説明

画像形成装置

【課題】エッジ効果に起因する転写チリを低減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】帯電せしめた像担持体上に書込光を照射して潜像を書込み、像担持体上の潜像を現像して像担持体上にトナー像を形成する作像手段を備え、転写手段により、像担持体上に形成されたトナー像を表面移動部材によって搬送された記録材に転写するか、トナー像を表面移動部材の表面へ転写した後に表面移動部材上のトナー像を記録材に転写することにより、記録材に画像を形成する画像形成装置において、トナー像からの反射光を検知する光学検知手段と、少なくともライン状のトナー像からの反射光を検知した光学検知手段の検知結果に基づいて、ライン状のトナー像のトナー層高さに係る情報を取得し、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に前記トナー層高さが低くなるように作像手段を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、あらかじめ定められた形状のトナー像である基準トナー像を像担持体である感光体の表面に複数個形成した後、基準トナー像形成時の現像ポテンシャルと、基準トナー像のトナー付着量の直線近似式から、所望のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを求め、トナー像形成時の各種電位を求める電位設定値調整制御が広く行われている(例えば、特許文献1参照)。なお、現像ポテンシャルとは、感光体上の静電潜像の電位と、現像バイアスが印加される現像スリーブ表面の電位との電位差のことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
像担持体上に形成される静電潜像の境界部分の電界が強くなる所謂エッジ効果が生じることが知られている。このエッジ効果により、像担持体上のライン画像の静電潜像に現像されるトナー量が増加しトナー層高さが高くなって、中間転写体または記録材にライン画像を転写する際に、ライン画像の周辺部においてトナー散り(以降、単に「転写チリ」と呼ぶ)が生じる場合がある。また、現像剤の帯電特性の影響も大きく、帯電量とエッジ効果が重なり、特に低温低湿度環境下で最も転写チリが顕著に現れる。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、エッジ効果に起因する転写チリを低減できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、帯電せしめた像担持体上に書込光を照射して潜像を書込み、前記像担持体上の潜像を現像して該像担持体上にトナー像を形成する作像手段を備え、転写手段により、前記像担持体上に形成されたトナー像を表面移動部材によって搬送された記録材に転写するか、トナー像を表面移動部材の表面へ転写した後に表面移動部材上のトナー像を記録材に転写することにより、記録材に画像を形成する画像形成装置において、トナー像からの反射光を検知する光学検知手段と、少なくともライン状のトナー像からの反射光を検知した光学検知手段の検知結果に基づいて、ライン状のトナー像のトナー層高さに係る情報を取得し、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に該トナー層高さが低くなるように作像手段を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記作像手段は、潜像担持体と、該潜像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、所定電位に帯電した潜像担持体表面に書込光を照射して潜像を形成する潜像形成手段と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーを該潜像担持体上の潜像に転移させて該潜像を現像する現像手段とからなり、上記トナー層高さが上記基準高さ以上の場合に、上記潜像担持体と上記現像剤担持体との周速比を大きくさせるとともに、付着量が互いに異なるような作像条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成させ、該階調パターンを前記光学検知手段で検知した検知結果に基づいて静電潜像部の電位と現像バイアスとの差である現像ポテンシャルを設定し、上記制御手段によって前記作像手段を制御することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記光学検知手段の検知結果に基づいてトナー像の単位面積あたりのトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段を有しており、上記制御手段は、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係式の傾きである現像γが予め設定された基準現像γよりも小さい場合に上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記制御手段は、ベタ状のトナー像の画像濃度が目標値となるトナー付着量を得るための現像ポテンシャルが、予め設定された基準現像ポテンシャルよりも大きい場合に、上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記現像手段の周辺の湿度を検知する湿度検知手段を有しており、上記制御手段は、前記湿度検知手段によって検知された前記現像手段の周辺環境の絶対湿度が予め設定された基準絶対湿度よりも低い場合に、上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記記録材に画像を作像する通常の作像動作の開始前に、所望の作像条件となるように上記制御手段によって上記作像手段を制御することを特徴とするものである。
【0006】
本発明においては、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に、前記トナー層高さが低くなるように作像手段を制御手段によって制御するので、前記トナー層高さを低くできる分、エッジ効果に起因した転写チリを低減させることができる。
【発明の効果】
【0007】
以上、本発明によれば、エッジ効果に起因する転写チリを低減できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1に係る電位設定値調整制御における制御フローを示すフローチャート。
【図2】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図3】同複写機における中間転写ユニットとその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図4】同複写機における4つの画像形成ユニットのうち、2つを示す拡大構成図。
【図5】同複写機の電気回路の要部を示すブロック図。
【図6】同複写機の中間転写ベルトとその表面に形成された階調パターン像とを示す模式図。
【図7】ラインパターンとベタパターンのトナー付着量の関係を示す図。
【図8】(a)ベタパターンでの画像データによって露光された感光体電位と感光体電位に対応する電界潜像とを示すグラフ、(b)ラインパターンでの画像データによって露光された感光体電位と感光体電位に対応する電界潜像とを示すグラフ。
【図9】ライン幅と単位面積あたりのトナー付着量との関係を示すグラフ。
【図10】同複写機における階調パターン像の検知結果に基づいて特定される現像γの特性を示すグラフ。
【図11】同複写機の現像γと転写チリランクの関係を示すグラフ。
【図12】同複写機の現像線速比と現像γの関係を示すグラフ。
【図13】実施例2に係る電位設定値調整制御における制御フローを示すフローチャート。
