説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置本体の稼動を停止させずにトナーカートリッジの交換を可能にし、リザーブタンク内にトナー量検知機構を配置しない簡便な構成でトナーの補給を正しく行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】リザーブタンク27が満杯の状態で通常印字モードの印字を行う。現像器14のトナー濃度が所定値より低下する都度リザーブタンク27から現像器14にトナー63を補充するとともに、補充した分のトナー63をトナーカートリッジ28からリザーブタンク27へ補充する。トナーカートリッジ28が空になったら交換指示を報知し、リザーブタンク印字モードに移行して印字を続行する。ドットカウンタでトナー消費量を算出し、新トナーカートリッジに交換されたとき、消費量分のトナーをリザーブタンク27に補充する。空のトナーカートリッジが交換されないまま現像器のトナー濃度が低下したときは装置本体を強制的に停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二成分現像剤を用い画像形成装置本体の稼動を停止させることなくトナーカートリッジの交換を可能にする画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置がある。この画像形成装置は、一般に感光体ドラムを一様に帯電させて初期化し、この感光体ドラムに光書込みによって静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像化して、そのトナー像を直接または間接に用紙等の転写材に転写して定着器で定着させる。
【0003】
この種の画像形成装置の現像装置にあっては、静電潜像をトナー像に現像するに伴ってトナーが消費されるから、現像性能を良好に保つために現像装置に逐次トナーを補給する。このトナーの補給には、着脱交換式のトナーカートリッジが用いられる場合が多い。
【0004】
このトナーカートリッジからトナーの補給が繰り返されていくうちに、やがてトナーカートリッジ内のトナーが使い尽くされてトナーカートリッジが空になる。空になったトナーカートリッジは新品と交換されなければならない。
【0005】
ところで、トナーカートリッジの交換が操作パネルに報知された場合、ユーザは、画像形成装置の稼動を一端停止させ、新旧のトナーカートリッジを交換してから、画像形成装置の稼動スイッチを入れて、画像形成処理を再開するのが一般的な方法であった。
【0006】
また、交換用のトナーカートリッジをユーザーが保管して居ない場合は、新旧トナーカートリッジの交換を即座に行うことが出来ない。そうすると、画像形成装置を使用することができなくなり、ユーザーの操作性を損なってしまう。
【0007】
上記の画像形成装置の稼動を一端停止させる場合、又は新品トナーカートリッジの保管がなく画像形成装置を使用することができなかった場合、いずれにしてもユーザーの操作性を損なう点において変わりはない。
【0008】
そこで、画像形成装置本体の稼動を停止させずにトナーカートリッジの交換が可能なように、画像形成装置本体に対して着脱可能なトナーカートリッジからリザーブタンクにトナーを供給し、そのリザーブタンクからトナー現像容器にトナーを搬送する装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0009】
また、リザーブタンクを備え、装置全体の小型化を考慮し、タンデム式のカラー画像形成装置にも適用可能であり、現像器に現像剤を搬送する画像形成動作位置と、現像器の取出作業が行えるメンテナンス作業位置との間で容易に移動可能な現像剤搬送装置が提案されている、(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−029518号公報
【特許文献2】特開2006−113137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の従来技術は、トナーカートリッジおよびリザーブタンクが現像器から離れた位置に配置されている。特許文献1のようにロータリ式の現像装置を備えたカラー画像形成装置に限らず、他のタンデム型のカラー画像形成装置であっても、リザーブタンクと現像器とが離れた位置に配置されるとトナー搬送装置が大型になってしまうという解決すべき課題がある。
【0012】
また、特許文献2の従来技術は、現像剤搬送装置の小型化を目的としており、画像形成装置本体の稼動を停止させずにトナーカートリッジの交換が出来るという記載はない。したがって現像剤搬送装置の小型化が達成できても、まだ解決すべき課題が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、二成分現像剤により感光体にトナー像を現像する現像器と、該現像器に備えられ上記二成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサと、トナー搬送路を介して上記現像器に連結されたトナー補給用のリザーブタンクと、該トナー補給用リザーブタンクに着脱自在なトナーカートリッジと、該トナーカートリッジが新しいか否かを検知する新カートリッジ検知装置と、上記トナーカートリッジのトナー残量を検知するトナー残量センサと、制御部と、を備え、通常印字モードと、リザーブタンク印字モードと、を有し、上記制御部は、上記通常印字モードにおいて、上記トナー残量センサが上記トナーカートリッジのトナー無しを検知したとき上記リザーブタンク印字モードに移行し、トナー有りを検知したとき上記通常印字モードによる印字を続行し、上記通常印字モードによる印字続行中は、トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が予め設定されたトナー補給閾値以上であるとき上記通常印字モードによる印字を続行し、上記トナー濃度が上記トナー補給閾値より低いとき上記リザーブタンクから上記現像器へのトナー補給と、上記トナーカートリッジから上記リザーブタンクへのトナー補給とを行って上記通常印字モードによる印字を続行する、ように構成される。
