画像形成装置
【課題】トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に移動させて回収する際に、回収するトナー量が過多となることによる感光体のクリーニング不良の発生を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー一時回収手段27に回収したトナーをトナー一時回収手段に電圧を印加することで中間転写体13に放出させ、そのトナーを1次転写手段10に電圧を印加することで1次転写部N1で中間転写体から電子写真感光体1に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置100は、その回収動作においてトナー一時回収手段から中間転写体上に放出されたトナーを検知手段29で検知した結果に基づいて、1次転写部で中間転写体から電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように電子写真感光体の表面と1次転写手段との電位差を制御する制御手段51を有する構成とする。
【解決手段】トナー一時回収手段27に回収したトナーをトナー一時回収手段に電圧を印加することで中間転写体13に放出させ、そのトナーを1次転写手段10に電圧を印加することで1次転写部N1で中間転写体から電子写真感光体1に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置100は、その回収動作においてトナー一時回収手段から中間転写体上に放出されたトナーを検知手段29で検知した結果に基づいて、1次転写部で中間転写体から電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように電子写真感光体の表面と1次転写手段との電位差を制御する制御手段51を有する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真記録方式を利用した、レーザービームプリンター、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真記録方式を用いた画像形成装置として、電子写真感光体(感光体)に形成したトナー像を中間転写体に1次転写し、これを転写材に2次転写して出力する中間転写方式の画像形成装置がある。電子写真方式の画像形成装置に対しては、小型化、高速化への要望が大きい。中間転写方式の画像形成装置においては、2次転写後に中間転写体上に残留したトナー(2次転写残トナー)を良好にクリーニングし、且つ、画像形成装置の小型化・高速化を実現するクリーニング方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
図14を参照してこの方法について説明する。中間転写体305の回転方向において、感光体301と中間転写体305とが当接する箇所と、2次転写ローラ306と中間転写体305とが当接する箇所との間に、中間転写体305に当接するようにトナー一時回収手段320が設置される。トナー一時回収手段320は、中間転写体305に対して当接及び離間することができる。そして、トナー一時回収手段320は、電圧が印加されることで、中間転写体305上に形成されたトナー像を転写材307に2次転写した後に中間転写体305上に残った2次転写残トナーを、静電的に回収することができる。又、2次転写終了後に、トナーを回収する時とは逆極性の電圧がトナー一時回収手段320に印加されることで、トナー一時回収手段320に蓄積されたトナーは、中間転写体305に放出される。放出されたトナーは、中間転写体305と感光体301とが当接する箇所において、両者の間の電位差により感光体301に移動する。そして、感光体301上に移動したトナーは、感光体301に当接する一般に弾性体の板状部材(ブレード部材)とされるクリーニング部材308により捕集され、トナー回収容器309に回収される。
【0004】
このような中間転写体のクリーニング方法により、連続画像出力動作などにおいて、2次転写終了後に中間転写体に残った2次転写残トナーを除去する動作によってスループットが低下することなく、画像出力を行うことができる。つまり、画像出力速度の速い画像形成装置を提供することができる。
【0005】
又、感光体上のトナーを回収するトナー回収容器を、中間転写体上のトナーの回収先としても使用することで、中間転写体上のトナーを回収するために必要な特別のトナー回収容器は不要とすることができる。その結果、画像形成装置の小型化を可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−197750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に当接するクリーニング部材にて捕集する際に、そのトナーがクリーニング部材をすり抜け、感光体のクリーニング不良を引き起こす場合がある。
【0008】
トナー一時回収手段から放出されるトナー(以下「放出トナー」ともいう。)は、広範囲、且つ、多量であり、様々な電荷量のトナーが集合している。このような放出トナーは、クリーニング部材のクリーニング性能を越えることがあり、感光体とクリーニング部材との当接部における両者の間をすり抜けることがある。これにより、感光体の表面にスジ状のトナーが残り、感光体のクリーニング不良を招いてしまう。
【0009】
このようなクリーニング不良のメカニズムは、次のように考えられる。トナー一時回収手段から放出されたトナーは、感光体に移動した後、感光体に当接するクリーニング部材にせき止められ、クリーニング部材の先端においてトナーの大きな固まりを形成する。その固まりがクリーニング部材を押圧し、この押圧力がクリーニング部材の感光体への当接圧より大きくなる。その結果、クリーニング部材によって掻き落とされないトナーが発生し、このトナーが、感光体とクリーニング部材との当接部における両者の間をすり抜けてしまう。そして、トナーがすり抜けた部分を起点として、トナーが集中してすり抜け始めるため、縦スジ状のクリーニング不良として画像上に顕在化する。
【0010】
従って、本発明の目的は、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に移動させて回収する際に、回収するトナー量が過多となることによる感光体のクリーニング不良の発生を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像する現像手段と、前記電子写真感光体からトナー像が1次転写される中間転写体と、電圧が印加されることで前記電子写真感光体から前記中間転写体にトナー像を1次転写部で1次転写する1次転写手段と、電圧が印加されることで前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写手段と、電圧が印加されることで前記2次転写後の前記中間転写体上のトナーを回収するトナー一時回収手段と、前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段と、を有し、前記トナー一時回収手段に回収したトナーを前記トナー一時回収手段に電圧を印加することで前記中間転写体に放出させ、そのトナーを前記1次転写手段に電圧を印加することで前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置において、前記回収動作において前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーを前記検知手段で検知した結果に基づいて、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に移動させて回収する際に、回収するトナー量が過多となることによる感光体のクリーニング不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に従う放出トナー回収動作の一例のフローチャート図である。
【図2】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の時間軸に沿うシーケンスチャート図である。
【図3】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の中間転写体の位置基準とするシーケンスチャート図である。
【図4】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の作用を示す模式図である。
【図5】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例のフローチャート図である。
【図6】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の時間軸に沿うシーケンスチャート図である。
【図7】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の中間転写体の位置基準とするシーケンスチャート図である。
【図8】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の作用を示す模式図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図10】濃度センサの概略構成を示す模式図である。
【図11】トナー量と受光量の関係の一例を示すグラフ図である。
【図12】トナー量と縦スジレベルの関係を示すグラフ図である。
【図13】トナー幅と縦スジレベルの関係を示すグラフ図である。
【図14】従来の画像形成装置の一例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0015】
実施例1
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体的な構成及び動作について説明する。図9は、本実施例の画像形成装置100の概略断面構成を示す。本実施例では、画像形成装置100は、電子写真方式を利用してフルカラー画像の形成が可能な中間転写方式のレーザービームプリンターである。
【0016】
画像形成装置100は、像担持体としての円筒形状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図示矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、次の各手段が配置されている。先ず、帯電手段としての帯電ローラ2である。次に、露光手段としての露光装置11である。次に、現像手段としての複数の現像器8a、8b、8c、8dを回転可能な支持体81に有するロータリー現像装置80である。次に、1次転写手段としての1次転写部材である1次転写ローラ10である。次に、感光ドラム1のクリーニング手段としてのクリーニング装置3である。クリーニング装置3は、弾性体の板状部材(ブレード部材)とされるクリーニング部材(クリーニングブレード)30を有する。クリーニング部材30で感光ドラム1から掻き取られたトナーは、クリーニング装置3のトナー回収容器31に回収される。
【0017】
又、感光ドラム1に対向して、中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト13が配置されている。中間転写ベルト13は、図示矢印R2方向(時計回り)に周回移動(回転)する。上記1次転写ローラ10は、中間転写ベルト13の内周面側に配置されており、中間転写ベルト13を感光ドラム1に押圧して中間転写ベルト13と感光ドラム1とが接触する1次転写部N1を形成する。又、中間転写ベルト13の外周面側には、2次転写手段としての2次転写部材である2次転写ローラ25が配置されている。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に接触して2次転写部N2を形成する。更に、中間転写ベルト13の外周面側には、2次転写後の中間転写ベルト13上のトナーを一時的に回収するトナー一時回収手段としてのブラシ部材27が配置されている。ブラシ部材27は、中間転写ベルト13に接触して、トナー一時回収部N3を形成する。ブラシ部材27は、中間転写ベルト13の表面の移動方向において2次転写部N2の下流、且つ、1次転写部N1の上流に配置されている。
【0018】
フルカラー画像の形成時を例に画像形成動作を説明すると、先ず、感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2により本実施例では負極性に一様に帯電させられる。次に、帯電した感光ドラム1の表面に、露光装置11により、第1色目(本実施例1ではイエロー)の画像信号に基づいて変調された走査ビーム12が照射され、感光ドラム1上に第1色目の静電潜像(静電像)が形成される。この感光ドラム1上に形成された静電潜像は、ロータリー現像装置80が備えるイエロー現像器8aによって、負極性のイエロートナーによって可視化され、感光ドラム1上にはイエロートナー像が形成される。イエロー現像器8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて、現像剤担持体としての現像スリーブ4aに塗布される。又、現像スリーブ4aには、現像電圧印加手段である現像電源21より、負極性の電圧が供給される。
【0019】
その後、ロータリー現像装置80の支持体81は図示矢印R3方向(時計回り)に回転移動し、第2色目であるマゼンタ現像器8bを感光ドラム1と対峙させる。
【0020】
