説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を増加させる。
【解決手段】画像形成装置10は、画像形成装置本体12に対してカバー13を背面側(図2において右側)に離脱させると、第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させることができるようにされている。第1の現像ユニット32は、黒の現像剤をそれぞれ収容する現像剤収容部34a〜34cと、現像剤収容部34a〜34cから黒の現像剤を受け入れて像保持体26が保持する静電潜像を黒の現像剤で可視化する現像器36とを有する。第2の現像ユニット46は、4色の現像剤を個別に収容する現像器50a〜50dを有する。現像器50a〜50dは、現像ロール52a〜52dと、現像剤収容器54a〜54dとをそれぞれ有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数色の現像手段を一体的に支持するカラー現像カートリッジと、単色の現像手段を支持するブラック現像カートリッジのいずれか一方を選択的に装着することが可能であり、カラー現像カートリッジが装着された際に、複数色の現像手段を順次切り替えて感光体ドラムに対向させる現像ロータリを有する画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−98823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を増加させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、静電潜像を現像するための現像手段と現像剤を収容する第1の現像剤収容部を少なくとも具備する第1のユニットと、前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体と、前記現像手段が現像した現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、この転写手段が記録媒体に転写した現像剤像を記録媒体に定着させる定着装置と、前記第1のユニットが装着される画像形成装置本体と、を有し、前記画像形成装置本体は、静電潜像を現像するための異なる色の現像剤を個別に収容する複数の第2の現像剤収容部と各々現像手段を少なくとも具備する第2のユニットを、前記第1のユニットに換えて装着可能にされ、前記第2のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体が前記第2のユニットの周囲を回って前記転写手段に向けて搬送されるための周回搬送路を形成可能にされている画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第1のユニットが、少なくとも前記第1の現像剤収容部を有し、第2のユニットは少なくとも異なる色の現像剤を個別に収容する複数の第2の現像剤収容部を有し、前記現像手段は前記画像形成装置本体に有する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第1のユニット及び前記第2のユニットが、前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体をさらに有する請求項1記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記第1のユニット及び前記第2のユニットが、前記現像手段が現像する静電潜像を書き込む光書込装置をさらに有する請求項3記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記画像形成装置本体が、前記第2のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体を排出口まで搬送する排出搬送路と前記周回搬送路とを切り替える切替手段、前記周回搬送路の一部を構成するために記録媒体を案内する案内手段、及び前記周回搬送路内で記録媒体を搬送する搬送手段の少なくともいずれかを具備する搬送路形成ユニットを装着可能にされている請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記搬送路形成ユニットが、前記画像形成装置本体に対して、前記第2のユニットと一体で着脱可能にされている請求項5記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、前記複数の第2の現像剤収容部を前記像保持体に対向する位置へ順次に搬送する現像剤収容部搬送手段をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記現像剤収容部搬送手段が、1つの回転軸を中心に前記複数の第2の現像剤収容部を回転させることにより、前記像保持体に対向する位置へ順次に搬送する請求項7記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項9に係る本発明は、像保持体と、この像保持体が保持する静電潜像を現像するための現像手段と異なる色の現像剤を個別に収容する複数の第1の現像剤収容部を少なくとも具備する第1のユニットと、前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体と、前記像保持体に静電潜像を書き込む光書込装置と、前記像保持体が保持する現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、この転写手段が記録媒体に転写した現像剤像を記録媒体に定着させる定着装置と、前記第1のユニットが装着される画像形成装置本体と、を有し、前記画像形成装置本体は、前記像保持体が保持する静電潜像を現像するための現像剤を収容する第2の現像剤収容部と各々現像手段を少なくとも具備する第2のユニットを、前記第1のユニットに換えて装着可能にされ、前記第1のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体が前記第1のユニットの周囲を回って前記転写手段に向けて搬送されるための周回搬送路を形成可能にされている画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を増加させることができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置が大型化することを更に防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を増加させることができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を容易に増加させることができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を更に容易に増加させることができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置が大型化することを更に防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を容易に増加させることができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によれば、請求項5に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、搬送路形成ユニットを容易に着脱することができる。
【0020】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1乃至6いずれかに係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置が大型化することを防止することができる。
【0021】
請求項8に係る本発明によれば、請求項7に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、構成を簡易にすることができる。
【0022】
請求項9に係る本発明によれば、画像形成装置が大型化することを防止しつつ、静電潜像を現像するための現像剤の色を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置をカラー印刷可能にする過程を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の変形例をカラー印刷可能にする過程を示す側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置をカラー印刷可能にする過程を示す側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置をカラー印刷可能にする過程を示す側面図である。
【図8】第2の現像ユニットの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の下部に例えば1段の給紙ユニット14が配置されている。また、画像形成装置本体12の背面側(図1において右側)には、該画像形成装置本体12に対して着脱自在にされたカバー13が設けられている。画像形成装置本体12は、カバー13に換えて、後述する搬送路形成ユニット48を装着することができるようにされている。
【0025】
給紙ユニット14は、用紙などのシートが収容される給紙カセット16を有する。給紙カセット16は、複数の異なるサイズのシートを供給可能にされており、例えば供給可能な最大サイズのシートがA4サイズの用紙にされている。ここで、給紙カセット16は、A4サイズのシートの長辺を搬送方向にして収容可能にされている。給紙カセット16の上部には、給紙カセット16からシートを取り出す取り出しロール18が配置されている。
【0026】
取り出しロール18は、図示しない駆動部によって駆動され、シートを主搬送路20に向けて供給するように回転する。主搬送路20は、取り出しロール18から画像形成装置本体12の上部に配置された排出口21までのシート通路である。排出口21の近傍には、排出ロール22が設けられている。排出ロール22は、画像形成装置本体12の上部に設けられた排出部23に対し、排出口21を介してシートを排出する方向に回転する。
【0027】
主搬送路20の定着装置24の上流側には像保持体26と、表面に弾性を有する転写ロール28とが配置され、像保持体26と転写ロール28の上流側にレジストロール30が配置されている。
【0028】
したがって、給紙ユニット14の給紙カセット16から取り出しロール18により取り出されたシートは、主搬送路20に導かれ、レジストロール30により搬送タイミングをとられ、像保持体26と転写ロール28との間を通って黒色の現像剤像が転写され、この転写された黒色の現像剤像が定着装置24により定着され、排出ロール22により排出される。
【0029】
画像形成装置本体12には、例えば略中央下部に第1の現像ユニット32が着脱自在に設けられている。第1の現像ユニット32は、黒(Black)の現像剤をそれぞれ収容する現像剤収容部34a〜34cと、図示しない駆動源の駆動力によって現像剤収容部34a〜34cから黒の現像剤を受け入れて像保持体26が保持する静電潜像を黒の現像剤で可視化する現像器36とを有する。現像器36は、像保持体26に対向する現像ロール38を有する。
なお、画像形成装置10は、カラー印刷を可能にするために、第1の現像ユニット32に換えて後述する第2の現像ユニット46を画像形成装置本体12に装着することができるようにされている。
【0030】
像保持体26の上方には、該像保持体26を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置40が設けられている。また、像保持体26には、該像保持体26の回転方向の帯電装置40よりも上流側に像保持体用クリーナ42が当接している。像保持体用クリーナ42は、転写後に像保持体26に残留する現像剤を掻き取る。
