説明

画像形成装置

【課題】像担持体表面にトナーを供給してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減可能な画像形成装置において、該摩擦力を好適に低減可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光ドラム1の表面にトナーを供給するトナー供給プロセスを実行可能であって、トナー供給プロセスを実行する際は、DTメモリ40mに記録されている情報に基づいて、現像ユニット40の使用量が多くなる程、現像ユニット40から感光ドラム1の表面に供給するトナー量を多くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。画像形成装置としては、電子写真方式を採用する電子写真画像形成装置がある。
【背景技術】
【0002】
従来より、表面に静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、静電潜像をトナー像として現像する現像ユニットと、トナー像を転写した後に像担持体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング装置とを備える画像形成装置が知られている。また、クリーニング装置として、像担持体表面に当接して残留トナーを掻き取るクリーニングブレードと、掻き取られたトナーを収容する廃トナー容器とを備えるクリーニング装置が知られている。
【0003】
しかし、クリーニングブレードを用いて残留トナーを掻き取る場合、クリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力が大きいと、クリーニングブレードのびびり(スティックスリップ)が生じたり、クリーニングブレードがめくれるといった現象が生じてしまう。このような現象が生じてしまうと、像担持体表面を好適にクリーニング出来ないばかりか、像担持体表面に傷が形成され、それによって画像品質の低下を招いてしまう。また、クリーニングブレードのびびりに起因して、異音が生じてしまう。そこで、画像形成後に潤滑目的として現像ユニットから像担持体表面にトナーを供給することで、クリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減させ、異音の発生を抑制し、良好なクリーニング性能を保つ技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−161426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の画像形成装置には以下の課題がある。
一般的に、現像ユニット内に収容されているトナーは、現像ユニットの使用量が多くなるにつれ、トナーに添加されている外添剤が、トナー同士の摺擦やトナーと現像ローラ等の部材との摺擦などの作用によってトナー母体へ埋め込まれる。即ち、トナーの表面に外添剤の付着が少ない状態(いわゆる劣化した状態)となる。潤滑目的でトナーを像担持体表面に供給する場合において、トナー表面の外添剤の付着量が大きく影響する。よって、トナーが劣化した状態であると、トナーの供給量が少ない場合には十分な潤滑作用を得ることができない。
【0006】
そこで本発明は、像担持体表面にトナーを供給してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減可能な画像形成装置において、該摩擦力を好適に低減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の構成にあっては次のようなものがある。
それは、静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体の表面にトナーを供給して前記静電潜像をトナー像として現像する現像ユニットと、回転状態にある前記像担持体の表面に当接することで前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニングユニットと、前記現像ユニットの使用量に関する情報を記憶
する記憶部と、を備え、前記クリーニングユニットが画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な画像形成装置において、シート材に画像形成を行なわない期間において前記現像ユニットから前記像担持体の表面にトナーを供給し、前記クリーニングブレードと前記像担持体の表面との間にトナーを供給するトナー供給を実行可能な制御装置を備え、
前記制御装置は、前記トナー供給を実行する際に、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記現像ユニットの使用量が多くなる程、前記現像ユニットから前記像担持体の表面に供給するトナー量を多くすることを特徴とする画像形成装置である。
また別の構成として、次のようなものがある。
それは、静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体の表面にトナーを供給して前記静電潜像をトナー像として現像する現像ユニットと、回転状態にある前記像担持体の表面に当接することで前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニングユニットと、前記現像ユニットの使用量に関する情報を記憶する記憶部と、を備える画像形成装置において、シート材に画像形成を行なわない期間において前記現像ユニットから前記像担持体の表面にトナーを供給し、前記クリーニングブレードと前記像担持体の表面との間にトナーを供給するトナー供給を実行する制御装置を備え、前記制御装置は、前記トナー供給を実行する際に、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記現像ユニットの使用量が多くなる程、前記現像ユニットから前記像担持体の表面に供給するトナー量を多くするようにトナー供給を実行することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、像担持体表面にトナーを供給してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減可能な画像形成装置において、該摩擦力を好適に低減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1の実施形態における制御装置のブロック図、及びフローチャート図。
