画像表示装置、画像表示装置の制御方法、および画像表示装置の制御プログラム
【課題】課題の一例として、その目的の一例は、医療画像表示装置の操作に熟練していないユーザ(医師等)であっても、医療画像表示装置に表示された画像をポインティングデバイス等の入力装置を用いて操作することにより、容易にユーザが観察を希望している画像(表示対象物の部位)を探すことができる画像表示装置、画像表示装置の制御方法、および画像表示装置の制御プログラムを提供することにある。
【解決手段】ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段と、を備える構成を有する。
【解決手段】ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段と、を備える構成を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボリュームデータを可視化する画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いた画像処理技術の進展により人体の内部構造を直接観測することを可能にしたCT( C o m p u t e d T o m o g r a p h y)、MRI( M a g n e t i c R e s o n a n c e I m a g i n g) の出現は医療分野に革新をもたらし、生体の断層画像を用いた医療診断が広く行われている。さらに、近年では、断層画像だけでは分かりにくい複雑な人体内部の3次元構造を可視化する技術として、例えば、CTにより得られた物体の3次元デジタルデータから3次元構造のイメージを直接描画するボリュームレンダリングが医療診断に使用されている。
【0003】
ボリュームレンダリングにおける3次元画像処理として、ボリュームデータから任意断面を切り出し、その断面を表示するMPR( M u l t i P l a n a r R e c o n s t r u c t i o n)などが一般に使用されている。
【0004】
図3 は、ボリュームデータ61の断面表示を行う従来手法のMPRを説明するための図である。MPRは、例えば、図3(A)、(B)に示すように、腸12を含むボリュームデータ11を、任意の平面である断面13aで切断し、図3(C)に示すように、断面13b上のボクセルを描画することによって、図3(D)に示すような腸12の断面像12aを得る手法である。
【0005】
また、MPRにあっては単一の平面上の組織に限り描画され、組織の立体関係を把握するのが難しいので、ボリュームデータを互いに交わる二つ以上の平面で切断し、切断面を展開して複数のMPRを同時に表示し、例えば、立方体で切断した断面を展開表示する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、断面を画面に表示されたウィジットを操作することや画像に対して操作を行う(画像上をポインティングデバイスでドラッグ操作を行う等)ことによって、断面を任意の方向へ移動する手法がこれまでにもあった(図21、図22)。ウィジットを操作する形態であっては画面上をウィジットによって覆われるので画像の表示領域が狭くなり、また操作と画像との関連性を把握するのに一定の隔たりがあった。また、画像に対して操作を行う形態であってはドラッグ操作が画像上の2次元的な操作であるので断面の平面を定義する7自由度(平面の法線ベクトルの向き2自由度+平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度+表示画像のオフセット位置3自由度+拡大率の1自由度)の内の2自由度のみ(通常は平面の法線ベクトルの向き2自由度)を操作するものであった。特に、平面の法線ベクトルの向き2自由度及び平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度の計3自由度を同時に操作したいという要求がある。尚、平面の定義する操作はいわゆる3次元画像のカメラ位置や投影角度の設定とは細を異にする。これは、3次元画像のカメラ位置や投影角度の変更はその表示対象を俯瞰した状態で操作を行え画像に立体的な情報を含むのに対して、平面を定義する7自由度の変更はその表示対象を俯瞰できなく立体的な情報を含まないので、操作後の表示内容が予測しにくいからである。特に平面の法線ベクトルの向き2自由度の操作は難しい。
【0007】
また、いわゆるコロナル・アキシアル・サジタルの三断面のいずれかの断面を指定し、更にその断面画像の上で直線を指示し、その直線を含むその平面と直交する新たな面を指定することによりMPRに用いる平面を指定する方法もあった(図23)。
【0008】
これら操作には熟練が必要で、従来では熟練した放射線技師や放射線科医師が医療施設などであらかじめ定められた定型的な画像を作成し、スライドショーがごとき形態でそれぞれの診断や治療に関わる臨床医師に渡していた。
【特許文献1】特開平11−219448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記画面に表示された画像に対する操作では同時に平面を定義する自由度の内の2自由度分しか操作できず、直感に反する操作結果となることが多かった。
【0010】
また、上記三断面を用いた操作では、異なる人間の臓器等の観察対象物をあらかじめ定められた特定の方向から見た画像を提供する場合には便利であった(例えば、放射線技師が、臨床医師に患者の臓器等の画像を提供する場合には、意思疎通の利便上に臨床医師は常にどの方向から臓器等の画像が撮影されたかを認識する必要があるので、臨床医師に提供される画像は患者が異なっても常に予め定められた方向からの画像である。)。
【0011】
しかし、従来のMPR指定GUIは定型的な画像を再現性良く作成するのには好適であったが、操作が直感的ではなかった。また、目的とされる一枚の画像を作成するには向いているが、パラメータが連続的に遷移する多数の画像を作成するには向いていなかった。
【0012】
その結果、臨床医師はあらかじめ定められた画像を用いて診断治療を行うものの、臨床医師が患者の患部(臓器、血管等の患部)について医療画像表示装置を使用して、適切な治療・手術などの医療行為を実施するために患部をさらに多数の角度からなる画像を作成し診断治療に用いることはできないでいた。
【0013】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、医療画像表示装置の操作に熟練していないユーザ(循環器外科の医師等)であっても、医療画像表示装置に表示された画像をポインティングデバイス等の入力装置を用いて操作することにより、直感的であって容易にユーザが観察を希望している画像(表示対象物の部位)を探すことができる、パラメータが連続的に遷移する多数の画像を医師に提供することができる画像表示装置、画像表示装置の制御方法、および画像表示装置の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0016】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0017】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0018】
上記問題点を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療画像表示装置において、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからなく、複数の平面画像から組織の立体構造をイメージしやすいので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0020】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0021】
上記問題点を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医療画像表示装置において、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0023】
上記問題点を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の医療画像表示装置において、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0025】
上記問題点を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の医療画像表示装置において、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0027】
上記問題点を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段には、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0029】
上記問題点を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0031】
上記問題点を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記表示手段は、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0033】
上記問題点を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記表示手段は、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置。
【0034】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0035】
上記問題点を解決するために、請求項10に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置の制御方法において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示工程と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付工程と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0037】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0038】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0039】
上記問題点を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0040】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0041】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0042】
上記問題点を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0044】
上記問題点を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0046】
上記問題点を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0048】
上記問題点を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示工程において、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0050】
上記問題点を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示工程において、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0052】
上記問題点を解決するために、請求項17に記載の発明は、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記表示工程において、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする。
【0053】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0054】
上記問題点を解決するために、請求項18に記載の発明は、請求項10至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記表示工程において、シネ作成機能があることを特徴とする。
【0055】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0056】
上記問題点を解決するために、請求項19に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置に含まれるコンピュータを、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段、として機能させることを特徴とする。
【0057】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0058】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0059】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0060】
上記問題点を解決するために、請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0061】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0062】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0063】
上記問題点を解決するために、請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0064】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0065】
上記問題点を解決するために、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0066】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0067】
上記問題点を解決するために、請求項23に記載の発明は、請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0068】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0069】
上記問題点を解決するために、請求項24に記載の発明は、請求項19乃至23のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段を、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されるように機能させることを特徴とする。
【0070】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0071】
上記問題点を解決するために、請求項25に記載の発明は、請求項19乃至24のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されるように機能させることを特徴とする。
【0072】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0073】
上記問題点を解決するために、請求項26に記載の発明は、請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記表示手段を、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化するように機能させることを特徴とする。
【0074】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0075】
上記問題点を解決するために、請求項27に記載の発明は、請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記表示手段を、シネ作成機能があるように機能させることを特徴とする。
【0076】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【発明の効果】
【0077】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0078】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0079】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0080】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0081】
さらに、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0082】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0083】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0084】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0085】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位における一点を前記法線ベクトルの始点に設定すれば、観察対象となっている人体内部の各種部位をその一点を中心に360度の方向から観察することが可能となる。すなわち観察したい部位を外部から上下左右、360度の任意の角度から観察することが可能となる。この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像を容易に回転することができるので、表示されている画像と、ユーザである医師等が観察したい方向を容易に合わせることが可能となる。
【0086】
この発明によれば、ユーザである医師等が観察対象となっている人体内部の各種部位の画像を自由に操作できる操作自由度が大きくり、又は画面上の多くのポイントにおいて画像を操作することが可能になるので、ユーザインターフェースの操作性が大幅に向上する。
【0087】
さらに、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を連続的に観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0088】
さらに、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0089】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.システム構成の一例]
図1は、本発明のシステム構成の構成例(一実施形態)を示すブロック図である。
【0090】
図1Aに示すように、画像表示装置1は、データベース2から例えば、CT(Computerized Tomography) 画像撮影装置により撮影されたCT画像データを読み取って、医療診断用の各種画像を生成し画面に表示する。本実施形態では、CT画像データを例に説明するが、これに限定されない。すなわち、使用される画像データは、CTに限らず、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等の医用画像処理装置より得られるデータ及びそれらを組み合わせたり加工したりしたものである。
【0091】
画像表示装置1は、計算機(コンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ)3と、モニタ4と、キーボード5 及びマウス6 などの入力装置とを備えている。計算機3はデータベース2と接続されている。
【0092】
図1(B)は本発明方法を実現する画像表示装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、この画像表示装置は、主として磁気ディスク10と、主メモリ15と、操作受付手段および制御手段としての中央処理装置(CPU)14と、表示メモリ16と、表示手段としてのモニタ4と、キーボード20、各種の操作指令、位置指令、メニュー選択指令を入力するためのポインティングデバイスとしてのマウス22、マウスコントローラ24と、これらの各構成要素を接続する共通バス26とから構成されている。
【0093】
磁気ディスク10には、複数の断層像、画像作成プログラム等が記憶され、必要に応じて共通バス26の外部に設けられているデータベース2から断層像を読み出して記憶される。主メモリ15には、装置の制御プログラムが格納されるとともに、演算処理用の領域等が設けられている。CPU14は、複数の断層像や各種のプログラムを読み出し、主メモリ15を用いて疑似三次元画像や展開表示する断面像等の作成を行い、その作成した画像を示す画像データを表示メモリ16に送り、モニタ4に表示させる。
【0094】
次にデータベース2に蓄積されるデータについて、図2を用いて説明する。図2では、本発明の一実施形態にかかる画像処理方法で使用されるコンピュータ断層撮影(CT)装置を概略的に示す。コンピュータ断層撮影装置は、被検体の組織等を可視化するものである。X線源101からは同図に鎖線で示す縁部ビームを有するピラミッド状のX線ビーム束102が放射される。X線ビーム束102は、例えば患者103である被検体を透過しX線検出器104に照射される。X線源101及びX線検出器104は、本実施形態の場合にはリング状のガントリー105に互いに対向配置されている。リング状のガントリー105は、このガントリーの中心点を通るシステム軸線106に対して、同図に示されていない保持装置に回転可能(矢印a参照)に支持されている。
【0095】
患者103は、本実施形態の場合には、X線が透過するテーブル107上に寝ている。このテーブルは、図示されていない支持装置によりシステム軸線106に沿って移動可能(矢印b参照)に支持されている。
【0096】
従って、X線源101及びX線検出器104は、システム軸線106に対して回転可能でありかつシステム軸線106に沿って患者103に対して相対的に移動可能である測定システムを構成するので、患者103はシステム軸線106に関して種々の投影角及び種々の位置のもとで投射されることができる。その際に発生するX線検出器104の出力信号は、ボリュームデータ生成部111に供給され、ボリュームデータに変換される。
【0097】
シーケンス走査の場合には患者103の層毎の走査が行なわれる。その際に、X線源101及びX線検出器104はシステム軸線106を中心に患者103の周りを回転し、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムは患者103の2次元断層を走査するために多数の投影を撮影する。その際に取得された測定値から、走査された断層を表示する断層像が再構成される。相連続する断層の走査の間に、患者103はその都度システム軸線106に沿って移動される。この過程は全ての関心断層が捕捉されるまで繰り返される。
【0098】
一方、スパイラル走査中は、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムはシステム軸線106を中心に回転し、テーブル107は連続的に矢印bの方向に移動する。すなわち、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムは、患者103に対して相対的に連続的にスパイラル軌道上を、患者103の関心領域が全部捕捉されるまで移動する。本実施形態の場合、同図に示されたコンピュータ断層撮影装置により、患者103の診断範囲における多数の相連続する断層信号がデータベース2に供給される。
[2.断面表示方法の説明]
図3は、ボリュームデータ11の断面表示を行う従来手法のMPRを説明するための図である。MPRは、例えば、図3(A)、(B)に示すように、腸12を含むボリュームデータ11を、任意の平面である断面13a(断面13bは、断面13aの一部であって、ボリュームデータ11における断面を示す。)で切断し、図3(C) に示すように、断面13b上のボクセルを描画することによって、図3(D)に示すような腸12の断面像12aを得る手法である。
【0099】
次にMPR画像において多く用いられる直交する三断面の表示方法について図4を用いて説明する。
【0100】
ユーザ(医師等)が人体の臓器等の人体内部を観察する場合には、人体内部を複数の異なる断面で見た画像が提供されることによって、人体内部を適切に観察することができる。
【0101】
図4は、人体内部の腸12を直交する三断面を用いて模式的に示した図である。
【0102】
平面P3は腸12の内部であるピボットPBを通り、腸12の正面図となる。
【0103】
また、平面P1は腸12の内部であるピボットPBを通り、平面P3に直交する腸12に対する平面図である。
【0104】
また、平面P2は腸12の内部であるピボットPBを通り、平面P1および平面P3に直交する腸12に対する側面図(断面図)である。
【0105】
このようにピボットPBは、互いに直交する平面P1、平面P2、平面P3の交点であり、対象物(図4における腸12)の内部にピボットPBが設けられることによって、対象物の内部を3方向から自由に観察することが可能になる。
【0106】
また、医療画像表示装置に表示される平面P1、平面P2、および平面P3の相対的な位置関係が一定していないと、平面P1、平面P2、および平面P3によってよって表現されるMPR画像をユーザ(医師等)が視認することによって対象物を観察し、対象物の状態(臓器、血管等における病変部位の位置や方向)把握が困難になる。
【0107】
従って、平面P1、平面P2、および平面P3のいずれか一つによって表現されるMPR画像の一つの方向が変化した場合には、他の2面によって表現されるMPR画像も、常に3平面が互いに直交するように変化し、変化後の3断面におけるMPR画像が表示される状態になる。
【0108】
例えば、一つのMPR画像が回転したら、他の2面を示すMPR画像も連動して回転することになる。この時、ピボットPBを回転の中心とする事が多い、操作の把握が容易になるからである。
【0109】
以降の実施形態における説明においては、対象物(図4における腸12)の正面図である平面P3を中心に説明するが、医療画像表示装置は正面図である平面P3だけを表示するのではなく、側面図(断面図)となる平面P2、および平面図となる平面P1をも同時に表示することによって、対象物をリアルタイムに観察することができる。また、ユーザ(医師等)がいずれか1もしくは2の平面だけを表示することによって詳細に対象物の特定の方向からの画像を観察することも可能である。また、他の画像が表示されることもある。
[3.本GUIの概要]
図5は、本実施形態に係る画像表示装置の画面上に表示されるGUI(Graphical User Interface)に対する操作を示す一例である。また図5は、図1におけるモニタ4に表示される画像の全部又は一部を構成する。
【0110】
図5には、腸12の輪切り断面12aとその他のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が表示されている。これらのGUIに係る部分は図5においては線図で表示されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、線図にテキスト又は図形等のユーザに認識できるすべての表示を更に追加することによってユーザに対して操作対象を明確にすることが可能である。
【0111】
また、図5においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス(マウス等)又はキーボード等による位置表示カーソルMPが、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(図5においては腸12の輪切り断面12a)を明確に認識することが可能となる。
【0112】
図5の画像表示装置の画面上に表示されるGUIに対する操作は、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)を基準に操作される。
【0113】
図5において表示されている画像は、図4における平面P3に該当する。図5に表示されている直線PL2は、図4における平面P2との交線を表現する。平面P3の法線ベクトル方向(図5は平面P3を図4における方向Fから表示しているので、図5は、図4の平面P3を正面図とした図になっている。)から腸12を観察している画像が図5で表示されているために、平面P2が、平面P3においてどの場所に存在するかをユーザ(医師等)が容易に把握しやすいように直線PL2で示してある。
【0114】
また、図5に表示されている直線PL1は、図4における平面P1との交線を表現する。平面P3の法線ベクトル方向(図5は平面P3を図4における方向Fから表示しているので、図5は、図4の平面P3を正面図とした図になっている。)から腸12を観察している画像が図5で表示されているために、平面P1が、平面P3においてどの場所に存在するかをユーザ(医師等)が容易に把握しやすいように直線PL1で示してある。
【0115】
図4において説明したように、平面P1と平面P2は直交しているので、図5のピボッドPBを中心にして、図5における直線PL1と直線PL2とは直交した線で表示される(ピボッドPBは図5の中心にある必要はなく、ユーザがポインティングデバイスを操作することにより、任意の位置へ移動することが可能である。)。
【0116】
また、ユーザ(医師等)がポインティングデバイスを用いて曲線R1によって囲まれた領域R16内においてドラッグ操作を行うと(位置表示カーソルMPをポインティングデバイスのボタンを押下した状態で移動させると)、図5に表示されている画像(図4における平面P3)はピボットPBを中心にして平面の法線の向きが変化(ユーザが腸12を観察する方向がピボットPBを中心に変化)する(詳細は後述する。)。
【0117】
図5においては、画像上に表示されるGUIに対する操作に関する部品を、直線PL1並びに直線PL2、および曲線である曲線R1で示しているが、これらの画像上に表示されるGUIに対する操作に関する部品は任意の形状の線図、点線破線など、または図形等で表示することが可能である。すなわち、領域R16に含まれる領域と領域R16に含まれない領域に分割できればよい。また、3以上の領域に分割しても良い。
[4.画像上に表示されるGUIに対する操作の一例]
次に、図6を用いて、図5における画像上に表示されるGUIに対する操作の種類について説明する。
【0118】
図6Aは、画像上に表示されるGUIに対するユーザがマウス等のポインティングデバイスを用いた操作の方法を示し、図6Bは図6Aにおける操作の結果を表示する図である。
【0119】
図6Aにおいて、ユーザは直線PL1をポインティングデバイスにてドラッグすることにより、操作D1を行うことができる。操作D1は、直線PL1に関してピボッドPBを中心にして回転させる操作である。図6Aにおいて、ユーザは、ピボッドPBを中心にして直線PL1を右回りに回転する(操作D1)。その結果図6Bにおいて、直線PL1を示す直線は、角度θ1だけ右回りに回転して表示されている。
【0120】
この結果、図6Aにおいて平面P1によって表示されるべき平面図(腸12の平面図(図示せず))もピボットPBを中心に角度θ1だけ回転するので、図6Bにおいて平面P1によって表示されるべき平面図(腸12の平面図(図示せず))も、図6Aから右回りに角度θ1回転し、その角度θ1回転した平面図をユーザが観察することが可能となる。
【0121】
次に、図6Bにおいて、ユーザはピボッドPB(3平面の交点)をポインティングデバイスにてドラッグすることにより、操作D2を行うことができる。操作D2は、ピボッドPBを移動する操作である。図6Aにおいては、操作D2によって、図6Aにおける垂直方向Vおよび水平方向HにピボッドPBを移動させることができる。より具体的には、図6(A)における任意の点に位置表示カーソルMPを移動し、マウスをダブルクリックすると、位置表示カーソルMPが示している場所が直交する3平面の交点を示すピボットPBとなる。
【0122】
図6Bは、操作D2によって、ピボッドPBを図6Bにおいて左上方向に移動させた状態を示している。図6Bにおいては、曲線R1を中心にして、角度θ1だけ回転した直線PL1と直線PL2とが表示されている。図4において説明したように直線PL1と直線PL2とは常に直交した関係にあり、直線PL1と直線PL2との交点は常にピボッドPBになる。また、ピボッドPBを移動する操作ができる範囲を曲線R1の内部である領域R11に限定する(ポインティングデバイスの誤操作を防止し、表示画面が極端に変化しないように制限すること)こと、又はモニタ画面全体の何れの場所においてもピボットPBを移動できるようにすることもできる。
【0123】
このように、画像表示装置に表示されるGUIに対する操作では(図6における操作)、画像を直接、ポインティングおよびドラッグして、ユーザが観察したい部位を探すわけではない。画像表示装置に表示されるGUIに対する操作においては、ユーザは、ユーザの頭の中で対象物(図6においては例えば腸12など)を移動すべき位置を想定して(画像上に表示されるGUIに対する操作をどのようにすればどの平面画像を表示できるかを考えながら)、操作を行う必要がある。また、ユーザはユーザ操作によって移動した画面から、さらに次に移動すべき方向をユーザ自信が考えて操作を繰り返す必要がある。
[5.画面上に表示される画像に対する操作の一例]
次に図7を用いて、本実施形態に係る画像に対する操作の一例について説明する。
【0124】
図7には、腸12の輪切り断面12aとその他の画像に係る操作(操作D4乃至操作D6)が表示されている。これらの操作D4乃至操作D6は画像表示装置の表示部に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスの操作方向を示すために図示されているものである。
【0125】
また、図7においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMPが、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(図7においては腸12の輪切り断面12a)を明確に認識することが可能となる。
【0126】
図7の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)、および画像上の領域に基づいて決定される。
【0127】
領域R1の内側である領域16(腸12の輪切り断面12aおよびピボットPBを含む空間)において、ドラッグ操作を行うと、表示されている画像(図7においては腸12の輪切り断面12a)がピボットPBを中心に平面の法線ベクトルの向きを変える形で回転する。回転方向は任意の方向に設定できる。この場合、腸12の平面の法線の向きがピボッドを中心に回転することになるので、表示される画像も、ドラッグ操作と共に変化する。すなわち、ドラッグ操作の移動方向から、表示されるべき対象物体を見た画像が表示されるのである。
【0128】
例えば、図7において、操作D6(領域R16内において、上下左右にドラッグ操作)を行った場合には、画像表示装置に表示されるべき画像は、ユーザの視線が操作D6と同じ方向へ移動した場合に表示されるべき対象物を観察しているように、表示される(平面を定義する法線ベクトルを操作することになる。詳細は後述する。)。
【0129】
