説明

画像表示装置及びその修正方法

【課題】あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能な画像表示装置及びその修正方法を提供する。
【解決手段】複数の発光画素がマトリクス状に配置された表示パネルを有する画像表示装置1であって、駆動回路形成時には異常動作する発光画素11P及び発光画素11Pに隣接または同色の正常動作する発光画素11Qは、画素列ごとに配置された信号線12から供給された信号電圧がゲートに印加されることにより、信号電圧に応じたソース−ドレイン間電流に変換する駆動トランジスタ22を有する駆動回路層11Aと、当該ソース−ドレイン間電流が流れることにより発光する発光層11Bとを備え、発光画素11Pの有する駆動トランジスタ22のゲート端子と発光画素11Qの有する駆動トランジスタ22のゲート端子とを直結するジャンパー線16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びその修正方法に関し、特に画素ごとに駆動回路を有する画像表示装置及びその修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電流駆動型の発光素子を用いた画像表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す。)を用いた有機ELディスプレイが知られている。この有機ELディスプレイは、視野角特性が良好で、消費電力が少ないという利点を有するため、次世代のFPD(Flat Panal Display)候補として注目されている。
【0003】
通常、画素を構成する有機EL素子はマトリクス状に配置される。例えば、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、複数の走査線と複数のデータ線との交点に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が設けられ、このTFTに保持容量素子(コンデンサ)、駆動トランジスタのゲート、及び補償回路などが接続されている。そして、選択した走査線を通じてこのTFTをオンさせ、データ線からのデータ信号等を駆動トランジスタ、保持容量素子及び補償回路に入力し、その駆動トランジスタ及び保持容量素子及び補償回路によって有機EL素子の発光輝度及び発光タイミングを制御する。この画素駆動回路の構成により、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、次の走査(選択)まで有機EL素子を発光させることが可能であるため、デューティ比が上がってもディスプレイの輝度減少を招くようなことはない。
【0004】
しかしながら、従来の有機ELパネルでは、画素駆動回路を構成する素子および配線のうち何れか1つでも異常があると、駆動トランジスタのゲートには正確な信号電圧が供給されない場合がある。これにより、駆動トランジスタが異常な電流値を流し続ける(輝点)あるいは電流を流さない(滅点)という不具合が発生する。これは、複雑な画素駆動回路構成を必要とするアクティブマトリクス型の有機ELディスプレイに特有の問題である。また、画素駆動回路構成が複雑になるほど、また、発光画素数が増加するほど、薄膜積層構造の微細化が必要とされるので、画素駆動回路素子や配線の短絡や開放といった電気的な不具合が発生する。
【0005】
これを改善するために、輝点より滅点の方が目立たないという観点から、画素駆動回路の一部をレーザー加工などにより切断し、駆動素子を駆動させないことにより輝点化を滅点化することが一般的である。
【0006】
特許文献1では、画素駆動回路素子や配線の形成時に、不具合が生じた発光画素を修正する方法が提案されている。回路素子の短絡等により常に発光状態となり輝点化された不良発光画素を修正するために、全ての発光画素領域に、他の導電部及び配線から離間して電気接続された非重畳部が設けられている。不良発光画素については、この非重畳部にレーザーを照射することにより、当該非重畳部を切断する。これにより、不良画素は、電気信号の伝達が遮断され、しかも、レーザー照射によるダメージを受けることなく滅点化される。
【0007】
これにより、輝点化していた不良画素による表示品質の低下を防止できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−203636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された画像表示装置の修正方法に代表されるように、輝点化していた不良画素を滅点化する方法では、修正後に滅点画素が残る。この場合、明るい表示画像に対しては、その中に滅点画素が存在するので表示品質が改善されず、むしろ滅点化の修正により表示品質が低下してしまう。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、あらゆる表示画像においても高い表示品質を確保することが可能な画像表示装置及びその修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の半導体装置は、複数の発光画素がマトリクス状に配置された表示パネルを有する画像表示装置であって、前記複数の発光画素のそれぞれは、信号電圧がゲートに印加されることにより、前記信号電圧に応じたソース−ドレイン間電流を発生する駆動トランジスタと、前記ソース−ドレイン間電流が流れることにより発光する発光素子とを備え、前記表示パネルは、一の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子と他の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子とを直結するジャンパー線を1以上備え、前記一の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子には、前記一の発光画素に対応した信号電圧が印加されず、前記他の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子には、前記他の発光画素に対応した信号電圧が印加されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、駆動回路の形成時に動作異常であった発光画素の駆動トランジスタのゲート端子は、正常動作している駆動回路を有する正常発光画素の駆動トランジスタのゲート端子とジャンパー線により直結されている。