説明

発光素子および発光装置

【課題】駆動電圧が低い発光素子を提供する。また、素子寿命の長い発光素子を提供する。また、製造歩留まりの高い発光素子を提供する。
【解決手段】有機材料と無機材料とを含む層を有し、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.3eV未満である発光素子を提供する。より好ましくは、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.26eV未満であることが好ましく、さらに好ましくは、0.01eV以上0.20eV未満であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一対の電極間に複数の層が挟まれた構成を有する発光素子に関する。また、発光素子を有する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス素子(発光素子)からの発光を利用した発光装置は、表示用または照明用の装置として注目されている。
【0003】
発光装置に用いられる発光素子としては、一対の電極間に発光性化合物を含む層が挟まれた構成を有するものがよく知られている。
【0004】
このような発光素子では、一方の電極は陽極として、他方の電極は陰極としてそれぞれ機能し、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とが再結合して励起状態の分子を形成し、それが基底状態に戻るときに光を放出する。
【0005】
ところで、近年急速に開発が進んだ各種情報処理機器に組み込むための表示用装置においては特に低消費電力化への要求が高く、これを達成するために発光素子の低駆動電圧化が試みられている。また、商品化を踏まえれば、低駆動電圧化のみならず発光素子の長寿命化もまた重要であり、これを達成するための発光素子の開発が進められている。
【0006】
例えば特許文献1では、モリブデン酸化物等の仕事関数の高い金属酸化物を陽極に用いることで発光素子の低駆動電圧化を達成している(特許文献1参照)。
【0007】
しかし、特に長寿命化について述べれば、特許文献1に示された手段のみでは十分であるとは言えず、さらなる長寿命化を達成するための技術開発を必要としていた。
【0008】
また、発光素子は例えば0.1μm程度の有機薄膜で形成されるため、上下の電極間で短絡しやすいという問題を抱えている。特に、発光素子の作製工程で発生するゴミによる歩留まりの低さが問題となっている。
【特許文献1】特開平9−63771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記問題を鑑み、本発明では、駆動電圧が低い発光素子を提供する。また、素子寿命の長い発光素子を提供する。また、製造歩留まりの高い発光素子を提供する。また、該発光素子を有する発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を発光素子に用いることにより、上記課題を解決できることを見いだした。
【0011】
よって、本発明の発光素子の一は、一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.3eV未満であることを特徴とする。より好ましくは、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.26eV未満であることを特徴とする。さらに好ましくは、0.01eV以上0.20eV未満であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の発光素子の一は、一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、上記構成において、有機材料と無機材料とを含む層は、可視光領域に吸収ピークがなく、無機材料の濃度が30〜95wt%であることを特徴とする。
【0013】
上記構成において、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.20eV未満であることを特徴とする。
【0014】
有機材料と無機材料とを含む層が可視光領域に吸収ピークがもたない場合の有機材料としては、4,4’−ビス(N−{4−[N,N’−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)などが挙げられる。
【0015】
また、本発明の発光素子の一は、一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、有機材料と無機材料とを含む層は、可視光領域に吸収ピークがあり、無機材料の濃度が5〜95wt%であることを特徴とする。
【0016】
上記構成において、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.3eV未満であることを特徴とする。より好ましくは、有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.26eV未満であることを特徴とする。さらに好ましくは、0.01eV以上0.20eV未満であることを特徴とする。
【0017】
有機材料と無機材料とを含む層が可視光領域に吸収ピークがもつ場合の有機材料としては、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BBPB)などが挙げられる。
【0018】
また、上記構成において、無機材料は、金属酸化物であることを特徴とする。具体的には、無機材料として、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることを用いることができる。
【0019】
また、上記構成において、有機材料と無機材料とを含む層は、一対の電極間の一方の電極と接するように設けられていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上述した発光素子を有する発光装置も範疇に含めるものである。なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を範疇に含むものとする。また、パネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の発光素子は、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層が設けられていることにより、駆動電圧を低減することができる。また、素子寿命の長い発光素子を提供することが可能となる。
【0022】
また、活性化エネルギーが小さい層は、厚膜化しても駆動電圧の上昇を抑制することができるため、活性化エネルギーが小さい層を厚膜化して上下の電極間の短絡を抑制することができる。よって、製造工程で発生するゴミによる歩留まりの低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリア(担体)の再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
【0025】
本発明の発光素子の一態様について図1(A)を用いて以下に説明する。
【0026】
本形態において、発光素子は、第1の電極102と、第1の電極102の上に順に積層した第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106と、さらにその上に設けられた第2の電極107とから構成されている。なお、本形態では第1の電極102は陽極として機能し、第2の電極107は陰極として機能するものとして以下説明をする。
【0027】
基板101上は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子を作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
【0028】
第1の電極102としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物を用いることができる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム−酸化スズ(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム−酸化スズ(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他にも、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−シリコン(Al−Si)、アルミニウム−チタン(Al−Ti)、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)または金属材料の窒化物(TiN)等、を用いることができるが、第1の電極を陽極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)材料で形成されていることが好ましい。
【0029】
なお、本発明の発光素子において、第1の電極102は仕事関数の大きい材料に限定されず、仕事関数の小さい材料を用いることもできる。
【0030】
