発光体およびこれを用いた光デバイス
【課題】温度安定性が改善され且つ関連した長蛍光寿命を有する発光体を提供する。
【解決手段】実験式、M’aM”b(Si1−zGez)c(Al,Ga,In)d(Sb,V,Nb,Ta)eO(a+b+2c+3d/2+5e/2−n/2)Xn:Eux,Ry(式中、M’はCa、Sr、Ba及びZnからなる群から選択された一種以上の元素であり、M”はMg、Cd、Mn及びBeからなる群から選択された一種以上の元素であり、RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Sn及びSbからなる群から選択された一種以上の元素であり、XはF、Cl、Brからなる群から選択されたイオンであり、0.5≦a≦8であり、0≦b≦5であり、0<c≦10であり、0≦d≦2であり、0≦e≦2であり、0≦n≦4であり、0<x≦0.5であり、0<y≦0.5であり、0≦z≦1である)で表される発光体により、長蛍光寿命を得るようにした。
【解決手段】実験式、M’aM”b(Si1−zGez)c(Al,Ga,In)d(Sb,V,Nb,Ta)eO(a+b+2c+3d/2+5e/2−n/2)Xn:Eux,Ry(式中、M’はCa、Sr、Ba及びZnからなる群から選択された一種以上の元素であり、M”はMg、Cd、Mn及びBeからなる群から選択された一種以上の元素であり、RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Sn及びSbからなる群から選択された一種以上の元素であり、XはF、Cl、Brからなる群から選択されたイオンであり、0.5≦a≦8であり、0≦b≦5であり、0<c≦10であり、0≦d≦2であり、0≦e≦2であり、0≦n≦4であり、0<x≦0.5であり、0<y≦0.5であり、0≦z≦1である)で表される発光体により、長蛍光寿命を得るようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体、さらに発光体混合物、及び紫外若しくは青色発光半導体要素又は気体放電ランプとして構成できる発光構成要素からの紫外及び青色放射線を実質的に自然光源又は白熱ランプからのものに等しい極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換することにおけるその使用、およびこれを用いた光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、ドイツ特許出願番号(DE10259946.7)に基づいており、このドイツ出願の全内容は、本出願において参照され導入される。
【0003】
米国特許第5998925号及び米国特許第6409938号は、白色発光半導体要素を開示している。この白色光は、主に青色発光半導体要素と、イットリウムアルミニウムガーネットからなる黄色発光発光体YAGを有する発光体コーティングとの組み合わせから生成される。これらの発明には、生成する白色光の演色性が不十分であり、従って、演色指数Raが<80でしかないという欠点がある。また、得られる色温度6000K超の白色光は、極めて冷光である。これは、特に、さらなる色成分がないことによるものである。5000K未満の色温度を有する白色光は、全く得ることができない。
【0004】
DE10026435A1は、YAGを発光体混合物に黄色発光成分として同時に使用すると、青色又は紫外一次放射線を緑色光に変換でき且つ演色指数Raを約81に増加できる発光体を記載している。
【0005】
DE10026435A1並びにWO00/33389及びWO00/33390は、青色発光帯と、緑色発光帯と、さらに赤色発光帯とを組み合わせることにより良質な白色光を生成するために、RGB原理を適用している。また、この原理により、赤色成分の代わりに黄色成分を用いて、演色指数Raが81〜87である白色発光半導体要素を製造することもできる。この場合、赤色成分の周波数範囲への寄与はスペクトルにおいては実質的に完全にない。
【0006】
米国特許第6084250号は、紫外一次放射線を基本とし、一定の発光体混合物を用いてRGB原理により最大90の演色指数Raを得ることができる白色LEDを記載している。この発光体混合物では、二価のユーロピウムにより付活されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩からなる青色発光発光体BAMの他に、主に硫化物又はEu(III)付活赤色発光線発光体が使用されている。
【0007】
同様に、米国特許第6084250号は、白色光を生成するための、青色成分と、緑色成分と、さらには狭帯赤色成分とを開示している。
【特許文献1】米国特許第5998925号
【特許文献2】米国特許第6409938号
【特許文献3】独国特許出願公開第10026435号
【特許文献4】国際公開第WO00/33389号パンフレット
【特許文献5】国際公開第WO00/33390号パンフレット
【特許文献6】米国特許第6084250号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの全ての教示事項には、テレビ技術及びさらに一般的な照明から公知であるRGB原理を用い且つ青色−緑色成分でスペクトルを補足するとき、必要な広帯域赤色成分及び他の発光成分が存在しないので、せいぜい89〜90の演色指数Raしか得ることができないという欠点がある。RGB原理及び約610nm〜625nmの領域で線構造を有する狭帯Eu(III)付活赤色成分を用いると、いずれかのより良い白色光を生成することは原則として不可能である。また、硫化物発光体は、必要な長期安定性を有しておらず、このような半導体要素の発光融剤が照明時間とともに急速に減少し、LEDの寿命を低下させることも、知られている。
【0009】
本発明の目的は、これらの全ての欠点を除去し、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において紫外及び青色放射線を白色光に変換する手段として使用するのに好適な発光体、及びそれらを主成分とする発光体混合物を提供することにある。発光体は、演色性において自然又は白熱ランプ光に近似している光を生成しなければならず、90超の演色指数RaのCRI標準による演色Iaが得られなければならない。
更に、本発明の目的は、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において紫外及び青色放射線を白色光に変換するとともに高い演色性を有する可視白色放射線を放射する光デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(A)本発明により、半導体要素又は気体放電ランプとして構成できる一次発光構成要素において、紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換する2つの方法が提供される。
1.橙色−赤色若しくは赤色スペクトル領域において広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域においてより狭い帯域の発光を示す発光体の使用、及び
2.これらの発光体を用いて製造し、約380〜780nmの広発光連続状態を示す、8種以下の発光体成分を用いた発光体混合物の使用。異なる発光帯の重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜黄色がかった赤色の夕方光色を有する2000Kの色温度のスペクトルを生成し、且つ同時に演色Iaを維持する。
【0011】
発光成分における紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに好適な発光体は、固体系からなり且つ固有発光を示すか、又はマンガン(IV)又はチタン(IV)で付活された赤色スペクトル領域用発光体である。
【0012】
紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換するさらなる手段が、Eu(II)からなる群から選択された増感剤及び二次付活剤としてMn(II)を使用した系により得られる。
【0013】
有用な広帯発光橙色、橙色−赤色及び赤色成分又は濃赤色スペクトル領域において発光する発光体系には:
アルカリ土類金属アンチモン酸塩、Mn(IV)により付活された発光体及びEu及びMnにより二重付活した発光体などが含まれる。
【0014】
上記発光体は、次の限定のいずれか若しくは組合せを有しても良い。
【0015】
1)本発明による好適なアルカリ土類金属アンチモン酸塩及びそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩は、固有発光を示し且つ一般式
MeIxMeIIySbaObXc
で表される。この式において、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良い。
【0016】
2)アンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、約100nm〜150nmの半高幅で約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域において広帯で発光する。
本発明によれば、発光体としてのアンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、
CaSb2O6、
Ca2Sb2O7、
(Ca,Sr)Sb2O6、
(Ca,Sr,Ba)2Sb2O7、
Ca2Sb2O6F、
Ca1.5Mg0.5Sb2O6F、
Ca2Sb2O6F0.5Cl0.5、
Ca1.8Mg0.2Sb2O7、
Ca1.95Li0.1Sb2O7、
Ca2(Sb1.95P0.05)O7、
Ca2Sb1.98Bi0.02O7、
Ca1.95Sr0.05Sb1.98Nb0.02O7、
Ca1.98Li0.02Sb1.98Si0.02O7、
Ca1.98K0.02Sb1.98Ge0.02O7、
Ca1.95Mg0.04Li0.01Sb1.99Ti0.01O7、
MgSb2O6、
MgSb2O6、
Sr1.9Zn0.1Sb2O7、
Ca1.96Eu0.04Sb2O7、
Ca0.97Eu0.03Sb2O6
である。
【0017】
3)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体は、マンガン(IV)で付活したアンチモン酸塩をも含む。これらの発光体は、約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す。
これらの発光体は、例えば、
CaSb2O6:0.01Mn、
Mg2Sb2O7:0.01Mn、
Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn、
Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn、
(Ca,Sr)Sb2O7:0.01Mn、
Ca2Sb2O6F:0.01Mn、
Ca2(Sb1.98Si0.02)O7:0.01Mn、
(Ca,Sr)Sb1.98Ge0.02O7:0.01Mn
である。
【0018】
4)紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するためのマンガン(IV)付活チタン酸塩からなる本発明の発光体は、一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
で表される。
式中、MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンである。
式中のXは、電荷を釣合わせるためのF及びClから選択されたイオンである。
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0<z≦0.5である。
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンである。
チタンは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている。
マンガン(IV)付活チタン酸塩からなる有用な発光体は:
Mg2TiO4、
MgZnTiO4、
Mg1.8Li0.4TiO4、
MgBeTiO4、
CaMgTiO4、
Sr1.8Li0.2TiO4、
Mg2Ti1.98Zr0.02O4、
MgZnTi0.98Si0.02O4
である。
【0019】
5)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価及び/若しくは三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択されたランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンである)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩からなる発光体も含まれる。
0≦w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48である。
Geは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、P、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い。
このような発光体は:
Ca2Si0.9Ge0.1O4:0.005Mn、
Mg2Si0.5Ge0.5O4:0.005Mn、
CaSrSi0.1Ge0.9O4:0.003Mn、
MgZnSiO4:0.003Mn、
MgSiO3:0.005Mn、
CaMgSi0.95Ge0.05O4:0.003Mn、
Mg28Ge9.45Si0.55O48:0.005Mn、
Mg28Ge9SiO48:0.005Mn、
Mg28Ge7.2Si0.3O38F10:0.003Mn、
Mg24Zn4Ge6.5SiO38F10:0.005Mn
である。
【0020】
6)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩も含まれる。
これらの発光体は、例えば、
Ca0.6Sr1.3Ba0.06Zn0.02Si0.9Ge0.1O4:0.02Eu、
Ca0.6Sr1.2Ba0.1Zn0.08Si0.95Ge0.05O4:0.02Eu、
Ca0.61Sr1.3Ba0.04Mg0.01Zn0.01Si0.97Ge0.03O4:0.03Eu、
Ca0.8Sr0.11Ba0.04Be0.01Li0.1Si0.99Ge0.01O4:0.03Eu、
Ca1.0Sr0.95Zn0.02Si0.95Ge0.05O4:0.03Eu、
Ca0.9Sr0.9Ba0.08Mg0.05Zn0.05Ge0.45Si0.55O4:0.02Eu、
Ca1.0Sr0.7Ba0.1Mg0.07Zn0.1Ge0.7Si0.3O4:0.03Eu、
Ca0.65Sr1.28Ba0.02Li0.04Ge0.8Si0.2O4:0.03Eu、
Ca1.2Sr0.7Ba0.03Be0.05Ge0.05Si0.99O4:0.02Eu
である。
【0021】
7)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩も含まれる。
式中、MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンである。
MeIIは、一種以上の一価のカチオンである。
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5である。
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い。
このような発光体は:
MgAl2O4、
CaAl12O19、
SrAl12O19、
MgAl12O19、
BeAl12O19、
SrAl2O4、
Sr0.5Mg0.5Al2O4、
Sr4Al14O25、
Mg2Al10O17、
SrMgAl10O17、
Sr2MgAl16O27、
2SrO・3Al2O3,BaO・4Al2O3及びMgGa2O4
である。
【0022】
8)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含む発光体も含まれる。このユーロピウム−マンガン二重付活発光体において、一次発光の長波長領域における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じる。
これらは、ホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩からなり、ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mnで表される発光体である。
式中、MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンである。
Xは、Cl、F、Brである。
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0≦m≦16であり、
0<n≦24であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく、また一部分がV、Nb、Ta、Ge、W及びMoにより置換わっていて良い。
使用されるこのような発光体は、例えば、
SrBaP2O7:Eu,Mn、
Sr2P1.68B0.32O7.84:Eu,Mn、
Sr4Si3O8Cl4:Eu,Mn、
Ba3Mg(Si,P,Ge)2O8:Eu,Mn、
(Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu,Mn、