これにより、動作異常であった発光画素の駆動トランジスタのゲートには、上記正常発光画素の駆動トランジスタのゲートに供給される信号電圧が供給される。よって、駆動回路の形成時に駆動トランジスタ以外の回路素子または配線に不具合が発生していることにより駆動トランジスタのゲート端子に信号電圧が供給されない状態である発光画素の発光動作を、上記正常発光画素と同じ発光動作にすることが可能となる。つまり、発光画素の滅点化が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【0013】
また、前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素のうち前記一の発光画素において、当該発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子は、当該発光画素内の他の回路素子及び前記信号線との接続が遮断されていることが好ましい。
【0014】
これにより、駆動回路の形成時に動作異常であった発光画素において、当該発光画素を構成する回路素子の異常動作により駆動トランジスタのゲートに異常信号が供給される場合であっても、当該発光画素はジャンパー線と接続された上記正常発光画素と同じ発光動作を行うことが可能となる。
【0015】
つまり、発光画素の滅点化だけでなく輝点化も回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【0016】
また、前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素は、同じ色の発光画素であることが好ましい。
【0017】
これにより、駆動回路の形成時に動作異常であった発光画素の滅点化及び輝点化が回避され、さらに、他の色を表示する発光画素と接続された場合と比較して、当該発光画素の発光が単独で目立つことを低減できる。
【0018】
また、前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素は、隣接する発光画素であることが好ましい。
【0019】
これにより、駆動回路の形成時に動作異常であった発光画素の滅点化及び輝点化が回避され、さらに、隣接する発光画素と同等の発光状態となるので、当該発光画素の発光が単独で目立つことを低減できる。さらに、ジャンパー線を最短で形成できるので、ジャンパー線形成による修正工程を短縮化できる。
【0020】
また、前記ジャンパー線は、レーザービームCVD法により形成された金属配線であることが好ましい。
【0021】
これにより、ジャンパー線を任意の位置に形成でき、また、高速形成が可能となる。また、ジャンパー線形成と、当該ジャンパー線形成の前に必要なゲート端子表面上の開口部形成とを同じレーザー源を用いて実行することができるので、発光画素の修正工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0022】
また、本発明は、このような特徴的な手段を備える画像表示装置として実現することができるだけでなく、上述した画像表示装置の製造段階または完成後において、上記ジャンパー線を形成することにより、画像表示装置を修正する方法として実現することができる。
【0023】
具体的には、本発明の半導体装置の修正方法は、信号電圧がゲートに印加されることにより前記信号電圧に応じたソース−ドレイン間電流に変換する駆動トランジスタを有する駆動回路層と、前記ソース−ドレイン間電流が流れることにより発光する発光素子を有する発光層とを備えた複数の発光画素がマトリクス状に配置された画像表示装置の修正方法であって、前記駆動回路層の形成時に前記発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子に前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されるかを全発光画素について検査する検査ステップと、前記検査ステップで前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されていないと判断された第1の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子の表面に第1開口部を形成する第1開口ステップと、前記検査ステップで前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されていると判断された第2の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子の表面に第2開口部を形成する第2開口ステップと、前記第1開口部及び前記第2開口部を介して前記第1の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子と前記第2の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子とを直結するジャンパー線を形成する配線直結ステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
この方法によれば、駆動回路の形成時には駆動トランジスタ以外の回路素子または配線に不具合が発生していることにより駆動トランジスタのゲート端子に信号電圧が供給されない、または、異常信号が供給される異常発光画素は、正常発光画素の駆動トランジスタのゲート端子とジャンパー線により直結される。これにより、上記異常発光画素の駆動トランジスタのゲートには、上記正常発光画素の駆動トランジスタのゲートに供給される信号電圧が供給されるので、上記異常発光画素は、上記正常発光画素と同じ発光を行うことが可能となる。