【0031】
第1の現像ユニット32と帯電装置40との間には、帯電装置40により帯電された像保持体26に、レーザ光などの光線により静電潜像を書き込む光書込装置44が配置されている。また、像保持体26の正面側(図1において左側)には、上述した転写ロール28が位置する。転写ロール28は、第1の現像ユニット32によって可視化された現像剤像を転写位置Tでシートに転写する。
【0032】
転写位置Tの下流には、定着装置24が配置されている。定着装置24は、加熱ロールと加圧ロールとを有し、像保持体26と転写ロール28により現像剤像を転写されたシートを加熱ロールと加圧ロールとの接触部分(ニップ部:定着位置A)で挟持しつつ搬送し、現像剤像に熱と圧力とを加えてシートに現像剤像を定着させる。
【0033】
次に、画像形成装置10をカラー印刷可能にする方法について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10をカラー印刷可能に変更する過程を示す側面図である。
図2に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置本体12に対してカバー13を背面側(図2において右側)に離脱させると、第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させることができるようにされている。
【0034】
したがって、作業者は、カバー13を画像形成装置本体12から離脱させた後に、第1の現像ユニット32に換えて第2の現像ユニット46を画像形成装置本体12に装着し、カバー13に換えて搬送路形成ユニット48を画像形成装置本体12に装着することにより、画像形成装置10をカラー印刷可能に変更することができる。
【0035】
第2の現像ユニット46は、黒(Black)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及びイエロー(Yellow)の4色の現像剤を個別に収容する現像器50a〜50dを有する。現像器50a〜50dは、現像ロール52a〜52dと、現像剤収容器54a〜54dとをそれぞれ有し、現像剤収容器54a〜54dが収容する現像剤を現像ロール52a〜52dに個別に供給し、像保持体26が保持する静電潜像を各色の現像剤で順次に可視化する。第2の現像ユニット46は、回転軸55を中心に回転するようにされており、回転することによって現像器50a〜50dを像保持体26に対向する位置へ順次に搬送するようにされている。
なお、第2の現像ユニット46を回転させるように駆動する駆動源は、第1の現像ユニット32の現像剤収容部34a〜34cから黒の現像剤を搬送する駆動源と共通にされている。また、画像形成装置10は、第1の現像ユニット32及び第2の現像ユニット46がそれぞれ必要な駆動源を、画像形成装置本体12が有していてもよいし、第1の現像ユニット32及び第2の現像ユニット46がそれぞれ有していてもよい。
【0036】
搬送路形成ユニット48は、切替爪58、送出ロール60、案内部62及び搬送ロール64,66を有し、排出搬送路68と副搬送路70とを形成するユニットである。切替爪58は、排出ロール22が排出したシートの搬送先を分岐点Bにおいて排出搬送路68又は副搬送路70のいずれかに切り替える。送出ロール60は、排出ロール22が排出したシートの搬送先が切替爪58により排出搬送路68に切り替えられた場合に、排出口56を介してシートを排出部23に送出する。案内部62は、例えば副搬送路70を挟んで対向するように配置された複数のリブであり、排出ロール22が排出したシートの搬送先が切替爪58により副搬送路70に切り替えられた場合に、排出ロール22が排出したシートを主搬送路20のレジストロール30の上流側(合流点C)へ案内する。搬送ロール64は、例えば案内部62の中央に配置され、副搬送路70を通るシートを搬送ロール66に向けて搬送する。搬送ロール66は、例えば案内部62の下流側に配置され、副搬送路70を通るシートを合流点Cに向けて搬送する。
【0037】
このように、搬送路形成ユニット48は、排出ロール22が画像形成装置本体12から排出したシートを排出部23に向けて中継して、排出口56から排出部23へシートを排出するようにシートを搬送する排出搬送路68と、排出ロール22が画像形成装置本体12から排出したシートを再び転写位置Tへ搬送するように主搬送路20のレジストロール30の上流側へシートを搬送する副搬送路70とを形成する。
【0038】
また、搬送路形成ユニット48が画像形成装置本体12に装着されると、シートを主搬送路20のレジストロール30の上流側(合流点C)から転写位置T及び定着位置Aを通して分岐点Bで副搬送路70に案内し、副搬送路70を通して再び合流点Cまで搬送する周回搬送路が形成される。
【0039】
次に画像形成装置10の全体動作(カラー印刷)について説明する。
画像形成信号が送られると、像保持体26が帯電装置40により一様に帯電され、この帯電された像保持体26には、画像信号に基づいて光書込装置44から黒の画像に対応する光線が出射される。光書込装置44からの光線は、像保持体26の表面を露光し、静電潜像が形成される。
【0040】
像保持体26に保持された静電潜像は、現像器50aの現像ロール52aに供給される黒の現像剤で現像され、給紙ユニット14から供給されたシートに転写される。黒の現像剤像を転写されたシートは、定着装置24に導かれ、加熱ロールと加圧ロールとによって現像剤像を定着される。
【0041】
ここで、黒の現像剤像が定着したシートは、切替爪58によって副搬送路70に向けて案内される。副搬送路70に案内されたシートは、案内部62に案内されつつ搬送ロール64,66により合流点Cに向けて搬送される。
【0042】
