説明

画像形成装置

【課題】現像剤の滞留に起因して生ずる濃度不良や画質のざらつきを防止し得る画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像保持体と、現像剤を収容し潜像保持体に形成された静電潜像を現像する現像器と、現像時に現像器を潜像保持体に近づけ非現像時に現像器を潜像保持体から離して現像器の潜像保持体に対する姿勢を変化させる移動機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、潜像保持体に形成された静電潜像を現像剤で現像して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタなどの電子写真方式を採用してなる画像形成装置においては、潜像保持体である感光体表面に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
このような画像形成装置は、感光体表面に形成された静電潜像を可視像化するために、着色剤であるトナー等の現像剤を感光体へ供給し、静電潜像にトナーを選択的に付着させて現像する現像器を備えている。
【0003】
上記現像器にて現像され感光体表面に形成されたトナー像はシート状の記録媒体に転写される。そして、トナー像が転写された記録媒体はトナー像を加熱して溶融させる定着器に通され、溶融したトナー像は記録媒体上に定着する。
一方、転写後、上記感光体表面には記録媒体に転写されなかった一部のトナーが残留する。この残留トナーは次の画像形成に備えて感光体表面から除去される。そのため、感光体の近傍には感光体表面から不要な残留トナーを除去するクリーニング装置が設けられており、除去された残留トナーはクリーニング装置の収容部に収容される。
【0004】
ところで、乾式の現像剤を用いる静電潜像の現像は、現像剤が磁性のキャリアとトナーとから構成される2成分現像方式と、現像剤がトナーのみから構成される1成分現像方式の二つに大別される。
【0005】
2成分現像方式では、トナー及び磁性キャリアからなる2成分系の現像剤を、現像剤担持体である現像ローラに内蔵された磁石の磁気を利用して現像ローラ表面に担持し、現像ローラを回転させることにより担持した現像剤を感光体と対向する現像領域へ搬送する。
現像剤が現像領域に搬送されると、現像剤に含まれる帯電したトナーが感光体表面の静電潜像に静電的に付着することにより静電潜像を現像し、現像領域を通過した現像剤は現像器に戻り、現像ローラの表面から磁気的に解放されて現像器の現像槽内に回収される。
したがって、2成分現像方式で安定した現像を行うためには、消費されるトナーを補給し、現像剤に含まれるトナーの割合、つまりトナー濃度が一定になるように制御する必要がある。
【0006】
また、2成分現像方式では、キャリアとトナーの摩擦によりトナーを帯電させるため、現像器の現像槽内にはオーガ機構等の撹拌機構を設けるのが一般的である。
このため、2成分現像方式では、現像槽内における現像剤の滞留は比較的発生し難いと言えるが、現像剤が循環し難いデッドスペースが全くないわけではない。すなわち、撹拌の弱い部分、とりわけ、現像剤が現像ローラ表面から解放される箇所の近傍で現像剤の滞留が起こり易い。
【0007】
これに対し、1成分現像方式では、トナー濃度を制御する必要はない。また、2成分現像方式のように現像槽内でキャリアとトナーを撹拌混合する必要もないのでオーガ機構のような複雑な撹拌機構を設けなくともよく、現像剤担持体の方へトナーを送る簡単な機構を設けるだけでよい。
すなわち、1成分現像方式ではキャリアが不要となる分、現像槽の容積を小さくでき、よって現像器を小型化できる。さらには、メンテナンス等の簡易性についても優れている。この一方で、撹拌機構を備えないことにより2成分系に比べると現像槽内における現像剤の循環性は悪くなってしまう。
【0008】
このような現像槽内における現像剤の循環性の悪化を防ぐため、現像剤収容室を連通した2室に分け、これら2室間でトナーを循環させるようにスクリューを設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、潜像保持体と現像装置の対峙関係からみると、2成分現像方式では、潜像保持体と現像剤担持体を所定の間隙を介して対峙させ、現像剤担持体上の現像剤の磁気ブラシの穂立ち高さを、現像剤量規制部材により前記間隙よりも大きい所定の高さに規制し、この磁気ブラシ先端部を潜像保持体表面に摺接させながら潜像の現像を行う。
【0010】
一方、1成分現像方式には、現像剤量規制部材により現像剤担持体上に担持された所定の層厚の現像剤層を潜像保持体に接触させて現像を行う接触現像方式と、前記現像剤層を潜像保持体表面と所定の間隙を介して対峙させ現像を行う非接触現像方式とがある。
【0011】
いずれの方式においても、現像剤担持体と潜像保持体の導電性支持基体との間には潜像へトナーを選択的に付着させるための現像バイアスが印加されている。この現像バイアスは直流のみの場合もあれば、直流成分に交流成分を重畳した場合もある。
【0012】
また、一つの感光体上で複数の現像装置により現像を行い、像を重ねて多色トナー像を形成する場合、現像剤が2成分系であるか、或いは1成分系であるかに係わらず、現像剤担持体の表面に担持された現像剤を潜像に接触させて現像する方式では、非作動状態にある現像装置が他の現像装置により現像されたトナー像を擦って乱してしまう恐れがある。
