説明

画像形成装置

【課題】装置構成の簡易化、装置本体の小型化に有利な構成で、中間転写体上のトナーを像担持体に逆転写して回収することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、複数の1次転写手段に対して電圧を出力する電圧出力手段50が、複数の画像形成部Sa〜Sdのうち少なくとも1つの画像形成部Saの1次転写手段5aに対して第1の極性の電圧を出力する第1の電圧出力部51と、複数の画像形成部Sa〜Sdのうち上記少なくとも1つの画像形成部Saとは異なる少なくとも2つの画像形成部Sb〜Sdの1次転写手段5b〜5dに対して第1の極性の電圧を出力する第2の電圧出力部52と、第1の電圧出力部51と第2の電圧出力部52との両方に対して直列に接続され第1の極性とは逆極性である第2の極性の電圧を出力する第3の電圧出力部53と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式を用いて像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に1次転写した後に転写材に2次転写する中間転写方式を採用した、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やレーザービームプリンタなどの画像形成装置として、中間転写体を使用する画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、1次転写工程と2次転写工程とにより、転写材上にカラー画像(多重画像)等を形成するものである。
【0003】
即ち、先ず、1次転写工程として、第1の像担持体としての感光体の表面に形成された可転写画像としてのトナー像を、第2の像担持体としての中間転写体に転写する。この1次転写工程を、複数色のトナー像に関して繰り返し実行することにより、中間転写体の表面に複数色のトナー像を形成する。
【0004】
その後、2次転写工程として、これらの中間転写体の表面に形成された複数色のトナー像を、紙などの転写材の表面に一括して転写する。
【0005】
転写材に一括して転写された複数色のトナー像は、その後、定着手段により溶融混合されると共に転写材に定着され、これにより、転写材に記録画像としての例えばフルカラー画像が形成される。
【0006】
一方、2次転写工程後に中間転写体上に残留したトナー(残トナー)を回収する方法として、該残トナーを帯電手段により正規の帯電極性とは逆極性に帯電し、1次転写工程において感光体に逆転写して回収する方法が知られている。
【0007】
特許文献1では、中間転写体上の残トナーの除去を行うための次のような方式が提案されている。具体的には、特許文献1に記載の画像形成装置は、本願の図4に示すような構成を有する。即ち、特許文献1に記載の画像形成装置は、各々が画像形成部Sa〜Sdを構成する複数のプロセスカートリッジ214a〜214dを有する。各プロセスカートリッジ214a〜214dは、トナー像を担持する感光ドラム201a〜201dと、残トナーを除去するクリーニング装置271a〜271dと、残トナーを回収する廃トナー容器272a〜272dと、を有する。そして、中間転写体206に最初に転写する第1の色用のプロセスカートリッジ214aと最も使用頻度の高いブラック色用のプロセスカートリッジ214dの廃トナー容器272a、272dの容量を、他の廃トナー容器272b、272cの容量より大きくする。
【0008】
上述の構成により、特許文献1に記載の画像形成装置では、使用頻度の低い色のカートリッジの交換頻度を低減し、無駄なカートリッジ交換を低減することで、単色使用時においても無駄なカートリッジ交換を抑制して、コストを低減することが可能となる。
【0009】
一方、特許文献2では、画像データに基づいて転写ベルト上の残トナーを回収すべき感光体をCPUにより選択する方式が提案されている。具体的には、特許文献2に記載の画像形成装置では、画像データから得られた使用トナー量の積算値が一定量を超えた場合には、そのプロセスカートリッジでは、転写ベルト上の残トナーを回収しないようにする。
【0010】
上述の構成により、特許文献2に記載の画像形成装置では、特定のプロセスカートリッジ内の廃トナータンクに残トナーが偏って回収されるのを防ぎ、複数の廃トナータンクを有効に利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−021134号公報
【特許文献2】特開2001−175047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の従来の画像形成装置では、装置全体の小型化が困難であったり、色ズレが悪化したりする問題があった。
【0013】
更に説明すると、特許文献1の方式によると、特定のプロセスカートリッジに残トナーを回収することから、個々のプロセスカートリッジの大きさが異なることとなる。
【0014】
ここで、従来、複数の画像形成部が並置された、所謂、インライン方式のカラー画像形成装置においては、各色の色ズレを低減させる方法として、駆動ローラの周長と、各プロセスカートリッジ間(1次転写間)ピッチとを略整数倍にすることが一般的である。これは、各色の画像書き出し位置と、駆動ローラのあるポイントを一致させることで、駆動ローラの振れによるベルト周速の変動をキャンセルさせる目的で行われている。
【0015】
特許文献1に記載の方式では、個々のプロセスカートリッジの大きさが異なるために、上述のような色ズレを低減させる構成を採用することが困難であるため、色ズレが悪化しやすい。又、特定のプロセスカートリッジに残トナーを回収する場合、プロセスカートリッジが不必要に大きくなり、装置全体が大きくなりやすい。
【0016】
更に、特許文献2の方式によれば、高圧電源数が多く、装置本体が複雑になり、装置全体が大きくなる。
【0017】
従って、本発明の目的は、装置構成の簡易化、装置本体の小型化に有利な構成で、中間転写体上のトナーを像担持体に逆転写して回収することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体上のトナー像が1次転写される移動可能な中間転写体と、前記複数の像担持体の各々に対応して設けられ該複数の像担持体上のトナー像を前記中間転写体上にそれぞれ1次転写させる複数の1次転写手段と、前記複数の1次転写手段に対して電圧を出力する電圧出力手段と、前記中間転写体上のトナー像を転写材に2次転写させる2次転写手段と、を有し、各々が前記像担持体と前記1次転写手段とを備える複数の画像形成部が前記中間転写体の移動方向に沿って配置され、前記電圧出力手段から出力されて前記1次転写手段に印加される電圧により、前記1次転写と、前記中間転写体上のトナーの前記像担持体への逆転写と、が行われる画像形成装置において、前記電圧出力手段は、前記複数の画像形成部のうち少なくとも1つの画像形成部の前記1次転写手段に対して第1の極性の電圧を出力する第1の電圧出力部と、前記複数の画像形成部のうち前記少なくとも1つの画像形成部とは異なる少なくとも2つの画像形成部の前記1次転写手段に対して前記第1の極性の電圧を出力する第2の電圧出力部と、前記第1の電圧出力部と前記第2の電圧出力部との両方に対して直列に接続され前記第1の極性とは逆極性である第2の極性の電圧を出力する第3の電圧出力部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置構成の簡易化、装置本体の小型化に有利な構成で、中間転写体上のトナーを像担持体に逆転写して回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施例の要部概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の他の実施例の要部概略構成図である。