【0025】
よって、発光画素の滅点化及び輝点化が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の画像表示装置及びその修正方法によれば、駆動回路の形成時には動作異常であった発光画素の駆動トランジスタのゲート端子が、正常発光画素の駆動トランジスタのゲート端子とジャンパー線により直結されるので、上記動作異常であった発光画素の輝点または滅点状態が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。(b)は、本発明の実施の形態に係る発光画素の主要な回路構成図である。
【図2】(a)は、本発明の実施の形態に係る、ジャンパー線で接続された2つの発光画素の回路構成図である。(b)は、本発明の実施の形態に係る、ジャンパー線で接続された2つの発光画素の断面図の一例である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の修正方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の修正方法を示す動作フローチャートである。
【図5】本発明の画像表示装置を内蔵した薄型フラットTVの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態および各図面において、同じ構成要素には同じ符号を付し説明する。また、以下では、上面発光方式の陽極(アノード)を下面に、また、陰極(カソード)を上面とする有機EL素子からなる画像表示装置を例に説明するが、これに限られない。
【0029】
(実施の形態)
本実施の形態における画像表示装置は、複数の発光画素がマトリクス状に配置された表示パネルを有し、当該複数の発光画素のそれぞれは、信号線から供給された信号電圧がゲートに印加されることにより、信号電圧に応じたソース−ドレイン間電流に変換する駆動トランジスタと、当該ソース−ドレイン間電流が流れることにより発光する発光素子とを備え、上記表示パネルは、一の発光画素の有する駆動トランジスタのゲート端子と他の発光画素の有する駆動トランジスタのゲート端子とを直結するジャンパー線を1以上備える。これにより、駆動回路形成時に異常動作する発光画素の駆動トランジスタのゲートに、正常動作する発光画素の駆動トランジスタのゲートに供給される信号電圧を供給することが可能となり、上記異常発光画素は、上記正常発光画素と同じ発光を行うことが可能となる。よって、発光画素の滅点化が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。同図における画像表示装置1は、表示パネル10と、制御回路20とを備える。表示パネル10は、複数の発光画素11と、発光画素列ごとに配置された複数の信号線12と、発光画素行ごとに配置された複数の走査線13と、走査線駆動回路14と、信号線駆動回路15とを備える。
【0031】
発光画素11は、表示パネル10上に、マトリクス状に配置されている。
走査線駆動回路14は、各走査線13へ走査信号を出力することにより、発光画素の有する回路素子を駆動する。
【0032】
信号線駆動回路15は、信号線12へ信号電圧及び基準電圧を出力することにより、輝度信号に対応した発光画素の発光を実現する。
【0033】
制御回路20は、走査線駆動回路14から出力される走査信号の出力タイミングを制御する。また、制御回路20は、信号線駆動回路15から出力される信号電圧を出力するタイミングを制御する。
【0034】
図1(b)は、本発明の実施の形態に係る発光画素の主要な回路構成図である。同図に記載された発光画素11は、駆動回路層11A及び発光層11Bで構成されている。駆動回路層11Aは、例えば、Nch−FETからなるスイッチングトランジスタ21と、Pch−FETからなる駆動トランジスタ22と、保持容量23とを備える。そして、スイッチングトランジスタ21のドレイン電極は信号線12に、スイッチングトランジスタ21のゲート電極は走査線13に、さらに、スイッチングトランジスタ21のソース電極は、保持容量23及び駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。また、駆動トランジスタ22のドレイン電極は電源Vddに接続され、ソース電極は発光層11Bのアノードに接続されている。
【0035】
この構成において、走査線13に走査信号が入力され、スイッチングトランジスタ21をオン状態にすると、信号線12を介して供給された信号電圧が保持容量23に書き込まれる。そして、保持容量23に書き込まれた保持電圧は、1フレーム期間を通じて保持され、この保持電圧により、駆動トランジスタ22のコンダクタンスがアナログ的に変化し、発光階調に対応した駆動電流が発光層11Bのアノードに供給される。さらに、発光層11Bのアノードに供給された駆動電流は、発光層11Bの有機EL素子24及びカソードへと流れる。これにより、発光層11Bの有機EL素子24が発光し画像として表示される。
【0036】
なお、駆動回路層11Aは、上述した回路構成に限定されない。つまり、スイッチングトランジスタ21、駆動トランジスタ22及び保持容量23は、輝度信号の電圧値に応じた駆動電流を発光層11Bに流すために必要な回路構成要素であるが、上述した形態に限定されない。また、上述した回路構成要素に、別の回路構成要素が付加される場合も、本発明に係る駆動回路層11Aに含まれる。
【0037】
図2(a)は、本発明の実施の形態に係る、ジャンパー線で接続された2つの発光画素の回路構成図である。同図に記載された画像表示装置1は、発光画素11Pと11Qとを備える。発光画素11Qは、駆動回路層11Aの形成時において、正常動作する発光画素である。一方、発光画素11Pは、駆動回路層11Aの形成時において、駆動回路層11Aを構成する駆動トランジスタ22を除く回路素子または配線の不具合により動作異常と判断された発光画素である。
