説明

画像記録装置

【課題】納期が異なる注文に対して生産性を低下させることなく、さらには故障などが生じても適切に対応することができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像記録装置は、複数の画像データに基づいて、所定の画像形成順序に従い、記録媒体への画像の割付けを行う画像割付部と、割付けられた画像データに基づいて画像を記録する画像記録部と、複数の画像が記録された記録媒体を各画像毎に切断し、プリントとする切断部と、得られたプリントを単列化する振戻部と、プリントを単列または複数列の形態で集積するソート搬送部と、振戻部の状態情報を取得するとともに、切断部、振戻部およびソート搬送部の動作を制御する排出制御部と、納期および排出制御部による状態情報の少なくとも一方に基づいて、記録媒体への画像の割付けの調整または振戻部の動作を制御する全体制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真記録方式、銀塩写真方式、インクジェット記録方式、またはサーマル記録方式などにより、複数の画像データに基づき、所定の画像形成順序に従って複数の画像が記録された1枚の記録媒体から複数のプリントを得る画像記録装置に関し、特に、装置の生産性を低下させることなく、納期に応じたプリントを得ることができる画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フィルムに記録された画像を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用画像データとし、この画像データに応じて変調した光ビームによって感光材料を走査露光して画像を記録し、現像処理を施してプリント(写真)として出力する画像記録装置が実用化されている。
【0003】
この画像記録装置は、基本的に、スキャナ(画像読取装置)と画像処理装置とメディアドライブ(画像データ読取/書込装置)とを有する入力機、およびプリンタ(画像記録装置)とプロセサ(現像機)とを有する出力機より構成される。
スキャナでは、フィルムに撮影された画像の投影光をCCDセンサ等のイメージセンサで光電的に読み取り、フィルムの画像データ(画像データ信号)として画像処理装置に送る。画像処理装置は、スキャナまたはメディアドライブから送れられる画像データに所定の画像処理を施し、画像記録のための画像データ(露光条件)としてプリンタおよび/またはメディアドライブに送る。
メディアドライブでは、様々な形式で画像データが書き込まれた各種のメディア(画像データ記録媒体)から画像データを読み取り画像処理装置に送るとともに、画像処理装置において所定の画像処理が施された記録用画像データを各種のメディアドライブに書き込む。メディアドライブは、画像処理装置に接続され、入力機および出力機としての機能を有する。
【0004】
プリンタは、光ビーム走査露光を利用する装置であれば、ロール状に巻き回された長尺状の感光材料から所定長さ引き出してカットしたシート状感光材料を露光位置に搬送する。続いて、供給された画像データに応じて変調された光ビームを主走査方向に偏向するとともに、主走査方向と直交する副走査方向に上記シート状感光材料を走査搬送することにより、光ビームによって感光材料を走査露光して画像を潜像として形成する。プロセサでは、露光済の感光材料に、所定の現像処理等を施して、フィルムに撮影された画像もしくはメディアドライブに画像データとして書き込まれた画像が再生された仕上がりプリント(以下、プリントともいう)とする。
【0005】
このようなデジタルフォトプリンタでは、大量のプリントを効率良く出力するために、短時間の内に感光材料を走査露光し現像処理を行う必要がある。そのため、プリンタにおける走査露光による画像形成処理に比べて処理速度が遅い現像処理の処理効率を向上させる必要があり、感光材料を複数列で搬送しながら現像処理を行っている。このために、感光材料を複数列に振り分けて搬送する振分装置が用いられている。
【0006】
一方、プロセサでは、複数列で搬送された感光材料に現像処理および乾燥処理を施した後に、プリントを単列に振り戻し、1オーダ毎に、例えば、フィルム1本毎にまとめてトレイ上などにプリントを集積している。このような1オーダ毎にプリントをトレイ上に集積させるソータを有する写真処理装置が提案されている(特許文献1等参照)。
【0007】
特許文献1には、幅が異なる感光材料を連続して現像処理可能な写真処置装置が開示されており、この写真処理装置は、乾燥ユニットにより乾燥され、排出されたプリントを、排出方向と直交する方向(以下、直交方向という)に搬送する第1搬送装置と、この第1搬送装置の搬送側端部近傍に設けられ、第1搬送装置により搬送されたプリントが積層され、さらに排出方向に搬送する第2搬送装置と、この第2搬送装置を隔てて、第1搬送装置の搬送側端部に対向して設けられたガイド板とを有する。
第2搬送装置は、単列化されて1オーダ毎に集積されたプリントが集積されるベルトコンベアであり、そのベルト搬送部は第1搬送装置により直交方向に搬送されたプリントを受け取るためのトレイとして機能するとともに、その上に積み重ねられたプリントを排出方向に間歇的に搬送するものである。また、ガイド板は、プリントの大きさにより、第1搬送装置の搬送側端部との距離を変えることができる。
また、特許文献1の写真処理装置においては、さらに、第1搬送装置を搬送方向に突出可能な構成として、第2搬送装置のベルト搬送部の幅方向に、2列にプリントを集積させることもできる。このように、ベルト搬送部の長さに制約がある場合、ベルト搬送部の幅も利用して、1オーダ毎のプリントの集積件数を向上させている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−75463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の如く、特許文献1の写真処理装置においては、第1搬送装置およびガイド板を移動させて、2列に亘り、プリントを集積することは可能である。しかしながら、1つの通常処理の1オーダ分の複数のプリントの中に、納期が短い注文のプリントが混在している場合、納期に応じて、プリントの排出位置を変える必要がある。このため、納期が異なるプリントが排出される度に、第1搬送装置およびガイド板を移動させる必要が生じ、制御が煩雑になり、装置の生産性を高めることが困難であるという問題点がある。
また、第1搬送装置またはガイド板に動作不良が生じた場合には、納期が異なるプリントを1オーダの複数のプリント中から分離することができないという問題点がある。
【0010】
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、納期が異なる注文に対して生産性を低下させることなく、さらには故障などが生じても適切に対応することができる画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の画像データに基づき、所定の画像形成順序に従って複数の画像が記録された1枚の記録媒体から複数のプリントを得る画像記録装置であって、複数の画像データに基づいて、所定の画像形成順序に従い、記録する複数の画像の前記記録媒体への画像の割付けを行う画像割付部と、前記画像割付部により、割付けられた前記画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する画像記録部と、前記画像記録部により複数の画像が記録された記録媒体を各画像毎に切断し、プリントとする切断部と、得られた複数のプリントを単列化する振戻部と、前記複数のプリントを単列または複数列の形態で集積するソート搬送部と、少なくとも前記振戻部の状態情報を取得するとともに、前記切断部、前記振戻部および前記ソート搬送部の動作を制御する排出制御部と、前記画像データによるプリントの納期および排出制御部による前記状態情報の少なくとも一方に基づいて、前記画像割付部による前記記録媒体への画像の割付けの調整、または前記排出制御部による前記振戻部の動作を制御する全体制御部とを有することを特徴とする画像記録装置を提供するものである。
【0012】
本発明においては、前記全体制御部は、複数の画像データに基づいて前記画像の割付けを行う場合、前記画像データの中に、優先してプリントを作製する優先プリントがあるとき、前記優先プリントと、前記優先プリント以外のプリントとが、前記ソート搬送部で異なる列に排出されるように、前記画像割付部による前記画像データの割付けの調整、および前記排出制御部による前記振戻部の動作の調整の少なくとも一方を行うことが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記全体制御部は、前記振戻部が異常である状態情報を前記排出制御部が取得した場合、1オーダ分のプリントを分割して前記ソート搬送部で異なる列に排出させ、かつ異なる列に排出されたプリントが前記1オーダ分の画像データの順となるように、前記1オーダ分の画像データによる画像の割付けを前記画像割付部に行わせることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明においては、前記排出制御部は、更に前記ソート搬送部における集積件数の集積情報を取得するものであり、前記集積情報により、前記ソート搬送部の集積可能件数が少ない場合、前記全体制御部は、1オーダ分のプリントを分割して前記ソート搬送部で異なる列に排出させ、かつ異なる列に排出されたプリントが前記1オーダ分の画像データの順となるように、前記1オーダ分の画像データによる画像の割付けを前記画像割付部に行わせることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像記録装置によれば、複数の画像データに基づいて、所定の画像形成順序に従い、記録する複数の画像の前記記録媒体への画像の割付けを行う画像割付部と、少なくとも振戻部の状態情報を取得するとともに、切断部、振戻部およびソート搬送部の動作を制御する排出制御部と、画像データによるプリントの納期および排出制御部による状態情報の少なくとも一方に基づいて、画像割付部による前記記録媒体への画像の割付けの調整、または排出制御部による前記振戻部の動作を制御する全体制御部とを設けることにより、プリントの納期および画像記録装置の切断部、振戻部およびソート搬送部の各状態情報に応じて、画像の割付けを最適化することができる。これにより、プリントの納期が早いプリントを容易に得ることができる。さらには、各機器の状態に応じて、画像の割付けを最適化することもできるため、機器の故障などにより、使用できる機器を用いて、プリントを作製する場合にも対応することができる。このように、本発明の画像記録装置においては、納期が異なる注文に対して生産性を低下させることなく、さらには故障などが生じても適切に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、添付の図面に示す好適実施例に基づいて、本発明の画像記録装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る画像記録装置を示す模式図である。