このような事態を防止するため、偏心カム機構を用い、非作動時に現像器を潜像保持体から離して一時的に退避させる構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−278698号公報
【特許文献2】特開平9−274386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
潜像保持体表面に形成された静電潜像は、現像剤担持体表面に担持され潜像保持体へ搬送された現像剤が前記静電潜像へ静電的に付着することにより可視像化される。
このとき、潜像保持体の潜像に付着しなかった現像剤、すなわち現像に利用されなかった現像剤は、それが2成分系であるか、或いは1成分系であるかに係わらず現像剤担持体の回転移動により現像槽内へ戻って回収され、現像槽内の現像剤と混ぜられ、再び現像剤担持体表面に担持され潜像保持体へ搬送されることになる。
【0015】
この際、現像に利用されずに現像槽に戻った現像剤は現像剤担持体の表面から全て離脱し、現像槽内のトナーと十分に混ぜられたうえで再び現像剤担持体の表面に担持され、潜像保持体へ搬送されるのが理想である。
しかし、実際には、現像剤担持体の下部や現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材の周辺に現像剤の滞留し易い部分が生じ、新しい現像剤との混合や入れ替わりの起こり難い部分が生じてしまう。
すなわち、長期の使用において、現像剤担持体や現像剤供給部材の近傍にはほとんど入れ替わりの起こらなくなってしまった現像剤が溜まり、新しい現像剤との混合が不十分な現像剤が多く存在する状態が生じる。
【0016】
一方、現像剤担持体に担持され潜像保持体へ供給される現像剤は、現像剤担持体や現像剤供給部材の近傍に存在する現像剤である。このため、現像剤担持体や現像剤供給部材の近傍に存在する現像剤は何度も現像剤担持体で繰り返し搬送され、現像に利用されずに現像槽に戻された現像剤の割合がより一層高くなる。
また、このような現像剤は繰り返しストレスを受けて劣化し流動性も低下していることからさらに循環し難くなるという悪循環を引き起こす。
劣化の進んだ現像剤は、新しい現像剤と比べて帯電性、流動性、凝集性が大きく変わり、その結果、現像剤担持体に担持され潜像へ搬送される現像剤は、帯電量のレベルが大きく変わり、帯電量の分布がブロードになり、さらには物理的な流動性も変化し、現像特性が変化してしまう。
その結果、得られる画像の濃度が低くなったり、画質がざらついてしまうといった不具合が発生する。
【0017】
上述の特許文献1に記載のものでは、現像剤収容室内に設けられたスクリューにより現像剤の循環を促すことはできるが、現像剤担持体や現像剤供給部材の近傍で滞留する現像剤に対してはあまり効果がない。
また、上述の特許文献2に記載のものは、非作動時に現像器を潜像保持体から離して退避させることにより、他の現像器によって現像されたトナー像を乱すことは防止できるが、現像剤の滞留を防止することはできない。
【0018】
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、現像剤の滞留に起因して生ずる濃度不良や画質のざらつきを防止し得る画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明は、静電潜像が形成される潜像保持体と、現像剤を収容し潜像保持体に形成された静電潜像を現像する現像器と、現像時に現像器を潜像保持体に近づけ非現像時に現像器を潜像保持体から離して現像器の潜像保持体に対する姿勢を変化させる移動機構とを備える画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、非現像時に現像器が潜像保持体から離され潜像保持体に対する現像器の姿勢が変化させられるので、現像器内の現像剤を強制的に流動させて現像剤が滞留することを防止できる。
これにより、一部の現像剤が繰り返し使用されて劣化し、濃度不良や画質のざらつきが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1に示される画像形成装置に設けられた現像器の説明図である。
【図3】図2に示される現像器が感光体から離され姿勢が変化させられた状態を示す説明図である。
【図4】この発明の実施形態2に係る画像形成装置の図3対応図である。
【図5】この発明の実施形態3に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明による画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像保持体と、現像剤を収容し潜像保持体に形成された静電潜像を現像する現像器と、現像時に現像器を潜像保持体に近づけ非現像時に現像器を潜像保持体から離して現像器の潜像保持体に対する姿勢を変化させる移動機構とを備えることを特徴とする。
【0023】
この発明による画像形成装置において、潜像保持体とは、光導電性を有し、光の照射により電荷を失い、形成すべき画像を静電潜像として記録する部材を意味する。
現像器とは収容した現像剤によって潜像保持体に形成された静電潜像を可視像化するものを意味する。
現像剤とは、静電潜像を可視像化するための材料を意味し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、トナーのみからなる1成分現像剤との両方を含む。
移動機構とは、現像器を移動させて潜像保持体に対する現像器の姿勢を変化させる動力機構を意味する。移動機構はその駆動を制御する制御部を備えていてもよい。
