説明

画像形成装置

【課題】画像メモリへの書き込みと読み出し処理によってスキュー補正であって、元画像の先端・後端に余白を付加することなく不定データが印字されないスキュー補正の可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】書き込み処理では、元画像の各画素を必要なスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込む。読み出し処理では、シフトされた元画像が内接する矩形領域Raを読み出すと共に、読み出し画素の画素位置に元画像が書き込まれていなければ規定値(白)あるいは元画像の端部の画像データをその画素の画像データとして置き換え出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部の主走査方向のスキューを補正する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成装置では、記録紙などの搬送方向である副走査方向と露光装置などのスキャン方向である主走査方向とが直交している状態が正しい状態である。しかし、機械的精度や組み立て精度などから厳密に直交させることは難しく、画像が斜めに歪むスキューと呼ばれる現象が生じる。
【0003】
スキューを画像処理によって補正する技術として、図17に示すように、元画像500を画像メモリへ書き込む際に、画像形成部で生じるスキューが相殺されるように画像(各ライン)を斜めに傾斜させて書き込み(図中の破線A参照)、読み出しは通常通り各ラインを主走査方向に沿って行う技術がある。図17の例は、感光体ドラムの軸方向に対して作像ユニットの走査方向が右斜め上に傾斜(スキュー)しているのを、画像データを右斜め下に傾斜させることで相殺する例を示している。
【0004】
図17の方式では、感光体ドラム上では、作像された元画像500の前後は不定データになっているので、補正したスキュー量と実際のスキュー補正量とに少しでもずれが生じると、不定データの部分が印字されてしまう。
【0005】
そこで、図18に示すように、元画像500の先端より外側および後端より外側にそれぞれ最大スキュー量の余白501を付加することで、不定データが印字されることを防止する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−80123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
元画像の先端・後端に余白を追加すると、その分だけデータの書き込みや読み出しに時間を要してしまう。たとえば、タンデム方式のカラーレーザープリンタなどが有するドラム間遅延メモリをスキュー補正に利用すると、上記の時間の増大が問題になることがある。
【0008】
すなわち、タンデム方式のカラーレーザープリンタでは、周回する中間転写ベルトに沿って、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロ)K(ブラック)各色の作像ユニットを所定間隔で配置し、各作像ユニットのドラム上に形成したトナー像を、中間転写ベルト上で重ね合わせてフルカラー画像を形成するようになっており、作像ユニットの配置間距離に対応して、各作像ユニットでの作像タイミングに時間差が生じる。そのため、各作像ユニットの前段に画像データを一時的に蓄積するための画像メモリ(ドラム間遅延メモリ)を設け、読み出しタイミングを調整することで、ドラム間の時間差を吸収することが行われる。このドラム間遅延メモリへの画像データの書き込みと読み出しの際にスキュー補正を行うことができるが、先端と後端に付加する余白の分だけ、データの書き込み範囲(書き込みライン数)が増えるので、毎分120枚以上の印字を行うような高速機では、紙間時間のマージンを確保することが困難になるという問題がある。図18の例では、元画像をシフトさせずに書き込む時間がフロントVVであるのに対して、前後に余白を付けた書き込み時間ライトVVは、フロントVV+スキュー調整量×2に増加している。
【0009】
通常、最大スキュー量分が紙間時間から引かれるところ、余白を前後に付加する方法ではその2倍の紙間時間が引かれる。たとえば、紙間が75ミリ程度のシステムに対して、最大スキュー量が256ライン(解像度を600dpiとする)の場合、紙間距離が22ミリ程度短くなり、マージンが50ミリ程度になってしまい、紙間毎に行うべき画像処理用ハードウェアに対する各種の設定などが間に合わなくなる恐れがある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、画像メモリへの書き込みと読み出し処理によるスキュー補正であって、元画像の先端・後端に余白を付加することなく不定データが印字されないスキュー補正の可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0012】
[1]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記読み出し画素の画素位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0013】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。書き込み処理では、元画像の各画素を、スキュー補正量に相当だけ副走査方向へシフトさせる。読み出し処理では、主走査方向は出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形範囲を読み出し範囲とし、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれている位置ではその元画像を読み出し画素の画像データとして出力する。一方、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれていない位置では、該読み出し画素の画素位置と主走査方向位置が同一で副走査方向に最も近い元画像の画素の画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。すなわち、元画像の端部の画素の画像データを出力する。書き込み処理では、先端や後端に余白を書き込む必要がなく、スキュー補正のために書き込み処理時間が増大することが回避される。また、上記読み出し処理を行うことで、スキュー補正量と実際のスキュー量が僅かにずれた場合でも、不定データが印字されることはない。
【0014】
[2]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、第1モードと第2モードを有し、
第1モードが設定された時の前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、
第2モードが設定された時の前記読み出す処理では、前記矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記読み出し画素の画素位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0015】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。スキュー補正の方法として、第1モードと第2モードを有し、これを選択することができる。書き込み処理は、第1、第2モード共通であり、元画像の各画素を、スキュー補正量に相当だけ副走査方向へシフトさせる。読み出し処理では、主走査方向は出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形範囲を読み出し範囲とする。第1モード、第2モード共に、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれている位置の場合にはその元画像を読み出し画素の画像データとして出力する。一方、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれていない位置では、第1モードの場合、予め定めた画像データを読み出し画素の画像データとして出力し、第2モードでは、読み出し画素の画素位置と主走査方向位置が同一で副走査方向に最も近い元画像の画素の画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。
【0016】
[3]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0017】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。書き込み処理では、元画像の各画素を、スキュー補正量に相当だけ副走査方向へシフトさせる。読み出し処理では、主走査方向は出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形範囲を読み出し範囲とし、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれている位置ではその元画像を読み出し画素の画像データとして出力する。一方、読み出し画素の画素位置が元画像の書きこまれていない位置では、予め定めた画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。たとえば、白に相当する画像データを出力する。書き込み処理では、先端や後端に余白を書き込む必要がなく、スキュー補正のために書き込み処理時間が増大することが回避される。また、上記読み出し処理を行うことで、スキュー補正量と実際のスキュー量が僅かにずれた場合でも、不定データが印字されることはない。
【0018】
