画像形成装置
【課題】画像形成装置に組み込まれる濃度センサの出力レベルの個体間誤差や画像形成特性の変化を補正し、高い精度の階調補正を安定して行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】同一印字率、且つ、異なる解像度のラインパターンを像担持体上に形成し、該ラインパターンの濃度を濃度センサで検知し、異なる解像度間で検知濃度が一致した時の濃度センサの出力を基準値であるセンサ出力とする工程を複数の印字率に関して実行して複数のセンサ出力を求め、求めたセンサ出力から階調画の濃度に対応したセンサ出力を設定する。
【解決手段】同一印字率、且つ、異なる解像度のラインパターンを像担持体上に形成し、該ラインパターンの濃度を濃度センサで検知し、異なる解像度間で検知濃度が一致した時の濃度センサの出力を基準値であるセンサ出力とする工程を複数の印字率に関して実行して複数のセンサ出力を求め、求めたセンサ出力から階調画の濃度に対応したセンサ出力を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて画像を形成するデジタル画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置では、一般に面積階調法により画像が形成される。
【0003】
而して、面積階調法により形成される画像はドット画像であり、画像の濃度は、地肌に対する印字部の面積の比率により表現されるために、個々のドットの面積が、画像の解像力のみでなく、画像の階調にも影響する。
【0004】
従って、個々のドット面積の制御精度を上げることにより、高画質の画像を形成する技術が開発されている。
【0005】
例えば特許文献1では、ラインパターンを構成する線の線幅を高い精度で設定することにより、高画質の画像を形成する条件を設定することが提案されている。
【0006】
即ち、特許文献1では、1画素の線からなるラインパターンの反射光量、ベタ画像からなるパターンの反射光量及び非画像部の反射光量に基づいて、線幅設定用パターンにおける線幅を演算し線幅を設定する発明が開示されている。そして線幅を正確に設定することでドットの大きさを制御し、中間調画像を表現するための網点画像の網点の大きさ(面積)を制御することで正確な階調表現を有する高画質の画像を得るようにしている。
【特許文献1】特開2003−287931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の方法では、作像手段の変動や濃度センサの個体差などのばらつきで濃度センサに変動が生じた場合に、検知誤差が生じ、線幅を正確に再現することが困難である。そのため正確な階調表現という点で十分ではなかった。
【0008】
本発明は、従来のデジタル画像の画質制御におけるこのような問題を解決し、濃度センサのばらつきや画像形成特性の変化等による誤差が除去された濃度センサ出力の基準値を、階調曲線上の複数点において設定することにより、高精度の階調再現を可能とし、階調再現性に優れた高画質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0010】
1.像担持体、該像担持体上にラインパターンを形成する像形成手段、前記ラインパターンの濃度を検知する濃度センサ及び該濃度センサの出力に基づいて、前記濃度センサの出力を設定するセンサ出力設定手段を有する画像形成装置であって、
前記センサ出力設定手段は、前記像形成手段によって異なる複数のパターン画像形成条件により、第1の解像度の第1のラインパターン、及び前記異なる複数のパターン画像形成条件により、前記第1の解像度と異なる第2の解像度の第2のラインパターンを前記像担持体上に形成し、
前記濃度センサによって前記第1、第2のラインパターンの濃度を検知し、
形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で、解像度を除いて同一のパターン画像形成条件で一致したときの前記濃度センサの出力の基準値を異なる印字率について複数求め、前記印字率に対応した複数の基準値を設定することにより、階調曲線に対応した前記濃度センサの出力を設定することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
2.前記像形成手段は、パルス駆動されて前記像担持体を駆動する露光手段を有し、
前記パターン画像形成条件は、前記露光手段を駆動するデューティ比を変えた条件であることを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0012】
3.前記センサ出力設定手段は、前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で前記濃度センサの出力が一致するまで、前記パターン画像形成条件を変えて、前記ラインパターンの形成と前記濃度センサによる濃度検知とを繰り返すことにより前記基準値を取得することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0013】
4.前記センサ出力設定手段は、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第1のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第1のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第2のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第2のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記第1のラインパターンの検知濃度と、複数の前記第2のラインパターンの検知濃度とから演算により前記基準値を設定することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0014】
5.前記センサ出力設定手段により決定された前記濃度センサの出力に基づいて、画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、濃度計、測色器等の特別な治具を用いることなく、階調曲線上の複数点に対応した濃度センサの出力の補正を行うことが可能となり、低コスト、且つ、高効率で濃度センサを補正することが可能となる。
【0016】
濃度センサの出力に基づいて、画質制御が行われるが、階調曲線上の前記複数点における補正された濃度センサ出力に基づいた画質制御が行われるので、画像形成装置の個体差によるばらつきや各種の変動要因が総合的に除去され、高画質の画像を安定して形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<画像形成装置>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示し、複写機、ファクシミリ、プリンタの機能を有する、通称、複合機と呼ばれる装置を示す概略構成図である。
【0018】
画像形成装置は、本体の上部に自動原稿送り装置ADFを有し、本体は、画像読取部1、画像形成部3、操作表示部4、給紙部5、排紙再給紙部6、および、定着手段7等から構成されている。
【0019】
自動原稿送り装置ADFは、原稿載置台11に載置された原稿を原稿分離手段12によって一枚ずつ原稿搬送手段13に送り出し、原稿搬送手段13は送られた原稿を原稿排紙手段14に搬送し、原稿排紙手段14は送られた原稿を原稿排紙台15に排紙する。原稿画像は原稿搬送路に設けられた、画像読取部1の原稿画像読み取り位置であるスリット21にて読み取りがなされる。
【0020】
原稿両面の画像を読み取る場合には、一対のローラを有する原稿反転手段16によって、第1面を読み取られた原稿が表裏反転されて、再度、原稿搬送手段13に送り出されることにより第2面の読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿は原稿排紙台15に排紙される。
【0021】
画像読取部1は、原稿画像を読み取って画像データを得るための手段であり、スリット21の位置にて、ランプ231により光照射された原稿画像を第1ミラーユニット23と、第2ミラーユニット24と、結像レンズ25とによりライン状のCCDである撮像素子26に結像させている。撮像素子26から出力された信号は、A/D変換され、シェーディング補正、画像圧縮等の処理がなされて画像データとして保存される。