Sr10(PO4)6Cl2:Eu,Mn、
(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu,Mn、
Ca3(PO4)2CaCl2:Eu,Mn、
Ba1.3Sr0.75Ca0.75Mg0.9Zn0.1Si1.9Ge0.1O8:Eu,Mn、
Ba2.8MgSi1.8Ge0.2O8:Eu,Mn、
Sr2ZnSi1.6Ge0.4O7:Eu,Mn、
Ba2Zn0.5Mg0.5Ge1.2Si0.8O7:Eu,Mn、
Ba3MgSi0.5Ge0.5O8:Eu,Mn、
BaZrO3:Eu,Mn、
Ba3P2O8:Eu,Mn、
α−Ca2P2O7:Eu,Mn、
Ba5Ca3Si4O16:Eu,Mn、
Ba3SiO5:Eu,Mn
である。
【0023】
9)新規な発光体又は異なる発光帯を有する複数の新規な発光体を、発光要素の紫外又は青色発光を演色1a及び演色指数Ra>90を有する可視白色放射線に変換するための混合物における成分として、従って、白色発光LEDの製造において使用することにより、これらのLEDを、本発明により背景照明装置として使用することもでき、また、生活空間及び家具の照明、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアム、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術にも使用できる。
【0024】
(B)本発明の他の側面により、
LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射する発光体を含む波長変換部を有する光デバイスにおいて、
前記波長変換部は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含むことを特徴とする光デバイスが提供される。
【0025】
(C)本発明の他の側面により、
LED素子と、
前記LED素子を搭載するとともに前記LED素子に給電するための給電部と、
前記LED素子と前記給電部とを一体的に封止する光透過性を有する封止部と、
前記LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部を有することを特徴とする光デバイスが提供される。
【0026】
(D)本発明の他の側面により、
LEDランプと、
前記LEDランプから放射される光を導光する導光部と、
前記導光部を介して導光された光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部と、
前記波長変換部を介して放射される光に基づいて照明される被照明部とを有することを特徴とする光デバイスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明に係る発光体およびこれを用いた光デバイスについて、図面等を参照して詳細に説明する。
【0028】
まず、LED又は他の一次発光要素において紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体の調製について、説明する:
アルカリ土類金属アンチモン酸塩
アルカリ土類金属アンチモン酸塩は、熱分解により金属酸化物を形成する酸化物、炭酸塩又は他の化合物、及び適切な金属のハロゲン化物から調製される。
【0029】
また、他のアンチモン酸塩発光体の代表例として、カチオンとしてカルシウムを有する塩基性化合物であるメタアンチモン酸カルシウム、ピロアンチモン酸カルシウム及びフルオロアンチモン酸カルシウムの調製を説明する。
【0030】
メタアンチモン酸カルシウムCaSb2O6を、四酸化アンチモン及び炭酸カルシウムから、空気又は窒素50%、酸素50%からなる酸化性雰囲気下、2段階でか焼することにより調製する。2段階か焼は、化学量論量の原料混合物を985℃で1時間か焼した後、均質化中間体を1200℃で8時間か焼することによりおこなわれる。この反応は、下式に従って進行する:
Sb2O4+CaCO3+1/2O2→CaSb2O6+CO2
【0031】
その後、得られた生成物を、粉砕し、洗浄して未転化酸化物を溶解除去する。乾燥及び篩いわけ後の発光体は、わずかに黄色がかった色をしている。
【0032】
上記反応式による炭酸カルシウムの量を二倍にする以外は、同条件下で、ピロアンチモン酸カルシウムCa2Sb2O7を合成する。
【0033】
第一のか焼を975℃で実施し、第二のか焼を1175℃で実施する以外は、同様の方法でフルオロアンチモン酸カルシウムCa2Sb2O6F2を合成する。反応式を簡略化したものを、以下に示す:
2Sb2O4+3CaCO3+CaF2+1/2O2→2Ca2Sb2O6F+3CO2
【0034】
その後、メタアンチモン酸カルシウム及びピロアンチモン酸カルシウムが斜方格子で結晶化し、一方、フルオロアンチモン酸カルシウムは、AIA(JECS110(1963)1048と一致した変形したパイロクロア構造を有する。
【0035】
合成されたアンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、半高幅約100nm〜150nmで約620nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域内の広帯発光を示す。
【0036】
第1図は、フルオロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルを示す。第2図は、ピロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルを再現したものである。
【0037】
基本的には、アンチモンの一部分は、他の5価の元素、例えば、V、Nb、Ta、P、As及びBiにより問題なく交換されることができ、反応条件は変更しないでそのままである。当該元素を、それらの酸化物の形態か、又は熱分解により酸化物を形成する化合物の形態で添加する。
【0038】
4価の酸形成剤、例えば、Ti、Zr、Hf、Si、Geを含有させる場合、1価の金属イオンを同時に添加することにより、電荷バランスがなされ、Mo及びWを含有させる場合、3価のカチオンを添加するのが有利なことがある。
【0039】
また、3価のカチオンを使用する場合、1価の金属イオン又は追加のハロゲン原子による電荷バランスがあることに注意しなければならない。
【0040】
表1に、アンチモン酸塩発光体の発光特性を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
付活剤としてマンガン(IV)を有する発光体:
赤色発光Mn(IV)付活発光体系は、同様に白色LEDにおける本発明による用途並びに背景照明装置において、生活空間及び家具の照明において、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアムにおける照明技術、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所にも好適である。
【0043】
調製及び式が既に説明されたマトリックスとしてのアンチモン酸塩の他に、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩からなる赤色発光Mn(IV)付活発光体系も、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに好適である。
【0044】
全てのマンガン(IV)付活発光体を調製したら、原料、例えば、酸化物、炭酸塩及びハロゲン化物、さらには酸化マンガン(IV)を混合し、続いて空気中又は酸素中1200℃を超える高温で数時間か焼する。中間体を完全に均質化した後に二次か焼プロセスに附することにより、得られる生成物の品質が高まり、全てが黄色がかった白色〜黄色がかった緑色を有し、すなわち、長波長UV放射線又は青色光を吸収する。さらなるプロセス、例えば、か焼ケーキの粉砕、洗浄及び篩い分けを、既存の発光体の調製と同様に実施する。
【0045】
全てのマンガン(IV)付活発光体は、約620nm〜700nmの赤色スペクトル領域に発光帯を示すか、約650〜660nmの狭い構造化発光を示す。
【0046】
表2に、いくつかの選択された発光体の例を用いたマンガン(IV)付活アンチモン酸塩の発光特性を示す。
【0047】
【表2】
【0048】
マンガン(IV)付活チタン酸塩の発光体を、表3に示す。発光体の発光値は、完全酸化性か焼を適用することにより得られる。
【0049】
【表3】
【0050】
不完全酸化の場合、より短波長にシフトした発光体において、異なる又は追加の発光帯が得られる。これらは、同様に白色発光成分の製造に使用できる。
マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩発光体及びそれらの特性を、表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
本発明によれば、広帯橙色〜橙色−赤色発光帯を示すケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩からなる発光体を、カルシウム、及びさらにはマンガン付活が不要である場合及びマンガンの代わりにユーロピウムを付活剤として含有させる場合にはより小さいカチオンを含有する三元化合物を用いて調製できる。これらをLEDに使用すると、演色指数Ra>95を有する極めて高演色性が得られる。
【0053】
以下の反応式中に従って、対応の金属の酸化物及び炭酸塩から、N2/H2=9:1の還元雰囲気中温度1200℃〜1300℃で3〜5時間の固体反応をおこなうことにより、ユーロピウム(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を調製する:
CaCO3+SrCO3+SiO2+GeO2+Eu2O3→(Ca,Sr,Ba,Eu)2(Si,Ge)O4+2CO2
【0054】
得られる粗製発光体を、洗浄し、篩い分けする。得られた発光体は、斜方構造を有する。
【0055】
ユーロピウム(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩発光体及びそれらの発光特性を、表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
マンガン(IV)付活アルミン酸塩発光体:
アルミン酸塩がマグネトプランバイト構造又は他の六方構造を有する限り、単純スピネルから、赤色又は橙色発光系が効率的に得られる可能性がある。不完全酸化の場合、同様に、発光がより短い波長で生じる場合のLEDにおける放射線変換剤として使用できる発光体が形成される。
【0058】
表6に、いくつかのマンガン(IV)付活アルミン酸塩発光体及びそれらの発光特性を示す。
【0059】
【表6】
【0060】
ユーロピウム−マンガン二重付活発光体:
一次発光の長波長領域における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色を生じるマンガン(II)イオンの発光は、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤により増感する必要がある。すなわち、Eu発光は、青色〜青色−緑色スペクトル領域になければならない。LEDに従来使用されてこなかった以下の化合物を、本発明により合成した。これらの化合物の全ては、本発明により、選択される組成物に応じて、青色〜緑色成分として使用することもできる。
【0061】
ユーロピウムとマンガンで付活したホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩からなる発光体及びそれらの発光特性を、表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
本発明による発光体により、発光体混合物を得ることができる。これらの発光体混合物によれば、380nm〜780nmの範囲で8種以下の個々のスペクトルを重ね合わせることにより、可視光線の範囲で連続したスペクトルを有する白色LEDを製造できる。
【0064】
これによって、色温度が約10000K〜2000Kであり、演色指数Ra=99である昼光〜温白色光の全種の光が実現できる。
【0065】
本発明による発光体混合物を用いたいくつかの白色LEDの発光スペクトルを、第6図〜第12図に示す。
【0066】
(本発明に係る発光体の効果)
(1)本発明による発光体を白色発光構成要素の製造に使用することは、個々の成分の固有吸収を考慮しながら、発光体の個々の発光スペクトルを通常の紫外又は青色発光構成要素の一次スペクトルとを混合することを規定したことを基礎としている。青色又はUV発光構成要素に使用すると、本発明による発光体及びそれらの混合物により、非常に効率的に、自然光又は白熱ランプ光に近いスペクトルを有する質的に新規な白色光が得られる。このような白色発光照明要素は、好ましくは演色Iaが重要であるばかりでなく、見える感じが自然光、白熱ランプ光又はハロゲンランプ光下でのものに近い演色性も重要である場合に使用される。
【0067】
(2)LED又は他の一次発光要素において、紫外及び青色放射線を高演色性可視白色放射線に変換するために、本発明によれば、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用する。本発明による橙色成分及び赤色成分を用いた8種以下の発光体成分からなり、且つ色波長380nm〜780nmの広発光連続状態を示す発光体混合物も、紫外及び青色放射線を可視白色放射線に変換するのに適当である。
【0068】
(3)広帯橙色−赤色又は赤色スペクトル領域又は濃赤色のより狭いスペクトル領域に非常に好適である発光体に、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系、及びそれらから誘導された系、例えば、固有発光を示すか、マンガン(IV)又はチタン(IV)で付活したフルオロアンチモン酸塩がある。
【0069】
(4)Eu(II)からなる群から選択された増感剤及び二次付活剤としてのMn(II)を使用した系により、さらなる可能性が開ける。
【0070】
以下に、上記した発光体を用いた光デバイスを詳細に説明する。
【0071】
(第1の実施の形態)
第13図は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【0072】
この発光装置1は、LED素子をリードに搭載した波長変換型発光装置1であり、配線導体であるリード2および3と、リード2に設けられるLED素子収容用のカップ部4と、カップ部4の底部5に接着されたLED素子6と、LED素子6の図示しない電極とリード2および3とを電気的に接続するAuからなるワイヤ7と、LED素子6およびワイヤ7とともにカップ部4を封止する光透過性の封止樹脂8と、封止樹脂8に混合される発光体9と、光透過性を有してリード2および3とLED素子6とワイヤ7とを一体的に封止する砲弾形状の封止樹脂10とを有する。
【0073】
リード2および3は、熱伝導性および導電性に優れる銅又は銅合金によって形成されており、リード3に設けられるカップ部4は、カップ外部への光放射性を高めるために内壁の光出射側を拡大することによって傾斜を有している。
【0074】
LED素子6は、波長460nmの青色光を放射するGaN系LED素子であり、カップ部4の底部5に光反射性を有する接着材によって接着固定されている。
【0075】
封止樹脂8は、発光体9を混合されたシリコン樹脂であり、カップ部4にポッティング注入されることによってLED素子6を封止している。
【0076】
発光体9は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有し、それらの重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜赤味がかった黄色の夕方光色を有する2000Kの色温度を有する約380nm〜780nmの間の広い発光連続状態を形成する、8種以下の発光体成分の混合物から形成された発光成分を含むものを使用している。
【0077】
具体的には、封止樹脂8は、一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体9を混合されている。
【0078】
封止樹脂10は、エポキシ樹脂からなり、砲弾形状を形成するための型を用いたキャスティングモールド法によって光出射側に半球状の光学形状を有している。
【0079】
第14図は、LED素子6の層構成図である。LED素子6は、サファイア基板61と、サファイア基板61上に形成されるAlNバッファ層62と、AlNバッファ層62上に形成されるSiドープのn型GaNクラッド層(コンタクト層)63と、n型GaNクラッド層63の上に3層のInGaN井戸層64Aと2層のGaN障壁層64Bとを交互に配置して形成されるMQW64と、MQW64上に形成されるMgドープのp型GaNクラッド層65と、p型GaNクラッド層65上に形成されるMgドープのp型GaNコンタクト層66と、p型GaNコンタクト層66上に形成される透明電極67と、透明電極67上の所定の位置、例えば、素子側面寄りに形成されるパッド電極68と、エッチングによってp型GaNコンタクト層66、p型GaNクラッド層65、MQW64、及びn型GaNクラッド層63の一部を除去することにより露出したn型GaNクラッド層63に形成されるn側電極69とを有する。このLED素子6は発光層としてMQW64を有するダブルヘテロ構造を有しており、各層に適宜Alを含む構成とすることも可能である。
【0080】
次に、発光装置1の製造方法について説明する。
【0081】