第1の層103は、有機材料と無機材料とを含む層であり、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満である層である。より好ましくは0.01eV以上0.26eV未満である層である。さらに好ましくは、0.01eV以上0.20eV未満である層である。以下、本明細書では、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層と記載する。
【0031】
本発明の発光素子は、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を有することにより、キャリア密度が高く、電極とオーム接触することができる。よって、発光素子の駆動電圧を低減することができる。また、キャリア密度が高いため、キャリア輸送性にも優れている。なお、十分なキャリア密度を得るためには、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満であることが好ましい。また、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.26eV未満であると、より好ましい。また、発光素子に用いた場合、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.20eV未満であると、高電圧側でも電流―電圧特性が変化しないので、より好ましい。
【0032】
電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層である第1の層103に含まれる無機材料としては、金属酸化物であることが好ましい。具体例としては、モリブデン酸化物(MoOx)、バナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等が挙げられる。この他、インジウム錫酸化物(ITO)や亜鉛酸化物(ZnO)を用いることができる。但し、ここに示したものに限らず、その他の物質を用いてもよい。また、有機材料としては、アリールアミン骨格を有する有機材料であることが好ましく、例えば4,4’−ビス(N−{4−[N,N’−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BBPB)、1,5−ビス(ジフェニルアミノ)ナフタレン(略称:DPAN)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物を用いることができる。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
【0033】
なお、第1の層103は、上記のような単層のものだけでなく、二層以上積層した構造としてもよい。
【0034】
第2の層104は、正孔輸送性の高い物質、例えばα−NPDやTPD、TDATA、MTDATA、BSPBなどの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物からなる層である。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、第2の層104は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものであってもよい。
【0035】
第3の層105は、発光性の高い物質を含む層である。例えば、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)や3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン(略称:クマリン6)等の発光性の高い物質とトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)や9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等のキャリア輸送性が高く成膜したときに膜質がよい(つまり結晶化しにくい)物質とを自由に組み合わせて構成される。但し、AlqやDNAは発光性も高い物質であるため、これらの物質を単独で用いた構成とし、第3の層105としても構わない。
【0036】
第4の層106は、電子輸送性の高い物質、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を第4の層106として用いても構わない。また、第4の層106は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0037】
第2の電極107を形成する物質としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)が挙げられる。しかしながら、第2の電極107と発光層との間に、電子注入を促す機能を有する層を、当該第2の電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素を含有したインジウム錫酸化物等様々な導電性材料を第2の電極107として用いることができる。
【0038】
なお、電子注入を促す機能を有する層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物を用いることができる。また、この他、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。
【0039】
また、第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106は蒸着法により形成されればよい。上記蒸着法以外にも、例えばインクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
【0040】
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極102と第2の電極107との間に生じた電位差により電流が流れ、発光性の高い物質を含む層である第3の層105において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり第3の層105に発光領域が形成されるような構成となっている。但し、第3の層105の全てが発光領域として機能する必要はなく、例えば、第3の層105のうち第2の層104側または第4の層106側にのみ発光領域が形成されるようなものであってもよい。
【0041】
発光は、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方は、透光性を有する物質で成る。第1の電極102のみが透光性を有する物質からなるものである場合、図1(A)に示すように、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極107のみが透光性を有する物質からなるものである場合、図1(B)に示すように、発光は第2の電極107を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極102および第2の電極107がいずれも透光性を有する物質からなるものである場合、図1(C)に示すように、発光は第1の電極102および第2の電極107を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
【0042】
なお第1の電極102と第2の電極107との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極102および第2の電極107から離れた部位に正孔と電子とが再結合する領域を設けた構成であり、且つ、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を有するものであれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層を、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層と自由に組み合わせて構成すればよい。また、第1の電極102上には、酸化珪素膜等からなる層を設けることによってキャリアの再結合部位を制御したものであってもよい。
【0043】
図2に示す発光素子は、陰極として機能する第1の電極302の上に電子輸送性の高い物質からなる第1の層303、発光性の高い物質を含む第2の層304、正孔輸送性の高い物質からなる第3の層305、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層である第4の層306、陽極として機能する第2の電極307とが順に積層された構成となっている。なお、301は基板である。
【0044】
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブ型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板以外に、例えば薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTアレイ基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型またはP型のいずれか一方からのみなるものであってもよい。
【0045】
