説明

画像形成装置

【課題】調整・清掃動作による印字動作の中断頻度を抑えることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プリンタで複数種類の調整・清掃動作を行なう場合、ある調整・清掃動作を行なう際に、対応付けられている他の調整・清掃動作も併せて行なう。たとえば、プリンタにおいて画像安定化動作を行なうタイミングと判断されると(S101〜S109)、中転ブレードクリーニングおよび2次転写ローラクリーニングについて実行のタイミングではなくても、所定時間内に実行するタイミングとなる場合には(S111,S117)、画像安定化動作と併せて行なわれる(S113,S119,S123)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関し、特に、複数の種類の調整・清掃動作を行なう画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置において、画像安定化動作、ATVC(Auto Transfer Voltage Control:自動転写電圧制御)動作、中間転写ベルト用ブレードクリーニング、中間転写ベルトブレード磨耗対策動作、劣化トナー吐き出し動作、トナー補給動作、中間転写ベルトクリーニング、および二次転写ローラクリーニングなどの動作が行なわれることがある。これらの動作は直接的な印字動作以外の動作であって、印字動作を行なうための調整動作や清掃動作に該当する。以降の説明において、このような動作を、「調整・清掃動作」と称する。これら動作は、印字動作中に実行するタイミングとなった場合には、印字動作を中断して行なわれる。そのため、画像形成装置の生産性を低下させる要因となる。
【0003】
特開2006−110833号公報(以下、特許文献1)は、印字中に調整動作が実行される際、動作開始時に、動作に要する時間を報知する印刷装置を開示している。これにより、操作者は、調整動作の開始前に印字動作が中断される時間を知ることができる。
【0004】
特開2008−83253号公報(以下、特許文献2)は、トナー色ごとに印字中の空き時間を算出し、その時間の調整処理を実行する画像形成装置を開示している。詳しくは、特許文献2の装置は、印字中の動作系の空き時間を色ごとに算出して、空き時間に該動作系についての調整処理を実行する。これにより、印字動作の中断時間を抑えることができる。たとえば、各色の動作系を以下のように動作させて印字が行われる場合、2枚目から4枚目まででC(シアン)の動作系が空き時間と算出され、その間にCの動作系の調整処理を実行する:
1枚目:YMCK
2枚目: K
3枚目:YM K
4枚目: K
5枚目:YMCK。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−110833号公報
【特許文献2】特開2008−83253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像形成装置における調整・清掃動作は上述のように複数種類あり、これら動作は、印字中のそれぞれの動作が必要となったタイミングに、印字動作を中断して行なわれる。
【0007】
たとえば、ATVC動作は、印字開始時と、印字開始から2次転写周辺温度が変化したときと、先の動作から連続所定枚(たとえば100枚)印字したときとに実行される。またたとえば、2次転写ローラクリーニングは、2次転写ローラを圧接したままの印字が所定枚(たとえば200枚)行なわれると、2次転写ローラがかぶりトナーで汚れるために実行される。またたとえば、モノクロ補給動作は、トナーカートリッジ内に攪拌ばねが無い4サイクル機において現像ローラへトナーを供給するために現像ラックを回転させるための動作であって、モノクロ印字中に所定量のトナーが消費されたときに実行される。
【0008】
印字中にいずれかの調整・清掃動作を実行するタイミングになり、印字を中断して該動作が実行された後、少し印字しただけで、さらに印字を中断して、他の調整・清掃動作が実行される、ということもあり得る。また、2次転写周辺温度が変化したため、印字動作が中断されてATVC動作が実行された後、数枚印字後に、2次転写ローラを圧接したまま印字枚数が所定枚(たとえば200枚)に達すると、さらに印字を中断して、2次転写ローラクリーニングが実行され、さらにその後、数枚印字後に、モノクロトナーが残り少なくなったため、モノクロ補給動作が実行される、ということもあり得る。このように、印字動作が調整・清掃動作のために短い時間間隔で何度も中断されると、すなわち、印字動作が中断される頻度が多いと、画像形成装置の生産性が著しく低下する。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、効率的に複数の種類の調整・清掃動作を行なう画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、プリント動作機構と、複数の異なる種類の調整・清掃動作についての動作機構と、調整・清掃動作を実行させるように動作機構を制御するための制御手段と、複数の種類の調整・清掃動作のそれぞれについて、実行のタイミングを規定するしきい値を記憶するためのしきい値記憶手段と、調整・清掃動作と他の調整・清掃動作との対応関係を記憶するための対応記憶手段とを備え、制御手段は、しきい値を用いて第1の調整・清掃動作の実行のタイミングを判断する際に、第1の調整・清掃動作に対応付けられた第2の調整・清掃動作の実行のタイミングを判断するための判断手段を含む。
【0011】
好ましくは、判断手段は、第1の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断したときに、第1の調整・清掃動作の実行と関連したタイミングを第2の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断する。
【0012】
好ましくは、判断手段は、第1の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断したときに、第2の調整・清掃動作の実行のタイミングが所定範囲内にある場合に、第1の調整・清掃動作の実行と関連したタイミングを第2の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断する。
【0013】
より好ましくは、第1の調整・清掃動作と第2の調整・清掃動作とは動作内容が関連し、第1の調整・清掃動作の実行と関連した第2の調整・清掃動作を実行するタイミングは、第1の調整・清掃動作の直前または直後である。
【0014】
または、第1の調整・清掃動作と第2の調整・清掃動作とは動作が相互に干渉せず、第1の調整・清掃動作の実行と関連した第2の調整・清掃動作を実行するタイミングは、第1の調整・清掃動作と並行したタイミングである。
【0015】
より好ましくは、第1の調整・清掃動作と第2の調整・清掃動作との組み合わせは、画像安定化動作および中転ブレードクリーニングを含む組み合わせ、ATVC(Auto Transfer Voltage Control:自動転写電圧制御)動作および中転ブレードクリーニングを含む組み合わせ、ATVC動作および2次転写ローラクリーニングを含む組み合わせ、および2次転写ローラクリーニングおよびATVC動作を含む組み合わせ、のいずれかである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によると、複数の種類の調整・清掃動作を行なう画像形成装置において、印字動作の中断頻度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態にかかるプリンタの断面の概略の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるプリンタの、コントローラの構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態にかかるプリンタの、機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】ATVC動作のシーケンスの具体例を示す図である。
【図5】中間転写ベルトブレードの、中間転写ベルトへの圧接離間機構を説明する図である。
【図6】中間転写ベルトブレードクリーニングのシーケンスの具体例を示す図である。
【図7】トナー補給動作(モノクロ補給回転動作)を説明するための図である。
【図8】2次転写ローラクリーニングのシーケンスの具体例を示す図である。
【図9】画像安定化動作時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図10】ATVC動作時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図11】中間転写ベルトブレード磨耗対策動作時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図12】中間転写ベルトブレードクリーニング時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図13】モノクロ補給動作時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図14】2次転写ローラクリーニング時の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0019】
以下の説明では、画像形成装置がトナーカートリッジ内に攪拌ばねが無いいわゆる4サイクル機と言われるカラープリンタ(以下、プリンタと略す)である例を示すが、4サイクル機のプリンタに限定されず、他の構成のプリンタであってもよい。また、画像形成装置はプリンタに限定されず、複写機、ファクシミリ装置、およびそれらの機能を複合した機器であるMFP(Multi Function Peripheral)など、画像形成動作および複数種類の調整・清掃動作を行なう装置であれば他の装置であってもよい。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態にかかるプリンタ1は、作像部と、プリント媒体である用紙の搬送部とを含む。
【0021】
作像部は、プリンタ1内部の略中央部に配される、内側から複数のローラで懸架された、中間転写体である環状の中間転写ベルト2を含む。中間転写ベルト2に接して感光体3が配され、さらに感光体3に接して、回転稼動する現像ラック20が配される。
【0022】
現像ラック20は、回転軸の回りに配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色に対応したカートリッジ15Y,15M,15C,15Kを含む。カートリッジ15Y,15M,15C,15Kを代表させてカートリッジ15とも称する。現像ラック20が軸を中心として回転することで、カートリッジ15Y,15M,15C,15Kは配置される順に感光体3に向かい合う現像位置に移動する。カートリッジ15は、各々、トナーを格納する格納部(ホッパ)と、ホッパから供給されるトナーを保持する保持部(バッファ)と、バッファ内のトナーを現像する現像部とを含み(図7参照)、現像部には、それぞれ、現像ローラ19Y,19M,19C,19Kが備えられる。現像ローラ19Y,19M,19C,19Kを代表させて現像ローラ19とも称する。カートリッジ15が現像位置にあるとき、現像ローラ19は感光体3に接する。
【0023】
感光体3の周囲には帯電部16、露光部6、および1次転写ローラ8が配される。帯電部16は感光体3表面を一様に帯電させる。露光部6は帯電した感光体3上に各色の画像パターンを露光する。感光体3に接する、対応する色の現像ローラ19は、感光体3にトナーを供給して感光体3にトナー画像を現像する。1次転写ローラ8は中間転写ベルト2を間に挟んで感光体3に向かい合う位置に配される。感光体3に現像されたトナー画像は1次転写ローラ8によって中間転写ベルト2に転写(1次転写)される。モノクロ印字の際には1色のトナー画像が中間転写ベルト2に転写され、カラー印字の際には最大4色のトナー画像が中間転写ベルト2に転写されて重ね合わされる。
【0024】