まず、リードフレームとなる銅板をプレス加工によって打ち抜くことにより、リード2および3を有するリードフレームを形成する。また、リードフレームの形成時にカップ部4をリード3に形成する。次に、カップ部4内にLED素子6を接着材で接着固定する。次に、LED素子6のパッド電極68とリード2、およびn側電極69とリード3とをワイヤ7で電気的に接続する。次に、予め発光体9を混合したシリコン樹脂をカップ部4にポッティング注入することによってLED素子6を封止する。次に、樹脂成形用の型にLED素子6を封止されたリード2および3を挿入する。次に、型内にエポキシ樹脂を注入することによりリード2および3の周囲に砲弾形状の封止樹脂10を形成する。次に、リード2および3をリードフレームから切断する。
【0082】
次に、発光装置1の動作について説明する。
【0083】
リード2および3を図示しない電源装置に接続して通電することにより、LED素子6のMQW64において発光する。MQW64の発光に基づく光がLED素子6の外部に放射されることにより、発光体9に照射される。発光体9は、LED素子6の放射する光(以下「放射光」という」。)によって励起されて励起光を放射する。この放射光と励起光とが混合されることによって白色光がカップ部4の内部で生成される。この白色光は、カップ部4の内部から封止樹脂10を介して外部放射される。また一部の白色光は、カップ部4の傾斜した内壁で反射されて封止樹脂10を介して外部放射される。
【0084】
上記した第1の実施の形態の発光装置1によると、以下の効果が得られる。
【0085】
紫外又は青色発光領域の光に対して380nmから780nmにかけての発光連続状態を形成する発光体9を混入された封止樹脂8でカップ部4を封止するようにしたため、演色指数Ra>90を実現でき、白色光の演色性を高めることができる。
【0086】
白色光の演色性が向上することによって、LEDを光源に用いながら真正な演色が可能となり、生活空間、家具の照明、写真撮影、顕微鏡検査、医療現場における照明、ミュージアム等への照明に適する。また、極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術に適用することもできる。
【0087】
なお、第1の実施の形態では、発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体9を用いる構成を説明したが、他の発光体9として、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分を含む発光体9を混合されていても良い。
【0088】
また、LED素子6外部への光放射性を高めるものとして、MQW64に対してサファイア基板61側に光反射層を設けるようにしても良い。具体的には、サファイア基板61上に光反射層としてAl層を設けることができる。
【0089】
第15図は、LED素子6の他の構成を示す層構成図である。このLED素子6は、基板としてGaN基板70を用いるとともに、第14図で説明したAlNバッファ層を省いた構成としたものである。このようなGaN基板70上にGaN系半導体層を結晶成長させることによって形成されたLED素子6を用いることもできる。また、Si、SiC、AlGaN等の材料からなる基板を用いたLED素子6を光源として用いるようにしても良い。
【0090】
(第2の実施の形態)
第16図は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は縦断面図、(b)はLED素子の部分拡大図である。なお、第1の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0091】
この発光装置1は、光源としてフリップチップ型のLED素子11を用いており、第16図(a)に示すようにLED素子11とAuバンプ12Aおよび12Bを介して電気的に接合されるSiからなるサブマウント部13と、サブマウント部13をリード15Aのカップ部15aに電気的に接続する導電性接着材であるAgペースト14と、サブマウント部13とワイヤを介して電気的に接続されるリード15Bと、リード15Aに設けられる素子収容部15Cと、素子収容部15Cに設けられて傾斜を有した光反射面15bとを有する。
【0092】
LED素子11は、第16図(b)に示すように光透過性を有するサファイア基板110と、AlNバッファ層111と、n型GaNクラッド層112と、3層のInGaN井戸層と2層のGaN障壁層とを交互に配置して形成されるMQW113と、p型GaNクラッド層114と、p型GaNコンタクト層115と、エッチングによってp型GaNコンタクト層115、p型GaNクラッド層114、MQW113、及びn型GaNクラッド層112の一部を除去することにより露出したn型GaNクラッド層112に形成されるn側電極116と、p型GaNコンタクト層115上に形成されるp側電極117とを有し、基板側がカップ部15aの開口側に配置されるようにサブマウント部13に固定されている。
【0093】
サブマウント部13は、第16図(b)に示すようにn型半導体層134の表面に設けられるn側電極130と、n型半導体層134の一部に設けられるp型半導体層131と、p型半導体層131上に設けられるp側電極132と、n型半導体層134の底面側、すなわち、カップ部15aとの接合側に設けられるn側電極133とを有し、n側電極130はAuバンプ12Aを介してLED素子11のp側電極117と接続されている。また、p側電極132はAuバンプ12Bを介してLED素子11のn側電極116に接続されるとともにワイヤ7が接続されている。
【0094】
封止樹脂8は、第1の実施の形態で説明した発光体9が混合されており、LED素子11およびサブマウント部13を覆って封止するようにカップ部15aにポッティング注入されている。
【0095】
LED素子11をカップ部15a内に固定するには、まず、カップ部15aの底部15cにAgペースト14を塗布する。次に、サブマウント部13をAgペースト14でカップ部15a内に固定する。次に、Auバンプ12Aおよび12Bを介してLED素子11を搭載し、超音波接合を行ってLED素子11をサブマウント部13に接合する。次に、p側電極132とリード15Bとをワイヤで電気的に接続する。次に、LED素子11およびサブマウント部13を覆うように封止樹脂8をカップ部15aに注入して封止する。
【0096】
このようにしてカップ部15aが封止されたリード15Aおよび15Bに対し、封止樹脂10を砲弾形状にモールドする。
【0097】
上記した第2の実施の形態の発光装置1によると、第1の実施の形態の好ましい効果に加えてMQW113の発光に基づく光をサファイア基板側から放射させることができるため、光取り出し性が向上する。また、サブマウント部13に静電気に対する保護機能を付与することも可能であり、この場合には静電気によるLED素子11の破壊を防ぐこともできる。
【0098】
(第3の実施の形態)
第17図は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【0099】
この発光装置1は、砲弾形状の封止樹脂10の表面に第1および第2の実施の形態で説明した発光体9を含むエポキシ等の樹脂材料からなるキャップ状の発光体層18を設けており、カップ部15aを封止する封止樹脂8から発光体9を省いた構成としている。
【0100】
上記した第3の実施の形態の発光装置1によると、第1および第2の実施の形態の好ましい効果に加えて、LED素子11の周囲に発光体9が堆積することがないため、堆積した蛍光体の光吸収に伴う外部放射効率の低下を防止できる。このことによって封止樹脂10の表面に効率良く導かれた光を発光体層18で波長変換して外部放射させることができ、高輝度の波長変換型発光装置1が得られる。
【0101】
(第4の実施の形態)
第18図は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第3の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0102】
この発光装置1は、表面実装型の波長変換型発光装置1であり、LED素子11と、LED素子11から放射される光に基づいて励起される発光体層18を含む波長変換部19と、アクリル等の樹脂材料によって形成される本体20と、LED素子11を搭載するセラミック基板21とを有する。
【0103】
波長変換部19は、低融点ガラスからなる2枚のガラスシートの間に第1から第3の実施の形態で説明した発光体9からなる発光体層18を挟み込み、加熱処理を施すことで一体化したものである。具体的には、第1のガラスシートの一方の面に発光体9をスクリーン印刷し、これを150℃で加熱処理することによりバインダー成分を除去して薄膜化する。この薄膜化された発光体層18を挟み込むように第2のガラスシートを配置して加熱処理を行うことにより第1および第2のガラスシートを一体化する。
【0104】
本体20は、内部に光反射面15bを有し、LED素子11から放射された光を波長変換部19の方向に反射する光反射面15bを有し、光出射面と波長変換部19の表面とが同一面を形成するように形成されている。また、光反射面15bによって包囲される空間にはシリコン樹脂16が充填されている。
【0105】
セラミック基板21は、表面にLED素子11をAuバンプ12Aおよび12Bを介して接合するための銅箔パターンである配線層21Aおよび21Bを有し、配線層21Aおよび21Bはセラミック基板21の側面を介して外部回路との接合面である裏面にかけて設けられている。
【0106】
上記した第4の実施の形態の発光装置1によると、第1から第3の実施の形態の好ましい効果に加えて、発光体9からなる薄膜状の発光体層18をガラス封止しているため、蛍光体層18の耐水性、耐吸湿性が向上し、長期にわたって波長変換性の良好な発光装置1が得られる。
【0107】
また、発光体層18をスクリーン印刷および加熱処理に基づいて薄膜状に形成しているため、発光体層18による光吸収ロスを低減でき、高輝度の波長変換型発光装置1を実現できる。
【0108】
また、発光体層18の薄膜化によって発光体9の使用量を低減できるため、発光装置1のコストダウンを実現することができる。
【0109】
(第5の実施の形態)
第19図は、本発明の第5の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第4の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0110】
この発光装置1は、フリップチップ型(0.3×0.3mm)のLED素子11と、LED素子11を搭載するAlNからなるサブマウント部13と、サブマウント部13と接合されるリードフレーム22Aおよび22Bと、LED素子11およびサブマウント部13を封止するとともにLED素子11から放射される光を波長変換する低融点ガラスからなる波長変換部19と、波長変換部19とともにサブマウント部13、リードフレーム22Aおよび22Bとを一体的に封止する低融点ガラスからなるガラス封止部23とを有し、波長変換部19は、LED素子11から放射される光を配光制御する光学形状、すなわち、ドーム状を有するように形成されるとともにLED素子11と所定の間隔を隔てて配置された発光体層18を有している。
【0111】
サブマウント部13は、表面に銅箔による配線層21Aおよび21Bが形成されており、リードフレーム22Aおよび22Bに設けられる段部22aおよび22bに嵌合することによって配線層21Aおよび21Bがリードフレーム22Aおよび22Bに電気的に接続されている。
【0112】
波長変換部19は、第4の実施の形態で説明した第1および第2のガラスシートの間に発光体層18を挟み込んだものを加熱プレスすることによって光学形状を形成している。また、加熱プレス時に同時にガラス封止部23を形成する第3のガラスシートを加熱処理することによりリードフレーム22Aおよび22Bを一体的に封止している。発光体層18は、ガラスの熱処理に基づく変形に伴ってLED素子11との間にガラスシートの厚さに応じた間隔を有して配置される。
【0113】
上記した第5の実施の形態の発光装置1によると、第1から第4の実施の形態の好ましい効果に加えて、波長変換部19が光学形状を有しているため、LED素子11から放射される光と発光体層18で波長変換された光との混合された光を所望の範囲に放射させることができる。
【0114】
また、LED素子11がガラス封止されることによって耐水性、耐吸湿性が向上するため、多湿条件等の過酷な環境条件下でも長期にわたって安定した高輝度の波長変換型発光装置1が得られる。
【0115】
(第6の実施の形態)
第20図は、本発明の第6の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第5の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0116】
この発光装置1は、第5の実施の形態のリードフレーム22Aおよび22Bに代えて、両面に銅箔からなる配線層24A、24B、25A、および25Bを形成されたセラミック基板21を用いており、配線層24Aと25A、および配線層24Bと25Bとをスルーホール26で電気的に接続している。また、配線層24A、24Bには、Auバンプ12Aおよび12Bを介してフリップチップ型(1×1mm)のLED素子11が電気的に接続されている。
【0117】
配線層24Aおよび24Bは、波長変換部19を構成するガラス材が接着される面積より大なる面積を有するように形成されている。
【0118】
上記した第6の実施の形態の発光装置1によると、第1から第5の実施の形態の好ましい効果に加えて、波長変換部19がセラミック基板21の表面に設けられる銅箔からなる配線層24Aおよび24Bと接着されるため、ガラス材と銅箔との良好な接着性に基づいて波長変換部19と配線層24Aおよび24Bとの優れた接着性が得られる。このことにより、波長変換部19の剥離や発光装置1内部への吸湿を強固に防ぐことができ、信頼性に優れる波長変換型発光装置1が得られる。
【0119】
また、セラミック基板21を用いることによって、ベースとなる基板材料に一括的に形成された発光装置群をダイシングやスクライブ等の切断加工によって容易に切り出すことができるため、生産性に優れる波長変換型発光装置1が得られる。
【0120】
(第7の実施の形態)
第21図は、本発明の第7の実施の形態に係る光デバイスとしての液晶バックライト装置を示す断面図である。なお、第1から第6の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0121】
この液晶バックライト装置30は、光源であるLEDランプ31と、LEDランプから放射された光を導光する導光体32と、導光体32の表面に設けられてLEDランプ31から放射された光を波長変換する発光体層18と、波長変換光に基づいて背面から透過照明される液晶パネル35とを有する。
【0122】
LEDランプ31は、GaN系半導体層からなるLED素子の発光に基づく波長460nmの青色光を砲弾形状の樹脂封止部で集光して所定の照射範囲に放射する。
【0123】
導光体32は、LEDランプ31から入射する光を直角方向に反射する反射面32Aと、底面32Bと、反射面32Aで反射されて導光体32内を導光された光が入射する傾斜面32Cとを有し、底面32Bには光反射層33が設けられている。また、傾斜面32Cには、紫外又は青色発光領域の光に対して380nmから780nmにかけての発光連続状態を形成する発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体からなる発光体層18が薄膜状に設けられている。
【0124】
液晶パネル35は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板、液晶層、カラーフィルタ基板を積層して構成されており、導光体32から放射される光を透過させる光透過性を有する。
【0125】
この液晶バックライト装置30によると、LEDランプ31の放射光を導光体32を介して傾斜面32Cに導光し、傾斜面32Cに設けられる発光体層18でLEDランプ31の放射光を白色光に波長変換して液晶パネル35を透過照明する。
【0126】
上記した第7の実施の形態の液晶バックライト装置30によると、第1から第6の実施の形態で説明した好ましい効果に加えて、導光体32を介して導光された光を液晶バックライト装置30の背面側に設けられる発光体層18で波長変換して放射させるようにしたため、青色光を光源として良好な輝度が得られるとともに、演色性の良好な透過照明構造を実現でき、携帯電話や液晶表示部を有する機器の照明装置として、斬新な視覚性を付与することができる。
なお、第7の実施の形態では、LEDランプ31の放射光を反射面32Aで反射して導光体32を導光する構成としたが、反射面32Aを設けない構成とすることもできる。例えば、反射面32Aに代えて底面32Bと直角な光入射端面を形成し、導光体32に対する放射光の光入射方向と導光方向とが同一の方向となるようにすることができる。
【0127】
また、LEDランプ31として、青色光を放射するものの他に紫外光を放射するものを用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0128】
以上説明したように、本発明によれば、紫外及び青色放射線を高演色性可視白色放射線に変換するために、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用したため、青色又はUV発光構成要素において、非常に効率的に、自然光又は白熱ランプ光に近いスペクトルを有する質的に新規な白色光が得られる。
【0129】
