説明

画像形成装置

【課題】 画像形成動作終了後の現像装置内の現像剤量を正確にユーザに知らせる。
【解決手段】 現像装置5aによる第一色目の現像中に現像位置Hに存在する現像装置5aと、現像位置Hよりもロータリー50の回転方向上流側で検出位置Eよりもロータリー50の回転方向下流側に存在する現像装置5bとは該現像装置5a,5bによる現像終了後にトナー残量検出装置100aによる検出位置Eで検出されたトナー量をトナー残量として判断し、検出位置Eに存在する現像装置5cと、検出位置Eよりもロータリー50の回転方向上流側で現像位置Hよりもロータリー50の回転方向下流側に存在する現像装置5dとは該現像装置5c,5dによる現像前にトナー残量検出装置100aによる検出位置Eで検出されたトナー量から第一色目の現像画像に対応する各色の現像画像についてピクセルカウンタ400により予測された消費するトナー量を減じた値をトナー残量として判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロータリー方式の現像プロセスを採用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、単一の像担持体と、複数の現像装置を一体的に支持した回転可能な支持体(ロータリー)とを備えたフルカラー画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、所定のタイミングで現像装置を順次切り替えて、像担持体の表面に形成された静電潜像を現像する現像プロセスを採用している。
【0003】
このように複数の現像装置を一体的に支持した回転可能な支持体を用い、各色の現像装置が装着された支持体の位置を順次切り替えて、単一の像担持体の表面の静電潜像を現像する画像形成装置をロータリー方式の画像形成装置と称する。
【0004】
このような、ロータリー方式の画像形成装置における現像剤量の検出方法として、特許文献1の技術が提案されている。特許文献1の技術は、現像剤担持体と現像剤供給部材とのニップ部の上方にある現像剤をニップ部から落下させる姿勢にしたロータリー位置で、現像剤担持体と現像剤供給部材との間の静電容量を検出して、現像剤量を検出するものである。特許文献1によれば、現像を行うロータリー位置と異なるロータリー位置で現像剤量の検出を行うことで、他色が現像を行うと同時に現像剤量の検出が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、現像を行うロータリー位置(現像位置)と、現像剤量の検出を行うロータリー位置(検出位置)とが異なり、ある色の現像装置が現像中に異なる色の現像装置の現像剤量の検出を行う場合には以下のような課題がある。
【0007】
一色目の現像開始時に、現像位置にある現像装置、及び現像位置のロータリー回転方向上流側で、且つ、検出位置のロータリー回転方向下流側にある現像装置においては、現像終了後に現像剤量の検出を行うことになる。
【0008】
この場合は、現像剤量の検出後に現像剤が消費されることはないので、検出位置で検出された値が、画像形成終了時の現像剤量を正しく反映しており問題はない。
【0009】
しかし、一色目の現像時に、検出位置にある現像装置、及び検出位置のロータリー回転方向上流側で、且つ、現像位置のロータリー回転方向下流側にある現像装置においては、現像剤量の検出終了後に現像を行うことになる。
【0010】
この場合は、現像剤量の検出後に現像剤の消費があるため、検出位置で検出された現像剤量と、画像形成終了時の現像剤量には、現像時に消費した分の現像剤量の差が生じてしまう。
【0011】
これにより、現像前の現像剤量の検出では、まだ現像剤量が十分あると判断したにもかかわらず、その後の現像で大量に現像剤を消費してしまうと、現像剤がすでに無くなっているにもかかわらず、それをユーザに報知することができなくなる。
【0012】
したがって、ユーザは次の印刷時に初めて現像剤が無くなったことを報知されることになり、場合によっては白抜けした画像がプリントされると同時に現像剤が無くなったことを知らされることになる。
【0013】
この問題を解決しようとすると、全ての現像装置の現像剤量の検出を現像後に行う必要がある。しかしながら、この方法では全ての現像装置の現像が終わった後も、いくつかの現像装置を検出位置まで移動させて現像剤量の検出を行う必要があり、無駄な時間が生じてしまう。
【0014】
一方、現像画像の画素数を計測して画像形成時の現像剤の使用量を予想するピクセルカウンタを用いれば、現像時に現像剤量の検出が瞬時に行えるので、現像剤量の検出に無駄な時間は生じない。しかしながら、1ピクセル当たりの消費現像剤量にはバラつきがあるので、数枚の印字の場合は問題ないが、大量の印字を行った場合には、バラつきが積み重なり大きなズレになってしまう。
【0015】
本発明の目的は、無駄な時間を生じさせずに、画像形成動作終了後の現像装置内の現像剤量を正確にユーザに知らせることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤像を現像する複数の現像手段と、所定の回転軸を中心に前記複数の現像手段を一体的に回転して前記像担持体に対向する現像位置に順次設定可能に支持する支持体とを有し、前記複数の現像手段は、前記像担持体に現像剤を供給して静電潜像に現像剤像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤容器とを有し、前記像担持体に対向する現像位置とは異なる位置において、前記現像剤容器内の現像剤量を検出する検出手段と、現像画像の画素数を計測し、それに応じて消費する現像剤量を予測するピクセルカウンタとを有し、前記現像手段による第一色目の現像中に、前記像担持体に対向する現像位置に存在する現像手段、及び、前記現像位置よりも前記支持体の回転方向上流側