本発明の発光素子は、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を有することにより、低駆動電圧化が実現する。つまり、本発明の電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層は、キャリア密度が高いため、電極とオーム接触することができる。よって、発光素子の駆動電圧を低減することができる。また、キャリア密度が高いため、キャリア輸送性にも優れている。なお、十分なキャリア密度を得るためには、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満であることが好ましい。また、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.26eV未満であると、より好ましい。また、発光素子に用いた場合、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.20eV未満であると、電流―電圧特性が変化しないので、より好ましい。
【0046】
また、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層は、キャリア密度が高いため、厚膜化しても駆動電圧の上昇を抑制することができるため、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を厚膜化して上下の電極間の短絡を抑制することができる。よって、製造工程で発生するゴミによる欠陥を抑制し、歩留まりを向上させることができる。
【0047】
また、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を厚膜化することにより、衝撃等による短絡を防止することができるため、信頼性の高い発光素子を得ることができる。例えば、通常の発光素子の電極間の膜厚が100nm〜150nmであるのに対し、電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層を用いた発光素子の電極間の膜厚は、100〜500nm、好ましくは、200〜500nmとすることができる。
【0048】
また、本発明の発光素子に用いる電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層は、キャリア密度が高いため、電極とオーム接触することが可能である。つまり、電極との接触抵抗が小さい。そのため、仕事関数等を考慮することなく、電極材料を選ぶことができる。つまり、電極材料の選択肢が広がる。
【0049】
また、本発明の電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層は、真空蒸着で形成することができるため、発光物質を含む層を真空蒸着で形成する場合は、いずれの層も同一の真空装置内で成膜することが可能であり、大気解放する必要がない。つまり、真空一貫で成膜することができる。よって、製造工程におけるゴミの付着を防ぐことができ、歩留まりを向上させることができる。
【0050】
また、本発明の電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層は、有機材料と無機材料とを含んでいるため、電極と、発光物質を含む層との間に生じる応力を緩和させることができる。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層(有機材料と無機材料とを含む層であり、電気伝導度の活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満である層、より好ましくは0.01eV以上0.26eV未満である層、さらに好ましくは、0.01eV以上0.20eV未満である層)についてより詳しく説明する。
【0052】
本実施の形態では、有機材料と無機材料とを含む層が、可視光領域に吸収ピークをもたない場合について説明する。本実施の形態では、可視光領域に吸収ピークをもたない、DNTPDと酸化モリブデンとを含む層を用いて説明する。DNTPDと酸化モリブデンとを重量比が1:1となるよう共蒸着で成膜した層の吸収スペクトルを図11に示す。図11より、DNTPDと酸化モリブデンとを含む層は、可視光領域に吸収ピークがないことがわかる。DNTPD以外にも、DPAB等の有機材料と酸化モリブデンとを含む層は、可視光領域に吸収ピークをもたない。なお、本明細書中において、可視光領域とは400nm〜800nmの波長領域のことを示す。
【0053】
第一のガラス基板上にITOを膜厚110nmとなるように成膜し、面積4mmの陽極を作製した。ITO陽極を有する第一のガラス基板を水洗し、乾燥させた後、蒸着機の中に第一のガラス基板をセットして、圧力が1×10−3Pa以下となるまで真空チャンバーを排気した。
【0054】
次に、有機材料であるDNTPDと無機材料である酸化モリブデンを共蒸着により成膜した。ここで、酸化モリブデン濃度は、表1の水準となるよう共蒸着を制御した。なお、膜厚は200nmとなるように成膜を行った。なお、素子1はDNTPDのみで蒸着により膜厚が200nmとなるように成膜した。
【0055】
【表1】

【0056】
その後、陰極としてAlを200nm蒸着し、N雰囲気下で、乾燥剤を貼付してある第二のガラス基板をエポキシ系の接着剤で第一のガラス基板に貼り合わせて、素子1〜9を得た。
【0057】
素子1〜9における25℃での電流−電圧特性を図13に示す。酸化モリブデンが含まれている素子2〜9は、酸化モリブデンが含まれていない素子1より低抵抗となっていることがわかる。なお、酸化モリブデン濃度が増加するにつれて、低抵抗化しているが、酸化モリブデン濃度が80wt%を超えると、抵抗が高くなっていくことがわかる。
【0058】
次に、電流−電圧特性を対数表示にしたグラフを図14に示す。素子2〜9の低電圧領域における電流―電圧特性は、電圧の一乗から二乗の間で比例していることがわかる。一方、素子1は、それより大きなべき乗で電圧に比例していることがわかる。これは、素子1において、ITO陽極との接触がショットキー接触であるのに対し、素子2〜9においては、オーム接触であることに起因するものである。そのため、素子2〜9ではオーム電流が支配的であると考えられる。
【0059】
そこで、低電圧領域における素子2〜9で流れている電流をオーム電流とし、DNTPDと酸化モリブデンを含む層が半導体であるとすると、アレニウスの式で表される。
【0060】
【数1】

【0061】
この式から、ある一定の電圧の場合には、下式を導くことができる。
【0062】
【数2】

【0063】
そのため、ln(I)と1/Tをプロットしたアレニウスプロットより、活性化エネルギーを求めることができる。
【0064】
素子2〜9における1Vでのアレニウスプロットを図15に示す。いずれの素子も、ほぼ直線上に乗っていることがわかる。この直線の傾きより、活性化エネルギーを求め、酸化モリブデン濃度に対する活性化エネルギーの変化を図16に示す。下に凸のグラフとなっていることがわかる。なお、ITO陽極上に酸化モリブデンのみを50nm蒸着し、Al陰極とした素子(以下、素子10とする)において、同様の解析を行ったところ、活性化エネルギーは0.26eVと求められた。素子2は素子10より活性化エネルギーが大きくなっている。これは、酸化モリブデン濃度が低すぎるためと考えられる。一方、素子3〜9は素子10の活性化エネルギーの値より低くなっており、一定量の酸化モリブデンを含有することで、酸化モリブデン単膜では得られない活性化エネルギーを得ることができた。
【0065】
なお、本実施の形態で示した可視光領域に吸収ピークをもたない層を発光素子に用いる場合には、活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満となるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.01eV以上0.26eV未満であることが好ましい。さらに好ましくは0.20eV未満であることが好ましい。また、酸化モリブデンの濃度が30wt%以上95wt%以下である層を用いることが好ましい。
【0066】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2とは異なり、有機材料と無機材料とを含む層が、可視光領域に吸収ピークをもつ場合について説明する。本実施の形態では、可視光領域に吸収ピークをもつ、BSPBと酸化モリブデンとを含む層を用いて説明する。BSPBと酸化モリブデンとを重量比が1:1となるよう共蒸着で成膜した層の吸収スペクトルを図12に示す。図12より、BSPBと酸化モリブデンとを含む層は、可視光領域に吸収ピークがあることがわかる。また、BSPB以外にも、TPD、α−NPD、DFLDPBi、BBPB等の有機材料と酸化モリブデンとを含む層は可視光領域に吸収ピークをもつ。
【0067】
第一のガラス基板上にITOを膜厚110nmとなるように成膜し、面積4mmの陽極を作製した。前記ITO陽極を有する第一のガラス基板を水洗し、乾燥させた後、蒸着機の中に第一のガラス基板をセットして、圧力が1×10−3Pa以下となるまで真空チャンバーを排気した。
【0068】
次に、有機材料であるBSPBと無機材料である酸化モリブデンを共蒸着により成膜した。ここで、酸化モリブデン濃度は、下表の水準となるよう共蒸着を制御した。なお、膜厚は200nmとなるように成膜を行った。なお、素子11はBSPBのみで膜厚が200nmとなるように蒸着で成膜した。
【0069】
【表2】

【0070】
その後、陰極としてAlを200nm蒸着し、N雰囲気下で、乾燥剤を貼付してある第二のガラス基板をエポキシ系の接着剤で第一のガラス基板に貼り合わせて、素子11〜15を得た。
【0071】