【図14】実施例3に係る電位設定値調整制御における制御フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置である複写機の一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機は、画像形成を行うプリント部100と、このプリント部100が載置されプリント部100に対して記録部材である転写紙5の供給を行う給紙装置200と、プリント部100上に取り付けられ原稿画像を読み取るスキャナ300と、このスキャナ300の上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。プリント部100には、転写紙5を手差し給紙させるための手差しトレイ6、及び、画像形成済みの転写紙5が排紙される排紙トレイ7が設けられている。
【0010】
図3は、プリント部100の構成を拡大して示す拡大構成図である。プリント部100には、中間転写体であり且つ表面無端移動体である無端状の中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10の材料には、ベルト伸びによる位置ずれを防止するために機械的特性に優れた材料であるポリイミドが採用されている。このポリイミドには、高画質高安定化、即ち、温湿度環境に依存せず常に安定した転写性能が得られるようにするために電気抵抗調整剤としてカーボンを分散させている。このため、中間転写ベルト10は黒色を呈している。
【0011】
中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中で時計回り方向に回転駆動される。図3に示すように、支持ローラ14,15,16のうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。また第1支持ローラ14と第3支持ローラ16との間のベルト張架部分には、中間転写ベルト10上に形成された基準トナー像たる濃度パッチを検出するための光学センサ110が取り付けられている。
【0012】
画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、図2に示したように、レーザー書込装置21が設けられている。このレーザー書込装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、レーザ−制御部(図示せず)によって半導体レーザ−(図示せず)を駆動して書込光を出射する。そして、その書込光により、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kに設けられた潜像担持体たるドラム状の感光体20Y,20C,20M,20Kを露光走査して感光体に静電潜像を形成する。なお、書込光の光源としては、レーザーダイオードに限るものではなく、例えばLEDであってもよい。
【0013】
図4は、4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kのうちの2つを示す拡大構成図である。なお、4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kは、使用するトナーの色が互いに異なる点の他が同様の構成になっているので、同図においては、各部材の符号の末尾に付すY,C,M,Kという添字を省略している。また、以下の説明においても、これら添字を必要に応じて適宜省略する。
【0014】
画像形成ユニット18には、感光体20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63及び除電装置64が設けられている。また、感光体20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、一次転写装置62が設けられている。
【0015】
帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体20に接触して電圧を印加することにより感光体20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0016】
現像装置61では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。この現像装置61は、現像ケース70内に設けられた攪拌部66と現像部67とに大別できる。攪拌部66では、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての後述する現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュー68が設けられており、2本のスクリュー68の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置61内の現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。一方、現像部67では、現像スリーブ65に付着した現像剤のうちのトナーが感光体20に転移される。この現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体20と対向する現像スリーブ65が設けられており、その現像スリーブ65内にはマグネット(図示せず)が固定配置されている。また、現像スリーブ65に先端が接近するようにドクターブレード73が設けられている。なお、感光体20の周速度をVp、現像スリーブの周速度をVsとすると、この周速度比Vs/Vpと表せる。以降、単に「現像線速比」と呼ぶ)。
【0017】
現像装置61内においては、現像剤を2本のスクリュー68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、現像スリーブ65内に配設されたマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に汲み上げられる。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクターブレード73によって適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。このようにして感光体20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットローラの発する磁力によって穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体20上の静電潜像部分に転移し、感光体20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
【0018】
一次転写装置62としては、一次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体20に押し当てるようにして設置している。一次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
【0019】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。除電ランプ等からなる除電装置64は、光を照射して感光体20の表面電位を初期化する。
【0020】
画像形成ユニット18には、感光体20に対向する電位センサ120が設けられている。この電位センサ120は、感光体20に対向するように設けられ、感光体表面電位を検出する。
【0021】
図4において、帯電装置60により、感光体20の表面は例えば−760Vに一様帯電せしめられ、レーザー書込装置21によってレーザーが照射された静電潜像部分の電位は、例えば−200Vとなる。これに対して、現像バイアスの電圧を−560Vとし、360Vの現像ポテンシャルを確保する。なお、現像ポテンシャルとは、感光体表面の静電潜像と、現像バイアスが印加される現像スリーブ表面との電位差のことである。このようなプロセス条件は、後述する電位設定値調整制御の結果によって適時変更される。
【0022】
