発光素子アレイチップの製造方法、マイクロレンズ成形型、発光素子ヘッドおよび画像形成装置
【課題】厚さに対し高い精度を有し、また透明樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる発光素子アレイチップの製造方法等を提供する。
【解決手段】基板と、基板の表面に形成され、マイクロレンズ103の形状の転写形状を有する複数の孔部204と、孔部204の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ205aとを有するマイクロレンズ成形型200を光硬化性樹脂302に押圧し、スペーサ205aによりマイクロレンズ103の厚さを規定し、光硬化性樹脂302を硬化させることで、LED102にマイクロレンズ103を形成することを特徴とする発光素子アレイチップ100の製造方法。
【解決手段】基板と、基板の表面に形成され、マイクロレンズ103の形状の転写形状を有する複数の孔部204と、孔部204の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ205aとを有するマイクロレンズ成形型200を光硬化性樹脂302に押圧し、スペーサ205aによりマイクロレンズ103の厚さを規定し、光硬化性樹脂302を硬化させることで、LED102にマイクロレンズ103を形成することを特徴とする発光素子アレイチップ100の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子アレイチップの製造方法等に関し、特に発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子アレイチップの製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段によって照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行なわれる。かかる光記録手段として、レーザを用いて主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)アレイ光源を主走査方向に多数、配列してなるLEDヘッドを用いた光記録手段が採用されている。
【0003】
このLEDアレイ光源を用いた画像形成装置は、光走査方式の画像形成装置に比べて、スキャンする空間が不要となり、駆動系が不要となることから、画像形成装置全体が小型化し、信頼性が向上するという利点がある。また、振動や熱による光学系の変形に強いという利点もある。
【0004】
一方、LEDアレイ光源における各LED素子は、光の放射角が広いので感光ドラムに対して、効率よく光を入射させにくい。この点を解決するため、例えば特許文献1では、各LED素子に対応させたマイクロレンズを組み込んだ発光素子アレイが提案されている。
【0005】
このマイクロレンズを成形する際に、マイクロレンズを形成する樹脂等の厚さは、高い精度が要求される。この精度を実現するための方法として、例えば特許文献2では、スタンパ型、樹脂材料、光照射装置を用いて光学基材上に回折格子となるレリーフパターン転写面と外周部に樹脂の流出可能な隙間を持つ第1の成形支持部と、外周部で樹脂の流出を抑止可能な第2の成形支持部を第1の成形支持部より僅か数μm高く構成してレプリカ成形し、基板上の第1の成形支持部上を覆うようにリング状部材を配置して、特に第1の成形支持部上は強固な部材と二体構成とし、平坦化圧力を付与する光学素子の製造方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、凹曲面を有する複数の凹部が形成された透明基板と、かかる透明基板の凹部が設けられた面に樹脂層を介して接合された表層と、樹脂層の厚みを規定する球状粒子で構成されているスペーサーとを有するマイクロレンズ基板を使用し、そして、樹脂層では、凹部内に充填された樹脂によりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ基板が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−24042号公報
【特許文献2】特開2006−95722号公報
【特許文献3】特開2001−188107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マイクロレンズを形成する樹脂の厚みを規定するのにスペーサを用いる方式では、そのスペーサの厚さに高い精度が求められると共に樹脂のはみ出しを防止する機能も求められる。
本発明の目的は、厚さに対し高い精度を有し、また樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる発光素子アレイチップの製造方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
基板と、当該基板の表面に形成されマイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、
前記スペーサ部により前記マイクロレンズの厚さを規定し、
前記透明樹脂を硬化させることで、発光素子に前記マイクロレンズを形成することを特徴とする発光素子アレイチップの製造方法である。
【0010】
請求項2に係る発明は、
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記孔部は、前記矩形の長辺に沿って直線状に配列し、
前記スペーサ部は、直線状に配列する前記孔部の端部であって、前記矩形の短辺側に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項3に係る発明は、
前記孔部は、前記矩形の一方の長辺側に配列し、
前記スペーサ部は、前記矩形の他方の長辺側に更に配されることを特徴とする請求項2に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項4に係る発明は、
前記スペーサ部は、複数の領域に分割して配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項5に係る発明は、
前記基板は、前記孔部の外周領域に更に凹部を有し、
前記スペーサ部は、前記凹部に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項6に係る発明は、
前記透明樹脂は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項7に係る発明は、
前記発光素子アレイチップは、自己走査型発光素子アレイチップであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
【0011】
請求項8に係る発明は、
基板と、
前記基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、
前記孔部の外周領域に形成され、前記マイクロレンズの厚さを規定する金属薄膜からなるスペーサ部と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ成形型である。
【0012】
請求項9に係る発明は、
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記スペーサ部は、前記矩形の短辺側に沿って配されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロレンズ成形型である。
【0013】
請求項10に係る発明は、
発光素子アレイチップを主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイと、
前記発光素子アレイの光出力を結像させる光学素子と、を有し、
前記発光素子アレイチップは、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで形成したマイクロレンズを有する発光素子を備えることを特徴とする発光素子ヘッドである。
【0014】
請求項11に係る発明は、
トナー像を形成させるトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで、発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、スペーサ部を金属薄膜とすることで、樹脂のはみ出しを抑制し適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成した発光素子アレイチップを製造できる。
請求項2の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の短辺側にスペーサ部を配することで、ボンディングパッド等へのはみ出しを抑制し、より適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項3の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の一方の長辺側にスペーサ部を配することで、厚さに対しより高い精度を有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項4の発明によれば、スペーサ部を分割して配することで、より自由度の高いスペーサ部を配置することができ、これにより厚さに対しより高い精度を有するマイクロレンズが形成できる。また、より発光素子の占有面積を大きくすることができる発光素子アレイチップを製造することができる。
請求項5の発明によれば、スペーサ部を基板に形成した凹部に配することで、スペーサ部の厚さを薄くでき、よってより薄い厚さを有するマイクロレンズを形成することができる。
請求項6の発明によれば、透明樹脂として光硬化性樹脂を使用することで、より簡単にマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項7の発明によれば、発光素子アレイチップを自己走査型発光素子アレイチップとすることで、よりその大きさが小さい発光素子アレイチップを製造することができる。