【図3】第2の実施形態における現像ユニット新品検知部の概略構成図。
【図4】第3の実施形態における制御装置のブロック図、及びフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
<第1の実施形態>
図1、図2を参照して、本発明を適用可能な第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式を採用するレーザビームプリンタである。
(1−1:画像形成装置の概略構成図)
図1(a)、図1(b)を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図であり、図1(b)は、本実施形態における現像ユニットとクリーニングユニットの概略構成図である。
【0012】
画像形成装置は、回転可能な像担持体として感光ドラム1を有している。感光ドラム1には、アルミニウムの素管の表面に、下塗り層、電荷発生層、電荷輸送層を順に塗布したものが用いられており、不図示の駆動源によって図中矢印方向に回転可能に構成されている。感光ドラム1の周りには、感光ドラム1の回転方向に沿って順に、帯電ローラ2、現
像ユニット40、転写ローラ6、クリーニング装置3が設けられている。また、感光ドラム1の上方には、感光ドラム1表面をレーザ光によって走査露光する露光装置5が設けられている。
【0013】
現像ユニット40は、感光ドラム1表面に当接する現像ローラ4a、現像ローラ4a表面に当接するトナー供給ローラ4b、現像ローラ4a表面に当接する規制ブレード4c、トナーを収容するトナー容器、が一体的に保持されたものである。現像ローラ4a及びトナー供給ローラ4bは、共に図中矢印方向に回転可能に構成されている。現像ユニット40の枠体には感光ドラム1表面を臨む開口部が形成されており、この開口部から露出する現像ローラ4aが感光ドラム1表面に当接している。また、本実施形態では、トナー容器内にブラックの負帯電性の非磁性一成分現像剤が収容されており、非磁性一成分接触現像方式によって、このトナーが感光ドラム1表面に供給されている。なお、本実施形態における「トナー(現像剤)」とは、トナー粒子(トナー母体)と外添剤とを含んだものを指す。
【0014】
かかる構成によると、トナー供給ローラ4bが回転して現像ローラ4a表面にトナーが供給され、供給されたトナーの層厚が規制ブレード4cによって規制される。そして不図示の電源から現像ローラ4aにトナーと同極性の現像電圧が印加されることにより、現像ローラ4aから感光ドラム1表面にトナーが供給される。なお、感光ドラム1表面に供給されずに現像ローラ4a表面に残留したトナーは、トナー供給ローラ4bによって剥ぎ取ることができる。また、現像ユニット40には、現像ユニット使用量記憶部として不揮発性メモリ(以下、DTメモリ40m)が設けられている。DTメモリ40mには、不図示の検知手段によって検知された現像ユニット40の使用量を記憶することができる。本実施形態では、現像ローラ4aの回転数をカウントする検知部を設け、この回転数を「現像ユニット40の使用量」としてDTメモリ40mに記憶している。しかし、プリント枚数(画像形成枚数)をカウントする、または収容されている残トナー量を光学的手法によって検知し、これらを「現像ユニット40の使用量」としてDTメモリ40mで記憶する構成であってもよい。なお、DTメモリ40mは、画像形成装置の装置本体側に設けられている制御装置30と非接触、または電気接点を介した接触によって通信(情報の書き込み、読取り)可能に構成されている。
【0015】
一方、感光ドラム1、帯電ローラ2、及びクリーニング装置3は、クリーニングユニット20として一体的に保持されている。クリーニング装置3には、感光ドラム1表面に対してカウンター方向から当接するクリーニングブレード3a、及び廃トナー容器3bが設けられている。本実施形態では、ゴム部材によってクリーニングブレード3aが形成されている。かかる構成によると、回転状態にある感光ドラム1表面にクリーニングブレード3aが当接することで、両者の当接部において感光ドラム1表面に残留している残留トナーを掻き取る(除去する)ことができる。このようにして掻き取られたトナーは、感光ドラム1を臨む開口部から廃トナー容器3bに収容され、収容されたトナーは次以降の画像形成プロセスに再度供することが可能である。
【0016】
また、クリーニングユニット20には、クリーニング装置使用量記憶部として不揮発性メモリ(以下、Cメモリ20m)が設けられている(言い換えると、Cメモリ20mがクリーニング装置3と一体に設けられている)。Cメモリ20mは、クリーニングユニット20の使用量(新品であるか否かなど)を記憶することができる。なお、Cメモリ20mは、画像形成装置の装置本体側に設けられている制御装置30と非接触、または電気接点を介した接触によって通信(情報の書き込み、読取り)可能に構成されている。
【0017】
図1(b)に示すように、上述した現像ユニット40、及びクリーニングユニット20(クリーニング装置3)は、画像形成装置の装置本体に対してそれぞれ着脱可能に構成さ
れている。なお、装置本体とは、現像ユニット40、及びクリーニングユニット20以外の画像形成装置の部分を指す。これらのユニットを着脱する際は、装置本体の枠体に形成されている開閉ドアHを開くことで露出する開口部からそれぞれのユニットを着脱することが可能である(図1(a)に着脱方向を示している)。また、開閉ドアHの開閉状態、及びこれらのユニットの着脱は、不図示の検知手段によって検知可能である。これにより、ジャム処理、トナーの補給等のメンテナンスをユーザが容易に行うことが可能になるので、ユーザビリティの向上につながる。
【0018】
上述の構成によってシート材に画像を形成する画像形成プロセスについて説明する。画像形成装置の主電源がONにされ、準備段階としての前回転プロセスが終了すると、帯電ローラ2に帯電電圧(トナーと同極性)が印加され、感光ドラム1表面が負極性に一様に帯電される。そして、外部PCなどから入力された画像信号に基づいて、回転状態にある感光ドラム1表面に対して露光装置5からレーザ光が照射され、感光ドラム1表面が走査露光される。感光ドラム1表面が走査露光されると、感光ドラム1表面には静電潜像が形成され、さらに静電潜像に上述の現像ローラ4aからトナーが供給されることで、静電潜像がトナー像として現像される。感光ドラム1表面において現像されたトナー像は、感光ドラム1と転写ローラ6とで形成される転写ニップ部において、転写ローラ6にトナーと逆極性の転写電圧が印加されることでシート材上に静電気的に転写される。なお、転写されずに感光ドラム1表面に残留した残留トナーは、上述のクリーニングブレード3aによって掻き取られる。