【0014】
上記制御部は、例えば、上記リザーブタンク印字モードにおいて、上記トナーカートリッジの交換が可能であることをユーザに報知すると共に該報知の時点からの印字データに対するドットカウンタにより得られる消費トナー量を累算し、上記トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が予め設定されたトナー無し閾値以上であるときは、上記新カートリッジ検知装置が上記トナーカートリッジが新しいトナーカートリッジに交換されたことを検知するまで上記リザーブタンク印字モードの印字を続行し、上記新カートリッジ検知装置が上記トナーカートリッジが新しいトナーカートリッジに交換されたことを検知したとき、上記ドットカウンタにより得られた消費トナー量累算値分のトナー量を上記トナーカートリッジから上記リザーブタンクへ補給すると共に上記トナーカートリッジの交換可能の報知を解除して、上記通常印字モードによる印字に移行する、ように構成される。
【0015】
また、上記制御部は、上記リザーブタンク印字モードにおいて、例えば、上記ドットカウンタにより得られた消費トナー量累算値に基づき、上記リザーブタンクのトナー残量を上記ユーザに報知するように構成され、また、例えば、上記トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が上記トナー無し閾値より低いときは、画像形成装置本体の稼動を強制停止するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置は、二成分現像剤を用い画像形成装置本体の稼動を停止させることなくトナーカートリッジの交換を可能にするという効果を奏する。また、リザーブタンク内にトナー量検知機構を配置する必要の無い簡便な装置でトナーの補給を正しく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(プリンタ)の内部構成を説明する断面図である。
【図2】実施例1に係るプリンタの制御装置を含む回路ブロック図である。
【図3】(a)は実施例1に係るプリンタの現像装置及びトナー供給部のリザーブタンクとトナーカートリッジを分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げ、転写ベルトと共に模式的に示す図、(b)はそれらを側面から見た断面図である。
【図4】(a),(b) は実施例1に係るプリンタのトナーカートリッジのトナーの有無を検知する有無検知装置の構成の1例を示す図である。
【図5】(a),(b) は実施例1に係るプリンタのトナー濃度センサの出力と現像部に対する制御との関係を示す図である。
【図6】実施例1に係るプリンタのドットカウンタのトナー量算出方法を説明する図である。
【図7】実施例1に係るプリンタの制御装置による通常印字モードの印字中におけるトナー補充処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1に係るプリンタの制御装置によるリザーブタンク印字モードの印字中におけるトナー補充処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施例1に係るプリンタの印字中におけるトナー補充処理に対応するトナー補給部の動作状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の実施例では、トナーとキャリアから成る二成分現像剤が使用される。
【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタという)の内部構成を説明する断面図である。
【0020】
図1に示すプリンタ1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0021】
上記画像形成部2は、転写ベルトユニット3の転写ベルト8の下部走行部表面8aに接して同図の右から左へ4個の現像装置9(9m、9c、9y、9k)を多段式に並設した構成からなる。この画像形成部2は、図1に示す印刷実行時位置から、それより下方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0022】
上記4個の現像装置9のうち下流側(図の右側)の3個の現像装置9m、9c及び9yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、現像装置9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0023】
上記の各現像装置9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)のトナー用の現像装置9kを例にしてその構成を説明する。
【0024】
現像装置9は、最上部に感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0025】
現像器14は、外部を覆う筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0026】
この現像器14には、トナー供給部4の詳しくは後述するリザーブタンクから、同図にはM、C、Y、Kで示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかのトナーが供給される。
【0027】
転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0028】