請求項8の発明によれば、スペーサ部を金属薄膜で形成することにより、厚さに対しより精度が高く、また樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを形成することができ、そして、より設計の自由度の高いスペーサ部を配置することができるマイクロレンズ成形型を実現することができる。
請求項9の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の短辺側に沿ってスペーサ部を配することで、より簡単に樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを形成することができる。
請求項10の発明によれば、厚さに対しより精度の高いマイクロレンズを発光素子に形成することができるため、より光出力の強度が大きい発光素子ヘッドが実現できる。
請求項11の発明によれば、より光出力の強度が大きい発光素子ヘッドを備えることができるため、より高い画質を有する画像形成装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0017】
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置であって、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、画像プロセス系10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)40を備えている。
【0018】
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数のエンジンからなるトナー像形成手段の一例としての画像形成ユニット11を備えている。この画像形成ユニット11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kから構成されており、夫々、静電潜像を形成してトナー像を形成させる像保持体(感光体)である感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光する発光装置である発光素子ヘッド14、発光素子ヘッド14によって得られた潜像を現像する現像器15を備えている。また、画像プロセス系10は、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を記録媒体の一例としての記録用紙に多重転写させるために、この記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト21、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23を備えている。
【0019】
各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、現像器15に収納されたトナーを除き、ほぼ同様な構成を備えている。PC2やIIT3から入力された画像信号は、画像処理部40によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに供給される。画像プロセス系10は、画像出力制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて動作する。まず、イエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により帯電された感光体ドラム12の表面に、画像処理部40から得られた画像信号に基づき、発光素子ヘッド14によって静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対して現像器15によってイエローのトナー像を形成し、形成されたイエローのトナー像は、図の矢印方向に回動する用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて転写される。同様にして、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が各々の感光体ドラム12上に形成され、用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて多重転写される。多重転写された記録用紙上のトナー像は、定着手段の一例としての定着器24に搬送されて、熱および圧力によって記録用紙に定着される。
【0020】
図2は、本実施の形態が適用される発光素子ヘッド14の構成を示した図である。
発光素子ヘッド14は、記録素子(発光素子)として多数のLEDが配列された発光素子アレイ51、発光素子アレイ51を支持すると共に発光素子アレイ51の駆動を制御するための回路が形成されたプリント基板52、各LEDから出射された光出力を感光体ドラム12上に結像させる光学素子であるセルフォックレンズアレイ(SLA:登録商標)53を備え、プリント基板52およびセルフォックレンズアレイ53は、ハウジング54に保持されている。発光素子アレイ51は、LEDが主走査方向に画素数分、配列されたものからなる。例えば、A3サイズの短手(297mm)を主走査方向とする場合、600dpiの解像度では、約42.3μm毎に7040個のLEDが配列されることになる。なお、本実施の形態では、LEDが一直線上に並べられており、実際にはサイドレジずれ等を考慮して7680個のLEDが配列されている。
【0021】
図3は、発光素子アレイ51の構造を説明した概略図である。
図3に示した発光素子アレイ51は、複数の発光素子アレイチップ100が主走査方向に千鳥状に配列する。
発光素子アレイチップ100は、矩形形状であり両側に配線等を行うスペースであるボンディングパッド101を備える。このようにボンディングパッド101を配すれば、ほぼボンディングパッド101自体が必要とする幅までチップ幅を小さくできる利点がある。
また発光素子アレイチップ100において両側のボンディングパッド101に挟まれる領域には、発光素子であるLED102が主走査方向である矩形の長辺に沿って直線状に等間隔で配列する。ここで、LED102は、発光素子アレイチップ100の長辺の一方に寄せて配置される。そして奇数番の発光素子アレイチップ100と偶数番の発光素子アレイチップ100とは、LED102が向かい合わせになるように、また、ボンディングパッド101を重ねるようにして配置される。このような配置により全てのLED102を、主走査方向に対し等間隔に並べて配置することができる。
また各LED102上には図示しないマイクロレンズ103が取り付けられている。
【0022】
図4(a)〜(b)は、発光素子アレイチップ100の構造を説明した図である。
図4(a)は、発光素子アレイチップ100をLED102の光が出射する方向から見た図である。また図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。
上述の通り、発光素子アレイチップ100には、その両側にボンディングパッド101が配され、また両側のボンディングパッド101に挟まれる領域には、LED102が直線状に等間隔に配されている。そして、それぞれのLED102には光が出射する側にマイクロレンズ103が形成されている。このマイクロレンズ103は、LED102から出射した光を集光し、感光体ドラム12(図2参照)に対して、効率よく光を入射させることができる。
このマイクロレンズ103は、光硬化性樹脂等の透明樹脂からなり、より効率よく光を集光するためその表面は非球面形状をとることが好ましい。また、マイクロレンズ103の大きさ、厚さ、焦点距離等は、使用されるLED102の波長、使用される光硬化性樹脂の屈折率等により適宜決定される。
【0023】
なお、本実施の形態では、発光素子アレイチップ100として自己走査型発光素子アレイを使用するのが好ましい。自己走査型発光素子アレイは、発光素子アレイの構成要素としてpnpn構造を持つ発光サイリスタを用い、発光素子の自己走査が実現できるように構成したものであり、特開平1−238962号公報、特開平2−14584号公報、特開平2−92650号公報、特開平2−92651号公報に開示されている。また、特開平2−263668号公報には、転送素子アレイを転送部として、発光部である発光素子アレイと分離した構造の自己走査型発光素子アレイが開示されている。
【0024】
図5は、分離タイブの自己走査型発光素子アレイの等価回路図である。この自己走査
型発光素子アレイは、転送用サイリスタT1,T2,T3,…、書込み用発光サイリスタL1,L2,L3,…からなる。転送部の構成は、ダイオード接続を用いている。VGKは電源(通常5V)であり、電源ライン72から各負荷抵抗RLを経て各転送用サイリスタのゲート電極G1,G2,G3,…に接続されている。また、転送用サイリスタのゲート電極G1,G2,G3,…は、書込み用発光サイリスタのゲート電極にも接続される。転送用サイリスタT1のゲート電極にはスタートパルスφSが加えられ、転送用サイリスタのアノード電極には、交互に転送用クロックパルスφ1,φ2が加えられる。これらクロックパルスφ1,φ2は、クロックパルスライン74,76を経て供給される。書込み用発光サイリスタのアノード電極には、信号ライン78を経て、書込み信号φIが加えられている。
【0025】
次に動作を簡単に説明する。まず転送用クロックパルスφ1の電圧がハイレベルで転送用サイリスタT2がオン状態であるとする。このとき、ゲート電極G2の電位はVGKの5Vからほぼ0Vにまで低下する。この電位降下の影響はダイオードD2によってゲート電極G3に伝えられ、その電位を約1V(ダイオードD2の順方向立上り電圧(拡散電位に等しい))に設定する。しかし、ダイオードD1は逆バイアス状態であるためゲート電極G1への電位の接続は行われず、ゲート電極G1の電位は5Vのままとなる。書込み用発光サイリスタのオン電位は、ゲート電極電位+pn接合の拡散電位(約1V)で近似されるから、次の転送用クロックパルスφ2のHレベル電圧は約2V(転送用サイリスタT3をオンさせるために必要な電圧)以上でありかつ約4V(転送用サイリスタT4をオンさせるために必要な電圧)以下に設定しておけば転送用サイリスタT3のみがオンし、これ以外の転送用サイリスタはオフのままにすることができる。従って2本の転送用クロックパルスでオン状態が転送されることになる。