【0024】
この発明による画像形成装置において、現像器は現像剤を収容する収容部と、収容部に収容された現像剤を担持して潜像保持体へ搬送するように駆動される現像剤担持体とを有し、現像器を潜像保持体から離す際、移動機構は現像剤担持体近傍の現像剤が収容部に流動するように現像器の姿勢を変化させてもよい。
【0025】
このような構成によれば、現像剤担持体に担持され現像に利用されることなく再び現像器に戻された現像剤を強制的に収容部に流動させ、収容部を含む現像器の各部に存在していた現像剤と混合させることができる。
従来、現像に利用されることなく現像器に戻ってきた現像剤は現像剤担持体の近傍、特に現像剤担持体の下部に滞留し易い傾向があったが、上記構成により、現像器に戻ってきた現像剤が現像剤担持体の近傍に滞留することを防止できる。
そして、現像器に戻ってきた現像剤を、収容部を含む現像器の各部に存在していたトナーと混合させることにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用されて劣化することを防止でき、長期に亘って画質劣化の少ない良好な画像を得ることができる。
【0026】
現像剤担持体近傍の現像剤が収容部に流動するように現像器の姿勢が変化させられる上記構成において、現像剤担持体は、現像器が潜像保持体から離され現像器の姿勢が変化した状態で駆動されることにより現像剤担持体近傍の現像剤を撹拌し収容部への流動を促してもよい。
このような構成によれば、現像に利用されることなく現像器に戻された現像剤が現像剤担持体の近傍で滞留していても、現像器の姿勢が変化した状態で現像剤担持体が駆動されることにより前記現像剤担持体の近傍で滞留する現像剤を撹拌して流動化させることができ、現像剤担持体の近傍に現像剤が滞留することをより確実に防止できる。
【0027】
この発明による画像形成装置において、移動機構は現像器に当接するカムと、カムを軸回転させる回転駆動手段とからなっていてもよい。
このような構成によれば、移動機構の構成が極めて簡易なものとなり、画像形成装置内で移動機構が占めるスペースを極力抑えることができる。また、簡易な構成であることから、確実な作動を担保し故障を防止する観点からも好ましい。
【0028】
この発明による画像形成装置において、移動機構はカムと、カムを軸回転させる回転駆動手段と、カムの回転に追従して揺動し現像器を移動させるアームとからなっていてもよい。
このような構成によれば、カムの回転に追従して揺動するアームによって現像器が移動させられるので、アームの構成により現像器を多彩な移動パターンで移動させることができる。
【0029】
この発明による画像形成装置は、複数組の現像器と移動機構を備えていてもよい。
このような構成によれば、複数組の現像器と移動機構によりカラー画像形成装置を構成できる。カラー画像形成装置は複数の現像器により像を重ねて多色トナー像を形成するので、複数の現像器のうち、1つの現像器でも現像剤が劣化し所期の性能を発揮できないとそれが画質に及ぼす影響が大きい。
つまり、カラー画像形成装置では、複数の現像器が所期の性能を発揮することが重要であり、現像剤の劣化を防止する本発明の効果がより一層効果的に発揮される。
【0030】
この発明による画像形成装置において、現像剤は非磁性1成分現像剤であってもよい。
非磁性1成分現像剤は、2成分現像剤のようにキャリアとトナーを撹拌・混合するオーガ機構を設けなくてもよいので、現像器の構成を簡易なものとすることができる。
また、オーガ機構が設けられないことにより、現像剤の滞留が懸念されるが、本発明によれば、上述のとおり、非現像時に現像器が感光体から離され感光体に対する現像器の姿勢が変化させられることにより現像剤の滞留が防止されるので、本発明の効果がより一層効果的に発揮される。
また、非磁性1成分現像剤は、マグネタイト等の磁性粒子を含まないので、濁りのないあざやかなカラー画像を形成するうえでも好適である。
【0031】
以下、この発明の実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態において、同じ構成を有する部材については同じ符号を用いて説明する。
【0032】
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図、図2は図1に示される画像形成装置に設けられた現像器の説明図、図3は図2に示される現像器が感光体から離され姿勢が変化させられた状態を示す説明図である。
【0033】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、潜像保持体である感光体101と、帯電器110と、露光手段120と、現像器130と、転写器140と、クリーニング手段150と、除電手段160と、定着器170と、これらを統合的に制御する制御部とから主に構成されている。
【0034】
感光体101は軸回転可能に支持され、図示しない駆動手段によって矢印方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば、電動機と減速機とから構成され、その駆動力を感光体101の芯体を構成する導電性支持体に伝達することによって感光体101を所定の周速度で回転駆動させる。
帯電器110、露光手段120、現像器130、転写器140、クリーニング手段150、除電手段160は、この順序で感光体101の外周面に沿って感光体101の回転方向上流側から下流側に向かって設けられる。