【図4】従来の画像形成装置の一例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
実施例1
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体構成の概略図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタである。又、本実施例の画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分に分解された画像情報に従って形成した各色のトナー像を、中間転写体上に1次転写して一旦重ねた後に転写材に2次転写する、中間転写方式を採用している。先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作を説明する。
【0023】
[全体構成]
画像形成装置100は、複数の画像形成部としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成するための4個の画像形成部(ステーション)、即ち、第1、第2、第3及び第4ステーションSa、Sb、Sc、Sdを有する。本実施例では、各ステーションSa〜Sdの構成及び動作は、それぞれが形成するトナー像の色及び詳しくは後述する1次転写手段への給電態様などを除いて実質的に共通である部分が多い。従って、以下の説明において、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを示すために符号に与えた添え字a、b、c、dは省略して総括的に説明する。
【0024】
ステーションSは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動手段(図示せず)によって図示矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。ステーションSは、感光ドラム1の周囲に、1次帯電手段としての帯電ローラ(1次帯電器)2、露光手段としての露光装置(レーザースキャナ)3、現像手段としての現像装置4を有する。更に、ステーションSは、感光ドラム1の周囲に、1次転写手段としての1次転写ローラ5、クリーニング手段としてのクリーニング装置7を有する。クリーニング装置7は、クリーニング部材として感光ドラム1の表面のトナーを掻き取って除去するクリーニングブレード71と、クリーニングブレード71によって除去されたトナーを回収する廃トナー容器72と、を有する。
【0025】
感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2により一様に帯電される。次いで、露光装置3により画像情報に従ったレーザ光Lが感光ドラム1の表面に照射され、感光ドラム1上に画像情報に従った静電像(潜像)が形成される。更に感光ドラム1が図示矢印方向に進むと、画像情報に従って感光ドラム1上に形成された静電像が、現像装置4によってトナー像として現像され可視化される。
【0026】
本実施例では、現像装置4は、反転現像方式により静電像を現像する。即ち、現像装置4は、感光ドラム1の帯電極性と同極性である正規の極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、帯電処理された後に露光によって電荷が減衰した感光ドラム1上の部分(明部)に付着させて、感光ドラム1上にトナー像を形成する。現像装置4は、これに限定されるものではないが、現像剤として、例えば、非磁性1成分現像剤、即ち、トナーを好適に用いることができる。
【0027】
感光ドラム1の回転方向において現像位置より下流側において各ステーションSの感光ドラム1に対向するように、中間転写体としての中間転写ベルト6が配置されている。本実施例では、中間転写ベルト6は、複数の支持部材としての支持ローラである駆動ローラ61、2次転写対向ローラ62及びテンションローラ63に張架された、円筒状、即ち、無端ベルト状のフィルムである。中間転写ベルト6は、感光ドラム1と略同じ周速(表面移動速度)で図示矢印方向(時計回り)に移動(回転)する。
【0028】
中間転写ベルト6を挟んで感光ドラム1と対向する位置に、1次転写手段としての1次転写ローラ5が配置されている。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6の内周面側において中間転写ベルト6を感光ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト6と感光ドラム1とが接触する1次転写部(1次転写ニップ部)N1を形成する。そして、後述する1次転写電圧出力手段50から出力されて1次転写ローラ5に印加される1次転写バイアスによって、感光ドラム1上に担持されたトナー像が、感光ドラム1及び中間転写ベルト6の回転に伴って、中間転写ベルト6の外周面に1次転写される。1次転写バイアスによって、1次転写部N1には、正規の帯電極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを感光ドラム1から中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0029】
1次転写工程において、中間転写ベルト6に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(残トナー)は、クリーニング装置7によって除去、回収される。
【0030】
以上のような帯電、露光、現像、1次転写の各工程を、第1〜第4ステーションSa〜Sdにおいてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッックの各色について行う。これによって、中間転写ベルト6上に複数色のトナー像(例えば、フルカラー画像の場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッックの4色のトナー像)が重ねて形成される。
【0031】
中間転写ベルト6を挟んで2次転写対向ローラ62と対向する位置には、2次転写手段としての2次転写ローラ8が配置されている。中間転写ベルト6と2次転写ローラ8とが当接する2次転写部(2次転写ニップ部)N2に、所定のタイミングにて転写材Pが供給される。同時に、2次転写ローラ8に、2次転写電圧出力手段80から出力された2次転写バイアスが印加される。これにより、中間転写ベルト6から転写材Pへトナー像が2次転写される。2次転写バイアスによって、2次転写部N1には、正規の帯電極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを中間転写ベルト6から転写材Pへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0032】
転写材Pは、転写材収容部としてのカセット12などから、転写材供給手段としての供給ローラ11、レジストローラ10などによって、2次転写部N2に所定のタイミングにて供給される。
【0033】
2次転写工程において、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト6上に残留したトナー(残トナー)は、詳しくは後述するように、ステーションSの感光ドラム1に逆転写された後、そのステーションSのクリーニング装置7によって除去、回収される。典型的には、中間転写ベルト6上の残トナーは、中間転写体クリーニング手段(トナー帯電手段)としてのクリーニングローラ9により電荷が付与され、次回の1次転写時に感光ドラム1に逆転写される。この時感光ドラム1に付着した残トナーは、クリーニング手段(感光体クリーニング手段)としてのクリーニング装置7によって除去、回収される。