上記の転写ベルト8は、下方を循環移動するベルト表面に、ユニットと一体に組み込まれて転写ベルト8を介して感光体ドラム10に圧接する一次転写ローラ20によりトナー像を直接転写(一次転写)されて、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への二次転写部23まで搬送する。
【0029】
この転写ベルトユニット3には、駆動ローラ21に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレード25を備えたベルトクリーナ24が配置されている。ベルトクリーナ24の下方には廃トナー回収容器26が着脱自在に配置されている。
【0030】
ベルトクリーナ24は、クリーニングブレード25が転写ベルト8の表面に当接して廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを搬送スクリューにより下方の廃トナー回収容器26に送り込んでいる。
【0031】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行部の上方に配置されている4個のリザーブタンク27(27m、27c、27y、27k)と、これらのリザーブタンク27の上にそれぞれ着脱自在に配置されたトナー補充用のトナーカートリッジ28(28m、28c、28y、28k)で構成される。
【0032】
4個のトナーカートリッジ28m、28c、28y、28kは、それぞれマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを収容し、4個のリザーブタンク27(27m、27c、27y、27k)は、それぞれ上に装着されているトナーカートリッジ28からトナーを補充される。
【0033】
これら4個のリザーブタンク27は、図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれトナー供給路により対応する現像装置9の現像器14と連結されている。
【0034】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0035】
このトナー供給部4の左方には、ベルトクリーナ24の左方から駆動ローラ21の上方にかけて2つの電装部30が配設されている。電装部30には、詳しくは後述する複数の電子部品からなる制御装置が搭載された回路基盤を備えている。
【0036】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット29(29a、29b)を備えている。2個の給紙カセット29の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ31、給送ローラ32、捌きローラ33、待機搬送ローラ対34が配置されている。
【0037】
待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト8を介して従動ローラ22に圧接する二次転写ローラ35が配設されて、前述した用紙への二次転写部23を形成している。
【0038】
この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着ユニット6が配置されている。ベルト式熱定着ユニット6の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着ユニット6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0039】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0040】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する開始返送路39a、それから下方に曲がる中間返送路39b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路39cから成る返送路39を備えている。
【0041】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記終端返送路41eの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット29aに対応する待機搬送ローラ対34への搬送路に合流している。
【0042】
図2は、上記のプリンタ1の制御装置を含む回路ブロック図である。図2に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)42を中心にして、このCPU42に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)43及びプリンタコントローラ(PR_CONT)44が接続されている。PR_CONT44にはプリンタ印字部45が接続されている。
【0043】
また、CPU42には、ROM(read only memory)46、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)47、本体操作部の操作パネル48、各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部49及びドットカウンタ54が接続されている。
【0044】
ROM46には、システムプログラムが記憶され、CPU42は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0045】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT43は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ51に展開する。フレームメモリ51は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。
【0046】
フレームメモリ51に展開されたデータはPR_CONT44に出力され、PR_CONT44からプリンタ印字部45に出力される。