【0017】
図1に示すように、画像記録装置10は、画像記録部12と、切断部14と、振戻部16と、ソート搬送部18と、搬送ローラ20とを有する。
【0018】
画像記録部12は、切断部14に接続されている。また、この切断部14は、振戻部16に接続されている。この振戻部16は、ソート搬送部18に接続されている。
画像記録部12は、供給部22、裏印字部23、像形成部24、反転搬送部26、位置調整部28、表面光沢処理部30、露光部40および制御手段42、ならびに搬送手段(搬送ローラ20、およびレジストローラ20a)を有するものである。
また、画像記録部12においては、制御手段42に画像入力部44および操作手段46が接続されている。
【0019】
画像入力部44は、例えば、スキャナ(図示せず)と、メディアドライブ(画像データ読取/書込装置)(図示せず)と、画像処理部(図示せず)とを有する。
【0020】
スキャナ(図示せず)は、写真フィルムに撮影された画像の投影光をCCDセンサ等のイメージセンサで光電的に読み取り、フィルムの画像データ(画像データ信号)を得るものである。
メディアドライブは、デジタルカメラ等により撮影されて、小型記録媒体に記録された被写体画像の画像データの読み取り、および書込みができるものである。
また、メディアドライブは、様々な形式で画像データが書き込まれた各種のメディア(画像データ記録媒体)から画像データを読み取り制御手段42に出力する。また、画像処理部において所定の画像処理が施された記録用画像データが各種のメディアドライブに書き込まれる。このようにメディアドライブは入力機および出力機としての機能を有する。なお、このメディアドライブは、携帯電話、またはPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯端末に記憶された画像データも読み取り、および書込みができるものでもある。
【0021】
画像処理部は、スキャナ(図示せず)またはメディアドライブにより読み取られた画像データに、色補正またはホワイトバランスについて補正処理、さらには必要に応じて、シャープネス、赤目修正などの各種の画像処理をするものである。この画像入力部44は、補正処理または画像処理が施された画像データを出力画像データとして、制御手段42に出力する。
【0022】
画像記録部12は、例えば、シート状または帯状の長尺の記録媒体(ペーパー)上に、複数色、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック、墨)(以下、まとめて単にYMCKまたはCMYKともいう)の4色のカラートナーを用いて複数色のトナー像を転写して定着することにより、記録媒体上に複数色の定着トナー像からなるカラー画像を形成する電子写真方式の画像記録部である。
【0023】
次に、画像記録部12の供給部22について説明する。この供給部22は、像形成部24にシート状のカットシート体S(ペーパー)を供給するものである。
【0024】
供給部22は、記録面を外側にしてロール状に巻き回された長尺なロール紙Aが筐体に収納されたマガジン32a、32bおよび多数のシート状のカットシート体Sが収納されたシートカセット38が装填される部位である。
マガジン32a、32bには、通常、ロール紙Aのサイズ(幅)、シルクおよびマット等の種類、ならびに仕様(厚さ)等、互いに種類の異なるロール紙Aが収納される。本実施例では、マガジン32a、32bを2個設けているが、本発明においては、マガジンの数は、特に限定されるものではない。本発明においては、マガジンは、1個でもよく、また、3個以上であってもよい。
【0025】
マガジン32a、32bの出口から所定の長さ離間した位置には、内部に収納されたロール紙Aを引き出して搬送するための引出ローラ対34a、34bが設けられている。
【0026】
また、マガジン32a、32bの出口から所定の長さ離間した位置で、かつ引出ローラ対34a、34bの下流側にカッタ36a、36bが設けられている。引出ローラ対34a、34bにより引き出されたロール紙Aは、所定の長さに切断されてカットシート体Sとなる。
なお、引出ローラ対34a、34bは、カッタ36a、36bで所定の長さのカットシート体Sとするためにプリント長さに応じてロール紙Aを所定の長さだけ引き出した後、引き出しを停止する。
【0027】
カッタ36a、36bは、制御手段42からの制御信号に基づいて、各マガジン32a、32bから引き出されたロール紙Aを裁断するものである。このカッタ36a、36bにより所定長さにカットされたカットシート体Sは、さらに搬送される。
各マガジン32a、32bから引き出されたロール紙Aから切り出され、シート状のカットシート体Sは、画像記録装置10内の各所に配置された複数の搬送ローラ20によって構成された搬送経路上を搬送される。
【0028】
また、シートカセット38には、多数のシート状のカットシート体Sが収納される。
なお、本発明においては、シートカセットの数は、特に限定されるものではない。本発明においては、シートカセットは、1個でもよく、また、例えば、サイズまたは種類が互いに異なるカットシート体Sが収納されるシートカセットを複数個有するものであってもよい。
【0029】
シートカセット38のカットシート体Sの体取出口近傍に、搬送ローラ39が設けられている。カットシート体Sは、搬送ローラ39によって搬送経路における下流側に搬送される。
【0030】
図示例においては、供給部22は、2個のマガジン32a、32bおよび1個のシートカセット38を備えているが、本発明は、これに限定されず、マガジン32a、32bのみであってもよいし、シートカセットのみであってもよい。これらの場合においても、マガジンの個数またはシートカセットの個数は、特に限定されるものではない。
【0031】
裏印字部23は、供給部22の搬送方向Dの下流側(以下、単に下流側ともいう)に設けられている。この裏印字部23は、各種プリント情報を印字するものである。
この裏印字部23は、カットシート体Sの非記録面(裏面)に写真の撮影日、記録日、コマ番号、フィルムID番号(符号)、撮影に使用したカメラのID番号、プリンタのID番号等の各種情報、およびオペレータによって設定された画像形成における各種設定パラメータなどのいわゆるバックプリントを制御手段42からの制御信号に基づいて、記録(裏印字)するものである。
【0032】
カットシート体Sは、ローラおよびローラ対によって上方に搬送されながら、その非記録面に裏印字部23によってバックプリントが記録される。裏印字部23としては、インクジェットヘッド、ドットインパクトプリントヘッドまたは熱転写プリントヘッド等公知のプリントヘッドが用いられる。
【0033】
裏印字部23の下流側には、レジストローラ20aが設けられている。裏印字部23による裏面への印字が終了したカットシート体Sは、裏印字部23の下流側に配置されたレジストローラ20aによって、後述するように、像形成部24の2次転写ローラ62まで、タイミングを合わせて搬送され、搬送されてきたカットシート体Sに、中間転写ベルト60aに既に形成されているカラーのトナー像が、2次転写ローラ62およびこれに対向して中間転写ベルト60aおよびカットシート体Sとを密着させて挟持する張架ローラ60bによって転写される。
【0034】
制御手段42は、注文されたプリントする画像の画像データ(以下、注文データという)を蓄積し、注文データの処理順、すなわち、画像記録装置10におけるプリント処理順を管理するものである。また、制御手段42は、画像記録装置10に設けられた各機器の動作を制御するとともに、各機器の状態を管理するものである。
【0035】
ここで、図2は、本発明の実施例に係る画像記録装置の制御部を示す模式的ブロック図である。
制御手段42は、注文データ処理部・注文データ蓄積部42aと、全体制御部42bと、排出制御部42cと、画像データ一時記憶部42dと、画像割付部42eとを有する。注文データ処理部・注文データ蓄積部42aは、画像入力部44に接続されている。また、注文データ処理部・注文データ蓄積部42a、および全体制御部42bは、操作手段46に接続されている。
【0036】
注文データ処理部・注文データ蓄積部42aは、注文データを蓄積し、注文データの処理順、すなわち、画像記録装置10におけるプリント処理順を管理するものである。また、この注文データ処理部・注文データ蓄積部42aは、例えば、オーダーテーブルを有し、かつこのオーダーテーブルに応じて、蓄積されら注文データを全体制御部42bに出力する。
【0037】
全体制御部42bは、注文データ処理部・注文データ蓄積部42aと、排出制御部42cと、画像データ一時記憶部42dと、画像割付部42eとを制御するものである。また、全体制御部42bは、注文データ処理部・注文データ蓄積部42a、排出制御部42c、画像データ一時記憶部42d、および画像割付部42e以外の画像記録装置10に設けられた各機器の動作を制御するとともに各機器の状態を管理するものである。
【0038】
排出制御部42cは、切断部14、振戻部16およびソート搬送部18の動作を制御するものである。また、排出制御部42cは、切断部14、振戻部16およびソート搬送部18、それぞれの状態情報を取得し、切断部14、振戻部16およびソート搬送部18の状態を管理するものでもある。排出制御部42cは、例えば、画像記録装置10の起動時に、切断部14、振戻部16およびソート搬送部18にコマンド信号を出力し、その応答信号を受信して、正常に動作しているかなどの各切断部14、振戻部16およびソート搬送部18の状態情報を取得する。
また、全体制御部42bも、切断部14、振戻部16およびソート搬送部18以外の画像記録装置10に設けられた各機器についても各機器にコマンド信号を出力し、その応答信号を受信して、正常に動作しているかなどの状態情報を各機器について取得する。
【0039】
また、後述するように、ソート搬送部18は、プリントPを集積可能なオーダ件数が決まっている。このため、排出制御部42cは、ソート搬送部18に載置されているプリントのオーダ件数を、例えば、振戻部16におけるプリントの排出量、およびベルト142の移動量によりカウントし、ソート搬送部18に載置されているプリントのオーダ件数を集積情報として管理している。例えば、集積可能件数が、少ない場合には、警告を発するようにしてもよい。
【0040】
画像データ一時記憶部42dは、注文データ処理部・注文データ蓄積部42aから全体制御部42bに出力された注文データを一時的に保存するものである。この画像データ一時記憶部42dから注文データが画像割付部42eに出力される。
【0041】
画像割付部42eは、画像入力部44から入力された注文データ(画像データ)に基づいて、記録する画像の大きさ、機器の状態およびプリントの納期に応じて、1枚のカットシート体Sに記録する画像の割付けを行い、露光ユニット40aに出力するための出力用画像データを作成するものである。これにより、画像データに基づいて記録される画像が1枚のカットシート体Sに割付けられて画像記録をすることができる。