で、且つ、前記検出手段による検出位置よりも前記支持体の回転方向下流側に存在する現像手段においては、該現像手段による現像終了後に前記検出手段による検出位置で検出された現像剤量を現像剤残量として判断し、前記検出手段による検出位置に存在する現像手段、及び、前記検出手段による検出位置よりも前記支持体の回転方向上流側で、且つ、前記像担持体に対向する現像位置よりも前記支持体の回転方向下流側に存在する現像手段においては、該現像手段による現像前に前記検出手段による検出位置で検出された現像剤量から、前記第一色目の現像画像に対応する各色の現像画像について前記ピクセルカウンタにより予測された消費する現像剤量を減じた値を、現像剤残量として判断する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現像位置で現像を行いながら、検出位置で現像剤容器内の現像剤量の検出を行う場合においても、無駄な時間を生じずに、画像形成動作終了後の現像剤容器内の現像剤量をユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】像担持体に対向する現像位置における現像手段の構成を示す拡大模式図である。
【図3】現像剤容器内に設けられる塗布ローラの通気量測定方法を示す模式図である。
【図4】現像剤容器内のトナー充填量と、現像剤容器内に設けられる塗布ローラのスポンジ層内のトナー量との関係を示すグラフである。
【図5】現像剤容器内に設けられる塗布ローラのスポンジ層内のトナー量と、現像剤容器内に設けられる塗布ローラと現像剤担持体との間の静電容量との関係を示すグラフである。
【図6】検出位置における現像手段の現像剤容器内の現像剤量を検出する検出手段の構成を示す拡大模式図である。
【図7】画像形成動作時の検出位置における現像手段の現像剤容器内の現像剤量を検出する流れを表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【0020】
<画像形成装置の全体構成>
図1は本実施形態の画像形成装置の概略構成の模式図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーの画像形成装置である。この画像形成装置はイメージリーダ(原稿画像読装置)、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等のホスト装置200から電気的画像信号が送られる。
【0021】
そして、制御手段となるCPU(中央演算装置)からなるコントローラ部100に入力される前記電気的画像信号に基づいて記録媒体としてのシート状の記録材11に画像形成を行う。コントローラ部100はホスト装置200や画像形成装置の操作部300との間で各種の電気的な情報の授受をすると共に、画像形成装置の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
【0022】
この画像形成装置は、表面に静電潜像を担持する像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という)1を有する。更に、この感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電手段となる帯電ローラ2、画像露光手段としてのレーザスキャナユニット3を有する。
【0023】
更に、感光ドラム1に形成された静電潜像に現像剤像を現像する複数の現像手段となる現像装置5、転写手段となる転写ユニット6、ドラムクリーニング手段となるクリーニングブレード7を有する。尚、図1においては、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの各色トナーを収容したそれぞれの現像装置5a,5b,5c,5dを示しているが、説明の都合上、これ等を総称して単に現像装置5として説明する場合もある。他の各種部品についても同様に説明する。
【0024】
感光ドラム1はドラム軸を中心に図1の矢印a方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ2は感光ドラム1の表面を所定の極性(本実施形態では負極性)電位に一様に帯電する。本実施形態では接触帯電ローラを用いている。レーザスキャナユニット3は感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
【0025】
レーザスキャナユニット3はホスト装置200からコントローラ部100に入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザ光Lを出力して反射ミラー4を介して感光ドラム1の帯電処理面を露光位置Aにおいて走査露光する。これにより、感光ドラム1の表面に静電潜像が形成される。本実施形態においては、静電潜像の形成方式は、帯電した感光ドラム1の表面を画像情報に対応して露光するイメージ露光方式としている。
【0026】
現像装置5は感光ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像剤像(トナー像)として可視化する。本実施形態の画像形成装置においては複数の現像装置5a〜5dを有する。複数の現像装置5a〜5dは回転軸51を中心に回転する支持体となるロータリー50により支持されている。ロータリー50は複数の現像装置5a〜5dを回転軸51を中心に一体的に回転して感光ドラム1に対向する現像位置Hに該複数の現像装置5a〜5dを順次設定可能に構成される。
【0027】