【0047】
プリンタ印字部45は、エンジン部であり、PR_CONT44からの制御の下で、図1に示した感光体ドラム10、一次転写ローラ20等を含む不図示の回転駆動系、帯電ローラ12、光書込ヘッド13等の被駆動部を有する画像形成部、転写ベルトユニット3の上下移動や転写ベルト8の回転を駆動する不図示の駆動部を備えている。
【0048】
更に、プリンタ印字部45は、ベルト式定着ユニット6のベルト駆動を行うベルト駆動部52や、後述するカートリッジモータ、リザーブタンクモータ等を駆動するトナー供給部モータ駆動部53を備えている。
【0049】
更に、プリンタ印字部45は、用紙取出ローラ22〜排紙ローラ対31等の回転駆動される各部からなる搬送機構、発熱駆動及び回転駆動されるベルト式定着ユニット6などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
【0050】
そして、PR_CONT44から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータは、プリンタ印字部45からそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド13に供給される。
【0051】
また、ドットカウンタ54は、光書込ヘッド13に供給される各色のデータに基づく光書込ヘッド13による感光体ドラム10への露光面積に基づいて印字に使用されるトナーの量を算出する。
【0052】
図3(a)は実施例1に係るプリンタ1における画像形成部2の現像装置9と感光体ドラム10及びトナー供給部4のリザーブタンク27とトナーカートリッジ28を分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げ、転写ベルト8と共に模式的に示す図であり、図3(b)はそれらを側面から見た断面図である。
【0053】
尚、図3(a),(b)には、図1に示した構成と同一の構成又は機能部分には図1と同一の番号を付与して示している。また、図3(b)には図3(a)の転写ベルト8に代えて転写ベルトユニット3を破線のブロックで示している。
【0054】
図3(a),(b)に示すトナーカートリッジ28は、図1に示す画像形成装置1本体に対し前面方向に、すなわち図3(a)の両方向矢印bで示すように、リザーブタンク27に対して着脱自在である。
【0055】
図3(b)に示すように、トナーカートリッジ28には新旧を示す被検知部55が配置されており、プリンタ1本体側には、被検知部55によりトナーカートリッジ28が新しいか否かを検知する検知部56が配設されている。このような新トナーカートリッジを検知する新カートリッジ検知装置57は、ごく一般的な安価な方法で構成することができる。
【0056】
このトナーカートリッジ28は、内部に、回転軸58と螺旋状の攪拌フィン59から成るトナー補給機構61を備えている。トナー補給機構61の回転軸58には外部からカートリッジモータ62が係合している。
【0057】
また、トナーカートリッジ28には、カートリッジモータ62に係合する側の反対側端部に、リザーブタンク27に装着されたとき、リザーブタンク27に連結されて、リザーブタンク27にトナー63を補充するためのトナー補充口64が形成されている。
【0058】
上記のトナー補給機構61は、トナーカートリッジ28の右端部から左端部までトナーカートリッジ28の長手方向に沿って延在し、トナー補充口64の直上でフィン形状の変化点65を形成し、内部のトナー63をトナー補充口64に送り出すようになっている。
【0059】
そして、トナーカートリッジ28の内部には、トナー補充口64上のフィン形状の変化点65に近接する位置に、トナー残量センサ66が配設されている。トナー残量センサ66の出力信号線は、トナーカートリッジ28がリザーブタンク27に装着されたとき、自動的に制御回路のセンサ部49に接続される。
【0060】
一方のリザーブタンク27の内部には、これもトナーカートリッジ28と同様な、回転軸67と螺旋状の攪拌フィン68から成るトナー補給機構69が配設されている。トナー補給機構69の回転軸67には外部からリザーブタンクモータ71が係合している。
【0061】
上記のトナー補給機構69は、リザーブタンク27の左端部から右端部までリザーブタンク27の長手方向に沿って延在し、左端部においてトナーカートリッジ28からトナー補充口64を介して補充されるトナー63を右端部まで搬送する。
【0062】
その右端部にはトナー補給機構69のフィン形状の変化点72が形成されている。このフィン形状の変化点72の直下に、リザーブタンク27と現像器14を連結するトナー搬送路73の上端部が開口している。このトナー搬送路73は、転写ベルトユニット3の後方に回り込んで配置されている。
【0063】
トナー補給機構69によるトナー補給動作において、フィン形状の変化点72まで攪拌フィン68により攪拌搬送されたトナー63は、トナー搬送路73の上から下まではトナー63の自重で落下する。これにより、トナー63がリザーブタンク27から現像器14に補給される。
【0064】
現像器14は、内部にトナーカートリッジ28のトナー搬送機構61やリザーブタンク27のトナー搬送機構69と同様の構成のフィンスクリュウ75を備えている。なお、図3(b)には、図1に示した第1の攪拌搬送スクリュー18及び第2の攪拌搬送スクリュー19を簡単に1個のフィンスクリュウ75として示している。
【0065】
フィンスクリュウ75の回転軸には、図示を省略した現像器モータが連結されている。現像器14は、現像器モータにより駆動されるフィンスクリュウ75によりキャリアとトナー63を攪拌搬送しながら適度のトナー濃度の二成分現像剤76を生成し、この二成分現像剤76のトナー63を現像ローラ15に供給する。この現像器14には、適宜な箇所にトナー濃度センサ81が配置されている。
【0066】