【0019】
トナー像が転写されたシート材は、定着装置7に搬送され、定着装置7においてトナー像が加熱・加圧定着される。その後、シート材は画像形成装置上部の排出部8に排出される。なお、本実施形態では画像形成装置下部に給送カセット9が設けられており、シート材は給送カセット9から給送ローラ10、搬送ローラ対11等を経て、タイミングが図られて転写ニップ部に搬送される。また、ここで説明した画像形成プロセスは、装置本体に設けられている制御装置30によって制御されている。
【0020】
(1−2:トナー供給プロセス)
上述したように、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力が大きいと、クリーニングブレード3aのびびり(スティックスリップ)が生じたり、クリーニングブレード3aがめくれるといった現象が生じてしまい、画像不良につながる虞がある。そこで本実施形態では、装置本体の主電源がONになった時、又は開閉ドアHの開閉時に「トナー供給プロセス」を実行している。「トナー供給プロセス」は、感光ドラム1表面に潤滑目的のトナー供給をする必要があるか否かを判断し、必要ならばトナーを供給するというプロセスである。「トナー供給プロセス」では、新品のクリーニングユニット20の装着を検知した場合に、感光ドラム1表面に潤滑目的のトナーを供給するトナー供給シーケンスを実行する。即ち、画像形成を行っていない期間に「トナー供給プロセス」を実行している。「トナー供給プロセス」で感光ドラム1表面に供給されたトナーは、感光ドラム1の回転により、クリーニングブレード3aと感光ドラム1との当接部に供給され、当該当接部における潤滑効果を奏する。さらに本実施形態では、外添剤の付着量が少ない劣化したトナーによってトナー供給プロセスを実行する際も、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を確実に低減するために、トナーの劣化度合いに応じて供給するトナー量を制御している。
【0021】
上述したように、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を低減する際は、外添剤の影響を大きく受ける。トナーが劣化している場合(トナーの表面に外添剤の付着が少ない状態である場合)は、潤滑効果(摩擦力を低減する効果)が小さくなる。そこで、トナーの劣化度合いが大きい程、供給するトナー量を多くすれば、トナーが劣化していても十分な潤滑効果を得ることが出来る。トナーの劣化は、現像ユニットの使用量
と相関がある。そこで、現像ユニット40の使用量が多くなる程、現像ユニット40から感光ドラム1表面に供給するトナー量を多くしている。ここでは、現像ユニット40の使用量を、DTメモリ40mに記憶されている現像ローラ4aの回転数によって把握しているが、収容されている残トナー量、プリント枚数(画像形成枚数)に基づいて使用量を判断する構成であってもよい。以下、トナー供給プロセスについてさらに詳細に説明する。
【0022】
トナー供給プロセスにおけるトナー供給を行う際は、感光ドラム1が回転駆動している間に、感光ドラム1の幅方向(軸方向)全域であって、かつ回転方向に所定の幅を有する帯状のベタ黒の供給用トナー像を形成する。この回転方向(副走査方向)の幅は、供給したいトナー量に応じて露光時間を増減することで変えることができる。本実施形態では、DTメモリ40mに記憶されている現像ユニット40の使用量から現像ユニット40内に収容されているトナーの劣化度合いを予測し、トナーの劣化度合いに基づいて、劣化度合いが大きいほど、供給するトナー量を多くしている。つまり露光時間を長くしている。このようにして形成された供給用トナー像が、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部に搬送されることにより、両者の摩擦力を低減することができる。なお、供給用トナー像は、上述した「帯電−露光−現像」の方法以外にも、例えば帯電を行わない、といった方法によっても形成することができる。すなわち、感光ドラム1表面にトナーを供給できるのであれば、供給方法は特に限定されるものではない。
【0023】
(1−3:トナー吐き出しプロセス)
現像ユニット40の使用量が増え、トナーが劣化すると、劣化したトナーが感光ドラム1側へ転写されずに現像ローラ4a表面に滞留するといった現象が生じる。この状態でさらに現像ユニット40を使用し続けると、劣化したトナーが現像ローラ4a表面に固着したり(フィルミング)、規制ブレード4cに融着する虞がある。この現象は、特にトナーの消費量が少ない低印字の条件下で現像ユニット40を使用し続けた場合に起こりやすい。
【0024】
そこで本実施形態では、現像ローラ4a表面への劣化トナーの付着、規制ブレード4cへの劣化トナーの融着を防ぐべく、所定のタイミングで現像ローラ4a表面上の劣化トナーを強制的に感光ドラム1表面に吐き出す「トナー吐き出しプロセス」を実行している。トナー吐き出しプロセスによって感光ドラム1表面に吐き出された帯状のベタ黒トナー像は、転写ローラ6によってシート材上に転写されず、クリーニング装置3によって回収され、廃棄される。なお、感光ドラム1表面に吐き出されたベタ黒トナー像の感光ドラム1の回転方向(副走査方向)の長さは、少なくとも現像ローラ4aの1周分の周長に対応する長さであればよく、劣化トナーの吐出し量を多くしたい場合は、この長さを長くすればよい。本実施形態では、現像ローラ4aの1周分の周長に対応した長さのベタ黒トナー像を感光ドラム1表面に形成することで、劣化トナーの吐き出しを行っている。
【0025】
また、本実施形態では、吐き出しカウントとして現像ローラ4aの回転数をカウントしてDTメモリ40mに記憶し、この吐き出しカウントが所定の値に達した場合に「トナー吐き出しプロセス」を行っている。「トナー吐き出しプロセス」が終了すると、現像ローラ4aの回転数の計測するカウンタをリセットして再び現像ローラ4aの回転数をカウントすることで、定期的に「トナー吐き出しプロセス」を実行可能である。なお、「トナー吐き出しプロセス」を実行するタイミングは、このように現像ローラ4aの回転数に基づくものではなく、現像ユニット40内に収容されている残トナー量、プリント枚数(画像形成枚数)などに基づいて行ってもよい。
