説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置本体から露出した通信デバイスを、外れを防ぎつつ交換容易な構成とすること。
【解決手段】装置本体の表面に少なくとも一部を露出した表面露出ユニットと、前記装置本体に設けられ開閉動作が可能な開閉部と、前記装置本体と前記表面露出ユニットとを固定するための固定部と、を有し、前記表面露出ユニットは、前記固定部と前記装置本体との係合を解除することによって装置本体に対して着脱可能であり、前記固定部は、前記開閉部を開いたときに露出し、前記装置本体との係合を解除可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、ユーザの見やすい装置本体の前面や上部など、装置本体の外観面に操作パネルが露出して配置されている。
【0003】
操作パネルは、装置の情報をユーザに知らせるための表示パネルとボタンなどの入力部を有する部分を一つのユニットとしたものである。操作パネルは、ユーザが直接操作するものである。このため、本体外観面に露出し、ユーザの操作力やその他外力などに対し、装置本体から容易に外れてしまうことがないように固定される。
【0004】
操作パネルは通常、製品寿命期間内で交換する必要がない。このため、生産の場での組み付け作業者やサービスマンなど、作業を熟知した作業者による組み付け作業性のみを考慮した固定方法が採用される。
【0005】
具体的には、まず外装カバーに操作パネルをネジで固定し、その外装カバーを装置本体に固定する構成(例えば、特許文献1参照)や、他の外装部品を互い違いに組み付け固定する(例えば、特許文献2参照)といった構成が採用される。
【0006】
操作パネルと装置本体との電気的な接続構成としては、コネクタを有するケーブルを装置本体から引き出し、操作パネル裏面に接続するものがある。または、交換可能な定着装置などに見られるようなコネクタ同士を直接接続する構成がある。これらは他のユニットでも従来から多く採用されてきた構成である。このような構成は、作業に熟知したサービスマンが注意して作業を行うことで、交換作業に伴う各装置の破損等を防止することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−080798
【特許文献2】特開2003−208072
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、ICカード認証装置や指紋認証装置等のセキュリティ装置など、様々な機能を備えた操作パネルをオプションとして設定し、ユーザ自身が操作パネルを交換できる構成への要望が増している。
【0009】
しかし従来の画像形成装置では、操作パネルをユーザが直接交換することを想定した構成とはなっていない。すなわち、操作パネルが装置本体の外観に露出した装置であることから、従来の構成のまま操作パネルをユーザ交換設定にすると、ユーザが無理に引っ張って外そうとする力を加えてしまい、操作パネルや装置本体を壊してしまう可能性がある。
【0010】
一方で、交換作業性向上のために操作パネルが装置本体から容易に外れるような構成とした場合には、データ通信中の操作パネルと装置本体との接続が不意に断たれるおそれがある。また、その際に生じる機械的ショックや電気的ショックにより、デバイスや装置本体、データの問題が生じ得るという課題がある。
【0011】
上記のような従来構成の問題点に着目し、本出願に係る発明の目的は、画像形成装置本体から露出した通信デバイスを、外れを防ぎつつ交換容易な構成とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の代表的な構成は、
装置本体の表面に少なくとも一部を露出した表面露出ユニットと、
前記装置本体に設けられ開閉動作が可能な開閉部と、
前記装置本体と前記表面露出ユニットとを固定するための固定部と、
を有し、
前記表面露出ユニットは、前記固定部と前記装置本体との係合を解除することによって装置本体に対して着脱可能であり、
前記固定部は、前記開閉部を開いたときに露出し、前記装置本体との係合を解除可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成としたことで、画像形成装置本体から露出した通信デバイスを、外れを防ぎつつ交換容易な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の全体構成を示す断面図。
【図2】第1実施形態の通信デバイス装着部の構成を示す概略図。
【図3】第1実施形態の通信デバイスが画像形成装置に取りついた状態図。
【図4】第1実施形態の通信デバイス装着部の構成の変形例を示す概略図。
【図5】第1実施形態のドア部材を開けた状態の画像形成装置を示す概略図。
【図6】第1実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
【図7】第2実施形態の通信デバイス装着部の構成を示す概略図。
【図8】第2実施形態の通信デバイス周辺部の構成を示す図。
【図9】第2実施形態の通信デバイスが外装に収まった状態を示す図。
【図10】第2実施形態のフタ部材とドア部材との組付け状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