【0035】
帯電器110は、感光体101の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。帯電器110は、例えば、コロトロンやスコロトロンなどのチャージャーワイヤ機構、或いは接触式の帯電ローラや帯電ブラシによって構成される。
感光体101が駆動手段によって矢印方向に回転駆動されると、帯電器110によって感光体101の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
【0036】
露光手段120は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から出力されるレーザ光を、帯電器110と現像器130との間から感光体101の表面に照射することによって、帯電された感光体101の外周面に対して画像情報に応じた露光を行う。レーザ光は、主走査方向である感光体101の回転軸線方向に沿って繰り返し走査され、レーザ光が照射された部分の表面電荷が露光光量に応じて除去される。これによりレーザ光が照射された部分の表面電位とレーザ光が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、感光体101の表面に静電潜像が形成される。
【0037】
現像器130は、帯電と露光によって感光体101の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像手段であり、感光体101に近接対峙して設けられ、感光体101の外周面に現像剤であるトナーを供給し、感光体101上の静電潜像にトナーを付着させ、静電潜像をトナー像として可視像化する。
一方、感光体101に対する露光と現像に同期して、感光体101と転写器140との間に転写紙200が図示しない搬送手段により搬送供給され、感光体101上のトナー像が転写器140によって転写紙200上に転写される。
転写器140は、転写紙200にトナーと逆極性の電荷を与えるコロトロンなどの帯電器でもよいし、トナーと逆極性にバイアスされた導電性の接触転写ローラなどであってもよい。
【0038】
転写工程後、感光体101上に残留したトナーはクリーニング手段150により感光体101の外周面から除去され回収される。クリーニング手段150は感光体101の外周面に残留するトナーを剥離するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシングとを備える。
クリーニング工程後、感光体101は除電手段160により全面露光され、これにより残留電位が除電されて次の画像形成に備えられる。
【0039】
一方、転写工程でトナー像が転写された転写紙200は定着器170へ搬送され、転写された未定着トナー像が転写紙200上に定着させられる。
定着器170は、例えば、ヒートランプを内蔵した加熱ローラと、この加熱ローラに圧接する加圧ローラとから構成され、加熱ローラと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に転写紙200が通されることにより、転写紙200上の未定着トナー像が溶融し、転写紙200上に定着する。
トナー像が定着された転写紙200は図示しない搬送手段により画像形成装置100の外部へ排出され、一連の画像形成が完了する。
【0040】
次に、上述の画像形成装置100に設けられた現像器130の構成について図2および図3に基づいて説明する。図2は上述の画像形成装置100に設けられた現像器130の説明図であり、現像器130の上面、側面および断面を示している。図3は図2に示される現像器130が移動機構により感光体101から離され姿勢が変化させられた状態を示している。
【0041】
図2に示されるように、現像器130はトナー収容部131に収容された非磁性1成分現像剤であるトナー50を、アジテータ等の手段により現像剤担持体である現像ローラ20の近傍に送るように構成されている。
現像ローラ20には、現像剤供給部材であるトナー供給ローラ30が圧接されており、トナー供給ローラ30の回転方向は現像ローラ20と同方向、すなわち、現像ローラ20との対向部における両ローラの表面の移動方向が互いに逆方向になるように構成されている。
トナー供給ローラ30には、図示しないバイアス電源から電圧が印加されており、その電圧は、電気的にトナー50を現像ローラ20の方向へ押す方向に作用し、例えば、トナー50が負極性トナーであれば、より負極側に大きなバイアス電圧となる。
【0042】
トナー供給ローラ30によって摩擦接触帯電されるとともに、バイアス電圧によって現像ローラ20に供給されたトナー50は層状のトナー層となり、現像ローラ20の回転移動によって現像剤量規制部材であるトナー層規制ブレード40が当接する位置に搬送される。
トナー層規制ブレード40は導電性の板状部材によって形成され、一端が現像器130の上部開口付近に固定され、他端は略90度に折り曲げられ、一端と他端との間の湾曲した腹部が現像ローラ20に弾性的に押圧され接触している。
【0043】
トナー層規制ブレード40が現像ローラ20に当接する圧力や位置を適宜設定することにより現像ローラ20に担持されたトナー層を所定の帯電電荷量と厚みに規制できる。
また、トナー層規制ブレード40にも現像ローラ20に対して所定のバイアス(同電位のこともある)が印加されており、所定の帯電電荷量と厚みに規制されたトナー層は現像領域(すなわち、静電潜像の形成された感光体101との対向部)に搬送され現像工程に入っていく。