先に示した図2において、画像形成ユニット18では、感光体20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体20の表面を一様に帯電せしめる。次いで、スキャナ300により読み取った画像情報に基づいてレーザー書込装置21からレーザーによる書込光を照射し、感光体20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、一次転写装置62により中間転写ベルト10上に一次転写される。一次転写後に感光体20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0023】
先に図3に示したように、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、二次転写装置である二次転写ローラ24が設けられている。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙5上に二次転写する際には、二次転写ローラ24を第3支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てて二次転写を行う。なお、二次転写装置としては二次転写ローラ24を用いた構成でなくても、例えば転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。この二次転写ローラ24には、二次転写ローラ24に付着したトナーをクリーニングするローラクリーニング部91が当接している。
【0024】
また、二次転写ローラ24の転写紙5搬送方向下流側には、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の搬送ベルト22が張架した構成を有する。また、このさらに搬送方向下流側には、転写紙5上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、転写紙5に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
【0025】
プリント部100には、図2に示したように、給紙装置200から給紙された転写紙5を二次転写ローラ24を経由して排紙トレイ7に案内する搬送路48が設けられている。また、この搬送路48に沿って、搬送ローラ49a、レジストローラ49b、排出ローラ56なども設けられている。搬送路48の下流側には、転写後の転写紙5の搬送方向を排紙トレイ7又は用紙反転装置93に切り替える切替爪55が設けられている。用紙反転装置93は、転写紙5を反転させて再び二次転写ローラ24に向けて送り出すものである。さらに、プリント部100には、手差しトレイ6から搬送路48へ合流する手差し給紙路53が設けられ、この手差し給紙路53の上流側には、手差しトレイ6にセットされた転写紙5を一枚ずつ給紙するための給紙ローラ50及分離ローラ51が設けられている。
【0026】
給紙装置200は、転写紙5を収納する複数の給紙カセット44、これらの給紙カセット44に収納された転写紙を一枚ずつ送り出す給紙ローラ42及び分離ローラ45、送り出された転写紙を給紙路46に沿って搬送する搬送ローラ47などから構成されている。給紙路46は、プリント部100の搬送路48に接続している。
【0027】
スキャナ300では、コンタクトガラス31上に載置される原稿(図示せず)の読取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体33,34が往復移動する。これらの走行体33,34により走査された画像情報は、結像レンズ35によってその後方に設置されている読取センサ36の結像面に集光され、読取センサ36によって画像信号として読込まれる。
【0028】
本複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス31上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーがスタートスイッチ(図示せず)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス31上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス31上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
【0029】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、駆動モータ(図示せず)が駆動し、支持ローラ14、支持ローラ15、支持ローラ16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。これと同時に各画像形成ユニット18の感光体20と現像スリーブ65が回転駆動し、感光体20にレーザー書込装置21からレーザーによる書込光を照射し、感光体20上に静電潜像を形成する。その後、感光体20上に形成された静電潜像に現像スリーブ65からトナーが供給され、感光体20上にトナー像が形成される。
【0030】
このようにして形成された各色トナー像は、各一次転写装置62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ一次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、二次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0031】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙5に応じた給紙装置200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙5が送り出される。送り出された転写紙5は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47によりプリント部100内の搬送路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙5は、レジストローラ49bに突き当たったところで止められる。
【0032】
レジストローラ49bは、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が二次転写ローラ24に対向する二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。レジストローラ49bにより送り出された転写紙5は、中間転写ベルト10と二次転写ローラ24との間に送り込まれ、二次転写ローラ24により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙5上に二次転写される。その後、転写紙5は、二次転写ローラ24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙5は、排出ローラ56により排紙トレイ7に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙5の搬送方向を切替爪55により切り替え、用紙反転装置93に送り込む。転写紙5は、そこで反転し再び二次転写ローラ24に案内される。
【0033】
なお、本実施形態において、潜像担持体たる感光体20上のトナー像を、表面無端移動体たる中間転写ベルト10を介して記録部材たる転写紙5に転写する例について説明したが、次のような構成にしてもよい。即ち、表面無端移動体たる紙搬送ベルトを感光体との対向位置に配設し、この紙搬送ベルトの表面に保持させながら搬送している転写紙に対して、感光体上のトナー像を直接転写するのである。かかる構成でも、基準パッチについては、紙搬送ベルトの表面に保持されている転写紙ではなく、紙搬送ベルトの表面に転写させるようにすることで、紙搬送ベルトの表面上の基準パッチを光学センサ110に検知させることができる。
【0034】