尚、図3(b)では、トナー残量センサ66はトナーカートリッジ28に内蔵された形式のものを示しているが、トナー残量センサ66を透過型光センサとし、発光部と受光部をプリンタ1本体側に設けるようにしてもよい。
【0067】
図4(a),(b)は、透過型光センサから成るトナー残量センサの発光部と受光部をプリンタ1本体側に設けるようにした例を示す図である。図4(a)はトナーカートリッジ28の図3(b)に示すトナー補充口64側の端部を示している。
【0068】
図4(a)に示すトナーカートリッジ28の左端の内部には、図4(b) に示すようなガラス部材からなる発光導光路82と受光導光路83が固定して配置されている。発光導光路82と受光導光路83の左端面82aと83aはトナーカートリッジ28の左端面に露出している。
【0069】
トナーカートリッジ28内部にある発光導光路82と受光導光路83の本体の右端は、互いに近づく方向に折り曲げられ、先端が軸に対して斜めに切り欠かれ、互いに対向する平面82bと83bを形成し、その対向部84によりトナー有無検出部を形成している。
【0070】
トナーカートリッジ28の外部に設置されている図4(b)に示す透過型光センサ85は、その発光部86と受光部87を、装着部に装着されるトナーカートリッジ28の発光導光路82と受光導光路83の外端面82aと83aにそれぞれ密着させ、発光導光路82と受光導光路83と共にトナー残量センサ66を構成する。
【0071】
すなわち、発光部86から矢印cで示すように外端面82aに向けて射出された発光は発光導光路82に案内されて、他と対向する平面82bに達し、対向部84に光を遮るもの(つまりトナー63)が無いときは矢印dのように他の平面83bに入射し、受光導光路83に案内されて、外端面83aから矢印eで示すように受光部87に回帰する。
【0072】
これにより、トナーカートリッジ28にトナー63があるときは、対向部84で光が遮断されるため、透過型光センサ85の出力(受光部の出力)はほぼ「0」であり、トナーカートリッジ28にトナー63が無くなると、対向部84で光を遮るものが無くなるので透過型光センサ85の出力は最高出力となる。
【0073】
制御装置のCPU42は、センサ部49を介して入力する透過型光センサ85の出力を監視して、トナーカートリッジ28のトナー63の有無を判別する。
【0074】
図5(a),(b)は実施例1に係るプリンタ1のトナー濃度センサ81の出力と現像装置9に対する制御との関係を示す図である。図5(a),(b)は、それぞれ横軸に時間(秒(s))を示し、縦軸にトナー濃度センサ81の出力(電圧(v))を示している。実線のグラフ88(88a、88b)は、トナー濃度センサ81の出力値の例を示している。
【0075】
尚、本例では、トナー濃度センサ81の出力を反転させており、図5(a),(b)に示す縦軸の値は、上にいくほど低く、下にいくほど高くなっている。図5(a)の破線で示す値は「トナー補給閾値v1」を示している。また、図5(b)のトナー補給閾値v1の上方に示す破線は「トナー無し閾値v2」を示している。
【0076】
図5(a)は、時刻t1で印字を開始し、時刻t2でトナー濃度センサ81の出力がトナー補給閾値に達し(トナー濃度が適正値のほぼ限界まで低下し)、その時刻t2から、リザーブタンク27のトナー63が現像器14に補充されはじめ、時刻t3でトナー濃度が適正値になって、トナー濃度センサ81の出力がトナー補給閾値以下に回復したことを示している。
【0077】
図5(b)は、時刻t1で印字を開始し、時刻t2でトナー濃度センサ81の出力がトナー補給閾値に達し、現像器14にトナー63を補充するためにリザーブタンク27のトナー補給機構69を駆動しても、リザーブタンク27が空であるためトナー63が補充されず、時刻t3でトナー濃度センサ81の出力がトナー無し閾値v2を超えてしまった例を示している。
【0078】
ここで、トナー濃度センサ81の出力を説明するために、現像器14内の二成分現像剤76について、元に戻ってキャリアとトナー63に分けて考えることにする。キャリアは現像器14内でトナー63と混合撹拌されてトナー63に所定の電荷を与える。電荷を与えられたトナー63はキャリアの表面に一時的に付着してキャリアの表面を被覆する。
【0079】
現像ローラ15により回転搬送される二成分現像剤76のキャリアは、電荷を帯びたトナー63を感光体ドラム10と現像ローラ15との対向位置まで運び、感光体ドラム10上の静電潜像にトナー63を転移させて、静電潜像上にトナー像を現像させる。表面のトナー63を放出したキャリアは現像ローラ15上に残り、再び現像器14内に戻る。
【0080】
現像器14内に戻ったキャリアは新たなトナー63と再び混合撹拌され、トナー63に電荷を与え、そのトナー63を感光体ドラム10上に運ぶ、というように繰り返し使用される。現像器14内のトナー63が少なくなる(トナー濃度が低くなる)と外部から新たなトナー63が補給される。
【0081】
本例の現像器14で用いる現像剤はキャリアとトナー63から成る二成分現像剤76であるので、図3(b)に示すトナー濃度センサ81には透磁センサを用いている。この透磁センサは、二成分現像において現像器14内のトナー63が少なくなったことを検出するためのもので、コイルのインダクタンス成分を利用する型、周波数型、磁気ブリッジ型など、トナー濃度センサとして一般的なものである。
【0082】
二成分現像においては、キャリアが磁性体であるのに対してトナーは非磁性体である。透磁センサを通してキャリアとトナーの混合体である二成分現像剤を見ると、一定の重量比で混合した現像剤は必ず一定のセンサ出力値を得ることができる。
【0083】
したがって、キャリアに対してトナーが多いと、つまりトナー濃度が高いと、二成分現像剤の透磁率が下がり透磁センサ、つまりトナー濃度センサ81の出力値が下がる。逆にキャリアに対してトナーが少ないと、つまりトナー濃度が低いと、二成分現像剤の透磁率が上昇しトナー濃度センサ81の出力値が上昇する。
【0084】