〔第1実施形態〕
(カラー画像形成装置の全体構成)
まずカラー画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概要説明する。図1は第1実施形態の画像形成装置の全体構成を示す断面図である。本実施形態では、カラー画像形成装置として、フルカラーレーザービームプリンタを例示する。
【0017】
図1に示す画像形成装置100は、水平方向に並設された4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備える。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、時計回りに回転駆動される。尚、以下の説明において、部材に付帯する4つの添え字(a、b、c、d)を、必要に応じて省略する。
【0018】
感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電装置2、スキャナユニット3、現像装置4、中間転写装置5、クリーニング装置6等が配設される。帯電装置2(2a、2b、2c、2d)は、感光体ドラム1表面を均一に帯電する。スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、感光体ドラム1の下方向に配置され、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム1上の静電潜像を形成する。
【0019】
現像装置4(4a、4b、4c、4d)は、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する。中間転写装置5は、感光体ドラム1上のトナー像を転写させる。クリーニング装置6(6a、6b、6c、6d)は、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写残トナーを除去する。
【0020】
スキャナユニット3から、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。
【0021】
現像装置4はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した現像器から構成される。
【0022】
中間転写装置5は、感光体ドラム1に対向した一次転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)と、2軸のローラにて水平方向に支持される中間転写ベルト11で構成される。中間転写ベルト11の端部には、搬送路を介して二次転写ローラ21が所定の圧にて当接配置される。
【0023】
給送部16は、画像形成部に記録材Sを給送搬送するものである。給送部16は、複数枚の記録材Sが収納される給送カセット17を有する。また、給送カセット17内の記録材Sを1枚毎分離給送する給送ローラ18を有する。更に、その搬送方向下流には、記録材Sを搬送する搬送ローラ対19とレジストローラ対20が配置される。
【0024】
また、画像形成装置100には、記録材搬送路の外側に開閉動作が可能なドア部材50が設けられる。記録材Sの搬送中に異常が生じた記録材Sが滞留した場合、ドア部材50を開けて搬送部に滞留した記録材Sを除去することができる。
【0025】
画像形成の動作としては、プロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、印字タイミングに合わせて順次駆動される。プロセスカートリッジ7の駆動に応じて感光体ドラム1が時計回りに回転駆動される。そして、各々のプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。
【0026】
この駆動により、帯電装置2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与し、スキャナユニット3は感光体ドラム1の周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面上に静電潜像を形成する。現像装置4内の現像ローラは、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1の周面上にトナー像を形成(現像)する。
【0027】
給送部16より給送された記録材Sは、搬送ローラ対19にて搬送され、レジストローラ対20にて搬送方向に対する傾きが補正されて搬送される。
【0028】
感光体ドラム1のトナー像は、感光体ドラム1と一次転写ローラ12との間に形成される電界によって、中間転写ベルト11上に順次転写される。
【0029】
その後、中間転写ベルト11上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト11と二次転写ローラ21との間に形成された電界により、搬送されてきた記録材S上に転写される。
【0030】
4色のトナー像を転写された記録材Sは定着部30に搬入される。定着部30で上記トナー像が熱定着された後、排出ローラ対31、32によって搬送される。そして排出ローラ対32から排出直後に、除電部材(不図示)にて一部除電をされた後、排出部40に排出される。