感光ドラム1上に形成されたイエロートナー像は、1次転写部N1において、中間転写ベルト13上に転写(1次転写)される。この時、1次転写ローラ10には、1次転写電圧印加手段である1次転写電源22により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の電圧が供給される。又、感光ドラム1から中間転写ベルト13に転写されずに感光ドラム1上に残留した1次転写残トナーは、感光ドラム1の表面に当接するクリーニング部材30によって捕集され、トナー回収容器31に回収される。
【0021】
上述のような感光ドラム1の帯電、静電潜像の形成、静電潜像の現像、及び1次転写の工程を、第2色目であるマゼンタ、第3色目であるシアン、第4色目である黒の各色についても同様に行う。これにより、中間転写ベルト13上に複数色のトナーが重ね合わせて1次転写された多重トナー像が形成される。
【0022】
4色のトナーが中間転写ベルト13上に転写された後、転写材カセット16に積載されている転写材Pは、転写材供給ローラ17によりピックアップされ、搬送ローラ(図示せず)によりレジストローラ18にまで搬送さる。そして、レジストローラ18によって、転写材Pを中間転写ベルト13と2次転写ローラ25との当接部である2次転写部N2へ搬送する。転写材Pは、中間転写ベルト13上に形成されたトナーの先端と転写材Pの先端が一致するタイミングで、2次転写部N2へ搬送される。
【0023】
その後、中間転写ベルト13上の4色のトナーは、2次転写部N2において、転写材P上に一括して転写(2次転写)される。この時、2次転写ローラ25には、2次転写電圧印加手段である2次転写電源26により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の電圧が印加される。2次転写ローラ25は、2次転写を行うタイミングに合わせて、中間転写ベルト13から離間した状態から、中間転写ベルト13に当接した状態に移動される。2次転写が終了した後は、2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に当接した状態から、中間転写ベルト13から離間した状態に移動される。
【0024】
その後、ブラシ部材27が中間転写ベルト13に当接され、中間転写ベルト13から転写材Pに転写されずに中間転写ベルト13に残留した2次転写残トナーがブラシ部材27に一時的に回収される(トナー一時回収工程)。そして、トナー一時回収工程終了後、ブラシ部材27は、中間転写ベルト13から離間される。
【0025】
尚、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーは、詳しくは後述するように、定期的に中間転写ベルト13に放出され、感光ドラム1に回収される。これにより、ブラシ部材27がトナーを一時的に回収する能力の低下を抑制することができる。
【0026】
2次転写終了後の転写材Pは、定着手段としての定着器19へと搬送される。定着器19は、熱源42が内周面側に配置された定着ベルト41と、定着ベルト41の外周面側に圧接する加圧ローラ40とを有し、定着ベルト41と加圧ローラ40とが接触する定着ニップを形成する。転写材Pは、定着ニップ部を一度通過する際に、熱と圧力を受け、その上にトナーが定着される。その後、転写材Pは、カラー画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置100の本体(装置本体)の外へと排出される。
【0027】
上記本実施例の画像形成装置100の各要素について更に説明すると、先ず、本実施例では、感光ドラム1は、アルミシリンダーの外周面に有機感光体(OPC)から成る光導電体を塗布して構成された有機感光体ドラムである。感光ドラム1は、駆動手段たるモーター(図示せず)によって図示矢印R1方向に回転駆動される。
【0028】
又、本実施例では、中間転写ベルト13としては、厚さ100μm、体積抵抗率1011Ω・cmの汎用エンジニアリングプラスチックのシートを用いた。尚、体積抵抗率は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)、UR測定プローブを用いて測定した。測定時の室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧500V、測定時間10secの条件で測定した。中間転写ベルト13は、支持部材としての駆動ローラ15と、テンションローラ14との2本のローラに張架されている。中間転写ベルト13は、駆動ローラ15が駆動手段たるモーター(図示せず)により図示矢印R4方向に回転駆動されることにより、図示矢印R2の方向に周回移動(回転)する。
【0029】
又、本実施例では、1次転写ローラ10としては、外径6mmのニッケルメッキ鋼棒を、抵抗値108Ω、厚み3mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った、外径12mmのローラを用いた。1次転写ローラ10は、中間転写ベルト13を介して感光ドラム1に当接する。
【0030】
又、本実施例では、2次転写ローラ25としては、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒を、抵抗値108Ω、厚み5mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った、外径18mmのローラを用いた。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に対して、5〜15g/cm程度の線圧で当接させ、且つ、中間転写ベルト13の移動方向に対して順方向に略等速度で回転するように配置した。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13を介して駆動ローラ15に当接し、中間転写ベルト13の回転に従動して回転する。
【0031】
又、ブラシ部材27は、導電ナイロン製で、繊度500T/50F、密度112F/mm2、原糸抵抗8logΩである。ここで、Tはデジテックス(g/10000m)、Fはフィラメント(パイル糸のフィラメント数)を意味する。このブラシ部材27に、電圧印加手段としてのブラシ電源28から、2次転写電圧と同じ極性(本実施例では、トナーの帯電極性とは逆極性である正極性)の電圧を印加することにより、中間転写ベルト13上に残留した2次転写残トナーを一時的に回収する。又、トナー一時回収工程時とは逆極性(本実施例では負極性)の電圧を、ブラシ電源28からブラシ部材27に印加することにより、中間転写ベルト13上に一時的に回収されているトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0032】
尚、本実施例では、感光ドラム1の外径は30mm、感光ドラム1の回転方向において感光ドラム1の露光位置Lから1次転写部N1までの距離は60mmである。又、本実施例では、中間転写ベルト13の搬送速度は100mm/secである。又、本実施例では、帯電ローラ2に印加する電圧は−1000Vで一定とし、感光ドラム1の表面を−500Vの表面電位に一様に帯電させた。
【0033】
2.検知手段
本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト13上のトナーを検知する検知手段として、中間転写ベルト13上のトナー量(トナー濃度、画像濃度)を検知可能な光学式センサである濃度センサ29を有する。濃度センサ29は、中間転写ベルト13の表面の移動方向において、ブラシ部材27の下流、且つ、1次転写部N1の上流に配置されている。
【0034】
尚、本実施例では、ブラシ部材27と濃度センサ29との間の距離は50mm、濃度センサ29と1次転写部N1との間の距離は100mmとした。
【0035】
図10は、濃度センサ29の構成を示す。濃度センサ29は、LEDなどの発光素子291と、フォトダイオード、CdSなどの受光素子292と、発光素子291及び受光素子292を保持するホルダー293と、を有して構成される。
【0036】
濃度センサ29を用いた画像濃度の具体的な検知動作は次の通りである。中間転写ベルト13上に形成された画像濃度制御用のトナー(パッチ)Tに対し、発光素子291からの光を照射し、そこからの正反射光を受光素子292で受ける。これにより、パッチTのトナー量とトナー領域とを検知する。画像形成装置100の動作を統括制御する制御部50の制御手段としてのCPU51は、濃度センサ29の検知結果を用いて、画像形成装置100が形成する画像の濃度を制御する。
【0037】
詳しくは後述するように、本実施例では、この濃度センサ29を用いて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを検知し、その結果に応じて、そのトナーを感光ドラム1へ回収する動作を制御することも行う。このように、画像形成装置100が通常有している濃度センサ29を放出トナーの回収動作の制御にも用いることによって、装置構成の複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0038】
尚、制御部50のCPU51は、予め求められて制御部50の記憶手段としてのメモリ52に記憶されている、図11に示す濃度センサ29による受光量とトナー量との関係を利用して、パッチ画像Tなどの中間転写ベルト13上のトナー量を検知する。又、制御部50のCPU51は、トナーを検知していた時間を利用して算出することで、パッチTなどの中間転写ベルト13上のトナー領域を検知する。
【0039】
3.放出トナー回収動作の制御フロー
次に、本実施例における、ブラシ部材27から放出されたトナーを回収する動作(放出トナー回収動作)について説明する。
【0040】
本実施例では、放出トナー回収動作は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部50の制御手段としてのCPU51が制御する。CPU51は、制御部50の記憶手段としてのメモリ52に記憶されたプログラム、データに基づいて当該制御を実行する。
【0041】
本実施例では、ブラシ部材27が中間転写ベルト13上に放出したトナーを、濃度センサ29によって検知し、制御部50のCPU51がトナー量とトナー領域とを算出する。その算出結果に基づいて、1次転写電源22から1次写ローラ10に印加する電圧(即ち、1次転写電源22の出力値)を変化させる。これによって、感光ドラム1の表面と1次転写ローラ10との電位差を制御し、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの感光ドラム1への回収量をコントロールする。即ち、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを一度に感光ドラム1に移動させて回収する量が過多とならないように、1次転写部N1で中間転写ベルト13から感光ドラム1に移動させるトナー量を減少させるように制御する。
【0042】
図1の制御フローを参照して更に具体的に説明する。
【0043】
(ステップ1)
ブラシ部材27は、100枚画像出力する度に、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0044】
(ステップ2)
ステップ1の工程で、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの一部に対して、トナーの量とトナー領域を検知する。
【0045】
(ステップ3)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していないと検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、1次転写ローラ10に印加する電圧を固定にして、このトナーを感光ドラム1へ回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0046】
(ステップ4)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していると検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、1次転写ローラ10に極性の異なる電圧を交互に印加して、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0047】
(ステップ5)
中間転写ベルト13に放出された全てのトナーに対して、トナー量とトナー領域を検知したかどうかを判断する。
【0048】
(ステップ6)
ステップ4を実施していなければ、終了する。ステップ4を実施していれば、ステップ7へ進む。
【0049】
(ステップ7)
ステップ4にて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収しているため、トナーの一部は感光ドラム1へ回収されずに1次転写部N1を通過し、中間転写ベルト13上に残留している。そこで、中間転写ベルト13を再度回転移動させ、その中間転写ベルト13上に残留したトナーを感光ドラム1へ逆転写させ、このトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。その後、終了する。
【0050】
以上の一連の制御フローに沿って、ブラシ部材27から放出されるトナーが感光ドラム1に回収される。
【0051】
ここで、本実施例では、ステップ2からステップ3又はステップ4のどちらの工程に進むかを決定するにあたり、ブラシ部材27から放出されるトナー量とトナー幅(トナー領域)を判断材料としている。本実施例において、トナー量の閾値(所定量)を0.5mg/cm2、中間転写ベルト13の移動方向に連続するトナー幅の閾値(所定の長さ)を2mmとした理由を次に説明する。