また、本実施形態において、重ね合わせの転写によって多色トナー像を形成するカラータイプの複写機について説明したが、単色トナー像だけを形成する単色タイプの画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
【0035】
[実施例1]
図5は本実施形態に係る複写機の電気回路の要部を示すブロック図である。同図に示すように、本複写機には、コンピュータ構成のメイン制御部500が備えられており、このメイン制御部500が各部を駆動制御する。メイン制御部500は、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(Central Processing Unit)501にバスライン502を介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)503と各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)504とが接続されて構成されている。
【0036】
ROM503には、光学センサ110の出力値に対する単位面積当りのトナー付着量への換算に関する情報を記憶した換算テーブル(図示せず)が格納されている。
【0037】
メイン制御部500には、プリント部100の各部、給紙装置200、スキャナ300、原稿自動搬送装置400が接続されている。ここで、プリント部100の光学センサ110及び電位センサ120は、検出した情報をメイン制御部500に送り出す。
【0038】
本複写機の制御手段たるメイン制御部(CPU501、ROM503及びRAM504からなる組合せ)500は、電源スイッチ(図示せず)がONされた直後に、電位設定値調整制御と呼ばれる作像条件調整制御を行うように構成されている。これにより、転写紙5に画像を作像する通常の作像動作の開始前(給紙装置200により転写紙5の給紙前)に、所望の作像条件となるようにメイン制御部500によって作像条件調整制御が行われるので、最適化された作像条件で転写紙5に画像を作像することができ、良好な画像品質を得ることができる。
【0039】
この電位設定値調整制御では、4つの画像形成ユニット18Y,C,M,Kにおいて、それぞれ感光体20Y,C,M,Kの表面に階調パターン像を形成し、これを中間転写ベルト10上に転写する。Y,M,C,Kの階調パターン像は、それぞれ単位面積あたりのトナー付着量が互いに異なる複数の基準パッチ(基準トナー像)からなり、例えば、図6に示すような状態で中間転写ベルト10に転写される。具体的には、複数のM基準パッチからなるM階調パターン像Tm、複数のC基準パッチからなるC階調パターン像Tc、複数のY基準パッチからなるY階調パターン像Tyは、それぞれベルト移動方向にM、C、Yという順で一直線上に並ぶように転写される。一方、複数のK基準パッチからなるK階調パターン像Tkは、ベルト幅方向において、他の階調パターン像とは異なる位置に転写される。
【0040】
電位設定値調整制御では、中間転写ベルト10上に形成した階調パターン像(例えば10階調パターン)における各基準パッチを光学素子110a,110bなどからなる光学センサ110によって検知し、各基準パッチに対応する出力電圧値に基づいて適切な現像γを算出する。そして、算出結果に基づいて、狙いの画像濃度を得ることができる感光体一様帯電電位、現像バイアス、光書込強度を特定して、それぞれを設定値とする。
【0041】
なお、現像γとは、現像ポテンシャルと、単位面積あたりにおけるトナー付着量との関係を示すグラフの傾きのことである。また、現像ポテンシャルとは、感光体表面の静電潜像の電位と、現像バイアスが印加される現像スリーブ表面の電位との電位差のことである。
【0042】
ここで電位設定調整制御において、図7に示すように中間転写ベルト10上にラインパターンとベタパターンを作成し、これらラインパターンとベタパターンとを光学センサ110によって検知すると、ラインパターンとベタパターンそれぞれの画像濃度に応じてトナー付着量を得ることができる。ラインパターンで得られた付着量データをV_Line、ベタパターンで得られた付着量データをV_betaし、ラインパターンとベタパターンの付着量比としてラインベタ比=V_Line÷V_betaと定義する。
【0043】
ここでラインパターンとベタパターンの定義について説明する。
図8(a)において(A)はベタパターンでの画像データによって露光された感光体電位を示しており、(B)はその感光体電位に対応する電界潜像を示している。図8(b)において(A)はラインパターンでの画像データによって露光された感光体電位を示しており、(B)はその感光体電位に対する電界潜像を示している。
【0044】
感光体電位が変わる場所に対応する電界は大きく強調されるエッジ電界が発生する。このとき、エッジ電界はライン幅Lに応じて形状が変化する。すなわち、図8(a)のようにライン幅Lが大きいとき(本構成例において具体的にはライン幅が12ライン以上のとき)には、画像端部のみ電界が強調される。一方、図8(b)のように12ライン未満の場合には画像端部のエッジ電界同士が合わさり大きなエッジ電界が発生する。
【0045】
なお、ベタパターンとラインパターンとはシステムにより多少異なるため、実機において、ライン幅を1ラインから複数ラインと変えたデータに基づいて画像を出力し、各ライン画像に付着量しているトナー量を測定して、単位面積あたりのトナー付着量に換算して、図9のように横軸がライン幅で縦軸が単位面積あたりのトナー付着量であるグラフから、単位面積あたりのトナー付着量が飽和したライン幅をベタパターンとラインパターンとを区別する閾値としてあらかじめ実験した結果を用いても良い。
【0046】
ラインパターンの単位面積あたりのトナー付着量と、ベタパターンの単位面積あたりのトナー付着量との比であるラインベタ比が1に近づくほど、ラインパターンのトナー層の高さが低くなり、転写チリの余裕度が上がることになる。
【0047】
転写チリが発生するラインベタ比の閾値αは、システム、使用している現像剤の特性により異なるため各電子写真装置の特性に合わせて設定する必要があるが、転写チリが発生するラインベタ比の閾値αを超えた場合のみ、エッジ効果を低減する現像スリーブの周速比を変更した上で電位設定調整を実施する。これにより、現像剤や電子写真装置に余分なストレスを与えることなく「転写チリ」を改善できる効果がある。
【0048】
現像γは、現像剤の周辺環境によりその値が大きく変化する。より具体的には、常温常湿(ここでは23[℃]50[%]とする)環境と比較して、高温高湿環境(ここでは27[℃]80[%]とする)下で現像γが大きくなり、また低温低湿環境(10[℃]15[%])下で現像γが小さくなる。これは、攪拌部66により摩擦帯電される現像剤の帯電量が、高温高湿環境下で小さくなり、低温低湿環境下で大きくなるため、同一の現像ポテンシャルであっても、高温高湿環境下で単位面積あたりのトナー付着量が大きくなり、低温低湿環境下で単位面積あたりのトナー付着量が小さくなるために生じる現象である。
【0049】
本実施形態の複写機では、ユーザーの実使用環境を10[℃]15[%](低温低湿環境)〜27[℃]80[%](高温高湿環境)と想定しており、10[℃]15[%](低温低湿環境)における現像γを下限値であるγminとし、27[℃]80[%](高温高湿環境)における現像γを上限値であるγMAXとした場合、現像γはγmin〜γMAXの間で変化する。また本複写機は、23[℃]50[%](常温常湿環境)下で、現像γがγmin〜γMAXとの範囲内にあるγrefとなるように設計されている。
【0050】
図10は、現像γ=γmin,γref,γMaxにおける、現像ポテンシャルと、各基準パッチのトナー付着量との関係を示すグラフである。ここで、所定のベタ濃度を得るためのトナー付着量を目標付着量と呼び、本複写機においては、目標付着量は0.55[mg/cm]に設定されている。
【0051】
図10における各基準パッチのプロット点の直線近似式から、現像γ=γMax,γref,γminにおける、目標付着量0.55[mg/cm]を得られる現像ポテンシャルをそれぞれ、Vpot1,Vpot2,Vpot3とする。なお、現像γの単位は[(mg/cm)/−kV]であり、現像ポテンシャルの単位は[−kV]である。