【0034】
本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置7と、は一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ14を構成している。プロセスカートリッジ14は、画像形成装置本体(装置本体)から着脱可能となっている。従って、プロセスカートリッジ14を交換することによって、残トナーなどが回収された廃トナー容器72も一緒に交換することができる。尚、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも1つと、を一体的にカートリッジ化して画像形成装置の本体に対して着脱可能としたものである。
【0035】
本実施例では、プロセスカートリッジ14a〜14dは、中間転写ベルト6の移動方向において上流から順に、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを内包している。
【0036】
[中間転写ベルトのクリーニング]
次に、図2をも参照して、中間転写ベルト6のクリーニング方法について詳細に説明する。図2は、本実施例の画像形成装置100における1次転写電圧出力手段をより詳しく示す要部概略構成図である。
【0037】
A.1次転写ローラ
1次転写手段としての1次転写部材(回転部材)である1次転写ローラ5としては、体積抵抗率が105〜109Ωcm、ゴム硬度が30°(アスカーC硬度計)の弾性ローラを用いた。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を介して感光ドラム1に対し、総圧約9.8Nで押圧される。又、1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6の回転に伴い、従動して回転する。1次転写ローラ5には、1次転写電圧出力手段としての1次転写電圧出力装置50から出力された、−2.0〜3.5kVの電圧の印加が可能な構成となっている。
【0038】
ここで、本実施例では、図2に示すように、1次転写電圧出力装置50は、電圧出力部(高圧電源)の共通化が図られている。
【0039】
即ち、1次転写ローラ5に電圧を印加する1次転写電圧出力装置50は、正極性のバイアス電圧を発生する高圧電源と負極性のバイアス電圧を発生する高圧電源とが直列に配置される。そして、正極性のバイアス電圧を発生する高圧電源と負極性のバイアス電圧を発生する高圧電源とは、それぞれ画像形成部の数より少ない。
【0040】
更に説明すると、本実施例では、先ず、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を出力(発生)する第1の電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)51を有する。第1の電圧出力部51は、第1ステーションSaの独立の電圧出力部である。
【0041】
又、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を出力(発生)する第2の電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)52を有する。第2の電圧出力部52は、第2、第3及び第4ステーションSb、Sc、Sdで共通化されている。第2、第3及び第4ステーションSb、Sc、Sdでは、1次転写の際、複数色を重ねる場合があり、通常、第1ステーションSaとは異なる設定が必要であるため、正極性の電圧出力部は第1ステーションSaと分けている。
【0042】
更に、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性(第2の極性)の電圧を出力(発生)する第3の電圧出力部(負バイアス発生高圧電源)53を有する。第3の電圧出力部53は、第1〜第4ステーションSa〜Sdの全てで共通化されている。
【0043】
尚、上述の正極性のバイアス電圧を発生する高圧電源と負極性のバイアス電圧を発生する高圧電源とは直列に接続され、正極性のバイアス電圧と負極性のバイアス電圧とを重畳して1次転写ローラ5a〜5dに印加可能な構成となっている。即ち、第3の電圧出力部53は、第1の電圧出力部51と第2の電圧出力部52との両方に対して直列に接続されている。
【0044】
これにより、装置構成の簡易化、装置本体の小型化を図ることができると共に、極力均一に各プロセスカートリッジ14の廃トナー容器72に残トナーを回収するべく、後述するような種々の残トナーの回収動作を実現することができる。そして、各プロセスカートリッジ14の大きさを異ならせる必要がないので、インライン方式の画像形成装置において一般的な、前述の如き色ズレを低減するための構成を容易に採用して、良好な画質を維持することができる。
【0045】
B.中間転写ベルト
中間転写体としての中間転写ベルト6としては、厚さ100μmで、導電剤を混合することにより体積抵抗率を1011Ωcmに調整した、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)で形成された無端ベルト状のフィルムを用いた。又、中間転写ベルト6は、駆動ローラ61、2次転写対向ローラ62及びテンションローラ63の3軸に張架され、テンションローラ63により総圧約60Nの張力で付勢されている。
【0046】
C.2次転写ローラ
2次転写手段としての2次転写部材(回転部材)である2次転写ローラ8としては、体積抵抗率が105〜109Ωcm、ゴム硬度が30°(アスカーC硬度計)の弾性ローラを用いた。2次転写ローラ8は、中間転写ベルト6を介して2次転写対向ローラ62に対し、総圧約39.2Nで押圧される。又、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト6の回転に伴い、従動して回転する。2次転写ローラ8は、2次転写電圧出力手段としての2次転写電圧出力装置(正バイアス発生高圧電源)80から出力された、−2.0〜4.0kVの電圧の印加が可能な構成となっている。更に説明すると、本実施例では、2次転写電圧出力装置80は、直流電圧を出力(発生)する直流電圧出力部として、正極性電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)81及び負極性電圧出力部(負バイアス発生高圧電源)82を有する。正極性電圧出力部81は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を発生する。負極性電圧出力部82は、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性(第2の極性)の電圧を発生する。又、2次転写電圧出力装置80は、直流電圧出力部から出力する直流電圧の極性を切り替える切り替え手段83を有する。
【0047】
D.クリーニングローラ
トナー帯電手段としてのトナー帯電部材(回転部材)であるクリーニングローラ9としては、体積抵抗率が105〜109Ωcmの弾性ローラを用いた。クリーニングローラ9は、中間転写ベルト6を介して駆動ローラ61に対し加圧されると共に、中間転写ベルト6の回転に伴い、従動して回転する。又、クリーニングローラ9には、トナー帯電電圧出力手段としてのトナー帯電電圧出力装置90から出力された、交流電圧と直流電圧とが重畳された電圧、又は、直流電圧の印加が可能な構成となっている。本実施例では、トナー帯電電圧出力装置90は、周波数1000Hz、ピーク間電圧2000Vの交流電圧(本実施例では矩形波)と−2.0〜+2.0kVの直流電圧との印加が可能な構成となっている。更に説明すると、本実施例では、トナー帯電電圧出力装置90は、直流電圧を出力(発生)する直流電圧出力部として、正極性電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)91及び負極性電圧出力部(負バイアス発生高圧電源)92を有する。正極性電圧出力部91は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を発生する。負極性電圧出力部92は、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性(第2の極性)の電圧を発生する。又、トナー帯電電圧出力装置90は、直流電圧出力部から出力する直流電圧の極性を切り替える切り替え手段93を有する。更に、トナー帯電電圧出力装置90は、交流電圧を出力する交流電圧出力部(交流バイアス発生高圧電源)94を有する。