[4]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記シフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0019】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。書き込み処理では、元画像を、シフトさせずに、そのまま書き込む。読み出し処理では、元画像を副走査方向に最大スキュー補正量だけ拡大した矩形領域を読み出し範囲とする。そして、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に元画像が書き込まれていない場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている元画像のうちシフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。一方、前記シフトさせた位置に元画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。書き込み処理では、先端や後端に余白を書き込む必要がなく、スキュー補正のために書き込み処理時間が増大することが回避される。また、上記読み出し処理を行うことで、スキュー補正量と実際のスキュー量が僅かにずれた場合でも、不定データが印字されることはない。
【0020】
[5]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、第1モードと第2モードを有し、
第1モードが設定された時の前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、
第2モードが設定された時の前記読み出す処理では、前記矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記シフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。スキュー補正の方法として、第1モードと第2モードを有し、これを選択することができる。書き込み処理は、第1、第2モード共通であり、元画像を、シフトさせずに、そのまま書き込む。読み出し処理では、元画像を副走査方向に最大スキュー補正量だけ拡大した矩形領域を読み出し範囲とする。そして、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に元画像が書き込まれている場合は、第1、第2モード共に、シフトさせた位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。シフトさせた位置に元画像が書き込まれていない場合、第2モードでは、前記画像記憶領域上に書き込まれている元画像のうちシフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。一方、第1モードでは、予め定めた画素値の画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。
【0022】
[6]主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0023】
上記発明では、メモリへの書き込み処理と読み出し処理によってスキュー補正を行う。書き込み処理では、元画像を、シフトさせずに、そのまま書き込む。読み出し処理では、元画像を副走査方向に最大スキュー補正量だけ拡大した矩形領域を読み出し範囲とする。そして、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に元画像が書き込まれていない場合は、予め画素値を該読み出し画素の画像データとして出力する。一方、シフトさせた位置に元画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。書き込み処理では、先端や後端に余白を書き込む必要がなく、スキュー補正のために書き込み処理時間が増大することが回避される。また、上記読み出し処理を行うことで、スキュー補正量と実際のスキュー量が僅かにずれた場合でも、不定データが印字されることはない。
【0024】
[7]前記書き込む処理では、前記出力対象画像の主走査方向1ライン分の画素の書き込み動作を、前記出力対象画像の副走査方向の一端から他端まで順次行い、
前記読み出す処理では、前記矩形領域の主走査方向1ライン分の画像データを出力する動作を、前記矩形領域の副走査方向の一端から他端まで順次行う
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0025】
[8]前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部に画像形成しない領域を設ける設定で行われるときは前記スキュー補正部に対して前記第1モードを設定し、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部まで画像形成する設定で行われるときは前記スキュー補正部に対して前記第2モードを設定する設定部を有する
ことを特徴とする[2]または[5]に記載の画像形成装置。
【0026】
[9]前記出力対象画像の印字率が所定値以上の場合は前記スキュー補正部に対して前記第2モードを設定し、前記印字率が所定値未満の場合は前記スキュー補正部に対して前記第1モードを設定する設定部を有する
ことを特徴とする[2]または[5]に記載の画像形成装置。
【0027】
[10]前記印字率は、前記出力対象画像のうち副走査方向の端部所定範囲における印字率である
ことを特徴とする[2]または[5]に記載の画像形成装置。
【0028】
[11]前記予め設定された画像データとして、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部に画像形成しない領域を設ける設定で行われるときは第1の画素値を使用し、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部まで画像形成する設定で行われるときは第2の画素値を使用する
ことを特徴とする[3]または[6]に記載の画像形成装置。
【0029】
[12]前記画像記憶領域は、タンデム方式の画像出力装置が有する、ドラム間遅延メモリである
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る画像形成装置によれば、元画像の先端・後端に余白を付加することなく、不定データの印字されないスキュー補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置が有する画像形成部の主要部を示す説明図である。
【図3】ドラム間遅延メモリへの画像データの書き込みタイミングと、ドラム間遅延メモリからの各色画像データの読み出しタイミングの一例を示すタイミング図である。
【図4】第1の実施の形態の第1マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示す説明図である。
【図5】スキュー補正の書き込み処理を行うスキュー書き込み回路の構成例を示す回路図である。
【図6】第1の実施の形態の第1マスクモード時のリードVV期間に使用されるスキュー読み出し回路の構成例を示す回路図である。
【図7】第1の実施の形態の第1マスクモード時にスキュー量VV期間に使用されるスキュー読み出し回路の構成例を示す回路図である。
【図8】第1の実施の形態の第1マスクモードにおける書き込み処理を示す流れ図である。
【図9】第1の実施の形態の第1マスクモードでの読み出し処理を示す流れ図である。
【図10】第1の実施の形態の第2マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示す説明図である。
【図11】第1の実施の形態の第2マスクモード時のリードVV期間に使用されるスキュー読み出し回路の構成例を示す回路図である。
【図12】第1の実施の形態の第2マスクモード時のスキュー量VV期間に使用されるスキュー読み出し回路の構成例を示す回路図である。
【図13】第1の実施の形態の第2マスクモードでのリードVV期間の読み出し処理を示す流れ図である。
【図14】第1の実施の形態の第2マスクモードでのスキュー量VV期間の読み出し処理を示す流れ図である。
【図15】第2の実施の形態における第1マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示す説明図である。
【図16】第2の実施の形態における第2マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示す説明図である。
【図17】メモリへの書き込み処理と読み出し処理による従来のスキュー補正を示す説明図である。
【図18】元画像の先端・後端に余白を設ける方式のスキュー補正の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成例を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作全体を制御する制御部11と、外部装置から印刷対象の画像データの入力を受ける入力部12と、入力された画像データを1ページ以上ビットマップ形式で記憶し得るページメモリ部13と、ページメモリ部13から読み出した画像データに対して各種画像処理を施す画像処理部14と、画像処理部14から出力される画像データを一時的に記憶するドラム間遅延メモリ15と、ドラム間遅延メモリ15へのデータの書き込みおよび読み出しを制御するドラム間遅延メモリ制御部16と、感光体ドラムに対して画像データに応じて主走査方向1ライン分の露光を行うプリントヘッド18と、ドラム間遅延メモリ制御部16からの画像データをプリントヘッド18へ出力する書き込み制御部19、および、上記プリントヘッド18を含む画像形成部20を備えている。