【0026】
(1−4:制御構成)
図2(a)を参照して、本実施形態における制御装置30の制御構成について説明する。図2(a)は、制御装置30の制御構成を示すブロック図である。
制御装置30には、DTメモリ40mと通信を行う読取り部30DT、及びCメモリ20mと通信を行う読取り部30cが設けられている。また、制御部、演算部、記憶部が格納されており、かかる構成によって、画像形成装置の高圧制御系、露光装置5、駆動系が駆動制御されている。この構成によると、例えばDTメモリ40mに記憶されている現像ユニット40の使用量に基づいて、制御装置30がトナーの劣化度合いを予測し、それに基づいて供給用トナー像を形成する際の露光時間を変更することが可能になる。なお、DTメモリ40m、Cメモリ20mから読取った情報は、記憶部において記憶することが可能である。
【0027】
(1−5:制御フロー)
図2(b)を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。図2(b)は、本実施形態において「トナー供給プロセス」を行う際のフローチャート図である。
装置本体の主電源がONになったこと、又は開閉ドアHが開閉されたことを検知すると、トナー供給プロセスが開始される(S1)。トナー供給プロセスが開始されると、装置本体側の制御装置30がDTメモリ40mから現像ユニット40の使用量を読取る(ここでは現像ローラ4aの回転数が読取られているが、残トナー量、プリント枚数を読取ってもよい)。また、制御装置30が、Cメモリ20mに記憶されている情報からクリーニングユニット20が新品であるか否かを判断する(S2、S3)。
【0028】
ここでクリーニングユニット20が新品と判断した場合は(S3のYes)、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部にトナーが無いと判断し、潤滑目的で感光ドラム1表面に供給すべきトナー量を算出する。この際に、読取られた現像ユニット40の使用量に応じたトナー量を算出する。すなわち、DTメモリ40mに記憶されている現像ローラ4aの回転数に基づいて、回転数が多くなる程、トナーの劣化度合いが進行したと判断し、より多くのトナーが供給されるように供給量を制御している(S4)。供給するトナー量が算出されると、感光ドラム1表面に供給用トナー像が形成される(S5)。なお、感光ドラム1表面に形成された供給用トナー像がシート材上に転写されることを防ぐため、トナー供給プロセスでは転写ローラ6には電圧が印加されていない(またはトナーと同極性の電圧が印加されている)。供給用トナー像が形成されると、Cメモリ20mに記憶されている情報を書き換え、クリーニングユニット20の新品状態を解除する(S6)。これにより、以後はCメモリ20mを読取った時に、クリーニングユニット20が使用状態であると検知する。その後、DTメモリ40mに記憶されている吐き出しカウントをリセットし(S9)、トナー供給プロセスを終了する(S10)。
【0029】
一方、S3においてクリーニングユニット20が新品ではないと判断した場合は(S3のNo)、現像ユニット40から潤滑目的のトナーを供給しない。既に使用状態にあるクリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部には、転写後の残留トナーなどが介在しているので、現像ユニット40から新たにトナーを供給する必要がないからである。しかし、劣化したトナーが現像ローラ4a表面に固着したり(フィルミング)、規制ブレード4cに融着したりする虞があるので、吐き出しカウントが所定値以上であるか否かを判断して(S7)、トナー吐き出しプロセスは行うようにする。吐き出しカウントが所定値以上であれば、トナー吐き出しプロセスが必要と判断し、現像ローラ4aから感光ドラム1表面にトナーが吐き出され(S8)、それをクリーニング装置3で回収する。その後、DTメモリ40mに記憶されている吐き出しカウントをリセットし(S9)、トナー供給プロセスを終了する(S10)。またS7で吐き出しカウントが所定値未満であった場合は、トナー吐き出しプロセスは必要ないと判断し、トナー供給プロセスを終了する(S10)。
【0030】
以上のフローでトナー供給プロセスが実行されると、画像形成プロセスが開始される。その後、装置本体の主電源がONになったこと、又は開閉ドアHが開閉されたことを検知
した場合に、再びトナー供給プロセスを実行する。
【0031】
このように本実施形態では、現像ユニット40の使用量に基づいて、現像ユニット40の使用量が多くなる程、トナー供給プロセスにおいて現像ユニット40から感光ドラム1表面に供給するトナー量を多くしている。よって、トナーが劣化しても十分な潤滑効果を得ることができるので、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を低減することができる。また、使用初期の現像ユニット40においては、比較的少量のトナーを供給すれば十分な潤滑効果を得ることができるので、トナーの消費を不要に促進する虞がない。
【0032】
以上より、本実施形態によれば、像担持体表面にトナーを供給してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減可能な画像形成装置において、現像ユニットの使用量に関わらず該摩擦力を好適に低減可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0033】
<第2の実施形態>
図3を参照して、本発明を適用可能な第2の実施形態に係る画像形成装置について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、ここでは上記第1の実施形態と異なる点のみ説明を行う。
【0034】
(2−1:現像ユニット新品検知部)
