開始する前から、攪拌パドル74が回転駆動を開始することが好ましい。
【0031】
また、トナーリサイクルデバイス70は、所定の運転時間毎、または所定の画像形成枚数毎等に、機台本体110から離脱され、交換または清掃が行なわれることが好ましい。画像形成が繰り返されて回収トナー貯蔵槽71内に紙粉が多量に蓄積され、現像デバイス40に紙粉を多く含む回収トナーが搬出されることを防止するためである。
【0032】
定着デバイス80は、図1に示すように、搬送路113の対向位置に夫々配置された加熱ローラ81及び加圧ローラ82からなり、搬送路113を搬送された記録用紙上のトナー画像を加熱及び加圧して固定する。トナー画像が転写された記録用紙が、該加熱ローラ81と加圧ローラ82とにニップされることにより記録用紙上のトナーが溶融されて固定される。このように構成された画像形成部111により、前記読取載置台で読み取られた原稿の画像が記録用紙上に形成されるようになっている。
【0033】
このように構成された画像形成部111へは、給紙カセット120から搬送路113に沿って記録用紙が搬送され、画像形成部111により画像が形成された記録用紙は排紙トレイ112へ排出される。給紙カセット120から画像形成部111へ向かって搬送された記録用紙は、レジストローラ91,92によりニップされ、画像形成部111へ搬送される。画像形成部111と排紙トレイ112との間の搬送路113には適宜搬送ローラ93が設けられており、搬送ローラ93により画像が形成された記録用紙が搬送され、排紙トレイ112へ排出される。このような搬送路113により、給紙カセット120から排紙トレイ112へCパスが形成されている。
【0034】
以上説明したように、このコピー・ファクシミリ複合機100によれば、図2に示すように、回収トナー貯蔵槽71に貯蔵された回収トナーが攪拌パドル74により攪拌される。回収トナーに含まれる紙粉の比重はトナーより軽いので、紙粉は回収トナー貯蔵槽71の主に上層部に集積する。よって、回収トナー搬出部73により回収トナー貯蔵槽71の下部から現像デバイス40に搬出される回収トナーには、ほとんど紙粉が混合しない。そのため、画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能となる。
【0035】
さらに、このコピー・ファクシミリ複合機100によれば、回収トナーは、回収トナー貯蔵槽71の上部から搬入されるので、攪拌パドル74により攪拌され、直接的に回収トナー貯蔵槽71の下部から回収トナー搬出部73により現像デバイス40に搬送されることがない。よって、回収トナー搬出部73により現像デバイス40に搬出されるトナーに紙粉が混合することをより低減することができる。
【0036】
さらに、このコピー・ファクシミリ複合機100によれば、トナーリサイクルデバイス70が機台本体110に脱着可能に設けられるので、画像形成が繰り返され紙粉が多量に蓄積されたトナーリサイクルデバイス70を機台本体110から離脱させて交換または清掃等を行うことができる。そのため、より長期に渡って画像形成を繰り返しても多量の紙粉を含むトナーにより現像が行なわれ画質が劣化することを防止することが可能となる。
【0037】
なお、本実施の形態で示したコピー・ファクシミリ複合機100の構成は、本発明に係る画像形成装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、トナーリサイクルデバイス70を、排紙トレイ112の下方の機台前面側に設ける場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、トナーリサイクルデバイス70を機台奥面側に設けてよく、さらに、トナーリサイクルデバイス70の回収トナー貯蔵槽71等を現像デバイス40より前面側または奥面側に設けてもよい。
【0038】
また、回収トナー貯蔵槽71の上層部に蓄積された紙粉を、回収トナー貯蔵槽71とは別個の廃棄槽に排出する紙粉廃棄手段を設けてもよい。例えば、回収トナー貯蔵槽71の上部にファンを設け、ファンにより紙粉を吹き飛ばしてトナーから分離し、紙粉を廃棄槽に蓄積してもよい。また、回収トナー貯蔵槽71の上部に排出通路を設け、この排出経路から定期的に回収トナー貯蔵槽71の上層部に位置する紙粉を多く含む回収トナーを搬出し、廃棄槽に蓄積してもよい。そして、このような廃棄槽を機台本体110に脱着可能に設け、廃棄槽を交換または清掃するようにしてもよい。
【0039】
また、回収トナー貯蔵槽71に回転運動する攪拌パドル74を設ける場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、回収トナー貯蔵槽71に貯蔵された回収トナーを少なくとも何らかの上下方向に攪拌するものを設ければよく、例えば、上下運動または螺旋運動等するものであってもよい。
【0040】
また、トナーリサイクルデバイス70が機台本体110に脱着可能に設ける場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、トナーリサイクルデバイス70の回収トナー貯蔵槽71のみを機台本体110に脱着可能に設けてもよい。さらに、トナーリサイクルデバイス70を現像デバイス40または前記プロセスユニットと一体化して設けてもよい。そして、現像デバイス40またはプロセスユニットの交換時に、トナーリサイクルデバイス70も同時に交換してもよい。
【0041】
また、トナーリサイクルデバイス70が、回収トナー搬入部72及び回収トナー搬出部73を具備する場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、回収トナー搬入部72または回収トナー搬出部73を具備しないものであってもよい。例えば、クリーニングデバイス60の搬送スクリュー62とスクリュー63によって直接回収トナーを回収トナー貯蔵槽71に搬入するものであってもよい。また、回収トナー貯蔵槽71の底部から落下して、直接回収トナーが現像デバイス40に搬入されるものであってもよい。
【0042】
また、現像デバイス40に新トナーを供給するトナーカートリッジ等の新トナー供給器を備えない場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、新トナー供給器を備えるものであってもよい。この場合、トナーリサイクルデバイス70により回収トナーを、現像デバイス40に直接的に供給するものでなく、回収トナーを新トナー供給器に供給するものであってもよい。
【0043】
さらに、本実施の形態では、画像形成装置をコピー・ファクシミリ複合機100として実施した態様を説明したが、画像形成装置はこれに限定されず、プリンタ、ファクシミリ、複写機及びこれらの任意の複合機等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るコピー・ファクシミリ複合機100を示す概略縦断面図である。
【図2】画像形成部111の主要部を示す拡大概略縦断面図である。
【図3】攪拌パドル74の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10 感光体ドラム(感光体)
40 現像デバイス(現像部)
60 クリーニングデバイス(回収部)
70 トナーリサイクルデバイス
71 回収トナー貯蔵槽(収容部)
72 回収トナー搬入部
73 回収トナー搬出部(搬出部)
74 攪拌パドル(攪拌部)
100 コピー・ファクシミリ複合機(画像形成装置)
110 機台本体(装置本体)
111 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像部と、
転写後の前記感光体表面に残留したトナーを回収する回収部と、
前記回収部が回収したトナーを収容する収容部と、
前記収容部に収容されたトナーを攪拌する攪拌部と、
前記収容部の下部から前記現像部にトナーを搬出する搬出部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回収部が回収したトナーは、前記収容部の上部から搬入されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記収容部が装置本体に脱着可能に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−210895(P2009−210895A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54953(P2008−54953)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】