例えば、図7においては、ピボッドPBを中心とする仮想の球(半径r)を仮定し、領域16内でのドラッグ操作により仮想の球上の点を移動させることによる球の回転を介して法線ベクトルの向きの変化を表現できる。そして、回転後の法線ベクトルによって定められた新たな平面を元に新たなMPR画像を作成し、表示される。この時の半径rはドラッグ操作の起点とピボッドPBの距離を用いると直感的であるが、必ずしもそれに限定されない。
【0130】
この場合、回転操作は仮想の球を回転させることによって定義したが、本願はそれに限定されるものではない。例えば、法線ベクトルの方向を定義する2自由度(θ、φ)をドラッグ操作により入手できる上下左右方向の移動量(X、Y)によって変化させても良い。
【0131】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0132】
例えば、図7において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D4を実行した場合(図7におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザがドラッグ操作を行った場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる。詳細は後述する。)ことになる。
【0133】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D4と逆方向の操作をした場合(図7におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザがドラッグ操作を行った場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる。詳細は後述する。)ことになる。
【0134】
更に、画像上に表示されるGUIに対する操作の他の例として領域R16の外側における平面P1を示す直線PL1の周囲(画像表示装置における表示画面の直線PL1から予め定められた距離に位置表示カーソルMPが近づいた場合)において、ユーザが操作D5をした場合(直線PL1を起点にドラッグ操作をした場合)には、MPRを定義する平面は、直線PL1によって表される平面P1とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP1)を軸に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度だけMPRを定義する平面は回転し、その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される(平面の法線ベクトルの向きを直線PLP1を軸として回転させることになる。詳細は後述する。)。
【0135】
また、図示しないが、同様に、画像上に表示されるGUIに対する操作の他の例として領域R16の外側における平面P2を示す直線PL2において、ユーザが直線PL2を起点にドラッグ操作をした場合には、MPRを定義する平面は、直線PL2によって表される平面P2とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP2)を軸に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度だけMPRを定義する平面は回転し、その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像が作成され、その画像が表示される(平面の法線ベクトルの向きを、直線PLP2を軸として回転させることになる。詳細は後述する。)。
【0136】
次に図8を用いて、図7における領域R16における、ドラッグ操作(操作D6)と画像表示装置における表示画面に表示される対象物に対する観察面との関係を説明する。
【0137】
図8は、平面P1−1と平面P1−1における法線ベクトルP1−1N(法線ベクトルP1−1Nは平面P1−1に対して直角方向にある。)、平面P1−2と平面P1−2における法線ベクトルP1−2N(法線ベクトルP1−2Nは平面P1−2に対して直角方向にある。)、平面P1−3と平面P1−3における法線ベクトルP1−3N(法線ベクトルP1−3Nは平面P1−3に対して直角方向にある。)との関係を示した図である。
【0138】
ドラッグ操作によって、何れかの法線ベクトル(図8に記載された法線ベクトルに限られるわけではない。)の向きは変更されるので、表示される画像は、各法線ベクトルから、その法線ベクトルに対応する平面における対象物の画像となる(対象物のどの部分の断面になるかは、平面上のピボットPBとボリュームデータのオフセット関係による)。
【0139】
例えば、法線ベクトルが法線ベクトルP1−2Nであったときにユーザ操作により法線ベクトルが法線ベクトルP1−1Nとなると、画像表示装置に表示される対象物は、法線ベクトルP1−1Nに対応する平面P1−1の断面図となる。また、例えば、法線ベクトルが法線ベクトルP1−2N上であったときにユーザ操作により法線ベクトルが法線ベクトルP1−3Nとなると、法線ベクトルP1−3Nに対応する平面P1−3における対象物の断面図が画像表示装置に表示される。
【0140】
従って、領域R16の内側でのドラッグ操作により、法線ベクトルを変え、ピボッドPBを原点とした360度の上下左右方向から対象物を見た断面画像を画像表示装置は表示することができる。
【0141】
次に図9を用いて、図7における、領域R16の外側における、位置表示カーソルMPの動き(操作D4を含む)と表示される対象物の観察面との関係を説明する。
【0142】
図9は法線ベクトルP1−1Nと、法線ベクトルP1−1Nに対応する平面P1−4、平面P1−5、および平面P1−6を示した図である。平面P1−4、平面P1−5、および平面P1−6は同一平面上にある平面である。平面P1−5は、平面P1−4に対して、θ2だけ、図9においてピボットPBにおける法線ベクトルP1−1Nを軸として時計方向に回転させた平面を示し、平面P1−6は、平面P1−5に対して、θ3だけ、図9においてピボットPBにおける法線ベクトルP1Nを軸として時計方向に回転させた平面を示す。回転角θ2および回転角θ3は、法線ベクトルP1Nの原点であるピボットPBに対する、回転角度である。
【0143】
すなわち、図7において、領域R16の外側において、位置表示カーソルMPをピボッドPBに対して回転させる時には法線ベクトルP1Nそのものは変化しない。
【0144】
次に図10を用いて、図7における、画像上に表示されるGUIである直線PL1および直線PL2に関する、平面に含まれる軸を中心とした回転について、ドラッグ操作(操作D5を含む)と表示される対象物の観察面との関係を説明する。
【0145】
図10は、平面P1−1と、平面P1−1を図10において角度θ4だけ図10の奥側から平面P1−1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−11と、平面P1−11を図10において角度θ5だけ図10の奥側から平面P1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−12と、平面P1−12を図10において角度θ6だけ図10の奥側から平面P1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−13と、を表示した図である。
【0146】
ここで、角度θ4、角度θ5、および角度θ6は、図7においてユーザが平面P1−1を表す直線PL1を中心に、ドラッグ操作を行ったドラッグ量に対応する。
【0147】
ユーザが操作D5を実行した場合(直線PL1を中心に位置表示カーソルMPを回転させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像は、直線PL1によって表される平面P1とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP1)を中心に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度(角度θ4、角度θ5、および角度θ6)だけ回転した対象物(図7においては腸12)が平面P1−11、平面P1−12、および平面P1−13と交わる面の画像が表示されることになる。
【0148】
すなわち、図7において、ユーザが平面P1を中心として位置表示カーソルMPを回転した角度に対応した平面における腸12の断面図が図7において表示される。
【0149】
また、図7において、ユーザが平面P2を中心として位置表示カーソルMPを回転した角度に対応した平面における腸12の断面図が図7において表示される。
[6.心臓における血管の病変部分の探索方法]
次に、図7において説明した画像に対する操作方法を使用して、心臓における血管の病変部分の探索方法について図11乃至図18を用いて説明する。
【0150】
図11は、探索対象となっている観察対象物である心臓20が画像表示装置に表示された場合の正面図である。
【0151】
図12は、探索対象となっている心臓20の正面図を模式化した図と、病変部分21f(図17参照)を含む血管21を模式化した図である。
【0152】
図13は、血管21と心臓との結合部分(血管21の根本部分)を本実施形態の画像表示装置に表示した画像30を示した図である。
【0153】
図13において、画像30には、心臓20の平面P6に対応する心臓20の断面図が表示されている。平面P6には、心臓20、血管21の心臓20との結合部分21a、血管部分21b、および血管21の湾曲部21cが含まれる。しかし、血管21の湾曲部21cから先の血管部分は、平面P6には含まれない。従って、画像30には、血管21の湾曲部21cから先の血管部分は表示されない。
【0154】
従って、このままでは、ユーザは画像表示装置を用いて血管21の湾曲部21cから先の血管部分を観察することはできない。しかし、ユーザは血管21の湾曲部21cから血管が先に続いていることを画像30から想像できる(血管21が途中で途切れていることは考えにくいこと、及び解剖学的知識により)ので、湾曲部21cを中心に血管21が存在する平面を探せば、湾曲部21cから先の血管を見つけ出すことができることを認識できる。
【0155】
この画像30において表示されている画像を移動させる操作について図13を用いて説明する。
【0156】
図14の画像31は、ユーザが、図13の画像30において、湾曲部21cをポインティングデバイスでダブルクリックした後の図である。ポインティングデバイスでダブルクリックされた場所は画面の中央に移動(パン)すると共に、ピボットPBとなる。
【0157】
図14に示されたように図13の画像30に表示される平面P6は、平面P6と平行方向に、ダブルクリックされた点と画像30における中央点であるピボットPB間の距離を移動し、画像31として表示される平面P7となる。
【0158】
図14において表示されている画像31において、血管21の先端を探すには、湾曲部21cに続く血管21が含まれる平面を探せばよいことになる。
【0159】
そこで、ユーザは画像31の領域R16内に、ポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを移動させた後に、領域R16内においてポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを2次元的に移動させることによって、ピボッドPBに対応する血管部位(湾曲部21c)を中心に回転(ピボッドPBを含む平面を回転)させて(図7および図8において説明した方法によって)、湾曲部21cを含む血管21の先端部を含む平面を探す。この場合には血管21cを含む平面P8が探される。
【0160】
血管21を含む平面の一つである平面P8をユーザが探した状態を図15に示す。
【0161】
図15における画像32には、血管21の湾曲部21cと湾曲部21cに続く血管部分21dが平面P8の一部として表示されている。新たな血管の湾曲部21eから先に血管が続いていることが、画像32から視認されるので、ユーザは、湾曲部21eを画像中央部のピボッドPBとするために、画像32における湾曲部21eをポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックする。
【0162】
図16は、図15において、湾曲部21eがポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックされた結果を表す図である。
【0163】
図16において、ダブルクリックされた湾曲部21eの近辺が画像33の中央部に表示されている。
【0164】
病変が疑われる血管部位21fが画像33で視認できるようになっている。ここでユーザは、病変が疑われる血管部位21fをよく観察するために、血管部位21fを画像中央部のピボッドPBとするために、画像33における血管部位21fをポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックする。
【0165】
図17は、図16において、病変が疑われる血管部位21fがポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックされた結果を示す図である。
【0166】
図16において、ダブルクリックされた病変が疑われる血管部位21fが画像33の中央部(ピボッドPB)に表示されている。このようにしてユーザはじっくり観察したい部分を画像の中心部へ移動することが可能となる。
【0167】
また、ユーザは、病変が疑われる血管部位21fを画像34に対して上下方向に(図34においては、病変が疑われる血管部位21fが画像34に対して左右方向に表示されている。)表示しようとする場合には、図7および図8で説明したように、領域R1の外側において、画像34の中心部またはピボッドPBに対して、90度反時計方向へ回転させるように位置表示カーソルMPを移動させる(図7における操作D4を反時計方向へ90度行う)。
【0168】
図18は、図17における病変が疑われる血管部位21fを、90度回転操作させた結果を示す図である。
【0169】
このようにユーザは、画像表示装置に表示されている対象物をあたかも自分で動かしているようにして、画像表示装置の画像における予め定められている領域においてユーザがポインティングデバイスを用いて位置表示カーソルMPを操作することによって、ユーザが探している臓器等における特定部位を容易に探し出すことができる。
[変形例1]
図19は、図7における実施形態の画像表示装置の画像に対する第一の変形例を示す図である。
【0170】
図19には、モニタ4の表示部36に表示されるべき対象物(臓器、血管等)とその他の画像に係る操作(操作D8乃至操作D12)が表示されている。これらの操作D8乃至操作D12は画像表示装置の表示部36に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPの操作方向を示すために示されているものである。
【0171】
また、図19においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMP(図19においては図示せず)が、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(表示部36に表示される対象物)を明確に認識することが可能となる。
【0172】
図19の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、線図で区分される領域に基づいて決定される。
【0173】
領域R1の内側(ピボットPBを含む空間)は4分割されている。
【0174】
図19において領域R1の上側の扇形状と平面P2(図4における平面P2)を示す直線PL2とが接する部分を領域R11とする。
【0175】
また、図19において領域R1の下側の扇形状と平面P2(図4における平面P2)を示す直線PL2とが接する部分を領域R13とする。
【0176】
また、図19において領域R1の右側の扇形状と平面P1(図4における平面P1)を示す直線PL1とが接する部分を領域R12とする。
【0177】
また、また、図19において領域R1の左側の扇形状と平面P1(図4における平面P1)を示す直線PL1とが接する部分を領域R14とする。
【0178】
領域R11においてポインティングデバイスを用いて操作D9(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL1を軸に回転する。同様に、領域R13においてポインティングデバイスを用いて操作D10(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL1を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0179】
更に、領域R12における操作D11および領域R14における操作D12を実行すると、平面P1は直線PL2を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0180】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0181】
例えば、図19において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8をした場合(図19におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0182】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8と逆方向の操作をした場合(図19におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0183】
更に、図6の操作D1がごとき操作を行うことにより扇形状領域R11〜R14を変化させることができ、それに伴い、操作D9〜D12の内容を変更することが出来る。すなわち、操作D9〜D12により平面P1は常に操作後の直線PL1直線PL2を軸に回転することになる。
【0184】
更に、図19において領域R1は円形状、又は楕円形状で示されているが本願はこれに限定されるわけではなく、領域R1を任意の形状とすることができる。
【0185】