【0026】
スタートパルスφSは、このような転送動作を開始させるためのパルスであり、スタートパルスφSをLレベル(約0V)にすると同時に転送用クロックパルスφ2をHレベル(約2〜約4V)とし、転送用サイリスタT1をオンさせる。その後すぐ、スタートパルスφSはHレベルに戻される。
【0027】
いま、転送用サイリスタT2がオン状態にあるとすると、ゲート電極G2の電位は、VGK(ここでは5Vと想定する)より低下し、ほぼ0Vとなる。したがって、書込み信号φIの電圧が、pn接合の拡散電位(約1V)以上であれば、書込み用発光サイリスタL2を発光状態とすることができる。
【0028】
これに対し、ゲート電極G1は約5Vであり、ゲート電極G3は約1Vとなる。したがって、書込み用発光サイリスタL1の書込み電圧は約6V、書込み用発光サイリスタL3の書込み電圧は約2Vとなる。これから、書込み用発光サイリスタL2のみに書き込める書込み信号φIの電圧は、1〜2Vの範囲となる。書込み用発光サイリスタL2がオン、すなわち発光状態に入ると、発光強度は書込み信号φIに流す電流量で決められ、任意の強度にて画像書込みが可能となる。また、発光状態を次の書込み用発光サイリスタに転送するためには、書込み信号φIラインの電圧を一度0Vまでおとし、発光している書込み用発光サイリスタをいったんオフにしておく必要がある。
【0029】
次にマイクロレンズ103を形成する方法について説明するが、まず、従来の方法について説明を行う。
図6(a)〜(e)および図7(a)〜(e)は、LED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を製造する工程の従来の例について説明した図である。
この工程は、大きく分けてマイクロレンズ103を形成するためのマイクロレンズ成形型200を作成する工程(図6(a)〜(e))と、そのマイクロレンズ成形型200を使用して、実際にLED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を作成する工程(図7(a)〜(e))とからなる。
【0030】
最初にマイクロレンズ成形型200を作成する工程について説明を行う。
まず石英ガラスからなる基板201にクロム膜202を形成する。このクロム膜202は、蒸着等の方法で成膜することができ、厚さは0.2μm〜1μm程度とするのが好ましい(図6(a))。
【0031】
次に、クロム膜202に開口部203を設ける(図6(b))。この開口部203の中央部の間隔は、マイクロレンズ103(図4参照)の中央部の間隔と同一であり、例えば約42.3μmとすることができる。開口部203を設けるには、フォトリソグラフィ法により行うことができる。即ち、開口部203に対応したレジスト層を形成させ、このレジスト層をマスクとして、ドライエッチングやウェットエッチングによりクロム層202の開口部203に相当する部分を除去する。ドライエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチング法が利用でき、またウェットエッチングとしては、希塩酸や希硫酸への浸漬を行う方法などが利用できる。そして、残ったレジスト層をレジスト除去液等を利用することにより除去すると開口部203が形成される。
【0032】
次に、基板201のウェットエッチングを行う。エッチング液としては、フッ酸水溶液等が使用できる。このときクロム膜202は、マスクとして機能し、開口部203の部分が等方的にエッチングされる。その結果、石英ガラスの基板201に略半球形状の孔部204が形成される(図6(c))。この略半球形状の孔部204の形状は、マイクロレンズ103の転写形状である。
【0033】
次に、クロム膜202を部分的に除去する(図6(d))。クロム膜202の除去には、上記の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチング法等のドライエッチング法や、希塩酸や希硫酸への浸漬を行うウェットエッチング法が利用できるが、例えば粘着テープを貼りつけ、それを剥ぎ取る方法でも除去可能である。
そして、マイクロレンズ103を形成する際にマイクロレンズ成形型200との離型性をよりよくするため、離型処理をし、マイクロレンズ103を形成する際にマイクロレンズ成形型200を所定の位置に規定するためのスペーサ205を形成する(図6(e))。
この離型処理は、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂等をコーティングすることで離型膜206を形成させるような方法により行うことができる。また、スペーサ205は、プラスチック等からなる10μm前後の粒径を有する球状のビーズを1層塗布することにより形成させることができる。
以上のような一連の工程によりマイクロレンズ成形型200が作成できる。
【0034】
次に上記のようにして作成したマイクロレンズ成形型200を使用し、LED102にマイクロレンズ103を作成する工程について説明を行う。
まず、LED102を形成した発光素子アレイチップ301に紫外線(UV:Ultra Violet)により硬化する光硬化性樹脂302を滴下する(図7(a))。またこの際に、スピンコート等を行うことにより光硬化性樹脂302が発光素子アレイチップ301上で均一になるようにしてもよい。使用される光硬化性樹脂としては、LED102から出射された光を透過するものであれば、特に限定されるものではないが、一般的なエポキシ系の光硬化性樹脂やアクリル系の光硬化性樹脂が使用できる。
【0035】
次に、マイクロレンズ成形型200を発光素子アレイチップ301に押付けることにより光硬化性樹脂302を展開させ、水平方向および高さ方向に対し、微少位置合せを行う(図7(b))。このとき、光硬化性樹脂302は、マイクロレンズ成形型200に形成された孔部204に侵入し、マイクロレンズ103の形状となる。
高さ方向の位置合せは、マイクロレンズ成形型200を発光素子アレイチップ301に所定の圧力で押圧を行い、発光素子アレイチップ301とスペーサ205とを接触させることにより行う。マイクロレンズ成形型200の高さ方向の位置は、スペーサ205により規定され、光硬化性樹脂302の厚さを全体で均一にすることができる。また、水平方向への位置合せは、図示しない所定のマーカに位置合せをする方法で行うことができる。
【0036】
マイクロレンズ成形型200の位置合せの完了後、紫外線を照射し、光硬化性樹脂302を硬化させる。このときクロム膜202が遮光膜としての機能を果たし、必要な部分のみを選択的に硬化させる(図7(c))。
光硬化性樹脂302の硬化後、マイクロレンズ成形型200を離型させる(図7(d))。そして、硬化させなかった光硬化性樹脂302を洗浄により除去すると、LED102上に硬化した光硬化性樹脂302よりなるマイクロレンズ103が形成された発光素子アレイチップ100が製造できる(図7(e))。
【0037】
上記製造方法によれば、図7(c)において、光硬化性樹脂302を選択的に硬化させる際、クロム膜202により光の照射部分を選択し、硬化範囲を選択している。しかしながら、高さ制御方法として用いられているスペーサ205として球状のビーズを用いる場合、光硬化性樹脂302が展開する領域が細部まで制御できず、クロム膜202の外からの光がクロム膜202の下部にある光硬化性樹脂302と反応し、目的として硬化させる部分以外の部分で光硬化性樹脂の硬化が進むという問題がある。即ち、スペーサ205として球状のビーズを塗布して使用する方法では、図7(b)で示したように、光硬化性樹脂302が、クロム膜202の下側にも入り込む。そして、図7(c)で示したように、光硬化性樹脂302を硬化させるために紫外線を照射した際に、紫外線がスペーサ205を構成する球状のビーズ間の隙間を通し、クロム膜202の下側にも回り込む。その結果、図7(d)〜(e)で示したように本来光硬化性樹脂302を硬化させたくない部分についても光硬化性樹脂302の硬化が生じ、余分なはみ出し部303が形成されることになる。
また、微細な形状のスペーサ205が設計できない事から、スペーサ205の厚さにばらつきが生じ、そのためマイクロレンズ103を均一な厚さで作成できないという問題もある。
【0038】
そこで、本実施の形態では、スペーサ205として、金属薄膜を用いたものを使用している。
図8は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第1の例を説明した図である。
図8に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205aを設けた例である。この金属は、例えば、クロムであり、スパッタ、メッキ等の方法により成膜が可能である。また、膜厚は、スパッタやメッキを行う時間等により精度良く制御することができる。
このように金属薄膜によるスペーサ205aを設けることで、前述した図7(b)において生じた光硬化性樹脂302の入り込みを抑制し、光硬化性樹脂302が展開する領域を細部まで制御できることができる。即ち、スパッタやメッキを行い、スペーサ205aを形成するときに、精度良くその位置を決定することができ、光硬化性樹脂302が所定の位置からはみ出しにくくなる。
【0039】
図9(a)〜(e)は、図8に示したマイクロレンズ成形型200を用いて、LED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を製造する工程を説明した図である。