【0052】
図10に示されているように現像γに応じて目標付着量0.55[mg/cm]を得るための現像ポテンシャルは変化し、現像γが小さくなると目標付着量0.55[mg/cm]を得るための現像ポテンシャルは大きくなる。すなわち、図10に示した現像γ=γmin,γref,γMaxにおいては、現像γがγminのときに目標付着量0.55[mg/cm]を得るための現像ポテンシャルが最も大きく、次いでγrefとなり、γMaxのときに目標付着量0.55[mg/cm]を得るための現像ポテンシャルが最も小さくなる。
【0053】
図11は、現像γと転写チリランクとの関係を示すグラフである。転写チリランクは、文字部(ラインパターン)のトナー散り度合いを目視によりランク付けしたものであり、ユーザーに許容される転写チリランクは4以上とすると、図11に示す通り、転写チリランクが4以上となるためには、現像γはγth以上となる必要がある。
【0054】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体上に形成される静電潜像の境界部分の電界が強くなる現象、所謂エッジ効果が発生することは既に述べた。このエッジ効果は、現像ポテンシャルが大きくなるほどその影響度合いが大きくなる。このため、現像γが小さくなるほど、目標付着量を得るための現像ポテンシャルが大きくなるためエッジ効果の影響度合いも大きくなる。従来の複写機においては、低温低湿環境下において現像γ<γthとなり、現像ポテンシャルが大きくなった場合に、転写チリが発生するという課題があった。
【0055】
そのため、エッジ効果に起因した転写チリが生じないように現像ポテンシャルを小さくすることが考えられるが、単に現像ポテンシャルを小さくすると所定のベタ濃度を得るための目標付着量よりもトナー付着量が少なくなりベタ濃度の濃度低下を招いてしまう。
【0056】
なお、図10と同様に所定のベタ濃度を得るための目標付着量を0.55[mg/cm]とした場合、現像γ=γthの時に目標付着量0.55[mg/cm]を得るための現像ポテンシャルをVpot_th[−kV]とする。
【0057】
次に図12は、現像線速比と現像γとの関係を示すグラフである。図12に示す通り、現像線速比がKsafe(Vs/Vp=1.7)以上であれば、現像γがγth(現像γ=1.3)以上となる。これは、現像線速比が大きくなる、すなわち現像スリーブの回転数を上げることで、現像スリーブ65から感光体20上に形成された静電潜像への単位時間あたりのトナー供給量が増加し、同一の現像ポテンシャルであっても、単位面積あたりのトナー付着量が大きくなるためと考えられる。
【0058】
以上の点を考慮し、本実施例の複写機では、図1のフローチャートで示される電位設定値調整制御が備えられている。
【0059】
電位設定値調整制御では、まず、それぞれ互いにトナー付着量が異なる10個の基準パッチからなるY−10階調パターン像、C−10階調パターン像、M−10階調パターン像、K−10階調パターン像を形成する。また、これら階調パターン像とは別に、中間転写ベルト10上に通常の作像条件でラインパターンとベタパターンとを作成する(S1:Sはステップの略である)。
【0060】
そして、これら階調パターン像やラインパターン及びベタパターンを光学センサ110によって検知し、出力結果をRAM504に格納する(S2)。このとき、同時に、感光体20上における各階調パターン部電位に対する電位センサ120の出力値を読み込んでRAM504に格納する(S4)。
【0061】
次に、各階調パターン像やラインパターン及びベタパターンにおけるトナー付着量をRAM504に記憶しておいた光学センサ110の出力値と、付着量変換テーブル(図示せず)とから求める(S3)。同時に、RAM504に記憶しておいた電位センサ120の電位出力値と、パターン作像時現像バイアスから現像ポテンシャルを計算する(S5)。
【0062】
トナー付着量を求めたら各階調パターン像における現像ポテンシャルとトナー付着量とに基づいて現像γの計算を行う(S6)。
【0063】
次に、ラインパターン及びベタパターンのトナー付着量と、ラインパターン及びベタパターンの画像データとから、ラインパターンとベタパターンそれぞれについて単位面積あたりのトナー付着量を算出し、ラインパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_Lineとベタパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_betaとの比としてラインベタ比=V_Line÷V_betaを算出し、算出したラインベタ比が閾値αに対してV_Line÷V_beta<αとなった場合には(S7でNO)、ラインパターンのトナー層の高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えていないと判断し、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを、算出した現像γに基づいて算出し特定する(S10)。
【0064】
一方、算出したラインベタ比が上述した転写チリが発生するラインベタ比の閾値αに対してV_Line÷V_beta≧αとなった場合に(S7でYES)、ラインパターンのトナー層高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えたと判断する。
【0065】
そして、計算して求めた現像γが前述したユーザーに許容される転写チリランクが4以上となるγthより小さい場合には(S8でNO)、現像線速比Vs/Vpを、前述したように現像γがγthとなる現像線速比Ksafeへ変更する(S9)。すなわち、現像装置の現像能力が低下したと判断し、現像線速比を大きくして現像スリーブ65から感光体20上に形成された静電潜像への単位時間あたりのトナー供給量を増加させ、同一の現像ポテンシャルにおける単位面積あたりのトナー付着量を大きくし現像γを大きくする。現像線速比をKsafeへ変更した後、再度S1に戻って一連の制御を繰り返し行う。
【0066】
そして、再度算出したラインベタ比が閾値αに対してV_Line÷V_beta≧αとなって(S7でYES)、再度計算して求めた現像γがγth以上の場合に(S8でYES)、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを、算出した現像γに基づいて算出し特定する(S10)。
【0067】
この際、現像線速比Ksafeへ変更し現像γ<γthから現像γ=γthとなるように現像γを大きくすることによって、現像線速比をKsafeへ変更する前よりも、目標付着量を得るための現像ポテンシャルを小さくできる。よって、前述したように特定した現像ポテンシャルが得られるように作像条件を変更することで、目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルが作像条件変更前よりも小さくなるので、その分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いが低減する。よって、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0068】
また、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いを低減させるために現像ポテンシャルを小さくしたとしても、所望のベタ濃度が得られる目標付着量は確保されるので、ベタパターンの濃度低下を抑えることができる。
【0069】
以上により、電位設定値調整制御処理が終了となる。そして、このような電位設定値調整制御処理を行い、その特定した現像ポテンシャルが得られるように感光体の帯電電位や現像バイアスなどの作像条件を変更することによって、ベタパターンの濃度低下を抑えつつ、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0070】