また、領域R11、領域R12、領域R13、および領域R14は扇形状で示されいるがこれに限定されるわけではなく、それぞれの領域を任意に形状とすることができる。また、対角の位置関係にある領域R11並びに領域R13、および領域R12並びに領域R14は同じ操作を行うように図19においては設定されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、例えば、隣接する領域に同じ操作を割り付けることが可能である。また、領域R1を4つに分割しているが、任意の数に分割することが可能である。
【0186】
このようにすることによって法線ベクトルの向きを変更する時の操作の自由度を一度に1に限定するができ、操作D6と比較してユーザによる操作を容易に出来る一方で、その1の自由度をPL1、PL2(操作D1)によって随時変更できるのでユーザによる柔軟な操作に対応できる。すなわち、前記、図14から図15に至るが操作を行うときに効果的である。
[変形例2]
図20は、図7における実施形態の画像表示装置の画像に対する第二の変形例を示す図である。
【0187】
図20には、表示部37に表示されるべき対象物(臓器、血管等)とその他の画像に係る操作(操作D13および操作D14)が表示されている。これらの操作D13乃至操作D14は画像表示装置の表示部に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPの操作方向を示すために示されているものである。
【0188】
また、図20においては、GUIに係る線図(PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMP(図20においては図示せず)が、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(表示部37に表示される対象物)を明確に認識することが可能となる。
【0189】
図20の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、線図で区分される領域に基づいて決定される。
【0190】
領域R1の内側(ピボットPBを含む空間)の領域R15においてポインティングデバイスを用いて操作D14(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL2を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0191】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0192】
例えば、図20において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D13をした場合(図20におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0193】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8と逆方向の操作をした場合(図20におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0194】
更に、図6の操作D1がごとき操作を行うことにより直線PL2を回転させることができ、操作D14の内容を変更することが出来る。すなわち、操作D14により平面P1は常に操作後の直線PL2を軸に回転することになる。
【0195】
また、図20において領域R1は円形状、又は楕円形状で示されているが本願はこれに限定されるわけではなく、領域R1を任意の形状とすることができる。
【0196】
このようにすることによって法線ベクトルの向きを変更する時の操作の自由度を一度に1に限定するができ、操作D6と比較してユーザによる操作を容易に出来る一方で、その1の自由度をPL2によって随時変更できるのでユーザによる柔軟な操作に対応できる。すなわち、前記、図14から図15に至るが操作を行うときに効果的である。また、また、変形例1の例と比較してGUI表示を簡素にすることが出来る。
【0197】
また、本実施形態および変形例に係る画像において、平面上のボリュームデータを可視化とは、その平面を含む平行な2平面に挟まれた領域をボリュームレンダリングにより可視化を行い、平行な2平面間の特徴的な画像を抽出することも含む。特にボリュームレンダリング法の内のMIP法(Maximum Intensity Projection)と組み合わせることが多く、SlabMIPと呼称される。その他、加算法、平均値法、Raycast法など組み合わせることもある。これによって、血管などの蛇行することによって厳密には単一の平面上には留まらない組織を一枚の画像上で表現できる。
【0198】
また、シネ(平行な複数の平面を可視化した画像の逐次表示)によって、平行な複数の平面を容易に観察することができる。
【0199】
また、本実施形態においては、画像上に表示されるGUIとは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に対して上書きされるユーザ操作に供する画像であって、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に対して優先的に処理を受け付けるものである。
【0200】
また、ウィジットに対する操作とは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の属するウィンドウとは独立したウィンドウを有する操作に供する画像に対する操作を意味する。例えば、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の外側に表示される操作に供される画像の場合、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に重ねて表示される操作に供される画像等の場合がある。ボリュームデータを俯瞰した画像を別個に表示し、それを介して行う操作もウィジットに対する操作である。
【0201】
また、画像に対する操作とは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の属するウィンドウに対する操作を意味し、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像そのものを操作に供される画像とするものである。すなわち、前記ウィジットに対する操作や、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に重畳して表示される線図や記号等に対する操作は含まない。
【0202】
また、平面P1はポインティングデバイスに付属のホイールの回転によって平行移動出来るものである。
【0203】
また、本実施形態においては、ドラッグ操作にて操作を行ったが、画面上の2点を指定する操作であればなんでも良い。ドラッグ操作であれば、マウスのボタンの押し下げと押し上げの2操作である。更に例えば、マウスのボタンの押し下げを2度行っても良い。また、領域においての操作とは前記2点の内の少なくとも最初の1点がその領域対して行われるものを指す。
【0204】
また、本実施形態においては、ドラッグ操作にて行われる操作は、平面を定義する7自由度(平面の法線ベクトルの向き2自由度+平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度+表示画像のオフセット位置3自由度+拡大率の1自由度)の内の平面の法線ベクトルの向き2自由度及び平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度の合計3自由度に対する任意の操作であったが、それ以外の自由度に対する任意の操作であってもよい、例えば、画像上のある領域でドラッグ操作はパン操作(表示画像のオフセット位置3自由度の内の2自由度)であっても良い。また、Window Width / Window Level変換であっても良い。
【0205】
なお、図5乃至図7および図12乃至図20における動作手順を、ハードディスク等の記録媒体に予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるCPUとして機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】(A)本実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。(B)本実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における画像撮像システムの一例である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)本実施形態におけるMPR画像を説明する図である。
【図4】本実施形態における3断面を説明する図である。
【図5】本実施形態における画像表示装置に表示される画面の一例である。
【図6】(A)、(B)本実施形態におけるユーザインターフェースそのものに対する操作を説明する図である。
【図7】本実施形態における画像に対する操作を説明する図である。
【図8】本実施形態における平面を定義する法線ベクトルの操作を説明する図である。
【図9】本実施形態における平面を定義する法線ベクトルを中心に回転する操作を説明する図である。
【図10】本実施形態における平面中の一つの軸を中心に回転する操作を説明する図である。
【図11】本実施形態における遷移的な操作を説明するための参考図である。
【図12】本実施形態における探索対象となっている心臓20の正面図を模式化した図と、病変部分21fを含む血管21を模式化した図である。
【図13】本実施形態における血管21と心臓20との結合部分を画像表示装置に表示した画像を示した図である。
【図14】本実施形態における操作手順を示す第1の図である。
【図15】本実施形態における操作手順を示す第2の図である。
【図16】本実施形態における操作手順を示す第3の図である。
【図17】本実施形態における操作手順を示す第4の図である。
【図18】本実施形態における操作手順を示す第5の図である。
【図19】本実施形態における第一の変形例を示す図である。
【図20】本実施形態における第二の変形例を示す図である。
【図21】従来における一実施例を示す図である。
【図22】従来における一実施例を示す図である。
【図23】従来における一実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0207】
1 ・・・ 画像表示装置
2 ・・・ データベース
3・・・ 計算機
4 ・・・ モニタ
5 ・・・ キーボード
6 ・・・ マウス
12 ・・・ 腸
20・・・ 心臓
PB ・・・ ピボッド
P1、P2、P3 ・・・ 平面
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボリュームデータを可視化する画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いた画像処理技術の進展により人体の内部構造を直接観測することを可能にしたCT( C o m p u t e d T o m o g r a p h y)、MRI( M a g n e t i c R e s o n a n c e I m a g i n g) の出現は医療分野に革新をもたらし、生体の断層画像を用いた医療診断が広く行われている。さらに、近年では、断層画像だけでは分かりにくい複雑な人体内部の3次元構造を可視化する技術として、例えば、CTにより得られた物体の3次元デジタルデータから3次元構造のイメージを直接描画するボリュームレンダリングが医療診断に使用されている。
【0003】
ボリュームレンダリングにおける3次元画像処理として、ボリュームデータから任意断面を切り出し、その断面を表示するMPR( M u l t i P l a n a r R e c o n s t r u c t i o n)などが一般に使用されている。
【0004】
図3 は、ボリュームデータ61の断面表示を行う従来手法のMPRを説明するための図である。MPRは、例えば、図3(A)、(B)に示すように、腸12を含むボリュームデータ11を、任意の平面である断面13aで切断し、図3(C)に示すように、断面13b上のボクセルを描画することによって、図3(D)に示すような腸12の断面像12aを得る手法である。
【0005】
また、MPRにあっては単一の平面上の組織に限り描画され、組織の立体関係を把握するのが難しいので、ボリュームデータを互いに交わる二つ以上の平面で切断し、切断面を展開して複数のMPRを同時に表示し、例えば、立方体で切断した断面を展開表示する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、断面を画面に表示されたウィジットを操作することや画像に対して操作を行う(画像上をポインティングデバイスでドラッグ操作を行う等)ことによって、断面を任意の方向へ移動する手法がこれまでにもあった(図21、図22)。ウィジットを操作する形態であっては画面上をウィジットによって覆われるので画像の表示領域が狭くなり、また操作と画像との関連性を把握するのに一定の隔たりがあった。また、画像に対して操作を行う形態であってはドラッグ操作が画像上の2次元的な操作であるので断面の平面を定義する7自由度(平面の法線ベクトルの向き2自由度+平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度+表示画像のオフセット位置3自由度+拡大率の1自由度)の内の2自由度のみ(通常は平面の法線ベクトルの向き2自由度)を操作するものであった。特に、平面の法線ベクトルの向き2自由度及び平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度の計3自由度を同時に操作したいという要求がある。尚、平面の定義する操作はいわゆる3次元画像のカメラ位置や投影角度の設定とは細を異にする。これは、3次元画像のカメラ位置や投影角度の変更はその表示対象を俯瞰した状態で操作を行え画像に立体的な情報を含むのに対して、平面を定義する7自由度の変更はその表示対象を俯瞰できなく立体的な情報を含まないので、操作後の表示内容が予測しにくいからである。特に平面の法線ベクトルの向き2自由度の操作は難しい。
【0007】
また、いわゆるコロナル・アキシアル・サジタルの三断面のいずれかの断面を指定し、更にその断面画像の上で直線を指示し、その直線を含むその平面と直交する新たな面を指定することによりMPRに用いる平面を指定する方法もあった(図23)。
【0008】
これら操作には熟練が必要で、従来では熟練した放射線技師や放射線科医師が医療施設などであらかじめ定められた定型的な画像を作成し、スライドショーがごとき形態でそれぞれの診断や治療に関わる臨床医師に渡していた。
【特許文献1】特開平11−219448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記画面に表示された画像に対する操作では同時に平面を定義する自由度の内の2自由度分しか操作できず、直感に反する操作結果となることが多かった。
【0010】
また、上記三断面を用いた操作では、異なる人間の臓器等の観察対象物をあらかじめ定められた特定の方向から見た画像を提供する場合には便利であった(例えば、放射線技師が、臨床医師に患者の臓器等の画像を提供する場合には、意思疎通の利便上に臨床医師は常にどの方向から臓器等の画像が撮影されたかを認識する必要があるので、臨床医師に提供される画像は患者が異なっても常に予め定められた方向からの画像である。)。
【0011】
しかし、従来のMPR指定GUIは定型的な画像を再現性良く作成するのには好適であったが、操作が直感的ではなかった。また、目的とされる一枚の画像を作成するには向いているが、パラメータが連続的に遷移する多数の画像を作成するには向いていなかった。
【0012】
その結果、臨床医師はあらかじめ定められた画像を用いて診断治療を行うものの、臨床医師が患者の患部(臓器、血管等の患部)について医療画像表示装置を使用して、適切な治療・手術などの医療行為を実施するために患部をさらに多数の角度からなる画像を作成し診断治療に用いることはできないでいた。
【0013】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、医療画像表示装置の操作に熟練していないユーザ(循環器外科の医師等)であっても、医療画像表示装置に表示された画像をポインティングデバイス等の入力装置を用いて操作することにより、直感的であって容易にユーザが観察を希望している画像(表示対象物の部位)を探すことができる、パラメータが連続的に遷移する多数の画像を医師に提供することができる画像表示装置、画像表示装置の制御方法、および画像表示装置の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0016】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0017】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0018】
上記問題点を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療画像表示装置において、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからなく、複数の平面画像から組織の立体構造をイメージしやすいので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0020】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0021】
上記問題点を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医療画像表示装置において、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0023】
上記問題点を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の医療画像表示装置において、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0025】