【0038】
これに対し、発光層11Bの形成前には、発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲート配線17が切断され、発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲート端子と発光画素11Qの駆動トランジスタ22のゲート端子とがジャンパー線16で直結されている。
【0039】
図2(b)は、本発明の実施の形態に係る、ジャンパー線で接続された2つの発光画素の断面図の一例である。同図に記載された発光画素11P及び11Qは、基板100と、駆動回路層11Aと、発光層11Bと、透明封止膜110とを備える。
【0040】
基板100は、例えば、ガラス基板である。また、基板100は、樹脂からなるフレキシブル基板を用いることも可能である。基板100は、駆動回路層11Aとともに、薄膜トランジスタ(TFT)基板を構成する。なお、図2に記載されたようなトップエミッション構造の場合には、基板100は透明である必要はないので、非透明の基板、例えば、シリコン基板を用いることもできる。
【0041】
発光画素11P及び11Qの有する駆動回路層11Aは、それぞれ、基板100の上に形成されたジャンパー線16と、ゲート配線17と、スイッチングトランジスタ21と、駆動トランジスタ22と、図示されていない保持容量23と、層間絶縁膜202と、保護膜203と、平坦化膜204とを備える。
【0042】
ジャンパー線16は、発光画素11Pのゲート端子表面と発光画素11Qのゲート端子表面とが直結されるよう保護膜203の内部及びその表面上に形成されている。ジャンパー線16は、例えば、レーザーCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成される。ジャンパー線16は、例えば、タングステン(W)を主成分とする金属膜であり、膜厚が150nm、線幅は4μmである。なお、ジャンパー線16の形成方法については、後述する画像表示装置の修正方法で説明する。
【0043】
ゲート配線17は、駆動回路形成時において正常動作する発光画素11Qにおいては、スイッチングトランジスタ21のソース電極212と駆動トランジスタ22のゲート電極224とが接続されるよう、層間絶縁膜202の内部及びその表面上に形成されている。一方、駆動回路形成時において異常動作する発光画素11Pにおいては、ゲート配線17は、途中で断線している。ゲート配線17は、特に限定されないが、電気抵抗率が小さい材料を用いることが好ましく、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、鉄(Fe)、白金(Pt)、タングステン(W)のうちのいずれかの金属、これらの金属の合金、またはそれらを積層したものを用いることができる。
【0044】
なお、発光画素11Pのゲート配線17は、断線していなくてもよい。例えば、スイッチングトランジスタ21が回路的に開放状態である場合、または、スイッチングトランジスタ21のドレイン電極211と信号線12との接続が開放状態である場合などがこれに該当する。つまり、駆動トランジスタ22のゲート端子に、信号線12からの信号電圧が印加されない状態であればよい。
【0045】
スイッチングトランジスタ21は、例えば、基板100の上に形成されたTFTである。スイッチングトランジスタ21は、ドレイン電極211、ソース電極212、ドレイン電極211及びソース電極212に接触して形成された半導体層213、半導体層213の上に形成されたゲート絶縁膜201、及びゲート絶縁膜201の上に形成されたゲート電極214から構成される。
【0046】
駆動トランジスタ22は、基板100の上に形成されたTFTである。駆動トランジスタ22は、ドレイン電極221、ソース電極222、ドレイン電極221及びソース電極222に接触して形成された半導体層223、半導体層223の上に形成されたゲート絶縁膜201、及びゲート絶縁膜201の上に形成されたゲート電極224から構成される。
【0047】
上述したドレイン電極211及び221、ソース電極212及び222、ゲート電極214及び224の材料としては、例えば、モリブデン(Mo)とタングステン(W)との合金である。また、半導体層223の材料としては、例えば、アモルファスシリコンであり、膜厚は、例えば、50nmである。
【0048】
基板100の上には、層間絶縁膜202、保護膜203及び平坦化膜204が形成されている。
【0049】
層間絶縁膜202は、スイッチングトランジスタ21、駆動トランジスタ22及び保持容量23を覆うように形成されており、これにより、上記回路素子とゲート配線17などの回路配線とが離間して配置されることが可能となる。
【0050】
保護膜203は、駆動回路層11A内に形成された回路素子及び回路配線が外部の環境変化を受けて劣化してしまうことを防止する機能を有し、上記回路素子とゲート配線17などの回路配線とを覆うように形成されている。また、保護膜203により、上記回路素子及びゲート配線17などの回路配線とジャンパー線16とが離間して配置されることが可能となる。
【0051】
平坦化膜204は、その表面が平坦化されており、これにより、駆動回路層11Aの上に積層される多層膜からなる発光層11Bの形成を可能にする。
【0052】
層間絶縁膜202、保護膜203及び平坦化膜204の材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)やシリコン窒化膜(SiN)であり、例えば、CVD法やスパッタリング法などにより形成される。また、形成された膜を、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などにより平坦化することにより、平坦化膜204が形成される。
【0053】