本例のプリンタ1において、例えば通常の画像形成時に現像に適切な二成分現像剤のトナー濃度は約10%であるので、画像形成中つまり印字中は、現像器14のトナー濃度を10%に維持するように制御される。
【0085】
したがって、所望の現像剤濃度(例えば10%のトナー濃度)に対応するトナー濃度センサ81の出力値を「トナー補給閾値v1」として制御装置の例えばEEPROM47の所定の領域に予め設定しておく。
【0086】
これにより、トナー濃度センサ81の出力値とトナー補給閾値との比較によって現像器14内の減少したトナー濃度を検知することができる。また、何らかの原因で、現像器14へのトナー63の補充が途絶えた場合、印字の続行によってトナー濃度がトナー補給閾値以下に低下する。
【0087】
現像に適するトナー濃度の上下幅はある程度の許容差があるので、トナー濃度がトナー補給閾値以下に低下しても、ある時間は印字を続行できる。
【0088】
しかし、現像に適するトナー濃度の下の方の許容差以下となった場合は、形成画像の品質が保証できないのでプリンタ1本体を強制的に停止させなければならない。本例では、このトナー濃度の下の方の許容差を「トナー無し閾値v2」として、EEPROM47の他の所定の領域に予め設定しておく。
【0089】
図6は、図2に示したドットカウンタ54のトナー量算出方法を説明する図である。尚、図6は横軸に光書込ヘッド13による感光体ドラム10への露光面積(m^2)を示し、縦軸にトナー消費量(g)を示している。換言すれば図6はトナー消費量と光書込ヘッド13による露光量との関係を示している。
【0090】
本発明では、リザーブタンク27の内部にトナー残量検知装置を配設していない。その代わりに、図6に示す特性図に基づいてトナー消費量を図2に示したドットカウンタ54で判断している。
【0091】
光書込ヘッド13が出力する一定光量に対して現像効率をAとしたとき、「トナー消費量(g)=A×露光面積(m^2)」の関係から、トナー消費量を計算することができる。
【0092】
図7は、上記構成におけるプリンタ1の図2に示した制御装置のCPU42による通常印字モードの印字中におけるトナー補充処理の動作を示すフローチャートである。
【0093】
図8は、上記構成におけるプリンタ1の図2に示した制御装置のCPU42によるリザーブタンク印字モードの印字中におけるトナー補充処理の動作を示すフローチャートである。
【0094】
図9は、状態Aから状態Eまで、上記のフローチャートで示す印字中におけるトナー補充処理に対応するトナー供給部4の動作状態を示す断面図である。
【0095】
尚、この処理では、ユーザが使用中(稼動休止中)のプリンタ1の印字開始を前提にしている。また、新品のプリンタ1の場合はリザーブタンク27へのトナーの初期充填が完了して、使用中で稼動休止中の状態となっていることを前提にしている。
【0096】
ところで、工場出荷時の新品のプリンタ1には、現像器14には未使用のトナー63は投入されているが、リザーブタンク27内にはトナー63は充填されていない。
【0097】
しかし、本例では、例えば、リザーブタンク27の収容可能なトナー容量は100g、トナーカートリッジ28のトナー補給機構61のトナー補給能力は0.5g/secと決まっているので、新品のトナーカートリッジ28から200秒間のトナー補給を実行すると、リザーブタンク27を満杯にすることができる。
【0098】
図9の状態Aは、新品のトナーカートリッジ28からリザーブタンク27に200秒間のトナー補給を実行して、空のリザーブタンク27を満杯にした状態を示している。リザーブタンク27を満杯にした分だけ、新品のトナーカートリッジ28のトナー63がほぼ半分に減っている。
【0099】
図9の状態Bは、トナーカートリッジ28のトナー63が、ちょうど空になったときの状態を示している。この状態で、トナー残量センサ66がトナーカートリッジ28の「トナー無し」を検知する。
【0100】
図9の状態Cは、トナーカートリッジ28が空(つまりトナー無し)のまま、まだ新品のトナーカートリッジ28と交換されていない状態を示している。印字は続行されているので、リザーブタンク27内の満杯であったトナー63が半分近く減っている。
【0101】
図9の状態Dは、リザーブタンク27内の補充可能なトナー量をハッチング領域89で示している。この補充可能なトナー量は、状態Bから状態Cに至る間に印字で消費されたトナー量を、ドットカウンタ54が演算したものである。
【0102】
図9の状態Eは、状態Dの時点で、新旧のトナーカートリッジ28が交換されて、新品のトナーカートリッジ28から、トナー63が、ドットカウンタ54が演算した分だけリザーブタンク27に補充された状態を示している。
【0103】
リザーブタンク27内部の左側と右側のトナー63の新旧の段差h及び新旧間の空間gは、リザーブタンク27からトナー補給機構69によりトナー搬送路73を介してトナー63が現像器14に補充されていくうちに平均化される。
【0104】
図7において、印字が開始されると、先ず、ユーザからの印字終了指示、又はホスト機器から印字データの終了コマンドが入力されているか否か判別する(ステップS1)。印字処理は用紙1枚ごとに繰り返される同一のシーケンス処理であるので、このように処理開始の冒頭で処理終了か否かを判別する。
【0105】
この判別は、印字開始直後ではNoとなるので、次に、CPU42は、トナー供給部4の4個のトナーカートリッジ28m、28c、28y、28kのトナー残量センサ66の出力値をそれぞれ読み出す(ステップS2)。
【0106】
そして、CPU42は、その読み出した出力値が、トナー残量有りを示しているか否か判別する(ステップS3)。この判別でトナー残量有りなら(S3の判別がYes)、続いて、CPU42は、トナー濃度センサ81の出力値を読み出し(ステップS4)、その読み出した出力値がトナー補給閾値v1以下であるか判別する(ステップS5)。
【0107】
