説明

画像形成装置

【課題】ユーザが用紙の出力先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合、その状況をユーザが認識できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、排紙トレイ91,93、用紙検知センサ232,234、画像記憶部240、発光部250およびCPU200を備える。発光部250は、画像形成装置100の状態を示すために発光可能であって、画像形成装置100の上部前方であって発光した際に画像形成装置100の周囲から視認可能な位置に設けられる。CPU200は、画像形成装置100が情報処理装置310,320,330から画像データを受信した場合に、情報処理装置310,320,330によって排紙先として指定された排紙トレイ91または93に用紙が積載されていることを用紙検知センサ232または234が検知していると判断すると、発光部250を発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の排紙トレイを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン等の情報処理装置に接続された画像形成装置であって情報処理装置からの出力指示に基づいて印刷を行う画像形成装置には、印刷後の用紙を積載するための複数の排紙トレイを備えるものがある。当該画像形成装置は、情報処理装置のドライバにおいて指定された排紙トレイに用紙を出力する。
【0003】
しかし、当該画像形成装置に接続された複数の情報処理装置において、同じ排紙トレイに用紙を出力するように指示された場合は、複数の情報処理装置から出力指示された用紙が混載する。この場合、当該情報処理装置のユーザは、自身が出力した用紙を混載された用紙の中から探さなければならない問題があった。
【0004】
そこで、用紙を出力しようとする排紙トレイ上に用紙が積載されている場合は、他の排紙トレイに用紙を出力するように制御する機構を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−326602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置は、ユーザが出力指示した先の排紙トレイに用紙が出力されたのか、または、当該排紙トレイに既に用紙が積載されていたため、別の排紙トレイに用紙が出力されたのか、を知ることができない。したがって、ユーザは、自身が出力した用紙を探さなければならない問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、ユーザが用紙の出力先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合、その状況をユーザが認識できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、情報処理装置と接続され、その情報処理装置から画像データを受信した場合に、その画像データに基づく画像を用紙に形成する。また、本発明の画像形成装置は、複数の排紙トレイ、用紙検知センサ、画像記憶部、発光部および制御部を備える。複数の排紙トレイは、画像形成後の用紙を積載するためのものである。用紙検知センサは、複数の排紙トレイにそれぞれ設けられ、排紙トレイ上に用紙が積載されていることを検知可能である。画像記憶部は、情報処理装置から受信した画像データを記憶可能である。発光部は、画像形成装置本体の状態を示すために発光可能であって、画像形成装置本体の上部前方であって発光した際に画像形成装置本体の周囲から視認可能な位置に設けられる。制御部は、画像形成装置本体が情報処理装置から画像データを受信した場合に、情報処理装置によって排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを用紙検知センサが検知していると判断すると、発光部を発光させる。
【0009】
この構成では、ユーザが用紙の出力先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合、その状況をユーザが認識できる。したがって、ユーザは、自身が出力した用紙を容易に探し出すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明における画像形成装置は、ユーザが用紙の出力先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合、その状況をユーザが認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置と情報処理装置とが接続している構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置と情報処理装置とが接続している構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100と情報処理装置310,320,330とが接続している構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の外観を示す図である。
【0015】
画像形成装置100は、LAN400を介して、情報処理装置310,320,330と接続している。画像形成装置100は、情報処理装置310,320,330から画像データを受信した場合に、その画像データに基づく画像を用紙に形成する。
【0016】
画像形成装置100は、CPU200、ROM210、RAM220、用紙検知センサ232,234、画像記憶部240、発光部250およびインタフェース280を備える。CPU200は、本発明の制御部に相当する。
【0017】
CPU200は、ROM210に記録されたプログラムを読み出して実行し、各部を総括的に制御する。RAM220は、CPU200のワーキングエリアとして活用される。インタフェース280は、画像形成装置100をLAN400に接続させるための部位である。
【0018】
用紙検知センサ232は排紙トレイ91に、用紙検知センサ234は排紙トレイ93に設けられた接触式のセンサである。用紙検知センサ232,234は、それぞれ、排紙トレイ91,93上に用紙が積載されていることを検知するためのセンサである。なお、用紙検知センサ232,234は、本実施形態では一例として接触式のセンサとしたが、これに限られるものではなく、光学式のセンサであってもよい。
【0019】
画像記憶部240は、情報処理装置310,320,330から受信した画像データを記憶可能である。発光部250は、画像形成装置100の状態を示すために発光可能である。発光部250は、例えば、LEDランプのことを示す。発光部250は、本実施形態においては、後述するように、排紙トレイ91,93上に用紙が積載されている場合に発光し得る。また、発光部250は、画像形成装置100の上部前方であって発光した際に画像形成装置100の周囲から視認可能な位置に配置されている。
【0020】