像保持体26に残留する現像剤は、像保持体用クリーナ42により掻き取られる。
【0043】
そして再び像保持体26が帯電装置40により一様に帯電され、この帯電された像保持体26には、画像信号に基づいて光書込装置44からマゼンタの画像に対応する光線が出射される。光書込装置44からの光線は、像保持体26の表面を露光し、静電潜像が形成される。
【0044】
像保持体26に保持された静電潜像は、現像器50bの現像ロール52bに供給されるマゼンタの現像剤で現像され、シートに重ねて転写される。
【0045】
マゼンタの現像剤像を転写されたシートは、定着装置24に導かれ、加熱ロールと加圧ロールとによって現像剤像を定着される。マゼンタの現像剤像が定着したシートは、切替爪58によって副搬送路70に向けて案内される。副搬送路70に案内されたシートは、案内部62に案内されつつ搬送ロール64,66により合流点Cに向けて搬送される。像保持体26に残留する現像剤は、像保持体用クリーナ42により掻き取られる。
【0046】
シートが副搬送路70に向けて合計3回案内されて第2の現像ユニット46の周囲を3周し、黒及びマゼンタの現像剤像と同様に、シアン及びイエローの現像剤により現像された現像剤像が定着装置24によってシートに定着されると、シート上で現像剤像が重ね合わされたカラー画像が形成される。カラー画像が定着したシートは、切替爪58によって排出搬送路68に導かれ、送出ロール60により排出口56から排出部23へ排出される。
【0047】
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の変形例について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の変形例(画像形成装置110)をカラー印刷可能にする過程を示す側面図である。
なお、画像形成装置110において、図2に示した画像形成装置10(第2の現像ユニット46及び搬送路形成ユニット48を含む)を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
図3に示すように、画像形成装置110は、カバー13及び第1の現像ユニット32が画像形成装置本体12から離脱されると、第2の現像ユニット46と搬送路形成ユニット48とが一体化されたカラー印刷用ユニット72を装着することができるようにされている。
つまり、作業者は、カバー13及び第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させた後に、カラー印刷用ユニット72を装着することにより、画像形成装置110をカラー印刷可能に変更することができる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置120について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置120の概要を示す側面図である。
なお、画像形成装置120において、図2に示した画像形成装置10を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
【0049】
切替爪74は、定着装置24が現像剤像を定着させたシートの搬送先を分岐点Dにおいて排出搬送路68又は副搬送路70のいずれかに切り替える。排出ロール80は、定着装置24が現像剤像を定着させたシートの搬送先が切替爪74により排出搬送路68に切り替えられた場合に、シートを排出口82から排出部23に向けて送出する。案内部84は、副搬送路70の上流側の一部を挟んで対向するように配置された複数のリブである。つまり、画像形成装置本体12には、排出搬送路68と、副搬送路70の上流側の一部とが予め形成されている。また、画像形成装置本体12の背面側(図4において右側)下部には、該画像形成装置本体12に対して着脱自在にされたカバー86が設けられている。
【0050】
次に、画像形成装置120をカラー印刷可能にする方法について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置120をカラー印刷可能に変更する過程を示す側面図である。
図5に示すように、画像形成装置120は、画像形成装置本体12に対してカバー86を背面側(図5において右側)に離脱させると、第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させることができるようにされている。
【0051】
また、画像形成装置120は、カバー86及び第1の現像ユニット32が画像形成装置本体12から離脱されると、カバー86及び第1の現像ユニット32に換えて第2の現像ユニット46と搬送路形成ユニット88とが一体化されたカラー印刷用ユニット90を装着することができるようにされている。
【0052】
搬送路形成ユニット88は、案内部92及び搬送ロール64,66を有し、副搬送路70の下流側の一部を形成するユニットである。案内部92は、例えば副搬送路70の下流側の一部を挟んで対向するように配置された複数のリブであり、定着装置24が現像剤像を定着させたシートの搬送先が切替爪74により副搬送路70に切り替えられた場合に、定着装置24が現像剤像を定着させたシートを主搬送路20のレジストロール30の上流側(合流点C)に向けて案内する。
【0053】
したがって、カラー印刷用ユニット90が画像形成装置本体12に装着されると、シートを主搬送路20のレジストロール30の上流側(合流点C)から転写位置T及び定着位置Aを通して分岐点Dで副搬送路70に案内し、副搬送路70を通して再び合流点Cまで搬送する周回搬送路が形成される。
【0054】
つまり、作業者は、カバー86及び第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させた後に、カバー86及び第1の現像ユニット32に換えてカラー印刷用ユニット90を装着することにより、画像形成装置120をカラー印刷可能に変更することができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置130について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置130の概要を示す側面図である。