作像部は、さらに、中間転写ベルト2に対して圧接・離間可能な、中間転写ベルトブレード5および2次転写ローラ12と、定着ローラ13とを含む。2次転写ローラ12と中間転写ベルト2とは2次転写部を構成する。2次転写ローラ12によって、該2次転写部に搬送された用紙に中間転写ベルト2上のトナー画像が転写(2次転写)される。定着ローラ13は一対のローラからなり、その間に定着部を構成する。定着ローラ13によって、該定着部に搬送されたトナー画像が転写された用紙は加熱され、トナー画像が定着される。中間転写ベルトブレード5は中間転写ベルト2に圧接された状態で、中間転写ベルト2上の2次転写後の残トナーを中間転写ベルト2から図示されない廃トナー回収部に掻き落とす。この機構については後述する。
【0025】
カラー印字時に4色のトナー画像が中間転写ベルト2に重ね合わされる間は、2次転写ローラ12および中間転写ベルトブレード5は中間転写ベルト2から離間している。重ね合わされたトナー画像の先端が2次転写部に到達するまでに2次転写ローラ12は中間転写ベルト2に圧接される。重ね合わされたトナー画像の後端が中間転写ベルトブレード5を通過した後に中間転写ベルトブレード5は中間転写ベルト2に圧接される。
【0026】
搬送部は、搬送路に沿って搬送ローラ11と、2次転写ローラ12と、定着ローラ13と、排紙ローラ14とを含む。搬送路は、図1中点線で示される。搬送ローラ11は、給紙ローラによって給紙される、プリンタ1内部の下部に配されるカセット10内の用紙9を、2次転写ローラ12と中間転写ベルト2とで構成される上記2次転写部に搬送する。2次転写ローラ12は、2次転写部で2次転写された用紙を、一対の定着ローラ13で構成される定着部に搬送する。定着ローラ13は、定着部でトナー画像が定着された用紙を、排紙ローラ14に搬送する。排紙ローラ14は、定着後の用紙を排出する。
【0027】
2次転写ローラ12付近には、2次転写部の環境値を測定するための環境センサ17が配置される。環境値は、印字動作に関連する環境値であり、たとえば温度、湿度、気圧、などが該当する。環境センサ17はこれらのうちのいずれか、または、それらを複合的に測定する。以降の例では、温度を測定するものとする。
【0028】
中間転写ベルト2付近には、中間転写ベルト2表面の濃度を測定するための濃度センサ18が配置される。濃度センサ18の好適な例としては、発光部(たとえばLED(Light Emitting Diode))と受光部とを含み、受光部で検出された、発光部から中間転写ベルト2面に照射された光の反射光に基づいて、中間転写ベルト2表面のトナー隠蔽率を測定して、中間転写ベルト2上のトナー濃度として検出する。
【0029】
プリンタ1には、さらに、装置全体を制御するコントローラ100が含まれる。図2を参照して、コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)50と、記憶装置としてのROM(Read Only Memory)51、RAM(Random Access Memory)52、および不揮発性メモリの一種であるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)53と、濃度センサ18と電気的に接続されて該センサと通信するための濃度センサ通信部54と、環境センサ17と電気的に接続されて該センサと通信するための環境センサ通信部55と、1次転写を制御するための1次転写制御部56と、2次転写を制御するための2次転写制御部57と、中間転写ベルトブレード5の動作を制御する中間転写ブレード制御部58と、現像ラック20の動作を制御する現像ラック制御部59とを含む。ROM51は、CPU50で実行されるプログラムを記憶する。RAM52およびEEPROM53は、印字対象の画像データや、上記プログラムの実行に必要な値などを記憶する。濃度センサ通信部54、環境センサ通信部55、1次転写制御部56、2次転写制御部57、中間転写ブレード制御部58、および現像ラック制御部59は、すべてハードウェアで構成されてもよいし、CPU50が上記プログラムを実行することでCPU50に構成されてもよい。
【0030】
プリンタ1では、印字動作の他、印字動作を行なうための調整動作や清掃動作として、画像安定化動作、ATVC(Auto・Transfer・Voltage・Control:自動転写電圧制御)動作、中間転写ベルトブレード磨耗対策動作、中間転写ベルトブレードクリーニング、トナー補給動作、および二次転写ローラクリーニングの、複数の種類の動作を行なうものとする。以降の説明において、このような印字動作を行なうための調整動作や清掃動作に該当する動作を、「調整・清掃動作」と称する。調整・清掃動作は上の動作のみに限定されるものではなく、たとえば、劣化トナー吐き出し動作などの他の動作を含んでもよい。また、必ずしも上のすべての動作が含まれなくてもよい。プリンタ1には、少なくとも2種類の調整・清掃動作が含まれていればよい。
【0031】
コントローラ100に含まれるCPU50は、ROM51に記憶されるプログラムを実行してこれら動作を実行するタイミングを各動作について判断し、判断されたタイミングで動作が実行されるように図1,図2に示される各構成に対して制御信号を出力する。図3は、上記調整・清掃動作の実行を制御するための機能を表わしている。これら構成は、CPU50がROM51に記憶されるプログラムを実行することで、主にCPU50に構成される。
【0032】
図3を参照して、上記機能は、判断部501、しきい値記憶部502、対応動作記憶部503、および各種カウンタとして、画像安定化実行カウンタ504、中転ブレードクリーニングカウンタ505、2次転写ローラクリーニングカウンタ506、モノクロ補給回転カウンタ507、モノクロ消費量カウンタ508、中転ブレード磨耗対策カウンタ509、ならびにATVC実行カウンタ510を含む。
【0033】
判断部501は、各部制御部からの信号より印字枚数などを算出し、必要なカウンタを用いてカウントする。しきい値記憶部502は、各動作について、実行を判断するために用いられるしきい値を記憶する。ここでのしきい値は、対応する調整・清掃動作単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値と、後述の、対応する他の調整・清掃動作の実行に関連して当該調整・清掃動作を実行するタイミングを判断するためのしきい値との双方を指す。対応動作記憶部503は、後述の、上記調整・清掃動作のうちの実行のタイミングに関連性のある他の調整・清掃動作との対応関係を記憶する。判断部501は、カウンタのカウント値としきい値記憶部502に記憶されているしきい値とを比較することで、上記調整・清掃動作のそれぞれについて、実行のタイミングを判断する。さらに、各調整・清掃動作について対応動作記憶部503に記憶されている対応する他の調整・清掃動作についても、カウンタのカウント値としきい値記憶部502に記憶されているしきい値とを比較することで、実行の要否を判断する。判断部501での判断に基づいて、CPU50からは対応する動作系に対して調整・清掃動作を実行させるための制御信号が出力される。
【0034】
ここで、上記複数の種類の調整・清掃動作のそれぞれについて、具体的に説明する。
<画像安定化動作>
画像安定化動作とは、濃度調整動作、レーザ光量調整動作、およびガンマ補正動作を含む。詳しくは、濃度調整動作は、現像部で感光体3にトナー画像を現像する際の濃度を調整するための動作であって、具体的には、中間転写ベルト2上に、複数の、全画素にドットを形成する、いわゆるベタ画像を、それぞれ異なる複数の濃度で形成して、濃度センサ18で読み取り、現像部の印加電圧を最適なトナー付着量となる電圧に調整する動作を指す。レーザ光量調整動作は、露光部6で感光体3に対して照射するレーザ光量を調整するための動作であって、具体的には、中間転写ベルト2上に回転方向に対して斜めに、複数のスジパターンを、それぞれ異なる複数のレーザ光量で形成して、濃度センサ18で読み取り、露光部6のレーザ光量を細い線が形成できる適切なレーザ光量に調整する動作を指す。ガンマ補正動作は、γ補正に用いるデータを得るための動作であって、具体的には、中間転写ベルト2上に複数のパターンで形成されたγ補正用の画像を形成して濃度センサ18で読み取り、γ補正用のデータとしてRAM52の所定領域などに保存する動作を指す。
【0035】
画像安定化動作は、現像ラック20に新品のカートリッジが装着された際、プリンタ1内の環境値の所定量以上の変化が検出された際、および前回の画像安定化動作から所定枚数印字するごとに実行される。上記所定枚数を、以降の例では1000枚とする。
【0036】
このため、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504を用いて、前回の画像安定化動作からの印字枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、画像安定化動作単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、環境値の変化量、および連続印字枚数(1000枚)が記憶される。
【0037】
<ATVC動作>
ATVC動作とは、2次転写ローラ12の抵抗値の変動により発生する2次転写不良を抑えるため、2次転写ローラ12に定電流を印加した状態で流れる2次転写電圧を測定して、この測定値をもとに印刷時に2次転写ローラ12に印加する2次転写電圧を決める動作を指す。詳しくは、図4を参照して、2次転写ローラ12を中間転写ベルト2に圧接した状態で、2次転写ローラ12に定電流を印加する。この状態で、2次転写電圧が測定される。測定された2次転写電圧値から、メディア(普通紙・厚紙など)や環境に適した2次転写電圧が決定される。
【0038】
通常、ATVC動作は、印字を開始するときに実行される。しかしながら、小型のプリンタではポリゴンヘッド、モータなど、発熱する部品が密集しているため、印字中の温度上昇が激しく、温度変化によって2次転写ローラ12の抵抗値が変化しやすい。これにより、印字中に2次転写不良が発生することになる。この2次転写不良の発生を防止するために、ATVC動作は、前回ATVC動作を実行してから2次転写ローラ12近傍の温度が所定量変化した際に実行される。上記所定量を、以降の例では5℃とする。
【0039】
また、2次転写ローラ12を構成する一対のローラの間に多数回通紙されると2次転写ローラ12の抵抗値が変化することがある。この抵抗値の変化を抑えるために、ATVC動作は、前回のATVC動作から所定枚数印字するごとにも実行される。上記所定枚数を、以降の例では100枚とする。
【0040】
このため、判断部501は、ATVC実行カウンタ510を用いて、前回のATVC動作からの印字枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、ATVC動作単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、環境値の変化量、および連続印字枚数(100枚)が記憶される。
【0041】
<中間転写ベルトブレード磨耗対策動作(中転ブレード磨耗対策動作)>
中間転写ベルトブレード磨耗対策動作(以下、中転ブレード磨耗対策動作と称する)とは、中間転写ベルト2に圧接された中間転写ベルトブレード5の先端に堆積した廃トナーをふるい落とすための、中間転写ベルトブレード5の圧接離間動作を指す。
【0042】
上述のように、カラー印字の場合には印字中に中間転写ベルトブレード5の中間転写ベルト2に対する圧接離間動作が行なわれるが、モノクロ連続印字の場合には上記動作が行なわれず、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接された状態が維持される。中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接された状態でモノクロ印字が連続すると、図5(A)に示されるように、中間転写ベルトブレード5と中間転写ベルト2との圧接部である中間転写ベルトブレード5の先端(図5(A)中の点線丸印)に廃トナーが堆積する。この場合、堆積した廃トナーの圧力で、廃トナーが、中間転写ベルトブレード5をすり抜けることがある。このすり抜け時に中間転写ベルトブレード5が削られる。また、すり抜ける廃トナー量が多くなると、中間転写ベルト2上のトナーが依然として残留することになる。中転ブレード磨耗対策動作は上のような現象を防ぐための動作であって、具体的には、中間転写ベルトブレード5を中間転写ベルト2に圧接離間させ、図5(B)に示されたように、先端に堆積した廃トナーをふるい落とす動作である。