【0022】
露光手段33は、レーザダイオードを光源して有し、画像データに基づき、レーザビームとポリゴンミラーとにより、帯電手段32によって一様帯電されて回転している感光体31の表面を走査して、感光体31の面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。なお、露光手段33の光源としては、画像データに基づいて感光体31をドット露光する光源を用いることができ、レーザダイオードの他に、LEDアレイ、液晶、プラズマ等を用いることができる。
【0023】
前記静電潜像は、画像形成部3の現像手段34により反転現像されて、トナー画像が感光体31上に形成される。
【0024】
トナー形成のタイミングに対応して、手差し給紙部55、もしくは、転写材である記録紙Sを収容するカセットやトレイを有する給紙部5からは、記録紙Sが給送され、搬送ローラ56により搬送され、タイミングローラ39によって像担持体上に形成された前記トナー画像との位置合わせのための同期が取られて転写領域に送り出される。
【0025】
転写領域において、感光体31の表面に形成されたトナー画像は、転写手段35により反対極性に帯電された記録紙Sに転写される。
【0026】
トナー画像を担持した記録紙Sは、分離除電手段36の作用により、感光体31の表面から分離し、定着手段7に送られる。
【0027】
定着手段7において、トナー画像を担持した前記記録紙Sは、加熱ローラ71と加圧ローラ72により加熱加圧を受けながら搬送され、トナー画像が記録紙Sに定着されて、排出ローラ63によって機外の排紙台64に排出される。
【0028】
なお、記録紙Sを表裏反転して排紙台64に排出する場合には、切換ガイド62により、記録紙Sを排紙再給紙部6に導き、記録紙Sをスイッチバックさせて排出ローラ63に送る。
【0029】
また、記録紙Sの両面に画像形成をする場合には、第1面の定着を終えた記録紙Sを、切換ガイド62により排紙再給紙部6に導き、反転部65にて反転させた後、給紙のための搬送路66に送り出し、第2面の画像形成に供する。
【0030】
一方、記録紙Sへのトナー画像の転写を終えた感光体31の表面は、クリーニング手段37により残留トナーが除去されて次なる画像形成に向けての準備がなされる。
【0031】
画像形成においては、矢印で示すように時計方向に回転する感光体31に対して、帯電手段32の帯電及び露光手段33の露光により感光体33上に静電潜像が形成され、現像手段4の現像によりトナー像が形成される。形成されたトナー像は転写手段35により記録紙Sに転写され、転写されたトナー像が定着手段7により定着される。
【0032】
図2は図1に示す画像形成装置における画像形成、画質制御及び以下に説明する濃度センサ補正を行う制御系のブロック図である。
【0033】
200は画質制御において、最適の画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段であるとともに、後に説明する濃度センサの出力を決定するセンサ出力設定手段である。
【0034】
201は画像形成、画質制御、濃度センサ出力決定等の各種工程を実行するためのプログラムを記憶しているROM、202はCPU200の作業用のRAM、203は後に説明する濃度センサ100の基準値を含む各種のパラメータを記憶する記憶手段としての不揮発メモリ、204は図1における帯電手段32、露光手段33及び現像手段34を含み、感光体31上にトナー像を形成する像形成手段である。
【0035】
像形成手段204は濃度センサの出力を決定する工程においては、ラインパターンを形成する。
【0036】
205は、画像データを格納する画像メモリ、206は露光手段33を駆動する画像データを生成する画像処理回路である。
【0037】
画像処理回路は、ラインパターンを形成するための画像データを生成する。
【0038】
画像形成においては、CPU200は像形成手段204を制御して画像を形成する。画像形成においては、画像メモリ205から画像データが供給され、画像処理回路205において処理された画像データに基づいて像形成手段204の露光手段33が駆動され、露光を行いトナー像が形成される。
【0039】
濃度センサの出力決定においては、画像処理回路206において、ラインパターンの画像データが生成され、該画像データに基づいて、露光手段33が駆動され、感光体31上にラインパターンが形成される。
<濃度センサ>
図3は濃度センサを示し、図3(a)は濃度センサ100の側面図、図3(b)は濃度センサ100の検知領域を示す。濃度センサ100は反射型濃度センサであり、感光体や中間転写体等の像担持体PCに向けて光放射するLED100A及び像担持体からの反射光を受光するホトダイオード100Bを有する。
【0040】
像担持体P上の像Tの濃度Dは濃度センサ100により検知される検知領域Eの反射率像Rに対して、式(1)の関係にある。
D=−log10R・・・・・(1)
図3(b)に示すように濃度センサ100の検知領域E内には複数の像Tが存在する場合があり、
反射率Rは次の式(2)で表され、領域Eの平均反射率である。
R=A×DR+(1−A)×WR・・・・・(2)
Aはカバレッジ、即ち、検知領域Eの面積に対して、像Tが占める面積の割合、DRは画像Tを構成しているトナーの反射率、WRは地肌の反射率である。
<濃度センサの出力設定>
濃度センサの出力決定には、ラインパターンが用いられ、像形成手段204がラインパターンを像担持体上に形成し、形成したラインパターンの濃度を濃度センサ100が検知し、検知結果に基づいて、CPU200が濃度センサ100の出力を設定する。
【0041】
最初に、印字率及びカバレッジについて説明する。
【0042】
本発明における印字率は、画像データに基づいて画像形成手段を駆動し面積階調法により画像を形成する場合において、単位面積内に黒画像を形成する画像データの量である。
【0043】
図4(a)(b)のラインペアパターンの例では、画像が互いに等しい量の黒画像データと白画像データとにより形成されており、印字率50%の画像である。
【0044】
カバレッジは形成されたトナー画像において、単位面積の中で黒トナー画像が占める割合である。
【0045】
図4(a)の理想的なラインペアパターンでは、黒画像部と白画像部とが等しい面積を占める(理想の線幅となる)ので、ラインペアパターンのカバレッジは50%である。
【0046】
図4(b)は、印字率50%の画像データに基づいて形成されたラインパターンの実際のトナー画像を示す。
【0047】
図4(b)の例では、黒画像が黒色部とグレイ部とで示されており、グレイ部は理想の線幅から外れた部分を示す。
【0048】
図4(b)の画像では、印字率は50%であるが、カバレッジは50%よりも大きい。
【0049】
このため濃度センサの出力決定においては、図5に示すラインパターンが用いられる。
【0050】
以下、図5のラインパターンに基づいて濃度センサの出力を補正し、誤差を除去した濃度センサ出力を決定する方法について、説明する。
【0051】
図5(a)(b)に示すラインパターンは印字率50%のラインパターンである。
【0052】
図5(a)のラインパターンは20本/mmの解像度を持ち、図5(b)のラインパターンは10本/mmの解像度を持つ。
【0053】
図5(a)、(b)において、黒色部が理想の画像であり、グレイ部が理想から外れた画像である。
【0054】
なお、実際の画像は黒+グレイであり、図5は理想に対して、実際の画像が太く形成されている場合を示す。
【0055】
各ラインにおいて、グレイ部の幅Δは、ライン数が異なっても、言い換えると理想のラインの幅W1と、W2とが異なっても一定しており、図5(a)と図5(b)とにおいて幅Δは等しい。
【0056】
濃度センサの検知領域が、図5(a)では4本のラインをカバーし、図5(b)では2本のラインをカバーする場合に、
図5(a)の画像の印字面積Sa=4×W1+8Δ
図5(b)の画像の印字面積Sb=2×W2+4Δ
となる。
【0057】
図5(a)と図5(b)とは等しい濃度値の画像データに基づいて等しいカバレッジの像として形成され、4×W1=2×W2であるので、実際の印字面積は画像の太りにより形成された印字面積の差4Δだけ、図5(a)の方が図5(b)よりも広くなる。従って、濃度センサにより検知される濃度は図5(a)の方が、図5(b)の画像よりも高くなる。
【0058】
このようにして、解像度が異なる場合に、同一印字率の画像データに基づいて形成された画像が濃度センサにより異なる濃度を有するものとして検知されるという誤差が生ずる。