素子11〜15における25℃での電流−電圧特性を図17に示す。酸化モリブデンが含まれている素子12〜15は、酸化モリブデンが含まれていない素子11より低抵抗となっていることがわかる。
【0072】
次に、電流−電圧特性を対数表示にしたグラフを図18に示す。素子12〜15の低電圧領域における電流―電圧特性は、電圧の一乗から二乗の間で比例していることがわかる。一方、素子11は、それより大きなべき乗で電圧に比例していることがわかる。これは、素子11において、ITO陽極との接触がショットキー接触であるのに対し、素子12〜15においては、オーム接触であることに起因するものである。そのため、素子12〜15ではオーム電流が支配的であると考えられる。
【0073】
そこで、実施の形態2と同様に、低電圧領域における素子12〜15で流れている電流がオーム電流とし、BSPBと酸化モリブデンを含む層が半導体であるとして、アレニウスプロットから、活性化エネルギーを求めた。素子12〜15における1Vでのアレニウスプロットを図19に示す。いずれの素子も、ほぼ直線上に乗っていることがわかる。この直線の傾きより、活性化エネルギーを求め、酸化モリブデン濃度に対する活性化エネルギーの変化を図20に示す。なお、酸化モリブデンのみを蒸着した素子10の活性化エネルギー0.26eVであることを考慮すると、図20は下に凸のグラフとなっているといえる。また、素子12は素子10より活性化エネルギーが大きくなっている。これは、酸化モリブデン濃度が低すぎるためと考えられる。一方、素子13〜15は素子10の活性化エネルギーの値より低くなっており、一定量の酸化モリブデンを含有することで、酸化モリブデン単膜では得られない活性化エネルギーを得ることができた。
【0074】
なお、本実施の形態で示した可視光領域に吸収ピークをもつ層を発光素子に用いる場合には、活性化エネルギーが0.01eV以上0.30eV未満となるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.01eV以上0.26eV未満であることが好ましい。さらに好ましくは0.20eV未満であることが好ましい。また、酸化モリブデンの濃度が5wt%以上95wt%以下である層を用いることが好ましい。
【0075】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1に示した構成とは異なる構成を有する発光素子について、図3および図4を用いて説明する。
【0076】
図3(a)に本発明の発光素子の構造の一例を示す。第1の電極201と、第2の電極202との間に、第1の層211、第2の層212、第3の層213、第4の層214が積層された構成となっている。本実施の形態では、第1の電極201が陽極として機能し、第2の電極202が陰極として機能する場合について説明する。
【0077】
第1の電極201、第2の電極202は、実施の形態1と同じ構成を適用することができる。また、第1の層211は実施の形態2および実施の形態3で示した活性化エネルギーが小さい層であり、第2の層212は発光性の高い物質を含む層である。第3の層213は金属酸化物の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層であり、第4の層214は実施の形態2および実施の形態3で示した活性化エネルギーが小さい層である。第3の層213に含まれる金属酸化物としては、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物であることが好ましい。具体的には、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。
【0078】
このような構成とすることにより、図3(a)に示した通り、発光素子に電圧を印加することにより第3の層213および第4の層214の界面近傍にて電子の授受が行われ、電子と正孔が発生し、第3の層213は電子を第2の層212に輸送すると同時に、第4の層214は正孔を第2の電極202に輸送する。すなわち、第3の層213と第4の層214とを合わせて、キャリア発生層としての役割を果たしている。また、第4の層214は、正孔を第2の電極202に輸送する機能を担っていると言える。なお、第4の層214と第2の電極202との間に、さらに第2の層および第3の層を再び積層することで、タンデム型の発光素子とすることも可能である。
【0079】
また、第1の層211や第4の層214は、極めて高い正孔注入性、正孔輸送性を示す。したがって、本実施の形態の発光素子は、発光機能を担う第2の層の両側を非常に厚くすることが可能となり、さらに発光素子の短絡を効果的に防止できる。また、図3(a)を例に取ると、第2の電極202をスパッタリングにより成膜する場合などは、発光性の物質が存在する第2の層212へのダメージを低減することもできる。さらに、第1の層211と第4の層214を同じ材料で構成することにより、発光物質を含む層203の第1の電極側および発光物質を含む層203の第2の電極側が同じ材料で構成されることになるため、応力歪みを抑制する効果も期待できる。
【0080】
なお、本実施の形態の発光素子においても、第1の電極201や第2の電極202の種類を変えることで、様々なバリエーションを有する。その模式図を図3(b)、図3(c)および図4に示す。なお、図3(b)、図3(c)および図4では、図3(a)の符号を引用する。また、200は、本発明の発光素子を担持する基板である。
【0081】
図3は、基板200側から第1の層211、第2の層212、第3の層213、第4の層214の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極201を光透過性とし、第2の電極202を遮光性(特に反射性)とすることで、図3(a)のように基板200側から光を射出する構成となる。また、第1の電極201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極202を光透過性とすることで、図3(b)のように基板200の逆側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極201、第2の電極202の両方を光透過性とすることで、図3(c)に示すように、基板200側と基板200の逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
【0082】
図4は、基板200側から第4の層214、第3の層213、第2の層212、第1の層211の順で構成されている場合の例である。この時、第1の電極201を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極202を光透過性とすることで、図4(a)のように基板200側から光を取り出す構成となる。また、第1の電極201を光透過性とし、第2の電極202を遮光性(特に反射性)とすることで、図4(b)のように基板200と逆側から光を取り出す構成となる。さらに、第1の電極201、第2の電極202の両方を光透過性とすることで、図4(c)に示すように、基板200側と基板200の逆側の両方に光を射出する構成も可能となる。
【0083】
なお、第1の層211が、金属酸化物の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含み、第2の層212は発光性の物質を含み、第3の層213が実施の形態2および実施の形態3で示した活性化エネルギーが小さい層であり、第4の層214が、金属酸化物の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む構成にすることも可能である。
【0084】
なお、本実施の形態における発光素子を作製する場合には、湿式法、乾式法を問わず、公知の方法を用いることができる。
【0085】
また、第1の電極201を形成した後、第1の層211、第2の層212、第3の層213、第4の層214を順次積層し、第2の電極202を形成してもよいし、第2の電極202を形成した後、第4の層214、第3の層213、第2の層212、第1の層211を順次積層し、第1の電極を形成してもよい。
【0086】
(実施の形態5)
本形態では、表示機能を有する発光装置の回路構成および駆動方法について図5〜8を用いて説明する。
【0087】
図5は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図5において、基板6500上には、画素部6511と、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とが設けられている。ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、配線群を介して、外部入力端子であるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503と接続している。そして、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、FPC6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。またFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6504が取り付けられている。なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。
【0088】