なお、層間絶縁膜202及び保護膜203は、必ずしも表面を平坦化する必要はない。層間絶縁膜202及び保護膜203の平坦度は、それぞれの表面上を回路配線が連続して形成できる程度に平坦であればよい。
【0054】
発光層11Bは、陽極103と、正孔注入層104と、正孔輸送層105と、有機発光層106と、バンク層107と、電子注入層108と、透明陰極109とを備える。
【0055】
図2(b)に記載された発光画素11P及び11Qは、トップエミッション構造を有している。つまり、発光層11Bに電圧を印加すると、有機発光層106で光が生じ、透明陰極109及び透明封止膜110を通じて光が上方に出射する。また、有機発光層106で生じた光のうち下方に向かったものは、陽極103で反射され、透明陰極109及び透明封止膜110を通じて光が上方に出射する。
【0056】
陽極103は、駆動回路層11Aの平坦化膜204の表面上に積層され、透明陰極109に対して正の電圧を発光層11Bに印加する電極である。陽極103と駆動トランジスタ22のソース電極222とは駆動回路層11A内に形成されたビアAP及びAQで接続されている。陽極103を構成する陽極材料としては、例えば、反射率の高い金属であるAl、Ag、またはそれらの合金が好ましい。また、陽極103の厚さは、例えば、100〜300nmである。
【0057】
正孔注入層104は、陽極103の表面上に形成され、正孔を安定的に、又は正孔の生成を補助して、有機発光層106へ正孔を注入する機能を有する。これにより、発光層11Bの駆動電圧が低電圧化され、正孔注入の安定化により素子が長寿命化される。正孔注入層104の材料としては、例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などを用いることができる。また、正孔注入層104には、正孔注入性の他に、光透過性が要求される。正孔注入層104の膜厚が大きくなるほど、正孔注入層104の反射率は低下するので、正孔注入層104の膜厚は、例えば、10nm〜100nm程度にすることが好ましい。
【0058】
正孔輸送層105は、正孔注入層104の表面上に形成され、正孔注入層104から注入された正孔を有機発光層106内へ効率良く輸送し、有機発光層106と正孔注入層104との界面での励起子の失活防止をし、さらには電子をブロックする機能を有する。正孔輸送層105としては、例えば、生じた正孔を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を有する有機高分子材料であり、例えば、トリフェルアミン、ポリアニリンなどが挙げられる。また、正孔輸送層105の厚さは、例えば、5〜50nm程度である。
【0059】
なお、正孔輸送層105は、その隣接層である正孔注入層104や有機発光層106の材料により、省略される場合がある。
【0060】
有機発光層106は、正孔輸送層105の表面上に形成され、正孔と電子が注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。
【0061】
有機発光層106としては、インクジェットやスピンコートのような湿式成膜法で成膜できる発光性の有機材料を用いることが好ましい。これにより、大画面の基板に対して、簡易で均一な成膜が可能となる。この材料としては、特に限定されるものではないが、高分子有機材料が好ましい。高分子有機材料の特徴としては、デバイス構造が簡単であること、膜の信頼性に優れ、低電圧駆動のデバイスであることも挙げることができる。
【0062】
芳香環または縮合環のような共役系を持った高分子あるいはπ共役系高分子は蛍光性を有することから、有機発光層106を構成する高分子有機材料として用いることができる。有機発光層106を構成する高分子発光材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)またはその誘導体(PPV誘導体)、ポリフルオレン(PFO)またはその誘導体(PFO誘導体)、ポリスピロフルオレン誘導体などを挙げることができる。また、ポリチオフェンまたはその誘導体を用いることも可能である。
【0063】
バンク層107は、正孔注入層104の表面上に形成され、湿式成膜法を用いて形成される正孔輸送層105及び有機発光層106を所定の領域に形成するバンクとしての機能を有する。バンク層107に用いられる材料は、無機物質および有機物質のいずれであってもよいが、有機物質の方が、一般的に、撥水性が高いので、より好ましく用いることができる。このような材料の例としては、ポリイミド、ポリアクリルなどの樹脂が挙げられる。バンク層107のパターニングの方法としては、特に限定されるものではないが、感光性の材料を用いたフォトリソグラフィ法を適用することが好ましい。バンク層107の厚さは、例えば、100〜3000nm程度である。
【0064】
電子注入層108は、有機発光層106の上に形成され、有機発光層106への電子注入の障壁を低減し発光層11Bの駆動電圧を低電圧化すること、励起子失活を抑制する機能を有する。これにより、電子注入を安定化し素子を長寿命化すること、透明陰極109との密着を強化し発光面の均一性を向上させ素子欠陥を減少させることが可能となる。電子注入層108は、特に限定されるものではないが、好ましくはバリウム、アルミニウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、さらに、バリウム−アルミニウム積層体などからなる。電子注入層108の厚さは、例えば、2〜50nm程度である。
【0065】
透明陰極109は、電子注入層108の表面上に積層され、陽極103に対して負の電圧を発光層11Bに印加し、電子を素子内(特に有機発光層106)に注入する機能を有する。透明陰極109としては、特に限定されるものではないが、透過率の高い物質および構造を用いることが好ましい。これにより、発光効率が高いトップエミッション有機EL素子を実現することができる。透明陰極109の構成としては、特に限定されるものではないが、金属酸化物層が用いられる。この金属酸化物層としては、特に限定されるものではないが、インジウム錫酸化物(以下、ITOと記す)、あるいはインジウム亜鉛酸化物(以下、IZOと記す)からなる層が用いられる。また、透明陰極109の厚さは、例えば、5〜200nm程度である。