【0059】
ラインパターンを検知した濃度センサの真の出力、即ち、誤差を除去した出力は次に説明する方法により求められる。
【0060】
図6は所定の印字率の濃度データに基づいた露光における露光量と形成された画像の濃度を検知した濃度センサの出力との関係を示す。
【0061】
曲線L1は曲線L2よりも解像度が低いラインパターンに対する濃度センサ出力である。
【0062】
図6のように同一印字率の画像データに基づいて形成されるラインパターンの濃度を濃度センサ100で検知したときに、点Pの出力Vにおいて、解像度の異なるラインパターンの検知出力が一致する。
【0063】
このことは、図5に示すグレイ部による誤差が点Pにおいて除去されていることを示し、点Pのセンサ出力Vを印字率50%であり、且つ、バレッジ50%のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力として用いることができることを示しており、センサ出力Vは階調画に対応した濃度センサ100の出力を設定する際の基準値として用いられる。
【0064】
画像形成装置において、センサ出力Vを求める工程の例を図7〜9を用いて説明する。
【0065】
図7〜9を用いて、基準値としてのセンサ出力Vを求める工程を説明する。
【0066】
図7はセンサ出力Vを求める工程の一例のフローチャートである。
【0067】
本例は、濃度センサの出力が画像の解像度により変動しない点を、画像形成・濃度検知のループを繰り返すことにより検出し、変動のない点における濃度センサの出力を基準値として設定する例である。
【0068】
STEP1において、LPH{LED(発光ダイオード)Print Head}を駆動する駆動パルスのデューティ比の初期値を、たとえば、80%に設定する。
【0069】
STEP2において、LPHを駆動して静電潜像を形成し、現像することにより、像担持体上に図8(a)に示す1ドットラインペアパターン及び図8(b)の2ドットラインペアパターンが形成される。図8において、主走査方向Xに1ドット毎の白黒画素が繰り返されY方向の副走査で形成される図8(a)の1ドットラインペアパターンは、2ドット毎に白黒が繰り返される図8(b)の2ドットラインペアパターンの2倍の解像度を有する。なお、図8において、●は印字画素を示し、○は非印字画素を示す。
【0070】
STEP3において、ラインパターンを検知した濃度センサの出力を読込み、STEP4において、図8(a)のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力Aと、図8(b)のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力Bとの差Δを計算する。
【0071】
差Δ=0のときは(STEP5のyes)、濃度センサの出力Vを不揮発メモリ203に基準値として記憶する(STEP6)。
【0072】
前記の例では基準値が対応するラインパターンの印字率を50%にしているが、50%以外の値とすることも勿論可能である。
【0073】
STEP5のno、即ち、出力Aと出力Bとが等しくないときは、STEP7において、デューティ比を変更し、STEP2に戻ってラインパターンを形成が行われる。
【0074】
STEP7のデューティ比変更においては、AとBとの大小に対応したデューティ比の変更が行われ、Δが正、即ち、画像が太って形成された場合には、デューティ比を低くする変更が行われ、Δが負、即ち、画像が細って形成された場合には、デューティ比を高くする変更が行われる。
【0075】
不揮発メモリ203に記憶される値は、解像度以外の画像形成条件を同一にしてラインパターンを形成した場合に、異なる解像度のラインパターン間で一致した濃度センサの出力であり、基準線幅(たとえば、50μm)のラインパターンを表す出力として用いることができる。
【0076】
STEP2〜STEP7のループを差Δ=0になるまで繰り返し、Δ=0になった段階で、出力Vを記憶手段(不揮発メモリ203)に記憶する。
【0077】
図9は濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の他の例のフローチャートである。
【0078】
本例は濃度センサの出力が画像の解像度により変動しない点を、演算により決定し、決定したセンサ出力を基準値として記憶する例である。
【0079】
STEP10において、1ドットラインパターンをデューティ比C1で形成し、その濃度A1を濃度センサで検知する。
【0080】
STEP11において、1ドットラインパターンをC1と異なるデューティ比C2で形成し、その濃度A2を濃度センサで検知する。
【0081】
STEP12において、1ドットラインパターンをC1、C2と異なるデューティ比C3で形成し、その濃度A3を濃度センサで検知する。
【0082】
STEP13において、2ドットラインパターンをデューティ比C1で形成し、その濃度B1を濃度センサで検知する。
【0083】
STEP14において、2ドットラインパターンをC1と異なるデューティ比C2で形成し、その濃度B2を濃度センサで検知する。
【0084】
STEP15において、2ドットラインパターンをC1、C2と異なるデューティ比C3で形成し、その濃度B3を濃度センサで検知する。
【0085】
STEP16において、濃度A1〜A3から1ドットラインパターンの線幅を変えた時の濃度変化曲線(図6における曲線L2に相当)を演算により決定し、濃度B1〜B3から2ドットラインパターンの線幅を変えた時の濃度変化曲線(図6における曲線L1に相当)を演算により決定する。
【0086】
STEP16における演算は複数点における濃度を連結する近似曲線の関数を決定するものである。
【0087】
STEP17において、関数の値が一致する点(図6における点P)を決定し、STEP17において決定した点Pにおける濃度センサの出力Vを基準値として不揮発メモリ203に記憶する。
【0088】
記憶された出力Vは所定印字率(例えば50%)のラインパターンを検知した濃度センサの出力である。
【0089】
上記図7、図9の処理を異なる複数の印字率で同様に行うことによって、異なる印字率に対する複数の基準値としての濃度センサの出力Vを得ることができる。
<基準値を得る他の例>
図10は、基準値としての濃度センサの出力Vを求める更に他の例を示す。
【0090】
左列の中間調画像の濃度Do00〜Do30は機械が有する最高の解像度である基準解像度のラインパターンの濃度を示しており、中央の中間調画像Do01〜Do31は基準解像度の1/2の解像度のラインパターンの濃度であり、右列は基準解像度の1/4の解像度のラインパターンの濃度である。
【0091】
Di0〜Di3は入力画像データの濃度であり、入力画像データの印字率に対応する。上から下へと濃度が増す。
【0092】
線の太さは、例えば、露光手段を駆動するパルスのパルス幅を変えることにより変えている。Do00とDo01とDo02のように同一行内の中間調画像は、同一パルス幅による露光で形成されたものである。
【0093】
各ラインパターンを検知した濃度センサの出力は、図10では濃度Do00、Do01・・・Do31、Do32で表されている。
【0094】
濃度Do00、Do01・・・Do31、Do32の各々は、図7又は図9に示す基準値設定プロセスにより設定された基準値に対応した濃度である。
【0095】
図10では、基準解像度、基準解像度×1/2及び基準解像度×1/4の解像度で基準値が求められている。
【0096】
前記に説明したように、異なる解像度のパターンから誤差の無い濃度センサ出力が得られる。したがって、理論的には、Do00=Do01=Do02、Do10=Do11=Do12、Do20=Do21=Do23、Do30=D031=Do32となるはずである。
【0097】
しかしながら、誤差により、これらの等式が成り立たない場合が生じうる。特に、最高解像度である基準解像度において誤差が発生しやすい。
【0098】
このような誤差が生じた場合、基準解像度における濃度が基準解像度×1/2の濃度を用いて補正される。
【0099】
図10に示す濃度Di0、Di1、Di2、Di3に対応する印字率の画像データに基づいてラインパターンが形成され、形成されたラインパターンの濃度を検知することにより、複数の印字率に対応した複数の基準値としての濃度センサ出力、即ち、Do00〜Do32に対応した濃度センサ出力V0〜Viが設定される。
<センサ間のレベルのばらつきの補正に関して>