図3(a)を参照して、本実施形態における現像ユニット新品検知部の概略構成について説明する。第1の実施形態では、現像ユニット40が新品であるか否かに関する情報は、現像ユニット40側のDTメモリ40mに記憶されていた。しかし、本実施形態では、現像ユニット40が新品であるか否かに関する情報を、装置本体側の制御装置30の記憶部において記憶することを特徴とする。この場合、現像ユニット40の交換時に、記憶部に記憶されている現像ユニット40の使用状況に関する情報を書き換えないと、新品の現像ユニット40が装着された場合も、前回使用した現像ユニット40の情報に基づいてトナー供給プロセスが行われてしまう。そこで本実施形態では、現像ユニット40が新品であるか否かを判断する現像ユニット新品検知部を設け、現像ユニットの40が新品である場合に、制御装置30の記憶部の情報を書き換えるステップを有していることを特徴とする。
【0035】
現像ユニット新品検知部は、現像ユニット40側のヒューズ回路40hと、装置本体側のセンサ部22(センサ回路)とによって構成されている。センサ部22には、定圧電源と抵抗が設けられている。現像ユニット40が新品の状態では、ヒューズ回路40hは現像ユニット40の電気接点を介してセンサ部22と電気的に接続され、一方は接地され、他方はセンサ部22の定圧電源に接続されている。すなわち、ヒューズ回路40hの電気的な接続をセンサ部22が検知することにより「現像ユニット40が新品である」と判断され、この情報が記憶部に記憶される。一方で、現像ユニット40の新品状態が解除されると、不図示の溶断手段によってヒューズ回路40hが溶断され、ヒューズ回路40hの電気的な接続を切断する。すなわち、ヒューズ回路40hの電気的な接続を検知できないので、「現像ユニット40は新品ではない(使用状態にある)」と判断され、この情報が記憶部に記憶される。以下、具体的な制御フローについて説明する。
【0036】
(2−2:制御フロー)
図3(b)を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。図3(b)は、本実施形態において「トナー供給プロセス」を行う際のフローチャート図である。
装置本体の主電源がONになったこと、又は開閉ドアHが開閉されたことを検知すると、現像ユニット新品検知部によって、現像ユニット40の新品検知が行われる(S11、S12))。ここではセンサ部22によってヒューズ回路40hの電気的な接続が検知さ
れる。電気的な接続が検知された場合、「現像ユニット40は新品である」と判断し(S12のYes)、制御装置30の記憶部に記憶されている現像ユニット40の使用状況に関する情報を、新品情報に書き換える(S13)。そして、ヒューズ回路40hを溶断し(S14)、現像ユニット40の新品検知を終了してトナー供給プロセスを開始する(S1)。
【0037】
一方、ヒューズ回路40hの電気的な接続が検知されず、「現像ユニット40は新品ではない」と判断した場合は(S3のNo)、現像ユニット40の新品検知を終了し、トナー供給プロセスを開始する(S1)。
トナー供給プロセスが開始されると、第1の実施形態と同様に装置本体側の制御装置30が、Cメモリ20mに記憶されている情報からクリーニングユニット20が新品であるか否かを判断する(S2、S3)。
【0038】
ここでクリーニングユニット20が新品と判断された場合は(S3のYes)、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部にトナーが無いと判断し、潤滑目的で感光ドラム1表面に供給すべきトナー量を算出する。この際に、制御装置30の記憶部に記憶された現像ユニット40の使用量に関する情報に基づいてトナー量を算出する(S4)。
【0039】
供給すべきトナー量が算出されると、感光ドラム1表面に供給用トナー像が形成される(S5)。なお、感光ドラム1表面に形成された供給用トナー像がシート材上に転写されることを防ぐため、トナー供給プロセスでは転写ローラ6には電圧が印加されていない(またはトナーと同極性の電圧が印加されている)。供給用トナー像が形成されると、Cメモリ20mに記憶されている情報を書き換え、クリーニングユニット20の新品状態を解除する(S6)。その後、DTメモリ40mに記憶されている吐き出しカウントをリセットし(S9)、トナー供給プロセスを終了する(S10)。
【0040】
一方、S3においてクリーニングユニット20が新品ではないと判断した場合は(S3のNo)、現像ユニット40から潤滑目的のトナーを供給しない。既に使用状態にあるクリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部には、転写後の残留トナーなどが介在しているので、現像ユニット40から新たにトナーを供給する必要がないからである。しかし、劣化したトナーが現像ローラ4a表面に固着したり(フィルミング)、規制ブレード4cに融着したりする虞があるので、吐き出しカウントが所定値以上であるか否かを判断して(S7)、トナー吐き出しプロセスは行うようにする。吐き出しカウントが所定値以上であれば、トナー吐き出しプロセスが必要と判断し、現像ローラ4aから感光ドラム1表面にトナーが吐き出され(S8)、それをクリーニング装置3で回収する。その後、DTメモリ40mに記憶されている吐き出しカウントをリセットし(S9)、トナー供給プロセスを終了する(S10)。またS7で吐き出しカウントが所定値未満であった場合は、トナー吐き出しプロセスは必要ないと判断し、トナー供給プロセスを終了する(S10)。
【0041】
以上のフローでトナー供給プロセスが実行されると、画像形成プロセスが開始される。その後、装置本体の主電源がONになったこと、又は開閉ドアHが開閉されたことを検知した場合に、再びトナー供給プロセスを実行する。
【0042】
このように本実施形態では、装置本体側の制御装置30に現像ユニット40に関する情報を記憶させ、その情報に基づいてトナーの供給量を制御している。また、トナー供給プロセスを行う際に、現像ユニット40の使用状況に関する情報を、その都度書き換えている。この構成によると、トナーが劣化しても十分な潤滑効果を得ることができるので、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を低減することができる。また、
使用初期の現像ユニット40においては、比較的少量のトナーを供給すれば十分な潤滑効果を得ることができるので、トナーの消費を不要に促進する虞がない。
【0043】
以上より、本実施形態によれば、像担持体表面にトナーを供給してクリーニングブレードと像担持体表面との摩擦力を低減可能な画像形成装置において、現像ユニットの使用量に関わらず該摩擦力を好適に低減可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0044】