また、全体制御部42bは、画像割付部42eによる画像の割付けを制御するとともに、画像割付部42eによる画像の割付けに基づいて得られたプリントPの搬送路の選択、または振戻部16の動作の有無などの情報を含む制御情報を作成し、排出制御部42cを介して振戻部16に制御情報を出力する。このようにして、全体制御部42bは、振戻部16を制御する。
【0042】
画像記録部12におけるカットシート体Sへの画像の割付けの形態としては、例えば、図3(a)に示すように、1枚のカットシートSに4つの画像記録領域R〜Rを形成する4画面付けが挙げられる。
図3(a)に示す4つの画像記録領域R〜Rにおいては、画像記録領域Rが搬送方向Dの上流側に設けられており、画像記録領域Rが画像記録領域Rの搬送方向D下流側に設けられている。また、画像記録領域Rの搬送方向Dと直交する方向E(以下、方向Eという)において隣接して画像記録領域Rが設けられている。さらに、画像記録領域Rの搬送方向D下流側に画像記録領域Rが設けられている。カットシート体Sが4つの画像記録領域R〜Rに切断部14で切断されて、第1の幅のプリントP〜Pが4枚得られる。
また、本実施例においては、カットシート体Sにおける画像形成順序は画像記録領域Rから画像記録領域Rの順である。偶数番号の画像記録領域R、Rと奇数番号の画像記録領域R、Rとが方向Eで2列に並ぶ順で画像が形成される。
【0043】
また、画像記録部12におけるカットシート体Sへの画像の割付けの形態としては、図3(b)に示すように、1枚のカットシートSに1つの画像記録領域Rを形成する1画面付けが挙げられる。カットシート体Sが1つの画像記録領域Rに切断されて、1枚の第2の幅のプリントPとなる。
さらには、図3(a)と同じ幅で、長さが約2倍ある画像記録領域(図示せず)を形成する2画面付けでもよい。
なお、画像の割付けは、特に限定されるものでなく、注文の納期および機器状態などに基づいて、制御手段42(全体制御部42b)により最もカットシートの無駄がなくなるように適宜決定されることが好ましい。
【0044】
上述の如く、画像割付部42eは、通常、1オーダ毎に、そのオーダにより、プリントを作製すべき、すなわち、プリント処理すべき、画像データについて、カットシート体Sに対する画像の割付けを行う。しかしながら、注文データとして、例えば、操作手段46により優先してプリントを作製する命令が付加された画像データ(以下、特急データという)が画像入力部44から入力された場合には、全体制御部42bにより、1オーダの注文データ(画像データ)に、特急データを割り込ませ、さらに、全体制御部42bにより、特急データが最も早くプリント処理可能となるように画像割付部42eによる画像の割付けの調整を行う。この場合、後述するように、特急データに基づくプリント(以下、特急プリントという)と、通常処理によるプリント(以下、通常プリントともいう)を分けて、ソート搬送部18に搬送され、ソート搬送部18において、異なる集積領域に集積されることが好ましい。このように、特急データを含んだ画像の割付けについては、後で詳細に説明する。
【0045】
また、排出制御部42cが振戻部16の故障である機器情報を取得した場合、排出制御部42cから全体制御部42bに故障である機器情報が出力される。このとき、通常、1オーダごとにまとめて、カットシート体Sに画像の割付けを行うが、例えば、画像データ一時記憶部42dに2件分の注文の画像データを一時的に保存し、この2件分の注文の画像データを用いて画像の割付けを行う。これにより、ソート搬送部18に、2列で、各オーダ毎に異なる列で、プリントを集積することができる。これにより、例えば、故障による影響を最小限にすることができる。
【0046】
なお、制御手段42は、オペレータにより操作手段46が操作された場合、その操作内容に応じて画像記録装置10に各種の設定または表示を行わせる。なお、制御手段42は、画像入力部44のスキャナ(図示せず)およびメディアドライブを制御するものであってもよい。
【0047】
像形成部24は、例えば、CMYKの4色のカラートナーによるカラーのトナー像を形成してカットシート体S(記録媒体)上に転写するものであり、露光部40と、像担持体ローラ50と、帯電ローラ52と、クリーナ54と、現像ユニット56と、中間転写部60と、2次転写ローラ62とを有する。
【0048】
露光部40は、露光ユニット40aと、走査手段40bとを有し、さらにコリメータレンズ(図示せず)、およびfθレンズ(図示せず)等を有するものである。
露光ユニット40aは、半導体レーザ、またはLEDなどが用いられる。この露光ユニット40aは、制御手段42(画像割付部42e)により入力された出力用画像データに応じて変調した射出光(光ビーム)を出射するものである。なお、露光部40は、露光ユニット40aからの射出光をAOMなどの光学変調器により変調するものであってもよい。
走査手段40bは、露光ユニット40aから出射された射出光(光ビーム)を像担持体ローラ50上を走査するものである。この走査手段40bには、例えば、ポリゴンミラーが用いられる。
【0049】
像担持体ローラ50は、その表面に静電潜像が形成されるものであり、電子写真感光体によって構成される。この像担持体ローラ50は、一方向(r方向)に回転可能に支持されている。
また、像担持体ローラ50の表面に接触して帯電ローラ52が設けられている。この帯電ローラ52は、像担持体ローラ50の表面を一様に帯電させるものである。また、像担持体ローラ50における帯電ローラ52よりも上流側(r方向の反対側)にクリーナ54が設けられている。このクリーナ54は、像担持体ローラ50の表面に残留した残留トナーを除去するものである。
【0050】
r方向に回転する像担持体ローラ50は、帯電ローラ52によって、その表面が一様に帯電される。この一様帯電された像担持体ローラ50の表面は、露光部40によって、画像入力装置からのY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック、墨)の各色分解画像の1つの出力画像データに基づいて変調されたレーザ光により走査露光される。これにより、像担持体ローラ50の表面に所定の表面電位からなるY、M、C、Kの1つの画像の静電潜像が形成される。
【0051】
また、像担持体ローラ50の表面に所定の微小間隔を設けて現像ユニット56が配置されている。この現像ユニット56は、帯電ローラ52よりも露光位置の(r方向の)下流側に設けられている。
【0052】
現像ユニット56は、その内部に90°間隔で配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色毎の現像装置58Y、58M、58C、58Kが設けられている。
現像装置58Y、58M、58C、58Kは、いずれも、いわゆる(二成分)磁気ブラシ現像方式のものである。現像装置58Y、58M、58C、58Kの内部には、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤(図示せず)が収納されている。
【0053】
現像ユニット56を、B方向(r方向と反対方向)に90°間隔で回動させることにより、内蔵された各現像装置58Y、58M、58C、58Kのうちのいずれか対応する色の現像装置を当該色の画像の潜像が形成された像担持体ローラ50に所定の微小間隔を維持して配置させる。
所定の色の画像の潜像が形成された像担持体ローラ50に近接対向した現像装置58Y、58M、58C、58Kの対応する色の現像装置から、像担持体ローラ50の表面に形成された静電潜像に、磁気ブラシ効果によってトナーが静電的に付着して、像担持体ローラ50の表面に対応する色のトナー像が形成される。各現像装置58Y、58M、58C、58Kに対応する各色のトナー像が形成される。すなわち、像担持体ローラ50には、順次、Y、M、C、Kの各色画像の潜像が形成され、対応する各現像装置58Y、58M、58C、58Kによって、順次、Y、M、C、Kの各色のトナー像が形成される。
【0054】
中間転写部60は、像担持体ローラ50に順次形成されたYMCK4色の各色のトナー像が順次転写されるものであり、像担持体ローラ50に中間転写部60の一部が接触している。この中間転写部60は、中間転写ベルト60aと、これらを張架する3本の張架ローラ60bと、中間転写ベルト60aを像担持体ローラ50に接触させて、中間転写ベルト60aに転写電圧を印加するための1次転写ローラ60cとを有する。この中間転写ベルト60aは、3本の張架ローラ60bによって張架され、C方向に回転駆動される。
ここで、3本の張架ローラ60bのうちの1本の張架ローラ60bは、中間転写ベルト60aを挟み、2次転写ローラ62と対向する位置に配置され、中間転写ベルト60aの所定の色のトナー像がシート体Sに適切に転写されるように、中間転写ベルト60aおよびシート体Sを密着させて挟持搬送する。
【0055】
また、中間転写ベルト60aと像担持体ローラ50とが接触する1次転写位置には、1次転写ローラ60cが配置されている。この1次転写ローラ60cは、中間転写ベルト60aに転写電圧を印加するものである。
各現像装置58Y、58M、58C、58Kによって像担持体ローラ50の表面に順次形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ60cによる転写電圧によって順次中間転写ベルト60aに転写される。
【0056】
次に、本実施例の画像記録部12によるカラー画像の形成方法について説明する。
先ず、露光部40によって像担持体ローラ50の表面にイエロー用の静電潜像を形成する。このイエロー画像(データ)の静電潜像に、現像ユニット56のイエローの現像装置58Yからトナーを静電吸着させて、像担持体ローラ50の表面にイエローのトナー像を形成する。
次に、このイエローのトナー像を、中間転写ベルト60aに転写させる。
【0057】
次に、クリーナ54によって表面の残留トナーが除去された像担持体ローラ50の表面に露光部40によって像担持体ローラ50の表面にマゼンタ画像(データ)の静電潜像を形成する。
このとき、現像ユニット56は、予め90°回転しており、像担持体ローラ50に、マゼンタの現像装置58Mが所定の微小間隔を開けて配置される。
このマゼンタ画像の静電潜像に、現像装置58Mからトナーが吸着して、像担持体ローラ50の表面にマゼンタのトナー像が形成される。このマゼンタのトナー像は、中間転写ベルト60a上に、既に転写されているイエローのトナー像に重ねられて転写される。
【0058】
以下、マゼンタのトナー像の形成およびマゼンタのトナー像の中間転写ベルト60aへの転写と同様にして、残るシアン(C)および黒(K)のトナー像が中間転写ベルト60a上に順次、イエローおよびマゼンタのトナー像に重ねられて転写される。
ここで、中間転写ベルト60aを移動させる張架ローラ60bは、順次転写されるYMCK各色のトナー像が互いに正確に重なり合うように、制御手段42により制御される。
【0059】
上記の張架ローラ60bのうち1つと中間転写ベルト60aを挟んで2次転写ローラ62が配置されている。