ロータリー50は回転軸51を中心に各現像装置5a〜5dの位置を割り出し回転可能である。各現像装置5a〜5dはロータリー50の図1の矢印bで示す回転方向において互いに90°間隔の割り付けにて予め設定された所定の装着部に対して着脱可能に装着されている。ロータリー50はコントローラ部100で制御される図示しないモータ等の駆動手段により図1の矢印b方向に90°間隔で位置を割り出し回転される。これにより、複数の現像装置5a〜5dが一つずつ順次、感光ドラム1に所定に対向した現像位置Hに切り換え的に移動して、この現像位置Hにおいて感光ドラム1の表面に形成されている静電潜像をトナー像として現像する。
【0028】
ロータリー50に装着されている現像装置5が感光ドラム1に対向した現像位置Hからロータリー50が90°回転することにより位置Fに移動する。また、位置Fからロータリー50が更に90°(現像位置Hからは180°)回転することにより現像剤容器21内の現像剤量を検出する検出位置Eに移動する。また、検出位置Eからロータリー50が更に90°(現像位置Hからは270°)回転することにより位置Gに移動する。
【0029】
本実施形態においては、各現像装置5a〜5dは、それぞれ現像剤となるトナー12として負帯電性の非磁性トナーを用いた接触現像型の反転現像装置である。そして、各現像装置5a〜5dは、図2に示すように、感光ドラム1にトナー12を供給して静電潜像に現像剤像を現像する現像剤担持体となる現像ローラ25と、該現像ローラ25に供給するトナー12を収容する現像剤容器21とを有する。現像装置5aは現像剤容器21aにイエローY色のトナーを収容する。現像装置5bは現像剤容器21bにマゼンタM色のトナーを収容する。現像装置5cは現像剤容器21cにシアンC色のトナーを収容する。現像装置5dは現像剤容器21dにブラックBk色のトナーを収容する。
【0030】
転写ユニット6は感光ドラム1の表面に形成されたトナー像を記録材11に転写する転写手段である。本実施形態では、一次転写ローラ62と、駆動ローラ63と、二次転写対向ローラ64と、テンションローラ65とにより張架された中間転写体としての誘電体製で可撓性を有するエンドレスの中間転写ベルト61を用いている。一次転写ローラ62は感光ドラム1に対して中間転写ベルト61を挟んで圧接している。
【0031】
感光ドラム1と中間転写ベルト61との接触部が一次転写ニップ部Jである。二次転写対向ローラ64に中間転写ベルト61を挟んで対向する位置には二次転写ローラ66が配設されている。二次転写ローラ66は、図示しない揺動機構により、中間転写ベルト61を挟んで二次転写対向ローラ64に当接する作用位置と、中間転写ベルト61の表面から離間した非作用位置とに選択的に移動される。
【0032】
二次転写ローラ66は、常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。二次転写ローラ66が作用位置に移動された状態において、二次転写ローラ66と中間転写ベルト61との接触部が二次転写ニップ部Dである。テンションローラ65に中間転写ベルト61を挟んで対向する位置には、該中間転写ベルト61の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置67が配設されている。
【0033】
ベルトクリーニング装置67は図示しない揺動機構によりクリーニング部材が中間転写ベルト61の表面に接触した作用位置と、クリーニング部材が中間転写ベルト61の表面から離間した非作用位置とに選択的に移動される。ベルトクリーニング装置67のクリーニング部材は、常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。クリーニングブレード7は、中間転写ベルト61に対するトナー像の一次転写後の感光ドラム1の表面から一次転写残トナーを除去する手段である。感光ドラム1の表面からクリーニングブレード7により除去されたトナーはクリーナ容器71に収容される。
【0034】
コントローラ部100は画像形成スタート信号が入力すると、図示しないメインモータを駆動する。これにより、感光ドラム1が図1の矢印a方向に所定の速度で回転駆動される。また、現像装置5aが現像位置Hに移動した状態になるようにロータリー50の割り出し回転がなされる。そして、現像装置5aに駆動力が伝達される。また所定の現像バイアスが印加される。レーザスキャナユニット3が駆動される。中間転写ベルト61が図1の矢印d方向(感光ドラム1の回転方向に対して順方向)に感光ドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。
【0035】
二次転写ローラ66とベルトクリーニング装置67は、それぞれ、中間転写ベルト61から離間した非作用位置に移動されて保持されている。帯電ローラ2に所定の帯電バイアスが印加される。これにより回転している感光ドラム1の表面が所定の極性(本実施形態では負極性)の電位に均一に帯電される。レーザスキャナユニット3からフルカラー画像のイエローY色成分の画像信号に対応して変調されたレーザ光Lが出力されて感光ドラム1の表面が走査露光される。
【0036】
これにより、感光ドラム1の表面にイエローY色成分の画像信号に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像位置Hに位置している現像装置5aによりイエローY色のトナー像(現像剤像)として現像される。本実施形態においては、感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性のネガトナーを用いて静電潜像を反転現像している。そのイエローY色のトナー像が一次転写ニップ部Jにおいて中間転写ベルト61の表面に一次転写される。一次転写ローラ62には所定の制御タイミングでトナーの帯電極性とは逆極性(正極性)で所定電位の一次転写バイアスが印加される。一次転写後の感光ドラム1の表面はクリーニングブレード7によりクリーニングされる。
【0037】