<第3の実施形態>
(3−1:構成)
図4(a)を参照して、本発明を適用可能な第3の実施形態に係る画像形成装置について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、ここでは上記第1の実施形態と異なる点のみ説明を行う。
第1の実施形態では、クリーニングユニット20と現像ユニット40が別々に構成されていた。本実施例では、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像ユニット40、クリーニング装置3が一体化され、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ100として構成されている。プロセスカートリッジ100には、使用量記憶部として不揮発性メモリ(以後Pメモリ100mと呼ぶ)が設けられており、現像ローラの回転数など、実施例1においてCメモリ20mとDTメモリ40mに分けて記憶していた情報を記憶してある。また、本実施例においてはクリーニングユニット20が新品か否かの情報は必要なく、代わりに感光ドラム1の回転数から算出するトナー供給カウントを持ち、新品時に必ずトナー供給を行うように予めトナー供給カウントを設定してある。
【0045】
(3−2:トナー供給プロセス)
本実施形態では、装置本体の主電源がOFFからONになった、開閉ドアHが開閉されたことを検知した、または画像形成プロセスを終了した場合に、トナー供給プロセスが開始される。「トナー供給プロセス」は、感光ドラム1表面に潤滑目的のトナー供給をする必要があるか否かを判断し、必要ならばトナーを供給するというプロセスである。本実施の形態における、「トナー供給プロセス」では、後述するトナー供給カウントが所定値に達した場合に、感光ドラム1表面に潤滑目的のトナーを供給する。本実施の形態では画像形成を行っていない期間に「トナー供給プロセス」を実行している。「トナー供給プロセス」で感光ドラム1表面に供給されたトナーは、感光ドラム1の回転により、クリーニングブレード3aと感光ドラム1との当接部に供給され、当該当接部における潤滑効果を奏する。
【0046】
感光ドラム1の回転数から算出する計数であるトナー供給カウントをPメモリ100mに記憶してあり、トナー供給カウントが所定値に達した場合に感光ドラム1表面に潤滑目的のトナーを供給する「トナー供給プロセス」を実行している。トナー供給プロセス実行後にトナー供給カウントをリセットし、その後の画像形成プロセスなどによって感光ドラム1が回転駆動され、再びトナー供給カウントが所定値に達した場合に、再度トナー供給シーケンスを実行する。トナー供給を実行する理由について説明する。画像形成プロセスを行い、感光ドラム1が回転すると、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部において潤滑作用をするトナーが、当該当接部からすり抜けて少なくなってしまう現象が起こる。このような潤滑作用をするトナーが当接部において非常に少なくなると、クリーニングブレード3aのびびりを生じさせるおそれがある。そこで、画像形成プロセスを所定期間行った後に、潤滑目的のトナーをクリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部に搬送させることにより、両者の摩擦力を低減することができる。トナー供給が必要なほど画像形成プロセスを行ったか否か、あるいは感光ドラム1が回転しているか否かを、トナー供給カウントで判断している。なお、トナー供給カウントは、感光ドラム1に関する情報に応じて設定されていればよい。例えば、画像形成枚数が増えれば、感光ドラム1の回転数も含むため、画像形成枚数に基づいてトナー供給カウントを設定し
てもよい。
本実施形態では、「トナー供給プロセス」における供給するトナーの量を変更可能にしている。具体的には、Pメモリ100mに記憶されている現像ユニット40の使用量から現像ユニット40内に収容されているトナーの劣化度合いを予測し、トナーの劣化度合いに基づいて、劣化度合いが大きいほど、供給するトナー量を多くしている。本実施例では、トナーの供給量を多くするために、トナー供給のために実行する露光の露光時間を長くしている。
【0047】
(3−3:制御フロー)
図4(b)を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。図4(b)は、本実施形態において「トナー供給プロセス」を行う際のフローチャート図である。
装置本体の主電源がOFFからONになった、開閉ドアHが開閉されたことを検知した、または画像形成プロセスを終了した場合に、トナー供給プロセスが開始される(S21)。トナー供給プロセスが開始されると、装置本体側の制御装置30(読取り部30P)がPメモリ100mからプロセスカートリッジ100の使用量を読取る(S22)。
【0048】
Pメモリ100mに記憶されてあるトナー供給カウントが所定値以上であるか否かを判断する(S23)。そして、トナー供給カウントが所定値以上であれば(S23のYes)、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部にトナーが無いと判断し、トナー供給を行うようにする。この時、プロセスカートリッジ100が新品時にはトナー供給カウントを所定値以上に設定しておき、必ずトナー供給を行うようにしておいてもよい。
トナー供給プロセスを行う必要があると判断した場合、Pメモリ100mから読取られた現像ユニット40の使用量に応じたトナー量を算出する。すなわち、Pメモリ100mに記憶されている現像ローラ4aの回転数に基づいて、回転数が多くなる程、トナーの劣化度合いが進行したと判断し、より多くのトナーが供給されるように供給量を制御している(S24)。
【0049】
供給するトナー量が算出されると、感光ドラム1表面に供給用トナー像が形成される(S25)。なお、感光ドラム1表面に形成された供給用トナー像がシート材上に転写されることを防ぐため、トナー供給プロセスでは転写ローラ6には電圧が印加されていない(またはトナーと同極性の電圧が印加されている)。そして、感光ドラム1に供給されたトナーは、感光ドラム1の回転により感光ドラム1とクリーニングブレード3aとの当接部に供給される。その後、Pメモリ100mに記憶されているトナー供給カウントをリセットし(S26)、トナー供給プロセスを終了する(S27)。