上記問題点を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の医療画像表示装置において、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0027】
上記問題点を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段には、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0029】
上記問題点を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0031】
上記問題点を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記表示手段は、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0033】
上記問題点を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記表示手段は、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置。
【0034】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0035】
上記問題点を解決するために、請求項10に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置の制御方法において、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示工程と、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付工程と、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0037】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0038】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0039】
上記問題点を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0040】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0041】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0042】
上記問題点を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0044】
上記問題点を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0046】
上記問題点を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0048】
上記問題点を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示工程において、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0050】
上記問題点を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示工程において、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0052】
上記問題点を解決するために、請求項17に記載の発明は、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記表示工程において、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする。
【0053】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0054】
上記問題点を解決するために、請求項18に記載の発明は、請求項10至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記表示工程において、シネ作成機能があることを特徴とする。
【0055】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0056】
上記問題点を解決するために、請求項19に記載の発明は、ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置に含まれるコンピュータを、前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段、前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段、前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段、として機能させることを特徴とする。
【0057】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。また、2以上の領域の境界線上には更に異なる操作を割り当てることができる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0058】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0059】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0060】
上記問題点を解決するために、請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする。
【0061】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0062】
また、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0063】
上記問題点を解決するために、請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする。
【0064】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0065】
上記問題点を解決するために、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする。
【0066】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0067】
上記問題点を解決するために、請求項23に記載の発明は、請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする。
【0068】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対してその画像の属する平面及び直交する平面の角度を変える操作が直感的で容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0069】
上記問題点を解決するために、請求項24に記載の発明は、請求項19乃至23のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段を、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されるように機能させることを特徴とする。
【0070】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像をその画像の属する平面上で任意に回転させるのが容易になるので対象を容易に観察できるようになる。
【0071】
上記問題点を解決するために、請求項25に記載の発明は、請求項19乃至24のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されるように機能させることを特徴とする。
【0072】
この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像の属する平面を容易に回転することができるので、観察対象となっている人体内部の各種部位を様々な断面から観察することが容易となる。
【0073】
上記問題点を解決するために、請求項26に記載の発明は、請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記表示手段を、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化するように機能させることを特徴とする。
【0074】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を順次観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0075】
上記問題点を解決するために、請求項27に記載の発明は、請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記表示手段を、シネ作成機能があるように機能させることを特徴とする。
【0076】
この発明によれば、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【発明の効果】
【0077】
この発明によれば、画像を2以上の領域に分割することによって従来では画像に対する操作に関しては高々2自由度しか出来なかった操作を3自由度以上に行えるようになり、かつその自由度の組合せをユーザにとって利便なものに随時変更出来るようになる。よって、ユーザが画像を観察しながら、画像に対して直接に移動指示を与えることができるので、画像として表示されている対象物においてユーザが観察したい場所を容易に探し出すことができる。例えば、臓器の表面に複数存在する血管を観察する際に、観察対象となっている血管が属している(血管が含まれている)平面を素早く発見することができる。また、血管の一部を発見した場合に、その血管から病変、欠陥等が疑われる血管部位まで容易にたどりつくことが可能なユーザインターフェースを提供することが可能になった。
【0078】
また、特定の画像(臓器に対して特定の方向性を持った画像)だけを取り扱う場合(放射線技師が、担当医師から指示された特定の画像を表示し、ハードコピーを取り扱う場合)だけではなく、臨床医として患者の治療、手術等を実施する医師が自らこの医療画像表示装置を操作して、治療対象、手術対象となっている患部を容易に発見できるとともに、さらに患部を適切な断面において観察できるので、適切な治療、手術等を実施することが可能になった。
【0079】
さらに、一旦人体の画像を取り込んでデータベースとして保存することにより、いつでもどこでも、この医療画像表示装置を操作することで、誰でもが容易に画面に表示された画像を見ながら直感的に人体内部の各種部位を観察することが可能になった。
【0080】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を示す直線が画像に重ねて表示されているので、直交する平面を探すために時間がかからないので、優れたユーザインターフェースが実現されている。
【0081】
さらに、観察対象となっている表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面方向の画像をユーザが見ようとした場合にも、容易に、表示されている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面を探し出すことができる。
【0082】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を見ようとする場合にその3次元方向の平面を自由に選択することができるので、人体内部の各種部位を様々な方向から容易に観察することが可能となっている。
【0083】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできるだけではなく、一つの平面に対して直交する他の2画面が自動的に選択されるので、観察対象部位を常に立体的に観察することが可能になる。
【0084】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像に対して直交する平面の角度を変える操作が容易にできる。すなわち、2次元で表示されている人体内部の各種部位に対して3次元方向の各種部位の状態を容易に見ることができるユーザインターフェースを備えている。
【0085】
さらに、観察対象となっている人体内部の各種部位における一点を前記法線ベクトルの始点に設定すれば、観察対象となっている人体内部の各種部位をその一点を中心に360度の方向から観察することが可能となる。すなわち観察したい部位を外部から上下左右、360度の任意の角度から観察することが可能となる。この発明によれば、観察対象となっている人体内部の各種部位の画像を容易に回転することができるので、表示されている画像と、ユーザである医師等が観察したい方向を容易に合わせることが可能となる。
【0086】
この発明によれば、ユーザである医師等が観察対象となっている人体内部の各種部位の画像を自由に操作できる操作自由度が大きくり、又は画面上の多くのポイントにおいて画像を操作することが可能になるので、ユーザインターフェースの操作性が大幅に向上する。
【0087】
さらに、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を容易に探し出すことができるので、平行な2平面間を連続的に観察する必要がなくなり、時間が節約され、ユーザである観察する人の人体的負担も軽減されるので、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【0088】
さらに、平行な2平面に挟まれた領域において、特徴的な部位を探し出すことが容易になった。またこの特徴的な部位の変化を逐次的に観察することが可能となり、より効率的なヒューマンインターフェースを実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0089】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.システム構成の一例]
図1は、本発明のシステム構成の構成例(一実施形態)を示すブロック図である。
【0090】
図1Aに示すように、画像表示装置1は、データベース2から例えば、CT(Computerized Tomography) 画像撮影装置により撮影されたCT画像データを読み取って、医療診断用の各種画像を生成し画面に表示する。本実施形態では、CT画像データを例に説明するが、これに限定されない。すなわち、使用される画像データは、CTに限らず、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等の医用画像処理装置より得られるデータ及びそれらを組み合わせたり加工したりしたものである。
【0091】
画像表示装置1は、計算機(コンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ)3と、モニタ4と、キーボード5 及びマウス6 などの入力装置とを備えている。計算機3はデータベース2と接続されている。
【0092】
図1(B)は本発明方法を実現する画像表示装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、この画像表示装置は、主として磁気ディスク10と、主メモリ15と、操作受付手段および制御手段としての中央処理装置(CPU)14と、表示メモリ16と、表示手段としてのモニタ4と、キーボード20、各種の操作指令、位置指令、メニュー選択指令を入力するためのポインティングデバイスとしてのマウス22、マウスコントローラ24と、これらの各構成要素を接続する共通バス26とから構成されている。
【0093】
磁気ディスク10には、複数の断層像、画像作成プログラム等が記憶され、必要に応じて共通バス26の外部に設けられているデータベース2から断層像を読み出して記憶される。主メモリ15には、装置の制御プログラムが格納されるとともに、演算処理用の領域等が設けられている。CPU14は、複数の断層像や各種のプログラムを読み出し、主メモリ15を用いて疑似三次元画像や展開表示する断面像等の作成を行い、その作成した画像を示す画像データを表示メモリ16に送り、モニタ4に表示させる。
【0094】
次にデータベース2に蓄積されるデータについて、図2を用いて説明する。図2では、本発明の一実施形態にかかる画像処理方法で使用されるコンピュータ断層撮影(CT)装置を概略的に示す。コンピュータ断層撮影装置は、被検体の組織等を可視化するものである。X線源101からは同図に鎖線で示す縁部ビームを有するピラミッド状のX線ビーム束102が放射される。X線ビーム束102は、例えば患者103である被検体を透過しX線検出器104に照射される。X線源101及びX線検出器104は、本実施形態の場合にはリング状のガントリー105に互いに対向配置されている。リング状のガントリー105は、このガントリーの中心点を通るシステム軸線106に対して、同図に示されていない保持装置に回転可能(矢印a参照)に支持されている。
【0095】
患者103は、本実施形態の場合には、X線が透過するテーブル107上に寝ている。このテーブルは、図示されていない支持装置によりシステム軸線106に沿って移動可能(矢印b参照)に支持されている。
【0096】
従って、X線源101及びX線検出器104は、システム軸線106に対して回転可能でありかつシステム軸線106に沿って患者103に対して相対的に移動可能である測定システムを構成するので、患者103はシステム軸線106に関して種々の投影角及び種々の位置のもとで投射されることができる。その際に発生するX線検出器104の出力信号は、ボリュームデータ生成部111に供給され、ボリュームデータに変換される。