現像装置5aと感光ドラム1によるイエローY色のトナー像の中間転写ベルト61に対する一次転写が終了すると、ロータリー50が図1の矢印b方向に90°間欠回転される。これにより、今度は現像装置5bが現像位置Hに移動される。そして、感光ドラム1に対してフルカラー画像のマゼンタM色の成分画像に対応したマゼンタM色のトナー像を形成する帯電・露光・現像の各工程が実行される。そのマゼンタM色のトナー像が一次転写ニップ部Jにおいて、中間転写ベルト61上にすでに転写されているイエローY色のトナー像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて一次転写される。
【0038】
マゼンタM色のトナー像の中間転写ベルト61に対する一次転写が終了すると、ロータリー50が図1の矢印b方向に更に90°間欠回転される。これにより、今度は現像装置5cが現像位置Hに移動される。そして、感光ドラム1に対してフルカラー画像のシアンC色の成分画像に対応したシアンC色のトナー像を形成する帯電・露光・現像の各工程が実行される。そのシアンC色のトナー像が一次転写ニップ部Jにおいて、中間転写ベルト61上にすでに転写されているイエローY色、マゼンタM色のトナー像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて一次転写される。
【0039】
シアンC色のトナー像の中間転写ベルト61に対する一次転写が終了すると、ロータリー50が図1の矢印b方向に更に90°間欠回転される。これにより、今度は現像装置5dが現像位置Hに移動される。そして、感光ドラム1に対してフルカラー画像のブラックBk色の成分画像に対応したブラックBk色のトナー像を形成する帯電・露光・現像の各工程が実行される。そのブラックBk色のトナー像が一次転写ニップ部Jにおいて、中間転写ベルト61上にすでに転写されているイエローY色、マゼンタM色、シアンC色のトナー像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて一次転写される。
【0040】
このようにして、中間転写ベルト61上にはイエローY色、マゼンタM色、シアンC色、ブラックBk色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。
【0041】
即ち、図示しないモータ等の駆動手段によりロータリー50を割り出し回転させて一つの現像装置5を感光ドラム1に対向する現像位置Hに移動させ、その現像装置5によって感光ドラム1に形成された静電潜像をトナー像として現像する。この動作を複数の現像装置5a〜5dについて順次に切り換え的に実行させて中間転写ベルト61に対するフルカラートナー像の形成を実行する。
【0042】
尚、感光ドラム1に対して順次に形成するトナー像の色順は本実施形態のようなイエローY色→マゼンタM色→シアンC色→ブラックBk色の色順に限られるものではなく、適宜の色順で行うことができる。
【0043】
中間転写ベルト61上に形成された4色フルカラーの未定着トナー像の画像先端部が中間転写ベルト61の移動により二次転写ローラ66が対向する二次転写ニップ部Dの位置に到達する。その到着前に、二次転写ローラ66が中間転写ベルト61に接触した作用位置に移動される。また、ベルトクリーニング装置67も中間転写ベルト61に対する作用位置に移動される。
【0044】
一方、所定の制御タイミングで図示しない記録材給送部からシート状の記録材11が一枚ずつ分離されて給送される。その記録材11は図示しないレジストローラユニットによって所定の制御タイミングにて二次転写ローラ66と中間転写ベルト61との接触部である二次転写ニップ部Dに導入される。二次転写ローラ66にはトナーの帯電極性とは逆極性(正極性)で所定電位の二次転写バイアスが印加される。これにより、記録材11が二次転写ニップ部Dを中間転写ベルト61と二次転写ローラ66とにより挟持搬送されていく過程で該中間転写ベルト61上の4色重畳のトナー像が記録材11の表面に一括二次転写される。
【0045】
記録材11は中間転写ベルト61の表面から分離されて定着ユニット8へ導入され、加熱ローラと加圧ローラとが圧接された定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色トナー像の記録材11への定着(溶融混色)がなされる。そして、記録材11は定着ユニット8を出て、フルカラー画像形成物として図示しない排出部に排出される。
【0046】
記録材11を分離した後の中間転写ベルト61の表面に残留した二次転写残トナーはベルトクリーニング装置67によって除去される。
【0047】
コントローラ部100は1枚或いは連続複数枚の画像形成ジョブが終了したら、画像形成装置を待機状態にして、次の画像形成スタート信号の入力を待つ。即ち、感光ドラム1、レーザスキャナユニット3、中間転写ベルト61等の駆動を停止する。更に二次転写ローラ66とベルトクリーニング装置67を非作用位置に移動する。
【0048】
<現像装置>
本実施形態において、4つの現像装置5a〜5dは、現像剤容器21内に収容する現像剤(トナー)の色が互いに異なるだけで、構成は同一である。
【0049】
図2は現像位置Hにおける現像装置5の拡大模式図である。現像装置5は、現像剤となるトナー12を収容した現像剤容器21と、感光ドラム1に形成された静電潜像を現像するための現像剤担持体としての現像ローラ25と、現像ローラ25に接触してトナー12を供給する現像剤供給部材としての塗布ローラ24とを有する。また、現像ローラ25上のトナー層を規制する現像剤層厚規制部材としての規制ブレード27と、現像ローラ25と現像剤容器21との隙間からのトナー漏れを防止する漏れ防止シール材26を有する。
【0050】
現像剤容器21は感光ドラム1の回転軸方向を長手方向とする横長の容器である。この現像剤容器21の下部に容器長手方向に沿って感光ドラム1に対向する開口部22を有する。現像ローラ25は現像剤容器21の開口部22に位置させて容器長手方向に並行に配置され、容器長手方向の両側にそれぞれ取り付けられた図示しない軸受部材を介して回転自在に現像剤容器21に支持されている。