【0066】
透明封止膜110は、透明陰極109の表面上に形成され、水分から素子を保護する機能を有する。また、透明封止膜110は、透明であることが要求される。透明封止膜110は、例えば、SiN、SiON、または有機膜からなる。また、透明封止膜110の厚さは、例えば、20〜5000nm程度である。
【0067】
以上説明した発光画素11P及び11Qの構造によれば、駆動回路形成時には駆動トランジスタ22以外の回路素子または配線に不具合が発生していることにより駆動トランジスタ22のゲート電極224に信号電圧が供給されない駆動回路を有する発光画素11Pは、正常動作している駆動回路を有する発光画素11Qの駆動トランジスタのゲート電極224とジャンパー線16により直結される。これにより、発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲートには、発光画素11Qの駆動トランジスタ22のゲートに供給される信号電圧が供給されるので、発光画素11Pは、発光画素11Qと同じ発光を行うことが可能となる。
【0068】
よって、発光画素の滅点化が回避される。また、発光画素11Pにおいて、駆動回路形成時には回路素子の異常動作により駆動トランジスタ22のゲートに異常信号が供給される場合であっても、ゲート配線17が切断されていることにより、発光画素11Pはジャンパー線16と接続された発光画素11Qと同じ発光を行うことが可能となる。
【0069】
よって、発光画素の滅点化だけでなく輝点化も回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【0070】
また、図2に記載された発光画素11P及び11Qのように、隣接する2つの発光画素の有する駆動トランジスタのゲート端子同士がジャンパー線で直結されていることが好ましい。これにより、発光画素11Pが、隣接する発光画素11Qと同等の発光状態となるので、発光画素11Pの発光が単独で目立つことを低減できる。さらに、ジャンパー線を最短で形成できるので、ジャンパー線形成による修正工程を短縮化できる。
【0071】
また、同色の発光画素の有する駆動トランジスタのゲート端子同士がジャンパー線で直結されていることが好ましい。これにより、他の色を表示する発光画素と接続された場合と比較して、発光画素11Pの発光が単独で目立つことを低減できる。
【0072】
次に、本実施の形態に記載された画像表示装置1の修正方法について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置の修正方法を説明する断面図である。
【0073】
また、図4は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置の修正方法を示す動作フローチャートである。
【0074】
まず、図3(a)に示すように、本発明の画像表示装置の製造工程における、駆動回路層11Aのうち保護膜203までが形成された段階において、全ての発光画素11について、回路動作を検査する(S10)。具体的には、例えば、アレイテスタ(Agilent社:HS100)、走査線13及び信号線12を用いて各発光画素11へ順次テスト電圧を出力して保持容量23に当該電圧を書き込む。その後、アレイテスタは、保持容量23に書き込まれた電圧を順次信号線12を介し読み込む。これにより、読み込んだ電圧が所定の電圧でない発光画素11を特定する。これにより、スイッチングトランジスタ21、保持容量23またはそれらを接続する配線などのうち少なくとも1つに不具合を有する発光画素の画素特定プロセスが完了する。
【0075】
なお、この回路動作の検査工程は、保護膜203までが形成された段階にて実行されなくてもよく、例えば、保護膜203が形成される前の段階であってゲート配線17が形成された直後に実行されてもよい。
【0076】
次に、図3(b)に示すように、ステップS10で特定された、回路動作異常と判定された発光画素11Pの駆動トランジスタ22に接続されたゲート配線17を切断する(S20)。図3(b)では、切断箇所をBと図示している。これにより、発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲートは開放状態となり、他の回路素子及び配線から信号電圧が印加されない状態となる。ゲート配線17の切断手段としては、例えば、レーザー照射を適用することが可能である。使用するレーザー条件としては、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザーを光源としたレーザー発振器を用いて、例えば、波長532nm、パルス幅10ns、パワー0.5mWである。本条件の場合、ゲート配線17の幅が、例えば、4μm、膜厚が150nmであれば、ゲート配線17は切断される。このとき、ゲート配線17の材料としては、例えば、前述したMoとWとの合金/アルミニウム(Al)/MoとWとの合金の積層構造が挙げられる。
【0077】
次に、図3(c)に示すように、回路動作異常と判定された発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲート端子の表面であって保護膜203内に開口部HPを形成する(S30)。また、回路動作正常と判定された発光画素11Qの駆動トランジスタ22のゲート端子の表面であって保護膜203内に開口部HQを形成する(S40)。開口部HP及びHQの形成手段としては、例えば、レーザー照射を適用することが可能である。レーザーとしては、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザーの第3高調波を発生させるレーザー発振器を用いて、例えば、波長が355nmのレーザーが用いられる。
【0078】