【0034】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ドラム間遅延メモリ15を使用してスキュー補正を行うスキュー補正部17としての機能を果たす。ドラム間遅延メモリ制御部16は所定ライン数分の領域を巡回使用するリングバッファである。ここでは、ドラム間遅延メモリ15としてDDRメモリ(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)を使用している。
【0035】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部として構成され、ROMに格納されたプログラムに従ってCPUが処理を行うことで各種の制御が行われる。制御部11は、紙間時間に、画像処理部14に対して各種の設定を行う。
【0036】
ページメモリ部13のページメモリに記憶される画像データは、主走査方向およびこれに直交する副走査方向に画素を配列したビットマップ形式の画像データであり、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロ),K(ブラック)の色成分で構成される。図1では、画像処理部14より後段については、色成分別に構成部分を記載してあり、それぞれの構成部分に付与した符号の末尾には色成分を示すC,M,Y,Kの記号を付してある。
【0037】
図2は、画像形成部20の主要部分の構成を示している。画像形成部20は、無端で環状に掛け渡された所定幅の中間転写ベルト21と、この中間転写ベルト21上にそれぞれ単一色のトナー像を形成するY,M,C,Kの4つの作像ユニット、記録紙を給紙する給紙部、給紙された記録紙を搬送する搬送部、定着装置などを備えている(図2では、中間転写ベルト21、感光体ドラム22C、22M、22Y、22K、プリントヘッド18C、18M、18Y、18Kのみ記してある)。
【0038】
各作像ユニットは、表面に静電潜像が形成される円筒状の静電潜像担持体としての感光体ドラム22C、22M、22Y、22Kと、各感光体ドラム22の周囲に配置された帯電装置、現像装置、クリーニング装置、プリントヘッド18などで構成される。プリントヘッド18は画素毎の露光を行う発光ダイオード素子を主走査方向1ライン分の画素数だけ直線状に配列したLED(Light Emitting Diode)アレイである。
【0039】
各色の感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kは、その軸方向を中間転写ベルト21が周回して移動方向と直交する方向にして、中間転写ベルト21に沿って所定間隔をあけて配列されている。感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kは、中間転写ベルト21と接する箇所で中間転写ベルトと同一方向に移動するように一定方向に回転する。帯電装置は、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kをそれぞれ一様に帯電させる。帯電装置によって一様に帯電された感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面を、画素毎の発光ダイオードを画像データに応じてオン/オフさせるプリントヘッド18Y,18M,18C,18Kで露光走査することで、感光体ドラム22Y,22M,22C,22K上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラム22Y,22M,22C,22K上の静電潜像を各色トナーによって顕像化する。このトナー像は、中間転写ベルト21と接触する箇所で中間転写ベルト21に転写される。上記の動作をY,M,C,K用の各作像ユニットが行うことで、周回する中間転写ベルト21上に各色のトナー像が重ねられてフルカラーのトナー画像が合成される。
【0040】
記録紙上の同一箇所に印刷するY,M,C,Kのドットを中間転写ベルト21上の同一箇所に重ね合わせるためには、中間転写ベルト21の同一箇所が各感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kを通るときの時間差(図2の遅延量TDYM、TDYC、TDYK)に応じて、下流側の感光体ドラムほど、画像データをプリントヘッド18へ出力するタイミングを遅らせる必要がある。この遅延のために、図1のドラム間遅延メモリ15は使用される。ドラム間遅延メモリ15には、主走査方向およびこれに直交する副走査方向に画素を配列して記憶する二次元の画像記憶領域となっており、該画像記憶領域にビットマップ形式の二次元画像が格納される。
【0041】
図3は、ドラム間遅延メモリ15への画像データの書き込みタイミングと、ドラム間遅延メモリ15からの各色画像データの読み出しタイミングの一例を示している。第1ページの各色画像データをドラム間遅延メモリ15へ書き込む処理は、時刻T1からT2にかけてY,M,C,Kの全色同時に行われている。ドラム間遅延メモリ15からの読み出しは、Y色の読み出しタイミングTに対してM色を遅延時間TDYM、C色を遅延時間TDYC、K色を遅延時間TDYKだけそれぞれ遅延させて行われる。
【0042】
画像形成装置10では、図2に示すように、中間転写ベルト21上に形成されたフルカラーのトナー画像は、二次転写位置Gで中間転写ベルトから記録紙に転写され、記録紙上のトナー画像が定着装置を通過する際に定着されてから、排紙トレイに排紙される。
【0043】
次に、スキュー補正について説明する。
【0044】
画像形成装置10では、たとえば、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kの回転軸の方向とこれに対応するプリントヘッド18Y,18M,18C,18Kの主走査方向(発光ダイオードの配列方向)とが平行からずれると、画像が斜めに歪むスキューが生じる。言い換えると、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kに形成される画像の副走査方向とプリントヘッド18Y,18M,18C,18Kの主走査方向とが直交する位置関係からずれると、そのずれがスキューとなって現われる。
【0045】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ドラム間遅延を吸収するために画像データをドラム間遅延メモリ15に書き込む処理と読み出す処理とを行うが、この際同時に、スキュー補正も行うようになっている。
【0046】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、スキュー補正のモードとして、第1マスクモードと、第2マスクモードを備えており、どちらのモードでスキュー補正するかは、制御部11がドラム間遅延メモリ制御部16に指示するようになっている。
【0047】
図4は、第1マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示している。元画像50は、画像形成部20に印刷させる出力対象画像であり、主走査方向と主走査方向に直交する副走査方向とに画素をマトリクス状に配列した矩形の画像(たとえば、A4サイズの1ページ分の画像)となっている。
【0048】
ドラム間遅延メモリ制御部16には、書き込み制御部19からフロントVV信号が入力される。フロントVV信号は、書き込み時における1ページ分の画像データの副走査方向の有効期間を示す同期信号であり、画像形成部20の動作タイミングに合わせて書き込み制御部19が出力する。フロントVV信号は、図3の書き込みタイミング信号に相当する。
【0049】
ドラム間遅延メモリ制御部16は書き込み制御部19から入力されるフロントVV信号を基準に、画像データの書き込み期間を示すライトVV信号を生成する。ここでは、フロントVV=ライトVVとなっている。
【0050】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ライトVV信号の有効期間に、元画像における主走査方向1ライン分の画像データの書き込み動作を、ラインの位置を元画像の先端から後端へ副走査方向に順次移動させながら繰り返し行うことで元画像50全体をドラム間遅延メモリ15に書き込む。
【0051】
この書き込み処理において、ドラム間遅延メモリ制御部16は、元画像50の各画素の画像データを、その画素の元画像上の副走査方向の位置に対して、その画素の元画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込む。
【0052】
ここでは、主走査方向に並ぶN画素(たとえば、4画素)をスキューサイクルとし、スキューサイクル毎に副走査方向のスキュー補正量を設定できるようになっている。図4の例では、主走査方向1ラインの左端から右方向へ、4画素ずつのスキューサイクル0、1、2・・・となっている。図4の例では、スキューサイクル0のスキュー補正量は0画素、スキューサイクル1のスキュー補正量は1画素、スキューサイクル2のスキュー補正量は2画素となっている。
【0053】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ドラム間遅延メモリ15へ各画素の画像データを書き込む際に、その画素の主走査方向の画素位置からその画素の属するスキューサイクルを特定し、そのスキューサイクルに割り当てられているスキュー補正量(画素数)だけ、その画素の書き込み位置を副走査方向の後端側にシフトさせる。主走査方向の画素位置は元画像と同一である。図4に示すように、元画像の主走査方向1ライン分の画像データが、破線52が示すようにシフトした位置に書き込まれる。
【0054】