【0051】
塗布ローラ24は現像ローラ25の感光ドラム1に対向する側とは反対側において現像剤容器21内に現像ローラ25に並行に配置され、容器長手方向の両側にそれぞれ取り付けられた図示しない軸受部材を介して回転自在に現像剤容器21に支持されている。
【0052】
本実施形態において、現像ローラ25は外径直径が13mmである。現像ローラ25は外径直径が8mmの導電性の芯金部28の周囲にシリコンゴムからなる基層28aが設けられ、その基層28aの表面にアクリル・ウレタン系ゴムをコートした表層28bを有して構成される。現像ローラ25の体積抵抗値は10Ω・cm〜1012Ω・cm程度である。
【0053】
また、塗布ローラ24は、外径直径が6mmの導電性の芯金部29の周囲に連続気泡体からなるウレタンスポンジ層29aを設けた、外径直径が15mmのウレタンスポンジローラにより構成されている。ウレタンスポンジ層29aの体積抵抗値は10Ω・cm〜1012Ω・cm程度である。
【0054】
現像ローラ25の芯金部28と、塗布ローラ24の芯金部29との間の離間距離(中心離間距離)は13mmであり、現像ローラ25を塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの表面に対して、1.0mm侵入させている。
【0055】
規制ブレード27は、先端部が現像ローラ25に摺擦して、該現像ローラ25に塗布されたトナーを薄層にコーティングするリン青銅やウレタンゴム等でできた可撓性部材である。規制ブレード27は、その基部が開口部22の上縁部に固定されて現像剤容器21に配設されている。
【0056】
漏れ防止シール材26は、先端部が現像ローラ25に接し、該現像ローラ25の下方部と現像剤容器21との隙間を覆ってトナー漏れを防止する可撓性部材である。
【0057】
感光ドラム1に形成された静電潜像の現像装置5による現像は、図1及び図2に示すように、ロータリー50の割り出し回転制御により所定の現像装置5が感光ドラム1に対向する現像位置Hに移動されて行なわれる。
【0058】
本実施形態においては、この現像装置5aの現像ローラ25が感光ドラム1に接触している。現像ローラ25は感光ドラム1に接触した状態で該感光ドラム1に形成された静電潜像を現像する。所謂、接触現像方式を用いている。
【0059】
現像位置Hにおける現像装置5には、画像形成実行時に画像形成装置本体側の図示しない駆動手段と電源部から駆動力と現像バイアスが入力される。現像ローラ25は図2の矢印e方向に所定の速度で回転駆動される。従って、現像ローラ25の感光ドラム1との接触部における回転方向は感光ドラム1の回転方向aに対して順方向である。また、現像ローラ25に接触して該現像ローラ25にトナー12を供給する塗布ローラ24は図2の矢印f方向に所定の速度で回転駆動される。従って、塗布ローラ24の現像ローラ25との接触部における回転方向は現像ローラ25の回転方向eに対して逆方向(カウンタ方向)である。
【0060】
回転する現像ローラ25の周上には回転する塗布ローラ24によってトナー12が塗布され、塗布されたトナー12が規制ブレード27により薄層にコーティングされる。そのトナー12の薄層が現像ローラ25の引き続く回転により感光ドラム1が対向する現像位置Hに搬送さる。現像ローラ25には現像バイアス電源部13から所定の現像バイアス(本実施形態では、DC(直流)電圧)が印加される。
【0061】
これにより、現像ローラ25の周上のトナー12の薄層が感光ドラム1の表面の静電潜像に対応して選択的に感光ドラム1の表面に転移する。これにより静電潜像がトナー像として現像される。静電潜像の現像に供されなかったトナー12は現像ローラ25の引き続く回転により現像剤容器21内に戻し搬送される。そして、塗布ローラ24により現像ローラ25の表面から除去されると共に、現像ローラ25の表面には再び塗布ローラ24によってトナー12が塗布される。この動作が繰り返されて、感光ドラム1の表面の静電潜像の現像が実行される。
【0062】
<現像装置のトナー残量検出方法>
本実施形態における現像装置5のトナー残量測定方法について述べる。本実施形態では後述するピクセルカウント式のトナー量検出方法と、静電容量測定方式のトナー量検出方法を併用している。
【0063】
最初に、ピクセルカウント式のトナー量検出方法について説明する。ピクセルカウント式のトナー量検出方法は、レーザスキャナユニット3の発光量を算出することのできるピクセルカウント計数手段となるピクセルカウンタ400を用いている。ピクセルカウンタ400により現像画像の画素数を計測し、それに応じて消費する現像剤量となるトナー12の使用量を予測推定する。予め定められた1ピクセルカウント当たりのトナー12の使用量を本体メモリに記憶しておき、ピクセルカウンタ400でカウントされたピクセルカウント積算値からトナー12の使用量を推定する。
【0064】
次に、静電容量測定式のトナー残量検出方法について説明する。本実施形態における塗布ローラ24は、表面に発泡層を備える。具体的には、連続気泡体からなるウレタンスポンジ層29aを備える。連続気泡体からなるウレタンスポンジ層29aの通気量と呼ばれる物性値の最適化により、ウレタンスポンジ層29aの内部に保持できるトナー量が変化する特徴がある。
【0065】
この通気量という物性値は、連続気泡体からなるウレタンスポンジ層29aの表面のセルの開口と、ウレタンスポンジ層29a内部のセルに対し、単位時間あたりに通過する空気の量を示すものである。即ち、ウレタンスポンジ層29aの表面のセルの開口が小さく、内部のセルの構造も細かく密になるほど、通気量は低下し、逆に、表面のセルの開口を大きくし、内部のセルを大きくすると、通気量は増加する傾向にある。