【0048】
E.中間転写ベルトのクリーニング動作
最適な中間転写ベルト6のクリーニング動作は、中間転写ベルト6上のトナーの極性及び量に大きく依存しており、画像形成(プリント)中の様々な状況において、特殊な方法を用いることができる。本実施例では、中間転写ベルト6のクリーニング動作は、以下の4種類に大別される。
【0049】
(1−1)通常画像形成時のクリーニング
通常画像形成時は、クリーニングローラ9に、トナー帯電電圧出力装置90から、周波数1000Hz、ピーク間電圧2000Vの矩形波と1.3kVの直流電圧との重畳電圧を印加する。これにより、2次転写されずに中間転写ベルト6上に残留した残トナーには、正極性の電荷が付与される。又、通常画像形成時には、1次転写ローラ5には正極性のバイアス電圧が印加される。従って、クリーニングローラ9により正極性に帯電された中間転写ベルト6上の残トナーは、次回の1次転写時に感光ドラム1に逆転写される。
【0050】
(1−2)クリーニングローラからの吐き出しトナークリーニング
2次転写工程前の中間転写ベルト6上のトナーは、通常、トナーの正規の帯電極性である負極性に帯電している。しかし、2次転写工程にて正極性のバイアス電圧が印加されるため、この正極性のバイアス電圧の影響を受けて、2次転写工程後の中間転写ベルト6上には正、負の両極性のトナーが存在する。又、クリーニングローラ9には正極性のバイアス電圧が印加されることから、負極性の残トナーは、クリーニングローラ9に付着し易い。このため、非画像形成時の所定のタイミングとして、1回のプリントジョブ(一の画像形成開始指示による単一又は複数の転写材への一連の画像形成動作)が終了した時点で、クリーニングローラ9に付着した残トナーを中間転写ベルト6に吐き出す動作を行う。
【0051】
具体的には、非画像形成時の所定タイミングとして、1回のプリントジョブにおける画像形成動作が終了した後の整理動作である後回転動作時に、クリーニングローラ9にトナー帯電電圧出力装置90から−1.5kVの電圧を印加する。これにより、負極性トナーをクリーニングローラ9から中間転写ベルト6上に吐き出す。中間転写ベルト6上に吐き出された残トナーは、1次転写ローラ5に画像形成時とは逆極性(即ち、トナーの正規の帯電極性と同極性)である負極性のバイアス電圧を印加することで、感光ドラム1に逆転写して回収することが可能となる。
【0052】
(1−3)ジャム(紙詰まり)時のクリーニング
ジャム時には、中間転写ベルト6上には、2次転写工程を経ずに残った未転写トナーが残留している場合が多い。又、このトナーは、通常、2次転写工程を経て中間転写ベルト6上に残った残トナーの量に比べると非常に多い。このため、ジャム時のクリーニングでは、中間転写ベルト6を複数回周回させて中間転写ベルト6のクリーニングを行う。
【0053】
具体的には、本実施例では、ジャム処理後に画像形成可能状態となるまでの非画像形成時に、中間転写ベルト6を3回周回させて中間転写ベルト6上のトナーをクリーニングする。
【0054】
1周目は、クリーニングローラ9、2次転写ローラ8に負極性のバイアス電圧を印加して、中間転写ベルト6上のトナーは、2次転写ローラ8、クリーニングローラ9を通過させる。その後、このトナーが画像形成部(ステーション)に来た時に、1次転写ローラ5に負極性のバイアス電圧を印加することで、静電的に感光ドラム1へ回収する。
【0055】
2周目は、クリーニングローラ9に正極性のバイアス電圧を印加することで、中間転写ベルト6上のトナーを正極性に帯電させ、その後1次転写ローラ5に正極性のバイアス電圧を印加することで、感光ドラム1へ逆転写させて回収する。
【0056】
3周目は、上記(1−2)の動作と同様にして、クリーニングローラ9に付着したトナーの吐き出し工程を行う。
【0057】
(1−4)定期クリーニング
連続画像形成時、画像形成枚数が増加していくと、クリーニングローラ9に付着したトナーの影響で、中間転写ベルト6上の残トナーの帯電不良が発生し、次第に中間転写ベルト6上にクリーニングされずに残った残トナーが増加してくる。本実施例では、非画像形成時の所定タイミングとして、所定枚数連続して画像形成が行われた場合(本実施例では連続50枚の画像形成が行われた場合)に、強制的にクリーニングを行う。尚、定期クリーニングの動作は、上記(1−3)の動作と同様である。
【0058】
F.具体例
本実施例では、上述の4種類の中間転写ベルト6のクリーニング動作を、4つのプロセスカートリッジ14a〜14dで極力均等にトナーを回収させるべく、次により具体的に示すような設定で実行した。そして、通常環境でその効果を確認した。
【0059】
(1−1)通常画像形成(フルカラー)時のクリーニング
通常画像形成時は、中間転写ベルト6上の残トナーは第1ステーションSaで全て回収する。これは、1次転写と同時に逆転写による残トナーの回収を行う方式を採用していることから、第1ステーションSaで残トナーを回収することが好ましいためである。
【0060】
この時の1次転写電圧出力装置50が各ステーションSの1次転写ローラ5に対して出力するバイアス電圧の設定と各ステーションSでの動作状況は、下記表1の通りである。
【0061】
尚、表1中の「正バイアス」の欄は、第1ステーションSaについては第1の電圧出力部51が出力する正極性のバイアス電圧の設定値を示し、第2〜第4ステーションSb〜Sdについては第2の電圧出力部52が出力する正極性のバイアス電圧の設定値を示す。又、表1中の「負バイアス」の欄は、第3の電圧出力部53が出力する負極性のバイアス電圧の設定値を示す。そして、表1中の「1次転写出力」の欄は、上記各設定の正極性のバイアス電圧と負極性のバイアス電圧とが重畳されて1次転写電圧出力装置50から出力されることで各ステーションSの1次転写ローラ5に印加されるバイアス電圧の設定値を示す。下記表2〜表4についても同様である。又、本実施例では、感光ドラム1は、いずれの場合も通常画像形成時と同様の電位(本実施例では負極性)に帯電されているものとする。
【0062】
【表1】

【0063】
この場合、第1〜第4ステーションSa〜Sdの1次転写部N1a〜N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1a〜1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0064】
上記設定で、第1ステーションSaのみでの中間転写ベルト6上の残トナーの回収が可能であることが確認できた。
【0065】
(1−2)クリーニングローラからの吐き出しトナークリーニング
クリーニングローラ9から吐き出されたトナーは、第1ステーションSaを通過させ、第2、第3及び第4ステーションSb〜Sdでほぼ均等に回収する。
【0066】
この時の1次転写電圧出力装置50が各ステーションSの1次転写ローラ5に対して出力するバイアス電圧の設定と各ステーションSでの動作状況は、下記表2の通りである。
【0067】
【表2】

【0068】