ドラム間遅延メモリ15から読み出す処理では、主走査方向はドラム間遅延メモリ15に書き込まれた元画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はドラム間遅延メモリ15にシフトして書き込まれた元画像の存在する範囲を持つ矩形領域Ra内の各画素について読み出し動作を行う。図4には読み出し範囲となる矩形領域Raを太破線で示してある。矩形領域Raは、ドラム間遅延メモリ15に設定された画像記憶領域の主走査方向および副走査方向に辺を持ち且つシフトして書き込まれた元画像に外接する長方形に内接する矩形領域となっている。読み出し範囲は矩形流域Raを含めばその外側の領域まで拡張されてもかまわない。
【0055】
矩形領域Raの主走査方向の範囲はドラム間遅延メモリ15に書き込まれた元画像の主走査方向と同一であり、矩形領域Raの副走査方向の範囲は、シフトして書き込まれた元画像のいずれかの画素が存在する範囲である。言い換えると、シフトさせずに書き込んだ場合の元画像の存在範囲の後端に最大スキュー補正量に相当するライン数の拡張範囲(これをスキュー調整範囲とする)を加えた範囲が矩形領域Raの副走査方向の範囲になっている。
【0056】
読み出し処理では、矩形領域Raの主走査方向1ライン分の画像データを読み出す動作を、矩形領域Raの副走査方向の先端から後端にかけて順次行う。本例では、書き込み制御部19からドラム間遅延メモリ制御部16にリアVV信号が入力される。リアVVは読み出し時における1ページ分の画像データの副走査方向の有効期間を示す同期信号であり、画像形成部20での画像形成の動作タイミングに合わせて書き込み制御部19が出力する。
【0057】
ドラム間遅延メモリ制御部16は書き込み制御部19から入力されるリアVV信号を基準に、画像データの読み出し期間を示すリードVV信号およびスキュー量VV信号を生成する。ここでは、リアVV信号=リードVV信号であり、スキュー量VV信号は、リードVV信号に続けて、スキュー調整範囲の期間にわたって出力される。
【0058】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、リードVV信号の有効期間にスキュー量VV信号の有効期間を加えた期間にドラム間遅延メモリ15からの読み出し動作を行う。詳細には、ドラム間遅延メモリ15の矩形領域Raの主走査方向1ライン分の画像データの読み出し動作を、ラインの位置を矩形領域Raの先端から後端に順次移動させながら繰り返し行う。
【0059】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、上記読み出し処理において、読み出し画素の画素位置が、書き込み時のシフトにより元画像の書き込まれなかった画素位置の場合は、予め設定された画像データをその読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が元画像の書き込まれた画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。
【0060】
予め設定された画像データ(規定値)は、たとえば、白を示す「0」あるいは黒を示す「1」を使用する。なお、画像形成部20での画像形成動作が記録紙の端部に余白領域(画像形成しない領域)を設ける、所謂、縁あり設定で行われるときは規定値として第1の画素値(白に対応する「0」)を使用し、画像形成部20での画像形成動作が記録紙の端部まで画像を形成する、所謂、縁なし設定(フルブリード)で行われるときは第2の画素値(たとえば、黒に対応する「1」)を使用するようにしてもよい。ドラム間遅延メモリ制御部16は、縁あり設定か縁なし設定かを示す情報を制御部11から受ける。
【0061】
このように、読み出し画素の位置が、書き込み処理で元画像の書き込まれていない画素位置の場合に予め定めた画像データを出力するので、プリントヘッド18に対して不定データが出力されなくなり、スキュー補正量と実際のスキュー量がずれた場合でも、不定データが印字されることはない。また、書き込み処理では、元画像の先端・後端に余白を付加することは行わず、元画像の各画素をスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせながらドラム間遅延メモリ15に書き込むので、ドラム間遅延メモリ15への書き込み処理は、元画像と同一のライン数の書き込み動作で済む。
【0062】
画像処理部14から出力される画像データをドラム間遅延メモリ15へ書き込む処理は、画像形成部20の動作タイミングに合わせてライトVV信号の有効期間に行われるので、画像処理部14などに対する各種パラメータの設定変更作業は、ライトVV信号の非有効期間に行う必要がある。画像形成部20が連続して複数枚の記録紙へ印刷を行う場合、ライトVV信号の非有効期間の長さは、画像形成部20が搬送する記録紙の紙間時間(搬送される記録紙の後端とその次に搬送される記録紙の先端との間の距離を記録紙の搬送速度で除した時間)になる。
【0063】
本実施の形態では、スキュー補正を行っても、ドラム間遅延メモリ制御部16がドラム間遅延メモリ15に元画像を書き込む処理は、ライトVV信号の有効期間のみで完了し、スキュー補正のために延びることはない。従って、画像処理部14に対する各種パラメータの設定作業を行い得る時間(紙間時間)がスキュー補正のために侵食されることはなく、設定作業がスキュー補正のために間に合わなくなる、といったことが回避される。なお、ドラム間遅延メモリ15を使用する場合、ライトVV信号の有効期間の長さはリードVV信号の有効期間の長さと同一である。
【0064】
次に、スキュー補正部17としてのドラム間遅延メモリ制御部16の回路構成例について説明する。ここでは、ドラム間遅延メモリ15に与えるカラムアドレスは主走査方向の画素位置を指定し、ローアドレスは副走査方向の画素位置(先頭からのライン位置)を指定するものとする。また、スキューサイクルは、たとえば、DDRメモリのバースト長に設定される。
【0065】
図5は、書き込み処理を行うスキュー書き込み回路60の構成例を示している。スキュー書き込み回路60は、ドラム間遅延メモリ制御部16の書き込み処理部に相当し、ドラム間遅延メモリ15の書き込みアドレスを生成する機能を果たす。スキュー書き込み回路60は、主走査アドレスカウンタ61と、副走査アドレスカウンタ62と、スキュー補正量設定レジスタ63と、加算器64とを備えて構成される。
【0066】
主走査アドレスカウンタ61には、ライトVV信号と、ライン同期信号と、画素毎のクロック信号が入力される。主走査アドレスカウンタ61は、ライトVV信号とライン同期信号が共に入力される期間においてクロック信号毎に計数値を+1するカウンタであり、ライン同期信号の開始エッジで、計数値は初期値(ここでは、0)にリセットされる。主走査アドレスカウンタ61の出力する計数値は、書き込み用のカラムアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0067】
副走査アドレスカウンタ62には、ライトVV信号と、ライン同期信号が入力される。副走査アドレスカウンタ62は、ラインVV信号の入力期間中にライン同期信号の入力回数を計数するカウンタであり、ラインVV信号の開始エッジで、計数値は初期値(ここでは、0)にリセットされる。なお、書き込み開始位置をオフセットさせる場合には、その分だけアドレスはオフセットされる。
【0068】
スキュー補正量設定レジスタ63は、スキューサイクル毎にスキュー補正量を記憶したルックアップテーブルである。ここでは、スキューサイクルを4画素とするので、スキュー補正量設定レジスタ63には主走査アドレスカウンタ61の出力する計数値(2進数)の下位2ビットを除く部分がスキューサイクルを示す値として入力される。スキュー補正量設定レジスタ63は入力されたスキューサイクルに対応するスキュー補正量を出力する。
【0069】
加算器64は副走査アドレスカウンタ62の計数値とスキュー補正量設定レジスタ63の出力するスキュー補正量とを加算し、その加算結果を、ドラム間遅延メモリ15に対する書き込み用のローアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力する。
【0070】
スキュー書き込み回路60を使用することで、図4に示す、第1マスクモードの書き込み処理が実現される。すなわち、スキュー書き込み回路60を使用することで、各元画像50の各画素は、その画素の主走査方向の画素位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトした位置に書き込まれる。
【0071】
図6、図7は、第1マスクモード時に使用されるスキュー読み出し回路70、80の構成例を示している。スキュー読み出し回路70、80は、ドラム間遅延メモリ制御部16の読み出しデータ出力部に相当する。このうち、スキュー読み出し回路70は、リードVV信号の有効期間における読み出し動作を担当し、スキュー読み出し回路80はスキュー量VV信号の有効期間における読み出し動作を担当する。アドレス発生部は省略してある。
【0072】
スキュー読み出し回路70は、主走査アドレスカウンタ71と、副走査アドレスカウンタ72と、スキュー補正量設定レジスタ73と、比較器74と、セレクタ75とを備えて構成される。
【0073】
主走査アドレスカウンタ71には、リードVV信号と、ライン同期信号と、画素毎のクロック信号が入力される。主走査アドレスカウンタ71は、リードVV信号とライン同期信号が共に入力される期間においてクロック信号毎に計数値を+1するカウンタであり、ライン同期信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。
【0074】
副走査アドレスカウンタ72には、リードVV信号と、ライン同期信号が入力される。副走査アドレスカウンタ72は、リードVV信号の入力期間中にライン同期信号の入力回数を計数するカウンタであり、リードVV信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。