【0043】
中転ブレード磨耗対策動作は、中間転写ベルトブレード5を中間転写ベルト2に圧接したまま印字するモノクロ印字が連続して所定枚数行なわれるごとに実行される。上記所定枚数を、以降の例では80枚とする。
【0044】
このため、判断部501は、中転ブレード磨耗対策カウンタ509を用いて、モノクロ印字の連続枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、中転ブレード磨耗対策動作単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、連続印字枚数(80枚)が記憶される。
【0045】
<中間転写ベルトブレードクリーニング(中転ブレードクリーニング)>
中間転写ベルトブレードクリーニング(以下、中転ブレードクリーニングと称する)とは、中間転写ベルトブレード5側面に付着した廃トナーを、廃トナーが帯電していることを利用して除去するために、2次転写ローラ12に−電圧と+電圧とを連続的に印加する動作を指す。
【0046】
中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるカラー印字が連続で行なわれると、中間転写ベルトブレード5の圧接離間動作により少量の廃トナーが飛翔して中間転写ベルトブレード5の側面に付着する。付着したトナー量が多くなると、付着したトナーが中間転写ベルトブレード5と中間転写ベルト2との電荷状態により飛翔して中間転写ベルト2に付着し、印字画像の汚れを招く。そのため、中間転写ベルトブレード5から廃トナーを除去する動作が必要となる。
【0047】
詳しくは、中転ブレードクリーニングでは、2次転写ローラ12および中間転写ベルトブレード5を中間転写ベルト2に圧接した状態で、図6に示されるように、2次転写ローラ12に、200ms間の−電圧の印加と、200ms間の+電圧の印加とが繰り返される。これにより、2次転写ローラ12に圧接する中間転写ベルトブレード5上に+帯電領域と、−帯電領域とが交互に形成する。さらに、この帯電領域が中間転写ベルトブレード5に到達するタイミングに、1次転写ローラ8に同極性の電圧が印加される。これにより、いずれかに帯電している中間転写ベルトブレード5に付着する廃トナーは、中間転写ベルト2の上記帯電領域に吸着される。中間転写ベルト2上に、+帯電領域と−帯電領域との両極性の領域が生成されることで、中間転写ベルトブレード5周辺に付着している廃トナーが+帯電していても−帯電していても、中間転写ベルト2に移動しやすい。廃トナーが付着した中間転写ベルト2の帯電領域がさらに中間転写ベルトブレード5を通過して廃トナーが掻き取られて、中転ブレードクリーニングが終了する。
【0048】
中転ブレードクリーニングは、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるカラー印字が連続して所定枚数行なわれるごとに実行される。上記所定枚数を、以降の例では100枚とする。
【0049】
このため、判断部501は、中転ブレードクリーニングカウンタ505を用いて、カラー印字の連続枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、中転ブレードクリーニング単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、連続印字枚数(100枚)が記憶される。
【0050】
<トナー補給動作(モノクロ補給回転動作)>
トナー補給動作(以下、モノクロ補給回転動作と称する)とは、現像ラック20を1回転させて、カートリッジ15内のトナーのホッパからバッファにトナーを補給する動作を指す。
【0051】
詳しくは、図7を参照して、カートリッジ15の図7において斜線が付された部分がホッパ、他の部分がバッファに該当する。プリンタ1では上述のようにホッパからバッファにトナーを供給するための攪拌機構が備えられていない。カラー印字時には、現像ラック20を回転するため、ホッパからバッファにトナーが移動し、バッファにトナーが供給される。しかしながら、現像ラック20が回転しないモノクロ印字が連続すると、ホッパからバッファにトナーの補給がなされず、モノクロ印字用のカートリッジ15Kのバッファ内のトナーが不足する。バッファ内のトナーの不足は画像のかすれにつながる。そのため、モノクロ補給回転動作が必要となる。
【0052】
モノクロ補給回転動作は、カートリッジ15Kのバッファ内のトナーが不足した時に必要であるため、モノクロ連続印字で所定量のトナーが消費されたときに実行される。上記所定量を、以降の例では4gとする。
【0053】
トナー消費量は画像データのドットカウントに基づいて算出される。しかしながら、画像データから算出されるドットカウントからは正確な消費量の算出ができずに誤差が生じる場合もある。そのため、モノクロ印字が連続して所定枚数行なわれたときにもモノクロ補給回転動作が実行される。上記所定枚数を、以降の例では200枚とする。
【0054】
判断部501は、モノクロ消費量カウンタ508を用いてトナー消費量をカウントする。また、モノクロ補給回転カウンタ507を用いて、モノクロ印字の連続枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、モノクロ補給回転動作単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、トナー消費量(4g)および連続印字枚数(200枚)が記憶される。
【0055】
<2次転写ローラクリーニング>
2次転写ローラクリーニングは、かぶりトナーによって2次転写ローラ12に付着したトナーを、トナーが帯電していることを利用して除去するために、2次転写ローラ12に−電圧と+電圧とを連続的に印加する動作を指す。
【0056】
モノクロ印字時には2次転写ローラ12が中間転写ベルト2に圧接された状態が維持されるため、モノクロ印字が連続すると、かぶりトナーが2次転写ローラ12に付着して印刷用紙の裏汚れが発生する。そのため、2次転写ローラクリーニングが必要になる。
【0057】
詳しくは、2次転写ローラクリーニングでは、2次転写ローラ12を中間転写ベルト2に圧接した状態で、図8に示されるように、2次転写ローラ12に、200ms間の−電圧の印加と、200ms間の+電圧の印加とが繰り返される。これにより、2次転写ローラ12に圧接する中間転写ベルトブレード5上に+帯電領域と、−帯電領域とが交互に形成する。いずれかに帯電している2次転写ローラ12に付着するトナーは、中間転写ベルト2の上記帯電領域に吸着される。トナーが付着した中間転写ベルト2の帯電領域がさらに中間転写ベルトブレード5を通過してトナーが掻き取られて、2次転写ローラクリーニングが終了する。
【0058】
2次転写ローラクリーニングでの2次転写ローラ12への電圧の印加は、中転ブレードクリーニングでの印加と同じなので、中転ブレードクリーニングが実行されると2次転写ローラクリーニングの効果もある。しかしながら、中転ブレードクリーニングはカラー印字中に必要となる動作であり、また、中転ブレードクリーニングと動作を兼ねると1次転写ローラ8への電圧の印加を制御するため時間が長くなるので、モノクロ印字連続中には中転ブレードクリーニングとは異なる2次転写ローラクリーニングが実施される。2次転写ローラクリーニングは、モノクロ印字が連続して所定枚数行なわれるごとに実行される。上記所定枚数を、以降の例では200枚とする。
【0059】
このため、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506を用いて、モノクロ印字の連続枚数をカウントする。また、しきい値記憶部502には、2次転写ローラクリーニング単独で実行するタイミングを判断するためのしきい値として、連続印字枚数(200枚)が記憶される。
【0060】
判断部501は、上述の各動作の実行のタイミングを、対応するカウンタでのカウンタ値およびしきい値記憶部502に記憶されているしきい値を用いて判断する。さらに、対応動作記憶部503に記憶されている、関連して実施のタイミングを判断する他の調整・清掃動作についても、実行のタイミングを判断する。たとえば、ある調整・清掃動作を実行する条件が成立して(たとえばカウント値がしきい値に達して)実行のタイミングと判断された場合に、判断部501は、当該調整・清掃動作に関連する箇所のクリーニングを実行するタイミングを早める。具体的には、当該調整・清掃機能に関連する箇所が汚れていると正しい調整が実行できないため、確実に汚れを取り除けるように、上記箇所のクリーニングを実行するタイミングを早める。この例の場合、対応動作記憶部503には、動作内容が関連している調整・清掃動作として、当該調整動作と上記箇所の清掃動作との対応関係が記憶されている。
【0061】
具体的には、対応動作記憶部503には、動作内容が関連している調整・清掃動作として、画像安定化動作と中転ブレードクリーニングとの対応関係が記憶され、しきい値記憶部502には、これら動作を関連付けて実行のタイミングを判断するためのしきい値が記憶されている。判断部501はこれら記憶部を参照して、画像安定化動作を実行する時には、中転ブレードクリーニングを実行する間隔を通常80枚間隔のところ、カラー印字が連続して50枚以上されていたら、中転ブレードクリーニングを実行後に画像安定化を実行する、と判断する。
【0062】
また、対応動作記憶部503には、動作内容が関連している調整・清掃動作として、ATVC動作と中転ブレードクリーニングとの対応関係が記憶され、しきい値記憶部502には、これら動作を関連付けて実行のタイミングを判断するためのしきい値が記憶されている。判断部501はこれら記憶部を参照して、ATVC動作を実行する時にも同様に、中転ブレードクリーニングを実行する間隔を通常80枚間隔のところ、カラー印字が連続して50枚以上なされていたら、中転ブレードクリーニングを実行後にATVC動作を実行する、と判断する。
【0063】
また、対応動作記憶部503には、動作内容が関連している調整・清掃動作として、ATVC動作と2次転写ローラクリーニングとの対応関係が記憶され、しきい値記憶部502には、これら動作を関連付けて実行のタイミングを判断するためのしきい値が記憶されている。判断部501はこれら記憶部を参照して、ATVC動作を実行する時には、2次転写ローラクリーニングを実行する間隔を通常200枚のところ、モノクロ印字が連続して100枚なされていたら、2次転写ローラクリーニングを実行後にATVC動作を実行する、と判断する。逆に、判断部501は、2次転写ローラクリーニングを実行すると、2次転写ローラ12の抵抗値が変化する可能性があるので、ATVC動作実行時からの間隔に関係無く、2次転写ローラクリーニングを実行後にATVC動作を実行する、と判断する。
【0064】
また、対応動作記憶部503には、動作内容が関連してはいないものの関連して実行が可能な調整・清掃動作として、複数の調整・清掃動作の対応関係が記憶され、しきい値記憶部502には、これら調整・清掃動作を関連付けて実行のタイミングを判断するためのしきい値が記憶されている。判断部501がこれら記憶部を参照して、実行のタイミングを関連付けることで、複数の調整・清掃動作が短期間に分散して実行されることを防止することができる。なぜなら、他の調整・清掃動作とは動作内容は関連がなく、同時または、順次に実行する必要はない調整・清掃動作であっても、ある調整・清掃動作を実行時に、他の調整・清掃動作の実行タイミングが近づいており、当該調整・清掃動作が終了してから短い期間に他の調整・清掃動作が分散して実行されることで、印字JOBが度々中断されることになるからである。そのため、判断部501はこれら記憶部を参照して、ある調整・清掃動作を実行する時に、対応する他の調整・清掃動作の実行タイミングが近づいていたら、同時または順次実行する、と判断する。この場合、しきい値記憶部502には、ある調整・清掃動作が終了してから、連続して所定枚数(たとえば30枚)印字可能なしきい値が記憶されていてもよい。
【0065】