この2次転写ローラ62は、供給部22から搬送されてくるシート状のカットシート体Sに、中間転写ベルト60aに形成されたCMYKの4色のカラーのトナー像を転写させるものである。2次転写ローラ62は、カラーのトナー像を構成する各色のトナーと逆極性の電荷を、カラーのトナー像に印加することにより、カラーのトナー像をカットシート体S(記録媒体)に転写させる。このように、カットシート体Sの表面にCMYKの4色のカラーのトナー像が形成される。
【0060】
前述したように、中間転写ベルト60aにカラーのトナー像を形成するにあたり、中間転写ベルト60aは、矢印C方向に4回回転され、中間転写ベルト60aが1回回転移動する度に1色ずつ中間転写ベルト60aに転写されて、CMYK4色のカラーのトナー像が形成される。
【0061】
本実施例においては、カットシート体Sにカラーのカラーのトナー像を形成する場合、レジストローラ20aによる2次転写ローラ62へのカットシート体Sは、4色全てのトナー像が転写されて中間転写ベルト60aに形成されたカラーのトナー像が、最初に2次転写ローラ62と対向するタイミングで搬送される。レジストローラ20aは、このようなタイミングでカットシート体Sの搬送を行うように制御手段42で制御されている。
【0062】
また、2次転写ローラ62の下流側には、搬送ベルト64が設けられている。この搬送ベルト64の下流には、1次定着部66が設けられている。この1次定着部66の下流側に搬送ローラ20が設けられている。
【0063】
以上、説明したような手順を経て、カラーのトナー像が転写されたカットシート体Sは、2次転写ローラ62の下流側に配置された搬送ベルト64により、1次定着部66に搬送される。この1次定着部66は、カットシート体Sに加熱および加圧処理を施すものであり、1対の加熱加圧ローラにより構成されている。
この1次定着部66による定着処理により、カラーのトナー像がカットシート体Sに定着される。ここで、この1次定着部66で実施されるカラーのトナー像の定着によって得られる画像は、写真画像などに求められる高画質には及ばないものの、カラー複写機などで得られる画像の画質と同等の画質である。
【0064】
1次定着部66で定着処理が施されたカットシート体Sは、搬送ローラ20により位置調整部28に搬送される。この位置調整部28から搬送ローラ20により表面光沢処理部30に搬送される。
【0065】
位置調整部28は、1次定着部66で定着処理されたカットシート体Sの搬送方向と直交する方向(以下、幅方向という)における位置を調整するものである。この位置調整部28としては、例えば、幅方向に板を設け、この板にカットシート体Sを突き当てて、カットシート体Sの位置を規制し、このカットシート体Sの幅方向の位置を調整する。また、カットシート体Sを幅方向に移動させることができるニップローラを設け、このニップローラにより、カットシート体Sの幅方向の位置を調整してもよい。
【0066】
ここで、反転搬送部26は、カットシート体Sの両面に画像記録するために、一度、1次定着部66で定着処理されたカットシート体Sの面を反転させるものである。
この反転搬送部26は、切換ガイド70、70aと、引込ローラ72と、センサ75と、引出ローラ76とを有する。引込ローラ72により引込経路74が形成され、引出ローラ76により、引出経路78が形成される。引込経路74の端には、センサ75が設けられている。このセンサ75は、例えば、遮光によって物体の有無を検出する光センサであり、発光素子と受光素子とが対になって構成されるものである。また、引込経路74と引出経路78への搬入の切換は、切換ガイド70aによりなされる。
【0067】
切換ガイド70は、一度、1次定着部66で定着処理されたカットシート体Sを、引込ローラ72に案内するものであり、1次定着部66で定着処理されたカットシート体Sの搬送先を、位置調整部28または反転搬送部26に切り換えるものである。
【0068】
引込ローラ72は、一度、1次定着部66で定着処理されたカットシート体Sを引き込み、カットシート体Sがセンサ75で検出されると、カットシート体Sを反対方向に搬送するものである。
引出ローラ76は、カットシート体Sをレジストローラ20aに搬送するものである。
反転搬送部26においては、片面に画像が記録されたカットシート体Sが1次定着部66で定着処理された後、引込ローラ72により引込経路74に引き込まれ、カットシート体Sがセンサ75に検出されると、引出経路78に搬送される。これにより、カットシート体Sが反転される。
【0069】
センサ75によるカットシート体Sの検出結果に応じて、切換ガイド70、70a、引込ローラ72、および引出ローラ76が制御される。
【0070】
本実施例においては、画像をカットシート体Sの両面に記録するために、表裏反転させるカットシート体Sが搬送された場合、切換ガイド70は、引込ローラ72に案内させ、引込ローラ対72を回転させる。カットシート体Sは、引込ローラ72に引き込まれ、センサ75に検出されると、引込ローラ72が逆方向にカットシート体Sを搬送し、切換ガイド70aがカットシート体Sを引出経路78に案内させる。これにより、引出ローラ76がレジストローラ20aにカットシート体Sを搬送するとともに、カットシート体Sが表裏反転される。
【0071】
本実施例の反転搬送部26は、表裏反転した場合、搬送方向に対しても像を反転させてしまう。このため、反転搬送部26により表裏反転させるカットシート体Sは、搬送方向に対して像を反転させて記録する必要がある。
【0072】
表面光沢処理部30は、1次定着部66で処理が施されてカラーのトナー像が定着され、さらに幅方向の位置が調整されたカットシート体Sに、例えば、さらに、カラーのトナー像の表面を平滑化し、光沢を付与する表面処理を施すものである。
この表面光沢処理部30は、カラーのトナー像が定着されたカットシート体Sに、加熱および加圧処理を施す加熱加圧ローラ対80と、加熱加圧ローラ対80の温度を検出するための温度センサ82と、循環移動する平滑な光沢面を有する2次定着ベルト84と、加熱加圧ローラ対80によって加熱されたカットシート体Sを冷却する冷却部86とを備えている。
2次定着ベルト84は、加熱加圧ローラ対80の1つのローラと、張架ローラ80aとに張架されている。
【0073】
本実施例においては、表面光沢処理部30は、カラーのトナー像の表面を平滑化し、光沢を持たせるという表面処理を例に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。表面光沢処理部30は、画像を見る者に対する視覚効果をねらいカラーのトナー像の表面を意図的に曇らせるマット処理を施すものであってもよい。この場合、表面光沢処理部30における2次定着ベルト84は、カラーのトナー像の表面を意図的に曇らせるためにざらついた粗面を有するものである。
【0074】
表面光沢処理部30では、先ず、加熱加圧ローラ対80によって、1次定着部66で定着されたカラーのトナー像が加熱されて溶融されるとともに、溶融されたカラーのトナー像の表面が、2次定着ベルト84の平滑な光沢面に押圧される。
【0075】
次いで、カットシート体Sは、2次定着ベルト84の光沢面に張り付いた状態で、下流側に搬送され、さらに、この光沢面に張り付いた状態のカットシート体Sが、加熱加圧ローラ対80の下流側に配置された冷却部86によって冷却される。これにより、カットシート体Sの溶融されたカラーのトナー像が凝固される。その後、カットシート体Sは、さらに下流に搬送され、2次定着ベルト84が張架ローラ80aにより湾曲されるのに伴い、カットシート体S自身の剛性によって2次定着ベルト84の光沢面から剥離する。
このようにして、画像記録部12において、カットシート体Sにカラー画像が形成される。なお、本実施例においては、カットシート体Sの片面に画像が記録される場合、画像記録面はカットシート体Sの下面である。
次に、図1に示すように、画像記録されたカットシート体Sは、搬送ローラ20により、切断部14に搬送される。
【0076】
また、本実施例においては、搬送ローラなどの各種ローラは、例えば、ゴムローラを用いることができる。
さらに、本実施例においては、ロール紙、およびカットシート体Sには、例えば、一般的に、電子写真方式のプリンタに利用されるペーパーを用いることができる。
【0077】
図1に示すように、切断部14は、画像記録部12により画像記録された記録領域R〜R、Rの周囲(図3(a)および(b)参照)を切断して、個々のプリントP〜P、Pとするものである。
この切断部14は、図1に示すように、第1のカッタ90と、第2のカッタ94と、切断屑容器(図示せず)と、第1の搬送ローラ対92、96と、可動ガイド(図示せず)とを有する。
第2のカッタ94、第1の搬送ローラ対92、96および可動ガイドが制御手段42に接続されており、この制御手段42により各動作が制御される。
【0078】
第1のカッタ90は、カットシート体Sを搬送方向Dと平行な方向に沿って切断するものである。この第1のカッタ90は、例えば、図3(a)および(b)に示すカットシート体SのカットラインCxで、カットシート体Sを切断する。
第1のカッタ90は、第1のロータリーカッタ90aと第2のロータリーカッタ90bを有するものである。第1のロータリーカッタ90aは、2組、合計4個、搬送方向Dと直交する幅方向に移動可能に設けられている。また、第2のロータリーカッタ90bは、2組、合計4個、搬送方向Dと直交する幅方向に移動可能に設けられている。
これにより、図3(a)および(b)に示すカットラインCxでカットシート体Sを切断することができる。
【0079】
第2のカッタ94は、方向Eにカットシート体Sを鋏む(切断する)ものであり、第1のカッタ90の搬送方向Dの下流側に設けられている。
この第2のカッタ94は、例えば、カットシート体Sの搬送路を挟んで、固定刃94aと、可動刃94bとが垂直方向に対向して設けられており、可動刃94bが固定刃94aに対して、垂直方向に接離可能に構成されている。これにより、図3(a)および(b)に示すカットラインCyでカットシート体Sを切断することができる。なお、第2のカッタ94については、後で詳細に説明する。また、可動刃94bは、片面画像記録時における画像記録面側に設けられている。
【0080】
切断屑容器(図示せず)は、第1のカッタ90および第2のカッタ94により、カットシート体Sを切断することによって生じた切り屑を回収する容器である。この切断屑容器(図示せず)は、第1のカッタ90および第2のカッタ94の下方に設けられている。
【0081】
また、第1の搬送ローラ対92(本発明の搬送手段)は、第1のカッタ90から搬送されてきたカットシート体Sを搬送するものであり、第1のカッタ90と第2のカッタ94との間に設けられている。
第1の搬送ローラ対92は、カットシート体Sを搬送することができ、かつカットシート体Sの搬送を制御できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0082】
また、第2の搬送ローラ対96は、第2のカッタ94から搬送されてきたカットシート体Sを搬送するものであり、第2のカッタ94の下流側に設けられている。