画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線が行方向に並んで配列している。また、電流供給線が行方向に並んで配列している。また、画素部6511には、行方向に延びた複数のゲート信号線が列方向に並んで配列している。また画素部6511には、発光素子を含む一組の回路が複数配列している。
【0089】
図6は、一画素を動作するための回路を表した図である。図6に示す回路には、第1のトランジスタ901と第2のトランジスタ902と発光素子903とが含まれている。
【0090】
第1のトランジスタ901と、第2のトランジスタ902とは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレイン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソース領域またはドレイン領域であるかを限定することが困難である。そこで、本形態においては、ソースまたはドレインとして機能する領域を、それぞれトランジスタの第1電極、トランジスタの第2電極と表記する。
【0091】
ゲート信号線911と、書込用ゲート信号線駆動回路913とはスイッチ918によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ゲート信号線911と、消去用ゲート信号線駆動回路914とはスイッチ919によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ソース信号線912は、スイッチ920によってソース信号線駆動回路915または電源916のいずれかに電気的に接続するように設けられている。そして、第1のトランジスタ901のゲートはゲート信号線911に電気的に接続している。また、第1のトランジスタの第1電極はソース信号線912に電気的に接続し、第1のトランジスタの第2電極は第2のトランジスタ902のゲート電極と電気的に接続している。第2のトランジスタ902の第1電極は電流供給線917と電気的に接続し、第2のトランジスタの第2電極は発光素子903に含まれる一の電極と電気的に接続している。なお、スイッチ918は、書込用ゲート信号線駆動回路913に含まれていてもよい。またスイッチ919についても消去用ゲート信号線駆動回路914の中に含まれていてもよい。また、スイッチ920についてもソース信号線駆動回路915の中に含まれていてもよい。
【0092】
また画素部におけるトランジスタや発光素子等の配置について特に限定はないが、例えば図7の上面図に表すように配置することができる。図7において、第1のトランジスタ1001の第1電極はソース信号線1004に接続し、第1のトランジスタの第2の電極は第2のトランジスタ1002のゲート電極に接続している。また第2トランジスタの第1電極は電流供給線1005に接続し、第2トランジスタの第2電極は発光素子の電極1006に接続している。ゲート信号線1003の一部は第1のトランジスタ1001のゲート電極として機能する。
【0093】
次に、駆動方法について説明する。図8は時間経過に伴った1フレームにおける動作について説明する図である。図8において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査段数を表している。
【0094】
本発明の発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度とすることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間を1フレーム期間という。
【0095】
1フレームは、図8に示すように、書き込み期間501a、502a、503a、504aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフレーム503:第4のサブフレーム504=2:2:2:2=8:4:2:1となっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよい。
【0096】
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへと移る。当該保持期間において、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレームへ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ごとに変えて画素部内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な表示色を形成することができる。
【0097】
サブフレーム504のように、最終行目までの書込が終了する前に、既に書込を終え、保持期間に移行した行における保持期間を強制的に終了させたいときは、保持期間504bの後に消去期間504cを設け、強制的に非発光の状態となるように制御することが好ましい。そして、強制的に非発光状態にした行については、一定期間、非発光の状態を保つ(この期間を非発光期間504dとする。)。そして、最終行目の書込期間が終了したら直ちに、一行目から順に次のサブフレーム(または次のフレーム)の書込期間に移行する。これによって、サブフレーム504の書き込み期間と、その次のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防ぐことができる。
【0098】
なお、本形態では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。また、サブフレームは、さらに複数のフレームに分割されていてもよい。つまり、同じ映像信号を与えている期間、ゲート信号線の走査を複数回行ってもよい。
【0099】
ここで、書込期間および消去期間における、図6で示す回路の動作について説明する。
【0100】
まず書込期間における動作について説明する。書込期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ918を介して書込用ゲート信号線駆動回路913と電気的に接続し、消去用ゲート信号線駆動回路914とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介してソース信号線駆動回路と電気的に接続している。ここで、n行目(nは自然数)のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線912から入力される映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線912から入力された映像信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917と発光素子903との導通又は非導通が決まり、発光素子903は発光または非発光が決まる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。
【0101】
次に消去期間における動作について説明する。消去期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ919を介して消去用ゲート信号線駆動回路914と電気的に接続し、書込用ゲート信号線駆動回路913とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介して電源916と電気的に接続している。ここで、n行目のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に消去信号が入力される。ソース信号線912から入力された消去信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917と発光素子903とが非導通状態になる。そして、発光素子903は強制的に非発光となる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。
【0102】
なお、消去期間では、n行目(nは自然数)については、以上に説明したような動作によって消去する為の信号を入力する。しかし、前述のように、n行目が消去期間であると共に、他の行(m行目(mは自然数)とする。)については書込期間となる場合がある。このような場合、同じ列のソース信号線を利用してn行目には消去の為の信号を、m行目には書込の為の信号を入力する必要があるため、以下に説明するような動作させることが好ましい。
【0103】
先に説明した消去期間における動作によって、n行目の発光素子903が非発光となった後、直ちに、ゲート信号線と消去用ゲート信号線駆動回路914とを非接続の状態とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線とソース信号線駆動回路915と接続させる。そして、ソース信号線とソース信号線駆動回路915とを接続させる共に、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913とを接続させる。そして、書込用ゲート信号線駆動回路913からm行目の信号線に選択的に信号が入力され、第1のトランジスタがオンすると共に、ソース信号線駆動回路915からは、1列目から最終列目迄のソース信号線に書込の為の信号が入力される。この信号によって、m行目の発光素子は、発光または非発光となる。
【0104】