図9(a)〜(e)に示した工程は、図7(a)〜(e)に示した工程にそれぞれ対応し、行う作業も同様のことを行う。但し、スペーサとして金属薄膜によるスペーサ205aを用いたマイクロレンズ成形型200を使用しているため、図9(b)において、図7(b)に示したような、クロム膜202の下への光硬化性樹脂302の入り込みは生じにくい。また、スペーサ205aは金属薄膜により構成されているので、図9(c)において、ビーズを使用した際に生じるビーズ間の隙間を通した紫外線の回り込みも生じにくい。よって光硬化性樹脂302を本来硬化させたい部分について選択的に硬化させやすく、図9(d)〜(e)に示したように、図7(d)〜(e)に生じたはみ出し部303も形成されにくい。
【0040】
図10(a)〜(b)は、図8に示したマイクロレンズ成形型200を使用して、マイクロレンズ103を形成した発光素子アレイチップ100の例を説明した図である。
図10(a)は、発光素子アレイチップ100をLED102の光が出射する方向から見た図である。また図10(b)は、図10(a)のB−B断面図である。
図10(a)〜(b)に示した発光素子アレイチップ100において、矩形状の発光アレイチップ100の両端には、前述の通りボンディングパッド101が配置されており、両端のボンディングパッド101にはさまれた領域にはLED102が配置されている。そして、その領域全域に硬化させた光硬化性樹脂302を被覆しマイクロレンズ103を形成している。この際に、ボンディングパッド101の部分には光硬化性樹脂302は被覆されないことが好ましい。図8に示したマイクロレンズ成形型200を使用することで、このボンディングパッド101に光硬化性樹脂302がはみ出し硬化するのを抑制しやすくなる。
【0041】
図11は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第2の例を説明した図である。
図11に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205bを設けている。またマイクロレンズ成形型200の孔部204が設けられている長辺側とは逆側の長辺側にスペーサ205cを設けている。スペーサ205bの他にスペーサ205cを設けることで、前述の図7(b)においてマイクロレンズ103を成形する際にマイクロレンズ成形型200が自重や押圧により変形するのを抑制することが可能である。
また、スペーサ205bは、図8で示したスペーサ205aに対しその大きさを小さくしている。スパッタ、メッキ等の方法で成膜できる金属薄膜をスペーサとして使用することで、その位置や大きさに対し自由な設計が可能であるので、微細な形状のスペーサを設計できる。そのためLED102(図4参照)の占有面積を大きくすることができる発光素子アレイチップ100を製造することができる。また、このような微細な形状のスペーサは、厚さのばらつきが小さくなる。そのためマイクロレンズ103を成形する際にもその厚さのばらつきが生じにくくなる。よって、マイクロレンズ103の焦点距離等の特性も一様にそろうことになる。
【0042】
図12は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第3の例を説明した図である。
図12に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205dを設けた例である。
図8に示したスペーサ205aに比べ、スペーサ205dは、2分割されている。またその大きさは、スペーサ205aに比べ、小さくしている。このような形状のスペーサ205dを採用することで、スペーサ205dを配置する位置がより自由になり、マイクロレンズ103の設計の自由度をより高くすることができる。
【0043】
図13は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第4の例を説明した図である。
図13に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ凹部である溝207を設け、そこにスペーサ205eを形成させた例である。
このような構造を採ることで、例えば、設計上マイクロレンズ103の厚さを非常に薄くしなければならず、よってスペーサを薄くしなければならないものの、そのように薄くスペーサを形成しにくいような場合に有効である。つまり、凹部を設けることにより、その分だけ薄くスペーサを形成できることになる。
【0044】
図14は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第5の例を説明した図である。
矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ凹部である溝207を設け、そこにスペーサ205eを形成させるという点では図13と同様の構成であるが、それに加え、図14に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の孔部204が設けられている長辺側とは逆側の長辺側にも溝207を設け、スペーサ205fを設けている。このようにすることで前述の図7(b)においてマイクロレンズ成形型200が自重や押圧により変形するのを抑制しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】本実施の形態が適用される発光素子ヘッドの構成を示した図である。
【図3】発光素子アレイの構造を説明した概略図である。
【図4】発光素子アレイチップの構造を説明した図である。
【図5】分離タイブの自己走査型発光素子アレイの等価回路図である。
【図6】マイクロレンズを形成するためのマイクロレンズ成形型を作成する工程を説明した図である。
【図7】マイクロレンズ成形型を使用して、マイクロレンズを形成し、発光素子アレイチップを製造する工程の従来の例について説明した図である。
【図8】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第1の例を説明した図である。
【図9】図8に示したマイクロレンズ成形型を用いて、LEDにマイクロレンズを形成し、発光素子アレイチップを製造する工程を説明した図である。
【図10】図8に示したマイクロレンズ成形型を使用して、マイクロレンズを形成した発光素子アレイチップの例を説明した図である。
【図11】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第2の例を説明した図である。
【図12】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第3の例を説明した図である。
【図13】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第4の例を説明した図である。
【図14】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第5の例を説明した図である。
【符号の説明】
【0046】
1…画像形成装置、11K,11C,11M,11Y…画像形成ユニット、14…発光素子ヘッド、23…転写ロール、24…定着器、51…発光素子アレイ、53…セルフォックレンズアレイ、100…発光素子アレイチップ、101…ボンディングパッド、102…LED、103…マイクロレンズ、200…マイクロレンズ成形型、201…基板、204…孔部、205…スペーサ、302…光硬化性樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子アレイチップの製造方法等に関し、特に発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子アレイチップの製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段によって照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行なわれる。かかる光記録手段として、レーザを用いて主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)アレイ光源を主走査方向に多数、配列してなるLEDヘッドを用いた光記録手段が採用されている。
【0003】
このLEDアレイ光源を用いた画像形成装置は、光走査方式の画像形成装置に比べて、スキャンする空間が不要となり、駆動系が不要となることから、画像形成装置全体が小型化し、信頼性が向上するという利点がある。また、振動や熱による光学系の変形に強いという利点もある。
【0004】
一方、LEDアレイ光源における各LED素子は、光の放射角が広いので感光ドラムに対して、効率よく光を入射させにくい。この点を解決するため、例えば特許文献1では、各LED素子に対応させたマイクロレンズを組み込んだ発光素子アレイが提案されている。
【0005】
このマイクロレンズを成形する際に、マイクロレンズを形成する樹脂等の厚さは、高い精度が要求される。この精度を実現するための方法として、例えば特許文献2では、スタンパ型、樹脂材料、光照射装置を用いて光学基材上に回折格子となるレリーフパターン転写面と外周部に樹脂の流出可能な隙間を持つ第1の成形支持部と、外周部で樹脂の流出を抑止可能な第2の成形支持部を第1の成形支持部より僅か数μm高く構成してレプリカ成形し、基板上の第1の成形支持部上を覆うようにリング状部材を配置して、特に第1の成形支持部上は強固な部材と二体構成とし、平坦化圧力を付与する光学素子の製造方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献3では、凹曲面を有する複数の凹部が形成された透明基板と、かかる透明基板の凹部が設けられた面に樹脂層を介して接合された表層と、樹脂層の厚みを規定する球状粒子で構成されているスペーサーとを有するマイクロレンズ基板を使用し、そして、樹脂層では、凹部内に充填された樹脂によりマイクロレンズが形成されるマイクロレンズ基板が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−24042号公報
【特許文献2】特開2006−95722号公報