第2の搬送ローラ対96は、1対の搬送ローラ96a、96bからなるものである。第2の搬送ローラ対96は、カットシート体Sが搬送方向Dの下流側に向かう回転方向に空転するワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられている。
【0083】
本実施例においては、第2のカッタ94の上流側に設けられた第1の搬送ローラ対92の搬送速度を第2の搬送ローラ対96よりも速くし、第2の搬送ローラ対96によるカットシート体Sの引張りの影響をなくし、かつワンウェイクラッチにより搬送方向にはカットシート体Sのコシで、第1の搬送ローラ対92と第2の搬送ローラ対96との間で、カットシート体Sが弛むことがないため、切断位置のばらつきが減り、切断精度を高くすることができる。
この切断部14によりプリントPが得られる。このプリントPは、搬送ローラ20により、振戻部16に搬送される。
【0084】
次に、振戻部16について説明する。
振戻部16は、切断部14で切断され、例えば、2列で搬送される第1の幅のプリントPを、単列化するものである。また、第1の幅よりも幅が広い第2の幅のプリントを、そのまま搬送することもできるものでもある。また、幅が第1の幅で、搬送方向における長さが第1の幅のプリントよりも約2倍長い、一般にパノラマサイズ(89mm×254mm)と言われている大きさのプリント(以下、パノラマプリントという)についても、第1の幅のプリントと同様に単列化するものである。
図1に示すように、振戻部16は、搬入ローラ対120と、搬送ローラ対122、128と、排出ローラ対126と、振戻ローラ対130と、第1の可動ガイド150(図4参照)と、第2の可動ガイド152(図4参照)と、センサ160、162、166(図4参照)と、振戻ローラ対130(図5参照)を方向Eに移動させるシフターユニット180(図5参照)とを有する。搬入ローラ対120と、搬送ローラ対122、128と、排出ローラ対126と、振戻ローラ対130とにより、略菱形(平行四辺形)の搬送路が形成される。
【0085】
本実施例の振戻部16においては、搬入ローラ対120の水平方向における搬送方向D下流側に、所定の間隔をあけて搬送ローラ対128が設けられている。この振戻ローラ対130の搬送方向D下流側に、所定の間隔をあけて振戻ローラ対130が設けられている。この振戻ローラ対130の搬送方向D下流側に、所定の間隔をあけて排出ローラ対126が設けられている。搬入ローラ対120、搬送ローラ対128および振戻ローラ対130により、第1の搬送路αが構成される。
【0086】
また、搬入ローラ対120の下方の搬送方向D下流側に、所定の間隔をあけて搬送ローラ対122が設けられている。また、この搬送ローラ対122の搬送方向D下流側に、所定の間隔をあけて搬出ローラ対126が設けられている。搬入ローラ対120、および搬送ローラ対122により、第2の搬送路βが構成される。
第1の搬送路αおよび第2の搬送路βは、プリントPの配列方向および搬送方向Dに垂直な方向(垂直方向)に分岐されており、排出ローラ対126で合流している。
【0087】
図4に示すように、搬入ローラ対120の搬送方向D下流側における第1の搬送路αと第2の搬送路βとの分岐部に第1の可動ガイド150が設けられている。また、搬出ローラ対126の搬送方向Dの上流側における第1の搬送路αと第2の搬送路βとの合流部に、第2の可動ガイド152が設けられている。
【0088】
第1の可動ガイド150は、切断部14により切断されて仕上げられたプリントPを、第1の搬送路α、および第2の搬送路βのいずれかに確実に搬入させるものである。
【0089】
また、第2の可動ガイド152は、第1の搬送路αおよび第2の搬送路βのいずれかの搬送路から搬送されたプリントPを排出ローラ対126に確実に搬入させるものである。
【0090】
第1の可動ガイド150および第2の可動ガイド152は、側断面形状が略直角三角形状のガイド部材と、このガイド部材をプリントPの搬送方向Dに対して回動させる回動手段とを有する。第1の可動ガイド150は、斜面150aを下方に向け、短辺150bを搬送ローラ128に向け、さらには頂点150cを搬入ローラ対120に向けて配置されている。
また、第2の可動ガイド152は、斜面152aを上方に向け、かつ短辺152bを搬送ローラ122に向け、さらには頂点152cを搬送ローラ対126に向けて配置されている。
【0091】
第1の可動ガイド150および第2の可動ガイド152は、制御手段42により制御される。これらの第1の可動ガイド150および第2の可動ガイド152は、センサ160、162、166によるプリントの検出信号に応じて、制御手段42により回動するように制御されている。
【0092】
本実施例においては、プリントPを第1の搬送路αに搬入させる場合には、第1の可動ガイド150を下方に回動させる。さらに、プリントPを第2の搬送路βに搬入させる場合には、第1の可動ガイド150を上方に回動させる。
また、搬送ローラ対122からのプリントPを排出ローラ対126に搬入させる場合(第2の搬送路βからプリントPを搬入させる場合)には、第2の可動ガイド152を上方に回動させる。さらに、振戻ローラ対130からのプリントPを排出ローラ対126に搬入させる場合(第1の搬送路αからプリントPを搬入させる場合)には、第2の可動ガイド152を下方に回動させる。これらの第1の可動ガイド150および第2の可動ガイド152により、プリントPが詰まることなく確実に搬送することができる。
【0093】
なお、第1の可動ガイド150および第2の可動ガイド152は方向Eの全域に設ける必要はない。例えば、2列搬送されるプリントPの幅に応じて設ければよく、2列搬送の場合、各列のプリントPの幅をカバーできる長さを有するものを2つに分けて設けてもよい。
【0094】
なお、本実施例においては、第1の幅よりも幅が広い第2の幅のプリントP(図3(b)参照)は、単列化する必要がないので、常に第2の搬送路βを搬送される。これは、第1の搬送路αには、振戻ローラ対130(シフターユニット180)が設けられているためであり、この振戻ローラ対130が設けられていない搬送路であれば、第1の幅よりも幅が広い第2の幅のプリントPを搬送することができる。
【0095】
図5に示すように、搬入ローラ対120は、搬送列の数に応じて、独立に制御される第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bを有するものであり、本実施例においては、最大2列で搬送されるため、2つの独立した第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bが設けられている。
搬入ローラ対120の各第1の分割ローラ170aおよび第2の分割ローラ170bは、同期して回転することもでき、また、相互に独立して、さらに異なる速度でも回転することもできる。よって、搬入ローラ対120により、2列搬送されたプリントPがそれぞれ、独立して搬送される。このように、各第1の分割ローラ170aおよび第2の分割ローラ170bにより、プリントPの搬送位置が搬送方向Dにおいて前後にずらされ、プリントPを千鳥状に搬送することができる。
【0096】
なお、図5においては、図示されていないが、第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bは、図4に示すように、それぞれ対をなす分割ローラ171aおよび171bを有するものである。以下の説明では、対をなすローラ、いわゆるローラ対であっても、説明を簡略にする場合には、駆動側の第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bのみを図示し、その説明のみを行うが、対をなす分割ローラ171a、171bが同様に設けられていることは言うまでもない。
また、搬入ローラ対120においては、分割ローラ171aおよび171bは、それぞれ駆動手段(図示せず)により、垂直方向に移動することができる。搬入ローラ対120は、第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bとともに、分割ローラ171aおよび171bとによりニップローラ対を構成する。
【0097】
図5に示すように、第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bは、それぞれ、回転軸170dに所定の間隔をあけてローラ片170cが、例えば、2個設けられている。各回転軸170dは、互いの軸線を一致させて設けられている。また、各回転軸170dは、それぞれ、端部にギア170e、170fが取り付けられている。各ギア170e、170fには、それぞれ、モータ172a、172bに回転軸172cを介して取り付けられたギア172dが噛合されている。
【0098】
各モータ172a、172bは、同期して回転することもでき、また、相互に独立して、さらに異なる速度でも回転することもできる。各モータ172a、172bにより、それぞれ各第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bが独立して、さらに異なる速度で回転される。よって、搬送ローラ対128により、2列搬送されたプリントPがそれぞれ、独立して搬送される。また、第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bにより、プリントPの搬送位置が搬送方向Dにおいて前後にずらされ、プリントPを千鳥状に搬送することができる。
【0099】
図5に示すように、搬送ローラ対122は、プリントPを搬送するものであり、4個のローラ片200aが等間隔に回転軸200bに設けられた分割ローラを有するものである。なお、これらの搬入ローラ対120および搬送ローラ対122の構成は、特に限定されるものではない。
【0100】
排出ローラ対126は、複数列、本実施例では2列で搬送されてきたプリントP、または単列で搬送されたプリントPを、後段のソート搬送部18に搬送するものである。この排出ローラ対126も、4個のローラ片200aが等間隔に回転軸200bに設けられた分割ローラを有するものである。
また、排出ローラ対126は、プリントPを斜め上方に向けて搬送するように傾斜させて配置することが好ましい。プリントPを斜め上方に向けて搬送することにより、排出されるプリントPが、集積されたプリント集積束の最上面のプリントに接触して、最上面のプリントがずれてしてしまうことが抑制される。これにより、プリントの集積性を向上させることができる。
【0101】
搬送ローラ対128は、搬入ローラ対120から搬送され、方向Eに移動されるプリントPを振戻ローラ対130に移動させるものである。
この搬送ローラ対128は、図4に示すように、搬送ローラ128aと、この搬送ローラ128aと対をなすニップローラ202とが設けられている。また、図5に示すように、搬送ローラ128aは、4個のローラ片200aが等間隔に回転軸200bに設けられた分割ローラを有するものである。ニップローラ202は、駆動手段(図示せず)により垂直方向に移動することができる。
【0102】
また、搬送ローラ対128においては、後述するようにパノラマプリントを振戻ローラ対130のシフターユニット180により方向Eに移動させる場合、パノラマプリントは振戻ローラ対130から搬送ローラ対128に亘る長さを有するものであるため、搬送ローラ対128のニップを解除した状態で行う。