【0031】
(通信デバイス)
通信デバイス200(表面露出ユニット)の特徴を説明する。図2は第1実施形態の通信デバイス装着部の構成を示す概略図である。図2(a)は通信デバイス200を表面から見た図、図2(b)は通信デバイス200を裏面から見た図である。
【0032】
図2に示すように、通信デバイス200は、ICカードと情報を送受信する送受信部202、そして内部に送受信する情報を処理する情報処理部203と、個人認証情報等を格納した情報記憶部204を有する。
【0033】
次に通信デバイス200の画像形成装置100への組付けについて説明する。図3は第1実施形態の通信デバイスが画像形成装置に取りついた状態図である。図3(a)は斜視図であり、図3(b)は通信デバイス装着部の構成断面図である。
【0034】
図3に示すように、画像形成装置100の上部には、制御部90が配置される。制御部90は、画像形成動作や画像形成を禁止する動作、通信開始動作や通信を遮断する動作など、画像形成装置全体の制御を行う。制御部90からは先端にコネクタ25を有するケーブル24が配線されている。通信デバイス200の裏面には、ケーブル先端のコネクタ25と結合するコネクタ26(図3(b)参照)が設けられている。コネクタ25とコネクタ26とを結合することで、画像形成装置100と通信デバイス200は電気的に接続される。
【0035】
図2及び図3に示すように、通信デバイス200の側面にはL字状の突起形状部205があり、他方には中央に穴のあるリブ形状部206(固定部)が形成される。この構成により、装置本体に対して着脱可能な構成となる。画像形成装置100に通信デバイス200を装着する時には、まず突起形状部205を外装穴61に差込んだ後、リブ形状部206を外装穴62に差し込む。
【0036】
外装穴62に差し込まれた通信デバイス200のリブ形状部206の穴206aには、外装60に設けられた差込形状63が入り込み、通信デバイス200が外装60から外れることを防止する。
【0037】
尚、通信デバイス200の形態は上述のものに限るものではない。例えば、図4のようなものであってもよい。図4は第1実施形態の通信デバイス装着部の構成の変形例を示す概略図である。図4(a)には、暗証番号をボタンで入力する送受信部202を有するタイプのデバイスを示す。また、図4(b)には指紋認証による送受信部202を有するタイプのデバイスを示す。これら通信デバイス200により、画像形成物の置忘れ防止による情報セキュリティ強化、役職ごとの画像形成制限による経費削減など様々な機能が実現できる。ユーザーは、機能・コスト・ユーザビリティの面で、それぞれのデバイスの特性に応じて様々な種類のデバイスを選択することができる。
【0038】
次に通信デバイス200を介した画像形成動作について説明する。
【0039】
ユーザーが画像形成実行のために画像形成装置100に近づき、ICカードを通信デバイス200にかざす。すると、通信デバイス200では無線によりICカードから個人認証情報を受信する。通信デバイス200は受信情報に対し、情報記憶部204にあらかじめ格納されている個人認証情報と画像形成装置100から、送信された画像形成情報に付随する個人認証情報について照合作業を行う。
【0040】
個人認証情報の照合により、画像形成装置100から送信された個人認証情報と、通信デバイス200がICカードから受信した個人認証情報が一致すると、通信デバイス200は画像形成装置100の制御部90に画像形成実行の命令を送信する。
【0041】
画像形成装置100の制御部90は、画像形成実行命令を受け取った後、画像形成処理を開始する。
【0042】
次に、画像形成装置100から通信デバイス200を取り外し、別の通信デバイスに交換する方法について説明する。図5は第1実施形態のドア部材を開けた状態の画像形成装置を示す概略図である。
【0043】
本実施形態では、ドア部材50を開けた状態場合のみにおいて、通信デバイス200の画像形成装置100に対する取付けや取外しが可能な構成である。また、ユーザーが通信デバイス200を別のタイプに交換するときも、ドア部材50を開ける必要がある。
【0044】
図5に示すように、ドア部材50の端部には突起形状51が設けられる。突起形状51に対する装置本体側にはスイッチ部材22(検知部)が設置される。スイッチ部材22はインターロックスイッチであり、画像形成途中でドア部材50を開けた時に駆動部への電源供給を断つ。これにより、ユーザーが駆動部に巻き込まれる等のおそれを防止する。
【0045】
装置本体に設けられたスイッチ部材22から制御部90に検知信号が伝達され、制御部90は、ドア部材50が開いたことを検知する。すると、制御部90は通信デバイス200と画像形成装置100の通信を遮断する。通信遮断処理中は表示画面80にメッセージを表示し、ユーザーに通信デバイス200の交換処理を行わないように伝える。この通信遮断シーケンス起動によって、ケーブル24を通信デバイス200から外しても、制御部90及び通信デバイス200の双方において電気的問題が生じない。
【0046】
通信デバイス200を外装60から外す手順を説明する。
【0047】