したがって、画像形成装置100の周囲に存在するユーザは、画像形成装置100の状態を的確に把握することができる。すなわち、本実施形態においては、ユーザは、排紙トレイ91,93上に用紙が積載されていることを認識し得る。
【0021】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の制御内容を示すフローチャートである。
【0022】
CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像形成指示、すなわち、情報処理装置310,320,330から画像データを受信するまで待機する(S110のN)。CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像データを受信したと判断すると(S110のY)、排紙先として指定された排紙トレイ(排紙トレイ91または排紙トレイ93)に用紙が積載されているか否かを判断する(S120)。
【0023】
CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを用紙検知センサ232,234が検知していると判断すると(S120のY)、発光部250を発光させて(S130)、本実施形態の制御処理を終了する。また、CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていないと判断すると(S120のN)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0024】
本実施形態では、ユーザが用紙の出力先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合、発光部250が発光することによってユーザがその状況を認識できる。したがって、ユーザは、自身が出力した用紙を容易に探し出すことができる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と重複する内容についての説明は適宜省略する。
【0026】
図4は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100と情報処理装置310,320,330とが接続している構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施形態においては、第1実施形態の構成に加えて、表示部260および操作部270をさらに備える。表示部260は、例えば、タッチパネルのことを示す。操作部270は、例えば、タッチパネルに表示された操作用ボタンのことを示す。
【0028】
表示部260は、本実施形態におけるCPU200の制御結果を表示する。操作部270は、CPU200が所定の制御を行った場合に、情報処理装置310,320,330から受信した画像データに基づく画像が形成される用紙の排出指示を受け付ける。
【0029】
図5は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100の制御内容を示すフローチャートである。
【0030】
CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像形成指示、すなわち、情報処理装置310,320,330から画像データを受信するまで待機する(S210のN)。CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像データを受信したと判断すると(S210のY)、排紙先として指定された排紙トレイ(排紙トレイ91または排紙トレイ93)に用紙が積載されているか否かを判断する(S220)。
【0031】
CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていないと判断すると(S220のN)、その排紙トレイに排紙処理して(S230)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0032】
CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを用紙検知センサ232または234が検知していると判断すると(S220のY)、他の排紙トレイに用紙が積載されているか否かを判断する(S240)。CPU200は、用紙が積載されていない排紙トレイが存在すると判断すると(S240のN)、その排紙トレイに排紙し(S250)、発光部250を発光させる(S260)。そして、CPU200は、図6(A)に示すように、どの排紙トレイに排紙したかを表示し(S270)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0033】
CPU200は、全ての排紙トレイに用紙が積載されていることを用紙検知センサ232および234が検知していると判断すると(S240のY)、用紙の排出を禁止して(S280)、画像記憶部240に画像データを記憶させて(S290)、発光部250を発光させる(S300)。そして、CPU200は、図6(B)に示すように、排紙を禁止した旨を表示して(S310)、操作部270が排紙指示を受け付けるまで待機する(S320のN)。
【0034】
CPU200は、図6(B)に示すように、例えばチェックボックス271にチェックが受け付けられ、その後OKボタン275が操作されたと判断すると(S320のY)、排紙トレイ91に用紙を排出して(S230)、本実施形態の制御処理を終了する。これに対して、CPU200は、S320において、チェックボックス273にチェックが受け付けられ、その後OKボタン275が操作されたと判断すると(S320のY)、排紙トレイ93に用紙を排出して(S230)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0035】
本実施形態では、ユーザが排出先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合には、発光部250が発光することによってユーザがその状況を知ることができる。また、指定した排紙トレイ以外の排紙トレイに用紙が積載されていない場合にはその排紙トレイに用紙が排出され、全ての排紙トレイに用紙が積載されている場合にはユーザの排紙指示を待機するため、ユーザは、自身が出力指示した用紙を容易に探しだすことができる。
【0036】
上述のように、本実施形態では、ユーザが排出先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合には、2種類の制御を行うため、制御の種類によって発光部250が発光する色を変更するようにしてもよい。すなわち、発光部250を複数個設けてもよい。そうすると、ユーザは、CPU200がどのような制御を行った結果、自身が出色指示した用紙がいかなる状態にあるかを容易に認識することができる。
【0037】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態と重複する内容についての説明は適宜省略する。
【0038】