そして、トナー濃度センサ81の出力値がトナー補給閾値v1以下であれば(S5の判別がYes)、当該現像器14のトナー濃度は現像に適正な濃度の範囲にあるので(図5(a)の時刻t2よりも前の期間参照)、CPU42は、ステップS1に戻って、ステップS2〜S5により通常印字モードによる印字を続行する。
【0108】
上記ステップS5の判別で、トナー濃度センサ81の出力値がトナー補給閾値v1を超えたときは(S5の判別がNo)、当該現像器14のトナー濃度は現像に適正な濃度より低くなっているので(図5(a)の時刻t2以降の期間参照)、CPU42は、当該現像器14に対応するリザーブタンク27から当該現像器14にトナー63の補給を実行する(ステップS6)。
【0109】
そして、現像器14に補給した分のトナー量を、トナーカートリッジ28からリザーブタンク27に補給して(ステップS7)、ステップS1に戻り、ステップS2〜S5により、通常印字モードによる印字を続行する。
【0110】
また、上記ステップS3の判別で、トナーカートリッジ28にトナー残量が無いときは(S3の判別がNo)(図9の状態B参照)、当該トナーカートリッジ28に対応するトナー色の印字処理をリザーブタンク印字モードで印字処理するために、CPU42は、リザーブタンク印字モードへ移行する(ステップS8)。
【0111】
図8に示すリザーブタンク印字モードでは、CPU42は、先ず、対象の(トナー残量が無いトナーカートリッジ28に対応するトナー色の、以下同様)現像装置9のトナーカートリッジ28が印字を続行したまま交換可能であることを操作パネル48に表示してユーザに報知する(ステップS11)。
【0112】
続いて、CPU42は、ドットカウンタ54により、対象の現像装置9のトナー消費量の計測を開始する(ステップS12)。そして、印字を実行しながら、リザーブタンク27のトナー残量を算出する(ステップS13)。
【0113】
上記のトナーカートリッジ28がトナー残量無しになった時点ではリザーブタンク27はトナー63で満杯であり、且つそのトナー収容量は100gと決まっているので、この100gからドットカウンタ54で計測した消費トナー量を減算すれば、リザーブタンク27のトナー残量を算出することができる。図9の状態Cは、このときの状態を示している。
【0114】
次に、CPU42は、上記算出したリザーブタンク27のトナー残量を、対象の現像装置9の残りトナー量として(又は印字可能枚数に換算して)操作パネル48に表示報知する(ステップS14)。尚、既に表示報知が行われている場合には、その表示を更新して表しなおす。
【0115】
続いて、CPU42は、トナー濃度センサ81の出力値を読出し、その読み出した出力値がトナー無し閾値v2を超えているか否か判別する(ステップS15)。
【0116】
そして、トナー濃度センサ81の出力値がトナー無し閾値v2を超えていないときは(S15の判別がNo)(図5(b)の時刻t3になる前の期間参照)、続いて、新カートリッジ検知装置57の出力を参照し、新しいトナーカートリッジ28に交換されているか否か判別する(ステップS16)。
【0117】
そして、新しいトナーカートリッジ28に交換されていないときは(S16の判別がNo)、CPU42は、ステップS13に戻って、ステップS13〜S16の処理を繰り返す。
【0118】
また、上記ステップS15の判別で、トナー濃度センサ81の出力値がトナー無し閾値v2を超えているときは(S15の判別がYes)(図5(b)の時刻t3以降の状態参照)、CPU42は、対象の現像器14にトナー63が無いと判断し、プリンタ1本体の稼動を停止させ、操作パネル48に「トナー無し」を表示する(ステップS20)。
【0119】
また、上記ステップS16の判別で、新しいトナーカートリッジ28に交換されているときは(S16の判別がYes)、CPU42は、対象の現像装置9のリザーブタンク27の空き容量を算出する(ステップS17)。
【0120】
この処理では、ステップS13で算出されているリザーブタンク27のトナー残量を、リザーブタンク27のトナー全収容量能力100gから減算して、リザーブタンク27の空き容量を算出することができる。図9の状態Dのハッチング領域89は、リザーブタンク27の空き容量(補給可能容量)を示している。
【0121】
そして、CPU42は、いま算出したリザーブタンク27の空き容量分のトナー63を、新しく交換されたトナーカートリッジ28のトナー補給機構61を駆動して、リザーブタンク27に補給する(ステップS18)。図9の状態Eは、このときの状態を示している。
【0122】
続いて、CPU42は、ステップS11で操作パネル48に表示処理した「トナーカートリッジ28が交換可能である」ことの表示を解除して(ステップS19)、図7に示した通常印字モードの印字処理に復帰する。
【0123】
以上のように、トナー濃度センサ81の出力値がトナー無し閾値v2を超えないうちに、空になったトナーカートリッジ28が交換されている間は、ステップS1〜S8、S11〜S19が繰り返されて、やがて印字が終了すると(S1の判別がYes)、CPU42はプリンタ1の稼動を停止して印字処理を終了する(ステップS9)。
【0124】
このように、本実施例によれば、二成分現像剤を用いる画像形成装置において装置本体の稼動を停止させることなくトナーカートリッジの交換を可能にするという効果を奏する。
【0125】
また、リザーブタンク内にトナー量検知機構を配置する必要の無い簡便な装置で、トナーの補給を正しく行うことができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、二成分現像剤を用い画像形成装置本体の稼動を停止させることなくトナーカートリッジの交換を可能にする画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 フルカラー画像形成装置(プリンタ)
2 画像形成部
3 転写ベルトユニット
4 トナー供給部
5 給紙部
6 ベルト式定着ユニット
7 両面印刷用搬送ユニット