この場合、第1ステーションSaの1次転写部N1aでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1aから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2〜第4ステーションSb〜Sdの1次転写部N1b〜N1dでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b〜1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0069】
上記設定で、クリーニングローラ9から吐き出されたトナーを、第1ステーションSaを通過させ、第2、第3及び第4ステーションSb〜Sdでほぼ均等に回収させることが可能であることが確認できた。
【0070】
(1−3)ジャム(紙詰まり)時のクリーニング
この場合も、中間転写ベルト6上のトナーは、第1ステーションSaを通過させ、第2、第3及び第4ステーションSb〜Sdでほぼ均等に回収する。尚、中間転写ベルト6の周回数により、個別制御とし、以下の設定で回収を行う。
【0071】
〔1周目〕
中間転写ベルト6上の負極性のトナーを回収する。
【0072】
【表3】

【0073】
この場合、第1ステーションSaの1次転写部N1aでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1aから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2〜第4ステーションSb〜Sdの1次転写部N1b〜N1dでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b〜1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0074】
〔2周目〕
中間転写ベルト6上のトナーをクリーニングローラ9により正極性に帯電させて回収する。
【0075】
【表4】

【0076】
この場合、第1ステーションSaの1次転写部N1aでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを感光ドラム1aから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2〜第4ステーションSb〜Sdの1次転写部N1b〜N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b〜1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0077】
〔3周目〕
クリーニングローラ9に付着したトナーを中間転写ベルト6上に吐き出し、上記(1−2)と同様の設定の動作を行う。
【0078】
上記設定で、ジャム時の中間転写ベルト6上のトナーを、第1ステーションSaを通過させ、第2、第3及び第4ステーションSb〜Sdでほぼ均等に回収させることが可能であることが確認できた。
【0079】
(1−4)定期クリーニング
上述の(1−3)と同様の設定で、中間転写ベルト6上のトナーを第2、第3及び第4ステーションSb〜Sdへ回収することができる。
【0080】
G.制御態様
本実施例では、画像形成装置100の動作は、装置本体に設けられた制御手段としてのコントローラ150(図2)が統括的に制御する。特に、本実施例に関連して、コントローラ150は、上述のようにして1次転写電圧出力装置50、2次転写電圧出力装置80及びトナー帯電電圧出力装置90の電圧出力の開始/停止、出力電圧値(その極性切り替えを含む)の制御を行う。コントローラ150は、コントローラ150に内蔵されるか又はコントローラ150に接続された記憶手段に記憶されたプログラムに従って制御を行う。
【0081】
上述のように、画像形成装置100は、トナー像を担持する複数の感光ドラム1と、複数の感光ドラム1上(像担持体上)のトナー像が1次転写される移動可能な中間転写ベルト6と、を有する。又、画像形成装置100は、複数の感光ドラム1の各々に対応して設けられ該複数の感光ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト6上にそれぞれ1次転写させる複数の1次転写ローラ5を有する。又、画像形成装置100は、複数の1次転写手段5に対して電圧を出力する1次転写電圧出力装置50を有する。更に、画像形成装置100は、中間転写ベルト6上のトナー像を転写材Pに2次転写させる2次転写ローラ8を有する。又、各々が感光ドラム1と1次転写ローラ5とを備える複数の画像形成部Sが中間転写ベルト6の移動方向に沿って配置されている。そして、画像形成装置100は、1次転写電圧出力装置50から出力されて1次転写ローラ5に印加される電圧により、1次転写と、中間転写ベルト6上のトナーの感光ドラム1への逆転写と、が行われるようになっている。
【0082】
ここで、1次転写電圧出力装置50は、複数の画像形成部Sのうち少なくとも1つの画像形成部Sの1次転写ローラ5に対して第1の極性の電圧を出力する第1の電圧出力部51を有する。又、1次転写電圧出力装置50は、複数の画像形成部Sのうち上記少なくとも1つの画像形成部Sとは異なる少なくとも2つの画像形成部Sの1次転写ローラ5に対して上記第1の極性の電圧を出力する第2の電圧出力部52を有する。更に、1次転写電圧出力装置50は、上記第1の電圧出力部51と上記第2の電圧出力部52との両方に対して直列に接続され上記第1の極性とは逆極性である第2の極性の電圧を出力する第3の電圧出力部53を有する。好ましくは、上記少なくとも1つの画像形成部Sは、中間転写ベルト6の移動方向において最上流に配置された画像形成部Sを含むように設定される。このような構成により、第1の極性の電圧出力部と、第2の極性の電圧出力部とは、それぞれ上記複数の画像形成部Sの数より少なくなる。本実施例では、特に、上記少なくとも1つの画像形成部Sは第1ステーションSaであり、上記少なくとも2つの画像形成部Sは第2〜第4ステーションSb〜Sdである。
【0083】
このような構成の本実施例の画像形成装置100によれば、装置構成の簡易化、装置本体の小型化を図ることができると共に、極力均一に各画像形成部の廃トナー容器に残トナーを回収するように制御を行うことができる。これにより、各画像形成部Sのプロセスカートリッジ14の大きさを異ならせる必要がないので、前述のような色ズレ低減のための構成を容易に採用することができる。
【0084】
つまり、典型的には、画像形成装置100は、残トナーを逆転写により回収する画像形成部Sが画像形成時とは異なるクリーニングモードを有する。一実施態様では、該クリーニングモードでは、上記少なくとも1つの画像形成部Sの1次転写ローラ5に印加される電圧の極性と、上記少なくとも2つの画像形成部Sの1次転写ローラ5に印加される電圧の極性とが逆極性とされる。特に、本実施例では、該クリーニングモードは、クリーニングローラ9から吐き出されたトナー、ジャム時の中間転写ベルト6上のトナーを、画像形成時に残トナーを回収する画像形成部Sとは異なる画像形成部Sに回収することを含む。
【0085】
又、一実施態様では、画像形成装置100は、中間転写ベルト6上のトナーを帯電させるクリーニングローラ9を有する。該クリーニングローラ9は、中間転写ベルト6の移動方向において2次転写ローラ8(2次転写部)よりも下流側且つ複数の画像形成部Sのうち最上流の画像形成部Sa(その1次転写部)よりも上流側において中間転写ベルト6上のトナーに電荷を付与する。又、画像形成装置100は、該クリーニングローラ9に対して電圧を出力するトナー帯電電圧出力装置90を有する。そして、トナー帯電電圧出力装置90は、画像形成時と上記クリーニングモード時とで異なる極性の電圧をクリーニングローラ9に対して出力して、上記クリーニングモード時に、クリーニングローラ9からトナーを中間転写ベルト6に吐き出させることができる。