【0066】
このため、ウレタンスポンジ層29aの通気量の変化で、該ウレタンスポンジ層29aの内部に保持可能なトナー量が変化する。ここで、前述したウレタンスポンジ層29aの通気量の測定方法を説明する。図3はウレタンスポンジ層29aの通気量測定方法を示すモデル図である。塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの表面に、アクリル板301に開けた外径直径が10mmの穴301aを当接する。
【0067】
そして、その穴301aの径よりも大きい内径を有するホース302を該穴301aに連通させて接続し、ポンプ304で吸気したときの吸気量を通気量測定器303(例えば、大栄科学精器製作所製のKZ型通気量測定器)にて測定する。ポンプ304の吸気量は、塗布ローラ24が無い状態で10.8[リットル/min]である。本発明者等の実験で、本実施形態の画像形成装置においては、適応する連続気泡体からなるウレタンスポンジ層29aの通気量は、2[リットル/min]以上にすることが好適であった。
【0068】
このようにして、通気量の最適化が行なわれた塗布ローラ24を用いた場合の、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29a内部に保持されたトナー量と、現像剤容器21内部のトナー量との推移を図4に示す。図4に示すように、現像剤容器21内のトナー量が減少するにつれて、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29a内部に保持されたトナー量も減少していく傾向が分かる。この結果より、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29a内部に保持されるトナー量と、現像剤容器21内のトナー量とに相関関係があることが分かる。
【0069】
更に、ウレタンスポンジ層29a内に保持されるトナー量と、塗布ローラ24と現像ローラ25との間の静電容量の推移を測定した結果を図5に示す。この静電容量は、NF社製LCRメータZM2354にて測定した。図5に示すように、ウレタンスポンジ層29a内部に保持されたトナー量と、塗布ローラ24と現像ローラ25との間の静電容量とは線形関係となっている。
【0070】
この結果から、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの内部に保持されるトナー量と、塗布ローラ24と現像ローラ25との間の静電容量とに相関関係があることが分かる。つまり、塗布ローラ24と現像ローラ25との間の静電容量を測定することで、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの内部に保持されるトナー量を介して現像剤容器21内(現像剤容器内)の現像剤残量としてのトナー量を見積ることが可能である。
【0071】
本実施形態では、図1に示す感光ドラム1に対向する現像位置Hとは異なる検出位置Eにおいて、現像剤容器21内の現像剤量を検出する検出手段となるトナー残量検出装置100aが設けられている。図6にトナー残量検出装置100aの構成を示す。図1に示す検出位置Eに位置している現像装置5について、トナー残量検出装置100aは塗布ローラ24の芯金部29と現像ローラ25の芯金部28との間の静電容量を検出する。これにより、図5に示す関係から塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの内部に保持されるトナー量を検出し、更に図4に示す関係から現像剤容器21内のトナー残量を検出する。
【0072】
トナー残量検出時において、トナー残量検出装置100aは、塗布ローラ24の導電性の芯金部29にバイアス電源31からトナー残量検出用バイアスを印加する。トナー残量検出用バイアスとしては、周波数5kHz、Vppが200Vの交流バイアスを用いている。現像ローラ25の導電性の芯金部28に誘起される交流電圧は検出回路9で整流される。そして、整流された直流(DC)電圧そのものか、その直流(DC)電圧を数値化した信号情報が出力値として出力される。この出力値から制御手段となるコントローラ部100により現像剤容器21内のトナー残量を判断する。
【0073】
上記のピクセルカウンタ400と、静電容量測定式のトナー残量検出装置100aとを用いて画像形成動作時に現像剤容器21内のトナー残量を測定する方法について説明する。
【0074】
本実施形態においては、図1に示すように、感光ドラム1に対向する現像位置Hにある現像装置5a→現像装置5b→現像装置5c→現像装置5dの順番で現像を行う。そして、現像時の検出位置Eにある現像装置5c→現像装置5d→現像装置5a→現像装置5bの順番でトナー残量検出装置100aにより現像剤容器21内のトナー残量を検出する。
【0075】
従って、トナー残量検出装置100aは、現像装置5aの現像中に現像装置5cのトナー残量を検出する。そして、現像装置5bの現像中に現像装置5dのトナー残量を検出する。そして、現像装置5cの現像中に現像装置5aのトナー残量を検出する。そして、現像装置5dの現像中に現像装置5bのトナー残量を検出する。
【0076】
ピクセルカウンタ400による消費トナー量の検出は、図1に示すように、現像前にトナー残量検出装置100aにより現像剤容器21内のトナー残量が検出された現像装置5cと現像装置5dとについて、それぞれの現像中に行われる。
【0077】
現像装置5cが現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるシアンC色のトナー量が予測される。この消費トナー量を現像前にトナー残量検出装置100aにより検出された現像装置5cの現像剤容器21内のトナー残量から引いたものがシアンC色の現像後の現像装置5cの現像剤容器21内のトナー残量となる。現像装置5dの場合も同様の動作を行う。