また、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用したため、高い演色性を有する可視白色放射線を放射する光デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】第1図は、フルオロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルである。
【図2】第2図は、ピロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルである。
【図3】第3図は、Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn(IV)発光体の発光スペクトルである。
【図4】第4図は、チタン酸マグネシウム:Mn(IV)発光体の発光スペクトルである。
【図5】第5図は、Ca0.6Sr1.2Ba0.1Zn0.08Si0.95Ge0.05O4:0.02Eu発光体の発光スペクトルである。
【図6】第6図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度9700K、Ra=98)である。
【図7】第7図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度6500K、Ra=99)である。
【図8】第8図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度5400K、Ra=99)である。
【図9】第9図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度4100K、Ra=99)である。
【図10】第10図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度2870K、Ra=99)である。
【図11】第11図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度2250K、Ra=99)である。
【図12】第12図は、青色発光LEDと、色温度6500K、Ra=95である本発明による発光体混合物とを組み合わせた白色発光LEDの発光スペクトルである。
【図13】第13図は、第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図14】第14図は、第1の実施の形態に係るLED素子の層構成図である。
【図15】第15図は、第1の実施の形態に係るLED素子の他の構成を示す層構成図である。
【図16】第16図は、第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は縦断面図、(b)はLED素子の部分拡大図である。
【図17】第17図は、第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図18】第18図は、第4の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図19】第19図は、第5の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図20】第20図は、第6の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図21】第21図は、第7の実施の形態に係る光デバイスとしての液晶バックライト装置を示す断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体、さらに発光体混合物、及び紫外若しくは青色発光半導体要素又は気体放電ランプとして構成できる発光構成要素からの紫外及び青色放射線を実質的に自然光源又は白熱ランプからのものに等しい極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換することにおけるその使用、およびこれを用いた光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、ドイツ特許出願番号(DE10259946.7)に基づいており、このドイツ出願の全内容は、本出願において参照され導入される。
【0003】
米国特許第5998925号及び米国特許第6409938号は、白色発光半導体要素を開示している。この白色光は、主に青色発光半導体要素と、イットリウムアルミニウムガーネットからなる黄色発光発光体YAGを有する発光体コーティングとの組み合わせから生成される。これらの発明には、生成する白色光の演色性が不十分であり、従って、演色指数Raが<80でしかないという欠点がある。また、得られる色温度6000K超の白色光は、極めて冷光である。これは、特に、さらなる色成分がないことによるものである。5000K未満の色温度を有する白色光は、全く得ることができない。
【0004】
DE10026435A1は、YAGを発光体混合物に黄色発光成分として同時に使用すると、青色又は紫外一次放射線を緑色光に変換でき且つ演色指数Raを約81に増加できる発光体を記載している。
【0005】
DE10026435A1並びにWO00/33389及びWO00/33390は、青色発光帯と、緑色発光帯と、さらに赤色発光帯とを組み合わせることにより良質な白色光を生成するために、RGB原理を適用している。また、この原理により、赤色成分の代わりに黄色成分を用いて、演色指数Raが81〜87である白色発光半導体要素を製造することもできる。この場合、赤色成分の周波数範囲への寄与はスペクトルにおいては実質的に完全にない。
【0006】
米国特許第6084250号は、紫外一次放射線を基本とし、一定の発光体混合物を用いてRGB原理により最大90の演色指数Raを得ることができる白色LEDを記載している。この発光体混合物では、二価のユーロピウムにより付活されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩からなる青色発光発光体BAMの他に、主に硫化物又はEu(III)付活赤色発光線発光体が使用されている。
【0007】
同様に、米国特許第6084250号は、白色光を生成するための、青色成分と、緑色成分と、さらには狭帯赤色成分とを開示している。
【特許文献1】米国特許第5998925号
【特許文献2】米国特許第6409938号
【特許文献3】独国特許出願公開第10026435号
【特許文献4】国際公開第WO00/33389号パンフレット
【特許文献5】国際公開第WO00/33390号パンフレット
【特許文献6】米国特許第6084250号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの全ての教示事項には、テレビ技術及びさらに一般的な照明から公知であるRGB原理を用い且つ青色−緑色成分でスペクトルを補足するとき、必要な広帯域赤色成分及び他の発光成分が存在しないので、せいぜい89〜90の演色指数Raしか得ることができないという欠点がある。RGB原理及び約610nm〜625nmの領域で線構造を有する狭帯Eu(III)付活赤色成分を用いると、いずれかのより良い白色光を生成することは原則として不可能である。また、硫化物発光体は、必要な長期安定性を有しておらず、このような半導体要素の発光融剤が照明時間とともに急速に減少し、LEDの寿命を低下させることも、知られている。
【0009】
本発明の目的は、これらの全ての欠点を除去し、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において紫外及び青色放射線を白色光に変換する手段として使用するのに好適な発光体、及びそれらを主成分とする発光体混合物を提供することにある。発光体は、演色性において自然又は白熱ランプ光に近似している光を生成しなければならず、90超の演色指数RaのCRI標準による演色Iaが得られなければならない。
更に、本発明の目的は、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において紫外及び青色放射線を白色光に変換するとともに高い演色性を有する可視白色放射線を放射する光デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(A)本発明により、半導体要素又は気体放電ランプとして構成できる一次発光構成要素において、紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換する2つの方法が提供される。
1.橙色−赤色若しくは赤色スペクトル領域において広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域においてより狭い帯域の発光を示す発光体の使用、及び
2.これらの発光体を用いて製造し、約380〜780nmの広発光連続状態を示す、8種以下の発光体成分を用いた発光体混合物の使用。異なる発光帯の重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜黄色がかった赤色の夕方光色を有する2000Kの色温度のスペクトルを生成し、且つ同時に演色Iaを維持する。
【0011】
発光成分における紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに好適な発光体は、固体系からなり且つ固有発光を示すか、又はマンガン(IV)又はチタン(IV)で付活された赤色スペクトル領域用発光体である。
【0012】
紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換するさらなる手段が、Eu(II)からなる群から選択された増感剤及び二次付活剤としてMn(II)を使用した系により得られる。
【0013】
有用な広帯発光橙色、橙色−赤色及び赤色成分又は濃赤色スペクトル領域において発光する発光体系には:
アルカリ土類金属アンチモン酸塩、Mn(IV)により付活された発光体及びEu及びMnにより二重付活した発光体などが含まれる。
【0014】
上記発光体は、次の限定のいずれか若しくは組合せを有しても良い。
【0015】
1)本発明による好適なアルカリ土類金属アンチモン酸塩及びそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩は、固有発光を示し且つ一般式
MeIxMeIIySbaObXc
で表される。この式において、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良い。
【0016】
2)アンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、約100nm〜150nmの半高幅で約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域において広帯で発光する。
本発明によれば、発光体としてのアンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、
CaSb2O6、
Ca2Sb2O7、
(Ca,Sr)Sb2O6、
(Ca,Sr,Ba)2Sb2O7、
Ca2Sb2O6F、
Ca1.5Mg0.5Sb2O6F、
Ca2Sb2O6F0.5Cl0.5、
Ca1.8Mg0.2Sb2O7、
Ca1.95Li0.1Sb2O7、
Ca2(Sb1.95P0.05)O7、
Ca2Sb1.98Bi0.02O7、
Ca1.95Sr0.05Sb1.98Nb0.02O7、
Ca1.98Li0.02Sb1.98Si0.02O7、
Ca1.98K0.02Sb1.98Ge0.02O7、
Ca1.95Mg0.04Li0.01Sb1.99Ti0.01O7、
MgSb2O6、
MgSb2O6、
Sr1.9Zn0.1Sb2O7、
Ca1.96Eu0.04Sb2O7、
Ca0.97Eu0.03Sb2O6
である。
【0017】
3)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体は、マンガン(IV)で付活したアンチモン酸塩をも含む。これらの発光体は、約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す。
これらの発光体は、例えば、
CaSb2O6:0.01Mn、
Mg2Sb2O7:0.01Mn、
Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn、
Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn、
(Ca,Sr)Sb2O7:0.01Mn、
Ca2Sb2O6F:0.01Mn、
Ca2(Sb1.98Si0.02)O7:0.01Mn、
(Ca,Sr)Sb1.98Ge0.02O7:0.01Mn
である。
【0018】
4)紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するためのマンガン(IV)付活チタン酸塩からなる本発明の発光体は、一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
で表される。
式中、MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンである。
式中のXは、電荷を釣合わせるためのF及びClから選択されたイオンである。
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0<z≦0.5である。
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンである。
チタンは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている。
マンガン(IV)付活チタン酸塩からなる有用な発光体は:
Mg2TiO4、
MgZnTiO4、
Mg1.8Li0.4TiO4、
MgBeTiO4、
CaMgTiO4、
Sr1.8Li0.2TiO4、
Mg2Ti1.98Zr0.02O4、
MgZnTi0.98Si0.02O4
である。
【0019】
5)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価及び/若しくは三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択されたランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンである)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩からなる発光体も含まれる。
0≦w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48である。
Geは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、P、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い。
このような発光体は:
Ca2Si0.9Ge0.1O4:0.005Mn、
Mg2Si0.5Ge0.5O4:0.005Mn、
CaSrSi0.1Ge0.9O4:0.003Mn、
MgZnSiO4:0.003Mn、
MgSiO3:0.005Mn、
CaMgSi0.95Ge0.05O4:0.003Mn、
Mg28Ge9.45Si0.55O48:0.005Mn、
Mg28Ge9SiO48:0.005Mn、
Mg28Ge7.2Si0.3O38F10:0.003Mn、
Mg24Zn4Ge6.5SiO38F10:0.005Mn
である。
【0020】
6)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩も含まれる。
これらの発光体は、例えば、
Ca0.6Sr1.3Ba0.06Zn0.02Si0.9Ge0.1O4:0.02Eu、
Ca0.6Sr1.2Ba0.1Zn0.08Si0.95Ge0.05O4:0.02Eu、
Ca0.61Sr1.3Ba0.04Mg0.01Zn0.01Si0.97Ge0.03O4:0.03Eu、
Ca0.8Sr0.11Ba0.04Be0.01Li0.1Si0.99Ge0.01O4:0.03Eu、
Ca1.0Sr0.95Zn0.02Si0.95Ge0.05O4:0.03Eu、
Ca0.9Sr0.9Ba0.08Mg0.05Zn0.05Ge0.45Si0.55O4:0.02Eu、
Ca1.0Sr0.7Ba0.1Mg0.07Zn0.1Ge0.7Si0.3O4:0.03Eu、
Ca0.65Sr1.28Ba0.02Li0.04Ge0.8Si0.2O4:0.03Eu、
Ca1.2Sr0.7Ba0.03Be0.05Ge0.05Si0.99O4:0.02Eu
である。
【0021】
7)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩も含まれる。
式中、MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンである。
MeIIは、一種以上の一価のカチオンである。
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5である。
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い。
このような発光体は:
MgAl2O4、
CaAl12O19、
SrAl12O19、
MgAl12O19、
BeAl12O19、
SrAl2O4、
Sr0.5Mg0.5Al2O4、
Sr4Al14O25、
Mg2Al10O17、
SrMgAl10O17、
Sr2MgAl16O27、
2SrO・3Al2O3,BaO・4Al2O3及びMgGa2O4
である。
【0022】