【特許文献3】特開2001−188107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マイクロレンズを形成する樹脂の厚みを規定するのにスペーサを用いる方式では、そのスペーサの厚さに高い精度が求められると共に樹脂のはみ出しを防止する機能も求められる。
本発明の目的は、厚さに対し高い精度を有し、また樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる発光素子アレイチップの製造方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
基板と、当該基板の表面に形成されマイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、
前記スペーサ部により前記マイクロレンズの厚さを規定し、
前記透明樹脂を硬化させることで、発光素子に前記マイクロレンズを形成することを特徴とする発光素子アレイチップの製造方法である。
【0010】
請求項2に係る発明は、
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記孔部は、前記矩形の長辺に沿って直線状に配列し、
前記スペーサ部は、直線状に配列する前記孔部の端部であって、前記矩形の短辺側に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項3に係る発明は、
前記孔部は、前記矩形の一方の長辺側に配列し、
前記スペーサ部は、前記矩形の他方の長辺側に更に配されることを特徴とする請求項2に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項4に係る発明は、
前記スペーサ部は、複数の領域に分割して配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項5に係る発明は、
前記基板は、前記孔部の外周領域に更に凹部を有し、
前記スペーサ部は、前記凹部に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項6に係る発明は、
前記透明樹脂は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
請求項7に係る発明は、
前記発光素子アレイチップは、自己走査型発光素子アレイチップであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法である。
【0011】
請求項8に係る発明は、
基板と、
前記基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、
前記孔部の外周領域に形成され、前記マイクロレンズの厚さを規定する金属薄膜からなるスペーサ部と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ成形型である。
【0012】
請求項9に係る発明は、
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記スペーサ部は、前記矩形の短辺側に沿って配されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロレンズ成形型である。
【0013】
請求項10に係る発明は、
発光素子アレイチップを主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイと、
前記発光素子アレイの光出力を結像させる光学素子と、を有し、
前記発光素子アレイチップは、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで形成したマイクロレンズを有する発光素子を備えることを特徴とする発光素子ヘッドである。
【0014】
請求項11に係る発明は、
トナー像を形成させるトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで、発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、スペーサ部を金属薄膜とすることで、樹脂のはみ出しを抑制し適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成した発光素子アレイチップを製造できる。
請求項2の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の短辺側にスペーサ部を配することで、ボンディングパッド等へのはみ出しを抑制し、より適切なパターンを有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項3の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の一方の長辺側にスペーサ部を配することで、厚さに対しより高い精度を有するマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項4の発明によれば、スペーサ部を分割して配することで、より自由度の高いスペーサ部を配置することができ、これにより厚さに対しより高い精度を有するマイクロレンズが形成できる。また、より発光素子の占有面積を大きくすることができる発光素子アレイチップを製造することができる。
請求項5の発明によれば、スペーサ部を基板に形成した凹部に配することで、スペーサ部の厚さを薄くでき、よってより薄い厚さを有するマイクロレンズを形成することができる。
請求項6の発明によれば、透明樹脂として光硬化性樹脂を使用することで、より簡単にマイクロレンズを発光素子に形成することができる。
請求項7の発明によれば、発光素子アレイチップを自己走査型発光素子アレイチップとすることで、よりその大きさが小さい発光素子アレイチップを製造することができる。
請求項8の発明によれば、スペーサ部を金属薄膜で形成することにより、厚さに対しより精度が高く、また樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを形成することができ、そして、より設計の自由度の高いスペーサ部を配置することができるマイクロレンズ成形型を実現することができる。
請求項9の発明によれば、矩形状のマイクロレンズ成形型の短辺側に沿ってスペーサ部を配することで、より簡単に樹脂のはみ出しを抑制して適切なパターンを有するマイクロレンズを形成することができる。
請求項10の発明によれば、厚さに対しより精度の高いマイクロレンズを発光素子に形成することができるため、より光出力の強度が大きい発光素子ヘッドが実現できる。
請求項11の発明によれば、より光出力の強度が大きい発光素子ヘッドを備えることができるため、より高い画質を有する画像形成装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0017】
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置であって、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、画像プロセス系10を制御する画像出力制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)40を備えている。
【0018】
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数のエンジンからなるトナー像形成手段の一例としての画像形成ユニット11を備えている。この画像形成ユニット11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kから構成されており、夫々、静電潜像を形成してトナー像を形成させる像保持体(感光体)である感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光する発光装置である発光素子ヘッド14、発光素子ヘッド14によって得られた潜像を現像する現像器15を備えている。また、画像プロセス系10は、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を記録媒体の一例としての記録用紙に多重転写させるために、この記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト21、用紙搬送ベルト21を駆動させるロールである駆動ロール22、感光体ドラム12のトナー像を記録用紙に転写させる転写手段の一例としての転写ロール23を備えている。
【0019】
各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、現像器15に収納されたトナーを除き、ほぼ同様な構成を備えている。PC2やIIT3から入力された画像信号は、画像処理部40によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに供給される。画像プロセス系10は、画像出力制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて動作する。まず、イエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により帯電された感光体ドラム12の表面に、画像処理部40から得られた画像信号に基づき、発光素子ヘッド14によって静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対して現像器15によってイエローのトナー像を形成し、形成されたイエローのトナー像は、図の矢印方向に回動する用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて転写される。同様にして、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が各々の感光体ドラム12上に形成され、用紙搬送ベルト21上の記録用紙に転写ロール23を用いて多重転写される。多重転写された記録用紙上のトナー像は、定着手段の一例としての定着器24に搬送されて、熱および圧力によって記録用紙に定着される。