【0075】
スキュー補正量設定レジスタ73は、スキュー書き込み回路60のスキュー補正量設定レジスタ63と同一である。
【0076】
比較器74は、副走査アドレスカウンタ72の計数値(a)とスキュー補正量設定レジスタ73の出力するスキュー補正量(b)とを比較し、a<bのとき「0」をそれ以外で「1」をセレクタ75に出力する。セレクタ75には、ドラム間遅延メモリ15から読み出された画像データ(D1)と、規定値(D0)が入力されており、比較器74から「0」が入力されると規定値(D0)を出力し、比較器74から「1」が入力されると画像データ(D1)を出力する。
【0077】
図7に示すスキュー読み出し回路80は、主走査アドレスカウンタ81と、スキュー量副走査アドレスカウンタ82と、スキュー補正量設定レジスタ83と、比較器84と、セレクタ85とを備えて構成される。
【0078】
主走査アドレスカウンタ81には、スキュー量VV信号と、ライン同期信号と、画素毎のクロック信号が入力される。主走査アドレスカウンタ81は、スキュー量VV信号とライン同期信号が共に入力される期間においてクロック信号毎に計数値を+1するカウンタであり、ライン同期信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。主走査アドレスカウンタ81の出力する計数値は、読み出し用のカラムアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0079】
スキュー量副走査アドレスカウンタ82には、スキュー量VV信号と、ライン同期信号が入力される。スキュー量副走査アドレスカウンタ82は、スキュー量VV信号の入力期間中にライン同期信号の入力回数を計数するカウンタであり、スキュー量VV信号の開始エッジで、計数値は1にリセットされる。
【0080】
スキュー補正量設定レジスタ83は、スキュー書き込み回路60のスキュー補正量設定レジスタ63と同一である。
【0081】
比較器84は、スキュー量副走査アドレスカウンタ82の計数値(a)とスキュー補正量設定レジスタ83の出力するスキュー補正量(b)とを比較し、a>bのとき「0」をそれ以外で「1」をセレクタ85に出力する。セレクタ85には、ドラム間遅延メモリ15から読み出された画像データ(D1)と、規定値(D0)が入力されており、比較器84から「0」が入力されると規定値(D0)を出力し、比較器84から「1」が入力されると読み出された画像データ(D1)を出力する。
【0082】
スキュー読み出し回路70とスキュー読み出し回路80を使用することで、図4に示す、第1マスクモードの読み出し処理が実現される。なお、ドラム間遅延メモリ15に与える読み出し用のカラムアドレスは、リードVV信号の有効期間とスキュー量VV信号の有効期間とを合わせた期間においてクロック信号毎に計数値を+1し、ライン同期信号の開始エッジで計数値が初期値(0)にリセットされる主走査アドレスカウンタによって生成される。またドラム間遅延メモリ15に与える読み出し用のローアドレスは、リードVV信号の有効期間とスキュー量VV信号の有効期間とを合わせた期間中にライン同期信号の入力回数を計数し、リードVV信号の開始エッジで、計数値が初期値(0)にリセットされる副走査アドレスカウンタにより生成される。なお、書き込み開始位置をオフセットさせる場合には、それに合わせてアドレスはオフセットされる。
【0083】
図8は、第1マスクモードにおける書き込み処理を示す流れ図である。なお、予め、主走査カウンタはクリアされ、副走査カウンタは初期値(書き込み開始時のローアドレス値:オフセット値)にリセットされているものとする。
【0084】
まず、主走査カウンタ値を読み出し、ドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスにセットする(ステップS101)。続いて、副走査カウンタ値を読み出し、この値と、ステップS101で読み出した主走査カウンタ値に対応するスキュー補正量とを加算した値を、ドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットする(ステップS102)。その後、ドラム間遅延メモリ15に画像データを書き込み(ステップS103)、主走査カウンタをインクリメントする(ステップS104)。なお、バースト書き込みを行う場合は、バースト長に対応するだけ主走査カウンタをインクリメントする。たとえば、4画素ずつバースト書き込みを行う場合、主走査カウンタを+4する。
【0085】
上記ステップS101からS104の処理を主走査方向1ライン分の画像データの書き込みが完了するまで繰り返し(ステップS105;No)、主走査方向1ライン分の書き込みが完了したら(ステップS105;Yes)、主走査カウンタをクリアし、副走査カウンタをインクリメント(+1)する(ステップS106)。
【0086】
1ページ分の書き込みが完了していなければ(ステップS107;No)、ステップS101に戻って処理を継続し、1ページ分の書き込みが完了した場合は(ステップS107;Yes)、本処理を終了する。
【0087】
図9は、第1マスクモードでの読み出し処理を示す流れ図である。なお、予め、主走査カウンタ、副走査カウンタは初期値(0)にリセットされているものとする。また、スキュー量VV信号の有効期間のみライン同期信号を計数するスキュー量副走査カウンタの計数値を1に初期化しておく。
【0088】
まず、副走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットし、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスにセットする(ステップS201)。次に、リードVV信号期間か否かを判断し(ステップS202)、リードVV信号期間であれば(ステップS202;Yes)、副走査カウンタ値と、主走査カウンタ値に対応するスキュー補正量とを比較し、副走査カウンタ値<スキュー補正量のときは(ステップS203;Yes)、規定値(D0)を、当該画素(副走査カウンタと主走査カウンタとで定まる画素位置の画素)の画像データとして出力して(ステップS205)ステップS207へ移行する。副走査カウンタ値<スキュー補正量でないときは(ステップS203;No)、ドラム間遅延メモリ15から読み出された画像データを該読み出し画素の画像データとして出力して(ステップS206)ステップS207へ移行する。
【0089】
リードVV信号期間が過ぎてスキュー量VV期間に入っているときは(ステップS202;No)、スキュー量副走査カウンタ値と、主走査カウンタ値に対応するスキュー補正量とを比較し、スキュー量副走査カウンタ値≦スキュー補正量のときは(ステップS204;Yes)、ドラム間遅延メモリ15から読み出された画像データを該読み出し画素の画像データとして出力して(ステップS206)、ステップS207へ移行する。スキュー量副走査カウンタ値≦スキュー補正量でないときは(ステップS204;No)、規定値(D0)を、当該画素(副走査カウンタと主走査カウンタとで定まる画素位置の画素)の画像データとして出力して(ステップS205)ステップS207へ移行する。
【0090】
ステップS207では、主走査カウンタをインクリメントする。そして、主走査方向1ライン分の書き込みが完了していなければ(ステップS208;No)、ステップS201に戻って処理を継続する。主走査方向1ライン分の書き込みが完了した場合は(ステップS208;Yes)、主走査カウンタをクリアし、副走査カウンタをインクリメント(+1)する(ステップS209)。
【0091】
1ページ分の書き込みが完了していなければ(ステップS210;No)、ステップS201に戻って処理を継続し、1ページ分の書き込みが完了した場合は(ステップS210;Yes)、本処理を終了する。
【0092】
次に、第2マスクモードによるスキュー補正について説明する。
【0093】
第1マスクモードでは、書き込み処理で元画像の書き込まれていない画素位置の画素を読み出す場合に、規定値をその画素位置の画素の画像データとしたが、第2マスクモードでは、規定値に代えて、元画像の端部の画素の画像データを出力する。すなわち、元画像の書き込まれている画素であって読み出し画素と主走査方向の位置が同一で副走査方向において読み出し画素に最も近い画素の画像データを、該読み出し画素の画像データとして出力するようになっている。
【0094】
図10は、第2マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示している。書き込み処理については第1マスクモードと同一であり、その説明は省略する。また、第2マスクモードでの読み出し処理における読み出し範囲は、第1マスクモードと同一の矩形領域Raである。また、リードVV信号の有効期間とスキュー量VV信号の有効期間とを合わせた期間に、読み出し動作を行う点、またドラム間遅延メモリ15の矩形領域Raの主走査方向1ライン分の画像データの読み出し動作を、ライン位置を矩形領域Raの先端から後端に順次移動させながら繰り返し行う点は第1マスクモードと同一でありその詳細な説明は省略する。
【0095】
第2マスクモードでは、読み出し画素の画素位置が、書き込み時のシフトにより元画像の書き込まれていない画素位置の場合は、書き込まれている元画像のうち、読み出し画素と主走査方向の画素位置が同一であって副走査方向の画素位置が読み出し画素に最も近い画素の画像データをその読み出し画素の画像データとして出力する。すなわち、元画像の端部の画素の画像データを出力する。読み出し画素の画素位置が元画像の書き込まれた画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。
【0096】