【0044】
現像工程で静電潜像の現像に利用されなかった現像ローラ20上のトナー層は、現像ローラ20の回転に伴って現像器130の下部開口に設けられた漏れ防止シート90を通り、トナー収容部131内へ戻される。
このようにしてトナー収容部131へ戻されたトナー層はトナー供給ローラ30により現像ローラ20の表面から掻き落とされ、トナー収容部131内の他のトナーと混ざり再利用される。
【0045】
以下、より詳細に現像器130の構成と作用について説明する。以下の表1は本実施形態における感光体101および現像器130の具体的な構成と諸条件の一例を示すものである。
【0046】
【表1】

【0047】
感光体101は、導電性基材が接地され、表面電位が約−600Vに帯電された直径約30mmの負帯電型ドラムであり、矢印方向に周速約140mm/sで回転し、上述の露光手段120により露光され静電潜像が形成される。
現像ローラ20は直径が約16mmであり、カーボンブラックなどの導電化剤が添加された体積抵抗率が約106Ωcm、JIS−A硬度が50〜60度程度の導電性ウレタンゴムからなる。
現像ローラ20は矢印方向に周速約210mm/sで回転し、直径が約8mmの導電性支持体(例えば、ステンレス、導電性樹脂など)のシャフトを介して現像バイアス電源により約−300Vの電圧が印加され、現像ニップ幅が約1.5mmとなるように感光体ドラム101にトナー層を介して圧接している。
【0048】
トナー供給ローラ30は直径が約14mmで、トナー50を撹拌する機能と現像後の現像ローラ20からトナー層を除去する機能とを併せ持ち、体積抵抗率が約105Ωcm、セル密度が約3個/mmの導電性ウレタンフォームからなる。
トナー供給ローラ30は矢印方向に周速約125mm/sで回転し、導電性支持体(ステンレス、導電性樹脂など)のシャフトを介して供給バイアス電源により約−450Vの電圧が印加され、0.5〜1mm程度の接触深さで現像ローラ20に接触している。
【0049】
トナー供給ローラ30により負に予備帯電され、現像ローラ20の表面に付着したトナー50は、現像ローラ20の回転によりトナー層となってトナー層規制ブレード40と当接する位置へ搬送される。
トナー層規制ブレード40は、厚み約0.1mmの導電性(例えば、ステンレス、リン青銅、導電性樹脂など)の板状部材で、現像ローラ20の回転方向上流側に自由端を有する片持ち式の板バネ構造であり、現像ローラ20に約15〜30gf/cmの線圧で当接している。
また、トナー層規制ブレード40は、トナー規制ブレードバイアス電源により約−450Vの電圧が印加されている。
【0050】
現像ローラ20に担持されたトナー層は、トナー層規制ブレード40により約0.6〜0.8mg/cm2のトナー付着量と、約−10〜−15μC/gのトナー帯電量に規制された後、現像ローラ20の回転により感光体101と対向接触する現像領域へ搬送され、接触反転現像を行う。
現像器130の下部開口にはトナー収容部131からのトナー漏れを防止するために漏れ防止シート90が設けられる。漏れ防止シート90は、例えば、厚さ0.2mm程度のウレタンシートやマイラーフィルムからなる。
一方、アルミ蒸着フィルムなどの導電性のフィルムを漏れ防止シート90として用い、これにバイアス、例えば、現像ローラ20のシャフトと同電位、或いは、約+50V以上高い電位をかけることにより、現像に利用されずにトナー収容部131に戻ってきたトナー層の帯電を除去するトナー電荷除去手段とすることもできる。
【0051】
本実施形態で用いられるトナー50は、一般に高抵抗トナーと呼ばれるものが好ましい。より具体的には、ペレットにした場合の電気抵抗が約1010Ω・cm程度で、ベースレジンとして、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の樹脂を80〜90重量部、カーボンブラックを4〜10重量部程度混入・混練し、帯電制御剤(CCA)を0〜5重量部、加硫制御剤(微小量)を適量配合し、粉砕工程の後、例えば、シリカなどの外添剤を0.2〜2重量部程度混合したものが挙げられる。
【0052】
現像器130のトナー収容部131は内壁面が略平坦に形成されている。一方、現像器130の両側面には、画像形成装置100内において、感光体101に対する現像器130の位置関係を規定するためのガイドピン65,66が前後に2本ずつ、計4本設けられている。
4本のガイドピン65,66のうち、感光体101に近い前側のガイドピン65は側面の下縁近傍に設けられ、感光体101から遠い後ろ側のガイドピン66は側面の上縁近傍に設けられている。すなわち、前側のガイドピン65と後ろ側のガイドピン66との間には高低差がつけられている。
【0053】
一方、図3に示されるように、画像形成装置100側にはガイド溝75,76が設けられており、それぞれ現像器130のガイドピン65,66と係合して画像形成装置100内で現像器130が移動できる範囲を規定している。
感光体101から遠い後ろ側のガイド溝76は斜め下方へガイドするように構成されており、感光体101に近い前側のガイド溝75は水平に構成されている。
【0054】
図3に示されるように、画像形成装置100側にはカム71とカム71を軸回転させる回転駆動機構(図示せず)とから構成される移動機構70が設けられており、カム71は現像器130の下面を支えている。
また、現像器130は図示しない付勢手段により常にカム71の方へ付勢されている。