なお、画像形成装置130において、図4に示した画像形成装置120を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
【0056】
案内部94は、副搬送路70の上流側の一部が形成されるように画像形成装置本体12内に固定された複数のリブである。また、画像形成装置本体12の背面側(図6において右側)には、該画像形成装置本体12に対して着脱自在にされたカバー96が設けられている。カバー96は、例えば副搬送路70の中流側及び下流側を挟んで対向するように配置されて副搬送路70の一部を形成するための複数のリブからなる案内部98を有する。
つまり、画像形成装置130には、排出搬送路68と、副搬送路70とが予め形成されている。なお、画像形成装置130においては、定着位置Aから分岐点Dを通って合流点Cまでの距離がA4サイズのシートの長辺の長さと略同じにされており、定着装置24が現像剤像を定着させたシートを送り出すと、搬送ロール64,66が設けられていなくてもレジストロール30がタイミングを取ってシートを転写位置Tに向けて搬送することができるようにされている。
【0057】
次に、画像形成装置130をカラー印刷可能にする方法について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置130をカラー印刷可能に変更する過程を示す側面図である。
図7に示すように、画像形成装置130は、画像形成装置本体12に対してカバー96を背面側(図7において右側)に離脱させると、第1の現像ユニット32を画像形成装置本体12から離脱させることができるようにされている。
【0058】
また、画像形成装置130は、カバー96が画像形成装置本体12から離脱されると、第1の現像ユニット32に換えて第2の現像ユニット46を装着することができるようにされている。
【0059】
上述したように、カバー96は、副搬送路70の中流側及び下流側を形成するようにされている。案内部98は、定着装置24が現像剤像を定着させたシートの搬送先が切替爪74により副搬送路70に切り替えられた場合に、定着装置24が現像剤像を定着させたシートを主搬送路20のレジストロール30の上流側(合流点C)へ案内する。
【0060】
つまり、作業者は、カバー96を画像形成装置本体12から離脱させた後に、第1の現像ユニット32に換えて第2の現像ユニット46を装着し、再びカバー96を画像形成装置本体12に装着することにより、画像形成装置130をカラー印刷可能に変更することができる。
【0061】
なお、第1の現像ユニット32及び第2の現像ユニット46は、それぞれ像保持体26、帯電装置40、像保持体用クリーナ42及び光書込装置44が一体化されたユニットとして、互いに交換可能にされてもよい。
【0062】
次に、第1の現像ユニット32及び第2の現像ユニット46の変形例について説明する。
図8は、第2の現像ユニット46の変形例を示す側面図である。現像ロール204、現像ロール収容壁208、層厚規制部材206は、画像形成装置本体に有し、現像剤供給ユニット200は、画像形成装置10,110,120,130において第2の現像ユニット46の代わりに用いることができるようにされている。また、第1の現像ユニット32(白黒印刷のみの場合)においても黒(Black)の現像剤をそれぞれ収容する現像器36の現像剤収容部および現像剤収容部34a〜34cが現像剤供給ユニット200に換えて画像形成装置本体10,110,120,130に装着する。
【0063】
現像剤供給ユニット200は、回転体(搬送部)202及び現像剤供給部210a〜210dを有する。
以下、現像剤供給部210a〜210dなど複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「現像剤供給部210」などと略記することがある。
【0064】
回転体202は、黒(Black)、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)及びシアン(Cyan)の現像剤を現像ロール204に順次に供給するための現像剤供給部210a〜210dが着脱自在に設けられており、回転軸212を中心として例えば反時計回り(図8において左回り)に回転可能にされ、現像剤供給部210a〜210dが現像ロール204に対向する位置(現像剤供給位置)へ移動するようにされている。
なお、現像剤供給部210a〜210dが収容している現像剤は、例えば非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する2成分現像剤である。
【0065】
現像ロール204は、像保持体26に対向する部分が露出するように開口された現像ロール収容壁208内に収容されており、像保持体26との間に予め定めた隙間を形成しつつ、磁力によって保持したそれぞれの色の現像剤を像保持体26に供給する。層厚規制部材206は、現像ロール204の表面に付着した(現像ロール204が保持した)現像剤の層厚を規制する。
【0066】
現像剤供給部210は、供給器本体214、第1の攪拌搬送部材216及び第2の攪拌搬送部材218から構成される。第1の攪拌搬送部材216は、現像剤を攪拌しつつ第2の攪拌搬送部材218へ向けて搬送する。第2の攪拌搬送部材218は、現像剤を攪拌するとともに、現像剤を現像ロール204に供給する。
なお、現像剤は、第1の攪拌搬送部材216及び第2の攪拌搬送部材218によって攪拌されつつ供給器本体214内で循環し、磁性キャリアの周囲に非磁性トナーが付着するようにされている。
【0067】