[実施例2]
図1に示した、実施例1における電位設定値調整制御フローにおいて、現像ポテンシャルを算出後に現像線速比をKsafeに変更しても同様の効果が得られる。現像γ=γthの時の現像ポテンシャルはVpot_th[−kV]であるから、現像ポテンシャルがVpot_thより大きい場合に現像線速比をKsafeに変更すればよい。実施例2における電位設定値調整制御フローを図13に示す。
【0071】
電位設定値調整制御では、まず、それぞれ互いにトナー付着量が異なる10個の基準パッチからなるY−10階調パターン像、C−10階調パターン像、M−10階調パターン像、K−10階調パターン像を中間転写ベルト10上に形成する。また、これら階調パターン像とは別に、中間転写ベルト10上に通常の作像条件でラインパターンとベタパターンとを作成する(S1)。
【0072】
そして、これら階調パターン像やラインパターン及びベタパターンを光学センサ110によって検知し、出力結果をRAM504に格納する(S2)。このとき、同時に、感光体20上における各階調パターン部電位に対する電位センサ120の出力値を読み込んでRAM504に格納する(S4)。
【0073】
次に、各階調パターン像やラインパターン及びベタパターンにおけるトナー付着量を、RAM504に記憶しておいた光学センサ110の出力値と、付着量変換テーブル(図示せず)とから求める(S3)。同時に、RAM504に記憶しておいた電位センサ120の電位出力値と、パターン作像時現像バイアスから現像ポテンシャルを計算する(S5)。
【0074】
トナー付着量を求めたら各階調パターン像における現像ポテンシャルとトナー付着量とに基づいて現像γの計算を行う(S6)。
【0075】
次に、ラインパターン及びベタパターンのトナー付着量と、ラインパターン及びベタパターンの画像データとから、ラインパターンとベタパターンそれぞれについて単位面積あたりのトナー付着量を算出し、ラインパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_Lineとベタパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_betaとの比としてラインベタ比=V_Line÷V_betaを算出する。そして、算出したラインベタ比が上述した転写チリが発生するラインベタ比の閾値αに対してV_Line÷V_beta<αとなった場合には(S7でNO)、ラインパターンのトナー層の高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えていないと判断し、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを、算出した現像γに基づいて算出し特定する(S10)。
【0076】
一方、算出したラインベタ比が閾値αに対してV_Line÷V_beta≧αとなった場合に(S7でYES)、ラインパターンのトナー層高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えたと判断する。
【0077】
そして、算出した現像γから所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを求めて、その求めた現像ポテンシャルがVpot_thより大きい場合に(S8でNO)、現像線速比をKsafeに変更して、再度S1に戻って一連の制御を繰り返し行う(S9)。
【0078】
そして、再度算出したラインベタ比が閾値αに対してV_Line÷V_beta≧αとなって(S7でYES)、再度算出した現像γから所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを求めて、その求めた現像ポテンシャルがVpot_th以下かどうかを判断する。ここで、上述したように現像線速比Ksafeは現像γ=γthが得られる値であることから、現像線速比をKsafeにすることで現像γ=γthとなり、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルをVpot_thにすることができるので、前記求めた現像ポテンシャルがVpot_th以下であると判断した場合に(S8でYES)、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを、算出した現像γに基づいて算出し特定する(S10)。
【0079】
ここで、現像線速比をKsafeを変更して、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルをVpot_thにすることで、現像線速比をKsafeに変更する前よりも目標付着量を得るための現像ポテンシャルが小さくなる。よって、前述したように特定した現像ポテンシャルが得られるように作像条件を変更することで、目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルが作像条件変更前よりも小さくなるので、その分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いが低減する。よって、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0080】
また、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いを低減させるために現像ポテンシャルを小さくしたとしても、所望のベタ濃度が得られる目標付着量は確保されるので、ベタパターンの濃度低下を抑えることができる。
【0081】
以上により、電位設定値調整制御処理が終了となる。そして、このような電位設定値調整制御処理を行い、その特定した現像ポテンシャルが得られるように感光体の帯電電位や現像バイアスなどの作像条件を変更することによって、ベタパターンの濃度低下を抑えつつ、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0082】
[実施例3]
本実施例では温湿度センサ(図示しない)を現像装置61の近傍に取り付けており、現像装置(現像剤)の周辺環境の変化に応じて現像線速比をKsafeに変更しても同様の効果が得られる。ここで、現像γ≧γthとなる現像剤の周辺環境の絶対湿度は、装置特性により変化するものであり規定はしない。ここでは転写チリが発生するか発生しないかの絶対湿度の閾値をδ[g/m]とすると、温湿度センサにより絶対湿度が閾値δより小さい場合に転写チリが発生するので、温湿度センサにより検出された絶対湿度が閾値δより小さければ現像線速比をKsafeに変更すればよい。実施例3における電位設定値調整制御フローを図14に示す。
【0083】
電位設定値調整制御では、まず、それぞれ互いにトナー付着量が異なる10個の基準パッチからなるY−10階調パターン像、C−10階調パターン像、M−10階調パターン像、K−10階調パターン像を形成する。また、これら階調パターン像とは別に、中間転写ベルト10上に通常の作像条件でラインパターンとベタパターンとを作成する(S1)。
【0084】
そして、これら階調パターン像やラインパターン及びベタパターンを光学センサ110によって検知し、出力結果をRAM504に格納する(S2)。このとき、同時に、感光体20上における各階調パターン部電位に対する電位センサ120の出力値を読み込んでRAM504に格納する(S4)。
【0085】
次に、各階調パターン像やラインパターン及びベタパターンにおけるトナー付着量をRAM504に記憶しておいた光学センサ110の出力値と、付着量変換テーブル(図示せず)とから求める(S3)。同時に、RAM504に記憶しておいた電位センサ120の電位出力値と、パターン作像時現像バイアスから現像ポテンシャルを計算する(S5)。
【0086】
トナー付着量を求めたら各階調パターン像における現像ポテンシャルとトナー付着量とに基づいて現像γの計算を行う(S6)。
【0087】