このため、カム71が回転駆動手段によって180°軸回転させられると、現像器130はガイド溝75に沿って感光体101から離れるように後方へ移動しつつ後部がガイド溝76に沿って斜めに下がり、図中の破線で示す位置へ移動する。
【0055】
このようにして、現像器130は感光体101から離れて後部が下がるように感光体101に対する姿勢が変化させられ、非現像時に現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50をトナー収容部131の後部へ流動させて他のトナー50と混合することができる。
【0056】
また、現像時には、再びカム71を180°軸回転させて現像器130の後部を押し上げることにより、現像器130は現像ローラ20と感光体101が近接又は接触する元の位置へ戻り、この状態で現像ローラ20およびトナー供給ローラ30を駆動し、上述した各バイアスを印加すると感光体101の静電潜像をトナー50で現像できる。
現像に利用されずにトナー収容部131へ戻ったトナー50は、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30の近傍で滞留し易い傾向があるが、現像と非現像の状態が繰り返されることにより、現像器130は感光体101に対する姿勢が繰り返し変化させられ、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50に繰り返し応力を与えて効果的に流動させることができる。
【0057】
なお、現像器130を感光体101から離して感光体101に対する現像器130の姿勢を変化させた状態で、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30を駆動させることにより、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50を撹拌し流動化させることができる。
これにより、より一層確実に現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50をトナー収容部131の後部へ流動させることができる。
【0058】
また、必要であれば、非現像時における現像ローラ20およびトナー供給ローラ30の回転駆動方向を、現像時と逆にすることにより滞留したトナー50に現像時と異なる方向の力を作用させ、滞留の解消を図ることもできる。
なお、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30の回転駆動に連動して駆動される他の部材があり、それが構造上、逆回転に適さないものである場合は、ワンウェイクラッチ等を使用して当該部材の逆回転を防ぐようにすればよい。
【0059】
このように、本実施形態によれば、非現像時に現像器130を感光体101から離して感光体101に対する現像器130の姿勢を変化させることにより、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50を強制的に流動させて他のトナー50と混合することができる。
これにより、滞留したトナー50が繰り返し使用されて劣化することに起因して生ずる濃度不良や画質のざらつきが防止され、長期に亘って良好な画像を得ることができる。
【0060】
実施形態2
本発明の実施形態2に係る画像形成装置について図4に基づいて説明する。図4は実施形態2に係る画像形成装置の図3対応図である。
【0061】
実施形態2に係る画像形成装置は、現像器の構成を上述の実施形態1と同様の構成としたままで、画像形成装置側のガイド溝と移動機構に変更を加えたものである。
図4に示されるように、実施形態2では移動機構270が、カム271と、カムを軸回転させる回転駆動機構(図示せず)と、カム271の回転に追従して揺動するアーム272とから構成されている。
これに伴い、画像形成装置側には現像器130の前側のガイドピン65を斜め上方へガイドするガイド溝275が設けられ、後ろ側のガイドピン66がアーム272の先端に軸回転可能に嵌まっている。
また、現像器130は感光体101と対向するように感光体101へ向かって付勢されている。
【0062】
実施形態2では、カム271が180°軸回転するとそれに追従してアーム272が斜め下方へ揺動し、揺動したアーム272によって現像器130の後ろ側のガイドピン66が斜め下方へ押し下げられる。このとき、現像器130の前側のガイドピン65はガイド溝275に沿って斜め上方へ移動する。
これにより、現像器130は感光体101から離れるように前部がガイド溝275に沿って斜め上方へ移動しつつ後部がアーム272によって斜め下方へ押し下げられ、図中の破線で示す位置へ移動する。
【0063】
このようにして、現像器130は感光体101から離れて後部が下がるように感光体101に対する姿勢が変化させられ、非現像時に現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50をトナー収容部131の後部へ流動させて他のトナー50と混合することができる。
また、現像時には、再びカム271を180°軸回転させると、上述した付勢力によりアーム272が斜め上方へ持ち上げられ、現像器は130は現像ローラ20と感光体101が近接又は接触する元の位置へ戻る。
【0064】
実施形態2においても、現像と非現像を繰り返すことにより、感光体101に対する現像器130の姿勢が繰り返し変化させられ、現像ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50を効果的に流動させることができる。