【0078】
以上により、画像形成動作終了後に得られるトナー残量の値は、現像装置5a,5bではトナー残量検出装置100aにより検出された値である。一方、現像装置5c,5dではトナー残量検出装置100aにより検出された値から、ピクセルカウンタ400により予測された消費されるトナー量の値を引いた値が得られる。
【0079】
これらのトナー残量値と、予め設定した寿命予告のための閾値とを比較し、トナー残量値が閾値以下の現像装置5については、操作部300の表示部300aにその現像装置5についての寿命警告を表示させる。これら一連の画像形成動作時のトナー残量測定の流れを表したフローチャートが図7である。
【0080】
図7のステップS1において、画像形成動作が開始されると、イエローY色の現像装置5aを現像位置Hに移動する(ステップS2)。そして、現像装置5aによりイエローY色の現像を行うと共に、検出位置Eに移動したシアンC色の現像装置5cの現像剤容器21c内のトナー残量RCをトナー残量検出装置100aにより検出する(ステップS3)。
【0081】
次にステップS4において、マゼンタM色の現像装置5bを現像位置Hに移動する。そして、現像装置5bによりマゼンタM色の現像を行うと共に、検出位置Eに移動したブラックBk色の現像装置5dの現像剤容器21d内のトナー残量RBkをトナー残量検出装置100aにより検出する(ステップS5)。
【0082】
次にステップS6において、シアンC色の現像装置5cを現像位置Hに移動する。そして、ステップS7において、現像装置5cによりシアンC色の現像を行うと共に、現像装置5cの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるシアンC色のトナー消費量PixCを算出する。更に検出位置Eに移動したイエローY色の現像装置5aの現像剤容器21a内のトナー残量RYをトナー残量検出装置100aにより検出する。
【0083】
次にステップS8において、ブラックBk色の現像装置5dを現像位置Hに移動する。そして、ステップS9において、現像装置5dによりブラックBk色の現像を行うと共に、現像装置5dの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるブラックBk色のトナー消費量PixBkを算出する。更に検出位置Eに移動したマゼンタM色の現像装置5bの現像剤容器21b内のトナー残量RMをトナー残量検出装置100aにより検出する。
【0084】
次にステップS10において、前記ステップS7で検出したイエローY色の現像装置5aの現像剤容器21a内のトナー残量RYが予め設定した閾値以下になる。そうすると、ステップS11に進んで操作部300の表示部300aにイエローY色の現像装置5aについての寿命警告を表示させる。前記ステップS10において、前記ステップS7で検出したイエローY色の現像装置5aの現像剤容器21a内のトナー残量RYが予め設定した閾値よりも大きい場合にはステップS12に進む。
【0085】
次にステップS12において、前記ステップS9で検出したマゼンタM色の現像装置5bの現像剤容器21b内のトナー残量RMが予め設定した閾値以下になる。そうすると、ステップS13に進んで操作部300の表示部300aにマゼンタM色の現像装置5bについての寿命警告を表示させる。前記ステップS12において、前記ステップS9で検出したマゼンタM色の現像装置5bの現像剤容器21b内のトナー残量RMが予め設定した閾値よりも大きい場合にはステップS14に進む。
【0086】
次にステップS14において、前記ステップS3で検出したシアンC色の現像装置5cの現像剤容器21c内のトナー残量RCを特定する。更にそのトナー残量RCから前記ステップS7で算出した現像装置5cの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるシアンC色のトナー消費量PixCを差し引いた値を求める。その値が予め設定した閾値以下になると、ステップS15に進んで操作部300の表示部300aにシアンC色の現像装置5cについての寿命警告を表示させる。
【0087】
前記ステップS14において、前記ステップS3で検出したシアンC色の現像装置5cの現像剤容器21c内のトナー残量RCを特定する。更にそのトナー残量RCから前記ステップS7で算出した現像装置5cの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるシアンC色のトナー消費量PixCを差し引いた値を求める。その値が予め設定した閾値よりも大きい場合にはステップS16に進む。
【0088】
次にステップS16において、前記ステップS5で検出したブラックBk色の現像装置5dの現像剤容器21d内のトナー残量RBkを特定する。更にそのトナー残量RBkから前記ステップS9で算出した現像装置5dの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるブラックBk色のトナー消費量PixBkを差し引いた値を求める。その値が予め設定した閾値以下になると、ステップS17に進んで操作部300の表示部300aにブラックBk色の現像装置5dについての寿命警告を表示させる。
【0089】
前記ステップS16において、前記ステップS5で検出したブラックBk色の現像装置5dの現像剤容器21d内のトナー残量RBkを特定する。更にそのトナー残量RBkから前記ステップS9で算出した現像装置5dの現像中にピクセルカウンタ400により現像により消費されるブラックBk色のトナー消費量PixBkを差し引いた値を求める。その値が予め設定した閾値よりも大きい場合にはステップS18に進んで動作を終了する。
【0090】