以上のようにしてm行目について書込期間を終えたら、直ちに、n+1行目の消去期間に移行する。その為に、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線を電源916と接続する。また、ゲート信号線と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、ゲート信号線については、消去用ゲート信号線駆動回路914と接続状態にする。そして、消去用ゲート信号線駆動回路914からn+1行目のゲート信号線に選択的に信号を入力して第1のトランジスタに信号をオンする共に、電源916から消去信号が入力される。このようにして、n+1行目の消去期間を終えたら、直ちに、m行目の書込期間に移行する。以下、同様に、消去期間と書込期間とを繰り返し、最終行目の消去期間まで動作させればよい。
【0105】
なお、本形態では、n行目の消去期間とn+1行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設ける態様について説明したが、これに限らず、n−1行目の消去期間とn行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設けてもよい。
【0106】
また、本形態では、サブフレーム504のように非発光期間504dを設けるときおいて、消去用ゲート信号線駆動回路914と或る一のゲート信号線とを非接続状態にすると共に、書込用ゲート信号線駆動回路913と他のゲート信号線とを接続状態にする動作を繰り返している。このような動作は、特に非発光期間を設けないフレームにおいて行っても構わない。
【0107】
(実施の形態6)
本発明の発光素子を含む発光装置の断面図の一態様について、図9を用いて説明する。
【0108】
図9において、点線で囲まれているのは、本発明の発光素子12を駆動するために設けられているトランジスタ11である。発光素子12は、第1の電極13と第2の電極14との間に発光物質を含む層と電気伝導度の活性化エネルギーが小さい層が積層された層15を有する本発明の発光素子である。トランジスタ11のドレインと第1の電極13とは、第1層間絶縁層16(16a、16b、16c)を貫通している配線17によって電気的に接続されている。また、発光素子12は、隔壁層18によって、隣接して設けられている別の発光素子と分離されている。このような構成を有する本発明の発光装置は、本形態において、基板10上に設けられている。
【0109】
なお、図9に示されたトランジスタ11は、半導体層を中心として基板と逆側にゲート電極が設けられたトップゲート型のものである。但し、トランジスタ11の構造については、特に限定はなく、例えばボトムゲート型のものでもよい。またボトムゲートの場合には、チャネルを形成する半導体層の上に保護膜が形成されたもの(チャネル保護型)でもよいし、或いはチャネルを形成する半導体層の一部が凹状になったもの(チャネルエッチ型)でもよい。
【0110】
また、トランジスタ11を構成する半導体層は、結晶性、非結晶性のいずれのものでもよい。また、セミアモルファス等でもよい。
【0111】
なお、セミアモルファスな半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端化するために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪素を含む気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪素を含む気体としては、SiH、その他にもSi、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFなどを用いることが可能である。この珪素を含む気体をH、又は、HとHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm以下、好ましくは1×1019/cm以下とする。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の移動度はおよそ1〜10m/Vsecとなる。
【0112】
また、半導体層が結晶性のものの具体例としては、単結晶または多結晶性の珪素、或いはシリコンゲルマニウム等から成るものが挙げられる。これらはレーザー結晶化によって形成されたものでもよいし、例えばニッケル等を用いた固相成長法による結晶化によって形成されたものでもよい。
【0113】
なお、半導体層が非晶質の物質、例えばアモルファスシリコンで形成される場合には、トランジスタ11およびその他のトランジスタ(発光素子を駆動するための回路を構成するトランジスタ)は全てNチャネル型トランジスタで構成された回路を有する発光装置であることが好ましい。それ以外については、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれか一のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよいし、両方のトランジスタで構成された回路を有する発光装置でもよい。
【0114】
さらに、第1層間絶縁膜16は、図9(A)、(B)、(C)に示すように多層でもよいし、または単層でもよい。なお、第1層間絶縁層16aは酸化珪素や窒化珪素のような無機物から成り、第1層間絶縁膜16bはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、第1層間絶縁膜16cはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第1層間絶縁膜16は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0115】
隔壁層18は、エッジ部において、曲率半径が連続的に変化する形状であることが好ましい。また隔壁層18は、アクリルやシロキサン、レジスト、酸化珪素等を用いて形成される。なお隔壁層18は、無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよいし、または両方を用いて形成されたものでもよい。
【0116】
なお、図9(A)、(C)では、第1層間絶縁膜16のみがトランジスタ11と発光素子12の間に設けられた構成であるが、図9(B)のように、第1層間絶縁膜16(第1層間絶縁膜16a、16b)の他、第2層間絶縁膜19(第2層間絶縁膜19a、19b)が設けられた構成のものであってもよい。図9(B)に示す発光装置においては、第1の電極13は第2層間絶縁膜19を貫通し、配線17と接続している。
【0117】
第2層間絶縁膜19は、第1層間絶縁膜16と同様に、多層でもよいし、または単層でもよい。19aはアクリルやシロキサン(シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む物質)、塗布成膜可能な酸化珪素等の自己平坦性を有する物質から成る。さらに、19bはアルゴン(Ar)を含む窒化珪素膜から成る。なお、各層を構成する物質については、特に限定はなく、ここに述べたもの以外のものを用いてもよい。また、これら以外の物質から成る層をさらに組み合わせてもよい。このように、第2層間絶縁膜19は、無機物または有機物の両方を用いて形成されたものでもよいし、または無機膜と有機膜のいずれか一で形成されたものでもよい。
【0118】
発光素子12において、第1の電極および第2の電極がいずれも透光性を有する物質で構成されている場合、図9(A)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側と第2の電極14側の両方から発光を取り出すことができる。また、第2の電極14のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図9(B)の白抜きの矢印で表されるように、第2の電極14側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第1の電極13は反射率の高い材料で構成されているか、または反射率の高い材料から成る膜(反射膜)が第1の電極13の下方に設けられていることが好ましい。また、第1の電極13のみが透光性を有する物質で構成されている場合、図9(C)の白抜きの矢印で表されるように、第1の電極13側のみから発光を取り出すことができる。この場合、第2の電極14は反射率の高い材料で構成されているか、または反射膜が第2の電極14の上方に設けられていることが好ましい。
【0119】
また、発光素子12は、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が高くなるように電圧を印加したときに動作するように層15が積層されたものであってもよいし、或いは、第1の電極13の電位よりも第2の電極14の電位が低くなるように電圧を印加したときに動作するように層15が積層されたものであってもよい。前者の場合、トランジスタ11はNチャネル型トランジスタであり、後者の場合、トランジスタ11はPチャネル型トランジスタである。
【0120】
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブ型の発光装置について説明したが、この他、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブ型の発光装置であってもよい。パッシブ型の発光装置においても、低駆動電圧で動作する本発明の発光素子を含むことによって、低消費電力で駆動させることができる。
【0121】
(実施の形態7)