また、現像剤供給部210には、現像剤の流出を防止するための開閉部材220と、現像ロール204に残留する現像剤を掻き取る掻き取り部材222とが設けられている。
【符号の説明】
【0068】
10,110,120,130 画像形成装置
12 画像形成装置本体
13,86,96 カバー
14 給紙ユニット
20 主搬送路
21 排出口
22 排出ロール
23 排出部
24 定着装置
26 像保持体
28 転写ロール
30 レジストロール
32 第1の現像ユニット
34a〜34c 現像剤収容部
36 現像器
44 光書込装置
46 第2の現像ユニット
48,88 搬送路形成ユニット
50a〜50d 現像器
52a〜52d,204 現像ロール
54a〜54d 現像剤収容器
55 回転軸
56,82 排出口
58,74 切替爪
60,80 送出ロール
62,84,92,94,98 案内部
64,66 搬送ロール
68 排出搬送路
70 副搬送路
72 カラー印刷用ユニット
90 カラー印刷用ユニット
200 現像剤供給ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を現像するための現像手段と現像剤を収容する第1の現像剤収容部を少なくとも具備する第1のユニットと、
前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体と、
前記現像手段が現像した現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、
この転写手段が記録媒体に転写した現像剤像を記録媒体に定着させる定着装置と、
前記第1のユニットが装着される画像形成装置本体と、
を有し、
前記画像形成装置本体は、
静電潜像を現像するための異なる色の現像剤を個別に収容する複数の第2の現像剤収容部と各々現像手段を少なくとも具備する第2のユニットを、前記第1のユニットに換えて装着可能にされ、前記第2のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体が前記第2のユニットの周囲を回って前記転写手段に向けて搬送されるための周回搬送路を形成可能にされている
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のユニットは、
少なくとも前記第1の現像剤収容部を有し、
前記第2のユニットは、
少なくとも異なる色の現像剤を個別に収容する複数の前記第2の現像剤収容部を有し、
前記現像手段は前記画像形成装置本体に有する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のユニット及び前記第2のユニットは、
前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体をさらに有する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1のユニット及び前記第2のユニットは、
前記現像手段が現像する静電潜像を書き込む光書込装置をさらに有する
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置本体は、
前記第2のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体を排出口まで搬送する排出搬送路と前記周回搬送路とを切り替える切替手段、前記周回搬送路の一部を構成するために記録媒体を案内する案内手段、及び前記周回搬送路内で記録媒体を搬送する搬送手段の少なくともいずれかを具備する搬送路形成ユニットを装着可能にされている
請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送路形成ユニットは、
前記画像形成装置本体に対して、前記第2のユニットと一体で着脱可能にされている
請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数の第2の現像剤収容部を前記像保持体に対向する位置へ順次に搬送する現像剤収容部搬送手段をさらに有する
請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤収容部搬送手段は、
1つの回転軸を中心に前記複数の第2の現像剤収容部を回転させることにより、前記像保持体に対向する位置へ順次に搬送する
請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
像保持体と、
この像保持体が保持する静電潜像を現像するための現像手段と異なる色の現像剤を個別に収容する複数の第1の現像剤収容部を少なくとも具備する第1のユニットと、
前記像保持体に静電潜像を書き込む光書込装置と、
前記像保持体が保持する現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、
この転写手段が記録媒体に転写した現像剤像を記録媒体に定着させる定着装置と、
前記第1のユニットが装着される画像形成装置本体と、
前記現像手段が現像する静電潜像を保持する像保持体と、
を有し、
前記画像形成装置本体は、
前記像保持体が保持する静電潜像を現像するための現像剤を収容する第2の現像剤収容部と各々現像手段を少なくとも具備する第2のユニットを、前記第1のユニットに換えて装着可能にされ、前記第1のユニットが装着された場合に、前記定着装置が現像剤像を定着させた記録媒体が前記第1のユニットの周囲を回って前記転写手段に向けて搬送されるための周回搬送路を形成可能にされている
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−191091(P2010−191091A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34194(P2009−34194)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】