通信デバイス200のリブ形状部206は外装裏側に位置し、図5に示すようにドア開放面から水平にユーザーが見ただけでは容易に確認することはできない。このため、ユーザーは外装裏側へ指を回し、図5中右方向に通信デバイス200のリブ形状部206をたわませ、外装60に形成された差込形状63からリブ形状部206の穴を外しながら係合が解除可能な状態となる。そして、外装穴61を中心に回動させつつ通信デバイス200を上方へ持ち上げ、通信デバイス200を外装60から取り外す。尚、画像形成装置100の外装60には表示画面80がある。
【0048】
通信デバイス200の突起形状部205を外装60のから外すと、通信デバイス200を裏返し、通信デバイス200に接続されたケーブル24の先端のコネクタ25を抜き取る。尚、交換する通信デバイスの取り付けに関しては、先述した通りであるので省略する。
【0049】
通信デバイス200に対する操作方向および通信デバイス200の装着方向は画像形成装置100の上下方向である。前述のように、上下方向は固定手段であるリブ形状部206と差込形状63とが係合してしっかり固定されている。このため、ユーザーによって通信デバイス200を引き抜くような負荷をかけられた場合にも、画像形成装置100から通信デバイス200が不用意に外れてしまうことがない。
【0050】
また、前述のように、通信デバイス200を取り外す作業は、ドア部材50を開いた場合でなければ、できない構成になっている。ここで、取り外す作業というのは、リブ形状部206を外装60の差込形状63から外す作業である。
【0051】
ドア部材50は、本来異常時に機内滞留紙を排除するための開閉部であり、通常使用時に開くことはない。このため、通信デバイス200の取り付け構成をユーザが知らないと、通信デバイス200のリブ形状部206が開閉部にあるとは推測しがたい。このため、通信デバイス200の盗難や不用意な取り外しを防止することができる。
【0052】
一方、通信デバイス200を管理し交換作業をおこなうユーザーにとっては、通信デバイス200のリブ形状部206が開閉部内側にあることを知っている。このため、容易に交換作業を行うことができる。
【0053】
図6を用いて交換時の手順を説明する。図6は第1実施形態の制御の流れを示すフローチャートである。
【0054】
まず、画像形成装置100の開閉部であるドア部材50が開いているかを確認する(S1)。ここで、通信デバイス200を交換するためにドア部材50を開けた際には開放を検知し、通信デバイス200がデータ通信中であっても(S2)、表示画面80に遮断処理中の警告表示をし(S3)、ただちに通信遮断処理を行う(S4)。この状態でドア部材50が閉じられるまで待機処理をする(S5)。一方、データ通信していないときは(S2)、データ通信処理を禁止して、待機処理をする(S5)。
【0055】
また、ドア部材50が閉じていると検知されているとき(S1)、元の通信デバイス200が装着されているかを検知する(S6)。通信デバイス200が装着されているのであれば、画像形成途中の処理が残っているかを確認する(S7)。ここで、画像形成途中の処理が残っていれば画像形成処理を再開し(S8)、画像形成途中の処理が残っていなければ本体初期化処理を行う(S9)。また、元の通信デバイス200が装着されていない場合においては、すぐに本体初期化処理を行う(S9)。
【0056】
以上のように、データ通信中に通信デバイス200が画像形成装置100から取り外されることがない。このため、他の機構を追加することなく低コストで、画像形成装置、通信デバイスへ負荷をかけることや、通信データが伝達されないような問題が生じることを防止することができる。また、同時に、通信デバイス交換中における画像形成装置へのプリント信号も禁止する。このため、ユーザーが通信デバイスの交換中に画像形成装置が突然動作することもない。
【0057】
よって、通信デバイス200の交換中に画像形成装置が動作してしまったり、突然動作することによって交換中のユーザーが驚いたり、交換作業中のユーザーが画像形成装置から排出されたシートを傷つけたりすることがない。
【0058】
本実施形態では、ドア部材50が記録材Sの滞留を処理するためのドアである場合について述べたが、これに限るものではない。例えば、プロセスカートリッジなど、消耗品を交換するためのドアであっても同様な効果を得ることができる。
【0059】
また、本実施形態では、様々な通信デバイスを交換する場合を例にとって表面露出ユニットを説明したが、これに限るものではない。通信デバイスに関わらず、ユニットが画像形成装置表面に露出しているような場合であれば適用可能である。通信デバイス以外の例として、表示ユニットを交換可能にオプション設定した場合が考えられる。具体的には、モノクロパネルの表示ユニットをカラーパネルの表示ユニットにユーザーが交換するような場合、本実施形態を適用することが可能である。
【0060】
〔第2実施形態〕
図を用いて本実施形態を説明する。本実施形態において、第1実施形態と同一・類似の構成を有する部分は同符号を付し、説明を省略する。図7は第2実施形態の通信デバイス装着部の構成を示す概略図である。図7(a)は上面斜視図、図7(b)は下面斜視図である。
【0061】
図7に示すように、通信デバイス200上面には他の機器と無線により通信するための送受信部202が突出し、その周辺部は一段下がった形状となっている。通信デバイス下面には、コネクタ216が設けられる。画像形成装置100側に設けられたコネクタ25に接続される。