8)本発明によれば、紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するのに有用な発光体には、ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含む発光体も含まれる。このユーロピウム−マンガン二重付活発光体において、一次発光の長波長領域における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じる。
これらは、ホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩からなり、ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mnで表される発光体である。
式中、MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンである。
Xは、Cl、F、Brである。
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0≦m≦16であり、
0<n≦24であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく、また一部分がV、Nb、Ta、Ge、W及びMoにより置換わっていて良い。
使用されるこのような発光体は、例えば、
SrBaP2O7:Eu,Mn、
Sr2P1.68B0.32O7.84:Eu,Mn、
Sr4Si3O8Cl4:Eu,Mn、
Ba3Mg(Si,P,Ge)2O8:Eu,Mn、
(Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu,Mn、
Sr10(PO4)6Cl2:Eu,Mn、
(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu,Mn、
Ca3(PO4)2CaCl2:Eu,Mn、
Ba1.3Sr0.75Ca0.75Mg0.9Zn0.1Si1.9Ge0.1O8:Eu,Mn、
Ba2.8MgSi1.8Ge0.2O8:Eu,Mn、
Sr2ZnSi1.6Ge0.4O7:Eu,Mn、
Ba2Zn0.5Mg0.5Ge1.2Si0.8O7:Eu,Mn、
Ba3MgSi0.5Ge0.5O8:Eu,Mn、
BaZrO3:Eu,Mn、
Ba3P2O8:Eu,Mn、
α−Ca2P2O7:Eu,Mn、
Ba5Ca3Si4O16:Eu,Mn、
Ba3SiO5:Eu,Mn
である。
【0023】
9)新規な発光体又は異なる発光帯を有する複数の新規な発光体を、発光要素の紫外又は青色発光を演色1a及び演色指数Ra>90を有する可視白色放射線に変換するための混合物における成分として、従って、白色発光LEDの製造において使用することにより、これらのLEDを、本発明により背景照明装置として使用することもでき、また、生活空間及び家具の照明、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアム、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術にも使用できる。
【0024】
(B)本発明の他の側面により、
LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射する発光体を含む波長変換部を有する光デバイスにおいて、
前記波長変換部は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含むことを特徴とする光デバイスが提供される。
【0025】
(C)本発明の他の側面により、
LED素子と、
前記LED素子を搭載するとともに前記LED素子に給電するための給電部と、
前記LED素子と前記給電部とを一体的に封止する光透過性を有する封止部と、
前記LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部を有することを特徴とする光デバイスが提供される。
【0026】
(D)本発明の他の側面により、
LEDランプと、
前記LEDランプから放射される光を導光する導光部と、
前記導光部を介して導光された光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部と、
前記波長変換部を介して放射される光に基づいて照明される被照明部とを有することを特徴とする光デバイスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明に係る発光体およびこれを用いた光デバイスについて、図面等を参照して詳細に説明する。
【0028】
まず、LED又は他の一次発光要素において紫外及び青色放射線を高演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体の調製について、説明する:
アルカリ土類金属アンチモン酸塩
アルカリ土類金属アンチモン酸塩は、熱分解により金属酸化物を形成する酸化物、炭酸塩又は他の化合物、及び適切な金属のハロゲン化物から調製される。
【0029】
また、他のアンチモン酸塩発光体の代表例として、カチオンとしてカルシウムを有する塩基性化合物であるメタアンチモン酸カルシウム、ピロアンチモン酸カルシウム及びフルオロアンチモン酸カルシウムの調製を説明する。
【0030】
メタアンチモン酸カルシウムCaSb2O6を、四酸化アンチモン及び炭酸カルシウムから、空気又は窒素50%、酸素50%からなる酸化性雰囲気下、2段階でか焼することにより調製する。2段階か焼は、化学量論量の原料混合物を985℃で1時間か焼した後、均質化中間体を1200℃で8時間か焼することによりおこなわれる。この反応は、下式に従って進行する:
Sb2O4+CaCO3+1/2O2→CaSb2O6+CO2
【0031】
その後、得られた生成物を、粉砕し、洗浄して未転化酸化物を溶解除去する。乾燥及び篩いわけ後の発光体は、わずかに黄色がかった色をしている。
【0032】
上記反応式による炭酸カルシウムの量を二倍にする以外は、同条件下で、ピロアンチモン酸カルシウムCa2Sb2O7を合成する。
【0033】
第一のか焼を975℃で実施し、第二のか焼を1175℃で実施する以外は、同様の方法でフルオロアンチモン酸カルシウムCa2Sb2O6F2を合成する。反応式を簡略化したものを、以下に示す:
2Sb2O4+3CaCO3+CaF2+1/2O2→2Ca2Sb2O6F+3CO2
【0034】
その後、メタアンチモン酸カルシウム及びピロアンチモン酸カルシウムが斜方格子で結晶化し、一方、フルオロアンチモン酸カルシウムは、AIA(JECS110(1963)1048と一致した変形したパイロクロア構造を有する。
【0035】
合成されたアンチモン酸塩及びフルオロアンチモン酸塩は、半高幅約100nm〜150nmで約620nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域内の広帯発光を示す。
【0036】
第1図は、フルオロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルを示す。第2図は、ピロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルを再現したものである。
【0037】
基本的には、アンチモンの一部分は、他の5価の元素、例えば、V、Nb、Ta、P、As及びBiにより問題なく交換されることができ、反応条件は変更しないでそのままである。当該元素を、それらの酸化物の形態か、又は熱分解により酸化物を形成する化合物の形態で添加する。
【0038】
4価の酸形成剤、例えば、Ti、Zr、Hf、Si、Geを含有させる場合、1価の金属イオンを同時に添加することにより、電荷バランスがなされ、Mo及びWを含有させる場合、3価のカチオンを添加するのが有利なことがある。
【0039】
また、3価のカチオンを使用する場合、1価の金属イオン又は追加のハロゲン原子による電荷バランスがあることに注意しなければならない。
【0040】
表1に、アンチモン酸塩発光体の発光特性を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
付活剤としてマンガン(IV)を有する発光体:
赤色発光Mn(IV)付活発光体系は、同様に白色LEDにおける本発明による用途並びに背景照明装置において、生活空間及び家具の照明において、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアムにおける照明技術、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所にも好適である。
【0043】
調製及び式が既に説明されたマトリックスとしてのアンチモン酸塩の他に、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩からなる赤色発光Mn(IV)付活発光体系も、紫外又は青色発光を極めて高演色性を有する可視白色放射線に変換するのに好適である。
【0044】
全てのマンガン(IV)付活発光体を調製したら、原料、例えば、酸化物、炭酸塩及びハロゲン化物、さらには酸化マンガン(IV)を混合し、続いて空気中又は酸素中1200℃を超える高温で数時間か焼する。中間体を完全に均質化した後に二次か焼プロセスに附することにより、得られる生成物の品質が高まり、全てが黄色がかった白色〜黄色がかった緑色を有し、すなわち、長波長UV放射線又は青色光を吸収する。さらなるプロセス、例えば、か焼ケーキの粉砕、洗浄及び篩い分けを、既存の発光体の調製と同様に実施する。
【0045】
全てのマンガン(IV)付活発光体は、約620nm〜700nmの赤色スペクトル領域に発光帯を示すか、約650〜660nmの狭い構造化発光を示す。
【0046】
表2に、いくつかの選択された発光体の例を用いたマンガン(IV)付活アンチモン酸塩の発光特性を示す。
【0047】
【表2】
【0048】
マンガン(IV)付活チタン酸塩の発光体を、表3に示す。発光体の発光値は、完全酸化性か焼を適用することにより得られる。
【0049】
【表3】
【0050】
不完全酸化の場合、より短波長にシフトした発光体において、異なる又は追加の発光帯が得られる。これらは、同様に白色発光成分の製造に使用できる。
マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩発光体及びそれらの特性を、表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
本発明によれば、広帯橙色〜橙色−赤色発光帯を示すケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩からなる発光体を、カルシウム、及びさらにはマンガン付活が不要である場合及びマンガンの代わりにユーロピウムを付活剤として含有させる場合にはより小さいカチオンを含有する三元化合物を用いて調製できる。これらをLEDに使用すると、演色指数Ra>95を有する極めて高演色性が得られる。
【0053】
以下の反応式中に従って、対応の金属の酸化物及び炭酸塩から、N2/H2=9:1の還元雰囲気中温度1200℃〜1300℃で3〜5時間の固体反応をおこなうことにより、ユーロピウム(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を調製する:
CaCO3+SrCO3+SiO2+GeO2+Eu2O3→(Ca,Sr,Ba,Eu)2(Si,Ge)O4+2CO2
【0054】
得られる粗製発光体を、洗浄し、篩い分けする。得られた発光体は、斜方構造を有する。
【0055】
ユーロピウム(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩発光体及びそれらの発光特性を、表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
マンガン(IV)付活アルミン酸塩発光体:
アルミン酸塩がマグネトプランバイト構造又は他の六方構造を有する限り、単純スピネルから、赤色又は橙色発光系が効率的に得られる可能性がある。不完全酸化の場合、同様に、発光がより短い波長で生じる場合のLEDにおける放射線変換剤として使用できる発光体が形成される。
【0058】
表6に、いくつかのマンガン(IV)付活アルミン酸塩発光体及びそれらの発光特性を示す。
【0059】
【表6】
【0060】
ユーロピウム−マンガン二重付活発光体:
一次発光の長波長領域における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色を生じるマンガン(II)イオンの発光は、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤により増感する必要がある。すなわち、Eu発光は、青色〜青色−緑色スペクトル領域になければならない。LEDに従来使用されてこなかった以下の化合物を、本発明により合成した。これらの化合物の全ては、本発明により、選択される組成物に応じて、青色〜緑色成分として使用することもできる。
【0061】
ユーロピウムとマンガンで付活したホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩からなる発光体及びそれらの発光特性を、表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
本発明による発光体により、発光体混合物を得ることができる。これらの発光体混合物によれば、380nm〜780nmの範囲で8種以下の個々のスペクトルを重ね合わせることにより、可視光線の範囲で連続したスペクトルを有する白色LEDを製造できる。
【0064】
これによって、色温度が約10000K〜2000Kであり、演色指数Ra=99である昼光〜温白色光の全種の光が実現できる。
【0065】
本発明による発光体混合物を用いたいくつかの白色LEDの発光スペクトルを、第6図〜第12図に示す。
【0066】
(本発明に係る発光体の効果)
(1)本発明による発光体を白色発光構成要素の製造に使用することは、個々の成分の固有吸収を考慮しながら、発光体の個々の発光スペクトルを通常の紫外又は青色発光構成要素の一次スペクトルとを混合することを規定したことを基礎としている。青色又はUV発光構成要素に使用すると、本発明による発光体及びそれらの混合物により、非常に効率的に、自然光又は白熱ランプ光に近いスペクトルを有する質的に新規な白色光が得られる。このような白色発光照明要素は、好ましくは演色Iaが重要であるばかりでなく、見える感じが自然光、白熱ランプ光又はハロゲンランプ光下でのものに近い演色性も重要である場合に使用される。
【0067】
(2)LED又は他の一次発光要素において、紫外及び青色放射線を高演色性可視白色放射線に変換するために、本発明によれば、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用する。本発明による橙色成分及び赤色成分を用いた8種以下の発光体成分からなり、且つ色波長380nm〜780nmの広発光連続状態を示す発光体混合物も、紫外及び青色放射線を可視白色放射線に変換するのに適当である。
【0068】
(3)広帯橙色−赤色又は赤色スペクトル領域又は濃赤色のより狭いスペクトル領域に非常に好適である発光体に、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系、及びそれらから誘導された系、例えば、固有発光を示すか、マンガン(IV)又はチタン(IV)で付活したフルオロアンチモン酸塩がある。
【0069】
(4)Eu(II)からなる群から選択された増感剤及び二次付活剤としてのMn(II)を使用した系により、さらなる可能性が開ける。
【0070】
以下に、上記した発光体を用いた光デバイスを詳細に説明する。
【0071】
(第1の実施の形態)
第13図は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【0072】
この発光装置1は、LED素子をリードに搭載した波長変換型発光装置1であり、配線導体であるリード2および3と、リード2に設けられるLED素子収容用のカップ部4と、カップ部4の底部5に接着されたLED素子6と、LED素子6の図示しない電極とリード2および3とを電気的に接続するAuからなるワイヤ7と、LED素子6およびワイヤ7とともにカップ部4を封止する光透過性の封止樹脂8と、封止樹脂8に混合される発光体9と、光透過性を有してリード2および3とLED素子6とワイヤ7とを一体的に封止する砲弾形状の封止樹脂10とを有する。
【0073】
リード2および3は、熱伝導性および導電性に優れる銅又は銅合金によって形成されており、リード3に設けられるカップ部4は、カップ外部への光放射性を高めるために内壁の光出射側を拡大することによって傾斜を有している。
【0074】
LED素子6は、波長460nmの青色光を放射するGaN系LED素子であり、カップ部4の底部5に光反射性を有する接着材によって接着固定されている。
【0075】
封止樹脂8は、発光体9を混合されたシリコン樹脂であり、カップ部4にポッティング注入されることによってLED素子6を封止している。
【0076】
発光体9は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有し、それらの重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜赤味がかった黄色の夕方光色を有する2000Kの色温度を有する約380nm〜780nmの間の広い発光連続状態を形成する、8種以下の発光体成分の混合物から形成された発光成分を含むものを使用している。
【0077】