また、現像器130が感光体101から離され感光体101に対する姿勢が変化させられた状態で、駆動ローラ20およびトナー供給ローラ30を駆動させることにより、駆動ローラ20およびトナー供給ローラ30近傍のトナー50を撹拌し確実に流動化させることができる。
その他の構成は上述の実施形態1に係る画像形成装置100と同様である。
【0065】
実施形態3
本発明の実施形態3に係る画像形成装置について、図5に基づいて説明する。
図5は実施形態3に係る画像形成装置の概略的な構成を示す説明図である。
実施形態3は、実施形態1および2で記したのと同様の構成を有する現像器と移動機構を複数組設けてカラー画像形成装置を構成したものである。
【0066】
図5に示されるように、実施形態3に係る画像形成装置300は、潜像保持体である感光体101と、帯電器110と、露光手段120と、複数の現像器130k、130c、130m、130yと、1次転写器141と、2次転写器145と、クリーニング手段150と、除電手段160と、定着器170と、転写ベルトクリーニング手段180と、これらを統合的に制御する制御部(図示せず)とから主に構成されている。
【0067】
感光体101は軸回転可能に支持され、図示しない駆動手段によって矢印方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば、電動機と減速機とから構成され、その駆動力を感光体101の芯体を構成する導電性支持体に伝達することによって感光体101を所定の周速度で回転駆動させる。
帯電器110、露光手段120、現像器130k,130c,130m,130y、1次転写器141,クリーニング手段150、除電手段160は、この順序で感光体101の外周面に沿って感光体101の回転方向上流側から下流側へ向かって設けられる。
【0068】
帯電器110は、感光体101の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。帯電器110は、例えば、コロトロンやスコロトロンなどのチャージャーワイヤ機構、或いは接触式の帯電ローラや帯電ブラシによって構成される。
感光体101が駆動手段によって矢印方向に回転駆動されると、帯電器110によって感光体101の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
【0069】
露光手段120は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から出力されるレーザ光を、帯電器110と現像器130kとの間から感光体101の表面に照射することによって、帯電された感光体101の外周面に対して画像情報に応じた露光を行う。レーザ光は、主走査方向である感光体101の回転軸線方向に沿って繰り返し走査され、レーザ光が照射された部分の表面電荷が露光光量に応じて除去される。これによりレーザ光が照射された部分の表面電位とレーザ光が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、感光体101の表面に静電潜像が形成される。
【0070】
現像器130k,130c,130m,130yは、帯電と露光によって感光体101の表面に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像手段であり、感光体101に近接対峙して設けられ、感光体101の外周面に現像剤であるトナーを供給し、感光体101上の静電潜像にトナーを付着させ、静電潜像をトナー像として可視像化する。
現像器130k,130c,130m,130yとしては、上述の実施形態1または2に記載のものを用いることができ、それぞれ独立して現像時の位置と非現像時の位置に移動できる。
【0071】
1次転写器141は1次転写ベルト142にトナーと逆極性の電荷を与える導電性の接触転写ローラであり、感光体101上のトナー像を1次転写ベルト142上に1次転写する。
1次転写工程後、感光体101上に残留したトナーはクリーニング手段150により感光体101の外周面から除去され回収される。クリーニング手段150は感光体101の外周面に残留するトナーを剥離するクリーニングブレードと、クリーニングブレードによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシングとを備える。
クリーニング工程後、感光体101は除電手段160により全面露光され、これにより残留電位が除去されて次の画像形成に備えられる。
【0072】
本実施形態では複数の現像器130k,130c,130m,130yによりブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色について現像と1次転写を繰り返し、各色の像を重ねて1次転写ベルト142上に多色トナー像を形成する。
具体的には、1つ目のカラーとして、現像器130kによりブラックについて一連の画像形成工程が行われる。すなわち、現像器130kが感光体101と近接対峙する現像時のポジションに位置し、そのほかの現像器130c,130m,130yは感光体101から離れて感光体101に対する姿勢が変化させられた非現像時のポジションに位置し、この状態でブラックについて帯電、露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ベルト142上にブラックのトナー像が形成される。