なお、この場合、しきい値記憶部502には、実行のタイミングを判断するしきい値として、印字モード(高画質モード、低画質モード、等)が記憶されていてもよい。この場合、判断部501はこれら記憶部を参照して、ある調整・清掃動作を実行するタイミングに達したときに、対応する他の調整・清掃動作を実行する印字枚数で規定されるタイミングが連続して実行すると判断する場合のしきい値(たとえば30枚以内)に達していた場合であっても、印字モードとして低画質モードが選択されている場合には、その時点では当該他の調整・清掃動作を実行しない。たとえば、低画質モードが選択されて、画像安定化動作を実行するタイミングに達したが、2次転写ローラクリーニングを実行するタイミングまでが、画像安定化動作と2次転写ローラクリーニングとの関連で記憶されているしきい値(たとえば印字枚数10枚)に達している場合、判断部501は、残り10枚印字した後に2次転写ローラクリーニングと画像安定化動作とを実行する。
【0066】
調整・清掃動作に他の調整・清掃動作が含まれている場合がある。その場合、対応動作記憶部503には、含まれる調整・清掃動作として、ある調整・清掃動作について当該調整・清掃動作に含まれる調整・清掃動作が記憶されている。判断部501は、対応動作記憶部503を参照して、ある調整・清掃動作を実行するタイミングと判断すると、当該調整・清掃動作について含まれる動作として他の調整・清掃動作が記憶されている場合、他の調整・清掃動作がそのタイミングで実行されたものとして、次の、当該他の調整・清掃動作の実行のタイミングを判断する。
【0067】
具体的な例として、対応動作記憶部503には、含まれる調整・清掃動作として、画像安定化動作と中転クリーナ磨耗対策動作との対応関係が記憶されている。画像安定化動作中に中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2と圧接離間するため、中転クリーナ磨耗対策動作が不要となるからである。また他の例として、対応動作記憶部503には、含まれる調整・清掃動作として、画像安定化動作とモノクロ補給回転動作との対応関係が記憶されている。画像安定化動作中にはモノクロトナーがカートリッジ15Kのホッパからバッファに補給されるので、モノクロ補給回転動作は不要となるからである。
【0068】
なお、以降の例においては、対応動作記憶部503に、上述のように、関連付けて実行のタイミングを判断する複数の調整・清掃動作の対応付けが記憶されているものとするが、逆に、動作内容が排他的であるため、関連付けて実行しない複数の調整・清掃動作の対応付けが記憶されていてもよい。その場合には、対応動作記憶部503に対応付けられていない調整・清掃動作について、関連付けて実行のタイミングを判断することになる。いずれの場合も、ある調整・清掃動作に対応付けて記憶されている調整・清掃動作に含まれる。
【0069】
以下、複数の種類の調整・清掃動作のそれぞれについての制御を、図を用いて説明する。
【0070】
<画像安定化動作>
図9を参照して、プリンタ1で印字動作が実行されるごとに(ステップS101でYES)、判断部501は画像安定化実行カウンタ504を加算し(ステップS103)、印字枚数をカウントする。画像安定化実行カウンタ504のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である1000枚に達していないうちは(ステップS105で「1000枚未満」)、判断部501は、さらに、環境センサ通信部55から入力される環境値の変化量がしきい値記憶部502に記憶されている環境値の変化量に達しているか否か(ステップS107)、および新品のカートリッジが装着されたか否か(ステップS109)を監視する。これらの条件が満たされない場合には、画像安定化動作を行なうことなく、処理を終了する。
【0071】
いずれかの条件が満たされた場合、判断部501は、対応動作記憶部503において画像安定化動作と対応付けて記憶されている中転ブレードクリーニングを実行するタイミングを判断するために、中転ブレードクリーニングカウンタ505のカウント値が、画像安定化動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である50枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS111で「50枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(100枚)に達していなくても、判断部501は中転ブレードクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS113)。その場合、判断部501は、中転ブレードクリーニングカウンタ505をリセットする(ステップS115)。中転ブレードクリーニングカウンタ505のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS111で「50枚未満」)、中転ブレードクリーニングは実行されない。
【0072】
画像安定化動作と関連して中転ブレードクリーニングが行なわれることで、画像安定化動作中の、中間転写ベルトブレード5側面に付着した廃トナーの、中間転写ベルト2上の画像安定化動作で用いられる濃度調整用、レーザ光量調整用、およびγ調整用のパッチへの付着を防止することができる。これにより、正しく濃度測定がなされ、画像を適正にチューニングすることができる。また、画像安定化動作のための印字の中断と、中転ブレードクリーニングのための印字の中断とが断続的に発生することなく、生産性の低下を抑えることができる。
【0073】
また、上記いずれかの条件が満たされた場合、さらに判断部501は、対応動作記憶部503において画像安定化動作と対応付けて記憶されている2次転写ローラクリーニングを実行するタイミングを判断するため、2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が、画像安定化動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS117で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501は2次転写ローラクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS119)。その場合、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506をリセットする(ステップS121)。2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS117で「170枚未満」)、2次転写ローラクリーニングは実行されない。
【0074】
画像安定化動作中には、2次転写ローラ12が中間転写ベルト2から離間された状態で中間転写ベルト2上の各種パッチ濃度が測定されるため、2次転写ローラ12にトナーが付着しても画像安定化動作自体には直接影響を及ぼさない。しかしながら、画像安定化動作と関連して2次転写ローラクリーニングが行なわれることで、画像安定化動作のための印字の中断と、中転ブレードクリーニングのための印字の中断とが短い間隔で連続して発生することなく、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、画像安定化動作が実行された後も中転ブレードクリーニングのために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0075】
その後、ステップS123で画像安定化動作が実行された後、ステップS125で判断部501は、対応動作記憶部503において画像安定化動作に含まれる動作として記憶されているモノクロ補給回転動作および中転ブレード磨耗対策動作も実行されたものとして、次の実行のタイミングを遅らせるために、画像安定化実行カウンタ504と共に、モノクロ補給回転カウンタ507および中転ブレード磨耗対策カウンタ509をリセットする。なぜなら、画像安定化動作では各色で調整用パッチを作像するために現像ラック20が回転するため、カートリッジ15Kのバッファ内のモノクロトナーが減少していても、該回転で補給され、モノクロ補給回転動作が不要となるからである。また、画像安定化動作で中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるので、中間転写ベルトブレード5に堆積した廃トナーが落とされ、中転ブレード磨耗対策は不要となるからである。
【0076】
なお、対応動作記憶部503には、好ましくは画像安定化動作に対応する動作に加えて、それら動作の実行順も記憶される。より好ましくは、対象の調整・清掃動作に対応する複数種類の調整・清掃動作が実行され、その中に画像安定化動作が含まれる場合、図11にも表わされるように、画像安定化動作は最も後に実行される。画像安定化動作は、上述のように中間転写ベルト2上の調整用の画像を濃度センサ18で読み取った結果に基づいて各種値を調整する動作である。そのため、画像安定化動作を最も後に実行させることで、調整・清掃動作が終了した状態でなされた方が、より安定化精度を高めることができる。なお、この動作順は、以降の他の調整・清掃動作の場合でも同様である。
【0077】
<ATVC動作>
図10を参照して、プリンタ1で印字動作が開始されると(ステップS201でYES)、判断部501は、環境センサ通信部55から入力される環境値の変化量がしきい値記憶部502に記憶されている環境値の変化量に達しているか否かを確認する。環境値の変化量がしきい値内であり(ステップS203で「5℃未満」)、かつ連続して印字動作が行なわれる場合(ステップS205でYES)、判断部501は、ATVC実行カウンタ510を加算して(ステップS207)、連続印字枚数をカウントする。連続して印字が行なわれない場合には(ステップS205でNO)、判断部501はATVC実行カウンタ510をクリアして、処理を終了する。また、ATVC実行カウンタ510のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である100枚に達していない場合には(ステップS209で「100枚未満」)、判断部501は、処理を終了する。
【0078】
ATVC実行カウンタ510のカウント値が該しきい値に達した場合(ステップS209で「100枚以上」)、判断部501は、対応動作記憶部503においてATVC動作と対応付けて記憶されている中転ブレードクリーニングを実行するタイミングを判断するために、中転ブレードクリーニングカウンタ505のカウント値が、ATVC動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である50枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS213で「50枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(100枚)に達していなくても、判断部501は中転ブレードクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS215)。その場合、判断部501は、中転ブレードクリーニングカウンタ505をリセットする(ステップS217)。中転ブレードクリーニングカウンタ505のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS213で「50枚未満」)、中転ブレードクリーニングは実行されない。
【0079】
ATVC動作と関連して中転ブレードクリーニングが行なわれることで、ATVC動作中の、中間転写ベルトブレード5側面に付着した廃トナーの、中間転写ベルト2への付着を防止することができる。これにより2次転写ローラ12へのトナーの付着も防止され、その結果、印字される用紙の裏面の汚れも防止することができる。