このような方法で得られた複数の基準値となる濃度センサ出力によって、異なるセンサ間のレベルのばらつきも低減できることを以下に説明する。
【0100】
図11は印字率に対する濃度センサ出力の対応関係を表す曲線L3を示す。
【0101】
センサ出力V0〜V3の決定及び図11に示す濃度センサ出力曲線L3の作成は、図2におけるCPU200により行われる。
【0102】
図12は2種の濃度センサに関して、前記に説明した方法により作成された濃度センサの出力曲線をL4、L5で示す。なお、図12では、縦軸を濃度センサ出力としたのに対して、横軸を濃度としているが、面積階調画においては画像の濃度は印字率に対応するので、図11の曲線L3と図12の曲線L4、L5とは類似した形状となる。
【0103】
図12に示す出力曲線L4、L5から、濃度0(ゼロ)の時の濃度センサ出力を100とした場合の、各濃度における出力の比の逆数を図13に示す。
【0104】
図13の曲線L6、L7から明らかなように、2種のセンサ間に出力レベルの差がきわめて小さく、ラインパターンを用いて決定した濃度センサ出力がセンサ間のバラツキを補正したものであることが証明された。
<画質制御までの流れ>
以上のようなセンサ出力の基準値を4点の印字率で求め、階調曲線を用いた画質制御に用いるまでの流れを示す例を以下に説明する。
【0105】
4点の印字率における濃度センサ出力の基準値は、図7及び図9に示す方法で基準値を求める場合は、異なる印字率のそれぞれについて、図7、9に示す基準値設定工程を実行することにより求められる。
【0106】
また、図10に示す方法で求める場合も、同様であり、Do00〜Do32の濃度の各々が、図7又は図9に示す基準値設定工程により求められる。
【0107】
画質制御においては周知のように、像担持体上に複数のパッチ画像が形成され、形成されたパッチ画像の濃度を濃度センサで検知することにより、濃度センサの出力が所定値になる画像形成条件が求められる。
【0108】
図14に、画像形成装置が有する階調特性を示す階調曲線L8及び濃度センサ出力曲線L9を示す。横軸の入力濃度は印字率に相当する値であり、8ビットの階調画においては、0〜255の画素値である。
【0109】
濃度センサ曲線L9は前記に説明した濃度センサ出力の設定方法により作成されたものである。出力は濃度であり、濃度センサ100を用いて出力濃度を管理することによって、適正濃度の画像が維持される。
【0110】
画質制御においては、階調曲線L8上の1以上の点、例えば、D0〜D3における濃度の管理が行われる。
【0111】
階調曲線上の点D0〜D3に対応する濃度センサの出力がV0〜V3であり、濃度センサ出力がV0〜V3となるように、画像形成条件が制御される。
【0112】
この制御は像担持体上にパッチ画像を形成し、複数のパッチ画像の濃度を濃度センサ100で検知し、予め定めた印字率に対し、検知濃度がV0〜V3となる画像形成条件を選択することにより行われる。
【0113】
制御される画像形成条件としては、帯電条件、露光条件、現像条件等がある。
【0114】
帯電条件の制御により感光体の帯電電位が制御される。
【0115】
露光条件の制御により露光量が制御されるが、露光手段を駆動するパルスのパルス幅制御により、画像濃度の微細な制御を行うことができる。
【0116】
現像条件には、現像バイアス、現像剤担持体の移動速度、現像剤のトナー濃度等があり、これらのいずれか一つ以上が制御される。
【0117】
以上説明した濃度センサ出力の基準値を求める工程、基準値から階調曲線に対応した濃度センサの出力を設定する工程及び画質制御工程の流れを図15に示す。
【0118】
図15のSTEP20において、制御手段200(図2参照)は、濃度センサ100(図3参照)の基準値であるセンサ出力(図11におけるV0〜V3)を複数求める。
【0119】
このステップは、前記に説明したように所定印字率のラインパターンを複数解像度で形成し、解像度が異なるラインパターン間の濃度センサ出力が一致した点を求めるステップである。
【0120】
STEP21において、制御手段200は、前記複数基準値から濃度センサの出力曲線(図14のL9)を求める。
【0121】
STEP22において、濃度センサの出力曲線に基づいて像形成手段204(図2参照)を制御して画像形成条件を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】画像形成装置における画像形成及び画質制御を行う制御系のブロック図である。
【図3】濃度センサを示す図である。
【図4】印字率及びカバレッジを説明するための図である。
【図5】ラインパターンの例を示す図である。
【図6】印字率と濃度センサの出力との関係を示すグラフである。
【図7】濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の一例のフローチャートである。
【図8】ラインパターンの例を示す図である。
【図9】濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の他の例のフローチャートである。
【図10】複数の基準値を求める工程において形成されるラインパターンを示す図である。
【図11】濃度センサ出力曲線を示す図である。
【図12】2種の濃度センサの濃度センサ出力曲線を示す図である。
【図13】2種の濃度センサの濃度センサ出力比曲線を示す図である。
【図14】階調曲線と濃度センサ出力曲線とを示す図である。
【図15】濃度センサ出力の基準値を求める工程、基準値から階調曲線に対応した濃度センサの出力を設定する工程及び画質制御工程の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0123】
100 濃度センサ
200 CPU
201 ROM
202 RAM
203 不揮発RAM
204 像形成手段
205 画像メモリ
206 画像処理回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて画像を形成するデジタル画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置では、一般に面積階調法により画像が形成される。
【0003】
而して、面積階調法により形成される画像はドット画像であり、画像の濃度は、地肌に対する印字部の面積の比率により表現されるために、個々のドットの面積が、画像の解像力のみでなく、画像の階調にも影響する。
【0004】
従って、個々のドット面積の制御精度を上げることにより、高画質の画像を形成する技術が開発されている。
【0005】
例えば特許文献1では、ラインパターンを構成する線の線幅を高い精度で設定することにより、高画質の画像を形成する条件を設定することが提案されている。
【0006】
即ち、特許文献1では、1画素の線からなるラインパターンの反射光量、ベタ画像からなるパターンの反射光量及び非画像部の反射光量に基づいて、線幅設定用パターンにおける線幅を演算し線幅を設定する発明が開示されている。そして線幅を正確に設定することでドットの大きさを制御し、中間調画像を表現するための網点画像の網点の大きさ(面積)を制御することで正確な階調表現を有する高画質の画像を得るようにしている。
【特許文献1】特開2003−287931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の方法では、作像手段の変動や濃度センサの個体差などのばらつきで濃度センサに変動が生じた場合に、検知誤差が生じ、線幅を正確に再現することが困難である。そのため正確な階調表現という点で十分ではなかった。
【0008】
本発明は、従来のデジタル画像の画質制御におけるこのような問題を解決し、濃度センサのばらつきや画像形成特性の変化等による誤差が除去された濃度センサ出力の基準値を、階調曲線上の複数点において設定することにより、高精度の階調再現を可能とし、階調再現性に優れた高画質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は下記の発明により達成される。
【0010】
1.像担持体、該像担持体上にラインパターンを形成する像形成手段、前記ラインパターンの濃度を検知する濃度センサ及び該濃度センサの出力に基づいて、前記濃度センサの出力を設定するセンサ出力設定手段を有する画像形成装置であって、