【0073】
次いで、現像器130cが感光体101と近接対峙する現像時のポジションに位置し、そのほかの現像器130k,130m,130yは感光体101から離れて感光体に対する姿勢が変化させられた非現像時のポジションに位置し、この状態で2つ目のカラーであるシアンについて帯電、露光、現像、1次転写が行われ、1次転写ベルト142上のブラックのトナー像の上にシアンのトナー像が重ねられる。
このような画像形成工程を現像器130m,130yによってマゼンタ、イエローの各色についても行い、1次転写ベルト142上にブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色のトナー像が重ねられた多色トナー像を形成する。
【0074】
2次転写器145は、図示しない搬送手段により1次転写ベルト142と2次転写器145との間に搬送されてくる転写紙200に、1次転写ベルト上の多色トナー像を一括して2次転写するものである。2次転写器145はトナーと逆極性の電荷を与えるコロトロンなどの帯電器でもよいし、トナーと逆極性にバイアスされた導電性の接触転写ローラなどであってもよい。
2次転写工程で転写紙200に転写されずに1次転写ベルト142上に残った残留トナーは、1次転写ベルト142に対して離接可能に構成された転写ベルトクリーニング手段180によって除去され回収される。
【0075】
一方、2次転写工程で多色トナー像が転写された転写紙200は、定着器170へ搬送され、転写された未定着の多色トナー像が転写紙200上に定着させられる。
定着器170は、例えば、ヒートランプを内蔵した加熱ローラと、この加熱ローラに圧接する加圧ローラとから構成され、加熱ローラと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に転写紙200が通されることにより、転写紙200上の未定着の多色トナー像が溶融し、転写紙200上に定着する。
多色トナー像が定着された転写紙200は図示しない搬送手段により画像形成装置300の外部へ排出され、一連の画像形成工程が完了する。
【0076】
カラー画像形成装置では、複数の現像器がそれぞれ所期の性能を発揮することが所定の画質を得るうえで重要となるが、本実施形態によれば、複数の現像器130k,130c,130m,130yが、非現像時に感光体101から離れて感光体101に対する姿勢が変化させられるため、現像器130k,130c,130m,130y内のトナーを強制的に流動させて劣化を抑えることができ、長期に亘って良好なカラー画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
20 現像ローラ
30 トナー供給ローラ
40 トナー層規制ブレード
50 トナー
65,66 ガイドピン
70,270 移動機構
71,271 カム
75,76,275 ガイド溝
90 漏れ防止シート
100,300 画像形成装置
101 感光体
110 帯電器
120 露光手段
130,130k,130c,130m,130y 現像器
131 トナー収容部
140 転写器
141 1次転写器
142 1次転写ベルト
145 2次転写器
150 クリーニング手段
160 除電手段
170 定着器
180 転写ベルトクリーニング手段
200 転写紙
272 アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される潜像保持体と、現像剤を収容し潜像保持体に形成された静電潜像を現像する現像器と、現像時に現像器を潜像保持体に近づけ非現像時に現像器を潜像保持体から離して現像器の潜像保持体に対する姿勢を変化させる移動機構とを備える画像形成装置。
【請求項2】
現像器は現像剤を収容する収容部と、収容部に収容された現像剤を担持して潜像保持体へ搬送するように駆動される現像剤担持体とを有し、現像器を潜像担持体から離す際、移動機構は現像剤担持体近傍の現像剤が収容部に流動するように現像器の姿勢を変化させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
現像剤担持体は、現像器が潜像保持体から離され現像器の姿勢が変化した状態で駆動されることにより現像剤担持体近傍の現像剤を撹拌し収容部への流動を促す請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
移動機構は現像器に当接するカムと、カムを軸回転させる回転駆動手段とからなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
移動機構はカムと、カムを軸回転させる回転駆動手段と、カムの回転に追従して揺動し現像器を移動させるアームとからなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数組の現像器と移動機構を備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
現像剤が非磁性1成分現像剤である請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−191079(P2010−191079A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34073(P2009−34073)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】