【0052】
ブラシ部材27から一度に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向の最大幅を1mmとし、放出されるトナー量を異ならせて、2000枚の通紙試験を実施した。この通紙試験より、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量と感光ドラム1のクリーニング不良に起因して発生する縦スジのレベルとの関係を確認することができる。図12に結果を示す。縦スジのレベルの目標はレベル2以下とし、縦スジ画像の見た目を許容できるレベルはレベル3未満とする。この場合、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満である必要がある。
【0053】
次に、ブラシ部材27から放出されるトナーのトナー量を最大でも0.5mg/cm2未満に設定し、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向の幅を異ならせて、2000枚の通紙を実施した。この通紙試験より、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向における幅と感光ドラム1のクリーニング不良に起因して発生する縦スジのレベルとの関係を確認することができる。図13に結果を示す。縦スジのレベルの目標はレベル2以下とし、縦スジ画像の見た目を許容できるレベルはレベル3未満とする。この場合、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向における幅は2mm未満である必要がある。
【0054】
以上より、トナー量の閾値を0.5mg/cm2、中間転写ベルト13の移動方向に連続するトナー幅の閾値を2mmとした。つまり、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、中間転写ベルト13の移動方向におけるトナー幅(トナー領域)が2mm未満の場合、トナーを感光ドラム1に回収するステップ3を実施する。そして、それ以外の場合、即ち、放出トナーのトナー量が上記の所定量以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に上記の所定の長さ以上連続している場合は、トナーを部分的に感光ドラム1に回収するステップ4を実施する。
【0055】
4.放出トナー回収動作の動作シーケンス
図2及び図3を参照して、本実施例におけるブラシ部材27から放出されるトナーの回収動作の動作シーケンスについて更に説明する。
【0056】
図2は、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧、帯電ローラ2の印加電圧を時間軸に沿って示したものである。図3は、図2に示した実施例1の特徴を簡潔に説明するものである。具体的には、図3は、中間転写ベルト13の位置を基準として、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧を示している。図3において、中間転写ベルト13上のトナーが放出された部分を中間転写ベルト13の搬送方向に6mmの幅毎に分けて、「A01部」、「A02部」、「A03部」、「A04部」と呼ぶ。
【0057】
図3に示すシーケンスに従って説明する。ブラシ部材27に印加する電圧の極性を60msec毎に切り替え、ブラシ部材27に一時的に回収されていたトナーをブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出する。本実施例では、ブラシ部材27に印加する電圧は+1000Vと−1000Vとした。+1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは正極性、−1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは負極性である。
【0058】
濃度センサ29の検知結果から、ブラシ部材27から放出されたトナーは、A01部とA03部においては、トナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続していると算出される。一方、A02部とA04部においては、トナー量が0.5mg/cm2未満と算出される。
【0059】
この算出結果より、A01部とA03部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要があると判断する。そして、A02部とA04部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要がないと判断する。
【0060】
A01部、A03部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を20msec毎に切り替える。A01部とA03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性である。そのため、1次転写ローラ10に印加する電圧が−1000Vの場合は、このトナーは感光ドラム1へ回収される。一方、1次転写ローラ10に印加する電圧が+1000Vの場合は、このトナーは感光ドラム1へ回収されない。
【0061】
即ち、A01部、A03部のように、ブラシ部材27から放出されたトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している場合、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を切り替える。これにより、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収することができる。
【0062】
感光ドラム1に回収されずに中間転写ベルト13上に残ったトナーは、中間転写ベルト13を更に一周回転させることで、感光ドラム1に回収する。その際、ブラシ部材27から放出されたトナーが正極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は+1000Vに固定し、ブラシ部材27から放出されたトナーが負極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。本実施例において、A01部とA03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性であるため、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。
【0063】
A02部とA04部では、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満であり、この部分のトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する必要はない。従って、A02部とA04部にブラシ部材27から放出されたトナーは、一度に感光ドラム1へ回収する。具体的には、A02部とA04部にブラシ部材27から放出されたトナーは正極性であるため、A02部、A04部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧を+1000Vとする。これによって、このトナーは全て感光ドラム1へ回収される。
【0064】
尚、ブラシ部材27から放出されるトナーの極性は、ブラシ部材27に印加した電圧の極性から推定することができるので、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を決定することができる。
【0065】
5.放出トナー回収動作の作用
図4を参照して、本実施例の作用について更に説明する。図4(a)は、ブラシ部材27から放出されたトナーが感光ドラム1へ回収される前の状態を示す。又、図4(b)はそのトナーが1次転写部N1を通過した後の状態を示す。
【0066】
図4(a)に示すように、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は、A01部、A02部、A03部、A04部で異なっている。A01部とA03部ではトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している。一方、A02部とA04部ではトナー量が0.5mg/cm2未満である。
【0067】
ブラシ部材27から放出されたトナーが1次転写部N1を通過すると、図4(b)に示すように、A01部、A03部のトナーは部分的に回収されず中間転写ベルト13上に残る。一方、A02部、A04部のトナーは全て感光ドラム1に回収される。
【0068】
本実施例の放出トナー回収動作の制御により、感光ドラム1に回収されるトナー量をコントロールできる。その結果、ブラシ部材27から放出される多量のトナーが感光ドラム1に当接するクリーニング部材30にせき止められることもなく、クリーニング部材30の先端にトナーの大きな固まりが形成されることもない。そのため、その固まりがクリーニング部材30を押圧することもないので、感光ドラム1に回収されたトナーをクリーニング部材30によって効率よく捕集することができる。そして、感光ドラム1に回収されるトナーを感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間をトナーがすり抜けることがなく、クリーニング部材30で全てのトナーを掻き落とすことができる。そして、この作用により、感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間を多量のトナーがすり抜けて、感光ドラム1の表面にスジ状のトナーが残ってしまう感光ドラム1のクリーニング不良を抑制することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施例によれば、トナー一時回収手段から中間転写体上に放出したトナーを濃度検知手段により検知し、その検知結果に基づいて1次転写手段に印加する電圧を制御する。これにより、感光体上のトナーをクリーニングするクリーニング部材に捕集されるトナー量をコントロールし、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制することができる。
【0070】
実施例2
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0071】
1.放出トナー回収動作の制御フロー
本実施例における、ブラシ部材27から放出されたトナーを回収する動作(放出トナー回収動作)について説明する。
【0072】
本実施例では、ブラシ部材27が中間転写ベルト13上に放出したトナーを、濃度センサ29によって検知し、制御部50のCPU51がトナー量とトナー領域とを算出する。その算出結果に基づいて、露光装置11により感光ドラム1に静電潜像パターンを形成する。本実施例における静電潜像パターンは、1.5mmピッチの主走査方向(感光ドラム1の回転軸線方向)に延在する横帯とした。より具体的には、本実施例では、露光装置11の発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1の表面上に主走査方向に延在する横帯状の静電潜像パターンを形成した。この動作により、感光ドラム1の表面の電位を制御し、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの感光ドラム1への回収量をコントロールする。即ち、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを一度に感光ドラム1に移動させて回収する量が過多とならないように、1次転写部N1で中間転写ベルト13から感光ドラム1に移動させるトナー量を減少させるように制御する。
【0073】
図5の制御フローを参照して更に具体的に説明する。
【0074】
(ステップ1)
ブラシ部材27は、100枚画像出力する度に、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0075】
(ステップ2)
ステップ1の工程で、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの一部に対して、トナーの量とトナー領域を検知する。
【0076】
(ステップ3)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していないと検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、このトナーと同極性の電圧を1次転写ローラ10に印加し、このトナーを感光ドラム1へ回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。この場合、中間転写ベルト13から感光ドラム1へトナーを回収する時の感光ドラム1の表面の電位は、帯電ローラ2に印加する電圧によって定められている。露光装置11による感光ドラム1への静電潜像パターン形成は実施しない。つまり、露光装置11による電位制御は実施しない。
【0077】
(ステップ4)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していると検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、このトナーと同極性の電圧を1次転写ローラ10に印加する。更に、露光装置11により感光ドラム1に静電潜像パターンを形成する。上述のように、本実施例では、露光装置11の発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1の表面の電位を制御する。これにより、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0078】