前記センサ出力設定手段は、前記像形成手段によって異なる複数のパターン画像形成条件により、第1の解像度の第1のラインパターン、及び前記異なる複数のパターン画像形成条件により、前記第1の解像度と異なる第2の解像度の第2のラインパターンを前記像担持体上に形成し、
前記濃度センサによって前記第1、第2のラインパターンの濃度を検知し、
形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で、解像度を除いて同一のパターン画像形成条件で一致したときの前記濃度センサの出力の基準値を異なる印字率について複数求め、前記印字率に対応した複数の基準値を設定することにより、階調曲線に対応した前記濃度センサの出力を設定することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
2.前記像形成手段は、パルス駆動されて前記像担持体を駆動する露光手段を有し、
前記パターン画像形成条件は、前記露光手段を駆動するデューティ比を変えた条件であることを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0012】
3.前記センサ出力設定手段は、前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で前記濃度センサの出力が一致するまで、前記パターン画像形成条件を変えて、前記ラインパターンの形成と前記濃度センサによる濃度検知とを繰り返すことにより前記基準値を取得することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0013】
4.前記センサ出力設定手段は、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第1のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第1のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第2のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第2のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記第1のラインパターンの検知濃度と、複数の前記第2のラインパターンの検知濃度とから演算により前記基準値を設定することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
【0014】
5.前記センサ出力設定手段により決定された前記濃度センサの出力に基づいて、画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、濃度計、測色器等の特別な治具を用いることなく、階調曲線上の複数点に対応した濃度センサの出力の補正を行うことが可能となり、低コスト、且つ、高効率で濃度センサを補正することが可能となる。
【0016】
濃度センサの出力に基づいて、画質制御が行われるが、階調曲線上の前記複数点における補正された濃度センサ出力に基づいた画質制御が行われるので、画像形成装置の個体差によるばらつきや各種の変動要因が総合的に除去され、高画質の画像を安定して形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<画像形成装置>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示し、複写機、ファクシミリ、プリンタの機能を有する、通称、複合機と呼ばれる装置を示す概略構成図である。
【0018】
画像形成装置は、本体の上部に自動原稿送り装置ADFを有し、本体は、画像読取部1、画像形成部3、操作表示部4、給紙部5、排紙再給紙部6、および、定着手段7等から構成されている。
【0019】
自動原稿送り装置ADFは、原稿載置台11に載置された原稿を原稿分離手段12によって一枚ずつ原稿搬送手段13に送り出し、原稿搬送手段13は送られた原稿を原稿排紙手段14に搬送し、原稿排紙手段14は送られた原稿を原稿排紙台15に排紙する。原稿画像は原稿搬送路に設けられた、画像読取部1の原稿画像読み取り位置であるスリット21にて読み取りがなされる。
【0020】
原稿両面の画像を読み取る場合には、一対のローラを有する原稿反転手段16によって、第1面を読み取られた原稿が表裏反転されて、再度、原稿搬送手段13に送り出されることにより第2面の読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿は原稿排紙台15に排紙される。
【0021】
画像読取部1は、原稿画像を読み取って画像データを得るための手段であり、スリット21の位置にて、ランプ231により光照射された原稿画像を第1ミラーユニット23と、第2ミラーユニット24と、結像レンズ25とによりライン状のCCDである撮像素子26に結像させている。撮像素子26から出力された信号は、A/D変換され、シェーディング補正、画像圧縮等の処理がなされて画像データとして保存される。
【0022】
露光手段33は、レーザダイオードを光源して有し、画像データに基づき、レーザビームとポリゴンミラーとにより、帯電手段32によって一様帯電されて回転している感光体31の表面を走査して、感光体31の面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。なお、露光手段33の光源としては、画像データに基づいて感光体31をドット露光する光源を用いることができ、レーザダイオードの他に、LEDアレイ、液晶、プラズマ等を用いることができる。
【0023】
前記静電潜像は、画像形成部3の現像手段34により反転現像されて、トナー画像が感光体31上に形成される。
【0024】
トナー形成のタイミングに対応して、手差し給紙部55、もしくは、転写材である記録紙Sを収容するカセットやトレイを有する給紙部5からは、記録紙Sが給送され、搬送ローラ56により搬送され、タイミングローラ39によって像担持体上に形成された前記トナー画像との位置合わせのための同期が取られて転写領域に送り出される。
【0025】
転写領域において、感光体31の表面に形成されたトナー画像は、転写手段35により反対極性に帯電された記録紙Sに転写される。
【0026】
トナー画像を担持した記録紙Sは、分離除電手段36の作用により、感光体31の表面から分離し、定着手段7に送られる。
【0027】
定着手段7において、トナー画像を担持した前記記録紙Sは、加熱ローラ71と加圧ローラ72により加熱加圧を受けながら搬送され、トナー画像が記録紙Sに定着されて、排出ローラ63によって機外の排紙台64に排出される。
【0028】
なお、記録紙Sを表裏反転して排紙台64に排出する場合には、切換ガイド62により、記録紙Sを排紙再給紙部6に導き、記録紙Sをスイッチバックさせて排出ローラ63に送る。
【0029】
また、記録紙Sの両面に画像形成をする場合には、第1面の定着を終えた記録紙Sを、切換ガイド62により排紙再給紙部6に導き、反転部65にて反転させた後、給紙のための搬送路66に送り出し、第2面の画像形成に供する。
【0030】
一方、記録紙Sへのトナー画像の転写を終えた感光体31の表面は、クリーニング手段37により残留トナーが除去されて次なる画像形成に向けての準備がなされる。
【0031】
画像形成においては、矢印で示すように時計方向に回転する感光体31に対して、帯電手段32の帯電及び露光手段33の露光により感光体33上に静電潜像が形成され、現像手段4の現像によりトナー像が形成される。形成されたトナー像は転写手段35により記録紙Sに転写され、転写されたトナー像が定着手段7により定着される。
【0032】
図2は図1に示す画像形成装置における画像形成、画質制御及び以下に説明する濃度センサ補正を行う制御系のブロック図である。
【0033】
200は画質制御において、最適の画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段であるとともに、後に説明する濃度センサの出力を決定するセンサ出力設定手段である。
【0034】
201は画像形成、画質制御、濃度センサ出力決定等の各種工程を実行するためのプログラムを記憶しているROM、202はCPU200の作業用のRAM、203は後に説明する濃度センサ100の基準値を含む各種のパラメータを記憶する記憶手段としての不揮発メモリ、204は図1における帯電手段32、露光手段33及び現像手段34を含み、感光体31上にトナー像を形成する像形成手段である。
【0035】