【0086】
以上、本実施例によれば、各種の中間転写ベルト6のクリーニング動作において上述の制御を行うことで、中間転写ベルト6上のトナーを各プロセスカートリッジ14に極力均等に回収することが可能となった。本実施例によれば、少ない高圧電源数であるにも拘わらず、正極性の電源と負極性の電源とを直列に配置することで、斯かる効果を得ることができる。又、各プロセスカートリッジ14を同一構成としているため、色ズレの低減に有利な構成、即ち、中間転写ベルト6の駆動ローラ61の周長と、各プロセスカートリッジ間(1次転写間)ピッチとを略整数倍にする構成などを容易に採用することができる。
【0087】
即ち、本実施例によれば、中間転写ベルト6上の残留トナーを複数のプロセスカートリッジ14に対し、より少ない高圧電源数で極力均等に振り分けて回収させることができる。又、各プロセスカートリッジ14の構成を同一とし、プロセスカートリッジ14間のピッチを同一とすることができる。
【0088】
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1と同じである。従って、本実施例の画像形成装置及び画像形成方法について実施例1のものと共通する部分は同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0089】
本実施例では、画像形成装置100は、第1の画像形成モードとしての実施例1と同様の通常画像形成モード(フルカラー画像形成モード)に加えて、第2の画像形成モードとしての単色画像形成モード(モノカラー画像形成モード)を有する。特に、本実施例では、モノカラー画像形成モードでは、ブラック色のみの画像形成を行う。
【0090】
図3は、本実施例の画像形成装置100の要部概略構成図である。
【0091】
本実施例において、ブラックトナーを内包したプロセスカートリッジ(ブラック用ステーション)の配置は、好ましくは次のような事を考慮して設定する。先ず、ブラック用ステーションを中間転写ベルト6の移動方向において最上流の第1ステーションに配置すると、モノカラー画像形成モード時とフルカラー画像形成モード時とで逆転写により残トナーを回収するステーションが重複するため好ましくない。又、モノカラー画像形成モード時の1枚目の画像が出力されるまでの時間(ファーストプリントアウトスピード)を早めるためには、ブラック用ステーションは中間転写ベルト6の移動方向において最下流の第4ステーションに配置することが好ましい。これらのことに鑑みると、各プロセスカートリッジに極力均等に中間転写ベルト6上の残トナーを回収させる構成として、ブラック用ステーションは、本実施例のように、第4ステーションに配置することが好ましい。但し、モノカラー画像形成モード時に画像形成を行う特定の画像形成部は、中間転写ベルト6の移動方向において最上流に配置しなければ、各プロセスカートリッジに極力均等に中間転写ベルト6上の残トナーを回収する効果は得られる。
【0092】
A.1次転写ローラ
本実施例では、実施例1と同様に1次転写手段の構成としてローラ転写方式を採用している。1次転写ローラ5の構成は実施例1と同様である。但し、本実施例では、1次転写電圧出力装置50の構成は、実施例1とは異なる。
【0093】
本実施例では、先ず、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を出力する第1の電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)51を有する。第1の電圧出力部51は、実施例1と同様に、第1ステーションSaの独立の電圧出力部である。
【0094】
又、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を出力(発生)する第2の電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)52を有する。本実施例では、第2の電圧出力部52は、第2及び第3ステーションSb、Scで共通としている。
【0095】
又、1次転写電圧出力装置50は、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性(第2の極性)の電圧を出力(発生)する第3の電圧出力部(負バイアス発生高圧電源)53を有する。本実施例では、第3の電圧出力部53は、第1、第2及び第3ステーションSa、Sb、Scで共通としている。即ち、本実施例では、第3の電圧出力部53は、第1の電圧出力部51と第2の電圧出力部52との両方に対して直列に接続され、正極性のバイアス電圧と負極性のバイアス電圧とを重畳して1次転写ローラ5a〜5cに印加可能な構成となっている。
【0096】
そして、本実施例では、1次転写電圧出力装置50は更に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性(第1の極性)の電圧を出力する第4の電圧出力部(正バイアス発生高圧電源)54を有する。第4の電圧出力部54は、第4ステーションSdの独立の電圧出力部である。
【0097】
尚、本実施例では、第4ステーションSdは、モノカラー画像形成時においてのみ中間転写ベルト6上の残留トナーを回収するように限定することができる。従って、第4ステーションSdに対しては、負極性の電圧出力部は必要としない。この理由においても、ブラック用ステーションは、第4ステーションに配置することが好ましい。但し、所望により、モノカラー画像形成時に用いられる特定の画像形成部に対しても、負極性の電圧出力部を設けてよい。
【0098】
B.中間転写ベルトのクリーニング動作
実施例1にて説明した4種類の中間転写ベルト6のクリーニング動作に加え、本実施例では次の中間転写ベルト6のクリーニング動作が追加される。
【0099】
(2−5)モノカラー画像形成時のクリーニング
モノカラー画像形成時は、クリーニングローラ9に、トナー帯電電圧出力装置90から、周波数1000Hz、ピーク間電圧2000Vの矩形波と1.3kVの直流電圧との重畳電圧を印加する。これにより、2次転写されずに中間転写ベルト6上に残留した残トナーには、正極性の電荷が付与される。又、モノカラー画像形成時には、第4ステーションSdの1次転写ローラ5dには正極性のバイアス電圧が印加される。従って、クリーニングローラ9により正極性に帯電された中間転写ベルト6上の残トナーは、次回の第4ステーションSdの1次転写時に感光ドラム1dに逆転写される。
【0100】
C.具体例
本実施例では、上述の5種類の中間転写ベルト6のクリーニング動作を、4つのプロセスカートリッジ14a〜14dで極力均等にトナーを回収させるべく、次により具体的に示すような設定で実行した。そして、通常環境でその効果を確認した。
【0101】
(2−1)通常画像形成(フルカラー)時のクリーニング
通常画像形成時は、中間転写ベルト6上の残トナーは第1ステーションSaで全て回収する。これは、1次転写と同時に逆転写による残トナーの回収を行う方式を採用していることから、第1ステーションSaで残トナーを回収することが好ましいためである。
【0102】
この時の1次転写電圧出力装置50が各ステーションSの1次転写ローラ5に対して出力するバイアス電圧の設定と各ステーションSでの動作状況は、下記表5の通りである。
【0103】