(ステップ5)
中間転写ベルト13に放出された全てのトナーに対して、トナー量とトナー領域を検知したかどうかを判断する。
【0079】
(ステップ6)
ステップ4を実施していなければ、終了する。ステップ4を実施していれば、ステップ7へ進む。
【0080】
(ステップ7)
ステップ4にて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収しているため、トナーの一部は感光ドラム1へ回収されずに1次転写部N1を通過し、中間転写ベルト13上に残留している。そこで、中間転写ベルト13を再度回転移動させ、その中間転写ベルト13上に残留したトナーを感光ドラム1へ逆転写させ、このトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。その後、終了する。
【0081】
以上の一連の制御フローに沿って、ブラシ部材27から放出されるトナーが感光ドラム1に回収される。
【0082】
尚、本実施例における、ステップ2からステップ3又はステップ4のどちらの工程に進むかを決定する際のトナー量、トナー幅の閾値の設定については実施例1にて説明した通りである。
【0083】
2.放出トナー回収動作の動作シーケンス
図6及び図7を参照して、本実施例におけるブラシ部材27から放出されるトナーの回収動作の動作シーケンスについて更に説明する。
【0084】
図6は、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧、帯電ローラ2の印加電圧、露光装置11の発光状態を時間軸に沿って示したものである。図7は、図6に示した実施例2の特徴を簡潔に説明するものである。具体的には、図7は、中間転写ベルト13の位置を基準として、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧を示している。又、露光装置11の発光状態に関しては、露光位置Lから1次転写部N1までの間の距離を考慮せず模式的に表示している。従って、実際のタイミングは異なっている。図7において、中間転写ベルト13上のトナーが放出された部分を中間転写ベルト13の搬送方向に6mmの幅毎に分けて、「C01部」、「C02部」、「C03部」、「C04部」と呼ぶ。
【0085】
図7に示すシーケンスに従って説明する。ブラシ部材27に印加する電圧の極性を60msec毎に切り替え、ブラシ部材27に一時的に回収されていたトナーをブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出する。本実施例では、ブラシ部材27に印加する電圧は+1000Vと−1000Vとした。+1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは正極性、−1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは負極性である。
【0086】
濃度センサ29の検知結果から、ブラシ部材27から放出されたトナーは、C01部とC03部においては、トナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続していると算出される。一方、C02部とC04部においては、トナー量が0.5mg/cm2未満と算出される。
【0087】
この算出結果より、C01部とC03部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要があると判断する。そして、C02部とC04部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要がないと判断する。
【0088】
C01部とC03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性である。このトナーを感光ドラム1へ回収するため、C01部、C03部がそれぞれ1次転写部N1を通過する際には、1次転写ローラ10にトナーと同極性の電圧−300Vを印加する。又、露光装置11は発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1上に横帯状の静電潜像パターンを形成し、感光ドラム1の表面電位を制御する。この表面電位を制御された感光ドラム1の表面の部分と、C01部及びC03部とが1次転写部N1で当接する。
【0089】
露光装置11により露光された感光ドラム1の表面電位は−100Vであり、1次転写ローラ10に印加する電圧は−300Vであるため、ブラシ部材27から放出された負極性のトナーは、感光ドラム1へ回収される。一方、露光装置11が非発光の場合は、感光ドラム1の表面電位は−500Vであり、1次転写ローラ10に印加する電圧は−300Vであるため、ブラシ部材27から放出された負極性のトナーは感光ドラム1に回収されない。
【0090】
即ち、C01部、C03部のように、ブラシ部材27から放出されたトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している場合、露光装置11の発光と非発光を切り替える。これにより、トナーを感光ドラム1へ部分的に回収することができる。
【0091】
感光ドラム1に回収されずに中間転写ベルト13上に残ったトナーは、中間転写ベルト13を更に一周回転させることで、感光ドラム1に回収する。その際、ブラシ部材27から放出されたトナーが正極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は+1000Vに固定し、ブラシ部材27から放出されたトナーが負極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧を−1000Vに固定する。本実施例において、C01部とC03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性であるため、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。
【0092】
C02部とC04部では、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満であり、この部分のトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する必要はない。従って、C02部とC04部にブラシ部材27から放出されたトナーは、一度に感光ドラム1へ回収する。このとき、露光装置11は非発光状態である。具体的には、C02部、C04部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧を+1000Vとする。又、この時の感光ドラム1の表面の電位は−500Vである。従って、C02部とC04部にブラシ部材27から放出されたトナーは正極性であるため、このトナーは全て感光ドラム1へ回収される。
【0093】
尚、ブラシ部材27から放出されるトナーの極性は、ブラシ部材27に印加した電圧の極性から推定することができるので、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を決定することができる。
【0094】
3.放出トナー回収動作の作用
図8を参照して、本実施例の作用について更に説明する。図8(a)は、ブラシ部材27から放出されたトナーが感光ドラム1へ回収される前の状態を示す。又、図8(b)は、そのトナーが1次転写部N1を通過した後の状態をに示す。
【0095】
図8(a)に示すように、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は、C01部、C02部、C03部、C04部で異なっている。C01部とC03部ではトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している。一方、C02部とC04部ではトナー量が0.5mg/cm2未満である。
【0096】
ブラシ部材27から放出されたトナーが1次転写部N1を通過すると、図8(b)に示すように、C01部、C03部のトナーは部分的に回収されず中間転写ベルト13上に残る。又、C02部、C04部のトナーは全て感光ドラム1に回収される。
【0097】
本実施例の放出トナー回収動作の制御により、実施例1と同様の多量のトナーが一度にクリーニング部材30に送られることを防止する作用を得ることができる。そして、この作用により、感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間を多量のトナーがすり抜けて、感光ドラム1の表面にスジ状のトナーが残ってしまう感光ドラム1のクリーニング不良を抑制することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施例によれば、トナー一時回収手段から中間転写体上に放出したトナーを濃度検知手段により検知し、その検知結果に基づいて、露光手段によって感光体の電位を切り替え、更に1次転写手段に印加する転写電圧を制御する。これにより、感光体上のトナーをクリーニングするクリーニング部材に捕集されるトナー量をコントロールし、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制することができる。
【0099】
更に、本実施例によれば、感光体の表面と1次転写手段の電位差を実施例1よりも細かく制御することができる。つまり、露光手段は、数μmsec単位で発光と非発光を繰り返すことができる。一方、1次転写電圧の印加電圧の極性切り替えは、高圧電圧の立ち上げ時間などを考慮すると、数十μmsec単位となる。従って、本実施例の利点は、より細かく感光体の表面と1次転写手段の電位関係を制御できることである。これにより、感光体に当接するクリーニング部材に一度に捕集されるトナー量を更に細かく制御でき、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制する効果を向上できる。
【0100】
尚、本実施例では、露光手段の発光と非発光を繰り返し、感光体に横帯の静電潜像パターンを形成している。しかし、本実施例で説明した効果を発揮するには、本実施例のような静電潜像パターンを形成することに限定されるものではない。例えば、静電潜像パターンを千鳥格子状に形成したとしても、同様の感光体のクリーニング不良を抑制する効果が得られる。
【0101】
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、本発明は感光体上に回収されるトナーの量を適切に制御するものである。従って、感光体のクリーニングのためにクリーニング部材などの特別のクリーニング手段を持たない系に本発明を適用しても有効である。例えば、中間転写体上のトナー一時回収手段から吐き出されたトナーを感光体に逆転写させ、そのトナーを現像剤担持体(現像スリーブなど)によって現像手段たる現像器へ回収する系がある。このような系において、本発明を適用することによって、トナー一時回収手段から吐き出しトナーが過多となったとしても、現像手段への回収不良が生じることを抑制することができ、有効である。又、本発明は、図9に示すような複数の現像器に対して単一の感光体を有する、所謂、1ドラム型の画像形成装置に適用することに限定されるものではない。当業者には周知のように、それぞれが感光体と感光体にトナー像を形成するプロセス手段とを備えた画像形成部を中間転写体の搬送方向に複数並べた、所謂、1パスインライン方式の画像形成装置がある。本発明は、このような画像形成装置においても適用することができ、上記実施例と同様の効果を発揮することができる。この場合、本発明を適用して、トナー一時回収手段から中間転写体に放出されたトナーを複数の感光体のうちいずれか1つ又は複数の感光体へ回収する際に、そのトナーの回収量を上記実施例と同様にしてコントロールすることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
10 1次転写ローラ
11 露光装置
13 中間転写ベルト
25 2次転写ローラ
27 ブラシ部材(トナー一時回収手段)
29 濃度センサ(検知手段)
30 クリーニング部材
50 制御部
51 CPU(制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真記録方式を利用した、レーザービームプリンター、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真記録方式を用いた画像形成装置として、電子写真感光体(感光体)に形成したトナー像を中間転写体に1次転写し、これを転写材に2次転写して出力する中間転写方式の画像形成装置がある。電子写真方式の画像形成装置に対しては、小型化、高速化への要望が大きい。中間転写方式の画像形成装置においては、2次転写後に中間転写体上に残留したトナー(2次転写残トナー)を良好にクリーニングし、且つ、画像形成装置の小型化・高速化を実現するクリーニング方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