【0062】
図8は第2実施形態の通信デバイス周辺部の構成を示す図である。図8(a)はフタ部材を閉じた図、図8(b)はフタ部材を開放した図、図8(c)はフタ部材と外装との関係を示す図である。図9は第2実施形態の通信デバイスが外装に収まった状態を示す図である。
【0063】
図8に示すように、本実施形態の外装60には、軸71を回動中心として開閉可能なフタ部材70が設けられる。図8(a)のようにフタ部材70が閉じているとき、通信デバイス200が押さえられる。
【0064】
図8(b)及び図8(c)に示すようにフタ部材70には中央に開口70aが設けられ、この開口70aに通信デバイスの送受信部202が係合する。通信デバイス200自体はフタ部材70の開口70aより小さい。このため、図9に示すように、フタ部材70を開けなければ、通信デバイス200を画像形成装置から取り外すことはできない。
【0065】
また、フタ部材70の回動中心と反対側には、突起部72(固定部)がある。突起部72には、穴72aが設けられる。
【0066】
図10は第2実施形態のフタ部材とドア部材との組付け状態を示す断面図である。図10に示すように、記録材Sの滞留の処理に用いるドア部材50は、突起部72の穴72aに対して挿通される突起形状51を有する。この構成により、フタ部材70の突起部72の穴72aとドア部材50の突起部52とが係合されて、フタ部材70は、ドア部材50に固定される。このようにドア部材50の突起部52の存在にフタ部材70の動きが規制されるため、ドア部材50が開かない限りフタ部材70が空くことはなく、通信デバイス200を取り外すことはできない。
【0067】
第1実施形態と同様に、ドア部材50が開いたことをスイッチ部材22(図5参照)が検知した場合、画像形成装置の制御部90に検知結果が送られる。すると、画像形成装置100と通信デバイス200との間の通信が遮断される。
【0068】
本実施形態では、第1実施形態と同様、データ通信中にユーザーが通信デバイス200を交換することを防ぐことが可能である。この結果、他の機構を追加することなく低コストで、画像形成装置、通信デバイスに負荷がかかったり、通信データが伝達されないような問題が生じることを防止することができる。また、ユーザーが通信デバイス200を交換中に、画像形成装置100が動作することもない。
【0069】
本実施形態特有の効果として、ドア部材50を開くだけで、通信デバイス200を取り外す状態になるため、交換することが可能である。このため、ユーザビリティに優れている。
【0070】
本実施形態においても、第1実施形態同様、記録材S滞留処理用以外のドア部材50を適用することや、通信デバイス200以外の表面露出ユニット(例えば表示ユニットなど)を適用することが可能である。
【0071】
本実施形態では、フタ部材70を設け、固定手段としてフタ部材70に設けた突起部72とドア部材50に設けた突起部52を係合させる構成であるが、これに限るものではない。例えば、突起部72を通信デバイス200に直接設ける構成としても、本実施形態で示した効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
50…ドア部材
51…突起形状
70…フタ部材
72…突起部
72a…穴
90…制御部
200…通信デバイス
206…リブ形状部
206a…穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の表面に少なくとも一部を露出した表面露出ユニットと、
前記装置本体に設けられ開閉動作が可能な開閉部と、
前記装置本体と前記表面露出ユニットとを固定するための固定部と、
を有し、
前記表面露出ユニットは、前記固定部と前記装置本体との係合を解除することによって装置本体に対して着脱可能であり、
前記固定部は、前記開閉部を開いたときに露出し、前記装置本体との係合を解除可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記固定部には穴が形成され、前記開閉部には前記穴に挿通する突起形状があり、
前記突起形状が前記穴に挿通されることで、前記固定部の動きを規制することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表面露出ユニットは、前記装置本体と通信を行う通信デバイスであり、
前記表面露出ユニットと前記装置本体との通信を制御する制御部と、
前記開閉部の開閉を検知する検知部と、を有し、
前記制御部は、前記検知部により開閉部が開かれたことを検知したとき、前記装置本体と通信デバイスとの間の通信を遮断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記検知部により前記開閉部が開かれたことを検知したとき、画像形成を禁止することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−118203(P2012−118203A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266474(P2010−266474)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】