【0097】
シーケンス走査の場合には患者103の層毎の走査が行なわれる。その際に、X線源101及びX線検出器104はシステム軸線106を中心に患者103の周りを回転し、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムは患者103の2次元断層を走査するために多数の投影を撮影する。その際に取得された測定値から、走査された断層を表示する断層像が再構成される。相連続する断層の走査の間に、患者103はその都度システム軸線106に沿って移動される。この過程は全ての関心断層が捕捉されるまで繰り返される。
【0098】
一方、スパイラル走査中は、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムはシステム軸線106を中心に回転し、テーブル107は連続的に矢印bの方向に移動する。すなわち、X線源101及びX線検出器104を含む測定システムは、患者103に対して相対的に連続的にスパイラル軌道上を、患者103の関心領域が全部捕捉されるまで移動する。本実施形態の場合、同図に示されたコンピュータ断層撮影装置により、患者103の診断範囲における多数の相連続する断層信号がデータベース2に供給される。
[2.断面表示方法の説明]
図3は、ボリュームデータ11の断面表示を行う従来手法のMPRを説明するための図である。MPRは、例えば、図3(A)、(B)に示すように、腸12を含むボリュームデータ11を、任意の平面である断面13a(断面13bは、断面13aの一部であって、ボリュームデータ11における断面を示す。)で切断し、図3(C) に示すように、断面13b上のボクセルを描画することによって、図3(D)に示すような腸12の断面像12aを得る手法である。
【0099】
次にMPR画像において多く用いられる直交する三断面の表示方法について図4を用いて説明する。
【0100】
ユーザ(医師等)が人体の臓器等の人体内部を観察する場合には、人体内部を複数の異なる断面で見た画像が提供されることによって、人体内部を適切に観察することができる。
【0101】
図4は、人体内部の腸12を直交する三断面を用いて模式的に示した図である。
【0102】
平面P3は腸12の内部であるピボットPBを通り、腸12の正面図となる。
【0103】
また、平面P1は腸12の内部であるピボットPBを通り、平面P3に直交する腸12に対する平面図である。
【0104】
また、平面P2は腸12の内部であるピボットPBを通り、平面P1および平面P3に直交する腸12に対する側面図(断面図)である。
【0105】
このようにピボットPBは、互いに直交する平面P1、平面P2、平面P3の交点であり、対象物(図4における腸12)の内部にピボットPBが設けられることによって、対象物の内部を3方向から自由に観察することが可能になる。
【0106】
また、医療画像表示装置に表示される平面P1、平面P2、および平面P3の相対的な位置関係が一定していないと、平面P1、平面P2、および平面P3によってよって表現されるMPR画像をユーザ(医師等)が視認することによって対象物を観察し、対象物の状態(臓器、血管等における病変部位の位置や方向)把握が困難になる。
【0107】
従って、平面P1、平面P2、および平面P3のいずれか一つによって表現されるMPR画像の一つの方向が変化した場合には、他の2面によって表現されるMPR画像も、常に3平面が互いに直交するように変化し、変化後の3断面におけるMPR画像が表示される状態になる。
【0108】
例えば、一つのMPR画像が回転したら、他の2面を示すMPR画像も連動して回転することになる。この時、ピボットPBを回転の中心とする事が多い、操作の把握が容易になるからである。
【0109】
以降の実施形態における説明においては、対象物(図4における腸12)の正面図である平面P3を中心に説明するが、医療画像表示装置は正面図である平面P3だけを表示するのではなく、側面図(断面図)となる平面P2、および平面図となる平面P1をも同時に表示することによって、対象物をリアルタイムに観察することができる。また、ユーザ(医師等)がいずれか1もしくは2の平面だけを表示することによって詳細に対象物の特定の方向からの画像を観察することも可能である。また、他の画像が表示されることもある。
[3.本GUIの概要]
図5は、本実施形態に係る画像表示装置の画面上に表示されるGUI(Graphical User Interface)に対する操作を示す一例である。また図5は、図1におけるモニタ4に表示される画像の全部又は一部を構成する。
【0110】
図5には、腸12の輪切り断面12aとその他のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が表示されている。これらのGUIに係る部分は図5においては線図で表示されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、線図にテキスト又は図形等のユーザに認識できるすべての表示を更に追加することによってユーザに対して操作対象を明確にすることが可能である。
【0111】
また、図5においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス(マウス等)又はキーボード等による位置表示カーソルMPが、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(図5においては腸12の輪切り断面12a)を明確に認識することが可能となる。
【0112】
図5の画像表示装置の画面上に表示されるGUIに対する操作は、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)を基準に操作される。
【0113】
図5において表示されている画像は、図4における平面P3に該当する。図5に表示されている直線PL2は、図4における平面P2との交線を表現する。平面P3の法線ベクトル方向(図5は平面P3を図4における方向Fから表示しているので、図5は、図4の平面P3を正面図とした図になっている。)から腸12を観察している画像が図5で表示されているために、平面P2が、平面P3においてどの場所に存在するかをユーザ(医師等)が容易に把握しやすいように直線PL2で示してある。
【0114】
また、図5に表示されている直線PL1は、図4における平面P1との交線を表現する。平面P3の法線ベクトル方向(図5は平面P3を図4における方向Fから表示しているので、図5は、図4の平面P3を正面図とした図になっている。)から腸12を観察している画像が図5で表示されているために、平面P1が、平面P3においてどの場所に存在するかをユーザ(医師等)が容易に把握しやすいように直線PL1で示してある。
【0115】
図4において説明したように、平面P1と平面P2は直交しているので、図5のピボッドPBを中心にして、図5における直線PL1と直線PL2とは直交した線で表示される(ピボッドPBは図5の中心にある必要はなく、ユーザがポインティングデバイスを操作することにより、任意の位置へ移動することが可能である。)。
【0116】
また、ユーザ(医師等)がポインティングデバイスを用いて曲線R1によって囲まれた領域R16内においてドラッグ操作を行うと(位置表示カーソルMPをポインティングデバイスのボタンを押下した状態で移動させると)、図5に表示されている画像(図4における平面P3)はピボットPBを中心にして平面の法線の向きが変化(ユーザが腸12を観察する方向がピボットPBを中心に変化)する(詳細は後述する。)。
【0117】
図5においては、画像上に表示されるGUIに対する操作に関する部品を、直線PL1並びに直線PL2、および曲線である曲線R1で示しているが、これらの画像上に表示されるGUIに対する操作に関する部品は任意の形状の線図、点線破線など、または図形等で表示することが可能である。すなわち、領域R16に含まれる領域と領域R16に含まれない領域に分割できればよい。また、3以上の領域に分割しても良い。
[4.画像上に表示されるGUIに対する操作の一例]
次に、図6を用いて、図5における画像上に表示されるGUIに対する操作の種類について説明する。
【0118】
図6Aは、画像上に表示されるGUIに対するユーザがマウス等のポインティングデバイスを用いた操作の方法を示し、図6Bは図6Aにおける操作の結果を表示する図である。
【0119】
図6Aにおいて、ユーザは直線PL1をポインティングデバイスにてドラッグすることにより、操作D1を行うことができる。操作D1は、直線PL1に関してピボッドPBを中心にして回転させる操作である。図6Aにおいて、ユーザは、ピボッドPBを中心にして直線PL1を右回りに回転する(操作D1)。その結果図6Bにおいて、直線PL1を示す直線は、角度θ1だけ右回りに回転して表示されている。
【0120】
この結果、図6Aにおいて平面P1によって表示されるべき平面図(腸12の平面図(図示せず))もピボットPBを中心に角度θ1だけ回転するので、図6Bにおいて平面P1によって表示されるべき平面図(腸12の平面図(図示せず))も、図6Aから右回りに角度θ1回転し、その角度θ1回転した平面図をユーザが観察することが可能となる。
【0121】
次に、図6Bにおいて、ユーザはピボッドPB(3平面の交点)をポインティングデバイスにてドラッグすることにより、操作D2を行うことができる。操作D2は、ピボッドPBを移動する操作である。図6Aにおいては、操作D2によって、図6Aにおける垂直方向Vおよび水平方向HにピボッドPBを移動させることができる。より具体的には、図6(A)における任意の点に位置表示カーソルMPを移動し、マウスをダブルクリックすると、位置表示カーソルMPが示している場所が直交する3平面の交点を示すピボットPBとなる。
【0122】
図6Bは、操作D2によって、ピボッドPBを図6Bにおいて左上方向に移動させた状態を示している。図6Bにおいては、曲線R1を中心にして、角度θ1だけ回転した直線PL1と直線PL2とが表示されている。図4において説明したように直線PL1と直線PL2とは常に直交した関係にあり、直線PL1と直線PL2との交点は常にピボッドPBになる。また、ピボッドPBを移動する操作ができる範囲を曲線R1の内部である領域R11に限定する(ポインティングデバイスの誤操作を防止し、表示画面が極端に変化しないように制限すること)こと、又はモニタ画面全体の何れの場所においてもピボットPBを移動できるようにすることもできる。
【0123】
このように、画像表示装置に表示されるGUIに対する操作では(図6における操作)、画像を直接、ポインティングおよびドラッグして、ユーザが観察したい部位を探すわけではない。画像表示装置に表示されるGUIに対する操作においては、ユーザは、ユーザの頭の中で対象物(図6においては例えば腸12など)を移動すべき位置を想定して(画像上に表示されるGUIに対する操作をどのようにすればどの平面画像を表示できるかを考えながら)、操作を行う必要がある。また、ユーザはユーザ操作によって移動した画面から、さらに次に移動すべき方向をユーザ自信が考えて操作を繰り返す必要がある。
[5.画面上に表示される画像に対する操作の一例]
次に図7を用いて、本実施形態に係る画像に対する操作の一例について説明する。
【0124】
図7には、腸12の輪切り断面12aとその他の画像に係る操作(操作D4乃至操作D6)が表示されている。これらの操作D4乃至操作D6は画像表示装置の表示部に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスの操作方向を示すために図示されているものである。
【0125】
また、図7においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMPが、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(図7においては腸12の輪切り断面12a)を明確に認識することが可能となる。
【0126】
図7の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)、および画像上の領域に基づいて決定される。
【0127】
領域R1の内側である領域16(腸12の輪切り断面12aおよびピボットPBを含む空間)において、ドラッグ操作を行うと、表示されている画像(図7においては腸12の輪切り断面12a)がピボットPBを中心に平面の法線ベクトルの向きを変える形で回転する。回転方向は任意の方向に設定できる。この場合、腸12の平面の法線の向きがピボッドを中心に回転することになるので、表示される画像も、ドラッグ操作と共に変化する。すなわち、ドラッグ操作の移動方向から、表示されるべき対象物体を見た画像が表示されるのである。
【0128】
例えば、図7において、操作D6(領域R16内において、上下左右にドラッグ操作)を行った場合には、画像表示装置に表示されるべき画像は、ユーザの視線が操作D6と同じ方向へ移動した場合に表示されるべき対象物を観察しているように、表示される(平面を定義する法線ベクトルを操作することになる。詳細は後述する。)。
【0129】
例えば、図7においては、ピボッドPBを中心とする仮想の球(半径r)を仮定し、領域16内でのドラッグ操作により仮想の球上の点を移動させることによる球の回転を介して法線ベクトルの向きの変化を表現できる。そして、回転後の法線ベクトルによって定められた新たな平面を元に新たなMPR画像を作成し、表示される。この時の半径rはドラッグ操作の起点とピボッドPBの距離を用いると直感的であるが、必ずしもそれに限定されない。
【0130】
この場合、回転操作は仮想の球を回転させることによって定義したが、本願はそれに限定されるものではない。例えば、法線ベクトルの方向を定義する2自由度(θ、φ)をドラッグ操作により入手できる上下左右方向の移動量(X、Y)によって変化させても良い。
【0131】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0132】
例えば、図7において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D4を実行した場合(図7におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザがドラッグ操作を行った場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる。詳細は後述する。)ことになる。
【0133】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D4と逆方向の操作をした場合(図7におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザがドラッグ操作を行った場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる。詳細は後述する。)ことになる。
【0134】
更に、画像上に表示されるGUIに対する操作の他の例として領域R16の外側における平面P1を示す直線PL1の周囲(画像表示装置における表示画面の直線PL1から予め定められた距離に位置表示カーソルMPが近づいた場合)において、ユーザが操作D5をした場合(直線PL1を起点にドラッグ操作をした場合)には、MPRを定義する平面は、直線PL1によって表される平面P1とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP1)を軸に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度だけMPRを定義する平面は回転し、その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される(平面の法線ベクトルの向きを直線PLP1を軸として回転させることになる。詳細は後述する。)。
【0135】
また、図示しないが、同様に、画像上に表示されるGUIに対する操作の他の例として領域R16の外側における平面P2を示す直線PL2において、ユーザが直線PL2を起点にドラッグ操作をした場合には、MPRを定義する平面は、直線PL2によって表される平面P2とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP2)を軸に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度だけMPRを定義する平面は回転し、その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像が作成され、その画像が表示される(平面の法線ベクトルの向きを、直線PLP2を軸として回転させることになる。詳細は後述する。)。
【0136】
次に図8を用いて、図7における領域R16における、ドラッグ操作(操作D6)と画像表示装置における表示画面に表示される対象物に対する観察面との関係を説明する。
【0137】
図8は、平面P1−1と平面P1−1における法線ベクトルP1−1N(法線ベクトルP1−1Nは平面P1−1に対して直角方向にある。)、平面P1−2と平面P1−2における法線ベクトルP1−2N(法線ベクトルP1−2Nは平面P1−2に対して直角方向にある。)、平面P1−3と平面P1−3における法線ベクトルP1−3N(法線ベクトルP1−3Nは平面P1−3に対して直角方向にある。)との関係を示した図である。
【0138】
ドラッグ操作によって、何れかの法線ベクトル(図8に記載された法線ベクトルに限られるわけではない。)の向きは変更されるので、表示される画像は、各法線ベクトルから、その法線ベクトルに対応する平面における対象物の画像となる(対象物のどの部分の断面になるかは、平面上のピボットPBとボリュームデータのオフセット関係による)。
【0139】
例えば、法線ベクトルが法線ベクトルP1−2Nであったときにユーザ操作により法線ベクトルが法線ベクトルP1−1Nとなると、画像表示装置に表示される対象物は、法線ベクトルP1−1Nに対応する平面P1−1の断面図となる。また、例えば、法線ベクトルが法線ベクトルP1−2N上であったときにユーザ操作により法線ベクトルが法線ベクトルP1−3Nとなると、法線ベクトルP1−3Nに対応する平面P1−3における対象物の断面図が画像表示装置に表示される。