次に、ラインパターン及びベタパターンのトナー付着量と、ラインパターン及びベタパターンの画像データとから、ラインパターンとベタパターンそれぞれについて単位面積あたりのトナー付着量を算出し、ラインパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_Lineと、ベタパターンの単位面積当たりのトナー付着量V_betaとの比としてラインベタ比=V_Line÷V_betaを算出する。そして、算出したラインベタ比が閾値αに対してV_Line÷V_beta<αとなった場合には(S7でNO)、ラインパターンのトナー層の高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えていないと判断し、所望のベタ濃度が得られる目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを、算出した現像γに基づいて算出し特定する(S11)。
【0088】
一方、算出したラインベタ比が上述した転写チリが発生するラインベタ比の閾値αに対してV_Line÷V_beta≧αとなった場合に(S7でYES)、ラインパターンのトナー層高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えたと判断する。
【0089】
そして、現像装置61の近傍に取り付けた温湿度センサで現像装置61の湿度などの周辺環境を検知し(S8)、その検知結果に基づいて絶対湿度が転写チリが発生するか発生しないかの絶対湿度の閾値δ[g/m]より小さい場合に(S9でNO)、現像線速比をKsafeに変更して、再度S1に戻って一連の制御を繰り返し行う(S10)。
【0090】
絶対湿度が閾値δよりも小さいと現像γ<γthとなるため、上述したように現像線速比Ksafeは現像γ=γthが得られる値であることから、現像線速比を大きくして現像スリーブ65から感光体20上に形成された静電潜像への単位時間あたりのトナー供給量を増加させ、同一の現像ポテンシャルにおける単位面積あたりのトナー付着量を大きくし現像γを大きくさせて現像γ=γthとすることによって目標付着量を得るための現像ポテンシャルを、現像線速比をKsafeに変更する前よりも小さくできる。
【0091】
よって、現像ポテンシャルが小さくなる分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いが低減し、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0092】
また、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いを低減させるために現像ポテンシャルを小さくしたとしても、所望のベタ濃度が得られる目標付着量は確保されるので、ベタパターンの濃度低下を抑えることができる。
【0093】
以上により、電位設定値調整制御処理が終了となる。そして、このような電位設定値調整制御処理を行い、その特定した現像ポテンシャルが得られるように感光体の帯電電位や現像バイアスなどの作像条件を変更することによって、ベタパターンの濃度低下を抑えつつ、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
【0094】
なお、各実施例において、ラインパターンのトナー層高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えたか否かの判断は、光学センサ110による少なくともラインパターンの検知結果に基づいて、ラインパターンのトナー層高さに係る情報(単位面積当たりのトナー付着量V_Line)を取得すれば可能であり、その取得した情報に基づいてラインパターンのトナー層高さHが転写チリの発生するトナー高さの規定値以上の場合に前記トナー層高さが低くなるように電位設定値調整制御処理を実行しても、上述したのと同様の効果を得ることができる。また、各実施例のように、ラインパターンのトナー層高さHが、転写チリが発生するトナー層高さの規定値を超えたか否かの判断に、ラインパターンの単位面積あたりのトナー付着量V_Lineと、ベタパターンの単位面積あたりのトナー付着量V_betaとの比であるラインベタ比を用いることで、転写チリに対する余裕度を考慮した判断を行うことができるので好ましい。
【0095】
以上、本実施形態においては、帯電せしめた像担持体である感光体20上に書込光を照射して潜像を書込み、感光体20上の潜像を現像して感光体20上にトナー像を形成する作像手段を備え、転写手段により、感光体20上に形成されたトナー像を表面移動部材である紙搬送ベルトによって搬送された記録材である転写紙5に転写するか、トナー像を表面移動部材である中間転写ベルト10の表面へ転写した後に中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙5に転写することにより、転写紙5に画像を形成する画像形成装置において、トナー像からの反射光を検知する光学検知手段である光学センサ110と、少なくともライン状のトナー像からの反射光を検知した光学センサ110の検知結果に基づいて、ライン状のトナー像のトナー層高さに係る情報を取得し、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に前記トナー層高さが低くなるように作像手段を制御する制御手段であるメイン制御部500とを有する。これにより、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に、前記トナー層高さが低くなるように作像手段をメイン制御部500によって制御するので、前記トナー層高さを低くできる分、エッジ効果に起因した転写チリを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、上記作像手段は、潜像担持体である感光体20と、感光体20を所定の電位に帯電させる帯電手段である帯電装置60と、所定電位に帯電した感光体表面に書込光を照射して潜像を形成する潜像形成手段であるレーザー書込装置21と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体である現像スリーブ65に現像バイアスを印加しながら現像スリーブ65上のトナーを感光体20上の潜像に転移させて前記潜像を現像する現像手段である現像装置61とからなり、前記トナー層高さが上記基準高さ以上の場合に、感光体20と現像スリーブ65との周速比である現像線速比を大きくさせるとともに、付着量が互いに異なるような作像条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成させ、前記階調パターンを光学センサ110で検知した検知結果に基づいて潜像部の電位と現像バイアスとの差である現像ポテンシャルを設定し、メイン制御部500によって前記作像手段を制御することで、ベタパターンの濃度低下を抑えつつ、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、光学センサ110の検知結果に基づいてトナー像の単位面積あたりのトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段としても機能するメイン制御部500を有しており、メイン制御部500は、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係式の傾きである現像γが予め設定された基準現像γであるγthよりも小さい場合に現像線速比を大きくさせる制御を行うことで、現像スリーブ65から感光体20上に形成された潜像への単位時間あたりのトナー供給量を増加させ、同一の現像ポテンシャルにおける単位面積あたりのトナー付着量を大きくし現像γを大きくすることができる。現像γを大きくすることによって、現像線速比を大きくする前よりも、目標付着量を得るための現像ポテンシャルを小さくでき、その分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いが低減させることができる。よって、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、メイン制御部500は、ベタ状のトナー像の画像濃度が目標値となるトナー付着量を得るための現像ポテンシャルが、予め設定された基準現像ポテンシャルであるVpot_thよりも大きい場合に、現像線速比を大きくさせる制御を行うことで、目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを小さくすることができ、その分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いを低減させることができる。よって、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