【0080】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503においてATVC動作と対応付けて記憶されている2次転写ローラクリーニングを実行するタイミングを判断するため、2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が、ATVC動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である100枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS219で「100枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501は2次転写ローラクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS221)。その場合、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506をリセットする(ステップS223)。2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS219で「100枚未満」)、2次転写ローラクリーニングは実行されない。
【0081】
ATVC動作と関連して2次転写ローラクリーニングが行なわれることで、ATVC動作において2次転写ローラ12の電圧が正しく測定されるようになり、最適な2次転写電圧が決定されることになる。
【0082】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503においてATVC動作と対応付けて記憶されているモノクロ補給回転動作を実行するタイミングを判断するため、モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が、ATVC動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS225で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501はモノクロ補給回転動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS227)。その場合、判断部501は、モノクロ補給回転カウンタ507をリセットする(ステップS229)。モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS225で「170枚未満」)、モノクロ補給回転動作は実行されない。
【0083】
ATVC動作とモノクロ補給回転動作との動作内容は関連しないが、ATVC動作と関連してモノクロ補給回転動作が行なわれることで、ATVC動作のための印字の中断と、モノクロ補給回転動作のための印字の中断とが短い間隔で連続して発生することなく、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、ATVC動作が実行された後もモノクロ補給回転動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0084】
その後、ステップS231でATVC動作が実行され、併せて、ATVC実行カウンタ510がリセットされる。
【0085】
ATVC動作の後、判断部501は、対応動作記憶部503においてATVC動作と対応付けて記憶されている中転ブレード磨耗対策動作を実行するタイミングを判断するため、中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値が、ATVC動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である70枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS233で「70枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(80枚)に達していなくても、判断部501は中転ブレード磨耗対策動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS235)。その場合、判断部501は、中転ブレード磨耗対策カウンタ509をリセットする(ステップS237)。中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS233で「70枚未満」)、中転ブレード磨耗対策動作は実行されない。
【0086】
ATVC動作と中転ブレード磨耗対策動作との動作内容は関連しないが、ATVC動作と関連して中転ブレード磨耗対策動作が行なわれることで、ATVC動作のための印字の中断と、中転ブレード磨耗対策動作のための印字の中断とが短い間隔で連続して発生することなく、生産性の低下を抑えることができる。
【0087】
さらに、判断部501は、対応動作記憶部503においてATVC動作と対応付けて記憶されている画像安定化動作を実行するタイミングを判断するため、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、ATVC動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS239で「970枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(1000枚)に達していなくても、判断部501は画像安定化動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS241)。その場合、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504をリセットする(ステップS243)。画像安定化実行カウンタ504のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS239で「970枚未満」)、画像安定化動作は実行されない。
【0088】
ATVC動作と画像安定化動作との動作内容は関連しないが、ATVC動作と関連して画像安定化動作が行なわれることで、ATVC動作のための印字の中断と、画像安定化動作のための印字の中断とが短い間隔で連続して発生することなく、生産性の低下を抑えることができる。
【0089】
<中転ブレード磨耗対策動作>
図11を参照して、プリンタ1でモノクロ印字が連続して行なわれている場合、印字動作が実行されるごとに(ステップS301でYES)、判断部501は、中転ブレード磨耗対策カウンタ509を加算して(ステップS303)、連続印字枚数をカウントする。連続してモノクロ印字が行なわれない場合には(ステップS301でNO)、判断部501は中転ブレード磨耗対策カウンタ509をクリアして、処理を終了する。
【0090】
中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である80枚に達した場合(ステップS307で「80枚以上」)、判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動作と対応付けて記憶されているモノクロ補給回転動作を実行するタイミングを判断するために、まず、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達していない場合(ステップS309で「970枚未満」)、さらに、モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS311で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501はモノクロ補給回転動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS313)。その場合、判断部501は、モノクロ補給回転カウンタ507をリセットする(ステップS315)。モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS311で「170枚未満」)、モノクロ補給回転動作は実行されない。
【0091】
中転ブレード磨耗対策動作とモノクロ補給回転動作との動作内容は関連しないが、中転ブレード磨耗対策動作と関連してモノクロ補給回転動作が行なわれることで、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断された直後に、モノクロ補給回転動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレード磨耗対策動作が実行された後もモノクロ補給回転動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0092】
その後、ステップS317で中転ブレード磨耗対策動作が実行され、ステップS319で中転ブレード磨耗対策カウンタ509がリセットされる。
【0093】
なお、中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である80枚に達している場合であっても、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達している場合(ステップS307で「80枚以上」、かつS309で「970枚以上」)、判断部501は、上記ステップS313のモノクロ補給回転動作、およびステップS317の中転ブレード磨耗対策動作をスキップする。画像安定化動作では各色で調整用パッチを作像するために現像ラック20が回転するため、カートリッジ15Kのバッファ内のモノクロトナーが減少していても、該回転で補給される。また、画像安定化動作で中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるので、中間転写ベルトブレード5に堆積した廃トナーが落とされる。このため、画像安定化動作を行なうことで、これら動作が行なわれた場合と同じ効果が得られ、これら動作を不要とすることができる。
【0094】
中転ブレード磨耗対策動作の後、判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動作と対応付けて記憶されている2次転写ローラクリーニングを実行するタイミングを判断するため、2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS321で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501は2次転写ローラクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS323)。その場合、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506をリセットする(ステップS325)。2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS321で「170枚未満」)、2次転写ローラクリーニングは実行されない。
【0095】
中転ブレード磨耗対策動作と2次転写ローラクリーニングとの動作内容は関連しないが、中転ブレード磨耗対策動作と関連して2次転写ローラクリーニングが行なわれることで、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断された直後に、2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレード磨耗対策動作が実行された後も2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0096】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動作と対応付けて記憶されているATVC動作を実行するタイミングを判断するため、ATVC実行カウンタ510のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である70枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS327で「70枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(100枚)に達していなくても、判断部501はATVC動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS329)。その場合、判断部501は、ATVC実行カウンタ510をリセットする(ステップS331)。ATVC実行カウンタ510のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS327で「70枚未満」)、ATVC動作は実行されない。