【0020】
図2は、本実施の形態が適用される発光素子ヘッド14の構成を示した図である。
発光素子ヘッド14は、記録素子(発光素子)として多数のLEDが配列された発光素子アレイ51、発光素子アレイ51を支持すると共に発光素子アレイ51の駆動を制御するための回路が形成されたプリント基板52、各LEDから出射された光出力を感光体ドラム12上に結像させる光学素子であるセルフォックレンズアレイ(SLA:登録商標)53を備え、プリント基板52およびセルフォックレンズアレイ53は、ハウジング54に保持されている。発光素子アレイ51は、LEDが主走査方向に画素数分、配列されたものからなる。例えば、A3サイズの短手(297mm)を主走査方向とする場合、600dpiの解像度では、約42.3μm毎に7040個のLEDが配列されることになる。なお、本実施の形態では、LEDが一直線上に並べられており、実際にはサイドレジずれ等を考慮して7680個のLEDが配列されている。
【0021】
図3は、発光素子アレイ51の構造を説明した概略図である。
図3に示した発光素子アレイ51は、複数の発光素子アレイチップ100が主走査方向に千鳥状に配列する。
発光素子アレイチップ100は、矩形形状であり両側に配線等を行うスペースであるボンディングパッド101を備える。このようにボンディングパッド101を配すれば、ほぼボンディングパッド101自体が必要とする幅までチップ幅を小さくできる利点がある。
また発光素子アレイチップ100において両側のボンディングパッド101に挟まれる領域には、発光素子であるLED102が主走査方向である矩形の長辺に沿って直線状に等間隔で配列する。ここで、LED102は、発光素子アレイチップ100の長辺の一方に寄せて配置される。そして奇数番の発光素子アレイチップ100と偶数番の発光素子アレイチップ100とは、LED102が向かい合わせになるように、また、ボンディングパッド101を重ねるようにして配置される。このような配置により全てのLED102を、主走査方向に対し等間隔に並べて配置することができる。
また各LED102上には図示しないマイクロレンズ103が取り付けられている。
【0022】
図4(a)〜(b)は、発光素子アレイチップ100の構造を説明した図である。
図4(a)は、発光素子アレイチップ100をLED102の光が出射する方向から見た図である。また図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。
上述の通り、発光素子アレイチップ100には、その両側にボンディングパッド101が配され、また両側のボンディングパッド101に挟まれる領域には、LED102が直線状に等間隔に配されている。そして、それぞれのLED102には光が出射する側にマイクロレンズ103が形成されている。このマイクロレンズ103は、LED102から出射した光を集光し、感光体ドラム12(図2参照)に対して、効率よく光を入射させることができる。
このマイクロレンズ103は、光硬化性樹脂等の透明樹脂からなり、より効率よく光を集光するためその表面は非球面形状をとることが好ましい。また、マイクロレンズ103の大きさ、厚さ、焦点距離等は、使用されるLED102の波長、使用される光硬化性樹脂の屈折率等により適宜決定される。
【0023】
なお、本実施の形態では、発光素子アレイチップ100として自己走査型発光素子アレイを使用するのが好ましい。自己走査型発光素子アレイは、発光素子アレイの構成要素としてpnpn構造を持つ発光サイリスタを用い、発光素子の自己走査が実現できるように構成したものであり、特開平1−238962号公報、特開平2−14584号公報、特開平2−92650号公報、特開平2−92651号公報に開示されている。また、特開平2−263668号公報には、転送素子アレイを転送部として、発光部である発光素子アレイと分離した構造の自己走査型発光素子アレイが開示されている。
【0024】
図5は、分離タイブの自己走査型発光素子アレイの等価回路図である。この自己走査
型発光素子アレイは、転送用サイリスタT1,T2,T3,…、書込み用発光サイリスタL1,L2,L3,…からなる。転送部の構成は、ダイオード接続を用いている。VGKは電源(通常5V)であり、電源ライン72から各負荷抵抗RLを経て各転送用サイリスタのゲート電極G1,G2,G3,…に接続されている。また、転送用サイリスタのゲート電極G1,G2,G3,…は、書込み用発光サイリスタのゲート電極にも接続される。転送用サイリスタT1のゲート電極にはスタートパルスφSが加えられ、転送用サイリスタのアノード電極には、交互に転送用クロックパルスφ1,φ2が加えられる。これらクロックパルスφ1,φ2は、クロックパルスライン74,76を経て供給される。書込み用発光サイリスタのアノード電極には、信号ライン78を経て、書込み信号φIが加えられている。
【0025】
次に動作を簡単に説明する。まず転送用クロックパルスφ1の電圧がハイレベルで転送用サイリスタT2がオン状態であるとする。このとき、ゲート電極G2の電位はVGKの5Vからほぼ0Vにまで低下する。この電位降下の影響はダイオードD2によってゲート電極G3に伝えられ、その電位を約1V(ダイオードD2の順方向立上り電圧(拡散電位に等しい))に設定する。しかし、ダイオードD1は逆バイアス状態であるためゲート電極G1への電位の接続は行われず、ゲート電極G1の電位は5Vのままとなる。書込み用発光サイリスタのオン電位は、ゲート電極電位+pn接合の拡散電位(約1V)で近似されるから、次の転送用クロックパルスφ2のHレベル電圧は約2V(転送用サイリスタT3をオンさせるために必要な電圧)以上でありかつ約4V(転送用サイリスタT4をオンさせるために必要な電圧)以下に設定しておけば転送用サイリスタT3のみがオンし、これ以外の転送用サイリスタはオフのままにすることができる。従って2本の転送用クロックパルスでオン状態が転送されることになる。
【0026】
スタートパルスφSは、このような転送動作を開始させるためのパルスであり、スタートパルスφSをLレベル(約0V)にすると同時に転送用クロックパルスφ2をHレベル(約2〜約4V)とし、転送用サイリスタT1をオンさせる。その後すぐ、スタートパルスφSはHレベルに戻される。
【0027】
いま、転送用サイリスタT2がオン状態にあるとすると、ゲート電極G2の電位は、VGK(ここでは5Vと想定する)より低下し、ほぼ0Vとなる。したがって、書込み信号φIの電圧が、pn接合の拡散電位(約1V)以上であれば、書込み用発光サイリスタL2を発光状態とすることができる。
【0028】
これに対し、ゲート電極G1は約5Vであり、ゲート電極G3は約1Vとなる。したがって、書込み用発光サイリスタL1の書込み電圧は約6V、書込み用発光サイリスタL3の書込み電圧は約2Vとなる。これから、書込み用発光サイリスタL2のみに書き込める書込み信号φIの電圧は、1〜2Vの範囲となる。書込み用発光サイリスタL2がオン、すなわち発光状態に入ると、発光強度は書込み信号φIに流す電流量で決められ、任意の強度にて画像書込みが可能となる。また、発光状態を次の書込み用発光サイリスタに転送するためには、書込み信号φIラインの電圧を一度0Vまでおとし、発光している書込み用発光サイリスタをいったんオフにしておく必要がある。
【0029】
次にマイクロレンズ103を形成する方法について説明するが、まず、従来の方法について説明を行う。
図6(a)〜(e)および図7(a)〜(e)は、LED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を製造する工程の従来の例について説明した図である。
この工程は、大きく分けてマイクロレンズ103を形成するためのマイクロレンズ成形型200を作成する工程(図6(a)〜(e))と、そのマイクロレンズ成形型200を使用して、実際にLED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を作成する工程(図7(a)〜(e))とからなる。
【0030】
最初にマイクロレンズ成形型200を作成する工程について説明を行う。
まず石英ガラスからなる基板201にクロム膜202を形成する。このクロム膜202は、蒸着等の方法で成膜することができ、厚さは0.2μm〜1μm程度とするのが好ましい(図6(a))。
【0031】
次に、クロム膜202に開口部203を設ける(図6(b))。この開口部203の中央部の間隔は、マイクロレンズ103(図4参照)の中央部の間隔と同一であり、例えば約42.3μmとすることができる。開口部203を設けるには、フォトリソグラフィ法により行うことができる。即ち、開口部203に対応したレジスト層を形成させ、このレジスト層をマスクとして、ドライエッチングやウェットエッチングによりクロム層202の開口部203に相当する部分を除去する。ドライエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチング法が利用でき、またウェットエッチングとしては、希塩酸や希硫酸への浸漬を行う方法などが利用できる。そして、残ったレジスト層をレジスト除去液等を利用することにより除去すると開口部203が形成される。
【0032】
次に、基板201のウェットエッチングを行う。エッチング液としては、フッ酸水溶液等が使用できる。このときクロム膜202は、マスクとして機能し、開口部203の部分が等方的にエッチングされる。その結果、石英ガラスの基板201に略半球形状の孔部204が形成される(図6(c))。この略半球形状の孔部204の形状は、マイクロレンズ103の転写形状である。
【0033】
次に、クロム膜202を部分的に除去する(図6(d))。クロム膜202の除去には、上記の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチング法等のドライエッチング法や、希塩酸や希硫酸への浸漬を行うウェットエッチング法が利用できるが、例えば粘着テープを貼りつけ、それを剥ぎ取る方法でも除去可能である。