図7は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100の制御内容を示すフローチャートである。
【0039】
CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像形成指示、すなわち、情報処理装置310,320,330から画像データを受信するまで待機する(S410のN)。CPU200は、情報処理装置310,320,330から画像データを受信したと判断すると(S410のY)、排紙先として指定された排紙トレイ(排紙トレイ91または排紙トレイ93)に用紙が積載されているか否かを判断する(S420)。
【0040】
CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていないと判断すると(S420のN)、その排紙トレイに用紙を排出して(S430)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0041】
CPU200は、排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを用紙検知センサ232または234が検知していると判断すると(S420のY)、用紙の排出を禁止して(S440)、画像記憶部240に画像データを記憶させて(S450)、発光部250を発光させる(S460)。そして、CPU200は、図6(B)に示すように、排紙を禁止した旨を表示して(S470)、操作部270が排紙指示を受け付けるまで待機する(S480のN)。
【0042】
CPU200は、図6(B)に示すように、例えばチェックボックス271にチェックが受け付けられ、その後OKボタン275が操作されたと判断すると(S480のY)、排紙トレイ91に用紙を排出して(S430)、本実施形態の制御処理を終了する。これに対して、CPU200は、S480において、チェックボックス273にチェックが受け付けられ、その後OKボタン275が操作されたと判断すると(S480のY)、排紙トレイ93に用紙を排出して(S430)、本実施形態の制御処理を終了する。
【0043】
本実施形態では、ユーザが排出先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合には、発光部250が発光することによってユーザがその状況を知ることができる。また、ユーザが排出先として指定した排紙トレイに用紙が既に積載されている場合には、ユーザからの排紙指示を受け付けた後で排紙処理をするため、ユーザは、自身が出力指示した用紙を容易に探し出すことができる。
【0044】
第1実施形態から第3実施形態では、説明の便宜上、画像形成装置100において排紙トレイが2つ備えられる場合について例示したが、排紙トレイが3つ以上備えられた画像形成装置に本発明が適用できることは言うまでもない。
【0045】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
91−排紙トレイ
93−排紙トレイ
100−画像形成装置
200−CPU
232−用紙検知センサ
234−用紙検知センサ
240−画像記憶部
250−発光部
260−表示部
270−操作部
310−情報処理装置
320−情報処理装置
330−情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と接続され、前記情報処理装置から画像データを受信した場合に、該画像データに基づく画像を用紙に形成する画像形成装置であって、
画像形成後の用紙を積載するための複数の排紙トレイと、
前記複数の排紙トレイにそれぞれ設けられる用紙検知センサであって前記排紙トレイ上に用紙が積載されていることを検知可能な用紙検知センサと、
前記情報処理装置から受信した画像データを記憶可能な画像記憶部と、
画像形成装置本体の状態を示すために発光可能な発光部であって、前記画像形成装置本体の上部前方であって発光した際に前記画像形成装置本体の周囲から視認可能な位置に設けられる発光部と、
前記画像形成装置本体が前記情報処理装置から画像データを受信した場合に、前記情報処理装置によって排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを前記用紙検知センサが検知していると判断すると、前記発光部を発光させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成装置本体が前記情報処理装置から画像データを受信した場合に、前記情報処理装置によって排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを前記用紙検知センサが検知していると判断すると、他の排紙トレイに用紙が積載されているか否かを前記用紙検知センサによって確認し、用紙が積載されていない排紙トレイがあると判断すると、該排紙トレイに用紙を排出して前記発光部を発光させる第1制御を行う一方で、全ての排紙トレイに用紙が積載されていると判断すると、用紙の排出を禁止して前記画像記憶部に画像データを記憶させて前記発光部を発光させる第2制御を行い、
前記第1制御が行われた場合には、どの排紙トレイに用紙が排出されたかを表示する一方で、前記第2制御が行われた場合には、その旨を表示する表示部と、
前記第2制御が行われた場合に、該画像データに基づく画像が形成される用紙の排出指示を受け付ける操作部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2制御を行った後に、前記操作部が操作されるまで待機し、前記操作部が用紙の排出指示を受け付けたと判断すると、前記操作部で指定された排紙トレイに用紙を排出する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画像形成装置本体が前記情報処理装置から画像データを受信した場合に、前記情報処理装置によって排紙先として指定された排紙トレイに用紙が積載されていることを前記用紙検知センサが検知していると判断すると、用紙の排出を禁止して前記画像記憶部に画像データを記憶させて前記発光部を発光させる第3制御を行い、
前記第3制御が行われた場合には、その旨を表示する表示部と、
前記第3制御が行われた場合に、該画像データに基づく画像が形成される用紙の排出指示を受け付ける操作部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第3制御を行った後に、前記操作部が操作されるまで待機し、前記操作部が用紙の排出指示を受け付けたと判断すると、前記操作部で指定された排紙トレイに用紙を排出する請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−16831(P2012−16831A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153836(P2010−153836)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】