【0097】
中転ブレード磨耗対策動作とATVC動作との動作内容は関連しないが、中転ブレード磨耗対策動作と関連してATVC動作が行なわれることで、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断された直後に、ATVC動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレード磨耗対策動作が実行された後もATVC動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0098】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動作と対応付けて記憶されている画像安定化動作を実行するタイミングを判断するため、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレード磨耗対策動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS333で「970枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(1000枚)に達していなくても、判断部501は画像安定化動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS335)。その場合、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504をリセットする(ステップS337)。画像安定化実行カウンタ504のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS333で「970枚未満」)、画像安定化動作は実行されない。
【0099】
中転ブレード磨耗対策動作と画像安定化動作との動作内容は関連しないが、中転ブレード磨耗対策動作と関連して画像安定化動作が行なわれることで、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断された直後に、画像安定化動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレード磨耗対策動作が実行された後も画像安定化動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0100】
なお、中転ブレード磨耗対策動作は、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間しないモノクロ印字が連続したときに実行される動作であって、圧接離間されるカラー印字が連続したときに実行される中転ブレードクリーニングとは排他的な関係となる。そのため、対応動作記憶部503において中転ブレードクリーニングは中転ブレード磨耗対策動作と対応付けられておらず、中転ブレード磨耗対策動作の実行時に、中転ブレードクリーニングの実行のタイミングは判断されない。
【0101】
<中転ブレードクリーニング>
図12を参照して、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるカラー印字が行なわれた場合(ステップS401でYES)、判断部501は印字のたびに中転ブレードクリーニングカウンタ505を加算して(ステップS403)、連続印字枚数をカウントする。連続してカラー印字が行なわれない場合には(ステップS401でNO)、判断部501は中転ブレードクリーニングカウンタ505をクリアして、処理を終了する。
【0102】
中転ブレードクリーニングカウンタ505のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である100枚に達した場合(ステップS407で「100枚以上」)、判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレードクリーニングと対応付けて記憶されているモノクロ補給回転動作を実行するタイミングを判断するために、まず、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレードクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達していない場合(ステップS409で「970枚未満」)、さらに、モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が、中転ブレードクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS411で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501はモノクロ補給回転動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS413)。その場合、判断部501は、モノクロ補給回転カウンタ507をリセットする(ステップS415)。モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS411で「170枚未満」)、モノクロ補給回転動作は実行されない。
【0103】
モノクロ補給回転動作は、上述のように、モノクロ印字が連続することによってカートリッジ15Kのバッファ内のトナーが不足したときに実行される。それに対し、中転ブレードクリーニングは、上述のようにカラー印字が連続して行なわれる際に実行される。そのため、これら動作は排他的な関係にあって、同時に実行する必要はない。しかしながら、モノクロ印字でも厚紙などに対する印字の場合には、用紙の厚さにより、普通紙よりも定着時の搬送速度を下げて定着性を確保する場合がある。普通紙よりも搬送速度を下げる場合は、画像が中間転写ベルト2に転写されるまでは普通紙と同じ速度で搬送速度され、その後、中間転写ベルト2が1周空回転されて、この空回転中に搬送速度を低下させて、2次転写と定着とがなされる。このように、搬送速度を低下させて定着がなされる場合は、モノクロ印字でも搬送速度を下げるための空回転中に画像先端が中間転写ベルトブレード5に達する前に中間転写ベルトブレード5を中間転写ベルト2から離間して、画像後端が通過後に中間転写ベルトブレード5を圧接するよう制御される。そのため、このような場合には、モノクロ印字であっても、中転ブレードクリーニングが必要になる。従って、好ましくは、判断部501は、中転ブレードクリーニングカウンタ505を用いて、厚紙モードでの連続印字枚数をカウントする。
【0104】
厚紙モードでのモノクロ印字において、中転ブレードクリーニングと関連してモノクロ補給回転動作が行なわれることで、中転ブレードクリーニングが実行された時点でモノクロ補給回転動作を実行するタイミングまで所定範囲内(残り枚数が30枚以下)である場合に、中転ブレードクリーニングと並行してモノクロ補給回転動作が行なわれ、生産性の低下を抑えることができる。
【0105】
また、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレードクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達している場合にも(S409で「970枚以上」)、ステップS413のモノクロ補給回転動作は実行されない。画像安定化動作では各色で調整用パッチを作像するために現像ラック20が回転するため、カートリッジ15Kのバッファ内のモノクロトナーが減少していても、該回転で補給される。このため、画像安定化動作を行なうことでモノクロ補給回転動作が行なわれた場合と同じ効果が得られ、該動作を不要とすることができる。
【0106】
その後、ステップS417で中転ブレードクリーニングが実行され、ステップS419で中転ブレードクリーニングカウンタ505がリセットされる。
【0107】
中転ブレードクリーニングの後、判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレードクリーニングと対応付けて記憶されているATVC動作を実行するタイミングを判断するため、ATVC実行カウンタ510のカウント値が、中転ブレードクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である70枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS421で「70枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(100枚)に達していなくても、判断部501はATVC動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS423)。その場合、判断部501は、ATVC実行カウンタ510をリセットする(ステップS425)。ATVC実行カウンタ510のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS421で「70枚未満」)、ATVC動作は実行されない。
【0108】
ATVC動作実行中に中転ブレードクリーニングが必要な状態だと、中間転写ベルトブレード5に付着した廃トナーが飛翔して2次転写ローラ12に付着し、2次転写ローラ12の電圧が正しく測定されない。そのため、中転ブレードクリーニングを実行するタイミングでは、ATVC動作の実行はなされない。しかしながら、中転ブレードクリーニングと関連してATVC動作が実行されることで、中転ブレードクリーニングのために印字動作が中断された直後に、ATVC動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレードクリーニングが実行された後もATVC動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0109】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503において中転ブレードクリーニングと対応付けて記憶されている画像安定化動作を実行するタイミングを判断するため、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、中転ブレードクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS427で「970枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(1000枚)に達していなくても、判断部501は画像安定化動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS429)。その場合、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504をリセットする(ステップS431)。画像安定化実行カウンタ504のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS427で「970枚未満」)、画像安定化動作は実行されない。
【0110】
中転ブレード磨耗対策動作と画像安定化動作との動作内容は関連しないが、中転ブレード磨耗対策動作と関連して画像安定化動作が行なわれることで、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断された直後に、画像安定化動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレード磨耗対策動作が実行された後も画像安定化動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0111】
画像安定化動作実行中に中転ブレードクリーニングが必要な状態だと、中間転写ベルトブレード5に付着した廃トナーが飛翔して中間転写ベルト2に付着して、濃度調整用とレーザ光量調整用、γ補正用のパッチが正しく検出されない。そのため、上述のように、画像安定化動作を実行するタイミングでは、中転ブレードクリーニングが必要な場合には、中転ブレードクリーニングが実行される(上記ステップS111〜S115)が、逆に、中転ブレードクリーニングを実行するタイミングで画像安定化動作を行なう必要はない。しかしながら、中転ブレードクリーニングと関連して画像安定化動作が実行されることで、中転ブレードクリーニングのために印字動作が中断された直後に、画像安定化動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、中転ブレードクリーニングが実行された後も画像安定化動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0112】