【0140】
従って、領域R16の内側でのドラッグ操作により、法線ベクトルを変え、ピボッドPBを原点とした360度の上下左右方向から対象物を見た断面画像を画像表示装置は表示することができる。
【0141】
次に図9を用いて、図7における、領域R16の外側における、位置表示カーソルMPの動き(操作D4を含む)と表示される対象物の観察面との関係を説明する。
【0142】
図9は法線ベクトルP1−1Nと、法線ベクトルP1−1Nに対応する平面P1−4、平面P1−5、および平面P1−6を示した図である。平面P1−4、平面P1−5、および平面P1−6は同一平面上にある平面である。平面P1−5は、平面P1−4に対して、θ2だけ、図9においてピボットPBにおける法線ベクトルP1−1Nを軸として時計方向に回転させた平面を示し、平面P1−6は、平面P1−5に対して、θ3だけ、図9においてピボットPBにおける法線ベクトルP1Nを軸として時計方向に回転させた平面を示す。回転角θ2および回転角θ3は、法線ベクトルP1Nの原点であるピボットPBに対する、回転角度である。
【0143】
すなわち、図7において、領域R16の外側において、位置表示カーソルMPをピボッドPBに対して回転させる時には法線ベクトルP1Nそのものは変化しない。
【0144】
次に図10を用いて、図7における、画像上に表示されるGUIである直線PL1および直線PL2に関する、平面に含まれる軸を中心とした回転について、ドラッグ操作(操作D5を含む)と表示される対象物の観察面との関係を説明する。
【0145】
図10は、平面P1−1と、平面P1−1を図10において角度θ4だけ図10の奥側から平面P1−1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−11と、平面P1−11を図10において角度θ5だけ図10の奥側から平面P1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−12と、平面P1−12を図10において角度θ6だけ図10の奥側から平面P1上の軸PLP1を中心として回転した平面P1−13と、を表示した図である。
【0146】
ここで、角度θ4、角度θ5、および角度θ6は、図7においてユーザが平面P1−1を表す直線PL1を中心に、ドラッグ操作を行ったドラッグ量に対応する。
【0147】
ユーザが操作D5を実行した場合(直線PL1を中心に位置表示カーソルMPを回転させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像は、直線PL1によって表される平面P1とピボッドPBとの交点によって表される直線(図4における直線PLP1)を中心に回転し、ドラッグ操作のドラッグ量に対応した角度(角度θ4、角度θ5、および角度θ6)だけ回転した対象物(図7においては腸12)が平面P1−11、平面P1−12、および平面P1−13と交わる面の画像が表示されることになる。
【0148】
すなわち、図7において、ユーザが平面P1を中心として位置表示カーソルMPを回転した角度に対応した平面における腸12の断面図が図7において表示される。
【0149】
また、図7において、ユーザが平面P2を中心として位置表示カーソルMPを回転した角度に対応した平面における腸12の断面図が図7において表示される。
[6.心臓における血管の病変部分の探索方法]
次に、図7において説明した画像に対する操作方法を使用して、心臓における血管の病変部分の探索方法について図11乃至図18を用いて説明する。
【0150】
図11は、探索対象となっている観察対象物である心臓20が画像表示装置に表示された場合の正面図である。
【0151】
図12は、探索対象となっている心臓20の正面図を模式化した図と、病変部分21f(図17参照)を含む血管21を模式化した図である。
【0152】
図13は、血管21と心臓との結合部分(血管21の根本部分)を本実施形態の画像表示装置に表示した画像30を示した図である。
【0153】
図13において、画像30には、心臓20の平面P6に対応する心臓20の断面図が表示されている。平面P6には、心臓20、血管21の心臓20との結合部分21a、血管部分21b、および血管21の湾曲部21cが含まれる。しかし、血管21の湾曲部21cから先の血管部分は、平面P6には含まれない。従って、画像30には、血管21の湾曲部21cから先の血管部分は表示されない。
【0154】
従って、このままでは、ユーザは画像表示装置を用いて血管21の湾曲部21cから先の血管部分を観察することはできない。しかし、ユーザは血管21の湾曲部21cから血管が先に続いていることを画像30から想像できる(血管21が途中で途切れていることは考えにくいこと、及び解剖学的知識により)ので、湾曲部21cを中心に血管21が存在する平面を探せば、湾曲部21cから先の血管を見つけ出すことができることを認識できる。
【0155】
この画像30において表示されている画像を移動させる操作について図13を用いて説明する。
【0156】
図14の画像31は、ユーザが、図13の画像30において、湾曲部21cをポインティングデバイスでダブルクリックした後の図である。ポインティングデバイスでダブルクリックされた場所は画面の中央に移動(パン)すると共に、ピボットPBとなる。
【0157】
図14に示されたように図13の画像30に表示される平面P6は、平面P6と平行方向に、ダブルクリックされた点と画像30における中央点であるピボットPB間の距離を移動し、画像31として表示される平面P7となる。
【0158】
図14において表示されている画像31において、血管21の先端を探すには、湾曲部21cに続く血管21が含まれる平面を探せばよいことになる。
【0159】
そこで、ユーザは画像31の領域R16内に、ポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを移動させた後に、領域R16内においてポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを2次元的に移動させることによって、ピボッドPBに対応する血管部位(湾曲部21c)を中心に回転(ピボッドPBを含む平面を回転)させて(図7および図8において説明した方法によって)、湾曲部21cを含む血管21の先端部を含む平面を探す。この場合には血管21cを含む平面P8が探される。
【0160】
血管21を含む平面の一つである平面P8をユーザが探した状態を図15に示す。
【0161】
図15における画像32には、血管21の湾曲部21cと湾曲部21cに続く血管部分21dが平面P8の一部として表示されている。新たな血管の湾曲部21eから先に血管が続いていることが、画像32から視認されるので、ユーザは、湾曲部21eを画像中央部のピボッドPBとするために、画像32における湾曲部21eをポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックする。
【0162】
図16は、図15において、湾曲部21eがポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックされた結果を表す図である。
【0163】
図16において、ダブルクリックされた湾曲部21eの近辺が画像33の中央部に表示されている。
【0164】
病変が疑われる血管部位21fが画像33で視認できるようになっている。ここでユーザは、病変が疑われる血管部位21fをよく観察するために、血管部位21fを画像中央部のピボッドPBとするために、画像33における血管部位21fをポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックする。
【0165】
図17は、図16において、病変が疑われる血管部位21fがポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPを用いて、ダブルクリックされた結果を示す図である。
【0166】
図16において、ダブルクリックされた病変が疑われる血管部位21fが画像33の中央部(ピボッドPB)に表示されている。このようにしてユーザはじっくり観察したい部分を画像の中心部へ移動することが可能となる。
【0167】
また、ユーザは、病変が疑われる血管部位21fを画像34に対して上下方向に(図34においては、病変が疑われる血管部位21fが画像34に対して左右方向に表示されている。)表示しようとする場合には、図7および図8で説明したように、領域R1の外側において、画像34の中心部またはピボッドPBに対して、90度反時計方向へ回転させるように位置表示カーソルMPを移動させる(図7における操作D4を反時計方向へ90度行う)。
【0168】
図18は、図17における病変が疑われる血管部位21fを、90度回転操作させた結果を示す図である。
【0169】
このようにユーザは、画像表示装置に表示されている対象物をあたかも自分で動かしているようにして、画像表示装置の画像における予め定められている領域においてユーザがポインティングデバイスを用いて位置表示カーソルMPを操作することによって、ユーザが探している臓器等における特定部位を容易に探し出すことができる。
[変形例1]
図19は、図7における実施形態の画像表示装置の画像に対する第一の変形例を示す図である。
【0170】
図19には、モニタ4の表示部36に表示されるべき対象物(臓器、血管等)とその他の画像に係る操作(操作D8乃至操作D12)が表示されている。これらの操作D8乃至操作D12は画像表示装置の表示部36に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPの操作方向を示すために示されているものである。
【0171】
また、図19においては、GUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMP(図19においては図示せず)が、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL1、PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(表示部36に表示される対象物)を明確に認識することが可能となる。
【0172】
図19の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、線図で区分される領域に基づいて決定される。
【0173】
領域R1の内側(ピボットPBを含む空間)は4分割されている。
【0174】
図19において領域R1の上側の扇形状と平面P2(図4における平面P2)を示す直線PL2とが接する部分を領域R11とする。
【0175】
また、図19において領域R1の下側の扇形状と平面P2(図4における平面P2)を示す直線PL2とが接する部分を領域R13とする。
【0176】
また、図19において領域R1の右側の扇形状と平面P1(図4における平面P1)を示す直線PL1とが接する部分を領域R12とする。
【0177】
また、また、図19において領域R1の左側の扇形状と平面P1(図4における平面P1)を示す直線PL1とが接する部分を領域R14とする。
【0178】
領域R11においてポインティングデバイスを用いて操作D9(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL1を軸に回転する。同様に、領域R13においてポインティングデバイスを用いて操作D10(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL1を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0179】
更に、領域R12における操作D11および領域R14における操作D12を実行すると、平面P1は直線PL2を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0180】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0181】
例えば、図19において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8をした場合(図19におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0182】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8と逆方向の操作をした場合(図19におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0183】
更に、図6の操作D1がごとき操作を行うことにより扇形状領域R11〜R14を変化させることができ、それに伴い、操作D9〜D12の内容を変更することが出来る。すなわち、操作D9〜D12により平面P1は常に操作後の直線PL1直線PL2を軸に回転することになる。
【0184】
更に、図19において領域R1は円形状、又は楕円形状で示されているが本願はこれに限定されるわけではなく、領域R1を任意の形状とすることができる。
【0185】
また、領域R11、領域R12、領域R13、および領域R14は扇形状で示されいるがこれに限定されるわけではなく、それぞれの領域を任意に形状とすることができる。また、対角の位置関係にある領域R11並びに領域R13、および領域R12並びに領域R14は同じ操作を行うように図19においては設定されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、例えば、隣接する領域に同じ操作を割り付けることが可能である。また、領域R1を4つに分割しているが、任意の数に分割することが可能である。
【0186】
このようにすることによって法線ベクトルの向きを変更する時の操作の自由度を一度に1に限定するができ、操作D6と比較してユーザによる操作を容易に出来る一方で、その1の自由度をPL1、PL2(操作D1)によって随時変更できるのでユーザによる柔軟な操作に対応できる。すなわち、前記、図14から図15に至るが操作を行うときに効果的である。
[変形例2]
図20は、図7における実施形態の画像表示装置の画像に対する第二の変形例を示す図である。
【0187】
図20には、表示部37に表示されるべき対象物(臓器、血管等)とその他の画像に係る操作(操作D13および操作D14)が表示されている。これらの操作D13乃至操作D14は画像表示装置の表示部に表示されているわけではなく、本実施形態のポインティングデバイスによって表示される位置表示カーソルMPの操作方向を示すために示されているものである。
【0188】
また、図20においては、GUIに係る線図(PL2、PB等)が常時表示されているように記載されているが、本願はこれに限定されるわけではなく、ポインティングデバイス又はキーボード等による位置表示カーソルMP(図20においては図示せず)が、画像表示装置の画面上のGUIに係る線図(PL2、PB等)等から予め定められた距離に近づいた場合にだけ表示するようにすることで、観察対象である画像(表示部37に表示される対象物)を明確に認識することが可能となる。
【0189】
図20の画像表示装置の画面上に表示される画像に対する操作の種類は、線図で区分される領域に基づいて決定される。
【0190】
領域R1の内側(ピボットPBを含む空間)の領域R15においてポインティングデバイスを用いて操作D14(ドラッグ操作)を実行すると、平面P1は直線PL2を軸に回転する。その結果、新たな平面を元に新たなMPR画像を作成され、その画像が表示される。
【0191】
更に、領域R1の外側において、ドラッグ操作を行った場合には表示されている画像がピボットPBを中心に画像を回転させるように表示される。
【0192】
例えば、図20において、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D13をした場合(図20におけるピボットPBを中心に時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0193】
また、ユーザが位置表示カーソルMPを用いて操作D8と逆方向の操作をした場合(図20におけるピボットPBを中心に反時計方向にユーザが位置表示カーソルMPを移動させた場合)には、画像表示装置に表示されている画像が反時計方向に回転する(平面を定義する法線ベクトルを中心に平面を回転させる)ことになる。
【0194】
更に、図6の操作D1がごとき操作を行うことにより直線PL2を回転させることができ、操作D14の内容を変更することが出来る。すなわち、操作D14により平面P1は常に操作後の直線PL2を軸に回転することになる。
【0195】
また、図20において領域R1は円形状、又は楕円形状で示されているが本願はこれに限定されるわけではなく、領域R1を任意の形状とすることができる。
【0196】
このようにすることによって法線ベクトルの向きを変更する時の操作の自由度を一度に1に限定するができ、操作D6と比較してユーザによる操作を容易に出来る一方で、その1の自由度をPL2によって随時変更できるのでユーザによる柔軟な操作に対応できる。すなわち、前記、図14から図15に至るが操作を行うときに効果的である。また、また、変形例1の例と比較してGUI表示を簡素にすることが出来る。
【0197】
また、本実施形態および変形例に係る画像において、平面上のボリュームデータを可視化とは、その平面を含む平行な2平面に挟まれた領域をボリュームレンダリングにより可視化を行い、平行な2平面間の特徴的な画像を抽出することも含む。特にボリュームレンダリング法の内のMIP法(Maximum Intensity Projection)と組み合わせることが多く、SlabMIPと呼称される。その他、加算法、平均値法、Raycast法など組み合わせることもある。これによって、血管などの蛇行することによって厳密には単一の平面上には留まらない組織を一枚の画像上で表現できる。
【0198】
また、シネ(平行な複数の平面を可視化した画像の逐次表示)によって、平行な複数の平面を容易に観察することができる。
【0199】