そして、マイクロレンズ103を形成する際にマイクロレンズ成形型200との離型性をよりよくするため、離型処理をし、マイクロレンズ103を形成する際にマイクロレンズ成形型200を所定の位置に規定するためのスペーサ205を形成する(図6(e))。
この離型処理は、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂等をコーティングすることで離型膜206を形成させるような方法により行うことができる。また、スペーサ205は、プラスチック等からなる10μm前後の粒径を有する球状のビーズを1層塗布することにより形成させることができる。
以上のような一連の工程によりマイクロレンズ成形型200が作成できる。
【0034】
次に上記のようにして作成したマイクロレンズ成形型200を使用し、LED102にマイクロレンズ103を作成する工程について説明を行う。
まず、LED102を形成した発光素子アレイチップ301に紫外線(UV:Ultra Violet)により硬化する光硬化性樹脂302を滴下する(図7(a))。またこの際に、スピンコート等を行うことにより光硬化性樹脂302が発光素子アレイチップ301上で均一になるようにしてもよい。使用される光硬化性樹脂としては、LED102から出射された光を透過するものであれば、特に限定されるものではないが、一般的なエポキシ系の光硬化性樹脂やアクリル系の光硬化性樹脂が使用できる。
【0035】
次に、マイクロレンズ成形型200を発光素子アレイチップ301に押付けることにより光硬化性樹脂302を展開させ、水平方向および高さ方向に対し、微少位置合せを行う(図7(b))。このとき、光硬化性樹脂302は、マイクロレンズ成形型200に形成された孔部204に侵入し、マイクロレンズ103の形状となる。
高さ方向の位置合せは、マイクロレンズ成形型200を発光素子アレイチップ301に所定の圧力で押圧を行い、発光素子アレイチップ301とスペーサ205とを接触させることにより行う。マイクロレンズ成形型200の高さ方向の位置は、スペーサ205により規定され、光硬化性樹脂302の厚さを全体で均一にすることができる。また、水平方向への位置合せは、図示しない所定のマーカに位置合せをする方法で行うことができる。
【0036】
マイクロレンズ成形型200の位置合せの完了後、紫外線を照射し、光硬化性樹脂302を硬化させる。このときクロム膜202が遮光膜としての機能を果たし、必要な部分のみを選択的に硬化させる(図7(c))。
光硬化性樹脂302の硬化後、マイクロレンズ成形型200を離型させる(図7(d))。そして、硬化させなかった光硬化性樹脂302を洗浄により除去すると、LED102上に硬化した光硬化性樹脂302よりなるマイクロレンズ103が形成された発光素子アレイチップ100が製造できる(図7(e))。
【0037】
上記製造方法によれば、図7(c)において、光硬化性樹脂302を選択的に硬化させる際、クロム膜202により光の照射部分を選択し、硬化範囲を選択している。しかしながら、高さ制御方法として用いられているスペーサ205として球状のビーズを用いる場合、光硬化性樹脂302が展開する領域が細部まで制御できず、クロム膜202の外からの光がクロム膜202の下部にある光硬化性樹脂302と反応し、目的として硬化させる部分以外の部分で光硬化性樹脂の硬化が進むという問題がある。即ち、スペーサ205として球状のビーズを塗布して使用する方法では、図7(b)で示したように、光硬化性樹脂302が、クロム膜202の下側にも入り込む。そして、図7(c)で示したように、光硬化性樹脂302を硬化させるために紫外線を照射した際に、紫外線がスペーサ205を構成する球状のビーズ間の隙間を通し、クロム膜202の下側にも回り込む。その結果、図7(d)〜(e)で示したように本来光硬化性樹脂302を硬化させたくない部分についても光硬化性樹脂302の硬化が生じ、余分なはみ出し部303が形成されることになる。
また、微細な形状のスペーサ205が設計できない事から、スペーサ205の厚さにばらつきが生じ、そのためマイクロレンズ103を均一な厚さで作成できないという問題もある。
【0038】
そこで、本実施の形態では、スペーサ205として、金属薄膜を用いたものを使用している。
図8は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第1の例を説明した図である。
図8に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205aを設けた例である。この金属は、例えば、クロムであり、スパッタ、メッキ等の方法により成膜が可能である。また、膜厚は、スパッタやメッキを行う時間等により精度良く制御することができる。
このように金属薄膜によるスペーサ205aを設けることで、前述した図7(b)において生じた光硬化性樹脂302の入り込みを抑制し、光硬化性樹脂302が展開する領域を細部まで制御できることができる。即ち、スパッタやメッキを行い、スペーサ205aを形成するときに、精度良くその位置を決定することができ、光硬化性樹脂302が所定の位置からはみ出しにくくなる。
【0039】
図9(a)〜(e)は、図8に示したマイクロレンズ成形型200を用いて、LED102にマイクロレンズ103を形成し、発光素子アレイチップ100を製造する工程を説明した図である。
図9(a)〜(e)に示した工程は、図7(a)〜(e)に示した工程にそれぞれ対応し、行う作業も同様のことを行う。但し、スペーサとして金属薄膜によるスペーサ205aを用いたマイクロレンズ成形型200を使用しているため、図9(b)において、図7(b)に示したような、クロム膜202の下への光硬化性樹脂302の入り込みは生じにくい。また、スペーサ205aは金属薄膜により構成されているので、図9(c)において、ビーズを使用した際に生じるビーズ間の隙間を通した紫外線の回り込みも生じにくい。よって光硬化性樹脂302を本来硬化させたい部分について選択的に硬化させやすく、図9(d)〜(e)に示したように、図7(d)〜(e)に生じたはみ出し部303も形成されにくい。
【0040】
図10(a)〜(b)は、図8に示したマイクロレンズ成形型200を使用して、マイクロレンズ103を形成した発光素子アレイチップ100の例を説明した図である。
図10(a)は、発光素子アレイチップ100をLED102の光が出射する方向から見た図である。また図10(b)は、図10(a)のB−B断面図である。
図10(a)〜(b)に示した発光素子アレイチップ100において、矩形状の発光アレイチップ100の両端には、前述の通りボンディングパッド101が配置されており、両端のボンディングパッド101にはさまれた領域にはLED102が配置されている。そして、その領域全域に硬化させた光硬化性樹脂302を被覆しマイクロレンズ103を形成している。この際に、ボンディングパッド101の部分には光硬化性樹脂302は被覆されないことが好ましい。図8に示したマイクロレンズ成形型200を使用することで、このボンディングパッド101に光硬化性樹脂302がはみ出し硬化するのを抑制しやすくなる。
【0041】
図11は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第2の例を説明した図である。
図11に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205bを設けている。またマイクロレンズ成形型200の孔部204が設けられている長辺側とは逆側の長辺側にスペーサ205cを設けている。スペーサ205bの他にスペーサ205cを設けることで、前述の図7(b)においてマイクロレンズ103を成形する際にマイクロレンズ成形型200が自重や押圧により変形するのを抑制することが可能である。
また、スペーサ205bは、図8で示したスペーサ205aに対しその大きさを小さくしている。スパッタ、メッキ等の方法で成膜できる金属薄膜をスペーサとして使用することで、その位置や大きさに対し自由な設計が可能であるので、微細な形状のスペーサを設計できる。そのためLED102(図4参照)の占有面積を大きくすることができる発光素子アレイチップ100を製造することができる。また、このような微細な形状のスペーサは、厚さのばらつきが小さくなる。そのためマイクロレンズ103を成形する際にもその厚さのばらつきが生じにくくなる。よって、マイクロレンズ103の焦点距離等の特性も一様にそろうことになる。
【0042】
図12は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第3の例を説明した図である。
図12に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ金属薄膜によるスペーサ205dを設けた例である。
図8に示したスペーサ205aに比べ、スペーサ205dは、2分割されている。またその大きさは、スペーサ205aに比べ、小さくしている。このような形状のスペーサ205dを採用することで、スペーサ205dを配置する位置がより自由になり、マイクロレンズ103の設計の自由度をより高くすることができる。
【0043】
図13は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第4の例を説明した図である。
図13に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ凹部である溝207を設け、そこにスペーサ205eを形成させた例である。
このような構造を採ることで、例えば、設計上マイクロレンズ103の厚さを非常に薄くしなければならず、よってスペーサを薄くしなければならないものの、そのように薄くスペーサを形成しにくいような場合に有効である。つまり、凹部を設けることにより、その分だけ薄くスペーサを形成できることになる。
【0044】
図14は、本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第5の例を説明した図である。