なお、中転ブレード磨耗対策動作は、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間しないモノクロ印字が連続したときに実行される動作であって、圧接離間されるカラー印字が連続したときに実行される中転ブレードクリーニングとは排他的な関係となる。そのため、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動は作中転ブレードクリーニングと対応付けられておらず、中転ブレードクリーニングの実行時に、中転ブレード磨耗対策動の実行のタイミングは判断されない。
【0113】
また、同様に、2次転写ローラクリーニングは2次転写ローラ12を中間転写ベルト2に圧接したまま連続してモノクロ印字がなされる場合に必要になる。2次転写ローラ12を中間転写ベルト2に圧接した状態が維持されるのは、中間転写ベルト2上に画像を転写したまま中間転写ベルト2を空回転しないモードであり、このモードにおいては中間転写ベルトブレード5は中間転写ベルト2に圧接されたままとなる。一方、中転ブレードクリーニングは中間転写ベルトブレード5の中間転写ベルト2への圧接離間を繰り返すカラー印字が連続してなされた場合に必要となる。そのため、これら動作は排他的な関係にあるので同時に実行する必要はない。
【0114】
<モノクロ補給回転動作>
図13を参照して、モノクロ印字が連続してなされる場合(ステップS501でYES)、判断部501は印字のたびにモノクロ補給回転カウンタ507を加算して(ステップS503)、連続印字枚数をカウントする。さらに、判断部501は、ドット数に基づいてモノクロトナーの消費量を算出し、モノクロ消費量カウンタ508を加算して(ステップS505)、消費量をカウントする。モノクロ印字が連続していない場合には(ステップS501でNO)、判断部501は、モノクロ補給回転カウンタ507およびモノクロ消費量カウンタ508をリセットする(ステップS507,S509)。
【0115】
モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である200枚に達した場合、またはモノクロ消費量カウンタ508のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である4gに達した場合(ステップS511でYES)、判断部501は、まず、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達していない場合(ステップS513で「970枚未満」)、ステップS515でモノクロ補給回転動作が実行され、ステップS517でモノクロ補給回転カウンタ507がリセットされる。
【0116】
その後、判断部501は、対応動作記憶部503においてモノクロ補給回転動作と対応付けて記憶されている中転ブレード磨耗対策動作を実行するタイミングを判断するため、中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である70枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS519で「70枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(80枚)に達していなくても、判断部501は中転ブレード磨耗対策動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS521)。その場合、判断部501は、中転ブレード磨耗対策カウンタ509をリセットする(ステップS523)。中転ブレード磨耗対策カウンタ509のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS519で「70枚未満」)、中転ブレード磨耗対策動作は実行されない。
【0117】
モノクロ補給回転動作と中転ブレード磨耗対策動作との動作内容は関連しないが、モノクロ補給回転動作と関連して中転ブレード磨耗対策動作が行なわれることで、モノクロ補給回転動作のために印字動作の中断された直後に、中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、モノクロ補給回転動作が実行された後も中転ブレード磨耗対策動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0118】
なお、モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である200枚に達した場合、またはモノクロ消費量カウンタ508のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である4gに達した場合であっても、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達している場合(ステップS511でYES、かつS513で「970枚以上」)、判断部501は、上記ステップS515のモノクロ補給回転動作、およびステップS521の中転ブレード磨耗対策動作をスキップする。画像安定化動作では各色で調整用パッチを作像するために現像ラック20が回転するため、カートリッジ15Kのバッファ内のモノクロトナーが減少していても、該回転で補給される。また、画像安定化動作で中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるので、中間転写ベルトブレード5に堆積した廃トナーが落とされる。このため、画像安定化動作を行なうことで、これら動作が行なわれた場合と同じ効果が得られ、これら動作を不要とすることができる。
【0119】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503においてモノクロ補給回転動作と対応付けて記憶されている2次転写ローラクリーニングを実行するタイミングを判断するため、2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS525で「170枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(200枚)に達していなくても、判断部501は2次転写ローラクリーニングを実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS527)。その場合、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506をリセットする(ステップS529)。なお、2次転写ローラクリーニング中にモノクロ補給回転動作によって現像ラック20が回転しても2次転写ローラクリーニングには支障がないため、これら動作は並行して実行されてもよい。2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS525で「170枚未満」)、2次転写ローラクリーニングは実行されない。
【0120】
モノクロ補給回転動作と2次転写ローラクリーニングとの動作内容は関連しないが、モノクロ補給回転動作と関連して2次転写ローラクリーニングが行なわれることで、モノクロ補給回転動作のために印字動作が中断された直後に、2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、モノクロ補給回転動作が実行された後も2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0121】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503においてモノクロ補給回転動作と対応付けて記憶されているATVC動作を実行するタイミングを判断するため、ATVC実行カウンタ510のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である70枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS531で「70枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(100枚)に達していなくても、判断部501はATVC動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS533)。その場合、判断部501は、ATVC実行カウンタ510をリセットする(ステップS535)。なお、ATVC動作中にモノクロ補給回転動作によって現像ラック20が回転してもATVC動作には支障がないため、これら動作は並行して実行されてもよい。ATVC実行カウンタ510のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS531で「70枚未満」)、ATVC動作は実行されない。
【0122】
モノクロ補給回転動作とATVC動作との動作内容は関連しないが、モノクロ補給回転動作と関連してATVC動作が行なわれることで、モノクロ補給回転動作のために印字動作が中断された直後に、ATVC動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、モノクロ補給回転動作が実行された後もATVC動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0123】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503においてモノクロ補給回転動作と対応付けて記憶されている画像安定化動作を実行するタイミングを判断するため、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、モノクロ補給回転動作との関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS537で「970枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(1000枚)に達していなくても、判断部501は画像安定化動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS539)。その場合、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504をリセットする(ステップS541)。画像安定化実行カウンタ504のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS537で「970枚未満」)、画像安定化動作は実行されない。
【0124】
モノクロ補給回転動作と画像安定化動作と動作内容は関連しないが、モノクロ補給回転動作と関連して画像安定化動作が行なわれることで、モノクロ補給回転動作のために印字動作が中断された直後に、画像安定化動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、モノクロ補給回転動作が実行された後も画像安定化動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0125】
<2次転写ローラクリーニング>
図14を参照して、モノクロ印字が連続してなされる場合(ステップS601でYES)、判断部501は印字のたびに2次転写ローラクリーニングカウンタ506を加算して(ステップS603)、連続印字枚数をカウントする。モノクロ印字が連続していない場合には(ステップS601でNO)、判断部501は、2次転写ローラクリーニングカウンタ506をリセットする(ステップS605)。
【0126】