即ち、制御手段となるコントローラ部100は、図1に示すように、第一色目となるイエローY色の現像装置5aの現像中に、感光ドラム1に対向する現像位置Hに存在する現像装置5aを特定する。更に現像位置Hよりもロータリー50の回転方向上流側で、且つ、トナー残量検出装置100aによる検出位置Eよりもロータリー50の回転方向下流側に存在するマゼンタM色の現像装置5bを特定する。そして該イエローY色の現像装置5aとマゼンタM色の現像装置5bとによるそれぞれの現像終了後にトナー残量検出装置100aによる検出位置Eで検出されたトナー量(現像剤量)を現像剤残量となるトナー残量RY,RMとして判断する。
【0091】
一方、コントローラ部100は、図1に示すように、トナー残量検出装置100aによる検出位置Eに存在するシアンC色の現像装置5cを特定する。更に検出位置Eよりもロータリー50の回転方向上流側で、且つ、感光ドラム1に対向する現像位置Hよりもロータリー50の回転方向下流側に存在するブラックBk色の現像装置5dを特定する。そして該シアンC色の現像装置5cとブラックBk色の現像装置5dによる現像前にトナー残量検出装置100aによる検出位置Eで検出されたトナー量(現像剤量)を特定する。
【0092】
更にそのトナー残量検出装置100aによる検出位置Eで検出されたトナー量から、第一色目となるイエローY色の現像画像に対応する各色の現像画像についてピクセルカウンタ400により予測された消費するトナー量(現像剤量)を減じた値を求める。そして、その値を現像剤残量となるトナー残量(RC−PixC),(RBk−PixBk)として判断する。
【0093】
本実施形態においては、トナー残量検出装置100aが現像装置5の現像剤容器21内の現像剤量となるトナー残量の検出を行うのに要する時間が、現像装置5が現像を行うのに要する時間よりも短く設定されている。このためコントローラ部100は毎回の画像形成動作中にトナー残量検出装置100aにより現像装置5の現像剤容器21内の現像剤量となるトナー残量の検出を行う。
【0094】
トナー残量検出装置100aが現像装置5の現像剤容器21内の現像剤量となるトナー残量の検出を行うのに要する時間が、現像装置5が現像を行うのに要する時間よりも長い場合がある。その場合には、コントローラ部100は予め決められたタイミングでのみトナー残量検出装置100aにより現像装置5の現像剤容器21内の現像剤量となるトナー残量の検出を行うようにし、そのときだけ画像形成速度を低下させるようにすれば良い。
【0095】
以上のような動作により、現像装置5の現像剤容器21内のトナー残量検出のために特別な時間を使わずに、画像形成終了後の各現像装置5の現像剤容器21内のトナー残量を精度良くユーザに知らせることができる。この情報をもとに、ユーザが適宜に現像装置5の交換を行うことで白抜けのない画像を得ることができる。
【0096】
尚、本実施形態においては、現像装置5の現像剤容器21内の現像剤量を検出する検出手段の一例として、塗布ローラ24と現像ローラ25との間の静電容量を測定する。これにより、塗布ローラ24のウレタンスポンジ層29aの内部に保持されるトナー量を介して現像剤容器21内の現像剤残量としてのトナー残量を検出するトナー残量検出装置100aを用いて構成した。その他のトナー残量検出方式を用いても良い。
【符号の説明】
【0097】
E …検出位置
H …現像位置
5,5a〜5d …現像装置(現像手段)
50…ロータリー(支持体)
100a …トナー残量検出装置(検出手段)
400 …ピクセルカウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像に現像剤像を現像する複数の現像手段と、
所定の回転軸を中心に前記複数の現像手段を一体的に回転して前記像担持体に対向する現像位置に順次設定可能に支持する支持体と、
を有し、
前記複数の現像手段は、
前記像担持体に現像剤を供給して静電潜像に現像剤像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤容器と、
を有し、
前記像担持体に対向する現像位置とは異なる位置において、前記現像剤容器内の現像剤量を検出する検出手段と、
現像画像の画素数を計測し、それに応じて消費する現像剤量を予測するピクセルカウンタと、
を有し、
前記現像手段による第一色目の現像中に、前記像担持体に対向する現像位置に存在する現像手段、及び、前記現像位置よりも前記支持体の回転方向上流側で、且つ、前記検出手段による検出位置よりも前記支持体の回転方向下流側に存在する現像手段においては、該現像手段による現像終了後に前記検出手段による検出位置で検出された現像剤量を現像剤残量として判断し、
前記検出手段による検出位置に存在する現像手段、及び、前記検出手段による検出位置よりも前記支持体の回転方向上流側で、且つ、前記像担持体に対向する現像位置よりも前記支持体の回転方向下流側に存在する現像手段においては、該現像手段による現像前に前記検出手段による検出位置で検出された現像剤量から、前記第一色目の現像画像に対応する各色の現像画像について前記ピクセルカウンタにより予測された消費する現像剤量を減じた値を、現像剤残量として判断する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段が前記現像剤容器内の現像剤量の検出を行うのに要する時間は、前記現像手段が現像を行うのに要する時間よりも短く設定され、前記制御手段は、毎回の画像形成動作中に前記現像剤容器内の現像剤残量の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237842(P2012−237842A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106016(P2011−106016)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】