また、本実施形態においては、現像装置62の周辺の湿度を検知する湿度検知手段である温湿度センサを有しており、メイン制御部500は、温湿度センサによって検知された現像装置62の周辺環境の絶対湿度が予め設定された基準絶対湿度である絶対湿度の閾値δよりも低い場合に、現像線速比を大きくさせる制御を行う。絶対湿度が閾値δよりも小さいと現像γ<γthとなるため、現像線速比を大きくして現像スリーブ65から感光体20上に形成された潜像への単位時間あたりのトナー供給量を増加させ、同一の現像ポテンシャルにおける単位面積あたりのトナー付着量を大きくし現像γを大きくさせることによって目標付着量を得るための現像ポテンシャルを、現像線速比を変更する前よりも小さくできる。よって、現像ポテンシャルが小さくなる分、ラインパターンにおけるエッジ電界の影響度合いが低減し、ラインパターンのトナー付着量が小さくなりトナー層高さが低くなるので、ラインパターンのエッジ電界に起因した転写チリを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、転写紙5に画像を作像する通常の作像動作の開始前に、所望の作像条件となるようにメイン制御部500によって上記作像手段を制御することで、最適化された作像条件で転写紙5に画像を作像することができ、良好な画像品質を得ることができる。
【符号の説明】
【0096】
5 転写紙
6 手差しトレイ
7 排紙トレイ
10 中間転写ベルト
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 ベルトクリーニング装置
18 画像形成ユニット
20 感光体
21 レーザー書込装置
22 搬送ベルト
23a ローラ
23b ローラ
24 二次転写ローラ
25 定着装置
26 加熱ローラ
27 加圧ローラ
30 原稿台
31 コンタクトガラス
33 走行体
34 走行体
35 結像レンズ
36 読取センサ
42 給紙ローラ
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 搬送路
49a 搬送ローラ
49b レジストローラ
50 給紙ローラ
51 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切替爪
56 排出ローラ
60 帯電装置
61 現像装置
62 一次転写装置
62 現像装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
65 現像スリーブ
66 攪拌部
67 現像部
68 スクリュー
70 現像ケース
71 トナー濃度センサ
73 ドクターブレード
75 クリーニングブレード
76 ファーブラシ
91 ローラクリーニング部
93 用紙反転装置
100 プリント部
110 光学センサ
110a 光学素子
110b 光学素子
120 電位センサ
200 給紙装置
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
500 メイン制御部
501 CPU
502 バスライン
503 ROM
504 RAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開2007−33770号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電せしめた像担持体上に書込光を照射して潜像を書込み、前記像担持体上の潜像を現像して該像担持体上にトナー像を形成する作像手段を備え、転写手段により、前記像担持体上に形成されたトナー像を表面移動部材によって搬送された記録材に転写するか、トナー像を表面移動部材の表面へ転写した後に表面移動部材上のトナー像を記録材に転写することにより、記録材に画像を形成する画像形成装置において、
トナー像からの反射光を検知する光学検知手段と、
少なくともライン状のトナー像からの反射光を検知した光学検知手段の検知結果に基づいて、ライン状のトナー像のトナー層高さに係る情報を取得し、ライン状のトナー像のトナー層高さが転写チリの発生する予め設定された基準高さ以上の場合に該トナー層高さが低くなるように作像手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記作像手段は、潜像担持体と、該潜像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、所定電位に帯電した潜像担持体表面に書込光を照射して潜像を形成する潜像形成手段と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーを該潜像担持体上の潜像に転移させて該潜像を現像する現像手段とからなり、
上記トナー層高さが上記基準高さ以上の場合に、上記潜像担持体と上記現像剤担持体との周速比を大きくさせるとともに、付着量が互いに異なるような作像条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成させ、該階調パターンを前記光学検知手段で検知した検知結果に基づいて静電潜像部の電位と現像バイアスとの差である現像ポテンシャルを設定し、上記制御手段によって前記作像手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記光学検知手段の検知結果に基づいてトナー像の単位面積あたりのトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段を有しており、
上記制御手段は、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係式の傾きである現像γが予め設定された基準現像γよりも小さい場合に上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
上記制御手段は、ベタ状のトナー像の画像濃度が目標値となるトナー付着量を得るための現像ポテンシャルが、予め設定された基準現像ポテンシャルよりも大きい場合に、上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2の画像形成装置において、
上記現像手段の周辺の湿度を検知する湿度検知手段を有しており、
上記制御手段は、前記湿度検知手段によって検知された前記現像手段の周辺環境の絶対湿度が予め設定された基準絶対湿度よりも低い場合に、上記周速比を大きくさせる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
上記記録材に画像を作像する通常の作像動作の開始前に、所望の作像条件となるように上記制御手段によって上記作像手段を制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−98473(P2012−98473A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245574(P2010−245574)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】