像形成手段204は濃度センサの出力を決定する工程においては、ラインパターンを形成する。
【0036】
205は、画像データを格納する画像メモリ、206は露光手段33を駆動する画像データを生成する画像処理回路である。
【0037】
画像処理回路は、ラインパターンを形成するための画像データを生成する。
【0038】
画像形成においては、CPU200は像形成手段204を制御して画像を形成する。画像形成においては、画像メモリ205から画像データが供給され、画像処理回路205において処理された画像データに基づいて像形成手段204の露光手段33が駆動され、露光を行いトナー像が形成される。
【0039】
濃度センサの出力決定においては、画像処理回路206において、ラインパターンの画像データが生成され、該画像データに基づいて、露光手段33が駆動され、感光体31上にラインパターンが形成される。
<濃度センサ>
図3は濃度センサを示し、図3(a)は濃度センサ100の側面図、図3(b)は濃度センサ100の検知領域を示す。濃度センサ100は反射型濃度センサであり、感光体や中間転写体等の像担持体PCに向けて光放射するLED100A及び像担持体からの反射光を受光するホトダイオード100Bを有する。
【0040】
像担持体P上の像Tの濃度Dは濃度センサ100により検知される検知領域Eの反射率像Rに対して、式(1)の関係にある。
D=−log10R・・・・・(1)
図3(b)に示すように濃度センサ100の検知領域E内には複数の像Tが存在する場合があり、
反射率Rは次の式(2)で表され、領域Eの平均反射率である。
R=A×DR+(1−A)×WR・・・・・(2)
Aはカバレッジ、即ち、検知領域Eの面積に対して、像Tが占める面積の割合、DRは画像Tを構成しているトナーの反射率、WRは地肌の反射率である。
<濃度センサの出力設定>
濃度センサの出力決定には、ラインパターンが用いられ、像形成手段204がラインパターンを像担持体上に形成し、形成したラインパターンの濃度を濃度センサ100が検知し、検知結果に基づいて、CPU200が濃度センサ100の出力を設定する。
【0041】
最初に、印字率及びカバレッジについて説明する。
【0042】
本発明における印字率は、画像データに基づいて画像形成手段を駆動し面積階調法により画像を形成する場合において、単位面積内に黒画像を形成する画像データの量である。
【0043】
図4(a)(b)のラインペアパターンの例では、画像が互いに等しい量の黒画像データと白画像データとにより形成されており、印字率50%の画像である。
【0044】
カバレッジは形成されたトナー画像において、単位面積の中で黒トナー画像が占める割合である。
【0045】
図4(a)の理想的なラインペアパターンでは、黒画像部と白画像部とが等しい面積を占める(理想の線幅となる)ので、ラインペアパターンのカバレッジは50%である。
【0046】
図4(b)は、印字率50%の画像データに基づいて形成されたラインパターンの実際のトナー画像を示す。
【0047】
図4(b)の例では、黒画像が黒色部とグレイ部とで示されており、グレイ部は理想の線幅から外れた部分を示す。
【0048】
図4(b)の画像では、印字率は50%であるが、カバレッジは50%よりも大きい。
【0049】
このため濃度センサの出力決定においては、図5に示すラインパターンが用いられる。
【0050】
以下、図5のラインパターンに基づいて濃度センサの出力を補正し、誤差を除去した濃度センサ出力を決定する方法について、説明する。
【0051】
図5(a)(b)に示すラインパターンは印字率50%のラインパターンである。
【0052】
図5(a)のラインパターンは20本/mmの解像度を持ち、図5(b)のラインパターンは10本/mmの解像度を持つ。
【0053】
図5(a)、(b)において、黒色部が理想の画像であり、グレイ部が理想から外れた画像である。
【0054】
なお、実際の画像は黒+グレイであり、図5は理想に対して、実際の画像が太く形成されている場合を示す。
【0055】
各ラインにおいて、グレイ部の幅Δは、ライン数が異なっても、言い換えると理想のラインの幅W1と、W2とが異なっても一定しており、図5(a)と図5(b)とにおいて幅Δは等しい。
【0056】
濃度センサの検知領域が、図5(a)では4本のラインをカバーし、図5(b)では2本のラインをカバーする場合に、
図5(a)の画像の印字面積Sa=4×W1+8Δ
図5(b)の画像の印字面積Sb=2×W2+4Δ
となる。
【0057】
図5(a)と図5(b)とは等しい濃度値の画像データに基づいて等しいカバレッジの像として形成され、4×W1=2×W2であるので、実際の印字面積は画像の太りにより形成された印字面積の差4Δだけ、図5(a)の方が図5(b)よりも広くなる。従って、濃度センサにより検知される濃度は図5(a)の方が、図5(b)の画像よりも高くなる。
【0058】
このようにして、解像度が異なる場合に、同一印字率の画像データに基づいて形成された画像が濃度センサにより異なる濃度を有するものとして検知されるという誤差が生ずる。
【0059】
ラインパターンを検知した濃度センサの真の出力、即ち、誤差を除去した出力は次に説明する方法により求められる。
【0060】
図6は所定の印字率の濃度データに基づいた露光における露光量と形成された画像の濃度を検知した濃度センサの出力との関係を示す。
【0061】
曲線L1は曲線L2よりも解像度が低いラインパターンに対する濃度センサ出力である。
【0062】
図6のように同一印字率の画像データに基づいて形成されるラインパターンの濃度を濃度センサ100で検知したときに、点Pの出力Vにおいて、解像度の異なるラインパターンの検知出力が一致する。
【0063】
このことは、図5に示すグレイ部による誤差が点Pにおいて除去されていることを示し、点Pのセンサ出力Vを印字率50%であり、且つ、バレッジ50%のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力として用いることができることを示しており、センサ出力Vは階調画に対応した濃度センサ100の出力を設定する際の基準値として用いられる。
【0064】
画像形成装置において、センサ出力Vを求める工程の例を図7〜9を用いて説明する。
【0065】
図7〜9を用いて、基準値としてのセンサ出力Vを求める工程を説明する。
【0066】
図7はセンサ出力Vを求める工程の一例のフローチャートである。
【0067】
本例は、濃度センサの出力が画像の解像度により変動しない点を、画像形成・濃度検知のループを繰り返すことにより検出し、変動のない点における濃度センサの出力を基準値として設定する例である。
【0068】
STEP1において、LPH{LED(発光ダイオード)Print Head}を駆動する駆動パルスのデューティ比の初期値を、たとえば、80%に設定する。
【0069】
STEP2において、LPHを駆動して静電潜像を形成し、現像することにより、像担持体上に図8(a)に示す1ドットラインペアパターン及び図8(b)の2ドットラインペアパターンが形成される。図8において、主走査方向Xに1ドット毎の白黒画素が繰り返されY方向の副走査で形成される図8(a)の1ドットラインペアパターンは、2ドット毎に白黒が繰り返される図8(b)の2ドットラインペアパターンの2倍の解像度を有する。なお、図8において、●は印字画素を示し、○は非印字画素を示す。
【0070】
STEP3において、ラインパターンを検知した濃度センサの出力を読込み、STEP4において、図8(a)のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力Aと、図8(b)のラインパターンの濃度を検知した濃度センサの出力Bとの差Δを計算する。
【0071】
差Δ=0のときは(STEP5のyes)、濃度センサの出力Vを不揮発メモリ203に基準値として記憶する(STEP6)。
【0072】
前記の例では基準値が対応するラインパターンの印字率を50%にしているが、50%以外の値とすることも勿論可能である。
【0073】
STEP5のno、即ち、出力Aと出力Bとが等しくないときは、STEP7において、デューティ比を変更し、STEP2に戻ってラインパターンを形成が行われる。
【0074】
STEP7のデューティ比変更においては、AとBとの大小に対応したデューティ比の変更が行われ、Δが正、即ち、画像が太って形成された場合には、デューティ比を低くする変更が行われ、Δが負、即ち、画像が細って形成された場合には、デューティ比を高くする変更が行われる。
【0075】