図14を参照してこの方法について説明する。中間転写体305の回転方向において、感光体301と中間転写体305とが当接する箇所と、2次転写ローラ306と中間転写体305とが当接する箇所との間に、中間転写体305に当接するようにトナー一時回収手段320が設置される。トナー一時回収手段320は、中間転写体305に対して当接及び離間することができる。そして、トナー一時回収手段320は、電圧が印加されることで、中間転写体305上に形成されたトナー像を転写材307に2次転写した後に中間転写体305上に残った2次転写残トナーを、静電的に回収することができる。又、2次転写終了後に、トナーを回収する時とは逆極性の電圧がトナー一時回収手段320に印加されることで、トナー一時回収手段320に蓄積されたトナーは、中間転写体305に放出される。放出されたトナーは、中間転写体305と感光体301とが当接する箇所において、両者の間の電位差により感光体301に移動する。そして、感光体301上に移動したトナーは、感光体301に当接する一般に弾性体の板状部材(ブレード部材)とされるクリーニング部材308により捕集され、トナー回収容器309に回収される。
【0004】
このような中間転写体のクリーニング方法により、連続画像出力動作などにおいて、2次転写終了後に中間転写体に残った2次転写残トナーを除去する動作によってスループットが低下することなく、画像出力を行うことができる。つまり、画像出力速度の速い画像形成装置を提供することができる。
【0005】
又、感光体上のトナーを回収するトナー回収容器を、中間転写体上のトナーの回収先としても使用することで、中間転写体上のトナーを回収するために必要な特別のトナー回収容器は不要とすることができる。その結果、画像形成装置の小型化を可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−197750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に当接するクリーニング部材にて捕集する際に、そのトナーがクリーニング部材をすり抜け、感光体のクリーニング不良を引き起こす場合がある。
【0008】
トナー一時回収手段から放出されるトナー(以下「放出トナー」ともいう。)は、広範囲、且つ、多量であり、様々な電荷量のトナーが集合している。このような放出トナーは、クリーニング部材のクリーニング性能を越えることがあり、感光体とクリーニング部材との当接部における両者の間をすり抜けることがある。これにより、感光体の表面にスジ状のトナーが残り、感光体のクリーニング不良を招いてしまう。
【0009】
このようなクリーニング不良のメカニズムは、次のように考えられる。トナー一時回収手段から放出されたトナーは、感光体に移動した後、感光体に当接するクリーニング部材にせき止められ、クリーニング部材の先端においてトナーの大きな固まりを形成する。その固まりがクリーニング部材を押圧し、この押圧力がクリーニング部材の感光体への当接圧より大きくなる。その結果、クリーニング部材によって掻き落とされないトナーが発生し、このトナーが、感光体とクリーニング部材との当接部における両者の間をすり抜けてしまう。そして、トナーがすり抜けた部分を起点として、トナーが集中してすり抜け始めるため、縦スジ状のクリーニング不良として画像上に顕在化する。
【0010】
従って、本発明の目的は、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に移動させて回収する際に、回収するトナー量が過多となることによる感光体のクリーニング不良の発生を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像する現像手段と、前記電子写真感光体からトナー像が1次転写される中間転写体と、電圧が印加されることで前記電子写真感光体から前記中間転写体にトナー像を1次転写部で1次転写する1次転写手段と、電圧が印加されることで前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写手段と、電圧が印加されることで前記2次転写後の前記中間転写体上のトナーを回収するトナー一時回収手段と、前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段と、を有し、前記トナー一時回収手段に回収したトナーを前記トナー一時回収手段に電圧を印加することで前記中間転写体に放出させ、そのトナーを前記1次転写手段に電圧を印加することで前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置において、前記回収動作において前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーを前記検知手段で検知した結果に基づいて、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トナー一時回収手段から放出されたトナーを感光体に移動させて回収する際に、回収するトナー量が過多となることによる感光体のクリーニング不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に従う放出トナー回収動作の一例のフローチャート図である。
【図2】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の時間軸に沿うシーケンスチャート図である。
【図3】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の中間転写体の位置基準とするシーケンスチャート図である。
【図4】本発明に従う放出トナー回収動作の一例の作用を示す模式図である。
【図5】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例のフローチャート図である。
【図6】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の時間軸に沿うシーケンスチャート図である。
【図7】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の中間転写体の位置基準とするシーケンスチャート図である。
【図8】本発明に従う放出トナー回収動作の他の例の作用を示す模式図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図10】濃度センサの概略構成を示す模式図である。
【図11】トナー量と受光量の関係の一例を示すグラフ図である。
【図12】トナー量と縦スジレベルの関係を示すグラフ図である。
【図13】トナー幅と縦スジレベルの関係を示すグラフ図である。
【図14】従来の画像形成装置の一例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0015】
実施例1
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体的な構成及び動作について説明する。図9は、本実施例の画像形成装置100の概略断面構成を示す。本実施例では、画像形成装置100は、電子写真方式を利用してフルカラー画像の形成が可能な中間転写方式のレーザービームプリンターである。
【0016】
画像形成装置100は、像担持体としての円筒形状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図示矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、次の各手段が配置されている。先ず、帯電手段としての帯電ローラ2である。次に、露光手段としての露光装置11である。次に、現像手段としての複数の現像器8a、8b、8c、8dを回転可能な支持体81に有するロータリー現像装置80である。次に、1次転写手段としての1次転写部材である1次転写ローラ10である。次に、感光ドラム1のクリーニング手段としてのクリーニング装置3である。クリーニング装置3は、弾性体の板状部材(ブレード部材)とされるクリーニング部材(クリーニングブレード)30を有する。クリーニング部材30で感光ドラム1から掻き取られたトナーは、クリーニング装置3のトナー回収容器31に回収される。
【0017】
又、感光ドラム1に対向して、中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト13が配置されている。中間転写ベルト13は、図示矢印R2方向(時計回り)に周回移動(回転)する。上記1次転写ローラ10は、中間転写ベルト13の内周面側に配置されており、中間転写ベルト13を感光ドラム1に押圧して中間転写ベルト13と感光ドラム1とが接触する1次転写部N1を形成する。又、中間転写ベルト13の外周面側には、2次転写手段としての2次転写部材である2次転写ローラ25が配置されている。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に接触して2次転写部N2を形成する。更に、中間転写ベルト13の外周面側には、2次転写後の中間転写ベルト13上のトナーを一時的に回収するトナー一時回収手段としてのブラシ部材27が配置されている。ブラシ部材27は、中間転写ベルト13に接触して、トナー一時回収部N3を形成する。ブラシ部材27は、中間転写ベルト13の表面の移動方向において2次転写部N2の下流、且つ、1次転写部N1の上流に配置されている。
【0018】
フルカラー画像の形成時を例に画像形成動作を説明すると、先ず、感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2により本実施例では負極性に一様に帯電させられる。次に、帯電した感光ドラム1の表面に、露光装置11により、第1色目(本実施例1ではイエロー)の画像信号に基づいて変調された走査ビーム12が照射され、感光ドラム1上に第1色目の静電潜像(静電像)が形成される。この感光ドラム1上に形成された静電潜像は、ロータリー現像装置80が備えるイエロー現像器8aによって、負極性のイエロートナーによって可視化され、感光ドラム1上にはイエロートナー像が形成される。イエロー現像器8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて、現像剤担持体としての現像スリーブ4aに塗布される。又、現像スリーブ4aには、現像電圧印加手段である現像電源21より、負極性の電圧が供給される。
【0019】
その後、ロータリー現像装置80の支持体81は図示矢印R3方向(時計回り)に回転移動し、第2色目であるマゼンタ現像器8bを感光ドラム1と対峙させる。
【0020】
感光ドラム1上に形成されたイエロートナー像は、1次転写部N1において、中間転写ベルト13上に転写(1次転写)される。この時、1次転写ローラ10には、1次転写電圧印加手段である1次転写電源22により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の電圧が供給される。又、感光ドラム1から中間転写ベルト13に転写されずに感光ドラム1上に残留した1次転写残トナーは、感光ドラム1の表面に当接するクリーニング部材30によって捕集され、トナー回収容器31に回収される。
【0021】
上述のような感光ドラム1の帯電、静電潜像の形成、静電潜像の現像、及び1次転写の工程を、第2色目であるマゼンタ、第3色目であるシアン、第4色目である黒の各色についても同様に行う。これにより、中間転写ベルト13上に複数色のトナーが重ね合わせて1次転写された多重トナー像が形成される。
【0022】
4色のトナーが中間転写ベルト13上に転写された後、転写材カセット16に積載されている転写材Pは、転写材供給ローラ17によりピックアップされ、搬送ローラ(図示せず)によりレジストローラ18にまで搬送さる。そして、レジストローラ18によって、転写材Pを中間転写ベルト13と2次転写ローラ25との当接部である2次転写部N2へ搬送する。転写材Pは、中間転写ベルト13上に形成されたトナーの先端と転写材Pの先端が一致するタイミングで、2次転写部N2へ搬送される。
【0023】
その後、中間転写ベルト13上の4色のトナーは、2次転写部N2において、転写材P上に一括して転写(2次転写)される。この時、2次転写ローラ25には、2次転写電圧印加手段である2次転写電源26により、トナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の電圧が印加される。2次転写ローラ25は、2次転写を行うタイミングに合わせて、中間転写ベルト13から離間した状態から、中間転写ベルト13に当接した状態に移動される。2次転写が終了した後は、2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に当接した状態から、中間転写ベルト13から離間した状態に移動される。
【0024】
その後、ブラシ部材27が中間転写ベルト13に当接され、中間転写ベルト13から転写材Pに転写されずに中間転写ベルト13に残留した2次転写残トナーがブラシ部材27に一時的に回収される(トナー一時回収工程)。そして、トナー一時回収工程終了後、ブラシ部材27は、中間転写ベルト13から離間される。
【0025】
尚、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーは、詳しくは後述するように、定期的に中間転写ベルト13に放出され、感光ドラム1に回収される。これにより、ブラシ部材27がトナーを一時的に回収する能力の低下を抑制することができる。
【0026】