なお、回路動作正常と判定された発光画素11Qは、発光画素11Pと同色の発光画素を選択することが好ましい。これにより、発光画素11Pを他の色を表示する発光画素と接続する場合と比較して、発光画素11Pの発光が単独で目立つことを低減できる。
【0079】
また、回路動作正常と判定された発光画素11Qは、発光画素11Pと隣接する発光画素を選択することが好ましい。これにより、発光画素11Pが、隣接する発光画素11Qと同等の発光状態とすることが可能となるので、発光画素11Pの発光が単独で目立つことを低減できる。さらに、後述するステップS40で説明するジャンパー線形成工程を短縮化できる。
【0080】
次に、図3(d)に示すように、回路動作異常と判定された発光画素11Pの駆動トランジスタ22のゲート端子と、回路動作正常と判定された発光画素11Qの駆動トランジスタ22のゲート端子とを直結するジャンパー線16を、開口部HP及びHQを介して形成する(S50)。ジャンパー線16の形成手段としては、例えば、レーザーCVD(オムロンレーザーフロント社:SL455/SL465シリーズ)法を用いることが可能である。
【0081】
レーザーCVD法とは、レーザービームを、原料ガス中に置かれた基板に照射し、レーザー照射された基板面での原料ガスの化学・物理反応を促進し、当該基板面に膜を成長させる成膜方法である。レーザービームの照射位置に成膜が行われるため、本実施の形態におけるジャンパー線16の形成に適している。
【0082】
例えば、ジャンパー線16を形成する表面を、タングステン(W)を元素として含む原料ガスの雰囲気とし、ネオジウム(Nd)ドープのYLF(Yttrium Lithium Flouride)結晶を用いたレーザー発振器から波長1.047μmのレーザーを当該表面に照射する。これにより、当該基板面と原料ガスとの化学・物理反応を促進し、当該基板面にW膜が形成される。
【0083】
最後に、図3(e)に示すように、ジャンパー線16を覆うように、保護膜203の上に平坦化膜204を形成する。平坦化膜204の材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)やシリコン窒化膜(SiN)であり、例えば、CVD法やスパッタリング法などにより形成される。その後形成された膜を、例えば、CMP法などにより膜表面を平坦化する。
【0084】
以上の工程により、駆動回路形成時には異常動作する発光画素が修正され、駆動回路層11Aの形成が完了する。その後、駆動回路層11Aの上に、発光層11B及び透明封止膜110が順次形成される。
【0085】
この修正方法によれば、駆動回路形成時には駆動トランジスタ以外の回路素子または配線に不具合が発生していることにより駆動トランジスタのゲート端子に信号電圧が供給されない、または、異常信号が供給される異常発光画素は、正常発光画素の駆動トランジスタのゲート端子とジャンパー線により直結される。これにより、上記異常発光画素の駆動トランジスタのゲートには、上記正常発光画素の駆動トランジスタのゲートに供給される信号電圧が供給されるので、上記異常発光画素は、上記正常発光画素と同じ発光を行うことが可能となる。
【0086】
よって、発光画素の滅点化及び輝点化が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質を確保することが可能となる。
【0087】
なお、ステップS20でのゲート配線17の切断、ステップS30及びステップS40での開口部形成、及びステップS50でのジャンパー線16の形成を、全て同じレーザー加工装置で実行することにより、本実施の形態における画像表示装置の修正工程を簡略化することが可能となる。
【0088】
また、ステップS20でのゲート配線17の切断工程は無くても良い場合がある。例えば、駆動回路形成時において、発光画素11Pのスイッチングトランジスタ21が回路的に開放状態である場合、または、スイッチングトランジスタ21のドレイン電極211と信号線12との接続が開放状態である場合などがこれに該当する。この場合には、ゲート配線17を切断しなくとも、既に駆動トランジスタ22のゲート端子は電気的に開放状態である。
【0089】
なお、ステップS20でのゲート配線17の切断と、ステップS30〜ステップS50の開口部形成及びジャンパー線形成とは、この順で実行しなくてもよい。
【0090】
以上、本発明の画像表示装置及びその修正方法について、実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明に係る画像表示装置及びその修正方法は、上記実施の形態に限定されるものではない。本実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る画像表示装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0091】
例えば、本発明に係る画像表示装置は、図5に記載されたような薄型フラットTVに内蔵される。これにより、異常発光画素の輝点または滅点状態が回避され、あらゆる表示画像において高い表示品質が確保された薄型フラットTVが実現される。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の画像表示装置及びその修正方法は、大画面及び高解像度が要望される、薄型テレビ、パーソナルコンピュータ等のディスプレイ及びその修正方法として有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 画像表示装置
10 表示パネル
11、11P、11Q 発光画素
11A 駆動回路層
11B 発光層
12 信号線
13 走査線
14 走査線駆動回路
15 信号線駆動回路
16 ジャンパー線
17 ゲート配線
20 制御回路
21 スイッチングトランジスタ
22 駆動トランジスタ
23 保持容量
24 有機EL素子
100 基板
103 陽極
104 正孔注入層
105 正孔輸送層
106 有機発光層
107 バンク層
108 電子注入層
109 透明陰極