またS23でトナー供給カウントが所定値未満であった場合は(S23のNo)、トナー供給は必要ないと判断し、トナー供給プロセスを終了する(S27)。
【0050】
以上のフローでトナー供給プロセスが実行されると、画像形成プロセスの待機状態へ移行する。その後、装置本体の主電源がOFFからONになった、開閉ドアHが開閉されたことを検知した、または画像形成プロセスを終了した場合に、再びトナー供給プロセスを実行する。
【0051】
このように本実施形態では、現像ユニット40の使用量に基づいて、現像ユニット40の使用量が多くなる程、トナー供給プロセスにおいて現像ユニット40から感光ドラム1表面に供給するトナー量を多くしている。よって、トナーが劣化しても十分な潤滑効果を得ることができるので、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を低減することができる。また、使用初期の現像ユニット40においては、比較的少量のトナーを供給すれば十分な潤滑効果を得ることができるので、トナーの消費を不要に促進する虞がない。
【0052】
<第4の実施形態>
(4−1:構成)
図1を参照して、本発明を適用可能な第4の実施形態に係る画像形成装置について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については説明を省略し、ここでは上記第1の実施形態と異なる点のみ説明を行う。
【0053】
図1(b)に示すように、上述した現像ユニット40、及びクリーニングユニット20(クリーニング装置3)は、画像形成装置の装置本体に対してそれぞれ着脱可能に構成されている。クリーニングユニット20には、クリーニング装置使用量記憶部として不揮発性メモリ(以下、Cメモリ20m)が、現像ユニット40には、現像ユニット使用量記憶部として不揮発性メモリ(以下、DTメモリ40m)が設けられている。Cメモリ20mは、クリーニングユニット20の使用量(トナー供給カウントなど)を、DTメモリ40mは、現像ユニット40の使用量(現像ローラの回転数など)を、記憶することができる。また、本実施例においてはクリーニングユニット20が新品か否かの情報は必要なく、代わりに感光ドラム1の回転数から算出するトナー供給カウントを持ち、新品時に必ずトナー供給を行うように予めトナー供給カウントを設定してある。
【0054】
(4−2:制御フロー)
図4(b)を参照して、本実施形態における制御フローについて説明する。図4(b)は、本実施形態において「トナー供給プロセス」を行う際のフローチャート図を示している。
装置本体の主電源がOFFからONになった、開閉ドアHが開閉されたことを検知した、または画像形成プロセスを終了した場合に、トナー供給プロセスが開始される(S21)。トナー供給プロセスが開始されると、装置本体側の制御装置30がCメモリ20mからトナー供給カウントを、DTメモリ40mから現像ユニット40の使用量を読取る(S22)。
【0055】
トナー供給カウントが所定値以上であるか否かによって、トナー供給プロセスが必要か否か判断する(S23)。この時、クリーニングユニット20が新品時にはトナー供給カウントを所定値以上に設定してあるため、必ずトナー供給を行うことになる。
トナー供給カウントが所定値以上であれば、トナー供給が必要と判断し、(S23のYes)、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との当接部にトナーが無いと判断し、潤滑目的で感光ドラム1表面に供給すべきトナー量を算出する。この際に、読取られた現像ユニット40の使用量に応じたトナー量を算出する。すなわち、DTメモリ40mに記憶されている現像ローラ4aの回転数に基づいて、回転数が多くなる程、トナーの劣化度合いが進行したと判断し、より多くのトナーが供給されるように供給量を制御している(S24)。
【0056】
供給するトナー量が算出されると、感光ドラム1表面に供給用トナー像が形成される(S25)。なお、感光ドラム1表面に形成された供給用トナー像がシート材上に転写されることを防ぐため、トナー供給プロセスでは転写ローラ6には電圧が印加されていない(またはトナーと同極性の電圧が印加されている)。
その後、Cメモリ20mに記憶されているトナー供給カウントをリセットし(S26)、トナー供給プロセスを終了する(S27)。
またS23でトナー供給カウントが所定値未満であった場合は、トナー供給プロセスは必要ないと判断し(S23のNo)、トナー供給プロセスを終了する(S27)。
【0057】
以上のフローでトナー供給プロセスが実行されると、画像形成プロセスの待機状態へ移行する。その後、装置本体の主電源がOFFからONになった、開閉ドアHが開閉された
ことを検知した、または画像形成プロセスを終了した場合に、再びトナー供給プロセスを実行する。
【0058】
このように本実施形態では、現像ユニット40の使用量に基づいて、現像ユニット40の使用量が多くなる程、トナー供給プロセスにおいて現像ユニット40から感光ドラム1表面に供給するトナー量を多くしている。よって、トナーが劣化しても十分な潤滑効果を得ることができるので、クリーニングブレード3aと感光ドラム1表面との摩擦力を低減することができる。また、使用初期の現像ユニット40においては、比較的少量のトナーを供給すれば十分な潤滑効果を得ることができるので、トナーの消費を不要に促進する虞がない。
【0059】
<その他の実施形態>
上記第1乃至4の実施形態では、1つの感光ドラム1を用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置について説明した。しかしながら、本発明は、トナーの色毎に現像ユニットが設けられているフルカラーの画像形成装置に対しても適用することが可能である。
上記第1乃至4の実施形態では、転写ニップ部において感光ドラム1表面からシート材上に直接トナー像を転写する構成について説明した。しかしながら、本発明は、感光ドラム1から中間転写ベルト上にトナー像を1次転写した後に、中間転写ベルト上からシート材上にトナー像を2次転写する画像形成装置に対しても適用することができる。または、シート材を搬送ベルトに担持させて転写ニップ部に搬送し、搬送ベルト上においてトナー像をシート材上に転写する画像形成装置に対しても適用することができる。
【0060】