2次転写終了後の転写材Pは、定着手段としての定着器19へと搬送される。定着器19は、熱源42が内周面側に配置された定着ベルト41と、定着ベルト41の外周面側に圧接する加圧ローラ40とを有し、定着ベルト41と加圧ローラ40とが接触する定着ニップを形成する。転写材Pは、定着ニップ部を一度通過する際に、熱と圧力を受け、その上にトナーが定着される。その後、転写材Pは、カラー画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置100の本体(装置本体)の外へと排出される。
【0027】
上記本実施例の画像形成装置100の各要素について更に説明すると、先ず、本実施例では、感光ドラム1は、アルミシリンダーの外周面に有機感光体(OPC)から成る光導電体を塗布して構成された有機感光体ドラムである。感光ドラム1は、駆動手段たるモーター(図示せず)によって図示矢印R1方向に回転駆動される。
【0028】
又、本実施例では、中間転写ベルト13としては、厚さ100μm、体積抵抗率1011Ω・cmの汎用エンジニアリングプラスチックのシートを用いた。尚、体積抵抗率は、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)、UR測定プローブを用いて測定した。測定時の室内温度は23℃、室内湿度は50%に設定し、印加電圧500V、測定時間10secの条件で測定した。中間転写ベルト13は、支持部材としての駆動ローラ15と、テンションローラ14との2本のローラに張架されている。中間転写ベルト13は、駆動ローラ15が駆動手段たるモーター(図示せず)により図示矢印R4方向に回転駆動されることにより、図示矢印R2の方向に周回移動(回転)する。
【0029】
又、本実施例では、1次転写ローラ10としては、外径6mmのニッケルメッキ鋼棒を、抵抗値108Ω、厚み3mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った、外径12mmのローラを用いた。1次転写ローラ10は、中間転写ベルト13を介して感光ドラム1に当接する。
【0030】
又、本実施例では、2次転写ローラ25としては、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒を、抵抗値108Ω、厚み5mmに調整したNBRの発泡スポンジ体で覆った、外径18mmのローラを用いた。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13に対して、5〜15g/cm程度の線圧で当接させ、且つ、中間転写ベルト13の移動方向に対して順方向に略等速度で回転するように配置した。2次転写ローラ25は、中間転写ベルト13を介して駆動ローラ15に当接し、中間転写ベルト13の回転に従動して回転する。
【0031】
又、ブラシ部材27は、導電ナイロン製で、繊度500T/50F、密度112F/mm2、原糸抵抗8logΩである。ここで、Tはデジテックス(g/10000m)、Fはフィラメント(パイル糸のフィラメント数)を意味する。このブラシ部材27に、電圧印加手段としてのブラシ電源28から、2次転写電圧と同じ極性(本実施例では、トナーの帯電極性とは逆極性である正極性)の電圧を印加することにより、中間転写ベルト13上に残留した2次転写残トナーを一時的に回収する。又、トナー一時回収工程時とは逆極性(本実施例では負極性)の電圧を、ブラシ電源28からブラシ部材27に印加することにより、中間転写ベルト13上に一時的に回収されているトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0032】
尚、本実施例では、感光ドラム1の外径は30mm、感光ドラム1の回転方向において感光ドラム1の露光位置Lから1次転写部N1までの距離は60mmである。又、本実施例では、中間転写ベルト13の搬送速度は100mm/secである。又、本実施例では、帯電ローラ2に印加する電圧は−1000Vで一定とし、感光ドラム1の表面を−500Vの表面電位に一様に帯電させた。
【0033】
2.検知手段
本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト13上のトナーを検知する検知手段として、中間転写ベルト13上のトナー量(トナー濃度、画像濃度)を検知可能な光学式センサである濃度センサ29を有する。濃度センサ29は、中間転写ベルト13の表面の移動方向において、ブラシ部材27の下流、且つ、1次転写部N1の上流に配置されている。
【0034】
尚、本実施例では、ブラシ部材27と濃度センサ29との間の距離は50mm、濃度センサ29と1次転写部N1との間の距離は100mmとした。
【0035】
図10は、濃度センサ29の構成を示す。濃度センサ29は、LEDなどの発光素子291と、フォトダイオード、CdSなどの受光素子292と、発光素子291及び受光素子292を保持するホルダー293と、を有して構成される。
【0036】
濃度センサ29を用いた画像濃度の具体的な検知動作は次の通りである。中間転写ベルト13上に形成された画像濃度制御用のトナー(パッチ)Tに対し、発光素子291からの光を照射し、そこからの正反射光を受光素子292で受ける。これにより、パッチTのトナー量とトナー領域とを検知する。画像形成装置100の動作を統括制御する制御部50の制御手段としてのCPU51は、濃度センサ29の検知結果を用いて、画像形成装置100が形成する画像の濃度を制御する。
【0037】
詳しくは後述するように、本実施例では、この濃度センサ29を用いて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを検知し、その結果に応じて、そのトナーを感光ドラム1へ回収する動作を制御することも行う。このように、画像形成装置100が通常有している濃度センサ29を放出トナーの回収動作の制御にも用いることによって、装置構成の複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0038】
尚、制御部50のCPU51は、予め求められて制御部50の記憶手段としてのメモリ52に記憶されている、図11に示す濃度センサ29による受光量とトナー量との関係を利用して、パッチ画像Tなどの中間転写ベルト13上のトナー量を検知する。又、制御部50のCPU51は、トナーを検知していた時間を利用して算出することで、パッチTなどの中間転写ベルト13上のトナー領域を検知する。
【0039】
3.放出トナー回収動作の制御フロー
次に、本実施例における、ブラシ部材27から放出されたトナーを回収する動作(放出トナー回収動作)について説明する。
【0040】
本実施例では、放出トナー回収動作は、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部50の制御手段としてのCPU51が制御する。CPU51は、制御部50の記憶手段としてのメモリ52に記憶されたプログラム、データに基づいて当該制御を実行する。
【0041】
本実施例では、ブラシ部材27が中間転写ベルト13上に放出したトナーを、濃度センサ29によって検知し、制御部50のCPU51がトナー量とトナー領域とを算出する。その算出結果に基づいて、1次転写電源22から1次写ローラ10に印加する電圧(即ち、1次転写電源22の出力値)を変化させる。これによって、感光ドラム1の表面と1次転写ローラ10との電位差を制御し、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの感光ドラム1への回収量をコントロールする。即ち、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを一度に感光ドラム1に移動させて回収する量が過多とならないように、1次転写部N1で中間転写ベルト13から感光ドラム1に移動させるトナー量を減少させるように制御する。
【0042】
図1の制御フローを参照して更に具体的に説明する。
【0043】
(ステップ1)
ブラシ部材27は、100枚画像出力する度に、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0044】
(ステップ2)
ステップ1の工程で、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの一部に対して、トナーの量とトナー領域を検知する。
【0045】
(ステップ3)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していないと検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、1次転写ローラ10に印加する電圧を固定にして、このトナーを感光ドラム1へ回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0046】
(ステップ4)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していると検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、1次転写ローラ10に極性の異なる電圧を交互に印加して、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0047】
(ステップ5)
中間転写ベルト13に放出された全てのトナーに対して、トナー量とトナー領域を検知したかどうかを判断する。
【0048】
(ステップ6)
ステップ4を実施していなければ、終了する。ステップ4を実施していれば、ステップ7へ進む。
【0049】
(ステップ7)
ステップ4にて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収しているため、トナーの一部は感光ドラム1へ回収されずに1次転写部N1を通過し、中間転写ベルト13上に残留している。そこで、中間転写ベルト13を再度回転移動させ、その中間転写ベルト13上に残留したトナーを感光ドラム1へ逆転写させ、このトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。その後、終了する。
【0050】
以上の一連の制御フローに沿って、ブラシ部材27から放出されるトナーが感光ドラム1に回収される。
【0051】
ここで、本実施例では、ステップ2からステップ3又はステップ4のどちらの工程に進むかを決定するにあたり、ブラシ部材27から放出されるトナー量とトナー幅(トナー領域)を判断材料としている。本実施例において、トナー量の閾値(所定量)を0.5mg/cm2、中間転写ベルト13の移動方向に連続するトナー幅の閾値(所定の長さ)を2mmとした理由を次に説明する。
【0052】
ブラシ部材27から一度に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向の最大幅を1mmとし、放出されるトナー量を異ならせて、2000枚の通紙試験を実施した。この通紙試験より、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量と感光ドラム1のクリーニング不良に起因して発生する縦スジのレベルとの関係を確認することができる。図12に結果を示す。縦スジのレベルの目標はレベル2以下とし、縦スジ画像の見た目を許容できるレベルはレベル3未満とする。この場合、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満である必要がある。
【0053】
次に、ブラシ部材27から放出されるトナーのトナー量を最大でも0.5mg/cm2未満に設定し、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向の幅を異ならせて、2000枚の通紙を実施した。この通紙試験より、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向における幅と感光ドラム1のクリーニング不良に起因して発生する縦スジのレベルとの関係を確認することができる。図13に結果を示す。縦スジのレベルの目標はレベル2以下とし、縦スジ画像の見た目を許容できるレベルはレベル3未満とする。この場合、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーの中間転写ベルト13の移動方向における幅は2mm未満である必要がある。
【0054】
以上より、トナー量の閾値を0.5mg/cm2、中間転写ベルト13の移動方向に連続するトナー幅の閾値を2mmとした。つまり、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されるトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、中間転写ベルト13の移動方向におけるトナー幅(トナー領域)が2mm未満の場合、トナーを感光ドラム1に回収するステップ3を実施する。そして、それ以外の場合、即ち、放出トナーのトナー量が上記の所定量以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に上記の所定の長さ以上連続している場合は、トナーを部分的に感光ドラム1に回収するステップ4を実施する。
【0055】
4.放出トナー回収動作の動作シーケンス
図2及び図3を参照して、本実施例におけるブラシ部材27から放出されるトナーの回収動作の動作シーケンスについて更に説明する。
【0056】
図2は、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧、帯電ローラ2の印加電圧を時間軸に沿って示したものである。図3は、図2に示した実施例1の特徴を簡潔に説明するものである。具体的には、図3は、中間転写ベルト13の位置を基準として、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧を示している。図3において、中間転写ベルト13上のトナーが放出された部分を中間転写ベルト13の搬送方向に6mmの幅毎に分けて、「A01部」、「A02部」、「A03部」、「A04部」と呼ぶ。