本発明の発光素子を含む発光装置は良好な画像を表示することができるため、本発明の発光装置を電子機器の表示部に適用することによって、優れた映像を提供できる電子機器を得ることができる。また、本発明の発光素子を含む発光装置は低消費電力で駆動するため、本発明の発光装置を電子機器の表示部に適用することによって、消費電力の少ない電子機器を得ることができ、例えば、待受時間等の長い電話機等を得ることができる。
【0122】
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図10に示す。
【0123】
図10(A)は、本発明を適用して作製したコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでコンピュータを完成できる。
【0124】
図10(B)は、本発明を適用して作製した電話機であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことで電話機を完成できる。
【0125】
図10(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の発光素子を有する発光装置を表示部として組み込むことでテレビ受像機を完成できる。
【0126】
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適している。
【0127】
なお、本形態では、コンピュータ、電話機、及びテレビ受像機について述べているが、この他に電話機、ナビゲイション装置、或いは照明機器等に本発明の発光素子を有する発光装置を実装しても構わない。
【実施例1】
【0128】
(合成例)
本実施例では、実施の形態3で用いた構造式(1)で表されるN,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)の合成方法について説明する。
【0129】
【化1】

【0130】
[ステップ1]
2−ブロモ−スピロ−9,9’−ビフルオレンの合成方法について説明する。
【0131】
100mlの三口フラスコに、マグネシウム1.26g(0.052mol)を入れ、系内を真空下にし、30分加熱撹拌し、活性化した。室温にさましてから系内を窒素気流下にし、ジエチルエーテル5ml、ジブロモエタン数滴を加え、ジエチルエーテル15ml中に溶かした2−ブロモビフェニル11.65g(0.050mol)をゆっくり滴下し、滴下終了後3時間還流してグリニヤール試薬とした。200ml三口フラスコに2−ブロモフルオレノン11.7g(0.045mol)、ジエチルエーテル40mlを入れた。この反応溶液に合成したグリニヤール試薬をゆっくり滴下し、滴下終了後2時間還流し、さらに室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応溶液を飽和塩化アンモニア水溶液で2回洗浄し、水層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層とあわせて飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにより乾燥後、吸引濾過、濃縮し、固体状の9−(2−ビフェニリル)−2−ブロモ−9−フルオレノールを18.76g、収率90%で得た。
【0132】
次に、200mlの三口フラスコに、合成した9−(2−ビフェニリル)−2−ブロモ−9−フルオレノール18.76g(0.045mol)、氷酢酸100mlを入れ、濃塩酸数滴を加え2時間還流した。反応終了後、吸引濾過により析出物を回収し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で濾過洗浄した。得られた褐色固体をエタノールで再結晶したところ淡褐色粉末状固体を10.24g、収率57%で得た。核磁気共鳴法(H−NMR)によって、この淡褐色粉末状固体が2−ブロモ−スピロ−9,9’−ビフルオレンであることを確認した。この化合物のH−NMRは次のようであった。
【0133】
この化合物のH−NMRを次に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δppm:7.86−7.79(m,3H),7.70(d,1H,J=8.4 Hz),7.47−7.50(m,1H),7.41−7.34(m,3H),7.12(t,3H,J=7.7Hz),6.85(d,1H,J=2.1Hz),6.74−6.70(m,3H)
【0134】
また、以上に説明した合成方法の合成スキーム(b−1)を次に示す。
【0135】
【化2】

【0136】
[ステップ2]
N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)の合成方法について説明する。
【0137】
100mlの三口フラスコに、N,N’−ジフェニルベンジジン1.00g (0.0030mol)、ステップ1の合成方法によって合成した2−ブロモ−スピロ−9,9’−ビフルオレン2.49g(0.0062mol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム170mg(0.30mmol)、tert−ブトキシナトリウム 1.08g(0.011mol)を入れ、系内を窒素気流下にした後、脱水トルエン20mlと、トリ−tert−ブチルホスフィン10%ヘキサン溶液0.6mlを加え、80℃で6時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷ましてから水を加え、析出した固体を吸引ろ過により回収し、ジクロロメタンで洗浄した。得られた白色固体をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製し、ジクロロメタンで再結晶したところ、白色粉末状固体を2.66g、収率93%得た。
【0138】
以上に説明した合成方法の合成スキーム(b−2)を次に示す。このように、本発明の化合物は、N,N’−ジフェニルベンジジンと2−ブロモ−スピロ−9,9’−ビフルオレンのカップリング反応によって合成することができる。
【0139】
【化3】

【0140】
また、得られた化合物のガラス転移温度、結晶化温度、融点について、示差走査熱量分析装置(DSC:Differential Scanning Calorimetry、パーキンエルマー製、型番:Pyris1 DSC)を用いて調べた。ここでDSCによる測定は、次のような手順で行った。先ず、40℃/分の昇温速度で450℃まで試料(得られた化合物)を加熱した後、40℃/分の降温速度で試料を冷却して試料ををガラス状態にした。そして、ガラス状態になった試料を、10℃/分の昇温速度で加熱し、図21に示すような測定結果を得た。図21において、横軸は温度(℃)、縦軸は熱流(上向が吸熱)(mW)を表す。測定結果から、得られた化合物のガラス転移温度は172℃、結晶化温度は268℃であることが分かった。また、312℃における接線と、327℃〜328℃における接線との交点から、融点は323℃〜324℃であることが分かった。すなわち、本実施例で合成したBSPBは、ガラス転移温度が150℃以上、好ましくは160℃〜300℃の範囲を満たし、融点が180℃〜400℃の範囲にあるので高い耐熱性を有しており、好ましい。
【0141】
このように、得られた化合物は、172℃という高いガラス転移温度を示し、良好な耐熱性を有するものである。また、図21において、得られた化合物の結晶化を表すピークはブロードなものであり、得られた化合物は結晶化し難い物質であることがわかった。
【実施例2】
【0142】
本実施例では、本発明の活性化エネルギーの小さい層を有する発光素子について説明する。
【0143】
まず、第1の電極として珪素を含有したインジウム錫酸化物を形成する。その上に、本発明の活性化エネルギーの小さい層を形成した。本実施例では、DNTPDと、酸化モリブデンと、ルブレンとを共蒸着することにより成膜した。ここで、酸化モリブデン濃度は、表3の水準となるよう共蒸着を制御した。なお、膜厚は120nmとなるように成膜を行った。
【0144】
【表3】

【0145】
この活性化エネルギーの小さい層の上に、正孔輸送層として4,4´―ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α―NPD)を10nmの膜厚で真空蒸着法によって成膜した。
【0146】
このα―NPD膜上に、Alqとクマリン6とを共蒸着によって成膜した。この膜は発光層であり、膜厚は40nmである。また、Alqとクマリン6とは、重量比で1:0.015となるよう共蒸着を制御した。
【0147】
この発光層上に電子輸送層としてAlqを15nm、さらに電子注入層としてフッ化リチウムを1nmの膜厚で成膜し、最後に第2の電極として機能するAlを200nm成膜して発光素子を作製した。
【0148】
作製した素子21〜24の電流―電圧特性を図22に示す。図22に示すように、酸化モリブデンの濃度が高くなるとともに、電流が流れやすくなっていることがわかる。
【0149】
また、素子21〜24の輝度―電圧特性を図23に示す。図23からも酸化モリブデンの濃度が高くなるとともに、高い輝度が得られていることがわかる。つまり、各素子の電流効率が一定の場合、電流が流れやすくなっていることがわかる。
【実施例3】
【0150】
本実施例では、本発明の活性化エネルギーの小さい層を有する発光素子について説明する。
【0151】