【0103】
振戻ローラ対130は、プリントPを、搬送方向Dに搬送するとともに、方向Eに移動させるものである。この振戻ローラ対130は、搬送ローラ182と、図示しない対をなす搬送ローラと、この搬送ローラ182および対をなす搬送ローラを方向E(配列方向)に移動させるシフターユニット180とを有する。
【0104】
シフターユニット180は、支持軸184、第1のギア184a、第2のギア184b、搬送ローラ182が収納される移動フレーム186、モータ188、回転軸188a、ギア188bおよびベルト駆動装置192を有する。
【0105】
搬送ローラ182は、例えば分割ローラであり、所定の間隔をあけてローラ片182aが、例えば2個、回転軸182bに設けられているものである。この搬送ローラ182の回転軸182bの端部にはギア182cが設けられている。なお、この搬送ローラ182の方向Eにおける全長は、少なくとも略プリントP(P、P)の幅方向の長さ(第1の幅の長さ)を有する。
【0106】
図5に示すように、本実施例のシフターユニット180においては、方向Eに伸びる支持軸184を有する。この支持軸184に、平面視略コ字状の移動フレーム186が方向Eに移動可能に設けられている。この移動フレーム186は、開口部が搬送方向Dの下流側に向けられている。
また、支持軸184の端部に、第2のギア184bが設けられている。さらに、支持軸184においては、移動フレーム186に囲まれる領域に、第1のギア184aが支持軸184の軸線に対して回転可能であるとともに、方向Eに移動自在に設けられている。この第1のギア184aと、搬送ローラ182のギア182cとが噛合されて、移動フレーム186の開口部に搬送ローラ182およびこれと対をなす搬送ローラが配置されている。
【0107】
また、第2のギア184bは、モータ188に回転軸188aを介して設けられたギア188bに噛合されている。これにより、モータ188の回転力が第1のギア184aにより搬送ローラ182に回転力を伝達されて、搬送ローラ182が回転駆動される。
【0108】
また、移動フレーム186は、接続部材120を介してベルト駆動装置192が接続されている。このベルト駆動装置192は、1対のローラ192aに、ベルト192bが張架されている。このベルト192bに接続部材120が接続されている。
また、ベルト駆動装置192の一方のローラ192aは、例えば、2つのギア194a、194bを介してモータ196に接続されている。このモータ196により、移動フレーム186が支持軸184の長手方向(直交する方向E)に移動される。
【0109】
振戻ローラ対130においては、搬送ローラ182により、プリントPを搬送方向Dに搬送することができるとともに、シフターユニット180によりプリントPを方向Eに移動させることができる。
また、センサ162を複数、方向Eに沿って並べて配置し、第1の搬送路αにおけるスキュー量を算出し、このスキュー量に基づいて、シフターユニット180によるプリントの方向Eの移動量を調整することが好ましい。このように、プリントの方向Eの移動量を調整することにより、単列化した各プリントの方向Eにおいて、その端部が揃ったものとなる。これにより、プリント集積束の集積性を向上させることができる。
【0110】
なお、本実施例の振戻ローラ対130においては、搬送ローラ182を備える移動フレーム186が移動するものとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ギア184aを支持軸184の長手方向に長いギアとし、この長いギアを搬送ローラ182のギア182cが移動するような構成でもよい。
【0111】
センサ160、162、166は、例えば、遮光によって物体の有無を検出する光センサであり、発光素子160a、162a、166aと受光素子160b、162b、166bとが対になって構成されるものであり、プリントPの通過を検出できれば、その構成は、特に限定されるものではい。
本実施例においては、発光素子160a、162a、166aと受光素子160b、162b、166bとは、プリントPの搬送路に垂直な方向に配置され、発光素子160a、162a、166aは片側だけに画像を記録した場合におけるプリントPの非記録面側に配置される。本実施例において、センサ160、162、166としては、例えば、点滅式の赤外線センサなどを用いることができる。
【0112】
次に、ソート搬送部18について説明する。
図1に示すように、ソート搬送部18は、振戻部16により、単列化されて搬送されるプリントPを1オーダ毎に集積するものである。このソート搬送部18は、1対のアイドラ140と、これらのアイドラ140に張架されるベルト142とを有するものである。このソート搬送部18は、排出ローラ対126から搬送されて落下されたプリントPを、ベルト142の上で受けて積層し、ソート情報などにより1件分のプリントPを積層したことを知見すると、集積したプリントの大きさなどに応じて、設定される所定の量だけベルト142を移動させて、プリントPの積層体を搬送して停止し、次いで、次の件のプリントPを集積させる。
【0113】
図6に示すように、ソート搬送部18は、ベルト142が、搬送方向DにプリントPを3オーダ分並べて載置することができるソート領域d、f、gを有するものである。ソート搬送部18においては、例えば、ソート領域fに、1オーダ分のプリントPが積層されたプリント集積束Vが載置された後、ベルト142を搬送方向Dにソート領域f分だけ移動させて、空のソート領域dをベルト142の搬送方向Dの最下流側に配置させる。
【0114】
また、ソート搬送部18のベルト142の方向Eにおける幅は、プリントPを集積可能な長さを有する。すなわち、各ソート領域d、f、gは、ベルト142の方向Eに通常サイズのプリントPであれば、2オーダ分集積することができ、各ソート領域d、f、gはそれぞれ集積領域d、d、f、f、g、gを有する。このため、通常サイズのプリントPであれば、ベルト142上に最大で6オーダ分載置する集積領域d、d、f、f、g、gを有する。また、振戻部16から2列で搬送された場合には、各集積領域d、d、f、f、g、gに2列に集積される。
【0115】
また、ソート搬送部18は、排出制御部42cに接続されており、排出制御部42cによりソート搬送部18に、何オーダ分のプリントが並べて載置されているかが管理されている。例えば、3オーダ分のソート領域d、f、gのうち、2オーダ分のソート領域f、gにプリントが載置されている場合、すなわち、残りのソート領域dが1オーダ分しかない場合、例えば、制御手段42により警告が発せられる。また、例えば、残りのソート領域dが、1オーダ分しかない場合、残りのソート領域dの集積領域d、dに、プリントを載置させることもできる。
【0116】
次に、振戻部16の動作について、図7乃至図10(a)〜(d)を参照して説明する。
図7〜図9は、本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示す模式的平面図である。図10(a)〜(d)は、本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示す模式図である。
【0117】
本実施例においては、図3(a)に示すように、カットシート体Sに4画面付けされたものについて、切断部14(図1参照)で切断し、4枚のプリントP〜P(図10(a)参照)を得た。これらのプリントP〜Pは2列に搬送され、そのうち、同列で搬送される2枚のプリントP、Pを移動させて単列化することについて説明する。
本実施例においては、図5に示すように、プリントP、Pが並んで、搬入ローラ対120に搬入され、第1の分割ローラ170aに搬入されたプリントPを第2の分割ローラ170bに搬入されたプリントP側に移動させて単列化する。
【0118】
本実施例においては、先ず、図4および図5に示すように、2列に並列に配置されてプリントP、Pが搬送される。このとき、各プリントP、Pは同じ速度で搬送されている。
【0119】
次に、搬入ローラ対120において、モータ172bの回転速度を速めるか、またはモータ172aの回転を止めるかして、図7に示すように、第1の分割ローラ170a、第2の分割ローラ170bによる搬送速度を調整して、プリントPおよびプリントPを、搬送方向Dにおける搬送位置を変えて千鳥配置にして搬送する。このとき、第1の可動ガイド150を上方に回動させて、プリントPを第2の搬送路βに案内する。
次に、プリントPを第2の搬送路βに案内し、所定の時間経過後、第1の可動ガイド150を下方に回動させて、プリントPを第1の搬送路αに案内可能な状態とする。搬入ローラ対120の第1の分割ローラ170aにより、プリントPを搬送ローラ対128に搬送する。
【0120】
次に、図8に示すように、第2の搬送路βに搬入されたプリントPは、搬送ローラ対122を経て、排出ローラ対126に搬送される。このとき、搬送ローラ対122と、搬出ローラ対126との間に設けられたセンサ166(図4参照)によりプリントPが検出されると、制御手段42により、第2の可動ガイド152が、上方に回動され、プリントPが搬送ローラ対126に搬送される。
一方、プリントPは、搬送ローラ対128により振戻ローラ対130に搬送される。
【0121】
次に、図9に示すように、振戻ローラ対130により搬送されつつ、方向E(プリントP側)に移動される。このとき、モータ188により分割ローラ182が回転され、モータ196により移動フレーム186が方向Eに移動される。
そして、第2の可動ガイド152が、第1の搬送路αからプリントPを排出ローラ対126に搬入するように下方に回動している。そして、プリントPは、排出ローラ対126に搬送される。
これにより、図9に示すように、プリントP、Pは、一列で搬送されて、排出ローラ対126により、ソート搬送部18(図1参照)に搬送される。
【0122】
なお、プリントP、Pが並んで搬入ローラ対120に搬入された場合には、プリントP、Pと同様にして、プリントPを第2の搬送路βに搬送し、プリントPを第1の搬送路αに搬送して、プリントPをプリントPの搬送側に移動させ、プリントPの後方に配置する。
【0123】
このようにして、図10(a)に示すように、1枚のカットシート体Sに4画面付けされて形成されたプリントP〜Pについて、図10(b)に示すように、プリントP、Pの搬送速度を速くする。次に、図10(c)に示すように、プリントPの後ろにプリントPを移動させ、プリントPの後ろにプリントPを移動させて単列化する。そして、図10(d)に示すように、単列化されたプリントP〜Pはソート搬送部18のベルト142上にプリントPから順次積層される。
【0124】
本実施例の振戻部16は、プリントの幅が第1の幅を超える場合、例えば、図3(b)に示すように、記録領域Rが1画面付けされて得られた幅を有するプリントP(図11)は単列化する必要がなく単列のままで搬送する。
ここで、図11は、本発明の実施例の画像記録装置によるサイズが大きいプリントの搬送方法の模式的平面図である。