【0057】
図3に示すシーケンスに従って説明する。ブラシ部材27に印加する電圧の極性を60msec毎に切り替え、ブラシ部材27に一時的に回収されていたトナーをブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出する。本実施例では、ブラシ部材27に印加する電圧は+1000Vと−1000Vとした。+1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは正極性、−1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは負極性である。
【0058】
濃度センサ29の検知結果から、ブラシ部材27から放出されたトナーは、A01部とA03部においては、トナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続していると算出される。一方、A02部とA04部においては、トナー量が0.5mg/cm2未満と算出される。
【0059】
この算出結果より、A01部とA03部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要があると判断する。そして、A02部とA04部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要がないと判断する。
【0060】
A01部、A03部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を20msec毎に切り替える。A01部とA03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性である。そのため、1次転写ローラ10に印加する電圧が−1000Vの場合は、このトナーは感光ドラム1へ回収される。一方、1次転写ローラ10に印加する電圧が+1000Vの場合は、このトナーは感光ドラム1へ回収されない。
【0061】
即ち、A01部、A03部のように、ブラシ部材27から放出されたトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している場合、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を切り替える。これにより、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収することができる。
【0062】
感光ドラム1に回収されずに中間転写ベルト13上に残ったトナーは、中間転写ベルト13を更に一周回転させることで、感光ドラム1に回収する。その際、ブラシ部材27から放出されたトナーが正極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は+1000Vに固定し、ブラシ部材27から放出されたトナーが負極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。本実施例において、A01部とA03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性であるため、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。
【0063】
A02部とA04部では、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満であり、この部分のトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する必要はない。従って、A02部とA04部にブラシ部材27から放出されたトナーは、一度に感光ドラム1へ回収する。具体的には、A02部とA04部にブラシ部材27から放出されたトナーは正極性であるため、A02部、A04部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧を+1000Vとする。これによって、このトナーは全て感光ドラム1へ回収される。
【0064】
尚、ブラシ部材27から放出されるトナーの極性は、ブラシ部材27に印加した電圧の極性から推定することができるので、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を決定することができる。
【0065】
5.放出トナー回収動作の作用
図4を参照して、本実施例の作用について更に説明する。図4(a)は、ブラシ部材27から放出されたトナーが感光ドラム1へ回収される前の状態を示す。又、図4(b)はそのトナーが1次転写部N1を通過した後の状態を示す。
【0066】
図4(a)に示すように、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は、A01部、A02部、A03部、A04部で異なっている。A01部とA03部ではトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している。一方、A02部とA04部ではトナー量が0.5mg/cm2未満である。
【0067】
ブラシ部材27から放出されたトナーが1次転写部N1を通過すると、図4(b)に示すように、A01部、A03部のトナーは部分的に回収されず中間転写ベルト13上に残る。一方、A02部、A04部のトナーは全て感光ドラム1に回収される。
【0068】
本実施例の放出トナー回収動作の制御により、感光ドラム1に回収されるトナー量をコントロールできる。その結果、ブラシ部材27から放出される多量のトナーが感光ドラム1に当接するクリーニング部材30にせき止められることもなく、クリーニング部材30の先端にトナーの大きな固まりが形成されることもない。そのため、その固まりがクリーニング部材30を押圧することもないので、感光ドラム1に回収されたトナーをクリーニング部材30によって効率よく捕集することができる。そして、感光ドラム1に回収されるトナーを感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間をトナーがすり抜けることがなく、クリーニング部材30で全てのトナーを掻き落とすことができる。そして、この作用により、感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間を多量のトナーがすり抜けて、感光ドラム1の表面にスジ状のトナーが残ってしまう感光ドラム1のクリーニング不良を抑制することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施例によれば、トナー一時回収手段から中間転写体上に放出したトナーを濃度検知手段により検知し、その検知結果に基づいて1次転写手段に印加する電圧を制御する。これにより、感光体上のトナーをクリーニングするクリーニング部材に捕集されるトナー量をコントロールし、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制することができる。
【0070】
実施例2
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0071】
1.放出トナー回収動作の制御フロー
本実施例における、ブラシ部材27から放出されたトナーを回収する動作(放出トナー回収動作)について説明する。
【0072】
本実施例では、ブラシ部材27が中間転写ベルト13上に放出したトナーを、濃度センサ29によって検知し、制御部50のCPU51がトナー量とトナー領域とを算出する。その算出結果に基づいて、露光装置11により感光ドラム1に静電潜像パターンを形成する。本実施例における静電潜像パターンは、1.5mmピッチの主走査方向(感光ドラム1の回転軸線方向)に延在する横帯とした。より具体的には、本実施例では、露光装置11の発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1の表面上に主走査方向に延在する横帯状の静電潜像パターンを形成した。この動作により、感光ドラム1の表面の電位を制御し、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの感光ドラム1への回収量をコントロールする。即ち、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを一度に感光ドラム1に移動させて回収する量が過多とならないように、1次転写部N1で中間転写ベルト13から感光ドラム1に移動させるトナー量を減少させるように制御する。
【0073】
図5の制御フローを参照して更に具体的に説明する。
【0074】
(ステップ1)
ブラシ部材27は、100枚画像出力する度に、ブラシ部材27に一時的に回収されたトナーを中間転写ベルト13上に放出する。
【0075】
(ステップ2)
ステップ1の工程で、中間転写ベルト13上に放出されたトナーの一部に対して、トナーの量とトナー領域を検知する。
【0076】
(ステップ3)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2未満、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していないと検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、このトナーと同極性の電圧を1次転写ローラ10に印加し、このトナーを感光ドラム1へ回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。この場合、中間転写ベルト13から感光ドラム1へトナーを回収する時の感光ドラム1の表面の電位は、帯電ローラ2に印加する電圧によって定められている。露光装置11による感光ドラム1への静電潜像パターン形成は実施しない。つまり、露光装置11による電位制御は実施しない。
【0077】
(ステップ4)
ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーのトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、そのトナーの領域が中間転写ベルト13の移動方向に2mm以上連続していると検知されている。このトナーが1次転写部N1を通過する際、このトナーと同極性の電圧を1次転写ローラ10に印加する。更に、露光装置11により感光ドラム1に静電潜像パターンを形成する。上述のように、本実施例では、露光装置11の発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1の表面の電位を制御する。これにより、ブラシ部材27から放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する。そして、この感光ドラム1に回収したトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。
【0078】
(ステップ5)
中間転写ベルト13に放出された全てのトナーに対して、トナー量とトナー領域を検知したかどうかを判断する。
【0079】
(ステップ6)
ステップ4を実施していなければ、終了する。ステップ4を実施していれば、ステップ7へ進む。
【0080】
(ステップ7)
ステップ4にて、ブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出されたトナーを感光ドラム1へ部分的に回収しているため、トナーの一部は感光ドラム1へ回収されずに1次転写部N1を通過し、中間転写ベルト13上に残留している。そこで、中間転写ベルト13を再度回転移動させ、その中間転写ベルト13上に残留したトナーを感光ドラム1へ逆転写させ、このトナーをクリーニング装置3のトナー回収容器31に回収する。その後、終了する。
【0081】
以上の一連の制御フローに沿って、ブラシ部材27から放出されるトナーが感光ドラム1に回収される。
【0082】
尚、本実施例における、ステップ2からステップ3又はステップ4のどちらの工程に進むかを決定する際のトナー量、トナー幅の閾値の設定については実施例1にて説明した通りである。
【0083】
2.放出トナー回収動作の動作シーケンス
図6及び図7を参照して、本実施例におけるブラシ部材27から放出されるトナーの回収動作の動作シーケンスについて更に説明する。
【0084】
図6は、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧、帯電ローラ2の印加電圧、露光装置11の発光状態を時間軸に沿って示したものである。図7は、図6に示した実施例2の特徴を簡潔に説明するものである。具体的には、図7は、中間転写ベルト13の位置を基準として、ブラシ部材27の印加電圧、濃度センサ29によるトナー量及びトナー領域の算出結果、1次転写ローラ10の印加電圧を示している。又、露光装置11の発光状態に関しては、露光位置Lから1次転写部N1までの間の距離を考慮せず模式的に表示している。従って、実際のタイミングは異なっている。図7において、中間転写ベルト13上のトナーが放出された部分を中間転写ベルト13の搬送方向に6mmの幅毎に分けて、「C01部」、「C02部」、「C03部」、「C04部」と呼ぶ。
【0085】