尚、表5中の「正バイアス」の欄は、第1ステーションSaについては第1の電圧出力部51が出力する正極性のバイアス電圧の設定値を示す。又、「正バイアス」の欄は、第2及び第3ステーションSb、Scについては第2の電圧出力部52が出力する正極性のバイアス電圧の設定値を示す。又、「正バイアス」の欄は、第4ステーションSdについては第4の電圧出力部54が出力する正極性のバイアス電圧の設定値を示す。又、表5中の「負バイアス」の欄は、第3の電圧出力部53が出力する負極性のバイアス電圧の設定値を示す。そして、表5中の「1次転写出力」の欄は、第1〜第3ステーションSa〜Scについては、上記正極性のバイアス電圧と上記負極性のバイアス電圧とが重畳されて1次転写ローラ5a〜5cに印加されるバイアス電圧の設定値を示す。一方、「1次転写出力」の欄は、第4ステーションSdについては、負極性のバイアス電圧は重畳されないので、上記正極性のバイアス電圧の設定値を示す。下記表6〜表9についても同様である。又、本実施例では、感光ドラム1は、いずれの場合も通常画像形成時と同様の電位(本実施例では負極性)に帯電されているものとする。
【0104】
【表5】

【0105】
この場合、第1〜第4ステーションSa〜Sdの1次転写部N1a〜N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1a〜1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0106】
上記設定で、第1ステーションSaのみでの中間転写ベルト6上の残トナーの回収が可能であることが確認できた。
【0107】
(2−2)クリーニングローラからの吐き出しトナークリーニング
クリーニングローラ9から吐き出されたトナーは、第1及び第4ステーションSa、Sdを通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scでほぼ均等に回収する。
【0108】
この時の1次転写電圧出力装置50が各ステーションSの1次転写ローラ5に対して出力するバイアス電圧の設定と各ステーションSでの動作状況は、下記表6の通りである。
【0109】
【表6】

【0110】
この場合、第1及び第4ステーションSa、Sdの1次転写部N1a、N1dでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1a、1bから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2及び第3ステーションSb、Scの1次転写部N1b、N1cでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b、1cへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0111】
上記設定で、クリーニングローラ6から吐き出されたトナーを、第1及び第4ステーションSa、Sdを通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scでほぼ均等に全て回収させることが可能であることが確認できた。
【0112】
(2−3)ジャム(紙詰まり)時のクリーニング
この場合も、中間転写ベルト6上のトナーは、第1及び第4ステーションSa、Sdを通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scでほぼ均等に回収する。尚、中間転写ベルト6の周回数により以下の設定で回収を行う。
【0113】
〔1周目〕
中間転写ベルト6上の負極性のトナーを回収する。
【0114】
【表7】

【0115】
この場合、第1及び第4ステーションSa、Sdの1次転写部N1a、N1dでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1a、1dから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2及び第3ステーションSb、Scの1次転写部N1b、N1cでは、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b、1cへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0116】
上記設定で、ジャム時の中間転写ベルト6上のトナーを、第1ステーションSaは通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scで全て回収し、そして第4ステーションSdでのトナー回収は見られなかった。
【0117】
〔2周目〕
中間転写ベルト6上の残ったトナーをクリーニングローラ9により正極性に帯電させて回収する。
【0118】
【表8】

【0119】
この場合、第1及び第4ステーションSa、Sdの1次転写部N1a、N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを感光ドラム1a、1dから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第2及び第3ステーションSb、Scの1次転写部N1b〜N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1b、1cへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0120】
上記設定で、ジャム時の中間転写ベルト6上のトナーを、第1ステーションSaは通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scで全て回収し、そして第4ステーションSdでのトナー回収は見られなかった。
【0121】
〔3周目〕
クリーニングローラ9に付着したトナーを中間転写ベルト6上に吐き出し、上記(2−2)と同様の設定の動作を行う。
【0122】
上記設定で、ジャム時の中間転写ベルト6上のトナーを、第1及び第4ステーションSa、Sdを通過させ、第2及び第3ステーションSb、Scでほぼ均等に回収させることが可能であることが確認できた。
【0123】
(2−4)定期クリーニング
上述の(2−3)と同様の設定で、中間転写ベルト6上のトナーを第2及び第3ステーションSb、Scへ回収することができる。
【0124】
(2−5)モノカラー画像形成時のクリーニング
モノカラー画像形成時は、第1、第2及び第3ステーションSa、Sb、Scは、中間転写ベルト6上のトナーを通過させる電圧設定とする。そして、モノカラー画像形成時の中間転写ベルト6上のトナーは、第4ステーションSdで全て回収する。
【0125】
この時の1次転写電圧出力装置50が各ステーションSの1次転写ローラ5に対して出力するバイアス電圧の設定と各ステーションSでの動作状況は、下記表1の通りである。
【0126】
【表9】

【0127】
この場合、第1〜第3ステーションSa〜Sdの1次転写部N1a〜N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト6へ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。一方、第4ステーションSdの1次転写部N1dでは、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト6から感光ドラム1dへ向かわせる方向(極性)の電界が形成される。
【0128】
上述のように、本実施例では、1次転写電圧出力装置50は更に、複数の画像形成部Sのうち、特定の画像形成部Sに対して第1の極性の電圧を出力する第4の電圧出力部を有する。この特定の画像形成部Sは、第1の電圧出力部から出力された電圧が印加される上述の少なくとも1つの画像形成部S、及び第2の電圧出力部から出力された電圧が印加される上述の少なくとも2つの画像形成部S、とは異なる画像形成部Sである。
【0129】
典型的には、該特定の画像形成部Sは、中間転写ベルト6の移動方向において最上流に配置される画像形成部以外の画像形成部である。又、該特定の画像形成部Sは、好ましくは、中間転写ベルト6の移動方向において最下流に配置される画像形成部Sdである。