8 転写ベルト
8a 下部走行部表面
9(9m、9c、9y、9k) 現像装置
10 感光体ドラム
11 クリーナ
12 帯電ローラ
13 光書込ヘッド
14 現像器
15 現像ローラ
16 筐体
17 隔壁
15 現像ローラ
18 第1の攪拌搬送スクリュー
19 第2の攪拌搬送スクリュー
20 一次転写ローラ
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
23 二次転写部
24 ベルトクリーナ
25 クリーニングブレード
26 廃トナー回収容器
27(27m、27c、27y、27k) リザーブタンク
28(28m、28c、28y、28k) トナーカートリッジ
29(29a、29b) 給紙カセット
30 電装部
31 用紙取出ローラ
32 給送ローラ
33 捌きローラ
34 待機搬送ローラ対
35 二次転写ローラ
36 搬出ローラ対
37 排紙トレー
38 排紙ローラ対
39 返送路
39a 開始返送路
39b 中間返送路
39c 終端返送路
41(41a、41b、41c、41d、41e) 返送ローラ対
42 CPU(central processing unit)
43 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
44 プリンタコントローラ(PR_CONT)
45 プリンタ印字部
46 ROM(read only memory)
47 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
48 操作パネル
49 センサ部
51 フレームメモリ
52 ベルト駆動部
53 トナー供給部モータ駆動部
55 被検知部
56 検知部
57 新カートリッジ検知装置
61 トナー補給機構
62 カートリッジモータ
63 トナー
64 トナー補充口
65 フィン形状の変化点
66 トナー残量センサ
67 回転軸
68 攪拌フィン
69 トナー補給機構
71 リザーブタンクモータ
72 フィン形状の変化点
73 トナー搬送路
75 フィンスクリュウ
76 現像剤
81 トナー濃度センサ
82 発光導光路
82a 左端面
82b 平面
83 受光導光路
83a 左端面
83b 平面
84 対向部
85 透過型光センサ
86 発光部
87 受光部
88(88a、88b) トナー濃度センサの出力値の例
89 補給可能容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二成分現像剤により感光体にトナー像を現像する現像器と、
該現像器に備えられ前記二成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサと、
トナー搬送路を介して前記現像器に連結されたトナー補給用のリザーブタンクと、
該トナー補給用リザーブタンクに着脱自在なトナーカートリッジと、
該トナーカートリッジが新しいか否かを検知する新カートリッジ検知装置と、
前記トナーカートリッジのトナー残量を検知するトナー残量センサと、
制御部と、
を備え、
通常印字モードと、
リザーブタンク印字モードと、
を有し、
前記制御部は、前記通常印字モードにおいて、
前記トナー残量センサが前記トナーカートリッジのトナー無しを検知したとき前記リザーブタンク印字モードに移行し、トナー有りを検知したとき前記通常印字モードによる印字を続行し、
前記通常印字モードによる印字続行中は、トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が予め設定されたトナー補給閾値以上であるとき前記通常印字モードによる印字を続行し、前記トナー濃度が前記トナー補給閾値より低いとき前記リザーブタンクから前記現像器へのトナー補給と、前記トナーカートリッジから前記リザーブタンクへのトナー補給とを行って前記通常印字モードによる印字を続行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記リザーブタンク印字モードにおいて、
前記トナーカートリッジの交換が可能であることをユーザに報知すると共に該報知の時点からの印字データに対するドットカウンタにより得られる消費トナー量を累算し、
前記トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が予め設定されたトナー無し閾値以上であるときは、
前記新カートリッジ検知装置が前記トナーカートリッジが新しいトナーカートリッジに交換されたことを検知するまで前記リザーブタンク印字モードの印字を続行し、
前記新カートリッジ検知装置が前記トナーカートリッジが新しいトナーカートリッジに交換されたことを検知したとき、前記ドットカウンタにより得られた消費トナー量累算値分のトナー量を前記トナーカートリッジから前記リザーブタンクへ補給すると共に前記トナーカートリッジの交換可能の報知を解除して、前記通常印字モードによる印字に移行する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記リザーブタンク印字モードにおいて、
前記ドットカウンタにより得られた消費トナー量累算値に基づき、前記リザーブタンクのトナー残量を前記ユーザに報知する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記リザーブタンク印字モードにおいて、
前記トナー濃度センサの出力値が示すトナー濃度が前記トナー無し閾値より低いときは、画像形成装置本体の稼動を強制停止する、ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−3202(P2012−3202A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140834(P2010−140834)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】