具体的には、封止樹脂8は、一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体9を混合されている。
【0078】
封止樹脂10は、エポキシ樹脂からなり、砲弾形状を形成するための型を用いたキャスティングモールド法によって光出射側に半球状の光学形状を有している。
【0079】
第14図は、LED素子6の層構成図である。LED素子6は、サファイア基板61と、サファイア基板61上に形成されるAlNバッファ層62と、AlNバッファ層62上に形成されるSiドープのn型GaNクラッド層(コンタクト層)63と、n型GaNクラッド層63の上に3層のInGaN井戸層64Aと2層のGaN障壁層64Bとを交互に配置して形成されるMQW64と、MQW64上に形成されるMgドープのp型GaNクラッド層65と、p型GaNクラッド層65上に形成されるMgドープのp型GaNコンタクト層66と、p型GaNコンタクト層66上に形成される透明電極67と、透明電極67上の所定の位置、例えば、素子側面寄りに形成されるパッド電極68と、エッチングによってp型GaNコンタクト層66、p型GaNクラッド層65、MQW64、及びn型GaNクラッド層63の一部を除去することにより露出したn型GaNクラッド層63に形成されるn側電極69とを有する。このLED素子6は発光層としてMQW64を有するダブルヘテロ構造を有しており、各層に適宜Alを含む構成とすることも可能である。
【0080】
次に、発光装置1の製造方法について説明する。
【0081】
まず、リードフレームとなる銅板をプレス加工によって打ち抜くことにより、リード2および3を有するリードフレームを形成する。また、リードフレームの形成時にカップ部4をリード3に形成する。次に、カップ部4内にLED素子6を接着材で接着固定する。次に、LED素子6のパッド電極68とリード2、およびn側電極69とリード3とをワイヤ7で電気的に接続する。次に、予め発光体9を混合したシリコン樹脂をカップ部4にポッティング注入することによってLED素子6を封止する。次に、樹脂成形用の型にLED素子6を封止されたリード2および3を挿入する。次に、型内にエポキシ樹脂を注入することによりリード2および3の周囲に砲弾形状の封止樹脂10を形成する。次に、リード2および3をリードフレームから切断する。
【0082】
次に、発光装置1の動作について説明する。
【0083】
リード2および3を図示しない電源装置に接続して通電することにより、LED素子6のMQW64において発光する。MQW64の発光に基づく光がLED素子6の外部に放射されることにより、発光体9に照射される。発光体9は、LED素子6の放射する光(以下「放射光」という」。)によって励起されて励起光を放射する。この放射光と励起光とが混合されることによって白色光がカップ部4の内部で生成される。この白色光は、カップ部4の内部から封止樹脂10を介して外部放射される。また一部の白色光は、カップ部4の傾斜した内壁で反射されて封止樹脂10を介して外部放射される。
【0084】
上記した第1の実施の形態の発光装置1によると、以下の効果が得られる。
【0085】
紫外又は青色発光領域の光に対して380nmから780nmにかけての発光連続状態を形成する発光体9を混入された封止樹脂8でカップ部4を封止するようにしたため、演色指数Ra>90を実現でき、白色光の演色性を高めることができる。
【0086】
白色光の演色性が向上することによって、LEDを光源に用いながら真正な演色が可能となり、生活空間、家具の照明、写真撮影、顕微鏡検査、医療現場における照明、ミュージアム等への照明に適する。また、極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術に適用することもできる。
【0087】
なお、第1の実施の形態では、発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体9を用いる構成を説明したが、他の発光体9として、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分を含む発光体9を混合されていても良い。
【0088】
また、LED素子6外部への光放射性を高めるものとして、MQW64に対してサファイア基板61側に光反射層を設けるようにしても良い。具体的には、サファイア基板61上に光反射層としてAl層を設けることができる。
【0089】
第15図は、LED素子6の他の構成を示す層構成図である。このLED素子6は、基板としてGaN基板70を用いるとともに、第14図で説明したAlNバッファ層を省いた構成としたものである。このようなGaN基板70上にGaN系半導体層を結晶成長させることによって形成されたLED素子6を用いることもできる。また、Si、SiC、AlGaN等の材料からなる基板を用いたLED素子6を光源として用いるようにしても良い。
【0090】
(第2の実施の形態)
第16図は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は縦断面図、(b)はLED素子の部分拡大図である。なお、第1の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0091】
この発光装置1は、光源としてフリップチップ型のLED素子11を用いており、第16図(a)に示すようにLED素子11とAuバンプ12Aおよび12Bを介して電気的に接合されるSiからなるサブマウント部13と、サブマウント部13をリード15Aのカップ部15aに電気的に接続する導電性接着材であるAgペースト14と、サブマウント部13とワイヤを介して電気的に接続されるリード15Bと、リード15Aに設けられる素子収容部15Cと、素子収容部15Cに設けられて傾斜を有した光反射面15bとを有する。
【0092】
LED素子11は、第16図(b)に示すように光透過性を有するサファイア基板110と、AlNバッファ層111と、n型GaNクラッド層112と、3層のInGaN井戸層と2層のGaN障壁層とを交互に配置して形成されるMQW113と、p型GaNクラッド層114と、p型GaNコンタクト層115と、エッチングによってp型GaNコンタクト層115、p型GaNクラッド層114、MQW113、及びn型GaNクラッド層112の一部を除去することにより露出したn型GaNクラッド層112に形成されるn側電極116と、p型GaNコンタクト層115上に形成されるp側電極117とを有し、基板側がカップ部15aの開口側に配置されるようにサブマウント部13に固定されている。
【0093】
サブマウント部13は、第16図(b)に示すようにn型半導体層134の表面に設けられるn側電極130と、n型半導体層134の一部に設けられるp型半導体層131と、p型半導体層131上に設けられるp側電極132と、n型半導体層134の底面側、すなわち、カップ部15aとの接合側に設けられるn側電極133とを有し、n側電極130はAuバンプ12Aを介してLED素子11のp側電極117と接続されている。また、p側電極132はAuバンプ12Bを介してLED素子11のn側電極116に接続されるとともにワイヤ7が接続されている。
【0094】
封止樹脂8は、第1の実施の形態で説明した発光体9が混合されており、LED素子11およびサブマウント部13を覆って封止するようにカップ部15aにポッティング注入されている。
【0095】
LED素子11をカップ部15a内に固定するには、まず、カップ部15aの底部15cにAgペースト14を塗布する。次に、サブマウント部13をAgペースト14でカップ部15a内に固定する。次に、Auバンプ12Aおよび12Bを介してLED素子11を搭載し、超音波接合を行ってLED素子11をサブマウント部13に接合する。次に、p側電極132とリード15Bとをワイヤで電気的に接続する。次に、LED素子11およびサブマウント部13を覆うように封止樹脂8をカップ部15aに注入して封止する。
【0096】
このようにしてカップ部15aが封止されたリード15Aおよび15Bに対し、封止樹脂10を砲弾形状にモールドする。
【0097】
上記した第2の実施の形態の発光装置1によると、第1の実施の形態の好ましい効果に加えてMQW113の発光に基づく光をサファイア基板側から放射させることができるため、光取り出し性が向上する。また、サブマウント部13に静電気に対する保護機能を付与することも可能であり、この場合には静電気によるLED素子11の破壊を防ぐこともできる。
【0098】
(第3の実施の形態)
第17図は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【0099】
この発光装置1は、砲弾形状の封止樹脂10の表面に第1および第2の実施の形態で説明した発光体9を含むエポキシ等の樹脂材料からなるキャップ状の発光体層18を設けており、カップ部15aを封止する封止樹脂8から発光体9を省いた構成としている。
【0100】
上記した第3の実施の形態の発光装置1によると、第1および第2の実施の形態の好ましい効果に加えて、LED素子11の周囲に発光体9が堆積することがないため、堆積した蛍光体の光吸収に伴う外部放射効率の低下を防止できる。このことによって封止樹脂10の表面に効率良く導かれた光を発光体層18で波長変換して外部放射させることができ、高輝度の波長変換型発光装置1が得られる。
【0101】
(第4の実施の形態)
第18図は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第3の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0102】
この発光装置1は、表面実装型の波長変換型発光装置1であり、LED素子11と、LED素子11から放射される光に基づいて励起される発光体層18を含む波長変換部19と、アクリル等の樹脂材料によって形成される本体20と、LED素子11を搭載するセラミック基板21とを有する。
【0103】
波長変換部19は、低融点ガラスからなる2枚のガラスシートの間に第1から第3の実施の形態で説明した発光体9からなる発光体層18を挟み込み、加熱処理を施すことで一体化したものである。具体的には、第1のガラスシートの一方の面に発光体9をスクリーン印刷し、これを150℃で加熱処理することによりバインダー成分を除去して薄膜化する。この薄膜化された発光体層18を挟み込むように第2のガラスシートを配置して加熱処理を行うことにより第1および第2のガラスシートを一体化する。
【0104】
本体20は、内部に光反射面15bを有し、LED素子11から放射された光を波長変換部19の方向に反射する光反射面15bを有し、光出射面と波長変換部19の表面とが同一面を形成するように形成されている。また、光反射面15bによって包囲される空間にはシリコン樹脂16が充填されている。
【0105】
セラミック基板21は、表面にLED素子11をAuバンプ12Aおよび12Bを介して接合するための銅箔パターンである配線層21Aおよび21Bを有し、配線層21Aおよび21Bはセラミック基板21の側面を介して外部回路との接合面である裏面にかけて設けられている。
【0106】
上記した第4の実施の形態の発光装置1によると、第1から第3の実施の形態の好ましい効果に加えて、発光体9からなる薄膜状の発光体層18をガラス封止しているため、蛍光体層18の耐水性、耐吸湿性が向上し、長期にわたって波長変換性の良好な発光装置1が得られる。
【0107】
また、発光体層18をスクリーン印刷および加熱処理に基づいて薄膜状に形成しているため、発光体層18による光吸収ロスを低減でき、高輝度の波長変換型発光装置1を実現できる。
【0108】
また、発光体層18の薄膜化によって発光体9の使用量を低減できるため、発光装置1のコストダウンを実現することができる。
【0109】
(第5の実施の形態)
第19図は、本発明の第5の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第4の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0110】
この発光装置1は、フリップチップ型(0.3×0.3mm)のLED素子11と、LED素子11を搭載するAlNからなるサブマウント部13と、サブマウント部13と接合されるリードフレーム22Aおよび22Bと、LED素子11およびサブマウント部13を封止するとともにLED素子11から放射される光を波長変換する低融点ガラスからなる波長変換部19と、波長変換部19とともにサブマウント部13、リードフレーム22Aおよび22Bとを一体的に封止する低融点ガラスからなるガラス封止部23とを有し、波長変換部19は、LED素子11から放射される光を配光制御する光学形状、すなわち、ドーム状を有するように形成されるとともにLED素子11と所定の間隔を隔てて配置された発光体層18を有している。
【0111】
サブマウント部13は、表面に銅箔による配線層21Aおよび21Bが形成されており、リードフレーム22Aおよび22Bに設けられる段部22aおよび22bに嵌合することによって配線層21Aおよび21Bがリードフレーム22Aおよび22Bに電気的に接続されている。
【0112】
波長変換部19は、第4の実施の形態で説明した第1および第2のガラスシートの間に発光体層18を挟み込んだものを加熱プレスすることによって光学形状を形成している。また、加熱プレス時に同時にガラス封止部23を形成する第3のガラスシートを加熱処理することによりリードフレーム22Aおよび22Bを一体的に封止している。発光体層18は、ガラスの熱処理に基づく変形に伴ってLED素子11との間にガラスシートの厚さに応じた間隔を有して配置される。
【0113】
上記した第5の実施の形態の発光装置1によると、第1から第4の実施の形態の好ましい効果に加えて、波長変換部19が光学形状を有しているため、LED素子11から放射される光と発光体層18で波長変換された光との混合された光を所望の範囲に放射させることができる。
【0114】
また、LED素子11がガラス封止されることによって耐水性、耐吸湿性が向上するため、多湿条件等の過酷な環境条件下でも長期にわたって安定した高輝度の波長変換型発光装置1が得られる。
【0115】
(第6の実施の形態)
第20図は、本発明の第6の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。なお、第1から第5の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0116】
この発光装置1は、第5の実施の形態のリードフレーム22Aおよび22Bに代えて、両面に銅箔からなる配線層24A、24B、25A、および25Bを形成されたセラミック基板21を用いており、配線層24Aと25A、および配線層24Bと25Bとをスルーホール26で電気的に接続している。また、配線層24A、24Bには、Auバンプ12Aおよび12Bを介してフリップチップ型(1×1mm)のLED素子11が電気的に接続されている。
【0117】
配線層24Aおよび24Bは、波長変換部19を構成するガラス材が接着される面積より大なる面積を有するように形成されている。
【0118】
上記した第6の実施の形態の発光装置1によると、第1から第5の実施の形態の好ましい効果に加えて、波長変換部19がセラミック基板21の表面に設けられる銅箔からなる配線層24Aおよび24Bと接着されるため、ガラス材と銅箔との良好な接着性に基づいて波長変換部19と配線層24Aおよび24Bとの優れた接着性が得られる。このことにより、波長変換部19の剥離や発光装置1内部への吸湿を強固に防ぐことができ、信頼性に優れる波長変換型発光装置1が得られる。
【0119】
また、セラミック基板21を用いることによって、ベースとなる基板材料に一括的に形成された発光装置群をダイシングやスクライブ等の切断加工によって容易に切り出すことができるため、生産性に優れる波長変換型発光装置1が得られる。
【0120】
(第7の実施の形態)
第21図は、本発明の第7の実施の形態に係る光デバイスとしての液晶バックライト装置を示す断面図である。なお、第1から第6の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付している。
【0121】
この液晶バックライト装置30は、光源であるLEDランプ31と、LEDランプから放射された光を導光する導光体32と、導光体32の表面に設けられてLEDランプ31から放射された光を波長変換する発光体層18と、波長変換光に基づいて背面から透過照明される液晶パネル35とを有する。
【0122】
LEDランプ31は、GaN系半導体層からなるLED素子の発光に基づく波長460nmの青色光を砲弾形状の樹脂封止部で集光して所定の照射範囲に放射する。
【0123】
導光体32は、LEDランプ31から入射する光を直角方向に反射する反射面32Aと、底面32Bと、反射面32Aで反射されて導光体32内を導光された光が入射する傾斜面32Cとを有し、底面32Bには光反射層33が設けられている。また、傾斜面32Cには、紫外又は青色発光領域の光に対して380nmから780nmにかけての発光連続状態を形成する発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体からなる発光体層18が薄膜状に設けられている。
【0124】
液晶パネル35は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)基板、液晶層、カラーフィルタ基板を積層して構成されており、導光体32から放射される光を透過させる光透過性を有する。
【0125】
この液晶バックライト装置30によると、LEDランプ31の放射光を導光体32を介して傾斜面32Cに導光し、傾斜面32Cに設けられる発光体層18でLEDランプ31の放射光を白色光に波長変換して液晶パネル35を透過照明する。
【0126】