まず、第1の電極として珪素を含有したインジウム錫酸化物を形成する。その上に、本発明の活性化エネルギーの小さい層を形成した。本実施例では、DNTPDと、酸化モリブデンと、ルブレンとを共蒸着することにより成膜した。ここで、酸化モリブデン濃度は、表3の水準となるよう共蒸着を制御した。なお、膜厚は120nmとなるように成膜を行った。
【0152】
【表4】

【0153】
この活性化エネルギーの小さい層の上に、正孔輸送層としてα―NPDを10nmの膜厚で真空蒸着法によって成膜した。
【0154】
このα―NPD膜上に、Alqとクマリン6とを共蒸着によって成膜した。この膜は発光層であり、膜厚は37.5nmである。また、Alqとクマリン6とは、重量比で1:0.005となるよう共蒸着を制御した。
【0155】
この発光層上に電子輸送層としてAlqを37.5nm、さらに電子注入層としてフッ化リチウムを1nmの膜厚で成膜し、最後に第2の電極として機能するAlを成膜して発光素子を作製した。
【0156】
作製した素子31〜34の電流―電圧特性を図24に示す。図24より、酸化モリブデンの濃度が高くなると、電流が流れやすくなる傾向にあるが、素子32の酸化モリブデン濃度が40wt%以上では、電流−電圧特性にほとんど変化を生じていないことがわかる。そのため、活性化エネルギーの小さい層として、DNTPDを用いる場合には、酸化モリブデン濃度が40wt%であれば、発光素子の低電圧化として十分効果的であることがわかる。
【0157】
また、素子31〜34の輝度−電圧特性を図25に示す。図25より、いずれの素子においても輝度−電圧特性にほとんど差はないが、素子31は若干高電圧側にシフトしていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の発光素子を説明する図。
【図2】本発明の発光素子を説明する図。
【図3】本発明の発光素子を説明する図。
【図4】本発明の発光素子を説明する図。
【図5】本発明を適用した発光装置について説明する図。
【図6】本発明を適用した発光装置に含まれる回路について説明する図。
【図7】本発明を適用した発光装置の上面図。
【図8】本発明を適用した発光装置の1フレームにおける動作について説明する図。
【図9】本発明を適用した発光装置の断面図。
【図10】本発明を適用した電子機器の図。
【図11】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層の吸収スペクトルを示す図。
【図12】BSPBと酸化モリブデンとを含む層の吸収スペクトルを示す図。
【図13】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層の電流―電圧特性を示す図。
【図14】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層の電流―電圧特性の対数表示を示す図。
【図15】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層の1Vでのアレニウスプロットを示す図。
【図16】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層の活性化エネルギーを示す図。
【図17】BSPBと酸化モリブデンとを含む層の電流―電圧特性を示す図。
【図18】BSPBと酸化モリブデンとを含む層の電流―電圧特性の対数表示を示す図。
【図19】BSPBと酸化モリブデンとを含む層の1Vでのアレニウスプロットを示す図。
【図20】BSPBと酸化モリブデンとを含む層の活性化エネルギーを示す図。
【図21】N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジンを示差走査熱量分析した測定結果の図。
【図22】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層を有する発光素子電流―電圧特性を示す図。
【図23】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層を有する発光素子輝度―電圧特性を示す図
【図24】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層を有する発光素子電流―電圧特性を示す図。
【図25】DNTPDと酸化モリブデンとを含む層を有する発光素子輝度―電圧特性を示す図。
【符号の説明】
【0159】
101 基板
102 第1の電極
103 第1の層
104 第2の層
105 第3の層
106 第4の層
107 第2の電極
200 基板
201 第1の電極
202 第2の電極
203 発光物質を含む層
211 第1の層
212 第2の層
213 第3の層
214 第4の層
302 第1の電極
303 第1の層
304 第2の層
305 第3の層
306 第4の層
307 第2の電極
501 サブフレーム
502 サブフレーム
503 サブフレーム
504 サブフレーム
901 第1のトランジスタ
902 第2のトランジスタ
903 発光素子
911 ゲート信号線
912 ソース信号線
913 書込用ゲート信号線駆動回路
914 消去用ゲート信号線駆動回路
915 ソース信号線駆動回路
916 電源
917 電流供給線
918 スイッチ
919 スイッチ
920 スイッチ
1001 第1のトランジスタ
1002 第2のトランジスタ
1003 ゲート信号線
1004 ソース信号線
1005 電流供給線
1006 電極
501a 期間
501b 保持期間
504b 保持期間
504c 消去期間
504d 非発光期間
5521 本体
5522 筐体
5523 表示部
5524 キーボード
5531 表示部
5532 筐体
5533 スピーカー
5551 表示部
5552 本体
5553 アンテナ
5554 音声出力部
5555 音声入力部
5556 操作スイッチ
6500 基板
6503 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
6504 プリント配線基盤(PWB)
6511 画素部
6512 ソース信号線駆動回路
6513 書込用ゲート信号線駆動回路
6514 消去用ゲート信号線駆動回路
10 基板
11 トランジスタ
12 発光素子
13 第1の電極
14 第2の電極
15 層
16a 第1層間絶縁膜
16b 第1層間絶縁膜
16c 第1層間絶縁膜
17 配線
18 隔壁層
19a 第2層間絶縁膜
19b 第2層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、
前記有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.3eV未満であることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、
前記有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.26eV未満であることを特徴とする発光素子。
【請求項3】
一対の電極間に、有機材料と無機材料とを含む層を有し、
前記有機材料と無機材料とを含む層の電気伝導度の活性化エネルギーは0.01eV以上0.20eV未満であることを特徴とする発光素子。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記有機材料と無機材料とを含む層は、可視光領域に吸収ピークがなく、無機材料の濃度が30〜95wt%であることを特徴とする発光素子。
【請求項5】
請求項4において、前記有機材料は、4,4’−ビス(N−{4−[N,N’−ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルのいずれかであることを特徴とする発光素子。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記有機材料と無機材料とを含む層は、可視光領域に吸収ピークがあり、無機材料の濃度が5〜95wt%であることを特徴とする発光素子。
【請求項7】
請求項6において、前記有機材料は、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルのいずれかであることを特徴とする発光素子。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、前記無機材料は、金属酸化物であることを特徴とする発光素子。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、前記無機材料は、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物のいずれか一種もしくは複数種であることを特徴とする発光素子。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、前記有機材料と無機材料とを含む層は、前記一対の電極の一方の電極と接するように設けられていることを特徴とする発光素子。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の発光素子を有する発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−261653(P2006−261653A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36191(P2006−36191)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】