110 透明封止膜
201 ゲート絶縁膜
202 層間絶縁膜
203 保護膜
204 平坦化膜
211、221 ドレイン電極
212、222 ソース電極
213、223 半導体層
214、224 ゲート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光画素がマトリクス状に配置された表示パネルを有する画像表示装置であって、
前記複数の発光画素のそれぞれは、
信号電圧がゲートに印加されることにより、前記信号電圧に応じたドレイン電流を発生する駆動トランジスタと、
前記ドレイン電流が流れることにより発光する発光素子とを備え、
前記表示パネルは、
一の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子と他の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子とを直結するジャンパー線を1以上備え、
前記一の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子には、前記一の発光画素に対応した信号電圧が前記一の発光画素に対して配置された信号線を介して印加されず、
前記他の発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子には、前記他の発光画素に対応した信号電圧が前記他の発光画素に対して配置された信号線を介して印加される
画像表示装置。
【請求項2】
前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素のうち前記一の発光画素において、当該発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子は、当該発光画素内の他の回路素子及び前記一の発光画素に対して配置された信号線との接続が遮断されている
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素は、同じ色の発光画素である
請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ジャンパー線にて直結された前記駆動トランジスタを有する前記2つの発光画素は、隣接する発光画素である
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記ジャンパー線は、レーザービームCVD法により形成された金属配線である
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
信号電圧がゲートに印加されることにより前記信号電圧に応じたドレイン電流に変換する駆動トランジスタを有する駆動回路層と、前記ドレイン電流が流れることにより発光する発光素子を有する発光層とを備えた複数の発光画素がマトリクス状に配置された画像表示装置の修正方法であって、
前記駆動回路層の形成時に、
前記発光画素の有する前記駆動トランジスタのゲート端子に、前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されるかを、全発光画素について検査する検査ステップと、
前記検査ステップで前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されていないと判断された第1の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子の表面に第1開口部を形成する第1開口ステップと、
前記検査ステップで前記発光画素に対応した前記信号電圧が正常に印加されていると判断された第2の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子の表面に第2開口部を形成する第2開口ステップと、
前記第1開口部及び前記第2開口部を介して、前記第1の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子と前記第2の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子とを直結するジャンパー線を形成する配線直結ステップとを含む
画像表示装置の修正方法。
【請求項7】
前記第1開口ステップ及び前記第2開口ステップでは、それぞれ、前記第1の発光画素及び前記第2の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子表面上の積層物にレーザーを照射することにより、前記積層物を除去して前記ゲート端子表面上に前記第1開口部及び前記第2開口部を形成し、
前記配線直結ステップでは、レーザービームCVD法によりジャンパー線を形成する
請求項6記載の画像表示装置の修正方法。
【請求項8】
前記検査ステップの後、前記第1の発光画素の前記駆動トランジスタのゲート端子と前記第1の発光画素の有する他の回路素子とを接続するゲート配線を切断する切断ステップを含む
請求項6または7に記載の画像表示装置の修正方法。
【請求項9】
前記切断ステップでは、前記第1の発光画素の前記駆動トランジスタの前記ゲート配線にレーザーを照射することにより、前記ゲート配線を切断する
請求項8記載の画像表示装置の修正方法。
【請求項10】
前記第1の発光画素と前記第2の発光画素とは、同色である
請求項6〜9のうちいずれか1項に記載の画像表示装置の修正方法。
【請求項11】
前記第1の発光画素と前記第2の発光画素とは、隣接している
請求項6〜10のうちいずれか1項に記載の画像表示装置の修正方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−249883(P2010−249883A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96367(P2009−96367)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】