また、本実施形態においては、画像上に表示されるGUIとは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に対して上書きされるユーザ操作に供する画像であって、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に対して優先的に処理を受け付けるものである。
【0200】
また、ウィジットに対する操作とは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の属するウィンドウとは独立したウィンドウを有する操作に供する画像に対する操作を意味する。例えば、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の外側に表示される操作に供される画像の場合、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に重ねて表示される操作に供される画像等の場合がある。ボリュームデータを俯瞰した画像を別個に表示し、それを介して行う操作もウィジットに対する操作である。
【0201】
また、画像に対する操作とは、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像の属するウィンドウに対する操作を意味し、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像そのものを操作に供される画像とするものである。すなわち、前記ウィジットに対する操作や、ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像に重畳して表示される線図や記号等に対する操作は含まない。
【0202】
また、平面P1はポインティングデバイスに付属のホイールの回転によって平行移動出来るものである。
【0203】
また、本実施形態においては、ドラッグ操作にて操作を行ったが、画面上の2点を指定する操作であればなんでも良い。ドラッグ操作であれば、マウスのボタンの押し下げと押し上げの2操作である。更に例えば、マウスのボタンの押し下げを2度行っても良い。また、領域においての操作とは前記2点の内の少なくとも最初の1点がその領域対して行われるものを指す。
【0204】
また、本実施形態においては、ドラッグ操作にて行われる操作は、平面を定義する7自由度(平面の法線ベクトルの向き2自由度+平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度+表示画像のオフセット位置3自由度+拡大率の1自由度)の内の平面の法線ベクトルの向き2自由度及び平面の法線ベクトルに対する回転角度1自由度の合計3自由度に対する任意の操作であったが、それ以外の自由度に対する任意の操作であってもよい、例えば、画像上のある領域でドラッグ操作はパン操作(表示画像のオフセット位置3自由度の内の2自由度)であっても良い。また、Window Width / Window Level変換であっても良い。
【0205】
なお、図5乃至図7および図12乃至図20における動作手順を、ハードディスク等の記録媒体に予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるCPUとして機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】(A)本実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。(B)本実施形態におけるハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における画像撮像システムの一例である。
【図3】(A)、(B)、(C)、(D)本実施形態におけるMPR画像を説明する図である。
【図4】本実施形態における3断面を説明する図である。
【図5】本実施形態における画像表示装置に表示される画面の一例である。
【図6】(A)、(B)本実施形態におけるユーザインターフェースそのものに対する操作を説明する図である。
【図7】本実施形態における画像に対する操作を説明する図である。
【図8】本実施形態における平面を定義する法線ベクトルの操作を説明する図である。
【図9】本実施形態における平面を定義する法線ベクトルを中心に回転する操作を説明する図である。
【図10】本実施形態における平面中の一つの軸を中心に回転する操作を説明する図である。
【図11】本実施形態における遷移的な操作を説明するための参考図である。
【図12】本実施形態における探索対象となっている心臓20の正面図を模式化した図と、病変部分21fを含む血管21を模式化した図である。
【図13】本実施形態における血管21と心臓20との結合部分を画像表示装置に表示した画像を示した図である。
【図14】本実施形態における操作手順を示す第1の図である。
【図15】本実施形態における操作手順を示す第2の図である。
【図16】本実施形態における操作手順を示す第3の図である。
【図17】本実施形態における操作手順を示す第4の図である。
【図18】本実施形態における操作手順を示す第5の図である。
【図19】本実施形態における第一の変形例を示す図である。
【図20】本実施形態における第二の変形例を示す図である。
【図21】従来における一実施例を示す図である。
【図22】従来における一実施例を示す図である。
【図23】従来における一実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0207】
1 ・・・ 画像表示装置
2 ・・・ データベース
3・・・ 計算機
4 ・・・ モニタ
5 ・・・ キーボード
6 ・・・ マウス
12 ・・・ 腸
20・・・ 心臓
PB ・・・ ピボッド
P1、P2、P3 ・・・ 平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段とを備えることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療画像表示装置において、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の医療画像表示装置において、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療画像表示装置において、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項5】
請求項2に記載の医療画像表示装置において、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段には、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記表示手段は、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記表示手段は、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項10】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置の制御方法において、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示工程と、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付工程と、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御工程と、
を備えることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項14】
請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示工程において、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項16】
請求項10乃至15のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示工程において、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記表示工程において、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項18】
請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記表示工程において、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項19】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置に含まれるコンピュータを、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段、
として機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項23】
請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項24】
請求項19乃至23のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段を、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項25】
請求項19乃至24のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示手段を、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項26】
請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記表示手段を、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化するように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項27】
請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記表示手段を、シネ作成機能があるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項1】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置において、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段と、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段とを備えることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療画像表示装置において、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の医療画像表示装置において、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療画像表示装置において、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項5】
請求項2に記載の医療画像表示装置において、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段には、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示手段には、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記表示手段は、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の医療画像表示装置において、
前記表示手段は、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置。
【請求項10】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置の制御方法において、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示工程と、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付工程と、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御工程と、
を備えることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項14】
請求項11に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示工程において、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項16】
請求項10乃至15のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示工程において、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記表示工程において、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化することを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項18】
請求項10乃至16のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御方法において、
前記表示工程において、シネ作成機能があることを特徴とする医療画像表示装置の制御方法。
【請求項19】
ボリュームデータを可視化する医療画像表示装置に含まれるコンピュータを、
前記ボリュームデータに含まれる平面上のデータを可視化した画像を表示する表示手段、
前記画像がポインティングデバイスによる操作を受け付ける操作受付手段、
前記画像を2以上の領域に分割し、それぞれの領域において異なる操作を割り当てる制御手段、
として機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記画像の表示領域上には、前記画像に重ねて少なくとも1以上の前記平面と直交する平面を示す直線が表示されることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記直線は、前記画像上を移動可能に表示され、前記直線の移動に伴って、前記ボリュームデータを可視化する、前記直線に対応する前記直交する平面が移動することを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記平面と、当該平面と前記直交する平面の数の合計は3つの平面であり、前記3つの平面は、それぞれ前記ボリュームデータの断面を構成することを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項23】
請求項20に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記直線を含む平面は、当該直線を中心軸として回転可能に構成されており、当該回転された平面に対する他の平面は、前記回転された平面に対して直交するように構成されることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項24】
請求項19乃至23のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記領域における操作の少なくとも一つは、前記平面を、前記平面を定義する法線ベクトルを中心に回転させる操作であり、前記表示手段を、当該法線ベクトルを中心に回転させられた前記平面に対応する画像が表示されるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項25】
請求項19乃至24のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、前記領域における操作の少なくとも二つは、前記平面を定義する自由度の内の少なくとも1を変更する操作であり、
前記表示手段を、前記操作によって前記方向が変更された後の法線ベクトルに対応する平面が表示されるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項26】
請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記表示手段を、前記平面に平行な2平面に挟まれた領域を可視化するように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【請求項27】
請求項19乃至25のいずれか一項に記載の医療画像表示装置の制御プログラムにおいて、
前記表示手段を、シネ作成機能があるように機能させることを特徴とする医療画像表示装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図11】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図11】
【図23】
【公開番号】特開2009−22476(P2009−22476A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187508(P2007−187508)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(500109320)ザイオソフト株式会社 (59)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(500109320)ザイオソフト株式会社 (59)
【Fターム(参考)】
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