上記第1乃至4の実施形態では、感光ドラム1を備えるクリーニングユニット20(又はプロセスカートリッジ100)が着脱可能であり、新品のクリーニングユニットが装着された時に感光ドラム1表面に潤滑目的のトナーを供給する場合について説明した。しかしながら、本発明は、感光ドラム1を備えない構成で、クリーニングブレード3aが交換可能な画像形成装置に対しても適用可能である。かかる構成によれば、クリーニングブレード3aが交換された場合に感光ドラム1表面に潤滑目的のトナーを供給することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、現像ユニットの使用量を算出する方法として、実施形態1にあげたような、現像ローラ4aの回転数、現像ユニットに収容されている残トナー量、プリント枚数(画像形成枚数)を実施形態2乃至4に適用可能である。現像ローラの回転数が多いほど、収容されているトナーの量が少ないほど、プリント枚数が多いほど、現像ユニットの使用量が多いと判断できる。また、これらの現像ローラの回転数等を組み合わせて用いてもよい。要はトナーの劣化度合いに関係すると思われる現像ユニットの使用量の算出が可能であればよい。
【符号の説明】
【0061】
1…感光ドラム 3…クリーニング装置 3a…クリーニングブレード 4a…現像ローラ 20…クリーニングユニット 40…現像ユニット 40m…DTメモリ 20m…Cメモリ 30…制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面にトナーを供給して前記静電潜像をトナー像として現像する現像ユニットと、
回転状態にある前記像担持体の表面に当接することで前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニングユニットと、
前記現像ユニットの使用量に関する情報を記憶する記憶部と、
を備え、前記クリーニングユニットが画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な画像形成装置において、
シート材に画像形成を行なわない期間において前記現像ユニットから前記像担持体の表面にトナーを供給し、前記クリーニングブレードと前記像担持体の表面との間にトナーを供給するトナー供給を実行可能な制御装置を備え、
前記制御装置は、前記トナー供給を実行する際に、
前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記現像ユニットの使用量が多くなる程、前記現像ユニットから前記像担持体の表面に供給するトナー量を多くすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御装置は、新品の前記クリーニングユニットが前記画像形成装置の装置本体に装着された時に、トナー供給を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記像担持体の回転数に関する情報に応じて、トナー供給を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、現像ユニットが備える現像ローラの回転数であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、現像ユニットに収容されているトナーの量であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、画像形成枚数であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像ユニットが画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、
前記像担持体の表面にトナーを供給して前記静電潜像をトナー像として現像する現像ユニットと、
回転状態にある前記像担持体の表面に当接することで前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニングユニットと、
前記現像ユニットの使用量に関する情報を記憶する記憶部と、
を備える画像形成装置において、
シート材に画像形成を行なわない期間において前記現像ユニットから前記像担持体の表面にトナーを供給し、前記クリーニングブレードと前記像担持体の表面との間にトナーを供給するトナー供給を実行する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記トナー供給を実行する際に、
前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記現像ユニットの使用量が多くなる程、前記現像ユニットから前記像担持体の表面に供給するトナー量を多くするようにトナー供給を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記像担持体の回転数に関する情報に応じて、トナー供給を実行することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、現像ユニットが備える現像ローラの回転数であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、現像ユニットに収容されているトナーの量であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記現像ユニットの使用量に関する情報は、画像形成枚数であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記クリーニングユニットと前記現像ユニットとのそれぞれが画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記クリーニングユニットと前記現像ユニットと、前記像担持体とがプロセスカートリッジとして一体に構成されており、前記プロセスカートリッジが画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−150311(P2011−150311A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278410(P2010−278410)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】