矩形形状のマイクロレンズ成形型200の2つの短辺側にそれぞれ凹部である溝207を設け、そこにスペーサ205eを形成させるという点では図13と同様の構成であるが、それに加え、図14に示したマイクロレンズ成形型200は、矩形形状のマイクロレンズ成形型200の孔部204が設けられている長辺側とは逆側の長辺側にも溝207を設け、スペーサ205fを設けている。このようにすることで前述の図7(b)においてマイクロレンズ成形型200が自重や押圧により変形するのを抑制しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】本実施の形態が適用される発光素子ヘッドの構成を示した図である。
【図3】発光素子アレイの構造を説明した概略図である。
【図4】発光素子アレイチップの構造を説明した図である。
【図5】分離タイブの自己走査型発光素子アレイの等価回路図である。
【図6】マイクロレンズを形成するためのマイクロレンズ成形型を作成する工程を説明した図である。
【図7】マイクロレンズ成形型を使用して、マイクロレンズを形成し、発光素子アレイチップを製造する工程の従来の例について説明した図である。
【図8】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第1の例を説明した図である。
【図9】図8に示したマイクロレンズ成形型を用いて、LEDにマイクロレンズを形成し、発光素子アレイチップを製造する工程を説明した図である。
【図10】図8に示したマイクロレンズ成形型を使用して、マイクロレンズを形成した発光素子アレイチップの例を説明した図である。
【図11】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第2の例を説明した図である。
【図12】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第3の例を説明した図である。
【図13】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第4の例を説明した図である。
【図14】本実施の形態が適用されるマイクロレンズ成形型の第5の例を説明した図である。
【符号の説明】
【0046】
1…画像形成装置、11K,11C,11M,11Y…画像形成ユニット、14…発光素子ヘッド、23…転写ロール、24…定着器、51…発光素子アレイ、53…セルフォックレンズアレイ、100…発光素子アレイチップ、101…ボンディングパッド、102…LED、103…マイクロレンズ、200…マイクロレンズ成形型、201…基板、204…孔部、205…スペーサ、302…光硬化性樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、当該基板の表面に形成されマイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、
前記スペーサ部により前記マイクロレンズの厚さを規定し、
前記透明樹脂を硬化させることで、発光素子に前記マイクロレンズを形成することを特徴とする発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項2】
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記孔部は、前記矩形の長辺に沿って直線状に配列し、
前記スペーサ部は、直線状に配列する前記孔部の端部であって、前記矩形の短辺側に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項3】
前記孔部は、前記矩形の一方の長辺側に配列し、
前記スペーサ部は、前記矩形の他方の長辺側に更に配されることを特徴とする請求項2に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項4】
前記スペーサ部は、複数の領域に分割して配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項5】
前記基板は、前記孔部の外周領域に更に凹部を有し、
前記スペーサ部は、前記凹部に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項6】
前記透明樹脂は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項7】
前記発光素子アレイチップは、自己走査型発光素子アレイチップであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項8】
基板と、
前記基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、
前記孔部の外周領域に形成され、前記マイクロレンズの厚さを規定する金属薄膜からなるスペーサ部と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ成形型。
【請求項9】
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記スペーサ部は、前記矩形の短辺側に沿って配されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロレンズ成形型。
【請求項10】
発光素子アレイチップを主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイと、
前記発光素子アレイの光出力を結像させる光学素子と、を有し、
前記発光素子アレイチップは、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで形成したマイクロレンズを有する発光素子を備えることを特徴とする発光素子ヘッド。
【請求項11】
トナー像を形成させるトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで、発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
基板と、当該基板の表面に形成されマイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、
前記スペーサ部により前記マイクロレンズの厚さを規定し、
前記透明樹脂を硬化させることで、発光素子に前記マイクロレンズを形成することを特徴とする発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項2】
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記孔部は、前記矩形の長辺に沿って直線状に配列し、
前記スペーサ部は、直線状に配列する前記孔部の端部であって、前記矩形の短辺側に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項3】
前記孔部は、前記矩形の一方の長辺側に配列し、
前記スペーサ部は、前記矩形の他方の長辺側に更に配されることを特徴とする請求項2に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項4】
前記スペーサ部は、複数の領域に分割して配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項5】
前記基板は、前記孔部の外周領域に更に凹部を有し、
前記スペーサ部は、前記凹部に配されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項6】
前記透明樹脂は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項7】
前記発光素子アレイチップは、自己走査型発光素子アレイチップであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイチップの製造方法。
【請求項8】
基板と、
前記基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、
前記孔部の外周領域に形成され、前記マイクロレンズの厚さを規定する金属薄膜からなるスペーサ部と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ成形型。
【請求項9】
前記マイクロレンズ成形型は矩形形状をなし、
前記スペーサ部は、前記矩形の短辺側に沿って配されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロレンズ成形型。
【請求項10】
発光素子アレイチップを主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイと、
前記発光素子アレイの光出力を結像させる光学素子と、を有し、
前記発光素子アレイチップは、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで形成したマイクロレンズを有する発光素子を備えることを特徴とする発光素子ヘッド。
【請求項11】
トナー像を形成させるトナー像形成手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を有し、
前記トナー像形成手段は、
基板と、当該基板の表面に形成され、マイクロレンズの形状の転写形状を有する複数の孔部と、当該孔部の外周領域に形成され金属薄膜からなるスペーサ部とを有するマイクロレンズ成形型を透明樹脂に押圧し、当該スペーサ部により当該マイクロレンズの厚さを規定し、当該透明樹脂を硬化させることで、発光素子にマイクロレンズを形成した発光素子ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−194253(P2009−194253A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35187(P2008−35187)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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