【0125】
プリントPを搬送する場合、第1の可動ガイド150は下方に回動されており、第2の搬送路βにプリントPを案内する。プリントPを搬入ローラ対120から、搬送ローラ対122に案内させる。
【0126】
次に、搬送ローラ対122により搬送されたプリントPは、排出ローラ対126に搬送される。このとき、センサ166によりプリントPが検出されて、第2の可動ガイド152が上方に回動し、第2の搬送路βから排出ローラ対126に案内される。
このように、プリントPは、第2の搬送路βを搬送されて、振戻部16からソート搬送部18に搬送される。プリントPは、図6に示すように、ベルトソータ142上に積層され、プリント集積束Vとなる。
【0127】
また、本実施例においては、パノラマプリントを搬送する場合にも単列化する。このパノラマプリントの搬送方法は、各プリントP、Pの搬送方法と比して、振戻ローラ対130により搬送されつつ、方向Eに移動させる際に、搬送ローラ対128および搬入ローラ120のニップ(挟持)を解除させる点が異なり、それ以外の搬送方法は、各プリントP、Pの搬送方法と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0128】
本実施例においては、2列搬送されたプリントP、Pのうち、プリントPをその配列方向に移動させることにより単列化する。この場合、プリントPを第2の搬送路βで搬送し、プリントPを第1の搬送路αを搬送させている。第1の搬送路αには、振戻ローラ対130が設けられており、この振戻ローラ対130により、プリントPが搬送されつつプリントP側に移動される。これにより、2列搬送が単列化される。
さらに、パノラマプリントであっても、プリントP、Pと同様にして2列搬送が単列化される。
【0129】
また、本実施例においては、第1の搬送路αと、第2の搬送路βとを搬送方向Dに垂直な方向に対して分岐させて配置することにより、搬送路長が長くなることが抑制されるとともに、搬送方向Dおよびプリントの配列方向と直交する垂直方向に分岐させることにより、振戻部16全体を小型化できる。
また、プリントの幅および長さに依らず、同じ排出ローラ対126によりプリントを排出することができる。このため、従来の如く、プリントサイズ毎に、排出口を設ける必要がなく、構造を簡素化できる。
【0130】
さらに、本実施例においては、プリントPをプリントP側、すなわち、プリントP、Pの配列方向に移動させるだけであるため、シフターユニット180の移動フレーム186の移動量を少なくすることができる。これにより、シフターユニット180の移動フレーム186の移動に伴う振動も低減することができる。
【0131】
また、本実施例においては、2列に搬送されたプリントP〜Pを単列化する振戻部16を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、3列以上であってもよい。例えば、3列搬送を単列化する場合、第2の搬送路βを中心として、第1の搬送路αと垂直方向に対称な位置に第3の搬送路を設ける構成にすればよい。
【0132】
また、本実施例においては、搬送ローラなどの各種ローラは、例えば、ゴムローラを用いることができる。
さらに、本実施例においては、ロール紙、およびカットシート体には、例えば、一般的に、電子写真方式のプリンタに利用されるペーパーを用いることができる。
【0133】
次に、本実施例の画像記録装置10によるプリント作製方法について説明する。
図12(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第1の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図12(a)に示す第1の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【0134】
以下、本実施例においては、1枚のカットシート体に4画面の画像の割付けを行うプリント処理を施し、ソート搬送部18のソート領域dに集積するものを例にして説明する。
本実施例の画像記録装置10においては、通常のプリント処理で8個の画像G〜Gをカットシート体Sに割付けるときに、4個の特急データが入力された場合、図12(a)に示すように、合計12画像を、画像データ一時記憶部42dに記憶させ、画像割付部42eにより3枚のカットシート体S〜Sに割付ける。この場合、2枚のカットシート体S、Sに、特急データによる画像Q〜Qと、通常のプリント処理の画像G〜Gとが、それぞれ各カットシート体S、Sの方向Eに並ぶように、かつ特急データによる画像Q〜Qが、第1の分割ローラ170a側となるように画像割付部42eによる画像Q〜Qの割付けを全体制御部42bが調整する。また、3枚目のカットシート体Sについては、通常のプリント処理の4つの画像G〜Gを画像割付部42eにより割付ける。さらに、全体制御部42bから、カットシート体S、Sについては、第2の搬送路βを通過させ、3枚目のカットシート体Sについては、単列化処理することを振戻部16に制御情報として出力される。
【0135】
図12(a)に示すように、特急データを含む合計12画像の画像を割付けた場合、2枚のカットシート体S、Sについては、切断してプリントとした後、第2の搬送路βを通過させ、単列化はせずに、ソート搬送部18に搬送する。また、3枚目のカットシート体Sについては、切断してプリントとした後、画像G、Gのプリントを第1の搬送路αに搬送し、画像G〜Gの順となるように単列化処理して、ソート搬送部18に搬送する。
【0136】
これにより、図12(b)に示すように、画像G〜Gのプリントが積層されたプリント集積束Gが集積領域dに集積され、特急データの画像Q〜Qのプリントが積層されたプリント集積束Qが集積領域dに集積される。このように、通常のプリント処理によるプリントと、特急のプリント処理による特急プリントとが、ベルト142上に、別々に集積させることができる。これにより、通常プリントと特急プリントとを間違えることなく、速やかにプリントを得ることができる。また、この場合、通常プリントと特急プリントとを並列に処理することができるため、生産性の低下を防止できる。
【0137】
次に、本実施例において、2件のオーダ分の画像を割付けについて説明する。この場合、各オーダとも24画像分のプリントを作製する。
図13(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第2の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図13(a)に示す第2の画像記録形態により得られる集積束を示す模式図である。
【0138】
先ず、2つの注文の合計の48画像を、画像データ一時記憶部42dに記憶させ、画像割付部42eにより、48画像について、各オーダごとに、図13(a)に示すように、カットシート体S〜S12において、第1の注文の画像H〜H24と第2の注文の画像W〜W24とが、それぞれ方向Eに並ぶように割付ける。このとき、全体制御部42bから、振戻部16に、12枚のカットシート体S〜S12を第2の搬送路βを通過させ、かつ単列化処理しないことが振戻部16に制御情報として出力される。
【0139】
次に、カットシート体S〜S12について、切断して第1の注文の画像H〜H24のプリント(以下、第1の注文のプリントという)、および第2の注文の画像W〜W24のプリント(以下、第2の注文のプリントという)を得る。
次に、第1の注文のプリント、および第2の注文のプリントを第2の搬送路βを通過させ、単列化はせずに、ソート搬送部18に搬送する。
【0140】
これにより、図13(b)に示すように、第1の注文のプリントが積層されたプリント集積束Hが集積領域dに集積され、第2の注文の画像W〜W24のプリントが積層されたプリント集積束Wが集積領域dに集積される。このように、全体制御部42bから2件分のオーダの画像データを、画像データ一時記憶部42dに記憶させておいて、画像割付部42eによる画像の割付けを全体制御部42bで調整することにより、単列化することなく、別々に集積され、第1の注文のプリント、第2の注文のプリントを得ることができる。この場合においても、各オーダ毎に、集積領域が特定されるため、取り違えなども防止することができる。
また、後述するように、振分部16のシフターユニット180が故障した場合にも、画像の割付けを調整し、各オーダごとに異なる列の集積領域に、集積させることにより、対応することができる。
【0141】
次に、本実施例において、同じ画像Hについて複数枚のプリントを作製するときの画像の割付けについて説明する。この場合、48枚の同じ画像Hのプリントを作製する。
図14(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第3の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図14(a)に示す第3の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【0142】
図14(a)に示すように、先ず、画像割付部42eにより48画像分の画像Hを12枚のカットシート体S〜S12にそれぞれ4画面ずつ割付ける。このとき、全体制御部42bから、振戻部16に、12枚のカットシート体S〜S12を第2の搬送路βを通過させ、かつ単列化処理しないことが振戻部16に制御情報として出力される。
次に、カットシート体S〜S12について、切断して画像Hのプリントとした後、第2の搬送路βを通過させ、単列化はせずにソート搬送部18に搬送する。
これにより、図14(b)に示すように、同じ画像Hのプリントが積層されたプリント集積束Hが集積領域dおよび集積領域dに集積される。このように、同じ画像Hの多量のプリントを、単列化することなく、別々に集積され、同じ画像Hの多量のプリントを得ることができる。
なお、1オーダ分のプリントを別々に集積する場合には、例えば、ソート搬送部18のベルト142に集積可能な枚数以下の枚数で分割する。
【0143】
また、本実施例においては、制御手段42に各機器の状態が把握されており、振戻部18のシフターユニット180(図5参照)が故障した場合、排出制御部42cからのコマンド信号に対する応答信号として、故障信号をシフターユニット180が排出制御部42cに出力する。そして、排出制御部42cが故障情報として、全体制御部42bに出力する。この場合、全体制御部42bは、画像割付部42eによる画像の割付けを調整し、振戻部16を用いることなくソート搬送部18に集積させる画像の割付けを画像割付部42eに行わせる。
図15(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第4の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図15(a)に示す第4の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【0144】