不揮発メモリ203に記憶される値は、解像度以外の画像形成条件を同一にしてラインパターンを形成した場合に、異なる解像度のラインパターン間で一致した濃度センサの出力であり、基準線幅(たとえば、50μm)のラインパターンを表す出力として用いることができる。
【0076】
STEP2〜STEP7のループを差Δ=0になるまで繰り返し、Δ=0になった段階で、出力Vを記憶手段(不揮発メモリ203)に記憶する。
【0077】
図9は濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の他の例のフローチャートである。
【0078】
本例は濃度センサの出力が画像の解像度により変動しない点を、演算により決定し、決定したセンサ出力を基準値として記憶する例である。
【0079】
STEP10において、1ドットラインパターンをデューティ比C1で形成し、その濃度A1を濃度センサで検知する。
【0080】
STEP11において、1ドットラインパターンをC1と異なるデューティ比C2で形成し、その濃度A2を濃度センサで検知する。
【0081】
STEP12において、1ドットラインパターンをC1、C2と異なるデューティ比C3で形成し、その濃度A3を濃度センサで検知する。
【0082】
STEP13において、2ドットラインパターンをデューティ比C1で形成し、その濃度B1を濃度センサで検知する。
【0083】
STEP14において、2ドットラインパターンをC1と異なるデューティ比C2で形成し、その濃度B2を濃度センサで検知する。
【0084】
STEP15において、2ドットラインパターンをC1、C2と異なるデューティ比C3で形成し、その濃度B3を濃度センサで検知する。
【0085】
STEP16において、濃度A1〜A3から1ドットラインパターンの線幅を変えた時の濃度変化曲線(図6における曲線L2に相当)を演算により決定し、濃度B1〜B3から2ドットラインパターンの線幅を変えた時の濃度変化曲線(図6における曲線L1に相当)を演算により決定する。
【0086】
STEP16における演算は複数点における濃度を連結する近似曲線の関数を決定するものである。
【0087】
STEP17において、関数の値が一致する点(図6における点P)を決定し、STEP17において決定した点Pにおける濃度センサの出力Vを基準値として不揮発メモリ203に記憶する。
【0088】
記憶された出力Vは所定印字率(例えば50%)のラインパターンを検知した濃度センサの出力である。
【0089】
上記図7、図9の処理を異なる複数の印字率で同様に行うことによって、異なる印字率に対する複数の基準値としての濃度センサの出力Vを得ることができる。
<基準値を得る他の例>
図10は、基準値としての濃度センサの出力Vを求める更に他の例を示す。
【0090】
左列の中間調画像の濃度Do00〜Do30は機械が有する最高の解像度である基準解像度のラインパターンの濃度を示しており、中央の中間調画像Do01〜Do31は基準解像度の1/2の解像度のラインパターンの濃度であり、右列は基準解像度の1/4の解像度のラインパターンの濃度である。
【0091】
Di0〜Di3は入力画像データの濃度であり、入力画像データの印字率に対応する。上から下へと濃度が増す。
【0092】
線の太さは、例えば、露光手段を駆動するパルスのパルス幅を変えることにより変えている。Do00とDo01とDo02のように同一行内の中間調画像は、同一パルス幅による露光で形成されたものである。
【0093】
各ラインパターンを検知した濃度センサの出力は、図10では濃度Do00、Do01・・・Do31、Do32で表されている。
【0094】
濃度Do00、Do01・・・Do31、Do32の各々は、図7又は図9に示す基準値設定プロセスにより設定された基準値に対応した濃度である。
【0095】
図10では、基準解像度、基準解像度×1/2及び基準解像度×1/4の解像度で基準値が求められている。
【0096】
前記に説明したように、異なる解像度のパターンから誤差の無い濃度センサ出力が得られる。したがって、理論的には、Do00=Do01=Do02、Do10=Do11=Do12、Do20=Do21=Do23、Do30=D031=Do32となるはずである。
【0097】
しかしながら、誤差により、これらの等式が成り立たない場合が生じうる。特に、最高解像度である基準解像度において誤差が発生しやすい。
【0098】
このような誤差が生じた場合、基準解像度における濃度が基準解像度×1/2の濃度を用いて補正される。
【0099】
図10に示す濃度Di0、Di1、Di2、Di3に対応する印字率の画像データに基づいてラインパターンが形成され、形成されたラインパターンの濃度を検知することにより、複数の印字率に対応した複数の基準値としての濃度センサ出力、即ち、Do00〜Do32に対応した濃度センサ出力V0〜Viが設定される。
<センサ間のレベルのばらつきの補正に関して>
このような方法で得られた複数の基準値となる濃度センサ出力によって、異なるセンサ間のレベルのばらつきも低減できることを以下に説明する。
【0100】
図11は印字率に対する濃度センサ出力の対応関係を表す曲線L3を示す。
【0101】
センサ出力V0〜V3の決定及び図11に示す濃度センサ出力曲線L3の作成は、図2におけるCPU200により行われる。
【0102】
図12は2種の濃度センサに関して、前記に説明した方法により作成された濃度センサの出力曲線をL4、L5で示す。なお、図12では、縦軸を濃度センサ出力としたのに対して、横軸を濃度としているが、面積階調画においては画像の濃度は印字率に対応するので、図11の曲線L3と図12の曲線L4、L5とは類似した形状となる。
【0103】
図12に示す出力曲線L4、L5から、濃度0(ゼロ)の時の濃度センサ出力を100とした場合の、各濃度における出力の比の逆数を図13に示す。
【0104】
図13の曲線L6、L7から明らかなように、2種のセンサ間に出力レベルの差がきわめて小さく、ラインパターンを用いて決定した濃度センサ出力がセンサ間のバラツキを補正したものであることが証明された。
<画質制御までの流れ>
以上のようなセンサ出力の基準値を4点の印字率で求め、階調曲線を用いた画質制御に用いるまでの流れを示す例を以下に説明する。
【0105】
4点の印字率における濃度センサ出力の基準値は、図7及び図9に示す方法で基準値を求める場合は、異なる印字率のそれぞれについて、図7、9に示す基準値設定工程を実行することにより求められる。
【0106】
また、図10に示す方法で求める場合も、同様であり、Do00〜Do32の濃度の各々が、図7又は図9に示す基準値設定工程により求められる。
【0107】
画質制御においては周知のように、像担持体上に複数のパッチ画像が形成され、形成されたパッチ画像の濃度を濃度センサで検知することにより、濃度センサの出力が所定値になる画像形成条件が求められる。
【0108】
図14に、画像形成装置が有する階調特性を示す階調曲線L8及び濃度センサ出力曲線L9を示す。横軸の入力濃度は印字率に相当する値であり、8ビットの階調画においては、0〜255の画素値である。
【0109】
濃度センサ曲線L9は前記に説明した濃度センサ出力の設定方法により作成されたものである。出力は濃度であり、濃度センサ100を用いて出力濃度を管理することによって、適正濃度の画像が維持される。
【0110】
画質制御においては、階調曲線L8上の1以上の点、例えば、D0〜D3における濃度の管理が行われる。
【0111】
階調曲線上の点D0〜D3に対応する濃度センサの出力がV0〜V3であり、濃度センサ出力がV0〜V3となるように、画像形成条件が制御される。
【0112】
この制御は像担持体上にパッチ画像を形成し、複数のパッチ画像の濃度を濃度センサ100で検知し、予め定めた印字率に対し、検知濃度がV0〜V3となる画像形成条件を選択することにより行われる。
【0113】
制御される画像形成条件としては、帯電条件、露光条件、現像条件等がある。
【0114】
帯電条件の制御により感光体の帯電電位が制御される。
【0115】
露光条件の制御により露光量が制御されるが、露光手段を駆動するパルスのパルス幅制御により、画像濃度の微細な制御を行うことができる。
【0116】
現像条件には、現像バイアス、現像剤担持体の移動速度、現像剤のトナー濃度等があり、これらのいずれか一つ以上が制御される。
【0117】
以上説明した濃度センサ出力の基準値を求める工程、基準値から階調曲線に対応した濃度センサの出力を設定する工程及び画質制御工程の流れを図15に示す。
【0118】