上記した第7の実施の形態の液晶バックライト装置30によると、第1から第6の実施の形態で説明した好ましい効果に加えて、導光体32を介して導光された光を液晶バックライト装置30の背面側に設けられる発光体層18で波長変換して放射させるようにしたため、青色光を光源として良好な輝度が得られるとともに、演色性の良好な透過照明構造を実現でき、携帯電話や液晶表示部を有する機器の照明装置として、斬新な視覚性を付与することができる。
なお、第7の実施の形態では、LEDランプ31の放射光を反射面32Aで反射して導光体32を導光する構成としたが、反射面32Aを設けない構成とすることもできる。例えば、反射面32Aに代えて底面32Bと直角な光入射端面を形成し、導光体32に対する放射光の光入射方向と導光方向とが同一の方向となるようにすることができる。
【0127】
また、LEDランプ31として、青色光を放射するものの他に紫外光を放射するものを用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0128】
以上説明したように、本発明によれば、紫外及び青色放射線を高演色性可視白色放射線に変換するために、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用したため、青色又はUV発光構成要素において、非常に効率的に、自然光又は白熱ランプ光に近いスペクトルを有する質的に新規な白色光が得られる。
【0129】
また、300nm〜500nmで発光を示す一次発光要素において、橙色−赤色又は赤色スペクトル領域における広帯発光又は650nm超の濃赤色スペクトル領域におけるより狭い帯域の発光を示す発光体を使用したため、高い演色性を有する可視白色放射線を放射する光デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】第1図は、フルオロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルである。
【図2】第2図は、ピロアンチモン酸カルシウム発光体の発光スペクトルである。
【図3】第3図は、Mg1.8Li0.4Sb2O6:0.01Mn(IV)発光体の発光スペクトルである。
【図4】第4図は、チタン酸マグネシウム:Mn(IV)発光体の発光スペクトルである。
【図5】第5図は、Ca0.6Sr1.2Ba0.1Zn0.08Si0.95Ge0.05O4:0.02Eu発光体の発光スペクトルである。
【図6】第6図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度9700K、Ra=98)である。
【図7】第7図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度6500K、Ra=99)である。
【図8】第8図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度5400K、Ra=99)である。
【図9】第9図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度4100K、Ra=99)である。
【図10】第10図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度2870K、Ra=99)である。
【図11】第11図は、UVA発光一次要素との組み合わせにおける発光体混合物の発光スペクトル(色温度2250K、Ra=99)である。
【図12】第12図は、青色発光LEDと、色温度6500K、Ra=95である本発明による発光体混合物とを組み合わせた白色発光LEDの発光スペクトルである。
【図13】第13図は、第1の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図14】第14図は、第1の実施の形態に係るLED素子の層構成図である。
【図15】第15図は、第1の実施の形態に係るLED素子の他の構成を示す層構成図である。
【図16】第16図は、第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は縦断面図、(b)はLED素子の部分拡大図である。
【図17】第17図は、第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図18】第18図は、第4の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図19】第19図は、第5の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図20】第20図は、第6の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。
【図21】第21図は、第7の実施の形態に係る光デバイスとしての液晶バックライト装置を示す断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体であって、前記発光体が、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有し、それらの重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜赤味がかった黄色の夕方光色を有する2000Kの色温度を有する約380nm〜780nmの間の広い発光連続状態を形成する、8種以下の発光体成分の混合物から形成された発光成分を含むことを特徴とする、発光体。
【請求項2】
一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項3】
固有発光を示し且つ約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域で発光するアルカリ土類金属アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項4】
約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す発光性マンガン(IV)付活アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項5】
一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
(式中、
MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンであり、
Xは、電荷を釣合わせるためのCl及びFから選択されたイオンであり、
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0<z≦0.5であり、
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンであり、
Tiは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている、チタンである)
で表されるマンガン(IV)付活チタン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項6】
一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価若しくは/及び三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンであり、
0<w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48であり、
及びGeは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、さらにはまたP、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩又は黄色−橙色発光性マンガン(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するLED用発光体。
【請求項7】
588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項8】
六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5であり、
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項9】
ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含み、一次発光の低波長融合における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じることを特徴とする、請求項1、6又は8のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項10】
ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式
MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl、F、Brであり、
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0<n≦24であり、
0≦m≦16であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び一部分がV、Nb、Ta、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表されるホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は9に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項11】
発光体により放出される放射線と、半導体素子又は気体放電ランプとして構成できる発光要素の一次放射線との組み合わせにより、演色Iaであり且つ演色指数Ra>90を有する白色光を生成し、従って、この要素を背景照明装置として、及び生活空間及び家具の照明において、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアム、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術にも使用できることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項12】
単独又は他の発光体との混合物で発光要素における層として適用し、前記発光要素の一次放射線と発光体の層から放出された放射線との組み合わせにより、演色Iaの白色光を生成することを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項13】
使用される前記発光要素が、300nm超の紫外スペクトル領域又は380nm超のスミレ色又は青色スペクトル領域で一次放射線を放出するLEDであることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項14】
LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射する発光体を含む波長変換部を有する光デバイスにおいて、
前記波長変換部は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含むことを特徴とする光デバイス。
【請求項15】
LED素子と、
前記LED素子を搭載するとともに前記LED素子に給電するための給電部と、
前記LED素子と前記給電部とを一体的に封止する光透過性を有する封止部と、
前記LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部を有することを特徴とする光デバイス。
【請求項16】
LEDランプと、
前記LEDランプから放射される光を導光する導光部と、
前記導光部を介して導光された光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部と、
前記波長変換部を介して放射される光に基づいて照明される被照明部とを有することを特徴とする光デバイス。
【請求項17】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項18】
前記波長変換部は、固有発光を示し且つ約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域で発光するアルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項19】
前記波長変換部は、約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す発光性マンガン(IV)付活アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項20】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
(式中、
MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンであり、
Xは、電荷を釣合わせるためのCl及びFから選択されたイオンであり、
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0≦z≦0.5であり、
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンであり、
Tiは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている、チタンである)
で表されるマンガン(IV)付活チタン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項21】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価若しくは/及び三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンであり、
0≦w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48であり、
及びGeは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、さらにはまたP、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩又は黄色−橙色発光性マンガン(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項22】
前記波長変換部は、588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項23】
前記波長変換部は、六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5であり、
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項24】
前記波長変換部は、ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含み、一次発光の低波長融合における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じることを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項25】
前記波長変換部は、ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式
MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl、F、Brであり、
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0<n≦24であり、
0≦m≦16であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び一部分がV、Nb、Ta、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表されるホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項26】
前記波長変換部は、前記LED素子を封止する光透過性を有した封止樹脂に含まれることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項27】
前記発光体は、前記光透過性を有するガラスによって封止される薄膜状の発光体層であることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項28】
前記発光体層は、面状に形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の光デバイス。
【請求項29】
前記波長変換部は、前記LED素子から放射される光を所望の照射範囲に放射させる光学形状を有した封止樹脂の表面に設けられることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項30】
前記波長変換部は、波長300nmから500nmの範囲における青色光及び/又は紫外光によって励起されることを特徴する、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項1】