図7に示すシーケンスに従って説明する。ブラシ部材27に印加する電圧の極性を60msec毎に切り替え、ブラシ部材27に一時的に回収されていたトナーをブラシ部材27から中間転写ベルト13上に放出する。本実施例では、ブラシ部材27に印加する電圧は+1000Vと−1000Vとした。+1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは正極性、−1000Vの場合は、ブラシ部材27から放出されるトナーは負極性である。
【0086】
濃度センサ29の検知結果から、ブラシ部材27から放出されたトナーは、C01部とC03部においては、トナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続していると算出される。一方、C02部とC04部においては、トナー量が0.5mg/cm2未満と算出される。
【0087】
この算出結果より、C01部とC03部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要があると判断する。そして、C02部とC04部は、感光ドラム1へのトナーの回収量をコントロールする必要がないと判断する。
【0088】
C01部とC03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性である。このトナーを感光ドラム1へ回収するため、C01部、C03部がそれぞれ1次転写部N1を通過する際には、1次転写ローラ10にトナーと同極性の電圧−300Vを印加する。又、露光装置11は発光と非発光を繰り返し、感光ドラム1上に横帯状の静電潜像パターンを形成し、感光ドラム1の表面電位を制御する。この表面電位を制御された感光ドラム1の表面の部分と、C01部及びC03部とが1次転写部N1で当接する。
【0089】
露光装置11により露光された感光ドラム1の表面電位は−100Vであり、1次転写ローラ10に印加する電圧は−300Vであるため、ブラシ部材27から放出された負極性のトナーは、感光ドラム1へ回収される。一方、露光装置11が非発光の場合は、感光ドラム1の表面電位は−500Vであり、1次転写ローラ10に印加する電圧は−300Vであるため、ブラシ部材27から放出された負極性のトナーは感光ドラム1に回収されない。
【0090】
即ち、C01部、C03部のように、ブラシ部材27から放出されたトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している場合、露光装置11の発光と非発光を切り替える。これにより、トナーを感光ドラム1へ部分的に回収することができる。
【0091】
感光ドラム1に回収されずに中間転写ベルト13上に残ったトナーは、中間転写ベルト13を更に一周回転させることで、感光ドラム1に回収する。その際、ブラシ部材27から放出されたトナーが正極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧は+1000Vに固定し、ブラシ部材27から放出されたトナーが負極性であれば、1次転写ローラ10に印加する電圧を−1000Vに固定する。本実施例において、C01部とC03部にブラシ部材27から放出されたトナーは負極性であるため、1次転写ローラ10に印加する電圧は−1000Vに固定する。
【0092】
C02部とC04部では、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は0.5mg/cm2未満であり、この部分のトナーを感光ドラム1へ部分的に回収する必要はない。従って、C02部とC04部にブラシ部材27から放出されたトナーは、一度に感光ドラム1へ回収する。このとき、露光装置11は非発光状態である。具体的には、C02部、C04部がそれぞれ1次転写部N1に到達した後、1次転写ローラ10に印加する電圧を+1000Vとする。又、この時の感光ドラム1の表面の電位は−500Vである。従って、C02部とC04部にブラシ部材27から放出されたトナーは正極性であるため、このトナーは全て感光ドラム1へ回収される。
【0093】
尚、ブラシ部材27から放出されるトナーの極性は、ブラシ部材27に印加した電圧の極性から推定することができるので、1次転写ローラ10に印加する電圧の極性を決定することができる。
【0094】
3.放出トナー回収動作の作用
図8を参照して、本実施例の作用について更に説明する。図8(a)は、ブラシ部材27から放出されたトナーが感光ドラム1へ回収される前の状態を示す。又、図8(b)は、そのトナーが1次転写部N1を通過した後の状態をに示す。
【0095】
図8(a)に示すように、ブラシ部材27から放出されたトナーのトナー量は、C01部、C02部、C03部、C04部で異なっている。C01部とC03部ではトナー量が0.5mg/cm2以上、且つ、2mm以上連続している。一方、C02部とC04部ではトナー量が0.5mg/cm2未満である。
【0096】
ブラシ部材27から放出されたトナーが1次転写部N1を通過すると、図8(b)に示すように、C01部、C03部のトナーは部分的に回収されず中間転写ベルト13上に残る。又、C02部、C04部のトナーは全て感光ドラム1に回収される。
【0097】
本実施例の放出トナー回収動作の制御により、実施例1と同様の多量のトナーが一度にクリーニング部材30に送られることを防止する作用を得ることができる。そして、この作用により、感光ドラム1とクリーニング部材30との当接部における両者の間を多量のトナーがすり抜けて、感光ドラム1の表面にスジ状のトナーが残ってしまう感光ドラム1のクリーニング不良を抑制することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施例によれば、トナー一時回収手段から中間転写体上に放出したトナーを濃度検知手段により検知し、その検知結果に基づいて、露光手段によって感光体の電位を切り替え、更に1次転写手段に印加する転写電圧を制御する。これにより、感光体上のトナーをクリーニングするクリーニング部材に捕集されるトナー量をコントロールし、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制することができる。
【0099】
更に、本実施例によれば、感光体の表面と1次転写手段の電位差を実施例1よりも細かく制御することができる。つまり、露光手段は、数μmsec単位で発光と非発光を繰り返すことができる。一方、1次転写電圧の印加電圧の極性切り替えは、高圧電圧の立ち上げ時間などを考慮すると、数十μmsec単位となる。従って、本実施例の利点は、より細かく感光体の表面と1次転写手段の電位関係を制御できることである。これにより、感光体に当接するクリーニング部材に一度に捕集されるトナー量を更に細かく制御でき、クリーニング部材をトナーがすり抜けることによる感光体のクリーニング不良を抑制する効果を向上できる。
【0100】
尚、本実施例では、露光手段の発光と非発光を繰り返し、感光体に横帯の静電潜像パターンを形成している。しかし、本実施例で説明した効果を発揮するには、本実施例のような静電潜像パターンを形成することに限定されるものではない。例えば、静電潜像パターンを千鳥格子状に形成したとしても、同様の感光体のクリーニング不良を抑制する効果が得られる。
【0101】
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、本発明は感光体上に回収されるトナーの量を適切に制御するものである。従って、感光体のクリーニングのためにクリーニング部材などの特別のクリーニング手段を持たない系に本発明を適用しても有効である。例えば、中間転写体上のトナー一時回収手段から吐き出されたトナーを感光体に逆転写させ、そのトナーを現像剤担持体(現像スリーブなど)によって現像手段たる現像器へ回収する系がある。このような系において、本発明を適用することによって、トナー一時回収手段から吐き出しトナーが過多となったとしても、現像手段への回収不良が生じることを抑制することができ、有効である。又、本発明は、図9に示すような複数の現像器に対して単一の感光体を有する、所謂、1ドラム型の画像形成装置に適用することに限定されるものではない。当業者には周知のように、それぞれが感光体と感光体にトナー像を形成するプロセス手段とを備えた画像形成部を中間転写体の搬送方向に複数並べた、所謂、1パスインライン方式の画像形成装置がある。本発明は、このような画像形成装置においても適用することができ、上記実施例と同様の効果を発揮することができる。この場合、本発明を適用して、トナー一時回収手段から中間転写体に放出されたトナーを複数の感光体のうちいずれか1つ又は複数の感光体へ回収する際に、そのトナーの回収量を上記実施例と同様にしてコントロールすることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
10 1次転写ローラ
11 露光装置
13 中間転写ベルト
25 2次転写ローラ
27 ブラシ部材(トナー一時回収手段)
29 濃度センサ(検知手段)
30 クリーニング部材
50 制御部
51 CPU(制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像する現像手段と、前記電子写真感光体からトナー像が1次転写される中間転写体と、電圧が印加されることで前記電子写真感光体から前記中間転写体にトナー像を1次転写部で1次転写する1次転写手段と、電圧が印加されることで前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写手段と、電圧が印加されることで前記2次転写後の前記中間転写体上のトナーを回収するトナー一時回収手段と、前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段と、を有し、前記トナー一時回収手段に回収したトナーを前記トナー一時回収手段に電圧を印加することで前記中間転写体に放出させ、そのトナーを前記1次転写手段に電圧を印加することで前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置において、
前記回収動作において前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーを前記検知手段で検知した結果に基づいて、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記1次転写手段に電圧を印加する電圧印加手段の出力値を変化させることで、前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記露光手段により前記電子写真感光体に静電潜像パターンを形成することで、前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果から算出した前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーのトナー量が所定量以上であり、且つ、そのトナーの領域が前記中間転写体の移動方向において所定の長さ以上連続している場合に、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体に形成した静電潜像を現像する現像手段と、前記電子写真感光体からトナー像が1次転写される中間転写体と、電圧が印加されることで前記電子写真感光体から前記中間転写体にトナー像を1次転写部で1次転写する1次転写手段と、電圧が印加されることで前記中間転写体から転写材にトナー像を2次転写する2次転写手段と、電圧が印加されることで前記2次転写後の前記中間転写体上のトナーを回収するトナー一時回収手段と、前記中間転写体上のトナーを検知する検知手段と、を有し、前記トナー一時回収手段に回収したトナーを前記トナー一時回収手段に電圧を印加することで前記中間転写体に放出させ、そのトナーを前記1次転写手段に電圧を印加することで前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させて回収する回収動作を行う画像形成装置において、
前記回収動作において前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーを前記検知手段で検知した結果に基づいて、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記1次転写手段に電圧を印加する電圧印加手段の出力値を変化させることで、前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記露光手段により前記電子写真感光体に静電潜像パターンを形成することで、前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果から算出した前記トナー一時回収手段から前記中間転写体上に放出されたトナーのトナー量が所定量以上であり、且つ、そのトナーの領域が前記中間転写体の移動方向において所定の長さ以上連続している場合に、前記1次転写部で前記中間転写体から前記電子写真感光体に移動させるトナー量を減少させるように前記電子写真感光体の表面と前記1次転写手段との電位差を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−133685(P2011−133685A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293493(P2009−293493)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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