シフターユニット180が故障したとき、例えば、20画像G〜G20のプリントを作製する場合、全体制御部42bにより、図15(a)に示すように、10画像G〜G10、10画像G11〜G20毎に、各カットシート体S〜S10の方向Eに並べて4画面ずつ割付けるように画像割付部42eを制御する。
この場合、各カットシート体S〜S10について、一方の列に、画像G〜G10の順となるように画像を割付け、他方の列に、画像G11〜G20の順となるように画像を割付ける。
なお、全体制御部42bから、振戻部16に、10枚のカットシート体S〜S10を第2の搬送路βを通過させ、かつ単列化処理しないことを振戻部16に制御情報として出力される。
【0145】
各カットシート体S〜S12について、切断してプリントとした後、第2の搬送路βを通過させ、単列化はせずにソート搬送部18に搬送する。
これにより、図15(b)に示すように、画像G〜G10のプリントが積層されたプリント集積束Gaが集積領域dに集積される。また、画像G11〜G20のプリントが積層されたプリント集積束Gbが集積領域dに集積される。
【0146】
このように、排出制御部42cが振戻部16(シフターユニット180)に異常がある状態情報を取得した場合、全体制御部42bにおいて、同一注文の1オーダ分のプリントを分割し、画像G〜G20の順となるように、画像割付部42eによる画像の割付けを調整して、画像の割付けを行わせ、ソート搬送部18に2列で、それぞれ異なる集積領域に集積させてプリント集積束Ga、Gbを得ることができる。このプリント集積束Gaとプリント集積束Gbを、プリント集積束Gbを下にして重ねることにより、画像G〜G20の順のプリント束となる。これにより、プリント集積束Ga、Gbを、プリント集積束Gbを下にして重ねるだけで画像G〜G20の順でプリントを得ることができる。この場合、画像記録装置10全体を停止させることがないため、生産性の低下を防止できる。
なお、同一注文のプリントを別々に集積する場合には、例えば、ソート搬送部18のベルト142に集積可能な枚数以下の枚数で分割する。
【0147】
さらに、排出制御部42cが得た集積情報により、ソート搬送部18に集積可能なプリントのオーダ件数が少なく、次の1オーダ分のプリントの作製枚数が1つの集積領域に集積可能な枚数よりも多い場合、同一注文の1オーダ分のプリントを分割して、ソート搬送部18に2列で、それぞれ異なる集積領域に集積させてプリント集積束を得ることができる。この場合、排出制御部42cが得たソート搬送部18の集積情報に基づいて、全体制御部42bにより、画像割付部42eによる画像の割付が、1オーダ分の画像データの順となるように調整されるとともに、排出制御部42cによる振戻部16の動作も制御される。
また、これ以外にも、制御手段42により状態が管理されている画像記録部、切断部、振戻部およびソート搬送部について、機器の故障など異常があった場合には、各機器の状態に応じて、画像割付部42eによる画像の割付けを調整して、画像の割付けを最適化できる。これにより、使用できる機器を用いてプリントを作製する場合にも対応することができる。
以上のように、本発明の画像記録装置は、特急プリントなどの納期が異なる注文に対しても、生産性を低下させることなく対応することができる。さらには、機器の故障などが生じても適切に対応することができる。
【0148】
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の画像記録装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
例えば、本実施例においては、画像記録部がカットシート体に画像を形成する電子写真式プリンタであったが、本発明は、これに限定されるものではなく、画像記録部がデジタルフォトプリンタなどの銀塩写真プリンタ、インクジェット記録方式プリンタまたはサーマル記録方式プリンタなどであってもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施例に係る画像記録装置を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例に係る画像記録装置の制御部を示す模式的ブロック図である。
【図3】(a)は、本実施例の画像記録部による画像記録のうち、4画面付けを示す模式図であり、(b)は、本実施例の画像記録部による画像記録のうち、1画面付けを示す模式図である。
【図4】本発明の実施例に係る画像記録装置の振戻部の構成を示す模式的側面図である。
【図5】本発明の実施例に係る画像記録装置の振戻部の構成を示す模式的平面図である。
【図6】本発明の実施例に係る画像記録装置のソート搬送部の構成を示す模式的平面図である。
【図7】本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示す模式的平面図である。
【図8】本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示すものであり、図7の次工程を示す模式的平面図である。
【図9】本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示すものであり、図8の次工程を示す模式的平面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の実施例の画像記録装置によるプリントの搬送工程を工程順に示す模式図である。
【図11】本発明の実施例の画像記録装置によるサイズが大きいプリントの搬送方法の模式的平面図である。
【図12】(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第1の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図12(a)に示す第1の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【図13】(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第2の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図13(a)に示す第2の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【図14】(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第3の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図14(a)に示す第3の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【図15】(a)は、本発明の実施例に係る画像記録装置による第4の画像記録形態を示す模式図であり、(b)は、図15(a)に示す第4の画像記録形態により得られるプリント集積束を示す模式図である。
【符号の説明】
【0150】
10 画像記録装置
12 画像記録部
14 切断部
16 振戻部
18 ソート搬送部
20 搬送ローラ
20a レジストローラ
22 供給部
23 裏印字部
24 像形成部
26 反転搬送部
28 位置調整部
30 表面光沢処理部
40 露光部
42 制御手段
42b 全体制御部
42c 排出制御部
42e 画像割付部
44 画像入力部
46 操作手段
50 像担持体ローラ
52 帯電ローラ
54 クリーナ
56 現像ユニット
58Y、58M、58C、58K 現像装置
60 中間転写部
62 2次転写ローラ
66 1次定着部
80 加熱加圧ローラ対
90 第1のカッタ
92 第1の搬送ローラ対
94 第2のカッタ
126 第2の搬送ローラ対
120 搬入ローラ対
122、128 搬送ローラ対
126 排出ローラ対
130 振戻ローラ対
150 第1の可動ガイド
152 第2の可動ガイド
α 第1の搬送路
β 第2の搬送路
A ロール紙
P プリント
S、S〜S12 カットシート体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データに基づき、所定の画像形成順序に従って複数の画像が記録された1枚の記録媒体から複数のプリントを得る画像記録装置であって、
複数の画像データに基づいて、所定の画像形成順序に従い、記録する複数の画像の前記記録媒体への画像の割付けを行う画像割付部と、
前記画像割付部により、割付けられた前記画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録部により複数の画像が記録された記録媒体を各画像毎に切断し、プリントとする切断部と、
得られた複数のプリントを単列化する振戻部と、
前記複数のプリントを単列または複数列の形態で集積するソート搬送部と、
少なくとも前記振戻部の状態情報を取得するとともに、前記切断部、前記振戻部および前記ソート搬送部の動作を制御する排出制御部と、
前記画像データによるプリントの納期および排出制御部による前記状態情報の少なくとも一方に基づいて、前記画像割付部による前記記録媒体への画像の割付けの調整、または前記排出制御部による前記振戻部の動作を制御する全体制御部とを有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記全体制御部は、複数の画像データに基づいて前記画像の割付けを行う場合、前記画像データの中に、優先してプリントを作製する優先プリントがあるとき、前記優先プリントと、前記優先プリント以外のプリントとが、前記ソート搬送部で異なる列に排出されるように、前記画像割付部による前記画像データの割付けの調整、および前記排出制御部による前記振戻部の動作の調整の少なくとも一方を行う請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記全体制御部は、前記振戻部が異常である状態情報を前記排出制御部が取得した場合、1オーダ分のプリントを分割して前記ソート搬送部で異なる列に排出させ、かつ異なる列に排出されたプリントが前記1オーダ分の画像データの順となるように、前記1オーダ分の画像データによる画像の割付けを前記画像割付部に行わせる請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記排出制御部は、更に前記ソート搬送部における集積件数の集積情報を取得するものであり、前記集積情報により、前記ソート搬送部の集積可能件数が少ない場合、前記全体制御部は、1オーダ分のプリントを分割して前記ソート搬送部で異なる列に排出させ、かつ異なる列に排出されたプリントが前記1オーダ分の画像データの順となるように、前記1オーダ分の画像データによる画像の割付けを前記画像割付部に行わせる請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−21872(P2007−21872A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206879(P2005−206879)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】