発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体であって、前記発光体が、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有し、それらの重なりにより、青色−白色を有する約10000K〜昼光色を有する6500Kの色温度及び温白色を有する約3000Kの色温度〜赤味がかった黄色の夕方光色を有する2000Kの色温度を有する約380nm〜780nmの間の広い発光連続状態を形成する、8種以下の発光体成分の混合物から形成された発光成分を含むことを特徴とする、発光体。
【請求項2】
一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項3】
固有発光を示し且つ約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域で発光するアルカリ土類金属アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項4】
約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す発光性マンガン(IV)付活アンチモン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項5】
一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
(式中、
MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンであり、
Xは、電荷を釣合わせるためのCl及びFから選択されたイオンであり、
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0<z≦0.5であり、
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンであり、
Tiは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている、チタンである)
で表されるマンガン(IV)付活チタン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項6】
一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価若しくは/及び三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンであり、
0<w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48であり、
及びGeは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、さらにはまたP、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩又は黄色−橙色発光性マンガン(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換するLED用発光体。
【請求項7】
588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項8】
六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5であり、
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項9】
ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含み、一次発光の低波長融合における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じることを特徴とする、請求項1、6又は8のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項10】
ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式
MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl、F、Brであり、
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0<n≦24であり、
0≦m≦16であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び一部分がV、Nb、Ta、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表されるホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1又は9に記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項11】
発光体により放出される放射線と、半導体素子又は気体放電ランプとして構成できる発光要素の一次放射線との組み合わせにより、演色Iaであり且つ演色指数Ra>90を有する白色光を生成し、従って、この要素を背景照明装置として、及び生活空間及び家具の照明において、写真撮影及び顕微鏡検査において、医療技術において、ミュージアム、さらには極めて真正な演色が重要であるいかなる場所における照明技術にも使用できることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項12】
単独又は他の発光体との混合物で発光要素における層として適用し、前記発光要素の一次放射線と発光体の層から放出された放射線との組み合わせにより、演色Iaの白色光を生成することを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項13】
使用される前記発光要素が、300nm超の紫外スペクトル領域又は380nm超のスミレ色又は青色スペクトル領域で一次放射線を放出するLEDであることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の発光要素の紫外又は青色発光を極めて高い演色性を有する可視白色放射線に変換する発光体。
【請求項14】
LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射する発光体を含む波長変換部を有する光デバイスにおいて、
前記波長変換部は、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含むことを特徴とする光デバイス。
【請求項15】
LED素子と、
前記LED素子を搭載するとともに前記LED素子に給電するための給電部と、
前記LED素子と前記給電部とを一体的に封止する光透過性を有する封止部と、
前記LED素子から放射される光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部を有することを特徴とする光デバイス。
【請求項16】
LEDランプと、
前記LEDランプから放射される光を導光する導光部と、
前記導光部を介して導光された光に基づいて励起されて励起光を放射し、アルカリ土類金属アンチモン酸塩の固体系及び固有発光を示すそれらから誘導された系、例えば、フルオロアンチモン酸塩から形成された発光成分、又はマンガン(IV)付活アンチモン酸塩、チタン酸塩、ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩及びアルミン酸塩から形成された発光成分、又はユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩若しくはEu(II)及び二次付活剤としてのMn(II)からなる群から選ばれた増感剤を使用し且つ600nmを超えるスペクトル領域で橙色、橙色−赤色、赤色若しくは濃赤色を示す系から形成された発光成分、又は異なる発光帯を有した発光体を含む波長変換部と、
前記波長変換部を介して放射される光に基づいて照明される被照明部とを有することを特徴とする光デバイス。
【請求項17】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIySbaObXc
(式中、
MeIは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
MeIIは、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
X(大文字)は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)からなる群から選択された一種以上の元素であり、
x(小文字)=0〜8であり、
y=0〜4であり、
0<a<16であり、
0<b<64であり、
0≦c≦4であり、
及びアンチモン(Sb)が、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、リン(P)、ヒ素(As)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)により一部分が置換わっていても良いし、又はそれらから誘導される系、例えば、フルオロアンチモン酸塩を含んでいても良い)、
で表される発光性アルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項18】
前記波長変換部は、固有発光を示し且つ約600nm〜670nmの極大を有する赤色スペクトル領域で発光するアルカリ土類金属アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項19】
前記波長変換部は、約600〜700nmの濃赤色スペクトル領域において発光帯を示すか、又は約650〜660nmの狭い構造化発光を示す発光性マンガン(IV)付活アンチモン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項20】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIyTi1−aO4Xm:Mnz
(式中、
MeIは、Ca、Sr、Ba、Eu、Be、Mg及びZnからなる群から選択された一種以上の二価のカチオンか、又は周期律表第3族、例えば、Sc、Y、La並びにGd、Sm、Dy及びPrから選択された一種以上の3価のカチオンであり、
MeIIは、アルカリ金属からなる群から選択された一種以上の1価のカチオンであり、
Xは、電荷を釣合わせるためのCl及びFから選択されたイオンであり、
0≦x≦4であり、
0≦y≦4であり、
0≦m≦4であり、
0≦a≦1であり、
0≦z≦0.5であり、
Mnは、2〜4の原子価で格子に組み込まれているマンガンであり、
Tiは、Zr、Hf、Si、Geにより完全に又は一部分が置換わっていてよく且つ一部分がB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、P、Nb、Ta、Vにより置換わっていてよく、この場合、カチオン部分格子において適切な電荷バランスがあるか、又はハロゲンがさらに組み込まれている、チタンである)
で表されるマンガン(IV)付活チタン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項21】
前記波長変換部は、一般式
MeIxMeIIyGe1−aOzXm:Mnw
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の二価若しくは/及び三価の金属並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dyからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl元素及びF元素の一種以上のアニオンであり、
0≦w≦0.5であり、
0<x≦28であり、
0≦y≦14であり、
0≦m≦20であり、
0≦a<1であり、
0<z≦48であり、
及びGeは、Si、Zr、Tiにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がB、Al、Ga、さらにはまたP、V、Nb、Ta、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光マンガン(IV)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩又は黄色−橙色発光性マンガン(II)付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項22】
前記波長変換部は、588nm〜610nmの広帯域発光スペクトルを有する橙色〜橙色−赤色発光性ユーロピウム付活ケイ酸塩−ゲルマニウム酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項23】
前記波長変換部は、六方構造までの単純スピネル型構造を有する一般式
MeIxMeIIyAlmOn:Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族又は第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
0≦x≦8であり、
0≦y≦4であり、
0<m≦16であり、
0<n≦27であり、
0<z≦0.5であり、
Alは、B及び/又はGaにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び/又は一部分がP、V、Nb、Ta、Si、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表される赤色発光性マンガン(IV)付活アルミン酸塩又は橙色発光性マンガン(II)付活アルミン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項24】
前記波長変換部は、ユーロピウム−マンガン二重付活発光体を含み、一次発光の低波長融合における別個の発光帯又はショルダーとして黄色〜赤色で生じるマンガン(II)イオンの発光を、発光帯がマンガン(II)の少なくとも一つの特徴的な励起帯と重なる一次付活剤で増感し、Eu発光が青色〜緑色スペクトル領域で生じることを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項25】
前記波長変換部は、ユーロピウム及びマンガンで付活され、一般式
MeIxMeIIy(B,Si,P)aOnXm:Eu,Mn
(式中、
MeIは、周期律表の第2族及び/若しくは第3族から選択された一種以上の元素並びに/又はEu、Pr、Sm、Gd、Dy、Ceからなる群から選択された一種以上のランタニドイオンであり、
MeIIは、一種以上の一価のカチオンであり、
Xは、Cl、F、Brであり、
0≦x≦10であり、
0≦y≦12であり、
0<a≦6であり、
0<n≦24であり、
0≦m≦16であり、
Bは、P、Si、Ga、Alにより完全に又は一部分が置換わっていてよく及び一部分がV、Nb、Ta、Ge、W、Moにより置換わっていて良い)
で表されるホウ酸塩−ケイ酸塩−リン酸塩を含む発光体を有することを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【請求項26】
前記波長変換部は、前記LED素子を封止する光透過性を有した封止樹脂に含まれることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項27】
前記発光体は、前記光透過性を有するガラスによって封止される薄膜状の発光体層であることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項28】
前記発光体層は、面状に形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の光デバイス。
【請求項29】
前記波長変換部は、前記LED素子から放射される光を所望の照射範囲に放射させる光学形状を有した封止樹脂の表面に設けられることを特徴とする、請求項15に記載の光デバイス。
【請求項30】
前記波長変換部は、波長300nmから500nmの範囲における青色光及び/又は紫外光によって励起されることを特徴する、請求項14から16のいずれかに記載の光デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−297643(P2007−297643A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205967(P2007−205967)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【分割の表示】特願2004−562062(P2004−562062)の分割
【原出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(305054382)
【出願人】(305054393)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【分割の表示】特願2004−562062(P2004−562062)の分割
【原出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(305054382)
【出願人】(305054393)
【Fターム(参考)】
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