【0130】
そして、本実施例では、画像形成装置100は、上記少なくとも1つの画像形成部、上記少なくとも2つの画像形成部及び上記特定の画像形成部のうち全てを用いて画像形成可能な第1の画像形成モードを有する。又、本実施例では、画像形成装置100は、上記少なくとも1つの画像形成部、上記少なくとも2つの画像形成部及び上記特定の画像形成部のうち上記特定の画像形成部のみを用いて画像形成可能な第2の画像形成モードを有する。好ましくは、該第1の画像形成モードと該第2の画像形成モードとでは、中間転写ベルト6から感光ドラム1へのトナーの逆転写が行われる画像形成部Sが異なる。
【0131】
以上、本実施例によれば、各種の中間転写ベルト6のクリーニング動作において上述の制御を行うことで、中間転写ベルト6上のトナーを各プロセスカートリッジ14に極力均等にトナー回収することが可能となった。本実施例によれば、少ない高圧電源数であるにも拘わらず、正極性の電源と負極性の電源とを直列に配置することで、斯かる効果を得ることができる。又、各プロセスカートリッジ14を同一構成としているため、色ズレの低減に有利な構成、即ち、中間転写ベルト6の駆動ローラ61の周長と、各プロセスカートリッジ間(1次転写間)ピッチとを略整数倍にする構成などを容易に採用することができる。
【0132】
尚、本発明は、以上説明した実施例1、実施例2の態様に限定されるものではないことを理解されたい。
【0133】
例えば、複数の画像形成部の形成するトナー像の色の順番は、上述の各実施例とは異なっていてもよく、その色の順番の違いによっては、1次転写電圧出力手段の構成が異なっていてもよい。例えば、実施例2にて説明したモノカラー画像形成モードで画像を形成するステーションが、第4ステーションではなく、第2ステーション又は第3ステーションである場合を考える。この場合、それぞれ、実施例2にて説明した第2の電圧出力部は、第3及び第4ステーションに電圧を出力するか、又は第2及び第4ステーションに電圧を出力する共通の電圧出力部とすればよい。
【0134】
又、上記各実施例では、トナーの正規の帯電極性は負極性であるものとして説明したが、トナーの正規の帯電極性は正極性であってもよい。その場合、上記各実施例にて説明した各種の出力バイアスの設定は、概してその極性を逆極性とすればよい。
【符号の説明】
【0135】
1 感光ドラム
5 1次転写ローラ
8 2次転写ローラ
9 クリーニングローラ
50 1次転写電圧出力装置
80 2次転写電圧出力装置
90 トナー帯電電圧出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する複数の像担持体と、前記複数の像担持体上のトナー像が1次転写される移動可能な中間転写体と、前記複数の像担持体の各々に対応して設けられ該複数の像担持体上のトナー像を前記中間転写体上にそれぞれ1次転写させる複数の1次転写手段と、前記複数の1次転写手段に対して電圧を出力する電圧出力手段と、前記中間転写体上のトナー像を転写材に2次転写させる2次転写手段と、を有し、各々が前記像担持体と前記1次転写手段とを備える複数の画像形成部が前記中間転写体の移動方向に沿って配置され、前記電圧出力手段から出力されて前記1次転写手段に印加される電圧により、前記1次転写と、前記中間転写体上のトナーの前記像担持体への逆転写と、が行われる画像形成装置において、
前記電圧出力手段は、前記複数の画像形成部のうち少なくとも1つの画像形成部の前記1次転写手段に対して第1の極性の電圧を出力する第1の電圧出力部と、前記複数の画像形成部のうち前記少なくとも1つの画像形成部とは異なる少なくとも2つの画像形成部の前記1次転写手段に対して前記第1の極性の電圧を出力する第2の電圧出力部と、前記第1の電圧出力部と前記第2の電圧出力部との両方に対して直列に接続され前記第1の極性とは逆極性である第2の極性の電圧を出力する第3の電圧出力部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの画像形成部は、前記中間転写体の移動方向において最上流に配置された画像形成部を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電圧出力手段は更に、前記複数の画像形成部のうち前記少なくとも1つの画像形成部及び前記少なくとも2つの画像形成部とは異なる特定の画像形成部に対して第1の極性の電圧を出力する第4の電圧出力部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記特定の画像形成部は、前記中間転写体の移動方向において最上流に配置される画像形成部以外の画像形成部であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記特定の画像形成部は、前記中間転写体の移動方向において最下流に配置される画像形成部であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの画像形成部、前記少なくとも2つの画像形成部及び前記特定の画像形成部のうち全てを用いて画像形成可能な第1の画像形成モードと、それらのうち前記特定の画像形成部のみを用いて画像形成可能な第2の画像形成モードと、を有し、前記第1の画像形成モードと前記第2の画像形成モードとでは、前記逆転写が行われる画像形成部が異なることを特徴とする請求項3〜5のいずれかの項に記載の画像形成部。
【請求項7】
前記複数の画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナー像を形成する4個の画像形成部を有し、前記特定の画像形成部は、ブラック色のトナー像を形成することを特徴とする請求項3〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の極性は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記電圧出力手段から出力されて前記少なくとも1つの画像形成部の前記1次転写手段に印加される電圧の極性と、前記電圧出力手段から出力されて前記少なくとも2つの画像形成部の前記1次転写手段に印加される電圧の極性とが逆極性とされるクリーニングモードを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記中間転写体の移動方向において前記2次転写手段よりも下流側且つ前記複数の画像形成部のうち最上流の画像形成部よりも上流側において前記中間転写体上のトナーに電荷を付与する帯電手段と、該帯電手段に対して電圧を出力する帯電電圧出力手段と、を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記電圧出力手段から出力されて前記少なくとも1つの画像形成部の前記1次転写手段に印加される電圧の極性と、前記電圧出力手段から出力されて前記少なくとも2つの画像形成部の前記1次転写手段に印加される電圧の極性とが逆極性とされるクリーニングモードを有し、前記帯電電圧出力手段は、画像形成時と前記クリーニングモード時とで異なる極性の電圧を前記帯電手段に対して出力することができることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−212171(P2012−212171A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151713(P2012−151713)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2007−155772(P2007−155772)の分割
【原出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】