2次転写ローラクリーニングカウンタ506のカウント値がしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である200枚に達した場合(ステップS607で「200枚以上」)、判断部501は、対応動作記憶部503において2次転写ローラクリーニングと対応付けて記憶されているモノクロ補給回転動作を実行するタイミングを判断するために、モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が、2次転写ローラクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS609で「170枚以上」)、さらに、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、2次転写ローラクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達していない場合(ステップS611で「970枚未満」)、判断部501はモノクロ補給回転動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS613)。その場合、判断部501は、モノクロ補給回転カウンタ507をリセットする(ステップS615)。なお、2次転写ローラクリーニング中にモノクロ補給回転動作によって現像ラック20が回転しても2次転写ローラクリーニングには支障がないため、これら動作は並行して実行されてもよい。モノクロ補給回転カウンタ507のカウント値が、2次転写ローラクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である170枚に達している場合であっても、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、2次転写ローラクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達している場合(ステップS609で「170枚以上」、かつS611で「970枚以上」)、判断部501は、上記ステップS613のモノクロ補給回転動作をスキップする。画像安定化動作で中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間されるので、中間転写ベルトブレード5に堆積した廃トナーが落とされる。このため、画像安定化動作を行なうことでモノクロ補給回転動作が行なわれた場合と同じ効果が得られ、該動作を不要とすることができる。
【0127】
2次転写ローラクリーニングとモノクロ補給回転動作との動作内容は関連しないが、2次転写ローラクリーニングと関連してモノクロ補給回転動作が行なわれることで、2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断された直後に、モノクロ補給回転動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、2次転写ローラクリーニングが実行された後もモノクロ補給回転動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0128】
その後、ステップS617で2次転写ローラクリーニングが実行され、ステップS615で2次転写ローラクリーニングカウンタ506がリセットされる。
【0129】
2次転写ローラクリーニングの後、ステップS621で判断部501は、対応動作記憶部503において2次転写ローラクリーニングと対応付けて記憶されているATVC動作を実行し、ステップS623でATVC実行カウンタ510をリセットする。
【0130】
2次転写ローラクリーニングの後にATVC動作が関連して実行されることで、2次転写ローラクリーニングによって2次転写ローラ12の抵抗値が変化している場合であってもATVC動作によって、適切な印加電圧に調整される。
【0131】
さらに判断部501は、対応動作記憶部503において2次転写ローラクリーニングと対応付けて記憶されている画像安定化動作を実行するタイミングを判断するため、画像安定化実行カウンタ504のカウント値が、2次転写ローラクリーニングとの関連で用いられるしきい値としてしきい値記憶部502に記憶されているしきい値である970枚に達しているか否かを確認する。該しきい値に達している場合(ステップS625で「970枚以上」)、単独で実行するためのしきい値(1000枚)に達していなくても、判断部501は画像安定化動作を実行すると判断し、CPU50から必要な動作系に対して制御信号が出力される(ステップS627)。その場合、判断部501は、画像安定化実行カウンタ504をリセットする(ステップS629)。画像安定化実行カウンタ504のカウント値が該しきい値に達していない場合には(ステップS625で「970枚未満」)、画像安定化動作は実行されない。
【0132】
2次転写ローラクリーニングと画像安定化動作との動作内容は関連しないが、2次転写ローラクリーニングと関連して画像安定化動作が行なわれることで、2次転写ローラクリーニングのために印字動作が中断された直後に、画像安定化動作のために印字動作が中断されることを防止でき、生産性の低下を抑えることができる。すなわち、2次転写ローラクリーニングが実行された後も画像安定化動作のために印字動作が中断されることなくたとえば30枚は連続して印字が実行されるようになる。
【0133】
なお、中転ブレード磨耗対策動作は、中間転写ベルトブレード5が中間転写ベルト2に圧接離間しないモノクロ印字が連続したときに実行される動作であって、圧接離間されるカラー印字が連続したときに実行される2次転写ローラクリーニングとは排他的な関係となる。そのため、対応動作記憶部503において中転ブレード磨耗対策動作は2次転写ローラクリーニングと対応付けられておらず、2次転写ローラクリーニングの実行時に、中転ブレード磨耗対策動作の実行のタイミングは判断されない。
【0134】
上のような動作がプリンタ1において行なわれることで、ある調整・清掃動作について実行のタイミングに達した場合には、動作内容の関連しない他の調整・清掃動作であっても、当該他の調整・清掃動作の実行のタイミングが所定範囲内(たとえば1ジョブ内程度)であるならば、該動作と併せて他の調整・清掃動作も実行される。さらに、これら調整・清掃動作が干渉しない動作である場合には、並行して行なわれる。これにより、ある調整・清掃動作が実行されることにより印字動作が中断された直後に(短い時間間隔で)、他の調整・清掃動作が実行されることにより再び印字動作が中断されることが防止される。つまり、印字動作の中断頻度が抑えられる。その結果、プリンタ1の生産性の低下を抑えることができる。
【0135】
また、ある調整・清掃動作について実行のタイミングに達した場合には、当該調整・清掃動作と動作内容が関連する他の調整・清掃動作について、実行のタイミングに達していない場合であっても当該調整・清掃動作と関連して実行される。これにより、印字動作の中断頻度が抑えられると共に、当該調整・清掃動作が効果的に行なわれることになる。
【0136】
また、ある調整・清掃動作に他の調整・清掃動作が含まれる場合、当該調整・清掃動作が実行されると他の調整・清掃動作も行なわれたものとされ、当該他の調整・清掃動作の次の実行のタイミングが判断される。これにより、印字動作の中断頻度が抑えられると共に、重複して当該他の調整・清掃動作が行なわれることが防止される。
【0137】
なお、上の例では、しきい値記憶部502に、調整・清掃動作の実行を判断するためのしきい値として、対応動作記憶部503で対応付けられている他の動作との関連で実行を判断するためのしきい値が、当該他の動作ごとに記憶されているものとしている。しかしながら、このしきい値は当該他の動作ごとに異なるものでなくてもよい。そのため、調整・清掃動作の実行を判断するためのしきい値として、当該動作単独での実行を判断するためのしきい値と、特定ではない他の動作との関連で実行を判断するためのしきい値との2種類のしきい値が記憶されていてもよい。
【0138】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0139】
1 プリンタ、2 中間転写ベルト、3 感光体、5 中間転写ベルトブレード、6 露光部、8 1次転写ローラ、9 用紙、10 カセット、11 搬送ローラ、12 2次転写ローラ、13 定着ローラ、14 排紙ローラ、15,15Y,15M,15C,15K カートリッジ、16 帯電部、17 環境センサ、18 濃度センサ、19,19Y,19M,19C,19K 現像ローラ、20 現像ラック、50 CPU、51 ROM、52 RAM、53 EEPROM、54 濃度センサ通信部、55 環境センサ通信部、56 1次転写制御部、57 2次転写制御部、58 中間転写ブレード制御部、59 現像ラック制御部、100 コントローラ、501 判断部、502 しきい値記憶部、503 対応動作記憶部、504 画像安定化実行カウンタ、505 中転ブレードクリーニングカウンタ、506 2次転写ローラクリーニングカウンタ、507 モノクロ補給回転カウンタ、508 モノクロ消費量カウンタ、509 中転ブレード磨耗対策カウンタ、510 ATVC実行カウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント動作機構と、
複数の異なる種類の調整・清掃動作についての動作機構と、
前記調整・清掃動作を実行させるように前記動作機構を制御するための制御手段と、
前記複数の種類の調整・清掃動作のそれぞれについて、実行のタイミングを規定するしきい値を記憶するためのしきい値記憶手段と、
前記調整・清掃動作と他の調整・清掃動作との対応関係を記憶するための対応記憶手段とを備え、
前記制御手段は、前記しきい値を用いて第1の調整・清掃動作の実行のタイミングを判断する際に、前記第1の調整・清掃動作に対応付けられた第2の調整・清掃動作の実行のタイミングを判断するための判断手段を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記第1の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断したときに、前記第1の調整・清掃動作の実行と関連したタイミングを前記第2の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記第1の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断したときに、前記第2の調整・清掃動作の実行のタイミングが所定範囲内にある場合に、前記第1の調整・清掃動作の実行と関連したタイミングを前記第2の調整・清掃動作を実行するタイミングと判断する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の調整・清掃動作と前記第2の調整・清掃動作とは動作内容が関連し、
前記第1の調整・清掃動作の実行と関連した前記第2の調整・清掃動作を実行するタイミングは、前記第1の調整・清掃動作の直前または直後である、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の調整・清掃動作と前記第2の調整・清掃動作とは動作が相互に干渉せず、
前記第1の調整・清掃動作の実行と関連した前記第2の調整・清掃動作を実行するタイミングは、前記第1の調整・清掃動作と並行したタイミングである、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の調整・清掃動作と前記第2の調整・清掃動作との組み合わせは、
・画像安定化動作および中転ブレードクリーニングを含む組み合わせ、
・ATVC(Auto Transfer Voltage Control:自動転写電圧制御)動作および中転ブレードクリーニングを含む組み合わせ、
・ATVC動作および2次転写ローラクリーニングを含む組み合わせ、および
・2次転写ローラクリーニングおよびATVC動作を含む組み合わせ、のいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−210937(P2010−210937A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56848(P2009−56848)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】