これにより、スキュー補正量と実際のスキュー量がずれた場合でも、不定データが印字されることはなく、元画像の端部と同じ画像データが印字されるため、ズレによって元画像の外側が印字されてもその部分が目立つことはない。
【0097】
また、書き込み処理では、元画像の先端・後端に余白を付加することは行わず、元画像の各画素をスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせながらドラム間遅延メモリ15に書き込むので、ドラム間遅延メモリ15への書き込み処理は、元画像と同一のライン数の書き込み動作で済む。これにより、第1マスクモードの場合と同様に、画像処理部14に対する各種パラメータの設定作業を行い得る時間(紙間時間)がスキュー補正のために侵食されることはなく、設定作業がスキュー補正のために間に合わなくなる、といったことが回避される。
【0098】
次に、第2マスクモードの読み出しを行うための回路構成について説明する。なお、書き込み用の回路は、第1マスクモードと同一であり説明を省略する。
【0099】
図11、図12は、第2マスクモード時に使用されるスキュー読み出し回路90、100の構成例を示している。スキュー読み出し回路90、100は、ドラム間遅延メモリ制御部16の読み出し処理部に相当する。このうち、スキュー読み出し回路90は、リードVV信号の有効期間における読み出し動作を担当し、スキュー読み出し回路100はスキュー量VV信号の有効期間における読み出し動作を担当する。
【0100】
スキュー読み出し回路90は、主走査アドレスカウンタ91と、副走査アドレスカウンタ92と、スキュー補正量設定レジスタ93と、比較器94と、セレクタ95とを備えて構成される。
【0101】
主走査アドレスカウンタ91には、リードVV信号と、ライン同期信号と、画素毎のクロック信号が入力される。主走査アドレスカウンタ91は、リードVV信号とライン同期信号が共に入力される期間においてクロック信号毎に計数値を+1するカウンタであり、ライン同期信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。主走査アドレスカウンタ91の出力する計数値は、読み出し用のカラムアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0102】
副走査アドレスカウンタ92には、リードVV信号と、ライン同期信号が入力される。副走査アドレスカウンタ92は、リードVV信号の入力期間中にライン同期信号の入力回数を計数するカウンタであり、リードVV信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。副走査アドレスカウンタ92の出力する計数値(a)は、セレクタ95に入力されている。
【0103】
スキュー補正量設定レジスタ93は、スキュー書き込み回路60のスキュー補正量設定レジスタ63と同一である。スキュー補正量設定レジスタ93の出力(b)はセレクタ95に入力されている。
【0104】
比較器94は、副走査アドレスカウンタ92の計数値(a)とスキュー補正量設定レジスタ93の出力するスキュー補正量(b)とを比較し、a<bのとき「0」をそれ以外で「1」をセレクタ95に出力する。セレクタ95は、比較器94から「0」が入力されるとスキュー補正量設定レジスタ93の出力(b)を選択出力し、比較器94から「1」が入力されると副走査アドレスカウンタ92からの計数値(a)を選択出力する。セレクタ95の出力は、読み出し用のローアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0105】
図12に示すスキュー読み出し回路100は、主走査アドレスカウンタ101と、スキュー量副走査アドレスカウンタ102と、スキュー補正量設定レジスタ103と、比較器104と、セレクタ105と、リードVV最終副走査アドレス保持レジスタ106と、加算器107とを備えて構成される。
【0106】
主走査アドレスカウンタ101には、スキュー量VV信号と、ライン同期信号と、画素毎のクロック信号が入力される。主走査アドレスカウンタ101は、スキュー量VV信号とライン同期信号が共に入力される期間においてクロック信号毎に計数値を+1するカウンタであり、ライン同期信号の開始エッジで、計数値は初期値(0)にリセットされる。主走査アドレスカウンタ101の出力する計数値は、読み出し用のカラムアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0107】
スキュー量副走査アドレスカウンタ102には、スキュー量VV信号と、ライン同期信号が入力される。スキュー量副走査アドレスカウンタ102は、スキュー量VV信号の入力期間中にライン同期信号の入力回数を計数するカウンタであり、スキュー量VV信号の開始エッジで、初期値1に初期化される。
【0108】
リードVV最終副走査アドレス保持レジスタ106は、スキュー読み出し回路100のスキュー量副走査アドレスカウンタ102がリードVV信号の有効期間に計数した最終の計数値(副走査アドレス)を保持するレジスタである。
【0109】
スキュー補正量設定レジスタ103は、スキュー書き込み回路60のスキュー補正量設定レジスタ63と同一である。
【0110】
比較器104は、スキュー量副走査アドレスカウンタ102の計数値(a)とスキュー補正量設定レジスタ103の出力するスキュー補正量(b)とを比較し、a≦bのとき「1」をそれ以外で「0」をセレクタ105に出力する。セレクタ105には、スキュー量副走査アドレスカウンタ102の出力値(a)と、スキュー補正量設定レジスタ103の出力値(b)とが入力されている。セレクタ105は、比較器104からの入力が「1」のとき、スキュー量副走査アドレスカウンタ102の出力(a)を選択出力し、比較器104からの入力が「0」のとき、スキュー補正量設定レジスタ103からの出力(b)を選択出力する。
【0111】
加算器107は、リードVV最終副走査アドレス保持レジスタ106が保持する値とセレクタ105の出力とを加算する。加算器107の出力値は、スキュー量VV期間における読み出し用のローアドレスとしてドラム間遅延メモリ15へ出力される。
【0112】
スキュー読み出し回路90とスキュー読み出し回路100を使用することで、図10に示す、第2マスクモードの読み出し処理が実現される。なお、書き込み開始位置がオフセットされている場合には、それに合わせてドラム間遅延メモリ15に与える読み出し用のアドレスもオフセットされる。
【0113】
図13、図14は、第2マスクモードでの読み出し処理を示す流れ図である。図13はリードVV信号の有効期間における読み出し動作を、図14はスキュー量VV信号の有効期間における読み出し動作を示している。なお、予め、主走査カウンタはクリアされ、副走査カウンタは初期値(0)にリセットされているものとする。
【0114】
まず、副走査カウンタ値を読み出し、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスにセットする(ステップS301)。次に、副走査カウンタ値と、主走査カウンタ値に対応するスキュー補正量とを比較し、副走査カウンタ値<スキュー補正量のときは(ステップS302;Yes)、スキュー補正量をドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットしてステップS305へ移行する。副走査カウンタ値<スキュー補正量でないときは(ステップS302;No)、副走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットしてステップS305へ移行する。
【0115】
ステップS305では、セットされているローアドレス、カラムアドレスでドラム間遅延メモリ15から画像データを読み出し、これを読み出し画素の画像データとして出力する。次に、主走査カウンタをインクリメントし(ステップS306)、主走査方向1ライン分の書き込みが完了していなければ(ステップS307;No)、ステップS301に戻って処理を継続する。
【0116】
主走査方向1ライン分の書き込みが完了した場合は(ステップS307;Yes)、主走査カウンタをクリアし、副走査カウンタをインクリメント(+1)する(ステップS308)。そして、リードVV期間の読み出しが完了していなければ(ステップS309;No)、ステップS301に戻って処理を継続し、完了した場合は(ステップS309;Yes)、本処理を終了し、続いて、図14に示すスキュー量VV期間の読み出し動作を行う。ここで、最後に使用した副走査カウンタ値(ステップS308でインクリメントした値−1)をリードVV最終副走査カウンタ値として保持しておく。
【0117】
図14の処理では、前準備としてスキュー量副走査カウンタ値を1に初期化する。そして、スキュー量副走査カウンタ値を読み出し、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスにセットする(ステップS331)。次に、スキュー量副走査カウンタ値と、主走査カウンタ値に対応するスキュー補正量とを比較し、スキュー量副走査カウンタ値>スキュー補正量のときは(ステップS332;Yes)、リードVV最終副走査カウンタ値にスキュー補正量を加算した値をドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットしてステップS335へ移行する。スキュー量副走査カウンタ値>スキュー補正量でないときは(ステップS332;No)、リードVV最終副走査カウンタ値にスキュー量副走査カウンタ値を加算した値をドラム間遅延メモリ15のローアドレスにセットしてステップS335へ移行する。
【0118】
ステップS335では、セットされているローアドレス、カラムアドレスでドラム間遅延メモリ15から画像データを読み出し、これを読み出し画素の画像データとして出力する。次に、主走査カウンタをインクリメントし(ステップS336)、主走査方向1ライン分の書き込みが完了していなければ(ステップS337;No)、ステップS331に戻って処理を継続する。