図15のSTEP20において、制御手段200(図2参照)は、濃度センサ100(図3参照)の基準値であるセンサ出力(図11におけるV0〜V3)を複数求める。
【0119】
このステップは、前記に説明したように所定印字率のラインパターンを複数解像度で形成し、解像度が異なるラインパターン間の濃度センサ出力が一致した点を求めるステップである。
【0120】
STEP21において、制御手段200は、前記複数基準値から濃度センサの出力曲線(図14のL9)を求める。
【0121】
STEP22において、濃度センサの出力曲線に基づいて像形成手段204(図2参照)を制御して画像形成条件を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】画像形成装置における画像形成及び画質制御を行う制御系のブロック図である。
【図3】濃度センサを示す図である。
【図4】印字率及びカバレッジを説明するための図である。
【図5】ラインパターンの例を示す図である。
【図6】印字率と濃度センサの出力との関係を示すグラフである。
【図7】濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の一例のフローチャートである。
【図8】ラインパターンの例を示す図である。
【図9】濃度センサ出力の基準値Vを求める工程の他の例のフローチャートである。
【図10】複数の基準値を求める工程において形成されるラインパターンを示す図である。
【図11】濃度センサ出力曲線を示す図である。
【図12】2種の濃度センサの濃度センサ出力曲線を示す図である。
【図13】2種の濃度センサの濃度センサ出力比曲線を示す図である。
【図14】階調曲線と濃度センサ出力曲線とを示す図である。
【図15】濃度センサ出力の基準値を求める工程、基準値から階調曲線に対応した濃度センサの出力を設定する工程及び画質制御工程の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0123】
100 濃度センサ
200 CPU
201 ROM
202 RAM
203 不揮発RAM
204 像形成手段
205 画像メモリ
206 画像処理回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体、該像担持体上にラインパターンを形成する像形成手段、前記ラインパターンの濃度を検知する濃度センサ及び該濃度センサの出力に基づいて、前記濃度センサの出力を設定するセンサ出力設定手段を有する画像形成装置であって、
前記センサ出力設定手段は、前記像形成手段によって異なる複数のパターン画像形成条件により、第1の解像度の第1のラインパターン、及び前記異なる複数のパターン画像形成条件により、前記第1の解像度と異なる第2の解像度の第2のラインパターンを前記像担持体上に形成し、
前記濃度センサによって前記第1、第2のラインパターンの濃度を検知し、
形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で、解像度を除いて同一のパターン画像形成条件で一致したときの前記濃度センサの出力の基準値を異なる印字率について複数求め、前記印字率に対応した複数の基準値を設定することにより、階調曲線に対応した前記濃度センサの出力を設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像形成手段は、パルス駆動されて前記像担持体を駆動する露光手段を有し、
前記パターン画像形成条件は、前記露光手段を駆動するデューティ比を変えた条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記センサ出力設定手段は、前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で前記濃度センサの出力が一致するまで、前記パターン画像形成条件を変えて、前記ラインパターンの形成と前記濃度センサによる濃度検知とを繰り返すことにより前記基準値を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記センサ出力設定手段は、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第1のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第1のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第2のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第2のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記第1のラインパターンの検知濃度と、複数の前記第2のラインパターンの検知濃度とから演算により前記基準値を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記センサ出力設定手段により決定された前記濃度センサの出力に基づいて、画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体、該像担持体上にラインパターンを形成する像形成手段、前記ラインパターンの濃度を検知する濃度センサ及び該濃度センサの出力に基づいて、前記濃度センサの出力を設定するセンサ出力設定手段を有する画像形成装置であって、
前記センサ出力設定手段は、前記像形成手段によって異なる複数のパターン画像形成条件により、第1の解像度の第1のラインパターン、及び前記異なる複数のパターン画像形成条件により、前記第1の解像度と異なる第2の解像度の第2のラインパターンを前記像担持体上に形成し、
前記濃度センサによって前記第1、第2のラインパターンの濃度を検知し、
形成された前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で、解像度を除いて同一のパターン画像形成条件で一致したときの前記濃度センサの出力の基準値を異なる印字率について複数求め、前記印字率に対応した複数の基準値を設定することにより、階調曲線に対応した前記濃度センサの出力を設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像形成手段は、パルス駆動されて前記像担持体を駆動する露光手段を有し、
前記パターン画像形成条件は、前記露光手段を駆動するデューティ比を変えた条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記センサ出力設定手段は、前記第1のラインパターンと前記第2のラインパターン間で前記濃度センサの出力が一致するまで、前記パターン画像形成条件を変えて、前記ラインパターンの形成と前記濃度センサによる濃度検知とを繰り返すことにより前記基準値を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記センサ出力設定手段は、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第1のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第1のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記パターン画像形成条件により複数の前記第2のラインパターンを形成し、形成した複数の前記第2のラインパターンの濃度を前記濃度センサにより検知し、
複数の前記第1のラインパターンの検知濃度と、複数の前記第2のラインパターンの検知濃度とから演算により前記基準値を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記センサ出力設定手段により決定された前記濃度センサの出力に基づいて、画像形成条件を設定する画像形成条件設定手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−294430(P2009−294430A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147831(P2008−147831)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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