【0119】
主走査方向1ライン分の書き込みが完了した場合は(ステップS337;Yes)、主走査カウンタをクリアし、スキュー用副走査カウンタをインクリメント(+1)する(ステップS338)。そして、スキュー量分の読み出し処理が完了していなければ(ステップS339;No)、ステップS331に戻って処理を継続し、完了した場合は(ステップS339;Yes)、本処理を終了する。
【0120】
次に、第1マスクモードと第2マスクモードの切り替えについて説明する。制御部11は。以下の第1基準または第2基準で上記切り替えを行う。
【0121】
(第1基準)
制御部11は、画像形成部20での画像形成動作が記録紙の端部に余白領域(画像形成しない領域)を設ける縁あり設定で行われるときは、第1マスクモードを使用するようにスキュー補正部17を設定し、画像形成部20での画像形成動作が記録紙の端部まで画像を形成する縁なし設定)で行われるときは第2マスクモードを使用するようにスキュー補正部17を設定する。この場合、第1マスクモードでは規定値として白に対応する画素値「0」を使用する。
【0122】
(第2基準)
印字率(黒率)が所定値以上の場合はスキュー補正部17に対して第2マスクモードを設定し、印字率が基準値未満の場合はスキュー補正部17に対して第1マスクモードを設定する。上記印字率は、出力対象の元画像のうち副走査方向の端部所定範囲における印字率である。たとえば、元画像の先端の5ミリと後端の5ミリにおける印刷率に基づいて、第1マスクモードと第2マスクモードを切り替える。この場合、第1マスクモードでは規定値として白に対応する画素値「0」を使用する。端部所定範囲の大きさや印刷率の基準値は設定変更可能とする。
【0123】
なお、第1基準で切り替えるか第2基準で切り替えるかを設定により変更することができる。
【0124】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0125】
第1の実施の形態では、ドラム間遅延メモリ15への書き込み処理において、書き込み位置を、スキュー補正量に応じて副走査方向へシフトさせるようにしたが、第2の実施の形態では、該シフトを読み取り処理で行う。第2の実施の形態においても、読み出し画素位置に元画像がない場合に規定値をその画素の画像データとして出力する第1マスクモードと、読み出し画素位置に元画像がない場合に、元画像のうち読み出し画素位置と主走査方向の位置が同一で副走査方向に最も近い画素(元画像の端部の画素)の画像データを出力する第2マスクモードがある。
【0126】
図15は、第2の実施の形態における第1マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示している。書き込み処理では、元画像をシフトさせることなくそのままドラム間遅延メモリ15に書き込む。
【0127】
読み出し処理では、主走査方向はドラム間遅延メモリ15に書き込まれた元画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はドラム間遅延メモリ15に書き込まれている元画像をその後端側へ最大スキュー補正量だけ拡張させた範囲を持つ矩形領域Rb(図中、太破線で示す)内の各画素を読み出す。
【0128】
この読み出し動作において、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向(ここではマイナス方向)にシフトさせた位置に元画像が書き込まれていない場合は、規定値をその読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に元画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを読み出し画素の画像データとして出力する。
【0129】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ドラム間遅延メモリ15の主走査方向1ライン分の読み出し動作を行うとき、読み出し画素位置をスキュー補正量だけシフトさせるので、図中の階段状の破線53が示すように読み出し位置は変化する。
【0130】
具体的には、リードVV信号の有効期間では、副走査カウンタ値<スキュー補正量の場合は、規定値を出力し、副走査カウンタ値≧スキュー補正量の場合は、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、(副走査カウンタ値−スキュー補正量)を、ローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力する。スキュー補正量を減算するのは、副走査方向のマイナス方向へシフトさせるためである。
【0131】
スキューVV信号の有効期間では、スキュー量副走査カウンタ値≧スキュー補正量の場合は規定値を出力し、スキュー量副走査カウンタ値<スキュー補正量の場合は、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、(副走査カウンタ値−スキュー補正値)を、ローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力すればよい。
【0132】
このように、読み出し画素をスキュー補正量だけシフト(マイナス副走査方向にシフト)させた画素位置が、書き込み処理で元画像の書き込まれていない画素位置の場合に予め定めた画像データを出力するので、プリントヘッド18に対して不定データが出力されなくなり、スキュー補正量と実際のスキュー量がずれた場合でも、不定データに印字されることはない。また、書き込み処理では、元画像の先端・後端に余白を付加することは行わず、元画像をそのまま書き込むので、ドラム間遅延メモリ15への書き込み処理は、元画像と同一のライン数の書き込み動作で済む。従って、画像処理部14に対する各種パラメータの設定変更作業を行い得る時間(紙間時間)がスキュー補正のために侵食されることはなく、設定変更作業がスキュー補正のために間に合わなくなる、といったことが回避される。
【0133】
図16は、第2の実施の形態における第2マスクモードでのスキュー補正動作の流れを示している。書き込み処理では、元画像をシフトさせることなくそのままドラム間遅延メモリ15に書き込む。
【0134】
読み出し処理では、主走査方向は、ドラム間遅延メモリ15に書き込まれた元画像に対応した範囲を持ち、副走査方向はドラム間遅延メモリ15に書き込まれている元画像をその後端側へ最大スキュー補正量だけ拡張させた範囲を持つ矩形領域Rb(図中、太破線で示す)内の各画素を読み出す。
【0135】
この読み出し動作において、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向(マイナス方向)にシフトさせた位置に元画像が書き込まれていない場合は、書き込まれた元画像のうち、前述のシフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを読み出し画素の画像データとして出力する。一方、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向(マイナス方向)にシフトさせた位置に元画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを該読み出し画素の画像データとして出力する。
【0136】
ドラム間遅延メモリ制御部16は、ドラム間遅延メモリ15の主走査方向1ライン分の読み出し動作を行うとき、読み出し画素位置をスキュー補正量だけシフトさせるので、図中の階段状破線53が示すように読み出し位置は変化する。
【0137】
より具体的には、リードVV信号の有効期間では、副走査カウンタ値<スキュー補正量の場合は、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、副走査カウンタの初期値(先端に該当する)をローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力する。副走査カウンタ値≧スキュー補正量の場合は、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、(副走査カウンタ値−スキュー補正値)を、ローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力する。
【0138】
スキューVV信号の有効期間では、スキュー量副走査カウンタ値≧スキュー補正量の場合は主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、リードVV最終副走査カウンタ値(後端に該当)をローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力する。スキュー量副走査カウンタ値<スキュー補正量の場合は、主走査カウンタ値をドラム間遅延メモリ15のカラムアドレスに与え、(副走査カウンタ値−スキュー補正値)を、ローアドレスに与えてドラム間遅延メモリ15から読み出した画像データを出力すればよい。
【0139】
これにより、スキュー補正量と実際のスキュー量がずれた場合でも、不定データが印字されることはなく、元画像の端部と同じ画像データが印字されるため、ズレによって元画像の外側が印字されてもその部分が目立つことはない。
【0140】
また、書き込み処理では、元画像の先端・後端に余白を付加することは行わず、元画像をそのまま書き込むので、ドラム間遅延メモリ15への書き込み処理は、元画像と同一のライン数の書き込み動作で済む。従って、画像処理部14に対する各種パラメータの設定変更作業を行い得る時間(紙間時間)がスキュー補正のために侵食されることはなく、設定変更作業がスキュー補正のために間に合わなくなる、といったことが回避される。
【0141】
第1マスクモードと第2マスクモードの切り替えや、第1マスクモードでの規定値をどの値にするかについては、第1の実施の形態と同様である。
【0142】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0143】
実施の形態では、プリントヘッドとしてLEDアレイを使用する場合を例示したが、レーザ光をポリゴンミラーで走査させる方式でもよい。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェットなど他の方式の画像形成装置にも本発明は適用することができる。
【0144】
また、実施の形態で示した回路は一例であり、同一機能を実現できれば他の回路構成であってもかまわない。
【0145】
実施の形態では、ドラム間遅延メモリ15をスキュー補正に使用する例を示したが、別途用意された画像メモリへの書き込みおよび読み出しによってスキュー補正を行ってもよい。たとえば、ページメモリ上でスキュー補正してもよい。ドラム間遅延メモリ15を使用せずに別途の画像メモリを使用する場合には、スキュー補正のための書き込み動作や読み出し動作は、主走査方向1ライン分の動作を副走査方向の位置を順次移動させながら繰り返し行う、という手順で行う必要はなく、各画素を任意の順序で処理してもよい。
【符号の説明】
【0146】
10…画像形成装置
11…制御部
12…入力部
13…ページメモリ部
14…画像処理部
15…ドラム間遅延メモリ(DDRメモリ)
16…ドラム間遅延メモリ制御部
17…スキュー補正部
18…プリントヘッド
19…書き込み制御部
20…画像形成部
21…中間転写ベルト
22…感光体ドラム
50…元画像
52…シフトされた書き込み位置
53…シフトさせた読み出し位置
60…スキュー書き込み回路
61…主走査アドレスカウンタ
62…副走査アドレスカウンタ
63…スキュー補正量設定レジスタ
64…加算器
70…スキュー読み出し回路
71…主走査アドレスカウンタ
72…副走査アドレスカウンタ
73…スキュー補正量設定レジスタ
74…比較器
75…セレクタ
80…スキュー読み出し回路
81…主走査アドレスカウンタ
82…スキュー量副走査アドレスカウンタ
83…スキュー補正量設定レジスタ
84…比較器
85…セレクタ
86…リードVV最終副走査アドレス保持レジスタ
87…加算器
90…スキュー読み出し回路
91…主走査アドレスカウンタ
92…副走査アドレスカウンタ
93…スキュー補正量設定レジスタ
94…比較器
95…セレクタ
100…スキュー読み出し回路
101…主走査アドレスカウンタ
102…スキュー量副走査アドレスカウンタ
103…スキュー補正量設定レジスタ
104…比較器
105…セレクタ
106…リードVV最終副走査アドレス保持レジスタ
107…加算器
G…二次転写位置
Ra…矩形領域
Rb…矩形領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記読み出し画素の画素位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、第1モードと第2モードを有し、
第1モードが設定された時の前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、
第2モードが設定された時の前記読み出す処理では、前記矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記読み出し画素の画素位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の各画素の画像データを、その画素の前記出力対象画像上の副走査方向の位置に対してその画素の前記出力対象画像上の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に書き込み、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域にシフトして書き込まれた出力対象画像の存在する範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれていない画素位置の場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置が前記出力対象画像の書き込まれている画素位置の場合は、その画素位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記シフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、第1モードと第2モードを有し、
第1モードが設定された時の前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、
第2モードが設定された時の前記読み出す処理では、前記矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、前記画像記憶領域上に書き込まれている出力対象画像のうち前記シフトさせた位置と主走査方向の位置が同一であって副走査方向に最も近い画素の画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
主走査方向1ライン分の画像形成動作を、副走査方向に画像形成位置を移動させながら繰り返すことで二次元画像を出力する画像形成部と、
出力対象画像を、前記画像形成部で生じるスキューが相殺される補正画像に変換するスキュー補正部と、
を備え、
前記スキュー補正部は、
主走査方向とこれに直交する副走査方向とに画素を配列して記憶する画像記憶領域に出力対象画像を書き込む処理と、前記画像記憶領域から画像データを読み出す処理とにより、前記出力対象画像を前記補正画像に変換し、
前記読み出す処理では、主走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれた出力対象画像に対応した範囲を持ち、副走査方向は前記画像記憶領域に書き込まれている出力対象画像より最大スキュー補正量だけ拡張された範囲を持つ矩形領域内の各画素を読み出すと共に、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれていない場合は、予め設定された画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力し、読み出し画素の画素位置を該読み出し画素の主走査方向の位置に応じたスキュー補正量だけ副走査方向にシフトさせた位置に前記出力対象画像が書き込まれている場合は、そのシフトさせた位置から読み出した画像データを前記読み出し画素の画像データとして出力する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記書き込む処理では、前記出力対象画像の主走査方向1ライン分の画素の書き込み動作を、前記出力対象画像の副走査方向の一端から他端まで順次行い、
前記読み出す処理では、前記矩形領域の主走査方向1ライン分の画像データを出力する動作を、前記矩形領域の副主走査方向の一端から他端まで順次行う
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部に画像形成しない領域を設ける設定で行われるときは前記スキュー補正部に対して前記第1モードを設定し、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部まで画像形成する設定で行われるときは前記スキュー補正部に対して前記第2モードを設定する設定部を有する
ことを特徴とする請求項2または5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記出力対象画像の印字率が所定値以上の場合は前記スキュー補正部に対して前記第2モードを設定し、前記印字率が所定値未満の場合は前記スキュー補正部に対して前記第1モードを設定する設定部を有する
ことを特徴とする請求項2または5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印字率は、前記出力対象画像のうち副走査方向の端部所定範囲における印字率である
ことを特徴とする請求項2または5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記予め設定された画像データとして、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部に画像形成しない領域を設ける設定で行われるときは第1の画素値を使用し、前記画像形成部での画像形成動作が記録紙の端部まで画像形成する設定で行われるときは第2の画素値を使用する
ことを特徴とする請求項3または6に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像記憶領域は、タンデム方式の画像出力装置が有する、ドラム間遅延メモリである
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図4】
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【図10】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−171126(P2012−171126A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33158(P2011−33158)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】